印刷装置および印刷制御プログラム
【課題】個人情報を所定のフォーマットに従って印刷出力する印刷装置で、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を保護すること。
【解決手段】指定された登録番号(2)のメンバーの名前情報を相関図式フォームの所定の個人情報配置欄に印刷すると共に、登録番号(2)のメンバーの直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報のみを相関図式フォームの所定の個人情報配置欄に印刷する。つまり、任意のグループの連絡経路を表す図式において、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては個人情報配置欄が空欄となり個人情報が伏せられる。
【解決手段】指定された登録番号(2)のメンバーの名前情報を相関図式フォームの所定の個人情報配置欄に印刷すると共に、登録番号(2)のメンバーの直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報のみを相関図式フォームの所定の個人情報配置欄に印刷する。つまり、任意のグループの連絡経路を表す図式において、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては個人情報配置欄が空欄となり個人情報が伏せられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報を所定のフォーマットに従って印刷出力する印刷装置に関し、特に連絡網を作成し印刷出力するのに適した印刷装置および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連絡網を作成し印刷出力する印刷装置が特許文献1に提案されている。この印刷装置は、グループのメンバーの人数に基づいて連絡系統図を作成する一方、記憶装置に格納されているグループのメンバーの住所録データから氏名及び電話番号のデータを抽出し、その抽出した各氏名及び電話番号のデータを連絡系統図上の氏名欄及び電話番号欄の位置に連絡順序に従って配置して印刷出力するものである。この印刷出力された連絡網には、情報の発信者を最上位としてグループのメンバーの氏名が階層的に表記されるとともに、そのグループメンバーの氏名に対応してメンバー各人の連絡先の電話番号が表記される。
【特許文献1】特開平11−66332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記印刷装置では、グループのメンバーの人数に応じて連絡系統図が作成され、その連絡系統図にグループのメンバーの氏名及び電話番号のデータが配置されて連絡網を容易に作成することができ便利である。
【0004】
ところで、一般に連絡網では、その連絡網に係るグループのメンバー全員の氏名や電話番号や住所などが連絡系統図に配置されて表記されるが、そのグループのメンバーの個々によっては、自分の電話番号や住所などの個人情報がグループ内に広く知られることを望まない場合があり、あるいは氏名が公開されることさえも快く思わない場合がある。事実、今日、個人情報の漏洩が社会問題化しており、個人情報に関する管理に十分な注意を払うことが望まれている。
【0005】
このような事情を考慮したとき、上記印刷装置によって作成した連絡網では、実質的に連絡経路の直ぐ上位と直ぐ下位に位置する者だけしか連絡情報の受け渡しに関係しないにも関わらず、グループ全員の個人情報が印刷されるため、必要以上の範囲で個人情報が開示されることになる。このように、上記印刷装置が有する連絡網の作成機能は個人情報を保護する点に、必ずしも配慮がなされていなかった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するものであり、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を表示した印刷物を作成する場合に、そのグループのメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、そのグループを構成するメンバーの個人情報を保護することができ、特にグループにおける連絡網などを印刷出力するのに好適な印刷装置および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーを指定する指定手段と、前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段に記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段に記憶された前記複数個人の個人情報から抽出する個人情報抽出手段と、前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記個人情報抽出手段は、相関関係が前記指定手段によって指定されたメンバーの直ぐ下位のメンバーに加えて、相関関係が指定されたメンバーの直ぐ上位のメンバーの個人情報も前記個人情報記憶手段から抽出することを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記印刷手段は、長尺の被印刷媒体に前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段を更に備え、前記印刷手段は、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷することを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記相関情報は、前記グループ内の相関関係の最下位のメンバーの直ぐ下位を、前記グループ内の最上位のメンバーに定めたことを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明は、任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段と、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記連絡先情報は、電話番号情報、あるいは住所情報、あるいはFAX番号情報、あるいは電子メールアドレス情報であることを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明は、印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、前記コンピュータを、任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段により記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出する個人情報抽出手段、前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段として機能させることを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明は、印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、前記コンピュータを、任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの、少なくとも個人情報中の名前情報及び連絡先情報を前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出するとともに、当該メンバー以外のメンバーの名前情報を抽出する個人情報抽出手段、前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームをメモリに記憶する相関図式フォーム記憶手段、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段により記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの個人情報を前記複数メンバーの個人情報から抽出して印刷出力するものであるため、グループのメンバーの個人情報を所定のフォーマットに従って印刷出力する場合に、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの名前情報や連絡先情報などの個人情報を前記複数個人の個人情報から抽出し、抽出した個人情報を複数メンバーの相関関係を図式化した相関図式フォームに挿入して印刷出力するものであるため、グループのメンバーの個人情報を所定のフォーマットに従って印刷出力する場合に、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。また、必要な個人情報だけが相関図式フォームに従って相関関係が図式化されて出力されるため、必要な個人情報の相関関係が明確に確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態における印刷装置1のブロック図を示す。この印刷装置1は、文書を作成して印刷するワープロ機能を有するとともに、住所録データに基づいて複数のメンバーによって構成される任意のグループの連絡網を作成して印刷する機能を有している専用の印刷装置1であってもよいし、プリンタを接続し当該プリンタの制御プログラムを備えたパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0019】
