説明

反応容器並列型自動合成装置

【課題】 複数の反応容器による複数種の液相合成を並列的に行なうことが可能な反応容器並列型自動合成装置を提供する。
【解決手段】 反応容器並列型自動合成装置は、反応ユニット(1)、試薬ユニット(2)および溶媒ユニット(3)を少なくとも備え、反応ユニット(1)は、反応容器、反応容器加熱・冷却部、リフラックスコンデンサおよび反応容器内部の視認可能なガラス蓋を1セット組み合わせて収納した反応ブロックを、複数、並列に配置した反応ブロック集合体と、これら反応ブロックと試薬ユニット(2)および溶媒ユニット(3)との間に配置した送液先を切り換える多方弁および微少量の送液を制御するマイクロ定量ポンプとからなり、試薬ユニット内の複数の試薬容器および溶媒ユニット内の複数の溶媒容器から各反応容器へ送られる液について、その送液先および送液量を個々に制御可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液相系の有機合成化学分野において、微少量の試薬、触媒、溶媒等の供給、反応条件の設定、微少量の反応生成物の分離・回収を効率良く行なう反応容器並列型自動合成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸、ペプチド、核酸等の合成に関しては色々な自動合成装置が開発されている。これらは、原料の仕込みから後処理までを全自動または任意に手作業を加えて人手を省いた合成を行なおうとするものである。
【0003】
糖鎖化合物の合成については、たとえば特許文献1に示すように固定化糖転移酵素を利用した方法が知られている。そして、固定化糖転移酵素を利用した糖鎖の自動合成装置については、たとえば特許文献2に示すものが知られている。この発明は、糖ヌクレオチド溶液と糖転移酵素(あるいはプライマー)を混合させた後に、プライマー(あるいは糖転移酵素)を固定した反応槽に導入し、反応槽からの溶出液を限外ろ過カラムに導き、ここで分離された糖転移酵素あるいはプライマーを再利用しようとするものである。
【特許文献1】特開平11−42096号公報
【特許文献2】特開2004−180676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1および2においては糖鎖合成を酵素によって行なっているため、自然界に存在する糖鎖でなければ合成することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、糖鎖合成のみでなく多種の微量液相合成に利用でき、糖鎖合成においては、酵素を利用する場合はもとより酵素を利用しない液相合成にも適用でき、特に、複数の反応容器による複数種の液相合成を並列的に行なうことが可能な反応容器並列型自動合成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明の反応容器並列型自動合成装置は、合成反応用の反応ユニット(1)と、この反応ユニットに合成用原料を供給するための試薬ユニット(2)と、反応用溶媒、触媒等を供給するための溶媒ユニット(3)を備え、前記反応ユニット(1)は、反応容器、反応容器加熱・冷却部、リフラックスコンデンサおよび反応容器内部の視認可能なガラス蓋を1セット組み合わせて収納した反応ブロックを複数個並列に配置した反応ブロック集合体と、これら反応ブロックと試薬ユニット(2)および溶媒ユニット(3)との間に配置した送液先を切り換える多方弁および微少量の送液を制御するマイクロ定量ポンプとからなり、前記試薬ユニット(2)に設置した複数の試薬容器および溶媒ユニット(3)に設置された複数の溶媒容器から各反応容器へ送られる液について、その送液先および送液量を個々に制御可能な構成とした。尚、前記反応ユニット(1)は、2つの反応ブロック集合体を有していても良い。
【0007】
さらに本発明の反応容器並列型自動合成装置は、下記a〜fに示すユニット(4)〜(9)のうち、少なくとも1種のユニットを備えることが可能である。
a.反応ユニット(1)、試薬ユニット(2)および溶媒ユニット(3)などを洗浄するための洗浄ユニット(4)、
b.前記反応容器内の反応生成物から未反応の試薬、触媒、生成水等を分離するための分液ユニット(5)、
c.分液ユニット(5)で分液された反応生成物を回収するための回収ユニット(6)、
d.回収された反応生成物から、さらに残留する生成水等を除去するための乾燥ユニット(7)、
e.反応ユニット(1)、分液ユニット(5)、回収ユニット(6)および乾燥ユニット(7)の中間に位置し、それぞれのユニットへの送液を制御、統括する移送ユニット(8)、および
f.残渣を廃棄物とする廃液ユニット(9)。
