説明

印刷システム、情報処理装置

【課題】 USB Mass Storage Classに対応したプリンタで、メモリカードのファイルをPC上のハードディスクへ転送保存する場合に、保存状況の確認および保存結果の確認をPCの表示装置およびプリンタの液晶表示装置の双方で行う。
【解決手段】 ホストコンピュータはプリンタに備える操作パネルに配置される所定ボタンの指示毎に、前記プリンタから前記ホストコンピュータに転送されるイベントを検知する第1の検知ステップとを備え、プリンタは、前記ホストコンピュータから前記プリンタへ転送されるイベントを検知する第2の検知ステップと、前記第2の検知ステップにより検知されるイベントに応じて、前記保存中の状態を前記プリンタに備える操作パネルに配置される液晶表示装置にリアルタイムで反映させる保存状態表示および該保存状態表示の更新表示を制御する第2の保存状態表示ステップとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに情報をリアルタイムに送受する通信インターフェースをそれぞれ備えるプリンタとホストコンピュータについて、デジタル静止画像を記録した記録メディアを挿入可能なカードスロットと、ユーザからの指示を受け取るための操作パネル、ホストコンピュータとの情報を送受する通信インターフェースとを有するプリンタについて、プリンタの記憶メディア上の画像データをホストコンピュータへ保存するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のプリンタ等の情報機器では、メモリカード等の記録メディアを挿入するためのカードスロットを備え、更にユーザからの指示を受け取るための各種ボタンと画像の表示や各種設定メニューを表示するための液晶表示装置とからなる操作パネルを備えるものがある(特許文献1参照)。
【0003】
このようなプリンタは、前記メモリカードに記録されているデジタル画像を前記液晶表示装置に表示し、表示を見ながら操作パネルを用いて設定、印刷を行えるものがある。
【0004】
さらにこのプリンタとホストコンピュータ(以下PCと略す)とをUniversal Serial Bus(以下USBと略す)等の通信インターフェースで接続する場合、プリンタのメモリカードをリムーバブルストレージデバイスとして扱うことができるものがある。
【0005】
例えばプリンタとPCとをUSBで接続する場合は、プリンタとPCとがそれぞれ、USB Mass Storage Class仕様に準じた通信規約に対応することで、PC上のソフトウェアからプリンタのメモリカードのデータに、リムーバブルドライブのファイルとしてアクセスすることが可能である。
【0006】
またこのようなUSB Mass Storage Classに対応したプリンタとPCとをUSBで接続する場合、前記メモリカードに記録されたファイルをPCの備えるハードディスク等の記憶装置に転送保存するための操作部を操作パネルに備えるものがある。
【0007】
このようなプリンタではデータの転送元であるプリンタの操作パネルに転送保存のための操作部(以降Saveボタンと呼ぶ)を備えるため、転送保存状況はプリンタの液晶表示装置で確認できることが望ましい。
【特許文献1】特開2003-246119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のUSB Mass Storage Class仕様に対応したプリンタでは、メモリカードのファイルをPC上のハードディスクへ転送保存する機能を備える場合、保存状況の確認および保存結果の確認はPCの表示装置で行うことはできるが、プリンタの液晶表示装置ではこれらの確認が行えないといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、メモリカードを挿入するためのカードスロットを備え、更にユーザからの指示を受け取るための各種ボタンと画像の表示や各種設定メニューを表示するための液晶表示装置とからなる操作パネルを備えるプリンタがホストコンピュータとUSBインターフェースで接続された情報システムにおいて、メモリカードを備えた情報機器の操作パネルの所定の操作によりPC上のハードディスクへの画像の保存処理の開始、中止を行う。
【0010】
また保存中は保存中の画像データのサムネイル画像、ファイル名、保存の進捗状況、また保存完了時の成・否、エラー通知をPC上のアプリケーションとプリンタの液晶表示装置の双方に表示する。
【0011】
