説明

反射防止膜又は光吸収膜の形成に有用な重合体

【課題】反射防止膜等への光発生酸の拡散やレジストと反射防止膜等のインターミキシングがなく、保存安定性、ステップカバレッジ性に優れた反射防止膜又は光吸収膜を形成することのできる重合体を提供する。
【解決手段】一般式で示される重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底面反射防止膜又はその他光吸収膜の形成に有用な重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造においては、高い集積度を得るためレジスト画像サイズの微細化が図られており、この要求を満たすべく遠紫外線のような短波長の露光手段を用いたリソグラフィー技術の開発、改良が行なわれている。このような遠紫外線露光において良好な特性を示すレジストとして、遠紫外線(100〜300nm)に感応性を有する化学増幅型のポジ型或いはネガ型ホトレジストが知られている。この化学増幅型ホトレジストと上記の短波長の露光手段との組み合わせにより、サブクオーターミクロンの線幅を有するパターンを形成することが可能となってきているものの、サブクオーターミクロンオーダーの高解像度を達成するためには、解決されなければならない問題もいくつか存在している。これらの問題の1つに、当該技術分野においてよく知られた、入射光と入射光の基板からの反射による反射光との干渉により引き起こされる定在波(スタンディング ウエーブ)と呼ばれるものがある。他の問題としては、高平面及び非平面基板によりもたらされる薄膜干渉効果により、単層レジスト法において均一な線幅のパターンの形成が難しくなるという問題がある。これらに関しては、従来、種々の報告がなされている(例えば、非特許文献1、2参照)。また、パターンのゆがみを引き起こす原因として、トポグラフィーフィーチャーから角度をもって反射された光によって起こる、反射ノッチングと呼ばれるものもある(例えば、非特許文献3参照)。
【0003】
【非特許文献1】M.ホーン(Horn),Solid State Technology,Nov.1991,p.57
【非特許文献2】T.ブルンナー(Brunner),Proc SPIE,vol.1466,p.297(1991)
【非特許文献3】M.ボルセン(Bolsen)、G.ブール(Buhr)、H.メレム(Merrem)及びK.バン ベルデン(Van Werden),Solid State Technology,Feb.1986,p.83
【0004】
このような問題を解決するための方法の一つとして、ホトレジストに染料を添加する方法が挙げられる(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、ホトレジストに染料を添加することにより露光波長に対し高吸収のレジスト皮膜を形成し、これにより上記問題を解決しようとすると、レジストの感度が低下することや硬化工程中における問題、アルカリ現像剤中でのレジストの薄化、ベーキング時の染料の昇華というような別の問題がでてくる。レジストへの染料の添加の他に、上面結像(TSI)法や、多層レジスト(MLR)法(例えば、特許文献3参照)が知られている。これらの方法は、反射に起因する問題は少ないものの、複雑でしかもコストがかかり、好ましい方法とはいえない。即ち、半導体の製造では、コストの点及び、工程のシンプルさの点から、単層レジスト(SLR)法が通常用いられているからである。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,575,480号明細書
【特許文献2】米国特許第4,882,260号明細書
【特許文献3】米国特許第4,370,405号明細書
【0006】
更に、光の干渉を防止する方法として、いわゆる底面(ボトム)反射防止膜(BARC)を用いて、基板からの反射を減少させる方法も知られている。この方法によれば、ホトレジストを通過した光は底面反射防止膜によって吸収されるため、基板からの反射の問題は生じない。底面反射防止膜には、無機系と有機系のものが知られており、無機系の底面反射防止膜については、300Å厚のTiN、TiNO、TiW、無機ポリマの膜など(例えば、非特許文献4、5、6参照)が知られている。また、この他にも、チタン膜、酸化クロム膜、カーボン膜、α−シリコン膜等の無機膜も知られている。これらの無機反射防止膜は、通常真空蒸着、CVD、スパッタリング等の方法で形成されるが、膜厚の正確な制御が必要であるし、膜の均一性、特殊な蒸着装置の使用、レジストの塗布前の複合接着促進技術の必要性、乾式エッチングパターン転写を別工程で行わなければならないこと及び膜除去のための乾式エッチングが必要とされるなどの問題点がある。また、無機膜は導電性を有するものもあり、集積回路の製造で使用できないものもある。
【0007】
【非特許文献4】C.ノルシャー(Nolscher)等,Proc.SPIE,vol.1086(1989),p.242
【非特許文献5】K.ベイザー(Bather)及びH.シュライバー(Schreiber),Thin Solid Films,200,93(1991)
【非特許文献6】G.チェシュ(Czech)等,Microelectronic Engineering,21(1993),p.51
【0008】
一方有機の反射防止膜としては、重合体膜中に照射波長を吸収する染料を添加したもの(非特許文献7参照)が挙げられる。この染料含有反射防止膜は、レジストと同様の方法により基板上に膜を形成することができ、無機反射防止膜のような特別の装置を必要としないが、(1)スピンコート時における重合体と染料成分の分離、(2)レジスト溶剤への染料の溶出、(3)ベーキング工程でのレジスト中への染料の熱拡散などの問題がある。これらはいずれもレジスト特性を低下させる要因となり、このため重合体膜中に染料を添加して反射防止膜を形成する方法は好ましい方法とはいえない。
【0009】
【非特許文献7】Proc.SPIE,vol.539(1985),p.342
【0010】
他の方法として、膜形成性重合体に染料を化学的に結合することが提案されている。ファヘイ(Fahey)等は、ポリ(ビニルメチルエーテル−コ−無水マレイン酸)の酸無水物基にアミノ基含有染料を反応させたものを反射防止膜の材料として用いることを報告している(非特許文献8参照)が、この反射防止膜材料は、アミノ基と酸無水基との反応が常に100%完全に起こるというわけではないので、反射防止膜中に遊離のアミンが残存するという問題がある(特許文献4参照)。遊離のアミンが残存すると、レジストとして特に化学増幅型レジストを用いた場合、反射防止膜とレジストとの界面で、フッティング(footing)と呼ばれる有害作用を起こす。また、遊離の染料分子がベーキング処理中昇華して製造装置に沈着し、装置を汚染するとともに、作業者の健康を害するという問題もある。更には、イミド化合物は、溶解性が低いため、溶剤として、ホトレジスト組成物では通常用いられない極性溶剤を用いる必要がある。ホトレジストと反射防止膜とは、同一の装置を用いて塗布されることも多々あることから、これらの溶剤は同一であるのが最も好ましい。更に、イミド化反応において副反応物として水が形成されるが、これにより膜形成時微粒子が発生し、レジストパターンの欠陥が引き起こされるという問題もある。
【0011】
【非特許文献8】Proc.SPIE,vol.2195,p.422
【特許文献4】ヨーロッパ公開特許0583205号明細書、5頁、17〜20行
【0012】
また、ファヘイ(Fahey)等は、メチルメタクリレートと9−メチルアントラセンメタクリレートの共重合体を反射防止膜の材料として用いることも提案している。この方法もまた、レジストとして化学増幅型レジストを用いた場合、露光により生成した酸が反射防止膜中に拡散し、フッティングを起こすという問題を有している(非特許文献8、p.426)とともに、レジスト材料と反射防止膜材料とのインターミキシング(混交)を起こすという問題も有している。更に、この重合体もまた、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルラクテートなど当該技術分野において好ましいと考えられている溶剤に溶解しない。
【0013】
反射防止膜材料として、遠紫外の特定波長に対し光吸収性を有するポリスルホン及びポリウレア樹脂も知られている(特許文献5参照)。これらの縮合生成物は、画像形成されたウエハ上でのフィルム形成特性が悪く、このためステップカバレッジ性に劣り、また重合体の高Tg、硬直構造に由来すると考えられるクラックの発生の問題を有している。底面反射防止膜材料は、理想的には、良好なステップカバレッジ特性を示すよう塗布時には柔軟な皮膜を形成することができ、ベーキングの後ではホトレジストと反射防止膜とのインターミキシング及び露光により発生した酸の拡散を防ぐよう硬化される特性を有することが必要である。
【0014】
【特許文献5】米国特許第5,234,990号明細書
【0015】
更に、フェノール系樹脂バインダー、メラミン系の架橋剤及び熱又は光酸発生剤からなる、塗布後に硬化された反射防止膜を形成することのできる反射防止膜用組成物も知られている(特許文献6参照)。しかし、この組成物は、架橋剤及び酸発生剤を用いているため保存安定性が悪く、フィルム欠陥の発生率が高い。また、芳香族官能基が多量に存在するためエッチング速度が非常に遅いという問題もある。
【0016】
【特許文献6】ヨーロッパ公開特許542008号明細書
【0017】
以上のことを総合してみると、底面反射防止膜材料としては、次の特性を有するものが好ましい材料といえる。
(a)良好なフィルム形成性
(b)所望の露光波長における高吸収性
(c)ホトレジストとの非インターミキシング性
(d)ホトレジストより大きいエッチング速度
(e)トポグラフィー上での良好なステップカバレッジ
(f)少なくとも6ヶ月の保存安定性
(g)組成物がエッジビードリンス(EBR)溶剤に溶解されるもの
しかし、これらの特性をすべて満たす底面反射防止膜は今までなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、底面反射防止膜材料にとって必要な上記諸特性を満たす材料を提供することを目的とするものである。また本発明により、底面反射防止膜の形成に有用な組成物及びその製造方法、これら材料或いは組成物を用いた底面反射防止膜及びその形成方法、更にはレジストパターン或いは集積回路の製造方法を提供することもできる。
【0019】
即ち、本発明の第1の目的は、パターン形成中、基板及びトポグラフィーからの反射光により生ずる問題を低減する底面反射防止層或いは光吸収層を形成する材料として有用な新規重合体を提供することである。
【0020】
また、本発明の第2の目的は、単一分子内に架橋及び高光吸収機能を有し、その上層に塗布されるホトレジスト材料と同一或いは類似の溶剤に溶解する、底面反射防止膜又は光吸収膜に適用できる新規重合体を提供することである。
【0021】
本発明の第3の目的は、架橋又は高光吸収機能を有する添加剤の必要性を排除する、単一分子内に架橋及び高光吸収機能を有する底面反射防止膜又は光吸収膜に適用できる新規重合体を提供することである。
【0022】
本発明の第4の目的は、底面反射防止膜又は光吸収膜に使用されたときにベーキング後の硬度が高く、これら被膜上に塗布されるホトレジスト層とのインターミキシングがなく、また露光工程で発生する酸の反射防止膜等への拡散が不可能で、フッティングの発生のない、ベーキング温度で硬化(架橋)可能な新規重合体を提供することである。
【0023】
本発明の第5の目的は、露光波長に対し高吸収性の発色団を有し、30〜300nmの膜厚において十分な光吸収が可能な、非常に薄い反射防止膜又は光吸収膜を形成することのできる新規重合体を提供することである。
【0024】
また、本発明においては、上記光吸収性重合体を用いることにより、上記目的に加え、次のような目的が達成可能なものである。
すなわち、本発明により、パターン形成中基板及びトポグラフィーからの反射光により生ずる問題を低減する底面反射防止層或いは光吸収層を形成することのできる組成物を提供することができる。
また、本発明により、微細回路基板に対し改善された接着性、良好な塗布均一性、非粒子形成性を有する底面反射防止膜又は光吸収膜を形成することのできる組成物を提供することができる。
【0025】
また、本発明により、その上層に塗布されるホトレジスト材料よりエッチング速度の大きい底面反射防止膜又は光吸収膜を形成することのできる組成物を提供することができる。
【0026】
また、本発明により、良好な光吸収性を有する底面反射防止膜又は光吸収膜を提供することができる。
【0027】
また、本発明により、高解像度のレジストパターンを容易に形成する方法を提供することができる。
【0028】
また、本発明により、高集積度の集積回路を容易に形成する方法を提供することができる。
【0029】
また、本発明のその他の目的は、以下の記載より自ずと明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0030】
底面反射防止膜又は光吸収膜を形成するために有用な本発明の重合体は、下記一般式Vで示される重合体である。
【0031】
一般式V:
【化1】

