説明

原稿カバー、およびこれを備えた画像読取装置、画像形成装置

【課題】原稿カバーを回動可能に支持するヒンジ部が、通常とは異なる角度に屈曲されても、ヒンジ部を構成する部品が原稿カバーから外れることのない原稿カバーを提供することを目的とする。
【解決手段】原稿カバー3は、支柱部材50と軸部材60とから構成されるヒンジ部4を備える。ヒンジ部4が原稿カバー3に取り付けられていない状態では、支柱部材50と軸部材60とは、切欠部503と切り込み部603bとが嵌合することで、互いに着脱可能とされる。一方、ヒンジ部4が、原稿カバー3に取り付けられた状態では、一対のスタッド393が、規制部506に当接する。この場合、切欠部503と切り込み部603bとが、互いに嵌合することが規制され、支柱部材50が単独で原稿カバー3(軸部材60)から外れることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取る際に、原稿載置面上の原稿を押さえる原稿カバー、およびこれを備えた画像読取装置、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿画像を読み取る際に、原稿載置面上の原稿を押さえる原稿カバーとして、特許文献1に記載されているような技術が知られている。この技術では、原稿台ガラス(原稿載置面)を備える装置本体に対して、原稿を上方から押さえる原稿カバー(シート原稿送り装置)が回動可能に配設されている。原稿カバーは、ヒンジ部を備え、該ヒンジ部は、ヒンジ軸と、該ヒンジ軸から延設されるスライドレールとを備える。スライドレールは、原稿台ガラスを備える装置本体に、スライド可能に挿入される。そして、原稿カバーは、ヒンジ軸を支点として、装置本体に対して回動可能に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−297665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような技術において、原稿ガラス台上に、用紙よりも厚いブック原稿が載置されることがある。図17は、この際の原稿カバーの様子を模式的に表した側断面図である。原稿カバー300は、ヒンジ軸301と、スライドレール400の上端に配設された嵌合部401との嵌合によって、コンタクトガラス225(原稿載置面)に対して、回転可能に支持されている。ユーザーによって、コンタクトガラス225の上に、厚いブック原稿Bが載置されると、ユーザーは、コンタクトガラス225に機外の光が入らないようにするために、原稿カバー300の手前側(図左側)を下方に向かって押さえる。この結果、原稿カバー300とスライドレール400とは互いに鋭角を形成するように屈曲される。そして、ヒンジ軸301と嵌合部401とは、回転方向において、互いに、通常の用紙がコンタクトガラス225に載置された場合とは異なる回転角に配置される。この結果、ヒンジ軸301がスライドレール400から外れてしまうという不具合があった(矢印D17)。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、原稿カバーを回動可能に支持するヒンジ部が、通常とは異なる角度に屈曲されても、ヒンジ部を構成する部品が離脱することがない原稿カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る原稿カバーは、原稿載置面を有する筐体の前記原稿載置面を覆う原稿カバーであって、カバーフレームと、前記カバーフレームに配設された原稿押さえ部と、前記カバーフレームに配設され、前記原稿載置面に対して、前記原稿押さえ部が開閉するように、前記カバーフレームを回転可能に支持するヒンジ部と、を有し、前記ヒンジ部は、前記回転動作における回転軸芯となる回転軸と、前記カバーフレームまたは前記筐体に装着される第1固定部と、を備える第1部材と、前記回転軸に回転可能に嵌合する嵌合部と、前記カバーフレームまたは前記筐体のうち、前記第1固定部とは異なる側に装着される第2固定部と、を備える第2部材と、を有し、前記第1部材と前記第2部材とは、前記第1固定部または第2固定部が、前記カバーフレームに装着されていない状態であって、互いに着脱可能な第1の状態と、前記回転軸と前記嵌合部とが嵌合した状態において、前記第1固定部または前記第2固定部が、前記カバーフレームに固定されることで、互いの離脱が規制される第2の状態との間で状態変更が可能なことを特徴とする。
【0007】
本構成によれば、原稿カバーは、ヒンジ部によって、前記原稿載置面が配設される筐体に対して開閉可能に支持される。ヒンジ部は、回転軸と第1固定部とを備える第1部材と、嵌合部と第2固定部とを備える第2部材とから構成される。第1部材および第2部材は、原稿カバーのカバーフレームに取り付けられていない状態では、互いに着脱可能(第1の状態)とされる。また、第1部材の回転軸と第2部材の嵌合部とが嵌合した状態において、一方がカバーフレームに取り付けられた状態では、第1部材と第2部材とは、互いの離脱が規制される(第2の状態)。このため、組立段階では、第1部材と第2部材とを組み立てた上で、一方をカバーフレームに取り付けることが可能となる。また、一旦、一方がカバーフレームに取り付けられた場合は、第1部材と第2部材とは互いに離脱されることがない。このため、カバーフレームに装着後、第1部材と第2部材が離脱し、一方が紛失されることが抑止される。
【0008】
上記の構成において、前記回転軸は、軸方向に沿って、周面の一部が切り込まれた切り込み部を有し、前記嵌合部は、前記回転軸に直交する断面視で、前記切り込み部によって形成される前記回転軸の最小外径部に対応して切り欠かれ、かつ、前記回転軸の軸方向に沿って配設された切り欠き部を有し、前記切り込み部が前記切り欠き部を通過して、前記回転軸が前記嵌合部に嵌合することで、前記第1部材と前記第2部材とが、前記第1の状態とされることが望ましい。
