説明

印刷装置及びプログラム

【課題】印刷中に印刷中断等の問題が生じた場合であっても、管理番号の欠番を管理することにより、適切な連番を付与することができる印刷装置を提供すること。
【解決手段】印刷される画像データに合成される特定情報(連番)が、連番テーブル1182に記憶されている。ここで、制御部100が印刷が中断されたことを検出すると、印刷が中断された連番に基づいて欠番を連番テーブル1182に記憶する。そして、画像データを再度印刷する場合に、連番テーブル1182の欠番に記憶された連番については再度印刷されることを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像データに、それぞれ異なる特定情報を合成し、当該画像データを印刷する印刷手段を備えた印刷装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像データに基づいて、記録紙に画像を印刷する印刷装置が知られている。ここで、印刷装置において、例えば、伝票データのフォームと、記録内容とを合成して画像を形成し、印刷する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、印刷装置において、印刷途中の記録紙が装置内部に滞留する等のトラブル(ジャム)が発生すると、印刷が中断されることとなる。そして、装置内部に滞留している印刷途中の記録紙が利用者によって取り除かれることにより、印刷が再開され、印刷が完了していない画像データ等が再度処理され印刷される技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−155112号公報
【特許文献2】特開2005−316938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、画像データを印刷する場合に、特定情報として管理するための管理番号(連番)を付して印刷する印刷装置が知られている。これらの印刷装置が印刷する記録紙としては、例えば伝票であったり、ダイレクトメールであったりする。このような印刷装置において、印刷された伝票等には、連番となる管理番号が合成されて印刷されることにより、利用者は伝票等の管理を行っている。
【0005】
ここで、伝票等の印刷途中において、上述したジャムが発生すると、印刷が中断してしまう。具体的には、伝票等を印刷途中に、印刷装置内に、記録紙が滞留してしまうと、印刷が中断してしまう。ここで、利用者により、滞留した記録紙が取り除かれると、再度印刷が完了していない伝票等の印刷処理が開始される。
【0006】
しかしながら、印刷途中の記録紙が装置内部で滞留した際に、記録紙が滞留した位置によっては画像データと管理番号が確認できる場合や、滞留した記録紙が利用できる場合が存在する。具体的には、トナー像が記録紙に転写され未定着の場合には記録物として利用することはできないが、トナーが記録紙に静電吸着しているために、別装置によってトナーを記録紙に定着させることによってその記録物が利用可能となる。また、転写途中で滞留した記録紙は定着の状態により、その記録物が利用可能な場合も存在する。
【0007】
このような場合、印刷物の状態と、管理番号として付した連番の状況により、再度印刷された伝票等の管理番号が一貫していないといった問題点が生じていた。例えば、同一の管理番号で複数の伝票等が印刷されてしまう場合があったり、異なる管理番号に対して同内容の伝票が印刷されてしまったりするといった不都合が生じていた。
【0008】
上述した課題に鑑み、本発明が目的とするところは、印刷中に印刷中断等の問題が生じた場合であっても、管理番号の欠番を管理することにより、適切な連番を付与することができる印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題に鑑み、本発明の印刷装置が目的とするところは、複数の画像データに、それぞれ異なる特定情報を合成し、当該画像データを印刷する印刷手段を備えた印刷装置において、前記印刷手段が印刷を中断したことを検出する印刷中断検出手段と、前記印刷中断検出手段により印刷が中断された画像データから、前記印刷手段に印刷の指示を行う印刷指示手段と、前記印刷手段が、前記印刷指示手段の指示により画像データを印刷する場合、前記画像データに合成された特定情報のうち、前記印刷手段により印刷されていない特定情報については、印刷を禁止する印刷禁止手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の印刷装置は、前記印刷手段により印刷された特定情報と、前記禁止手段により印刷を禁止された特定情報とを管理する管理手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の印刷装置は、前記管理手段により管理される印刷された特定情報と、印刷を禁止された特定情報とを印刷することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の印刷装置において、前記印刷指示手段は、前記印刷手段において前記画像データが記録紙に転写完了していない画像データから印刷を行う指示をすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の印刷装置において、前記印刷中断検出手段は