説明

印刷装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体

【課題】設定ミスや操作ミスが生じても、再印刷の実行を可能とすることで操作性の向上を図ることができる印刷装置を提供する。
【解決手段】本発明の印刷装置は、印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を行う第1の印刷手段を備える。また、印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定手段を備える。更に、印刷設定候補確定手段により確定された印刷設定候補を示す情報を表示する表示手段を備える。そして、印刷設定候補の選択により、選択された印刷設定候補に応じた印刷出力を行う第2の印刷手段を備える。各手段は、CPU11がその機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下、PCと呼ぶ)と印刷装置が接続され、PCのアプリケーションで作成された印刷データを印刷装置で解読し、ビットマップデータに展開して出力するネットワーク印刷システムが広く利用されている。このような印刷システムにおいて、PCからの印刷時、プリンタドライバでの印刷設定ミスや操作ミスにより、希望通りの印刷結果が得られない場合がある。
【0003】
その場合、印刷出力結果を目視確認した上で、PCのプリンタドライバで印刷設定の変更を行ってから再印刷を行うことになる。このとき、ユーザは、印刷装置からPCに一度戻って、PCから印刷装置まで再度出向いて印刷出力結果を取得しなければならないため作業が煩雑になるという問題がある。
【0004】
一方、印刷装置側のパネル操作により、入力データ中の所望ページを、それまでの印刷条件とは異なる所望の印刷条件に従って個別的に印刷することができる印刷装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平06−015930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術は、印刷設定を変更できるに過ぎず、どのような印刷設定の変更がありうるかは提示されない。
【0006】
本発明の目的は、設定ミスや操作ミスが生じても、再印刷の実行を可能とするとともに、再印刷をする上でどのような印刷設定の変更がありうるかを提示することで操作性の向上を図ることができる印刷装置を提供することにある。また、そのような操作性の向上を図ることができる制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の印刷装置は、印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を行う第1の印刷手段と、前記印刷データの印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定手段と、前記印刷設定候補確定手段により確定された印刷設定候補を示す情報を表示する表示手段と、前記印刷設定候補の選択により、選択された前記印刷設定候補に応じた印刷出力を行う第2の印刷手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の印刷装置の制御方法は、印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を行う第1の印刷ステップと、前記印刷データの印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定ステップと、前記印刷設定候補確定ステップにより確定された印刷設定候補を示す情報を表示する表示ステップと、前記印刷設定候補の選択により、選択された前記印刷設定候補に応じた印刷出力を行う第2の印刷ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
請求項9記載の印刷装置の制御プログラムは、印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を制御する印刷モジュールと、前記印刷データの印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定モジュールと、前記印刷設定候補確定モジュールにより確定された印刷設定候補を示す情報を表示パネルに表示する表示モジュールとをコンピュータに実行させ、前記印刷設定候補の選択により、前記印刷モジュールは、選択された前記印刷設定候補に応じた印刷出力を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項10記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、請求項9記載の印刷装置の制御プログラムを格納する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の印刷装置は、印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を行う第1の印刷手段を備える。また、印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定手段を備える。更に、印刷設定候補確定手段により確定された印刷設定候補を示す情報を表示する表示手段を備える。そして、印刷設定候補の選択により、選択された印刷設定候補に応じた印刷出力を行う第2の印刷手段を備える。
