説明

印刷装置

【課題】 生命保険会社や銀行で、印刷中に不具合が発生した場合に、不具合原因を解明する有効な手段である16進ダンプ印刷機能を使用する事を可能とする。
【解決手段】 上位装置から受信したデータのうち、1バイト文字データ、及び2バイト文字データを任意の文字データに変換して16進ダンプ印刷を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位装置から受信した文字データを任意の文字データに変換して16進ダンプ印刷を実施する機能、及び印刷を実施する機能を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置には、印刷結果の不具合解明に使用する16進ダンプ印刷機能があり、不具合が発生した場合に、この16進ダンプ印刷機能を使い、上位装置からどのような印刷データが送られて来ているかを診断する事が出来る。
【0003】
しかし、例えば、生命保険会社や銀行で、印刷中に不具合が発生した場合に、16進ダンプ印刷機能を使用する事は、顧客情報、個人情報などの流出に成りかねない為、使用する事が出来ず、不具合原因を解明する有効な手段である16進ダンプ印刷機能を使用する事が出来ないという欠点があった。
【0004】
図3は、生命保険会社の帳票印刷結果例である。
【0005】
図3の帳票印刷データについて、16進ダンプ印刷を実行した場合、図4のように印刷される。文字データの16進ダンプがそのまま印刷されてしまうことにより、図5に示すように、生命保険加入者の個人情報が16進ダンプから読み取ることが可能となってしまう。
【0006】
また、上位からの受信データが制御データの場合に任意の文字データに置き換えてダンプ印刷するプリンタもある(例えば、特許文献1参照)。しかし、制御データのみの変換では、本課題は解決できない。
【0007】
【特許文献1】特開平8−108583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した、生命保険会社や銀行で印刷中に不具合が発生した場合に、16進ダンプ印刷機能を使用する事は、顧客情報や個人情報などの流出に成りかねない為、使用する事が出来ず、不具合原因を解明する有効な手段である16進ダンプ印刷機能を使用する事が出来ないという課題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決し、16進ダンプ印刷時の機密情報の流出を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、上位装置から受信した1バイト文字データ及び2バイト文字データを、任意の文字データに変換して16進ダンプ印刷することを特徴とする。
【0011】
また、上位装置から受信した1バイト文字データ及び2バイト文字データを、任意の文字データに変換して印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の印刷装置は、上位装置から受信した1バイト文字データ及び2バイト文字データを任意の文字データに変換して16進ダンプ印刷を実施するため、生命保険会社や銀行で、印刷中に不具合が発生した場合に、顧客情報、個人情報流出の心配をする事なく、不具合原因を解明する有効な手段である16進ダンプ印刷機能を使用することが出来るという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0014】
16進ダンプリストから不具合を解明する場合、16進ダンプ中の制御データ(各種設定を実施する)から解明する事が多い。さらに、上位装置からの1バイト文字データ(ANK文字データ)及び2バイト文字データ(漢字文字データ)に原因がある不具合は極めて低い。
【0015】
図1は、本発明の一実施例のフローチャートである。
【0016】
図1において、データ受信部は上位装置からのデータを受信(処理11)し、通常印刷か16進ダンプ印刷かを判別(処理12)する。
【0017】
通常印刷と判別された場合、帳票診断印刷か否かを判別(処理13)し、帳票診断印刷であれば受信した文字データを任意の文字データに変換(処理15)し印刷処理(処理18)を実施する。また、帳票診断印刷で無ければそのまま通常印刷処理を実施(処理18)する。
【0018】
一方、16進ダンプ印刷と判別された場合、帳票診断印刷か否かを判別(処理14)し、帳票診断印刷でなければ、受信データの16進変換処理を実施(処理17)して、16進ダンプ印刷を実施(処理19)する。また、帳票診断印刷であれば、受信した文字データを任意の文字データに変換(処理16)してから16進変換処理を実施(処理17)して、16進ダンプ印刷を実施(処理19)する。
【0019】
図2は、受信した文字データを任意の文字データに変換する文字データ変換処理のフローチャートである。
【0020】
図2において、受信した印刷データが文字データか否かを判別(処理21)し、文字データの場合は、ANK文字データか漢字文字データかを判別して、ANK文字データの場合は、処理23で任意の1バイト文字データに変換して、漢字文字データの場合は、処理24で任意の2バイト文字データに変換する。
【0021】
図6は、図3の帳票印刷データを本発明の帳票診断印刷により、ANK文字データを58h(X)、漢字文字データを23h、58h(X)に変換して印刷した結果である。
【0022】
実際に印刷した場合には、文字列が全て”X”とあっており、情報の秘密を保持可能である。
【0023】
図7は図3の帳票印刷データを本発明の帳票診断印刷により、ANK文字データを58h(X)、漢字文字データを23h、58h(X)に変換して16進ダンプ印刷した結果である。
【0024】
この場合、16進ダンプのデータが文字コードが”2358”または”58”となっており、やはり、文字データの機密保持が可能となる。
【0025】
従って、上位装置からの1バイト文字データ(ANK文字データ)及び2バイト文字データ(漢字文字データ)を任意の文字データに変換して、16進ダンプ印刷する印刷装置により、16進ダンプ印刷時の顧客情報、個人情報が流出する心配は無くなる。
【0026】
なお、本発明は、印刷装置に限らず、印刷装置にデータを出力する機能を有する装置(例えば、データ変換装置)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例のフローチャートである。
【図2】本発明の文字データ変換処理のフローチャートである。
【図3】印刷結果の例である。
【図4】16進ダンプ印刷結果である。
【図5】図4に示した16進ダンプの印刷結果に対応する文字データを示した図である。
【図6】本発明による印刷結果である。
【図7】本発明による16進ダンプ印刷結果である。
【符号の説明】
【0028】
11はデータ受信部、12は通常印刷か16進ダンプ印刷かを判別する手段、13は帳票診断印刷か否かを判別する手段、14は帳票診断印刷か否かを判別する手段、15は文字データ変換処理、16は文字データ変換処理、17は16進数変換処理、18は通常印刷処理、19は16進ダンプ印刷処理、21は受信データが文字データか否かを判別する手段、22は文字データがANK文字か漢字文字かを判別する手段、23はANK文字を任意の文字に変換する手段、24は漢字文字を任意の文字に変換する手段である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から受信した1バイト文字データ及び2バイト文字データを、任意の文字データに変換して16進ダンプ印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
上位装置から受信した1バイト文字データ及び2バイト文字データを、任意の文字データに変換して印刷することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−21487(P2006−21487A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203356(P2004−203356)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】