説明

原料配合方法及び装置

【課題】複数種類の原料を配合する原料配合プロセスにおいて、配合すべき原料の質量を、容器や袋等に梱包された質量に対応する離散的な数値で扱うことができる原料配合方法を提供する。
【解決手段】原料配合方法は、複数の成分を互いに異なる比率で含有する複数種類の原料であって、所定の質量でそれぞれ梱包されている複数種類の原料の内から、1つ又は複数種類の原料を梱包されている質量の単位で選択することにより、配合後の原料において所望の質量及び所望の範囲の成分比となるように原料を配合する方法において、配合後の原料において要求される要求質量及び成分比の要求範囲に関する条件を設定する条件設定ステップS1と、該条件設定ステップにおいて設定された条件に基づいて、配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを梱包されている質量の単位で表す組合せテーブルを作成するテーブル作成ステップS2とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料等の製造工程において、容器や袋等に梱包された複数種類の原料を配合する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コークスや焼結鉱の製造プロセスや電気炉プロセス、或いは、金属材料の製造プロセスにおいては、工場に保管されている複数種類(銘柄)の原料を適宜配合して製品が製造される。これらの原料は、銘柄ごとに異なる特性値(成分比)を有している。そのため、複数銘柄を組み合わせて混合することにより特性値を平均化して用いられることが多い。
【0003】
製造目的である製品において要求される特性値には、上限値及び下限値並びに目標値が設定されている。そのため、原料の配合を決定する際には、全ての特性値に関して上限及び下限の範囲に収まり、且つ、目標値に近くなるような原料の組み合わせ及び質量を求める必要がある。また、工場には種々の設備上の制約や操業上の要求があるため、このような要求も考慮して配合を決定する必要がある。
【0004】
関連する技術として、特許文献1には、複数の特性値を持つ複数の銘柄の原料を配合して製品を製造するプロセスにおいて、各銘柄の配合率を決定する方法等が開示されている。この方法においては、製品に要求される特性値の上限値、下限値及び目標値の設定値を用いており、製品の各特性値を目標値に近づけるように各原料の配合率を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−286675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、金属材料等の製造においては、製品の品質や歩留まりへの影響を極力避けるために、特性値を要求される範囲に収める必要があり、そのために、原料配合作業時に不純物の混入を防ぐことが重要となる。また、製品の電気的特性や機械的特性に対する品質要求精度が厳しい場合には、不純物の混入防止がいっそう重要になるため、原料の保管方法や配合作業の環境を工夫することが要求されている。
【0007】
固体状の原料が一定質量ごとに袋や容器に梱包されている場合、不純物の混入を防止するためには、必要な袋数(容器数)のみを配合作業場所に持ち込んでその場で開封して全量を使い切ることが望ましい。そのためには、各種類(銘柄)の原料の質量を1袋ごとの離散的な数値で扱いつつ、配合後の原料において要求される複数の特性値と質量との両方を満足させるように、原料の種類と質量とを決定する必要がある。しかしながら、複数種類の原料の質量を離散的な数値で扱いつつ、要求される全ての特性値を満足させることは非常に困難である。しかも、配合後の質量を要求質量に一致させる必要があるため、決定作業はさらに複雑になる。このような決定作業は、従来より熟練オペレータがその経験に基づいて行っているが、非常に煩雑である。
【0008】
この点について、特許文献1に記載の発明においては、小数点以下を含む連続的な数値で原料の配合率を扱っているが、梱包された質量に対応する離散的な数値で質量を扱うことは記載されていない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数種類の原料を配合する原料配合プロセスにおいて、配合すべき原料の質量を、容器や袋等に梱包された質量に対応する離散的な数値で扱うことができる原料配合方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る原料配合方法は、複数の成分を互いに異なる比率で含有する複数種類の原料であって、所定の質量でそれぞれ梱包されている前記複数種類の原料の内から、1つ又は複数種類の原料を梱包されている質量の単位で選択することにより、配合後の原料において所望の質量及び所望の範囲の成分比となるように原料を配合する方法において、配合後の原料において要求される要求質量及び成分比の要求範囲に関する条件を設定する条件設定ステップと、前記条件設定ステップにおいて設定された条件に基づいて、配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で表す組合せテーブルを作成するテーブル作成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
上記原料配合方法において、前記テーブル作成ステップは、配合後の質量が前記要求質量となるような前記種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で抽出する第1ステップと、前記第1ステップにおいて抽出された組み合わせについて、配合後の成分比が前記要求範囲に含まれるか否かを判定する第2ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