【0009】
本構成によれば、切り込み部と切り欠き部とが嵌合することで、第1部材と第2部材とが互いに着脱されることが可能となる。したがって、切り込み部と切り欠き部とを備えることで、カバーフレームと筐体との簡易な着脱機構が実現される。
【0010】
上記の構成において、前記第1固定部は、前記カバーフレームに装着され、前記第2固定部は、前記筐体に装着されることが望ましい。
【0011】
本構成によれば、回転軸と第1固定部とを備える第1部材は、カバーフレームに装着され、嵌合部と第2固定部とを備える第2部材は、原稿載置面が配設される筐体に装着される。
【0012】
上記の構成において、前記カバーフレームは、前記第2部材に対向して突設される突起部を有し、前記第2部材の前記回転軸回りの回転に伴って、前記突起部が前記第2部材に当接することで、前記第1部材と前記第2部材とが、前記第2の状態とされることが望ましい。
【0013】
本構成によれば、第1部材がカバーフレームに装着されると、突起部が第2部材に当接可能とされる。そして、第2部材が回転軸回りに回転されることで、第2部材が突起部に近づき、やがて当接する。該当接によって、第1部材と第2部材とは、互いの離脱が規制される。このため、カバーフレームに配設された簡易な突起部の構成によって、第1部材と第2部材とを第2の状態とすることが可能となる。
【0014】
上記の構成において、前記第1部材は、前記回転軸を両端から支持する一対の軸支板と、前記一対の軸支板を前記回転軸方向に連接する支持板と、前記カバーフレームに対向して、前記支持板に形成される孔部と、を有し、前記突起部は、前記第1固定部が前記カバーフレームに装着されるに際して、前記孔部を貫通し、前記突起部の前記孔部から突出した突出部が、前記第2部材に当接可能とされることが望ましい。
【0015】
本構成によれば、一対の軸支板が回転軸を支持するとともに、該軸支板を支持板が連通して支持する。このため、回転軸の位置が安定して維持される。また、第1固定部をもって第1部材が、カバーフレームに装着されるにあたり、突起部が、支持板に配設された孔部に、挿入される。このため、孔部が突起部によって位置決めされ、第1部材のカバーフレーム上での位置が安定して維持される。
【0016】
上記の構成において、前記第2固定部は、先端部と基端部とを備え、該先端部が前記筐体に挿入されるとともに、前記基端部から前記先端部と異なる方向に突設され、前記突起部が当接する規制部を更に有することが望ましい。
【0017】
本構成によれば、筐体に第2固定部が装着されるにあたり、第2固定部の先端側が筐体に挿入される。一方、第2固定部の基端部には、規制部が突出して配設され、該規制部に突起部が当接する。したがって、先端部が筐体に挿入されている状態でも、突起部が規制部に当接し、第1部材と第2部材とが第2の状態とされることが可能となる。また、規制部が、第2固定部の基端部から先端部と異なる方向に突出しているため、該規制部によって、先端部が筐体へ挿入される際の停止位置が決定される。
【0018】
本発明の他の局面に係る画像読取装置は、上記の何れかに記載の原稿カバーと、前記原稿カバーに対向して配置される原稿載置面と、前記原稿載置面を支持する筐体と、前記原稿載置面に載置された原稿の原稿画像を読み取る読取手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
本構成によれば、原稿カバーのヒンジ部の第1部材および第2部材は、カバーフレームに取り付けられていない状態では、互いに着脱可能(第1の状態)とされる。また、該第1部材および第2部材は、一方がカバーフレームに取り付けられた状態では、互いの離脱が規制される(第2の状態)。このため、筐体に原稿カバーが装着された後、第1部材と第2部材とが分離し、一方が紛失されることが抑止される。特に、原稿載置面にブック原稿が載置された場合であっても、ヒンジ部が通常とは異なる角度に屈曲されることによって、第1部材と第2部材とが分離することが防止される。
【0020】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上記に記載の画像読取装置と、前記原稿画像に応じて画像形成処理を行う画像形成処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
本構成によれば、筐体に原稿カバーが装着された後、第1部材と第2部材とが離脱し、一方が紛失されることが抑止される。特に、原稿載置面にブック原稿が載置された場合であっても、ヒンジ部が通常とは異なる角度に屈曲されることによって、第1部材と第2部材とが離脱することが防止される。したがって、ブック原稿に対して画像形成が実行される場合であっても、ヒンジ部の一部が離脱し、原稿が原稿載置面上でずれることによって、形成される画像に画像欠陥が生じることが抑止される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、原稿カバーを回動可能に支持するヒンジ部が、通常とは異なる角度に屈曲されても、ヒンジ部を構成する部品が離脱することがない。このため、ヒンジ部の部品が紛失することがなく、またヒンジ部が損傷することが抑止される。特に、原稿カバーが、用紙よりも厚いブック原稿を原稿載置面上で押さえる場合であっても、原稿カバーからヒンジ部の構成部品が外れることが防止される。