説明

原稿読取装置、画像形成装置および画像形成システム

【課題】低コストで適切な原稿サイズを検知して利便性、操作性を向上させることのできる原稿読取装置を提供する。
【解決手段】原稿を読み取って画像情報を生成する生成手段(スキャナ装置101)と、生成された画像情報に基づいて原稿の幅に関する情報を取得する取得手段(幅情報取得部102)と、原稿のサイズに関する情報を格納する格納手段(サイズ情報格納部107)と、系列についての設定を行う設定手段(原稿サイズ系列設定部103)と、設定された系列における原稿の各サイズの許容範囲を指定する指定手段(マージン指定部104)と、取得された原稿の幅に関する情報、設定された前記系列の情報および指定した許容範囲に基づいて、系列内における一つのサイズを原稿のサイズとして検知する検知手段(原稿サイズ検知部105)とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読取装置、画像形成装置および画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
大判のポスターや図面を複写(コピー)する際には、比較的大きなサイズの原稿を読み取り可能なワイドフォーマットの複写機が用いられる。
【0003】
原稿(用紙)のサイズは、日本工業規格やISO等によって規格化されており、JIS A系列(A0、A1・・・)、JIS B系列(B0、B1・・・)、ISO A系列、ISO B系列などの各種系列が汎用されている。
【0004】
また、各国ごとに別系列の原稿(用紙)が用いられることがある。例えば、アメリカ合衆国等では、American National Standards Institute(ANSI規格)として、8.5インチ、11インチ・・・等の系列が用いられている。
【0005】
さらに、印刷業者等によっては、上記の系列に属さない独自規格の原稿(用紙)を用いる場合もある。
【0006】
これらの各種サイズの原稿を的確に読み取って画像情報を生成するために、原稿サイズを自動的に検知する機能を備えた装置が種々開発されている。
【0007】
例えば、特開平6−78100号公報には、予め指定された定形原稿の中から、原稿イメージより大きな定形サイズの内、最も小さい定形サイズを原稿のサイズとして原稿サイズ検知を行う原稿サイズ検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−78100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、低コストで適切な原稿サイズを検知して利便性、操作性を向上させることのできる原稿読取装置、画像形成装置および画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る原稿読取装置は、原稿を読み取って画像情報を生成する生成手段と、該生成手段で生成された画像情報に基づいて前記原稿の幅に関する情報を取得する取得手段と、前記原稿のサイズに関する情報を格納する格納手段と、前記原稿の複数のサイズに関する情報からなる少なくとも一つの系列についての設定を行う設定手段と、前記設定手段で設定された系列における前記原稿の各サイズの許容範囲を指定する指定手段と、前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報、前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして検知する検知手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明に係る原稿読取装置は、請求項1に記載の発明について、前記設定手段は、予め設定された複数のサイズに関する情報からなる系列について、少なくとも一つのサイズに関する情報を追加または削除することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明に係る原稿読取装置は、請求項1または請求項2の何れかに記載の発明について、前記設定手段は、前記系列に含まれる各サイズについて、前記検知手段における検知対象とするか否かを設定することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係る原稿読取装置は、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記検知手段は、前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、閾値を算定する算定手段と、該算定手段で算定された閾値に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして選択する選択手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明に係る原稿読取装置は、請求項4に記載の発明について、前記選択手段は、前記算定手段で算定された閾値が、前記系列内において隣接するサイズの中間であった場合に、前記閾値と前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報とを比較し、前記閾値未満または前記閾値以下である場合には、隣接するサイズの内、小さい方のサイズを選択し、前記閾値以上または前記閾値を超える場合には、隣接するサイズの内、大きい方のサイズを選択することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明に係る原稿読取装置は、請求項1から請求項5の何れかに記載の発明について、前記指定手段は、前記許容範囲の指定により、複数のサイズ間で前記許容範囲が重複する状態となった場合には、当該指定を不可とすることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明に係る原稿読取装置は、請求項1から請求項6の何れかに記載の発明について、前記指定手段による許容範囲の指定により、複数のサイズ間で前記許容範囲が重複する場合には、警告を行う警告手段をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明に係る画像形成装置は、原稿を読み取る原稿読取装置と、該原稿読取装置からの出力に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部とを有し、前記原稿読取装置は、原稿を読み取って画像情報を生成する生成手段と、該生成手段で生成された画像情報に基づいて前記原稿の幅に関する情報を取得する取得手段と、前記原稿のサイズに関する情報を格納する格納手段と、前記原稿の複数のサイズに関する情報からなる少なくとも一つの系列についての設定を行う設定手段と、前記設定手段で設定された系列における前記原稿の各サイズの許容範囲を指定する指定手段と、前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報、前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして検知する検知手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明に係る画像形成システムは、原稿を読み取る原稿読取装置と、通信手段を介して該原稿読取装置と接続され、前記原稿読