、前記印刷装置において装置異常(ジャム)が発生したことを検知することにより、印刷が中断されたことを検出する手段であって、前記印刷禁止手段は、前記印刷手段において前記画像データが記録紙に転写完了されていない場合に、前記画像データが印刷されていないと判定して特定情報の印刷を禁止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の印刷装置において、前記特定情報は、連番において特定される情報であって、前記印刷禁止手段は、前記画像データに合成された連番の内、前記印刷手段により印刷された画像データに合成されている連番から、前記印刷中断検出手段により印刷が中断されたことを検出した画像データに合成されている連番までの再印刷を禁止することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の印刷装置において、前記印刷手段は、印刷中断検出手段により印刷が中断されたことが検出された場合に、印刷が中断された画像データの再印刷を行う手段であって、前記画像データに合成する連番は、前記印刷禁止手段により再印刷が禁止される連番の次の連番であることを特徴とする。
【0016】
本発明におけるプログラムは、印刷装置に接続されたコンピュータに、複数の画像データにそれぞれ異なる特定情報を合成し、当該画像データを印刷する印刷機能を実現するプログラムにおいて、前記印刷装置が印刷を中断したことを検出する印刷中断検出機能と、前記印刷中断検出機能により印刷が中断された画像データから、前記印刷機能に印刷の指示を行う印刷指示機能と、前記印刷機能が、前記印刷指示機能の指示により画像データを印刷する場合、前記画像データに合成された特定情報のうち、前記印刷装置により印刷されていない特定情報については、印刷を禁止する印刷禁止機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の画像データに、それぞれ異なる特定情報を合成し、当該画像データを印刷する印刷装置において、印刷が中断されたことが検出された場合、印刷が中断された画像データから再度印刷の指示を行う場合、前記画像データに合成された特定情報のうち、印刷されていない特定情報については、印刷が禁止されることとなる。したがって、印刷が中断され、再度印刷が行われた場合であっても、特定情報の重複印刷を確実に防止することができ、連番の管理が容易となる。
【0018】
また、印刷された特定情報と、印刷が禁止された特定情報が印刷されることとなる。したがって、印刷されたデータのうち、印刷された特定情報と、印刷が禁止されたことにより欠番となった特定情報とが印刷されることとなり、利用者は容易に特定情報の印刷状況を把握することが可能となる。
【0019】
また、印刷中断された画像データから印刷を指示する場合、記録紙に転写完了していない画像データから印刷の指示を行うこととなる。したがって、記録紙に転写完了された画像データが重複して印刷されないこととなり、同一の特定情報の印刷も防ぐことが可能となる。
【0020】
また、印刷装置において装置異常(ジャム)が発生したことを検知することにより、印刷が中断を検出し、中断されたときに、画像データが記録紙に転写完了していない特定情報の印刷が禁止されることとなる。
【0021】
また、特定情報は連番であって、印刷された画像データに合成されている連番から、印刷が中断されたことを検出した画像データに合成されている連番までの再印刷が禁止されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明における印刷装置を、デジタル複合機に適用した場合について説明する。
【0023】
[動作説明]
図1及び図2は、本実施形態におけるデジタル複合機1の一実施形態を示す斜視図及び断面図である。このデジタル複合機1では、原稿の画像を読取って記録紙に印刷する複写モード、原稿の画像を読取って送信したり、原稿の画像を受信して記録紙に印刷したりするファクシミリモード、及び情報端末装置からネットワークを通じて受信した画像を記録紙に印刷するプリンタモード等を選択的に行うことができる。このデジタル複合機1は、その構成を大別すると、原稿搬送読取部2、画像形成部3、給紙部4、排紙処理装置5及びUSBインターフェイス7を備えている。
【0024】
次に、複写モードを例に挙げて、デジタル複合機1の動作を説明する。まず、原稿を原稿搬送読取部2の原稿セットトレイ11にセットすると、原稿検知センサ12が原稿をセットされたことを検出する。そして、原稿搬送読取部2の操作パネル6を操作することにより印刷用紙のサイズ及び変倍率等を入力設定する。その後、操作パネル6の操作により複写の開始を指示する。
【0025】
これらの操作に応答して原稿搬送読取部2では、ピックアップローラ13により原稿セットトレイ11上の各原稿を1枚ずつ引き出し、原稿をサバキ板14と搬送ローラ15間を介してプラテンガラス16へと送り出し、原稿をプラテンガラス16上で副走査方向に搬送して原稿排出トレイ17へと排出する。
【0026】
このとき、第1読取部21によって原稿の表面(下側面)を読取る。第1読取部21の第1走査ユニット23をポジションに移動して位置決めし、第2走査ユニット24を所定位置に位置決めしておき、第1走査ユニット23の露光ランプにより原稿の表面を、プラテンガラス16を介して照射し、原稿の反射光を第1及び第2走査ユニット23、24の各反射ミラーにより結像レンズ26へと導き、原稿の反射光を結像レンズ26によりCCD(Charge Coupled Device)27に集光させ、原稿の表面の画像をCCD27上に結像させ、これにより原稿の表面の画像を読取る。