したがって、安定した原稿画像の読み取りが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る原稿カバーの上方斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る原稿カバーを下方斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る原稿カバーが上部筐体に取り付けられる際の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る原稿カバーが上部筐体に取り付けられた際の平面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るヒンジ部の斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係るヒンジ部の構造を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るヒンジ部の構造を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係るヒンジ部の断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係るヒンジ部の断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る原稿カバーを拡大斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る原稿カバーの構造を示す拡大斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る原稿カバーの拡大斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に係る原稿カバーの拡大断面図である。
【図16】本発明の実施形態に係る原稿カバーの拡大断面図である。
【図17】本発明の実施形態に係る原稿カバーの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態にしたがう画像形成装置の斜視図である。図2は、図1に示される画像形成装置の内部構造を概略的に示す図である。図1及び図2に示される画像形成装置は、いわゆる胴内排紙型の複写機であるが、他の実施形態において、プリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。
【0025】
画像形成装置1は、略直方体形状の主筐体2を含む。主筐体2は、略直方体形状の下部筐体21と、下部筐体21の上方に配設される略直方体形状の上部筐体22と、下部筐体21と上部筐体22とを連結する連結筐体23とを含む。連結筐体23は、主筐体2の右縁及び背面縁に沿って延びる。下部筐体21、上部筐体22及び連結筐体23で囲まれる排出空間24に印刷処理が施与されたシートが排出される。
【0026】
上部筐体22の正面方向に突出する操作部221は、例えば、LCDタッチパネル222を含む。操作部221は、画像形成処理に関する情報を入力可能に形成される。ユーザーは、例えば、LCDタッチパネル222を通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。上部筐体22内には、主に原稿の画像を読み取るための機器や画像形成装置1の全体の制御を司る電子回路が収容される。
【0027】
上部筐体22の上に配設される原稿カバー3は、原稿を押さえるために用いられる。原稿カバー3は、上部筐体22に上下に回動可能に取り付けられる。ユーザーは、原稿カバー3の後端を支点として、原稿カバーを上方に回動させ、上部筐体22上に原稿を載置する。その後、ユーザーは操作部221を操作して、原稿の画像を上部筐体22内に配設された機器に読み取らせることができる。なお、本実施形態に係る原稿カバー3については、後記で詳述する。
【0028】
下部筐体21には、複数のシートを積載するシートトレイ250が配設される。シートトレイ250は、下部筐体21から正面方向に引出可能である。シートトレイ250内に収容されたシートPは、下部筐体21内で上方に送り出され、操作部221を通じてユーザーによって入力された指示に基づき、下部筐体21内で画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。
【0029】
下部筐体21の右面には、トレイ212が回動可能に取り付けられる。図1に示されるように、トレイ212が下部筐体21の右方に突出する位置にあるとき、ユーザーはトレイ212上にシートを載置可能である。トレイ212上のシートは、操作部221を通じてユーザーによって入力された指示に基づき、下部筐体21内に引き込まれた後、画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。トレイ212が上方に回動されると、下部筐体21の右面に凹設された収容空間203内にトレイ212が収容され、シートを下部筐体21内に引き込むための供給口を塞ぐ。
【0030】
下部筐体21は、シートに画像を形成するための様々な機器を収容する。また、連結筐体23は、画像形成処理が施与されたシートを排出空間24へ排出するための様々な機器を収容する。
【0031】
図2は、図1に示される画像形成装置1の内部構造を概略的に示す。上部筐体22は、走査機構224(読取手段)を収容する。ユーザーは、走査機構224を通じて、所望の原稿の画像を画像形成装置1に読み取らせることができる。走査機構224上には、上部筐体22の上面に取り付けられるコンタクトガラス225が配設される。原稿カバー3は、コンタクトガラス225上に載置された原稿を押さえるために用いられる。ユーザーが、操作部221を通じて、画像形成装置1を作動させると、走査機構224は、コンタクトガラス225上の原稿の画像を走査して読み取る。走査機構224によって読み取られた画像のアナログ情報は、デジタル信号に変換される。画像形成装置1は、デジタル信号に基づき、シートに画像を形成する。
