説明

印刷装置および印刷システム

【課題】所望の印刷ジョブを印刷する印刷装置の所在を簡便に確認できる印刷装置および印刷システムを提供すること。
【解決手段】 プリンタ100は,印刷ジョブを自身のメモリ領域110に記憶し,その印刷ジョブに対する印刷指示を受け付けたことを契機に,その印刷ジョブの印刷を行う。また,プリンタ100は,通信可能なプリンタのうち,印刷対象の印刷ジョブに対する印刷実行装置を抽出する。さらに,その印刷実行装置の位置情報を取得する。そして,印刷実行装置の配置を示す配置図を出力する。配置図の出力は,用紙への印刷であってもよいし,配置図のデータのファイル出力であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,印刷装置および印刷システムに関する。さらに詳細には,印刷ジョブを印刷装置の記憶部に記憶し,ユーザからの印刷指示を受け付けたことによってその印刷ジョブを印刷する印刷装置および印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,PCや携帯電話等の端末装置から印刷装置に印刷ジョブを送信し,印刷装置はその印刷ジョブを記憶して待機し,その後,ユーザが印刷装置に対してその印刷ジョブの印刷指示を行ったことを契機に印刷を開始するリモート印刷技術がある。リモート印刷技術を開示した文献としては,例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−216915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,前記した従来のリモート印刷技術には,次のような問題があった。すなわち,ユーザは,印刷装置まで移動して印刷指示を行うことから,印刷ジョブをどこの印刷装置に記憶したかを覚えておく必要がある。しかし,ユーザは,印刷ジョブを印刷装置に記憶した後,直ぐに印刷指示を行うとは限らず,印刷ジョブを印刷する印刷装置の所在を忘れてしまうことがある。また,ユーザが印刷装置の所在を誤って覚えてしまうこともある。このような場合,ユーザは印刷ジョブを印刷する印刷装置の本当の所在が分からず困惑してしまう。
【0005】
本発明は,前記した従来のリモート印刷技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,所望の印刷ジョブを印刷する印刷装置の所在を簡便に確認できる印刷装置および印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた印刷装置は,印刷ジョブを記憶する記憶部と,前記記憶部に記憶されている印刷ジョブのうち,印刷指示を受け付けた印刷ジョブの印刷を行う印刷部と,印刷対象の印刷ジョブを印刷する機会がある印刷装置である印刷実行装置を抽出する抽出部と,前記印刷実行装置の位置情報を取得する取得部と,前記取得部が取得した位置情報から,前記印刷実行装置の配置を示す配置図を作成する作成部と,前記作成部が作成した配置図を出力する出力部とを備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の印刷装置は,印刷ジョブを記憶部に記憶し,その印刷ジョブの印刷指示を受け付けたことを契機に,その印刷ジョブの印刷を行う。また,本発明の印刷装置は,印刷対象の印刷ジョブに対する印刷実行装置を抽出し,さらにその印刷実行装置の位置情報を取得し,印刷実行装置の配置を示す配置図を出力する。印刷実行装置は,印刷対象の印刷ジョブを記憶している印刷装置の他,印刷対象の印刷ジョブの転送を受け付け,転送された印刷ジョブを転送元の装置に代わって印刷する代行機能を有する印刷装置であってもよい。また,取得する位置情報は,物理的位置であってもよいし,自装置から見た相対的位置であってもよい。また,配置図の出力は,用紙への印刷であってもよいし,配置図のデータの他装置への送信であってもよい。
【0008】
すなわち,本発明の印刷装置では,印刷対象の印刷ジョブを印刷する機会がある印刷実行装置の配置を示す配置図を出力することで,ユーザは,その配置図を見ながら,所望の印刷ジョブを印刷する印刷装置の所在を容易に確認できる。そのため,印刷ジョブの所在が不明となってユーザが困惑する事態を低減することが期待できる。
【0009】
また,前記作成部は,自装置の位置を前記配置図に示すとよい。自装置の位置を配置図に加えることで,ユーザは自装置(すなわち,自装置を操作しているユーザの位置)と印刷実行装置との位置関係を把握し易い。
【0010】
また,前記作成部は,前記印刷実行装置と自装置との距離が近ければ近いほど,前記配置図の表示倍率を高くするとよい。表示倍率を同じとした場合,印刷実行装置と自装置との距離が近いほど,印刷実行装置と自装置との間の情報以外の情報となる装置間外情報が多く表示される。この装置間外情報は,配置図から印刷実行装置を見つける上で必要性が低い。そこで,表示倍率を高くすることで,装置間外情報を非表示とし,さらに印刷実行装置と自装置との間の情報である装置間情報を拡大表示することで,ユーザは,配置図に示されている情報を視認し易くなる。
【0011】
