説明

参加者応答システム及び方法

【課題】フレキシブルで、設定変更可能な参加者応答システムを提供する。
【解決手段】参加者応答システムは、イベントの参加者が応答を入力することを可能とする複数のハンドセットを備える。各ハンドセットは、ユーザによる応答の入力を可能とするキーボードを有する無線ハンドセットを備える。ハンドセットは、参加者による応答の入力を可能とする参加者応答ハンドセットとして、或いは、基地局として構成することができる。また、ハンドセットは、参加者による音声の受信及び入力を可能とするオーディオ能力を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、イベントの参加者がイベントで用いるハンドセットへの応答の入力を可能とする参加者応答システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イベントの参加者や聴衆による応答の入力を可能とするシステムは、この分野においてよく知られている。このようなシステムには、広い適用性がある。例えば、会議では、会議の参加者がユニットやハンドセットを持ち、質問に対して個別に応答したり、会議で採り上げられた動議に対して投票することによって、会議の参加者が全面的に参加することが可能となる。これらのシステムは、エンターテインメントプログラムへの聴衆投票のように、どのようなタイプの投票アプリケーションにも適用することができる。このようなシステムは、教育の分野においてもまた適用することができる。生徒がハンドセットを持つことにより、質問に対する回答を入力することができる。これらのシステムは、会議のプレゼンターや、教師、エンターテインメントプログラムのプロデューサー、イベントの主催者に対し、即座のフィードバックを可能とする。応答システムは、一般に2つのカテゴリー、すなわち有線システムと無線システムに分類することができる。有線システムは、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。しかしながら、有線システムは、参加者によって使用されるべき各ハンドセットを接続するケーブルが必要であるという不都合がある。このため、これらのシステムは可搬性や融通性に乏しい。
【0003】
無線参加者応答システムは、いかなる種類の無線通信システムをも用いることができる。例えば、特許文献3には、伝送媒体として赤外線を用いるシステムが開示されている。このシステムは、干渉が起きにくいという利点を有している。しかしながら、このシステムでは、送信機と受信機との間に直線的な視界が必要となる。他の無線システムでは、送信機と受信機との間で無線周波数伝送を用いる。このようなシステムは、特許文献4に開示されている。この公報には、キーパッドと基地局との間においてスペクトラム拡散通信プロトコルを用いた聴衆参加システムが開示されている。キーパッドは、聴衆の応答を個々に識別すべく、ユーザを特定するための特性によってコード化される。このコード化は、ユーザが身につけた会議バッジをバーコードスキャナでスキャンすることによって達成することができる。全面参加を可能とするため、キーパッドにはオーディオ機能がさらに備えられ、無線システムによって送信すべき音声の入力が可能となる。
【0004】
特許文献5には、音声による応答やキーパッドによる応答をハンドセットからシステムコントローラへ送信することが可能な、別のRF無線システムが開示されている。このシステムでは、ハンドセットを設定するためにコードをダウンロードすることができる。しかしながら、別々のシステムコントローラが必要となる。
【特許文献1】米国特許第5,303,042号明細書
【特許文献2】米国特許第5,357,609号明細書
【特許文献3】米国特許第5,870,214号明細書
【特許文献4】米国特許第5,273,437号明細書
【特許文献5】米国特許第5,724,357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面による目的は、よりフレキシブルで、設定変更可能な参加者応答システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面によれば、本発明は、イベントの参加者がイベントへの応答を入力することが可能な応答システムに用いられるハンドセットを提供する。ハンドセットは、無線により他のハンドセットと通信する機能を有している。ハンドセットは、参加者による応答の入力が可能な参加者ハンドセットとして構成可能であるとともに、参加者ハンドセットとの通信に用いる基地局として構成可能である。
【0007】
したがって、本発明の当該側面によれば別々の基地局が不要となる。同じハンドセットを参加者ハンドセットとして使用するとともに、基地局としても使用することにより、フレキシビリティが得られる。
【0008】
一実施形態においては、基地局はマスターハンドセットの機能を持つことができる。このような実施形態では、参加者ハンドセット及びマスターハンドセットとして構成されるハンドセット(別々の基地局として構成されたハンドセットの有無にかかわらず)は、完全な参加者応答システムを提供する。マスターハンドセットは応答を受信且つ処理し、また、応答の処理結果を表示するためのディスプレイを備えることができる。したがって、本発明の当該実施形態が提供する非常にフレキシブルなシステムは、参加者応答システム中で異なる機能を実行するために好ましく構成された同一のユニット、つまり、ハンドセットによって提供される完全な参加者応答システムである。
【0009】
本発明の一実施形態では、ハンドセットは、参加者ハンドセット及び少なくとも一つの基地局として構成される。基地局は、参加者応答システムのコントローラとして働くコンピュータと接続可能である。したがって、コンピュータは、応答の受信及び処理が可能であり、処理した応答の所定の表示を提供する。本実施形態においては、ハンドセットがコンピュータに接続されている場合、このハンドセットはそれ自体基地局として機能するよう、自動的に構成することができる。コンピュータとの接続は、ケーブルのように物理的なものであっても構わないし、無線接続であっても構わない。本発明の一実施形態においては接続がケーブルによって行われ、ハンドセットはそれ自身、自動的に基地局として構成するか否かを決定するために、ケーブル上のコンピュータからの信号を検出する。
【0010】
一実施形態においては、マスターハンドセットの機能を持たないハンドセットが基地局として動作する場合、受信した応答は、接続を介してコンピュータへとパスされる。この実施形態においては、コンピュータは、基地局を介して参加者のハンドセットに設定制御命令を送信することもできる。
【0011】
本発明の他の実施形態においては、基地局がマスターハンドセットとして動作する場合、参加者のハンドセットから受信した応答は基地局内で処理され、また、基地局であるハンドセット上のディスプレイに表示することができる。また、マスターハンドセット機能は設定制御命令を生成することができ、設定制御命令は、ハンドセットの設定を変更すべく、参加者のハンドセットへと伝送される。
【0012】
したがって、本発明の当該側面によれば、単に、複数の設定変更可能なハンドセット、コンピュータ接続ケーブル、及び、汎用コンピュータをコントローラとして動作させるための所定のソフトウェアを用いるだけで、フレキシブルな参加者応答システムを提供することが可能となる。このようなシステムは、コンピュータをコントローラとして用いるか、或いは、ハンドセットを参加者応答システムのコントロール用のマスターハンドセットとして用いることにより、参加者応答システムの構築が可能となる。
【0013】
本発明のもう一つの側面においては、参加者応答システムに用いるハンドセットの機能性は、ハンドセットを使用する参加者又は参加者が属するグループのアイデンティティに基づいて構成される。このシステムでは、参加者がハンドセットを受け取った場合、それを使用する前に、参加者又は参加者が属するグループを特定する情報を入力する必要がある。入力された情報は、基地局又は無線リンクを通じて中央ユニットへ伝送、例えば基地局を介してコンピュータに伝送され、或いは、マスターハンドセットへ伝送される。中央ユニットにおいては、入力された情報に基づいてハンドセット設定パラメータが決定され、これら設定パラメータはハンドセットへ返送されてハンドセットの設定に用いられる。
【0014】
したがって、本発明の当該側面によれば、設定インスタンスは集中的に格納されたインスタンス情報に基づき、個々のユーザ又はユーザのグループによって構築することができる。これは、ハンドセットの設定情報を集中的に格納可能とするフレキシブルな設定システムを提供する。
【0015】
一実施形態においては、入力された情報は、参加者によって利用できるハンドセットの機能性のレベルを特定する情報を含む。もう一つの実施形態においては、その代わりに、中央ユニットがハンドセットの機能性のレベルと入力された情報とを関連づける機能性情報を格納し、入力された情報のみならず機能性情報を用いてハンドセット設定パラメータが決定される。
【0016】
一実施形態においては、ハンドセットは、別グループの参加者間の通信に干渉されることなく、参加者のグループ内での通信を可能に構成される。これは、応答の有効な下位区分を可能とすることから、個々のグループは、異なる質問やイベントに対して応答を与えることができ、また、同じ質問やイベントに対する応答が異なる参加者のグループに属するものと特定することができる。
【0017】
本発明の他の側面は、参加者の位置を特定する情報を入力可能なハンドセットを参加者に与える参加者応答システム又はその方法を提供する。この情報は、無線によって中央ユニットに送信され、処理によって参加者の位置が特定される。
【0018】
本発明の当該側面によれば、参加者がその位置を選択、例えば、参加者が会議、レクチャー又はセミナーで座席を選択することのできる、フレキシブルな参加者応答システムが提供される。そして、集中的に管理するために、ハンドセットに座席番号を入力することができる。
【0019】
本発明の一実施形態においては、位置情報が中央ユニットで処理され、イベントのマップに参加者の位置を示すことが可能なデータが生成される。参加者のアイデンティティとハンドセットを関連づける情報が格納されている場合、これを位置情報と一緒に格納することにより、より多くの情報を応答に与えることができる。例えば、セミナーや会議中に、応答の種類が形成するパターンをマップに描画、例えば、プレゼンテーションを正しく見聞きできない位置の参加者を表示したり、会議室内で異なる政治家の投票パターンを表示することができる。
【0020】
本発明の一実施形態においては、ハンドセットは、音声入力機能及び音声送信機能が備えられており、これにより参加者の会話を他の参加者が聞くことができる。本実施形態における中央ユニットは、カメラ制御手段を含むことができ、カメラ制御手段は、話している参加者の位置上の情報をカメラシステムに出力し、これにより、カメラシステムは話している参加者にカメラを自動的に向けることができる。このため、参加者が話す時、カメラが撮った画像をスクリーンに表示することができ、これにより聴衆は、参加者の発言を聞くのみならず、参加者を見ることが可能となり、彼らの発言の助力となる。
【0021】
本発明のさらなる実施形態においては、イベント中に参加者が聴取可能に応答できる応答システムが提供される。参加者は、ぞれぞれ音声入力手段及び音声をイベントの他の参加者に出力するための音声送信手段を含む無線ハンドセットを備える。さらに、無線ハンドセットは、参加者の位置を特定する情報を、参加者によって入力可能な位置入力手段を含んでいる。参加者の位置を特定する情報は集中的に処理され、話している参加者にカメラを自動的に向けるべく、カメラシステムを制御するために使用される。
【0022】
本発明のさらにもう一つの側面は、イベントの参加者が応答を入力することが可能であり、複数の独立した通信グループが与えられた参加者応答システムを提供する。独立した通信グループは、それぞれ複数の無線ハンドセットを備える。各ハンドセットは、ハンドセットが属するグループを特定するためのグループアイデンティティを格納する。入力手段は参加者による応答の入力を可能とし、入力された応答は基地局に送信される。各グループは、グループ内のハンドセットとの通信を行う少なくとも一つの基地局をさらに備える。各基地局は、基地局が属するグループを特定するためのグループアイデンティティを格納する。ハンドセットからの応答は、無線受信手段によって受信される。各ハンドセットには、グループの基地局のグループアイデンティティによって決まる、ハンドセットのグループアイデンティティが設定されている。したがって、グループのハンドセットとグループ内の基地局は、ハンドセット及び基地局に格納されたアイデンティティの比較によって、他のグループから独立した通信を行う。
【0023】
独立した通信グループ使用は、イベントの小分割を可能とし、参加者はサブイベントに出席し、サブイベントに対して応答することが可能となる。或いは、参加者が同じイベントで応答する場合も、これら応答を別々の処理に分けた状態に保つことができる。
【0024】
一実施形態においては、各基地局は、基地局として動作するように設定されたハンドセットを備え、各ハンドセットは、参加者が使用するハンドセットとして、或いは、基地局として構成可能である。したがって、本実施形態によれば、フレキシブルな参加者応答システムが提供される。
【0025】
好ましい実施形態においては、応答システムは、参加者からの応答を処理する応答プロセッサを含む。応答プロセッサは、応答を受信すべく、使用時に各基地局に接続される。
【0026】
本発明のさらなる側面は、通信能力を決定するために、離間した中央コントローラと定期的に通信するよう制御されるポータブル無線ハンドセットを用いた参加者応答システム及び方法を提供する。
【0027】
したがって、本発明の当該側面によれば、システムは、ハンドセットと中央コントローラとの間で定期的に絶えず通信を行うことにより、通信不良を監視することができる。これは、会社の役員会議や会社の株主総会で使用される投票システムのように、参加者によって投じられた票の登録を保証するのが必須である投票システムにおいては、極めて重要である。もし、通信の監視により、ハンドセットと中央コントローラとの間の通信が投票時点において失われ、これによって参加者からの投票が登録されていないことが判明すれば、再投票を行うべきか否か決定するのに使用可能な情報を提供することができる。より重要なこととして、この情報は全てのハンドセットが投票の時点において通信状態であったことを確認するための法的検査としても用いることができ、このため、もし参加者による投票がなければこれは参加者の決定に間違いなく、したがって、この決定は記録される。
【0028】
一実施形態においては、ハンドセットが中央コントローラとの通信できない場合、ハンドセットは情報を記録することができる。このような情報は、例えば、バッテリー状態や信号強度などを含むことができる。この情報は、通信が回復した後、所定の時期に中央コントローラへアップロードされる。
【0029】
本発明のもう一つの実施形態においては、中央コントローラは、ハンドセットとの通信に関する情報を格納するよう動作することができる。したがって、この情報は、ハンドセットから情報を受信していない状態を特定することができる。
【0030】
本発明の当該側面においては、ハンドセットは基地局として動作することができるとともに、通信情報を格納し、或いは、単に通信情報を通過させてマスターハンドセットやコンピュータへ伝えることができる。その代わりに、基地局がマスターハンドセットとして動作することができ、通信情報を格納して、参加者のハンドセットからの通信情報を回収することができる。
【0031】
本発明のもう一つの側面は、イベントの参加者による応答の入力が可能な参加者応答シ
