説明

反応性被膜の形成方法

本発明は、無機または有機基材上に被膜を形成する方法、さらに前記方法にしたがって被覆した基材に関する。本発明は、a)無機または有機基材を、低温プラズマ、コロナ放電、強烈な放射線照射および/または火炎処理にさらし、b)1.)活性化可能な開始剤1種以上、または2.)活性化可能な開始剤1種以上とエチレン性不飽和化合物1種以上を、溶融物、溶液、懸濁液またはエマルションの形態で、無機または有機基材に付着し、これにより、後続の接着促進剤として付着する被膜と相互作用するか、前記被膜中に含有される基と反応する基が1個以上、活性化可能な開始剤および/またはエチレン性不飽和化合物に組み入れられ、c)被覆した基材を加熱および/または電磁波照射して、接着促進層を形成し、d)このように前処理した基材に、接着促進層中の基と反応および/または前記層と相互作用する反応性基を含有するさらなる被膜を設けること特徴とする、無機または有機基材上に被膜を形成する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機または無機基材上への接着性が良好な、反応性被膜の形成方法に関する。
【0002】
近年、プラズマ処理は、表面に反応性被膜を生成するために用いられてきた。この点で、特にプラズマ重合を用いることが多い。そのために、重合性の前駆物質を低圧プラズマに気相として供給し、表面に重合した形態で付着させる。そのために用いる技術およびこれにより得られる表面、ならびにその使用が、たとえば、"Plasma Surface Modification and Plasma Polymerization" by N. Inagaki, Technomic Publishing Company Inc., Lancaster 1996、"Plasma Polymerization" by H. Yasuda, Academic Press Inc., New York 1985および"Plasma Polymerization Processes" by H. Biederman, Y. 0sada, Elsevier Science Publishers, Amsterdam 1992に記載されている。
【0003】
重合性化合物のプラズマアシステッド蒸着は、分子レベルでの予測不可能な構造の改質をもたらすことが多い。特に分子中に反応性基が存在する場合、分解反応および他の変化が起こる可能性がある。プラズマ中で、反応性基は容易に酸化または分解分離する可能性がある。さらに、短波長放射線および高エネルギー種、たとえばプラズマ中に存在するイオンおよびフリーラジカルにより、使用する分子がすっかり破壊されるおそれがある。したがって、付着または重合したフィルムが、本来用いた化合物の特性よりも、はるかに劣った特性または全く異なる特性を有する可能性がある。そこで、構造を最大限に維持するため、重合を開始するための短いプラズマパルスの後に、プラズマは切るが重合性化合物の供給は継続するより長いフェーズが続く、パルス化したプラズマの使用が次第に増えている。しかし、これは効率が低く、一層複雑なプロセスをまねく。このような方法は、たとえば、G. Kuhnらによって Surface and Coating Technology 142,2001, page 494に記載されている。
【0004】
さらに、上述したプラズマ技術は真空中で行う必要があり、したがって複雑な装置、および時間を費やす手順が必要である。さらに、付着または重合する化合物(前駆物質)を気化し、基材上に再凝縮する必要があり、高レベルの熱応力、および多くの場合分解を導く可能性がある。さらに、蒸発および付着速度が低く、その結果十分な厚さの層の製造は難しく労力を要する。
【0005】
改良された方法が、WO00/24527およびWO01/58971に記載されており、この方法ではプラズマ処理と層の製造が結びついていない。これは前駆物質への低圧プラズマの作用により起こる問題を解消するが、そこに記載されている方法はUV開始フリーラジカル硬化系の使用に限定される。
【0006】
驚くべきことには、上述した欠点のない反応性層の生成を可能にし、他の非UV開始フリーラジカル硬化被膜系の使用を可能にする方法が、今や見出された。本発明は、
a)低温プラズマ、コロナ放電、高エネルギー放射線および/または火炎処理を、無機または有機基材上に作用させ、
b)1.)活性化可能な開始剤1種以上、または2.)活性化可能な開始剤1種以上とエチレン性不飽和化合物1種以上(ここで、活性化可能な開始剤および/またはエチレン性不飽和化合物には、後続の付着する被膜と相互作用するか、それに含有される基と反応する基が1個以上組み入れられており、接着促進の効果を伴う)を、溶融物、溶液、懸濁液またはエマルションの形態で、無機または有機基材に付着し、次いで
c)被覆した基材を加熱および/または電磁波照射して、接着促進層を形成し、
d)このように前処理した基材に、接着促進層の基と反応および/または接着促進層と相互作用する反応性基を含有する、さらなる被膜を設ける
無機または有機基材上に被膜を形成する方法に関する。
【0007】
活性化可能な開始剤は、フリーラジカル形成開始剤が好ましい。
【0008】
このような方法には次の利点が挙げられる。記載した方法によって、種々の基材の上に反応性層が形成し、この層は良好な接着性も示す。さらなる反応性基を1個以上有するエチレン性モノまたはポリ不飽和の化合物(モノマー、オリゴマーまたはポリマー)の使用により、生成する層の特性を広い範囲内で変えることができ、被膜を基材に固定するのに広い範囲の反応を使用することができる。このため、被膜の接着性を大いに向上させることができる。厚さの制御も同様に簡単になされ、極めて広い範囲内で可能である。この方法の利点は、常圧で行うことができ、複雑な真空装置を必要としないことである。使用する基材と物質への過剰な熱応力が回避され、そのため、目標とする化学官能性の導入を行って、反応性基を得ることが可能である。従来の付着法を使用できるので、付着速度は極めて大きく、実質的に制限されない。物質を気化させる必要がないので、低揮発性または高分子量の化合物も使用できる。したがって、広い範囲の化合物が利用でき、必要とする特定の特性を容易に得ることができる。
【0009】
基材は、粉末、ファイバー、織布、フェルト、フィルムまたは三次元加工物の形態とすることができる。好適な基材は、合成または天然ポリマー、金属酸化物、ガラス、半導体、石英または金属、またはこのような物質を含有する材料である。半導体基材として、特にケイ素(たとえば、「ウェーハ」の形態とすることができる)を挙げるべきである。金属は特に、高品質ミラー、たとえば望遠鏡ミラーまたは車両ヘッドランプミラーの製造に用いられるアルミニウム、クロム、スチール、バナジウムを含む。アルミニウムが特に好ましい。
【0010】
天然および合成ポリマーまたはプラスチックの例を次に示す。
【0011】
i)モノおよびジオレフィンのポリマー、たとえばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、ならびにシクロオレフィン、たとえばシクロペンテンまたはノルボルネンの重合体;ならびにポリエチレン(架橋していてもしてなくてもよい)、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量の高密度ポリエチレン(HDPE−HMW)、超高分子量の高密度ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ならびに直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE);