【0032】
(式中、Rは、水素原子又はアルキル基であり、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、シクロアルキレン基、置換シクロアルキレン基、フェニレン基又は置換フェニレン基であり、Rは、フェニル基、−COOH、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基又は−COORで、Rは、置換又は非置換の、アルキル基、アリール基又はエチルアセトアセテート基であり、Rは、−COODであり、Dは露光波長(100〜450nm)を吸収する有機発色団であり、直接又はアルキレン基を介して結合された、置換又は非置換の、ベンゼン環、縮合環又は複素環を表し、XはO又はSであり、YはO又はNR基で、Rは水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、ZはO、ND基又はNR基で、Rは、水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、Rは置換又は非置換の直鎖又は分岐アルキル基、直接又はアルキレン基を介して結合された置換又は非置換シクロヘキシル基或いは置換又は非置換フェニル基であり、m、n、o、p及びqは0を含む整数であり、rは1以上の整数である。)
【0033】
上記一般式Vで示される重合体は、下記一般式IIで示される重合体のイソシアネート基又はチオイソシアネート基が、例えば、R−OHで表される化合物によりブロックされた重合体である。重合体は露光波長(100〜450nm)を吸収することができるようoが1以上の整数であることが望ましい。
【0034】
一般式II:
【化2】

【0035】
(式中、Rは、水素原子又はアルキル基であり、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、シクロアルキレン基、置換シクロアルキレン基、フェニレン基又は置換フェニレン基であり、Rは、フェニル基、−COOH、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、−COORで、Rは、置換又は非置換の、アルキル基、アリール基又はエチルアセトアセテート基であり、Rは−COODであり、Dは露光波長(100〜450nm)を吸収する有機発色団であり、直接又はメチレン基などのアルキレン基を介して結合された、置換又は非置換の、ベンゼン環、縮合環又は複素環であり、XはO又はSであり、YはO又はNR基であり、ここにおいてRは水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状,直鎖又は分岐アルキル基であり、ZはO、ND基又はNR基で、Rは、水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、n、p及びqは0を含む整数であり、m及びoは、0を含む整数で、そのうちの少なくとも1つは0より大きいものである。)
【0036】
上記一般式V又は一般式IIで示される重合体を含む組成物は、例えばヘキサメチルジシラザンで下塗りされたシリコンのような反射性半導体基板上に、例えば300〜50,000Åの乾燥膜厚となるよう塗布され、ベーキングされて溶剤が蒸発され、薄膜とされる。ベーキングは通常50〜250℃で行われる。そして、この薄膜の上に所望のホトレジストが塗布され、露光後現像されて所望の線幅を有するレジストパターンが形成される。また、このレジストパターンを乾式又は湿式でエッチングすることにより基板に画像を転写することができ、高集積度の集積回路を製造することができる。
【0037】
前記一般式IIで示される重合体は、種々の方法で合成することができる。合成法の一つとして、下記一般式Iで示される単量体を必要に応じ他の共重合単量体とともに重合する方法が挙げられる。
【0038】
一般式I:
【化3】

【0039】
(式中、R、R、X、Y及びDは、上記で定義されたものと同じものを表す。)
上記一般式Iで示される単量体は、下記一般式IIIで示される二官能性単量体から合成することができる。
【0040】
一般式III:
【化4】

【0041】
(式中、R、R及びXは、上記で定義されたものと同じものを表す。)
下記反応式Iに示されるように、一般式IIIで示される二官能性単量体Aとアミノ基又はヒドロキシル基含有発色団化合物Bとの反応により、重合性ビニル基を有する種々の単量体Cを製造することができる。
【0042】
反応式I:
【化5】