ステムを提供する。このシステムは、複数のポータブルハンドセットと、複数のポータブルハンドセットを受容する再充電ラックとを備える。各ポータブルハンドセットは、再充電可能なバッテリーと、バッテリを再充電するための再充電コンタクトと、参加者によって応答を入力するためのキーパッドと、離間した受信機へ応答を送信するための無線モジュールとを備えている。充電ラックは、それぞれポータブルハンドセットを受ける複数のスロットを備え、各スロットは、ポータブルハンドセットを保持するための弾力性ある保持手段と、ポータブルハンドセットの充電コンタクトと電気的に接続するための電気的接続手段とを含んでいる。充電ラックは、各スロットの電気的接続手段に充電パワーを供給するための電源供給手段を含んでいる。
【0032】
したがって、本発明の当該実施形態によれば、ポータブルハンドセットを簡単な方法で再充電できる参加者応答システムが提供される。再充電ラックは、重力が不要或いは重力の利用を不要とするために、ポータブルハンドセットを保持する弾力性ある保持手段を含んでいる。
【0033】
好ましい実施形態においては、電気的接続手段は、磁力によって接続手段とポータブルハンドセットの再充電コンタクトとの間の電気的接続を維持するための、磁気コンタクトを備えている。磁気コンタクトは、ハンドセットがスロット内に載置された際に良好な電気的接続を確保するとともに、確実に正常な接続を与え、ハンドセット内のバッテリーの正しい再充電を保証する。
【0034】
本発明の一実施形態においては、電源供給手段は、再充電ラック内に保持されたポータブルハンドセットを周期的に充電すべく、電気的接続手段のそれぞれに周期的に電源を供給するように構成されている。本発明の当該実施形態は、ハンドセット内のバッテリーを最も効率よく充電する、つまり、周期的な電源入力を与えるという利点を有しており、これにより、ハンドセットに対する電力を分散することができる。全てのハンドセットに電力を供給するよりむしろ、ハンドセットに周期的な電力を与えることにより、再充電ラックの電源が小型化される。したがって、多くのバッテリーに対する周期的な電源供給による、バッテリーへの周期的な電源供給は、効率的且つ低パワーでのバッテリー充電を可能とする。
【0035】
一実施形態においては再充電ラックがモジュール式であり、電源供給手段を接続するように、他の再充電ラックをモジュール式に取り付けることができる。これにより、イベントにより多くの参加者がおり、そのためシステムにより多くのハンドセットが必要となる場合、参加者応答システムは、モジュール式に相互接続された2以上の再充電ラックを使用することができる。これは、システムの簡単な拡張によって要求を満たすことを可能とする。
【0036】
本発明のさらなる側面は、イベントの参加者によるイベント参加の間、複数の言語それぞれに付き一つの通信チャンネルを使用する翻訳システム及び翻訳方法を提供する。翻訳者には、異なるチャンネルで送受信される言語間の翻訳を行うことができるユニットが提供される。参加者には、あるチャンネルである言語を聞き、且つ、同じチャンネルで同じ言語を話すことができるユニットがを提供される。参加者が話すことを許可されている時、制御システムは少なくとも一つの翻訳者のユニットを制御し、参加者によって話されている言語を受信すべくチャンネルを切り替えて翻訳者による聴取及び翻訳を可能とし、これによって、第2の言語が第2の言語のチャンネルで送信される。
【0037】
好ましい実施形態においては、複数の参加者ヘッドセットが提供される。各ヘッドセットは、参加者により使用される音声入力及び音声出力と、無線通信のための参加者ヘッドセット無線モジュールと、入出力のために、参加者によって話されている言語に割り当てられた通信チャンネルを用いた音声送信及び音声受信をするために、参加者ヘッドセット無線モジュールを制御するコントローラとを備えている。このシステムはまた、翻訳者によって用いられる、少なくとも一つの翻訳者用ヘッドセットを備える。各翻訳者用ヘッドセットは、一つの言語による音声を入力するための音声入力と、別の言語による音声を出力するための音声出力と、無線通信のための翻訳者用ヘッドセット無線モジュールと、第1の通信チャンネルを用いての第1の言語を音声受信及び音声送信をし、且つ、第2の通信チャンネルを用いて第2の言語を音声送信すべく、翻訳者用ヘッドセット無線モジュールを制御するコントローラとを備えている。このシステムはまた、参加者ハンドセットと少なくとも一つの翻訳者用ヘッドセットとの間における音声の無線通信を制御するための、制御システムをさらに含んでいる。制御システムは、参加者が話す第1の言語を、第1の言語に割り当てられた第1の通信チャンネルを用いて音声送信するために、参加者が参加者ヘッドセット無線モジュールの制御下での発話を可能とすべく第1の参加者ハンドセットのコントローラを制御し、第1の通信チャンネルを用いた第1の言語の音声受信及び第2の通信チャンネルを用いた第2の言語の音声送信を行うために、翻訳者が翻訳者用ヘッドセット無線モジュールの制御下での第1の言語の聴取及び第2の言語の入力を可能とすべく、翻訳者用ハンドセットのコントローラを制御し、参加者が話す第2の言語を第2の通信チャンネルを用いて音声受信するために、参加者が参加者ヘッドセット無線モジュールの制御下での聴取を可能とすべく第2の参加者ハンドセットのコントローラを制御するよう構成されている。
【0038】
したがって、本発明の当該側面によれば、イベントの参加者に備えられたハンドセットを用いて同時通訳を提供する、シンプルなシステムが提供される。翻訳者は、出力のとき、翻訳すべき音声を自動的に受信する。もし、翻訳者が第1の言語から第2の言語への翻訳を行い、或いは逆に、第2の言語から第1の言語への翻訳を行う場合、翻訳者への出力は第1又は第2の言語に切り替えられ、これにより、翻訳者による第2又は第1の言語への翻訳が可能となる。このシステムは、中央制御システムによる制御下にある。発表者や講演者は、第1の言語で話すためにハンドセットを使用することができる。第2の言語を使う参加者は、翻訳された第2の言語をハンドセットを用いて受信することができる。もし、参加者が発言を希望し、且つ、その言語が例えば第2の言語である場合、発表者や講演者は、発言を許可すべく制御システムを用いることができる。参加者ハンドセットにおける第2の言語のための通信チャンネルは、受信モードから送信モードへと自動的に切り替わり、対応する翻訳者のハンドセットもまた、第2の言語を受信すべく自動的に切り替わり、翻訳者が出力する第1の言語への翻訳が可能となる。
【0039】
本発明のまたさらなる側面は、イベントの参加者が応答を入力することが可能な参加者応答システムに用いるハンドセットを提供する。ハンドセットは、応答を入力するための入力手段と、離隔した応答受信機に応答を送信するための無線モジュールと、参加者によるスピーチの入力を可能とする音声入力デバイスと、参加者がスピーチを受信し聞くことができる音声出力デバイスと、参加者間における音声通信を可能とすべく無線モジュールを制御し、少なくとも一つの他のハンドセットのグループへ音声を送信し且つ受信する音声コントローラとを含む。
【0040】
したがって、本発明の当該側面によれば、ハンドセットは、イベント参加者のグループのメンバー間における内線機能を備えて構成され得る。
【0041】
さらなる側面によれば、本発明は、参加者により使用され、応答を入力するための複数の無線ハンドセットを備え、イベントの参加者が応答を与えることができる参加者応答システム、並びに、ラックに保持されている時には通信不能とされ、ラックから取り外した時には自動的に通信が可能となる無線ハンドセットを保持するためのラックを提供する。
【0042】
本発明の当該側面は、ハンドセット全体の好都合な制御を提供する。ハンドセットは、ラックから取り外されると自動的に通信可能となる。これは、使用前に参加者がハンドセットをオンする必要をなくす。
【0043】
本発明の当該側面の一実施形態においては、自動的に通信可能とされた後、通信の確立が不可能となった場合、ハンドセットはオフするよう構成される。この特徴は、ラックからハンドセットを取り外したが、例えば基地局のオフによって通信が与えられない場合、ハンドセットの全てを自動的にオフすることを可能とする。
【0044】
本発明の当該側面の一実施形態においては、ラックに保持されたハンドセットを電気的に充電するための充電システムを含み、ハンドセットは、充電が検出されない場合、自動的に通信可能となるよう構成される。したがって、本発明の当該実施形態は、ハンドセットがラックから取り外された場合や、充電システムのオフにより全体的にラックから離脱した場合、例えば基地局との通信が不可能であるとすれば、ハンドセットを自動的にオフし得る。
【0045】
本発明の一側面においては、参加者が応答を入力するために用いる複数の無線ハンドセットを備え、イベントの参加者が応答を与えることが可能な参加者応答システム、並びに、無線ハンドセットを保持するためのラックであって、ラック内のハンドセットを通信不能とすべくスイッチをオフするためのハンドセット制御手段を含むラックを提供する。
【0046】
当該側面によれば、ハンドセットの全体的な簡単な制御が可能となる。ハンドセット制御手段は、ハンドセットをスイッチオフするための信号を送る電気的信号配列を備えることができる。
【0047】
本発明の当該側面の一実施形態においては、ハンドセットがラックから取り外されると、通信を可能とすべくスイッチオンするよう構成される。これは、参加者がハンドセットをスイッチオンし忘れるのを防ぐことができる。
【0048】
本発明の当該側面の一実施形態においては、ハンドセットは再充電可能なバッテリーを含み、ハンドセット制御手段はハンドセットを再充電するための電気的充電システムを備え、電気的充電システムはオン又はオフに切り替え可能であり、ハンドセットは充電システムがスイッチオフするとスイッチオフするよう構成されている。したがって、本実施形態においては、充電システムは制御システムとして機能する。
【0049】
本発明の当該側面の一実施形態においては、ハンドセットは、充電システムからの充電が検出されない場合には通信可能とすべくスイッチオンし、仮に、通信を確立できない場合はスイッチオフするよう構成されている。これは、ハンドセットがラックから取り外され、ラックがスイッチオフすると、接続を試みるべくハンドセットの自動的なスイッチオンを可能とする。例えば基地局が検出されないなど通信が不可能であれば、ハンドセットは自動的にオフする。これにより、ハンドセットを自動的にスイッチングする簡単な方法が提供される。
【0050】
上記のように、本発明の種々の側面を別々に説明したが、改良されたシステム及び方法を提供すべく、本発明のいかなる側面も本発明の他のいかなる側面と結合して用いることが可能である。
【0051】
本発明の実施形態は、下記の添付図面を参照しながら説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1aは、本発明の一実施形態にかかるハンドセットの上面図である。 図1bは、本発明の一実施形態にかかるハンドセットの正面図である。 図1cは、本発明の一実施形態にかかるハンドセットの底面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかるハンドセットにスマートカードを挿入した状態を示す図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態にかかる一揃いの再充電ラックにハンドセットを格納した図である。
【図4】図4aは、本発明の一実施形態にかかる再充電ラックの側面図である。 図4bは、本発明の一実施形態にかかる再充電ラックの部分断面図である。 図4cは、本発明の一実施形態にかかる再充電ラックの正面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態にかかる参加者応答システムの概略図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態にかかるハンドセットの構成要素の概略図である。
【図7】図7aは、本発明の一実施形態にかかるハンドセットへの設定データのアップデート方法を示すフローチャートである。 図7bは、本発明の一実施形態にかかるハンドセットへのBIOS及び設定データのアップデート方法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の一実施形態にかかる参加者応答システムのコントローラとして機能するコンピュータシステムの機能要素の概略図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態にかかるハンドセットのスイッチオンしている際の動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に従って、ハンドセットがキーパッドモードである場合のステップを示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の一実施形態に従って、ハンドセットが基地局モードである場合のハンドセットにより実行されるステップを示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に従って、ハンドセットの再充電中(再充電モード)におけるハンドセットにより実行されるステップを示すフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の一実施形態に従って、ハンドセットと基地局との間の通信をモニタリングする際に行われるステップを示すフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に従って、ハンドセットと基地局との間の通信に用いるタイムフレーム(周波数ホップ)の構造を示すフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の第1の実施形態によるフレーム内のスロットタイプの内容を示す表である。
【図16】図16は、本発明の第2の実施形態によるスロットタイプの内容を示す表である。
【図17】図17は、本発明の一実施形態による情報スロットの内容を示す表である。
【図18】図18は、本発明の一実施形態による独立した2つのハンドセットのグループからなる参加者応答システムの概略図である。
【図19】図19は、本発明の一実施形態によるマスターハンドセットがコントローラとして機能する参加者応答システムの概略図である。
【図20】図20は、本発明の一実施形態による、独立しつつオーバーラップした2つのハンドセットのグループからなる参加者応答システムの概略図である。
【図21】図21は、本発明の一実施形態による、範囲を拡張すべく2つの基地局を用いた参加者応答システムの概略図である。
【図22】図22は、本発明の一実施形態に従って、2以上の基地局を利用する参加者応答システムの動作を示すフローチャートである。
【図23】図23は、本発明の一実施形態による参加者応答システムに組み込まれた翻訳システムの概略図である。
【図24】図24は、本発明の一実施形態に従って、図23の翻訳システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
図1a,1b,1c及び図2を参照しながら、本発明の一実施形態にかかる参加者応答システムに使用するハンドセットについて説明する。ハンドセット1は、会議のようなイベントの参加者に情報を表示するとともに、投票やイベントで提起された質問に対する回答を示す数字を表示するための液晶ディスプレイ2を含んでいる。液晶ディスプレイは、青又は緑のバックライト付きの97×32画素のドットマトリクスLCDである。
【0054】
これは、参加者に対する情報の表示を、フレキシブルなグラフィック表示で構成することを可能とする。LEDディスプレイ2は、ハンドセット1のステータスに関する情報を表示することができる。例えば、バッテリーアイコンは、バッテリー残量を示すセグメントで表示することができる。アンテナアイコンは、信号強度や基地局より受ける信号を棒を用いて表示することができる。時計アイコンは、システムコントローラとして機能するコンピュータの時間やマスターハンドセットの時間に従ったシステム時間を表示することができる。
【0055】