上記原料配合方法において、前記テーブル作成ステップにおいて作成されたテーブルの全部又は一部を表示する表示ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
上記原料配合方法において、前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせの数を、種類の組み合わせごとにカウントすることにより、種類の組み合わせの各々において使用可能な質量の組み合わせを表す質量組合せ数を求めるカウントステップと、前記質量組合せ数が前記種類の組み合わせごとに示された質量組合せ数テーブルを作成する第2テーブル作成ステップと、前記質量組合せ数テーブルを表示する表示ステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
上記原料配合方法において、前記質量組合せ数を原料の種類ごとに集計して集計値を求める集計ステップをさらに含み、前記表示ステップは、前記集計値を前記質量組合せ数テーブルに関連付けて表示することを含むことを特徴とする。
【0015】
上記原料配合方法において、前記集計値に基づいて、配合に使用可能な種類に順位をつける順位判定ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0016】
上記原料配合方法において、前記質量組合せ数テーブルに含まれる各質量組合せ数と、前記テーブル作成ステップにおいて作成されたテーブルに含まれる前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせとを関連付けるリンク作成ステップと、外部からの入力信号に基づいて、前記質量組合せ数テーブルに含まれる所定の質量組合せ数に関連付けられた配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを検索する検索ステップと、前記検索ステップにおいて検索された前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを表示する第2表示ステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る原料配合装置は、複数の成分を互いに異なる比率で含有する複数種類の原料であって、所定の質量でそれぞれ梱包されている前記複数種類の原料の内から、1つ又は複数種類の原料を梱包されている質量の単位で選択することにより、配合後の原料において所望の質量及び所望の範囲の成分比となるように原料を配合する装置において、配合後の原料において要求される要求質量及び成分比の要求範囲に関する条件を設定する条件設定手段と、前記条件設定手段において設定された条件に基づいて、配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で表す組合せテーブルを作成するテーブル作成手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
上記原料配合装置において、前記テーブル作成手段は、配合後の質量が前記要求質量となるような前記種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で抽出する第1手段と、前記第1手段において抽出された組み合わせについて、配合後の成分比が前記要求範囲に含まれるか否かを判定する第2手段とを有することを特徴とする。
【0019】
上記原料配合装置において、前記テーブル作成手段において作成されたテーブルの全部又は一部を表示するための設定を行う表示設定手段をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
上記原料配合装置において、前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせの数を、種類の組み合わせごとにカウントすることにより、種類の組み合わせの各々において使用可能な質量の組み合わせを表す質量組合せ数を求めるカウント手段と、前記質量組合せ数が前記種類の組み合わせごとに示された質量組合せ数テーブルを作成する第2テーブル作成手段と、前記質量組合せ数テーブルを表示するための設定を行う表示設定手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0021】
上記原料配合装置において、前記質量組合せ数を原料の種類ごとに集計して集計値を求める集計手段をさらに備え、前記表示設定手段は、前記集計値を前記質量組合せ数テーブルに関連付けて表示するための設定を行うことを特徴とする。
【0022】
上記原料配合装置において、前記集計値に基づいて、配合に使用可能な種類に順位をつける順位判定手段をさらに備えることを特徴とする。
【0023】
