説明

反応出力装置

【課題】ユーザを識別して、そのユーザの動作から受ける印象に応じて反応を出力できる反応出力装置を提供する。
【解決手段】反応出力装置1では、好悪の程度を数値で表現した好悪判定値を用いることによって、ユーザ毎に好悪の程度を記憶できる。この好悪判定値はユーザ毎にそれぞれ設定され、反応出力装置1に対して行われるユーザの所定の動作の種類によって、そのユーザに設定された好悪判定値のみが更新される。この好悪判定値の更新は、ユーザの動作の種類毎に各々設定された好悪値が、好悪判定値に加算(又は減算)されることによって行われる。そして、好悪判定値のレベルに対応して香りの種類がそれぞれ設定されている。よって、ユーザの好悪判定値に対応する特定の香りが香り放出口11からユーザに提示されることで、反応出力装置1のユーザに対する好悪の程度をそのユーザに提示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応出力装置に関し、詳細には、ユーザから受ける動作の種類によって反応の種類を選択して出力できる反応出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、現代人は心理的及び社会的要因等の様々な要因によって精神的ストレス(不安、不満、怒り、いらいら等)が増加していると言われている。このような精神的ストレスが増加すると、一般的に思考力や注意力が低下し、外部環境に対する反応が鈍化し易い。その結果、仕事場での作業効率が低下したり、作業の間違いや事故などが多く発生する。このような問題に対処するため、例えば、ユーザに対して振動刺激、光刺激、エアー刺激及び音刺激をそれぞれ組み合わせて、精神的なストレスを積極的に回復できるリラックスリフレッシュ装置(例えば、特許文献1参照)が知られている。このリラックスリフレッシュ装置では、リクライニング式の椅子に座ったユーザに対して、香りを含むエアを吹き付けたり、椅子を振動させたり、自然の音(鳥の鳴き声、川がせせらぐ音等)やクラシック音楽を聴かせたりする等して、ユーザの疲労やストレスを回復することができる。
【0003】
しかしながら、このリラックスリフレッシュ装置では、ユーザの精神状態は全く考慮されずに一定の刺激のみが提示されるので、ユーザの精神状態に合った刺激を提示することはできなかった。さらに、どのユーザに対しても同じ刺激が提示されるので、必ずしもユーザが望む刺激が提示されるとは限らなかった。そこで、ユーザの個性情報を記憶する個性情報記憶手段と、ユーザの精神状態(落ち着き有り、そわそわ、緊張)を検出することができる精神状態検出手段とを備え、該精神状態検出手段によってユーザの精神状態が不安定であることが検出された場合に、その個々のユーザに応じた映像、音、匂い、振動等の刺激をユーザに提示できる刺激提示システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。この刺激提示システムでは、ユーザに合った刺激を提示できるので、ユーザのストレスをより効果的に回復することができる。
【特許文献1】特開平5−261156号公報
【特許文献2】特開2005−261792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のリラックスリフレッシュ装置や、特許文献2に記載の刺激提示システムは、あくまでユーザの疲労やストレスを治療回復する目的で開発されたものであるので、個人が趣味・娯楽でこれらを利用するには適さなかった。また、これら装置及びシステムは、病院や施設での治療やセラピー等に利用されることが多く、装置及びシステムの構成自体が複雑かつ大型であり値段も高価であったため、家庭や個人で楽しむには適さなかった。また、近年では、”癒し”に関するグッズが流行し、上記した装置及びシステムから得られるリラックス効果を家庭でも気軽に楽しめる癒しグッズのようなものが求められている。このような癒しグッズは、「玩具」のような遊び的な要素を備えていることが好ましく、特にペットのように愛着のある癒しグッズは女性や子供には特に浸透し易いと言われている。そのような癒しグッズは従来から一般的に市販されているが、しっぽを振ったり、頭を振ったり、喋ったりする等のしぐさをして人を和ますだけで、ユーザに対してリラックス効果をもたらすような刺激を直接提示するものではなかった。さらに、このようなペット型の癒しグッズの中には、ユーザから受ける動作に対応する動作ができるものもあるが、ユーザに関係なく同じ行動をとってしまうので、ユーザ毎に態度が異なるペット型の癒しグッズのようなものはなかった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ユーザを識別して、そのユーザの動作から受ける印象に応じて反応を出力できる反応出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の反応出力装置は、人物の身体的特徴を認識して前記人物を識別する人物識別手段と、前記人物に対する好悪の程度を示す数値である好悪判定値を前記人物毎に記憶する好悪判定値記憶手段と、前記人物識別手段によって識別された前記人物の動作を検出する動作検出手段と、当該動作検出手段によって検出された前記人物の動作の種類を特定する動作特定手段と、当該動作特定手段によって特定された前記動作の種類に応じて、前記人物識別手段によって識別された人物の前記好悪判定値を決定する好悪判定値決定手段と、前記人物識別手段によって識別された人物に対応する前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値を、前記好悪判定値決定手段によって決定された前記好悪判定値にしたがって変更する好悪判定値変更手段と、五感のうち少なくとも何れかの感覚で感知可能な反応を外部に出力する反応出力手段と、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値に対応して前記反応出力手段が出力すべき前記反応の種類が設定された反応情報を記憶する反応情報記憶手段と、当該反応情報記憶手段に記憶された前記反応情報から、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値に対応する前記反応を選択して出力するように、前記反応出力手段を制御する反応出力制御手段とを備えている。
【0007】
また、請求項2に係る発明の反応出力装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、所定の動作の種類と、当該動作の種類に対応して設定された好悪値とを記憶する好悪値記憶手段を備え、前記動作特定手段は、前記好悪値記憶手段に記憶された前記動作の種類から、前記動作検出手段に検出された前記人物の動作の種類を特定し、前記好悪判定値決定手段は、前記好悪値記憶手段に記憶された前記好悪値から、前記動作特定手段によって特定された前記人物の動作の種類に対応する前記好悪値を選択して、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値に加算又は減算して前記好悪判定値を決定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明の反応出力装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記反応出力制御手段は、前記好悪判定値変更手段によって、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値が変更された場合に、前記反応を出力するよう前記反応出力手段を制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明の反応出力装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記反応出力制御手段は、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値が所定範囲内から逸脱した場合に、前記反応を出力するように前記反応出力手段を制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の反応出力装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記反応出力制御手段は、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値が正から負、負から正、0から正、又は0から負の何れかの状態で、前記好悪判定値変更手段によって変更された場合に、前記反応を出力するように前記反応出力手段を制御することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明の反応出力装置は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記動作検出手段は、前記人物による押圧を検出するとともに、当該押圧の程度を検出する感圧センサを備え、前記動作特定手段は、前記感圧センサによって前記押圧が検出された場合に、前記押圧の程度に基づいて前記動作の種類を特定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明の反応出力装置は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の構成に加え、前記動作検出手段は、前記人物から発せられた音声を検出する音声検出手段を備え、前記動作特定手段は、前記音声検出手段によって前記音声が検出された場合に、前記音声を認識して言葉を特定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る発明の反応出力装置は、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の構成に加え、前記反応は匂いであり、前記反応出力手段は、前記匂いを有する液体を霧状、又は気体状に空気中に放出する匂い出力装置であって、前記反応情報には、前記好悪判定値に対応して前記反応出力手段が放出すべき匂いが各々設定されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係る発明の反応出力装置は、請求項8に記載の発明の構成に加え、前記匂いは複数の種類が設定されるとともに、第1のグループと、第2のグループとに分類され、前記好悪判定値が所定値以上の場合は、前記第1のグループに分類される第1の匂いが設定され、前記好悪判定値が前記所定値未満の場合は、前記第2のグループに分類される第2の匂いが設定されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係る発明の反応出力装置は、請求項9に記載の発明の構成に加え、前記好悪判定値が前記所定値以上の場合は、前記好悪判定値の増加に伴って、前記第1の匂いの放出量を増加させ、前記好悪判定値が前記所定値未満の場合は、前記好悪判定値の減少に伴って、前記第2の匂いの放出量を増加させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る発明の反応出力装置は、請求項9に記載の発明の構成に加え、前記好悪判定値が所定値以上の場合は、前記好悪判定値の増加に伴って、前記第1のグループに分類された前記第1の匂いの調合数を増加させ、前記好悪判定値が前記所定値未満の場合は、前記好悪判定値の減少に伴って、前記第2のグループに分類された前記第2の匂いの調合数を増加させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明の反応出力装置では、人物識別手段によって人物の身体的特徴(例えば、顔、指紋、音声等)が認識されることでその人物が識別される。さらに、その識別された人物の動作は動作検出手段によって検出され、動作特定手段によってその動作の種類が特定される。さらに、好悪判定値決定手段によって、その特定された動作の種類に応じた好悪判定値が決定される。この場合、好悪判定値変更手段により、好悪判定値記憶手段に記憶された好悪判定値が、好悪判定値決定手段によって決定された好悪判定値に変更される。また、反応情報記憶手段に記憶された反応情報には、好悪判定値に対応して反応出力手段が出力すべき反応の種類が各々設定されているので、好悪判定値記憶手段に記憶された好悪判定値に対応する反応の種類を選択できる。ここでは、反応出力制御手段によって、好悪判定値記憶手段に記憶された好悪判定値に対応する反応の種類が選択され、その選択された反応が出力されるように反応出力手段が制御される。つまり、人物毎に記憶された好悪判定値によって反応の種類を変えて出力できる。このように、人間に対する好悪の程度を好悪判定値として人物毎に記憶し、その好悪判定値に対応する反応を出力できるので、あたかも人間的な感情を持っているかのように動作する反応出力装置を提供できる。さらに、好悪判定値記憶手段に記憶された好悪判定値は、その識別された人物の動作が検出される度に毎回変更されるので、人物毎に出力される反応を変化させることができる。つまり、識別された人物は、自分の好む反応を求めたり、又はあえて嫌いな反応を求めたり、あらゆる動作を試みるので、人間的なコミュニケーションを擬似的に体験することができる。これにより、より人間的な感情に近い反応を出力できる反応出力装置を提供できる。