ii)1)で述べたポリマーの混合物、たとえばポリプロピレンとポリイソブチレンの、ポリプロピレンとポリエチレンの(たとえばPP/HDPE、PP/LDPE)混合物、および種々のタイプのポリエチレンの混合物(たとえばLDPE/HDPE);
iii)モノおよびジオレフィンの互いのまたは他のビニルモノマーとのコポリマー、たとえばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびこれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、ならびにエチレンとプロピレンおよびジエン、たとえばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネンとのターポリマー;ならびにこのようなコポリマーの互いのまたはi)で述べたポリマーとの混合物、たとえばポリプロピレン−エチレン/プロピレンコポリマー、LDPE−エチレン/ビニルアセテートコポリマー、LDPE−エチレン/アクリル酸コポリマー、LLDPE−エチレン/ビニルアセテートコポリマー、LLDPE−エチレン/アクリル酸コポリマーおよび交互またはランダム構造ポリアルキレン−一酸化炭素コポリマーおよびこれらと他のポリマー、たとえばポリアミドとの混合物;
iv)炭化水素樹脂(たとえばC5〜C9)、その水素化変性体(たとえば粘着付与剤樹脂)ならびにポリアルキレンおよびスターチの混合物を含む;
v)ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン);
vi)スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマー、たとえばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレートおよびメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;
vii)スチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、たとえばポリブタジエンへのスチレン、ポリブタジエン/スチレンまたはポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマーへのスチレン、ポリブタジエンへのスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);およびこれらとvi)で述べたコポリマーとの混合物、たとえば、いわゆるABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして公知であるもの;
viii)ハロゲン含有ポリマー、たとえばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン/イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはクロロスルホン化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモおよびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン;およびこれらのコポリマー、たとえば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/ビニルアセテートまたは塩化ビニリデン/ビニルアセテート;
ix)α,β−不飽和酸から誘導したポリマーおよびその誘導体、たとえばポリアクリレートおよびポリメタクリレート、またはポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびブチルアクリレートで耐衝撃変性されたポリアクリロニトリル;
x)ix)で述べたモノマーの互いのまたは他の不飽和モノマーとのコポリマー、たとえばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー;
xi)不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されたポリマー、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ステアレート、ベンゾエートまたはマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン;およびこれらのポイント1で述べたオレフィンとのコポリマー;
xii)環状エーテルのホモおよびコポリマー、たとえばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはこれらのビスグリシジルエーテルとのコポリマー;
xiii)ポリアセタール、たとえばポリオキシメチレン、ならびにコモノマー、たとえばエチレンオキシドを含有するポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性したポリアセタール;
xiv)ポリフェニレンオキシドおよびスルフィドならびにこれらのスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物;
xv)一方の末端ヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステルおよびポリブタジエンと、他方の脂肪族または芳香族ポリイソシアネートとから誘導されたポリウレタン、およびその初期生成物;
xvi)ジアミンとジカルボン酸からおよび/またはアミノカルボン酸または対応するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、たとえばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレン、ジアミンおよびアジピン酸から誘導された芳香族ポリアミド;上述したポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマーまたは化学結合もしくはグラフトしたエラストマーとのブロックコポリマー;またはポリエーテルとの、たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー。さらに、EPDMまたはABSで変性したポリアミドまたはコポリアミド;および加工中に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系);
xvii)ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール;
xviii)ジカルボン酸およびジアルコールからおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトンから誘導されたポリエステル、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端基を有するポリエーテルから誘導されたブロックポリエーテルエステル;ならびにポリカーボネートまたはMBSで変性したポリエステル;
xix)ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート;
xx)ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン;