【0027】
また、第2読取部22によって原稿の裏面(上側面)を読取る。第2読取部22は、プラテンガラス16の上方に配置されており、原稿の裏面を照射する露光ランプ(LED(Light Emitting Diode)アレイ、蛍光灯等)、画素毎に、原稿の反射光を集光するセルフォックレンズアレイ及びセルフォックレンズアレイを通じて受光した原稿の反射光を光電変換して、アナログの画像信号を出力する密着イメージセンサ(CIS;Contact Image Sensor)等を備えている。
【0028】
更に、原稿搬送読取部2の上部筐体を開いて、プラテンガラス16上に原稿を載置し、この状態で第1読取部21により原稿の表面を読取ることが可能である。この場合は、第1及び第2走査ユニット23、24を相互に所定の速度関係を維持しつつ副走査方向に移動させ、第1走査ユニット23によってプラテンガラス16上の原稿を露光し、第1及び第2走査ユニット23、24によって原稿からの反射光を結像レンズ26へと導き、結像レンズ26によって原稿の画像をCCD27上に結像する。
【0029】
こうして原稿の片面もしくは両面が読み取られると、原稿の片面もしくは両面の画像を示す画像データがマイクロコンピュータ等の制御部100(図3に示す)に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部3へと出力される。
【0030】
画像形成部3は、画像データによって示される原稿の画像を記録紙に印刷するものであって、感光体ドラム31、帯電装置32、レーザスキャンユニット(以下LSUと称する)33、現像装置34、転写装置35、クリーニング装置36、除電装置(図示せず)及び定着装置37等を備えている。
【0031】
また、画像形成部3には、主搬送路38及び反転搬送路39が設けられており、給紙部4から給紙されて来た記録紙が主搬送路38に沿って搬送される。給紙部4は、用紙カセット41に収納された記録紙、または手差トレイ42に載置された記録紙を1枚ずつ引き出して、記録紙を画像形成部3の主搬送路38へと送り出す。
【0032】
画像形成部3の主搬送路38に沿って記録紙が搬送されている途中で、記録紙が感光体ドラム31と転写装置35との間を通過し、更に定着装置37を通過して、記録紙に対する印刷が行われる。感光体ドラム31は、一方向に回転しており、その表面をクリーニング装置36と除電装置によりクリーニングされてから、その表面を帯電装置32により均一に帯電される。レーザスキャンユニット33は、原稿搬送読取部2からの画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム31表面を主走査方向に繰り返し走査して、静電潜像を感光体ドラム31表面に形成する。現像装置34は、トナーを感光体ドラム31表面に供給して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム31表面に形成する。転写装置35は、該転写装置35と感光体ドラム31間を通過して行く記録紙に感光体ドラム31表面のトナー像を転写する。定着装置37は、記録紙を加熱及び加圧して、記録紙上のトナー像を定着させる。
【0033】
主搬送路38と反転搬送路39の接続位置には、分岐爪43が配設されている。記録紙の片面だけに印刷が行われる場合は、分岐爪43が位置決めされ、この分岐爪43により定着装置37からの記録紙が排紙トレイ44又は排紙処理装置5の方へと導かれる。
【0034】
また、記録紙の両面に印刷が行われる場合は、分岐爪43が点線で示す位置に回転移動されて、記録紙が反転搬送路39の方へと導かれる。そして、記録紙は、反転搬送路39を通過して、その表裏を反転されて主搬送路38へと再び搬送され、主搬送路38の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行われて、排紙トレイ44又は排紙処理装置5の方へと導かれる。
【0035】
こうして印刷された記録紙は、排紙トレイ44又は排紙処理装置5の方へと導かれて、排紙トレイ44に排出されたり、排紙処理装置5の各排紙トレイ5aのいずれかに排出されたりすることとなる。
【0036】
排紙処理装置5では、複数の記録紙を各排紙トレイ5aに仕分けして排出したり、各記録紙にパンチング処理を施したり、各記録紙にステープル処理を施す。例えば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ5aに印刷物の一部ずつが割り当てられる様に各記録紙を各排紙トレイ5aに仕分けして排出し、排紙トレイ5a毎に、排紙トレイ5a上の各記録紙にパンチング処理やステープル処理を施して、印刷物を作成する。
【0037】
[構成]
つづいて、デジタル複合機1の構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、デジタル複合機1は、制御部100に、画像読取部102と、操作部104と、画像形成部106と、モデム部108と、画像メモリ110と、通信部112と、ROM114と、管理部116と、記憶部118とが接続されている。また、モデム部108は公衆回線網N3に、通信部112はネットワークN1に接続されている。