【0018】
また、請求項2に係る発明の反応出力装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、
所定の動作の種類と、該動作の種類に応じて設定された好悪値とが好悪値記憶手段に記憶されている。そして、動作特定手段は、好悪値記憶手段に記憶された動作の種類から、動作検出手段に検出された人物の動作の種類を特定する。さらに、好悪判定値決定手段は、好悪値記憶手段に記憶された好悪値から、動作特定手段によって特定された人物の動作の種類に対応する好悪値を選択し、その好悪値を、好悪判定値記憶手段に記憶された好悪判定値に加算又は減算することによって好悪判定値を決定できる。これにより、人物の動作の種類に応じて好悪判定値を適宜変更できる。
【0019】
また、請求項3に係る発明の反応出力装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、反応出力制御手段は、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値が前記好悪判定値変更手段によって変更された場合に、反応を出力するよう反応出力手段を制御する。つまり、人物識別手段によって識別された人物による動作が、好悪値記憶手段に記憶された所定の動作の種類であった場合は、反応出力手段から反応が必ず出力される。これにより、反応出力装置が持つ現在の人物に対する好悪の程度を確認できるので、反応出力装置とより親密なコミュニケーションを得ることができる。
【0020】
また、請求項4に係る発明の反応出力装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、反応出力制御手段は、好悪判定値が所定範囲内から逸脱した場合に、反応を出力するように反応出力手段を制御する。例えば、好悪判定値が所定範囲内にあるときは通常の好悪の程度であると設定した場合、好悪判定値が所定範囲内から逸脱したときは、好悪の程度が通常よりも高い又は低いと推測できる。この場合、反応出力手段から反応を出力させることによって、人物識別手段によって識別された人物に対して、好悪の程度が通常レベルよりも高く又は低くなったことを知らせることができる。
【0021】
また、請求項5に係る発明の反応出力装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、反応出力制御手段は、好悪判定値記憶手段に記憶された好悪判定値が正から負、負から正、0から正、又は0から負の何れかの状態で、好悪判定値変更手段によって変更された場合に、反応を出力するように反応出力手段を制御する。例えば、好悪判定値が正の数の時は印象が良く、負の数の時は印象が悪いと設定した場合、好悪判定値が正から負、又は負から正に変更された場合は、好悪の印象がその人物の動作によって逆転したことが推測される。また、0から正の数、又は0から負の数に変更された場合は、好悪の程度がその人物の動作によって良くなった、又は悪くなったことが推測される。このときに、反応出力手段によって反応が出力されるので、その動作をした人物に、その動作が好悪の判定に影響を与えたことを認識させることができる。そして、その人物は自らした動作が好悪に影響を与えたことを受けて次の動作を考慮することができるので、反応出力装置との擬似的な対話を楽しむことができる。
【0022】
また、請求項6に係る発明の反応出力装置では、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、動作検出手段の感圧センサによって人物による押圧を検出できる。さらに、感圧センサは押圧の程度を検出でき、その検出された押圧の程度に基づいて、動作特定手段がその押圧の種類(例えば、叩く、撫でる、押す等の何れか)を特定できる。例えば、好悪判定値が高くなるにつれて好感度が高く、低くなるにつれて好感度が低くなるように設定した場合、”叩く”動作は印象が良くないので好悪値を低く設定する。一方、”撫でる”動作は印象が良いので好悪値を高く設定する。つまり、触覚によって感知できる動作の種類を特定し、その特定された動作に見合った好悪値を好悪判定値に換算できるので、触覚によって感知された動作を好悪判定値に反映させることができる。
【0023】
また、請求項7に係る発明の反応出力装置では、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の効果に加え、動作検出手段の音声検出手段によって人物から発せられた音声を検出できる。そして、その検出された音声は、動作特定手段によって音声が認識され、その音声が表す言葉が特定される。例えば、好悪判定値が高くなるにつれて好感度が高く、低くなるにつれて好感度が低くなるように設定した場合、「かわいいね」、「賢いね」という言葉は印象が良いので好悪値を高く設定する。一方、「だめ」、「うるさい」という言葉は印象が悪いので好悪値を低く設定する。つまり、聴覚によって感知できる音声の種類を特定すること、即ち、その音声の表す言葉を認識することで、その認識された言葉に見合った好悪値を好悪判定値に換算できるので、聴覚によって感知された言葉を好悪判定値に反映させることができる。
【0024】
また、請求項8に係る発明の反応出力装置では、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の効果に加え、反応は匂いであって、反応出力手段は、匂いを有する液体を霧状、又は気体状に空気中に放出する匂い出力装置であるので、ユーザに対して言葉や画面表示のように直接的ではなく、間接的に好悪の程度を知らせることができる。これにより、例えば、伝えづらい好悪の程度を相手に対して匂いで伝えることができる。また、リラックス効果のある匂いを用いることで、癒しの効果を期待できる。そして、その人物は、リラックス効果のある人気の高い匂いを出力させるために、反応出力装置に対してあらゆる動作を試みるので、反応出力装置との疑似的な対話を楽しむことができる。また、ゲーム的な感覚で匂いを楽しむこともできる。
【0025】
また、請求項9に係る発明の反応出力装置では、請求項8に記載の発明の効果に加え、匂いは複数の種類が設定され、第1のグループと第2のグループとに分類されているので、例えば、第1のグループに人気のある匂い、第2のグループにくせのある匂いを設定できる。そして、好悪判定値が所定値以上の場合は、第1のグループに分類される第1の匂いが設定され、好悪判定値が所定値未満の場合は、第2のグループに分類される第2の匂いが設定されるので、好悪判定値が所定値以上の場合は人気のある匂いを反応出力手段から出力させることができ、好悪判定値が所定値未満の場合はくせのある匂いを反応出力手段から出力させることができる。これにより、人物識別手段に識別された人物に対して、その人物に対する好悪の程度を知らせることができる。そして、その人物は、例えば、その示された好悪の程度を良くして人気のある匂いを出力させようとあらゆる動作を試みるので、反応出力装置との疑似的な対話を楽しむことができる。また、ゲーム的な感覚で匂いを楽しむこともできる。
【0026】
また、請求項10に係る発明の反応出力装置では、請求項9に記載の発明の効果に加え、以下の効果を示す。例えば、好悪判定値が所定値以上の場合は好感があるものとし、第1の匂いは人気のある匂いを設定した場合、第1の匂いの放出量が高い場合、その人物に対して、自らした動作は好感のある動作であったことと、その動作の好感のレベル(程度)までをも認識させることができる。さらに、好悪判定値が所定値未満の場合は好感がないものとし、第2の匂いはくせのある匂いを設定した場合、第2の匂いの放出量が高い場合、その人物に対して、自らした動作は好感のない動作であったことと、その動作の好感のなさのレベル(程度)までをも認識させることができる。このように、第1の匂い又は第2の匂いのレベル(程度)によって、自らした動作の好悪の程度を認識できるので、その人物は、反応出力装置が自分に対して表現する好悪の程度をより細かく認識できる。
【0027】
また、請求項11に係る発明の反応出力装置では、請求項9に記載の発明の効果に加え、以下の効果を示す。例えば、好悪判定値が所定値以上の場合は好感があるものとし、第1の匂いは人気のある匂いを設定した場合、好悪判定値の増加に伴って、第1のグループに分類された第1の匂いの調合数を増加させる。これにより、好感の良さを認識できる。また、人気のある匂いの調合数を増やすことで匂いの相乗効果を生じさせることができる。さらに、好悪判定値が所定値未満の場合は好感がないものとし、第2の匂いはくせのある匂いを設定した場合、好悪判定値の減少に伴って、第2のグループに分類された第2の匂いの調合数を増加させる。これにより、好感の悪さを認識することができる。また、くせのある匂いの調合数を増やすことで匂いの相乗効果を生じさせることができるので、好悪判定値が相当低い場合は、よりくせのある匂いを作成して放出することによって、その人物に好感の悪さを強く印象づけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態である反応出力装置1について、図面を参照して説明する。図1は、反応出力装置1の正面図であり、図2は、反応出力装置1の背面図であり、図3は、反応出力装置1の電気的構成を示すブロック図であり、図4は、設定画面が表示されたタッチディスプレイ23の正面図であり、図5は、RAM30の記憶エリアを示す概念図であり、図6は、好悪判定値記憶エリア303の概念図であり、図7は、動作/好悪値テーブル3041の概念図であり、図8は、音声/好悪値テーブル3051の概念図であり、図9は、使用頻度/好悪値テーブル3111の概念図であり、図10は、香り種類/好悪判定値テーブル3061の概念図であり、図11は、香り濃度/好悪判定値テーブル3071の概念図であり、図12は、香り調合/好悪判定値テーブルの3081の概念図であり、図13は、香り系統設定テーブル3141の概念図であり、図14は、香り相性設定テーブル3151の概念図である。
【0029】
はじめに、反応出力装置1の構成について説明する。図1,図2に示すように、反応出力装置1はその全体が人形型に形成されている。この反応出力装置1は、球状の装置本体2と、該装置本体2の左右に各々設けられた扁平球状の右手部3及び左手部4と、前記装置本体2の底部に各々設けられた扁平球状の右足部5及び左足部6と、前記装置本体2の頭部(上部)に設けられ、装置本体2の正面に対向するユーザの顔を撮影するカメラ25を内蔵する扁平球状のカメラ部7と、該カメラ部7の上部に設けられ、正面視V字状に起立する一対の角部8,9とを主体に構成されている。
【0030】
さらに、装置本体2の正面中央には、装置本体2の前方に向かって香りが放出される楕円形状の香り放出口11が設けられている。そして、その香り放出口11の下方には、外部音声を検出するためのマイク14が内蔵され、該マイク14に対向する位置には、外部音声を透過してマイク14に検出させるための複数の孔部12が集合して設けられている。さらに、装置本体2の下部には開閉可能な腹部13が設けられ、該腹部13には、前記香り放出口11から特定の香りを放出する香り出力装置21(図3参照)が内蔵されている。
【0031】