xxi)一方ではアルデヒドと、他方では、フェノール類、尿素またはメラミンとから誘導された架橋ポリマー、たとえばフェノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒドおよびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂;
xxii)乾燥および非乾燥アルキド樹脂;
xxiii)飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステルから、および架橋剤としてビニル化合物から誘導された不飽和ポリエステル樹脂、ならびにハロゲンを含有するこれらの難燃性変性種;
xxiv)置換アクリル酸エステルから、たとえばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂;
xxv)メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂;
xxvi)脂肪族、脂環式、複素環または芳香族グリシジル化合物から誘導した架橋エポキシ樹脂、たとえばビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルを、通常の硬化剤、たとえば無水物またはアミンを用いて促進剤を伴ってまたは伴わずに架橋された生成物;
xxvii)天然ポリマー、たとえばセルロース、天然ゴム、ゼラチン、またはこれらのポリマー同族体化学変性誘導体、たとえばセルロースアセテート、プロピオネートおよびブチレート、ならびにセルロースエーテル、たとえばメチルセルロース;ならびにコロホニウム樹脂および誘導体;
xxviii)上述したポリマーの混合物(ポリブレンド)、たとえばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0012】
天然ポリマーの場合、特に好適なものとして、カーボファイバー、セルロース、スターチ、綿、ゴム、コロホニウム、木材、亜麻、麻、ポリペプチド、ポリアミノ酸およびこれらの誘導体が挙げられる。
【0013】
合成ポリマーは、ポリカーボネート、ポリエステル、ハロゲン含有ポリマー、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレンおよび/またはポリエーテルが好ましい。
【0014】
合成材料は、フィルム、射出成形品、押出加工物、ファイバー、フェルトまたは織布の形態とすることができる。自動車工業用成分に加えて、物品たとえば眼鏡またはコンタクトレンズにも機能層を付与することができる。
【0015】
真空条件下でプラズマを得る可能な方法は、文献にしばしば記載されている。電気エネルギーはインダクターまたはコンデンサー手段により結合することができる。直流でも交流でもよく、交流の周波数は数kHzからMHzまでの範囲で変えることができる。マイクロ波範囲(GHz)での供給電力も可能である。プラズマの発生および維持の原理は、たとえば、A. T. Bell, "Fundamentals of Plasma Chemistry" in "Technology and Application of Plasma Chemistry", edited by J. R. Holahan and A. T. Bell, Wiley, New York (1974) または H. Suhr, Plasma Chem. Plasma Process 3(1), 1, (1983)に記載されている。
【0016】
主要なプラズマガスとして、たとえば、He、アルゴン、キセノン、N2、O2、H2、スチームまたは空気を用いることができる。本発明による方法は、電気エネルギーの結合について本質的に敏感ではない。本方法はバッチ作業、たとえば回転ドラムで行ってもよく、フィルム、ファイバーまたは織布の場合は連続作業で行ってもよい。このような方法は公知であり、従来技術に記載されている。
【0017】
本方法はコロナ放電条件下でも行うことができる。コロナ放電は常圧条件下で発生し、最も多く用いられるイオン化ガスは空気である。しかし、他のガスおよび混合物も、たとえばCOATING Vol. 2001, No. 12, 426, (2001)に記載されているように、原理的に可能である。コロナ放電でのイオン化ガスとしての空気の利点は、工程を外側に開いた装置中で行うことができることであり、たとえば、フィルムを連続的に放電電極間を通して引くことができる。このようなプロセス装置は公知であり、たとえばJ. Adhesion Sci. Technol. Vol 7, No. 10, 1105, (1993)に記載されている。三次元加工物は、フリープラズマジェットを用いて、ロボットの補助を伴って輪郭を追いながら、処理することができる。
【0018】
本方法は広い圧力範囲内で行うことができ、圧力の増加につれて、放電特性は純粋な低温プラズマからコロナ放電に移行し、最終的に約1000〜1100mbarの大気圧で純粋なコロナ放電に変化する。
【0019】
本方法はプロセス圧力10-6mbarから大気圧(1013mbar)で、特に大気圧でコロナプロセスの形態で行うのが好ましい。
【0020】
本方法は、プラズマガスとして、不活性ガス、または不活性ガスと反応性ガスの混合物を用いることにより行うのが好ましい。
【0021】
コロナ放電を用いる場合には、使用するガスは空気、CO2および/または窒素が好ましい。
【0022】
プラズマガスとして、H2、CO2、He、Ar、Kr、Xe、N2、O2およびH2Oの単独または混合物の形態での使用が、特に好ましい。
【0023】
たとえば光、UV光、電子ビームおよびイオンビームの形態の高エネルギー放射線も、同様に表面を活性化するのに使用できる。
【0024】
活性化可能な開始剤として、加熱および/または電磁波を照射した時に、フリーラジカル(中間体の形態でも)1種以上を発生する化合物の全てまたは化合物の混合物が考えられる。このような開始剤は、通常熱的に活性化される化合物または組合せ、たとえば、過酸化物およびヒドロペルオキシド(促進剤、たとえばアミンおよび/またはコバルト塩と組み合わせても)およびアミノエーテル(NOR化合物)の含有に加えて、光化学的に活性化可能な化合物(たとえばベンゾイン)、または発色団と共開始剤(たとえばベンゾフェノンおよび第三級アミン)との組合せおよびこれらの混合物も含む。増感剤と、共開始剤との(たとえばチオキサントンと第三級アミン)または発色団との(たとえばチオキサントンとアミノケトン)の使用も可能である。レドックス系、たとえば、Hと鉄(II)塩との組合せなどが同様に使用できる。電子輸送ペアー、たとえば、染料およびホウ酸塩および/またはアミンの使用も可能である。開始剤として次のクラス:過酸化物、ペルオキソジカーボネート、過硫酸塩、ベンズピナコール、ジベンジル、ジスルフィド、アゾ化合物、レドックス系、ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィド、アシルオキシイミノケトン、ハロゲン化アセトフェノン、フェニルグリオキサラート、ベンゾフェノン、オキシムおよびオキシムエステル、チオキサントン、カンファーキノン、フェロセン、チタノセン、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ホウ化アルキル、ホウ酸塩、トリアジン、ビスイミダゾール、ポリシランおよび染料、ならびに対応する共開始剤および/または増感剤からの化合物または化合物の組み合わせを用いることができる。
【0025】