【0043】
(式中、R、R、X、Y及びDは、上記で定義されたものと同じものを表す。)
【0044】
Dの例としては、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、アントラキノン、置換アントラキノン、アクリジン、置換アクリジン、アゾベンゼン、置換アゾベンゼン、フルオリム、置換フルオリム、フルオリモン、置換フルオリモン、カルバゾール、置換カルバゾール、N−アルキルカルバゾール、ジベンゾフラン、置換ジベンゾフラン、フェナンスレン、置換フェナンスレン、ピレン、置換ピレンなどの基があげられる。しかし、Dがこれらの例に限定されるわけではない。また、このDにおける「置換」は、次に述べる1以上の基により可能である。すなわち、アルキル、アリール、ハロゲン、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルアミノ、アリールアミノなどである。
【0045】
反応式I中の上記一般式IIIで示される化合物Aの例としては、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレート、4−イソシアナトヘキシルアクリレート、4−イソシアナトベンジルメタクリレート、3−イソシアナトプロピルメタクリレート及びこれらに対応するチオイソシアネート化合物などがあげられ、特に2−イソシアナトエチルメタクリレートと2−イソシアナトエチルアクリレートが好ましい。
【0046】
また反応式I中の化合物Bとして好ましいものは、フェノール、ベンジルアルコール、4−ヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、1−ナフトール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、7−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド、9−ヒドロキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、フェナンスロール、アニリン、ベンジルアミン、2−フェニルエチルアミン、4−アミノベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンジルシアナイド、4−アミノ安息香酸、4−アミノベンズアニリド、4−アミノビフェニル、1−アミノナフタレン、1−アミノアントラセン、N−(2,4−ジニトロフェニル)−1、4−ベンゼンジアミン、4−N,N−ジメチルベンゼンジアミン、4−アミノフェノール、4−アミノジフェニルエーテル、4−アミノキノリンなどである。しかし、化合物Bがこれらの化合物に限定されるわけではない。なお、化合物Bとして特に好ましいものは、1−アミノアントラセン、1−アミノナフタレン、9−ヒドロキシメチルアントラセンである。
【0047】
このようにして得られた化合物Cは、そのままで、あるいはフィルム形成材料と混合して反射防止膜又は光吸収膜用組成物中で用いることができる。しかし、化合物Cを直接反射防止膜又は光吸収膜用組成物中に用いると、化合物Cが蒸発或いはホトレジスト中に滲出するおそれがある。このため下記反応式IIにしたがって重合して、フィルム形成性、高分子量の重合体として使用するのが望ましい。
【0048】
反応式II:
【化6】

【0049】
(式中、R、R、X、Y及びDは、上記で定義されたものと同じものを表す。)
【0050】
重合体に高い光吸収性、高いエッチング速度、特定の溶剤に対する溶解性、良好な保存安定性、硬化(架橋)性或いはその他の好ましい特性を付与するために、下記の反応式IIIに示されるように、化合物Cを1以上の他の単量体と共重合することができる。例えば、重合体に可溶性を付与するコモノマーとしては、通常アクリレート類、メタクリレート類などが、またTgの上昇のためにはスチレン及びその誘導体などが用いられる。
【0051】
重合体に好ましい特性を付与するコモノマーの例を具体的に示すと、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチルメタクリレート、アクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミド、2−イソシアナトエチルメタクリレート、4−アセトキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、スチレン、ビニルクロライド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、酢酸ビニル、2−イソシアナトエチルアクリレートなどが挙げられる。
【0052】
これらコモノマーが有する主たる付与特性を特性別に示すと、有機発色団とともに用いる場合に更に光吸収性を高めるものとしては、例えば2−イソシアナトエチルメタクリレート、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、2−イソシアナトエチルアクリレートなどが、エッチング速度を高めるものとしては、例えばメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、アクリル酸、ビニルクロライドなどが、PGMEA、エチルラクテートなど通常ホトレジストの溶剤として用いられる溶剤に対する溶解性を改善するものとしては、例えば2−(メタクリロイルオキシ)エチルメタクリレート、アクリル酸、4−アセトキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、酢酸ビニルなどが、硬化(架橋)性を改善するものとしては、例えば2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレートなどが、Tgを上昇させるものとしては、例えばスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
【0053】
しかし、上記具体例及び付与特性別例示は単なる例示であって、使用できるコモノマー、付与特性がこれら具体的に記載した化合物、付与特性に限定されるわけではなく、下記反応式III中において一般式で示されるコモノマーはいずれのものも使用できる。
【0054】
反応式III:
【化7】

【0055】
(式中、R、R、R、R、D、X、Y及びZは、上記で定義されたものと同じものを表し、n、p及びqは0を含む整数であり、m及びoは0を含む整数で、少なくとも一方が0よりも大きいものである。)
【0056】
本発明の一般式IIで示される重合体は、上記のごとく化合物Cとして示される単量体を単独で又はコモノマーと共重合することにより合成することができるが、下記反応式IVで示されるように側鎖にイソシアネート基又はチオイソシアネート基を有する対応する重合体にアミノ又はヒドロキシル基含有発色団化合物(D−YH)を反応させることにより合成してもよい。
【0057】
反応式IV:
【化8】

【0058】
(式中、R、R、R、R、D、X、Y及びZは、上記で定義されたものと同じものを表し、n、p及びqは0を含む整数であり、m及びoは1以上の整数である。)
【0059】
また、イソシアネート及び/又はチオイソシアネート基を有する化合物A(一般式IIIで表される化合物)自体或いは下記反応式Vに示されるように化合物Aを単量体として用いて重合した重合体を、架橋結合又は硬化機能を付与するために反射防止膜又は光吸収膜用組成物中に含有せしめることができる。この架橋結合又は硬化機能により、露光によりポジ型レジスト中に生成された酸の反射防止膜又は光吸収膜材料中への拡散やレジストとのインターミキシングの防止が図れ、現像処理時非画像部のホトレジスト材料を完全に溶解除去することができる。また、ベーキングの際に反射防止膜材料等を硬化させるため、イソシアネート又はチオイソシアネート基を含有する単量体又は重合体を、他の重合体染料及び/又は単量体染料と混合して使用することもできる。これらイソシアネート又はチオイソシアネート基を含有する単量体又は重合体は、反射防止膜又は光吸収膜組成物中のイソシアネート基又はチオイソシアネート基を含む単量体及び重合体のモノマー単位の合計モル数が、反射防止膜又は光吸収膜用組成物中の単量体及び重合体のモノマー単位の合計モル数に対し0.1〜40%となる量で用いれば、通常反射防止膜等の良好な硬化を行うことができる。
【0060】
前記単量体又は重合体中のイソシアネート基又はチオイソシアネート基がブロック(遮蔽)されているものを用いることができる。この場合においては、これらブロックされたものは、ブロックされていないイソシアネート基又はチオイソシアネート基と同等の硬化機能を有するため、添加量に関してはブロックされたものも上記のブロックされていない単量体又は重合体と同等なものとして扱われる。
【0061】
反応式V:
【化9】

【0062】
(式中、R、R、R、R、X及びZは、上記で定義されたものと同じものを表し、mは0より大きい整数であり、n、p及びqは0を含む整数である。)
【0063】
さらに、反射防止膜(BARC)として、膜形成性重合体に染料を化学的に結合した反射防止膜(BARC)が提示されている。例えば、このような反射防止膜材料として、重合体中の酸無水物基にアミノ基含有染料を反応させたものがあるが、通常アミノ基含有染料の全てが反応するわけではなく、遊離のアミンが反射防止膜中に残存している。反射防止膜材料としてこのようなものが用いられると、レジストとして例えば化学増幅型レジストが用いられた場合、照射部分に発生した酸が遊離アミンにより中和され、フッティングの原因となる。同じことは、水酸基含有染料を反応させた重合体を反射防止膜材料として用いる場合にもいえ、水酸基含有染料が反射防止膜中に残存し、アミノ基含有染料を用いる場合と同様のことが起きることがある。反射防止膜中に遊離アミン或いは水酸基を含有する反射防止膜に前記一般式II或いは一般式IIIで示されるイソシアネート基又はチオイソシアネート基を含有する重合体及び/又は単量体を添加すると、遊離のアミン又は水酸基がイソシアネート基又はチオイソシアネート基に補足され、ひいてはフッティングの問題を抑える効果をもたらすことになる。
【0064】
前記一般式IIIで表される、あるいはこれを単量体成分の少なくとも一つとして用いて形成されたイソシアネート基又はチオイソシアネート基を含有する単量体及び重合体は、比較的貯蔵安定性がよいものの、イソシアネート基及びチオイソシアネート基の持つ高活性のため、経時的に架橋などの変性が起こることが懸念される。これらイソシアネート基又はチオイソシアネート基を含有する単量体及び/又は重合体に、一般式;R−OH(式中、Rは置換又は非置換の直鎖又は分岐アルキル基、直接又はメチレン基等のアルキレン基を介して結合される、置換又は非置換シクロヘキシル基或いは置換又は非置換フェニル基を表す。)で示される化合物を加えると、イソシアネート基又はチオイソシアネート基が、式;−NHCOOR或いは−NHCSORとなりブロック(遮蔽)され、これらの基が有する高活性が抑制され、長期保存が確実になされることとなる。このブロック操作を用いることにより、保存性の改善のみでなく、単量体又は重合体の精製をスムーズに行うことも可能となるし、また溶剤に対する溶解性を向上させることも可能となる。このブロックされたイソシアネート基或いはチオイソシアネート基含有単量体又は重合体を含む組成物は、反射防止膜又は光吸収膜として塗工された後ベーキングされるとブロックされない場合と同様に、膜の架橋、硬化が起り、このためブロックされたイソシアネート又はチオイソシアネート基は架橋、硬化に寄与していると考えられる。イソシアネート基又はチオイソシアネート基のブロックは、イソシアネート基又はチオイソシアネート基の一部でも全部でもよい。イソシアネート基又はチオイソシアネート基がブロックされた本発明の重合体は、下記一般式Vで示される。
【0065】
一般式V:
【化10】