図1において、印刷装置1は、CPU(中央処理装置)2、ROM(リードオンリーメモリ)3、RAM(ランダムアクセスメモリ)4、個人情報メモリ5、相関情報メモリ6、相関図式フォームメモリ7、入力部8、表示部9、第1のプリンタ部10、第2のプリンタ部11、記録媒体読み取り部14、通信I/F(インターフェイス)16を備え、これらの各部は通信可能にバス12によって接続されている。
【0020】
CPU2は、ROM3に格納されたプログラム、あるいはCD−ROMなどの外部記憶媒体13から記録媒体読み取り部14を介して内部メモリに読み込まれた装置制御プログラム、あるいは通信ネットワークN上のWebサーバ15から通信インターフェイス16を介して内部メモリに取り込まれた装置制御プログラムに従って、この印刷装置1の各部を制御する。
【0021】
RAM4は、CPU2のプログラム実行処理に際して発生する種々のデータや設定情報等を記憶する記憶部として機能する。
【0022】
個人情報メモリ5は、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を記憶する。図2は個人情報メモリ5に記憶される個人情報の内容を示している。図2に示す個人情報はグループメンバーの住所録情報であり、登録番号に対応させて、各メンバーの名前情報とともに、住所情報及び電話番号情報などの連絡先情報が記憶されている。更に、連絡先情報としてFAX番号及び電子メールアドレスの情報を加えることもできる。この個人情報は、例えば、登録番号(1)の特定のメンバーが行う入力部8からの入力作業によって個人情報メモリ5に記憶される。
【0023】
相関情報メモリ6は、グループを構成する複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶するものであり、グループの連絡網を作成するための、グループのメンバー間での連絡経路を定めるデータが記憶される。すなわち、相関情報として、グループを構成する複数のメンバーの連絡経路における連絡順序の情報が記憶される。図3は連絡経路を図式的に説明した図であり、図4は相関情報メモリ6に記憶されるグループのメンバーの相関情報の説明図である。図3中の番号が図2の個人情報メモリ5に登録されているグループメンバーの登録番号に対応している。図3に図示のように、この連絡経路では、登録番号(1)のメンバーが連絡情報の発信者として最上層(最上位)に位置し、以下他の情報受信者となる各メンバーが階層的に配置され、この階層構造によってグループの構成メンバーの連絡順序が定められている。図4は、図3に示す階層構造の連絡経路に対応してグループのメンバー内における連絡順序を具体的に規定する相関情報であり、図3に示す連絡経路では最上層(最上位)のメンバー(1)から最下層(最下位)のメンバー(8)、(9)、(10)、(11)に至る4つの経路を含んでいるため、その4つの経路に対応した(A)から(D)の相関情報が存在している。例えば、相関情報(A)は、メンバー間の連絡順序が(1)、(2)、(4)、(8)、(1)の順であることを規定し、相関情報(B)は、メンバー間の連絡順序が(1)、(2)、(5)、(9)、(1)の順であることを規定している。なお、連絡網の性格上、最下層のメンバー(8)、(9)、(10)、(11)まで連絡が届いたときに、当該最下層のメンバーは連絡が行き届いたことの確認を最上層のメンバーに連絡する必要があるため、相関情報(A)〜(D)において、連絡順序の最終は最下層のメンバー(8)、(9)、(10)、(11)ではなく、当該最下層のメンバーから確認の連絡を受ける最上層のメンバー(1)となっている。
【0024】
相関図式フォームメモリ7は、図3及び図4に示したグループの構成メンバーの相関関係を図式化して印刷出力するための相関図式フォーム情報を記憶している。図5は相関図式フォーム20の説明図であり、相関図式フォーム20は、矩形の枠で示すメンバーの個人情報配置欄21を含みメンバーの相関関係を図式で表す連絡系統の図式情報と、前記個人情報配置欄21に個人情報を配置するための位置情報、すなわち個人情報配置欄21に配置するメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報の各情報を配置するための位置情報とで構成される。
【0025】
また、入力部8は、各種情報を入力する入力キーや表示部9に表示されるカーソルを移動指示するカーソルキー、印刷開始の指示や各種設定画面での設定を行う制御キーなどを備えている。表示部9は、液晶表示部からなり、画像情報を含む各種の情報を表示する。
【0026】
また、第1のプリンタ部10は、カット紙に印刷を行うプリンタであり、インクジェット方式の印刷ヘッドを搭載して主走査方向に移動するキャリッジと、印刷用紙を副走査方向に搬送する用紙搬送部と、前記印刷ヘッド、前記キャリッジ及び前記用紙搬送部を駆動する印刷制御部とを備えている。また、第2のプリンタ部11は長尺の印刷テープに印刷を行うプリンタであり、印刷テープを搬送するテープ搬送部と、その印刷テープに熱転写印刷を行う印刷ヘッドと、印刷された印刷テープを切断するカッタとを備えている。この第2のプリンタ部11に使用する印刷テープは、接着剤が付されたテープ層を有しており、その接着剤面に被着される剥離紙を取り除いて任意の対象に貼り付けることができるようになっている。
【0027】
以下、印刷装置1によって行われる連絡網の作成処理について説明する。図6は連絡網の作成処理を示すフローチャートである。この連絡網の作成処理では、グループの各メンバーに配布する連絡網を印刷出力するものであるが、グループの各メンバーに一律の同じ内容の連絡網を作成するのではなく、メンバーの個々にそのメンバー個人用の連絡網を作成するものである。したがって、このグループについては、メンバーの人数に対応した異なる内容の連絡網の作成が可能である。また、連絡網の印刷出力の形態として、グループのメンバーの個人情報を第1のプリンタ部10によってカット紙に印刷出力する場合(第1の出力形態)と、第2のプリンタ部11によって印刷テープに印刷ラベルとして印刷出力する場合(第2の出力形態)とがある。なお、第2のプリンタ部11によって印刷テープに印刷出力する場合には、第1のプリンタ部10でも印刷ラベルを貼り付けるための台紙の印刷を行う。
【0028】
図6において、連絡網を作成するための動作モードが設定されると、第1の出力形態又は第2の出力形態のいずれかの出力形態を選択する出力形態選択画面が表示部9に表示され、操作者によって出力形態の選択が行われる(ステップS1)。なお、ここでの操作者は、例えば登録番号(1)のメンバーであり、グループの個人情報の管理に責任をもつメンバーによって印刷処理の操作が行なわれる。次に、グループ内のメンバーを指定するメンバー指定画面が表示され、操作者によって任意のメンバーの指定が行われる。前記メンバー指定画面では、例えば、個人情報メモリ5に個人情報が記憶されたグループの構成メンバーの名前や登録番号が表示部9に一覧表示され、その一覧表示されたメンバー名や登録番号から任意のメンバーの指定が行われる(ステップS2)。
【0029】
印刷開始の指示があると(ステップS3)、選択された出力形態が第1の出力形態であるかどうかが判断される(ステップS4)。選択された出力形態が第1の出力形態の場合(ステップS4のYES)、ステップS2で指定されたメンバーの名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出されるとともに、その指定されたメンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、その特定されたメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップS5)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報、及びその指定メンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報が、相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に配置されてカット紙印刷データが生成される(ステップS6)。そして、生成された印刷データが第1のプリンタ部10によってカット紙に印刷される(ステップS7)。