【0038】
制御部100は、デジタル複合機1の各種動作及び制御を行う機能部である。デジタル複合機1に記憶されている各種プラグラムを読み出し、実行することにより各処理を実現する。ここで、制御部100は、例えば演算を行うCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
【0039】
画像読取部102は、記録紙に記録された画像を読み取って、画像データを生成する機能部である。画像読取部102は、例えばスキャナ等から構成されている。なお、図1に示したデジタル複合機1においては、原稿搬送読取部2が該当する。画像読取部102において生成された画像データは、画像メモリ110に送られ、一時記憶される。
【0040】
操作部104は、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示手段と、使用者の操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の入力手段とからなっている。なお、図1に示したデジタル複合機1においては、操作パネル6が該当する。
【0041】
画像形成部106は、画像メモリ110に記憶された画像データに基づいて、画像を形成し、記録紙に記録(印刷)するための機能部である。例えば、レーザプリンタ等により構成されてもよい。なお、図1においては、画像形成部3が該当する。
【0042】
モデム部108は、ファクシミリ通信を行うための機能部であり、公衆回線網N3に接続されている。ここで、画像読み取り部102が生成した画像データは、モデム部108に接続された公衆回線網N3を介して他のファクシミリ装置212へファクシミリ通信にて送信することができる。また、デジタル複合機1において、公衆回線網N3を介して他のファクシミリ装置212から送信された画像データをモデム部108で受信し、受信した画像データから画像形成部106で画像を形成することができる。
【0043】
画像メモリ110は、画像データを一時的に記憶するメモリである。具体的には、画像読取部102で生成された画像データが、一度画像メモリ110に記憶される。ここで、印刷を指示されている画像データは画像形成部106に、保存を指示されている画像データは記憶部118に、通信により送受信を指示されている画像データはモデム部108又は通信部112にそれぞれ出力される。
【0044】
また、モデム部108や通信部112により受信された画像データも、画像メモリ110に一時保存されることになる。
【0045】
通信部112は、デジタル複合機1がネットワークを介してデータを送受信するための通信手段として機能する機能部である。通信部112は、社内LAN等の通信ネットワークN1に接続可能であり、通信ネットワークN1には1または複数のパーソナルコンピュータ200が接続されている。ここで、デジタル複合機1が単独で動作している通常の状態では、通信ネットワークN1を介してPC200との間でデータを交換する。
【0046】
具体的には、デジタル複合機1において、画像読取部102が生成した画像データを通信部112からPC200に送信する。このようにすることにより、デジタル複合機1はスキャナとして動作可能となる。また、逆にPC200において、画像データをデジタル複合機1に送信する。デジタル複合機1は、通信部112において受信された画像データから画像形成部106で画像を形成することができる。この場合、デジタル複合機1はプリンタとして動作可能である。
【0047】
ここで、通信ネットワークN1は、更にインターネット等の広域通信ネットワークN2に接続されている。通信部108は、電子メールに画像データを添付して送信するなどの方法により、広域通信ネットワークN2に接続されたPC202又は他のファクシミリ装置210との間で、通信ネットワークN1及び広域通信ネットワークN2を介して画像データを受信することができる。このようにして、デジタル複合機1はインターネットファクシミリ装置として機能する。
【0048】
ROM114は、デジタル複合機1を動作させる為の各種データやプログラムなどを記憶している機能部である。制御部100は、ROM114に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、制御処理を実行する。また、ROM114には連番印刷プログラム1142が記憶されている。制御部100は、連番印刷プログラム1142を読み出して実行することにより、連番印刷処理(図5)を実現する。
【0049】
管理部116は、連番情報を管理する機能部である。デジタル複合機1において、画像データに合成する管理番号を連番として生成する。そして、当該連番を、画像メモリ110に記憶されている画像データに合成することにより、画像データに連番を付与することとなる。
【0050】
記憶部118は、デジタル複合機1の設定状態を記憶したり、画像メモリ110において一時記憶された画像データを保存したりするための機能部である。ここで、記憶部118は、例えば、半導体メモリ、ハードディスクドライブ、光学式ディスクドライブ等のいずれかの記憶装置により構成されている。また、記憶部118には、連番テーブル1182が記憶されている。
【0051】
