印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラム
【課題】 検品処理に要する処理時間が長くなると、あるシートの検品処理が完了する前に後続のシートが検品処理を実行するユニットに搬送されてしまう場合が発生し得る。このとき後続のシートに対しても検品処理を実行したい場合には、後続のシートの搬送を一度停止する必要があり、印刷処理のスループットが低下するという課題がある。
【解決手段】 ユーザによって指定された検品処理の実行するときの検品解像度に基づいて、印刷処理に係る印刷速度を制御する。また、ユーザによって指定された印刷処理に係る印刷速度に基づいて、検品処理の実行するときの検品解像度を制御する。
【解決手段】 ユーザによって指定された検品処理の実行するときの検品解像度に基づいて、印刷処理に係る印刷速度を制御する。また、ユーザによって指定された印刷処理に係る印刷速度に基づいて、検品処理の実行するときの検品解像度を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POD(Print On Demand)機などの印刷システムにおいて、印刷処理が実行されたシートに対して印刷不良の有無を判定する検品処理が実行されている。例えば特許文献1は、印字画像データに基づいて印字されたシートをスキャナで読み取り、そして印字画像データとスキャン画像データとを比較することで、印字ミスの有無を判定するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−257539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、印字画像データの解像度をスキャン画像データの解像度に変換し、印字画像データとスキャン画像データを比較することで検品処理を実行している。このように、検品処理を実行するときには検品処理で用いられる各画像データの比較を行う必要がある。このとき、各画像データの解像度が高くなれば高くなるほど、各画像データの比較に要する処理時間、つまり検品処理に要する処理時間が長くなってしまう。検品処理に要する処理時間が長くなると、あるシートの検品処理が完了する前に後続のシートが検品処理を実行するユニットに搬送されてしまう場合が発生し得る。このとき後続のシートに対しても検品処理を実行したい場合には、後続のシートの搬送を一時停止する必要があり、シートの搬送を停止させたり、停止させたシートの搬送を再開させるための制御が必要になる。
この点に関して、各画像データの比較を行う専用のバッファを設ければシートの搬送を一時停止する必要がなくなる。しかしながら、この場合だと専用のバッファを設けることでコストアップになってしまうし、シートの搬送や給紙に関する制御に検品処理の結果をリアルタイムで反映することができなくなってしまう。
本発明はかかる点に鑑み、検品処理を実行するときの検品解像度や印刷速度を好適に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明が提供する印刷装置は、第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて前記シートを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、前記検品処理を実行するときの検品解像度に基づいて、前記印刷処理に係る印刷速度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明が提供する印刷装置は、第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて前記シートを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、前記印刷処理に係る印刷速度に基づいて、前記検品処理を実行するときの検品解像度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検品処理を実行するときの検品解像度や印刷速度を好適に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の印刷システムを示す図である。
【図2】本発明のプリンタ部101の構成を示す図である。
【図3】本発明のプリンタ部101の構成を示す図である。
【図4】本発明の検品部102の構成を示す図である。
【図5】本発明の検品部102の構成を示す図である。
【図6】本発明のフィニッシャ103の構成を示す図である。
【図7】本発明のPC110の構成を示す図である。
【図8】本発明の検品処理について説明する図である。
【図9】実施形態1における、検品モードを設定するための設定画面を示す図である。
【図10】実施形態1における、印刷処理について説明するフローチャートである。
【図11】実施形態1における、検品処理について説明するフローチャートである。
【図12】実施形態1における、具体例を説明するための図である。
【図13】実施形態2における、検品モードを設定するための設定画面を示す図である。
【図14】実施形態2における、印刷処理について説明するフローチャートである。
【図15】実施形態2における、検品処理について説明するフローチャートである。
【図16】実施形態2における、具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0009】
(実施形態1)
図1は本実施形態における印刷システムを示す図である。印刷装置100はプリンタ部101、検品部102、フィニッシャ103で構成されている。プリンタ部101はシートに対して印刷処理を実行可能である。また、検品部102は、印刷物に印刷不良が発生しているか否かを検品する検品処理を実行可能である。そして、フィニッシャ103はシートに対してステイプルなどの後処理が可能である。
【0010】
印刷装置100は、ネットワークを介してPC(Personal Computer)110などの外部装置と通信可能となるように構成される。
【0011】
なお、本実施形態ではシートを搬送するためにプリンタ部101と検品部102とが直接接続されている。同様に、検品部102とフィニッシャ103とが直接接続されている。また、フィニッシャ103の動作を制御するために、プリンタ部101とフィニッシャ103とが専用の通信線で接続されている。
【0012】
まず、印刷装置100のプリンタ部101の構成を図2と図3を用いて説明する。
【0013】
CPU201を含む制御部200は、プリンタ部101を統括的に制御する。CPU201はROM202やHDD208に格納された制御プログラムを読み出してプリンタ部101の制御を行う。ROM202にはCPU201が動作するためのプログラムなどが記憶されている。RAM203はCPU201の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD208はROM202と同様に、CPU201が動作するためのプログラムなどが記憶されている。
【0014】
スキャナI/F205は、スキャナ204と制御部200とを接続する。スキャナ204は原稿を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F205を介して制御部200に読み取った画像データを入力することが可能である。
【0015】
操作部I/F207は、操作部206と制御部200とを接続するためのインターフェースである。操作部206には表示部(例えばタッチパネル機能を有する液晶表示部)やキーボードが備えられている。
【0016】
ネットワーク部209は、ネットワークを介して電子メールの送受信やPC110からのPDLデータの入出力などの通信制御を行う。RIP(ラスターイメージプロセッサ)部210はPDLデータをラスターイメージに展開する。印刷処理部211はシートに対して印刷処理を実行するために、図3に示す各ユニットの動作を制御する。
【0017】
接続I/F212は、制御部200が検品部102と通信を行うためのインターフェースである。接続I/F212は、シートへの印刷に用いられた画像データを検品部102に送信したり、検品処理の結果を検品部102から受信(取得)したりする。また、検品部102を制御するためのコマンドを検品部102に送信しても良い。
【0018】
接続I/F213は、制御部200がフィニッシャ103と通信を行うためのインターフェースである。制御部200とフィニッシャ103とは専用の通信線で接続されていて、接続I/F213はフィニッシャ103を制御するためのコマンドをフィニッシャ103に送信する。このコマンドには、検品処理の結果に基づいて図6などに後述するフィニッシャ103のシート処理を制御するための情報も含まれる。
【0019】
次に、プリンタ部101が印刷処理を実行するために印刷処理部211が制御するユニットについて、図3を用いて詳しく説明する。
【0020】
プリンタ部101がシートに印刷を行う際は、制御部200によりCMYKの色信号がそれぞれ露光制御部(303C、303M、303Y、303K)に送出される。露光制御部は送出された色信号に応じてレーザー光を点灯出力する。4個の帯電器(302C、302M、302Y、302K)により帯電した感光ドラム(301C、301M、301Y、301K)に前記レーザー光が照射されることで、感光ドラム上に静電潜像が形成される。なお、感光ドラムは不図示のモーターにより反時計回りに回転している。感光ドラムに形成された潜像画像は現像器(305C、305M、305Y、305K)により現像される。現像器はトナーカートリッジ(304C、304M、304Y、304K)と接続されており、印刷処理に用いる記録材として常時トナーが供給される構成となっている。
【0021】
中間転写体306は感光ドラムと接触しており、感光ドラムの回転に伴って時計回りに回転し、現像されたトナー像が転写される。中間転写体306上に転写されたトナー像は、転写ローラ307によってカセット311やカセット312から搬送されてきたシートに転写される。なお、中間転写体306上に残ったトナーをクリーニングするために、クリーニング手段309が転写ローラ307の後に設けられている。また、中間転写体306上のトナー像の濃度を測定するための濃度センサー310が設置されている。トナー像が転写されたシートは、定着部308に搬送される。定着部308においては、内部のヒータと加圧ローラにより転写されたトナー像を定着させる。
【0022】
定着部308を通過したシートは、図示しないフラッパにより一旦パス313からパス314に搬送され、シートの後端がパス313を通過するとシートをスイッチバックさせてパス315から排出ローラ317に搬送される。これにより、トナー像が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ317によりプリンタ部101から排出することが可能である。また、シートの両面に印刷を行う場合は、シートを定着部308からパス313、パス314に搬送し、シートの後端がパス313を通過した直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス316に搬送する。両面搬送パス316に搬送されたシートに対し、再度、転写ローラ307でトナー像が転写され、定着部308でトナー像がシートに定着される。