【0008】
本発明の反応容器並列型自動合成装置は、反応ユニット(1)の反応ブロック集合体に含まれる反応ブロックの数と、回収ユニット(6)内の回収容器および/または乾燥ユニット(7)内の乾燥容器の数を同数とする。
【0009】
前記反応容器内部には、取外し可能なフィルターを取付ける。また、前記反応容器下部にはバブリング用配管を取付けることも好ましい。
【0010】
前記反応容器加熱・冷却部を、反応ブロック集合体に温度制御用マニホールドとして設置すれば、各反応ブロック内への配管を通じて、任意の数の反応容器を異なる温度で制御することができる。
【0011】
前記反応ブロックの数は、反応ブロック単位に分割された試薬、触媒、溶媒等の供給管および窒素シール管等から構成される上部マニホールドと、反応液抜液用の送液管、前記バブリング用配管等から構成される下部マニホールドとを反応容器を介して相互接続すれば任意に増減可能となる。
【0012】
本発明の反応容器並列型自動合成装置は、少量多品種の化学合成を行なう目的に有効であり、例えばワンポット・グリコシル化による糖鎖合成を好適に行なうことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の反応容器並列型自動合成装置は、試薬ユニット(2)に設置した複数の試薬容器および溶媒ユニット(3)に設置された複数の溶媒容器から各反応容器へ送られる液について、その送液先および送液量を個々に制御するため、少量多品種の生成物を効率的に得ることができる。
【0014】
反応容器の蓋はガラス製のため反応容器の内部を覗くことができる。そのため反応液の液量や液色、窒素あるいは水素等によるバブリング状態、その他を観察することが可能である。
【0015】
また、固体脱水剤を使用しても配管が詰まる恐れがない。また反応容器下部からバブリングできるように配管を設けることによりガスを必要とする合成反応も行なうことができる。
【0016】
反応ブロック集合体に、温度制御用マニホールドとして反応容器加熱・冷却用配管を接続し、任意の数の反応容器を異なる温度で制御することにより、複数の異なる条件の合成反応を並行させることが可能となる。
【0017】
本発明の反応容器並列型自動合成装置は、一つの反応ブロックに対して、上部マニホールドと下部マニホールドとが一つずつ接続されて一つの反応系とすることができ、この場合には、必要に応じて反応系を増減することができる。
【0018】
既存の自動合成装置(少なくとも試薬ユニットおよび溶媒ユニットを有する装置)の反応ユニットを、本発明に係る反応ユニット(1)に置き換えることにより、容易に本発明の反応容器並列型自動合成装置を形成することができる。
【0019】
本発明の反応容器並列型自動合成装置を、ワンポット・グリコシル化による糖鎖合成に使用すれば、グリコシル化反応によって生成する水を固体脱水剤によって系外に除去できるため有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明の反応容器並列型自動合成装置の一例を示す概念図である。本図に示すように、自動合成装置は複数のユニットからなる。すなわち、反応ユニット(1)、試薬ユニット(2)、溶媒ユニット(3)、洗浄ユニット(4)、分液ユニット(5)、回収ユニット(6)、乾燥ユニット(7)、移送ユニット(8)、および廃液ユニット(9)である。
【0021】
このうち、分液ユニット(5)、回収ユニット(6)、乾燥ユニット(7)、移送ユニット(8)、および廃液ユニット(9)は必須であるが、その他のユニットについては必要に応じて適宜組み込むことができ、また、既存の自動合成装置(少なくとも試薬ユニットおよび溶媒ユニットを有する装置)の反応ユニットを、本発明に係る反応ユニット(1)と交換して取り付けることにより、本発明の反応容器並列型自動合成装置を形成することも可能である。
【0022】
上記反応ユニット(1)は合成反応に使用するためのものであり、複数の反応ブロックを組合わせた反応ブロック集合体10と、マイクロ定量ポンプ11および複数の多方弁12a〜12dによって構成されている。なお、反応ブロック体10は、図内に別の反応ブロックと記載してあるように、さらに一つを並列的に追加接続することが可能である。
【0023】
試薬ユニット(2)は上記反応ユニット(1)に合成用原料を供給するためのものである。試薬ユニット(2)は複数の試薬容器20(ここでは6個)、これら各試薬容器に配設された窒素シール配管21、試薬受入管22および抜液管23、さらに各抜液管23からの試薬を反応ユニット(1)に送るための試薬送液管24と、この管系上に設けられた多方弁25aおよび25b(後述の洗浄ユニットへの切替用)から構成されている。