また、右手部3及び左手部4には、ユーザによる動作である”叩く”、”撫でる”、”押す”の動作を検出できる感圧センサ16,17がそれぞれ内蔵され、一対の角部8,9にも、同様の感圧センサ18,19がそれぞれ内蔵されている。そして、上記構成からなる反応出力装置1の動作を制御する制御部10(図3参照)は、装置本体2の腹部13に内蔵されている。
【0032】
そして、図2に示すように、装置本体2の背面には、反応出力装置1の動作を設定する設定画面が表示されるタッチ操作可能なタッチディスプレイ23が設けられている。このタッチディスプレイ23には、画面上の押圧を検出可能な押圧センサ24が内蔵されている。
【0033】
次に、反応出力装置1を構成するセンサ及び装置について簡単に説明する。まず、カメラ25は、CCDカメラであって、装置本体2の正面に対向するユーザの顔画像を撮影する。このカメラ25によって撮影された顔画像は、例えば、A/D変換器等(図示外)によってデジタル画像に変換されて制御部10に入力される。マイク14は、例えば、一般的な集音マイクであって、特にユーザが発する音声を検出するものである。このマイク14によって集音された音声に対応する音声信号(音声データ)は制御部10に入力される。感圧センサ16〜19は所謂圧力センサである。この感圧センサ16〜19は、導電性ゴムに定抵抗を直列接続したものであって、ある電圧をかけて導電性ゴムの分圧値を測定することにより、反応出力装置1の角部8,9や、左手部4又は右手部3にかけられた押圧力を計測できる。そして、例えば、感圧センサ16において検出された押圧力が第1の閾値(例えば、2.0kgw)以上であれば、右手部3にされたユーザによる動作は、”押す”動作であると判断され、さらにその第1の閾値以上の押圧力が所定時間以上継続して検出された場合は、”撫でる”動作であると判断される。さらに、感圧センサ16によって検出された押圧力が第1の閾値よりも大きい第2の閾値(例えば、5.0kgw)以上であって、その押圧力が突発的に検出された場合は、”叩く”動作であると判断される。なお、この感圧センサ16〜19については、このような形態のものの他に、例えば、特開2003−90773の「感圧センサーおよび感圧センサーの押圧力検知方法」に記載の感圧センサーが適用可能である。このように、感圧センサ16〜19は、入力態様の異なる押圧力をそれぞれ判別することによって、撫でる動作、叩く動作、押す動作の判別をすることができる。
【0034】
次に、香り出力装置21について説明する。この香り出力装置21は、特定の香りを香り放出口11から外部に放出する装置である。この香り出力装置21は、図示しないが、例えば、特開2004−081851に記載の「匂い提示装置」が適用可能である。この香り出力装置21は、複数種類の香り粒子や香りの液体を個別に封入する筒状の封入タンクを備え、シャッタ機構によってそれらの香りの調合を切り換えて調節することができる。なお、本実施形態では、封入タンク内に30種類(図13参照)の香りの液体が個別に封入されている。これにより、様々な種類の香りを選択的に外部に放出できる。
【0035】
なお、香り出力装置21はシャッタ機構を利用したものに限らず、例えば、香りを有する液体を封入する各タンク内に超音波振動子を設置し、該超音波振動子の振動によって香りの液体を霧状に放出させるものでもよい。また、香りを有する液体をヒータで加熱して蒸発させるものでもよい。さらに、揮発性を有する液体に香料を滴下して、その香料を有する液体をファン等を利用することによって揮発させるものでもよい。
【0036】
次に、反応出力装置1の電気的構成について説明する。図3に示すように、反応出力装置1は、反応出力装置1の動作の制御を司る制御部10を備えている。この制御部10は、中央演算処理装置としてのCPU15、ROM20、RAM30、時間を計測するタイマ40,41を主体に構成され、ROM20、RAM30、タイマ40,41及びI/Oインタフェイス70は、バス80を介すことでCPU15に全て接続されている。なお、ROM20は、各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。RAM30は実行中のプログラムを一時的に記憶したり、各種データ等を記憶する読み出し・書き込み可能なメモリである。タイマ40は、反応出力装置1の使用時間を計測するものであり、タイマ41は、反応出力装置1の使用頻度(1日における使用回数)を算出するために使用されるものである。
【0037】
そして、I/Oインタフェイス70には、上記説明したカメラ25、感圧センサ16〜19、マイク14、香り出力装置21、タッチディスプレイ23、押圧センサ24がそれぞれ接続されている。つまり、I/Oインタフェイス70に接続されたこれらセンサ及び装置は、バス80を介してCPU15に電気的に接続されている。なお、この反応出力装置1は、図示外のバッテリによって電源供給されている。
【0038】
ここで、反応出力装置1で行うことができる処理及び機能について簡単に説明する。この反応出力装置1では、ユーザが反応出力装置1に対して所定の動作を行うことでその動作が認識され、その動作をされたことによるそのユーザに対する好悪の程度(レベル)を、香りの種類や、濃度、調合様式等の違いで表現することができる。つまり、反応出力装置1では、好悪の程度を数値で表現した好悪判定値を用いることによって、ユーザ毎に好悪の程度を記憶することができる。さらに、反応出力装置1では、ユーザから所定の動作を受ける毎に、そのユーザの好悪判定値を更新することができる。これにより、その更新された好悪判定値に対応する香りを香り放出口11を介してユーザに提示できるので、ユーザに対して好悪の程度が変わったことを表現することができる。このように、反応出力装置1は、好悪を表現できる人間や動物のように、ユーザ毎に感情の変化を香りで表現できる点に特徴がある。
【0039】
次に、反応出力装置1の動作設定方法について説明する。図4に示すように、タッチディスプレイ23には、香りの出力に関する設定画面が表示される。この設定画面では、香り出力装置21による香りの出力に関する3つの設定が可能である。1つ目は香り種類の設定、2つ目は香りの出力変化方法の設定、3つ目は香りの出力タイミングの設定である。
【0040】
まず、香り種類の設定について説明する。この反応出力装置1では、香りはプラス香りとマイナス香りとの2つの種類に分類されている。ここで、プラス香りとは、一般的に良い香りとされる香りであり、例えば、フローラル系(ラベンダー、カモミール等)、柑橘系(グレープフルーツ、オレンジ等)、ウッディ系(サンダルウッド、フランキンセンス等)が挙げられる(図13参照)。一方、マイナス香りとは、一般的に人気のない香りとされる香りであり、例えば、ハーブ系(ローズマリー、バジル等)、スパイス系(ジュニパーベリー、ブラックペッパー等)が挙げられる(図13参照)。なお、香りの好みは個人によって様々であるので、この分類方法はあくまでも一例であって、これに限定されることなく種々の変更が可能である。また、プラス香りが本発明の「第1の香り」に相当し、マイナス香りが「第2の香り」に相当する。さらに、本実施形態では、フローラル系、柑橘系及びウッディ系が「第1のグループ」に相当し、ハーブ系及びスパイス系が本発明の「第2のグループ」に相当する。
【0041】
この香り種類の設定では、上記説明した香りの種類の中から、香り放出口11から放出させるプラス香り及びマイナス香りを選択できる。この香り種類の出力設定は、後述する香りの出力変化方法の設定において、香りの強さが変わる「濃度変化モード」が選択された時にのみ使用される。よって、「濃度変化モード」では、ここで選択されたプラス香り(例えば、オレンジ)及びマイナス香り(例えば、ブラックペッパー)で、好悪判定値の増減に合わせ、香りの濃度を変化させながらユーザに提示することができる。なお、後述するが、「濃度変化モード」以外のモード(種類変化モード、調合変化モード)が選択された場合は、プラス香り及びマイナス香りは制御部10によって自動的に選択される。よって、それぞれ選択された香りがプラス香り及びマイナス香りの各項目にそれぞれ表示されるようになっている。
【0042】
次に、香りの出力変化方法の設定について説明する。この設定は、好悪判定値の増減に合わせ、香り放出口11からどのように香りを放出させるかを決定するものである。ここでは、3つの選択モードが設けられている。3つの選択モードとは、1.香りの濃度を変化させて出力する「濃度変化モード」と、2.香りの種類を変化させて出力する「種類変化モード」と、3.香りの種類を組み合わせて出力する「調合変化モード」とである。なお、これらの出力変化モードの設定は、RAM30の後述する出力変化モード設定記憶エリア316に記憶される。
【0043】
「濃度変化モード」では、好悪判定値の増減に合わせ、香りの濃度を変えて放出することができる。ここで香りの濃度とは、液体(例えば、水、揮発性液体等)に溶解する香料の濃度を示し、プラス香り及びマイナス香り共に、30%、15%、10%、5%の4種類が設定されている。つまり、好悪安定値の増減に合わせ、プラス香り及びマイナス香りを上記の4種類の濃度の中から何れかの濃度で放出することができる。
【0044】
「種類変化モード」では、好悪判定値の増減に合わせ、香りの種類を変えて放出することができる。この「種類変化モード」が選択されると、例えば、プラス香りが4種類、マイナス香りが4種類がそれぞれ自動的に選択され、それら選択された香りの種類が設定画面の香り種類の出力設定の項目に表示されるようになっている。これにより、ユーザは、香り放出口11から放出される香りの種類を把握することができる。なお、この香りの種類の選択は、反応出力装置1の使用回数毎に各々更新される。
【0045】
「調合変化モード」では、好悪判定値の増減に合わせ、異なる香りを互いに調合して放出させることができる。ここで、香りは、互いに異なる種類を調合することによって、香りの相乗効果が引き起こされることが一般的に知られている。この効果を利用することによって、例えば、柑橘系とフローラル系のように互いに異なる系統の香りを調合し、好悪判定値の増減に合わせてその調合数を変化させることができる。これにより、多種多様な香りを生み出すことによって好悪の程度をユーザに表現することができる。さらに、調合変化モードでは、調合する香りの種類について3つの設定が可能である。この3つの設定とは、1.同系統の香りで調合する、2.異系統の香りで調合する、3.相性の良い香りで調合する、である。なお、この調合種類の設定は、RAM30の後述する調合種類設定記憶エリア317に記憶される。
【0046】
次に、香りの出力タイミング設定について説明する。この設定は、好悪判定値の増減によって香りを出力するタイミングを決定するものである。ここでは、3つの選択モードが設けられ、1.好悪判定値が変化する毎に香りを出力する「変化出力モード」と、2.好悪判定値がMax値(最高値)とMin値(最小値)との間の範囲内から逸脱した場合に香りを出力する「Max/Min出力モード」と、3.好悪判定値が正の数に変化した場合、又は負の数に変化した場合に香りを出力する「プラス/マイナス出力モード」とから構成されている。ユーザは、これら3つの選択モードから1のモードを選択することによって、香りを出力するタイミングを自由に設定することができる。
【0047】
このように、上記3つの設定がそれぞれなされた後で、最後に決定ボタンが押下されることによって、上記3つの設定が確定される。なお、上記モード設定による反応出力装置1の動作方法については後述する。
【0048】
次に、RAM30について説明する。図5に示すように、RAM30には、顔情報記憶エリア301、音声情報記憶エリア302、好悪判定値記憶エリア303、動作/好悪値テーブル記憶エリア304、音声/好悪値テーブル記憶エリア305、香り種類/好悪判定値テーブル記憶エリア306、香り濃度/好悪判定値テーブル記憶エリア307、香り調合/好悪判定値テーブル記憶エリア308、使用頻度記憶エリア309、累積使用回数記憶エリア310、使用頻度/好悪値テーブル記憶エリア311、累積使用回数/好悪値テーブル記憶エリア312、出力フラグ設定記憶エリア313、香り系統設定テーブル記憶エリア314、香り相性設定テーブル記憶エリア315、出力変化モード設定記憶エリア316、調合種類設定記憶エリア317、出力タイミングモード設定記憶エリア318が各々設けられている。
【0049】