【0066】
(式中、R、R、R、R、R、D、X、Y及びZは、上記で定義されたものと同じものを表し、m、n、o、p及びqは0を含む整数であり、rは1以上の整数である。)
【0067】
本発明では、重合は、フリーラヂカル又はイオン反応開始剤を用い適当な溶剤中で行うことができる。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等種々の構成を採ることができる。重合を行う際の好ましい溶剤としては、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチルラクテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などが挙げられる。これらの溶剤は、単独でも2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0068】
また反応開始剤の具体例としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカーボニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシピバレート、ブチルリチウムなどが挙げられるが、開始剤がこれらに限定されるわけではない。
【0069】
また、反応式IVにしたがって重合体を合成する際の溶剤としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、エチルラクテート、エチル−3−エトキシプロパネート、エチレングリコールモノエチルアセテート、メチル−3−メトキシプロパネートなどを用いることができる。これらの溶剤は、単独でも2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0070】
これら重合体は、溶剤から分離された後、再度適当な溶剤に溶解させて反射防止膜又は光吸収膜用組成物とすることができるし、合成の際に用いた溶剤が反射防止膜又は光吸収膜用組成物の溶剤として利用することができるものであれば、重合体を分離することなく直接反射防止膜又は光吸収膜用組成物として用いることもでき、反応終了後の溶液を直接ウエハなどの基板に塗布することもできる。なお、反射防止膜又は光吸収膜用組成物は、例えば0.5及び0.2ミクロンフィルターを用いてろ過することにより、不溶性の微粒子を除去することが望ましい。更に、ろ過した溶液は、例えば直接ウエハ等の基板上に塗布することができ、その後50〜250℃の温度でベーキングされて、反射防止膜又は光吸収膜とされる。なお、ろ過に用いるフィルターが上記具体的に記載したものに限定されるものではなく、他のメッシュの大きさを有するものを用いることができることは言うまでもないことである。
【0071】
反応式II〜Vにしたがって製造した単一又は共重合体の分子量は、ポリスチレンを標準として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による測定で、500から5,000,000ダルトンの範囲のものであった。フィルム形成特性や溶解性、熱安定性を考慮した場合、3,000〜100,000ダルトンの分子量のものが好ましい。得られた重合体の分子量は、重合時間、反応温度、使用単量体及び開始剤濃度、反応媒体などに左右され、これらのパラメータを適宜選択或いは調整することにより、得られる重合体の分子量を容易に制御することができる。またイオン重合を選ぶことにより、狭い分子量分布を有する重合体を得ることもできる。
【0072】
反応式III、IV及びV中のコモノマーの使用モル比は、各モノマーの反応速度、使用される反応条件により決定される。所望の波長に対する光吸収性及び最終重合体の屈折率の値は、その重合体が底面反射防止膜等として使用できるかどうかを決定する上で重要な意味を有している。膜の光吸収は、1ミクロン厚当たり2〜40の範囲の吸収が好ましく、5〜25が更に好ましい。また共重合体にあってもこの吸収性を有する必要がある。吸収は強すぎても、また弱すぎても反射防止膜として好ましい結果を得ることはできない。また反射防止膜材料に要求される光吸収特性は、その上に塗布されるホトレジスト材料の光吸収特性及び屈折率にも依存する。反射防止膜の屈折率は、その上に塗布されるレジスト層の屈折率と一致するのが最も良いが、少なくともできるだけ近いものを用いるのが好ましい。反射防止膜材料の光吸収特性は、発色団を含む単量体の分子光吸収特性及びモル比により決定されるため、発色団を含む単量体のモルパーセントは、反射防止膜材料にとって重要である。本発明においては、反応式III又はIVに示されるようにこれを容易に制御でき、また意図した値の重合体を製造することができる。
【0073】
また、本発明の重合体を用いた反射防止膜又は光吸収膜用組成物では、組成物中に溶剤が含有され、反射防止膜材料、光吸収膜材料が溶剤に溶解されて用いられる。塗布に当たっては、溶剤として安全性溶剤を用いるのが好ましいので、反射防止膜材料等が安全性溶剤に溶解するかどうかは重要な問題である。しかし、溶剤は、反射防止膜或いは光吸収膜材料、並びに界面活性剤、可塑剤、架橋剤等のフィルム形成特性を改善する添加剤を溶解できるものであれば本来どの様なものでもよいのであり、前記組成物の溶剤が、安全性溶剤に限定されるわけではない。好ましい溶剤としては、安全性、溶解性、沸点及びフィルム形成性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルラクテート(EL)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン等及びこれらの組み合わせが挙げられる。反射防止膜又は光吸収膜材料の溶解性自体は、反応式III、IV及びVに示されるコモノマーを適当に選ぶことにより制御することができる。
【0074】
反射防止膜又は光吸収膜用組成物には、上記光吸収性化合物及び溶剤以外に、半導体基板上に均一で欠陥の無い反射防止膜又は光吸収膜を形成するため、界面活性剤或いは他の添加剤を添加、含有せしめることができる。界面活性剤の例としては、弗素化された化合物又はシロキサン化合物が挙げられるが、使用できる界面活性剤がこれに限られるわけではない。
【0075】
また、底面反射防止膜用の重合体に要求される特性として、膜のエッチング速度がある。露光及び露光後の処理により良好なパターンを転写するためには、反射防止膜のエッチング速度がレジストのエッチング速度よりかなり速いものが良いことは、半導体産業の技術者に広く知られている。本発明においては、反応式III、IV及びVのコモノマーを適当に選ぶことにより重合体のエッチング速度を制御することができる。芳香族化合物は一般的にはエッチング速度が遅いため、エッチング速度の増加のためには、コモノマーとして脂肪族或いは酸素、窒素、ハロゲン原子のような炭素以外の原子を含む単量体を用いるのが好ましい。
【0076】
反射防止膜又は光吸収膜のガラス転移温度は、反射防止膜又は光吸収膜とその上に塗布されるホトレジストとのインターミキシング特性に対し重要な役割を果たしている。インターミキシングが生起されると、現像時にホトレジストの完全な除去が難しくなる。またTgの低い反射防止膜又は光吸収膜材料上に化学増幅型ホトレジストを塗布した場合には、露光によりレジスト膜中に形成された酸が該反射防止膜中等に拡散し、酸潜像に歪みが生じるとともに、ホトレジスト材料が現像により完全には除去できないという別の問題も発生する。このため、反射防止膜材料等のガラス転移温度は、ホトレジストがベーキング等熱処理される間に用いられる最高処理温度より少なくとも高いものが好ましい。本発明においては、反応式III、IV及びV中に示されたモノマーの種類と量を適当に選ぶことにより、重合体のガラス転移温度を調整することができる。
【0077】
前記一般式IIで示される重合体としては、具体的には下記一般式II’、又は一般式II”で示される重合体が好ましいものとして挙げられる。
【0078】
一般式II’:
【化11】

【0079】
(式中、Rは水素原子又メチル基であり、Rはフェニル基、−COOH、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基又は−COORで、Rは置換又は非置換の、アルキル基、アリール基、又はエチルアセトアセテート基であり、Rは−COODであり、Dは露光波長(100〜450nm)を吸収する有機発色団であり、直接又はアルキレン基を介して結合された、置換又は非置換の、ベンゼン環、縮合環又は複素環を示し、Zは、O、ND基又はNR基で、Rは水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、m、n、o、p及びqは、0を含む整数で、m及びoのうち少なくとも1つは0より大きいものである。)
【0080】
一般式II”:
【化12】