上記原料配合装置において、前記質量組合せ数テーブルに含まれる各質量組合せ数と、前記テーブル作成手段において作成されたテーブルに含まれる前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせとを関連付けるリンク作成手段と、外部からの入力信号に基づいて、前記質量組合せ数テーブルに含まれる所定の質量組合せ数に関連付けられた配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを検索する検索手段とをさらに備え、前記表示設定手段は、前記検索手段において検索された前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを表示するための設定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、配合に使用可能な原料の種類及び質量の組み合わせを、梱包されている質量の単位で表すテーブルを作成するので、原料の質量を、梱包された質量に対応する離散的な数値で扱いつつ、配合後の原料において所望の質量及び成分比が実現される原料の組み合わせを容易に決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る原料配合装置を含むシステム図である。
【図2】図2は、図1の原料・配合ロットデータベースに格納されている情報を示す図である。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る原料配合方法を説明するための模式図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に係る原料配合方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は、質量組合せテーブルの作成方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、質量条件及び濃度条件の判定結果を示す図である。
【図7A】図7Aは、画面に表示される質量組合せテーブルを示す図である。
【図7B】図7Bは、画面に表示される質量組合せテーブルを示す図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態に係る原料配合装置を示す図である。
【図9】図9は、画面に表示される質量組合せカウントテーブルを示す図である。
【図10】図10は、画面に表示されるウィンドウを示す図である。
【図11】図11は、質量組合せカウントテーブルの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係る原料配合方法及び装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施形態により限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原料配合装置を含むシステム図である。原料配合装置の一実施形態である原料配合演算部10は、工場に対する生産指示や在庫原料の管理等を行う生産管理装置1において用いられる。
【0028】
生産管理装置1には、操作用端末2と、工場管理用端末3とが接続されている。
操作用端末2は、生産管理装置1に対して指示や各種条件等を入力したり、生産管理装置1による演算処理結果や、後述する原料・配合ロットデータベース20に格納されている情報等を表示する際に用いられる端末であり、生産管理装置1の端末インタフェース30に接続されている。また、操作用端末2は、キーボードやマウスやタッチパネル等の入力デバイスと、液晶ディスプレイ等の表示装置とを備えている。操作用端末2としては、パーソナルコンピュータ(PC)を用いても良いし、専用の端末を用いても良い。
【0029】
工場管理用端末3は、工場における生産実績データや原料の在庫データ等を生産管理装置1に伝送したり、生産管理装置1からの生産指示データを受け付ける際に用いられる端末であり、有線又は無線ネットワークやインターネット等の公衆ネットワークを介して生産管理装置1に接続されている。工場管理用端末3としては、パーソナルコンピュータ(PC)を用いても良いし、専用の端末を用いても良い。
【0030】
生産管理装置1は、原料配合演算部10及び原料・配合ロットデータベース(DB)20を有している。
原料・配合ロットデータベース20は、工場に保管されている原料に関する情報や、配合ロットに関する情報等を格納している。原料に関する情報としては、例えば図2に示すように、原料A(例えば、シリコン)の種類(銘柄A1〜A10)や、各銘柄A1〜A10が含有する不純物である成分C1及び成分C2(例えば、ホウ素やリン)の成分比(濃度)や、在庫質量等が含まれる。或いは、原料に関する情報として、1袋に梱包されている原料の質量や在庫の袋数等を含んでいても良い。また、配合ロットに関する情報としては、配合ロット1つあたり(又は原料配合作業1回あたり)の標準的な原料の質量や、製造目的の製品に応じて配合ロットに要求される成分C1、C2の濃度(上限値及び下限値)や、製造(配合)スケジュール等が含まれる。
【0031】
原料配合演算部10は、条件設定部11と、テーブル作成部12と、表示設定部13とを有している。
条件設定部11は、原料・配合ロットデータベース20を検索して必要な情報を抽出し、所定のパラメータを用いて演算を行なうことにより、質量条件及び濃度条件を設定する。ここで、質量条件とは、在庫の原料や配合後に要求される原料の質量に基づいて設定される、各原料(銘柄)の使用量(質量)に対する条件のことである。一方、濃度条件とは、各原料(銘柄)の成分比や製造目的とする製品の特性値等に基づいて設定される、配合後の原料中の成分C1及びC2の濃度に対する条件のことである。
【0032】
テーブル作成部12は、1つ又は複数種類(銘柄)の原料を配合することにより混合原料を得る際に、条件設定部11によって設定された質量条件及び濃度条件に基づいて、配合に使用可能な原料の種類(銘柄)と質量の組み合わせを表すテーブル(以下、「質量組合せテーブル」と呼ぶ)を作成する。
【0033】
表示設定部13は、テーブル作成部12によって作成された質量組合せテーブルを所定のフォーマットで表示するための設定を行い、操作用端末2の画面に表示させる。