【0012】
このように、再印刷の実行を可能とするとともに、再印刷をする上でどのような印刷設定の変更がありうるかを提示することで操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷装置を含むネットワーク印刷システムの構成図である。
【0015】
本実施の形態の印刷装置は、コピー・スキャナー・ファックス・プリンタ機能を有する複合機10である。本ネットワーク印刷システムは、この複合機10とPC20とが、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)30に接続されることで構築される。
【0016】
複合機10において、CPU11は全体の制御を行う。表示パネル12は、機能や設定等を表示する。操作部13は、ユーザがスキャナー部14やプリントエンジン部15に対する動作指示や、各種プログラムの実行指示を行うのに使用される。
【0017】
スキャナー部14は、原稿の画像を読み込み、その画像を画像データに変換する。プリントエンジン部15は、画像データに基づく画像を印刷出力する。ROM16は、CPU11の制御、表示パネル12、操作部13の制御、スキャナー部14の制御、プリントエンジン部15の制御を行うための制御プログラムコードを格納している。
【0018】
書き換え可能なフラッシュROMをROM16に用いることで、ROM16中に格納されているプログラムコードの更新を行うことも可能とする。
【0019】
RAM17は、上記制御プログラムコードのワークメモリとして使用されるほか、スキャナー部14で生成された画像データを一時的に蓄積したり、プリントエンジン部15に出力されるべき画像データを一時的に蓄積するために用いられる。
【0020】
不揮発性メモリ18は、印刷データ等を格納するものであり、ハードディスク(HDD)やフラッシュROM等で構成される。イーサネット(登録商標)インターフェイス19は、LAN30に接続するものであり、印刷データ等の送受信を可能とする。
【0021】
尚、本実施の形態では、複合機10を用いて説明を行うが、印刷装置としてプリンタ単体機を用いても良い。
【0022】
PC20には、複合機10での印刷を行うために、PDL(Page Description Language)データを生成するためのプリンタドライバと呼ばれる不図示のソフトウェアをインストール可能とする。
【0023】
プリンタドライバのようなソフトウェアをPC20へインストールする方法については、説明を省略するが、市販されているアプリケーションソフトのインストール方法と同一で良い。
【0024】
プリンタドライバには複数個の印刷設定項目が存在する。例えば、モノクロ/カラー設定、片面/両面設定、一面に印刷されるべきページ数の設定、明暗設定、コントラスト設定であり、プリンタドライバはこれらの印刷設定を自由に組み合わせた印刷出力を可能とする。
【0025】
図2は、図1におけるPCのプリンタドライバによって実行される印刷データ生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0026】
図2において、まず、プリンタドライバが起動し(ステップS101)、ユーザが希望する印刷設定を受け付けた後(ステップS102)、ユーザが印刷実行キーを押下したかどうかを判断する(ステップS103)。ユーザが印刷実行キーを押下すると、ステップS104で、印刷データ(印刷ジョブとも呼ぶ)の生成処理の起動が掛かる。一方、ユーザが印刷実行キーではなくキャンセルキーを押下すると、以上の動作フローを終了する。
【0027】
ステップS104では、プリンタドライバは、ステップS102で受け付けた印刷設定を反映した印刷データの生成を行う。印刷データの生成処理については周知であり、処理の詳細説明については省略するが、プリンタドライバは複合機10で印刷可能な印刷データの作成を行う。
【0028】
ステップS105では、プリンタドライバはステップS104にて生成した印刷データを複合機10に送信し、本処理を終了する。
【0029】
図3は、図2のステップS104で生成される印刷データの構成図である。
【0030】
図3では、印刷データ40をパケットと呼ばれるデータ分割した形式で表現している。
【0031】
パケット通信とは、印刷データを制御情報が付加された小さなデータに分割して送受信する通信方式である。印刷データを分割して送受信することにより、ある2地点間の通信の途中に回線が占有されることがなくなり、通信回線を効率良く利用することができる利点がある。
【0032】
パケット41は、印刷ジョブの開始を示すパケットである。パケット42は、印刷ジョブの属性を設定するパケットであり、モノクロ/カラー設定、片面/両面設定、一面における印刷ページ数設定、明暗設定、コントラスト設定、用紙サイズ設定、印刷解像度設定をそれぞれ設定するためのものである。