【0081】
(式中、Rは水素原子又メチル基であり、Rはフェニル基、−COOH、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基又は−COORで、Rが置換又は非置換の、アルキル基、アリール基、又はエチルアセトアセテート基であり、Rは−COODであり、Dは露光波長(100〜450nm)を吸収する有機発色団であり、直接又はアルキレン基を介して結合された、置換又は非置換の、ベンゼン環、縮合環又は複素環であり、Rは水素原子又は置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、Zは、O、ND基又はNR基で、Rは水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、m、n、o、p及びqは、0を含む整数で、m及びoのうち少なくとも1つは0より大きいものである。)
【0082】
これら一般式II’又はII”で表される重合体において、
(1)m、n、p及びqは0で、oは5〜50,000であるもの、
(2)n、p及びqは0で、m及びoの合計が5〜50,000であり、mのモル分率が0.05〜0.95であるもの、
(3)m、p及びqは0で、n及びoの合計が5〜50,000であり、nのモル分率が0.05〜0.95であるもの、
(4)p及びqは0で、m、n及びoの合計が5〜50,000であり、nのモル分率が0.05〜0.95であるもの、
(5)n、o及びpは0で、m及びqの合計が5〜50,000であり、qのモル分率が0.05〜0.50であるもの、
(6)n、o及びqは0で、m及びpの合計が5〜50,000であり、mのモル分率が0.05〜0.90であるもの、
(7)qはoで、m、n、o及びpの合計が5〜50,000であるもの、
が好ましいものとして挙げられ、更には、上記(1)及び(3)の場合において、Rが−COORで、Rがメチル基、エチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、エチルアセトアセテート基、2−ヒドロキシエチル基又はn−ブチル基であるものがより好ましいものとして挙げられる。
【0083】
また、本発明の反射防止膜材料又は光吸収膜材料は、その上に塗布されるレジストがポジ型であってもネガ型であっても使用することができ、特に使用されるレジスト材料の種類は選ばない。このため、レジストとして従来公知のものは、いずれも使用することができ、そのいずれのものにおいても反射に起因する定在波、反射ノッチングなどのない画像、そして膜の硬化によりインターミキシング、光発生酸の拡散がない現像特性、解像度の高い画像を形成することができる。
【0084】
なお、レジストとしては、解像度などの観点から化学増幅型レジスト、キノンジアジドタイプのレジストが好ましいものとして挙げられる。露光は、100〜450nmの波長の光を用いて行われる。
【0085】
本発明において、各一般式で表わされる化合物或いは重合体の式中にR、R、R、D、Xなど同一符号で表わされる原子或いは基が複数存在する場合、これらの原子或いは基は、各々該当符号の原子或いは基の中から各独立して選択されるものであり、一般式中符号が同じであるからといって必ずしも同一の原子或いは基を表すものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0086】
以下、例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
【0087】
以下、参考例、実施例などにおいては、次の適用例1に記載の方法により底面反射防止膜(BARC)が形成され、底面反射防止膜材料の評価が行われた。
【0088】
〔適用例1〕
BARC材料を適当な溶剤を用いて5重量%溶液とし、この溶液を、0.5及び0.2ミクロンフィルターを用いてろ過した後、200℃で60秒間ベーキングした後の膜厚が60nmとなるよう6インチシリコンウエハ上に40秒間適当な回転速度でスピンコートした。顕微鏡により塗膜に欠陥がないかどうか検査し、次いで膜の光学定数n(屈折率)及びk(吸光係数)値を、248nm又は365nmの波長光を用いてエリプソメーターで測定した。
【0089】
これに続いて、40秒間適当な回転速度でスピンコートすることにより、BARC上に、ベーク後の膜厚が700nmのポジ型又はネガ型化学増幅遠紫外ホトレジスト、500nmのポジ型アルゴンフロライド(193nm)用レジスト、又は1000nmのポジ又はネガ型i−線ノボラックレジストを塗布した。レジストを110℃で、60秒ソフトベークし、遠紫外レジストの場合には、エキシマレーザ源を有するステッパーで、193nm用レジストの場合には、アルゴンフロライド光源を有するステッパーで、またi線レジストの場合には、i線ステッパーで線画像(ラインアンドスペース)を有するレチクルを用い露光した。露光に続いて、レジストを90℃でベークし、アルゴンフロライド用レジストの場合は、0.05Nの水酸化テトラメチルアンモニウム現像液を用い、それ以外のレジストの場合は、0.24Nの水酸化テトラメチルアンモニウム現像液を用い、23℃で60秒間現像して、レジストパターンを形成した。形成されたレジストパターンを、走査型電子顕微鏡を用いて検査し、線画像の解像度、定在波、反射ノッチング、フッティングを調べた。
【0090】
一方、BARC材料のステップカバレッジを評価するために、パターン化されたウエハ上に、再度上記のごとくBARC材料を塗布し、同様に処理し、これによって形成されたパターンを走査型電子顕微鏡により検査した。また、BARC材料のエッチング速度は、酸素及びフッ化物ガスプラズマを用いて評価された。
【0091】
なお、評価の際に用いたレジストは次のものである。
化学増幅遠紫外ホトレジスト
ヘキスト社製 遠紫外用レジスト AZ−DX−1100P
193nm用ポジ型レジスト
三元共重合体 (仕込み割合)
t−ブチルメタクリレート 30
メタクリル酸 40
アダマンチルメタクリレート 30
Mw=20,000
溶剤PGMEAに対し、三元共重合体 20重量%
溶剤PGMEAに対し、ビスシクロヘキシルジアゾメタン 1重量%
i−線ノボラックレジスト
ヘキスト社製 i線レジスト AZ−7500
【0092】
一方、反射防止膜材料を作成するために用いられる材料あるいは本発明の重合体の合成中間材料は、以下の合成例にしたがって製造された。
【0093】
〔合成例1〕
(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(PIEM)の重合)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、108.6gの2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2.299gの2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)及び623gのテトラヒドロフランを入れ、内容物を乾燥した窒素ガスによりパージした。反応混合物を70℃に加熱し、この温度で7時間窒素ガス流下に撹拌し、反応完了後室温に冷却し、形成された重合体をn−ヘキサン中で再沈澱した。得られた白色粉末を減圧下(1トール)、室温で乾燥して、100g(92.1%)の重合体を得た。ポリスチレンを標準に用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により重合体の分子量を測定した結果、この重合体の重量平均分子量(Mw)は21,300であり、数平均分子量(Mn)は10,400であった。この重合体を、溶剤としてそれぞれシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して、各々5重量%固体分含有溶液とし、下記の反応に用いるべく貯蔵した。
【0094】
〔合成例2〕
(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとメチルメタクリレートの共重合)
還流冷却管、窒素ガス導入管及び窒素ガス排出管を備えた三つ口フラスコに、54.3g(0.35モル)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、35.042g(0.35モル)のメチルメタクリレート、1.149gのAIBN及び623gのテトラヒドロフランを入れ、内容物を乾燥した窒素ガスでパージした。反応混合物を70℃に加熱し、この温度で7時間窒素ガス流下で撹拌し、反応完了後室温に冷却し、形成された重合体をn−ヘキサン中で再沈澱した。得られた白色粉末を減圧下(1トール)、室温で乾燥して、80gの重合体を得た。この重合体は、2278cm−1(NCO)及び1717及び1707cm−1(C=O)に赤外吸収ピークを示した。共重合体は、H−NMRによる同定の結果から約40モル%のメチルメタクリレート単位を有することがわかった。ポリスチレンを標準に用い、GPC法により分子量を測定した結果、この重合体の重量平均分子量(Mw)は25,700であり、数平均分子量(Mn)は13,900であった。この重合体を、溶剤としてそれぞれシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して、各々5重量%固体分含有溶液とし、下記の反応に用いるべく貯蔵した。
【0095】
〔合成例3〕
(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと無水マレイン酸の共重合)
メチルメタクリレートを34.32gの無水マレイン酸で代えた以外は合成例2と同じ方法を用いた。収量は、45%であった。ポリスチレンを標準に用い、GPC法により分子量を測定した結果、重合体の重量平均分子量(Mw)は23,700であり、数平均分子量(Mn)は11,900であった。この重合体は、2278cm−1(NCO)及び1717及び1707cm−1(C=O)に赤外吸収ピークを示した。共重合体は、H−NMRによる同定の結果から約50モル%の無水マレイン酸単位を有することがわかった。この重合体は、シクロヘキサノンに溶解されて5重量%固体分含有溶液とされ、下記の反応に用いるべく貯蔵された。
【0096】
〔参考例1−1a〕
(1−アミノアントラセンとポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)の反応及び底面反射防止膜材料としての適用)
合成例1で製造されたポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)のシクロヘキサノン溶液(固形分5重量%、0.064モル)200gに、12.4g(0.064モル)の1−アミノアントラセンを加え、室温で48時間撹拌して、反応を行った。反応完了後、反応溶液の一部をn−ヘキサン中で再沈澱し、反応生成物の同定を行った。生成物の赤外吸収スペクトルは、3341cm−1(N−H)、1715cm−1(C=O、エステル)及び1635cm−1(C=O、尿素)にピークを有しており、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)のイソシアネート基と1−アミノアントラセンとの完全な反応により、イソシアネート基を示す2278cm−1のピークは認められなかった。
【0097】
反応混合物の残部はろ過され、遠紫外ポジ型レジスト及び露光源として248nmエキシマレーザーが装備された遠紫外線ステッパーを用いる適用例1に記載の方法でBARC材料としての評価がなされた。BARC膜を顕微鏡を用いて観察したところ、欠陥のない均一な膜が形成されていることが判った。この膜の光学定数n及びk値は、248nmで各々1.423及び0.58であった(表1)。走査型電子顕微鏡で線画像を観察したところ、レジストの側面は垂直(88−90°)であり、0.17ミクロンの最大解像度を有し、パターンに定在波は見られなかった。
【0098】
一方、BARC層を用いない以外は正確に同じ方法を用いて比較試験を行ったところ、パターンにはシリコン基板からの反射による激しい定在波が在り、最大解像度は高々0.2ミクロンであった。酸素及びフッ化物ガスプラズマを用いてエッチング速度を測定したところ、レジストが78nm/分であるのに対し、本参考例の膜は80nm/分であった。
【0099】
BARC材料のステップカバレッジも試験され、市販の反射防止膜材料と比較された。走査型電子顕微鏡で観察したところ、本発明のBARC材料1aは、非常に良好なステップカバレッジ特性を有していた。
【0100】
〔参考例1−1b〜1h〕
イソシアネート基に対する1−アミノアントラセン(AA)の量のみを表1のように変えた以外は参考例1−1aを繰り返し、表1に示される屈折率、吸光係数、エッチング速度を有する遠紫外BARC材料1b〜1hを得た。
【0101】
【表1】

