説明

印字ラベル作成装置

【課題】操作者の操作労力を低減しつつ、円滑に高品質の印字ラベルを作成する。
【解決手段】カートリッジホルダ、テープ送りローラ駆動軸、印字ヘッド、及びカートリッジセンサを備え、印字ヘッドにより印字が行われたカバーフィルムを用いて印字ラベルを作成するサーマル印刷機構と、筐体の外部に位置する無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うアンテナとを有し、無線タグ回路素子のIC回路部より取得されたラベル印字情報の印字内容に適合するカバーフィルムの属性情報と、カートリッジセンサで検出したカバーフィルムの属性とが、適合するかを照合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印字媒体に対し印字を行うことにより印字ラベルを作成する印字ラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープをロール状にカートリッジ内に収納し、ロールよりテープを繰り出しつつ所望の文字を印刷してラベルを作成する印字ラベル作成装置が既に提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術においては、剥離紙を備えた基材テープを巻回したロールと、この基材テープに貼り合わされる被印字媒体(カバーフィルム)を巻回したロールとを備えた被印字媒体カートリッジ(カートリッジ体)をカートリッジホルダに装着してラベル作成を行う。被印字媒体カートリッジが装着されると、上記2つのロールから上記基材テープ及び上記被印字媒体をそれぞれ繰り出しつつ被印字媒体に所定の印字を行い、印字後の被印字媒体と上記基材テープとを貼り合わせて印字済みラベル用テープとする。そして、この印字済みラベル用テープを切断手段で所定長さに切断して印字ラベルを作成する。
【0004】
このとき、上記ラベル作成装置には、有線を用いたネットワーク(通信回線)を介し操作端末が接続されている。操作者は、この操作端末を用い、ラベル作成装置に対する各種印刷設定を行う。その操作者による設定に対応した信号は、ネットワークを介してラベル作成装置に読み込まれ、この読み込まれた信号に基づき、上記印刷設定に沿った印字が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−254566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記印字ラベル作成装置では、カートリッジホルダに複数種類のカートリッジを装着可能である。このとき、例えば被印字媒体の属性(テープ幅方向の寸法、材質等)が異なるカートリッジに交換した場合には、交換前の印字設定のまま印字を行うと、印字の潰れやかすれなどの印字不良や、媒体サイズと文字サイズとの不均等による低品質印字が行われるおそれがある。また、このような不都合を確実に回避したい場合には、カートリッジ種類が変わる都度、上記操作端末においてキーやマウスやボタン等を用いて改めて印刷設定を行う必要があり、操作者の操作労力負担が大きかった。
【0007】
本発明の目的は、操作者の労力負担を増大させることなく、印字不良や低品質印字のない高品質の印字ラベルを作成できる印字ラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、被印字媒体を供給する被印字媒体カートリッジを装着可能なカートリッジホルダ、前記カートリッジホルダに装着された前記被印字媒体カートリッジから供給される前記被印字媒体を搬送する搬送手段、前記被印字媒体に印字を行う印字手段、及び、前記カートリッジホルダへの前記被印字媒体カートリッジの装着時において前記被印字媒体の少なくとも1つの属性を検出可能な検出手段を備え、前記印字手段により前記印字が行われた前記被印字媒体を用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成部と、前記印字ラベル作成部を含む装置本体の外郭を構成する筐体と、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備え前記筐体の外部に位置する無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うアンテナ手段と、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された、前記印字ラベル作成部の前記印字手段で前記被印字媒体に印字可能な印字内容を表すラベル印字情報と、前記ラベル印字情報の前記印字内容に適合する前記被印字媒体の属性情報とを、前記アンテナ手段を介し取得する情報読み取り手段と、前記情報読み取り手段で取得した前記属性情報と、前記検出手段で検出した前記被印字媒体の属性とが、適合するかを照合する照合手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、無線タグ回路素子のIC回路部に、印字ラベルの作成時における被印字媒体への印字内容を表すラベル印字情報が記憶されている。操作者がアンテナ手段を介した無線通信により無線タグ回路素子に対し読み取りを行うと、情報読み取り手段によってIC回路部に記憶された上記ラベル印字情報が取得される。これにより、印字ラベル作成部では、搬送手段で搬送される被印字媒体に対し、印字手段によって上記ラベル印字情報に対応した印字が行われ、印字ラベルが作成される。この結果、操作者が無線タグ回路素子に対し情報読み取りを行うだけで、対応する印字を備えた印字ラベルを自動的に作成することができるので、操作者の操作労力を低減しつつ円滑に印字ラベルを作成できる。
【0010】
このとき、本願第1発明においては、無線タグ回路素子のIC回路部に、上記ラベル印字情報の印字内容に適合する被印字媒体の属性情報も併せて記憶されており、情報読み取り手段による上記ラベル印字情報の読み取り時に、当該属性情報も併せて取得される。そして、この取得された属性情報と、被印字媒体カートリッジがカートリッジホルダに装着されているときに検出手段で検出された、被印字媒体の属性とが、適合するかどうかが照合手段によって照合される。これにより、検出された被印字媒体の属性が取得された属性情報に適合した場合にのみ印字ラベル作成部による印字ラベルの作成を行い、適合しなかった場合には印字ラベルの作成を行わないようにすることが可能となる。この結果、ラベル印字情報の印字内容に合致しないまま印字を行い、印字の潰れやかすれなどの印字不良や媒体サイズと文字サイズとの不均等による低品質印字が行われるのを確実に防止し、印字ラベルの品質を向上することができる。
【0011】
以上のようにして、本願第1発明においては、操作者の操作労力を低減しつつ、円滑に高品質の印字ラベルを作成することができる。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記照合手段の照合結果が適合していた場合、前記情報読み取り手段で取得された前記ラベル印字情報に対応した内容の印字を前記印字手段で前記被印字媒体に行い前記印字ラベルを作成するように、前記印字ラベル作成部を制御する、制御手段を有することを特徴とする。
【0013】
検出された被印字媒体の属性が取得された属性情報に適合した場合にのみ印字ラベル作成部による印字ラベルの作成を行うことにより、印字の潰れやかすれなどの印字不良や媒体サイズと文字サイズとの不均等による低品質印字が行われるのを確実に防止することができる。この結果、印字ラベルの品質を向上することができる。
【0014】
第3発明は、上記第2発明において、前記印字ラベルの作成枚数を操作者が操作入力するための操作手段を有し、前記制御手段は、前記照合手段の照合結果が適合していた場合、前記操作手段で操作入力された枚数の前記印字ラベルを作成するように、前記印字ラベル作成部を制御することを特徴とする。
【0015】
これにより、検出された被印字媒体の属性と取得された属性情報とが適合し、印字不良や低品質印字の発生が防止できる見込みが立った状態で、操作手段により操作入力された作成枚数を確実に無駄なく作成することができる。