また,前記作成部は,前記印刷対象の印刷ジョブの印刷を完了するまでにかかる予想印刷時間を前記配置図に示すとよい。予想印刷時間には,印刷対象の印刷ジョブを印刷するのに必要な時間の他,当該印刷ジョブよりも優先度が高い印刷ジョブがある場合,その印刷ジョブを印刷するのに必要な時間も含まれる。予想印刷時間を確認できることで,例えば印刷実行装置が複数ある場合に,ユーザはどの装置が最も早期に印刷物を入手できるかを把握できる。
【0012】
さらに,前記作成部は,自装置から前記印刷実行装置まで移動するのにかかる予想移動時間を前記配置図に示すとよい。予想移動時間を確認できることで,例えば印刷実行装置が複数ある場合に,ユーザはどの装置に最も早期に到着できるかをより正確に把握できる。また,印刷予想時間と併せて示すことで,移動開始してから印刷完了までの時間をより正確に把握できる。
【0013】
また,前記作成部は,自装置を除く前記印刷実行装置以外の印刷装置を前記配置図に示さないとよい。印刷実行装置以外の印刷装置を非表示とすることで,配置図に示される印刷装置の数が減り,印刷対象装置の位置がより確認し易くなる。
【0014】
また,前記作成部は,前記印刷実行装置の外観を前記配置図に示すとよい。印刷実行装置の外観(例えば写真,イラスト)が配置図に加わることで,ユーザは印刷実行装置をより見つけ易い。
【0015】
また,本発明の印刷装置は,印刷実行装置に対する選択条件を設定する設定部を備え,前記作成部は,前記設定部に設定された選択条件に合致する印刷実行装置を,前記設定部に設定された条件に合致しない印刷実行装置と比較して強調表示した配置図を作成するとよい。選択条件としては,例えば自装置からの距離,印刷時間,特定のスペック,印刷ジョブの有無が該当する。強調表示としては,例えばフォントを大きくする,太字や下線を利用する,色を変える,丸で囲むが該当する。本構成のように選択条件に合致する印刷実行装置を強調することで,ユーザが希望する印刷装置をより把握し易くなる。
【0016】
また,前記作成部は,ユーザが自装置に対して入力操作する際のユーザの向きである第1方向を示すマークを前記配置図に示すとよい。第1方向を示すマークを示すことで,ユーザは,印刷実行装置がどの方向にあるのかを把握し易い。その結果として,印刷実行装置を見つけ易い。
【0017】
また,前記出力部は,前記配置図を用紙に印刷し,前記作成部は,前記第1方向と,前記用紙の縦方向と横方向とのいずれか一方とが一致するように,前記配置図を作成するとよい。ユーザが配置図印刷済みの用紙を持った際,配置図の向きと配置図に示された第1方向とを一致させることができるため,ユーザが配置図を手に取った状態でユーザ自身の向きと配置図に描かれている第1方向とを一致させ易く,印刷実行装置に向かう方向を把握し易い。その結果として,印刷実行装置を見つけ易い。
【0018】
また,前記出力部は,前記配置図を用紙に印刷し,前記作成部は,自装置から前記印刷実行装置に向かう方向である第2方向と,前記用紙の縦方向と横方向とのいずれか一方とが一致するように,前記配置図を作成するとよい。ユーザが配置図を見た際,用紙の向きと印刷実行装置に向かう方向とが一致するため,ユーザは印刷実行装置に向かう方向に何があるのかを把握し易い。その結果として,印刷実行装置を見つけ易い。
【0019】
また,前記出力部は,前記配置図を用紙に印刷し,前記作成部は,前記印刷実行装置と自装置との距離が近ければ近いほど,前記配置図の表示倍率を高く,さらに自装置から前記印刷実行装置に向かう方向である第2方向と,前記用紙の対角方向とが一致するように,前記配置図を作成するとよい。自装置と印刷実行装置とがそれぞれ離れた対角に表示されることで,自装置から印刷実行装置までの距離に合わせて表示倍率を変更する際に表示倍率を高くすることができ,自装置と印刷実行装置との間の装置間情報をより詳細に表示できる。その結果として,印刷実行装置を見つけ易い。
【0020】
また,本発明は,印刷ジョブを記憶する記憶部と,前記記憶部に記憶されている印刷ジョブのうち,印刷指示を受け付けた印刷ジョブの印刷を行う印刷部とを備える印刷装置を複数有する印刷システムであって,印刷対象の印刷ジョブを印刷する機会がある印刷装置である印刷実行装置を抽出する抽出部と,前記印刷実行装置の位置情報を取得する取得部と,前記取得部が取得した位置情報から,前記印刷実行装置の配置を示す配置図を作成する作成部とを備え,前記印刷装置は,前記作成部が作成した配置図を取得し,当該配置図を出力する出力部を備えることを特徴とする印刷システムを含んでいる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば,所望の印刷ジョブを印刷する印刷装置の所在を簡便に確認できる印刷装置および印刷システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態にかかるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかる印刷システムの動作概略を示すブロック図である。
【図3】配置図の出力イメージを示す図である。
【図4】実施の形態にかかる登録ジョブ印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態にかかる配置図出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】出力条件設定画面を示す図である。