【0033】
パケット43は、印刷画像データを生成するためのPDLコマンドを格納するパケットである。PDLコマンドは、文字描画コマンド、図形描画コマンド、画像描画コマンド等から構成されており、代表的なPDLコマンドとしてはPostScriptがある。パケット44は、印刷ジョブの終了を示すパケットである。
【0034】
図4は、複合機10によって実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0035】
図4において、まず、複合機10は、印刷データ40を受信すると(ステップS201)、印刷データの解析処理を行って(ステップS202)、印刷画像データを生成し(ステップS203)、その印刷画像データをビデオ信号へ変換する(ステップS204)。
【0036】
複合機10はそのビデオ信号をプリントエンジン部15へ転送して印刷を行い(ステップS205)(印刷手段)、印刷用紙を排紙する(ステップS206)。
【0037】
次に、ステップS202の印刷データの解析結果に沿って、印刷設定を変更した上での印刷が可能か否か判断し、印刷設定を変更した場合の印刷設定の候補を決定する(ステップS207)(印刷設定候補確定手段)。
【0038】
複合機10は、印刷設定候補を示す複数個のアイコンを複合機10の表示パネル12へ表示する(ステップS208)(表示手段)。印刷データの受信後予め設定されている一定期間が経過するのを待ち(ステップS209)、ステップS208で表示したアイコンの表示を消去する(ステップS210)(消去手段)。そして、複合機10は、ステップS201で受信した印刷データを破棄して(ステップS211)(印刷データ破棄手段)、本処理を終了する。
【0039】
ステップS210でのアイコン消去、ステップS211での印刷データ破棄迄は、印刷データを複合機10のRAM17、もしくは不揮発性メモリ18内に保持しておき、再印刷のための再利用を可能とする。印刷データの保持処理の詳細な説明は省略する。
【0040】
ステップS205の印刷動作については周知であり、その処理の詳細説明は省略する。
【0041】
また、ステップS208におけるアイコンとは、機能や処理内容等を小さな絵記号でシンボル化したものであり、アイコンを押下することで直感的な操作ができ,画面表示も簡略化することができる。本実施の形態ではアイコンを用いているが、アイコンを利用せずに文字列でのみ表現しても良いとする。
【0042】
本実施の形態では、ステップS207、S208における、印刷設定を変更した上での印刷が可能か否か判断して、印刷設定を変更した場合の印刷設定の候補を確定し、印刷設定候補を示すアイコンを、複合機10の表示パネル12へ表示することに特徴がある。
【0043】
ステップS207における印刷設定候補の確定方法を、図5、6、7を用いて説明する。
【0044】
(第1の実施の形態)
図5は、図4のステップS207で印刷設定候補を確定する場合の印刷設定の優先順位(第1の実施の形態)を示す図である。
【0045】
具体的には、図5は、モノクロ/カラー設定、片面/両面設定、一面における印刷ページ数設定、明暗設定、コントラスト設定という5つの設定の優先順位を図示したものであり、左上の方が優先順位が高く、右下の方が優先順位が低くなっている。
【0046】
図5に示す印刷設定候補の優先順位のテーブルを、複合機10のRAM17、もしくは、不揮発性メモリ18内に用意しておき、図4のステップS202における印刷データの解析結果を同テーブルに当てはめていく。図5において、複数の印刷設定間の優先順位(横方向)は、より優先順位の高い印刷設定を、変更すべき印刷設定の候補として選ぶことを示す。例えば、印刷色と印刷面とを比べた場合、印刷色を変更することを優先的に選択する。印刷設定値間の優先順位(縦方向)は、優先順位の低い印刷設定値から優先順位の高い印刷設定値への変更が可能であることを示す。例えば、印刷色において、モノクロからカラーへの変更は可能であるが、カラーからモノクロへの変更はできない。
【0047】
図6は、図3の印刷データを図5の優先順位に適用した例を示す図である。図3の印刷データ40で指定されている印刷設定値を適用した結果が図6であり、丸でマーキングしているところが印刷データ40で指定されている印刷設定値を示している。
【0048】
図7は、図4のステップS207で実行される印刷設定候補確定処理の手順を示すフローチャートである。
【0049】
図7において、ステップS301では、複合機10は図5のテーブルを参照する。次に、ステップS302で、複合機10はステップS202での解析結果と図5のテーブルとに基づいて、印刷色を変更可能か否か判断する。
【0050】
例えば、図3の印刷データ40の場合であればモノクロ印刷が指定されているため、カラー印刷へ変更可能である。仮に印刷データ40がカラー印刷を指定していれば、印刷色を変更できないと判断する。後述のステップS304、306、308、310でも図5のテーブルに基づいて同様の判断を行うものとする。
【0051】