ハンドセット1の正面は、携帯電話機に備えられているような通常の配置によるキーボード3も備えられている。英数字キーは、通常の長方形配置によって配置されている。キャンセルキー3a及びソフトキー3bは、プログラマブルな入力を提供すべくプログラム可能に構成されている。加えて、上下の矢印キー3cも備えられている。さらに、ハンドセット1のオンオフを切り替えるための電源オン/オフボタン4が備えられている。
【0056】
加えて、通常の携帯電話機の構成に従って、正面の下端にはマイク5が備えられ、正面の上端にはスピーカ6が備えられ、これによりユニットを会話に使用することができる。
【0057】
ハンドセット1の上端部には、ハンドセット1の状態を表示可能なLEDインジケータ7が備えられている。インジケータの緑色の点灯は基地局に接続されていることを示し、オレンジ色の点灯は信号レベルが低いことを示し、赤色の点灯は基地局への接続試行を示す。詳細については後述するが、ハンドセット1が充電ラックで充電されている時には、LEDは各ハンドセットの充電サイクルの進行を示す。赤色は低充電を示し、オレンジ色は低充電からほぼ満充電を示し、緑色は充電完了を示す。充電サイクル中で充電されている時、LED7は点滅する。
【0058】
ハンドセット1の上端部には、リストストラップ11を接続可能なリストストラップバー10が設けられている。ハンドセット1の上端部にはまた、図2に示すように、スマートカード9を挿入するためのスマートカードスロット8が備えられている。スマートカード9は、ハンドセット1の設定情報を運ぶことができる。設定は、ハンドセット1の動作モードのセッティングの形を取るか、または単に、ハンドセット1の動作中に用いるパラメータの入力の形を取ることができる。スマートカードは、コンピュータコードを与えることによって、ハンドセット1を完全にプログラムし直すために用いることさえ可能である。したがって、スマートカードは、ハンドセット1をプログラミング又は設定する一手段として機能する。
【0059】
ハンドセット1の底面部には、2つの再充電コンタクト12a,12bが設けられている。これら金属接点は磁力によって引きつけられる材料によって構成され、これにより、充電ラック中の磁気コンタクトは、再充電コンタクト12a,12bに引きつけられ、そして接触する。
【0060】
また、ハンドセット1の底面部には3つのソケット、つまり、RS232C通信プロトコルを用いてコンピュータと接続するためのデータソケットと、外部マイクを接続するためのマイクソケット14と、外部スピーカまたはヘッドフォンを接続するためのヘッドフォンソケット15を備えている。
【0061】
ハンドセットを再充電するための参加者応答システムの再充電ラックの構造を、図3及び図4を参照しながら説明する。
【0062】
図3は、ハンドセット1を収容する2バンクの再充電ラックを示している。個々の充電ラック20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g及び20hは、モジュール形式で全体的に接続されている。5つの再充電ラック20a,20b,20c,20d及び20eからなるバンクは、図3において、わずか3つの再充電ラック20f,20g及び20hからなる第2のバンクに隣接して示されている。ラックは、5つのバンクを全体的に接続するか、あるいは、2つのバンクを積層するようにしたモジュール形式である。電気コネクタは、再充電ラックの後部に沿って、図示するように再充電ラックがモジュール形式で接続された場合に電気コネクタが全体的に接続するよう、設けられている。各再充電ラックは、それ自身の電源として9〜12ボルトの直流を使用することができ、或いは、最大50個のブロックに接続することができる。各再充電ラックは、ハンドセットを挿入するためのスロットを5つ有している。ラックは、スロットが横向きか上向きに互いに積層するよう設計される。各ラックの後部には、垂直面に取り付けるための2つの鍵穴スロットが設けられている。
【0063】
図4a,4b,4cにより詳しく示すように、個々の充電ラック200は、ハンドセット1を挿入するための5つのスロット201が備えられている。各スロットは、再充電ラックの2つの側面203,204を横切って広がる棚によって形成されている。各スロット201内の側面203,204には、スロット201内のハンドセット1を弾力的に保持するための弾力性又はバネ機構205が備えられている。バネ性磁気コンタクト207は、PCB210に直接搭載されている。バネ性磁気コンタクトは、ハンドセット1の2つの再充電コンタクト12a,12bと接続するために、導電性磁気材料によって構成されている。PCB210は、再充電ラック200の後部のマウント208に取り付けられている。バネ性マウント211は、PCB210に磁気コンタクト207を取り付ける役割を果たす。これにより、磁気コンタクト207には、PCB210を横切って敷設されたパワーレールを介して、9〜12ボルトの直流電源(図示せず)からの電流が供給される。PCB210上には、PCB210への電源供給のための直流電源コネクタ212が設けられている。両側には、再充電ラック200と他の再充電ラックをモジュール式に接続可能とするパワーレールソケット213が設けられている。これにより、ハンドセット1内のバッテリーを再充電するための電源が供給される。電流はいずれの方向に供給することもでき、また、ハンドセットはスロット201に上を向けて又は下を向けて挿入することが可能である。再充電ラック200の後部には、放熱のためのヒートシンク214が取り付けられている。
【0064】
磁気コンタクト207を介したハンドセット1のバッテリーへの充電は、PCBに搭載されたマイクロプロセッサによって制御される。マイクロプロセッサは、各ハンドセット1に順番に60秒間の充電を与える制御を各スロットに行う。ハンドセット1は、低充電を示す赤から、オレンジそして満充電された場合には緑へと、LED7の色を制御する。コミュニケータが充電されている間、LED7は点滅する。もし、スロット201がハンドセット1で満たされていないか、或いは、ハンドセット1が完全に充電された場合には、マイクロプロセッサ209は、スロット201の磁気コンタクト207に対する電源供給をスキップし、次のスロットに電荷を供給する。ラック200内に完全に充電されていないハンドセットが一つだけある場合には、まだ完全に充電されていないハンドセット1は、60秒間の充電を受けた後、充電を再度行う前に60秒間中断される。ラック200内のハンドセット1が完全に充電された場合、すなわち、各ハンドセット1のLEDが緑である場合、各ハンドセット1の満充電状態の維持を確実にするため、時折マイクロプロセッサ209は60秒の追加充電の制御を行う。
【0065】
したがって、図3及び図4に示すように、再充電ラックは、ハンドセットをしっかりとつかむことによって所定の位置にしっかりと保持するとともに、磁気的に良好な結合を確保する電気的結合を行う付勢機構を備えることによって、多くのハンドセットを再充電する便利な方法を提供する。
【0066】
図5は、本発明の一実施形態にかかる参加者応答システムを示す概略図である。図示した実施形態は、複数のハンドセット30a,30b及び30cが、参加者応答システムを制御するコンピュータ32に接続された基地局31と通信する、通常の構成である。本発明の当該実施形態は、基地局31が基地局として機能するのに好適に構成されたハンドセット1からなる点において、従来技術の構成と異なっている。基地局31は、データソケット13を介したRS232C接続33によって、コンピュータ32のRS232Cポートに接続されている。したがって、本発明の当該実施形態は、シリアルコネクタ33及びコンピュータ32にロードするためのソフトウェアに加えて、単に設定可能な複数のハンドセットを用いることにより提供でき、よりフレキシブルで簡素化されたシステムを提供する。
【0067】
ハンドセット1の構成について、図6を参照しながらより詳細に説明する。
【0068】
再充電可能なバッテリー41に対して電荷を供給するために、再充電コンタクト12a,12bに接続された充電ユニット40が設けられている。充電ユニット40は、マイクロプロセッサ43による制御の下、バッテリー41の充電を制御する。ハンドセット1内の回路を駆動するのに必要な電圧を発生させるバッテリー41の電源として用いる電源供給ユニット(PSU)42が備えられている。
【0069】
ハンドセットの心臓部はマイクロプロセッサ43である。マイクロプロセッサ43は、フラッシュ読み出し専用メモリ(ROM)44にロードされたコードによって制御される。ROM44にはコードが格納された3つのセクション、すなわち、ブートローダー、BIOS及び設定データがある。これら3つのコード群は、それぞれROM44内の異なるアドレスに格納されている。また、マイクロプロセッサ43は、作業メモリとして使用するランダムアクセスメモリ45を備えている。マイクロプロセッサ43は、LCDディスプレイ2を順次駆動するディスプレイドライバ46に接続されている。また、マイクロプロセッサ43は、キーボード3、並びに、スマートカード9を読み出すためのスマートカードスロット8に連結して設けられたスマートカードインターフェース47に接続されている。また、マイクロプロセッサ43は、データソケット13に連結して設けられたRS232Cインターフェース48に接続されている。他のハンドセットとの通信に用いるRFモジュール50の制御のために、サブプロセッサ49が備えられている。RFモジュールは、ハンドセット1の筐体内に収容されたアンテナ51に接続されている。また、マイクロプロセッサ43は、音を発生させるためのサウンダ55に接続されている。
【0070】
音声入出力のデジタル信号処理に用いる音声デジタルシグナルプロセッサ(DSP)51が備えられている。アンプ53により増幅され、スピーカ6へ出力、或いは、ヘッドフォンソケット15を介して出力されるアナログ出力を生成する、アナログデジタル変換器/デジタルアナログ変換器(ADC/DAC)52が備えられている。また、ADC/DAC52は、マイク5又はマイクソケット14より入力された信号を受けるアンプ54からのアナログ音声入力を受ける。
【0071】
したがって、音声DSP51は、ハンドセット1間における音声通信を行うべく、RFモジュール50による他のハンドセットへの送信のために、マイクロプロセッサ43と連動して入力音声及び出力音声を処理することができる。
【0072】
マイクロプロセッサ43は、ROM44内のコードによる制御の下で動作する。ハンドセットが基地局として機能する場合、マイクロプロセッサ43は、RS232Cインターフェース48を介して、コントローラとして機能するコンピュータと通信を行うことができる。マイクロプロセッサ43は、RS232Cインターフェース48を用いて、コマンド、設定データ及びROM44にロードすべき新しい設定コードをコンピュータから受け取ることができる。また、マイクロプロセッサ43は、スマートカードインターフェース47を介して、設定データやコンピュータコードをスマートカードから受け取ることができる。コンピュータやスマートカードから受け取った設定データやコンピュータコードは、ハンドセットの動作モードの設定に用いたり、或いは、単にハンドセット内のパラメータをリセットするために用いることができる。
【0073】
もし、基地局として機能するハンドセットが他のハンドセットにパスすべきコマンドをコンピュータから受け取った場合、マイクロプロセッサ43はサブプロセッサ49を制御し、サブプロセッサ49は、RFモジュール50を順次制御して当該コマンドを他のハンドセットに送信する。
【0074】
ハンドセットがキーパッドモードで動作している時、すなわち、参加者のハンドセットとして機能している時には、参加者の応答はキーボード3を用いて入力することができる。マイクロプロセッサ43は、LCDディスプレイ2に入力した参加者の応答を表示するよう、ディスプレイドライバ46を制御することによってこれを表示する。応答を入力する以前に、参加者による応答の入力を開始又は促すために、RFモジュール50は、特定の質問やコマンドを受信しているかもしれない。その結果、ディスプレイドライバ46は、参加者からの回答を求める質問を表示すべく、LCDディスプレイ2を制御することができる。その代わりに、「投票して下さい」又は「回答して下さい」などのプロンプトを表示することもできる。また、LCDディスプレイ2は、RFモジュール50によって他のハンドセットから受信した、他のいかなる情報をも表示することもできる。
【0075】
図7a及び図7bのフローチャートを参照しながら、ROM44内のコードを変更することによるハンドセットの設定方法について説明する。
【0076】
フラッシュROM44は、ブートローダーと呼ばれる第1のセクションのコードを含んでいる。これは、ハンドセット1が新しいコード、例えば、RFモジュール50をコントロールするコードをロードする動作に必要な最小限のコードである。BIOSコードは、マイクロプロセッサ43によって実行可能なコードによって構成される。設定データは、バイナリコード形式のデータによって構成される。このデータは、ハンドセットの機能性に関するパラメータを定義する。パラメータは、情報の表示のために用いられる言語、使用されるフォント、サウンダ55から再生するための用いられる音、並びに、使用されるアイコンのような、ユーザインターフェースパラメータを含むことができる。また、情報は、モーダルパラメータを含むことができる。モーダルパラメータは、機能性モードと同様に、ディスプレイレイアウトモードなどのモーダルな状態の範囲を構成することができる。各機能性モードは、機能のセット、すなわち、機能や特徴の有効又は無効により設定することができる。機能性モードは、例えば以下を含むことができる。
【0077】
基地局モード−RS232Cインターフェース48によってコンピュータとのRS232C接続が検出された場合、自動的にこのモードに入る。
【0078】
キーパッドモード−参加者による応答の入力を可能とすべく、ハンドセットがオーディオ機能なしでキーパッドとして動作する。
【0079】
マイクロフォンモード−このモードにおいては、ハンドセットは、RFモジュール50によって送信するためのユーザによるスピーチの入力が可能なキーパッドとして機能する。
【0080】
スピーカーモード−このモードは、ハンドセットをキーパッドとして機能させるとともに、スピーカー6からの音声出力を有効とするモードである。
【0081】
内線モード−このモードでは、ハンドセットはキーパッドとして構成され、且つ、音声入力及び音声出力の両方が有効とされる。音声出力は、送信チャンネルとして一つのチャンネルが使用され、音声入力は、受信チャンネルとして他の一つのチャンネルが使用される。
【0082】
充電モード−ハンドセットが充電ラックにある場合、充電モードに入る。
【0083】
テキストメッセージングモード−このモードにおいてはハンドセットはキーパッドとして機能するが、会議などのイベントの間、参加者は他のハンドセットへ送信するためのテキストメッセージを入力することができる。
【0084】
アラームモード−このモードはバックグラウンドで実行することができ、ハンドセットが基地局からの信号を失った場合、基地局の信号を再び受信するまで、サウンダ55を制御して警告音を生成する。これは、圏外アラームとして機能し、2つの利点、すなわち、基地局の圏外にいる場合にこれをユーザに警告するとともに、参加者がハンドセットをイベントの外に持ち出すのを防ぐ盗難防止の機能を持つ。
【0085】
これらのモードは相互に排他的である必要はなく、ハンドセットは、これらのモードの組み合わせにしたがって動作することができる。ハンドセットは、基地局及び参加者のキーパッドの両方として機能することさえ可能である。
【0086】
図7aは、ROM44内の設定データのアップデート方法を示すフローチャートである。
【0087】
