説明

印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物及びこれを含む印刷回路基板

【課題】本発明は、印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物及びこれを含む印刷回路基板に関する。
【解決手段】本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物は特定の化学式で表される液晶オリゴマー20から40重量部と、エポキシ樹脂20から40重量部と、硬化触媒0.1から0.5重量部とを含む。本発明の一実施形態によると、印刷回路基板が低重量化、薄板化及び小型化されても印刷回路基板の電気的、熱的、機械的安定性が確保されることができる。また、既存の基板工程でも安定化された駆動特性を示し、低い誘電率を示すとともに、接着強度、耐薬品性及び曲げ特性に優れるようになることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物及びこれを含む印刷回路基板に関し、より具体的には、機械的強度及び電気的特性に優れた印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物及びこれを含む印刷回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューター、半導体、ディスプレイ、通信機器など多様な電子製品には特定の電子回路が印刷された基板が用いられている。基板上には信号伝達のための配線(signal lines)、配線間の短絡などを防止するための絶縁膜(insulating layers)、スイッチング素子(switching element)などが形成されることができる。
【0003】
最近では、小型化、高周波化、デジタル化される電子機器の発達により部品及び基板の高集積化及び高密度化が求められている。
【0004】
印刷回路基板はガラス繊維(glass cloth)にエポキシ樹脂を含浸させて半硬化させたプリプレグを、回路が形成された内層回路基板上に積層する方式で形成されることができる。
【0005】
又は、回路が形成された内層回路基板の回路パターン上に絶縁層を相互に積層して基板を製造するビルドアップ(build−up)工法により製造されることができる。ビルドアップ工法はビアホール(via hole)を形成して配線密度を増加させ、レーザー加工などにより回路を形成して印刷回路基板を高密度化及び薄板化することができる。
【0006】
印刷回路基板の配線がさらに複雑、且つ高密度化されるにつれ、電子機器の安定性及び信頼性のために印刷回路基板の電気的、熱的、機械的安定性がさらに重要な要素となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、機械的強度及び電気的特性に優れた印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物及びこれを含む印刷回路基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、下記化学式1の構造単位及び下記化学式2の構造単位を含み、少なくとも1つの末端に下記化学式Eの作用基を含む液晶オリゴマー20から40重量部と、エポキシ樹脂20から40重量部と、硬化触媒0.1から0.5重量部とを含む印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物を提供する。
【化1】

【化2】

【化E】

上記化学式1、2及び化学式Eにおいて、
X1からX4は同一、又は異なり、C(=O)O、O、C(=O)NR、NR'又はCO(ここで、R及びR'は同一、又は異なり、水素、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリール基である)で、
Z1からZ3はそれぞれ独立してヒドロキシ基;置換又は非置換のC3からC30の脂環族基;置換又は非置換のC3からC30のヘテロ原子−含有脂環族基;で、
上記n1からn3はそれぞれ独立して0から3の整数で、n1+n2+n3は1以上であることができ、
上記化学式1におけるA1は下記化学式4−1から4−7で表される作用基のうち1つである。
【化4−1】

【化4−2】

【化4−3】

【化4−4】

【化4−5】

【化4−6】

【化4−7】

上記化学式4−7におけるL1は2価の有機作用基で、上記化学式4−1から化学式4−7において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(Z1は上記化学式1での定義と同様である)で置換されることができ、
上記化学式2におけるA2は下記化学式5−1から5−6で表される作用基のうち1つ又は下記化学式6の作用基を有するC2からC20のアルキレン基である。
【化5−1】

上記化学式5−1において、Y1からY3は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、但し、Y1からY3のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p1は0から4の整数で、m1及びm2は同一、又は異なり、0から3の整数で、p1、m1及びm2は同時に0ではなく、R及びR'は水素又はC1からC10のアルキル基である。
【化5−2】

上記化学式5−2において、Y4及びY5は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y4及びY5のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p2及びp3は0から3の整数で、同時に0ではない。
【化5−3】

上記化学式5−3において、Y6からY8は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y6からY8のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p4及びp6は0から3の整数であり、p5は0から2の整数で、p4、p5及びp6は同時に0ではない。
【化5−4】

上記化学式5−4において、Y9及びY10は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y9及びY10のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p7及びp8は0から2の整数で、同時に0ではない。
【化5−5】

上記化学式5−5において、Y11及びY12は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y11及びY12のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p9及びp10は0から4の整数で同時に0ではない。
【化5−6】

上記化学式5−6において、Y13及びY14は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y13及びY14のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p11及びp12は0から4の整数で、L2はエーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基、少なくとも1つの下記化学式6の作用基で置換されるか、置換されない2価の有機作用基又は下記化学式7−1から7−3の2価の有機作用基であり、L2が化学式6の作用基で置換されない場合、p11及びp12は同時に0ではなく、
上記化学式5−1から5−6において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(Z1は化学式1での定義と同様である)で置換されることができる。
【化6】

上記化学式6において、Ar1及びAr2はC4からC30の置換又は非置換の芳香族環基であり、R及びR'は同一、又は異なり、水素、C1からC20のアルキル基又はC6からC30のアリール基で、mは0から3の整数である。
【化7−1】

上記化学式7−1において、Rは水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基である。
【化7−2】

上記化学式7−2において、Rは水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基である。
【化7−3】