【0030】
図7はこのようにしてカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷された状態を示している。図7に図示するように、任意のグループの連絡経路を表す図式において、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては個人情報配置欄21が空欄となっており個人情報が伏せられている。この図7の印刷物は登録番号(2)のメンバー専用の連絡網として使用される。
【0031】
一方、選択された出力形態が第2の出力形態の場合(ステップS4のNO)、ステップS2で指定されたメンバー本人の名前情報が前記個人情報メモリから抽出されるとともに、指定されたメンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、そのメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップS8)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報のテープ印刷データが生成されるとともに、抽出された指定メンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報のテープ印刷データが生成される(ステップS9)。次に、生成されたテープ印刷データが第2のプリンタ部11によって印刷テープの連続する2つの領域に印刷され、各印刷領域がカッタによって切断されて印刷ラベルが作成される(ステップS10)。さらに、第1のプリンタ部10によって相関図式フォームメモリ7に記憶された相関図式フォーム20がカット紙に印刷される(ステップS11)。
【0032】
図8はこのようにして印刷テープ40及びカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40aに印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40b、40cに印刷された状態を示している。これらの印刷ラベル40a、40b、40cは、登録番号(2)のメンバーによって相関図式フォーム20を印刷したカット紙(台紙)30の所定の個人情報配置欄21に貼り付けられ、登録番号(2)のメンバー専用の連絡網として使用される。
【0033】
図8に図示するように、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷テープに印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては印刷テープに印刷出力されることがなく、個人情報が伏せられることになる。
【0034】
なお、図9に示すように、登録番号(2)のメンバーを指定した場合に、その直ぐ下位のメンバー(4)(5)に加えて、直接関係のある、直ぐ上位の登録番号(1)のメンバーの個人情報も印刷出力するようにしてもよい。
【0035】
上記図6に示す連絡網の作成処理によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの個人情報を前記複数メンバーの個人情報から抽出して印刷出力するものであるため、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。
【0036】
次に、図10に基づいて他の例の連絡網の作成処理について説明する。図10は他の連絡網の作成処理を示すフローチャートである。図10において、連絡網を作成するための動作モードが設定されると、第1の出力形態又は第2の出力形態のいずれかの出力形態を選択する出力形態選択画面が表示部9に表示され、操作者によって出力形態の選択が行われる(ステップT1)。次に、グループ内のメンバーを指定するメンバー指定画面が表示され、操作者によって任意のメンバーの指定が行われる(ステップT2)。印刷開始の指示があると(ステップT3)、選択された出力形態が第1の出力形態であるかどうかが判断される(ステップT4)。選択された出力形態が第1の出力形態の場合(ステップT4のYES)、ステップT2で指定されたメンバーの名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出されるとともに、その指定されたメンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、その特定されたメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される。更に、その他のメンバーの名前情報も個人情報メモリ5から抽出される(ステップT5)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報、その指定メンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)、更にその他のメンバーの名前情報が、相関図式フォーム20の各所定の個人情報配置欄21に配置されてカット紙印刷データが生成される(ステップT6)。そして、生成された印刷データが第1のプリンタ部10によってカット紙に印刷される(ステップT7)。
【0037】
図11はこのようにしてカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ上位の関係にある登録番号(1)のメンバー及び直ぐ下位の関係にある登録番号(4)、(5)のメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷され、更にその他の登録番号(3)、(6)〜(11)のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20の各所定の個人情報配置欄21に印刷された状態を示している。図11に図示するように、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては個人情報配置欄21が名前のみ印刷されており、名前以外の個人情報は伏せられて保護されている。
【0038】
一方、選択された出力形態が第2の出力形態の場合(ステップT4のNO)、ステップT2で指定されたメンバー本人の名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出されるとともに、指定されたメンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップT8)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報のテープ印刷データが生成されるとともに、抽出された指定メンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)のテープ印刷データが生成される(ステップT9)。次に、生成されたテープ印刷データが第2のプリンタ部11によって印刷テープの連続する3つの領域に印刷され、各印刷領域がカッタによって切断されて印刷ラベルが作成される(ステップT10)。更に、指定メンバー及びその直ぐ上位と直ぐ下位のメンバー以外の他のメンバーが相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、その他のメンバーの名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップT11)。そして、抽出されたその他のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20に挿入されてカット紙印刷データが生成され(ステップS12)、その生成されたカット紙印刷データが第1のプリンタ部10によりカット紙に印刷される(ステップT13)。
【0039】