【0023】
排出ローラ317から排出されたシートは検品部102に搬送される。
【0024】
次に印刷装置100の検品部102の構成を図4と図5を用いて説明する。
【0025】
CPU401を含む制御部400は、検品部102を統括的に制御する。CPU401はROM402に格納された制御プログラムを読み出して検品部102の制御を行う。ROM402にはCPU401が動作するためのプログラムなどが記憶されている。RAM403はCPU401の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、CPU401はプリンタ部101から送信されたコマンドに従って検品部102の制御を行っても良い。
【0026】
読取センサーI/F405は、読取センサー404と制御部400とを接続するためのインターフェースである。読取センサー404は、図5で後述する搬送ベルト502上のシートを読み取り、画像データを生成する。なお、本実施形態では、読取センサーは600dpiの解像度でシートを読み取ることとする。
【0027】
画像処理部406は、読取センサー404で読み取った画像データの斜行を補正する。そして画像比較部407は、画像処理部406が補正した補正後の画像データと、シートへの印刷に用いられた画像データとを比較し、印刷物を検査する検品処理を実行する。なお、本実施形態では斜行の補正や検品処理は専用のハードウェア(画像処理部406、画像比較部407)で実行する構成だが、ソフトウェアによりCPU401が実行する構成にしても良い。
【0028】
接続I/F408は、制御部400がフィニッシャ103と通信を行うためのインターフェースである。接続I/F408は、検品処理の結果をフィニッシャ103に送信する。
【0029】
接続I/F409は、制御部400がプリンタ部101と通信を行うためのインターフェースである。接続I/F409は、検品処理の結果をプリンタ部101に送信したり、シートへの印刷に用いられた画像データをプリンタ部101から受信したりする。また、接続I/F409は、検品部102を制御するためのコマンドをプリンタ部101から受信しても良い。
【0030】
検品部102の構成を、図5を用いて更に説明する。
【0031】
給紙ローラ501によってプリンタ部101から印刷処理が実行されたシートが搬送される。その後、シートは搬送ベルト502によって搬送され、読取センサー404が読み取った画像データを用いた検品処理が実行される。検品処理が実行されたシートは排紙ローラ503によりフィニッシャ103に搬送される。なお、本実施形態では読取センサー404は搬送ベルト502の上側に設置されているが、両面印刷されたシートにも対応できるように搬送ベルト502の下側に他の読取センサーを設置しても良い。
【0032】
図6は印刷装置100のフィニッシャ103の構成を示す図である。
【0033】
フィニッシャ103はプリンタ部101と専用の通信線で接続される。この通信線を介してプリンタ部101からコマンドを受信し、このコマンドに基づいてフィニッシャ103の動作(シート処理)が制御される。
【0034】
検品部102から搬送されたシートは、検品処理の結果に応じて排紙部(エスケープトレイ601もしくは出力トレイ602)に排紙される。シートに対してステイプルを行う設定がされている場合は、処理トレイ603にシートを順次蓄えておき、処理トレイ603上でステープラ604がステイプルを行い、その後出力トレイ602に排紙される。
【0035】
パス切り替え部605は検品処理の結果に応じてシートの搬送パスを切り替える。搬送パスを切り替えることにより、シートをエスケープトレイ601、出力トレイ602のいずれかにシートを搬送することができる。
【0036】
なお、フィニッシャ103は不図示のCPUを備え、検品部102から受信(取得)した検品処理の結果に基づいて当該CPUがフィニッシャ103の制御を行う構成にしても良い。
【0037】
図7はPC110の構成を示す図である。
【0038】
CPU701はROM702やHDD704に格納された制御プログラムを読み出してPC110の制御を行う。ROM702にはCPU701が動作するためのプログラムなどが記憶されている。RAM703はCPU701の主メモリ、ワークエリア等の一時領域として用いられる。HDD704はROM702と同様に、CPU701が動作するためのプログラムが記憶されている。
【0039】
接続I/F705は、PC110とネットワークとを接続する。PC110はネットワークを介して印刷装置100と通信を行うことができる。キーボード706は、PC110に情報を入力するために用いられる。表示部707には様々な画面が表示される。
【0040】
PC110にプリンタドライバをインストールすることによって、PC110から印刷装置100を制御することが可能となる。
【0041】
次に検品処理の具体的な方法について図8を用いて説明する。なお、本発明を適用することができる検品処理の内容は、以下の方法に限定されるものではない。
【0042】
読取センサー404で読み取られ画像処理部406によって斜行が補正された画像データと、シートへの印刷に用いられた画像データとの比較を、画像比較部407が実行する。以降の説明では、シートへの印刷に用いられた画像データを参照画像データ(第1の画像データ)、読取センサー404で読み取られ画像処理部406によって斜行が補正された画像データを検品画像データ(第2の画像データ)と呼ぶこととする。なお、参照画像データの具体例としては、PDLプリントの時はPDLデータを展開したものを参照画像データとし、スキャナ204で読み取った画像データを印刷するときは、スキャナ204で読み取った画像データを参照画像データとする。
【0043】
検品画像データと参照画像データはそれぞれ画像処理部406で同等の解像度に変換され、各画像をビットマップでマッチングを行う。本実施形態では、まず参照画像データと検品画像データとをCMYKの色空間に変換処理を行う。そして1画素ごとにCMYKでの濃度の比較を行う。
【0044】
図8(a)は検品画像データを示し、図8(c)は図8(a)から一部分を抜き出したものである。図8(b)は図8(c)と同じ部分を参照画像データから抜きだしたものである。
【0045】
濃度データは0〜255の多値データとなっており、比較値を次の式で算出する。
【0046】
[数1]
比較値=[検品画像データの濃度データ値]−[参照画像データの濃度値]
そして算出した比較値と予め設定した許容できる濃度差とを比較して、|比較値|≦(許容できる濃度差)である場合は該当画素をOKと判定し、|比較値|>(許容できる濃度差)である場合は該当画素をNGと判定する。図8の例は、画素802は本来、画素801のように黒っぽい画素値が読み込まれるはずであるが、画素802の濃度値は少なく読み取られている。これは、画素802が正しく印刷されていないことを示している。本実施形態において許容できる濃度差が例えば40に設定されていて、画素801の濃度データ値が255、画素802の濃度データ値が127であるとする。すると、|比較値|=|127−255|=128>40であるから、画素802はNGと判定される。
【0047】
このように、検品画像データの各画素に対して同様の判定処理を行い、検品画像データの全画素のうちOKと判定された画素の割合を求める。検品画像データの全画素のうちOKと判定された画素の割合のことを、今後は検品画像データと参照画像データの類似度と呼ぶこととする。そして、類似度≧予め設定されている閾値である場合には、当該検品画像データは検品処理の結果がOKだと判定される。例えば予め設定されている閾値が80%である場合は、類似度≧80%である場合に、検品処理の結果がOKと判定される。一方、類似度<80%である場合には、当該検品画像データは検品処理の結果がNGだと判定される。
【0048】
なお、以上で説明した検品処理では1画素ごとに判定が行われるため、検品画像データ及び参照画像データの解像度が高いほど画素数が多くなり、シート1枚あたりの検品処理に要する時間(検品処理時間)が長くなる。しかし一方で、検品処理時間は長くなるが、検品処理の対象となる画素数が多くなる分、高精度の検品が可能となる。
【0049】
なお、検品処理の具体的な方法は図7で説明した方法に限定されるものではない。他の方法として、例えば、検品画像データと参照画像データとがどれだけ位置ずれを起こしているかを求めて、当該位置ずれが所定の値よりも大きい場合に検品処理の結果がNGと判定しても良い。この場合では、検品画像データと参照画像データとの位置ずれの値が、検品画像データと参照画像データの類似度として用いられる。
【0050】
なお、本実施形態では検品処理の結果がOKと判定されたシートは出力トレイ602に、NGと判定されたシートはエスケープトレイ601に排紙されることとする。
【0051】
本実施形態では、検品処理に関する設定として標準モードと高精度モードの2つの検品モードを実行可能である。図9は、2つの検品モードのうちどちらを実行するかをユーザが設定するための設定画面900を説明する図である。設定画面900は操作部206に表示される。
【0052】
標準モードとは、検品画像データ及び参照画像データの解像度を、高精度モードよりも低解像度に変換したうえで検品処理を実行するモードである。一方高精度モードとは、検品画像データ及び参照画像データの解像度を、標準モードよりも高解像度に変換したうえで検品処理を実行するモードである。
【0053】
高精度モードで検品処理を実行すると、画素数が多くなるため検品処理時間が長くなるが、画素数が多い分、高精度の検品が可能となる。一方標準モードで検品処理を実行すると、画素数が少なくなるため高精度モードよりも検品の精度は低下するが、画素数が少なくなる分、検品処理時間が短くなる。このように、標準モードと高精度モードはそれぞれ一長一短のため、本実施形態では、ユーザは自分の目的に応じて標準モードと高精度モードのいずれかを選択する。
【0054】
なお、本実施形態では設定画面900はプリンタ部101の操作部206に表示されると説明したが、他の形態としても良い。例えば、検品部102やフィニッシャ103の不図示の表示部に表示する構成にしても良いし、プリントドライバをインストールしたPC110の表示部707に表示する構成にしても良い。PC110の表示部707で設定画面900を用いて設定を行った場合は、印刷ジョブとともにユーザが設定した検品モードを示す情報が印刷装置100に送信される。
【0055】
次に、本実施形態における印刷処理及び検品処理について説明する。図10は、プリンタ部101で実行される印刷処理について説明するフローチャートである。なお、図10のステップS1001〜1006の各ステップは、プリンタ部101が備えるCPU201がROM202等のメモリに格納されたプログラムをRAM203に展開して実行することによって処理される。
【0056】
プリンタ部101に検品処理の実行が指示された印刷ジョブが投入されると、ステップS1001において、RIP部210は投入された印刷ジョブに基づいて印刷画像データを生成する。