【0024】
また溶媒ユニット(3)は上記反応ユニット(1)に反応用溶媒、共通原料等を供給するためのものである。この溶媒ユニット(3)は複数の溶媒容器30(ここでは5個)、これら各溶媒容器に配設された窒素シール配管31、図示しない溶媒受入管および抜液管32、さらに各抜液管32からの溶媒を反応ユニット(1)に送るための溶媒送液管33と、この管系上に設けられた多方弁34aおよび34b(後述の洗浄ユニットへの切替用)から構成されている。
【0025】
洗浄ユニット(4)は反応ユニット(1)、試薬ユニット(2)、溶媒ユニット(3)、分液ユニット5、回収ユニット6、乾燥ユニット7及び移送ユニット8などを洗浄するためのものである。これは複数の洗浄液容器40(ここでは2個)、これら各洗浄液容器に配設されたエアシール配管41および抜液管42、さらに各抜液管42からの洗浄液を反応ユニット(1)、試薬ユニット(2)または溶媒ユニット(3)へ送るための洗浄液送液管43と、この管系上に設けられた多方弁44とから構成されている。
【0026】
また分液ユニット(5)は反応容器内の反応生成物から未反応の試薬、触媒、生成水等を分離するためのものである。分液ユニット(5)は、反応ユニット(1)で生成した化合物の受入配管50、反応液のエマルジョン化を解消するための遠心分離器51、分離された有機相および水相を受ける貯留容器52(ここでは2個)、これら貯留容器52に配設された窒素シール配管53、貯留受入管54および抜液管55、さらに各抜液管55から目的物を回収ユニット(6)に送るための送液管56と、この管系上に設けられた多方弁57から構成されている。
【0027】
回収ユニット(6)は分液ユニット(5)で分液された反応生成物を回収するためのものであり、分液ユニット(5)から送られた反応生成物の含まれる液を複数の回収容器60(ここでは8個)に分配するための多方弁61、分配管62、各回収容器60に設けられた窒素シール配管63から構成されている。
【0028】
また乾燥ユニット(7)においては、反応後に分液ユニット(5)で水相と分離された有機相を多方弁71aを介して乾燥管70(ここでは8個)に通して脱水して、多方弁71bを介して回収ユニットで回収する。
【0029】
移送ユニット(8)は、反応ユニット(1)、分液ユニット(5)、回収ユニット(6)および乾燥ユニット(7)の中間に介在し、それぞれのユニットへの送液を制御、統括するための多方弁80a〜80dにより構成されている。
【0030】
更に廃液ユニット(9)は残渣を廃棄物として送液する廃棄管90を備えている。
【0031】
なお、本発明に係る自動合成装置においては、マイクロ定量ポンプ11を利用する場合を除いて、溶媒、試薬、反応生成物などは全て減圧ポンプ(図中では「V.P.」および「V.P.2」と表示)によって送液されるシステムとしている。本発明の自動合成装置は、以上説明した構成からなるため、前記試薬ユニット(2)に設置した複数の試薬容器20および溶媒ユニット(3)に設置された複数の溶媒容器30から各反応容器へ送られる液について、その送液先および送液量を個々に制御することができる。
【0032】
本発明の反応容器並列型自動合成装置は、全工程または所望の部分工程をコンピュータによって自動制御することが好ましい。例えば、前記多方弁やマイクロ定量ポンプ11などを動作させて試薬、触媒および溶媒の反応容器への仕込み量や仕込み先を制御する送液プログラム、反応時の条件(圧力、温度、時間)等に関する合成反応制御プログラムを組み込んだコンピュータを使用し、オペレータは所望の操作条件をインプットして自動合成装置を運転することができる。
【0033】
図2は本発明に係る反応ユニット(1)を構成する反応ブロック集合体の一例を示す配管図である。本図に示す例では、反応ユニット(1)は8個の反応容器100a〜100hからなる反応ブロック集合体を収容している。そして、個々の反応ブロック100a〜100hには、試薬、触媒、溶媒等の供給管101a〜101hおよび洗浄液送液管を兼ねた窒素シール管102a〜102h等から構成される上部マニホールド104a〜104hと、反応容器バブリング配管を兼ねた反応生成物抜液用の送液管105a〜105h等から構成される下部マニホールド106a〜106hとが接続されている。
【0034】
また、反応ブロック集合体には温度制御用マニホールドとして反応容器加熱・冷却用配管107が接続され、任意の数の反応容器を異なる温度で制御することができる。本図の例では反応ブロック2つに一つの割合で反応容器冷却用配管107を接続している。
【0035】