ここで、RAM30の各記憶エリアについて簡単に説明する。まず、顔情報記憶エリア301には、カメラ25によって撮影されたユーザ毎の顔に関する情報(顔情報)がそれぞれ記憶されている。この顔情報は、例えば、目、鼻、口の相対位置や、目、鼻、口の幅、長さ等が記録されたものであり、CPU15による顔認識に利用される。なお、新しいユーザ(まだ登録されていないユーザ)がカメラ25で撮影された場合、顔情報記憶エリア301には、そのユーザに対してアルファベットの文字がAから順に付された状態で登録され、その新たに登録されたアルファベットに対して好悪判定値(本実施形態では初期値0)が設定されるようになっている。音声情報記憶エリア302には、呼びかけの言葉、誉め言葉、けなし言葉、お礼の言葉等の様々な種類の言葉が記録された音声情報が記憶され、CPU15による音声認識に利用される。つまり、マイク14で検出された音声がこの音声情報に照らして適合するか否かによって、音声が識別されるようになっている。なお、音声情報には他の言葉を随時登録することが可能である。好悪判定値記憶エリア303には、ユーザ毎に好悪判定値が各々記憶されている。動作/好悪値テーブル記憶エリア304には、触覚動作に対応する好悪値が設定された動作/好悪値テーブル3041(図7参照)が記憶されている。音声/好悪値テーブル記憶エリア305には、聴覚動作によって発せられた音声に対応する好悪値が設定された音声/好悪値テーブル3051(図8参照)が記憶されている。なお、後述するが、この音声/好悪値テーブル3051には、音声情報記憶エリア302に記憶された音声情報の一部が設定され、その一部の識別された音声に対して好悪値が各々設定されている。
【0050】
さらに、香り種類/好悪判定値テーブル記憶エリア306には、好悪判定値に対応する香りの種類がそれぞれ設定された香り種類/好悪判定値テーブル3061(図10参照)が記憶されている。香り濃度/好悪判定値テーブル記憶エリア307には、好悪判定値に対応する香りの濃度がそれぞれ設定された香り濃度/好悪判定値テーブル3071(図11参照)が記憶されている。香り調合/好悪判定値テーブル記憶エリア308には、好悪判定値に対応する香りの調合がそれぞれ設定された香り調合/好悪判定値テーブル3081(図12参照)が記憶されている。使用頻度記憶エリア309には、ユーザ毎の反応出力装置1の使用頻度、即ち、1日(24時間)の使用回数が記憶されている。累積使用回数記憶エリア310には、ユーザ毎の反応出力装置1の電源がオンされてからの累積使用回数が記憶されている。使用頻度/好悪値テーブル記憶エリア311には、使用頻度に対応する好悪値がそれぞれ設定された使用頻度/好悪値テーブル3111(図9参照)が記憶されている。累積使用回数/好悪値テーブル記憶エリア312には、累積使用回数に対応する好悪値が設定された累積使用回数/好悪値テーブル(図示外)が記憶されている。出力フラグ設定記憶エリア313には、香りを出力するか否かを決定する出力フラグ(0又は1)が記憶されている。香り系統設定テーブル記憶エリア314には、香りの系統を設定するための系統フラグが記憶される香り系統設定テーブル3141(図13参照)が記憶されている。香り相性設定テーブル記憶エリア315には、香りフラグが設定される香り相性設定テーブル3151(図14参照)が記憶されている。出力変化モード設定記憶エリア316には、設定画面上の出力変化方法の設定で選択されたモードにフラグが記憶される。調合種類設定記憶エリア317には、設定画面上の「調合変化モード」で、調合種類方法が選択されたモードにフラグが記憶される。出力タイミングモード設定記憶エリア318には、設定画面上の出力タイミングの設定で選択されたモードにフラグが記憶される。
【0051】
次に、好悪判定値記憶エリア303について説明する。図6に示すように、好悪判定値記憶エリア303には、顔情報記憶エリア301に登録されたユーザA〜Jが全て記憶され、さらにユーザ毎に好悪判定値が各々記憶されている。この好悪判定値は、ユーザに対する好悪の程度を数値で表現したものである。例えば、好悪判定値を−4、−3、−2、−1、0、+1、+2、+3、+4の9つの数値で設定した場合、好悪判定値は、デフォルト値である0を境にして、+4側に向かうにつれて好感度が高くなり、−4側に向かうにつれて好感度が低くなることを示す。さらに、好悪判定値はユーザ毎にそれぞれ設定されている。そして、反応出力装置1に対して行われるユーザの所定の動作の種類によって、そのユーザに設定された好悪判定値のみが更新される。この好悪判定値の更新は、ユーザの動作の種類毎に各々設定された好悪値が、好悪判定値に加算(又は減算)されることによって行われる。なお、好悪判定値は、好悪値が加算又は減算されることによって増減するが、+4を超えたり、−4を下回ることはない。したがって、好悪判定値+4に、好悪値+1が加算されるような場合でも好悪判定値は+4のままである。また、好悪判定値−4に、好悪値が−1が加算されるような場合でも好悪判定値は−4のままである。
【0052】
例えば、ユーザAの好悪判定値は「+3」であるので、ユーザAに対する好感度は比較的高いことを示している。一方、ユーザDの好悪判定値は「−4」であるので、ユーザDに対する好感度は最低である(比較的悪い)ことを示している。また、上述したが、反応出力装置1を使用するのが初めてのユーザの顔情報が、アルファベットの文字とともに顔情報記憶エリア301に新たに登録されると、好悪判定値記憶エリア303にもそのアルファベットの文字が付されたユーザが登録され、デフォルト値である0が設定される。そして、ユーザA〜Jが反応出力装置1の使用を繰り返すことによって、ユーザ毎の好悪判定値がそれぞれ増減し、各ユーザに対する好悪の程度が互いに異なる状態で各々記憶される。なお、この反応出力装置1の使用により、ユーザ毎の好悪判定値がそれぞれ増減する仕組みについては後述する。
【0053】
次に、動作/好悪値テーブル記憶エリア304に記憶された動作/好悪値テーブル3041について説明する。図7に示すように、動作/好悪値テーブル3041には、感圧センサ16〜19によって検出される触覚動作を特定して得られる動作の種類が記憶されるとともに、それら動作の種類に対応する好悪値が各々記憶されている。例えば、撫でる動作は一般的に印象が良いので、「+1」が設定されている。また、叩く動作、押す動作は一般的に印象が悪いので、「−1」が設定されている。
【0054】
次に、音声/好悪値テーブル記憶エリア305に記憶された音声/好悪値テーブル3051について説明する。図8に示すように、音声/好悪値テーブル3051には、マイク14で検出される音声を識別して得られる言葉が各々記憶されるとともに、それら各言葉に対応する好悪値が各々記憶されている。この好悪値は、ユーザから受ける所定の動作の種類に対する好悪の程度(印象)を数値で表現したものである。そして、好悪値は、その動作によって受ける印象が良い(好感度が良い)場合は「+1」の値が設定され、印象が悪い(好感度が低い)場合は「−1」の値が設定される。例えば、「賢い」「可愛い/ね」「ありがとう」等の言葉は一般的に印象が良いので、「+1」が設定されている。また、「だめ!」「あっち行って」「役に立たない/な」等の言葉は一般的に印象が悪いので、「−1」が設定されている。なお、音声/好悪値テーブル3051には、音声情報記憶エリア302の音声情報に合わせ、これらの言葉以外の他の言葉を新たに登録することができる。
【0055】
次に、使用頻度/好悪値テーブル記憶エリア311に記憶された使用頻度/好悪値テーブル3111について説明する。図9に示すように、使用頻度/好悪値テーブル3111には、反応出力装置1の使用頻度に対応する好悪値が各々記憶されている。ここで、反応出力装置1の使用頻度とは、1日(0〜24時間)の反応出力装置1の使用回数を指す。よって、反応出力装置1が使用されて所定時間が経過した場合に使用回数が1回とカウントされる。例えば、1日1回以上の使用があった場合、ユーザが反応出力装置1を相手に遊んでくれて印象が良いとの理由で、「+1」が設定されている。一方、1日1回も使用されなかった場合は、ユーザに全く相手にしてもらえず印象が悪いとの理由で、「−1」が設定されている。
【0056】
次に、香り種類/好悪判定値テーブル記憶エリア306に記憶された香り種類/好悪判定値テーブル3061について説明する。図10に示すように、香り種類/好悪判定値テーブル3061には、好悪判定値のレベルに対応して香りの種類が各々設定されて記憶されている。なお、香りの種類は、設定画面上で「種類変化モード」が選択された場合に、使用される香りの系統が自動的に選択され、さらに、その選択された系統の中から香りの種類が自動的に選択されてそれぞれ設定される。具体的な説明は後述するが、例えば、プラス香りに柑橘系の香りの系統、マイナス香りにスパイス系の香りの系統が選択された場合、それらの系統の中からプラス香り及びマイナス香りがそれぞれ自動的に選択される。その一例として、好悪判定値「+1」にはライム、「+2」にはレモン、「+3」にはオレンジ、「+4」にはグレープフルーツが設定され、「−1」にはブラックペッパー、「−2」にはジンジャー、「−3」にはシナモン、「−4」にはクローブが設定される。
【0057】
次に、香り濃度/好悪判定値テーブル記憶エリア307に記憶された香り濃度/好悪判定値テーブル3071について説明する。図11に示すように、香り濃度/好悪判定値テーブル3071には、好悪判定値のレベルに対応する香りの濃度が各々設定されて記憶されている。なお、香りの種類は、設定画面上の香りの種類設定(図4参照)でユーザによって選択される。例えば、プラス香りに柑橘系であるオレンジ、マイナス香りにスパイス系であるブラックペッパーが選択された場合、好悪判定値「+1」には濃度5%のオレンジ、「+2」には濃度10%のオレンジ、「+3」には濃度15%のオレンジ、「+4」には濃度30%のオレンジが設定され、「−1」には濃度5%のブラックペッパー、「−2」には濃度10%のブラックペッパー、「−3」には濃度15%のブラックペッパー、「−4」には濃度30%のブラックペッパーが設定される。なお、この香り濃度/好悪判定値テーブル3071は、香り出力変化方法の設定において、「濃度変化モード」が選択された場合(図4参照)にのみ使用される。
【0058】
次に、香り調合/好悪判定値テーブル3081について説明する。図12に示すように、この香り調合/好悪判定値テーブル3081には、好悪判定値のレベルに対応して、調合に使用される香りの種類が各々設定されている。そして、調合に使用される香りの数は、好悪判定値が+4に向かうにつれてプラス香りの調合数が増加するように設定され、好悪判定値が−4に向かうにつれてマイナス香りの調合数が増加するように調合数が各々設定されている。また、調合に使用される香りの種類は、設定画面上で「調合変化モード」が選択された場合に、使用される香りの系統が自動的に選択され、その選択された系統の中から香りの種類が自動的に選択される。そして、その選択された香りを後述する所定の方法で組み合わせることにより、好悪判定値のレベルに対応する香りの調合が設定される。
【0059】
なお、具体的な説明は後述するが、例えば、「調合変化モード」で、「同系統の香りで調合する」が設定された場合、プラス香りに柑橘系、マイナス香りにスパイス系が選択されたとする。ここで、あるユーザの好悪判定値が+3であった場合、香り調合/好悪判定値テーブル3081に基づいて、柑橘系であるライム、レモン、オレンジが調合されて香り放出口11から放出される。また、好悪判定値が−3であった場合は、スパイス系であるブラックペッパー、ジンジャー、シナモンが互いに調合されて香り放出口11から放出される。
【0060】
次に、香り系統設定テーブル記憶エリア314に記憶された香り系統設定テーブル3141について説明する。図13に示すように、香り系統設定テーブル3141には、30種類の香りと5つの香りの系統の対応関係が設定されている。香りの系統は、フローラル系、柑橘系、ハーブ系、ウッディ系、スパイス系の5種類が設定されている。ここで、フローラル系は、ラベンダー、カモミール等の計7種類で構成され、主にプラス香りに使用されるものである。柑橘系は、ベルガモット、グレープフルーツ等の計7種類で構成され、主にプラス香りに使用されるものである。ハーブ系は、ローズマリー、バジル等の計4種類で構成され、主にマイナス香りに使用されるものである。ウッディ系は、サンダルウッド、フランキンセンス等の計8種類で構成され、主にプラス香りに使用されるものである。スパイス系は、ブラックペッパー、ジンジャー等の計4種類で構成され、主にマイナス香りに使用されるものである。