【0057】
次にステップS1002において、接続I/F212は、ステップS1001で生成された印刷画像データを参照画像データとして検品部102に送信する。
【0058】
次にステップS1003において、接続I/F212は、シート1枚あたりの検品処理時間を検品部102から取得する。ここで検品部102から取得する検品処理時間は、後述する図11、12で詳しく説明するが、検品部102で算出された時間である。
【0059】
検品部102から検品処理時間を取得すると、ステップS1004において、CPU201は検品処理時間がプロセス時間と既定の紙間時間の合計よりも長いか否かを判定する。プロセス時間とは、シート1枚に印刷処理を実行するのに要する時間である。本実施形態では、プロセス時間は500msとする。また、紙間時間とは、あるシートと次のシートとの間(紙間)がどれだけ空いているかを示す時間である。本実施形態では、通常時の紙間時間は100msとし、この100msを既定の紙間時間と呼ぶこととする。
【0060】
ステップS1004において、検品処理時間がプロセス時間と既定の紙間時間の合計よりも長いと判定された場合は、ステップS1005に進む。このとき「検品処理時間>600ms(プロセス時間と既定の紙間時間の合計)」であるため、シートAに対する検品処理が完了する前に、検品部102(読取センサー404)に次のシートであるシートBが到着してしまうことになる。この場合、シートBに検品処理を実行することができなくなるため、ステップS1005において、印刷処理部211は紙間時間を変更する。具体例は後述する図12で説明するが、「検品処理時間≦プロセス時間と変更後の紙間時間の合計」となるように紙間時間を長くする。なお、本実施形態では、カセット311やカセット312などのシートの格納部から当該シートを給紙するタイミング(間隔)を変更することで、紙間時間の制御を行う。具体的には、シートを給紙するタイミング(間隔)を長くした場合は、紙間時間は長くなる。一方、シートを給紙するタイミング(間隔)を短くした場合は、紙間時間は短くなる。
【0061】
一方、ステップS1004において検品処理時間がプロセス時間と既定の紙間時間の合計よりも短いと判定された場合は、シートAに対する検品処理が完了した後に、検品部102(読取センサー404)に次のシートであるシートBが到着することになる。この場合、シートBに検品処理を実行することができるため、印刷処理部211が紙間時間を変更することなくステップS1006に進む。
【0062】
ステップS1006において、印刷処理部211は、ステップS1001で生成した印刷データに基づいて印刷処理を実行する。印刷処理が実行されたシートは、排出ローラ317によって検品部102に搬送される。
【0063】
図11は、検品部102で実行される検品処理について説明するフローチャートである。なお、図11のステップS1101〜S1104の各ステップは、検品部102が備えるCPU401がROM402等のメモリに格納されたプログラムをRAM403に展開して実行することによって処理される。
【0064】
ステップS1101において、接続I/F409は、図10のステップS1002で送信された参照画像データを受信する。
【0065】
ステップS1102において、CPU401は参照画像データの解像度と、検品画像データの解像度と、設定画面900で設定された検品モードを実行するときの検品解像度とに基づいて、シート1枚あたりの検品処理時間を算出する。検品処理時間は、読取センサー404がシートを読み取るのに要する読取処理、読取センサー404で読み取られた画像データの解像度とシートへの印刷に用いられた画像データの解像度とをそれぞれ検品解像度に変換する解像度変換処理、各画像データを比較する比較処理の3つの処理に要する時間によって決定する。読取処理と解像度変換処理に関しては、検品解像度に関わらずほぼ一定の処理時間となる。従って本実施形態では、読取処理と解像度変換処理に要する時間は50msであると予めROM202やROM402に記憶されている。また、比較処理に関しては、検品解像度が150dpiである場合は450msであると予めROM202やROM402に記憶されている。
【0066】
ステップS1102では、ROM202やROM402に記憶されている上述した各処理の処理時間に基づいて検品処理時間が算出される。例えば、検品解像度が150dpiである場合は、検品処理時間は50ms+450ms=500msと算出される。また、例えば検品解像度が300dpiである場合には、検品処理時間は50ms+450ms×4=1850msと算出される。
【0067】
フローチャートの説明に戻る。ステップS1103において、接続I/F409は、ステップ1102で算出した検品処理時間をプリンタ部101に通知する。
【0068】
ステップS1104において、読取センサー404はプリンタ部101から搬送されたシートを読み取り、検品画像データを生成する。そしてステップS1105において、画像比較部407は、図8で説明した検品処理を実行する。
【0069】
次に本実施形態における印刷処理及び検品処理の具体例について、図12を用いて説明する。
【0070】
ジョブ1201は、検品処理の実行が指定されていないジョブを示す。本実施形態では、検品処理を実行しないジョブに関しては、印刷解像度は600dpi、プロセス時間は500ms、紙間時間(既定の紙間時間)は100ms、印刷速度は100ppmで動作することとする。なお、ppmとは単位時間あたりの印刷枚数を示す単位である。100ppmの場合、1分あたりに100枚印刷することを示す。
【0071】
ジョブ1202は、検品モードとして標準モードが指定されたジョブを示す。本実施形態では、検品モードが標準モードである場合は、検品解像度を150dpiとして検品処理を実行することとする。また、印刷解像度は600dpiであるため参照画像データの解像度も600dpi、読取センサーが600dpiの解像度でシートを読み取るため、検品画像データの解像度は600dpiであるとする。このとき、検品処理時間は500msである。この場合、500ms(検品処理時間)<500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図10のステップS1004においてNoと判定され、紙間時間を変更することなく印刷処理が実行される。
【0072】
ジョブ1203は、検品モードとしてく高精度モードが指定されたジョブを示す。本実施形態では、検品モードが高精度モードである場合は、検品解像度を300dpiとして検品処理を実行することとする。印刷解像度、参照画像データの解像度、検品画像データの解像度はジョブ1201及びジョブ1202と同様である。このとき、検品処理時間は1850msである。この場合、1850ms(検品処理時間)>500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図10のステップS1004においてYesと判定され、ステップS1005において紙間時間が変更される。本実施形態では、検品処理時間≦プロセス時間+既定の紙間時間となるように、紙間時間が1500msに変更され、印刷処理部211はシートを給紙するタイミング(間隔)を変更する。なお、本実施形態では紙間時間を1500msに変更する構成について説明したが、変更後の紙間時間はこれに限らず、検品処理時間≦プロセス時間+変更後の紙間時間となるように紙間時間を制御すればよい。
【0073】
以上の通り紙間時間を変更することにより、検品処理時間が長くなってしまっても、シートAに対する検品処理が完了した後に次のシートであるシートBが検品部102(読取センサー404)に到着するように制御することが可能となる。また、ジョブ1203では、紙間時間が100msから1500msへと長くなるため、印刷速度も100ppmから30ppmへと低下することとなる。このように、紙間時間を制御することは、印刷速度を制御することと同義である。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、印刷解像度と、参照画像データの解像度と、検品画像データの解像度とに基づいて決定する検品処理時間に基づいて、検品処理時間が長くなってしまった場合に、紙間時間及び印刷速度を好適に制御することができる。
【0075】
また、本実施形態では検品処理時間>プロセス時間+既定の紙間時間である場合に、プロセス時間は変更せずに紙間時間を変更する。紙間時間を変更する場合は、シートを給紙するタイミング(間隔)を制御すればよいため、プロセス時間を変更する場合よりも容易に制御することができる。しかしながら、本実施形態はこれに限るものではなく、実施形態では検品処理時間>プロセス時間+既定の紙間時間である場合に、紙間時間を変更せずにプロセス時間は変更してもよく、紙間時間とプロセス時間の両方を変更してもよい。
【0076】
また、本実施形態では読取処理、解像度変換処理、比較処理の3つの処理に要する時間と、プロセス時間と既定の紙間時間との合計を比較することで印刷速度を制御すると説明したが、本発明を適用できる形態はこれに限るものではない。他の例として、例えば、読取センサー404が指定された検品解像度でシートを読み取り、更に画像処理部406が印刷処理に先立って検品解像度に変換した参照画像データを生成する。この場合、比較処理に要する時間=検品処理時間となり、この検品処理時間と既定の紙間時間とを比較することで印刷速度を制御することができる。
【0077】
(実施形態2)
実施形態1では、標準モードで検品処理を実行した場合には、検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等の印刷速度(100ppm)となる例を説明した。しかしながら、検品解像度の設定によっては標準モードでも100ppm以下の印刷速度となってしまう場合が考えられる。本実施形態ではこれを鑑み、検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等の印刷速度となる検品モードを提供することを目的とする。
【0078】
本実施形態では、検品処理に関する設定として標準モードと高精度モードの2つの検品モードに加えて、速度優先モードを実行可能である。図13は、3つの検品モードのうちどの検品モードを実行するかをユーザが設定するための設定画面1300を説明する図である。設定画面1300は操作部206に表示される。
【0079】
各検品モードについて説明する。標準モードと高精度モードは図9の設定画面900と同様の検品モードのため説明は省略する。速度優先モードは、印刷速度が検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等になるように検品解像度を制御する検品モードである。具体例は後述する図16を用いて説明する。
【0080】
なお、本実施形態では設定画面1300はプリンタ部101の操作部206に表示されると説明したが、他の形態としても良い。例えば、検品部102やフィニッシャ103の不図示の表示部に表示する構成にしても良いし、プリントドライバをインストールしたPC110の表示部707に表示する構成にしても良い。PC110の表示部707で設定画面1300を用いて設定を行った場合は、印刷ジョブとともにユーザが設定した検品モードを示す情報が印刷装置100に送信される。