図12はこのようにして印刷テープ40及びカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40aに印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ上位の関係にある登録番号(1)と直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40b、40c、40dに印刷された状態を示している。これらの印刷ラベル40a、40b、40c、40dは、登録番号(2)のメンバーによって相関図式フォーム20を印刷したカット紙(台紙)30の所定の個人情報配置欄21に貼り付けられ、登録番号(2)のメンバー専用の連絡網として使用される。
【0040】
図12に図示するように、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷テープに印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては印刷テープに印刷出力されることがなく、カット紙30に名前のみが印刷されて名前以外の個人情報が伏せられて保護されることになる。
【0041】
上記図10に示す連絡網の作成処理によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの名前情報や連絡先情報などの個人情報を前記複数の個人情報から抽出し、抽出した個人情報を複数メンバーの相関関係を図式化した相関図式フォーム20に挿入して印刷出力するものであるため、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。また、必要な個人情報だけが相関図式フォーム20に従って相関関係が図式化されて出力されるため、必要な個人情報の相関関係が明確に確認できる。
【0042】
なお、上記連絡網の作成処理では、ステップS2、ステップT2によって任意のメンバーを指定操作して連絡網の作成処理をしたが、所定の指示に従って自動的にメンバーを指定しグループの構成メンバー全員の連絡網を順に印刷するようにしてもよい。
【0043】
なお、前記各実施形態において記載した印刷装置1による各処理の手法、すなわち、図6のフローチャートに示す連絡網の作成処理、図10のフローチャートに示す他の例の連絡網の作成処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体13に格納して配布することができる。そして、カット紙30や印刷テープ40に対してのプリンタ機能を有する種々のコンピュータ端末装置は、この外部記録媒体13に記録されたプログラムを記憶装置(3)(4)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した連絡網の作成・印刷機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0044】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(インターネット)N上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(インターネット)Nに接続されたコンピュータ端末装置(プログラムサーバ)(15)から前記のプログラムデータを取り込み、前述した連絡網の作成・印刷機能を実現することもできる。
【0045】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態における印刷装置のブロック図。
【図2】個人情報メモリに記憶される個人情報の説明図。
【図3】連絡経路を図式的に説明する図。
【図4】相関情報メモリに記憶される相関情報の説明図。
【図5】相関図式フォームの説明図。
【図6】連絡網の作成処理を示すフローチャート。
【図7】第1のプリンタ部で作成した連絡網の印刷例の説明図。
【図8】第1のプリンタ部及び第2のプリンタ部で作成した連絡網の印刷例の説明図。
【図9】第1のプリンタ部で作成した連絡網の他の印刷例の説明図。
【図10】連絡網の作成処理を示す他の例のフローチャート。
【図11】第1のプリンタ部で作成した他の連絡網の印刷例の説明図。
【図12】第1のプリンタ部及び第2のプリンタ部で作成した他の連絡網の印刷例の説明図。
【符号の説明】
【0047】
1…印刷装置 2…CPU 3…ROM 4…RAM 5…個人情報メモリ
6…相関情報メモリ 7…相関図式フォームメモリ 8…入力部 9…表示部
10…第1のプリンタ部 11…第2のプリンタ部 12…バス 13…外部記録媒体
14…記録媒体読み取り部 15…Webサーバ 16…通信インターフェイス
20…相関図式フォーム 21…個人情報配置欄 30…カット紙 40…印刷テープ
40a〜40d…印刷ラベル
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報を所定のフォーマットに従って印刷出力する印刷装置に関し、特に連絡網を作成し印刷出力するのに適した印刷装置および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連絡網を作成し印刷出力する印刷装置が特許文献1に提案されている。この印刷装置は、グループのメンバーの人数に基づいて連絡系統図を作成する一方、記憶装置に格納されているグループのメンバーの住所録データから氏名及び電話番号のデータを抽出し、その抽出した各氏名及び電話番号のデータを連絡系統図上の氏名欄及び電話番号欄の位置に連絡順序に従って配置して印刷出力するものである。この印刷出力された連絡網には、情報の発信者を最上位としてグループのメンバーの氏名が階層的に表記されるとともに、そのグループメンバーの氏名に対応してメンバー各人の連絡先の電話番号が表記される。
【特許文献1】特開平11−66332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記印刷装置では、グループのメンバーの人数に応じて連絡系統図が作成され、その連絡系統図にグループのメンバーの氏名及び電話番号のデータが配置されて連絡網を容易に作成することができ便利である。
【0004】
ところで、一般に連絡網では、その連絡網に係るグループのメンバー全員の氏名や電話番号や住所などが連絡系統図に配置されて表記されるが、そのグループのメンバーの個々によっては、自分の電話番号や住所などの個人情報がグループ内に広く知られることを望まない場合があり、あるいは氏名が公開されることさえも快く思わない場合がある。事実、今日、個人情報の漏洩が社会問題化しており、個人情報に関する管理に十分な注意を払うことが望まれている。
【0005】
このような事情を考慮したとき、上記印刷装置によって作成した連絡網では、実質的に連絡経路の直ぐ上位と直ぐ下位に位置する者だけしか連絡情報の受け渡しに関係しないにも関わらず、グループ全員の個人情報が印刷されるため、必要以上の範囲で個人情報が開示されることになる。このように、上記印刷装置が有する連絡網の作成機能は個人情報を保護する点に、必ずしも配慮がなされていなかった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するものであり、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を表示した印刷物を作成する場合に、そのグループのメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、そのグループを構成するメンバーの個人情報を保護することができ、特にグループにおける連絡網などを印刷出力するのに好適な印刷装置および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーを指定する指定手段と、前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段に記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段に記憶された前記複数個人の個人情報から抽出する個人情報抽出手段と、前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記個人情報抽出手段は、相関関係が前記指定手段によって指定されたメンバーの直ぐ下位のメンバーに加えて、相関関係が指定されたメンバーの直ぐ上位のメンバーの個人情報も前記個人情報記憶手段から抽出することを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記印刷手段は、長尺の被印刷媒体に前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段を更に備え、前記印刷手段は、