これにより、PCの表示装置およびプリンタの液晶表示装置のいずれからも保存処理の状態が正しく確認することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の印刷システムは、互いに情報をリアルタイムに送受する通信インターフェースをそれぞれ備えるプリンタとホストコンピュータとが通信可能に接続される印刷システムであって、前記ホストコンピュータは、前記プリンタに備える操作パネルに配置される所定ボタンの指示毎に、前記プリンタから前記ホストコンピュータに転送されるイベントを検知する第1の検知ステップと、前記第1の検知ステップにより検知されるイベントに応じて、前記プリンタに装着されるメモリカードから読み出される画像データを取得して、前記ホストコンピュータの記録装置に保存する保存ステップと、保存中の状態を前記ホストコンピュータの表示装置にリアルタイムで反映される保存状態表示および該保存状態表示の更新表示を制御する保存状態更新ステップとを有し、前記プリンタは、前記ホストコンピュータから前記プリンタへ転送されるイベントを検知する第2の検知ステップと、前記第2の検知ステップにより検知されるイベントに応じて、前記保存中の状態を前記プリンタに備える操作パネルに配置される液晶表示装置にリアルタイムで反映させる保存状態表示および該保存状態表示の更新表示を制御する第2の保存状態表示ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
更に前記プリンタは、USB Mass Storage Classデバイス、USB HID Class Device、USB Printer Class DeviceのUSB Composit Deviceであること特徴とする印刷システム。
【発明の効果】
【0014】
本発明の印刷システムによれば、メモリカードを備えたプリンタの操作パネルの所定ボタンの操作により、メモリカードに記録された画像データをPC上のハードディスクへ転送保存する印刷システムにおいて、画像保存中は保存中の画像データのサムネイル画像、ファイル名、保存の進捗状況、また保存完了時の成・否およびエラー通知をPCの表示装置およびプリンタの液晶表示装置の双方に表示する。
【0015】
これにより、PCの表示装置およびプリンタの液晶表示装置のいずれからも保存処理の状態および処理結果が正しく確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2は、本発明の一実施形態を示す印刷システムの一例を示す図であり、情報処理装置(PC;表示装置201,コントローラ202,入力デバイス203等を含む)200とデジタルカメラ等に装着されるメモリデバイス(メモリカード)に記憶された所定の規格の画像データを読み出して表示する機能を備えたインクジェットプリンタ(プリンタ204)が例えばUSBインターフェース208で接続されている例に対応する。
【0017】
図2に示すプリンタ204において、205はカードスロットで、図示しないデジタルカメラに装着されるメモリデバイスが挿入される。206は操作パネルで、各種操作キーが配設され、液晶パネル207に表示される印刷設定メニューを指示することにより、印刷書式を設定可能に構成されている。
【0018】
上記プリンタ204は、デジタルカメラで撮影した画像データの記録されたメモリカードをカードスロット205に挿入した場合に、操作パネル206で印刷設定を行い、メモリカード上の画像データを印刷することが可能であり、PCを用いずともプリンタ単体で画像データを指定した用紙、レイアウト、品位等で印刷することができる。
【0019】
また本実施形態の印刷システムは、操作パネル206にはSaveボタン209を配し、Saveボタン209が押下された場合は、プリンタ204のメモリカード上の画像データをPC200のハードディスクに転送保存することができ、さらに保存中の画像のサムネイル表示、保存の進捗状況、保存完了時の保存処理の成/否およびエラー発生時のエラー内容をPC200の表示装置201とプリンタ204の液晶表示装置207の双方に表示する。
【0020】
以上のように、本実施形態の印刷システムは、上記Saveボタン209の操作によってメモリカード上の画像データをPC上のハードディスクに保存することが可能となり、さらに保存中および保存完了時に保存状況をPCの表示装置とプリンタの液晶表示装置の双方に表示し、データの転送元であるプリンタと転送先であるPCのいずれの表示でも確認することが可能となる。
【0021】