【0081】
次に、本実施形態における印刷処理及び検品処理について説明する。図14は、プリンタ部101で実行される印刷処理について説明するフローチャートである。なお、図14のステップS1001〜S1006の各ステップは、図10で説明したフローチャートと同様のため説明は省略する。また、図14の各ステップはプリンタ部101が備えるCPU201がROM202等のメモリに格納されたプログラムをRAM203に展開して実行することによって処理される。
【0082】
ステップS1401において、CPU201は、速度優先モードが設定されているか否かを判定する。この判定は、設定画面1300でユーザが速度優先モードを選択したか否かに基づいて決定する。速度優先モードが設定されていない場合には、ステップS1003に進む。一方、速度優先モードが設定されている場合には、ステップS1402に進む。
【0083】
ステップS1402において、接続I/F212は、プロセス時間と既定の紙間時間を検品部102に通知する。速度優先モードでは、検品処理を実行しながらも印刷速度は検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等となることが求められる。そこでステップS1402では、検品処理を実行しない場合の印刷速度を特定するための情報を検品部102に通知することで、検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等の印刷速度となるように検品処理を実行することを目的とする。
【0084】
ステップ1403において、印刷処理部211は、ステップS1001で生成した印刷データに基づいて印刷処理を実行する。このとき、ステップS1005のように紙間時間を変更しないため、印刷速度は検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等になる。具体例は後述する図16を用いて説明する。
【0085】
図15は、検品部102で実行される検品処理について説明するフローチャートである。なお、図15のステップS1101〜S1105の各ステップは、図11で説明したフローチャートと同様のため説明は省略する。また、図15の各ステップは検品部102が備えるCPU401がROM402等のメモリに格納されたプログラムをRAM403に展開して実行することによって処理される。
【0086】
ステップS1501において、CPU401は、速度優先モードが設定されているか否かを判定する。この判定は、設定画面1300でユーザが速度優先モードを選択したか否かに基づいて決定する。速度優先モードが設定されていない場合には、ステップS1102に進む。一方、速度優先モードが設定されている場合には、ステップS1502に進む。
【0087】
ステップS1502において、接続I/F409は、図14のステップS1402で送信されたプロセス時間と既定の紙間時間を取得する。これにより、検品部102は検品処理を実行しない場合の印刷速度を特定することができる。
【0088】
そしてステップS1503において、CPU401は、検品処理時間≦プロセス時間+既定の紙間時間となるように、適切な検品解像度を算出する。なお、具体例は後述する図16を用いて説明する。そしてステップS1503で算出された検品解像度を用いて、ステップS1104及びステップS1105に基づいて検品処理が実行される。
【0089】
次に本実施形態における印刷処理及び検品処理の具体例について、図16を用いて説明する。なお、本実施形態では実施形態1と同様に、読取処理と解像度変換処理に要する時間が50msであること、比較処理に関して検品解像度が150dpiである場合は450msであることが予めROM202やROM402に記憶されていることとする。
【0090】
ジョブ1601は、図12のジョブ1201と同様に、検品処理の実行が指定されていないジョブを示す。本実施形態では、検品処理を実行しないジョブに関しては、印刷解像度は600dpi、プロセス時間は500ms、紙間時間(既定の紙間時間)は100ms、印刷速度は100ppmで動作することとする。
【0091】
ジョブ1602は、図12のジョブ1202と同様に、検品モードとして標準モードが指定されたジョブを示す。ただし本実施形態では、検品モードが標準モードである場合は、検品解像度を300dpiとして検品処理を実行することとする。このとき、検品処理時間は50ms+450ms×4=1850msと算出される。そして印刷速度に関しては、1850ms(検品処理時間)>500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図14のステップS1005において紙間時間が変更される。本実施形態では紙間時間が1500msに変更され、印刷速度が30ppmに低下する。
【0092】
ジョブ1603は、図12のジョブ1203と同様に、検品モードとして高精度モードが指定されたジョブを示す。ただし本実施形態では、検品モードが高精度モードである場合は、検品解像度を450dpiとして検品処理を実行することとする。このとき、検品処理時間は50ms+450ms×9=4100msと算出される。そして印刷速度に関しては、4100ms(検品処理時間)>500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図14のステップS1005において紙間時間が変更される。本実施形態では紙間時間が4500msに変更され、印刷速度が12ppmに低下する。
【0093】
ジョブ1604は、検品モードとして速度優先モードが指定されたジョブを示す。標準モードと高精度モードでは検品処理時間に基づいて印刷速度(紙間時間)を制御していたが、速度優先モードでは印刷速度に基づいて検品解像度を制御することを特徴とする。速度優先モードにおいては、図15のステップS1502においてプロセス時間と既定の紙間時間をプリンタ部101から取得する。本実施形態では、プロセス時間が500ms、既定の紙間時間が100msであり、さらに、参照画像データの解像度は600dpi、検品画像データの解像度は600dpiであるとする。このとき、CPU401は、検品処理時間≦プロセス時間(500ms)+既定の紙間時間(100ms)となるように、検品解像度を算出する。本実施形態では、速度優先モードにおける検品解像度として、150dpiと算出される。
【0094】
なお、本実施形態では、速度優先モードのときには検品処理を実行しない場合の印刷速度を基準として検品解像度を算出すると説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。検品処理を実行しない場合の印刷速度ではなく、任意の印刷速度を基準にして検品解像度を算出してもよい。
【0095】
以上のように、本実施形態によれば、検品処理時間に基づいて印刷速度(紙間時間)を制御する検品モードだけでなく、印刷速度に基づいて検品解像度を制御することができる検品モードを提供することができる。これにより、検品処理を実行しない場合の印刷速度を維持することができるため、検品処理を実行しながらも生産性を維持することができる。
【0096】
(その他の実施形態)
本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0097】
100 印刷装置
101 プリンタ部
102 検品部
103 フィニッシャ
110 PC
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POD(Print On Demand)機などの印刷システムにおいて、印刷処理が実行されたシートに対して印刷不良の有無を判定する検品処理が実行されている。例えば特許文献1は、印字画像データに基づいて印字されたシートをスキャナで読み取り、そして印字画像データとスキャン画像データとを比較することで、印字ミスの有無を判定するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−257539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、印字画像データの解像度をスキャン画像データの解像度に変換し、印字画像データとスキャン画像データを比較することで検品処理を実行している。このように、検品処理を実行するときには検品処理で用いられる各画像データの比較を行う必要がある。このとき、各画像データの解像度が高くなれば高くなるほど、各画像データの比較に要する処理時間、つまり検品処理に要する処理時間が長くなってしまう。検品処理に要する処理時間が長くなると、あるシートの検品処理が完了する前に後続のシートが検品処理を実行するユニットに搬送されてしまう場合が発生し得る。このとき後続のシートに対しても検品処理を実行したい場合には、後続のシートの搬送を一時停止する必要があり、シートの搬送を停止させたり、停止させたシートの搬送を再開させるための制御が必要になる。
この点に関して、各画像データの比較を行う専用のバッファを設ければシートの搬送を一時停止する必要がなくなる。しかしながら、この場合だと専用のバッファを設けることでコストアップになってしまうし、シートの搬送や給紙に関する制御に検品処理の結果をリアルタイムで反映することができなくなってしまう。
本発明はかかる点に鑑み、検品処理を実行するときの検品解像度や印刷速度を好適に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明が提供する印刷装置は、第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて前記シートを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、前記検品処理を実行するときの検品解像度に基づいて、前記印刷処理に係る印刷速度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明が提供する印刷装置は、第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて前記シートを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、前記印刷処理に係る印刷速度に基づいて、前記検品処理を実行するときの検品解像度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検品処理を実行するときの検品解像度や印刷速度を好適に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の印刷システムを示す図である。
【図2】本発明のプリンタ部101の構成を示す図である。
【図3】本発明のプリンタ部101の構成を示す図である。
【図4】本発明の検品部102の構成を示す図である。
【図5】本発明の検品部102の構成を示す図である。
