説明

反射型発光ダイオード及び反射型発光ダイオード用の支持体

【課題】 発光素子が接続されるリードの種々の太さに関わらず1種類の支持体で構成し得る反射型発光ダイオード及びその支持体を提供する。
【解決手段】 内部が凹面状に形成されかつ所定の位置に焦点を有する反射面3を有する凹状ケース1の対向する側壁5a、5bの第1、第2の溝部7a、7bに第1のリード11の一端11aおよび他端11bが嵌合し、第3、第4の溝部7c、7dに第2のリード13の一端13aおよび他端13bが嵌合し、第1、第2のリード11、13のほぼ中央部に発光素子15が取り付けられ、凹状ケース1の各溝部が凹状ケース1の側壁をほぼV字形に切り込むように形成され、このV字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数の段部を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリント回路基板などの表面に実装される表面実装型の反射型発光ダイオード及び反射型発光ダイオード用の支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の反射型発光ダイオードは、内部が凹面状に形成された反射面の焦点に発光素子を配設し、反射面を挟んで対向する支持体(いわゆるパッケージ)の側壁のそれぞれに溝部を形成し、この溝部に発光素子に接続されたリードを嵌合させて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3982635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、反射型発光ダイオードは、発光素子に接続されたリードを反射面を挟んで対向する支持体の側壁の溝部に嵌合させて構成されているが、発光素子は、その種類によって大きさや形状が異なるため発光素子の発光位置がそれぞれ異なり、そのため支持体の側壁の溝部に嵌合させたときの溝部の深さによる位置合わせが必要とされる。
【0005】
つまり種々の発光素子の発光位置を反射面の焦点位置に正確に位置させるために、これら種々の発光素子に対応した深さの溝部を有する多種類の支持体が必要となり、この多種類の支持体の在庫管理や生産管理が煩雑になるという問題に加えて、その量産性や経済性も問題となる。
【0006】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、発光位置の異なる多種多様な発光素子に対応し得る反射型発光ダイオード及び反射型発光ダイオード用の支持体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、請求項1記載の反射型発光ダイオードは、所定の位置に焦点を有する凹面状の反射面を挟んで対向して設けられる側壁及び、この対向する側壁の上縁にそれぞれ形成される溝部とを有する支持体と、この支持体の反射面に向いかつ該焦点に発光源が位置するように配設される発光素子と、この発光素子に一方で接続され、他方で前記反射面の焦点に発光源が位置するように溝部に嵌合するリードとを有し、前記支持体の各溝部は、支持体の側壁を上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する2辺の辺縁部に段部が対称に形成されることを要旨とする。
【0008】
請求項1記載の反射型発光ダイオードにあっては、内部に凹面状の反射面がある支持体の側壁の溝部に嵌合するリードの一部に発光素子の発光源が反射面に向いかつ反射面の焦点に位置するように発光素子が取り付けられ、支持体の各溝部が支持体の側壁をほぼV字形に切り込むように形成され、このV字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数の段部を形成しているため、この複数の段部の横幅が階段の段数に応じて種々様々な横幅のものとすることができ、リードの各端部の横幅を発光素子の発光位置に対応させて、選択することで発光位置(高さ)を変更することが可能となり、多種多様な発光素子に対応し得る。
【0009】
請求項2記載の反射型発光ダイオードは、内部が凹面状に形成されかつ所定の位置に焦点を有する反射面、この反射面を挟んで対向する側壁およびこの側壁の上縁に形成された溝部を有する支持体と、前記支持体の反射面の焦点に配設される発光素子と、一端が前記支持体の一方の側壁に形成された第1の溝部に嵌合し、他端が支持体の他方の側壁に形成された第2の溝部に嵌合し、前記発光素子の発光源が前記反射面に向いかつ反射面の焦点に位置するように発光素子がほぼ中央部に取り付けられる第1のリードと、一端が前記支持体の一方の側壁に形成された第3の溝部に嵌合し、他端が支持体の他方の側壁に形成された第4の溝部に嵌合し、前記発光素子の発光源が前記反射面に向いかつ反射面の焦点に位置するように発光素子がほぼ中央部に前記第1のリードのほぼ中央部と跨って取り付けられる第2のリードとを有し、前記支持体の各溝部は、支持体の側壁を上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数の段部を形成することを要旨とする。