【0102】
参考例1−1b〜1hの材料をBARC材料として塗布し、ポジ型及びネガ型遠紫外(DUV)、ポジ型アルゴンフロライド(193nm)及びi線ポジ型及びネガ型レジスト並びにこれらレジストに対応する露光装置を用いて適用例1の方法で評価を行った。何れの材料も照射光の反射と散乱に起因する問題(定在波、反射ノッチング)を除くために有効であることが判った。なお、参考例1−1aの材料も同様に露光したところ、良好な結果を得た。
【0103】
〔参考例1−2〜1−7〕
1−アミノアントラセンに代えて表2に記載のアミノ基含有染料を用いた以外は参考例1−1aと同じ方法により、アミノ基含有染料とポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)との反応を行った。得られた重合体(1−2〜1−7)は、各々表2に記載の屈折率、吸光係数、エッチング速度を有していた。
【0104】
【表2】

【0105】
参考例1−2〜1−7の材料をBARC材料として塗布し、ポジ型及びネガ型遠紫外(DUV)、ポジ型アルゴンフロライド(193nm)及びi線ポジ型及びネガ型レジスト並びにこれらレジストに対応する露光装置を用いて適用例1の方法で評価を行った。何れの材料も照射光の反射と散乱に起因する問題(定在波、反射ノッチング)を除くために有効であることが判った。
【0106】
〔参考例2−1a〕
(9−ヒドロキシメチルアントラセンとポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)との反応及び底面反射防止膜材料としての適用)
合成例1で製造されたポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)のシクロヘキサノン溶液(固形分5重量%、0.064モル)200gに、13.32g(0.064モル)の9−ヒドロキシメチルアントラセン及び0.2gのジブチル錫ジラウレートを加え、室温で48時間撹拌して、反応を行った。
反応完了後、反応溶液の一部をn−ヘキサン中で再沈澱し、反応生成物の同定を行った。生成物の赤外吸収スペクトルは、3323cm−1(N−H)、1717cm−1(C=O、エステル)及び1707cm−1(C=O、カルバメート)にピークを有し、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)のイソシアネート基と9−ヒドロキシメチルアミノアントラセンとの完全な反応により、イソシアネート基を示す2278cm−1のピークは認められなかった。
【0107】
反応混合物の残部はろ過し、適用例1の方法によりBARC物質としての評価がなされた。BARC膜を顕微鏡を用いて観察したところ、欠陥のない均一な膜であることが判った。BARC膜の248nmでの光学定数n及びkの値は、各々1.400及び0.60であった(表3)。走査型電子顕微鏡で線画像を観察したところ、レジスト側面は垂直(88−90°)であり、0.17ミクロンの最大解像度を有し、パターンに定在波及びフッティングは見られなかった。BARC層を用いない以外は正確に同じ方法で比較試験を行ったところ、パターンにはシリコン基板からの反射による激しい定在波が在り、最大解像度は高々0.2ミクロンであった。酸素及びフッ化物ガスプラズマを用いエッチング速度を測定したところ、レジストが85nm/分であるのに対し、本参考例の膜は88nm/分であった。
【0108】
〔参考例2−1b〜1h〕
イソシアネート基に対する9−ヒドロキシメチルアントラセン(HMA)の量のみ表3のように変える以外は参考例2−1aを繰り返し、表3に示される異なったn及びk値、及びエッチング速度を有する遠紫外BARC材料1b〜1hを得た。
【0109】
【表3】

【0110】
参考例2−1b〜2−1hの材料をBARC材料として塗布し、ポジ型及びネガ型遠紫外(DUV)、ポジ型アルゴンフロライド(193nm)及びi線ポジ型及びネガ型レジスト並びに248nmエキシマレーザ露光装置を有する遠紫外ステッパーを用いて適用例1の方法で評価を行った。何れの材料も照射光の反射と散乱に起因する問題(定在波、反射ノッチング)を除くために有効であることが判った。なお、参考例2−1aの材料も同様に露光したところ、良好な結果を得た。
【0111】
〔参考例2−2〜2−8〕
9−ヒドロキシメチルアントラセンに代えて表4に記載のヒドロキシル基含有染料を用いた以外は参考例2−1aと同じ方法により、ヒドロキシル基含有染料とポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)の反応を行った。得られた重合体(2−2〜2−7)は、各々表4に記載の屈折率、吸光係数、エッチング速度を有していた。
【0112】
【表4】

【0113】
参考例2−2〜2−8の材料をBARC材料として塗布し、ポジ型及びネガ型遠紫外(DUV)、ポジ型アルゴンフロライド(193nm)及びi線ポジ型及びネガ型レジスト並びにこれらレジストに対応する露光装置を用いて適用例1の方法で評価を行った。何れの材料も照射光の反射と散乱に起因する問題(定在波、反射ノッチング)を除くために有効であることが判った。
【0114】
〔参考例3〕
(1−アミノアントラセンとポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート−コ−メチルメタクリレート)との反応及び底面反射防止膜材料としての適用)
ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)に代えて、合成例2で製造されたポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート−コ−メチルメタクリレート)を用いる以外は同じにして、参考例1−1a〜1−1dの方法を繰り返した。得られたBARC材料(3a〜3d)の屈折率、吸光係数及びエッチング速度を表5に示す。
【0115】
【表5】

【0116】
参考例3−3a〜3−3dの材料をBARC材料として塗布し、ポジ型及びネガ型遠紫外(DUV)、ポジ型アルゴンフロライド(193nm)及びi線ポジ型及びネガ型レジスト並びに248nmエキシマレーザ露光装置を有する遠紫外ステッパー等を用いて適用例1の方法で評価を行った。何れの材料も照射光の反射と散乱に起因する問題(定在波、反射ノッチング)を除くために有効であることが判った。
【0117】
〔参考例4〕
(9−ヒドロキシメチルアントラセンとポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート−コ−メチルメタクリレート)との反応及び底面反射防止膜材料としての適用)
ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)に代えて、合成例2で製造されたポリ(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート−コ−メチルメタクリレート)を用いる以外は同じにして、参考例2−1a〜2−1dの方法を繰り返した。得られたBARC材料(4a〜4d)の屈折率、吸光係数及びエッチング速度を表6に示す。
【0118】
【表6】