【0061】
そして、30種類の香りはこれら5つの系統の何れかに属している。よって、「調合変化モード」が設定され(図4参照)、ある1系統の香りが自動的に選択されると、香り系統設定テーブル記憶エリア314に記憶された香り系統設定テーブル3141(図13参照)において、その選択された1系統に属する全ての香りに系統フラグ1が設定される。例えば、マイナス香りにハーブ系が選択されると、香り系統設定テーブル記憶エリア314に記憶された香り系統設定テーブル3141のハーブ系の種類であるローズマリー、バジル、マジョラム、ペパーミントに系統フラグ1が設定される。そして、この系統フラグ1が設定された複数の香りの中から、調合に使用される香りが必要な数だけ選択されるようになっている。なお、香り系統設定テーブル3141は、設定画面の出力変化方法の設定において、「種類変化モード」又は「調合変化モード」(図4参照)が設定された場合に利用される。
【0062】
次に、香り相性設定テーブル記憶エリア315に記憶された香り相性設定テーブル3151について説明する。図14に示すように、香り相性設定テーブル3151には、プラス香りに使用される14種類の香りが設定されている。そして、この香り相性設定テーブル3151では、これら14種類の香りの相互における相性の良い組合せに相性フラグ1が設定される。なお、これら14種類の香りは、プラス香りに使用されるフローラル系、柑橘系、ウッディ系の何れかに属するものである。よって、香り相性設定テーブル記憶エリア315に記憶された香り相性設定テーブル3151における14種類の香りの中から1種類のメインとなる香り(以下、メイン香りと呼ぶ)が選択され、そのメイン香りに対して相性の良いサブとなる香り(以下、サブ香りと呼ぶ)に、相性フラグ1が各々設定される。例えば、プラス香りのメイン香りにラベンダーが選択された場合、ラベンダーと相性の良い全てのサブ香りに対して相性フラグ1がそれぞれ設定される。そして、この相性フラグ1が設定された全て香りの中から、調合に使用される香りが必要な数だけ自動的に選択されるようになっている。また、この香り相性設定テーブル3151は、設定画面の出力変化方法の設定において、「調合変化モード」で、「相性の良い香りで調合する」が設定された場合(図4参照)にのみ利用される。なお、マイナス香りの選択は、上記した香り系統設定テーブル3141(図13参照)に基づいて行われるが、例えば、マイナス香りの選択については、相性の悪い香りの組合せの中から選択するようにしてもよい。この場合、RAM30に相性の悪い香りを組み合わせた香り相性設定テーブルを記憶させればよい。
【0063】
次に、反応出力装置1で繰り返し実行されるメイン処理について、図15,図16のフローチャートを参照して説明する。図15は、メイン処理のフローチャートであり、図16は、図15に示すメイン処理の続きのフローチャートであり、図17は、香り出力方法決定処理のフローチャートであり、図18は、出力フラグ設定処理のフローチャートであり、図19は、香り種類設定処理のフローチャートであり、図20は、香り調合設定処理のフローチャートであり、図21は、香り種類の設定方法の説明図であり、図22は、香り調合の設定方法の説明図である。このメイン処理は、反応出力装置1の電源がオンされると開始され、電源がオフされるまで繰り返し実行される。そして、電源がオンされると初期設定がなされ、タイマ41がリセットされることで時間の計測が開始される。
【0064】
まず、反応出力装置1に対してユーザからの呼びかけがあったか否かが判断される(S1)。この呼びかけの有無は、例えば、「アロちゃん!(仮称)」と反応出力装置1に呼びかけることでマイク14にその音声が検出される。そして、マイク14によって検出された音声と、音声情報記憶エリア302に記憶された音声情報とが照らし合わされ、その音声情報のリストに記載された「アロちゃん!」との適合が確認されることよって、その音声が「アロちゃん!」と識別される。一方、呼びかけがない場合は(S1:NO)、引き続き呼びかけがあったか否かが監視される(S1)。また、呼びかけがあった場合は(S1:YES)、タイマ40がリセットされ(S2)、反応出力装置1の使用時間の計測が開始される。
【0065】
さらに、呼びかけがあったことがトリガーとなり、カメラ25によって装置本体2の正面に立つユーザの顔が撮影される。次いで、その顔画像の人物識別処理がなされる(S3)。ここでは、カメラ25で撮影されたユーザの顔画像がA/D変換器等によってデジタル画像に変換され、周知の画像処理によってユーザの顔情報が作成される。そして、その作成された顔情報が、RAM30の顔情報記憶エリア301に先に登録されたユーザの顔情報か否かが判断されることにより、そのユーザが以前登録された既知のユーザであるか否かが判断される(S4)。そこで、あるユーザが反応出力装置1を初めて使用する場合は、顔情報記憶エリア301にそのユーザの顔情報はまだ登録されていない。つまり、そのユーザは既知の人物ではないことがわかる。この場合(S4:NO)、RAM30の好悪判定値記憶エリア303のユーザの項目に新たなアルファベットが登録されるとともに、好悪判定値「0」が設定される(S6)。その後、S12に進む。
【0066】
一方、そのユーザが既知の人物であった場合(S4:YES)、RAM30の好悪判定値記憶エリア303に登録されていたそのユーザに対応する好悪判定値が呼び出される(S5)。これで、反応出力装置1が、その識別されたユーザに対する好悪を表現するための前準備が完了したことになる。次に、ユーザから動作を受ける前に、反応出力装置1のこれまでの使用頻度及び累積使用回数を好悪判定値に反映させるため、そのユーザにおける反応出力装置1の使用頻度に対応する好悪値と、そのユーザにおける反応出力装置1の累積使用回数に対応する好悪値とが共に取得される(S7)。
【0067】
なお、反応出力装置1の使用頻度は、使用頻度記憶エリア309に記憶されており、その使用頻度に対応する好悪値が使用頻度/好悪値テーブル3111から取得される。なお、使用頻度記憶エリア309に記憶された1日の使用頻度は、「アロちゃん!」と呼びかけられてから24時間毎にリセットされる。一方、反応出力装置1の累積使用回数は、累積使用回数記憶エリア310に記憶されており、その累積使用回数が10回になる毎に、累積使用回数/好悪値テーブル(図示外)から好悪値が取得される。なお、累積使用回数記憶エリア310に記憶された使用回数は10回毎にリセットされる。そして、これら使用頻度又は累積使用回数に基づいて設定された好悪値が取得されると(S7)、好悪判定値に各々加算される。こうして、好悪判定値が変更され(S8)、好悪判定値が決定される(S9)。これにより、使用頻度によるユーザの好悪判定値が決定される。
【0068】
次いで、香り出力方法決定処理が実行される(S10)。この香り出力方法決定処理では、図17に示すように、タッチディスプレイ23に表示された設定画面において、ユーザにより設定された香り出力変化の設定モードが、「濃度変化モード」か、「種類変化モード」か、「調合変化モード」かが判断される(S31,S32)。なお、このモード選択の判断は、RAM30に設けられた出力変化モード設定記憶エリア316(図5参照)において、どの変化モードにフラグが設定されているかによってなされる。そして、「濃度変化モード」が選択されている場合は(S31:YES)、図15に戻り、好悪判定値に対応するプラス香り又はマイナス香りが所定の濃度で出力される(S11)。例えば、図4に示すように、プラス香りにオレンジ、マイナス香りにブラックペッパーが選択されている場合、変更後の好悪判定値が+3の場合は、図11に示す香り種類/好悪判定値テーブル3071より、香り放出口11からは15%濃度のオレンジの香りが放出される。一方、変更後の好悪判定値が−3の場合は、香り放出口11からは15%濃度のブラックペッパーの香りが放出される。
【0069】
また、図17に示すように、「種類変化モード」が選択されている場合(S31:NO、S32:YES)、香り種類設定処理(S35)がなされる。この香り種類設定処理では、好悪判定値に対応するプラス香りおよびマイナス香りの種類が各々設定される。本実施形態では、好悪判定値を−4から+4まで設定しているので、この香り種類設定処理において、プラス香りが4種類、マイナス香りが4種類それぞれ選択される。例えば、プラス香りにライム、レモン、オレンジ、グレープフルーツが選択され、マイナス香りにブラックペッパー、ジンジャー、シナモン、クローブが選択されると、0以外の8つの好悪判定値にそれぞれ割り当てられ、香り種類/好悪判定値テーブル記憶エリア306(図10参照)に記憶された香り種類/好悪判定値テーブル3061のように設定される。そして、好悪判定値が+2の場合は、好悪判定値+2に対応するプラス香りであるレモンが出力される(図15に示すS11)。なお、この香り種類設定処理については、図19を参照して後述する。
【0070】
また、図17に示すように、「調合変化モード」が選択されている場合は(S31:NO、S32:NO)、香り調合設定処理(S33)がなされる。この香り調合設定処理では、好悪判定値に対応するプラス香りおよびマイナス香りの調合様式が各々設定される。例えば、例えば、プラス香りにライム、レモン、オレンジ、グレープフルーツが選択され、マイナス香りにブラックペッパー、ジンジャー、シナモン、クローブが選択されると、0以外の8つの好悪判定値に対して、各種類の香りが後述する所定の調合様式で組み合わされた状態でそれぞれ割り当てられ、例えば、香り調合/好悪判定値テーブル記憶エリア308に記憶された香り調合/好悪判定値テーブル3081(図12参照)のように設定される。そして、好悪判定値が+2の場合は、好悪判定値+2に対応する調合様式にしたがって、ライムとレモンとが調合された状態で香り放出口11(図1参照)から香りが放出される(図15に示すS11)。なお、この香り調合設定処理については、図20を参照して後述する。
【0071】
このように、反応出力装置1を使用する前に、香り放出口11からそのユーザの好悪判定値に対応する特定の香りが放出されることによって、ユーザは、ユーザ自身に対する反応出力装置1の好悪の程度を把握することができる。つまり、この後、反応出力装置1に対してどのような動作をしたらいいかを思慮する面白さを提供することができる。
【0072】
次に、図16に示すように、ユーザから言葉をかけられたか否かが判断される(S12)。ここでは、マイク14に音声が検出されたか否かが判断される。例えば、ユーザの口から「ありがとう」という言葉が発せられた場合、その音声はマイク14によって検出され(S12:YES)、その音声の音声認識処理がなされる(S13)。即ち、マイク14で検出された音声は、音声情報記憶エリア302に記憶された音声情報に照らして適合するか否かによって音声が識別される。例えば、ユーザから「ありがとう」と発せられた場合、その音声がマイク14によって検出され、音声情報記憶エリア302(図4参照)に記憶された音声情報のリストにある「ありがとう」と適合することによって、その音声が「ありがとう」の言葉であると識別される。そして、その「ありがとう」に対応する好悪値が、音声/好悪値テーブル3051から取得される(S16)。なお、「ありがとう」に対応する好悪値は「+1」である。
【0073】
一方、聴覚動作がなかった場合(S12:NO)、続いて触覚動作があったか否かが判断される(S14)。例えば、ユーザによって角部8,9が叩かれた場合、感圧センサ18,19によってその押圧が検出される(S14:YES)。そして、その検出された動作の種類を特定するための動作特定処理がなされる(S15)。この動作特定処理では、感圧センサ18,19で検出された押圧力の強弱及びその押圧がかかった時間に基づいて、RAM30の動作情報記憶エリアに記憶された動作情報からその動作が「叩く」動作か、「撫でる」動作か、「押す」動作かが特定される。そして、ここでは「叩く」動作であったことが認識される。そして、その「叩く」動作に対応する好悪値が、動作/好悪値テーブル3041から取得される(S16)。なお、「叩く」動作に対応する好悪値は「−1」である。
【0074】
なお、聴覚動作も触覚動作もなかった場合(S12:NO、S14:NO)、ユーザから何の動作も受けなかったので、香りを出力しない。よって、反応出力装置1にユーザが呼びかけてから所定時間経過したか否かが判断される(S23)。ここで、まだ所定時間経過していない場合は(S23:NO)、S12に戻って、再びユーザの聴覚動作又は触覚動作があったか否かが判断され、ユーザの動作を待つ待機状態が続く。