【0010】
請求項2記載の反射型発光ダイオードにあっては、支持体の対向する側壁の第1、第2の溝部に第1のリードの一端および他端が嵌合し、支持体の対向する側壁の第3、第4の溝部に第2のリードの一端および他端が嵌合し、第1、第2のリードのほぼ中央部に発光素子が取り付けられ、支持体の各溝部が支持体の側壁をほぼV字形に切り込むように形成され、このV字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数の段部を形成しているため、この複数の段部の横幅が階段の段数に応じて種々様々な横幅のものとすることができ、リードの各端部の横幅を発光素子の発光位置に対応させて、選択することで発光位置(高さ)を変更することが可能となり、多種多様な発光素子に対応し得る。
【0011】
請求項3記載の反射型発光ダイオードは、前記第1のリードが、前記発光素子が取り付けられる前記中央部から前記支持体の一方の側壁の第1の溝部に伸びる第1の延長部と、前記中央部から他方の側壁の第2の溝部に伸びる第2の延長部とを有し、前記第2のリードが、前記発光素子が取り付けられる前記中央部から前記支持体の一方の側壁の第3の溝部に伸びる第3の延長部と、前記中央部から他方の側壁の第4の溝部に伸びる第4の延長部とを有することを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の反射型発光ダイオードにあっては、第1のリードは中央部から一方の側壁の第1の溝部に伸びる第1の延長部と、他方の側壁の第2の溝部に伸びる第2の延長部とを有し、第2のリードは中央部から一方の側壁の第3の溝部に伸びる第3の延長部と、他方の側壁の第4の溝部に伸びる第4の延長部とを有する。
【0013】
請求項4記載の反射型発光ダイオードは、発光素子をリードを介して支持する反射型発光ダイオード用の支持体であって、所定の位置に焦点を有する凹面状の反射面を挟んで対向して設けられる側壁と、この対向する側壁の上縁に側壁を上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する2辺の辺縁部に段部が前記リードが嵌合可能に形成される溝部とを有することを要旨とする。
【0014】
請求項4記載の反射型発光ダイオード用の支持体にあっては、側壁の上縁に側壁を上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する2辺の辺縁部に段部が前記リードが嵌合可能に形成される溝部とを有していることから、段部間距離に相当するリード幅のリードを選択することで発光位置(高さ)を変更することが可能となり、多種多様な発光素子に対応し得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1、第2のリードが嵌合する支持体の溝部が支持体の側壁をほぼV字形に切り込むように形成され、このV字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数の段部を形成しているので、この複数の段部の横幅が階段の段数に応じて種々様々な横幅のものとすることができ、リードの各端部の横幅を発光素子の発光位置に対応させて、選択することで発光位置(高さ)を変更することが可能となり、多種多様な発光素子に対応し得る。従来のように種々の発光素子に応じて種々様々な支持体を製造して管理する必要がなく、在庫管理や生産管理を容易にするとともに、その量産性や経済性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明によれば、第1、第2のリードの一端および他端が嵌合する支持体の各溝部が支持体の側壁をほぼV字形に切り込むように形成され、このV字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数の段部を形成しているので、この複数の段部の横幅が階段の段数に応じて種々様々な横幅のものとすることができ、リードの各端部の横幅を発光素子の発光位置に対応させて、選択することで発光位置(高さ)を変更することが可能となり、多種多様な発光素子に対応し得ると共に、在庫管理や生産管理を容易にし、かつ、その量産性や経済性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係わる反射型発光ダイオードの全体構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示す反射型発光ダイオードの断面図である。
【図3】図1に示す反射型発光ダイオードの凹状ケースを示す斜視図である。