【図7】「自動倍率」を出力オプションとして設定した場合の配置図である。
【図8】「自動倍率」と「外観」を出力オプションとして設定した場合の配置図である。
【図9】「自動倍率」,「時間」及び「移動距離」を出力オプションとして設定した場合の配置図である。
【図10】「自動倍率」,「時間」,「移動距離」及び「ユーザ向き」を出力オプションとして設定した場合の配置図である。
【図11】「印刷不可非表示」を出力オプションとして設定した場合の配置図である。
【図12】強調条件設定画面を示す図である。
【図13】強調条件を設定した場合の配置図である。
【図14】印刷条件設定画面を示す図である。
【図15】「ユーザ向きと縦方向とを揃える」を印刷オプションとして設定した場合の配置図である。
【図16】「対象装置向きと対角方向とを揃える」を印刷オプションとして設定した場合の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下,本発明にかかる印刷装置を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,複数のプリンタとネットワークを介して接続するプリンタに本発明を適用したものである。
【0024】
[プリンタの構成]
本形態のプリンタ100(印刷装置の一例)は,図1に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(Non Volatile RAM)34とを備えた制御部30を備えている。また,制御部30は,用紙に画像を印刷する画像形成部10と,動作状況の表示やユーザによる入力操作の受付を行う操作パネル40と,ネットワークインターフェース37と,USBインターフェース38とに,電気的に接続されている。
【0025】
ROM32には,プリンタ100を制御するための制御プログラムであるファームウェアや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33およびNVRAM34は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
【0026】
CPU31(抽出部,取得部,作成部,設定部の一例)は,ROM32から読み出した制御プログラムや各種センサから送られる信号に従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,プリンタ100の各構成要素を制御する。
【0027】
ネットワークインターフェース37およびUSBインターフェース38は,他の装置との通信を可能にするインターフェースである。プリンタ100は,これらのインターフェースを介して他の装置から送信される印刷ジョブを受信する。本形態では,プリンタ100は,ネットワークインターフェース37を介して,パーソナルコンピュータ(PC)200やサーバ300,さらには他のプリンタ101,102,103との通信が可能になっている。本形態では,プリンタ100,PC200,サーバ300,プリンタ101,102,103によって印刷システム900が構成される。
【0028】
また,画像形成部10(印刷部の一例)は,用紙に画像を印刷することができればよく,画像形成方式については電子写真方式であってもインクジェット方式であってもよい。また,カラー印刷が可能であってもよく,モノクロ印刷専用であってもよい。
【0029】
また,操作パネル40は,ユーザ入力を受け付ける各種のボタンと,文字情報を表示する表示部とを有している。各種のボタンとしては,例えば,印刷の実行を指示するボタンや,印刷動作のキャンセルを指示するキャンセルボタンがある。また,表示部は,タッチパネル式の液晶画面であり,表示機能の他,入力機能も有している。
【0030】
[印刷システムの構成]
続いて,プリンタ100を含む印刷システム900の構成および動作について,図2を参照しつつ説明する。なお,本形態では,説明の簡略化のため,プリンタ100,101,102,103,およびPC200のみで印刷システム900が構成されているが,これらの装置のみに限定するものではなく,この他の装置が接続されていてもよい。また,プリンタ101,102,103は,プリンタ100と同じスペックである必要はない。
【0031】
印刷システム900では,PC200がユーザからの印刷指示を受け付けると,PC200に組み込まれているプリンタドライバ210が印刷ジョブを作成する。そして,PC200から所望のプリンタ(本説明ではプリンタ100とする)に対して印刷ジョブが投入される。なお,印刷ジョブには,印刷対象となる印刷データの他,個々の印刷ジョブを識別するための情報と,ジョブを投入するユーザを識別する情報とが含まれる。
【0032】
プリンタ100は,印刷ジョブを受信すると,その印刷ジョブを,印刷ジョブの保管用に確保されたメモリ領域110(記憶部の一例)に記憶する。メモリ領域110は,RAM33あるいはNVRAM34あるいはその両方によって構成される。なお,USBメモリや外付けHDD等の外部メモリが接続されている場合には,その外部メモリに確保されたメモリ領域をメモリ領域110に含めてもよい。
【0033】