【0016】
第4発明は、上記第2又は第3発明において、前記情報読み取り手段は、前記属性情報として、少なくとも、前記被印字媒体の幅情報と、前記被印字媒体の材質情報とを取得し、前記照合手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、前記被印字媒体カートリッジ内の前記被印字媒体の幅及び材質が、前記幅情報及び前記材質情報と適合するかどうかを照合することを特徴とする。
【0017】
例えば、検出された被印字媒体の幅と幅情報とが適合していることで、ラベル印字がテープからはみ出したりする印字不良の発生を防止できる。また検出された被印字媒体の材質と材質情報とが適合していることで、(インクや転写・感熱による発色がよくない等による)印字かすれや印字潰れなどの低品質印字の発生を防止することができる。これらの結果、印字ラベルの品質を確実に向上することができる。
【0018】
第5発明は、上記第4発明において、前記照合手段の照合結果に応じた表示を行う表示手段を有することを特徴とする。
【0019】
これにより、検出された被印字媒体の属性と取得された属性情報とが適合しているか否か(言い換えればカートリッジホルダに装着されている被印字媒体カートリッジが適正なものであるか否か)を、実際にラベル作成を行う前に事前に操作者が視覚的に知ることができる。
【0020】
第6発明は、上記第5発明において、前記表示手段は、前記照合手段の照合結果が適合していた場合、前記ラベル印字情報に対応した内容の前記印字ラベルを作成する旨の作成メッセージを表示することを特徴とする。
【0021】
これにより、操作者は、カートリッジホルダに装着されている被印字媒体カートリッジが適正なものであり、正しく印字ラベルを作成できることを視覚的に認識できるので、安心感を得ることができる。
【0022】
第7発明は、上記第5発明において、前記表示手段は、前記照合手段の照合結果が不適合であった場合、前記被印字媒体カートリッジの交換を要求する交換メッセージを表示することを特徴とする。
【0023】
これにより、操作者は、カートリッジホルダに装着されている被印字媒体カートリッジが不適正なものであり、正しく印字ラベルを作成できない可能性があることを視覚的に認識できる。この結果、印字の潰れやかすれなどの印字不良や低品質印字の印字ラベルを誤って無駄に作成してしまう前に、確実に被印字媒体カートリッジの交換を行うことができる。
【0024】
第8発明は、上記第7発明において、前記表示手段は、前記照合手段の照合結果が不適合であった場合、前記カートリッジホルダに新たに装着すべき前記被印字媒体カートリッジの種類、又は、当該カートリッジ種類に対応する前記被印字媒体の前記属性、を表すガイダンスメッセージを表示することを特徴とする。
【0025】
これにより、適正化を図るためにどのような被印字媒体カートリッジに交換すべきであるかを、操作者に確実に報知することができる。この結果、操作者は迷うことなく容易かつ確実に適正な被印字媒体カートリッジをカートリッジホルダに装着することができる。
【0026】
第9発明は、上記第6乃至第8発明のいずれかにおいて、前記情報読み取り手段が、前記検出手段で検出不可能な属性を含む前記属性情報を前記IC回路部より取得した場合、前記表示手段は、当該検出不可能な属性に対する確認要請メッセージを表示することを特徴とする。
【0027】
これにより、被印字媒体の属性のうち検出手段では検出できないものがあった場合に、当該属性については、操作者の自己責任での確認が必要である旨を、操作者に対し確実に認識させることができる。
【0028】
第10発明は、上記第9発明において、前記情報読み取り手段が、前記検出手段で検出不可能な属性に係わる色情報を前記IC回路部より取得した場合、前記表示手段は、前記被印字媒体に係わる色(被印字媒体が透明な場合は当該透明な被印字媒体越しに視認される色を含む)の確認を要請する前記確認要請メッセージを表示することを特徴とする。
【0029】
これにより、被印字媒体に係わる色は検出手段で検出できないため、操作者の自己責任での確認が必要である旨を、操作者に対し確実に認識させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、操作者の労力負担を増大させることなく、印字不良や低品質印字のない高品質の印字ラベルを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態の印字ラベル作成装置の全体概略構成を示す斜視図である。
【図2】ラベル作成装置の開閉蓋を開けた状態の全体概略構成を示す斜視図である。
【図3】カートリッジを装着した状態のカートリッジホルダの周辺部分を示す一部透視上面図である。
【図4】ラベル作成装置の制御系を示す図である。
【図5】ラベル作成装置のRF通信制御部の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図6】タグカードに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図7】無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ部の記憶内容の一例を概念的に表す図である。
【図8】印字ラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図9】図8(a)中IX−IX′断面による横断面図を90°回転させて示す図である。
【図10】ラベル作成装置の制御回路によって実行される制御内容を表すフローチャートである。
【図11】液晶ディスプレイに表示される交換メッセージ及びガイダンスメッセージの一例を表す図である。
【図12】液晶ディスプレイに表示される確認要請メッセージの一例を表す図である。
【図13】液晶ディスプレイに表示される作成メッセージの一例を表す図である。
【図14】液晶ディスプレイに表示される印字ラベルの作成枚数を入力するための入力画面の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1に、本実施形態の印字ラベル作成装置の全体概略構成を示す。
【0034】
図1において、ラベル作成装置1(印字ラベル作成装置)は、後述するサーマル印刷機構4を含む装置本体2と、この装置本体2の外郭を構成する筐体200と、上記装置本体2に接続コード34(例えばUSBケーブル等。無線接続でもよい)を介して接続されているアンテナ32(アンテナ手段)とを有している。
【0035】
装置本体2の筐体200は、各種入力操作を行うためのキーボード3と、各種表示を行う液晶ディスプレイ5(表示手段)と、ラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源スイッチ3dと、カッタ駆動ボタン7と、開閉可能(又は着脱可能としてもよい)に設けられた開閉蓋8と、ACアダプター電源の出力プラグを接続するためのDCジャック6とを有している。
【0036】
キーボード3は、印字ラベルL(後述の図8参照)の作成枚数等を操作者が操作入力するためのものであり、決定キー3a、カーソル移動キー3b、及び文字や記号等の入力を行う文字キー3c(操作手段)等を有している。
【0037】
カッタ駆動ボタン7は、筐体200内の所定の位置に配設されたカッタ31(後述の図3参照)を操作者の手動操作で駆動するためのものである。このカッタ駆動ボタン7が押されることで、テープ排出口(図示せず)より図中矢印Hで示す方向に排出された印字済みテープ23を所望の長さにカットし、印字ラベルLを生成可能である。
【0038】
アンテナ32は、上記筐体200の外部に位置する無線タグ回路素子To(図4及び図6で後述する。この例では、カード形状に形成されたタグカードTに備えられている)に対し、無線通信を行う。
【0039】
図2に、ラベル作成装置1の開閉蓋8を開けた状態の全体概略構成を示す。
【0040】
図2において、ラベル作成装置1の筐体200内部には、カートリッジホルダ9、印字手段としての印字ヘッド19、搬送手段としてのテープ送りローラ駆動軸26、及び検出手段としてのカートリッジセンサ30等を備えたサーマル印刷機構4(印字ラベル作成部)が設けられている。