以下、本実施形態の印刷システムの詳細について説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態を示す印刷システムにおける構成を説明するブロック図であり、プリンタ111(図2に示したプリンタ204に相当)およびPC101(図2に示したPC200に相当)の基本的な構成例に相当する。
【0023】
図1において、PC101は、データや命令を演算、判断、制御する中央演算処理装置(CPU)102、とオペレーティングシステム(以下OSと略す)やその他の制御プログラムを格納するRAM103,ROM104やハードディスク105等の記憶装置と、たとえばUSB、SCSIや無線等のプリンタとのデータ通信を行うための通信インターフェース106とユーザインターフェースとして用いるキーボード107やマウス108の入力装置と、グラフィックコントローラとCRTや液晶ディスプレイからなる表示装置109と、システムバス110とにより構成される。
【0024】
プリンタ111は、データや命令を演算、判断、制御する中央演算処理装置(CPU)112と、各種データの一時記憶領域およびプリントバッファとして用いるためのRAM114と、オペレーティングシステムやその他の制御プログラムの読み出し専用記憶領域であるROM115と、プリンタエンジン情報等の記憶領域として用いる不揮発性メモリ(EEPROM)116と、PC101との双方向通信を行うための通信インターフェース113と、メモリカードからデータを読み出すためのメモリカードコントローラ117と、電源投入、リセット、各種印刷設定、および印刷開始、印刷中止、保存開始、保存中止等に用いる各種ボタンやスイッチ、LED、液晶パネルから構成される操作パネル119および操作パネルコントローラ118と、画像処理用ASIC等から構成されるコントローラ119と、LFモータ、キャリッジモータ、プリントヘッドや各種センサーを含むプリンタエンジン121とから構成される。
【0025】
本実施形態の印刷システムではPC−プリンタ間の通信を、Universal Serial Bus(以下USBと略す)を用いた場合の例について説明する。
【0026】
特に、本実施形態の印刷システムのUSBインターフェースはUSBのデータ転送方式のうち、USB制御コマンドの送受に使用するコントロール転送方式、大容量データ転送に適したバルク転送方式、マウス等のユーザインターフェース通信に適したインタラプト転送方式の3つのデータ転送方式に対応している。画像データ、印刷データのデータ転送ではバルク転送方式を用い、操作パネルの操作のデータ転送ではインタラプト転送を用いる。
【0027】
これらの転送方式を用いて、PC、プリンタの双方がUSB Printer Class、USB Mass Storage Class, USB HID Classの3つのプロトコルに準拠した通信インターフェースを備える。
【0028】
USB Printer Classは、PCからの印刷のための通信プロトコルを規定し、USB Mass Storage Classは、PCからカードスロットのメモリカードのデータにアクセスするための通信プロトコルを規定する。USB HID Class(USB Human Interface Deviece Class)は一般的にはマウスやキーボードに用いられる通信プロトコルであるが、本実施例では操作パネルの操作のプリンタからPCへの通知、およびPCからプリンタへの保存状況通知のための通信プロトコルとして用いる。
【0029】
図3は、図2に示した印刷システムにおけるデータ処理構成を示すブロック図であり、プリンタ111およびPC101の基本的な構成例に対応する。
【0030】
図3において301は、PC101のハードディスク105に記憶され、所定の段階で一時記憶領域であるRAM103にロードされCPU102により実行される制御プログラムのデータ処理構成を示す。
【0031】
図3において保存アプリケーション302はプリンタの操作パネルのSaveボタン押下により、プリンタから通知される保存開始要求HIDイベントによりHIDサービスプログラム309から起動される。
【0032】
保存アプリケーション302は起動後、プリンタのカードスロットに挿入されているメモリカード上の画像データをPCのハードディスク上への保存処理を行う。
【0033】
実際の保存処理が開始したとき保存開始HIDイベントをプリンタへ送信する。
【0034】
保存処理中は、保存中のファイル情報および進捗情報を通知するための保存ファイル情報HIDイベント、進捗状況HIDイベントをプリンタ送信する。これは、送信対象であった各画像がPCのハードディスク105等の記憶装置に記憶されるごとに送られるイベントである。よって、プリンタ側の表示部では、画像が確実に送られたことに応じて、進捗が更新されることになり、送信途中で送信が中断してしまった画像について、送信済みと判断しないように考慮されている。