プリンタ100は,印刷ジョブをメモリ領域110に記憶した後,その印刷ジョブの印刷指示の入力を待つ待機状態になる。すなわち,プリンタ100は,印刷ジョブを受信した段階ではその印刷ジョブの印刷を開始しない。
【0034】
ユーザは,プリンタ100に印刷ジョブを投入した後,プリンタ100が設置されている場所まで移動する。そして,プリンタ100の操作パネル40を操作し,印刷ジョブの印刷指示を入力する。プリンタ100は,その印刷指示を受け付けたことを契機に,メモリ領域110に記憶されている印刷ジョブを検索し,そのユーザが所有する印刷ジョブの印刷を開始する。
【0035】
また,印刷システム900では,少なくとも1台のプリンタ(本形態ではプリンタ100とする)が,印刷システム900を構成するプリンタの配置図を出力する出力機能を有している。プリンタ100は,他のプリンタ101,102,103の位置を記憶するデータベースを有しており,この位置情報に基づいて図3に示すようなプリンタの配置図を作成する。なお,プリンタの位置情報は,ユーザ入力やGPS等の公知の位置測定技術を利用することによって取得できる。
【0036】
また,プリンタ100は,配置図を出力する際には,他のプリンタ101,102,103に対して能力や状態,さらにはジョブの登録状況を問い合わせる。そして,ユーザ所望の印刷ジョブについて,印刷する機会があるプリンタと印刷する機会がないプリンタとを識別する。そして,プリンタ100は,印刷する機会があるプリンタと印刷する機会がないプリンタとを区別可能な配置図を作成する。
【0037】
例えば,図3は,印刷システム900を構成するすべてのプリンタの位置情報を表示する配置図である。図3中,太線は道(通路)を意味する。また,四角のブロックはプリンタを意味する。図3中,「プリンタA」はユーザの現在地であるプリンタ100に割り当てられた名称,「プリンタB」はプリンタ101に割り当てられた名称,「プリンタC」はプリンタ102に割り当てられた名称,「プリンタD」はプリンタ103に割り当てられた名称である。以下の説明では,プリンタ101(プリンタB)に所望の印刷ジョブが記憶されているものとする。図3に示した配置図では,印刷する機会があるプリンタ101(プリンタB)について「ジョブあり」の文字列が表示され,印刷機会がないプリンタ103(プリンタD)について「ジョブあり」の文字列が表示されない。そのため,印刷機会があるプリンタと印刷機会がないプリンタとを区別できる。また,プリンタ102(プリンタC)は,印刷ジョブの転送を受け付ける機能を有するものである。この
場合,プリンタ102(プリンタC)は,印刷ジョブを記憶するプリンタ101(プリンタB)を代行してその印刷ジョブを印刷することができる。そのため,このような代行印刷が可能なプリンタ102(プリンタC)については,「代行可能」の文字列が表示され,印刷する機会があるプリンタであることをユーザが把握できる。
【0038】
[プリンタの制御]
続いて,上述したプリンタ100の動作を実現する登録ジョブ印刷処理について,図4のフローチャートを参照しつつ説明する。登録ジョブ印刷処理は,プリンタ100に記憶されている印刷ジョブの印刷指示を受け付けたことを契機に,制御部30によって実行される。
【0039】
プリンタ100は,ユーザが操作パネル40を操作することによって入力されるユーザの識別情報に基づいて,ユーザを特定する(S101)。そして,プリンタ100は,自身のメモリ領域110に記憶されている印刷ジョブから,S101によって特定されたユーザが所有する印刷ジョブを検索する(S102)。
【0040】
次に,S102によって印刷ジョブが検索されたか否かを判断する(S103)。印刷ジョブが検索された場合には(S103:YES),プリンタ100は,その印刷ジョブを選択し(S104),その選択した印刷ジョブを印刷する(S105)。その後,登録ジョブ印刷処理を終了する。
【0041】
一方,印刷ジョブが検索されなかった場合には(S103:NO),プリンタ100は,印刷システム900を構成する他のプリンタ,すなわち,プリンタ101,102,103のうち,S101によって特定されたユーザが所有する印刷ジョブを記憶するプリンタの位置情報を示す配置図を出力するか否かを,ユーザに確認するメッセージを操作パネル40に表示する(S111)。
【0042】
ユーザが配置図の出力を希望しない場合には(S112:NO),そのまま登録ジョブ印刷処理を終了する。ユーザが配置図の出力を希望する場合には(S112:YES),配置図を作成してその配置図を出力する配置図出力処理を実行する(S113)。その後,登録ジョブ印刷処理を終了する。
【0043】
[配置図出力処理]
続いて,S113の配置図出力処理の手順を,図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0044】
配置図出力処理では,先ず,印刷システム900を構成する他のプリンタ101,102,103に対して能力や状態,さらにはジョブの登録状況を問い合わせる(S121)。S121では,直接各プリンタに問い合わせてもよいし,サーバ300が各プリンタの情報を有している場合には,サーバ300に問い合わせてもよい。プリンタ100は,他のプリンタ101,102,103から出力される応答を受信することで,他のプリンタ101,102,103の情報,すなわち,各プリンタの能力,状態,ジョブの登録状況を取得する。