【0041】
サーマル印刷機構4は、上記印字ヘッド19により印字が行われた被印字媒体としてのカバーフィルム11(後述の図3参照)を用いて印字ラベルLを作成するものである。
【0042】
カートリッジホルダ9は、カバーフィルム11を供給するカートリッジ10(被印字媒体カートリッジ)を装着可能に構成されている。このカートリッジホルダ9には、リボン巻取りローラ駆動軸25と、上記テープ送りローラ駆動軸26と、上記カートリッジ10を収納し装着した際に開口部27に位置するように放熱を兼ねたサブフレーム28とが設けられている。
【0043】
上記リボン巻取りローラ駆動軸25及びテープ送りローラ駆動軸26は、使用済みインクリボン13(後述の図3参照)及び上記印字済みテープ23の搬送駆動力をそれぞれ与えるものであり、互いに連動して回転駆動される。
【0044】
カートリッジセンサ30は、上記カートリッジホルダ9にカートリッジ10が装着されているときに、この例では、カートリッジ10に形成された被検出部24を検出することで、カバーフィルム11、基材テープ16、インクリボン13のいずれかの少なくとも1つの属性を検出する(詳細は後述)。
【0045】
図3に、上記カートリッジ10を装着した状態のカートリッジホルダ9の周辺部分を、カートリッジ10とともに示す。
【0046】
図3において、カートリッジ10は、筐体200内の凹所である上記カートリッジホルダ9に着脱可能に収納されている。また、カートリッジ10は、基材テープ16を巻回した第1ロール117と、カバーフィルム11を巻回した第2ロール112と、印字用のインクリボン13(但し被印字媒体が感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール114と、印字後のインクリボン13を巻取るリボン巻取りローラ115と、テープ送りローラ18とを有している。
【0047】
第1ロール117は、基材テープ用スプール17(テープ長手方向と直交する軸を備えたスプール)の周りに、上記基材テープ16を巻回している。
【0048】
基材テープ16は、複数層(この例では4層)の積層構造を備えている(図3中部分拡大図参照)。すなわち、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着剤からなり上記カバーフィルム11を貼り合わせるための粘着剤層16a、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)等からなるテープ基材層16b、適宜の粘着剤からなる粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている。
【0049】
剥離紙16dは、最終的に完成した印字ラベルLが所定の物品等の貼り付け対象物に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着剤層16cにより当該貼り付け対象物に接着できるようにしたものである。
【0050】
第2ロール112は、カバーフィルム用スプール12(テープ長手方向と直交する軸を備えたスプール)の周りに、この例では上記基材テープ16と略同じ幅であるカバーフィルム11を巻回している。
【0051】
リボン供給側ロール114は、リボン供給側スプール14(インクリボン13の長手方向と直交する軸を備えたスプール)の周りに、上記インクリボン13を巻回している。
【0052】
リボン巻取りローラ115は、リボン巻取りスプール15(インクリボン13の長手方向と直交する軸を備えたスプール)を備えており、カートリッジホルダ9側の上記リボン巻取りローラ駆動軸25により駆動されることで、印字済み(使用済み)のインクリボン13を巻取り、上記リボン巻取りスプール15に巻回する。
【0053】
テープ送りローラ18は、上記基材テープ16と上記カバーフィルム11とを押圧し接着させ上記印字済みテープ23としつつ、図3中矢印Hで示す方向(図1も参照)にテープ送りを行う(=テープ圧着ローラとしても機能する)。
【0054】
なお、上記リボン巻取りローラ115及びテープ送りローラ18は、それぞれカートリッジ10外に設けた例えばパルスモータであるテープ送りモータ125(後述の図4参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸25及びテープ送りローラ駆動軸26に伝達されることによって連動して回転駆動される。
【0055】
また、カートリッジ10には、上記テープ送りローラ18と反対側の隅部(図3中右上隅部)に上記被検出部24が形成されている。この被検出部24には、所定のパターンで複数個のスイッチ孔24Aが孔設されており、各パターンは、カートリッジ10内のカバーフィルム11、基材テープ16、インクリボン13の属性、例えば、カバーフィルム11の幅(例えば、12mm、18mm、24mm、36mm等)、カバーフィルム11の材質(例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、紫外線カット加工、抗菌加工等)、基材テープ16の色(白、黄、赤等)、インクリボン13の色(黒、白、赤、青、金等)等、に対応したカートリッジ10の種類を表している。カートリッジ10は、その内部に備えた上記カバーフィルム11、基材テープ16、インクリボン13の属性の差異に応じて、互いに異なる様々な種類が用意され、そのいずれもが、カートリッジホルダ9に選択的に装着可能となっている。
【0056】
上記カートリッジセンサ30(上述の図2参照)は、上記のようにして各カートリッジ10の種類(言い換えればカートリッジ10内のカバーフィルム11の属性)によって互いに異なるスイッチ孔24Aのパターンを検出し、これによってカートリッジ10の種類を検出することができる。このように、カートリッジセンサ30は、この例では、カートリッジ10の種類を検出することで、カバーフィルム11の属性を間接的に検出する。
【0057】
なお、カートリッジセンサ30を、上記カバーフィルム11の属性を直接検出するように構成してもよい。また、装着可能なカートリッジ10の種類がある特定の1種類に一意的に決まっている場合には、カートリッジセンサ30は上記のようなカートリッジ種類の検出を行う機能はなくてもよく、単なるカートリッジ10がカートリッジホルダ9に装着されたことを検出する機能のみを備えていれば足りる。
【0058】
一方、カートリッジホルダ9は、上記印字ヘッド19と、上記リボン巻取りローラ駆動軸25と、上記テープ送りローラ駆動軸26と、ローラホルダ22とを有している。
【0059】
印字ヘッド19は、多数の発熱素子を備えており、上記第2ロール112から繰り出されたカバーフィルム11の所定の印字領域に印字を行う。なお、この印字ヘッド19は、テープ送りローラ18よりカバーフィルム11の搬送方向上流側に配置されている。
【0060】
テープ送りローラ駆動軸26は、上記カートリッジホルダ8に装着されたカートリッジ10の第2ロール112から繰り出される(供給される)カバーフィルム11と、第1ロール117から繰り出される基材テープ16とを、上記テープ送りローラ18を駆動させることにより搬送する。
【0061】
ローラホルダ22は、支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置とリリース位置に切換可能とされている。このローラホルダ22には、プラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が回転可能に配設されており、ローラホルダ22が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ20及びテープ圧接ローラ21が上記印字ヘッド19及びテープ送りローラ18に対し圧着されるようになっている。
【0062】