【図6】本発明のフィニッシャ103の構成を示す図である。
【図7】本発明のPC110の構成を示す図である。
【図8】本発明の検品処理について説明する図である。
【図9】実施形態1における、検品モードを設定するための設定画面を示す図である。
【図10】実施形態1における、印刷処理について説明するフローチャートである。
【図11】実施形態1における、検品処理について説明するフローチャートである。
【図12】実施形態1における、具体例を説明するための図である。
【図13】実施形態2における、検品モードを設定するための設定画面を示す図である。
【図14】実施形態2における、印刷処理について説明するフローチャートである。
【図15】実施形態2における、検品処理について説明するフローチャートである。
【図16】実施形態2における、具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0009】
(実施形態1)
図1は本実施形態における印刷システムを示す図である。印刷装置100はプリンタ部101、検品部102、フィニッシャ103で構成されている。プリンタ部101はシートに対して印刷処理を実行可能である。また、検品部102は、印刷物に印刷不良が発生しているか否かを検品する検品処理を実行可能である。そして、フィニッシャ103はシートに対してステイプルなどの後処理が可能である。
【0010】
印刷装置100は、ネットワークを介してPC(Personal Computer)110などの外部装置と通信可能となるように構成される。
【0011】
なお、本実施形態ではシートを搬送するためにプリンタ部101と検品部102とが直接接続されている。同様に、検品部102とフィニッシャ103とが直接接続されている。また、フィニッシャ103の動作を制御するために、プリンタ部101とフィニッシャ103とが専用の通信線で接続されている。
【0012】
まず、印刷装置100のプリンタ部101の構成を図2と図3を用いて説明する。
【0013】
CPU201を含む制御部200は、プリンタ部101を統括的に制御する。CPU201はROM202やHDD208に格納された制御プログラムを読み出してプリンタ部101の制御を行う。ROM202にはCPU201が動作するためのプログラムなどが記憶されている。RAM203はCPU201の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD208はROM202と同様に、CPU201が動作するためのプログラムなどが記憶されている。
【0014】
スキャナI/F205は、スキャナ204と制御部200とを接続する。スキャナ204は原稿を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F205を介して制御部200に読み取った画像データを入力することが可能である。
【0015】
操作部I/F207は、操作部206と制御部200とを接続するためのインターフェースである。操作部206には表示部(例えばタッチパネル機能を有する液晶表示部)やキーボードが備えられている。
【0016】
ネットワーク部209は、ネットワークを介して電子メールの送受信やPC110からのPDLデータの入出力などの通信制御を行う。RIP(ラスターイメージプロセッサ)部210はPDLデータをラスターイメージに展開する。印刷処理部211はシートに対して印刷処理を実行するために、図3に示す各ユニットの動作を制御する。
【0017】
接続I/F212は、制御部200が検品部102と通信を行うためのインターフェースである。接続I/F212は、シートへの印刷に用いられた画像データを検品部102に送信したり、検品処理の結果を検品部102から受信(取得)したりする。また、検品部102を制御するためのコマンドを検品部102に送信しても良い。
【0018】
接続I/F213は、制御部200がフィニッシャ103と通信を行うためのインターフェースである。制御部200とフィニッシャ103とは専用の通信線で接続されていて、接続I/F213はフィニッシャ103を制御するためのコマンドをフィニッシャ103に送信する。このコマンドには、検品処理の結果に基づいて図6などに後述するフィニッシャ103のシート処理を制御するための情報も含まれる。
【0019】
次に、プリンタ部101が印刷処理を実行するために印刷処理部211が制御するユニットについて、図3を用いて詳しく説明する。
【0020】
プリンタ部101がシートに印刷を行う際は、制御部200によりCMYKの色信号がそれぞれ露光制御部(303C、303M、303Y、303K)に送出される。露光制御部は送出された色信号に応じてレーザー光を点灯出力する。4個の帯電器(302C、302M、302Y、302K)により帯電した感光ドラム(301C、301M、301Y、301K)に前記レーザー光が照射されることで、感光ドラム上に静電潜像が形成される。なお、感光ドラムは不図示のモーターにより反時計回りに回転している。感光ドラムに形成された潜像画像は現像器(305C、305M、305Y、305K)により現像される。現像器はトナーカートリッジ(304C、304M、304Y、304K)と接続されており、印刷処理に用いる記録材として常時トナーが供給される構成となっている。
【0021】
中間転写体306は感光ドラムと接触しており、感光ドラムの回転に伴って時計回りに回転し、現像されたトナー像が転写される。中間転写体306上に転写されたトナー像は、転写ローラ307によってカセット311やカセット312から搬送されてきたシートに転写される。なお、中間転写体306上に残ったトナーをクリーニングするために、クリーニング手段309が転写ローラ307の後に設けられている。また、中間転写体306上のトナー像の濃度を測定するための濃度センサー310が設置されている。トナー像が転写されたシートは、定着部308に搬送される。定着部308においては、内部のヒータと加圧ローラにより転写されたトナー像を定着させる。
【0022】
定着部308を通過したシートは、図示しないフラッパにより一旦パス313からパス314に搬送され、シートの後端がパス313を通過するとシートをスイッチバックさせてパス315から排出ローラ317に搬送される。これにより、トナー像が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ317によりプリンタ部101から排出することが可能である。また、シートの両面に印刷を行う場合は、シートを定着部308からパス313、パス314に搬送し、シートの後端がパス313を通過した直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス316に搬送する。両面搬送パス316に搬送されたシートに対し、再度、転写ローラ307でトナー像が転写され、定着部308でトナー像がシートに定着される。
【0023】
排出ローラ317から排出されたシートは検品部102に搬送される。
【0024】
次に印刷装置100の検品部102の構成を図4と図5を用いて説明する。
【0025】
CPU401を含む制御部400は、検品部102を統括的に制御する。CPU401はROM402に格納された制御プログラムを読み出して検品部102の制御を行う。ROM402にはCPU401が動作するためのプログラムなどが記憶されている。RAM403はCPU401の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、CPU401はプリンタ部101から送信されたコマンドに従って検品部102の制御を行っても良い。
【0026】
読取センサーI/F405は、読取センサー404と制御部400とを接続するためのインターフェースである。読取センサー404は、図5で後述する搬送ベルト502上のシートを読み取り、画像データを生成する。なお、本実施形態では、読取センサーは600dpiの解像度でシートを読み取ることとする。
【0027】
画像処理部406は、読取センサー404で読み取った画像データの斜行を補正する。そして画像比較部407は、画像処理部406が補正した補正後の画像データと、シートへの印刷に用いられた画像データとを比較し、印刷物を検査する検品処理を実行する。なお、本実施形態では斜行の補正や検品処理は専用のハードウェア(画像処理部406、画像比較部407)で実行する構成だが、ソフトウェアによりCPU401が実行する構成にしても良い。
【0028】
接続I/F408は、制御部400がフィニッシャ103と通信を行うためのインターフェースである。接続I/F408は、検品処理の結果をフィニッシャ103に送信する。
【0029】
接続I/F409は、制御部400がプリンタ部101と通信を行うためのインターフェースである。接続I/F409は、検品処理の結果をプリンタ部101に送信したり、シートへの印刷に用いられた画像データをプリンタ部101から受信したりする。また、接続I/F409は、検品部102を制御するためのコマンドをプリンタ部101から受信しても良い。
【0030】
検品部102の構成を、図5を用いて更に説明する。
【0031】
給紙ローラ501によってプリンタ部101から印刷処理が実行されたシートが搬送される。その後、シートは搬送ベルト502によって搬送され、読取センサー404が読み取った画像データを用いた検品処理が実行される。検品処理が実行されたシートは排紙ローラ503によりフィニッシャ103に搬送される。なお、本実施形態では読取センサー404は搬送ベルト502の上側に設置されているが、両面印刷されたシートにも対応できるように搬送ベルト502の下側に他の読取センサーを設置しても良い。
【0032】
図6は印刷装置100のフィニッシャ103の構成を示す図である。
【0033】
フィニッシャ103はプリンタ部101と専用の通信線で接続される。この通信線を介してプリンタ部101からコマンドを受信し、このコマンドに基づいてフィニッシャ103の動作(シート処理)が制御される。
【0034】
検品部102から搬送されたシートは、検品処理の結果に応じて排紙部(エスケープトレイ601もしくは出力トレイ602)に排紙される。シートに対してステイプルを行う設定がされている場合は、処理トレイ603にシートを順次蓄えておき、処理トレイ603上でステープラ604がステイプルを行い、その後出力トレイ602に排紙される。
【0035】
パス切り替え部605は検品処理の結果に応じてシートの搬送パスを切り替える。搬送パスを切り替えることにより、シートをエスケープトレイ601、出力トレイ602のいずれかにシートを搬送することができる。
【0036】
なお、フィニッシャ103は不図示のCPUを備え、検品部102から受信(取得)した検品処理の結果に基づいて当該CPUがフィニッシャ103の制御を行う構成にしても良い。
【0037】
図7はPC110の構成を示す図である。
【0038】
CPU701はROM702やHDD704に格納された制御プログラムを読み出してPC110の制御を行う。ROM702にはCPU701が動作するためのプログラムなどが記憶されている。RAM703はCPU701の主メモリ、ワークエリア等の一時領域として用いられる。HDD704はROM702と同様に、CPU701が動作するためのプログラムが記憶されている。