【図4】(a)は図1の反射型発光ダイオードの溝部の構造を示す部分拡大側面図であり、(b)は図4(a)に示す溝部に図1の反射型発光ダイオードのリードの端部を嵌合させた部分拡大側面図である。
【図5】図1に示す反射型発光ダイオードに使用される第1および第2のリードを大量生産用に多数横並びに連結して形成したリードフレームを示す平面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る反射型発光ダイオードを示す斜視図である。
【図7】図6に示す反射型発光ダイオードの断面図である。
【図8】図6に示す反射型発光ダイオードに使用される第1および第2のリードを大量生産用に多数横並びに連結して形成したリードフレームを示す平面図である。
【図9】図6に示す反射型発光ダイオードの溝部にリードの端部を嵌合させた部分拡大側面図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る反射型発光ダイオードを示す斜視図である。
【図11】図10に示す反射型発光ダイオードの断面図である。
【図12】図10に示す反射型発光ダイオードに使用される第1および第2のリードを大量生産用に多数横並びに連結して形成したリードフレームを示す平面図である。
【図13】図10に示す反射型発光ダイオードの溝部にリードの端部を嵌合させた部分拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
図1および図2は、それぞれ本発明の一実施形態に係わる反射型発光ダイオードの全体構造を示す斜視図および断面図である。両図に示す反射型発光ダイオード100は、上面が開放した直方体状の支持体を構成する凹状ケース1を有し、この凹状ケース1は、図3にも単独で別の角度から示すように、内部が凹面状に形成され、所定の位置に焦点を有する反射面3を構成している。この反射面3を囲む4つの側壁のうち、対向する図1で左右の側壁5a、5bの上縁には、それぞれ2個ずつ、全体で4個の溝部7a、7b、7c、7dが形成されている。
【0020】
この4個の溝部のうち、対向する溝部7a、7bの間には、僅かに「く」の字状に二回屈曲した第1のリード11が張架され、この第1のリード11の図1で水平方向における一端11aが第1の溝部7aに嵌合し、他端11bが第2の溝部7bに嵌合している。また、この第1のリード11の中央部は、反射面3の焦点のある中心方向に向かって延出する延出部11cを形成している。
【0021】
また、4個の溝部のうち、他方の対向する溝部7c、7dの間にも、同様に、僅かに「く」の字状に二回屈曲した第2のリード13が張架され、この第2のリード13の図1で水平方向における一端13aが第3の溝部7cに嵌合し、他端13bが第4の溝部7dに嵌合している。また、この第2のリード13の中央部は、反射面3の焦点のある中心方向に向かって延出する延出部13cを形成している。
【0022】
なお、第1および第2のリード11、13の図1で水平方向における各端部11a、11b、13a、13bの先は、図1から分かるように、幅広の板状に形成されて、側壁5a、5bの外側に沿って下方に直角に曲げられた後、更に凹状ケース1の底に向かって曲げられ、凹状ケース1の底面に僅かに接触している。
【0023】
第1および第2のリード11、13の延出部11cと延出部13cは、互いに対向して近接し、この両延出部11c、13cの下面に発光素子15が接続されている。すなわち、この発光素子15は、その発光源が反射面3に向いかつ反射面3の焦点に位置するように延出部11c、13cの下面に取り付けられている。
【0024】
図4(a)は、第1および第2のリード11、13の各端部11a、11b、13a、13bが嵌合する溝部7a、7b、7c、7dの構造を示す部分拡大側面図である。図4(a)に示すように、溝部7(代表して添字a、b、c、dは省略して記載する)は、凹状ケース1の側壁5a、5bを上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数(本実施形態では3段)の段部71a、71b、71cを形成している。なお、一番下の段部71aは、左右の段部が中央で一体的に連結されて、底部となっている。
【0025】
これらの複数の段部71a、71b、71cの深さは、採用する発光素子15の外形、大きさ、正確には発光素子15の発光位置に応じて設定されるもので、発光位置が当該反射面3の焦点に位置するように決められる。そして深さに応じて、すなわち発光素子15の筐体裏面(発光面と反対側のリード取り付け面)の位置に応じて段部71の深さが設定され、さらに他の発光素子15の段部71の深さとの兼ね合いで順次、段部71の対向する縦面間の横幅が設定される。このようにして設定される段部71の対向する縦面間の横幅は、それぞれ異なって、一番下の段部71aの横幅が最も小さく、一番上の段部71cの横幅は最も大きく、中間の段部71bの横幅は両者の中間の横幅になっている。