ステップS1において、ハンドセットはプログラミングモードに入る。これは、コンピュータからRS232Cインターフェースを介したコマンドによって達成することができる。その代わりに、スマートカードスロット8に再プログラミングスマートカード9を挿入することによって達成することもできる。さらに、RFモジュール50を介した無線通信によりコマンドを受信することによって達成することもできる。ハンドセットがプログラミングモードに入ると、最初のステップ(ステップS2)は、ROM44内の設定データの消去である。そして、新しい設定データがダウンロードされる(ステップS3)。これは、RS232Cインターフェース48を介してコンピュータからダウンロードすることもができるし、スマートカードインターフェース47を介して再プログラミングスマートカード9からダウンロードすることもできるし、或いは、基地局として機能するハンドセットのように、離間したハンドセットからRFモジュール50経由でダウンロードすることもできる。新しい設定データはROM44にロードされ、チェックされ、そして、ハンドセットの動作の実行に用いられる(ステップS4)。したがって、設定データのアップデートによって、ハンドセットの再設定は完了する。
【0088】
設定データの変更は、ハンドセットの動作を変えるモード変更を可能とする。しかしながら、これは実行可能なコード、すなわち、ROM44内のBIOSによって定められるハンドセットの機能に影響するものではない。ハンドセットが初期製造状態や、その後の完全な再プログラミング状態にある場合は、ハンドセットの動作機能を変更するために、BIOSを入れ替えることが可能である。これを行う方法は、図7bのフローチャートに示される。
【0089】
ハンドセットは、プログラミングモードに入る(ステップS10)。図7aに関連して説明したように、これは、RS232Cインターフェース48を介したコマンドの結果、スマートカードインターフェース47を介した再プログラミングスマートカード9より受けるコマンド、或いは、RFモジュール50をから受信したコマンドの結果に基づいて達成することができる。プログラミングモードの最初のステップ(ステップS11)は、ROM44内の設定データの消去である。そして、新しいBIOSデータがROM44の設定データ領域にダウンロードされる(ステップS12)。そして、設定データ領域にダウンロードされた新しいBIOSは、エラーがないことを確かめるべくチェックされる(ステップS13)。チェックが無事に完了したならば、ROM44内のBIOS領域に格納された古いBIOSが消去され(ステップS14)、設定データ領域内の新しいBIOSがROM44内のBIOS領域に転送される(ステップS15)。そして、新しい設定データがダウンロードされて設定データ領域に格納されるとともに(ステップS16)、設定データがチェックされ、ハンドセットの実行に使用される(ステップS17)。このように、有効な新しいBIOSを受信する前に古いBIOSを消失する危険に晒されることなく、ハンドセットは完全に再プログラミングされ、再設定される。
【0090】
図8を参照しながら、参加者応答システムのコントローラとして動作するコンピュータ32の機能的な構成を説明する。
【0091】
図8は、コンピュータ32の内部でコンピュータコードとして一般的に実行される機能ユニットの概略図である。コンピュータ32は、基地局31として機能するハンドセットに接続する通信ケーブル33が接続されたRS232Cインターフェース60を備えている。通信ドライバ61として機能するソフトウェアモジュールは、RS232Cインターフェース60を介して送信される通信を制御する。バーナーモジュール62は、ハンドセットをプログラムモードとするとともに、図7a及び図7bを参照して上述したように、設定データや新しいBIOSをダウンロードするために設けられている。バーナーは、設定データ領域内のBIOS及びバイナリデータ内に、実行可能なコードをダウンロードする手段を提供する。バイナリBIOSコードやバイナリ設定データは、バイナリコード格納部69内のメモリに格納される。バイナリBIOSコードやバイナリ設定データは、コンパイラ70によって、ソースコード格納部71に格納されたソースコードから生成することができる。ソースコードは、コード設計アプリケーション72を用いて生成することができる。最も単純な構成によれば、コード設計アプリケーションは、ソースコードを記述するテキストプロセッサによって構成することができる。BIOSへのコードは、C言語などのコンピュータ言語によって記述することができる。設定データは、XMLで記述することができる。そして、BIOSは、コンパイラ70によってマイクロプロセッサ43が実行可能なコードにコンパイルされる。XMLは、BIOSコードの実行中にデータとして用いるべく、マイクロプロセッサ43によって解読可能なように、バイナリに符号化される。したがって、コンパイラ70は、ハンドセット1内のマイクロプロセッサ43によって実行可能なコンパイルされたコードを生成するように機能する。
【0092】
また、インターフェースポート63は、通信を行うための通信ドライバ61を備えている。インターフェースポートは、RS232Cインターフェース60を介した基地局31への通信及び基地局31からの通信用のインターフェースとして機能する。応答の要求及び/又は参加者からの答えを必要とする質問の提示を制御するために、コンピュータ32の内部でイベントアプリケーション65が実行される。これは、OLEオブジェクト64を介してインターフェースポート63とリンクされている。OLEオブジェクト64は、イベントアプリケーション65への応答の返信を可能とする。また、OLEオブジェクト64は、応答や質問の要求をハンドセット1に送信することを可能とする。例えば、イベントアプリケーション65をパワーポイント(商標)によって構成することができる。したがって、コンピュータは、レクチャーの参加者や会議の参加者といった参加者に表示するためのプレゼンテーションを生成することができる。パワーポイントのプレゼンテーションは、今投票するか、プレゼンテーションで提起された質問に答えることを参加者に求めることができる。そして、ハンドセット1から受信した応答は、OLEオブジェクト64によってプレゼンテーションの中に組み込まれ、表示される。これは、会議の参加者からの即座のフィードバックを可能とする。
【0093】
インターフェースポート63は、統計アナライザ66にも接続されている。これは、ハンドセットとコンピュータとの間の通信に関する情報のモニターを可能とするアプリケーションである。これは、診断目的に使用することができる。
【0094】
インターフェースポート63は、通信イベントのデータログを格納するためのイベントログデータ格納部67にも接続されている。これは、データログアナライザ68によるデータログのオフライン学習を考慮したものである。データログアナライザは、イベントログデータ格納部に格納されたイベントを表すテキストを表示する、簡単なテキスト表示アプリケーションによって構成することができる。イベントログは、ハンドセットに固有のユーザID、並びに、低信号通知、低充電通知、回線切断、及び、キー入力すなわち応答を含むハンドセットのイベント履歴を含むことができる。低信号通知は、パワーレベルの表示よりもむしろ、パケット喪失の表示であるかも知れない。
【0095】
図9〜図13を参照しながら、ハンドセットの動作について説明する。
【0096】
図9は、ハンドセットの動作を示すフローチャートである。ハンドセットがスイッチオンされると(ステップS20)、コンピュータ信号の存在を検出するために、ハンドセットはRS232Cインターフェース48をモニタする(ステップS21)。コンピュータ32は、RS232Cインターフェースを介して定期的に信号を送信する。ハンドセットは、ハンドセットを基地局モードに切り替えるための命令を信号が含んでいるか否かを判断する。このような信号が検出されないならば、ハンドセットはキーパッドモードとなる(ステップS22)。この信号が検出されたならば、ハンドセットは基地局モードとなる(ステップS23)。キーパッドモードにおいては、コンピュータ信号を定期的にチェックする(ステップS21)。したがって、キーパッドモード(ステップS22)であるハンドセットの動作中の任意の時点で、ハンドセットを基地局モードに切り替えることができる(ステップS23)。
【0097】
基地局モード及びキーパッドモードであるハンドセットの動作を説明する前に、まず、ハンドセット間における無線通信のモードについて説明する。
【0098】
本発明の当該実施形態では、ハンドセットは、2400〜2483.5MHzの無線周波数を使用する。このシステムは、ETS 300 328規格にしたがって動作する。この通信方式は、80チャンネルを提供するスペクトラム拡散通信方式である。これは、大まかにDECT基準に基づいている。ハンドセットは、1フレームを一つの周波数で10ms送信し、そして、80の異なる周波数チャンネルに亘って、疑似ランダム周波数変更シーケンスを用いて各フレームの周波数を変える。これは、1秒当たり100フレームを提供し、ロウデータレートは1秒当たり1.024Mビットとなる。送信プロトコルについては、図14〜図18を参照しながら追って詳述する。
【0099】
図10は、キーパッドモードであるハンドセットの動作を示すフローチャートである。ハンドセットは受信機をターンオンし、基地局情報メッセージを傍受する(ステップS30)。ハンドセットは、基地局の周波数ホッピングレートよりも早く、周波数テーブル上で、ある周波数から次の周波数へと傍受を移動する。これは、場合によってキャプチャー期間を延長しながら、基地局の検出成功が、干渉によって損なわれるかも知れない単一の周波数に依存しないことを確実とする。ハンドセットが基地局送信フレームを検出しない間(ステップS33)、ハンドセットは周波数テーブル内で周波数のホップを続ける。タイムアウト期間内に基地局送信フレームを検出せず(ステップS31)、且つ、前のモードが充電モードであったならば、ハンドセットはターンオフされる(ステップS32)。したがって、ハンドセットを充電ラック200から取り外すか、充電ラックがスイッチオフされたならば、ハンドセットは無線受信機を自動的にスイッチオンし、そして、基地局を探すことができる。基地局が見つからないならば、ハンドセットは自動的にターンオフする。これは、詳細を後述するように、多くのハンドセットの取り扱いを容易にする便利な特徴である。
【0100】
ハンドセットが基地局送信フレームを検出し(ステップS33)、そして、ハンドセットが特定のベース番号を用いて設定されており、且つ、基地局が基地局送信フレームにてそのベース番号を送信しない場合(ステップS34)、ハンドセットのベース番号と基地局のベース番号とが一致しないことから、基地局送信は無視される。これは、干渉を防ぐために、ハンドセットのグループの使用を異なる基地局に関連づけることを可能とする。
【0101】
基地局送信フレームが正しいベース番号であるならば(ステップS34)、ハンドセットは、固有のハンドセットIDとともにステータス信号を送信する(ステップS35)。メッセージを送信する準備ができている時はいつでも、他のハンドセットからの他のメッセージとの衝突を減らすために、スロットの乱数によって遅延される。ハンドセットが基地局からアクノリッジメントを受信しないならば、基地局からアクノリッジメントが返信されるか、或いは、設定可能なリトライの最大数に達するまで、ハンドセットはステータスメッセージを再送する。リトライの最大数に達しているならば、ハンドセットは、ステータスメッセージの送信試行を停止する。ハンドセットは10秒間待機し(ステップS37)、そして、新しいステータスメッセージを送信する(ステップS35)。ハンドセットがアクノリッジメントを受信したならば(ステップS36)、基地局からフレームのコマンドスロットに、モード変更コマンドを受けることが可能となる。ハンドセットは、どのモードであるかにかかわらず、10秒おきにステータスメッセージを送信し続ける。コマンドスロットにあるハンドセットIDがゼロであるか、又は、ハンドセットのIDと一致したならば、ハンドセットは、動作のモードがモード変更コマンドにしたがって設定される(ステップS40)。そして、ハンドセットは入力待機する(ステップS41)。コマンドスロットにあるIDがゼロではなく、且つ、ハンドセットのIDと一致しなければ(ステップS39)、ハンドセットに対してモード変更コマンドは指示されず、したがってそれは無視され、そして、ハンドセットは入力待機する(ステップS41)。
【0102】
このフローチャートにおいては、ハンドセットと基地局との接続の直後にモード変更コマンドを受けるように記載されているが、ハンドセットはいつでもモード変更コマンドを受信し、実行することができる。また、ハンドセットが再充電ラックに挿入されている時は、いつでもハンドセットは再充電モードに入ることができる。
【0103】
図11は、基地局モードにあるハンドセットの動作を示すフローチャートである。
【0104】
ステップS50において、基地局は全てのフレームで、ベース番号、タイムスロット構造及びシステム時間を、スロット内の情報メッセージの中で送信する。基地局が接続メッセージを受信したならば(ステップS51)、基地局はアクノリッジメントを送信する(ステップS52)。そして、基地局はRS232Cインターフェースを介して接続メッセージをコンピュータに送信する(ステップS53)。接続メッセージは、ハンドセットの固有のIDを含む。基地局はコンピュータからモード変更コマンドを受信することができ(ステップS54)、そして、基地局はフレーム内のコマンドスロットにおいてモード変更コマンドを送信する(ステップS55)。
【0105】
コンピュータは、図13を参照しながらより詳細に説明するように、ハンドセットの固有のID及びハンドセットとの接続に関する統計情報を含む接続情報を記憶する。
【0106】
充電ラックとともに使用されるハンドセットの動作について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0107】
ステップS60において、ハンドセットは充電ラックに置かれている。充電ラックがオンしているならば、ハンドセットはこれを検知して充電モードに入り、無線をオフにすることによって基地局から切断する(ステップS61)。そして、充電ラックは、5個のブロック内のハンドセットの周期的な充電を行う(ステップS62)。各ハンドセット内のマイクロプロセッサは、各ハンドセット内の充電ユニット40を制御することによって、充電量を制御する。このプロセスは、完全に充電されるまで続けられる(ステップS63)。そして、充電ラックは、追加充電モードに入る(ステップS64)。追加充電モードにおいては、満充電状態を保つべく、ハンドセットに60秒間の充電が与えられる。これは、ハンドセットがラックから取り出されるまで続けられる(ステップS65)。ハンドセットが充電ラックから取り出されると、ハンドセットはスイッチオンする(ステップS66)。そして、図9のフローチャートに示したプロセスが実行される。コンピュータからの信号を検出することは起こりそうにない、すなわち、RS232Cコネクタ33がすぐにハンドセットに接続されることはないことから、通常、ハンドセットはキーパッドモードに入る(ステップS22)。
【0108】
本発明の実施形態による再充電ラックは、イベントで使用される多数のハンドセットの便利な制御を可能とする。システムは、ハンドセットの電源を切る便利な方法を提供する。ハンドセットが充電ラック200に置かれている場合、オンしているかオフしているかにかかわらず、これらは充電モードに入る。ハンドセットが取り外された場合や、充電ラックがスイッチオフされた場合、すなわち、コンタクト12a,12bに供給される充電パワーがもはや検出されない場合、ハンドセットはオンし、そして、基地局との接続を試行する(ステップS30)。基地局が検出されたならば(ステップS31)、これらは接続する。検出されなかったならばこれらはオフする。これは、複数のハンドセットを同時に制御する便利な方法を提供する。これは、基地局をオフにしたり、再充電ラックをオフにすることによって、ハンドセットのターンオフを可能とする。また、ハンドセットの自動的なターンオンも可能とする。これは、基地局との接続を可能とするために再充電ラックをスイッチオフすることによって、グループとしてのハンドセットのテストに好都合である。また、これは、参加者が使用するハンドセットを自動的にスイッチオンし、そして、(基地局に)接続する時、会議、レクチャー、セミナー、ミーティングなどのイベントにおいて好都合である。これは、参加者や主催者によるハンドセットのスイッチオンを不要とする。参加者や主催者によってハンドセットが再充電ラックから取り外されると、ハンドセットはスイッチオンし、そして接続する。同様に、ハンドセットが再充電ラックに再度置かれると、ハンドセットは再充電モードに切り替わり、そして、基地局から切断する。したがって、イベントの開始から終了まで、忘れずにハンドセットをオン又はオフに切り替える必要がない。これは、プロセスを簡素化し、入力や参加者に求められる協力を低減する、会議の主催者にとっての恩恵である。