【0035】
なお、このイベントを受信したプリンタは、もし次に送信すべき画像がある場合には、表示部には、送信すべき複数の画像のうち、どれくらいの画像を送信したかを示す進捗とともに、次に送信すべき画像と、その画像のファイル名を表示する。
【0036】
これにより、送信途中の画像を確認できるとともに、スライドショーのように画像確認を楽しむことが出来る。
【0037】
また保存処理が完了すると、保存処理の成否を通知するための保存終了HIDイベントをプリンタに送信後、処理を終了する。
【0038】
図4は保存アプリケーション302が画像データの保存中にPC200の表示装置201に表示するウインドウ表示の一例である。
【0039】
図4で401は転送中の画像データのサムネイル画像であり、通常、メモリカードに記録されている画像ファイルのヘッダー部分に画像イメージの縮小された画像データが格納されている。保存アプリケーション302は、前記画像ファイルのヘッダー部分のみをプリンタのメモリカードから読み出し、ヘッダーからサムネイル画像を抽出し表示装置へ表示する。
【0040】
図4の402は、現在転送中の画像データのファイル名を示す文字列を表示している。
【0041】
図4の303は、転送中の画像データの保存先フォルダ名を示す文字列を表示している。
【0042】
図4の404は、保存処理の進捗状況を示すプログレスバーを表示している。
【0043】
404に表示するプログレスバーは、下式で計算する。
【0044】
転送済みファイルサイズ÷保存対象の全ファイルの総ファイルサイズ
×100(%)
なお、この式に限らず、転送し画像数÷送信すべき画像の全数×100(%)としてもよい。
【0045】
図4の405は全ファイル保存モード、指定画像保存モードの2モードからなる保存モードを表示している。
【0046】
全ファイル保存は、プリンタのメモリカードに記録されている全ファイルをPC上のハードディスクへ転送保存する。
【0047】
指定画像保存モードは、特定のファイル属性でフィルタリングされたファイルのみを保存するモードであり、フィルター種別としては下記が用意されている。
【0048】
1)デジタルスチルカメラで撮影された画像の撮影日時でフィルタリング
2)デジタルスチルカメラで撮影された画像の撮影条件でフィルタリング
保存モードおよびフィルター種別はプリンタの操作パネルで選択可能である。
【0049】
上記フィルター種別は、一例でありその他の種別を用意することもできる。
【0050】
図3においてファイルシステム304は、メモリカードやハードディスクに記録されたデータを仮想的なデータ列の単位であるファイルとして分割管理し、保存アプリケーション302からのファイル単位の読み出しや書き込み処理を、物理的な位置情報を指定したデータの読み出しや書き込みコマンドに変換し、USB Mass Storage Classドライバ405や図示しないハードディスクドライバに対して前記コマンドを送信する。
【0051】
図3においてUSB Mass Storage Classドライバ305は、SCSIコマンドをUSB Mass Storage Class仕様の規約で定義されるCommand Block Wrapper(CBW)のデータ構造に従った制御コマンド、入/出力データ、Command Status Wrapper(CSW)のデータ構造に従ったステータスコマンドに変換し、USBハブドライバ306、USBホストコントローラ307等の下位ドライバを経由して、プリンタとで送受する。
【0052】
USB Mass Storage Classドライバは、PCの通信インターフェースへUSB Mass Storage Classデバイスであるプリンタが接続したことをオペレーティングシステム303が検地したときオペレーティングシステムにより起動される。
【0053】
図3においてUSB HID Classドライバ308は、一般的にはマウスやキーボードに用いられるUSBのHID(Human Interface Device)クラスデバイスに対応したものであり、HIDイベントパーサを含み、プリンタで発生するSaveボタンイベントが遅延なくHIDサービスプログラム309に通知され、操作パネルの操作がPC上の保存アプリケーション302の動作にリアルタイムに反映される。
【0054】