取装置からの出力に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成装置とを有し、前記原稿読取装置は、原稿を読み取って画像情報を生成する生成手段と、該生成手段で生成された画像情報に基づいて前記原稿の幅に関する情報を取得する取得手段と、前記原稿のサイズに関する情報を格納する格納手段と、前記原稿の複数のサイズに関する情報からなる少なくとも一つの系列についての設定を行う設定手段と、前記設定手段で設定された系列における前記原稿の各サイズの許容範囲を指定する指定手段と、前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報、前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして検知する検知手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0020】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、低コストで適切な原稿サイズを検知して、ユーザの利便性や操作性を向上させることが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザ等の使用環境に対応させた適切な原稿サイズを検知して、利便性や操作性を向上させることが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザ等に検知対象を設定させ、適切な原稿サイズを検知して、利便性や操作性を向上させることが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、算定された閾値に基づいて適切な原稿サイズを検知して、利便性や操作性を向上させることが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、算定された閾値に基づいて、より適切な原稿サイズを検知して、利便性や操作性を向上させることが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、複数のサイズ間で許容範囲が重複する状態を回避して、利便性や操作性を向上させることが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、複数のサイズ間で許容範囲が重複する状態を警告して、利便性や操作性を向上させることが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、低コストで適切な原稿サイズを検知して、ユーザの利便性や操作性を向上させることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、低コストで適切な原稿サイズを検知して、ユーザの利便性や操作性を向上させることが可能な画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置PR1の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】原稿サイズとして扱う定形サイズの情報の例を示す表である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置PR1におけるマージン等の編集画面の例を示す説明図である。
【図4】設定変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】定形原稿判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係る画像形成装置PR1における設定不可の警告画面の例を示す説明図である。
【図7】定形サイズ幅重複検知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】重複検知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】マージンのマイナス範囲チェック処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】マージンのプラス範囲チェック処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係る画像形成装置PR1における一括マージン指定の画面遷移の例を示す説明図である。
【図12】数値指定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】一括重複検知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】定形原稿対象最大サイズIDの取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】次に大きい定形原稿対象最大サイズIDの取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】数値指定一括更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】中間サイズ丸め処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】中間指定一括更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】上位サイズ丸め処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】上位サイズ丸め一括更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】下位サイズ丸め処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】下位サイズ丸め一括更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】丸め処理の実行状態を模式的に示す説明図である。
【図24】比較対象としての原稿読取装置の概略構成例を示す概略図である。
【図25】比較対象としての原稿読取装置による原稿サイズの検知例を示す表である。
【図26】比較対象としての原稿読取装置によって使用される原稿系列の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0031】
図1から図18を参照して、本発明についての実施の形態に係る画像形成装置PR1について説明する。
【0032】
図1に示すように、画像形成装置PR1は、原稿を読み込んで画像情報(画像データ)に変換する原稿読取装置100と、原稿読取装置100で変換された画像情報に基づいて印刷用紙等の記録媒体に画像形成(印刷)を行う画像形成部200とから構成されている。
【0033】
なお、画像形成部200は、プリンタエンジン等で構成されるが、本発明とは直接関連しないので、詳細な構成については省略する。
【0034】