連番テーブル1182は、デジタル複合機1における連番の状態を記憶しているテーブルである。一例として、連番テーブル1182のデータ構造は図4として示すように、印刷中断連番(例えば「A0004」)と、使用済み連番(例えば、「A0008」)と、欠番(例えば「A0004−A0008」)とを記憶している。
【0052】
[処理の流れ]
続いて、図5を用いて、デジタル複合機1における連番印刷処理について説明する。連番印刷処理は、制御部100が、連番印刷プログラム1142を実行することにより、実現される処理である。
【0053】
まず、連番印刷の合成処理が指定されると、連続印刷の種類が選択される(ステップS10)。例えば、管理番号(文章)として、「請求書」が指定されると請求書のデータが選択され、請求書に適合した連番が管理番号として管理部116により付与される。
【0054】
続いて、画像メモリ110に展開された画像データに、管理部116において生成される管理番号が合成され、合成された画像データに基づいて、画像形成部106において画像が印刷される(ステップS12)。ここで、印刷中にジャムが発生せずに正常に印刷されることになり(ステップS14;No)、印刷が終了するまで処理を繰り返し実行する(ステップS16;No→ステップS12)。
【0055】
他方、ステップS16において、印刷が終了したと判定されると(ステップS16;Yes)、連番印刷処理を終了する。
【0056】
ここで、ステップS14においてジャムが発生したことを検知した場合には(ステップS14;Yes)印刷が中断された連番を、連番テーブル1182の「印刷中断連番」として記憶する(ステップS20)。また、画像メモリ110に既に展開されて付与された連番を、連番テーブル1182の「使用済み連番」として記憶する(ステップS22)。
【0057】
そして、ジャムが発生したことを警告し(ステップS24)、ジャムが発生したことを利用者に警告する。ここで、ジャムの発生の一例としては、例えばデジタル複合機1の装置内部に、記録紙が滞留することにより、印刷処理が実行できなくなった場合等をいう。
【0058】
ここで、ジャムが解除された(印刷出来なくなった要因が排除された)場合には(ステップS26;Yes)、欠番となる連番を決定し、連番テーブル1182に「欠番」として記憶する(ステップS28)。この「欠番」として記憶された番号は、再度記録紙に印刷を行う場合に、印刷が禁止される番号となる。
【0059】
例えば、現在印刷中断連番として「A0004」が、「使用済み連番」として「A0008」が連番テーブル1182に記憶されている。ここで、印刷が中断された連番である「A0004」から「A0008」のデータを「欠番」として記憶する。
【0060】
なお、換言すれば、欠番として管理される番号は、メモリに展開され、画像データに合成されたが記録紙に印刷されていない(トナーの定着が完了していない記録紙の)番号となる。例えば、定着装置37を通過することにより記録紙に画像データが印刷され後に、排紙処理装置5においてジャムが発生した場合、当該画像データは記録紙に印刷が完了しているため、当該記録紙に印刷された連番は、欠番とならず、印刷が行われた連番として管理される。
【0061】
続いて、欠番後(例えば、「A0009」)から連番を割り当てる(ステップS30)。そして、割り当てられた連番から再度印刷が行われる(ステップ32)。なお、ここで、印刷される画像データは、印刷が完了していない画像データである。すなわち、例えば、記録紙が装置内で複数枚滞留した場合、定着装置37を通過することにより記録紙に画像データが正しく印刷されたものは印刷されず、記録紙に印刷が正しく行われていない画像データから再度印刷されることとなる。
【0062】
さらに、再度ジャムが発生したことを検知した場合には、ステップS20に処理が移行し(ステップS34;Yes→ステップS20)、ジャムが発生しない場合は印刷処理を継続する(ステップS34;No→ステップS36;No→ステップS32)。
【0063】
また、連番印刷の印刷が総て終了した場合には(ステップS36;Yes)、連番テーブル1182を参照し、印刷された連番と、欠番を記載したレポートを印刷し(ステップS38)、連番印刷処理を終了する。
【0064】
[動作例]
図6は、連番が印刷された伝票の一例を示した図である。図6に示すように、管理番号として「A0001」〜「A0003」が印刷され、その後「A0004」〜「A0008」が欠番となり、「A0009」からが印刷されている。
【0065】
また、図7は、ステップS38において印刷されたレポートの一例を示す図である。レポートとしては、印刷された連番印刷の種類とともに、印刷され番号と、欠番に関する情報が出力されている。
【0066】
ここで、欠番に関する情報は、連番テーブル1182を参照することにより印刷可能である。
【0067】
なお、本実施形態においては、印刷装置の一例としてデジタル複合機を用いて説明したが、本発明が適用可能は装置に関しては、当該装置に限定されるものではない。具体的には、例えばファクシミリ装置であったり、処理装置、印刷装置を備えたコンピュータシステムであったり、同種の装置にも適用可能なことは勿論である。
【0068】