【0039】
接続I/F705は、PC110とネットワークとを接続する。PC110はネットワークを介して印刷装置100と通信を行うことができる。キーボード706は、PC110に情報を入力するために用いられる。表示部707には様々な画面が表示される。
【0040】
PC110にプリンタドライバをインストールすることによって、PC110から印刷装置100を制御することが可能となる。
【0041】
次に検品処理の具体的な方法について図8を用いて説明する。なお、本発明を適用することができる検品処理の内容は、以下の方法に限定されるものではない。
【0042】
読取センサー404で読み取られ画像処理部406によって斜行が補正された画像データと、シートへの印刷に用いられた画像データとの比較を、画像比較部407が実行する。以降の説明では、シートへの印刷に用いられた画像データを参照画像データ(第1の画像データ)、読取センサー404で読み取られ画像処理部406によって斜行が補正された画像データを検品画像データ(第2の画像データ)と呼ぶこととする。なお、参照画像データの具体例としては、PDLプリントの時はPDLデータを展開したものを参照画像データとし、スキャナ204で読み取った画像データを印刷するときは、スキャナ204で読み取った画像データを参照画像データとする。
【0043】
検品画像データと参照画像データはそれぞれ画像処理部406で同等の解像度に変換され、各画像をビットマップでマッチングを行う。本実施形態では、まず参照画像データと検品画像データとをCMYKの色空間に変換処理を行う。そして1画素ごとにCMYKでの濃度の比較を行う。
【0044】
図8(a)は検品画像データを示し、図8(c)は図8(a)から一部分を抜き出したものである。図8(b)は図8(c)と同じ部分を参照画像データから抜きだしたものである。
【0045】
濃度データは0〜255の多値データとなっており、比較値を次の式で算出する。
【0046】
[数1]
比較値=[検品画像データの濃度データ値]−[参照画像データの濃度値]
そして算出した比較値と予め設定した許容できる濃度差とを比較して、|比較値|≦(許容できる濃度差)である場合は該当画素をOKと判定し、|比較値|>(許容できる濃度差)である場合は該当画素をNGと判定する。図8の例は、画素802は本来、画素801のように黒っぽい画素値が読み込まれるはずであるが、画素802の濃度値は少なく読み取られている。これは、画素802が正しく印刷されていないことを示している。本実施形態において許容できる濃度差が例えば40に設定されていて、画素801の濃度データ値が255、画素802の濃度データ値が127であるとする。すると、|比較値|=|127−255|=128>40であるから、画素802はNGと判定される。
【0047】
このように、検品画像データの各画素に対して同様の判定処理を行い、検品画像データの全画素のうちOKと判定された画素の割合を求める。検品画像データの全画素のうちOKと判定された画素の割合のことを、今後は検品画像データと参照画像データの類似度と呼ぶこととする。そして、類似度≧予め設定されている閾値である場合には、当該検品画像データは検品処理の結果がOKだと判定される。例えば予め設定されている閾値が80%である場合は、類似度≧80%である場合に、検品処理の結果がOKと判定される。一方、類似度<80%である場合には、当該検品画像データは検品処理の結果がNGだと判定される。
【0048】
なお、以上で説明した検品処理では1画素ごとに判定が行われるため、検品画像データ及び参照画像データの解像度が高いほど画素数が多くなり、シート1枚あたりの検品処理に要する時間(検品処理時間)が長くなる。しかし一方で、検品処理時間は長くなるが、検品処理の対象となる画素数が多くなる分、高精度の検品が可能となる。
【0049】
なお、検品処理の具体的な方法は図7で説明した方法に限定されるものではない。他の方法として、例えば、検品画像データと参照画像データとがどれだけ位置ずれを起こしているかを求めて、当該位置ずれが所定の値よりも大きい場合に検品処理の結果がNGと判定しても良い。この場合では、検品画像データと参照画像データとの位置ずれの値が、検品画像データと参照画像データの類似度として用いられる。
【0050】
なお、本実施形態では検品処理の結果がOKと判定されたシートは出力トレイ602に、NGと判定されたシートはエスケープトレイ601に排紙されることとする。
【0051】
本実施形態では、検品処理に関する設定として標準モードと高精度モードの2つの検品モードを実行可能である。図9は、2つの検品モードのうちどちらを実行するかをユーザが設定するための設定画面900を説明する図である。設定画面900は操作部206に表示される。
【0052】
標準モードとは、検品画像データ及び参照画像データの解像度を、高精度モードよりも低解像度に変換したうえで検品処理を実行するモードである。一方高精度モードとは、検品画像データ及び参照画像データの解像度を、標準モードよりも高解像度に変換したうえで検品処理を実行するモードである。
【0053】
高精度モードで検品処理を実行すると、画素数が多くなるため検品処理時間が長くなるが、画素数が多い分、高精度の検品が可能となる。一方標準モードで検品処理を実行すると、画素数が少なくなるため高精度モードよりも検品の精度は低下するが、画素数が少なくなる分、検品処理時間が短くなる。このように、標準モードと高精度モードはそれぞれ一長一短のため、本実施形態では、ユーザは自分の目的に応じて標準モードと高精度モードのいずれかを選択する。
【0054】
なお、本実施形態では設定画面900はプリンタ部101の操作部206に表示されると説明したが、他の形態としても良い。例えば、検品部102やフィニッシャ103の不図示の表示部に表示する構成にしても良いし、プリントドライバをインストールしたPC110の表示部707に表示する構成にしても良い。PC110の表示部707で設定画面900を用いて設定を行った場合は、印刷ジョブとともにユーザが設定した検品モードを示す情報が印刷装置100に送信される。
【0055】
次に、本実施形態における印刷処理及び検品処理について説明する。図10は、プリンタ部101で実行される印刷処理について説明するフローチャートである。なお、図10のステップS1001〜1006の各ステップは、プリンタ部101が備えるCPU201がROM202等のメモリに格納されたプログラムをRAM203に展開して実行することによって処理される。
【0056】
プリンタ部101に検品処理の実行が指示された印刷ジョブが投入されると、ステップS1001において、RIP部210は投入された印刷ジョブに基づいて印刷画像データを生成する。
【0057】
次にステップS1002において、接続I/F212は、ステップS1001で生成された印刷画像データを参照画像データとして検品部102に送信する。
【0058】
次にステップS1003において、接続I/F212は、シート1枚あたりの検品処理時間を検品部102から取得する。ここで検品部102から取得する検品処理時間は、後述する図11、12で詳しく説明するが、検品部102で算出された時間である。
【0059】
検品部102から検品処理時間を取得すると、ステップS1004において、CPU201は検品処理時間がプロセス時間と既定の紙間時間の合計よりも長いか否かを判定する。プロセス時間とは、シート1枚に印刷処理を実行するのに要する時間である。本実施形態では、プロセス時間は500msとする。また、紙間時間とは、あるシートと次のシートとの間(紙間)がどれだけ空いているかを示す時間である。本実施形態では、通常時の紙間時間は100msとし、この100msを既定の紙間時間と呼ぶこととする。
【0060】
ステップS1004において、検品処理時間がプロセス時間と既定の紙間時間の合計よりも長いと判定された場合は、ステップS1005に進む。このとき「検品処理時間>600ms(プロセス時間と既定の紙間時間の合計)」であるため、シートAに対する検品処理が完了する前に、検品部102(読取センサー404)に次のシートであるシートBが到着してしまうことになる。この場合、シートBに検品処理を実行することができなくなるため、ステップS1005において、印刷処理部211は紙間時間を変更する。具体例は後述する図12で説明するが、「検品処理時間≦プロセス時間と変更後の紙間時間の合計」となるように紙間時間を長くする。なお、本実施形態では、カセット311やカセット312などのシートの格納部から当該シートを給紙するタイミング(間隔)を変更することで、紙間時間の制御を行う。具体的には、シートを給紙するタイミング(間隔)を長くした場合は、紙間時間は長くなる。一方、シートを給紙するタイミング(間隔)を短くした場合は、紙間時間は短くなる。
【0061】
一方、ステップS1004において検品処理時間がプロセス時間と既定の紙間時間の合計よりも短いと判定された場合は、シートAに対する検品処理が完了した後に、検品部102(読取センサー404)に次のシートであるシートBが到着することになる。この場合、シートBに検品処理を実行することができるため、印刷処理部211が紙間時間を変更することなくステップS1006に進む。
【0062】
ステップS1006において、印刷処理部211は、ステップS1001で生成した印刷データに基づいて印刷処理を実行する。印刷処理が実行されたシートは、排出ローラ317によって検品部102に搬送される。
【0063】
図11は、検品部102で実行される検品処理について説明するフローチャートである。なお、図11のステップS1101〜S1104の各ステップは、検品部102が備えるCPU401がROM402等のメモリに格納されたプログラムをRAM403に展開して実行することによって処理される。
【0064】
ステップS1101において、接続I/F409は、図10のステップS1002で送信された参照画像データを受信する。
【0065】
ステップS1102において、CPU401は参照画像データの解像度と、検品画像データの解像度と、設定画面900で設定された検品モードを実行するときの検品解像度とに基づいて、シート1枚あたりの検品処理時間を算出する。検品処理時間は、読取センサー404がシートを読み取るのに要する読取処理、読取センサー404で読み取られた画像データの解像度とシートへの印刷に用いられた画像データの解像度とをそれぞれ検品解像度に変換する解像度変換処理、各画像データを比較する比較処理の3つの処理に要する時間によって決定する。読取処理と解像度変換処理に関しては、検品解像度に関わらずほぼ一定の処理時間となる。従って本実施形態では、読取処理と解像度変換処理に要する時間は50msであると予めROM202やROM402に記憶されている。また、比較処理に関しては、検品解像度が150dpiである場合は450msであると予めROM202やROM402に記憶されている。
【0066】
ステップS1102では、ROM202やROM402に記憶されている上述した各処理の処理時間に基づいて検品処理時間が算出される。例えば、検品解像度が150dpiである場合は、検品処理時間は50ms+450ms=500msと算出される。また、例えば検品解像度が300dpiである場合には、検品処理時間は50ms+450ms×4=1850msと算出される。