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷することを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記相関情報は、前記グループ内の相関関係の最下位のメンバーの直ぐ下位を、前記グループ内の最上位のメンバーに定めたことを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明は、任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段と、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記連絡先情報は、電話番号情報、あるいは住所情報、あるいはFAX番号情報、あるいは電子メールアドレス情報であることを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明は、印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、前記コンピュータを、任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段により記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出する個人情報抽出手段、前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段として機能させることを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明は、印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、前記コンピュータを、任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの、少なくとも個人情報中の名前情報及び連絡先情報を前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出するとともに、当該メンバー以外のメンバーの名前情報を抽出する個人情報抽出手段、前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームをメモリに記憶する相関図式フォーム記憶手段、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段により記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの個人情報を前記複数メンバーの個人情報から抽出して印刷出力するものであるため、グループのメンバーの個人情報を所定のフォーマットに従って印刷出力する場合に、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの名前情報や連絡先情報などの個人情報を前記複数個人の個人情報から抽出し、抽出した個人情報を複数メンバーの相関関係を図式化した相関図式フォームに挿入して印刷出力するものであるため、グループのメンバーの個人情報を所定のフォーマットに従って印刷出力する場合に、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。また、必要な個人情報だけが相関図式フォームに従って相関関係が図式化されて出力されるため、必要な個人情報の相関関係が明確に確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態における印刷装置1のブロック図を示す。この印刷装置1は、文書を作成して印刷するワープロ機能を有するとともに、住所録データに基づいて複数のメンバーによって構成される任意のグループの連絡網を作成して印刷する機能を有している専用の印刷装置1であってもよいし、プリンタを接続し当該プリンタの制御プログラムを備えたパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0019】
図1において、印刷装置1は、CPU(中央処理装置)2、ROM(リードオンリーメモリ)3、RAM(ランダムアクセスメモリ)4、個人情報メモリ5、相関情報メモリ6、相関図式フォームメモリ7、入力部8、表示部9、第1のプリンタ部10、第2のプリンタ部11、記録媒体読み取り部14、通信I/F(インターフェイス)16を備え、これらの各部は通信可能にバス12によって接続されている。
【0020】
CPU2は、ROM3に格納されたプログラム、あるいはCD−ROMなどの外部記憶媒体13から記録媒体読み取り部14を介して内部メモリに読み込まれた装置制御プログラム、あるいは通信ネットワークN上のWebサーバ15から通信インターフェイス16を介して内部メモリに取り込まれた装置制御プログラムに従って、この印刷装置1の各部を制御する。
【0021】
RAM4は、CPU2のプログラム実行処理に際して発生する種々のデータや設定情報等を記憶する記憶部として機能する。
【0022】
個人情報メモリ5は、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を記憶する。図2は個人情報メモリ5に記憶される個人情報の内容を示している。図2に示す個人情報はグループメンバーの住所録情報であり、登録番号に対応させて、各メンバーの名前情報とともに、住所情報及び電話番号情報などの連絡先情報が記憶されている。更に、連絡先情報としてFAX番号及び電子メールアドレスの情報を加えることもできる。この個人情報は、例えば、登録番号(1)の特定のメンバーが行う入力部8からの入力作業によって個人情報メモリ5に記憶される。
【0023】
相関情報メモリ6は、グループを構成する複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶するものであり、グループの連絡網を作成するための、グループのメンバー間での連絡経路を定めるデータが記憶される。すなわち、相関情報として、グループを構成する複数のメンバーの連絡経路における連絡順序の情報が記憶される。図3は連絡経路を図式的に説明した図であり、図4は相関情報メモリ6に記憶されるグループのメンバーの相関情報の説明図である。図3中の番号が図2の個人情報メモリ5に登録されているグループメンバーの登録番号に対応している。図3に図示のように、この連絡経路では、登録番号(1)のメンバーが連絡情報の発信者として最上層(最上位)に位置し、以下他の情報受信者となる各メンバーが階層的に配置され、この階層構造によってグループの構成メンバーの連絡順序が定められている。図4は、図3に示す階層構造の連絡経路に対応してグループのメンバー内における連絡順序を具体的に規定する相関情報であり、図3に示す連絡経路では最上層(最上位)のメンバー(1)から最下層(最下位)のメンバー(8)、(9)、(10)、(11)に至る4つの経路を含んでいるため、その4つの経路に対応した(A)から(D)の相関情報が存在している。例えば、相関情報(A)は、メンバー間の連絡順序が(1)、(2)、(4)、(8)、(1)の順であることを規定し、相関情報(B)は、メンバー間の連絡順序が(1)、(2)、(5)、(9)、(1)の順であることを規定している。なお、連絡網の性格上、最下層のメンバー(8)、(9)、(10)、(11)まで連絡が届いたときに、当該最下層のメンバーは連絡が行き届いたことの確認を最上層のメンバーに連絡する必要があるため、相関情報(A)〜(D)において、連絡順序の最終は最下層のメンバー(8)、(9)、(10)、(11)ではなく、当該最下層のメンバーから確認の連絡を受ける最上層のメンバー(1)となっている。
【0024】
相関図式フォームメモリ7は、図3及び図4に示したグループの構成メンバーの相関関係を図式化して印刷出力するための相関図式フォーム情報を記憶している。図5は相関図式フォーム20の説明図であり、相関図式フォーム20は、矩形の枠で示すメンバーの個人情報配置欄21を含みメンバーの相関関係を図式で表す連絡系統の図式情報と、前記個人情報配置欄21に個人情報を配置するための位置情報、すなわち個人情報配置欄21に配置するメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報の各情報を配置するための位置情報とで構成される。
【0025】
また、入力部8は、各種情報を入力する入力キーや表示部9に表示されるカーソルを移動指示するカーソルキー、印刷開始の指示や各種設定画面での設定を行う制御キーなどを備えている。表示部9は、液晶表示部からなり、画像情報を含む各種の情報を表示する。
【0026】