【0075】
次いで、S16で取得された好悪値が、そのユーザの好悪判定値に加算され、好悪判定値が変更され(S17)、好悪判定値が決定される(S18)。例えば、変更前の好悪判定値が「+3」であり、取得された好悪値が「−1」であった場合、好悪判定値は「+2」となる。つまり、ユーザの好悪判定値が変更されることによって、ユーザに対する印象が変化した状態を仮想的に作り出すことができる。
【0076】
続いて、出力フラグ設定処理が実行される(S19)。この出力フラグ設定処理では、変更された好悪判定値に基づいて、どのタイミングで香りを放出させるかを出力フラグを設定することで決定する。
【0077】
ここで、図18を参照して出力フラグ設定処理の詳細について説明する。まず、タッチディスプレイ23に表示された設定画面の出力タイミング設定において、「変化出力モード」が選択されているか否かが判断される(S41)。ここでは、RAM30に設けられた出力変化モード設定記憶エリア316(図5参照)において、「変化出力モード」にフラグが設定されているか否かで判断される。そして、「変化出力モード」が選択されている場合は(S41:YES)、好悪判定値は変化しているので、出力フラグ設定記憶エリア313に1が設定される(S48)。こうして、出力フラグ設定処理が終了し、メイン処理(図16参照)に戻り、S20に進む。
【0078】
また、「Max/Min出力モード」が選択されている場合(S41:NO、S42:YES)、変更後の好悪判定値が、予め定められたMax値(例えば+2)からMin値(例えば−2)の範囲内から逸脱した場合(S44:YES)、つまり好悪判定値が+2を超えた場合、又は−2よりも低くなった場合は、出力フラグ設定記憶エリア313に1が設定される(S47)。そして、図16に示すメイン処理に戻り、出力フラグ設定記憶エリア313に1が設定されているか否かが判断され(S20)、出力フラグ1が設定されているので(S20:YES)、香り出力方法決定処理で決定された香り変化出力モードに基づき、好悪判定値に対応する特定の香りが放出される(S21)。一方、図18に示すように、変更後の好悪判定値がMax値からMin値の範囲内にある場合(S44:NO)、出力フラグ設定記憶エリア313には1が記憶されず0のままである。よって、図16に示すメイン処理に戻り、出力フラグ設定記憶エリア313に1が設定されているか否かが判断され(S20)、出力フラグ1は設定されていないので(S20:NO)、ユーザが反応出力装置1に呼びかけがあった時から所定時間が経過したか否かが判断され(S23)、まだ所定時間が経過していない場合は(S23:NO)、S12に戻って、再びユーザの聴覚動作又は触覚動作があったか否かが判断され、ユーザの動作を待つ待機状態が続く。
【0079】
また、図18に示すように、「プラス/マイナス出力モード」が選択されている場合(S41:NO、S42:NO)、変更後の好悪判定値がプラス又はマイナスになったか否かが判断される(S43)。例えば、変更前の好悪判定値が0で、変更後に−1になったような場合(S43:YES)、出力フラグ設定記憶エリア313に1が設定される(S46)。そして、図16に示すメイン処理に戻り、出力フラグ設定記憶エリア313に1が設定されているか否かが判断され(S20)、出力フラグ1が設定されているので(S20:YES)、香り出力方法決定処理で決定された香り変化出力モードに基づき、好悪判定値に対応する特定の香りが放出される(S21)。一方、図18に示すように、好悪判定値が変更前に0でない場合や、変更の前後でプラス/マイナスの変化がなかった場合は(S43:NO)、出力フラグ設定記憶エリア313には1が記憶されず0のままである。よって、図16に示すメイン処理に戻り、出力フラグ設定記憶エリア313に1が設定されているか否かが判断され(S20)、出力フラグ1は設定されていないので(S20:NO)、ユーザが反応出力装置1に呼びかけがあった時から所定時間経過したか否かが判断され(S23)、まだ所定時間が経過していない場合は(S23:NO)、S12に戻って、再びユーザの聴覚動作又は触覚動作があったか否かが判断され、ユーザの動作を待つ待機状態が続く。
【0080】
次に、図16に示すように、出力フラグ設定記憶エリア313に出力フラグ1が設定されているか否かが判断される(S20)。そして、出力フラグ設定記憶エリア313に出力フラグ1が設定されている場合は(S20:YES)、図15に示すS10の香り出力方法決定処理で決定された出力方法で、変更後の好悪判定値に対応する特定の香りが香り放出口11から出力される(S21)。例えば、ユーザにより「種類変化モード」が設定され、変更後の好悪判定値が「+2」の場合は、図10に示す香り種類/好悪判定値テーブル3061に基づいて、香り放出口11からはレモンの香りが放出される。そして、この香りをユーザが嗅ぐことによって、反応出力装置1のユーザに対する好悪の程度を知ることができる。さらに、香りが出力された後は、出力フラグ設定記憶エリア313に設定されていた出力フラグ「1」がリセットされて「0」が設定される(S22)。
【0081】
続いて、反応出力装置1にユーザが呼びかけてから、即ち、ユーザが反応出力装置1の使用を開始してから所定時間が経過したか否かが判断される(S23)。ここで、まだ所定時間が経過していない場合は(S23:NO)、S12に戻り、聴覚動作又は触覚動作があったか否かが再び監視される。そして、ユーザが呼びかけをしてから所定時間が経過したら(S23:YES)、反応出力装置1の使用を一旦終了させるため、好悪判定値記憶エリア303に、変更後の現在の好悪判定値が保存される(S24)。これにより、次回、同じユーザによって使用される場合に、前回の終了時に保存された好悪判定値をそのまま使用できるので、人間のような感情の蓄積方法(保存方法)を反応出力装置1で再現することができる。
【0082】
次いで、好悪判定値が好悪判定値記憶エリア303に保存された後は、反応出力装置1のRAM30に記憶された使用回数カウンタに1が加算される(S25)。この使用回数カウンタは、タイマ41の時間計測によって、電源がONされてから24時間経った時にリセットされる。さらに、反応出力装置1の累積使用回数をカウントするRAM30に記憶された累積使用回数カウンタに1が加算される(S26)。この累積使用回数カウンタは、10回カウントする毎にリセットされる。次いで、電源がオフにされたか否かが判断され(S27)、電源がオンのままであれば(S27:NO)、S1に戻って処理が繰り返し実行される。そして、電源がオフされれば(S27:YES)、メイン処理の一連の動作が終了する。
【0083】
次に、図17の香り出力方法決定処理の中で実行される香り種類設定処理(S35)について、図19及び図21を参照して説明する。図19に示すように、香り種類設定処理では、まず、プラス香り及びマイナス香りに使用する香りの系統を決定するため、香り系統設定テーブル3141(図13参照)に基づいて、フローラル系、柑橘系及びウッディ系の3種類の系統のうちの何れか1系統と、ハーブ系及びスパイス系の2種類の系統のうちの何れか1系統とが自動的に選択され、選択された両系統に属する香りに系統フラグ1がそれぞれ設定される(S51)。例えば、図13に示すように、プラス香りに柑橘系が選択された場合は、ベルガモット、グレープフルーツ等の計7種類の香りに系統フラグ1が設定される。一方、マイナス香りにスパイス系が選択された場合は、ブラックペッパー、ジンジャー等の計4種類の香りに系統フラグ1が設定される。なお、これら系統の選択の基準は特にはなく、例えば、乱数等を利用して自動的に選択すればよい。または、プラス香りの系統をフローラル系、柑橘系、ウッディ系の順にローテーションさせ、マイナス香りの系統をハーブ系とスパイス系とで交互に選択するようにしてもよい。また、これとは別にユーザが各系統を選択できるようにしてもよい。
【0084】
そして、「種類変化モード」では、上記したように、4種類のプラス香りと、4種類のマイナス香りが必要である。そこで、系統フラグ1が設定されたプラス香り及びマイナス香りの中から、各4種類のプラス香りおよびマイナス香りが自動的に選択される(S52)。つまり、選択された4種類のプラス香りは、好悪判定値である+4、+3、+2、+1にそれぞれ割り当てられる。一方、選択された4種類のマイナス香りは、好悪判定値である−4、−3、−2、−1にそれぞれ割り当てられる(S52)。なお、この香りの選択及び割り当てはランダムに行われる。例えば、乱数を用いて、香りの1系統の中から4種類の香りを自動的に選択して好悪判定値に割り当ててもよい。また、これとは別に、ユーザが1系統の中から香りを選択できるようにしてもよい。
【0085】
ここで、4つの好悪判定値に対する香りの割り当て方法について説明する。例えば、図21に示すように、4種類のプラス香りがNo1〜No4にそれぞれ設定された場合、No1〜No4のプラス香りは、自動的に4つの好悪判定値にそれぞれ対応して設定されるようになっている。つまり、No1に設定された香りは好悪判定値+1に対応して設定され、No2に設定された香りは好悪判定値+2に対応して設定され、No3に設定された香りは好悪判定値+3に対応して設定され、No4に設定された香りは好悪判定値+4に対応して設定される。例えば、プラス香りに柑橘系の4種類(ライム、レモン、オレンジ、グレープフルーツ)が選択され、No1にライム、No2にレモン、No3にオレンジ、No4にグレープフルーツが設定された場合、好悪判定値+1にはライム、好悪判定値+2にはレモン、好悪判定値+3にはオレンジ、好悪判定値+4にはグレープフルーツが自動的に設定される。
【0086】
一方、マイナス香りも同様の方法で選択設定がなされる。図21に示すように、4種類のマイナス香りがNo5〜No8にそれぞれ設定された場合、自動的に4つの好悪判定値に対応して、No5〜No8のマイナス香りが設定されるようになっている。つまり、No5に設定された香りは好悪判定値−1に対応して設定され、No6に設定された香りは好悪判定値−2に対応して設定され、No7に設定された香りは好悪判定値−3に対応して設定され、No8に設定された香りは好悪判定値−4に対応して設定される。例えば、マイナス香りにスパイス系の4種類(ブラックペッパー、ジンジャー、シナモン、クローブ)が選択され、No5にブラックペッパー、No6にジンジャー、No7にシナモン、No8にクローブが設定された場合、好悪判定値−1にはブラックペッパー、好悪判定値−2にはジンジャー、好悪判定値−3にはシナモン、好悪判定値−4にはクローブが自動的に設定される。
【0087】
こうして、好悪判定値に対応するプラス香り及びマイナス香りが割り当てられた後は(S52)、その割り当てられたプラス香り及びマイナス香りに基づいて、図10に示すように、香り種類/好悪判定値テーブル3061が書き換えられる(S53)。その後、香り系統設定テーブル記憶エリア314に設定されている系統フラグがリセットされ(S54)、図17に戻り、さらに図15のS11に戻り、S10の香り出力方法決定処理の中で実行された香り種類設定処理(図17に示すS35)で設定された香りの種類で、好悪判定値に対応する香りが放出される(S11)。
【0088】
次に、図17の香り出力方法決定処理の中で実行される香り調合設定処理(S33)について、図20,図22を参照して説明する。図20に示すように、香り調合設定処理では、「調合変化モード」が設定されているので、さらに、香りの調合様式が、「同系統の香りで調合する」、「近隣系統の香りで調合する」、「相性の良い香りで調合する」のうち何れが選択されているかが判断される(S61,S62)。そして、「同系統の香りで調合する」が選択されている場合は(S61:YES)、プラス香りの調合及びマイナス香りの調合に使用する香りの系統をそれぞれ決めなければならない。そこで、香り系統設定テーブル3141(図13参照)において、フローラル系、柑橘系及びウッディ系の3種類の系統のうち何れか1系統と、ハーブ系及びスパイス系の2種類の系統のうち何れか1系統とが自動的に選択され、選択された両系統に属する全ての香りに系統フラグ1がそれぞれ設定される(S74)。
【0089】