好適な化合物は、過酸化ジベンゾイル、過酸化ベンゾイル、ジクミルペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、メチルエチルケトンペルオキシド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、アンモニウムペルオキソモノスルフェート、アンモニウムペルオキソジスルフェート、過硫酸二カリウム、過硫酸二ナトリウム、N,N−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、1,1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)、t−アミルペルオキソベンゾエート、2,2’−ビス(t−ブチルペルオキシ)−ブタン、1,1’−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルアセテート、t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、シクロヘキサノンペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、コバルトオクタノエート、ジシクロペンタジエニルクロム、過酢酸、ベンズピナコールおよびジベンジル誘導体、たとえばジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムジブチルジチオカルバメート、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ベンゾチアジルジスルフィドおよびテトラベンジルチウラムジスルフィドである。
【0026】
単独または混合物で使用することができる、光活性化可能な系の代表的な例を以下に挙げる。たとえばベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、たとえば、(α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトンまたは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−またはα−アミノ−アセトフェノン、たとえば、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノ−エタン、(4−モルホリノ−ベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルケタール、たとえば、ベンジルジメチルケタール、フェニルグリオキサラートおよびこれらの誘導体、フェニルグリオキサラート二量体、モノアシルホスフィンオキシド、たとえば、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、たとえば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンタ−1−イル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4−ジペンチルオキシフェニル)ホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、フェロセニウム化合物またはチタノセン、たとえば、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(+)−ヘキサフルオロホスフェート(−1)またはジシクロペンタジエニル−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロフェニル)チタン;スルホニウムおよびヨードニウム塩、たとえば、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、(4−イソブチルフェニル)−p−トリル−ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート。
【0027】
共開始剤として、たとえば、分光感度をシフトするか広げ、このため光重合の促進を生じさせる増感剤が考えられる。このような増感剤は、特に芳香族カルボニル化合物、たとえばベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、特にイソプロピルチオキサントン、アントラキノン誘導体および3−アシルクマリン誘導体、トリアジン、クマリン、ターフェニル、スチリルケトン、ならびに3−(アロイルメチレン)−チアゾリン、ショウノウキノン、ならびにエオシン、ローダミンおよびエリトロシン染料である。共開始剤として、t−アミン、チオール、ホウ酸塩、フェニルグリシン、ホスフィンおよび他の電子供与体も使用できる。
【0028】
エチレン性不飽和基を含有する開始剤の使用が好ましく、それはこれらが重合工程の間にポリマー鎖に、したがって層に組み入れられるからである。考えられるエチレン性不飽和基は、ビニルおよびビニリデン基に加えて、特にアクリレート、メタクリレート、アリルおよびビニルエーテル基である。
【0029】
エチレン性不飽和化合物は、オレフィン二重結合を1個以上含有できる。これらは低分子量(モノマー)または高分子量(オリゴマー、ポリマー)とすることができる。熟練した選択により、広い範囲で反応性層の特性を制御することが可能である。
【0030】
反応性基として、たとえば、脂肪族または芳香族アルコール、チオール、ジスルフィド、アルデヒド、ケトン、エステル、アミン、アミド、イミド、エポキシ、酸、酸無水物、カルボン酸、ハロゲン化物、酸ハロゲン化物、ニトロ、イソシアネートおよび/またはシアノ官能基が考えられる。反応前に脱保護される適切にブロックされた反応性基(たとえば封止または保護されたイソシアネート)を使用することも可能である。
【0031】
相互作用には、イオンおよび/または双極子相互作用ならびに水素架橋結合および配位結合が含まれる。
【0032】
適切な反応には前記反応性基の間の公知の反応の全てが含まれるが、特に安定な結合の形成をもたらすものが含まれる。このような反応にはたとえば、付加、置換、縮合、開環、転移、エステル化、エステル交換、酸化的カップリングおよび/または架橋反応および/または重合反応ならびに並列または逐次反応の組合せが含まれる。反応は適切な触媒の使用によりおよび/または温度を上昇させることにより促進することができる。重合反応の場合、フリーラジカル、イオン、開環、環形成、付加および縮合反応を用いることが可能である。
【0033】
二重結合を有するモノマーの例は、アルキルまたはヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、たとえばメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシルまたは2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびメチルまたはエチルメタクリレートである。さらに対象となるのは、シリコーン(メタ)アクリレートおよびフッ素化アクリレートおよびメタクリレートである。不飽和化合物の塩または塩酸塩付加物(たとえば3−スルホプロピルアクリレートのナトリウム塩、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩)も使用できる。さらなる例は、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、たとえばビニルアセテート、ビニルエーテル、たとえばイソブチルビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレンおよびハロスチレン、マレイン酸または無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンである。酸性、中性または塩基性反応性を有するその他の基を持っている不飽和化合物(たとえばアリルアミン、2−アミノエチルメタクリレート、4−ビニルピリジン、アクリル酸、2−プロペン−1−スルホン酸)も使用することができる。たとえば、次の化合物およびその同族体:N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、2−N−モルホリノエチルアクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、アリルアミン、ジアリルアミン、α,α−ジメチル−3−イソプロペニルベンジルイソシアネート、ジビニルグリコール、グリシジルアクリレート、ニトロスチレン、プロパルギルアクリレート、プロパルギルメタクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、トリス(2-アクリルオキシエチル)イソシアヌレート、n−ビニルカプロラクタム、ビニル安息香酸、ビニルウレアおよび/またはビニルフェニルアセテートを使用することも可能である。