また、第1のプリンタ部10は、カット紙に印刷を行うプリンタであり、インクジェット方式の印刷ヘッドを搭載して主走査方向に移動するキャリッジと、印刷用紙を副走査方向に搬送する用紙搬送部と、前記印刷ヘッド、前記キャリッジ及び前記用紙搬送部を駆動する印刷制御部とを備えている。また、第2のプリンタ部11は長尺の印刷テープに印刷を行うプリンタであり、印刷テープを搬送するテープ搬送部と、その印刷テープに熱転写印刷を行う印刷ヘッドと、印刷された印刷テープを切断するカッタとを備えている。この第2のプリンタ部11に使用する印刷テープは、接着剤が付されたテープ層を有しており、その接着剤面に被着される剥離紙を取り除いて任意の対象に貼り付けることができるようになっている。
【0027】
以下、印刷装置1によって行われる連絡網の作成処理について説明する。図6は連絡網の作成処理を示すフローチャートである。この連絡網の作成処理では、グループの各メンバーに配布する連絡網を印刷出力するものであるが、グループの各メンバーに一律の同じ内容の連絡網を作成するのではなく、メンバーの個々にそのメンバー個人用の連絡網を作成するものである。したがって、このグループについては、メンバーの人数に対応した異なる内容の連絡網の作成が可能である。また、連絡網の印刷出力の形態として、グループのメンバーの個人情報を第1のプリンタ部10によってカット紙に印刷出力する場合(第1の出力形態)と、第2のプリンタ部11によって印刷テープに印刷ラベルとして印刷出力する場合(第2の出力形態)とがある。なお、第2のプリンタ部11によって印刷テープに印刷出力する場合には、第1のプリンタ部10でも印刷ラベルを貼り付けるための台紙の印刷を行う。
【0028】
図6において、連絡網を作成するための動作モードが設定されると、第1の出力形態又は第2の出力形態のいずれかの出力形態を選択する出力形態選択画面が表示部9に表示され、操作者によって出力形態の選択が行われる(ステップS1)。なお、ここでの操作者は、例えば登録番号(1)のメンバーであり、グループの個人情報の管理に責任をもつメンバーによって印刷処理の操作が行なわれる。次に、グループ内のメンバーを指定するメンバー指定画面が表示され、操作者によって任意のメンバーの指定が行われる。前記メンバー指定画面では、例えば、個人情報メモリ5に個人情報が記憶されたグループの構成メンバーの名前や登録番号が表示部9に一覧表示され、その一覧表示されたメンバー名や登録番号から任意のメンバーの指定が行われる(ステップS2)。
【0029】
印刷開始の指示があると(ステップS3)、選択された出力形態が第1の出力形態であるかどうかが判断される(ステップS4)。選択された出力形態が第1の出力形態の場合(ステップS4のYES)、ステップS2で指定されたメンバーの名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出されるとともに、その指定されたメンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、その特定されたメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップS5)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報、及びその指定メンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報が、相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に配置されてカット紙印刷データが生成される(ステップS6)。そして、生成された印刷データが第1のプリンタ部10によってカット紙に印刷される(ステップS7)。
【0030】
図7はこのようにしてカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷された状態を示している。図7に図示するように、任意のグループの連絡経路を表す図式において、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては個人情報配置欄21が空欄となっており個人情報が伏せられている。この図7の印刷物は登録番号(2)のメンバー専用の連絡網として使用される。
【0031】
一方、選択された出力形態が第2の出力形態の場合(ステップS4のNO)、ステップS2で指定されたメンバー本人の名前情報が前記個人情報メモリから抽出されるとともに、指定されたメンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、そのメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップS8)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報のテープ印刷データが生成されるとともに、抽出された指定メンバーの直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報のテープ印刷データが生成される(ステップS9)。次に、生成されたテープ印刷データが第2のプリンタ部11によって印刷テープの連続する2つの領域に印刷され、各印刷領域がカッタによって切断されて印刷ラベルが作成される(ステップS10)。さらに、第1のプリンタ部10によって相関図式フォームメモリ7に記憶された相関図式フォーム20がカット紙に印刷される(ステップS11)。
【0032】
図8はこのようにして印刷テープ40及びカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40aに印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、住所情報及び電話番号情報が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40b、40cに印刷された状態を示している。これらの印刷ラベル40a、40b、40cは、登録番号(2)のメンバーによって相関図式フォーム20を印刷したカット紙(台紙)30の所定の個人情報配置欄21に貼り付けられ、登録番号(2)のメンバー専用の連絡網として使用される。
【0033】
図8に図示するように、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷テープに印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては印刷テープに印刷出力されることがなく、個人情報が伏せられることになる。
【0034】
なお、図9に示すように、登録番号(2)のメンバーを指定した場合に、その直ぐ下位のメンバー(4)(5)に加えて、直接関係のある、直ぐ上位の登録番号(1)のメンバーの個人情報も印刷出力するようにしてもよい。
【0035】
上記図6に示す連絡網の作成処理によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの個人情報を前記複数メンバーの個人情報から抽出して印刷出力するものであるため、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。
【0036】
次に、図10に基づいて他の例の連絡網の作成処理について説明する。図10は他の連絡網の作成処理を示すフローチャートである。図10において、連絡網を作成するための動作モードが設定されると、第1の出力形態又は第2の出力形態のいずれかの出力形態を選択する出力形態選択画面が表示部9に表示され、操作者によって出力形態の選択が行われる(ステップT1)。次に、グループ内のメンバーを指定するメンバー指定画面が表示され、操作者によって任意のメンバーの指定が行われる(ステップT2)。印刷開始の指示があると(ステップT3)、選択された出力形態が第1の出力形態であるかどうかが判断される(ステップT4)。選択された出力形態が第1の出力形態の場合(ステップT4のYES)、ステップT2で指定されたメンバーの名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出されるとともに、その指定されたメンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、その特定されたメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される。更に、その他のメンバーの名前情報も個人情報メモリ5から抽出される(ステップT5)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報、その指定メンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)、更にその他のメンバーの名前情報が、相関図式フォーム20の各所定の個人情報配置欄21に配置されてカット紙印刷データが生成される(ステップT6)。そして、生成された印刷データが第1のプリンタ部10によってカット紙に印刷される(ステップT7)。