【0026】
なお、本実施形態では、段部71a、71b、71cの数を3個、すなわち3段にしているが、これに限定されるものでなく、2段あるいは4段以上の多くの段数にしてもよい。
【0027】
上述したように、溝部7に嵌合されるリードの各端部11a、11b、13a、13bは、この溝部7の段部71(代表して添字a、b、cは省略して記載する)の上に載置されて嵌合するものである。すなわち、幅の狭いリードの端部は、一番下の横幅の小さな段部71aの上に載置されて嵌合し、幅の広いリードの端部は、一番上の横幅の大きな段部71cに載置されて嵌合し、また中間の横幅のリードの端部は、横幅が中間の段部71bの上に載置されて嵌合する。
【0028】
なお、図1および図2に示す反射型発光ダイオード100の第1および第2のリード11、13の各端部11a、11b、13a、13bの横幅は、上述した複数の段部71a、71b、71cのうち、中間の段部71bに合った中間の横幅のものである。従って、第1および第2のリード11、13の各端部を溝部7に嵌合させると、これらの端部11a、11b、13a、13bは、図4(b)に示すように、溝部7内の中間の段部71bの上に隙間やずれがなく、ぴったりと載置され、これにより完全な嵌合となる。
【0029】
このように第1および第2のリード11、13の各端部11a、11b、13a、13bが溝部7の段部71bに載置され隙間やずれがなく嵌合することにより、本実施形態の反射型発光ダイオード100は、その発光素子15の発光源が反射面3の焦点に正確に位置付けされるものである。
【0030】
図5は、上述した反射型発光ダイオード100の第1および第2のリード11、13を大量生産用に多数横並びに連結して形成したリードフレームを示す平面図であり、この多数のリード11、13のうち、1個のリード11、13にのみ代表して符号を付している。この図5にも示すように、第1および第2のリード11、13の各端部11a、11b、13a、13bの横幅は、中間の横幅のものであり、その大きさは、例えば3mm程度である。また、第1および第2のリード11、13の延出部11c、13cは、同図に示すように、第1および第2のリード11、13の間の中心線に向かって延出して互いに近接し、ほぼ対称に形成されている。
【0031】
図6および図7は、本発明の他の実施形態に係る反射型発光ダイオードを示す斜視図および断面図である。両図に示す反射型発光ダイオード200は、図1および図2に示した反射型発光ダイオード100に比較して、端部の横幅が例えば1mmのように小さい第1および第2のリードを使用しているものである。
【0032】
図6および図7に示す反射型発光ダイオード200は、図1の反射型発光ダイオード100に比較して、第1および第2のリードの各端部の横幅が小さく、すなわち細くなり、その長手方向の構造が図1のように「く」の字状に僅かに二回屈曲せずに、中心から端部に向かって「X」字状に伸びているとともに、各リードの中央部の延出部の大きさが異なっていることを除いて、その他の構造は同じであるので、説明を簡単化するために、同じ構成要素には図1および図2と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略して、異なる部分についてのみ、次のように別の符号を付して説明する。
【0033】
なお、この符号の説明では、図8に示す大量生産用に第1および第2のリードを多数横並びに連結して形成したリードフレームを示す平面図も参照されたい。従って、以下では、図6〜図8に示す反射型発光ダイオード200として説明する。
【0034】
すなわち、図6〜図8に示す反射型発光ダイオード200においては、図1の反射型発光ダイオード100の第1および第2のリード11、13に対応する第1および第2のリードの符号として、最下位の桁に「0」を追加して、110、130をそれぞれ付与し、図1の反射型発光ダイオード100の各端部11a、11b、13a、13bに対応する各端部の符号としても、最下位の桁に「0」を追加して、110a、110b、130a、130bをそれぞれ付与し、更に図1の反射型発光ダイオード100の各延出部11c、13cに対応する各延出部の符号としても、最下位の桁に「0」を追加して、110c、130cをそれぞれ付与して説明を行う。
【0035】
図6〜図8に示す反射型発光ダイオード200において、その第1および第2のリード110、130の各端部110a、110b、130a、130bの横幅は、図8の平面図から分かるように、図5で示した図1の反射型発光ダイオード100の第1および第2のリード11、13の各端部11a、11b、13a、13bの横幅に比較して、小さく、すなわち細くなっている。なお、図8において、上述したように、中心から端部に向かって「X」字状に伸びている先の真っすぐ平行になった部分が溝部7に嵌合する端部であり、この端部の先の少し幅広の部分と更に広くなった板状部は、凹状ケース1の外に出て、側壁5a、5bに沿って下方に直角に曲げられる部分である。