原稿読取装置100は、図面やポスター等の原稿を光学的に読み取って電子的な画像データを生成するスキャナ装置101(生成手段の一例)と、スキャナ装置101で生成された画像データに基づいて原稿の幅に関する情報を取得する幅情報取得部102(取得手段の一例)と、原稿のサイズに関する情報(原稿サイズの定形化された系列情報等)を格納する原稿サイズ情報格納部107(格納手段の一例)と、原稿の複数のサイズに関する情報からなる少なくとも一つの系列についての設定を行う原稿サイズ系列設定部103(設定手段の一例)と、原稿サイズ系列設定部103で設定された系列における原稿の各サイズの許容範囲(マージン)を指定するマージン指定部104(指定手段の一例)と、幅情報取得部102で取得された原稿の幅に関する情報、原稿サイズ系列設定部103で設定された系列の情報およびマージン指定部104で指定した許容範囲に基づいて、系列内における一つのサイズを原稿のサイズとして検知する原稿サイズ検知部105(検知手段の一例)と、マージン指定の結果、重複部分が発生した場合に「設定不可」等の警告を報知する警告報知部106(警告手段の一例)を備えている。
【0035】
スキャナ装置101の読み取り方式は特には限定されず、Charge Coupled Devices(CCD)方式、Contact Image Sensor(CIS)方式等の何れであってもよい。
【0036】
また、特には限定されないが、原稿サイズ系列設定部103およびマージン指定部104は、例えば、液晶表示装置を備えるタッチパネル等で構成される。原稿サイズ系列設定部103およびマージン指定部104の詳細な表示態様等については図面を参照して後述する。
【0037】
原稿サイズ検知部105は、例えばマイクロコンピュータ等で構成され、原稿サイズ系列設定部103で設定された系列の情報およびマージン指定部104で指定した許容範囲(マージン)に基づいて、閾値を算定する閾値算定部150(算定手段の一例)と、この閾値算定部150で算定された閾値に基づいて、系列内における一つのサイズを原稿のサイズとして選択する原稿サイズ選択部151(選択手段の一例)とを有している。
【0038】
原稿サイズ情報格納部107には、例えば図2に示すような「原稿サイズとして扱う定形サイズの情報」がテーブルとして格納されている。
【0039】
図2に示す例では、定形サイズとして、「JIS/ISO A0〜A4、JIS B1〜B5、ISO B1〜B5、ANSI E〜A、Architectural E〜A、独自規格である特A0からA2、非定形」の情報が格納され、各サイズに対応させて、ID(インデックス番号)、幅(単位mm)、定形原稿として対象にするか否か(ON/OFF)、+側(幅が広がる側)、−側(幅が狭まる側)のマージン(単位mm)に関する情報が格納されている。
【0040】
定形原稿として対象にするか否かの設定およびマージンについては、ユーザが任意に設定変更することが可能となっている。
【0041】
ここで、図3を参照して、定形原稿対象とマージンの設定変更の画面表示および手順について説明する。
【0042】
図3の(A)に示す表示画面では、画像形成装置PR1が備えるタッチパネル等の表示部には、定形サイズ、幅、定形原稿対象、マージンに関する情報が、各サイズに対応させた表形式で表示される。なお、ここに示す例では、定形サイズに関する情報は、複数ページに渡って格納されている。
【0043】
表示画面(A)において、各ボタンB1は編集作業への移行ボタン、ボタンB2は前ページへの移行ボタン、ボタンB3は次ページへの移行ボタン、ボタンB4は設定変更を確定させて反映させるボタンであり、ユーザが指やスタイラスペン等で画面上の各ボタンに触れることで各操作が実行される。
【0044】
図3の(B)に示す表示画面は、上記ボタンB1の何れかが操作された場合に、表示画面(A)から切り換えて表示される。
【0045】
表示画面(B)に示す例では、ボタンB1の操作により、原稿サイズ「JIS/ISO A0」の編集が選択された場合を示す。
【0046】
表示画面(B)において、ボタンB10は定形原稿対象のONを選択するボタン、ボタンB11は定形原稿対象のOFFを選択するボタン、ボタンB12はマージンをプラス(増やす)場合の操作ボタン、ボタンB13はマージンをマイナス(減らす)場合の操作ボタン、ボタンB14は設定の取り消しを指示するボタン、ボタンB15は設定変更を決定するボタン、ボタンB16は表示画面(A)に戻るボタンである。
【0047】
円形の表示部H1、H2は、ボタンB10、B11の操作により選択された側が黒丸状態に変更されて、選択状態が分かるようになっている。
【0048】
また、ボタンB12、B13の操作により増減されるマージンの量は、例えば5mm毎でもよいし、あるいは1mm毎、0.1mm毎など、画像形成装置PR1の仕様や設計に応じて任意に規定される。
【0049】
図3の表示画面における設定変更処理の処理手順の例を図4のフローチャートに示す。
【0050】
ステップS10では、図2に示すような原稿サイズとして扱う定形サイズの情報から選択定形サイズのID、選択定形サイズのマイナスマージンおよびプラスマージンを取得してステップS11に移行する。
【0051】
ステップS11では、表示画面(B)に示すような設定変更操作に基づいて、対応する選択定形サイズIDのマイナスマージンおよびプラスマージンを更新して処理を終了する。
【0052】
次に、図5のフローチャートを参照して、定形原稿幅判断処理の処理手順について説明する。
【0053】
ステップS20で原稿幅検知を開始し、ステップS21でID=0と初期化してステップS23に移行する。
【0054】
なお、以降に記述されている、幅(ID)、定形原稿対象(ID)、プラスマージン(ID)、マイナスマージン(ID)は、図2に示すような原稿サイズとして扱う定形サイズの情報の中からIDが等しい定形サイズの情報を、それぞれ参照していることを意味している。
【0055】
例えば、ID=0の時は、幅(ID)はA0定形サイズの幅841mmの情報という意味となる。
【0056】
ステップS23では、幅(ID)=−1か否かが判定され、「Yes」の場合には図2の情報に示すように、原稿サイズは幅:−1に対応する非定形であると判断(ステップS29)して処理を終了する。
【0057】
一方、ステップS23で「No」の場合にはステップS24に移行して、定形原稿対象(ID)がONであるかOFFであるかが判定される。
【0058】
OFFであると判定された場合にはステップS30に移行して、IDを「1」インクリメントしてステップS22に移行する。
【0059】
また、ONであると判定された場合にはステップS25に移行して、プラスマージンとマイナスマージンを取得してステップS26に移行する。
【0060】
ステップS26では、閾値として、最小値(min)=定形原稿幅(ID)−マイナスマージン(ID)、最大値(max)=定形原稿幅(ID)+プラスマージン(ID)を算出してステップS27に移行する。
【0061】
ステップS27では、min≦原稿幅≦maxであるか否かが判定され、「No」の場合にはステップS30に移行し、「Yes」の場合にはステップS28に移行する。
【0062】
ステップS28では、原稿サイズは、上記処理のIDに対応する定形サイズであると判定して処理を終了する。
【0063】
これにより、低コストで適切な原稿サイズを検知して、ユーザの利便性や操作性が向上される。
【0064】
ここで、本実施の形態に係る画像形成装置PR1で、低コストや利便性や操作性の向上が実現されることを図19から図21に示す比較対象との対比で述べる。
【0065】
図24に示す比較対象としての原稿読取装置M1では、原稿の幅方向に複数(図24の例では5個)のサイズセンサ0〜4が設けられている。