【0037】
図11はこのようにしてカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ上位の関係にある登録番号(1)のメンバー及び直ぐ下位の関係にある登録番号(4)、(5)のメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)が相関図式フォーム20の所定の個人情報配置欄21に印刷され、更にその他の登録番号(3)、(6)〜(11)のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20の各所定の個人情報配置欄21に印刷された状態を示している。図11に図示するように、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては個人情報配置欄21が名前のみ印刷されており、名前以外の個人情報は伏せられて保護されている。
【0038】
一方、選択された出力形態が第2の出力形態の場合(ステップT4のNO)、ステップT2で指定されたメンバー本人の名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出されるとともに、指定されたメンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーが前記相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)を含む個人情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップT8)。そして、抽出された指定メンバー本人の名前情報のテープ印刷データが生成されるとともに、抽出された指定メンバーの直ぐ上位と直ぐ下位の関係にあるメンバーの名前情報及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)のテープ印刷データが生成される(ステップT9)。次に、生成されたテープ印刷データが第2のプリンタ部11によって印刷テープの連続する3つの領域に印刷され、各印刷領域がカッタによって切断されて印刷ラベルが作成される(ステップT10)。更に、指定メンバー及びその直ぐ上位と直ぐ下位のメンバー以外の他のメンバーが相関情報メモリ6に記憶された相関情報によって特定され、その他のメンバーの名前情報が前記個人情報メモリ5から抽出される(ステップT11)。そして、抽出されたその他のメンバーの名前情報が相関図式フォーム20に挿入されてカット紙印刷データが生成され(ステップS12)、その生成されたカット紙印刷データが第1のプリンタ部10によりカット紙に印刷される(ステップT13)。
【0039】
図12はこのようにして印刷テープ40及びカット紙30に印刷された連絡網の印刷例である。この例では、登録番号(2)のメンバーが指定されたため、その登録番号(2)のメンバーの名前情報が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40aに印刷され、登録番号(2)のメンバーの直ぐ上位の関係にある登録番号(1)と直ぐ下位の関係にある登録番号(4)と(5)のメンバーの名前情報、及び連絡先情報(住所情報及び電話番号情報)が印刷テープ40によって作成される印刷ラベル40b、40c、40dに印刷された状態を示している。これらの印刷ラベル40a、40b、40c、40dは、登録番号(2)のメンバーによって相関図式フォーム20を印刷したカット紙(台紙)30の所定の個人情報配置欄21に貼り付けられ、登録番号(2)のメンバー専用の連絡網として使用される。
【0040】
図12に図示するように、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するためのメンバーの個人情報のみが印刷テープに印刷出力され、指定されたメンバーが連絡情報を直接伝達するわけではない他のメンバーについては印刷テープに印刷出力されることがなく、カット紙30に名前のみが印刷されて名前以外の個人情報が伏せられて保護されることになる。
【0041】
上記図10に示す連絡網の作成処理によれば、任意のグループを構成する複数メンバー中の指定されたメンバーに対して、相関関係が少なくとも直ぐ下位にあるメンバーの名前情報や連絡先情報などの個人情報を前記複数の個人情報から抽出し、抽出した個人情報を複数メンバーの相関関係を図式化した相関図式フォーム20に挿入して印刷出力するものであるため、任意のグループを構成するメンバーの個人情報を必要以上の範囲で印刷出力することがなく、必要な個人情報だけを印刷出力し、任意のグループの複数メンバーの個人情報を保護することができる。また、必要な個人情報だけが相関図式フォーム20に従って相関関係が図式化されて出力されるため、必要な個人情報の相関関係が明確に確認できる。
【0042】
なお、上記連絡網の作成処理では、ステップS2、ステップT2によって任意のメンバーを指定操作して連絡網の作成処理をしたが、所定の指示に従って自動的にメンバーを指定しグループの構成メンバー全員の連絡網を順に印刷するようにしてもよい。
【0043】
なお、前記各実施形態において記載した印刷装置1による各処理の手法、すなわち、図6のフローチャートに示す連絡網の作成処理、図10のフローチャートに示す他の例の連絡網の作成処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体13に格納して配布することができる。そして、カット紙30や印刷テープ40に対してのプリンタ機能を有する種々のコンピュータ端末装置は、この外部記録媒体13に記録されたプログラムを記憶装置(3)(4)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した連絡網の作成・印刷機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0044】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(インターネット)N上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(インターネット)Nに接続されたコンピュータ端末装置(プログラムサーバ)(15)から前記のプログラムデータを取り込み、前述した連絡網の作成・印刷機能を実現することもできる。
【0045】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態における印刷装置のブロック図。
【図2】個人情報メモリに記憶される個人情報の説明図。
【図3】連絡経路を図式的に説明する図。
【図4】相関情報メモリに記憶される相関情報の説明図。
【図5】相関図式フォームの説明図。
【図6】連絡網の作成処理を示すフローチャート。
【図7】第1のプリンタ部で作成した連絡網の印刷例の説明図。
【図8】第1のプリンタ部及び第2のプリンタ部で作成した連絡網の印刷例の説明図。
【図9】第1のプリンタ部で作成した連絡網の他の印刷例の説明図。
【図10】連絡網の作成処理を示す他の例のフローチャート。
【図11】第1のプリンタ部で作成した他の連絡網の印刷例の説明図。
【図12】第1のプリンタ部及び第2のプリンタ部で作成した他の連絡網の印刷例の説明図。
【符号の説明】
【0047】
1…印刷装置 2…CPU 3…ROM 4…RAM 5…個人情報メモリ
6…相関情報メモリ 7…相関図式フォームメモリ 8…入力部 9…表示部
10…第1のプリンタ部 11…第2のプリンタ部 12…バス 13…外部記録媒体
14…記録媒体読み取り部 15…Webサーバ 16…通信インターフェイス
20…相関図式フォーム 21…個人情報配置欄 30…カット紙 40…印刷テープ
40a〜40d…印刷ラベル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーを指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段に記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段に記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出する個人情報抽出手段と、