【0032】
下部筐体21には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bk、中間転写ユニット902、画像形成部903、露光ユニット904、定着ユニット97及び排紙ユニット96、搬送ユニット3が収容される。
【0033】
画像形成部903は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Bkを含む。これらコンテナの下方には、YMCBk各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Bkがそれぞれ配設される。
【0034】
画像形成部903は、各色のトナー像を担持する感光体ドラム17を含む。感光体ドラム17として、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bkからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。
【0035】
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10(10Y、10M、10C、10Bk)、転写器19及びクリーニング装置18が配置される。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の表面は、露光ユニット904によって露光され、静電潜像が形成される。露光ユニット904は、上述の走査機構224によって生成されたデジタル信号に基づき、レーザ光を照射する。現像装置10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bkから供給される各色のトナーを用いて、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像(可視像化)する。転写ローラー19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
【0036】
各現像装置10Y、10M、10C、10Bkは、現像筐体20を備える。現像筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納される。また、現像筐体20内には、現像筐体20の底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラー11、12が回転可能に配置される。
【0037】
現像筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定されており、攪拌ローラー11、12は循環経路内に配設される。攪拌ローラー11、12の間の軸方向には、現像筐体20の底部から立設された仕切り壁201が設けられる。仕切り壁201は、循環経路を区画する。仕切り壁201の周囲を周回するように、循環経路が形成される。2成分現像剤は、循環経路を攪拌ローラー11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
【0038】
2成分現像剤は、攪拌ローラー11及び12によって攪拌されつつ現像筐体20内を循環し、トナーが帯電される。攪拌ローラー11上の2成分現像剤は、上側に位置する磁気ローラー14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は、磁気ローラー14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ブラシは、ドクターブレード13によって層厚規制され、更に上方の現像ローラー15にトナーを供給する。現像ローラー15上のトナー層は、磁気ローラー14と現像ローラー15との間の電位差によって形成される。トナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0039】
露光ユニット904は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成部903の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0040】
中間転写ユニット902は、中間転写ベルト921、駆動ローラー922及び従動ローラー923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、シートトレイ250又はトレイ212(図1参照)から供給されるシートに二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラー922及び従動ローラー923は、下部筐体21によって回転自在に支持される。
【0041】
定着ユニット97は、中間転写ユニット902から二次転写されたシート上のトナー像に対し、定着処理を施す。定着処理されたカラー画像付のシートは、定着ユニット97の上部(連結筐体23内)に形成された排紙ユニット96へ向けて排出される。
【0042】
排紙ユニット96は、定着ユニット97から搬送されたシートを、排紙トレイとして用いられる下部筐体21の上面213上に排出する。
【0043】
<原稿カバーについて>
次に、図3から図6を参照して、本実施形態に係る原稿カバー3について説明する。図3は、原稿カバー3単体の斜視図である。図4は、原稿カバー3を裏面(下面)から見た斜視図である。図5は、本実施形態に係る原稿カバー3が上部筐体22に取り付けられる際の斜視図である。図6は、上部筐体22に原稿カバー3が取り付けられた状態の平面図である。
【0044】