【0009】
本発明の一実施形態によると、上記液晶オリゴマーの数平均分子量は500から約10,000g/molであることができる。
【0010】
本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物における上記化学式1の構造単位は、液晶オリゴマー総量に対して5から60モル%含まれ、上記化学式2の構造単位は液晶オリゴマー総量に対して40から95モル%含まれることができる。
【0011】
本発明の一実施形態によると、上記化学式4−7におけるL1はエーテル基、スルフィド基、ケトン基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基であることができる。
【0012】
また、上記化学式5−6におけるL2はエーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基、少なくとも1つの上記化学式6の作用基で置換されるか、置換されない2価の有機作用基又は上記化学式7−1から7−3の2価の有機作用基であることができる。
【0013】
上記化学式6は下記化学式11で表されることができる。
【化11】

上記化学式11において、R1及びR2は同一、又は異なり、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(上記化学式1での定義と同様である)であり、p1及びp2は0から4の整数で、R及びR'は同一、又は異なり、水素、C1からC20のアルキル基又はC6からC30のアリール基で、mは0から3の整数である。
【0014】
本発明の一実施形態によると、上記液晶オリゴマーは下記化学式12で表されることができる。
【化12】

【0015】
上記化学式12において、a、b、c、d及びeは構造単位のモル比を意味し、上記液晶オリゴマーの数平均分子量内で決まることができる。
【0016】
上記化学式12で表される液晶オリゴマーの数平均分子量は2000から5000g/molであることができる。
【0017】
本発明の一実施形態によると、上記エポキシ樹脂はフェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゾピラン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、及びテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される1つ以上であることができる。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態は、本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、上記絶縁層の上面又は下面のうち少なくとも一面に形成される銅箔とを含む銅箔積層板を提供することができる。
【0019】
上記銅箔積層板の絶縁層は、補強材をさらに含むプリプレグであることができる。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態は、本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、上記絶縁層に形成される回路パターンを含む印刷回路基板を提供することができる。
【0021】
上記印刷回路基板の絶縁層は、補強材をさらに含むプリプレグであることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態によると、既存の印刷回路基板に求められていた電気的、熱的、機械的特性と同一、又はさらに高い水準で具現され、印刷回路基板の低重量化、小型化、薄層化が可能である。
【0023】
また、印刷回路基板の絶縁層が薄層化され、機械的特性に優れ、既存の基板工程における駆動安定性が確保されることができる。
【0024】
本発明の一実施形態によると、印刷回路基板の絶縁層が薄層化しても曲げ(warpage)特性が低下せず、アルカリ又は酸性薬品における耐薬品性に優れる。従って、印刷回路基板に形成された回路が細くなったり、損失されず、積層工程時のボイド(void)及び剥離(delamination)などの不良が発生しない可能性がある。また、設備故障及び液の汚染を防止することができ、生産性が向上されることができる。
【0025】
本発明の一実施形態によると、優れた耐熱性及び機械的強度を有し、低い誘電率と吸湿性が確保されることができる。また、優れた接着強度を示し、パターンの埋め込み性、半田付け耐熱性、耐湿性を満たすことができ、電気的特性、寸法安定性、耐薬品性、機械特性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態による印刷回路基板を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による銅箔積層板を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがあり、図面上に同じ符号で示す要素は同じ要素である。
【0028】
本明細書において特に言及しない限り、「置換」とは、化合物又は作用基中の水素原子がハロゲン(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸やその塩、C1からC20のアルキル基、C2からC16のアルキニル基、C6からC20のアリール基、C7からC13のアリールアルキル基、C1からC4のオキシアルキル基、C1からC20のヘテロアルキル基、C3からC20のヘテロアリールアルキル基、C3からC20のシクロアルキル基、C3からC15のシクロアルケニル基、C6からC15のシクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキル基又はこれらの組み合わせの置換基で置換されたことを意味する。
【0029】
本明細書において特に言及しない限り、「ヘテロ」とは、環内にN、O、S、Si又はPのヘテロ原子が1から3つ存在することを意味する。
【0030】
本明細書において特に言及しない限り、「脂環族基」とは、C3からC30のシクロアルキル基、C3からC30のシクロアルケニル基、C3からC30のシクロアルキニル基、C3からC30のヘテロシクロアルキル基、C3からC30のヘテロシクロアルケニル基、C3からC30のヘテロシクロアルキニル基などを意味する。
【0031】
本明細書において特に言及しない限り、「芳香族環基」とは、不飽和結合(unsaturated bonds)、非共有電子対(lone pairs)などが混合された環構造を有し、電子が非偏在化(delocalization)又は共鳴(resonance)構造になる形態の作用基のことで、C6からC30のアリール基、C2からC30のヘテロアリール基及びC2からC30のヘテロシクロアルケニル基を意味する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態による印刷回路基板を概略的に示す断面図である。
【0033】
図1を参照すると、本実施形態による印刷回路基板は、絶縁層11、12、13と、上記絶縁層の一面又は両面に形成された回路パターン21、22を含むことができる。より具体的には、第1絶縁層11は第1絶縁層11の上面及び下面にそれぞれ第2絶縁層12及び第3絶縁層13が積層されて基板本体を形成することができる。また、第1から第3絶縁層11、12、13には水平配線21が形成され、上記水平配線を連結するビア電極22が形成されることができる。
【0034】
本実施形態では4層構造の印刷回路基板を図示しているが、これに制限されず、積層される絶縁層数及び形成される回路パターンにより単層又は2層以上の多層配線基板であることができる。
【0035】
上記印刷回路基板の絶縁層11、12、13は本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物で形成されることができる。上記絶縁層11、12、13は絶縁性樹脂組成物で形成されるか、又は絶縁性樹脂組成物に補強材が含浸されたプリプレグ(Prepreg)であることができる。また、上記印刷回路基板は銅箔積層板(copper clad laminate、CCL)により形成されることができる。これに対するより具体的な事項は後述する。
【0036】
本発明の一実施形態によると、印刷回路基板が低重量化、薄板化及び小型化されても印刷回路基板の電気的、熱的、機械的安定性が確保されることができる。また、既存の基板工程でも安定化された駆動特性を示し、低い誘電率を示すとともに接着強度、耐薬品性及び曲げ特性に優れることができる。
【0037】
以下、本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物の構成成分とこれによる特性をさらに具体的に説明する。
【0038】
本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物は(A)液晶オリゴマー、(B)エポキシ樹脂、(C)硬化触媒を含むことができる。
【0039】
(A)液晶オリゴマー
本発明の一実施形態による絶縁性樹脂組成物に含まれる液晶オリゴマーは下記化学式1の構造単位及び下記化学式2の構造単位を含み、少なくとも1つの末端に下記化学式Eの作用基を含むことができる。
【0040】
【化1】