【0045】
次に,他のプリンタ101,102,103の位置情報を取得する(S122,取得部の一例)。位置情報は,プリンタ100自身が有するデータベースに記憶している。位置情報から得られた位置は,物理的位置であってもよいし,自プリンタから見た相対的位置であってもよい。
【0046】
そして,プリンタ100は,S122で取得した位置情報に基づいて,自プリンタ100と,他のプリンタ101,102,103との位置関係を示すテンプレートを作成する(S123,作成部の一例)。ここでいうテンプレートとは,後述する出力オプション,強調条件を設定する前の配置図であり,例えば,図3のような画像を記憶するデータである。また,プリンタ100は,テンプレート中の自プリンタについて「現在地」の文字列を追加する。
【0047】
次に,ユーザが所有する印刷ジョブについて,印刷する機会があるプリンタと印刷する機会がないプリンタとを配置図上で区別するために,プリンタ100は,S121で取得した各プリンタのジョブの登録状況に基づいて,印刷する機会があるプリンタを抽出する(S124,抽出部の一例)。そして,抽出結果をテンプレートに反映する。例えば,プリンタ100は,S123で作成したテンプレートに印刷する機会があるプリンタ101について「ジョブあり」の文字列を追加する。
【0048】
また,例えば,プリンタ102は,印刷ジョブの転送を受け付ける転送取得機能を有する。そのため,プリンタ102は,印刷ジョブを有していないが,その印刷ジョブを所有するプリンタ101を代行してその印刷ジョブを印刷することが可能である。そこで,プリンタ102も印刷する機会があるプリンタとして抽出する。そして,配置図においては,印刷が可能なプリンタ102について「代行可能」の文字列を追加する。なお,プリンタ102が転送取得機能を有していることは,例えば,S121にて取得できる。以下,代行可能なプリンタを含め,印刷する機会があるプリンタを印刷実行装置とする。
【0049】
次に,ユーザの好みに合わせて,配置図の表示内容を調整する。本形態のプリンタ100では,配置図を作成するに先立って,出力条件や強調条件,さらには印刷条件のユーザ設定が可能である。そこで,まず,プリンタ100は,出力オプションが設定されているか否かを判断する(S125)。
【0050】
プリンタ100は,出力オプションが設定されていると判断した場合には(S125:YES),プリンタ100は,予めプリンタ100に設定されている出力オプションを配置図に反映する(S126)。S126の後,あるいは,出力オプションが設定されていいと判断した場合には(S125:NO),S127に移行する。
【0051】
ここで,S126で反映される出力オプションについて説明する。図6は,プリンタ100の出力オプションを設定する出力条件設定画面411を示している。出力条件設定画面411は,操作パネル40の液晶パネル41に表示される。本形態では,出力オプションとして,「自動倍率」,「時間」,「移動距離」,「外観」,「ユーザ向き」及び「印刷不可非表示」がある。ユーザは,出力オプションを1つも設定しなくてもよいし,1つまた複数の出力オプションを設定しても構わない。
【0052】
以下,各出力オプションについて説明する。「自動倍率」は,表示倍率を,自プリンタとすべての印刷実行装置とが表示されることを条件とした最高倍率に自動的に変更するオプションである。そのため,自プリンタと最も遠い印刷実行装置との距離が近ければ近いほど表示倍率が高くなる。「自動倍率」を設定することにより,印刷機会がなく,かつ印刷実行装置よりも遠い位置にあるプリンタが非表示となり,さらに自プリンタと印刷実行装置との間のエリアの情報を自動的に拡大表示することになる。そのため,ユーザは,配置図に示されている印刷実行装置までの情報を視認し易くなる。
【0053】
「時間」は,ユーザが現在地であるプリンタから各印刷実行装置までの移動時間と,各印刷実行装置の印字時間とを表示するオプションである。印字時間は,該当ジョブの印刷に必要な時間であり,プリンタの能力や印字枚数から推測する。また,該当ジョブよりも優先度が高いジョブが登録されている場合には,そのジョブの印刷時間も合算する。「時間」を設定することにより,ユーザは移動開始してから印刷完了までの時間を正確に把握できる。
【0054】
「移動距離」は,ユーザの現在地であるプリンタから各印刷実行装置までの距離を表示するオプションである。移動距離は,例えば,S122で取得した位置情報を利用して算出する。「移動距離」を設定することにより,ユーザは現在地であるプリンタから印刷機会がある各プリンタまでの移動を正確に把握できる。
【0055】
「外観」は,印刷実行装置の外観写真やイラスト等を表示するオプションである。外観のデータ,例えば,サーバ300から取得すればよい。もちろん,プリンタ100が有してもよい。「外観」を設定することにより,ユーザは印刷実行装置をより見つけ易くなる。
【0056】
「ユーザ向き」は,ユーザの現在地であるプリンタ100に対する方向を矢印で示すオプションである。「ユーザ向き」を設定することにより,ユーザは自分の向きを配置図に示している矢印と照らし合わせることで,印刷実行装置がどの方向にあるのかを把握し易くなり,印刷実行装置を見つけ易くなる。
【0057】