次いで、「調合変化モード」では、「種類変化モード」と同様に、系統フラグ1が設定されたプラス香り及びマイナス香りの中から、それぞれ4種類の香りが同系統内で自動的に選択される。そして、0を除く好悪判定値に対して、選択された8種類の香りが所定の調合様式で割り当てられて設定される(S75)。具体的に説明すると、0を除く正の好悪判定値(+4,+3,+2,+1)に対して、選択された4種類のプラス香りが所定の調合様式で割り当てられる。一方、0を除く正の好悪判定値(−4,−3,−2,−1)に対して、選択された4種類のマイナス香りが所定の調合様式で割り当てられる。なお、香りの系統及び種類の選択は自動的にランダムに行われるが、例えば、乱数を用いて、香りの系統の中から自動的に4種類の香りを選択してもよい。また、これとは別に、ユーザが香りの系統及び種類を選択できるようにしてもよい。
【0090】
ここで、香りの調合様式の割り当て方法について説明する。例えば、図22に示すように、4種類のプラス香りがNo1〜No4に設定された場合、自動的に4つの正の好悪判定値に対応して、No1〜No4の香りが所定の調合様式で設定されるようになっている。つまり、好悪判定値+1には、No1の香りが単独で設定され、好悪判定値+2には、No1の香りとNo2の香りとが調合された香りが設定され、好悪判定値+3には、No1の香りとNo2の香りとNo3の香りとが調合された香りが設定され、好悪判定値+4には、No1の香りとNo2の香りとNo3の香りとNo4の香りとが調合された香りが設定される。一例を挙げると、例えば、プラス香りに柑橘系の4種類(ライム、レモン、オレンジ、グレープフルーツ)が選択され、No1にライム、No2にレモン、No3にオレンジ、No4にグレープフルーツが設定された場合、好悪判定値+1にはライム、好悪判定値+2にはライムとレモン、好悪判定値+3にはライムとレモンとオレンジ、好悪判定値+4にはライムとレモンとオレンジとグレープフルーツが自動的に設定されるようになっている。
【0091】
一方、マイナス香りでも同様の方法で調合様式の設定がなされる。まず、4種類のマイナス香りがNo5〜No8に設定された場合、自動的に4つの負の好悪判定値に対応して、No5〜No8の香りが所定の調合様式で設定されるようになっている。つまり、好悪判定値−1には、No5の香りが単独で設定され、好悪判定値−2には、No5の香りとNo6の香りとが調合された香りが設定され、好悪判定値−3には、No5の香りとNo6の香りとNo7の香りとが調合された香りが設定され、好悪判定値−4には、No5の香りとNo6の香りとNo7の香りとNo8の香りとが調合された香りが設定される。一例を挙げると、例えば、マイナス香りにスパイス系の4種類(ブラックペッパー、ジンジャー、シナモン、クローブ)が選択され、No5にブラックペッパー、No6にジンジャー、No7にシナモン、No8にクローブが設定された場合、好悪判定値−1にはブラックペッパー、好悪判定値−2にはブラックペッパーとジンジャー、好悪判定値−3にはブラックペッパーとジンジャーとシナモン、好悪判定値−4にはブラックペッパーとジンジャーとシナモンとクローブが自動的に設定されるようになっている。
【0092】
このようにして、好悪判定値に対して、プラス香り及びマイナス香りが所定の調合様式で割り当てられ(S75)、その割り当てられたプラス香り及びマイナス香りの調合様式に基づき、図12に示すように、香り調合/好悪判定値テーブル3081が書き換えられる(S69)。次いで、図17に戻り、さらに図15のS11に戻り、S10の香り出力方法決定処理の中で実行された香り調合設定処理(図17に示すS33)で設定された香りの調合様式で、好悪判定値に対応する香りが放出される(S11)。
【0093】
次に、「近隣系統の香りで調合する」が選択されている場合(S61:NO、S62:YES)について説明する。この場合、香り系統設定テーブル3141(図13参照)において、プラス香りの調合及びマイナス香りの調合に使用する香りの系統を近隣する2系統からそれぞれ決定する。そのため、プラス香りでは、フローラル系、柑橘系及びウッディ系の3種類の系統のうちの何れか近隣する2系統が自動的に選択される。一方、マイナス香りでは、ハーブ系及びスパイス系の2種類の系統がそのまま選択される。そして、それぞれ選択された各系統に属する香りに系統フラグ1がそれぞれ設定される(S70)。
【0094】
次いで、系統フラグ1が設定されたプラス香り及びマイナス香りの中から、それぞれ4種類の香りが2つの系統から自動的に選択される。例えば、プラス香りの設定において、フローラル系と柑橘系とに系統フラグ1が設定された場合、フローラル系及び柑橘系から4種類の香りがそれぞれ選択される。さらに、マイナス香りの設定でも同様に、ハーブ系とスパイス系に系統フラグ1が設定された場合、ハーブ系及びスパイス系から4種類の香りがそれぞれ選択される。そして、0を除く好悪判定値に対して、選択された8種類の香りが所定の調合様式で割り当てられて設定される(S71)。なお、この調合様式の割り当て方法は上記した説明と同じ方法である。
【0095】
このようにして、好悪判定値に対して、プラス香り及びマイナス香りが所定の調合様式で割り当てられ(S71)、その割り当てられたプラス香り及びマイナス香りの調合様式に基づき、香り調合/好悪判定値テーブル3081が書き換えられる(S69)。次いで、図17に戻り、さらに図15のS11に戻り、S10の香り出力方法決定処理の中で実行された香り調合設定処理(図17に示すS33)で設定された香りの調合様式で、好悪判定値に対応する香りが放出される(S11)。
【0096】
次に、「相性の良い香りで調合する」が選択されている場合(S61:NO、S62:NO)について説明する。この場合、プラス香りの調合に使用する香りの種類の選択は、香り相性設定テーブル3151(図14参照)に基づいて決定され、マイナス香りの調合に使用する香りの種類の選択は、香り系統設定テーブル3141(図13)に基づいて決定される。まず、プラス香りの設定について説明する。はじめに、香り相性設定テーブル3151において、14種類の香りの種類の中から1つのメイン香りが自動的に設定される(S63)。なお、この選択方法については特に限定されないが、例えば乱数によって決定してもよい。さらに、このメイン香りに対して相性の良いサブ香りに相性フラグ1が設定される(S64)。例えば、メイン香りにオレンジが選択された場合、相性の良いサブ香りであるラベンダー、ローズウッド、ゼラニウム、イランイラン、サンダルウッドの5種類に相性フラグ1が設定される。さらに、その相性フラグ1が設定された5種類の香りの中から3種類のプラス香り、例えば、ラベンダー、ローズウッド、ゼラニウムが自動的に選択される。こうして、プラス香りに、メイン香りをオレンジとして、ラベンダー、ローズウッド、ゼラニウムの計4種類の香りが選択される。そして、0を除く正の好悪判定値に対して、これら4種類の香りが所定の調合様式で割り当てられて設定される(S65)。なお、この調合様式の割り当て方法は上記した説明と同じ方法である。
【0097】
次いで、マイナス香りの設定が行われる。マイナス香りは、香り系統設定テーブル3141に基づき、上記した方法と同じ方法によって決定される。したがって、香り系統設定テーブル3141において、ハーブ系及びスパイス系の2種類の系統のうち何れか1系統が自動的に選択され、選択された1系統に属する全ての香りに系統フラグ1がそれぞれ設定される(S66)。そして、系統フラグ1が設定されたマイナス香りの中から4種類の香りが同系統内で自動的に選択される。そして、0を除く正の好悪判定値(−4,−3,−2,−1)に対して、選択された4種類のマイナス香りが所定の調合様式で割り当てられる。
【0098】
このようにして、好悪判定値に対して、プラス香り及びマイナス香りが所定の調合様式で割り当てられ(S65,S67)、その割り当てられたプラス香り及びマイナス香りの調合様式に基づき、香り調合/好悪判定値テーブル3081が書き換えられる(S69)。次いで、図17に戻り、さらに図15のS11に戻り、S10の香り出力方法決定処理の中で実行された香り調合設定処理(図17に示すS33)で設定された香りの調合様式で、好悪判定値に対応する香りが放出される(S10)。
【0099】
なお、上記説明において、香り出力装置21が本発明の「反応出力手段」に相当し、マイク14が本発明の「音声検出手段」に相当し、好悪判定値記憶エリア303が本発明の「好悪判定値記憶手段」に相当し、香り種類/好悪判定値テーブル記憶エリア306、香り濃度/好悪判定値テーブル記憶エリア307、香り調合/好悪判定値テーブル記憶エリア308が本発明の「反応情報記憶エリア」に相当し、動作/好悪値テーブル記憶エリア304、音声/好悪値テーブル記憶エリア305、使用頻度/好悪値テーブル記憶エリア311、累積使用回数/好悪値テーブル記憶エリア312が本発明の「好悪値記憶手段」に相当する。また、図15,図16に示すメイン処理のS3の処理を実行するCPU15が本発明の「人物識別手段」に相当し、S13,S15の処理を実行するCPU15が本発明の「動作特定手段」に相当し、S8,S17の処理を実行するCPU15が本発明の「好悪判定値変更手段」に相当し、S9,S18の処理を実行するCPU15が本発明の「好悪判定値決定手段」に相当する。
【0100】
以上説明したように、本実施形態である反応出力装置1は、ユーザが反応出力装置1に対して所定の動作を行うことでその動作が認識され、その動作をされたことによるそのユーザに対する好悪の程度(レベル)を、香りの種類で表現することができる。つまり、反応出力装置1では、好悪の程度を数値で表現した好悪判定値を用いることによって、ユーザ毎にその好悪の程度を記憶することができる。さらに、反応出力装置1では、ユーザから所定の動作を受ける毎に、そのユーザの好悪判定値を更新することができる。これにより、その更新された好悪判定値に対応する香りを香り放出口11を介してユーザに提示することによって、ユーザに好悪の程度が変わったことを表現することができる。このように、反応出力装置1は、好悪を表現できる人間のように、ユーザ毎に感情の変化を香りで表現することができる。
【0101】
次に、香りの出力に関する本実施形態の変形例について説明する。図23は、人気香り設定テーブル3161の概念図であり、図24は、香調設定テーブル3171の概念図である。上記実施形態では、「種類変化モード」が設定されると、香り系統設定テーブル3141に基づき、プラス香りにフローラル系、柑橘系、ウッディ系の何れかが選択され、マイナス香りにハーブ系、スパイス系の何れかが自動的に選択されるが、例えば、プラス香りを人気のある香りの中から選択し、マイナス香りを人気のない香りの中から選択することも可能である。この場合、人気のある香り及び人気のない香りを設定するための人気香り設定テーブル3161(図23参照)をRAM30に記憶させる。
【0102】
図23に示す人気香り設定テーブル3161には、30種類の香りと2種類の香りの系統との対応関係が設定されている。この2種類の香りの系統は、人気のある香り系と、くせのある香り系とで構成されている。例えば、人気のある香り系には、ラベンダー、カモミール、ローズ、グレープフルーツ等の8種類が設定され、くせのある香り系には、レモングラス、ローズマリー、バジル、マジョラム等の10種類が設定される。なお、これらの香りの人気の有無については主観的なものであるので、これらの香りの設定はタッチディスプレイ23で変更するようにするのが好ましい。
【0103】
そして、設定画面上に「人気変化モード」を設け、このモードが選択されることによって、人気のある香り(図23に示す「○」)に設定された香りに人気香り設定フラグ1が設定され、くせのある香り(図23に示す「○」)に設定された香りにくせ香り設定フラグ1が設定される。さらに、人気設定フラグ1が設定された全ての香りの中から、プラス香りに使用される香りが自動的に選択され、くせ香り設定フラグ1が設定された全ての香りの中から、マイナス香りに使用される香りが自動的に選択される。その後、それらの香りが好悪判定値に割り当てられ、ユーザの好悪判定値に対応する香りを提示することができる。
【0104】
また、香りには「ノート(香調)」と呼ばれるタイプパターンがある。このタイプパターンには、トップノート、ミドルノート、ベースノートがある。トップノートは、最初に強く立つ香りで、第1印象を決めるのに適した香りである。ミドルノートは、トップノートに続いて立つ香りである。ベースノートは、最後まで持続する香りで、残り香を出すことができる香りである。そこで、好悪判定値のレベルに応じて香調を変えながら香りを放出することによって、上記実施形態とは違った趣向でユーザに香りを提示することができる。この場合、30種類の香りの中から、トップノート、ミドルノート、ベースノートを設定するための香調設定テーブル3171(図24参照)をRAM30に記憶させる。