前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記個人情報抽出手段は、相関関係が前記指定手段によって指定されたメンバーの直ぐ下位のメンバーに加えて、相関関係が指定されたメンバーの直ぐ上位のメンバーの個人情報も前記個人情報記憶手段から抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷手段は、長尺の被印刷媒体に前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段を更に備え、
前記印刷手段は、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を前記相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記相関情報は、前記グループ内の相関関係の最下位のメンバーの直ぐ下位を、前記グループ内の最上位のメンバーに定めたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーを指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの、少なくとも個人情報中の名前情報及び連絡先情報を前記個人情報記憶手段から抽出するとともに、当該メンバー以外のメンバーの名前情報を抽出する個人情報抽出手段と、
前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段と、
前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を前記相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
前記連絡先情報は、電話番号情報、あるいは住所情報、あるいはFAX番号情報、あるいは電子メールアドレス情報であることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段により記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出する個人情報抽出手段、
前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な印刷制御プログラム。
【請求項9】
印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの、少なくとも個人情報中の名前情報及び連絡先情報を前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出するとともに、当該メンバー以外のメンバーの名前情報を抽出する個人情報抽出手段、
前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームをメモリに記憶する相関図式フォーム記憶手段、
前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段により記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な印刷制御プログラム。
【請求項1】
任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーを指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段に記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段に記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出する個人情報抽出手段と、
前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記個人情報抽出手段は、相関関係が前記指定手段によって指定されたメンバーの直ぐ下位のメンバーに加えて、相関関係が指定されたメンバーの直ぐ上位のメンバーの個人情報も前記個人情報記憶手段から抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷手段は、長尺の被印刷媒体に前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段を更に備え、
前記印刷手段は、前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を前記相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記相関情報は、前記グループ内の相関関係の最下位のメンバーの直ぐ下位を、前記グループ内の最上位のメンバーに定めたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーを指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの、少なくとも個人情報中の名前情報及び連絡先情報を前記個人情報記憶手段から抽出するとともに、当該メンバー以外のメンバーの名前情報を抽出する個人情報抽出手段と、
前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームを記憶する相関図式フォーム記憶手段と、
前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を前記相関図式フォーム記憶手段に記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
前記連絡先情報は、電話番号情報、あるいは住所情報、あるいはFAX番号情報、あるいは電子メールアドレス情報であることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
任意のグループを構成する複数のメンバーに関する個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの個人情報を、前記相関情報記憶手段により記憶された相関情報に基づいて前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出する個人情報抽出手段、
前記個人情報抽出手段によって抽出された個人情報を印刷する印刷手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な印刷制御プログラム。
【請求項9】
印刷機能を備えた電子機器のコンピュータを制御するための印刷制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
任意のグループを構成する複数のメンバーに関して、そのメンバーの名前情報及び連絡先情報を含む個人情報をメモリに記憶する個人情報記憶手段、
前記グループ内における前記複数のメンバーの相関関係を定めた相関情報をメモリに記憶する相関情報記憶手段、
前記複数のメンバーのうちの任意のメンバーをユーザ操作に応じて指定する指定手段、
前記指定手段によって指定されたメンバーに対して、少なくとも相関関係が直ぐ下位のメンバーの、少なくとも個人情報中の名前情報及び連絡先情報を前記個人情報記憶手段により記憶された前記複数のメンバーの個人情報から抽出するとともに、当該メンバー以外のメンバーの名前情報を抽出する個人情報抽出手段、
前記複数のメンバーの相関関係を前記相関情報に従って図式化するとともに、前記複数のメンバーの前記個人情報を配置するための相関図式フォームをメモリに記憶する相関図式フォーム記憶手段、
前記個人情報抽出手段によって抽出した個人情報を相関図式フォーム記憶手段により記憶された相関図式フォームに挿入して印刷する印刷手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な印刷制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−250916(P2008−250916A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94741(P2007−94741)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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