ここで、反応ブロック101aに対しては、上部マニホールド104aと下部マニホールド106aとが一つずつ接続されて一つの反応系を完成している。これら反応系の集合体が上記反応ブロック集合体である。すなわち一つ一つの反応系が独立しているため、この反応系の増減を任意に行なうことが可能となっている。
【0036】
次に、上記反応ブロックの内部について説明する。図3は本発明に係る反応ブロックの構成の一例を示す分解斜視図である。円筒形の反応容器108の底部には、図示しない取外し可能なフィルターを設置している。このため固体脱水剤を使用しても配管が詰まる恐れがない。フィルターは反応容器108の上部から引張り出し、新しいフィルターと交換することができるため反応器の再使用が可能である。
【0037】
また反応容器108の外周部については、底部周辺に冷却用配管107と接続する加熱・冷却用熱交換器109、頂部周辺に反応容器108加熱時に溶媒の蒸発を防止するためのリフラックスコンデンサ110、また、熱交換器109とコンデンサ110の間に、コンデンサ110と熱交換器109とを隔てるための断熱材からなるスペーサ―111を配置している。
【0038】
上記反応容器108、熱交換器109、リフラックスコンデンサ110、およびスペーサ―111は一体に組み立てられて反応ブロック101に収納される。そして、反応容器108の頂部には、反応ブロックに蓋をする形のガラス蓋112が置かれている。このガラス蓋112から反応容器108の内部を覗くことができるため、反応液の液量や液色、窒素あるいは水素等によるバブリング状態、その他を観察することが可能である。
【0039】
本発明の自動合成装置は、糖鎖化合物、アミノ酸、ペプチド、核酸等、少量かつ多種類の化合物の製造が要請される分野において好適に使用することができる。中でも糖鎖合成については、ワンポット・グリコシル化による方法を実施することができる。
【0040】
ワンポット・グリコシル化とは、糖供与体または糖受容体の反応性の違いを利用して糖鎖を合成する方法である。例えば、原料となる脱離基を持った単糖(糖供与体)を試薬ユニット(2)の試薬容器20のうちの1つに準備して反応容器108に仕込む。供給する単糖の数は2個もしくは3個とする。また別途、単糖から脱離基を脱離させるための活性剤を試薬容器20の他の1つ、または溶媒容器30の1つにセットし、これも上記反応容器108に送る。そして温度をコントロールしながら1度目のグリコシル化反応を行なうことで単糖同士が結合して2糖を合成することができる。また単糖の数を上記3個とした場合には、2糖と3個目の単糖とから脱離基を脱離させる別種の活性剤を別途試薬容器20等から供給して2度目のグリコシル化を行い3糖を合成することができる。上記脱離反応によって生成した水は、上記固体脱水剤によって系外に除去される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の反応容器並列型自動合成装置は、多種の微量液相合成を同時並行的に自動で実施できるため、糖鎖化合物、アミノ酸、ペプチド、核酸等の合成分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の反応容器並列型自動合成装置の一例を示す概念図。
【図2】本発明に係る反応ユニット(1)を構成する反応ブロック集合体の一例を示す配管図。
【図3】本発明に係る反応ブロックの構成の一例を示す分解斜視図。
【符号の説明】
【0043】
10…反応ブロック集合体、11…マイクロ定量ポンプ、12a〜12d、25a、25b、34a、34b、44、57、61、71a、71b、80a〜80d…多方弁、20…試薬容器、21、31、53、63、102a〜102h…窒素シール配管、22…試薬受入管、23、32、42、55…抜液管、24…試薬送液管、30…溶媒容器、33…溶媒送液管、40…洗浄液容器、41…エアシール配管、43…洗浄液送液管、50…受入配管、51…遠心分離器、52…貯留容器、54…貯留受入管、56、105a〜105h…送液管、60…回収容器、62…分配管、70…乾燥管、90…廃棄管、100a〜100h…反応ブロック、101a〜101h…供給管、104a〜104h…上部マニホールド、106a〜106h…下部マニホールド、107…反応容器加熱・冷却用配管、108…反応容器、109…加熱・冷却用熱交換器、110…リフラックスコンデンサ、111…スペーサ―、112…ガラス蓋、V.P.