【0034】
次に、本発明の第1の実施形態に係る原料配合方法を説明する。
図3に示すように、以下の説明においては、原料Aと原料Bとを合わせて200kgの原料を配合するものとする。原料Aは、不純物として成分C1及びC2を含有する比較的純度の低い原料であり、各々が所定の成分比を有するA1〜A10の10種類の銘柄を在庫として有している。一方、原料Bは、成分C1及びC2をほとんど含まない高純度の原料である。これらの原料Aの各銘柄A1〜A10及び原料Bは、10kgずつ袋に梱包されている。そこで、銘柄A1〜A10の内の2銘柄を組み合わせて100kgとした原料Aと、100kgの原料Bとを配合することにより、最終的に、成分C1が6ppm以上8ppm以下、且つ、成分C2が0ppm以上10ppm以下となる混合原料200kgを得る。そのためには、まず、原料Aとして、いずれの銘柄を何kgずつ使用すべきかを決定する必要がある。
【0035】
ここで、所望の成分比を得るために、原料Aの複数の銘柄を配合するだけでなく、原料Bも配合する理由は次の通りである。本実施形態においては原料Aが含有する成分C1及びC2のみに着目している。しかしながら、原料Aはそれ以外の不純物成分も含有している可能性がある。そのため、他の不純物成分の影響を抑えるために、原料Bを所定の割合で加えている。また、一般に、高純度の原料Bは、低純度の原料Aよりも高価である。そのため、原料Aをできる限り使用して成分C1及びC2の成分比を調整した上で、原料Bにより成分C1及びC2を全体的に希釈することにより、低コスト化を図る目的もある。
なお、原料Aの銘柄によっては、他の銘柄と組み合わせる必要がないものもある。このような銘柄は、単独で原料Aとして用いても良い。
【0036】
まず、オペレータは、操作用端末2を用い、生産管理装置1に対して原料配合動作の開始を指示する。そして、表示された画面において、製造目的である製品名又はコードや、所望の配合ロットの数(Rt)や、各配合ロットに対して要求される質量(200kg)や、その内で使用する予定の原料A及び原料Bの質量(各100kg)や、配合後の原料に要求される成分C1及びC2の濃度等の情報を入力する。
【0037】
それに応じて、図4のステップS1において、条件設定部11は、原料・配合ロットデータベース20から、原料Aの各銘柄A1〜A10の在庫質量や成分比等の必要な情報を取り込む。そして、これらの情報とオペレータによって入力された情報とに基づいて、下記パラメータを設定すると共に、式(1)〜(8)を用いて質量条件並びに成分C1及びC2の濃度条件を設定する。なお、配合後の原料に対して要求される1ロットあたりの質量や成分C1及びC2の濃度の範囲については、オペレータが操作用端末2を用いてマニュアル入力した場合にはこれをそのまま用いても良いし、例えば、指定された製品名やコード等の入力情報に基づいて、条件設定部11が原料・配合ロットデータベース20を検索することにより、製品に応じた標準的な質量や濃度の範囲を抽出するようにしても良い。
【0038】
在庫原料に基づいて設定されるパラメータは次のとおりである。
Gn:原料Aの銘柄(A1〜A10)の内で使用する銘柄の数(2)
GEN_A[i]:原料A(銘柄Ai)の在庫質量
GEN_B:原料Bの在庫質量
AW:原料Aの1袋あたりの質量(10kg)
BW:原料Bの1袋あたりの質量(10kg)
GEN_A_C1[i]:原料A(銘柄Ai)の成分C1の濃度
GEN_A_C2[i]:原料A(銘柄Ai)の成分C2の濃度
【0039】
一方、製造目的である製品等に応じて、配合後の原料に対する要求に基づいて設定されるパラメータは次のとおりである。
Rt:配合ロットの数
ROT_T[m]:m番目の配合ロット(配合ロット(m))全体の要求質量(200kg)
ROT_A[m]:配合ロット(m)中に配合される原料Aの要求質量(100kg)
ROT_C1_H[m]:配合ロット(m)に要求される成分C1の上限濃度
ROT_C1_L[m]:配合ロット(m)に要求される成分C1の下限濃度
ROT_C2_H[m]:配合ロット(m)に要求される成分C2の上限濃度
ROT_C2_L[m]:配合ロット(m)に要求される成分C2の下限濃度
【0040】
次式(1)は、原料Aの各銘柄Aiの在庫質量に基づく使用可能な質量を表す質量制約式である。
【数1】

式(1)において、x_A[i][m]は、配合ロット(m)に配合される原料A(銘柄Ai)の袋数を示す。
【0041】
次式(2)は、原料Bの在庫質量に基づく使用可能な質量を表す質量制約式である。
【数2】

式(2)において、x_B[m]は、配合ロット(m)に配合される原料Bの袋数を示す。
【0042】
また、次式(3)は、配合ロット(m)に対する要求質量を満たす原料A(銘柄Ai)及び原料Bの質量に対する質量制約式である。
【数3】

【0043】
一方、次式(4)は、銘柄Aiを配合ロット(m)に配合する際の質量制約式である。
【数4】

【0044】
次式(5)及び(6)は、配合ロット[m]に対する成分C1の要求濃度を表す成分制約式である。式(5)は成分C1の上限濃度を表しており、式(6)は成分C1の下限濃度を表している。
【数5】

式(5)において、ROT_C1_H[m]=8ppmであり、式(6)において、ROT_C1_L[m]=6ppmである。
【0045】
次式(7)及び(8)は、配合ロット[m]に対する成分C2の要求濃度を表す成分制約式である。式(7)は成分C2の上限濃度を表しており、式(8)は成分C2の下限濃度を表している。
【数6】

式(7)において、ROT_C2_H[m]=10ppmであり、式(8)において、ROT_C2_L[m]=0ppmである。
【0046】