原稿カバー3は、カバーフレーム30と、マット32と、ヒンジ部4とを供える。カバーフレーム30は、平板状の天板31と、該天板31の四辺から、それぞれ立設される前枠34と、後枠35と、一対の側枠33a、33bとを備える。図4を参照して、カバーフレーム30の裏面には、縦リブ36と、横リブ37と、把持部38とが、配設されている。
【0045】
縦リブ36は、前枠34から後枠35に渡って、天板31の裏面に配設された複数のリブ部材であり、同様に、横リブ37は、一対の側枠33a、33b間において天板31の裏面に配設された複数のリブ部材である。縦リブ36および横リブ37が、天板31の裏面に交差して配設されることによって、平板状のカバーフレーム30の剛性が確保される。
【0046】
マット32(原稿押さえ部)は、原稿カバー3が上部筐体22(筐体)に取り付けられた際に、コンタクトガラス225(原稿載置面)上の原稿を押さえる機能を備える。マット32は、平板状の弾性部材からなり、原稿カバー3の裏面中央部に、天板31よりも僅かに小さな面積をもって配設されている。マット32は、交差した複数の縦リブ36および横リブ37の上に、接着固定されている。
【0047】
ヒンジ部4は、天板31の裏面であって、後枠35に沿って互いに離間して一対、配設されている。該一対のヒンジ部4は、それぞれ後枠35の中央部から側枠33a、33b側にずれた位置に配設されている。ヒンジ部4は、カバーフレーム30から突設され、天板31に対して軸部603(図3)を中心に回動可能なアーム部504を備える。図5に示すように、ヒンジ部4のアーム部504(第2固定部)は、上部筐体22の上面フレーム223上であって、コンタクトガラス225の後方に配設された一対の差込口223aに挿入される。これにより、原稿カバー3と上部筐体22とが固定される。そして、原稿カバー3は、ヒンジ部4に支持されながら、軸部603を中心に、前枠34が上下に移動するように回動する。該原稿カバー3の回動によって、コンタクトガラス225の前方が開放され、ユーザーは、原稿をコンタクトガラス225上にセットすることが可能となる。
【0048】
<ヒンジ部4の構造>
次に、図7から図9を参照して、本実施形態に係るヒンジ部4の構造を説明する。ヒンジ部4は、上部筐体22側に固定される支柱部材50(第2部材)と、カバーフレーム30側に固定される軸部材60(第1部材)とから構成される。図7は、ヒンジ部4が原稿カバー3に取り付けられる際と略同じ姿勢で見た上方斜視図である。図8および図9は、図7のヒンジ部4を上下方向に反転させ、支柱部材50と軸部材60とを分離した状態の斜視図である。図8および図9は、互いに、水平方向において異なる視点から見た図である。
【0049】
支柱部材50は、断面視でCの字の形状を備える略円筒体からなる円筒部501と、該円筒部501の周面から一の方向に突設されたアーム部504(第2固定部)とを備える。
【0050】
円筒部501は、支柱部材50において、軸部材60と嵌合する機能を備える。円筒部501は、外周部501aと、支持部502(嵌合部)と、切欠部503(切り欠き部)と、一対の側壁501fとから画定される。外周部501aは、円筒部501の外周面部分を構成し、支持部502は、円筒部501の内周面部分を構成する。切欠部503は、支持部502の周方向の一部が、円筒部501の軸方向に沿って、切り欠かれることで形成される。切欠部503は、支持部502の環状空間を開放する開口である。一対の側壁501fは、外周部501aと支持部502とを円筒軸方向の両端で連接する。支持部502は、支柱部材50と軸部材60とが組みつけられた際に、軸部材60の軸部603によって支持される。また、切欠部503は、軸部材60の切り込み部603bと嵌合する。
【0051】
更に、円筒部501は、外周部501aの一部に、平端面501bを備える。平端面501bは、円筒軸と直交する断面視で、外周部501aの周上の一部が接線方向に延伸されることで形成される。また、平端面501bの先端には、該平端面501bに対し直交して配設された当接面501cが備えられ、平端面501bと当接面501cとが交差することによって、直角部501dが形成される。直角部501dは、側壁501fよりも、円筒軸方向外側に僅かに突出した形状を備える。当接面501cは、支柱部材50が、上部筐体22に装着された際に、上面フレーム223に当接する機能を備える。
【0052】
アーム部504は、円筒部501に連接された略角柱形状部材であり、上部筐体22側に装着される機能を備える。アーム部504は、第1挿入面504aと、傾斜部504bと、第2挿入面504c(図9)と、先端部505と、一対の側壁リブ504dと、一対の凹部504eとから画定される。また、アーム部504は、ストッパー505aと、規制部506とを備える。
【0053】
第1挿入面504aは、当接面501cの他端501eから、当接面501cに直交して延伸される。また、傾斜部504bは、該第1挿入面504aの先端に傾斜して連接される。第2挿入面504c(図9)は、傾斜部504bと第1挿入面504aとの反対側で、該第1挿入面504aと平行に延伸される。先端部505は、傾斜部504bと第2挿入面504cとを、アーム部504の先端側で連接する。一対の側壁リブ504dは、アーム部504の側面で、第1挿入面504a、傾斜部504b、先端部505、第2挿入面504cのそれぞれに沿って配設されたリブ形状部分であり、一対の凹部504eは、該側壁リブ504dに囲まれ、端面が陥没して形成された樹脂成型上の肉抜き部分である。
【0054】
ストッパー505aは、第2挿入面504cの先端部505側で、第2挿入面504cの幅方向中央部に突設される。ストッパー505aは、円筒部501の円筒軸と直交する断面視で台形形状を備え、先端部505側に向かって傾斜するテーパ面を有する。ストッパー505aは、支柱部材50が上部筐体22側に装着された際の抜け防止機能を備える。