【0041】
【化2】

【0042】
【化E】

【0043】
上記化学式1、2及び化学式Eにおいて、
X1からX4は同一、又は異なり、C(=O)O、O、C(=O)NR、NR'又はCO(ここで、R及びR'は同一、又は異なり、水素、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリール基である)であることができ、
Z1からZ3はそれぞれ独立してヒドロキシ基;置換又は非置換のC3からC30の脂環族基;置換又は非置換のC3からC30のヘテロ原子−含有脂環族基であることができ、
n1からn3はそれぞれ独立して0から3の整数で、n1+n2+n3は1以上であることができる。
【0044】
上記化学式1におけるA1は下記化学式4−1から4−7で表される作用基の1つであることができる。上記A1は主鎖に結合される芳香族環の両方の結合基がオルト(ortho)又はメタ(meta)位置にあることができる。このようなねじれ(kink)構造を有する芳香族の構造単位は上記液晶オリゴマーの主鎖に繰り返して導入することができる。ねじれ構造を導入することで液晶オリゴマーの主鎖は線形性が減少する。これにより、主鎖間の相互作用と結晶性が減少し溶媒に対する溶解度が向上することができる。
【0045】
【化4−1】

【0046】
【化4−2】

【0047】
【化4−3】

【0048】
【化4−4】

【0049】
【化4−5】

【0050】
【化4−6】

【0051】
【化4−7】

【0052】
上記化学式4−7におけるL1は2価の有機作用基で、上記化学式4−1から化学式4−7において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(Z1は上記化学式1での定義と同様である)で置換されることができる。
【0053】
上記化学式2におけるA2は、下記化学式5−1から5−6で表される作用基のうち1つ、又は下記化学式6の作用基を有するC2からC20のアルキレン基である。
【0054】
【化5−1】

【0055】
上記化学式5−1において、Y1からY3は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、但し、Y1からY3のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p1は0から4の整数で、m1及びm2は同一、又は異なり、0から3の整数で、p1、m1及びm2は同時に0ではなく、R及びR'は水素又はC1からC10のアルキル基である。
【0056】
【化5−2】

【0057】
上記化学式5−2において、Y4及びY5は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y4及びY5のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p2及びp3は0から3の整数で、同時に0ではない。
【0058】
【化5−3】

【0059】
上記化学式5−3において、Y6からY8は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y6からY8のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p4及びp6は0から3の整数であり、p5は0から2の整数で、p4、p5及びp6は同時に0ではない。
【0060】
【化5−4】

【0061】
上記化学式5−4において、Y9及びY10は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基であり、Y9及びY10のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基で、p7及びp8は0から2の整数で、同時に0ではない。
【0062】
【化5−5】

上記化学式5−5において、Y11及びY12は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y11及びY12のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p9及びp10は0から4の整数で、同時に0ではない。
【0063】
【化5−6】

【0064】
上記化学式5−6において、Y13及びY14は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y13及びY14のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p11及びp12は0から4の整数で、L2はエーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基、少なくとも1つの下記化学式6の作用基で置換されるか、置換されない2価の有機作用基又は下記化学式7−1から7−3の2価の有機作用基で、L2が化学式6の作用基で置換されない場合、p11及びp12は同時に0ではない。
【0065】
上記化学式5−1から5−6において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(Z1は化学式1での定義と同様である)で置換されることができる。
【0066】
【化6】

【0067】
上記化学式6において、Ar1及びAr2はC4からC30の置換又は非置換の芳香族環基であり、R及びR'は同一、又は異なり、水素、C1からC20のアルキル基又はC6からC30のアリール基であり、mは0から3の整数である。
【0068】
【化7−1】

【0069】
上記化学式7−1において、Rは水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基である。
【0070】
【化7−2】

【0071】
上記化学式7−2において、Rは水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基である。
【0072】
【化7−3】

【0073】
上記液晶オリゴマーの数平均分子量は500から約10,000g/molであることができる。上記液晶オリゴマーが上記範囲の数平均分子量を有すると、適切な架橋密度を有し、溶媒に対する溶解度特性に優れてプリプレグ製造のために網状構造に含浸する際、固形分含量が十分となり、優れた物性を確保することができる。
【0074】
上記化学式1の構造単位は、液晶オリゴマー総量に対して5から60モル%含まれることができ、上記化学式2の構造単位は液晶オリゴマー総量に対して40から95モル%含まれることができる。
【0075】
上記化学式1の構造単位と化学式2の構造単位が上記範囲で含まれる場合、液晶オリゴマーの溶解度を向上させることができる。また、液晶オリゴマー内で架橋反応を起こさず絶縁性樹脂組成物が硬化されることができ、これにより機械的物性を向上させることができる。
【0076】
上記化学式4−7におけるL1はエーテル基、スルフィド基、ケトン基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基などであることができる。L1の具体的な例としては、下記化学式9−1から9−10で表されるもののうち何れか1つであることができる。
【0077】
【化9−1】