また、USB HID Class ドライバ308は、保存アプリケーションが保存状況をプリンタへ通知するためにも用いる。
【0055】
HIDサービスプログラム309は、常駐型の制御プログラムであり、システムの起動とともに起動され、USB HID Classドライバ発行する非同期のHIDイベントを監視する。
【0056】
USB Mass Storage Class ドライバ305、USBHIDClassドライバ308、USBHubドライバ306、USBホストコントローラ307は、オペレーションシステム303に組み込まれている場合が一般的である。
【0057】
続いてプリンタ111上動作する制御プログラムおよび制御回路によるデータ処理構成について図3を用いて説明する。
【0058】
図3において、USBコントローラ部311は、USB仕様に対応した通信インターフェース回路およびデータリンク層の制御プログラムを含み、PC101からのコントロール転送に含まれるコマンドの検出、バルク転送に応じたデータ変換およびインタラプト転送に応じた非同期データの送受信を制御するインターフェースである。
【0059】
図3においてUSBストレージコントローラ部312は、USB Mass Storage Classコマンドおよびデータを処理する制御プログラムである。
【0060】
USBストレージコントローラ部312は、USB Mass Storage ClassコマンドをSCSI制御コマンドに変換し、SCSIコマンドに従ってメモリカードからのデータの読み出し、データの書き込み、メモリカードの情報要求、メモリカードの電源供給制御要求等をメモリカードコントローラ部313に通知する。
【0061】
図3においてメモリカードコントローラ部313は、前述したUSBストレージコントローラ部312の要求にしたがって、カードスロットに挿入されたメモリカードからのデータの読み出しやメモリカードへのデータの書き込みを含む、メモリカードの各種制御およびデータ転送を行うための制御プログラムおよび制御回路である。
【0062】
図3において操作パネルコントローラ部314は、ボタン/スイッチ、LED及び液晶表示装置で構成される操作パネルを制御する制御プログラムおよび制御回路であり、図1の118に対応する。
【0063】
特に操作パネルコントローラ部315は、Saveボタンの押下を検地すると、USB HID
コントローラ部を介してPCへ保存開始要求HIDイベントを送信する。
【0064】
さらに操作パネルコントローラ部315は、PCから送信される保存ファイル情報HIDイベントおよび保存進捗状況HIDイベントを受信し、保存中のファイルのサムネイル画像、保存処理の進捗状況を液晶パネルに表示する。
【0065】
図5は、プリンタの液晶パネルに表示する保存の進捗状況表示の一例を示す。
【0066】
図5で、501は保存中の画像ファイルのサムネイル画像である。
【0067】
図5で、503は保存進捗状況を示すプログレスバーである。
【0068】
また、操作パネルコントローラ部315は、PCからの保存終了HIDイベントを受信により、液晶パネルの表示を更新する。
【0069】
保存終了HIDイベントは、保存処理の成否およびエラー情報を含み、操作パネルコントローラ部315は、保存処理の成否情報を液晶表示装置に表示する。
【0070】
また図4には、図示しないが印刷処理のためのUSB Printer コントローラ部、プリンタコントローラ部等の制御プログラムおよび制御回路をプリンタのデータ構成に含まれる。
【0071】
HIDクラスデバイスとホスト間はHIDコントロールイベント(HIDイベント)の送受によりリアルタイムに非同期のデータ通信を行う。
【0072】
下表にPC−プリンタ間で送受されるHIDコントロールイベントの例を示す。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

HIDデバイスからホストへのHIDコントロールイベント発行は、HID Input Reportデータをインタラプト転送で非同期に送信することで実施され、またホストからHIDデバイスへのHIDコントロールイベント発行は、HID Output Reportデータを送信することで実施される。
【0075】
図6は、プリンタからPCへ非同期に送信されるHID Input Reportのデータビットレイアウトの一例を示す図である。
【0076】
図6でReport IDは、HID Reportを識別するためのIDである。
【0077】
図6で、Save Buttonは、保存開始要求HIDイベントである。
【0078】