次に、ステップS2において、テーブル作成部12は、質量条件及び濃度条件を満たす原料Aの銘柄A1〜A10の質量組合せテーブルを作成する。上述のとおり、配合後の原料における成分C1及び成分C2の濃度に上限及び下限が設定されているため、このような範囲に収まるような質量の組合せを限定することは可能である。
【0047】
まず、図5のステップS21において、テーブル作成部12の質量条件判定部121は、原料Aの銘柄A1〜A10が総当りとなるように2つの組み合わせ(Ai,Aj)を作成する。ここで、i,j=1、2、3、、、10であり、i=jであっても良い。以下、このような銘柄の組み合わせのことを「銘柄組」と呼ぶ。
【0048】
そして、質量条件判定部121は、各銘柄組について、質量条件を満たす袋数の組み合わせを、式(1)及び次式(9)を用いて求める。
x_A[i]+x_A[j]=10 …(9)
ここで、x_A[i]及びx_A[j]は、原料A(銘柄Ai)及び原料A(銘柄Aj)が梱包されている袋の数をそれぞれ示す。上述のとおり、原料Aは10kgずつ梱包されているので、トータルで100kgを用意する場合、右辺は10となる。
【0049】
図6に示すように、銘柄組(A1,A10)において質量条件を満たす袋数の組み合わせは、次の10通りとなる。
(x_A[i],x_A[j])=(0,10)、(1,9)、(2,8)、
、、、(9,1)、(10,0)
同様にして、質量条件判定部121は、全ての銘柄組について袋数の組み合わせを求める。
【0050】
次に、ステップS22において、濃度条件判定部122は、ステップS21において求められた袋数の各組み合わせに対して、成分C1に対する濃度条件式(10)及び(11)を満たすか否かを判定する。
GEN_A_C1[i]×x_A[i]+GEN_A_C1[j]×x_A[j]
≧ROT_C1_L(6ppm)×(x_A+x_B) …(10)
GEN_A_C1[i]×x_A[i]+GEN_A_C1[j]×x_A[j]
≦ROT_C1_H(8ppm)×(x_A+x_B) …(11)
ここで、(x_A+x_B)は、ある配合ロットに配合される原料A及び原料Bの袋数であり、本実施形態においては20である。
【0051】
図6に示すように、銘柄A1と銘柄A10との銘柄組においては、(x_A[1],x_A[10])=(2,8)、(3,7)、(4,6)、(5,5)、(6,4)の5つの組み合わせの場合に、成分C1の濃度が6ppm以上8ppm以下となり、式(10)及び(11)を満たす。言い換えれば、原料A(銘柄A1)の質量と原料A(銘柄A10)の質量との組み合わせが、20kgと80kg、30kgと70kg、40kgと60kg、50kgと50kg、60と40kgの5通りの場合に、成分C1に対する濃度条件が満たされる。
【0052】
同様に、ステップS23において、濃度条件判定部122は、ステップS21において抽出された袋数の組み合わせに対して、成分C2に対する濃度条件式(12)及び(13)を満たすか否かを判定する。
GEN_A_C2[i]×x_A[i]+GEN_A_C2[j]×x_A[j]
≧ROT_C2_L(0ppm)×(x_A+x_B) …(12)
GEN_A_C2[i]×x_A[i]+GEN_A_C2[j]×x_A[j]
≦ROT_C2_H(10ppm)×(x_A+x_B) …(13)
【0053】
図6に示すように、銘柄A1と銘柄A10との銘柄組においては、(x_A[1],x_A[10])=(0,10)、(1,9)、(2,8)、、、(10,0)の組み合わせにおいて、成分C2の濃度が0ppm以上10ppm以下となり、式(12)及び(13)を満たす。言い換えれば、原料A(銘柄A1)の質量と原料A(銘柄A10)の質量との組み合わせが、0kgと100kg、10kgと90kg、20kgと80kg、、、100kgと0kgの10通りの場合に、成分C2に対する濃度条件が満たされる。
【0054】
次に、ステップS24において、テーブル作成処理部123は、ステップS22及びS23における判定に基づいて、成分C1及びC2に対する濃度条件を満たす質量組合せを抽出し、濃度条件を満たす質量組合せが銘柄組に関連付けられた質量組合せテーブルを作成する。
【0055】
再び、図4を参照すると、ステップS3において、表示設定部13は、テーブル作成処理部123によって作成された質量組合せテーブルの全部又は一部を操作用端末2に表示させる。図7A及び図7Bは、一覧表示された質量組合せテーブルを示している。質量組合せテーブル40は、原料Aの銘柄A1〜A10の組み合わせを表すマトリックスとなっており、各セルには、その銘柄組を採用する場合に選択可能な質量の組み合わせが表示されている。また、マトリックスの対角線上のセル(例えば、A4行A4列)に表示された「100」は、その銘柄(例えば、銘柄A4)が原料Aとして単独で使用可能であることを示している。さらに、「−」が表示されているセル(例えば、A1行A2列)は、それらの銘柄(例えば、銘柄A1と銘柄A2)を組み合わせて使用することができないことを示している。
【0056】