さらに、カートリッジホルダ8には、カートリッジ10のテープ排出口(図示せず)に隣接してカッタ31が配設されている。このカッタ31は、上記カッタ駆動ボタン7(上述の図1参照)が押されることにより作動し、印字済みテープ23を所定の長さに切断して、印字ラベルLを生成する。
【0063】
上記構成において、カートリッジ10が上記カートリッジホルダ9に装着されることにより、ロールホルダ22が上記リリース位置から上記印字位置に移動する。これにより、カバーフィルム11及びインクリボン13が印字ヘッド19とプラテンローラ20との間に狭持されるとともに、基材テープ16及びカバーフィルム11がテープ送りローラ18とテープ圧接ローラ21との間に狭持される。
【0064】
その後、テープ送りモータ125(後述の図4参照)の駆動力によってリボン巻取りローラ115及びテープ送りローラ18がそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、テープ送りローラ駆動軸26と上記テープ圧接ローラ21及びプラテンローラ20はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸26の駆動に伴いテープ送りローラ18、プラテンローラ20、及びテープ圧接ローラ21が回転し、第1ロール117から基材テープ16が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ18へ供給される。
【0065】
一方、第2ロール12からはカバーフィルム11が繰り出されるとともに、印字ヘッド駆動回路119(後述の図4参照)により印字ヘッド19の複数の発熱素子が通電される。このとき、カバーフィルム11は、その裏面側(=基材テープ16と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール114とリボン巻取りローラ115とにより駆動されるインクリボン13が、上記印字ヘッド19に押圧されることで当該カバーフィルム11の裏面に接触させられる。この結果、カバーフィルム11の裏面の所定の印字領域に、所望の印字(鏡像印字)がされる。
【0066】
そして、上記基材テープ16と上記印字が終了したカバーフィルム11とが上記テープ送りローラ18及びテープ圧接ローラ21により接着されて一体化されて印字済みテープ23として形成され、テープ排出部(図示せず)よりカートリッジ10外へと搬出される。また、上記カバーフィルム11への印字が終了したインクリボン13は、リボン巻取りローラ駆動軸25の駆動によりリボン巻取りローラ115のリボン巻取りスプール15に巻取られる。
【0067】
そして、上記カッタ駆動ボタン7(上述の図1参照)が操作されることにより、カッタ31によって印字済みテープ23が切断され、所望の印字がされた印字ラベルLが生成される。
【0068】
図4に、ラベル作成装置1の制御系を示す。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、この図4では、ラベル作成装置1の装置本体2(筐体200)及びアンテナ32との間の接続コード34については図示省略している。
【0069】
図4において、ラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路46が配置されている。この制御回路46には、各機器を制御するCPU40と、このCPU40にデータバス45を介して接続された入出力インターフェース44と、表示用キャラクタジェネレータROM(表示用CGROM)41と、印刷用キャラクタジェネレータROM(印刷用CGROM)42と、ROM43と、RAM50とが設けられている。
【0070】
表示用CGROM41には、アルファベット文字や数字、記号等の多数のキャラクタそれぞれに関する所定サイズの表示用ドットパターンデータが格納されている。
【0071】
印刷用CGROM42には、アルファベット文字や数字、記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体毎に分類され、各書体毎に複数種類(例えば、16、24、32、48等のドットサイズ)の印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納され、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータが記憶されている。
【0072】
ROM43には、表示制御プログラム47と、印字駆動制御プログラム48と、書体を選択するときに使用される書体データ49と、その他ラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラム及びデータとが格納されている。表示制御プログラム47は、文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて液晶ディスプレイ5に表示データを出力するためのビデオRAMを有する液晶ディスプレイコントローラ(図示せず)を制御する。印字駆動制御プログラム48は、後述の印字バッファ53のデータを読み出して上記印字ヘッド19や後述のテープ送りモータ125を駆動する。
【0073】
RAM50は、CPU40により演算された各種の演算結果を一時的に記憶する。このRAM50には、上記キーボード3を介し入力された文字列データを格納するテキストメモリ51、各種演算データ等を格納するワークメモリ52や印字バッファ53等が設けられている。
【0074】
入出力インターフェース44には、上記キーボード3と、上記液晶ディスプレイ5と、上記カートリッジセンサ30と、上記印字ヘッド19を駆動させる印字ヘッド駆動回路119と、テープ送りモータ駆動回路126と、RF通信制御部33とが接続されている。
【0075】
テープ送りモータ駆動回路126は、テープ送りモータ125を駆動することにより、上記リボン巻取りローラ駆動軸25及びテープ送りローラ駆動軸26を駆動し、前述したように基材テープ16、カバーフィルム11、及び印字済みテープ23の搬送を行う。
【0076】
また、タグカードTには、情報を記憶するIC回路部150と情報を送受信するタグアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toが設けられており、RF通信制御部33は、アンテナ32を介してタグカードTに備えられた無線タグ回路素子Toにアクセスする(詳細は後述する)。
【0077】
図5は、ラベル作成装置1のRF通信制御部33の詳細構成を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、この図5では、ラベル作成装置1の入出力インターフェース44及び接続コード34については図示省略している。
【0078】
図5において、CPU40は、上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンドを生成するものである。RF通信制御部33は、アンテナ32を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、アンテナ32により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0079】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、ラベル作成装置1のCPU40の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/逓倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B及びVCO(Voltage Controlled OscillaTor)145Cと、上記CPU40から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU40からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例ではCPU40からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介しアンテナ32に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0080】