【0078】
【化9−2】

【0079】
上記化学式9−2において、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1からC5のアルキル基、C1からC5のハロアルキル基又はZ1(上記化学式1での定義と同様である)であることができる。
【0080】
【化9−3】

【0081】
【化9−4】

【0082】
【化9−5】

【0083】
上記化学式9−5において、Raは水素、ハロゲン、C1からC5のアルキル基、C1からC5のハロアルキル基又はZ1(Z1は化学式1での定義と同様である)である。
【0084】
【化9−6】

【0085】
上記化学式9−6において、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1からC5のアルキル基、C1からC5のハロアルキル基又はZ1(上記化学式1での定義と同様である)である。
【0086】
【化9−7】

【0087】
上記化学式9−7において、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1からC5のアルキル基、C1からC5のハロアルキル基又はZ1(上記化学式1での定義と同様である)である。
【0088】
【化9−8】

【0089】
上記化学式9−8において、E1及びE2は同一、又は異なり、単一結合、エーテル基、エステル基、ケトン基、スルフィド基、スルホキシド及びスルホン基からなる群より選択される連結基である。
【0090】
【化9−9】

【0091】
上記化学式9−9において、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1からC5のアルキル基、C1からC5のハロアルキル基又はZ1(上記化学式1での定義と同様である)で、E1及びE2は同一、又は異なり、単一結合、エーテル基、エステル基、ケトン基、スルフィド基、スルホキシド及びスルホン基からなる群より選択される連結基である。
【0092】
【化9−10】

【0093】
上記化学式9−10において、E1及びE2はそれぞれ独立して単一結合、エーテル基、エステル基、ケトン基、スルフィド基、スルホキシド及びスルホン基からなる群より選択される連結基である。
【0094】
上記化学式9−8から9−10において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(上記化学式1での定義と同様である)で置換されることができる。
【0095】
上記化学式5−6におけるL2はエーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基、少なくとも1つの上記化学式6の作用基で置換されるか、置換されない2価の有機作用基又は上記化学式7−1から7−3の2価の有機作用基である。
【0096】
上記L2の具体的な例としては、上記化学式9−1から9−10で表されるもののうち何れか1つであることができる。上記化学式9−2、9−5、9−6、9−7及び9−9において、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1からC5のアルキル基、C1からC5のハロアルキル基、Z1(上記化学式1での定義と同様である)又は上記化学式6の作用基で、上記化学式9−8から9−10において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基、Z1(上記化学式1での定義と同様である)又は上記化学式6の作用基で置換されることができる。
【0097】
上記化学式6の具体的な例としては下記化学式11を挙げることができる。
【0098】
【化11】

【0099】
上記化学式11において、R1及びR2は同一、又は異なり、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(上記化学式1での定義と同様である)であり、p1及びp2は0から4の整数で、R及びR'は同一、又は異なり、水素、C1からC20のアルキル基又はC6からC30のアリール基で、mは0から3の整数である。
【0100】
本発明の一実施形態によると、上記液晶オリゴマーは測鎖又は末端のうち1つ以上にヒドロキシ基を含むことができる。また、液晶オリゴマーは主鎖又は測鎖にリンを含む作用基を含むことができる。本発明の一実施形態によると、液晶オリゴマーは測鎖又は末端のうち1つ以上にヒドロキシ基を含み、液晶オリゴマー間の架橋反応の代わりに液晶オリゴマーとエポキシ樹脂の架橋反応により絶縁性樹脂組成物が硬化されることができる。また、液晶オリゴマーの主鎖又は測鎖にリンを含む作用基を含む場合、絶縁性樹脂組成物の難燃性をさらに向上させることができる。
【0101】
また、本発明の一実施形態による液晶オリゴマーは下記化学式12で表されることができる。
【0102】
【化12】