【0109】
本発明の実施形態による参加応答システムの重要な特徴は、基地局とハンドセットとの間の通信状態をモニタする能力である。投票アプリケーションに適用する場合、投票者となり得る者が投票できる位置にいることを保証する重要な特徴である。例えば、彼らのハンドセットが通信を失っていたり、バッテリー切れであるとすれば、彼らは投票することができない。投票が法的影響を持つアプリケーションのためには、投票者によって操作されるハンドセットの通信状態をモニタするのは不可欠である。このように、投票が行われるとき、彼らが投票を通信できたか否かを判断することができ、そして、仮に投票しなかったならば、投票しないことを選択したためであるに違いない。
【0110】
図13は、本発明の実施形態による通信状態のモニタリング方法を示すフローチャートである。
ハンドセットは定期的に、例えば10秒ごとにステータスメッセージ信号を送出する(ステップS70)。ハンドセットは、送信及び受信した全てのメッセージに関する統計を記録する。ステータスメッセージは、ハンドセットの固有のIDとともに、1秒ごとに受信する、通信できなかった時間すなわちシステム時間のフレーム、再送、メッセージの送信遅れ、バッテリーの状態、信号強度を含み得る統計情報を有している。基地局が次のフレームでハンドセットにアクノリッジメントを送信するならば(ステップS71)、基地局はコンピュータ32にステータス情報を送信する(ステップS73)。そして、コンピュータ32は、この情報をイベントログデータ格納領域67に格納する(ステップS74)。このデータは、ハンドセットとの通信における統計データを形成するために格納される。したがって、ハンドセットとの通信の状況を構築するために、コンピュータは10秒ごとにデータを格納する。各ハンドセットは、固有のIDによって特定される自身の記録を有している。
【0111】
このようにして、現在の通信品質の記録がハンドセットに格納され、そして、過去の通信の記録がコンピュータに格納される。したがって、コンピュータは、ハンドセットとの通信がいつ切断されたかを特定することができ、そして、イベントログデータは切断の有力な理由、例えば、最後のステータスメッセージ信号が低充電を示していれば、バッテリを使い果たしたのであろうし、最後のステータスメッセージ信号が低信号強度を示していれば、ハンドセットが圏外となったのであろうといった理由を特定することができる。信号強度は、絶対的なパワーレベルよりもむしろ、1秒間に受信したパケット数によって表すことができる。また、失ったパケット数やリトライ数も記録される。コンピュータは、記録された統計のハンドセットからのダウンロードの要求するコマンドを、定期的に送信することができる。この情報は、無線通信リンクを介して送信することができ、そして、イベントログデータ格納領域67に格納される。これにより、コンピュータは、基地局とハンドセットの間の通信状態の完全な状況を入手することができる。
【0112】
図14〜図17を参照しながら、ハンドセット間の無線通信のための通信プロトコルについて説明する。
【0113】
図14は、タイムフレームを示す図である。各タイムフレームは、単一の周波数における10ミリ秒の期間に亘ったデータの送信を表す。したがって、1秒当たり100フレームで、1秒当たり1.024Mビットのデータレートで送信される。図14に示すように、各タイムフレームは、0番〜19番からなる20のスロットに分割されている。したがって、各スロットは512ビットの容量を持つ。図14から分かるように、各スロットは、最初の56ビットのガードビットに続いて、32ビットの同期ビットを有する。48ビットのAフィールドビット及び16ビットの巡回冗長符号(CRC)ビットからなる64ビットのコンロトールビットが、同期ビットに続く。320ビットのBフィールドビット、そして、8ビットののX/Zビットがコントロールビットに続く。Bフィールドビットは、320ビットのADPCM(適応的差分パルス符号変調)オーディオ、或いは、32バイトのCRC保護データを含むことができる。
【0114】
各フレームにおいて、各スロットは異なるデータを運ぶためのスロットタイプである。本発明の当該実施形態においては、2つの異なるタイムスロット構造が用いられている。図15は、第1のタイムスロット構造を示す表である。このタイムスロット構造では、第2のスロットは情報スロットを構成する。スロット4〜7は、音声送受信チャンネルとして構成されるべきオーディオスロットを構成する。コマンドは、スロット18にて送信される。ハンドセットからのメッセージは、メッセージスロットにて送信される。
【0115】
図16は、第2のタイムスロット構造を示す表である。このタイムスロット構造では、第2のスロットは情報スロットであり、スロット4〜11は、音声送受信チャンネルを提供するための8つのオーディオスロットを提供する。もう一度、コマンドはスロット18にて送信される。ハンドセットからのメッセージは、メッセージスロットにて基地局に送信される。
【0116】
図17は、情報スロットを示す表である。情報スロットの第1のフィールドは、基地局のベース番号を示す最初の2バイトである。第2のフィールドは、ネットワーク時間を表示する次の4バイトである。第3のフィールドはスロット構造であり、図15に示したタイムスロット構造が用いられているか、図16に示したタイムスロット構造が用いられているかを示す。第4のフィールドは、コマンドがフレーム内に存在するか否かを示すフィールドである。
【0117】
図18を参照しながら、互いに独立した2つの分離した参加者応答システムを提供すべく構成された、本発明のもう一つの実施形態について説明する。
【0118】
この配置から分かるように、この2つのネットワークはオーバーラップしていない。各ネットワークは、それぞれ基地局101a,101bを構成するハンドセットを備え、これらはそれぞれのコンピュータ102a,102bに接続されている。各基地局101a,101bは、それぞれのハンドセット100a,100bと通信する。コンピュータ102a,102bは、ネットワーク103を介して制御アプリケーションを実行するコンピュータ104に接続されている。
【0119】
各コンピュータ102a,102bは、それぞれのネットワークを制御するための別々の制御アプリケーションを含んでいても構わない。これによりシステムは、いくつかの単一の場所で用いることができ、且つ、互いに独立して制御可能な参加者応答システムを提供する。コンピュータ104は、全体的な制御又は設定機能を提供することができる。
【0120】
図19を参照しながら、コンピュータを用いることなく構成された構成された、本発明のもう一つの実施形態について説明する。
【0121】
本実施形態においては、ハンドセットが基地局111として構成され、ハンドセット110のネットワークと通信する。一つのハンドセットはマスターハンドセット112として構成され、基地局111と通信する。マスターハンドセット112は、他の実施形態ではコンピュータによって行われる制御機能を実行する。マスターハンドセット112は、参加者からの応答を開始し、その結果を表示及び処理することができる。
【0122】
このシステムは、投票専用及び/又はオーディオシステムに特に好適である。
【0123】
図19に示した実施形態では、一つのハンドセットが基地局111として構成され、もう一つのハンドセットがマスターハンドセット112として構成されているが、本発明の代わりの実施形態においては、基地局及びマスターハンドセットの機能性が単一のハンドセットにまとめられている。したがって、このような構成においては、ハンドセット110は、マスターハンドセットと直接通信する。
【0124】
独立しているがオーバーラップしたネットワークとして構成された、2つの独立したハンドセットのグループが存在する参加者応答システム構成を有する、本発明のもう一つの実施形態が図20に示されている。
【0125】
本実施形態においては、第1のグループのハンドセット120aは、第1の基地局121a及び制御アプリケーション122aを実行する第1のコンピュータと通信する。第2のグループのハンドセット120bは、制御アプリケーション122bを実行するコンピュータによる制御の下、第2の基地局121bと通信する。2つの基地局121a,121bの通信範囲はオーバーラップしており、したがって、ハンドセットは、基地局121a,121bの両方の通信範囲に入ることができる。しかしながら、本発明のこの実施形態の構成においては、各基地局は異なるベース番号を持つよう設定され、且つ、各ハンドセットは同じベース番号を持つよう同じように構成される。これは、各ハンドセット120a,120bのグループがそれぞれの基地局121a,121bとだけ通信することを保証する。基地局が基地局121a,121bの両方の通信範囲にいる場合、図10のフローチャートを参照して特にステップS34で説明したように、ハンドセットにとって正しいベース番号を持った正しい基地局に対してのみ、通信が確立される。
【0126】
したがって、本発明のこの実施形態は、隣接する参加者応答グループの無線周波数エリアを別々に保とうとするという問題を解決する。基地局の無線周波数通信範囲のオーバーラップにもかかわらず、2つの分離した参加者応答イベントが可能となる。また、参加者応答システムを、メインの参加者応答イベントの2つのサブイベントの応答システムとして構築することも可能である。例えば、会議の間、異なる2つの講習会が、隣接する部屋又は建物において同時に行われるかも知れない。図20のシステムは、干渉することなく、ハンドセットのグループが正しいサブイベントに対して独立して応答することを可能とする。
【0127】
本発明の当該実施形態においては、2つの分離したコンピュータアプリケーション122a,122bが示されているが、単一のコンピュータアプリケーションを用い、分離した基地局を介して2つの分離したハンドセットのグループをコントロールすることが可能である。このような構成においては、異なるグループの応答を分離して取り扱い、そして処理することができる。また、参加者のグループが例えば音声によって、干渉することなく又は他のグループに聞かれることなく、グループとして互いに通信することが可能となる。したがって、この構成は、独立して動作する複数の基地局、すなわち、異なる基地局番号を持った複数の基地局を用いることによって、参加者応答システムの範囲を拡大するのに使用することができる。ハンドセットのグループは、それぞれの基地局に関連づけられる。しかしながら、ハンドセットはそれぞれの基地局の範囲内にとどまらなければならず、このため、ハンドセットのユーザがアクセスできるエリアを制限する。これを回避するためには、基地局を互いに近接して配置するか、通信範囲が参加者によりアクセス可能な全てのエリアをカバーすることを保証するエリア内に配置すればよい。
【0128】
多数のハンドセットを有するか或いは広い場所を有する参加者応答システムに非常に好適な本発明の他の実施形態について、図21を参照しながら説明する。本発明の当該実施形態は、単一のコンピュータアプリケーションを利用する点において、本発明の前の実施形態と同様であるが、本実施形態では、基地局131a,131bが異なるベース番号を使用しない。通信ネットワークの範囲を拡大するために、同じベース番号を持った複数の基地局131a,131bが用いられる。ハンドセット130a,130b,130c,130d及び130eのネットワークは、基地局131a,131bのいずれとも通信することができる。図示するように、ハンドセット130bは基地局131a,131bのいずれの通信範囲内にも入っていることから、ハンドセット130bは基地局131a,131bのいずれと通信することもできる。各基地局131a,131bは、制御アプリケーションを実行するコンピュータ132に接続されている。
【0129】
したがって、参加者応答システムは、ハンドセットが広い範囲を移動することを可能とするイベントに、拡大された通信範囲をイベントに与えることが図21から分かる。ハンドセットは、最も近い基地局と通信することができる。どの基地局に接続するかの決定は、例えば、信号強度によって決定することができる。この場合、ハンドセットは、どの基地局が通信に最も適した基地局であるかの選択を動的に行う必要がある。
【0130】
単一のコンピュータアプリケーション132が基地局131a,131bを制御することから、全ての応答は集中的に処理される。
【0131】
図20及び図21に示した実施形態においては、複数の基地局が使用されており、基地局と各ハンドセットとの間の通信が干渉しないことが重要である。本発明のこの実施形態で使用する通信プロトコルでは、80の周波数チャンネルを利用することができる。各基地局は10ミリ秒ごとに、すわなち、あらかじめ定められた基地局に共通な疑似ランダムシーケンス中の全てのデータフレームごとに、周波数ホップを実行する。各周波数ホップ、すなわち、各フレームでは、データは基地局とハンドセットとの間の双方向通信プロトコルによって送信及び受信される。
【0132】
異なる基地局によって同じ通信チャンネルが使用されることを防ぐため、すなわち、基地局が同じ周波数チャンネルを同時に使用することを防ぐため、各基地局は、同じ疑似ランダム周波数変更シーケンスにしたがって動作するが、これらは同じチャンネルの使用を防止するため同期していない。
【0133】
これを確実にするためのプロセスを図22のフローチャートに示す。
【0134】
基地局の電源をオンにすると(ステップS80)、基地局はそのレシーバをオンにし、周波数テーブルのスタートポジションをランダムに選択することによって、受信する周波数をランダムに選択する。周波数テーブルは、スペクトラム拡散通信のための周波数ホップのシーケンスを格納している。もし、その周波数において別の基地局からの通信が検出された場合、疑似ランダム周波数変更シーケンスによって、別の周波数をスタート周波数としてランダムに選択する(ステップS81)。これは、他の基地局が検出されなくなるまで繰り返され、このようにして、80チャンネルのいかなるチャンネルも、2以上の基地局による共用が回避される。
【0135】
周波数ホッピングシーケンスを開始するためにセットアップされると、基地局は、情報パケットを送信するとともに、ハンドセットからのステータスメッセージ信号をモニタリングすることによって、ハンドセットとの通信をサーチするために動作する。動作している間、基地局は他の基地局からの送信を絶えずモニタする(ステップS84)。このような送信が検出された場合、基地局と通信しているハンドセットに対してコマンドを送信して、次のサイクルにおいて周波数ホップを1ホップ飛ばすと警告し(ステップS85)、そして、次のサイクルにおいて、基地局はハンドセットと通信を行うために1周波数ホップを飛ばす(ステップS86)。そして、基地局は、周波数ホッピングシーケンスに同期して動作している別の基地局があるか否かの検出に戻る(ステップS84)。このようにして、基地局は、別の基地局によって使用されていない周波数ホップのシーケンスにおけるポジションを探すべく、絶えず周波数ホップを飛ばす。したがって、本発明の当該実施形態においては、各基地局により行われる周波数ホッピング疑似ランダムシーケンスによって、80の周波数チャンネルが統計的に平等に使用され、干渉することなく、周波数ホッピングサイクルの異なるポイントで動作する80の異なる基地局をサポートする通信プロトコルが可能となる。
【0136】