【0034】
不飽和基を有する有機金属化合物、たとえばマグネシウムアクリレート、鉛アクリレート、スズメタクリレート、亜鉛ジメタクリレート、ビニルフェロセンも使用できる。
【0035】
二重結合を2個以上有するモノマーの例は、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートおよびビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートおよびトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレートである。
【0036】
高分子量(オリゴマー、ポリマー)のポリ不飽和化合物の例は、アクリレート化エポキシ樹脂、アクリレート化またはビニルエーテルもしくはエポキシ基含有ポリエステル、ポリウレタンおよびポリエーテルである。不飽和オリゴマーのさらなる例は、通常マレイン酸、フタル酸およびジオール1種以上から製造された、分子量約500〜3000の不飽和ポリエステル樹脂である。さらに、ビニルエーテルモノマーおよびオリゴマー、ならびにポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテルおよびエポキシド主鎖を有するマレエート末端オリゴマーを使用することもできる。特に、WO90/01512に記載されているような、ビニルエーテル基を持つオリゴマーおよびポリマーの組合せが極めて適切であるが、マレイン酸およびビニルエーテルで官能化したモノマーのコポリマーも考えられる。このような不飽和オリゴマーをプレポリマーと言うこともできる。
【0037】
たとえば、エチレン性不飽和カルボン酸とポリオールまたはポリエポキシドとのエステル、および鎖または側基にエチレン性不飽和基を有するポリマー、たとえば不飽和ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンおよびこれらのコポリマー、アルキド樹脂、ポリブタジエンおよびブタジエンコポリマー、ポリイソプレンおよびイソプレンコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を有するポリマーおよびコポリマー、ならびにこのようなポリマー1種以上の混合物が特に適切である。
【0038】
不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、桂皮酸および不飽和脂肪酸、たとえばリノレイン酸およびオレイン酸である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
【0039】
適切なポリオールは、芳香族および特に脂肪族および脂環式のポリオールである。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ならびにノボラックおよびレゾールである。ポリエポキシドの例は、前記ポリオール、特に芳香族ポリオールおよびエピクロロヒドリンを主成分とするものである。ポリオールとして、ポリマー鎖または側基にヒドロキシル基を含有するポリマーおよびコポリマー、たとえばポリビニルアルコールおよびこれらのコポリマーまたはポリメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルまたはこれらのコポリマーも適切である。さらに適切なポリオールは、ヒドロキシル末端基を有するオリゴエステルである。
【0040】
脂肪族および脂環式のポリオールの例は、好ましくは炭素原子数2〜12のアルキレンジオール、たとえばエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−,1,3−または1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量が好ましくは200〜1500であるポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびソルビトールを含む。
【0041】
ポリオールは、1種または異なる不飽和カルボン酸により、部分的にまたは完全にエステル化されていてもよく、部分的なエステル中のフリーヒドロキシル基が変性、たとえばエーテル化、または他のカルボン酸でエステル化されることが可能である。
【0042】
エステルの例は、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ジペンタエリスリトールトリスイタコネート、ジペンタエリスリトールペンタイタコネート、ジペンタエリスリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトール変性トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールジおよびトリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、分子量200〜1500のポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビスメタクリレート、ならびにこれらの混合物である。
【0043】
成分として、同一または異なる不飽和カルボン酸と、アミノ基を好ましくは2〜6個、特に2〜4個有する芳香族、脂環式および脂肪族ポリアミンとのアミドも適切である。このようなポリアミンの例はエチレンジアミン、1,2−または1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−または1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンならびにジ(β−アミノエトキシ)−およびジ(β−アミノプロポキシ)−エタンである。さらなる適切なポリアミンは、側鎖にさらなるアミノ基を有してもよいポリマーおよびコポリマー、およびアミノ末端基を有するオリゴアミドである。このような不飽和アミドの例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリレートおよびN−[(β−ヒドロキシエトキシ)エチル]−アクリルアミドである。
【0044】
適切な不飽和ポリエステルおよびポリアミドは、たとえば、マレイン酸およびジオールまたはジアミンから誘導される。マレイン酸は部分的に他のジカルボン酸で置換されていてもよい。これらはエチレン性不飽和コモノマー、たとえばスチレンとともに用いることができる。ポリエステルおよびポリアミドも、ジカルボン酸およびエチレン性不飽和ジオールまたはジアミン、特に、たとえば炭素原子数6〜20の長鎖を有するものから誘導することができる。ポリウレタンの例は、飽和ジイソシアネートおよび不飽和ジオールまたは不飽和ジイソシアネートおよび飽和ジオールで構成されるものである。