【0103】
上記化学式12において、a、b、c、d及びeは構造単位のモル比を意味し、出発物質の含量により決まることができる。上述したように、化学式1の構造単位のモル比は液晶オリゴマー総量に対して5から60モル%であることができ、化学式2の構造単位のモル比は液晶オリゴマー総量に対して40から95モル%であることができる。上記液晶オリゴマーの構造単位のモル比は特に制限されないが、上記範囲内で上記a、b、c、d及びeが決まることができる。
【0104】
上記化学式12で表される液晶オリゴマーの数平均分子量(Mn)は2000から5000g/molであることができ、上記数平均分子量内で上記a、b、c、d及びeが決まることができる。
【0105】
上記化学式12で表される液晶オリゴマーは両末端にヒドロキシ基が含まれており、測鎖にリンを含む作用基が含まれている。
【0106】
本発明の一実施形態によると、上記化学式12で表される液晶オリゴマーを含み、溶解度を向上させることができる。また、液晶オリゴマー間の架橋反応の代わりに液晶オリゴマーとエポキシ樹脂の架橋反応により絶縁性樹脂組成物が硬化されることができ、これにより機械的物性を向上させることができる。
【0107】
本発明の一実施形態によると、上記液晶オリゴマーの含量は20から40重量部であることができる。上記液晶オリゴマーの含量が20重量部未満では熱特性が低下し、40重量部を超えると耐薬品性が低下する恐れがある。
【0108】
(B)エポキシ樹脂
本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物はエポキシ樹脂を含むことができる。
【0109】
上記エポキシ樹脂は特に制限されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール変性ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂などのフェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂と、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂と、ナフタレン骨格を有するナフタレン型エポキシ樹脂と、ジヒドロキシベンゾピラン型エポキシ樹脂と、ジアミノフェニルメタンなどのポリアミンを原料としたグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂と、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、又はこれらの混合物などを挙げることができる。
【0110】
より具体的には、上記エポキシ樹脂はN,N,N',N'−テトラグリシジル−4,4'−メチレンビスベンゼンアミン(N,N,N',N'−Tetraglycidyl−4,4'−methylenebisbenzenamine)、グリシジルエーテル型o−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック(Polyglycidyl ether of o−cresol−formaldehyde novolac)又はこれらの混合物であることができる。
【0111】
上記エポキシ系樹脂の含量は20から40重量部であることができる。エポキシ樹脂の含量が上記範囲内で含まれる場合、絶縁性組成物と銅などの金属との接着力が向上されることができ、耐薬品性、熱特性及び寸法安定性を向上させることができる。
【0112】
(C)硬化触媒
本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物は硬化触媒を含むことができる。
【0113】
上記硬化触媒はこれに制限されないが、例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−フェニルイミダゾール、ビス(2−エチル−4−メチルイミダゾール)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、トリアジン付加型イミダゾール、無水メチルナジック酸、ジシアンジアミド(Dicyandiamide)、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルブチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヒドロフタル酸無水物、トリメチル酸無水物、ピロメタル酸無水物又はベンゾフェノンテトラカルボキシル酸無水物などがあり、これらは混合して使用することができる。
【0114】
上記硬化触媒の含量は0.1から0.5重量部であることができる。上記硬化触媒の含量が0.1重量部未満では架橋反応が低下し、0.5重量部を超えると耐熱性が低下することがある。
【0115】
本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物は溶媒をさらに含むことができる。
【0116】
上記溶媒は極性非プロトン性溶媒を使用することができ、例えば、1−クロロブタン、クロロベンゼン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン系溶媒と、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒と、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのアセテート系溶媒と、酢酸エチルなどのエステル系溶媒と、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒と、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン系溶媒と、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒と、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'−ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド系溶媒と、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ系溶媒と、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどのスルフィド系溶媒と、ヘキサメチルリン酸アミド、トリ−n−ブチルリン酸などのリン酸系溶媒、又はこれらの組み合わせを使用することができ、これに限定されるものではない。
【0117】
上記溶媒の含量は30から60重量部であることができる。
【0118】
また、本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物は充填剤、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、難燃制、難燃補助剤、潤滑剤、静電気防止剤、着色剤、熱安定剤、光安定剤、UV吸収剤、カップリング剤又は沈降防止剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0119】
上記充填剤としては有機充填剤又は無機充填剤を使用することができる。上記有機充填剤はこれに制限されないが、例えば、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、スチレン樹脂などがある。上記無機充填剤はこれに制限されないが、例えば、天然シリカ、溶融シリカ(fused silica)、無定形シリカ、中空シリカ(hollow silica)、アルミニウムヒドロキシド、ベーマイト(boehmite)、マグネシウムヒドロキシド、モリブデンオキシド、モリブデン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛(zinc borate)、スズ酸亜鉛(zinc stannate)、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、シリコンカーバイド、亜鉛オキシド、シリコンナイトライド、シリコンオキシド、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、アルミニウムオキシド、アルミナ、粘土、カオリン、タルク、焼成(calcined)粘土、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、短いガラス繊維などがある。上記有機充填剤及び無機充填剤を単独で、又は2つ以上混合して使用することができる。
【0120】
上記可塑剤はこれに制限されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアミド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、液状パラフィン、ポリエチレンワックス、シリコンオイルなどがあり、これらを単独で、又は2つ以上混合して使用することができる。
【0121】
上記酸化防止剤はこれに制限されないが、リン含有酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤などがあり、これらを単独で、又は2つ以上混合して使用することができる。
【0122】
本発明の一実施形態による印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物は上記構成成分を常温混合、溶融混合などのような多様な方法でブレンドして製造することができる。
【実施例】
【0123】
合成例1:ヒドロキシ基−末端キャッピングされたリン含有液晶オリゴマーの製造
20Lガラス反応器に4−アミノフェノール1364.13g(12.5mol)、イソフタル酸2491.95g(15mol)、4−ヒドロキシベンゾ酸1609.10g(11.65mol)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸780.95g(4.15mol)、2−(6−オキシド−6H−ジベンズ[c、e][1,2]オキサホスホレン−6−イル)−1、4−ベンゼンジオール、DOPO−HQ)2432.03g(7.5mol)、末端キャッピング用6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1411.35g(7.5mol)及びアセト酸無水物6266.18g(61.38mol)を添加した。上記ガラス反応器に密閉された機械的攪拌器、窒素注入チューブ、温度計及び還流コンデンサーを装着した。反応器の内部を窒素ガスで十分に置換した後、反応器内の温度を窒素ガス流れ下で140℃の温度に上昇させ、該温度で反応器の内部の温度を保持させながら3時間還流させた。次いで、反応副産物であるアセト酸と未反応アセト酸無水物を除去しながら250℃の温度に上昇させた。該温度で6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1411.35g(7.5mol)をさらに添加してから250〜300℃まで温度を上昇させた後、2から4時間反応させて下記化学式Pで表される液晶オリゴマーを得た。上記化学式Pの液晶オリゴマーの数平均分子量は3900g/molであった。
【0124】
【化12−1】