オペレータは、このように画面表示された質量組合せを参照することにより、原料Aとして使用する1つ又は複数の銘柄及び質量を決定する。そして、オペレータは、このようにして決定した原料Aの銘柄及び質量並びに使用予定である原料Bの質量等の情報を工場に連絡する。その際には、システム外の連絡手段を用いても良いし、生産管理装置1を介して工場管理用端末3に送信するようにしても良い。工場においては、受け取った情報に基づいて、原料Aの指定された銘柄及び原料Bを所定の袋数だけ倉庫から運び出し、全ての原料をその場で開封してその配合ロットのために使い切る。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、配合に使用可能な原料の種類(銘柄)の組合せが、袋や容器に梱包された質量の単位でテーブルに表示される。従って、表示された組み合わせの中から銘柄及びその質量を選択することにより、未熟なオペレータであっても、容易且つ確実に原料の配合を決定することができるようになる。また、熟練オペレータにとっては、配合決定作業の効率を上げることができる。さらに、金属材料等の原料配合プロセスの現場においては、このように決定された原料の組み合わせを用いることにより、梱包された新しい原料を配合直前に開封し、それを1度に使い切ることができるようになる。従って、配合ロットへの不純物の混入を抑制することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態においては、式(10)〜(13)に示すように、袋数を用いて濃度条件の判定計算を行っているので、計算量を少なくすることができ、質量組合せテーブルの作成を高速化することが可能となる。
【0059】
以上の説明においては、原料Aの銘柄A1〜A10の内から2つの銘柄を組み合わせているが、3つ以上の銘柄を用いる場合にも、同様にしてテーブルを作成することが可能である。その場合には、ステップS21において、銘柄A1〜A10の組み合わせ(Ai,Aj,Ak,,,)を作成し、質量条件を満たす袋数の組み合わせを抽出して、それらに対する濃度条件を判定すれば良い。
【0060】
また、上記説明においては、配合すべき原料Bの質量が予め設定されていたが、原料Aの複数銘柄と原料Bとを含めて、適切な質量組合せを選択するようにしても良い。この場合には、原料Bの成分C1及び成分C2の濃度をいずれも0ppmに設定して、原料Aの銘柄A1〜A10と同様に扱えば良い。
【0061】
さらに、上記説明においては、原料Aの銘柄A1〜A10の内で配合に使用可能な質量組合せをテーブルに表示したが、使用可能な袋数の組み合わせをテーブルに表示するようにしても良い。
【0062】
加えて、上記説明においては、原料の1袋あたりの質量が、異なる銘柄の間で共通していたが、1袋あたりの質量が銘柄ごとに異なっていても良い。その場合には、原料A(Ai)の1袋あたりの質量を示すパラメータAW[i]を導入し、式(1)〜(8)中のパラメータAWの変わりにパラメータAW[i]を用いれば良い。そして、濃度条件の判定式(10)〜(13)において、袋数パラメータx_A[i]代わりに、パラメータx_A[i]×AW[i]を用いれば良い。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態に係る原料配合方法を、図8〜図10を参照しながら説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る原料配合装置である原料配合演算部50は、図1に示す原料配合演算部10に対して、組合せカウント部14と、集計部15と、順位判定部16と、第2テーブル作成部17と、リンク作成部18と、入力受付部19とをさらに有している。その他の構成については、第1の実施形態において説明したものと同様である。
【0064】
組合せカウント部14は、テーブル作成処理部123によって作成された質量組合せテーブルに基づいて、各銘柄組における質量組合せの数(以下、「質量組合せ数」と呼ぶ)をカウントする。また、集計部15は、組合せカウント部14によってカウントされた質量組合せ数を銘柄ごとに集計する。さらに、順位判定部16は、集計部15によって集計された集計値に基づいて、銘柄A1〜A10に順位をつける。
【0065】
第2テーブル作成部17は、組合せカウント部14によってカウントされた質量組合せ数が銘柄組に関連付けられた質量組合せカウントテーブルを作成する。また、第2テーブル作成部17は、集計部15によって求められた集計値と、順位判定部16によってつけられた順位とが、上記質量組合せカウントテーブルに併せて表示されるように設定を行う。
【0066】
リンク作成部18は、質量組合せカウントテーブルに含まれる各銘柄組における質量組合せ数と、テーブル作成処理部123によって作成された質量組合せテーブルに含まれる各銘柄組における質量組合せとを関連づけるようにリンクを作成し、リンクを表示するようにリンク情報を表示設定部13に出力する。
【0067】
入力受付部19は、操作用端末2に表示されたリンクに基づく入力信号が入力された場合に、該入力信号に基づいて、指定された銘柄組に対応する質量組合せをテーブル作成処理部123から表示設定部13に出力させる。
【0068】
図9は、本実施形態において操作用端末2の画面に表示される質量組合せカウントテーブルを示している。質量組合せカウントテーブル60は、銘柄A1〜A10の組み合わせを表すマトリックスとなっており、各セルには、各銘柄組における質量組合せ数が表示されている。たとえば、図9のA10行A1列のセル61に表示されている「5」は、銘柄A10と銘柄A1とを組み合わせて使用する場合には、5通りの質量組合せが存在することを示している。また、マトリックスの対角線上のセルに表示された「1」は、その銘柄が原料Aとして単独で使用可能であることを示している。さらに、「0」が表示されているセルは、それらの銘柄を組み合わせて使用することができないことを示している。
【0069】
各セルに表示された質量組合せ数には、リンクが作成されている。操作用端末2において、オペレータが、画面に表示された質量組合せカウントテーブル60を見ながら、マウスやタッチパネル等の入力デバイスにより所望のセルの質量組合せ数を選択すると、図10に示すウィンドウ64が開き、そのセルに対応する銘柄組において使用可能な質量組合せが全て表示されるようになっている。