【0045】
ポリブタジエンおよびポリイソプレンおよびこれらのコポリマーは公知である。適切なコモノマーはたとえば、オレフィン、たとえばエチレン、プロペン、ブテンおよびヘキセン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレンおよび塩化ビニルを含む。側鎖に(メタ)アクリレート基を有するポリマーも同様に公知である。たとえば、ノボラック系エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸との反応生成物、(メタ)アクリル酸でエステル化されたビニルアルコールまたはそのヒドロキシアルキル誘導体のホモまたはコポリマー、およびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートでエステル化された(メタ)アクリレートのホモおよびコポリマーである。
【0046】
モノまたはポリ不飽和オレフィン化合物として、特にアクリレート、メタクリレートまたはビニルエーテル化合物を用いる。すでに上述したようなポリ不飽和アクリレート化合物は、さらに特に好ましい。
【0047】
原則的に、溶液、懸濁液またはエマルションをできるだけ早く付着するのが有利であるが、多くの目的に対して、時間が遅れて工程b)を行うのも許容できる。しかし、方法工程b)は方法工程a)の直後または24時間内に行うのが好ましい。
【0048】
溶液、懸濁液またはエマルションの付着は、種々の方法で行うことができる。付着は浸漬、噴霧、コーティング、ブラシ塗布、ナイフ塗布、ローリング、ローラー塗布、印刷、スピンコーティングおよび流し込みにより実施することができる。
【0049】
付着する液体中の開始剤の濃度は、0.01〜20%、好ましくは0.1〜5%である。この液体中のエチレン性不飽和化合物の濃度は、0.1〜30%、好ましくは0.1〜10%である。
【0050】
液体はさらに、他の物質、たとえば脱泡剤、乳化剤、界面活性剤、防汚剤、湿潤剤ならびに塗装およびペイント産業で通常用いられる他の添加剤を含んでもよい。
【0051】
付着層の乾燥状態での厚さは、後の用途の要求に同様に合わせ、単分子層から2mmまで、特に2nm〜1000μm、さらに特に2nm〜1000nmの範囲にある。
【0052】
原則的に、溶融物、溶液、懸濁液またはエマルションを、できるだけ迅速に加熱、乾燥または照射するのが有利であり、それはこの工程によって層を固定させ安定化させるからであるが、多くの目的に対して、時間が遅れて工程c)を行うのも許容できる。しかし、方法工程c)は、方法工程b)の直後または24時間内に行うのが好ましい。
【0053】
被膜を加熱/乾燥する多くの可能な方法が公知であり、本特許請求の方法ではこれらを全て使用することができる。したがって、たとえば、熱ガス、IRラジエータ、オーブン、熱ローラーおよびマイクロ波を使用することが可能である。そのために用いる温度は、使用する材料の熱安定性により決定し、通常0〜300℃の範囲、好ましくは0〜200℃である。
【0054】
特に感温性材料の場合、電磁波を用いる照射が有利である。使用する開始剤は、UV吸収剤が全くまたはほとんど吸収を示さない波長範囲でも吸収するものであることを注意しなければならない。被膜の照射は、使用する光開始剤が吸収することができる波長の電磁波を発する任意の光源を用いて行うことができる。このような光源は通常、波長200nm〜2000nmの範囲の電磁波を発するものである。通常のラジエータおよびランプに加えて、レーザおよびLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)も使用できる。その全領域または一部を照射することができる。部分的な照射は、特定の領域だけを接着性にする場合に有利である。照射は電子ビームを用いて行うこともできる。その全領域および/または一部を、たとえば、マスクを介して照射してもレーザビームを用いて照射してもよい。この手段によって特定の領域だけの被膜の固定および安定化を達成することが可能である。未露光領域では、層は再び洗い落とすことができ、このようにして構造化が実現する。
【0055】
加熱/乾燥および/または照射は、空気中または不活性ガス下で行うことができる。不活性ガスとして窒素ガスが考えられるが、他の不活性ガス、たとえばCO2およびアルゴン、ヘリウムなどまたはこれらの混合物も使用できる。適切な機器および装置は当業者に公知であり、市販されている。
【0056】
前処理した基材の被覆は、公知の任意の被覆方法により、たとえば電気泳動塗装、蒸着、浸漬、噴霧、コーティング、ブラシ塗布、ナイフ塗布、ローリング、ローラー塗布、印刷、スピンコーティングおよび流し込みにより実施することができる。前処理した基材への被膜の付着は、工程c)の直後に実施することができるが、極めて長い、数日、数ヶ月または数年の間隔を置いても可能である。
【0057】
付着する被膜は有機および/または無機材料とすることができる。有機層は、液状(溶融状態を含む)で付着し、適切な乾燥および/または硬化条件により固体状に転化する、たとえば、レジスト材料、保護層、ペイント、着色剤、離型層、印刷インクおよび/または接着剤とすることができ、乾燥および/または硬化の間に起こる反応も表面に存在する反応性基を含むのが有利である。たとえば、エポキシ基(たとえば、グリシジルメタクリレートの使用から得られる)を基材表面に固定する場合、酸または塩基の触媒開環が可能な被膜中で反応することができる。本明細書では、光化学的および/または熱的に活性化可能な酸発生剤により開始する、エポキシドおよび/またはビニルエーテルのカチオン重合性配合物が、特に挙げられる。この場合、被膜の表面への優れた接着性は、その表面が前もって、工程b)でOH官能化された開始剤および/または不飽和化合物を使用することにより実現できる、OH基を設けられた場合も得ることができる。しかし、固定されたエポキシ基は、アミンおよび/またはアルコールおよび/またはフェノール類と反応して安定な結合を形成することもできる。
【0058】
基材表面に固定した基、特に反応性水素原子を有する基(たとえばOH、NH、SHなど)は、多くの接着剤、ペイントおよびコーティングで使用されているような一連の他の反応性基と反応することができる。このような反応性基には、エポキシ基に加えて、酸、酸塩化物、カルボン酸、酸無水物、イソシアネート、SiORおよび/またはSiOX基(X=ハロゲン)を有するオルガノシロキサンが含まれる。しかし、物理的乾燥系、たとえばポリビニルアセテート接着剤、ポリエステル接着剤、ポリアクリル酸エステル接着剤の場合、OH基も接着性の増加を引き起こすことができる。
【0059】
酸化的に架橋する被膜系は、エチレン性不飽和化合物として、さらなる二重または三重結合を有する化合物、たとえばプロパルギルアクリレート、プロパルギルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートまたはジシクロペンテニルメタクリレートを使用することにより、接着性にすることができる。
【0060】
チオール/エン反応を、たとえばチオール基(たとえば、エチルチオエチルメタクリレート、チオール−ジエチレングリコールジアクリレート、2−(メチルチオ)エチルメタクリレートおよびメチル−2−メチルチオアクリレートを使って)を表面に固定し、これらを被膜中の不飽和結合と反応させることにより、同様に利用できる。固定されたが未反応の不飽和結合と、被膜中のチオールとを経由する、反対のルートも同様に可能である。固定されたチオ基は、金属、特に金の接着性の改良にも使用できる。