受信部143は、アンテナ32で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記アンテナ32で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU40に入力されて処理される。
【0081】
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength IndicaTor)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU40に入力される。これにより、ラベル作成装置1では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
【0082】
図6は、上記タグカードTに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0083】
図6において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにラベル作成装置1のアンテナ32と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0084】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0085】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記ラベル作成装置1のアンテナ32からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグ識別情報であるタグIDを含む信号)として送信する。
【0086】
クロック抽出部154は、受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0087】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0088】
メモリ部155は、上記サーマル印刷機構4の印字ヘッド19で上記カバーフィルム11に印字可能な印字内容、すなわち、印字ラベルLの作成時におけるカバーフィルム11への印字内容を表すラベル印字情報と、このラベル印字情報の印字内容に適合するカバーフィルム11の属性情報と、上記タグIDとを少なくとも含む各種情報を記憶している(詳細は図7で後述する)。上記属性情報は、上記カートリッジセンサ30で検出不可能な属性(例えば、カバーフィルム11やこれに貼り合わされる基材テープ16に係わる色等)を含んでいてもよい。なお、これらメモリ部155の記憶情報は、図示しない無線タグ書き込み装置(あるいは、上記ラベル作成装置1でもよい)により予め書き込まれたものである。
【0089】
図7は、上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155の記憶内容の一例を概念的に表す図である。
【0090】
図7において、IC回路部150のメモリ部155には、この例では、上記タグIDと、上記ラベル印字情報としてのテキストデータと、上記属性情報としてのカバーフィルム11の幅情報、カバーフィルム11の材質情報、基材テープ16に係わる色情報とが記憶されている。
【0091】
テキストデータは、例えば文字、数字、記号等の上記印字ヘッド19により上記カバーフィルム11に印字されるテキストの情報である。
【0092】
上記幅情報は、上記テキストデータに含まれるテキストに適合する、例えば、テキストの印字がカバーフィルム11からはみ出したりせずに印字を良好にすることができる、上記カバーフィルム11の幅の情報(例えば、12mm、18mm、24mm、36mm等)である。
【0093】
上記材質情報は、上記テキストデータに含まれるテキストに適合する、例えば、テキストの印字がかすれたり、潰れたりせずに印字を高品質にすることができる、上記カバーフィルム11の材質(例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、薄厚、重厚、紫外線カット加工、抗菌加工等)の情報である。
【0094】
上記色情報は、例えば白、黄、赤等の基材テープ16に係わる色(カバーフィルム11は無色透明であるので、基材テープ16の色が印字済みテープ23の色となる。すなわちこの場合は基材テープ16の色が被印字媒体に係わる色を構成する)の情報である。なお、この例では、当該色情報に含まれる基材テープ16に係わる色は、上述したように、上記カートリッジセンサ30で検出することができない(スイッチ孔24Aによるパターンに組み込まれていない)属性となっている。
【0095】
なお、IC回路部150のメモリ部155には、上記したものに限らず、例えば、ラベル印字情報として、上記テキストデータの書体情報(明朝体やゴシック体等のフォント、太字・斜体等のテキストスタイル、テキストサイズ等の情報)やテキストデータの装飾情報(下線、枠、背景の模様・網掛け等の地紋、その他文字飾り等の情報)を記憶させてもよい。また、上記属性情報として、インクリボン13に係わるテキストの色情報(黒文字、赤文字。青文字等の情報)、被印字媒体に係わる区別情報(ラミネートタイプ、ノンラミネートタイプ等の情報)を記憶させてもよい。
【0096】
そして、操作者がアンテナ32を介し無線タグ回路素子Toに対し読み取りを行うと、IC回路部150のメモリ部155に記憶された上記のようなラベル印字情報及び属性情報が取得されることとなる。そして、上記サーマル印刷機構4は、上記カートリッジセンサ30で検出されたカバーフィルム11の属性が、上記属性情報に適合していた場合に、上記ラベル印字情報に対応した内容の印字を、印字ヘッド19によりカバーフィルム11に行い、印字ラベルLを作成する。
【0097】
図8(a)及び図8(b)は、上記のようにして作成された印字ラベルLの外観の一例を表す上面図及び下面図であり、図9は、図8(a)中IX−IX′断面による横断面図を90°回転させて示す図である。
【0098】
これら図8(a)、図8(b)、及び図9において、印字ラベルLは、前述の図3に示した基材テープ16にカバーフィルム11が加わった5層構造となっている。すなわち、表面(図9中上側)よりその反対側(図9中下側)へ向かって、カバーフィルム11、粘着剤層16a、テープ基材層16b、粘着剤層16c、剥離紙16dの順序で積層され構成されている。
【0099】
また、カバーフィルム11の裏面には、上記ラベル印字情報に対応した内容の印字R(この例では「RF−ID」の文字)が鏡像印字により印刷されている。
【0100】
図10は、ラベル作成装置1の制御回路46によって実行される制御内容を表すフローチャートである。
【0101】
図10において、例えば操作者により電源スイッチ3dが操作されてラベル作成装置1の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
【0102】
まずステップS5で、制御回路46は、タグ読み取りフラグFを0に初期化する。
【0103】
その後、ステップS10で、制御回路46は、上記カートリッジホルダ9にカートリッジ10が装着されているか否かを判定する。具体的には、上記カートリッジセンサ30により上記被検出部24(スイッチ孔24Aのパターン。前述の図3参照)が検出され、そのセンサ信号が入力されたか否かを判定する。センサ信号が入力するまで判定は満たされずループして待機し、センサ信号が入力したら、判定が満たされてステップS15に移る。
【0104】
ステップS15では、制御回路46は、上記ステップS10で入力したセンサ信号に基づき、カートリッジ10の種類、言い換えれば、カバーフィルム11の属性を取得する。
【0105】
そして、ステップS20で、制御回路46は、上記フラグF=0であるか否かを判定する。上記フラグFが(情報読み取りがまだ完了していないことを表す)0である場合には、判定が満たされてステップS25に移る。