上述した本発明の実施形態では80の周波数チャンネルが利用できるが、これはイギリス及び他の国で運用されているETS 300 328規格に準拠している。しかしながら、例えばフランスの規格では36チャンネルしか許容されず、スペインでは29しかサポートされない。
【0137】
図20及び図21に関連して説明した実施形態では、基地局ハンドセットのためのベース番号はグループを定義しているが、グループ番号であるとみなすことができる。グループ番号は、2以上の基地局が使用されている場合に、ハンドセット及び基地局が、より大きなネットワークの中における自己完結したネットワークでの動作を可能とする。ベース番号は、スマートカードを用いる基地局のために、或いは、コンピュータ又はマスターハンドセットの制御によってセットされる。また、それはキーボードを用いてセットすることができる。また、ベース番号は、同じ方法でハンドセットに設定することができる。もしそれがセットされないなら、デフォルトで、ハンドセットは通信を検出した最も近い又は最初の基地局に接続することができ、その基地局のベース番号を選択して使用する。
【0138】
図22に関連して説明した手順は、参加者応答システムのローミングネットワークに特に好適である。例えば、学生のクラスによる博物館見学の間、ハンドセットを学生に与えることができる。教師はマスターハンドセットを持ち、学生に質問を設定することができる。ネットワークが移動可能であることから、基地局は別のネットワークとの一致を検出するかも知れず、その結果、図22に関連して説明したサイクルの調整をもたらす。
【0139】
今までのところ、参加者応答システムのオーディオ能力については詳細に説明していない。通信プロトコルは、音声送信のために4チャンネル又は8チャンネル、すなわち、図15及び図16に関連して説明した各フレーム中の4スロット又は8スロットを与える。各オーディオチャンネルは、受信又は送信チャンネルのオーディオモードにしたがってセットアップされる。これらは、無線周波数ネットワーク上のコントローラによって、動的に変化可能である。
【0140】
同じベース番号を持ったハンドセットのグループの中では、ハンドセットを内線モードに設定することができ、これにより、参加者は一つの送信チャンネル及び一つの受信チャンネルを用いて互いに通信することができる。一対のハンドセット間における通信を可能とするためには、コントローラは一対のハンドセット間における送信及び受信チャンネルを可能とする必要がある。コントローラは、各ハンドセットが単一のハンドセットからの送信チャンネルを同じチャンネルで受信することを保証するよう、すなわち、単一のハンドセットからの音声が同じグループ内のハンドセットに放送されるよう構成することもできる。
【0141】
コントローラはいくつかのハンドセットを優先させることができ、コントローラ内に優先レベルのテーブルを格納することができる。
【0142】
ハンドセットのオーディオ能力は、ハンドセットを会議やセミナーのプレゼンターによって使用することを可能とする。音声をグループ内の他のハンドセットへ放送することができる。また、音声をアンプ及びスピーカに接続されたハンドセットへ放送し、会議の参加者に対して音声を放送することができる。したがって、プレゼンターによるハンドセットの使用や、基地局と連動して別々に又はハンドセットの一つと連動してスピーカを制御するハンドセットの使用は、無線公衆アドレスシステムを提供する。プレゼンターのハンドセットやスピーカを制御するハンドセットは、基地局を構成することができるし、或いは、別の基地局が存在しても構わない。
【0143】
例えば会議で使用される公衆アドレスシステムにおいては、会議の参加者はハンドセットを持つことができる。会議の参加者が発言したい時、プレゼンターはコントローラを用いて、それらの音声送信チャンネルを許可することにより、参加者の発言を可能とすることができる。このチャンネルを同じチャンネルとすることによってプレゼンターの発言を遮るか、或いは、このチャンネルを異なるチャンネルとすることにより、プレゼンターと参加者の両方が発言者となることができる。したがって、スピーカを制御するハンドセットは、プレゼンター及び参加者の両方からの音声を出力することができる。もし、音声が2つのチャンネル、すなわち、プレゼンターと参加者の両方からの音声が2つのチャンネル上に存在しているとすれば、ハンドセットは、2つのチャンネルからの音声をミックスし、これをスピーカに出力するよう構成することができる。或いは、別々のチャンネル上の音声を受信するために別々のハンドセットを備えることができ、そして、ミックスされた音声信号をスピーカに供給すべく、ハンドセットからの音声出力をミックスするよう別のミキサーを備えることができる。
【0144】
したがって、参加者応答システムは、イベントの間、質問に対する参加者からの応答や応答イベントを受信するための、フレキシブルで設定可能な参加者応答システムを提供するだけでなく、参加者が音声を受信及び送信することが可能となり、これによって、単にプレゼンターによって使用可能なだけでなく、参加者によって制御可能な、フレキシブルで便利な無線公衆アドレスシステムが提供されることが分かる。
【0145】
システムのオーディオ能力を、無線同時通訳システムとして用いる本発明の実施形態について説明する。この能力は、前記の実施形態のために上記説明した参加者応答能力と連動して用いることができる。
【0146】
本発明のこのシステムは、単一の通信チャンネルに単一の言語を提供することに基づいている。各ハンドセットのための通信チャンネルは、特定の言語のために引き当てられるが、そのチャンネルで受信又は送信するよう構成される。これにより参加者は、同じチャンネルを使用して聞くこと、及び許可された場合は話すことが可能となる。また、翻訳者が第1の言語を第2の言語に翻訳し、要求された場合、すなわち、参加者が第2の言語で発言したい場合には第2の言語を第1の言語に翻訳するために、翻訳者が使用するチャンネルの受信能力と送信能力とを自動的に切り替えるよう翻訳者によって操作されるハンドセットの制御を提供する。言語ごとに同じチャンネルを維持することにより、第1の言語から第3又は第4の言語に翻訳する他の翻訳者は、彼らのチャンネルを切り替える必要がない。コントローラは、発言を要求し又は発言が許可された発言者の要求する言語を、自動的に決定することができる。これにより、コントローラは、翻訳者を特定することができ、且つ、発言者が送信し翻訳者が受信するチャンネルの切替を制御することができる。また、翻訳者にとっては、翻訳者が話す他の言語のための第2のチャンネルで送信するように切り替えられる。
【0147】
同時通訳システムは図23に図示されている。ハンドセット300aを処理するプレゼンター300は英語を話すものとし、したがって、会議場内の言語は英語である。会議のプレゼンター又は司会者は、コントローラとして機能するコンピュータ301(又はマスターハンドセット)を使用する。基地局302(又は多くの基地局)は、通信をリレーする。プレゼンターのハンドセット300aは、チャンネル1で英語の音声を送信するよう設定される。したがって、チャンネル1は英語のチャンネルとして割り当てられる。ハンドセット303が制御するスピーカが備えられ、チャンネル1を受信するよう、すなわち、英語の音声を受信するよう設定される。ハンドセット303の出力は、アンプによってスピーカ304に接続され、これにより、会議場全体に聞こえるよう英語の音声を提供する公衆アドレスシステムとして機能する。本実施形態では、参加者305は英語を話す参加者であり、したがって、英語を話す参加者に与えられたハンドセット305aからの音声出力を要求することなく、プレゼンテーションを聞くことができる。しかしながら、英語を話す別の参加者307は、ハンドセットを用いてプレゼンテーションを聞きたいかも知れず、チャンネル1上の英語の音声を受信するハンドセット307aのハンドセットソケットに接続されたハンドセットを用いて聞くことが可能である。
【0148】
参加者が英語を話さず、他の言語に同時通訳されたプレゼンテーションを聞きたい場合には、同時通訳システムの機能が要求される。本実施形態では、会議に3人の同時通訳者がいる。対応するハンドセット310aを持った英語/ドイツ語の翻訳者310、対応するハンドセット311aを持った英語/フランス語の翻訳者311、対応するハンドセット312aを持った英語/スペイン語の翻訳者312である。3人の翻訳者は、2つの通信チャンネルをそれぞれ使用する。プレゼンター300が英語で話しており、音声がチャンネル1上に存在する場合、彼らはそれぞれチャンネル1の英語の音声を受信、すなわち、英語チャンネル1を受信チャンネルとするよう、彼らのハンドセット310a,311a及び312aがセットされる。それらの第2のチャンネルは、同時通訳を送信するための送信チャンネルとして設定される。英語/ドイツ語の翻訳者310にとって第2のチャンネルはドイツ語のチャンネル2からなり、英語/フランス語の翻訳者311にとって第2のチャンネルはフランス語のチャンネル3からなり、英語/スペイン語の翻訳者312にとって第2のチャンネルはスペイン語のチャンネル4からなる。したがって、ドイツ語を話す参加者306は、ドイツ語のチャンネル2を受信するようセットされた対応するハンドセット306aを持つ。フランス語を話す参加者308は、フランス語のチャンネル3を受信するようセットされた対応するハンドセット308aを持つ。スペイン語を話す参加者309は、スペイン語のチャンネル4を受信するようセットされた対応するハンドセット309aを持つ。
【0149】
参加者が会議場内に言葉で、すなわち非英語で話したい場合、何が起こるかを図24のフローチャートを参照しながら説明する。
【0150】
フランス語を話す参加者308が発言したい場合、彼らは彼らのハンドセット308aを使用して、発言の要求を発生させる。発言要求は、プレゼンター300又は司会者に見えるようコンピュータ301に受信される(ステップS91)。プレゼンター300が話すのを中断して、フランス語を話す参加者308に発言して欲しいと思うと、コンピュータ301は、フランス語を話す参加者のハンドセット308a及び英語/フランス語の翻訳者のハンドセット311aに制御信号を送信する(ステップS92)。英語/フランス語の翻訳者のハンドセット311aは、チャンネル1の受信及びチャンネル3の送信から、チャンネル3の受信及びチャンネル1の送信に切り替える(ステップS93)。フランス語を話す参加者のハンドセット308aは、コンピュータ301からの信号に応答して切り替わり、フランス語のチャンネル3を受信チャンネルから送信チャンネルに切り替える。したがって、フランス語を話す参加者は、ハンドセットのマイクに向かって話すことができ、これがチャンネル3を介して英語/フランス語の翻訳者のハンドセット311aに送信され、英語/フランス語の翻訳者311は、フランス語を聞き、これを英語に翻訳して英語のチャンネル1に送信することが可能となる。したがって、英語の翻訳が会場の言語として聞こえるようスピーカ304へ音声出力するために、英語の翻訳がハンドセット303に放送される。また、英語/ドイツ語の翻訳者310及び英語/スペイン語の翻訳者312は依然として英語を受信し、したがって、彼らがチャンネルを変える必要は全くない。
【0151】
したがって、このシステムは、言語の変換に関与する人が使用するハンドセットを変更するだけの簡単な方法を提供する。他の翻訳者がチャンネルを切り替える必要はない。また、チャンネルの切り替え及びマイクの活性化は自動的に行われる。コントローラは、参加者が一人ずつ話すのを許可することができ、システムは、発言者が使用する言語(又はチャンネル)を自動的に決定し、切替を制御する方法を決定する。識別は、ハンドセットに固有のIDに基づいたデータベースを調べることによって行うことができる。データベースには、使用しているハンドセットのIDと一緒に、ハンドセットの使用者の言語が入力される。その代わりに、参加者が彼らのハンドセットをセットアップする時、彼らは彼らが一般に話す言語を入力することができる。これは、ハンドセット内に格納されるとともに、ユーザが発言を要求する際、コントローラ、すなわちコンピュータ又はマスターハンドセットに送信される。したがって、コントローラは、参加者のハンドセット及び翻訳者のハンドセットの通信チャンネルをどのように切り替えるか決定することができる。
【0152】
参加者が話し終えると、参加者が、英語で話すプレゼンター或いはプレゼンターが発言を許可した別の参加者からの翻訳をフランス語で聞けるよう、プロセスが戻される。例えば、ドイツ語を話す参加者306が発言を許可された場合、対応するハンドセット306aは、ドイツ語のチャンネル2による受信から、ドイツ語のチャンネル2による送信に切り替えられる。また、英語/ドイツ語の翻訳者310は、彼らのハンドセット310aを英語チャンネル1の受信及びドイツ語チャンネル2の送信から、ドイツ語チャンネル2の受信及び英語チャンネル1の送信に切り替える。そして、英語/フランス語の翻訳者311は、ドイツ語から英語への翻訳を英語チャンネル1にて受信し、フランス語を話す参加者が聞くためのフランス語の翻訳を生成し、フランス語チャンネル3に送信する。したがって、英語の翻訳を介在して、ドイツ語からフランス語への翻訳を経由する。これは、必要とする翻訳の数を減らし、システムを単純化する。全ての翻訳は会議場の言語、この場合は英語を経由する。
【0153】
参加者又は参加者が所属するグループのアイデンティティに依存した参加者応答システムにおけるハンドセットの設定方法について説明する。
【0154】
イベントの始めに、参加者には、一般的に設定されたか或いは全く設定されていないハンドセットが提供される。ハンドセットを活性化するため、使用者には、自分自身或いは所属するグループを特定する情報の入力が要求される。情報は、スマートカード又はキーボードを使用して入力することができる。入力されるべき情報は、制御コンピュータ又はユーザに関するより詳細が格納されているマスターハンドセットに格納されたユーザIDと一致する、単なるユーザIDとすることができる。例えば、イベントの前にユーザが詳細を与え、これがコンピュータ又はマスターハンドセットに入力される、事前登録のイベントに適用可能であり、ユーザはIDを持つことができる。したがって、参加者がハンドセットのIDを入力すると、これが中央のコントローラ、すなわち、コンピュータ又はハンドセットに送信され、全ての情報を入手することができる。代わりに、入力された情報がユーザの全ての情報を含んでいる場合、これをコンピュータ又はマスターハンドセットに送信し、格納することができる。セキュリティのため、ユーザは、ハンドセットを活性化するためにPIN番号の入力をも求められるかも知れない。PIN番号は、ユーザ情報又はユーザIDと一緒に、コンピュータ又はマスターハンドセットに送信される。代わりに、ハンドセットでアルゴリズムを実行することによって、PIN番号をチェックすることができる。
【0155】
コンピュータ又はマスターハンドセットにおいて、ユーザ情報は、ハンドセットのための設定データの生成に使用される。設定データは、ユーザが入力した情報に基づいた1組のルールを用いて生成することができる。また、設定データは、参加者が利用できる、機能性の異なるレベルを定義する1組の設定インスタンスに基づいて生成することもできる。例えば、プレゼンター、司会者、主催者及び代表者には、機能性の異なるレベルがそれぞれ与えられる。参加者がプレゼンター、司会者、主催者又は代表者であるかの識別は、参加者が入力した情報、或いは、参加者IDと関連してコンピュータ又はマスターハンドセットに格納された情報から決定することができる。そして、生成された設定データはハンドセットに返送され、参加者に許可されるべき決定された機能性のレベルにしたがって、ハンドセットを設定する。
【0156】
したがって、本発明のこの実施形態は、設定インスタンスを集中的に格納でき、このため適切な場合には制御可能に変更できるという利点を有している。例えば、ハンドセットの活性化を登録するいかなる代表者にも自動的に同じ設定データ、すなわち、同一レベルの機能性を与えるために、司会者又は代表者に適用可能な設定インスタンスを集中的に変更することができる。これは、ハンドセットの設定パラメータ及び能力をアップグレードさせる簡単な方法を提供する。