【0066】
そして、各種サイズの原稿(用紙)0〜4の端部をサイドガイド500に沿わせて矢印D方向に差し込んだ際におけるサイズセンサ0〜4のON/OFF状態で、原稿サイズを判別していた。
【0067】
即ち、図25に示すように、例えば、サイズセンサ0のみがONの場合には、A系のA4またはISO B系のB5、サイズセンサ0〜4の全てがONの場合には、A系のA0またはISO B系のB1であるというように判別していた。
【0068】
しかしながら、ユーザで使用される原稿サイズの系列は、例えば図26に示すような複数の系列に渡ることが多いため、系列を選択する手間がかかるという不都合があった。
【0069】
また、非定形サイズの原稿を用いる場合には適用できないという不都合があった。
【0070】
さらに、複数のサイズセンサが必要であるため、製造コストが嵩むという難点もあった。
【0071】
そこで、少し原稿を読込み、読込んだイメージ幅から原稿幅を検知し、検知した原稿幅の原稿サイズが、予め指定された定形原稿のマージン内に収まるものがあれば、原稿幅をその定形原稿幅とし、無ければユーザに定形原稿幅を指定させることで、原稿幅を検知する方式も提案されている。
【0072】
しかし、この方式では、ユーザが意識していない定形原稿幅が検知される虞があり、利便性が低下するという不都合があった。
【0073】
これに対して、本実施の形態に係る画像形成装置PR1では、サイズセンサを用いないのでコストが嵩むことがなく、また、検知すべき原稿サイズを設定したり、マージンを自由に設定することにより、ユーザが望む定形サイズを的確に検知させて利便性や操作性が向上される。
【0074】
次に、図6から図10を参照して、マージンの設定で重複部分が発生した場合の措置の例について説明する。
【0075】
図6に示す画面表示では、マージンの設定で重複部分が発生した場合に、「設定不可」の警告メッセージを表示する例を示す。
【0076】
表示画面(B)で、ボタンB12、B13の操作によりプラスマージン(例えば、15mm)、マイナスマージン(例えば、25mm)を指定した後、決定ボタンB15が操作された場合において、他の原稿サイズとの関係でマージンの重複部分が設定された場合には、画面(C)が表示される。
【0077】
図6に示す例では、「設定不可」との表示に加えて、「既に決定している定形原稿幅と重なる範囲が指定されました。設定不可となります。」というメッセージが表示される。
【0078】
ユーザが上記メッセージ等を確認した後、確認ボタンB20を操作することにより、表示画面(B)に戻り、再度マージンの設定をやり直すこととなる。
【0079】
このように、マージンが重なった場合に設定不可とするのは、かかる状態では、原稿サイズを的確に検知できない場合が発生するためである。
【0080】
図7のフローチャートを参照して、定形サイズ幅重複検知処理の処理手順について説明する。
【0081】
ステップS40では、ユーザが設定変更を実施する定形サイズのIDと、ユーザが設定したマイナスマージンと、プラスマージンを取得しステップS41に移行する。
【0082】
ステップS41では、ステップS40で取得したID、マイナスマージンおよびプラスマージンに基づいて、重複した範囲があるか否かを検知する重複検知処理のサブルーチンが実行(詳細な処理手順は後述する)され、NGの場合(重複範囲があった場合)には、ステップS43に移行して、図6の(C)に示すような設定不可画面を表示して処理を終了する。
【0083】
また、OKの場合(重複範囲がなかった場合)には、ステップS42に移行して、対応する選択定形サイズIDのマイナスマージンおよびプラスマージンを更新して処理を終了する。
【0084】
ここで、図8のフローチャートを参照して、重複検知処理のサブルーチンの処理手順について説明する。
【0085】
ステップS410では、ステップS40で取得したID、マイナスマージンに基づいてマイナス範囲チェック処理のサブルーチン(処理手順については図9を参照して後述する)が実行され、NGの場合にはステップS413に移行して、範囲チェックがNGとして図7のメイン処理にリターンし、OKの場合にはステップS411に移行する。
【0086】
ステップS411では、ステップS40で取得したID、プラスマージンのプラス範囲チェック処理のサブルーチン(処理手順については図10を参照して後述する)が実行され、NGの場合にはステップS413に移行して、範囲チェックがNGとして図7のメイン処理にリターンし、OKの場合には範囲チェックOKとして図7のメイン処理にリターンする。
【0087】
図9のフローチャートを参照して、前記ステップS410に該当するマージンのマイナス範囲チェック処理のサブルーチンの処理手順について説明する。
【0088】
ステップS420では、図2に示すような原稿サイズとして扱う定形サイズの情報から、ステップS40で取得したIDの定形原稿サイズの幅を取得して(この幅を選択定形原稿幅とする)ステップS421に移行する。
【0089】
ステップS421では、para=選択定形原稿幅−マイナスマージンとしてステップS422に移行する。
【0090】
ステップS422では、ID=0と初期化してステップS424に移行する。
【0091】
ステップS424では、幅(ID)=−1か否かが判定され、「Yes」の場合には原稿サイズは幅(ID)=−1に対応する非定形であると判断して、ステップS430に移行して、範囲チェックOKとして図8のメイン処理にリターンする。
【0092】
また、ステップS424で「No」と判定された場合には、ステップS425に移行して、定形原稿対象(ID)がONであるかOFFであるかが判定される。
【0093】
OFFであると判定された場合にはステップS431に移行して、IDを「1」インクリメントしてステップS424に移行する。
【0094】
また、ONであると判定された場合にはステップS426に移行して、プラスマージン(ID)とマイナスマージン(ID)を取得してステップS427に移行する。
【0095】
ステップS427では、閾値として、最小値(min)=幅(ID)−マイナスマージン(ID)、最大値(max)=幅(ID)+プラスマージン(ID)を算出してステップS428に移行する。
【0096】
ステップS428では、min≦para≦maxであるか否かが判定され、「No」の場合にはステップS431に移行し、「Yes」の場合にはステップS429に移行する。
【0097】
ステップS429では、範囲チェックNGとして図8のメイン処理にリターンする。
【0098】
次に、図10のフローチャートを参照して、前記ステップS411に該当するマージンのプラス範囲チェック処理のサブルーチンの処理手順について説明する。
【0099】
ステップS440では、図2に示すような原稿サイズとして扱う定形サイズの情報から、ステップS40で取得したIDの定形原稿サイズの幅を取得して(この幅を選択定形原稿幅とする)ステップS441に移行する。
【0100】
ステップS441では、para=選択定形原稿幅−プラスマージンとしてステップS442に移行する。
【0101】
ステップS442では、ID=0と初期化してステップS444に移行する。
【0102】
ステップS444では、幅(ID)=−1か否かが判定され、「Yes」の場合には原稿サイズは幅(ID)=−1に対応する非定形であると判断して、ステップS450に移行して、範囲チェックOKとして図8のメイン処理にリターンする。