「印刷不可非表示」は,印刷機会がないプリンタを配置図に表示しないオプションである。「印刷不可非表示」を設定することにより,自プリンタを除く印刷実行装置以外のプリンタを非表示とし,印刷実行装置のみを表示する。これにより,配置図に表示される印刷装置の数が減り,ユーザは印刷実行装置の位置がより確認し易くなる。
【0058】
以下,出力オプションを設定した場合の表示例について説明する。ここで,図3に示している配置図に基づいて,出力オプションを設定する場合の配置図を説明する。なお,図3は出力オプションを1つも選択していない配置図である。
【0059】
例えば,図7は,出力オプションとして,「自動倍率」が設定された場合の配置図である。図7に示したように,ユーザの現在地であるプリンタ100(プリンタA),印刷ジョブを有する「ジョブあり」と表示するプリンタ101(プリンタB),及び代行可能なプリンタ102(プリンタC)がすべて表示される最大倍率が設定される。印刷する機会がないプリンタ,例えば,プリンタ103(プリンタD)は,設定された表示倍率にすると表示範囲外となり,表示されない。
【0060】
さらに,「自動倍率」に加え,「外観」の出力オプションも設定された場合,図8に示すように,図7に示した配置図に基づいて,印刷ジョブを有する「ジョブあり」と表示するプリンタ101(プリンタB)の外観のイラスト,及び代行可能なプリンタ102(プリンタC)の外観のイラストも配置図に表示される。なお,プリンタの外観については,イラストの他,写真であってもよい。
【0061】
また,例えば,図9は,出力オプションとして,「自動倍率」設定され,さらに,「時間」と「移動距離」も設定された場合の配置図である。図9に示すように,ユーザの現在地であるプリンタ100(プリンタA)から,印刷ジョブを有する「ジョブあり」と表示されるプリンタ101(プリンタB),及び代行可能なプリンタ102(プリンタC)までの距離,移動時間,及びプリンタの印字時間もそれぞれ表示される。
【0062】
また,例えば,図9に示した配置図に基づいて,さらに「ユーザ向き」も出力オプションとして設定された場合には,図10に示すように,ユーザの現在地であるプリンタ100(プリンタA)に対するユーザの向きを示す矢印が,配置図に表示される。ユーザは,配置図に示されている矢印に従って,プリンタの配置を確認すればよい。
【0063】
また,例えば,図11は,出力オプションとして,「印刷不可非表示」が設定された場合の配置図である。図11に示すように,ユーザの現在地であるプリンタ100(プリンタA),印刷ジョブを有する「ジョブあり」と表示するプリンタ101(プリンタB),及び代行可能なプリンタ102(プリンタC)のみ配置図に表示され,他の印刷機会がないプリンタ,例えば,プリンタ103(プリンタD)は表示されない。
【0064】
図5のフローチャートの説明に戻り,次に,プリンタ100は,ユーザによって強調条件が設定されているか否かを判断する(S127)。プリンタ100は,強調条件が設定されていると判断した場合には(S127:YES),プリンタ100は,予めプリンタ100に設定されている強調条件を配置図に反映する(S128)。S128の後,あるいは,強調条件が設定されていないと判断した場合には(S127:NO),S129に移行する。
【0065】
ここで,S128で反映される強調条件について説明する。図12は,プリンタ100の強調条件を設定する強調条件設定画面412(設定部の一例)を示している。本形態の強調条件としては,「印字時間」,「画質」,「移動時間」がある。プリンタ100は,ユーザの希望する条件に合致するプリンタを強調,例えばフォントを大きくする,太字や下線を利用する,色を変える,丸で囲む等にして,配置図に表示する。
【0066】
「印字時間」は,各印刷実行装置の印字時間であり,「移動時間」は,ユーザが現在地であるプリンタから各印刷実行装置までの移動時間である。「印字時間」と「移動時間」は,1秒単位で入力する。「画質」は,印刷実行装置がサポート可能な印刷画質を表し,「低」,「中」,及び「高」の三つから選択する。ユーザはこれらの強調条件を1つも設定しなくてもよいし,1つまた複数の強調条件を設定しても構わない。
【0067】
例えば,図12に示すように,ユーザが,強調条件として,「印字時間」を50秒以内,及び「移動時間」を60秒以内に設定する。そして,プリンタ101がこの強調条件を満たしているとすると,例えば,図13に示すように,プリンタ101(プリンタB)を,丸で囲んで強調し,配置図に表示する。なお,丸で囲む等の強調方法についても選択可能にしてもよい。
【0068】
図5のフローチャートの説明に戻り,最後に,プリンタ100は,印刷出力するか否かを判断する(S129)。印刷出力するか否かは,予め出力条件設定画面411の出力方法にて,「印刷」が選択されているか否かによって判断できる。印刷出力する場合には(S129:YES),プリンタ100は,予めプリンタ100に設定されている印刷オプションを配置図に反映する(S130)。
【0069】
図14は,印刷オプションを設定する印刷条件設定画面413を示している。印刷オプションは,ユーザ向きと配置図の印刷方向の関係,あるいは,対象装置向きと配置図の印刷方向の関係を表す。本形態の印刷オプションとしては,「ユーザ向きと縦方向とを揃える」,「ユーザ向きと横方向とを揃える」,「対象装置向きと縦方向とを揃える」,「対象装置向きと横方向とを揃える」,及び「対象装置向きと対角方向とを揃える」の中から選択可能である。