【0125】
上記化学式12−1において、a、b、c、d及びeは繰り返し単位のモル比を意味し、出発物質の含量により決まることができる。
【0126】
合成例2:ヒドロキシ基−末端キャッピングされたリン含有液晶オリゴマーの製造
20Lガラス反応器に4−アミノフェノール1364.13g(12.5mol)、イソフタル酸2907.28g(17.5mol)、4−ヒドロキシベンゾ酸1609.10g(11.65mol)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1486.62g(7.9mol)、2−(6−オキシド−6H−ジベンズ[c、e][1,2]オキサホスホレン−6−イル)−1、4−ベンゼンジオール、DOPO−HQ)2432.03g(7.5mol)、末端キャッピング用6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸705.68g(3.75mol)及びアセト酸無水物6687.41g(65.505mol)を添加した。反応条件は合成例1と同一で、生成物である下記化学式Rで表される液晶オリゴマーを得た。上記液晶オリゴマーの数平均分子量(Mn)は4100g/molであった。
【0127】
【化12−2】

【0128】
上記化学式12−2において、上記a、b、c、d及びeは繰り返し単位のモル比を意味し、出発物質の含量により決まることができる。
【0129】
合成例3:ナドイミド−末端キャッピングされたリン含有液晶熱硬化型オリゴマーの製造
20Lガラス反応器に4−アミノフェノール272.83g(2.5mol)、イソフタル酸830.65g(5mol)、4−ヒドロキシベンゾ酸1353.58g(9.8mol)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1844.16g(9.8mol)、2−(6−オキシド−6H−ジベンズ[c、e][1,2]オキサホスホレン−6−イル)−1、4−ベンゼンジオール、DOPO−HQ)2432.03g(7.5mol)及びアセト酸無水物4447.04g(43.56mol)を添加する。上記ガラス反応器に密閉された機械的攪拌器、窒素注入チューブ、温度計及び還流コンデンサーを装着する。反応器の内部を窒素ガスで十分に置換した後、反応器内の温度を窒素ガス流れ下で、140℃の温度に上昇させ、該温度で反応器内部の温度を保持させながら3時間還流させた。アセチル化反応を完結した後、除去される副産物であるアセト酸及び未反応のアセト酸無水物を蒸留させる間、反応器内部の温度を200℃に上昇させた。該温度で末端キャッピング用ナドイミドベンゾ酸2832.80g(10mol)を添加した後、200℃から3時間反応する。最後の30分間が徐々に真空させながら重合反応をさらに進行し、下記化学式Qで表される液晶熱硬化型オリゴマーを得た。上記液晶熱硬化型オリゴマーの数平均分子量(Mn)は3,300g/molであった。
【0130】
【化13】