【0157】
本発明の代わりの実施形態では、スマートカードを用いてハンドセットを設定することができる。スマートカードは、ハンドセットの設定に用いる設定データを格納することができる。この方法では、参加者が利用可能に作成された異なるタイプのスマートカードが必要である。また、設定インスタンスのアップグレードは、それぞれ及び全てのスマートカードのアップグレードが必要である。
【0158】
参加者の位置情報を与える参加者応答システムの操作方法について説明する。
【0159】
イベントの始め又はイベント中に参加者が移動した場合、参加者は彼らの位置、例えば、彼らの座席番号に入ることができる。この情報は、ハンドセットに固有のIDと一緒に、コントローラ、すなわち、コンピュータ又はマスターハンドセットへ送信される。これにより、イベント中におけるハンドセットの位置を特定する位置情報を格納することができる。したがって、ハンドセットを用いて応答が入力されると、コントローラの使用者は、応答がされた位置を判定することができる。これは、ハンドセットの位置を示すマップとして視覚化することができる。参加者がハンドセットと固有に対応しており、参加者を識別する情報を入力した所で、コントローラは、イベント中における参加者の位置を特定する情報を格納することができる。これは、参加者の位置のマップとして視覚化される。
【0160】
このシステムは、あらかじめ定めされた位置にとどまることを参加者に要求するのではなく、むしろ、彼らの位置を選ぶことが可能となるという利点を有する。言い換えれば、会議において代表者は、彼らの座席を選ぶ。代わりに、代表者は座席をあらかじめ割り当てられるが、彼らの座席で発言する際、代表者はなお彼らの位置情報を入力することができる。
【0161】
したがって、イベントの主催者が入手可能な参加者の位置に関する情報は正しく、且つ、動的にアップデート可能である。
【0162】
位置情報の使用は、ハンドセットの音声機能を用いて参加者が発言を許可されるイベントにおいて特に役立つ。参加者が発言を許可された場合、位置情報を生成してカメラ制御システムに送信するために、コントローラは、カメラ制御システムに接続されたスレーブハンドセットを制御することができる。これにより、カメラ制御システムは、カメラを発言者に向けて撮影し、他の参加者に映し出される発言者の画像を生成することができる。したがって、このシステムは、一例として図23を参照して説明した無線PAシステムを介し、会議の参加者が発言し聞くことができるだけでなく、会議の参加者は、会議の他の参加者が見ることができるよう自動的に映し出される。したがって、発言したいと思う参加者は、全ての参加者によって視聴されることができる。また、参加者の登録によって、参加者のアイデンティティがハンドセットに固有のIDと結びつけて中央のデータベース内に知られている場合には、参加者の画像は、参加者の名前及び参加者の他の情報を字幕又は他の表示として含むことができる。
【0163】
参加者応答システムの販売のためのビジネス方法を提供する方法について説明する。
【0164】
本発明の一側面によるビジネス方法は、利用可能な機能性のレベルが現在よりも高い、設定可能でアップグレード可能な複数のハンドセットからなる参加者応答システムの販売を構成する。そのシステムは、機能制限によって低価で販売されうる。ハンドセットを入れ替える代わりに、顧客がより高い機能性のレベルを購入したいと後日考えた場合、利用不能とされていた当該機能を利用可能とするよう、単にハンドセットを再設定すればよい。これは、スマートカード又は無線周波数制御通信を用いて達成することができる。例えば、BIOSにセットされたモードタイプの機能性は、新しいBIOSをダウンロードすることによって恒久的にアップグレードすることができる。モードの利用可能及び利用不能もまた、設定データを変更することによって変更することができる。設定データは、ハンドセットがセットされたモードタイプを定義する。
【0165】
したがって、このビジネス方法は、ハードウェアのアップグレードを要求することなく、後日、顧客に機能性のアップグレードを販売することを視野に入れて、全ての機能を持った参加者応答システムを最初に販売することを可能とする。これは、ハンドセットに挿入するスマートカードを提供するか、或いは、基地局を制御し、ハンドセットの機能性をアップグレードする新しい設定データをダウンロードするよう、制御するコンピュータを設定するソフトウェアによって、ハードウェアを製造者に返却する必要なく単純に達成される。
【0166】
以上、特定の実施形態を参照しながら本発明を説明したが、当該分野の習熟者にとって、本発明の思想及び目的の範囲内における変更は明らかである。
【0167】
本発明の側面の重要な特徴は、参加者応答システムがイベント主導のネットワークを実行することである。そのネットワークは、ハンドセットをポーリングする基地局に基づいていない。スペクトラム拡散通信システムは、必要な場合、ハンドセット及び基地局が互いに通信することを許可することによって、イベント主導のネットワークを可能とする。また、ハンドセット及びコントローラが通信状態をモニタすることを可能とする。したがって、システムをより敏感とすることができる。
【0168】
本発明の側面の別の重要な特徴は、ハンドセットの互換性及び再設定可能性であり、これにより、システムに冗長性が与えられる。いかなるハンドセットも、基地局又はマスターハンドセットとして構成することが可能である。したがって、基地局として機能するハンドセットに不具合が生じたとしても、別のハンドセットを基地局として構成することができる。多くのハンドセットを持つ顧客にとっての別の利点は、これら全てを一つのネットワークとして使用するか、或いは、顧客の要求の変化に合わせてこれらを小さなグループに分割できることである。したがって、そのネットワークは、ピアツーピアネットワークとして機能する。
【0169】
本発明の別の実施形態においては、ハンドセットは一人の参加者による使用に制限される必要がない。参加者は、ユーザ情報を例えばスマートカードを用いて入力することにより、ハンドセットを設定することができる。したがって、中央のデータベースは、ハンドセットに固有のIDに対して2以上の組のユーザ情報を格納する。したがって、応答を彼らに固有に関連づけるよう、参加者は応答を入力する前に彼らのユーザ情報を入力する。
【0170】
A1.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムに用いるハンドセットの設定方法であって、
参加者又は参加者が属するグループを特定する参加者情報をハンドセットに入力し、
無線リンクを介して、入力された情報及びハンドセットを特定する固有の情報を中央ユニットに送信し、
前記中央ユニットにおいて、前記入力された情報に基づいてハンドセットの設定パラメータを決定し、
決定された前記ハンドセットの設定パラメータをハンドセットに送信し、
決定された前記ハンドセットの設定パラメータにしたがってハンドセットを設定する、ハンドセットの設定方法。
A2.前記入力された情報は、参加者が利用可能なハンドセットの機能性のレベルを特定する情報が含まれている、A1に記載のハンドセットの設定方法。
A3.前記中央ユニットは、前記入力された情報とともに、ハンドセットの機能性のレベルとリンクした機能性情報を格納し、前記ハンドセットの設定パラメータは、前記機能性情報にさらに基づいて決定される、A1に記載のハンドセットの設定方法。
A4.前記ハンドセットは、別のグループの参加者との間で通信が干渉することなく、グループの参加者間における通信が可能に設定されている、A1乃至A3のいずれか1項に記載のハンドセットの設定方法。
A5.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、
参加者又は参加者が属するグループを特定する参加者情報を入力する手段、及び
無線リンクを介して、入力された情報及びハンドセットを特定する固有の情報を中央ユニットに送信する手段、
を含むハンドセットと、
前記入力された情報を受信する手段、
前記入力された情報に基づいてハンドセットの設定パラメータを決定する手段、及び、
決定された前記ハンドセットの設定パラメータをハンドセットに送信する手段、
を含む中央ユニットとを備え、
前記ハンドセットは、決定された前記ハンドセットの設定パラメータにしたがってハンドセットを設定する手段を含んでいる、参加者応答システム。
A6.前記入力された情報は、参加者が利用可能なハンドセットの機能性のレベルを特定する情報が含まれている、A5に記載の参加者応答システム。
A7.前記中央ユニットは、前記入力された情報とともに、ハンドセットの機能性のレベルとリンクした機能性情報を格納する手段を含み、前記ハンドセットの設定パラメータを決定する手段は、前記機能性情報にさらに基づいてハンドセットの設定パラメータを決定するよう構成される、A5に記載の参加者応答システム。
A8.前記ハンドセットを設定する手段は、別のグループの参加者との間で通信が干渉することなく、グループの参加者間における通信が可能となるように、前記ハンドセットを設定するよう構成されている、A5乃至A7のいずれか1項に記載の参加者応答システム。
A9.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、
それぞれ、参加者が応答を入力することを可能とする応答入力手段、及び、参加者が前記参加者の位置を特定する情報を入力することを可能とする位置入力手段を有する複数の無線ハンドセットと、
前記ハンドセットからの応答を受信し処理するための中央ユニットとを備え、前記中央ユニットは、応答を処理するための応答処理手段、及び、参加者の位置を特定する情報を処理するための位置処理手段を有している、参加者応答システム。
A10.前記位置処理手段は、参加者の位置を示すイベントのマップを生成するよう構成されている、A9に記載の参加者応答システム。
A11.前記中央ユニットは、参加者及びハンドセットのアイデンティティとリンクした情報を格納する格納手段を含む、A9又はA10に記載の参加者応答システム。
A12.各ハンドセットは、参加者を特定する情報を入力するための参加者特定入力手段を含み、前記中央ユニットの前記格納手段は、入力された前記参加者を特定する情報を受信するよう構成されている、A11に記載の参加者応答システム。
A13.前記位置処理手段は、前記応答処理手段と連携して、参加者の応答を表示するよう構成されている、A10に記載の参加者応答システム。
A14.各ハンドセットは、参加者の発話を可能とする音声入力手段、及び、音声をイベントの他の参加者に出力するために送信する音声送信手段を含んでおり、前記中央ユニットは、話している参加者の位置に関する情報をカメラシステムに出力し、前記カメラシステムが話している参加者にカメラを自動的に向けることを可能とするためのカメラ制御手段を含んでいる、A10又はA11に記載の参加者応答システム。
A15.イベントの参加者が聴取可能に応答することが可能な参加者応答システムであって、
それぞれ、参加者が聴取可能な応答の入力を可能とする入力手段、イベントの他の参加者に出力するために音声を送信する音声送信手段、及び、参加者が参加者の位置を特定する情報の入力を可能とする位置入力手段を有する複数の無線ハンドセットと、
参加者の位置を特定する情報を受けて処理する位置処理手段と、
聴取可能な応答を与える参加者の位置を特定する情報をカメラシステムに出力し、カメラシステムが話している参加者にカメラを自動的に向けることを可能とするためのカメラ制御手段とを備える、参加者応答システム。
A16.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、
複数の独立した通信グループを備え、各グループは、
それぞれ、ハンドセットが属するグループを特定するグループアイデンティティを格納する格納手段、イベントに応じた応答の入力を可能とする入力手段、及び、前記応答を送信するための無線手段を有する複数の無線ハンドセットと、
それぞれ、基地局が属するグループを特定するグループアイデンティティを格納する格納手段、及び、グループ内のハンドセットからの応答を受信するための無線手段を有する、グループ内の前記複数のハンドセットと通信するための少なくとも一つの基地局とを備え、
各ハンドセットは、前記基地局のグループアイデンティティによって決まるハンドセットのグループアイデンティティをセットアップするための設定手段を含み、グループ内の前記ハンドセット及び前記少なくとも一つの基地局は、前記ハンドセット及び前記少なくとも一つの基地局に格納されたグループアイデンティティを比較することによって、他のグループから独立してグループ内で通信する、参加者応答システム。
A17.各基地局は、基地局として機能するよう構成されたハンドセットからなり、前記各ハンドセットは、参加者によって使用するためのハンドセットとして又は基地局として設定可能である、A16に記載の参加者応答システム。
A18.参加者からの応答を処理する応答プロセッサを含み、前記応答プロセッサは、応答を受信するため使用時に各基地局に接続される、A16又はA17に記載の参加者応答システム。
A19.前記応答は、共通の刺激に応答して参加者により生成され、前記応答プロセッサはこれら応答を一緒に処理するよう構成されている、A18に記載の参加者応答システム。
A20.前記応答は、通信グループごとに異なる刺激に応答して参加者により生成され、前記応答プロセッサはこれら応答を別々に処理するよう構成されている、A19に記載の参加者応答システム。
A21.前記イベントはサブイベントに分割されており、各通信グループはサブイベントに関連づけられている、A20に記載の参加者応答システム。
A22.イベントの参加者がイベントへの応答を入力するための参加者応答システムに用いるポータブルハンドセットであって、
参加者が応答を入力するための入力デバイスと、
入力された応答を離隔した受信機へ無線通信するための無線モジュールと、
前記ハンドセットを制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、通信能力を決定すべく、前記離隔した受信機と周期的に通信するよう前記無線モジュールを制御する働きをする、ポータブルハンドセット。
A23.通信情報を格納するためのメモリを含み、前記コントローラは、決定された通信能力によって決まる通信情報を前記メモリに格納する働きをする、A22に記載のポータブルハンドセット。
A24.前記コントローラは、格納された通信情報を前記離隔した受信機に送信するよう、前記無線モジュールを制御する働きをする、A23に記載のポータブルハンドセット。
A25.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、
参加者が応答を入力するための入力デバイス、
入力された応答を基地局へ無線通信するためのハンドセット無線モジュール、及び、
前記ハンドセットを制御するハンドセットコントローラを有し、
前記コントローラは、通信能力を決定すべく、前記基地局と周期的に通信するよう前記無線モジュールを制御する働きをする、
少なくとも一つのハンドセットと、
前記少なくとも一つのハンドセットと無線通信するための基地局無線モジュール、及び
前記基地局を制御する基地局コントローラを有し、
前記コントローラは、前記少なくとも一つのハンドセットと周期的に通信するよう前記基地局無線モジュールを制御する働きをする、
基地局とを備える、参加者応答システム。
A26.前記ハンドセットコントローラは、前記基地局に信号を送信し、応答をモニタリングすることにより通信能力を決定するために、前記ハンドセット無線モジュールを周期的に制御するよう構成されており、前記基地局コントローラは、前記ハンドセットから受信した信号に対して応答するよう、前記基地局無線モジュールを制御するよう構成されている、A25に記載の参加者応答システム。
A27.前記各ハンドセットは、通信情報を格納するためのメモリを含み、前記ハンドセットコントローラは、決定された通信能力によって決まる通信情報を前記メモリに格納する働きをする、A25又はA26に記載の参加者応答システム。