【0061】
固体および/またはウエブ状材料を互いに接触させ、界面に存在する反応性基の相互作用および/または反応を起こすこともできる。たとえば、シート、フィルムおよび/または織布をラミネーションにより互いに付着することができ、反応性基(たとえば、前処理した面の−COOHと他の面のOH−)は、たとえば、エステル化の結果として強接着性の結合を生成する。粉末塗料も付着し固定することができる。
【0062】
無機層は、たとえば、蒸着またはスパッタリングにより、あるいはフィルム/箔ラミネーションにより付着し、前処理した表面上の反応性基と反応および/または相互作用する、セラミックまたは金属材料とすることができる。たとえば、工程b)でアクリレート化アミノ化合物および/またはモルホリンを使用することにより、蒸着した銅と錯体を形成するアミノ官能基が生じ、銅の接着性の増加をもたらすことが可能である。OH官能固体(たとえばSiOX層)も同様に、基材表面に適切なハロゲン化エチレン性不飽和化合物(たとえば2−ブロモエチルアクリレート)として固定されているハロゲン基と反応することができる。
【0063】
下記表1は、付着した被膜および接着促進層の間に結合をもたらす、相互作用および反応のさらなる例をいくつか示す。
【表1】


【0064】
官能性1および2いずれの場合も、接着促進層および/または被膜に設けることができる。
【0065】
上述した方法のひとつにしたがって生成した被膜もまた特許請求される。
【0066】
先行する請求項の1項記載の被膜を設けられた生成物もまた特許請求される。
【0067】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0068】
実施例1
白色ポリ塩化ビニルシート(2mm)を、空気中で、セラミック電極(manual corona station type CEE 42-0-1 MD, width 330 mm, SOFTAL)を用いて、距離約1〜2mm、出力400W、処理速度10cm/sで、4回コロナ処理した。次の構造式
【化1】

【0069】
の開始剤0.3%および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Fluka)0.7%を含有するエタノール溶液を、4μmナイフ(Erichsen)を用いて、フィルムの処理した面に塗布した。試験片をアルコールが蒸発するまでしばらくの間保管し、試験片を乾燥した。次に試験片を、マイクロ波励起水銀灯を備えたUV処理装置(Fusion Systems)を用いて、出力120W/cm、ベルト速度30m/minで照射した。次に、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールおよびスターチを主成分とする水性接着剤(Ponal express、Henkel)を層厚さ約0.5mmで塗布し、絹(2×8cm)1枚を粘着剤にローリングにより軽く付着した。次に得られた試験片を一晩乾燥した。接着強さを絹の引き剥がしにより試験した。未処理のPVCシート上では、接着剤は接着しなかった。処理したPVCシート上では、接着剤の凝集破壊が起こり、接着剤材料の非破壊層がPVCシート上に残った。
【0070】
実施例2
厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを空気中で、セラミック電極(manual corona station type CEE 42-0-1 MD, width 330 mm, SOFTAL)を用いて、距離約1〜2mm、出力400W、処理速度10cm/sで、4回コロナ処理した。次の構造式
【化2】

【0071】
の開始剤1%を含有するエタノール溶液を、4μmナイフ(Erichsen)を用いて、フィルムの処理した面に塗布した。試験片をアルコールが蒸発するまでしばらくの間保管し、試験片を乾燥した。次に試験片を、マイクロ波励起水銀灯を備えたUV処理装置(Fusion Systems)を用いて、出力120W/cm、ベルト速度15m/minで照射した。次に、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールおよびスターチを主成分とする水性接着剤(Ponal express、Henkel)を層厚さ約60μmで付着し、幅15mmの絹ストリップを粘着剤にプレスローラーを用いて均一に加圧した。次に得られた試験片を一晩乾燥した。接着強さを引張試験で試験した。未処理フィルムでは接着性が得られなかったが、処理フィルムでは接着強さ15mm当り8.9Nが得られた。
【0072】
実施例3
厚さ40μmのHDPEフィルムウエブを、コロナステーション(Vetaphone Corona Plus)によって、出力200Wで処理し、三本ローラー付着デバイスを用いて、次の構造式
【化3】

【0073】
の開始剤の1%水溶液を塗布した。ウエブ速度は30m/minである。乾燥を、温度60℃で空気を用いて、移動するフィルムに長さ1mにわたって吹き付けて行った。次にUVランプ(IST Metz M200 U1、60 W/cm)を用いて照射を行った。次に、このように前処理したフィルムに、ウエブ速度10m/minで、三本ローラー付着デバイスを用いて、エポキシ官能化したポリジメチルシロキサンコポリマー(UV9300、GE Bayer Silicones)98部と、グリシジルエーテル中の次の構造式
【化4】

【0074】
のヨードニウム塩開始剤45%(UV9380 C、GE Bayer Silicones)2部とからなる配合物を約1g/m2の量で付着し、UVランプ(IST Metz M200 U1、60 W/cm)を用いて照射を行った。
【0075】
付着層の接着性をこすることにより測定した。未処理フィルムの場合、シリコーン層は容易にこすり落ちすることができたが、開始剤で被覆したフィルムの場合、シリコーン層は全く除去できなかった。接着性は室温での2週間の期間の貯蔵の後でも変化しなかった。
【0076】
実施例4
厚さ36μmのPETPフィルムウエブを、コロナステーション(Vetaphone Corona Plus)によって、出力200Wで処理し、三本ローラー付着デバイスを用いて、次の構造式
【化5】

【0077】
の開始剤の1%水溶液を塗布した。ウエブ速度は30m/minである。乾燥を、温度60℃で空気を用いて、移動するフィルムに長さ1mにわたって吹き付けて行った。次にUVランプ(IST Metz M200 U1、60 W/cm)を用いて照射を行った。次に、このように前処理したフィルムに、ウエブ速度10m/minで、三本ローラー付着デバイスを用いて、エポキシ官能化したポリジメチルシロキサンコポリマー(UV9300、GE Bayer Silicones)98部と、グリシジルエーテル中の次の構造式
【化6】

【0078】
のヨードニウム塩開始剤45%(UV9380 C、GE Bayer Silicones)2部とからなる配合物を約1g/m2の量で付着し、UVランプ(IST Metz M200 U1、60 W/cm)を用いて照射を行った。
【0079】
付着層の接着性をこすることにより測定した。未処理フィルムの場合、シリコーン層は容易にこすり落ちすることができたが、開始剤で被覆したフィルムの場合、シリコーン層は全く除去できなかった。接着性は室温での2週間の期間の貯蔵の後でも変化しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)低温プラズマ、コロナ放電、高エネルギー放射線および/または火炎処理を、無機または有機基材上に作用させ、