【0106】
ステップS25では、制御回路46は、RF通信制御部33及びアンテナ32を介し、タグカードTの無線タグ回路素子Toに対し、情報を読み取るためのタグ読み取り信号を送信する。
【0107】
その後、ステップS30で、制御回路46は、上記ステップS25で送信したタグ読み取り信号に対応して、タグカードTの無線タグ回路素子Toから返信された応答(リプライ)信号を、アンテナ32を介して受信したか否かを判定する。応答信号を受信しない場合には、判定が満たされず上記ステップS25に戻り、再び上記タグ読み取り信号の送信を繰り返す(リトライ)。なお、この図10では図示を省略しているが、上記リトライは予め定められた設定回数だけ行われ、その間に応答信号を受信しない場合には、対応する処理(例えば液晶ディスプレイ5にエラー表示を行う等)を行う。一方、応答信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS35に移る。
【0108】
ステップS35で、制御回路46は、上記ステップS30で受信した応答信号より、タグカードTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された上記ラベル印字情報と上記属性情報とを抽出して取得する(情報読み取り手段としての機能)。
【0109】
そして、ステップS40で、制御回路46は、上記フラグFを、情報読み取りが完了したことを表すF=1とし、ステップS50に移る。
【0110】
一方、上記ステップS20の判定において、上記フラグF=1であった場合には、判定が満たされず直接ステップS50に移る。
【0111】
ステップS50では、制御回路46は、上記ステップS35で取得した上記属性情報と、上記ステップS15で取得した(言い換えればカートリッジセンサ30で検出した)カバーフィルム11の属性とが、適合するかを照合する(照合手段としての機能)。
【0112】
その後、ステップS55で、制御回路46は、上記ステップS50での照合結果が適合したか否かを判定する。照合結果が適合しなかった場合、すなわち、不適合であった場合には、判定は満たされずステップS60に移る。
【0113】
ステップS60では、制御回路46は、液晶ディスプレイ5に制御信号を出力し、カートリッジ10の交換を要求する交換メッセージ(後述の図11の1行目及び2行目参照)を液晶ディスプレイ5に表示させる。またこのとき、上記交換メッセージの表示と同時に(同じ表示画面に)、カートリッジホルダ9に新たに装着すべきカートリッジ10の種類、又は、当該カートリッジ種類に対応するカバーフィルム11の属性、を表すガイダンスメッセージ(後述の図11の3行目参照)を液晶ディスプレイ5に表示させる。そして、上記ステップS10に戻り同様の手順を繰り返す。なお、ここでは、上記交換メッセージと上記ガイダンスメッセージとを、同じ手順(ステップS60)で表示させるようにしたが、上記交換メッセージを表示させた後に、別ステップで上記ガイダンスメッセージを表示させるようにしてもよい。また交換メッセージのみを表示することも考えられる。
【0114】
一方、上記ステップS55の判定において、上記ステップS50での照合結果が適合していた場合には、判定が満たされてステップS65に移る。
【0115】
ステップS65では、制御回路46は、上記ステップS35で取得した上記属性情報に、上記カートリッジセンサ30で検出不可能な属性を含む上記属性情報(例えば、上記色情報)が含まれていたか否かを判定する。上記カートリッジセンサ30で検出不可能な属性を含む上記属性情報が含まれていた場合には、判定は満たされ、ステップS70に移る。
【0116】
ステップS70では、制御回路46は、液晶ディスプレイ5に制御信号を出力し、上記カートリッジセンサ30で検出不可能な属性に対する確認要請メッセージ(例えば、基材テープ16の色の確認を要請する確認要請メッセージ。後述の図12参照)を液晶ディスプレイ5に表示させる。そして、後述のステップS80に移る。
【0117】
一方、上記ステップS65の判定において、上記ステップS35で取得した上記属性情報に、上記カートリッジセンサ30で検出不可能な属性を含む上記属性情報が含まれていなかった場合には、判定が満たされず、ステップS75に移る。
【0118】
ステップS75では、制御回路46は、液晶ディスプレイ5に制御信号を出力し、上記ステップS35で取得したラベル印字情報に対応した内容の印字ラベルLを作成する旨の作成メッセージ(後述の図13参照)を液晶ディスプレイ5に表示させる。
【0119】
その後、ステップS80で、制御回路46は、液晶ディスプレイ5に制御信号を出力し、印字ラベルLの作成枚数を操作者がキーボード3を介して操作入力するための入力画面(後述の図14参照)を液晶ディスプレイ5に表示させる。
【0120】
そして、ステップS85で、制御回路46は、キーボード3を介し操作者により印字ラベルLの作成枚数が操作入力されたか否かを判定する。印字ラベルLの作成枚数が操作入力されるまで、判定は満たされず上記ステップS80に戻り、同様の手順を繰り返す。印字ラベルLの作成枚数が操作入力されたら、ステップS85の判定が満たされてステップS90に移る。
【0121】
ステップS90では、制御回路46は、上記印字ヘッド駆動回路119を介し上記印字ヘッド19に制御信号を出力し、印字ヘッド19により、上記ステップS35で取得したラベル印字情報に対応した内容の印字をカバーフィルム11に行いつつ、上記ステップS85においてキーボード3で操作入力された枚数の印字ラベルLを作成(印刷)する。具体的には、上記ステップS35で取得したラベル印字情報を上記印字バッファ53にドットパターンデータとして展開し記憶する。そして、上記入出力インターフェース44を介しサーマル印刷機構4等に制御信号を出力して、テープ送りローラ駆動軸26の駆動力により印字済みテープ23及び基材テープ16を搬送し、印字ヘッド19によりカバーフィルム11の所定の印字領域に対し上記印字バッファ53に記憶したドットパターンデータに基づき印字を行う。さらにカッタ31により印字済みテープ23を切断して、上記操作入力された枚数の印字ラベルLを作成する。その後、このフローを終了する。
【0122】
以上において、上記ステップS90が、特許請求の範囲各項記載の照合手段の照合結果が適合していた場合、情報読み取り手段で取得されたラベル印字情報に対応した内容の印字を印字手段で被印字媒体に行い印字ラベルを作成するように、印字ラベル作成部を制御する、制御手段として機能する。
【0123】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記ステップS25において、タグIDのみを読み取るためのタグ読み取り信号をまず送信し、タグIDの取得判定を行った後、タグIDが取得された場合には、改めて上記ラベル印字情報及び上記属性情報等を含む情報を読み取るためのタグ読み取り信号を送信し、上記ラベル印字情報及び上記属性情報の取得を行うようにしてもよい。
【0124】
図11は、上記図10のステップS60において液晶ディスプレイ5に表示される交換メッセージ及びガイダンスメッセージの一例を表す図である。
【0125】
図11において、液晶ディスプレイ5には、カートリッジホルダ9に装着されているカートリッジ10が不適正であった場合(=上記図10のステップS55の判定が満たされなかった場合)に表示される、カバーフィルム11の交換を要求する交換メッセージが表示されている。この例では、「装着されているカートリッジは、不適合です。次のカートリッジに交換してください。」のメッセージとなっている。
【0126】
このとき、液晶ディスプレイ5にはさらに、上記交換メッセージと同時に(交換メッセージの下段に)、適正な(上記属性情報と適合する)カバーフィルム11の属性を表すガイダンスメッセージが表示されている。この例では、『幅:18mm 材質:ポリエチレン製 テープ色:黄』のメッセージとなっている。なお、このようにカバーフィルム11の属性自体を表示せずに、対応するカートリッジ10の種類を特定して表示(例えば、『型番AA−○○○』など)するようにしてもよい。