【0036】
このように細い横幅の第1および第2のリード110、130の各端部110a、110b、130a、130bを凹状ケース1の溝部7に嵌合させた場合には、図9に示すように、溝部7の複数の段部71a、71b、71cのうちの一番下の横幅が小さい段部71aの上に第1および第2のリード110、130の各端部110a、110b、130a、130bが隙間やずれがなく、ぴったりと載置され、これにより完全な嵌合となる。
【0037】
なお、このように第1および第2のリード110、130の各端部110a、110b、130a、130bが溝部7の段部71aに載置され隙間やずれがなく嵌合することにより、図6に示す反射型発光ダイオード200は、その発光素子15の発光源が反射面3の焦点に正確に位置付けされるものである。
【0038】
なお、図6〜図8に示す反射型発光ダイオード200の第1および第2のリード110、130の中央部の延出した延出部110c、延出部130cは、図8から分かるように、第1のリード110の延出部110cがほんの僅か延出しているのみであるのに対して、第2のリード130の延出部130cは、第1および第2のリード110、130の間の中心線を越えて延出しているが、これは、当該延出部110c、130cに取り付けられる発光素子15の構造や接続方法などによるものである。
【0039】
図10および図11は、本発明の別の実施形態に係る反射型発光ダイオードを示す斜視図および断面図である。両図に示す反射型発光ダイオード300は、図1および図2に示した反射型発光ダイオード100に比較して、端部の横幅が例えば5mm程度のように大きい第1および第2のリードを使用しているものである。
【0040】
図10および図11に示す反射型発光ダイオード300は、図1の反射型発光ダイオード100に比較して、第1および第2のリードの各端部の横幅が大きく、すなわち太くなっているとともに、各リードの中央部の延出部の大きさが異なっていることを除いて、その他の構造は同じであるので、説明を簡単化するために、同じ構成要素には図1および図2と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略して、異なる部分についてのみ、次のように別の符号を付して説明する。
【0041】
なお、この符号の説明では、図12に示す大量生産用に第1および第2のリードを多数横並びに連結して形成したリードフレームを示す平面図も参照されたい。従って、以下では、図10〜図12に示す反射型発光ダイオード300として説明する。
【0042】
すなわち、図10〜図12に示す反射型発光ダイオード300においては、図1の反射型発光ダイオード100の第1および第2のリード11、13に対応する第1および第2のリードの符号として、最下位の桁に「00」を追加して、1100、1300をそれぞれ付与し、図1の反射型発光ダイオード100の各端部11a、11b、13a、13bに対応する各端部の符号としても、最下位の桁に「00」を追加して、1100a、1100b、1300a、1300bをそれぞれ付与し、更に図1の反射型発光ダイオード100の各延出部11c、13cに対応する各延出部の符号としても、最下位の桁に「00」を追加して、1100c、1300cをそれぞれ付与して説明を行う。
【0043】
図10〜図12に示す反射型発光ダイオード300において、その第1および第2のリード1100、1300の各端部1100a、1100b、1300a、1300bの横幅は、図12の平面図から分かるように、図5で示した図1の反射型発光ダイオード100の第1および第2のリード11、13の各端部11a、11b、13a、13bの横幅に比較して、大きく、すなわち太くなっている。
【0044】
このように太い横幅の第1および第2のリード1100、1300の各端部1100a、1100b、1300a、1300bを凹状ケース1の溝部7に嵌合させた場合には、図13に示すように、溝部7の複数の段部71a、71b、71cのうちの一番上の横幅が一番大きい段部71cの上に第1および第2のリード1100、1300の各端部1100a、1100b、1300a、1300bが隙間やずれがなく、ぴったりと載置され、これにより完全な嵌合となる。
【0045】
なお、このように第1および第2のリード1100、1300の各端部1100a、1100b、1300a、1300bが溝部7の段部71に載置され隙間やずれがなく嵌合することにより、図10に示す反射型発光ダイオード300は、その発光素子15の発光源が反射面3の焦点に正確に位置付けされるものである。
【0046】