【0119】
参考例4−4a〜4−4dの材料をBARC材料として塗布し、ポジ型及びネガ型遠紫外(DUV)、ポジ型アルゴンフロライド(193nm)及びi線ポジ型及びネガ型レジスト並びに248nmエキシマレーザ露光装置を有する遠紫外ステッパー等を用いて適用例1の方法で評価を行った。何れの材料も照射光の反射と散乱に起因する問題(定在波、反射ノッチング)を除くために有効であることが判った。
【0120】
〔合成例4〕
(N−(1−アントラセン)−N’−(2−メタクリロイルオキシエチル)尿素の合成)
滴下漏斗及び温度計を備えた乾燥三つ口フラスコに、38.65gの1−アミノアントラセン(0.2モル)を入れ、200gの乾燥テトラヒドロフランに溶解させた。この溶液を、アイス−ウオーターバスを用い10℃に冷却し、この冷却された溶液に、31.03gの2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを滴下漏斗から滴下した。2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの添加後、室温(25℃)になるまで放置し、その後24時間室温で撹拌した。反応混合物は最初は均一な液であるが、イソシアネート基とアントラセンとの反応がすすむに従って、黄色の結晶生成物が溶液中に生成してきた。この生成物をガラスフィルターを用いてろ過し、n−ヘキサンを用いて少なくとも3回以上洗浄し、40℃、減圧下(1トール)で乾燥した。生成物の融点は180±2℃であり、収量は95%であった。これをIR及びNMRを用いて同定した。
【0121】
生成物の赤外スペクトルは、3341cm−1(N−H)、1715cm−1(C=O、エステル)及び1635cm−1(C=O、尿素)に吸収ピークを有し、出発物質であるメタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基の特徴である2278cm−1の吸収は全く検出されなかった。生成物のH−NMRスペクトルは、1.9ppm(3H/−CH)、3.3(2H)及び4.2(2H)ppm(CH)、5.7、6.1及び6.8ppm〔2H/CH=C(CH)〕、7.5−8.8(9H/アントラセンH)でシグナルを示した。
【0122】
〔合成例5〕
(N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメートの合成)
滴下漏斗及び温度計を備えた乾燥三つ口フラスコに、41.65g(0.2モル)の9−ヒドロキシメチルアントラセン及び0.126gのジブチル錫ジラウレートを入れ、200gの乾燥テトラヒドロフランに溶解させた。この溶液を、アイス−ウオーターバスを用い10℃に冷却し、この冷却された溶液に、31.03g(0.2モル)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを滴下漏斗から滴下した。2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの添加後、室温(25℃)になるまで放置し、その後この温度で24時間撹拌した。合成例4と異なり、反応混合物は反応中ずっと均質なままであった。この溶液を、THF/n−ヘキサン混合溶剤を用いて結晶化させ、これをガラスフィルターを用いてろ過し、n−ヘキサンにより少なくとも3回以上洗浄し、40℃、減圧下(1トール)で乾燥した。生成物は125±2℃の融点を有しており、収量は95%であった。これをIR及びNMRを用いて同定した。
【0123】
生成物の赤外スペクトルは、3323cm−1(N−H)、1717cm−1(C=O、エステル)及び1707cm−1(C=O、カルバメート)に吸収ピークを有し、出発物質であるメタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基の特徴である2278cm−1の吸収は全く検出されなかった。生成物のH−NMRスペクトルは、1.82ppm(3H/−CH)、3.3(4H/CH)及び4.083(2H)ppm(CH)、5.6−6.1ppm〔2H/CH=C(CH)〕、7.3−8.7(9H/アントラセンH)でシグナルを示した。
【0124】
〔参考例5〕
(N−(1−アントラセン)−N’−(2−メタクリロイルオキシエチル)尿素の重合)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、69.68gのN−(1−アントラセン)−N’−(2−メタクリロイルオキシエチル)尿素、500gのシクロヘキサノン及び0.65gのAIBNを入れた。内容物を窒素ガスでパージし、70℃で7時間撹拌した。その後反応混合物を室温に冷却し、その一部をメタノールで沈澱し、残部は5重量%固体となるよう希釈した。ポリスチレンを標準として用い、GPC法によりこの重合体の分子量を測定した結果、22,000の重量平均分子量(Mw)及び9,700の数平均分子量(Mn)を有していた。
【0125】
反応混合物の残部はろ過し、適用例1に記載されるようにしてBARC材料としての評価がなされた。BARC膜を顕微鏡で観察したところ、欠陥はなく均一な膜であった。248nmでのBARC膜の光学パラメータn及びk値は、各々1.412及び0.61であった。走査型電子顕微鏡による遠紫外(DUV)ポジ型レジストと248nm用露光装置を用いた線画像の観察の結果、レジスト側面は垂直(88−90°)であり、0.17ミクロンの最大解像度を有し、パターンには定在波及びフッチングは見られなかった。BARC層を用いない以外は正確に同じ方法で比較試験を行ったところ、シリコン基板からの反射による激しい定在波を有するパターンであり、最大解像度は高々0.2ミクロンであった。酸素及びフッ化物ガスプラズマを用いてエッチング速度を測定したところ、レジストが85nm/分であるのに対し、本参考例の膜は89nm/分であった。BARC材料のステップカバレッジを適用例1に記載のようにして評価したところ、非常に良好であった。
【0126】
〔参考例6〕
(N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメートの重合)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、72.681gのN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート、500gのシクロヘキサノン及び0.65gのAIBNを入れた。内容物を窒素ガスでパージし、70℃で7時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、その一部をメタノールで再沈澱し、残部は5重量%固体になるよう希釈した。ポリスチレンを標準として用い、GPC法によりこの重合体の分子量を測定した結果、28,000の重量平均分子量(Mw)及び12,700の数平均分子量(Mn)を有していた。
【0127】
反応混合物の残部はろ過され、BARC材料として塗布され、参考例5と同様に評価がなされた。この材料は、1.405及び0.61の屈折率及び吸光係数、90nm/分のエッチング速度、及び良好なステップカバレッジ特性を有していた。
【0128】
〔参考例7〕
(N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメートとメチルメタクリレートの共重合)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、3.634g(0.01モル)のN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート、1.00g(0.01モル)のメチルメタクリレート、0.23gのAIBN及び60gのテトラヒドロフランを入れ、内容物を乾燥窒素ガスでパージした。反応混合物を70℃に加熱し、窒素流下に5時間この温度で撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、重合体をn−ヘキサンにより再沈澱した。得られた白色粉末を室温で減圧(1トール)下に乾燥し、4g(86%)の重合体を得た。赤外スペクトルは、1740cm−1、1717cm−1及び1707cm−I(C=O)に吸収ピークを有していた。この共重合体は、H−NMRスペクトルから約40モル%のメチルメタクリレート単位を有することが判った。ポリスチレンを標準として用い、GPC法によりこの重合体の分子量を測定した結果、23,700の重量平均分子量(Mw)及び12,900の数平均分子量を有していた。
【0129】
この重合体はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解され(3重量%固体)、適用例1に記載のようにBARCとして塗布され、参考例5と同様に評価された。レジストパターン側面には、反射光及び散乱光による定在波は見られなかった。また、248nmにおけるBARC材料は、1.58及び0.54の屈折率及び吸光係数及び138nm/分のエッチング速度を有していた。
【0130】
〔参考例8〕
(N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメートと2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテートの共重合)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、3.634g(0.01モル)のN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート、2.142g(0.01モル)の2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート、0.23gのAIBN及び60gのテトラヒドロフランを入れ、内容物を乾燥窒素ガスでパージした。反応混合物を70℃に加熱し、窒素流下5時間この温度で撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、重合体はn−ヘキサンにより再沈澱された。得られた白色粉末を、室温で減圧(1トール)下に乾燥し、5g(収率87%)の重合体を得た。赤外スペクトルは、1740cm−1、1717cm−1及び1707cm−1(C=O)に吸収ピークを有していた。この共重合体は、H−NMRスペクトルから約45モル%の2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート単位を有することが判った。ポリスチレンを標準として用い、GPC法によりこの重合体の分子量を測定した結果、23,700の重量平均分子量(Mw)及び12,900の数平均分子量を有していた。
【0131】
この重合体はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解され(3重量%固体)、適用例1に記載のようにBARCとして塗布され、参考例5と同様に評価された。レジストパターン側面には、反射光と散乱光による定在波は見られなかった。また、BARC材料は、248nmにおける1.52及び0.48の屈折率及び吸光係数及び148nm/分のエッチング速度を有していた。
【0132】
〔参考例9〕
(メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと発色団を含有するビニルモノマーの共重合)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、3.1gのメタクリロイルオキシエチルイソシアネート、5.524gの9−アントラセンメチルメタクリレート、0.064gのAIBN及び40gのテトラヒドロフランを入れ、内容物を乾燥窒素ガスでパージした。反応混合物を70℃に加熱し、窒素流下7時間この温度で撹拌した。反応完了後、室温に冷却し、重合体はn−ヘキサンにより再沈澱された。得られた白色粉末を、室温で減圧(1トール)下に乾燥し、7gの重合体を得た。赤外スペクトルは、2278cm−1(NCO)、1717cm−1(C=O、アクリレート)に吸収ピークを有していた。重合体中のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートの含有量は、H−NMRスペクトルから57モル%であることが判った。ポリスチレンを標準として用い、GPC法でこの重合体の分子量を測定した結果、24,300の重量平均分子量(Mw)及び14,400の数平均分子量(Mn)を有していた。
【0133】
この重合体は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解され(5重量%固体)、適用例1に記載のようにBARCとして塗布され、参考例5と同様に評価された。レジストパターン側面には、反射光と散乱光による定在波は見られなかった。また、248nmにおけるBARC材料は、1.54及び0.54の屈折率及び吸光係数及び108nm/分のエッチング速度を有していた。9−アントラセンメチルメタクリレートホモポリマーのみからなるBARC材料では、フッティングとインターミキシングの問題があるが、本参考例のものではメタクリロイルオキシエチルイソシアネート基によりベーキング時BARC膜が硬化され、レジストとBARCとのインターミキシングを防止することができる。
【0134】
〔参考例10〕
(硬化剤としてのイソシアネート含有化合物の使用)
ポリ(メチルメタクレート−コ−9−メチルアントラセンメタクリレート)とシクロヘキサノン溶剤からなる底面反射防止膜材料に、5重量%のポリ(メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)溶液を加え、この混合物を撹拌した。得られた溶液を適用例1に記載されるようにして底面反射防止層として用いた。ポジ型化学増幅ホトレジストを用い、レジストパターンを作成し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、本参考例の材料では、ポリ(メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)添加剤を用いないBARC材料と異なり、インターミキシングは見られなかった。
【0135】
〔実施例1〕
(N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート、メチルメタクリレート及び2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの三元共重合、三元重合体のイソシアネート基のエチルアルコールによるブロック及びこのブロックされた重合体のBARC材料としての適用)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、3.634g(0.01モル)のN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート、2.00g(0.02モル)のメチルメタクリレート、及び1.55g(0.01モル)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、及び0.287gのAIBN並びに60gのテトラヒドロフランを入れ、内容物を乾燥した窒素ガスによりパージした。反応混合物を70℃に加熱し、この温度で5時間窒素ガス流下に撹拌した。反応完了後室温に冷却し、重合体をn−ヘキサン中で再沈澱した。得られた白色粉末を減圧下(1トール)、室温で乾燥して、5.75g(80%)の重合体を得た。この重合体は、2273cm−1(NCO)、1740cm−1、1717及び1707cm−1(C=O)に赤外吸収ピークを示した。この三元共重合体は、H−NMRスペクトルにより、約25モル%のN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート単位を有することがわかった。ポリスチレンを標準に用い、GPC法によりこの重合体の分子量を測定した結果、この重合体は、15,700の重量平均分子量(Mw)及び10,900の数平均分子量(Mn)を有していた。この重合体の一部を、PGMEAに溶解して、3重量%固体分含有溶液とし、適用例1に記載されるようにポジ型化学増幅ホトレジストを用い、BARC材料として評価した。プロファイルには光の反射と散乱による定在波はみられず、また248nmにおけるBARC材料は、1.48及び0.40のn及びk値、148nm/分のエッチング速度を有していた。
【0136】
上記のように合成された2gの三元共重合体を、50mlのエタノール中で、室温下、48時間撹拌した。減圧してエタノールを蒸発させ、得られた重合体を赤外スペクトルを用い同定した。NCO基がエタノールでブロックされていることにより、イソシアネート基を示す2273cm−1のピークは認められなかった。
【0137】
この重合体を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して、3重量%固体分含有溶液とし、適用例1に記載されるようにポジ型化学増幅ホトレジストを用い、BARC材料として評価した。プロファイルには光の反射と散乱による定在波はみられず、また248nmにおけるBARC材料は、1.48及び0.40のn及びk値、152nm/分のエッチング速度を有していた。
【0138】
〔実施例2〕
(イソシアネート基がp−ニトロフェノールによりブロックされたN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート、メチルメタクリレート及び2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの三元共重合及びこの重合体のBARC材料としての適用)
還流冷却管、窒素導入管及び窒素排出管を備えた三つ口フラスコに、3.634g(0.01モル)のN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−9−メチルアントラセンカルバメート、2.00g(0.02モル)のメチルメタクリレート、及び1.55g(0.01モル)の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート及び0.287gのAIBN並びに60gのテトラヒドロフランを入れ、内容物を乾燥した窒素ガスによりパージした。反応混合物を70℃に加熱し、この温度で5時間窒素ガス流下に撹拌した。反応完了後室温に冷却した。この反応液に0.0252gのジブチル錫ジラウレート及び1.391g(0.01モル)のp−ニトロフェノールを加え、25℃で3日以上攪拌を行った。重合体をブレンダーを用い再沈澱、分離し、ろ過後、各回約300mLのイソプロパノールを用いて、3度得られた重合体を洗浄した。得られた重合体粉を減圧下(1トール)、25℃で定重量となるまで乾燥した。収量は5g(76%)であった。
【0139】
この重合体は、ポリスチレンを標準に用いたGPC測定で、20,700の重量平均分子量(Mw)及び9,000の数平均分子量(Mn)を示した。この重合体は、1740cm−1、1717及び1707cm−1(C=O)に赤外吸収ピークを示さなかった。この重合体を溶剤としてエチルラクテートを用い5重量%溶液とし、適用例1に記載されるようにして、BARC材料として適用され、評価された。プロファイルには光の反射と散乱による定在波はみられず、またBARC材料のnとk値は、各々1.48及び0.42であり、155nm/分のエッチング速度であった。
【0140】
[発明の効果]
以上詳述したように、本発明の重合体を用いた反射防止膜及び光吸収膜は、照射光の基板からの反射防止効果が高いため、定在波、反射ノッチングの問題はなく、また反射防止膜等への光発生酸の拡散、レジストと反射防止膜等とのインターミキシングが防止できるため、フッティングや現像時の残膜がなく、更に本発明の重合体を含有する反射防止膜及び光吸収膜組成物は、保存安定性、ステップカバレッジ性も優れている。このため、本発明の重合体を反射防止膜又は光吸収膜材料として用いることにより、高解像度、高精度のレジストパターンを容易に形成することができ、高集積度の集積回路の製造に大きく寄与するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式Vで示される重合体。
一般式V:
【化1】