【0055】
規制部506(突起部)は、第2挿入面504cにおけるストッパー505aの反対側(アーム部504の基端部)に、第2挿入面504cが延伸する方向に直交して突設される。規制部506は、第2挿入面504cの幅方向全域に亘って配設される。規制部506は、ヒンジ部4がフレームカバー30に装着された際に、支柱部材50と軸部材60とが互いに離脱することを防ぐ機能を備える。
【0056】
軸部材60は、軸部603(回転軸)と、一対の平板からなる軸支板601と、該一対の軸支板601を連接する連結板604と、同様に一対の軸支板601を連接する底板605(支持板)と、軸支板601から突設される締結部602(第1固定部)とを備える。
【0057】
軸部603は、略円柱形状を有し、円柱形状の周面が、軸方向に沿って切り込まれた一対の切り込み部603bと、該一対の切り込み603bを連接する、円柱周面からなる一対の円周部603a(図8)とを有する。なお、一対の切り込み部603bが形成する軸部603の最小外径部の距離は、前述の支柱部材50の切欠部503において、円筒軸に直交する断面上の切り欠き幅よりも僅かに小さく設定されている。軸部603は、支柱部材50の支持部502を支持するともに、支柱部材50が回転するための回転軸芯となる。
【0058】
一対の軸支板601は、軸部603の両端で、対向して配設される一対の板状部材である。軸支板601は、軸部603の断面円形よりも大きな径を有する円板形状からなる軸支面601aと、該軸支面601aに連接される略矩形形状からなる締結支持面601bとを有する(図8)。
【0059】
連結板604(図9)は、一対の軸支板601を、締結支持面601bの一辺をもって連接する板状部材であって、軸部603に対向して配設される。また、底板605(図7)は、連結板604に直交し、一対の軸支板601を連接する板状部材である。底板605は、軸部603の軸方向に沿った2箇所に、貫通して配設された孔605aと長孔605bとを備える。
【0060】
締結部602は、一対の締結支持面601bから、軸部603の軸方向外側にそれぞれ延設される一対の板状部材である。締結部602は、底板605に対して所定の段差をもつように、配設される。換言すれば、ヒンジ部4が原稿カバー3に取り付けられる際の姿勢と略同じ姿勢で示された図7において、底板605は、一対の締結部602に対して段差をもつように、上方に突出して配設されている。一対の締結部602は、それぞれ略U字型形状を備え、各締結部602の中央部には、板状部材を貫通して形成される締結穴602aが配設される。
【0061】
上記の一対の軸支板601と、軸部603と、連結板604と、底板605とによって囲まれた領域には、支柱部材50の回転に応じて、該支柱部材50の一部が収容される可動空間606が形成される。
【0062】
<ヒンジ部4の組立>
次に、図9〜図11を参照して、本実施形態に係るヒンジ部4の組立構造について説明する。支柱部材50と軸部材60とを互いに接続して、ヒンジ部4を組み立てるに当たり、図9に示すように、支柱部材50の切欠部503と、軸部材60の円周部603aとが軸方向において平行に、互いに対向するように配置される。図10は、この姿勢で、軸部材60と支柱部材50とを接合する際の断面図である。支柱部材50の切欠部503が、軸部材60の一対の切り込み部603b間で形成される小径部D91に摺擦しながら、支柱部材50が矢印D92の方向に挿入される。この際、軸部材60の可動空間606に、支柱部材の規制部506が進入してゆく。
【0063】
更に、切欠部503を挿入し続けると、図11に示すように、支柱部材50の支持部502の内周面が、軸部603の一方の円周部603a1に当接する。同時に、他方の円周部603a2が、支持部502の円周の内側に位置する。この結果、軸部603が、支持部502の内側に収容される。また、可動空間600に進入した規制部506は、底板605に形成された孔605a(長孔605b)に対向する位置で、停止する。
【0064】
そして、支柱部材50を図11の矢印D11に示すように回転させると、該回転に伴って、軸部材60の円周部603a2が、切欠部503から離れるように回転する。すなわち、切欠部503に対向していた小径部D91(図10)が、周方向にずれるため、軸部材60に対して、支柱部材50が外れることなく、両者が連結される。また、規制部506は、連結板604の内壁先端604bに対向しながら、可動空間606から退避する。この結果、図7に示すようなヒンジ部4が、完成する(第1の状態)。
【0065】
<ヒンジ部4の取り付け>
次に、図12から図14を参照して、本実施形態に係るヒンジ部4とカバーフレーム30との取り付け構造について説明する。図12を参照して、カバーフレーム30は、ヒンジ部4が取り付けられる位置に対応して、取り付け部39を備える。取り付け部39は、天板31の裏面であって、後枠35の内側に配設される。取り付け部39は、後枠35との間で収容空間を形成するコの字型の収容枠391と、収容枠391に対向して、後枠35の一部が切り欠かれて形成される退避部392と、収容枠391の内側であって、天板31の裏側に突設して配置される一対のネジ穴部394と、該一対のネジ穴部394の更に内側で、天板31の裏側から突設される一対のスタッド393とを備える。
【0066】
図13および図14を参照して、予め組み立てられたヒンジ部4が、取り付け部39に、組みつけられる。ヒンジ部4において、軸部材60の一対の締結穴602a(図7)には、スクリューSが挿通され、取り付け部39のネジ穴部394に、該スクリューSが締結される。また、取り付け部39の一対のスタッド393が、軸部材60の孔605aおよび長孔605bにそれぞれ、挿通される。そして、収容枠391と後枠35との間の空間に、軸部材60の底板605と締結部602の一部とが収容される。