【0070】
「ユーザ向きと縦方向とを揃える」を設定した場合には,配置図は印刷用紙の縦方向に印刷出力され,ユーザ向きを示す矢印も,印刷用紙の縦方向に揃えられる。同様に,「ユーザ向きと横方向とを揃える」を設定した場合には,配置図は印刷用紙の横方向に印刷出力され,ユーザ向きを示す矢印も,印刷用紙の横方向に揃えられる。
【0071】
「対象装置向きと縦方向とを揃える」を設定した場合には,配置図は印刷用紙の縦方向に印刷出力され,ユーザの現在地であるプリンタ100と,印刷実行装置であるプリンタ101との方向関係も,印刷用紙の縦方向に揃えられる。同様に,「対象装置向きと縦方向とを揃える」を設定した場合には,配置図は印刷用紙の横方向に印刷出力され,ユーザの現在地であるプリンタ100と,印刷実行装置であるプリンタ101との方向関係も,印刷用紙の横方向に揃えられる。用紙の方向と,ユーザの向き,あるいは,対象装置向きとを揃えることで,ユーザは印刷実行装置の位置を把握しやすい。
【0072】
また,「対象装置向きと対角方向とを揃える」を設定した場合には,自プリンタから見た印刷実行装置への向きである対象装置向きは,印刷用紙の対角方向に揃えられる。この場合,配置図は印刷用紙の縦方向に印刷出力してもよいし,横方向にしてもよい。対象装置向きを用紙の対角方向に揃えることで,自プリンタと印刷実行装置との用紙上の距離を最大にすることができ,その結果として,最大表示倍率が得られる。両者間の情報を詳細に表示できる。
【0073】
例えば,図15は,印刷オプションとして,「ユーザ向きと縦方向とを揃える」を設定した場合の配置図である。図15に示しているように,配置図は印刷用紙の縦方向に印刷出力され,ユーザ向きを示す矢印も,印刷用紙の縦方向に揃えられる。
【0074】
また,例えば,図11は,印刷オプションとして,「対象装置向きと横方向とを揃える」を設定した場合の配置図でもある。図11に示しているように,配置図は印刷用紙の横方向に印刷出力され,ユーザの現在地であるプリンタ100(プリンタA)と,印刷実行装置であるプリンタ101(プリンタB)との方向関係も,印刷用紙の横方向に揃えられる。
【0075】
また,例えば,図16は,印刷オプションとして,「対象装置向きと対角方向とを揃える」を設定した場合の配置図である。図16に示しているように,配置図は印刷用紙の縦方向に印刷出力され,ユーザの現在地であるプリンタ100(プリンタA)と,印刷実行装置あるプリンタ101(プリンタB)との方向関係も,印刷用紙の対角方向に揃えられる。
【0076】
そして,S130の後,配置図を印刷する(S131,出力部の一例)。その後,配置図出力処理を終了する。一方,プリンタ100は,印刷出力しない場合には(S129:NO),プリンタ100は,配置図をファイル出力し(S141,出力部の一例),その後,配置図出力処理を終了する。なお,S141で作成したファイルは,プリンタ100自身が記憶してもよいし,指定されたPC,あるいは,ジョブを登録したPC,あるいは指定されたスマートフォンに送信してもよい。
【0077】
以上詳細に説明したように本形態のプリンタ100は,印刷対象の印刷ジョブを印刷する機会がある印刷実行装置の配置を示す配置図を出力することができる。そして,ユーザは,その配置図を見ながら,所望の印刷ジョブを印刷する印刷装置の所在を容易に確認できる。その結果として,印刷ジョブの所在が不明となってユーザが困惑する事態を低減することが期待できる。
【0078】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,プリンタは,印刷機能を備えるものであればよく,複合機や複写機であっても適用可能である。また,プリンタに印刷ジョブを投入する情報処理装置は,PCに限るものではなく,例えば,スマートフォン等のモバイル装置であってもよい。
【0079】
また,実施の形態では,他のプリンタの位置情報をプリンタ自身が記憶しているが,これに限るものではない。例えば,サーバ300が印刷システム900を構成する各プリンタの位置情報を管理している場合には,サーバ300に問い合わせて他のプリンタの位置情報を取得してもよい。
【0080】
また,実施の形態では,位置情報をプリンタ100自身がデータベースに有しているが,これに限るものではない。例えば,位置情報は,自プリンタで持っていなくても,サーバ300が持っていれば,そこから取得してもよい。また,他プリンタ個々の応答から取得してもよい。
【0081】
また,実施の形態では,プリンタ100が自装置にユーザの印刷ジョブが無いことを条件として配置図を出力しているが,配置図の出力条件はこれに限るものではない。例えば,操作パネル40に配置図を出力するボタンを設け,そのボタンの押下を条件として配置図を出力してもよい。また,PC200から送信される配置図の出力命令の受信を条件として配置図を出力してもよい。
【0082】
また,実施の形態では,出力オプションの「時間」が設定されると,移動時間と,印字時間との両方を表示しているが,いずれか一方のみであってもよい。
【0083】