【0127】
図12は、上記図10のステップS70において液晶ディスプレイ5に表示される確認要請メッセージの一例を表す図である。
【0128】
図12において、液晶ディスプレイ5には、上記カートリッジセンサ30で検出することができない属性を含む属性情報(この例では、上記色情報)を取得した場合(=上記図10のステップS65の判定が満たされた場合)に表示される確認要請メッセージが表示されている。この例では、基材テープ16に係わる色の確認を要請する「テープ色は自動照合できません。『黄』であるか確認してください。」のメッセージとなっている。
【0129】
図13は、上記図10のステップS75において液晶ディスプレイ5に表示される作成メッセージの一例を表す図である。
【0130】
図13において、液晶ディスプレイ5には、上記カートリッジセンサ30で検出できない属性を含む属性情報を、特に取得しなかった場合(=上記図10のステップS65の判定が満たされなかった場合)に表示される、上記ラベル印字情報に対応した内容で印字ラベルLを作成する旨の作成メッセージが表示されている。この例では、「装着されているカートリッジは、適合しています。このまま印刷工程に進みます。」のメッセージとなっている。
【0131】
図14は、上記図10のステップS80において液晶ディスプレイ5に表示される、印字ラベルLの作成枚数を入力するための入力画面の一例を表す図である。
【0132】
図14において、液晶ディスプレイ5には、操作者に印字ラベルLの作成枚数の入力を促すためのメッセージ(この例では、「印刷枚数を入力してください。」)と、印刷枚数の挿入位置を示すカーソルBKとが表示されている。この入力画面が表示された状態で、操作者が、例えば、上記キーボード3の文字キー3c等を操作して印刷枚数を入力し、決定キー3aを押下すと、対応する信号が入出力インターフェース44を介して制御回路46に入力され、サーマル印刷機構4により作成される印字ラベルLの作成枚数が設定される。
【0133】
以上説明したように、本実施形態においては、タグカードTに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、ラベル印字情報が記憶されている。操作者がアンテナ32を介した無線通信によりタグカードTの無線タグ回路素子Toに対し読み取りを行うと、IC回路部150に記憶された上記ラベル印字情報が取得される(図10のステップS35参照)。これにより、サーマル印刷機構4では、カバーフィルム11に対し、印字ヘッド19によって上記取得したラベル印字情報に対応した印字が行われ、印字ラベルLが作成される。この結果、操作者がタグカードTの無線タグ回路素子Toに対し情報読み取りを行うだけで、対応する印字を備えた印字ラベルLを自動的に作成することができるので、操作者の操作労力を低減しつつ円滑に印字ラベルLを作成できる。
【0134】
一方、上記のようにして無線タグ回路素子Toより読み取りが行われたとき、IC回路部150からラベル印字情報とともに上記属性情報も取得される。カートリッジホルダ9にカートリッジ10が装着されている状態では、カートリッジセンサ30がカートリッジ10の上記被検出部24(スイッチ孔24Aのパターン)を検出することで、当該カートリッジ10に内蔵されたカバーフィルム11の属性が検出される。そして、上記取得された属性情報と、上記検出されたカバーフィルム11の属性とが、適合するかどうかが照合される(図10のステップS50参照)。本実施形態では、上記検出されたカバーフィルム11の属性が、上記取得された属性情報に適合した場合のみ、サーマル印刷機構4による印字ラベルLの作成を行い(図10のステップS90参照)、適合しなかった場合には、印字ラベルLの作成を行わないようにしている。これにより、ラベル印字情報の印字内容に合致しないまま印字を行い、印字の潰れやかすれなどの印字不良や媒体サイズと文字サイズとの不均等による低品質印字が行われるのを、確実に防止することができる。この結果、作成される印字ラベルLの品質を向上することができる。
【0135】
以上の結果、操作者の操作労力を低減しつつ、円滑に高品質の印字ラベルLを作成することができる。
【0136】
また、本実施形態では特に、タグカードTの無線タグ回路素子Toからカバーフィルム11の属性情報として、カバーフィルム11の幅情報と、カバーフィルム11の材質情報とを取得する(図10のステップS35参照)。そして、上記カートリッジセンサ30で検出したカートリッジ10内のカバーフィルム11の幅及び材質が、上記幅情報及び上記材質情報と適合するかどうかを照合する(図10のステップS50参照)。このとき、上記検出されたカバーフィルム11の幅と上記幅情報とが適合していれば、ラベル印字がテープからはみ出したりする印字不良の発生を防止できる。また検出されたカバーフィルム11の材質と上記材質情報とが適合していれば、(インクや転写・感熱による発色がよくない等による)印字かすれや印字潰れなどの低品質印字の発生を防止することができる。これらの結果、印字ラベルLの品質を確実に向上することができる。
【0137】
また、本実施形態では特に、上記照合結果が適合していた場合、キーボード3で操作入力された枚数の印字ラベルLを作成する。これにより、上記検出されたカバーフィルム11の属性と、上記取得された属性情報とが適合し、印字不良や低品質印字の発生が防止できる見込みが立った状態で、キーボード3により操作入力された(所望の)印字ラベルLの作成枚数を確実に無駄なく作成することができる。
【0138】
また、本実施形態では特に、液晶ディスプレイ5により、上記照合結果に応じた表示を行う。これにより、上記検出されたカバーフィルム11の属性と、上記取得された属性情報とが適合しているか否か(言い換えればカートリッジホルダ9に装着されているカートリッジ10が適正なものであるか否か)を、実際にラベル作成を行う前に事前に操作者が視覚的に知ることができる。
【0139】
例えば、上記照合結果が適合し、かつカートリッジセンサ30で検出不可能な属性を含む属性情報を取得しなかった場合、液晶ディスプレイ5により、上記作成メッセージを表示する。これにより、操作者は、カートリッジホルダ9に装着されているカートリッジ10が適正なものであり、正しく印字ラベルLを作成できることを視覚的に認識できるので、安心感を得ることができる。
【0140】
また例えば、上記照合結果が不適合であった場合、液晶ディスプレイ5により、上記交換メッセージを表示する。これにより、操作者は、カートリッジホルダ9に装着されているカートリッジ10が不適正なものであり、正しく印字ラベルLを作成できない可能性があることを視覚的に認識できる。この結果、印字の潰れやかすれなどの印字不良や低品質印字の印字ラベルを誤って無駄に作成してしまう前に、確実にカートリッジ10の交換を行うことができる。また、このとき、液晶ディスプレイ5により、上記ガイダンスメッセージを表示する。これにより、適正化を図るためにどのようなカートリッジ10に交換すべきであるかを、操作者に確実に報知することができる。この結果、操作者は迷うことなく容易かつ確実に適正なカートリッジ10をカートリッジホルダ9に装着することができる。
【0141】
また例えば、上記カートリッジセンサ30で検出不可能な属性(前述の例では基材テープ16に係わる色)を含む属性情報を取得した場合、液晶ディスプレイ5により、当該検出不可能な属性に対する確認要請メッセージを表示する。これにより、当該属性については、操作者の自己責任での確認が必要である旨を、操作者に対し確実に認識させることができる。
【0142】
なお、以上においては、印字が終了した印字済みテープ23をカッタ31で切断して印字ラベルLを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ31で切断しなくても、テープが排出口から排出されてきた後にラベル台紙(対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして印字ラベルLを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0143】