また、本実施形態においては、ジャムの原因となった記録紙(例えば、印刷装置内部に滞留した記録紙)のうち、正しく印刷された記録紙に関しては再印刷を行わないこととして説明したが、ジャムの原因となった記録紙(画像データ)総てを再印刷を行うこととしてもよい。この場合、例えば、装置内部において正しく印刷された記録紙に関しては、欠番とせず、再度印刷前の記録紙と再印刷後の記録紙に同一の特定情報(連番)を付して印刷することとなる。したがって、同一の画像データに対して異なる特定情報(連番)が付されることがなくなり、適切に管理をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明を適用した場合におけるデジタル複合機の外観を示す図である。
【図2】本発明を適用した場合におけるデジタル複合機の断面図である。
【図3】本実施形態におけるデジタル複合機の構成を示す図である。
【図4】本実施形態における連番テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における連番印刷処理の動作フローを示す図である。
【図6】本実施形態における出力結果の一例を示す図である。
【図7】本実施形態における出力結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 デジタル複合機
2 原稿搬送読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 排紙処理装置
100 制御部
102 画像読取部
104 操作部
106 画像形成部
108 モデム部
110 画像メモリ
112 通信部
114 ROM
1142 連番印刷プログラム
118 記憶部
1182 連番テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データに、それぞれ異なる特定情報を合成し、当該画像データを印刷する印刷手段を備えた印刷装置において、
前記印刷手段が印刷を中断したことを検出する印刷中断検出手段と、
前記印刷中断検出手段により印刷が中断された画像データから、前記印刷手段に印刷の指示を行う印刷指示手段と、
前記印刷手段が、前記印刷指示手段の指示により画像データを印刷する場合、前記画像データに合成された特定情報のうち、前記印刷手段により印刷されていない特定情報については、印刷を禁止する印刷禁止手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷手段により印刷された特定情報と、前記禁止手段により印刷を禁止された特定情報とを管理する管理手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記管理手段により管理される印刷された特定情報と、印刷を禁止された特定情報とを印刷することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷指示手段は、前記印刷手段において前記画像データが記録紙に転写完了していない画像データから印刷を行う指示をすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷中断検出手段は、前記印刷装置において装置異常(ジャム)が発生したことを検知することにより、印刷が中断されたことを検出する手段であって、
前記印刷禁止手段は、前記印刷手段において前記画像データが記録紙に転写完了されていない場合に、前記画像データが印刷されていないと判定して特定情報の印刷を禁止することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記特定情報は、連番において特定される情報であって、
前記印刷禁止手段は、前記画像データに合成された連番の内、前記印刷手段により印刷された画像データに合成されている連番から、前記印刷中断検出手段により印刷が中断されたことを検出した画像データに合成されている連番までの再印刷を禁止することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷手段は、印刷中断検出手段により印刷が中断されたことが検出された場合に、印刷が中断された画像データの再印刷を行う手段であって、
前記画像データに合成する連番は、前記印刷禁止手段により再印刷が禁止される連番の次の連番であることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
印刷装置に接続されたコンピュータに、複数の画像データにそれぞれ異なる特定情報を合成し、当該画像データを印刷する印刷機能を実現するプログラムにおいて、
前記印刷装置が印刷を中断したことを検出する印刷中断検出機能と、
前記印刷中断検出機能により印刷が中断された画像データから、前記印刷機能に印刷の指示を行う印刷指示機能と、
前記印刷機能が、前記印刷指示機能の指示により画像データを印刷する場合、前記画像データに合成された特定情報のうち、前記印刷装置により印刷されていない特定情報については、印刷を禁止する印刷禁止機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−31830(P2009−31830A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191823(P2007−191823)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】