【0067】
フローチャートの説明に戻る。ステップS1103において、接続I/F409は、ステップ1102で算出した検品処理時間をプリンタ部101に通知する。
【0068】
ステップS1104において、読取センサー404はプリンタ部101から搬送されたシートを読み取り、検品画像データを生成する。そしてステップS1105において、画像比較部407は、図8で説明した検品処理を実行する。
【0069】
次に本実施形態における印刷処理及び検品処理の具体例について、図12を用いて説明する。
【0070】
ジョブ1201は、検品処理の実行が指定されていないジョブを示す。本実施形態では、検品処理を実行しないジョブに関しては、印刷解像度は600dpi、プロセス時間は500ms、紙間時間(既定の紙間時間)は100ms、印刷速度は100ppmで動作することとする。なお、ppmとは単位時間あたりの印刷枚数を示す単位である。100ppmの場合、1分あたりに100枚印刷することを示す。
【0071】
ジョブ1202は、検品モードとして標準モードが指定されたジョブを示す。本実施形態では、検品モードが標準モードである場合は、検品解像度を150dpiとして検品処理を実行することとする。また、印刷解像度は600dpiであるため参照画像データの解像度も600dpi、読取センサーが600dpiの解像度でシートを読み取るため、検品画像データの解像度は600dpiであるとする。このとき、検品処理時間は500msである。この場合、500ms(検品処理時間)<500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図10のステップS1004においてNoと判定され、紙間時間を変更することなく印刷処理が実行される。
【0072】
ジョブ1203は、検品モードとしてく高精度モードが指定されたジョブを示す。本実施形態では、検品モードが高精度モードである場合は、検品解像度を300dpiとして検品処理を実行することとする。印刷解像度、参照画像データの解像度、検品画像データの解像度はジョブ1201及びジョブ1202と同様である。このとき、検品処理時間は1850msである。この場合、1850ms(検品処理時間)>500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図10のステップS1004においてYesと判定され、ステップS1005において紙間時間が変更される。本実施形態では、検品処理時間≦プロセス時間+既定の紙間時間となるように、紙間時間が1500msに変更され、印刷処理部211はシートを給紙するタイミング(間隔)を変更する。なお、本実施形態では紙間時間を1500msに変更する構成について説明したが、変更後の紙間時間はこれに限らず、検品処理時間≦プロセス時間+変更後の紙間時間となるように紙間時間を制御すればよい。
【0073】
以上の通り紙間時間を変更することにより、検品処理時間が長くなってしまっても、シートAに対する検品処理が完了した後に次のシートであるシートBが検品部102(読取センサー404)に到着するように制御することが可能となる。また、ジョブ1203では、紙間時間が100msから1500msへと長くなるため、印刷速度も100ppmから30ppmへと低下することとなる。このように、紙間時間を制御することは、印刷速度を制御することと同義である。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、印刷解像度と、参照画像データの解像度と、検品画像データの解像度とに基づいて決定する検品処理時間に基づいて、検品処理時間が長くなってしまった場合に、紙間時間及び印刷速度を好適に制御することができる。
【0075】
また、本実施形態では検品処理時間>プロセス時間+既定の紙間時間である場合に、プロセス時間は変更せずに紙間時間を変更する。紙間時間を変更する場合は、シートを給紙するタイミング(間隔)を制御すればよいため、プロセス時間を変更する場合よりも容易に制御することができる。しかしながら、本実施形態はこれに限るものではなく、実施形態では検品処理時間>プロセス時間+既定の紙間時間である場合に、紙間時間を変更せずにプロセス時間は変更してもよく、紙間時間とプロセス時間の両方を変更してもよい。
【0076】
また、本実施形態では読取処理、解像度変換処理、比較処理の3つの処理に要する時間と、プロセス時間と既定の紙間時間との合計を比較することで印刷速度を制御すると説明したが、本発明を適用できる形態はこれに限るものではない。他の例として、例えば、読取センサー404が指定された検品解像度でシートを読み取り、更に画像処理部406が印刷処理に先立って検品解像度に変換した参照画像データを生成する。この場合、比較処理に要する時間=検品処理時間となり、この検品処理時間と既定の紙間時間とを比較することで印刷速度を制御することができる。
【0077】
(実施形態2)
実施形態1では、標準モードで検品処理を実行した場合には、検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等の印刷速度(100ppm)となる例を説明した。しかしながら、検品解像度の設定によっては標準モードでも100ppm以下の印刷速度となってしまう場合が考えられる。本実施形態ではこれを鑑み、検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等の印刷速度となる検品モードを提供することを目的とする。
【0078】
本実施形態では、検品処理に関する設定として標準モードと高精度モードの2つの検品モードに加えて、速度優先モードを実行可能である。図13は、3つの検品モードのうちどの検品モードを実行するかをユーザが設定するための設定画面1300を説明する図である。設定画面1300は操作部206に表示される。
【0079】
各検品モードについて説明する。標準モードと高精度モードは図9の設定画面900と同様の検品モードのため説明は省略する。速度優先モードは、印刷速度が検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等になるように検品解像度を制御する検品モードである。具体例は後述する図16を用いて説明する。
【0080】
なお、本実施形態では設定画面1300はプリンタ部101の操作部206に表示されると説明したが、他の形態としても良い。例えば、検品部102やフィニッシャ103の不図示の表示部に表示する構成にしても良いし、プリントドライバをインストールしたPC110の表示部707に表示する構成にしても良い。PC110の表示部707で設定画面1300を用いて設定を行った場合は、印刷ジョブとともにユーザが設定した検品モードを示す情報が印刷装置100に送信される。
【0081】
次に、本実施形態における印刷処理及び検品処理について説明する。図14は、プリンタ部101で実行される印刷処理について説明するフローチャートである。なお、図14のステップS1001〜S1006の各ステップは、図10で説明したフローチャートと同様のため説明は省略する。また、図14の各ステップはプリンタ部101が備えるCPU201がROM202等のメモリに格納されたプログラムをRAM203に展開して実行することによって処理される。
【0082】
ステップS1401において、CPU201は、速度優先モードが設定されているか否かを判定する。この判定は、設定画面1300でユーザが速度優先モードを選択したか否かに基づいて決定する。速度優先モードが設定されていない場合には、ステップS1003に進む。一方、速度優先モードが設定されている場合には、ステップS1402に進む。
【0083】
ステップS1402において、接続I/F212は、プロセス時間と既定の紙間時間を検品部102に通知する。速度優先モードでは、検品処理を実行しながらも印刷速度は検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等となることが求められる。そこでステップS1402では、検品処理を実行しない場合の印刷速度を特定するための情報を検品部102に通知することで、検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等の印刷速度となるように検品処理を実行することを目的とする。
【0084】
ステップ1403において、印刷処理部211は、ステップS1001で生成した印刷データに基づいて印刷処理を実行する。このとき、ステップS1005のように紙間時間を変更しないため、印刷速度は検品処理を実行しない場合の印刷速度と同等になる。具体例は後述する図16を用いて説明する。
【0085】
図15は、検品部102で実行される検品処理について説明するフローチャートである。なお、図15のステップS1101〜S1105の各ステップは、図11で説明したフローチャートと同様のため説明は省略する。また、図15の各ステップは検品部102が備えるCPU401がROM402等のメモリに格納されたプログラムをRAM403に展開して実行することによって処理される。
【0086】
ステップS1501において、CPU401は、速度優先モードが設定されているか否かを判定する。この判定は、設定画面1300でユーザが速度優先モードを選択したか否かに基づいて決定する。速度優先モードが設定されていない場合には、ステップS1102に進む。一方、速度優先モードが設定されている場合には、ステップS1502に進む。
【0087】
ステップS1502において、接続I/F409は、図14のステップS1402で送信されたプロセス時間と既定の紙間時間を取得する。これにより、検品部102は検品処理を実行しない場合の印刷速度を特定することができる。
【0088】
そしてステップS1503において、CPU401は、検品処理時間≦プロセス時間+既定の紙間時間となるように、適切な検品解像度を算出する。なお、具体例は後述する図16を用いて説明する。そしてステップS1503で算出された検品解像度を用いて、ステップS1104及びステップS1105に基づいて検品処理が実行される。
【0089】
次に本実施形態における印刷処理及び検品処理の具体例について、図16を用いて説明する。なお、本実施形態では実施形態1と同様に、読取処理と解像度変換処理に要する時間が50msであること、比較処理に関して検品解像度が150dpiである場合は450msであることが予めROM202やROM402に記憶されていることとする。
【0090】
ジョブ1601は、図12のジョブ1201と同様に、検品処理の実行が指定されていないジョブを示す。本実施形態では、検品処理を実行しないジョブに関しては、印刷解像度は600dpi、プロセス時間は500ms、紙間時間(既定の紙間時間)は100ms、印刷速度は100ppmで動作することとする。
【0091】