なお、図10〜図12に示す反射型発光ダイオード300の第1および第2のリード1100、1300の中央部の延出した延出部1100c、延出部1300cは、図12からよく分かるように、第1のリード1100の延出部1100cが第1および第2のリード1100、1300の間の中心線を超えて少し長めに延出しているのに対して、第2のリード1300の延出部1300cは、前記中心線まで延出せず、少し短めになっているが、これは、当該延出部1100c、1300cに取り付けられる発光素子15の構造や接続方法などによるものである。
【0047】
上述した各実施形態で説明したように、本発明の反射型発光ダイオードは、その第1および第2のリードの各端部の横幅、すなわち太さが小さかったり、大きかったり、または中間のものであったりして、種々様々なものであっても、1種類の凹状ケース1の溝部7に隙間やずれがなく、適確に嵌合させることができるため、従来のように発光素子に応じて種々様々な凹状ケース1を製造して管理する必要がなく、在庫管理や生産管理を容易にするとともに、その量産性や経済性を向上させることができる。
【0048】
なお、上記各実施形態では、第1および第2のリードの延出部に発光素子を単に接続して取り付けると説明したが、この接続取付方法は種々様々な方法があるので、その説明は省略するが、この中には例えば発光素子とリードの延出部との間を金線などのワイヤを用いて接続する方法も含むものである。
【符号の説明】
【0049】
1 凹状ケース
3 反射面
5a、5b 側壁
7、7a、7b、7c、7d 溝部
11、110、1100 第1のリード
11a、11b、110a、110b、1100a、1100b 端部
11c 延出部
13、130、1300 第2のリード
13a、13b、130a、130b、1300a、1300b 端部
13c 延出部
15 発光素子
71a、71b、71c 段部
100、200、300 反射型発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の位置に焦点を有する凹面状の反射面を挟んで対向して設けられる側壁及び、この対向する側壁の上縁にそれぞれ形成される溝部とを有する支持体と、
この支持体の反射面に向いかつ該焦点に発光源が位置するように配設される発光素子と、
この発光素子に一方で接続され、他方で前記反射面の焦点に発光源が位置するように溝部に嵌合するリードと
を有し、
前記支持体の各溝部は、支持体の側壁を上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する2辺の辺縁部に段部が対称に形成されることを特徴とする反射型発光ダイオード。
【請求項2】
内部が凹面状に形成されかつ所定の位置に焦点を有する反射面、この反射面を挟んで対向する側壁およびこの側壁の上縁に形成された溝部を有する支持体と、
前記支持体の反射面の焦点に配設される発光素子と、
一端が前記支持体の一方の側壁に形成された第1の溝部に嵌合し、他端が支持体の他方の側壁に形成された第2の溝部に嵌合し、前記発光素子の発光源が前記反射面に向いかつ反射面の焦点に位置するように発光素子がほぼ中央部に取り付けられる第1のリードと、
一端が前記支持体の一方の側壁に形成された第3の溝部に嵌合し、他端が支持体の他方の側壁に形成された第4の溝部に嵌合し、前記発光素子の発光源が前記反射面に向いかつ反射面の焦点に位置するように発光素子がほぼ中央部に前記第1のリードのほぼ中央部と跨って取り付けられる第2のリードと
を有し、
前記支持体の各溝部は、支持体の側壁を上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する辺縁部が階段状に対称に形成されて複数の段部を形成することを特徴とする反射型発光ダイオード。
【請求項3】
前記第1のリードは、前記発光素子が取り付けられる前記中央部から前記支持体の一方の側壁の第1の溝部に伸びる第1の延長部と、前記中央部から他方の側壁の第2の溝部に伸びる第2の延長部とを有し、
前記第2のリードは、前記発光素子が取り付けられる前記中央部から前記支持体の一方の側壁の第3の溝部に伸びる第3の延長部と、前記中央部から他方の側壁の第4の溝部に伸びる第4の延長部とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の反射型発光ダイオード。
【請求項4】
発光素子をリードを介して支持する反射型発光ダイオード用の支持体であって、
所定の位置に焦点を有する凹面状の反射面を挟んで対向して設けられる側壁と、
この対向する側壁の上縁に側壁を上縁から下方に向かってほぼV字形に切り込むように形成されるとともに、当該V字形の対向する2辺の辺縁部に段部が前記リードが嵌合可能に形成される溝部と
を有することを特徴とする反射型発光ダイオード用の支持体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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