また,実施の形態では,配置図を出力するプリンタ100が,印刷実行装置の抽出,印刷実行装置の位置情報の取得,印刷実行装置の配置図の作成,およびその配置図の出力を行っているが,これらの処理は必ずしもプリンタ100で行う必要はなく,これらの処理の少なくとも1つを他の装置(例えばサーバ300)が行ってもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 画像形成部
30 制御部
40 操作パネル
100,101,102,103 プリンタ
200 PC
900 印刷システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを記憶する記憶部と,
前記記憶部に記憶されている印刷ジョブのうち,印刷指示を受け付けた印刷ジョブの印刷を行う印刷部と,
印刷対象の印刷ジョブを印刷する機会がある印刷装置である印刷実行装置を抽出する抽出部と,
前記印刷実行装置の位置情報を取得する取得部と,
前記取得部が取得した位置情報から,前記印刷実行装置の配置を示す配置図を作成する作成部と,
前記作成部が作成した配置図を出力する出力部と,
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載する印刷装置において,
前記作成部は,自装置の位置を前記配置図に示すことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載する印刷装置において,
前記作成部は,前記印刷実行装置と自装置との距離が近ければ近いほど,前記配置図の表示倍率を高くすることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記作成部は,前記印刷対象の印刷ジョブの印刷を完了するまでにかかる予想印刷時間を前記配置図に示すことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記作成部は,自装置から前記印刷実行装置まで移動するのにかかる予想移動時間を前記配置図に示すことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記作成部は,自装置を除く前記印刷実行装置以外の印刷装置を前記配置図に示さないことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記作成部は,前記印刷実行装置の外観を前記配置図に示すことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載する印刷装置において,
印刷実行装置に対する選択条件を設定する設定部を備え,
前記作成部は,前記設定部に設定された選択条件に合致する印刷実行装置を,前記設定部に設定された条件に合致しない印刷実行装置と比較して強調表示した配置図を作成することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記作成部は,ユーザが自装置に対して入力操作する際のユーザの向きである第1方向を示すマークを前記配置図に示すことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項9に記載する印刷装置において,
前記出力部は,前記配置図を用紙に印刷し,
前記作成部は,前記第1方向と,前記用紙の縦方向と横方向とのいずれか一方とが一致するように,前記配置図を作成することを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記出力部は,前記配置図を用紙に印刷し,
前記作成部は,自装置から前記印刷実行装置に向かう方向である第2方向と,前記用紙の縦方向と横方向とのいずれか一方とが一致するように,前記配置図を作成することを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載する印刷装置において,
前記出力部は,前記配置図を用紙に印刷し,
前記作成部は,前記印刷実行装置と自装置との距離が近ければ近いほど,前記配置図の表示倍率を高く,さらに自装置から前記印刷実行装置に向かう方向である第2方向と,前記用紙の対角方向とが一致するように,前記配置図を作成することを特徴とする印刷装置。
【請求項13】
印刷ジョブを記憶する記憶部と,
前記記憶部に記憶されている印刷ジョブのうち,印刷指示を受け付けた印刷ジョブの印刷を行う印刷部と,
を備える印刷装置を複数有する印刷システムにおいて,
印刷対象の印刷ジョブを印刷する機会がある印刷装置である印刷実行装置を抽出する抽出部と,
前記印刷実行装置の位置情報を取得する取得部と,
前記取得部が取得した位置情報から,前記印刷実行装置の配置を示す配置図を作成する作成部と,
を備え,
前記印刷装置は,前記作成部が作成した配置図を取得し,当該配置図を出力する出力部を備えることを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−49171(P2013−49171A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187796(P2011−187796)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】