【0070】
また、質量組合せカウントテーブル60には、銘柄ごとの質量組合せ数の集計値が表示される「集計値」欄62と、集計値に基づいてつけられた順位を示す「順位」欄63とが設けられている。質量組合せカウントテーブル60においては、集計値が小さいほど、順位が高くなっている。
【0071】
ここで、ある銘柄の集計値が小さいということは、その銘柄を含む質量組合せの選択肢が少ないということである。このような銘柄の原料は使い難いと言えるので、選択可能な質量組合せがある場合には、優先して消費してしまった方が望ましい。そのため、本実施形態においては、集計値が小さい銘柄ほど順位を高くしている。
【0072】
次に、質量組合せカウントテーブル60を用いて、原料Aとして使用する銘柄及び質量を選択する方法を説明する。まず、オペレータは、質量組合せカウントテーブル60の「順位」欄63を見て、順位の高い銘柄を探す。次に、その銘柄の列に表示されている「0」以外の数字を順次クリックし、図10に示すウィンドウ64を開く。そして、表示された質量組合せの内から、当該銘柄の原料の使用量が多い組合せを選択する。それにより、使い難い銘柄の原料を優先して消費することができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、各銘柄組における質量組合せ数やそれらの集計値を表示することにより、使い難い銘柄の原料を優先して消費できる銘柄の組み合わせを容易に選択することが可能となる。従って、未熟なオペレータであっても、より簡単に、配合すべき原料の組み合わせを決定することが可能となる。
【0074】
なお、本実施形態においては、各銘柄の質量組合せ数に基づいて順位を設定しているが、セルに表示された「0」の数に基づいて順位を設定しても良い。組合せ数にゼロが多い銘柄は、組合せ可能な相手銘柄が少ないということであり、このような銘柄の原料も使い難いと言えるからである。従って、このような銘柄の原料も、選択可能な質量組合せがあるうちに優先して消費してしまった方が望ましいと言える。
【0075】
以上説明した本発明の第1及び第2の実施形態においては、質量組合せテーブル及び質量組合せカウントテーブルを、原料Aの銘柄(A1〜A10)に対応する10×10のマトリックスで示した。しかしながら、テーブルの表示方法はこれらの実施形態に限定されず、例えば、図11に示すように、対称的な銘柄組(例えば(A1,A10)と(A10,A1))の一方を網掛け表示したり、或いは、表示しないようにしても良い。
【0076】
また、本発明の第2の実施形態においては、質量組合せ数の集計値及び順位を、質量組合せカウントテーブルの最終の2行に示した。しかしながら、これらの値を表示する欄はこの位置に限定されず、例えば、図11に示すように、組合せカウントテーブルの右手の2列に表示しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る原料配合方法及び装置は、金属材料等の製造において、配合すべき原料の種類及び各原料の質量を決定するプロセスにおいて利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 生産管理装置
2 操作用端末
3 工場管理用端末
10 原料配合演算部
11 条件設定部
12 テーブル作成部
13 表示設定部
14 組合せカウント部
15 集計部
16 順位判定部
17 第2テーブル作成部
18 リンク作成部
19 入力受付部
20 原料・配合ロットデータベース(DB)
30 端末インタフェース
40 質量組合せテーブル
50 原料配合演算部
60 質量組合せカウントテーブル
121 質量条件判定部
122 濃度条件判定部
123 テーブル作成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の成分を互いに異なる比率で含有する複数種類の原料であって、所定の質量でそれぞれ梱包されている前記複数種類の原料の内から、1つ又は複数種類の原料を梱包されている質量の単位で選択することにより、配合後の原料において所望の質量及び所望の範囲の成分比となるように原料を配合する方法において、
配合後の原料において要求される要求質量及び成分比の要求範囲に関する条件を設定する条件設定ステップと、
前記条件設定ステップにおいて設定された条件に基づいて、配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で表す組合せテーブルを作成するテーブル作成ステップと、
を含むことを特徴とする原料配合方法。
【請求項2】
前記テーブル作成ステップは、
配合後の質量が前記要求質量となるような前記種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で抽出する第1ステップと、
前記第1ステップにおいて抽出された組み合わせについて、配合後の成分比が前記要求範囲に含まれるか否かを判定する第2ステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の原料配合方法。
【請求項3】
前記テーブル作成ステップにおいて作成されたテーブルの全部又は一部を表示する表示ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の原料配合方法。
【請求項4】
前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせの数を、種類の組み合わせごとにカウントすることにより、種類の組み合わせの各々において使用可能な質量の組み合わせを表す質量組合せ数を求めるカウントステップと、