(式中、Rは、水素原子又はアルキル基であり、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、シクロアルキレン基、置換シクロアルキレン基、フェニレン基又は置換フェニレン基であり、Rは、フェニル基、−COOH、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基又は−COORで、Rは、置換又は非置換の、アルキル基、アリール基又はエチルアセトアセテート基であり、Rは、−COODであり、Dは露光波長(100〜450nm)を吸収する有機発色団であり、直接又はアルキレン基を介して結合された、置換又は非置換の、ベンゼン環、縮合環又は複素環を表し、XはO又はSであり、YはO又はNR基で、Rは水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、ZはO、ND基又はNR基で、Rは、水素原子、置換されていてもよい、フェニル基又は環状、直鎖又は分岐アルキル基であり、Rは置換又は非置換の直鎖又は分岐アルキル基、直接又はアルキレン基を介して結合された置換又は非置換シクロヘキシル基或いは置換又は非置換フェニル基であり、m、n、o、p及びqは0を含む整数であり、rは1以上の整数である。)
【請求項2】
請求項1記載の重合体において、oが1以上の整数であることを特徴とする重合体。

【公開番号】特開2006−291219(P2006−291219A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154992(P2006−154992)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【分割の表示】特願平11−500462の分割
【原出願日】平成10年5月21日(1998.5.21)
【出願人】(504435829)AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社 (79)
【Fターム(参考)】