【0103】
また、ステップS444で「No」と判定された場合には、ステップS445に移行して、定形原稿対象(ID)がONであるかOFFであるかが判定される。
【0104】
OFFであると判定された場合にはステップS451に移行して、IDを「1」インクリメントしてステップS444に移行する。
【0105】
また、ONであると判定された場合にはステップS446に移行して、プラスマージン(ID)とマイナスマージン(ID)を取得してステップS447に移行する。
【0106】
ステップS447では、閾値として、最小値(min)=幅(ID)−マイナスマージン(ID)、最大値(max)=幅(ID)+プラスマージン(ID)を算出してステップS448に移行する。
【0107】
ステップS448では、min≦para≦maxであるか否かが判定され、「No」の場合にはステップS451に移行し、「Yes」の場合にはステップS449に移行する。
【0108】
ステップS449では、範囲チェックNGとして図8のメイン処理にリターンする。
【0109】
これにより、算定された閾値に基づいて、より適切な原稿サイズを検知して、利便性や操作性が向上される。
【0110】
また、複数のサイズ間でマージンが重複する状態を回避して、利便性や操作性が向上される。
【0111】
さらに、複数のサイズ間でマージンが重複する状態を警告して、利便性や操作性が向上される。
【0112】
次に、図11から図21を参照して、一括してマージンを指定する場合および非定形サイズの原稿を判別する手法の例について説明する。
【0113】
まず、図11を参照して、画面表示の遷移状態について説明する。
【0114】
図11の(D)に示す表示画面では、画像形成装置PR1が備えるタッチパネル等の表示部に、定形サイズ、幅、定形原稿対象、マージンに関する情報が、各サイズに対応させた表形式で表示される。なお、ここに示す例では、定形サイズに関する情報は、複数ページに渡って格納されている。
【0115】
そして、一括して各サイズのマージンの設定を行う一括マージン設定ボタンB5が操作されると表示画面(E)に遷移する。
【0116】
なお、表示画面(D)において、他の操作ボタンB1〜B4の機能は、図3において説明した通りである。
【0117】
表示画面(E)では、マージンを数値で設定する数値指定ボタンB20と対応する円形の表示部H3、表示画面(D)のマージンの欄に示すようにプラスマージン、マイナスマージンともに予め設定された値(この例では5mm)を設定する中間指定ボタンB21と対応する円形の表示部H4、閾値を超えた場合には大きい側のサイズを選択する上位サイズ丸めモードを選択する上位サイズ丸めボタンB22と対応する円形の表示部H5、閾値未満の場合には小さい側のサイズを選択する下位サイズ丸めモードを選択する下位サイズ丸めボタンB23と対応する円形の表示部H6と、設定を決定する決定ボタンB22と、表示画面(D)に戻る操作を行う戻るボタンB23が表示されている。
【0118】
そして、数値指定ボタンB20が操作された場合には、表示画面(F)に遷移する。
【0119】
表示画面(F)では、ボタンB12、B13の操作により、プラスマージンとマイナスマージンの値を増減することができる。
【0120】
なお、ボタンB12、B13の操作により増減されるマージンの量は、例えば5mm毎でもよいし、あるいは1mm毎、0.1mm毎など、画像形成装置PR1の仕様や設計に応じて任意に規定される。
【0121】
また、タッチパネルに代えてあるいは並設してテンキーボタン等が用意される場合には、所望の値を直接入力することとなる。
【0122】
ここで、取り消しボタンB30が操作された場合には、設定前の状態に戻り、決定ボタンB31が操作された場合に数値指定が反映され、戻るボタンB32が操作された場合には表示画面(E)に戻る。
【0123】
また、上位サイズ丸めボタンB22が操作された場合には、表示画面(G)に遷移する。
【0124】
表示画面(G)では、変更をする、しないを指定するボタンB40、B41と対応する表示ボタンH10、H11と、変更が選択された場合にマイナスマージンの数値を設定するボタンB42等が表示されている。
【0125】
なお、ボタンB42の操作により増減されるマイナスマージンの量は、例えば5mm毎でもよいし、あるいは1mm毎、0.1mm毎など、画像形成装置PR1の仕様や設計に応じて任意に規定される。
【0126】
また、タッチパネルに代えてあるいは並設してテンキーボタン等が用意される場合には、所望の値を直接入力することとなる。
【0127】
ここで、取り消しボタンB42が操作された場合には、マイナスマージンが設定前の状態に戻り、決定ボタンB43が操作された場合に数値指定が反映され、戻るボタンB44が操作された場合には表示画面(E)に戻る。
【0128】
また、下位サイズ丸めボタンB23が操作された場合には、表示画面(H)に遷移する。
【0129】
表示画面(H)では、変更をする、しないを指定するボタンB50、B51と対応する表示ボタンH20、H21と、変更が選択された場合にプラスマージンの数値を設定するボタンB52等が表示されている。
【0130】
なお、ボタンB52の操作により増減されるプラスマージンの量は、例えば5mm毎でもよいし、あるいは1mm毎、0.1mm毎など、画像形成装置PR1の仕様や設計に応じて任意に規定される。
【0131】
また、タッチパネルに代えてあるいは並設してテンキーボタン等が用意される場合には、所望の値を直接入力することとなる。
【0132】
ここで、取り消しボタンB52が操作された場合には、プラスマージンが設定前の状態に戻り、決定ボタンB53が操作された場合に数値指定が反映され、戻るボタンB54が操作された場合には表示画面(E)に戻る。
【0133】
なお、表示画面(F)、(G)、(H)の何れの場合においても、設定したマージンが他のサイズとの関係で重複する場合には、表示画面(I)に遷移して、設定不可の警告メッセージが表示される。
【0134】
また、ユーザが警告メッセージを確認した後、確認ボタンB60を操作することにより、直前の画面((F)、(G)、(H))に戻り、重複しない範囲でマージンを再設定することとなる。
【0135】
これにより、算定された閾値に基づいて、より適切な原稿サイズを検知して、利便性や操作性が向上される。
【0136】
また、複数のサイズ間でマージンが重複する状態を回避して、利便性や操作性が向上される。
【0137】
さらに、複数のサイズ間でマージンが重複する状態を警告して、利便性や操作性が向上される。
【0138】
次に、図12〜図16のフローチャートを参照して、図11で数値指定ボタンB20が操作された場合の数値指定処理の処理手順について説明する。
【0139】
ステップS50では、マイナスマージンにユーザが設定したマイナスマージンの値を、プラスマージンにユーザが設定したプラスマージンの値をそれぞれ設定してからステップS51に移行する。
【0140】
ステップS51では、ステップS50で取得したプラスマージンおよびマイナスマージンを引数として一括重複検知処理のサブルーチン(詳細については後述する)を実行し、NGの場合にはステップS53に移行して、設定不可の画面表示(図11の表示画面(I)参照)を行って処理を終了する。
【0141】
また、ステップS51でOKの場合には、ステップS52に移行して、ステップS50で取得したプラスマージンおよびマイナスマージンを引数として数値指定一括更新処理のサブルーチン(詳細については後述する)を実行して処理を終了する。