、V.P.2…減圧ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成反応用の反応ユニット(1)と、この反応ユニット(1)に合成用原料を供給するための試薬ユニット(2)と、前記反応ユニット(1)に溶媒や触媒等を供給するための溶媒ユニット(3)を備え、前記反応ユニット(1)は、反応容器、反応容器加熱・冷却部、リフラックスコンデンサおよび反応容器内部の視認可能なガラス蓋を組み合わせて収納した反応ブロックを複数個並列に配置した反応ブロック集合体と、前記反応ブロックと試薬ユニット(2)および溶媒ユニット(3)との間に配置され送液先を切り換える多方弁および微少量の送液を制御するマイクロ定量ポンプとからなり、前記試薬ユニット(2)に設置した複数の試薬容器および溶媒ユニットに設置された複数の溶媒容器から各反応容器へ送られる液について、その送液先および送液量を個々に制御可能としたことを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項2】
請求項1記載の反応容器並列型自動合成装置において、前記反応ユニットが、2つの反応ブロック集合体を有することを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の反応容器並列型自動合成装置において、下記a〜fに示すユニット(4)〜(9)のうち、少なくとも1種のユニットを備えることを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
a.反応ユニット(1)、試薬ユニット(2)および溶媒ユニット(3)などを洗浄するための洗浄ユニット(4)
b.前記反応容器内の反応生成物から未反応の試薬、触媒、生成水等を分離するための分液ユニット(5)
c.分液ユニット(5)で分液された反応生成物を回収するための回収ユニット(6)
d.回収された反応生成物から、さらに残留する水を除去するための乾燥ユニット(7)
e.反応ユニット(1)、分液ユニット(5)、回収ユニット(6)および乾燥ユニット(7)の中間に位置し、それぞれのユニットへの送液を制御、統括する移送ユニット(8)
f.残渣を廃棄物とする廃液ユニット(9)
【請求項4】
請求項3に記載の反応容器並列型自動合成装置において、前記反応ユニット(1)の反応ブロック集合体に含まれる反応ブロックの数と、前記回収ユニット(6)内の回収容器および/または乾燥ユニット(7)内の乾燥容器の数を同数としたことを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の反応容器並列型自動合成装置において、前記反応容器内部には、取外し可能なフィルターを取付けたことを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の反応容器並列型自動合成装置において、前記反応容器下部にバブリング用配管を取付けたことを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の反応容器並列型自動合成装置において、前記反応容器加熱・冷却部を、反応ブロック集合体に温度制御用マニホールドとして設置し、各反応ブロック内への配管を通じて、任意の数の反応容器を異なる温度で制御することを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の反応容器並列型自動合成装置において、前記反応ブロックの数は、反応ブロック単位に分割された試薬、触媒、溶媒等の供給管および窒素シール管等から構成される上部マニホールドと、反応液抜液用の送液管、前記バブリング用配管等から構成される下部マニホールドとを反応容器を介して相互接続することにより、任意に増減可能としたことを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れかに記載の反応容器並列型自動合成装置において、この反応容器並列型自動合成装置は少量多品種の化学合成を行なうためのものであることを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8の何れかに記載の反応容器並列型自動合成装置において、この反応容器並列型自動合成装置はワンポット・グリコシル化による糖鎖合成を行なうためのものであることを特徴とする反応容器並列型自動合成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−231160(P2006−231160A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47257(P2005−47257)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(501377461)株式会社ケムジェネシス (3)
【Fターム(参考)】