ステップS303にて変更不可能と判断したのであれば、次に、ステップS304で、複合機10は印刷面を変更可能か否か判断する。ステップS305にて変更不可能と判断したのであれば、次に、ステップS306で、複合機10は印刷面数を変更可能か否か判断する。
【0052】
ステップS307にて変更不可能と判断したのであれば、次に、ステップS308で、複合機10は明暗を変更可能か否か判断する。ステップS309にて変更不可能と判断したのであれば、次に、ステップS310で、複合機10はコントラストを変更可能か否か判断する。ステップS311にて変更不可能と判断したのであれば、ステップS312で、複合機10は印刷設定候補なしと判断して本処理を終了する。
【0053】
印刷設定候補なしと判断した場合は、図4のステップS208〜210の処理を行わずに、ステップS211で印刷データの破棄を行う。
【0054】
一方、ステップS303、305、307、309、311のいずれかで変更可能と判断した場合には、変更可能と判断した印刷設定を印刷設定候補として確定して(ステップS313)、本処理を終了する。
【0055】
図7のステップS302、S304、S306、S308、S310の実行順序は図5の印刷設定間の優先順位に基づいている。従って、図5のテーブルにおいて印刷設定の優先順位が変更された場合には、ステップS302、S304、S306、S308、S310の実行順序も変更される。
【0056】
また、図7のフローチャートでは、一つの印刷設定が変更可能であると判断された時点で印刷設定候補を確定していた。が、ステップS302、S304、S306、S308、S310の全てを実行した上で、変更が可能と判断した複数の印刷設定をそれぞれ印刷設定候補にしてもよい。
【0057】
図7の印刷設定候補確定処理にて確定した印刷設定候補が重複しないように、同処理を実行することで、組合せの異なる印刷設定候補を生成することが可能である。
【0058】
例えば、図3の印刷データ40に対して、図7の動作フローを印刷設定候補が重複しないように生成した組合せの印刷設定候補が図8、9、10、11である。ここでは印刷設定候補を4つ選出したが、選出する個数は変動させてもよい。
【0059】
更に、本実施の形態で記述している印刷設定項目以外にも、印刷用紙サイズ設定、印刷解像度設定等を利用しても良い。
【0060】
次に、図7のステップS313で確定した複数個の印刷設定候補を図4のステップS208にて表示パネル12にアイコン表示した例を図12に示す。
【0061】
表示パネル12には印刷履歴を一覧表示しており、情報部51と再印刷実行部52から構成されている。
【0062】
情報部51には、印刷受付け番号、印刷実行日時、ジョブ名称、印刷を行ったユーザ名称、印刷の成功可否結果の表示を行っており、再印刷を行う際に印刷ジョブを識別するための情報として利用する。情報部51を表示するための方法は周知であり、その詳細な説明については省略する。
【0063】
再印刷実行部52には、印刷設定候補をアイコン表示しており、アイコン53〜56は、図8〜図11の印刷設定候補をそれぞれ表示したものであり、アイコン53〜56を押下することで、印刷設定候補に応じた印刷出力が行われる。
【0064】
尚、PC20から送信された印刷ジョブの印刷設定応じて、再印刷実行部52に表示されるアイコンの種類や総数に差異が出るため、アイコン57のように、1個しかアイコン表示されない場合も存在する。
【0065】
再印刷実行部52のアイコンを押下して印刷出力する場合の処理を図13、図14を用いて説明する。
【0066】
図13は、図12における再印刷実行部のアイコンが押下された場合に生成される印刷データの構成図である。図14は、図12における再印刷実行部のアイコンが押下された場合の再印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
図13の印刷データ61は、再印刷実行部52に表示されているアイコン53を押下すると、複合機10内部で生成される。アイコン53は、印刷色がモノクロからカラーへ変更されたものであるので、印刷色の属性設定パケット45はカラー印刷を指定している。
【0068】
ステップS401では、複合機10は再印刷実行部52に表示されているアイコンの押下を受け付ける。
【0069】
ステップS402では、複合機10は、図4のステップS201で受信し複合機10のRAM17もしくは不揮発性メモリ18に保持しておいた印刷データ40に基づいて、印刷色の属性設定パケット45をモノクロからカラーへ変更した印刷データの生成を行う。
【0070】
その後、ステップS202〜ステップS206を介して印刷出力を行う。ステップS202〜ステップS206の動作フローは図4のステップS202〜S206に対応する。
【0071】
図15は、図1におけるプリントエンジン部の構成図である。
【0072】
複合機10のプリントエンジン部15としてレーザビームプリント方式の構成をその動作と併せて、図15を用いて説明する。
【0073】
プリントエンジン部15において、印刷画像データはビデオ信号に変換してレーザドライバ1002に出力する。レーザドライバ1002は、半導体レーザ1003を駆動するための回路であり、入力されたビデオ信号に応じて半導体レーザ1003から発射されるレーザ光1004のオン・オフ切り換えを行う。