【0142】
次に、図13のフローチャートを参照して、前記ステップS51の一括重複検知処理の処理手順について説明する。
【0143】
ステップS510では、サブルーチンの引数としてプラスマージンおよびマイナスマージンを取得してステップS511に移行する。
【0144】
ステップS511では、定形原稿対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチン(詳細については後述する)を実行してステップS512に移行する。
【0145】
ステップS512では、取得した値をID変数に格納して、ステップS513に移行する。
【0146】
ステップS513では、BigSizeMin=幅(ID)−マイナスマージンとしてステップS514に移行する。
【0147】
ステップS514では、次に大きい定形対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチン(詳細については後述する)を実行して、取得した場合にはステップS515に移行し、最小サイズの場合にはステップS520に移行して、OKとして図12の処理にリターンする。
【0148】
ステップS515では、取得した値をID変数に格納してステップS516に移行する。
【0149】
ステップS516では、SmallSizeMax=幅(ID)+設定プラスマージンとしてステップS517に移行する。
【0150】
ステップS517では、BigSizeMin>SmallSizeMaxであるか否かが判定され、「No」の場合にはNGとして図12の処理にリターンする。
【0151】
一方、「Yes」の場合にはステップS518に移行して、BigSizeMin=幅(ID)−設定マイナスマージンとして、ステップS514に戻る。
【0152】
次に、図14のフローチャートを参照して、前記ステップS511に対応する定形原稿対象最大サイズIDの取得処理の処理手順について説明する。
【0153】
ステップS1510では、図2の情報等に基づいて原稿サイズテーブルについて幅で大きい順にソートを行ってステップS1511に移行する。
【0154】
ステップS1511では、テーブルのインデックスiを初期化(i=0)してステップS1512に移行する。
【0155】
ステップS1512では、定形原稿対象がONかOFFを判定し、ONの場合にはステップS1515に移行して、戻り値を(i番目に幅が大きいサイズのIDに)設定してから図13のメイン処理にリターンする。
【0156】
OFFの場合にはステップS1513に移行して、インデックスi<テーブルの要素数か否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS1516に移行して、インデックスiをインクリメントしてステップS1512に移行する。
【0157】
「No」の場合にはステップS1514に移行して、戻り値に−1を設定して処理を終了する。
【0158】
次に、図15のフローチャートを参照して、前記ステップS514に対応する次に大きい定形対象最大サイズIDの取得処理の処理手順について説明する。
【0159】
ステップS1530では、図2の情報等に基づいて原稿サイズテーブルについて幅で大きい順にソートを行ってステップS1531に移行する。
【0160】
ステップS1531では、テーブルのインデックスiを初期化(i=0)してステップS1532に移行する。
【0161】
ステップS1532では、インデックスi<テーブルの要素数か否かが判定され、「No」の場合にはステップS1539に移行して、戻り値に−1を設定して図13のメイン処理にリターンする。
【0162】
「Yes」の場合には、ステップS1533に移行して、定形原稿対象がONかOFFを判定し、OFFの場合にはステップS1540に移行して、インデックスiをインクリメントしてステップS1532に移行する。
【0163】
ONの場合にはステップS1534に移行して、i番目に幅の大きなサイズが、指定されたIDのサイズであるか否かが判定され、「No」の場合にはステップS1540に移行して、インデックスiをインクリメントしてステップS1532に移行する。
【0164】
「Yes」の場合にはステップS1535に移行して、インデックスiをインクリメントしてからステップS1536に移行する。
【0165】
ステップS1536では、インデックスi<テーブルの要素数か否かが判定され、「No」の場合にはステップS1539に移行し、「Yes」の場合にはステップS1537に移行する。
【0166】
ステップS1537では、インデックスiに対応する定形原稿が検知の対象としてONかOFFかが判定され、OFFの場合にはステップS1535に戻り、ONの場合にはステップS1538に移行して、戻り値を(i番目に幅が大きいサイズのIDに)設定して処理を終了する。
【0167】
次に、図16のフローチャートを参照して、前記ステップS52に対応する数値指定一括更新処理の処理手順について説明する。
【0168】
ステップS521では、サブルーチンの引数としてプラスマージンとマイナスマージンを取得してステップS522に移行する。
【0169】
ステップS522では、前記ステップS511と同様の定形原稿対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行してステップS523に移行する。
【0170】
ステップS523では、取得した値をID変数に格納してステップS524に移行する。
【0171】
ステップS524では、IDが示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新してステップS525に移行する。
【0172】
ステップS525では、前記ステップS514と同様の次に大きい定形対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行して、取得した場合にはステップS526に移行して、取得した値をID変数に格納してステップS524に戻る。
【0173】
また、取得しなかった場合には、図12の処理にリターンする。
【0174】
次に、図17、図18のフローチャートを参照して、図11で中間指定ボタンB21が操作された場合の中間サイズ丸め処理の処理手順について説明する。
【0175】
中間サイズ丸め処理が開始されると、ステップS60の中間指定一括更新処理のサブルーチンが実行される。
【0176】
図18に示す中間指定一括更新処理のサブルーチンでは、ステップS601で図14に示すのと同様の定形原稿対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行してステップS602に移行する。
【0177】
ステップS602では、取得した値を上位サイズID変数に格納してステップS603に移行する。
【0178】
ステップS603では、図15に示すのと同様の次に大きい定形対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行して上位サイズIDを取得する。
【0179】
そして、取得しない場合には、プラスマージン=検知最大幅としてからステップS605に移行する。
【0180】
ステップS605では、マイナスマージン=幅(上位サイズID)として図16の処理にリターンする。
【0181】