【0067】
<ヒンジ部4の作用>
次に、図15および図16を参照して、本実施形態に係るヒンジ部4の作用について説明する。図15は、ヒンジ部4が取り付けられた原稿カバー3が、上部筐体2に取り付けられた状態の拡大断面図であり、図16は、コンタクトガラス225上に、ブック原稿が置かれた場合の、ヒンジ部4の周辺を示した拡大断面図である。
【0068】
図15を参照して、原稿カバー3が上部筐体2に取り付けられる際、アーム部504は、上面フレーム223に配設された差込口223a(図5参照)に挿入される(矢印D151)。この際、差込口223aの開口幅は、アーム部504の第1挿入面504aと第2挿入面504cとの間隔に対応して設定されている。したがって、第2挿入面504cの先端に突設されたストッパー505aは、差込口223aの内壁に摺擦されながら、差込口223aに挿入される。そして、アーム部504の基端部から互いに反対方向に突出した直角部501dと規制部506とが、上面フレーム223の表面に当接することで、アーム部504の挿入が停止する。なお、アーム部504は差込口223aを介して、上方にスライド移動可能であるため、所定の範囲で、原稿カバー3の上下移動が可能となる。
【0069】
原稿カバー3が上部筐体2に取り付けられた状態で、コンタクトガラス225上に所定の厚さをもったブック原稿Bなどが裁置された場合(図17参照)、ユーザーは、コンタクトガラス225に機外からの光が進入しないように、原稿カバー3の前面を上方から下方に押さえつける。この結果、原稿カバー3は、図16に示すように、前方(図左側)が下方に、後方(ヒンジ部4側)が上方に引き上げられる(矢印D161、D162)。この際、アーム部504の上方への移動は、上面フレーム223の内側端部223bに、ストッパー505aが当接することで、停止する。
【0070】
このように、原稿カバー3において、カバーフレーム30とアーム部504とが、互いに鋭角をなすような姿勢にされた場合であっても、カバーフレーム30から突設されたスタッド393が、アーム部504の基端部から突設された規制部506に当接する。このため、更なるカバーフレーム30の回転(矢印D162)が抑止される。したがって、カバーフレーム30と支柱部材50との相対的な回転によって、支柱部材50の切欠部503と軸部材60の円周部603aとが対向し、軸部603が、支持部502から抜け出すことが防止される(第2の状態)。このため、上部筐体22への原稿カバー3の装着後に、カバーフレーム30側に軸部材60を残したまま、支柱部材50が軸部材60から外れることがない。このように、ブック原稿Bがコンタクトガラス225上に載置された場合であっても、ヒンジ部4の一部が外れることがないため、原稿カバー3とコンタクトガラス225との間で挟まれたブック原稿Bがずれにくい。このため、ブック原稿Bの原稿画像が、走査機構224によって、安定して読み取られることが可能となる。
【0071】
また、本実施形態では、ヒンジ部4をカバーフレーム30に取り付ける際に、取り付け部39の一対のスタッド393が、軸部材60の底板605に配設された孔605aおよび長孔605bにそれぞれ、挿通される。この結果、孔605aおよび長孔605bが、スタッド393によって位置決めされるため、軸部材60のカバーフレーム30上での位置が安定して維持される。
【0072】
更に、本実施形態では、規制部506が、アーム部504の基端部から突設されている。このため、アーム部504が上部筐体22に挿入されている状態でも、スタッド393が規制部506に当接し、軸部材60と支柱部材50とが、互いに離脱できないようにされることが可能となる。また、規制部506が、アーム部504の延伸方向と異なる方向に突出しているため、該規制部506が上面フレーム223に当接し、アーム部504が上部筐体22へ挿入される際の停止位置が決定される。
【0073】
以上、本実施形態では、ヒンジ部4が、カバーフレーム30に取り付けられている場合には、カバーフレーム30のスタッド393が、支柱部材50の規制部506に当接するため、支柱部材50と軸部材60とが互いに離脱することがない(第2の状態)。一方、ヒンジ部4がカバーフレーム30に取り付けられていない場合には、スタッド393が存在しないため、支柱部材50の規制部506が、軸部材60の可動空間606まで進入することができる(図11)。したがって、軸部材60に対する支柱部材50の相対的な回転が規制されず、支柱部材50の切欠部503と軸部材60の切り込み部603bとが互いに嵌り合うことで、支柱部材50と軸部材60とが互いに離脱することが可能となる(第1の状態)。
【0074】
以上、本発明の実施形態に係るヒンジ部4を備えた原稿カバー3及び画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
【0075】
(1)上記実施形態では、ヒンジ部4を構成するにあたり、カバーフレーム30側に固定される部材(軸部材60)が軸部603を備え、上部筐体2に挿入される部材(支柱部材50)が円筒部501を備える態様を示したが、これに限られるものではない。すなわち、天板31側に固定される部材が、円筒部501を備え、上部筐体2に挿入される部材が、軸部603を備える構成であってもよい。この場合であっても、円筒部501に配設された切欠部503と、軸部603に形成された切り込み部603bとの嵌合によって、ヒンジ部4が形成され、原稿カバー4がコンタクトガラス225に対して、開閉可能に支持される。
【0076】