図6で、Save Cancelは、保存中止要求HIDイベントである。
【0079】
図6で、Save Modeは、保存開始要求HIDイベントのパラメータであり、全ファイル保存モード、指定ファイル保存モードどちらかを示すフラグである。
【0080】
図6で、Filter Typeは、指定ファイル保存モード時のフィルタ種別を示すパラメータである。
【0081】
図6で、PadはPaddingである。
【0082】
図7は、PCからプリンタへ送信されるHID Output Reportのデータビットレイアウトの一例を示す図である。
【0083】
図7で、Save Startは、保存開始HIDイベントであり、実際にPC上の保存処理が開始したことを示す。
【0084】
図7で、Save Endは、保存終了HIDイベントであり、実際にPC上の保存処理が終了したことを示す。
【0085】
図7でError Codeは、保存終了時のエラーコードを通知するパラメータである。
【0086】
図7でProgressは、保存進捗状況HIDイベントであり、保存の進捗状況をPCからプリンタへ通知する。
【0087】
以上、本発明の好適な実施形態の構成および動作を示すための実施形態について説明した。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態である印刷システムの全体説明図である。
【図2】本発明の一実施形態である印刷システムの一例を図である。
【図3】図1に示した印刷システムのソフトウェア構成を説明するためのブロック図。
【図4】保存アプリケーションがデータ保存中に表示するウインドウ表示の一例である。
【図5】プリンタの液晶パネルに表示する保存の進捗状況表示の一例を示す。
【図6】HID Input Reportのデータビットレイアウトの一例を示す図である。
【図7】HID Output Reportのデータビットレイアウトの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに情報をリアルタイムに送受する通信インターフェースをそれぞれ備えるプリンタとホストコンピュータとが通信可能に接続される印刷システムであって、
前記ホストコンピュータは、前記プリンタに備える操作パネルに配置される所定ボタンの指示毎に、前記プリンタから前記ホストコンピュータに転送されるイベントを検知する第1の検知ステップと、
前記第1の検知ステップにより検知されるイベントに応じて、前記プリンタに装着されるメモリカードから読み出される画像データを取得して、前記ホストコンピュータの記録装置に保存する保存ステップと、保存中の状態を前記ホストコンピュータの表示装置にリアルタイムで反映される保存状態表示および該保存状態表示の更新表示を制御する保存状態更新ステップとを有し、
前記プリンタは、前記ホストコンピュータから前記プリンタへ転送されるイベントを検知する第2の検知ステップと、
前記第2の検知ステップにより検知されるイベントに応じて、前記保存中の状態を前記プリンタに備える操作パネルに配置される液晶表示装置にリアルタイムで反映させる保存状態表示および該保存状態表示の更新表示を制御する第2の保存状態表示ステップとを有することを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、前記プリンタは、USB Mass Storage Classデバイス、USB HID Class Device、USB Printer Class DeviceのUSB Composit Deviceであること特徴とする印刷システム。
【請求項3】
記憶媒体を着脱可能なメモリーインターフェースと、
外部記憶装置と双方向に通信して、画像データを送信する送信手段と、
所定の情報を表示する表示手段と、
前記メモリーインターフェースで接続された記憶媒体に記憶される画像データを読み出して、外部記憶装置に転送する転送制御手段とを有し、
前記転送制御手段の制御により送られた画像データを受信した前記外部記憶装置から送られてくるイベント情報に基づいて、前記表示部へ画像データ転送の進捗を表示制御する表示制御手段とを有することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−82256(P2006−82256A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266803(P2004−266803)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】