また、ステップS603で取得した場合には、ステップS606に移行して、取得した値をID変数に格納してからステップS607に移行する。
【0182】
ステップS607では、プラスマージン=検知最大幅としてからステップS608に移行する。
【0183】
ステップS608では、マイナスマージン=(幅(上位サイズID)−幅(ID))÷2としてステップS609に移行する。
【0184】
ステップS609では、上位サイズIDの示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新してからステップS610に移行する。
【0185】
ステップS610では、図15に示すのと同様の次に大きい定形対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行してIDを取得する。
【0186】
取得した場合には、ステップS611に移行して、取得した値を下位ID変数に格納してステップS612に移行する。
【0187】
ステップS612では、プラスマージン=幅(上位サイズID)−幅(ID)−マイナスマージン(上位サイズID)としてステップS613に移行する。
【0188】
ステップS613では、マイナスマージン=(幅(ID)−幅(下位サイズID))÷2としてステップS614に移行する。
【0189】
ステップS614では、IDが示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新してからステップS615に移行する。
【0190】
ステップS615では、ID=下位サイズIDとしてステップS610に戻る。
【0191】
また、ステップS610で取得しなかった場合にはステップS616に移行する。
【0192】
ステップS616では、マイナスマージン=幅(ID)としてステップS617に移行する。
【0193】
ステップS617では、IDが示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新してから図16の処理にリターンする。
【0194】
次に、図19、図20のフローチャートを参照して、図11で上位サイズ丸めボタンB22が操作された場合の上位サイズ丸め処理の処理手順について説明する。
【0195】
ステップS70では、マイナスマージン=0、プラスマージン=設定プラスマージンとしてステップS71に移行する。
【0196】
ステップS71では、図13に示すような一括重複検知処理のサブルーチンを実行してプラスマージンおよびマイナスマージンを取得する。
【0197】
そして、取得がNGであった場合にはステップS73に移行して、設定不可画面を表示して処理を終了する。
【0198】
また、取得がOKであった場合には、ステップS72に移行して、上位サイズ丸め一括更新処理のサブルーチンを実行してから処理を終了する。
【0199】
ここで、図20のフローチャートを参照して、上位サイズ丸め一括更新処理の処理手順について説明する。
【0200】
ステップS720では、サブルーチンの引数としてのプラスマージンを取得してステップS721に移行する。
【0201】
ステップS721では、図14に示すのと同様の定形原稿対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行してステップS722に移行する。
【0202】
ステップS722では、取得した値をID変数に格納してステップS723に移行する。
【0203】
ステップS723では、図15に示すのと同様の次に大きい定形対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行してIDを取得する。
【0204】
そして、取得した場合にはステップS724に移行して、取得した値を下位ID変数に格納してステップS725に移行する。
【0205】
ステップS725では、マイナスマージン=幅(ID)−幅(下位サイズID)−プラスマージンとしてステップS726に移行する。
【0206】
ステップS726では、IDが示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新してステップS727に移行する。
【0207】
ステップS727では、ID=下位サイズIDとしてステップS723に移行する。
【0208】
また、ステップS723で取得しなかった場合にはステップS728に移行して、マイナスマージン=幅(ID)としてステップS729に移行する。
【0209】
ステップS729では、IDが示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新して図18の処理にリターンする。
【0210】
次に、図21、図22のフローチャートを参照して、図11で上位サイズ丸めボタンB23が操作された場合の上位サイズ丸め処理の処理手順について説明する。
【0211】
ステップS80では、マイナスマージン=設定マイナスマージン、プラスマージン=0としてステップS81に移行する。
【0212】
ステップS81では、図13に示すような一括重複検知処理のサブルーチンを実行してプラスマージンおよびマイナスマージンを取得する。
【0213】
そして、取得がNGであった場合にはステップS83に移行して、設定不可画面を表示して処理を終了する。
【0214】
また、取得がOKであった場合には、ステップS82に移行して、下位サイズ丸め一括更新処理のサブルーチンを実行してから処理を終了する。
【0215】
ここで、図22のフローチャートを参照して、下位サイズ丸め一括更新処理の処理手順について説明する。
【0216】
ステップS820では、サブルーチンの引数としてのマイナスマージンを取得してステップS821に移行する。
【0217】
ステップS821では、図14に示すのと同様の定形原稿対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行してステップS822に移行する。
【0218】
ステップS822では、取得した値をID変数に格納してステップS823に移行する。
【0219】
ステップS823では、プラスマージン=検知最大幅としてステップS824に移行する。
【0220】
ステップS824では、Dが示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新してステップS825に移行する。
【0221】
ステップS825では、上位サイズID変数にIDを格納してステップS826に移行する。
【0222】
ステップS826では、図15に示すのと同様の次に大きい定形対象最大サイズIDの取得処理のサブルーチンを実行して上位サイズIDを取得する。
【0223】
そして、取得しない場合には図20の処理にリターンし、取得した場合にはステップS827に移行して、取得した値をID変数に格納してステップS828に移行する。
【0224】
ステップS828では、プラスマージン=幅(上位サイズID)−幅(ID)−マイナスマージンとしてステップS829に移行する。
【0225】
ステップS829では、Dが示す定形サイズのマイナスマージンとプラスマージンの情報を更新してステップS830に移行する。
【0226】
ステップS830では、上位サイズID=IDとしてステップS826に戻る。
【0227】
なお、図23は、下位サイズ丸めを行う場合(a)、上位サイズ丸めを行う場合(b)を模式的に示した例である。
【0228】