(2)上記実施形態では、ヒンジ部4が原稿カバー3に取り付けられる態様にて示したが、これに限られるものではない。たとえば、ヒンジ部4は、原稿が載置され、原稿読取位置に自動で原稿を搬送するADF(自動原稿読取装置)に取り付けられる構成であってもよい。
【0077】
(3)また、上記の実施形態では、カバーフレーム30から突設された一対のスタッド393が、軸部材60の底板605に配設された孔605aおよび長孔605bを貫通し、支柱部材50の規制部506に当接する態様にて示したが、これに限られるものではない。すなわち、軸部材60は、底板605(孔605a、長孔605b)を備えず、一対の軸支板601は、連結板604のみによって連結される構成であってもよい。この場合、ヒンジ部4が、カバーフレーム30に装着され、一対のスタッド393は、一対の軸支板601によって囲まれた空間内に突出する。そして、スタッド393は、支柱部材50の軸部603回りの回転に伴って、直接、規制部506に当接する。本構成においても、ヒンジ部4がカバーフレーム30に装着された後、支柱部材50と軸部材60との互いの離脱が抑止される。
【符号の説明】
【0078】
1 画像形成装置
22 上部筐体(筐体)
224 走査機構(読取手段)
225 コンタクトガラス(原稿載置面)
3 原稿カバー
30 カバーフレーム
31 天板
32 マット(原稿押さえ部)
39 取り付け部
393 スタッド(突起部)
394 ネジ穴部
4 ヒンジ部
50 支柱部材
501 円筒部
502 支持部(嵌合部)
503 切欠部(切り欠き部)
504 アーム部(第2固定部)
505 先端部
505a ストッパー
506 規制部
60 軸部材
601 軸支板
602 締結部(第1固定部)
603 軸部(回転軸)
603a 円周部
603b 切り込み部
604 連結板
605 底部(支持板)
605a 孔(孔部)
605b 長孔(孔部)
606 可動空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿載置面を有する筐体の前記原稿載置面を覆う原稿カバーであって、
カバーフレームと、
前記カバーフレームに配設された原稿押さえ部と、
前記カバーフレームに配設され、前記原稿載置面に対して、前記原稿押さえ部が開閉するように、前記カバーフレームを回転可能に支持するヒンジ部と、
を有し、
前記ヒンジ部は、
前記回転動作における回転軸芯となる回転軸と、前記カバーフレームまたは前記筐体に装着される第1固定部と、を備える第1部材と、
前記回転軸に回転可能に嵌合する嵌合部と、前記カバーフレームまたは前記筐体のうち、前記第1固定部とは異なる側に装着される第2固定部と、を備える第2部材と、
を有し、
前記第1部材と前記第2部材とは、前記第1固定部または第2固定部が、前記カバーフレームに装着されていない状態であって、互いに着脱可能な第1の状態と、前記回転軸と前記嵌合部とが嵌合した状態において、前記第1固定部または前記第2固定部が、前記カバーフレームに固定されることで、互いの離脱が規制される第2の状態との間で状態変更が可能なことを特徴とする原稿カバー。
【請求項2】
前記回転軸は、軸方向に沿って、周面の一部が切り込まれた切り込み部を有し、
前記嵌合部は、前記回転軸に直交する断面視で、前記切り込み部によって形成される前記回転軸の最小外径部に対応して切り欠かれ、かつ、前記回転軸の軸方向に沿って配設された切り欠き部を有し、
前記切り込み部が前記切り欠き部を通過して、前記回転軸が前記嵌合部に嵌合することで、前記第1部材と前記第2部材とが、前記第1の状態とされることを特徴とする請求項1に記載の原稿カバー。
【請求項3】
前記第1固定部は、前記カバーフレームに装着され、
前記第2固定部は、前記筐体に装着されることを特徴とする請求項1または2に記載の原稿カバー。
【請求項4】
前記カバーフレームは、前記第2部材に対向して突設される突起部を有し、
前記第2部材の前記回転軸回りの回転に伴って、前記突起部が前記第2部材に当接することで、前記第1部材と前記第2部材とが、前記第2の状態とされることを特徴とする請求項3に記載の原稿カバー。
【請求項5】
前記第1部材は、
前記回転軸を両端から支持する一対の軸支板と、
前記一対の軸支板を前記回転軸方向に連接する支持板と、
前記カバーフレームに対向して、前記支持板に形成される孔部と、
を有し、
前記突起部は、前記第1固定部が前記カバーフレームに装着されるに際して、前記孔部を貫通し、前記突起部の前記孔部から突出した突出部が、前記第2部材に当接可能とされることを特徴とする請求項4に記載の原稿カバー。
【請求項6】
前記第2固定部は、先端部と基端部とを備え、該先端部が前記筐体に挿入されるとともに、
前記基端部から前記先端部と異なる方向に突設され、前記突起部が当接する規制部を更に有すること
を特徴とする請求項4または5に記載の原稿カバー。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の原稿カバーと、
前記原稿カバーに対向して配置される原稿載置面と、
前記原稿載置面を支持する筐体と、
前記原稿載置面に載置された原稿の原稿画像を読み取る読取手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像読取装置と、
前記原稿画像に応じて画像形成処理を行う画像形成処理部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−105141(P2013−105141A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250685(P2011−250685)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】