前記質量組合せ数が前記種類の組み合わせごとに示された質量組合せ数テーブルを作成する第2テーブル作成ステップと、
前記質量組合せ数テーブルを表示する表示ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の原料配合方法。
【請求項5】
前記質量組合せ数を原料の種類ごとに集計して集計値を求める集計ステップをさらに含み、
前記表示ステップは、前記集計値を前記質量組合せ数テーブルに関連付けて表示することを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の原料配合方法。
【請求項6】
前記集計値に基づいて、配合に使用可能な種類に順位をつける順位判定ステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の原料配合方法。
【請求項7】
前記質量組合せ数テーブルに含まれる各質量組合せ数と、前記テーブル作成ステップにおいて作成されたテーブルに含まれる前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせとを関連付けるリンク作成ステップと、
外部からの入力信号に基づいて、前記質量組合せ数テーブルに含まれる所定の質量組合せ数に関連付けられた配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを検索する検索ステップと、
前記検索ステップにおいて検索された前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを表示する第2表示ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の原料配合方法。
【請求項8】
複数の成分を互いに異なる比率で含有する複数種類の原料であって、所定の質量でそれぞれ梱包されている前記複数種類の原料の内から、1つ又は複数種類の原料を梱包されている質量の単位で選択することにより、配合後の原料において所望の質量及び所望の範囲の成分比となるように原料を配合する装置において、
配合後の原料において要求される要求質量及び成分比の要求範囲に関する条件を設定する条件設定手段と、
前記条件設定手段において設定された条件に基づいて、配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で表す組合せテーブルを作成するテーブル作成手段と、
を備えることを特徴とする原料配合装置。
【請求項9】
前記テーブル作成手段は、
配合後の質量が前記要求質量となるような前記種類及び質量の組み合わせを、前記梱包されている質量の単位で抽出する第1手段と、
前記第1手段において抽出された組み合わせについて、配合後の成分比が前記要求範囲に含まれるか否かを判定する第2手段と、
を有することを特徴とする請求項8に記載の原料配合装置。
【請求項10】
前記テーブル作成手段において作成されたテーブルの全部又は一部を表示するための設定を行う表示設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の原料配合装置。
【請求項11】
前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせの数を、種類の組み合わせごとにカウントすることにより、種類の組み合わせの各々において使用可能な質量の組み合わせを表す質量組合せ数を求めるカウント手段と、
前記質量組合せ数が前記種類の組み合わせごとに示された質量組合せ数テーブルを作成する第2テーブル作成手段と、
前記質量組合せ数テーブルを表示するための設定を行う表示設定手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の原料配合装置。
【請求項12】
前記質量組合せ数を原料の種類ごとに集計して集計値を求める集計手段をさらに備え、
前記表示設定手段は、前記集計値を前記質量組合せ数テーブルに関連付けて表示するための設定を行う、
ことを特徴とする請求項11に記載の原料配合装置。
【請求項13】
前記集計値に基づいて、配合に使用可能な種類に順位をつける順位判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の原料配合装置。
【請求項14】
前記質量組合せ数テーブルに含まれる各質量組合せ数と、前記テーブル作成手段において作成されたテーブルに含まれる前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせとを関連付けるリンク作成手段と、
外部からの入力信号に基づいて、前記質量組合せ数テーブルに含まれる所定の質量組合せ数に関連付けられた配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを検索する検索手段と、
をさらに備え、
前記表示設定手段は、前記検索手段において検索された前記配合に使用可能な種類及び質量の組み合わせを表示するための設定を行う、
ことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の原料配合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−197965(P2011−197965A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63349(P2010−63349)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】