b)1)活性化可能な開始剤1種以上、または2)活性化可能な開始剤1種以上とエチレン性不飽和化合物1種以上(ここで、活性化可能な開始剤および/またはエチレン性不飽和化合物には、後続の付着する被膜と相互作用するか、それに含有される基と反応する基が1個以上組み入れられており、接着促進の効果を伴う)を、溶融物、溶液、懸濁液またはエマルションの形態で、無機または有機基材に付着し、次いで
c)被覆した基材を加熱および/または電磁波照射して、接着促進層を形成し、
d)このように前処理した基材に、接着促進層の基と反応および/または接着促進層と相互作用する反応性基を含有する、さらなる被膜を設ける
無機または有機基材上に被膜を形成する方法。
【請求項2】
無機または有機基材が、粉末、ファイバー、織布、フェルト、フィルムまたは三次元加工物の形態である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
有機基材が、合成または天然ポリマー、金属酸化物、ガラス、半導体、石英または金属であるかこれを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
有機基材が、ホモポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマーおよび/またはコポリマーおよび/またはこれらの混合物であるかこれを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
有機基材が、ポリカーボネート、ポリエステル、ハロゲン含有ポリマー、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアラミドおよび/またはポリエーテルであるかこれを含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
開始剤が、過酸化物、ペルオキソジカーボネート、過硫酸塩、ベンズピナコール、ジベンジル、ジスルフィド、アゾ化合物、レドックス系、ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィド、アシルオキシイミノケトン、ペルオキシ化合物、ハロゲン化アセトフェノン、フェニルグリオキシラート、ベンゾフェノン、オキシムおよびオキシムエステル、チオキサントン、フェロセン、チタノセン、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ホウ酸塩、トリアジン、ビスイミダゾール、ポリシランおよび染料、ならびに対応する共開始剤および/または増感剤のクラスからの化合物または化合物の組み合わせである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
開始剤が、エチレン性不飽和基、特にビニル、ビニリデン、アクリレート、メタクリレート、アリルまたはビニルエーテル基を1個以上有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
エチレン性不飽和化合物を、モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの形態で使用する、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
エチレン性不飽和化合物が、モノ、ジ、トリ、テトラもしくは多官能のアクリレート、メタクリレートまたはビニルエーテルである、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
プラズマガスとして、空気、水、反応性ガス、不活性ガスまたはこれらの混合物を用いる、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
方法工程b)を、浸漬、噴霧、コーティング、ブラシ塗布、ナイフ塗布、ローリング、ローラー塗布、スピンコーティング、印刷または流し込みにより行う、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
方法工程b)で使用する液体が、開始剤を濃度0.01〜20%、好ましくは0.1〜5%含有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
方法工程b)で使用する液体が、不飽和化合物を濃度0.1〜30%、好ましくは0.1〜10%含有する、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
方法工程b)で使用する液体が、さらに他の物質、たとえば脱泡剤、乳化剤、界面活性剤、防汚剤、湿潤剤、および塗装産業で通常用いられる他の添加剤を含んでいてもよい、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
付着層の乾燥状態での厚さが、単分子層から2mmまで、好ましくは2nm〜1000μm、特に2nm〜1000nmの範囲にある、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
方法工程c)で、波長200nm〜20000nmの範囲の電磁波を発光する光源を用いるか、電子ビームによって照射を行い、場合により乾燥工程を先行させる、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
方法工程c)で、その全領域または一部に照射を行う、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
方法工程c)で部分的な照射を行い、次いで未露光材料を除去する、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
方法工程d)を浸漬、噴霧、コーティング、ブラシ塗布、ナイフ塗布、ローリング、ローラー塗布、スピンコーティング、印刷、流し込み、ラミネーション、蒸着、スパッタリングまたは接触させることにより行う、請求項1〜18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
方法工程d)で付着する被膜が有機および/または無機材料である、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
方法工程d)で付着する被膜が固体または液体材料である、請求項1〜20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
方法工程d)で付着する被膜が、レジスト材料、ペイント、着色剤、離型層、保護層、印刷インク、接着剤および/またはフィルム、織布、ファイバー、金属層である、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項記載の方法により得られる、反応性層を有する基材。

【公表番号】特表2006−510774(P2006−510774A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561494(P2004−561494)
【出願日】平成15年12月15日(2003.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2003/051010
【国際公開番号】WO2004/056910
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】