【0131】
上記化学式13において、上記a、b、c、d及びeは繰り返し単位のモル比を意味し、出発物質の含量により決まることができる。
【0132】
プリプレグの製造
実施例1
合成例1で得た液晶オリゴマー22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)、N,N,N',N'−テトラグリシジル−4,4'−メチレンビスベンゼンアミン(N,N,N',N'−Tetraglycidyl−4,4'−methylenebisbenzenamine)22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)及び硬化触媒ジシアンジアミド(Dicyandiamide)0.22〜0.33g(0.22〜0.33wt%)を45.0g(44.8〜44.9wt%)のN,N'−ジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して混合溶液を製造した。
【0133】
上記混合溶液を利用してガラス繊維(Baotek社製1078、Asahi社製1037)を均一に含浸させた。混合溶液が含浸されたガラス繊維は200℃のヒーティングゾーン(heating zone)を通過させて半硬化させ、プリプレグ(Prepreg)を得た。このとき、プリプレグ全重量に対し、高分子重量は54〜56wt%である。
【0134】
実施例2
合成例1で得た液晶オリゴマー22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)、YDF−170(Kukdo chemical.Co.,LTD、ホルムアルデヒド(Formaldehyde)、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン(1−chloro−2,3−epoxypropane)及びフェノール(phenol)のオリゴマー反応生成物)22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)及び硬化触媒ジシアンジアミド(Dicyandiamide)、0.22〜0.33g(0.22〜0.33wt%)を45.0g(44.8−44.9wt%)のN,N'−ジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して混合溶液を製造した。ガラス繊維(Nittobo社製造、1078又は1037)を上記混合溶液を利用して均一に含浸させた。混合溶液が含浸されたガラス繊維は200℃のヒーティングゾーン(heating zone)を通過させて半硬化させ、プリプレグ(Prepreg)を得た。このとき、プリプレグ全重量に対し、分子重量は54wt%である。
【0135】
実施例3
合成例1で得た液晶オリゴマー22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)、グリシジルエーテル型o−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック(Polyglycidyl ether of o−cresol−formaldehyde novolac、YDCN−500P−1P(Kukdo chemical.Co.,LTD))22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)及び硬化触媒ジシアンジアミド(Dicyandiamide)0.22〜0.33g(0.22〜0.33wt%)を45.0g(44.8〜44.9wt%)のN,N'−ジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して混合溶液を製造した。ガラス繊維(Baotek社製1078、Asahi社製1037)を上記混合溶液を利用して均一に含浸させた。混合溶液が含浸されたガラス繊維は200℃のヒットゾーン(heating zone)を通過させて半硬化させ、プリプレグ(Prepreg)を得た。このとき、プリプレグ全重量に対し、高分子重量は56wt%である。
【0136】
実施例4
合成例1で得た液晶オリゴマー22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)、N,N,N',N'−テトラグリシジル−4,4'メチレンビスベンゼンアミン(N,N,N',N'−Tetraglycidyl−4,4'−methylenebisbenzenamine)22.0〜33.0g(21.9〜32.9wt%)、硬化触媒ジシアンジアミド(Dicyandiamide、DICY)0.22〜0.33g(0.22〜0.33wt%)を45.0g(44.8〜44.9wt%)のN−メチルピロリドン(NMP)に添加して混合溶液を製造した。上記混合溶液を利用してガラス繊維(Baotek社製1078、Asahi社製1037)を均一に含浸させた。混合溶液が含浸されたガラス繊維は200℃のヒーティングゾーン(heating zone)を通過させて半硬化させ、プリプレグ(Prepreg)を得た。このとき、プリプレグ全重量に対し、高分子重量は54〜56wt%であった。
【0137】
実施例5
合成例2で得た液晶オリゴマー33.0g、Araldite MY−721(Huntsmann社)22.0g及び硬化触媒ジシアンジアミド(Dicyandiamide、DICY)0.22gを45.0gのN,N'−ジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して混合溶液を製造した。ガラス繊維(Baotek社製1078、Asahi社製1037)を上記混合溶液を利用して均一に含浸させた。混合溶液が含浸されたガラス繊維は200℃のヒーティングゾーン(heating zone)を通過させて半硬化させ、プリプレグ(Prepreg)を得た。このとき、プリプレグ全重量に対し、高分子重量は55wt%である。
【0138】
比較例
合成例3で得た液晶熱硬化型オリゴマー16.5g、合成例1で得たオリゴマー16.5g、4−4'−ビスマレイミドジフェニルメタン(4,4'−diphenylmethane bismaleimide、BMI−1000)11.0g、Araldite MY−721(Huntsmann社)11.0g及び硬化触媒ジシアンジアミド(Dicyandiamide、DICY)0.11gを45gのN−メチルピロリドン(NMP)に添加して混合溶液を製造したことを除き、実施例1と同様の方法でプリプレグを得た。このとき、プリプレグ全重量に対し、高分子の重量は54wt%である。
【0139】
[評価]
上記実施例1から5及び比較例により製造されたプリプレグに対し、下記のように評価し、その結果を下記表1に記載した。
【0140】
1.プリプレグの熱特性評価
実施例1から5及び比較例により製造されたプリプレグ試片のガラス転移温度(Tg)は動力学分析機(DMA:Dynamic Mechanical Analyzer、TA Instruments DMA Q800)を利用して測定した。熱膨脹係数(CTE、Coefficient of Thermal Expansion)は熱分析機(TMA:Thermomechanical Analyzer、TA Instruments TMA Q400)を利用して窒素雰囲気で、温度を10℃/min昇温して測定した。
【0141】
2.プリプレグの遺伝特性評価
誘電定数はプリプレグ3から4枚を200℃、1時間、加圧機で加圧積層して全体厚さが300μm以上となるようにし、RFインピーダンス分析機(Impedence Analyzer、Agilent社)を利用して1GHzで測定した。
【0142】
3.プリプレグの銅箔剥離強度(Peel Strength)特性評価
銅箔積層板表面から幅1cmの銅箔を剥がし、引張強度測定器(Universal Testing Machine、UTM)を使用して銅箔の絶縁層との剥離強度を測定した(90度 Peel Test、Crosshead speed:50mm/min)。
【0143】
4.プリプレグの耐薬品性評価
実施例1から5により製造されたプレプレグを30重量%水酸化カリウム水溶液に80℃、15分間浸漬した後、プリプレグの外観変化観察及び損失された重量%(浸食量重量%)を計算して耐薬品性を評価した。
【0144】
【表1】

【0145】
上記表1を参照すると、本発明の一実施形態による絶縁性組成物で製造された実施例1から5のプリプレグは、熱膨脹係数(CTE)が低く、優れた接着特性を示した。
【0146】
これに対し、液晶熱硬化型オリゴマーを含む絶縁性組成物で製造された比較例によるプリプレグは、ガラス転移温度が示されず、熱膨脹係数が高く、接着特性が低かった。
【0147】
また、実施例1から5は比較例より耐薬品性に非常に優れる。比較例は液晶熱硬化型オリゴマーを使用したが、これらの間に架橋反応が効率的に行われていないものと判断され、架橋剤(4−4'−ビスマレイミドジフェニルメタン(4,4'−diphenylmethane bismaleimide、BMI−1000))を含むことで、耐薬品性が著しく低下したものと判断される。
【0148】
実施例1から5によるフリプレグは接着特性、耐熱性、耐薬品性及び長期信頼性、曲げ特性に優れ、超高密度印刷回路基板に適用することができる。
【0149】
本発明は上述した実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の請求の範囲により限定される。従って、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0150】
10、11、12、13 絶縁層
20 銅箔
21、22 回路パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の構造単位及び下記化学式2の構造単位を含み、少なくとも1つの末端に下記化学式Eの作用基を含む液晶オリゴマー20から40重量部と、
エポキシ樹脂20から40重量部と、
硬化触媒0.1から0.5重量部と、
を含む印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【化1】