【0105】
図24に示す香調設定テーブル3171には、30種類の香りと3種類の香りの系統との対応関係が設定されている。この3種類の香りの系統は、トップノート系と、ミドルノート系と、ベースノート系とで構成されている。ここで、トップノート系は、主に柑橘系及びハーブ系(メントール系)である香りであって、ベルガモット、グレープフルーツ、ペパーミント等の7種類が設定される。ミドルノート系は、主にフローラル系及びハーブ系(メントール系を除く)である香りであって、ラベンダー、カモミール、ローズマリー等の6種類が設定される。ベースノート系は、主にウッディ系及びスパイス系である香りであって、サンダルウッド、フランキンセンスの2種類が設定される。なお、香調は絶対的なものではなく、何れのパターンに属するかはユーザがタッチディスプレイ23で設定できるのが好ましい。
【0106】
そして、設定画面上に「香調変化モード」を設け、このモードが選択されることによって、トップノート系に属する香り、ミドルノート系に属する香り、ベースノート系に属する香りにトップノートフラグ1、ミドルノートフラグ1、ベースノートフラグ1がそれぞれ設定される。さらに、トップノートフラグ1、ミドルノートフラグ1、ベースノートフラグ1が設定された香りの中から、プラス香り及びマイナス香りに使用される香りが選択される。ここで、香調の有する効果を引き出すために、好悪判定値に対する割り当てにおいて以下の方法が挙げられる。例えば、好悪判定値+1、−1には、ユーザに対してインパクトが低いトップノート系から香りを選択して割り当てる。好悪反判定値+2,+3,−2,−3には、ミドルノート系から香りを選択して割り当てる。好悪判定値+4,−4には、ユーザに対してインパクトが高いトップノート系から香りを選択して割り当てる。このような割り当てを行うことにより、好悪判定値のレベルに合わせ、ユーザに対するインパクトを変化させながら香りを提示することができる。
【0107】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、各種変形が可能であることは言うまでもない。香りは主観的なものであり、個人によって好みが異なるので、上記実施形態のような香りの設定の様式は適宜変更できることが好ましい。
【0108】
また、上記実施形態では、タッチディスプレイ23に表示された設定画面上で、出力変化方法の設定がなされると、RAM30に記憶された各テーブルに所定のフラグが設定され、そのフラグが設定された香りの中から香りが自動的に選択されるが、その選択を規則的に行うようにしてもよい。
【0109】
さらに、上記実施形態では、ユーザに対する反応の種類として香りを用いたが、光、音等の人間が五感の何れかで感知することのできる反応の種類を用いてもよい。また、香りのみならず、香りと音、香りと光、のように反応の種類を組み合わせてユーザに提示できるようにしてもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、ユーザの顔をカメラ25で撮影し、その顔画像を画像処理することによってユーザを識別しているが、指紋、網膜、声紋等の生体情報を検出できる生体センサを用いてユーザを識別してもよい。
【0111】
さらに、上記実施形態では、ユーザによる反応出力装置1への呼びかけを、反応出力装置1の動作開始のトリガーとしたが、これに限らず、例えば、装置本体2の角部8,9を撫でることによる押圧を感圧センサ18,19によって検出されたら、反応出力装置1の動作を開始させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明の反応出力装置1は、リラックスに効果のある反応を提示するリラックス装置や、リハビリ目的の医療器具、さらには、ペット型のロボット装置等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】反応出力装置1の正面図である。
【図2】反応出力装置1の背面図である。
【図3】反応出力装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】設定画面が表示されたタッチディスプレイ23の正面図である。
【図5】RAM30の記憶エリアを示す概念図である。
【図6】好悪判定値記憶エリア303の概念図である。
【図7】動作/好悪値テーブル3041の概念図である。
【図8】音声/好悪値テーブル3051の概念図である。
【図9】使用頻度/好悪値テーブル3111の概念図である。
【図10】香り種類/好悪判定値テーブル3061の概念図である
【図11】香り濃度/好悪判定値テーブル3071の概念図である。
【図12】香り調合/好悪判定値テーブルの3081の概念図である。
【図13】香り系統設定テーブル3141の概念図である。
【図14】香り相性設定テーブル3151の概念図である。
【図15】メイン処理のフローチャートである。
【図16】図15に示すメイン処理の続きのフローチャートである。
【図17】香り出力方法決定処理のフローチャートである。
【図18】出力フラグ設定処理のフローチャートである。
【図19】香り種類設定処理のフローチャートである。
【図20】香り調合設定処理のフローチャートである。
【図21】香り種類の設定方法の説明図である。
【図22】香り調合の設定方法の説明図である。
【図23】人気香り設定テーブル3161の概念図である。
【図24】香調設定テーブル3171の概念図である。
【符号の説明】
【0114】
1 反応出力装置
14 マイク
25 カメラ
15 CPU
16,17,18,19 感圧センサ
21 香り出力装置
30 RAM
303 好悪判定値記憶エリア
304 動作/好悪値テーブル記憶エリア
305 音声/好悪値テーブル記憶エリア
306 香り種類/好悪判定値テーブル記憶エリア
307 香り濃度/好悪判定値テーブル記憶エリア
308 香り調合/好悪判定値テーブル記憶エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の身体的特徴を認識して前記人物を識別する人物識別手段と、
前記人物に対する好悪の程度を示す数値である好悪判定値を前記人物毎に記憶する好悪判定値記憶手段と、
前記人物識別手段によって識別された前記人物の動作を検出する動作検出手段と、
当該動作検出手段によって検出された前記人物の動作の種類を特定する動作特定手段と、
当該動作特定手段によって特定された前記動作の種類に応じて、前記人物識別手段によって識別された人物の前記好悪判定値を決定する好悪判定値決定手段と、
前記人物識別手段によって識別された人物に対応する前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値を、前記好悪判定値決定手段によって決定された前記好悪判定値にしたがって変更する好悪判定値変更手段と、
五感のうち少なくとも何れかの感覚で感知可能な反応を外部に出力する反応出力手段と、
前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値に対応して前記反応出力手段が出力すべき前記反応の種類が設定された反応情報を記憶する反応情報記憶手段と、
当該反応情報記憶手段に記憶された前記反応情報から、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値に対応する前記反応を選択して出力するように、前記反応出力手段を制御する反応出力制御手段と
を備えていることを特徴とする反応出力装置。
【請求項2】
所定の動作の種類と、当該動作の種類に対応して設定された好悪値とを記憶する好悪値記憶手段を備え、
前記動作特定手段は、前記好悪値記憶手段に記憶された前記動作の種類から、前記動作検出手段に検出された前記人物の動作の種類を特定し、
前記好悪判定値決定手段は、前記好悪値記憶手段に記憶された前記好悪値から、前記動作特定手段によって特定された前記人物の動作の種類に対応する前記好悪値を選択して、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値に加算又は減算して前記好悪判定値を決定することを特徴とする請求項1に記載の反応出力装置。
【請求項3】
前記反応出力制御手段は、前記好悪判定値変更手段によって、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値が変更された場合に、前記反応を出力するよう前記反応出力手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の反応出力装置。
【請求項4】
前記反応出力制御手段は、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値が所定範囲内から逸脱した場合に、前記反応を出力するように前記反応出力手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の反応出力装置。
【請求項5】
前記反応出力制御手段は、前記好悪判定値記憶手段に記憶された前記好悪判定値が正から負、負から正、0から正、又は0から負の何れかの状態で、前記好悪判定値変更手段によって変更された場合に、前記反応を出力するように前記反応出力手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の反応出力装置。
【請求項6】
前記動作検出手段は、前記人物による押圧を検出するとともに、当該押圧の程度を検出する感圧センサを備え、
前記動作特定手段は、前記感圧センサによって前記押圧が検出された場合に、前記押圧の程度に基づいて前記動作の種類を特定することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の反応出力装置。
【請求項7】
前記動作検出手段は、前記人物から発せられた音声を検出する音声検出手段を備え、
前記動作特定手段は、前記音声検出手段によって前記音声が検出された場合に、前記音声を認識して言葉を特定することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の反応出力装置。
【請求項8】
前記反応は匂いであり、前記反応出力手段は、前記匂いを有する液体を霧状、又は気体状に空気中に放出する匂い出力装置であって、
前記反応情報には、前記好悪判定値に対応して前記反応出力手段が放出すべき匂いが各々設定されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の反応出力装置。
【請求項9】
前記匂いは複数の種類が設定されるとともに、第1のグループと、第2のグループとに分類され、
前記好悪判定値が所定値以上の場合は、前記第1のグループに分類される第1の匂いが設定され、
前記好悪判定値が前記所定値未満の場合は、前記第2のグループに分類される第2の匂いが設定されていることを特徴とする請求項8に記載の反応出力装置。
【請求項10】
前記好悪判定値が前記所定値以上の場合は、前記好悪判定値の増加に伴って、前記第1の匂いの放出量を増加させ、
前記好悪判定値が前記所定値未満の場合は、前記好悪判定値の減少に伴って、前記第2の匂いの放出量を増加させることを特徴とする請求項9に記載の反応出力装置。
【請求項11】
前記好悪判定値が所定値以上の場合は、前記好悪判定値の増加に伴って、前記第1のグループに分類された前記第1の匂いの調合数を増加させ、
前記好悪判定値が前記所定値未満の場合は、前記好悪判定値の減少に伴って、前記第2のグループに分類された前記第2の匂いの調合数を増加させることを特徴とする請求項9に記載の反応出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−157(P2008−157A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169509(P2006−169509)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】