【0074】
レーザ光1004は、回転多面鏡1005で左右方向に振らされて静電ドラム1006上を走査露光する。これにより、静電ドラム1006上には出力画像の静電潜像が形成されることになる。この潜像は、静電ドラム1006周囲に配設された現像ユニット1007により現像された後、印刷用紙に転写される。
【0075】
印刷用紙は、プリントエンジン部15に装着した印刷用紙カセット1008に収納され、給紙ローラ1009、及び搬送ローラ1010、1011により装置内に取り込まれて静電ドラム1006に供給される。
【0076】
また、本実施の形態を適用するプリンタとしては、レーザビームプリンタに限られたものではなく、インクジェットプリンタ、昇華プリンタ、銀塩プリンタ等の他のプリンタを用いてもよい。
【0077】
本実施の形態では、印刷完了と同時に印刷設定を変更した出力が可能な複数個のアイコンを複合機10の表示パネル12へ表示する。そして、アイコンの選択実行という簡単な操作で出力結果の異なる再印刷ができるようにする。このことで操作性の向上を図ることができる。
【0078】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、印刷設定候補を利用者がカスタマイズすることを目的とする。
【0079】
本実施の形態では、モノクロ/カラー設定、片面/両面設定、一面における印刷ページ数設定、明暗設定、コントラスト設定という5つの印刷設定の変更を行う場合を例として説明を行う。また、併せて印刷設定候補の削除を行う場合も例として説明を行う。
【0080】
図16は、図4のステップS207で印刷設定候補を確定する場合の優先順位(第2の実施の形態)を示す図である。
【0081】
具体的には、図16は、第1の実施の形態における印刷設定候補の優先順位(図5)に対して、優先順位の変更と印刷設定項目の削除を行ったものである。
【0082】
印刷色ではモノクロを優先し、印刷面では片面を優先し、一面における印刷ページ数では1ページを優先し、明暗では並、強、弱の順に優先する。また、コントラストを削除している。
【0083】
図17は、図3の印刷データを図16の優先順位に適用した例を示す図である。図17では、この優先順位の入れ換え結果に、第1の実施の形態における図3の印刷データ40を適用した結果を示す。
【0084】
その結果、図7の動作フローにて確定される印刷設定候補は図18に示すのみとなり、印刷設定候補が1つとなる。表示パネル12にアイコン表示した例を図19で示す。
【0085】
尚、本実施の形態における優先順位の変更と入れ換えと印刷設定候補の削除おける動作フローについては図示しないが、複合機10の表示パネル12と操作部13を利用して設定可能とする。
【0086】
第2の実施の形態では、印刷設定候補をカスタマイズすることにより、再印刷実行部52に表示される印刷設定候補の種類を変更したり、印刷設定候補の総数を増減させることができる。
【0087】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0088】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0089】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0090】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0091】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷装置を含むネットワーク印刷システムの構成図である。
【図2】図1におけるPCのプリンタドライバによって実行される印刷データ生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS104で生成される印刷データの構成図である。
【図4】図2のステップS105で実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS207における印刷設定候補の優先順位の第1の実施の形態を示す図である。
【図6】図3の印刷データを図5の優先順位に適用した例を示す図である。
【図7】図4のステップS207で実行される印刷設定候補確定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態における印刷設定候補の例を示す図である(その1)。
【図9】第1の実施の形態における印刷設定候補の例を示す図である(その2)。
【図10】第1の実施の形態における印刷設定候補の例を示す図である(その3)。
【図11】第1の実施の形態における印刷設定候補の例を示す図である(その4)。
【図12】第1の実施の形態における印刷設定候補をアイコン表示した図である。
【図13】図12における再印刷実行部のアイコンを押下して印刷出力する場合の再印刷データの構成図である。
【図14】図12における再印刷実行部のアイコンを押下して印刷出力する場合の再印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図1におけるプリントエンジン部の構成図である。