ジョブ1602は、図12のジョブ1202と同様に、検品モードとして標準モードが指定されたジョブを示す。ただし本実施形態では、検品モードが標準モードである場合は、検品解像度を300dpiとして検品処理を実行することとする。このとき、検品処理時間は50ms+450ms×4=1850msと算出される。そして印刷速度に関しては、1850ms(検品処理時間)>500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図14のステップS1005において紙間時間が変更される。本実施形態では紙間時間が1500msに変更され、印刷速度が30ppmに低下する。
【0092】
ジョブ1603は、図12のジョブ1203と同様に、検品モードとして高精度モードが指定されたジョブを示す。ただし本実施形態では、検品モードが高精度モードである場合は、検品解像度を450dpiとして検品処理を実行することとする。このとき、検品処理時間は50ms+450ms×9=4100msと算出される。そして印刷速度に関しては、4100ms(検品処理時間)>500ms(プロセス時間)+100ms(既定の紙間時間)であるため、図14のステップS1005において紙間時間が変更される。本実施形態では紙間時間が4500msに変更され、印刷速度が12ppmに低下する。
【0093】
ジョブ1604は、検品モードとして速度優先モードが指定されたジョブを示す。標準モードと高精度モードでは検品処理時間に基づいて印刷速度(紙間時間)を制御していたが、速度優先モードでは印刷速度に基づいて検品解像度を制御することを特徴とする。速度優先モードにおいては、図15のステップS1502においてプロセス時間と既定の紙間時間をプリンタ部101から取得する。本実施形態では、プロセス時間が500ms、既定の紙間時間が100msであり、さらに、参照画像データの解像度は600dpi、検品画像データの解像度は600dpiであるとする。このとき、CPU401は、検品処理時間≦プロセス時間(500ms)+既定の紙間時間(100ms)となるように、検品解像度を算出する。本実施形態では、速度優先モードにおける検品解像度として、150dpiと算出される。
【0094】
なお、本実施形態では、速度優先モードのときには検品処理を実行しない場合の印刷速度を基準として検品解像度を算出すると説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。検品処理を実行しない場合の印刷速度ではなく、任意の印刷速度を基準にして検品解像度を算出してもよい。
【0095】
以上のように、本実施形態によれば、検品処理時間に基づいて印刷速度(紙間時間)を制御する検品モードだけでなく、印刷速度に基づいて検品解像度を制御することができる検品モードを提供することができる。これにより、検品処理を実行しない場合の印刷速度を維持することができるため、検品処理を実行しながらも生産性を維持することができる。
【0096】
(その他の実施形態)
本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0097】
100 印刷装置
101 プリンタ部
102 検品部
103 フィニッシャ
110 PC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、
前記検品処理を実行するときの検品解像度に基づいて、前記印刷処理に係る印刷速度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記シートを給紙するタイミングを制御することで、前記印刷速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記印刷手段が前記印刷処理を実行するために要する時間を制御することで、前記印刷速度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷速度は、単位時間あたりの印刷枚数を示すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検品解像度に基づいて決定する前記検品処理を実行するために要する検品処理時間が所定の時間よりも長い場合に、前記印刷速度を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記所定の時間は、前記シートを給紙するタイミングを示す時間と、前記印刷手段が前記印刷処理を実行するために要する時間との合計であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記所定の時間は、前記シートを給紙するタイミングを示す時間であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、
前記印刷処理に係る印刷速度に基づいて、前記検品処理を実行するときの検品解像度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
前記印刷速度は、単位時間あたりの印刷枚数を示すことを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷速度は、前記シートを給紙するタイミングを示す時間に基づいて決定することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記印刷速度は、ユーザの指定に基づいて決定することを特徴とすることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記印刷装置は前記検品手段を備える検品装置と接続され、
前記搬送手段は、前記検品装置に前記シートを搬送することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記検品処理は、印刷不良が発生しているか否かを検品するための処理であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項14】
印刷装置の制御方法であって、
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送ステップと、
前記検品処理を実行するときの検品解像度に基づいて、前記印刷処理に係る印刷速度を制御する制御ステップとを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項15】
印刷装置の制御方法であって、
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送ステップと、
前記印刷処理に係る印刷速度に基づいて、前記検品処理を実行するときの検品解像度を制御する制御ステップとを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載の印刷装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、
前記検品処理を実行するときの検品解像度に基づいて、前記印刷処理に係る印刷速度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記シートを給紙するタイミングを制御することで、前記印刷速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記印刷手段が前記印刷処理を実行するために要する時間を制御することで、前記印刷速度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷速度は、単位時間あたりの印刷枚数を示すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検品解像度に基づいて決定する前記検品処理を実行するために要する検品処理時間が所定の時間よりも長い場合に、前記印刷速度を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記所定の時間は、前記シートを給紙するタイミングを示す時間と、前記印刷手段が前記印刷処理を実行するために要する時間との合計であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記所定の時間は、前記シートを給紙するタイミングを示す時間であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷手段と、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送手段と、
前記印刷処理に係る印刷速度に基づいて、前記検品処理を実行するときの検品解像度を制御する制御手段とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
前記印刷速度は、単位時間あたりの印刷枚数を示すことを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷速度は、前記シートを給紙するタイミングを示す時間に基づいて決定することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記印刷速度は、ユーザの指定に基づいて決定することを特徴とすることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記印刷装置は前記検品手段を備える検品装置と接続され、
前記搬送手段は、前記検品装置に前記シートを搬送することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記検品処理は、印刷不良が発生しているか否かを検品するための処理であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項14】
印刷装置の制御方法であって、
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送ステップと、
前記検品処理を実行するときの検品解像度に基づいて、前記印刷処理に係る印刷速度を制御する制御ステップとを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項15】
印刷装置の制御方法であって、
第1の画像データに基づいてシートに印刷処理を実行する印刷ステップと、
前記印刷処理が実行されたシートを読み取ることで生成される第2の画像データと前記第1の画像データとに基づいて当該第2の画像データを検品する検品処理を実行する検品手段に前記シートを搬送する搬送ステップと、
前記印刷処理に係る印刷速度に基づいて、前記検品処理を実行するときの検品解像度を制御する制御ステップとを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載の印刷装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−103407(P2013−103407A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248821(P2011−248821)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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