A28.前記ハンドセットコントローラは、格納された通信情報を前記基地局に送信するよう、前記ハンドセット無線モジュールを制御する働きをする、A27に記載の参加者応答システム。
A29.前記基地局は、前記少なくとも一つのハンドセットとの通信を特定する通信情報を格納するためのメモリを含んでいる、A25乃至A28のいずれか1項に記載の参加者応答システム。
A30.前記基地局からの通信情報を受信し、処理するための中央ユニットを含み、前記基地局コントローラは、前記格納された通信情報を前記中央ユニットに送信するよう構成されている、A29に記載の参加者応答システム。
A31.前記基地局からの通信情報を受信し、処理するための中央ユニットを含み、前記基地局コントローラは、前記通信情報を前記中央ユニットに送信するよう構成されている、A28に記載の参加者応答システム。
A32.前記基地局からの通信情報を受信し、処理するための中央ユニットを含み、前記基地局コントローラは、前記少なくとも一つのハンドセットとの通信に基づいて通信情報を決定し、前記通信情報を前記中央ユニットに送信するよう構成されている、A25又はA26に記載の参加者応答システム。
A33.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、
それぞれ、再充電可能なバッテリー、前記バッテリーを再充電するための再充電コンタクト、参加者によって応答を入力するためのキーパッド、及び、前記応答を離隔した受信機に送信するための無線モジュールを有する複数のポータブルハンドセットと、
前記複数のポータブルハンドセットを受容する再充電ラックとを備え、前記再充電ラックは、それぞれポータブルハンドセットを受容し、ポータブルハンドセットを弾力的に保持するための弾力性保持手段を含む複数のスロットと、ポータブルハンドセットの前記再充電コンタクトと電気的に接続するための電気的接続手段とを有し、前記再充電ラックは、各スロットの前記電気的接続手段に再充電パワーを供給する電源供給手段を含む、参加者応答システム。
A34.前記電気的接続手段が磁気コンタクトをそなえている、A33に記載の参加者応答システム。
A35.前記電源供給手段は、前記再充電ラックに保持されたポータブルハンドセットを周期的に充電するために、前記各電気的接続手段に電力を周期的に与えるよう構成されている、A33又はA34に記載の参加者応答システム。
A36.前記再充電ラックは、他の再充電ラックとモジュール式に接続するためのモジュール式接続手段を含み、前記モジュール式接続手段は、前記再充電ラックの前記電源供給手段を相互に接続するよう構成されている、A33乃至A35のいずれか1項に記載の参加者応答システム。
A37.イベントの参加者によるイベント参加の間の翻訳のための翻訳システムであって、
それぞれ、参加者によって使用するための音声入力及び音声出力と、無線通信のための参加者ハンドセット無線モジュールと、参加者が話す言語に割り当てられた通信チャンネルを用いて出力及び入力するために、音声を送信及び受信するよう前記参加者ハンドセット無線モジュールを制御するコントローラとを有する複数の参加者ハンドセットと、
ある言語で音声入力するための音声入力と、別の言語で音声出力するための音声出力と、無線通信のための翻訳者ハンドセット無線モジュールと、第1の通信チャンネル上の第1の言語で音声を受信及び送信するとともに、第2の通信チャンネル上の第2の言語で音声を受信及び送信するよう前記翻訳者ハンドセット無線モジュールを制御するコントローラとを有する、少なくとも一つの翻訳者ハンドセットと、
前記参加者ハンドセットと前記少なくとも一つの翻訳者ハンドセットとの間における音声の無線通信を制御する制御システムとを備え、前記制御システムは、
第1の参加者ハンドセットのコントローラが参加者のハンドセット無線モジュールを制御し、前記第1の言語に割り当てられた第1の通信チャンネルを介して、第1の言語による参加者の音声を送信することによって、参加者が発言することを可能に制御し、
翻訳者ハンドセットのコントローラが翻訳者ハンドセット無線モジュールを制御して、前記第1の通信チャンネルを用いて前記第1の言語による音声を受信し、前記第2の通信チャンネルを用いて前記第2の言語による音声を送信することによって、前記第1の言語による音声を聞き且つ前記第2の言語による音声を入力し、
第2の参加者ハンドセットのコントローラが、参加者のハンドセット無線モジュールを制御し、前記第2の通信チャンネルを介して第2の言語による参加者の音声を受信することによって、参加者が聞き取ることを可能に制御するよう構成されている、翻訳システム。
A38.前記各ハンドセットは、参加者によりイベントに対して応答を入力するための参加者入力手段を含んでおり、前記参加者ハンドセットコントローラは、前記応答を送信するよう参加者ハンドセット無線モジュールを制御するよう構成され、前記システムは、送信された応答を受信するための応答受信機を含んでいる、A37に記載の翻訳システム。
A39.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムに用いるハンドセットであって、
応答を入力するための応答入力手段と、
前記応答を離隔した応答受信機に送信するための無線モジュールと、
参加者がスピーチの入力を可能とするための音声入力デバイスと、
参加者が受信したスピーチの聴取を可能とするための音声出力デバイスと、
参加者間における音声通信を可能とするために、少なくとも一つの他のハンドセットのグループに音声を送信及び受信するよう、前記無線モジュールを制御する音声コントローラとを備える、ハンドセット。
A40.イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、複数の無線ハンドセットを備え、各ハンドセットは、応答を入力するための参加者ハンドセット、応答を入力するとともに参加者の音声通信が可能な参加者ハンドセット、基地局、音声を受信するとともにスピーカを制御するスピーカコントローラ、及び、応答を解析するマスターハンドセットの中の少なくとも2つに設定可能である、参加者応答システム。
A41.前記各ハンドセットは、ダウンロードしたコードによって設定可能に構成されている、A40に記載の参加者応答システム。
A42.前記各ハンドセットは、前記無線モジュールを用いてダウンロードしたコードによって設定可能に構成されている、A41に記載の参加者応答システム。
A43.イベントの参加者によって応答を提供することが可能な参加者応答システムであって、
応答を入力するため参加者によって使用される複数の無線ハンドセットと、
前記無線ハンドセットを保持するラックとを備え、
前記ハンドセットは、前記ラックに保持されている際には通信不能に構成され、前記ラックから取り外すと自動的に通信可能に構成されている、参加者応答システム。
A44.前記ハンドセットは、自動的に通信可能となった後、通信を確立することができない場合、ターンオフするよう構成されている、A43に記載の参加者応答システム。
A45.前記ラックは、前記ラックに保持されているハンドセットへの制御信号を生成する制御システムを含み、前記ハンドセットは、前記信号に応答して自動的にスイッチオフするよう構成されている、A43又はA44に記載の参加者応答システム。
A46.前記ハンドセットは再充電可能なバッテリーを含み、前記ラックは、前記ラックに保持されたハンドセットを電気的に充電するための充電システムを含み、前記ハンドセットは、充電が検出されない場合、自動的に通信を可能とするよう構成されている、A43又はA44に記載の参加者応答システム。
A47.イベントの参加者によって応答を提供することが可能な参加者応答システムであって、
応答を入力するため参加者によって使用される複数の無線ハンドセットと、
前記無線ハンドセットを保持するラックとを備え、
前記ラックは、前記ラック内のハンドセットをスイッチオフし、通信不能とするハンドセット制御手段を含んでいる、参加者応答システム。
A48.前記ハンドセットは、前記ラックから取り外されるとスイッチオンし、通信可能とするよう構成されている、A47に記載の参加者応答システム。
A49.前記ハンドセットは再充電可能なバッテリーを含み、前記ハンドセット制御手段は、前記ハンドセットを再充電するための電気的充電システムを備え、前記電気的充電システムはオン又はオフに切り替え可能であり、前記ハンドセットは、前記充電システムがスイッチオフされると、スイッチオフするよう構成されている、A47又はA48に記載の参加者応答システム。
A50.前記ハンドセットは、前記充電システムからの充電が検出されない場合、スイッチオンし、通信を可能とするよう構成され、通信を確立することができない場合、スイッチオフするよう構成されている、A49に記載の参加者応答システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントの参加者によるイベント参加の間の翻訳のための翻訳システムであって、
それぞれ、参加者によって使用するための音声入力及び音声出力と、無線通信のための参加者ハンドセット無線モジュールと、参加者が話す言語に割り当てられた通信チャンネルを用いて出力及び入力するために、音声を送信及び受信するよう前記参加者ハンドセット無線モジュールを制御するコントローラとを有する複数の参加者ハンドセットと、
ある言語で音声入力するための音声入力と、別の言語で音声出力するための音声出力と、無線通信のための翻訳者ハンドセット無線モジュールと、第1の通信チャンネル上の第1の言語で音声を受信及び送信するとともに、第2の通信チャンネル上の第2の言語で音声を受信及び送信するよう前記翻訳者ハンドセット無線モジュールを制御するコントローラとを有する、少なくとも一つの翻訳者ハンドセットと、
前記参加者ハンドセットと前記少なくとも一つの翻訳者ハンドセットとの間における音声の無線通信を制御する制御システムとを備え、前記制御システムは、
第1の参加者ハンドセットのコントローラが参加者のハンドセット無線モジュールを制御し、前記第1の言語に割り当てられた第1の通信チャンネルを介して、第1の言語による参加者の音声を送信することによって、参加者が発言することを可能に制御し、
翻訳者ハンドセットのコントローラが翻訳者ハンドセット無線モジュールを制御して、前記第1の通信チャンネルを用いて前記第1の言語による音声を受信し、前記第2の通信チャンネルを用いて前記第2の言語による音声を送信することによって、前記第1の言語による音声を聞き且つ前記第2の言語による音声を入力し、
第2の参加者ハンドセットのコントローラが、参加者のハンドセット無線モジュールを制御し、前記第2の通信チャンネルを介して第2の言語による参加者の音声を受信することによって、参加者が聞き取ることを可能に制御するよう構成されている、翻訳システム。
【請求項2】
前記各ハンドセットは、参加者によりイベントに対して応答を入力するための参加者入力手段を含んでおり、前記参加者ハンドセットコントローラは、前記応答を送信するよう参加者ハンドセット無線モジュールを制御するよう構成され、前記システムは、送信された応答を受信するための応答受信機を含んでいる、請求項1に記載の翻訳システム。
【請求項3】
イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムに用いるハンドセットであって、
応答を入力するための応答入力手段と、
前記応答を離隔した応答受信機に送信するための無線モジュールと、
参加者がスピーチの入力を可能とするための音声入力デバイスと、
参加者が受信したスピーチの聴取を可能とするための音声出力デバイスと、
参加者間における音声通信を可能とするために、少なくとも一つの他のハンドセットのグループに音声を送信及び受信するよう、前記無線モジュールを制御する音声コントローラとを備える、ハンドセット。
【請求項4】
イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、複数の無線ハンドセットを備え、各ハンドセットは、応答を入力するための参加者ハンドセット、応答を入力するとともに参加者の音声通信が可能な参加者ハンドセット、基地局、音声を受信するとともにスピーカを制御するスピーカコントローラ、及び、応答を解析するマスターハンドセットの中の少なくとも2つに設定可能である、参加者応答システム。
【請求項5】
前記各ハンドセットは、ダウンロードしたコードによって設定可能に構成されている、請求項4に記載の参加者応答システム。
【請求項6】
前記各ハンドセットは、前記無線モジュールを用いてダウンロードしたコードによって設定可能に構成されている、請求項5に記載の参加者応答システム。
【請求項7】
イベントの参加者によって応答を入力することが可能な参加者応答システムであって、
それぞれ、参加者が応答を入力することを可能とする応答入力手段、及び、参加者が前記参加者の位置を特定する情報を入力することを可能とする位置入力手段を有する複数の無線ハンドセットと、
前記ハンドセットからの応答を受信し処理するための中央ユニットとを備え、前記中央ユニットは、応答を処理するための応答処理手段、及び、参加者の位置を特定する情報を処理するための位置処理手段を有している、参加者応答システム。
【請求項8】
前記位置処理手段は、参加者の位置を示すイベントのマップを生成するよう構成されている、請求項7に記載の参加者応答システム。
【請求項9】
前記中央ユニットは、参加者及びハンドセットのアイデンティティとリンクした情報を格納する格納手段を含む、請求項7又は請求項8に記載の参加者応答システム。
【請求項10】
各ハンドセットは、参加者を特定する情報を入力するための参加者特定入力手段を含み、前記中央ユニットの前記格納手段は、入力された前記参加者を特定する情報を受信するよう構成されている、請求項9に記載の参加者応答システム。
【請求項11】
前記位置処理手段は、前記応答処理手段と連携して、参加者の応答を表示するよう構成されている、請求項8に記載の参加者応答システム。
【請求項12】
各ハンドセットは、参加者の発話を可能とする音声入力手段、及び、音声をイベントの他の参加者に出力するために送信する音声送信手段を含んでおり、前記中央ユニットは、話している参加者の位置に関する情報をカメラシステムに出力し、前記カメラシステムが話している参加者にカメラを自動的に向けることを可能とするためのカメラ制御手段を含んでいる、請求項8又は請求項9に記載の参加者応答システム。
【請求項13】
イベントの参加者が聴取可能に応答することが可能な参加者応答システムであって、
それぞれ、参加者が聴取可能な応答の入力を可能とする入力手段、イベントの他の参加者に出力するために音声を送信する音声送信手段、及び、参加者が参加者の位置を特定する情報の入力を可能とする位置入力手段を有する複数の無線ハンドセットと、
参加者の位置を特定する情報を受けて処理する位置処理手段と、
聴取可能な応答を与える参加者の位置を特定する情報をカメラシステムに出力し、カメラシステムが話している参加者にカメラを自動的に向けることを可能とするためのカメラ制御手段とを備える、参加者応答システム。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図22】
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【図24】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−170059(P2012−170059A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−16234(P2012−16234)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【分割の表示】特願2009−174216(P2009−174216)の分割
【原出願日】平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願人】(505056100)アイエムエル・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】