【図16】図4のステップS207における印刷設定候補の優先順位の第2の実施の形態を示す図である。
【図17】図3の印刷データを図16の優先順位に適用した例を示す図である。
【図18】第2の実施の形態における印刷設定候補の例を示す図である。
【図19】第2の実施の形態における印刷設定候補をアイコン表示した図である。
【符号の説明】
【0093】
10 複合機
11 CPU
12 表示パネル
13 操作部
14 キャナー部
15 プリントエンジン部
16 ROM
17 AM
18 不揮発性メモリ
19 イーサネット(登録商標)インターフェイス
20 PC
30 LAN
40 印刷データ
41 ジョブ開始パケット
42 属性設定パケット
43 PDLコマンドパケット
44 ジョブ終了パケット
45 属性設定パケット
51 情報部
52 再印刷実行部
53〜57 アイコン(機能・処理内容表示体)
1002 レーザドライバ
1003 半導体レーザ
1004 レーザ光
1005 回転多面鏡
1006 静電ドラム
1007 現像ユニット
1008 印刷用紙カセット
1009 給紙ローラ
1010 搬送ローラ
1011 搬送ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を行う第1の印刷手段と、
前記印刷データの印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定手段と、
前記印刷設定候補確定手段により確定された印刷設定候補を示す情報を表示する表示手段と、
前記印刷設定候補の選択により、選択された前記印刷設定候補に応じた印刷出力を行う第2の印刷手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1の印刷手段による印刷出力完了後も印刷データを一定期間保持する保持手段と、
一定期間を経過後に、前記保持手段により保持されている印刷データを破棄する印刷データ破棄手段と、
前記印刷データ破棄手段による印刷データの破棄に同期して、前記表示手段により表示された情報を消去する消去手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷設定は、モノクロ/カラー設定、片面/両面設定、一面における印刷ページ数設定、明暗設定、コントラスト設定のうちの任意の設定であることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記印刷設定候補確定手段により確定された印刷設定候補を示すアイコンを表示することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を行う第1の印刷ステップと、
前記印刷データの印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定ステップと、
前記印刷設定候補確定ステップにより確定された印刷設定候補を示す情報を表示する表示ステップと、
前記印刷設定候補の選択により、選択された前記印刷設定候補に応じた印刷出力を行う第2の印刷ステップとを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項6】
前記第1の印刷ステップでの印刷出力完了後も印刷データを一定期間保持し、一定期間を経過後に破棄する印刷データ破棄ステップと、
印刷データの破棄に同期して、前記表示ステップで表示された情報を消去する消去ステップと、
を更に備えることを特徴とする請求項5記載の印刷装置の制御方法。
【請求項7】
前記印刷設定は、モノクロ/カラー設定、片面/両面設定、一面における印刷ページ数設定、明暗設定、コントラスト設定のうちの任意の設定であることを特徴とする請求項5記載の印刷装置の制御方法。
【請求項8】
前記表示ステップでは、前記印刷設定候補確定手段により確定された印刷設定候補を示すアイコンを表示することを特徴とする請求項5記載の印刷装置の制御方法。
【請求項9】
印刷データの印刷設定に応じた印刷出力を制御する印刷モジュールと、
前記印刷データの印刷設定を変えた印刷出力が可能か否か判断して、前記印刷データの印刷設定とは異なる印刷設定を印刷設定候補として確定する印刷設定候補確定モジュールと、
前記印刷設定候補確定モジュールにより確定された印刷設定候補を示す情報を表示パネルに表示する表示モジュールとをコンピュータに実行させ、
前記印刷設定候補の選択により、前記印刷モジュールは、選択された前記印刷設定候補に応じた印刷出力を制御することを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の印刷装置の制御プログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−194888(P2008−194888A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30683(P2007−30683)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】