また、以上においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ16とは別のカバーフィルム11に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、例えば感熱テープ等を用いた基材テープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合、基材テープが被印字媒体を構成する。
【0144】
さらに、以上は、基材テープ16等がスプールの周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ10内にそのロールが配置されて基材テープ16等が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字を行い印字ラベルLを作成するようにしてもよい。
【0145】
さらには上記ロールを直接ラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ10のようなラベル作成装置1の装置本体2側に着脱可能なものにも限られず、装置本体2側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてロールを設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0146】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0147】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0148】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0149】
1 ラベル作成装置(印字ラベル作成装置)
2 装置本体
3 キーボード
3c 文字キー(操作手段)
4 サーマル印刷機構(印字ラベル作成部)
5 液晶ディスプレイ(表示手段)
9 カートリッジホルダ
10 カートリッジ(被印字媒体カートリッジ)
11 カバーフィルム(被印字媒体)
19 印字ヘッド(印字手段)
26 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
30 カートリッジセンサ(検出手段)
32 アンテナ(アンテナ手段)
46 制御回路
150 IC回路部
151 タグアンテナ
200 筐体
L 印字ラベル
T タグカード
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字媒体を供給する被印字媒体カートリッジを装着可能なカートリッジホルダ、前記カートリッジホルダに装着された前記被印字媒体カートリッジから供給される前記被印字媒体を搬送する搬送手段、前記被印字媒体に印字を行う印字手段、及び、前記カートリッジホルダへの前記被印字媒体カートリッジの装着時において前記被印字媒体の少なくとも1つの属性を検出可能な検出手段を備え、前記印字手段により前記印字が行われた前記被印字媒体を用いて印字ラベルを作成する印字ラベル作成部と、
前記印字ラベル作成部を含む装置本体の外郭を構成する筐体と、
情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備え前記筐体の外部に位置する無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うアンテナ手段と、
前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された、前記印字ラベル作成部の前記印字手段で前記被印字媒体に印字可能な印字内容を表すラベル印字情報と、前記ラベル印字情報の前記印字内容に適合する前記被印字媒体の属性情報とを、前記アンテナ手段を介し取得する情報読み取り手段と、
前記情報読み取り手段で取得した前記属性情報と、前記検出手段で検出した前記被印字媒体の属性とが、適合するかを照合する照合手段とを有する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の印字ラベル作成装置において、
前記照合手段の照合結果が適合していた場合、前記情報読み取り手段で取得された前記ラベル印字情報に対応した内容の印字を前記印字手段で前記被印字媒体に行い前記印字ラベルを作成するように、前記印字ラベル作成部を制御する、制御手段を有する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項3】
請求項2記載の印字ラベル作成装置において、
前記印字ラベルの作成枚数を操作者が操作入力するための操作手段を有し、
前記制御手段は、
前記照合手段の照合結果が適合していた場合、前記操作手段で操作入力された枚数の前記印字ラベルを作成するように、前記印字ラベル作成部を制御する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の印字ラベル作成装置において、
前記情報読み取り手段は、
前記属性情報として、少なくとも、前記被印字媒体の幅情報と、前記被印字媒体の材質情報とを取得し、
前記照合手段は、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記被印字媒体カートリッジ内の前記被印字媒体の幅及び材質が、前記幅情報及び前記材質情報と適合するかどうかを照合する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項5】
請求項4記載の印字ラベル作成装置において、
前記照合手段の照合結果に応じた表示を行う表示手段を有する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載の印字ラベル作成装置において、
前記表示手段は、
前記照合手段の照合結果が適合していた場合、前記ラベル印字情報に対応した内容の前記印字ラベルを作成する旨の作成メッセージを表示する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項7】
請求項5記載の印字ラベル作成装置において、
前記表示手段は、
前記照合手段の照合結果が不適合であった場合、前記被印字媒体カートリッジの交換を要求する交換メッセージを表示する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項8】
請求項7記載の印字ラベル作成装置において、
前記表示手段は、
前記照合手段の照合結果が不適合であった場合、前記カートリッジホルダに新たに装着すべき前記被印字媒体カートリッジの種類、又は、当該カートリッジ種類に対応する前記被印字媒体の前記属性、を表すガイダンスメッセージを表示する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項記載の印字ラベル作成装置において、
前記情報読み取り手段が、前記検出手段で検出不可能な属性を含む前記属性情報を前記IC回路部より取得した場合、前記表示手段は、当該検出不可能な属性に対する確認要請メッセージを表示する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。
【請求項10】
請求項9記載の印字ラベル作成装置において、
前記情報読み取り手段が、前記検出手段で検出不可能な属性に係わる色情報を前記IC回路部より取得した場合、前記表示手段は、前記被印字媒体に係わる色の確認を要請する前記確認要請メッセージを表示する
ことを特徴とする印字ラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−214832(P2010−214832A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65520(P2009−65520)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】