【化2】

【化E】

前記化学式1、2及び化学式Eにおいて、
X1からX4は同一、又は異なり、C(=O)O、O、C(=O)NR、NR'又はCO(ここで、R及びR'は同一、又は異なり、水素、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリール基である)で、
Z1からZ3はそれぞれ独立してヒドロキシ基;置換又は非置換のC3からC30の脂環族基;置換又は非置換のC3からC30のヘテロ原子−含有脂環族基で、
前記n1からn3はそれぞれ独立して0から3の整数で、n1+n2+n3は1以上であることができ、
前記化学式1におけるA1は下記化学式4−1から4−7で表される作用基のうち1つである。
【化4−1】

【化4−2】

【化4−3】

【化4−4】

【化4−5】

【化4−6】

【化4−7】

前記化学式4−7におけるL1は2価の有機作用基で、前記化学式4−1から化学式4−7において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(Z1は前記化学式1での定義と同様である)で置換されることができ、
前記化学式2におけるA2は下記化学式5−1から5−6で表される作用基のうち1つ又は下記化学式6の作用基を有するC2からC20のアルキレン基である。
【化5−1】

前記化学式5−1おいて、Y1からY3は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、但し、Y1からY3のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p1は0から4の整数であり、m1及びm2は同一、又は異なり、0から3の整数で、p1、m1及びm2は同時に0ではなく、R及びR'は水素又はC1からC10のアルキル基である。
【化5−2】

前記化学式5−2において、Y4及びY5は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y4及びY5のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p2及びp3は0から3の整数で、同時に0ではない。
【化5−3】

前記化学式5−3において、Y6からY8は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y6からY8のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p4及びp6は0から3の整数であり、p5は0から2の整数で、p4、p5及びp6は同時に0ではない。
【化5−4】

前記化学式5−4において、Y9及びY10は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y9及びY10のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p7及びp8は0から2の整数で、同時に0ではない。
【化5−5】

前記化学式5−5において、Y11及びY12は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y11及びY12のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p9及びp10は0から4の整数で、同時に0ではない。
【化5−6】

前記化学式5−6において、Y13及びY14は同一、又は異なり、水素、C1からC10のアルキル基又は下記化学式6の作用基で、Y13及びY14のうち少なくとも1つは下記化学式6の作用基であり、p11及びp12は0から4の整数で、L2はエーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基、少なくとも1つの下記化学式6の作用基で置換されるか、置換されない2価の有機作用基又は下記化学式7−1から7−3の2価の有機作用基で、L2が化学式6の作用基で置換されない場合、p11及びp12は同時に0ではなく、前記化学式5−1から5−6において、それぞれの芳香族環の少なくとも1つの水素はハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(Z1は化学式1での定義と同様である)で置換されることができる。
【化6】

前記化学式6において、Ar1及びAr2はC4からC30の置換又は非置換の芳香族環基であり、R及びR'は同一、又は異なり、水素、C1からC20のアルキル基又はC6からC30のアリール基で、mは0から3の整数である。
【化7−1】

前記化学式7−1において、Rは水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基である。
【化7−2】

前記化学式7−2において、Rは水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基又は置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基である。
【化7−3】

【請求項2】
前記液晶オリゴマーの数平均分子量は500から約10,000g/molである請求項1に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項3】
前記化学式1の構造単位は液晶オリゴマー総量に対して5から60モル%含まれ、前記化学式2の構造単位は液晶オリゴマー総量に対して40から95モル%含まれる請求項1に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項4】
前記化学式4−7におけるL1は、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基である請求項1に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項5】
前記化学式5−6におけるL2は、エーテル基、スルフィド基、ケトン基、アミド基、スルホキシド、スルホン基、アゾ基、シアニド基、置換又は非置換のC1からC20のアルキレン基、置換又は非置換のC2からC20のアルケニレン基、置換又は非置換のC6からC30のアリーレン基、少なくとも1つの前記化学式6の作用基で置換されるか、置換されない2価の有機作用基又は前記化学式7−1から7−3の2価の有機作用基である請求項1に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項6】
前記化学式6は下記化学式11で表される請求項1に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【化11】

前記化学式11において、R1及びR2は同一、又は異なり、水素、ハロゲン、置換又は非置換のC1からC20のアルキル基、置換又は非置換のC1からC20のアルコキシ基、置換又は非置換のC3からC20のシクロアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリール基、置換又は非置換のC7からC30のアリールアルキル基、置換又は非置換のC6からC30のアリールオキシ基又はZ1(前記化学式1での定義と同様である)であり、p1及びp2は0から4の整数で、R及びR'は同一、又は異なり、水素、C1からC20のアルキル基又はC6からC30のアリール基で、mは0から3の整数である。
【請求項7】
前記液晶オリゴマーは下記化学式12で表される請求項1に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【化12】

前記化学式12において、a、b、c、d及びeは構造単位のモル比を意味し、前記液晶オリゴマーの数平均分子量内で決まることができる。
【請求項8】
前記液晶オリゴマーの数平均分子量は2000から5000g/molである請求項7に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項9】
前記エポキシ樹脂は、フェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゾピラン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、及びテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される1つ以上である請求項1に記載の印刷回路基板用絶縁性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、
前記絶縁層の上面又は下面のうち少なくとも一面に形成される銅箔と
を含む銅箔積層板。
【請求項11】
前記絶縁層は補強材をさらに含む請求項10に記載の銅箔積層板。
【請求項12】
請求項1に記載の絶縁性樹脂組成物を含む絶縁層と、
前記絶縁層に形成される回路パターンと
を含む印刷回路基板。
【請求項13】
前記絶縁層は補強材をさらに含む請求項12に記載の印刷回路基板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−251130(P2012−251130A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−285571(P2011−285571)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】