また、図23の(c)に示すように、非定形幅と判断した場合に、系列内の一番近い定形幅とするモードを別途設けるようにしてもよい。
【0229】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0230】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【0231】
即ち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0232】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0233】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0234】
さらには、画像形成装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、この所定のプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この所定のプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0235】
本発明による原稿読取装置、画像形成装置および画像形成システムは、スキャナ装置、スキャナ装置を備えるプリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0236】
PR1 画像形成装置
100 原稿読取装置
101 スキャナ装置
102 幅情報取得部
103 原稿サイズ系列設定部
104 マージン指定部
105 原稿サイズ検知部
106 警告報知部
107 原稿サイズ情報格納部
150 閾値算定部
151 原稿サイズ選択部
200 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像情報を生成する生成手段と、
該生成手段で生成された画像情報に基づいて前記原稿の幅に関する情報を取得する取得手段と、
前記原稿のサイズに関する情報を格納する格納手段と、
前記原稿の複数のサイズに関する情報からなる少なくとも一つの系列についての設定を行う設定手段と、
前記設定手段で設定された系列における前記原稿の各サイズの許容範囲を指定する指定手段と、
前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報、前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして検知する検知手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記設定手段は、
予め設定された複数のサイズに関する情報からなる系列について、少なくとも一つのサイズに関する情報を追加または削除することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項3】
前記設定手段は、
前記系列に含まれる各サイズについて、前記検知手段における検知対象とするか否かを設定することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の原稿読取装置。
【請求項4】
前記検知手段は、
前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、閾値を算定する算定手段と、
該算定手段で算定された閾値に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして選択する選択手段と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の原稿読取装置。
【請求項5】
前記選択手段は、
前記算定手段で算定された閾値が、前記系列内において隣接するサイズの中間であった場合に、前記閾値と前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報とを比較し、前記閾値未満または前記閾値以下である場合には、隣接するサイズの内、小さい方のサイズを選択し、前記閾値以上または前記閾値を超える場合には、隣接するサイズの内、大きい方のサイズを選択することを特徴とする請求項4に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
前記指定手段は、
前記許容範囲の指定により、複数のサイズ間で前記許容範囲が重複する状態となった場合には、当該指定を不可とすることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の原稿読取装置。
【請求項7】
前記指定手段による許容範囲の指定により、複数のサイズ間で前記許容範囲が重複する場合には、警告を行う警告手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の原稿読取装置。
【請求項8】
原稿を読み取る原稿読取装置と、
該原稿読取装置からの出力に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有し、
前記原稿読取装置は、
原稿を読み取って画像情報を生成する生成手段と、
該生成手段で生成された画像情報に基づいて前記原稿の幅に関する情報を取得する取得手段と、
前記原稿のサイズに関する情報を格納する格納手段と、
前記原稿の複数のサイズに関する情報からなる少なくとも一つの系列についての設定を行う設定手段と、
前記設定手段で設定された系列における前記原稿の各サイズの許容範囲を指定する指定手段と、
前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報、前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして検知する検知手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
原稿を読み取る原稿読取装置と、
通信手段を介して該原稿読取装置と接続され、前記原稿読取装置からの出力に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、
を有し、
前記原稿読取装置は、
原稿を読み取って画像情報を生成する生成手段と、
該生成手段で生成された画像情報に基づいて前記原稿の幅に関する情報を取得する取得手段と、
前記原稿のサイズに関する情報を格納する格納手段と、
前記原稿の複数のサイズに関する情報からなる少なくとも一つの系列についての設定を行う設定手段と、
前記設定手段で設定された系列における前記原稿の各サイズの許容範囲を指定する指定手段と、
前記取得手段で取得された前記原稿の幅に関する情報、前記設定手段で設定された前記系列の情報および前記指定手段で指定した前記許容範囲に基づいて、前記系列内における一つのサイズを前記原稿のサイズとして検知する検知手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−268347(P2010−268347A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119654(P2009−119654)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】