説明

収支計測装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートすることが可能であり、遊技機の販売増のための有効な営業ツールとして使用することができる収支計測装置、そのプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【解決手段】 遊技機導入シミュレート実行部30は、操作入力装置で受け付けた操作に基づいて、計測条件を設定する計測条件設定部31と、この計測条件設定部31で設定された計測条件に基づいて、現実の遊技機の稼働状況をシミュレートし、投入数及び払出数を導出する遊技処理部33−1〜33−nと、上記投入数及び払出数から導出される集計を表示する集計表示部36とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実の遊技店舗に設置される現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートし、その結果を表示する収支計測装置、プログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機メーカーが新たに開発した回胴式遊技機や弾球式遊技機等の遊技機(以下、単に「新台」という)をパチンコ店やパチスロ店等の遊技店舗に導入した際の仮想的な稼動状況を当該遊技店舗の購入担当者が容易に把握できるようにするための技術(例えば、特許文献1)が知られている。
【0003】
この従来技術は、遊技店舗のクライアント端末が試打ちルームにアクセスして展示されている仮想遊技機を選択した場合に、選択した仮想遊技機の動作を所定の遊技情報に基づいてシミュレートし、そのシミュレートの結果を現実の遊技機を導入した場合の参考データとしてアクセスしてきた遊技店舗に提供するものである。
【0004】
しかし、特許文献1の技術は、以下の1)〜4)に示す問題を有している。
【0005】
1)新台のシミュレートの結果を閲覧する為に、遊技店舗はクライアント端末を所有し、アクセス料金や通信費用を負担する必要があり、遊技店舗側の出費が大きい。
【0006】
2)特許文献1のシステムは、新台の宣伝に有効なツールではあるが、遊技機の販売増を達成する観点からは最適の営業ツールとは言えない。具体的には、遊技店舗が新台のシミュレートの結果を自由に閲覧し、単独で新台の購入の判断を行い得るシステムであるため、営業担当者が遊技店舗に出向いて新台の営業を行うチャンスが失われてしまう。
【0007】
3)特許文献1のシステムでは、遊技機毎の稼働状況の対比を行うことが容易ではない。具体的には、表示装置の画面上において、複数の仮想遊技機のシミュレートの結果を一覧形式で確認することができるものの、2つの仮想遊技機のシミュレートの結果のみを単一の画面上で見比べることはできない。従って、例えば、設定値を同一にした場合や相違させた場合のシミュレート結果の対比を容易に行うことができない。
【0008】
4)特許文献1のシステムでは、機種間での稼働状況の比較(例えば、新台と既存台との比較や複数種類の新台間での比較)を行うことが容易ではない。具体的には、複数の機種の稼働状況をシミュレートするためには、「機種の選択→選択機種のシミュレートの実行→シミュレートの結果の表示」という一連の処理を機種別にそれぞれ行う必要があり、操作性や作業時間の面で非効率である。また、特許文献1のシステムでは、機種毎のシミュレートの結果はそれぞれ別々の画面に表示されるが、これを単一の画面に同時に表示させて直接比較することを可能にすれば、遊技店舗がどの機種を導入するかを決定するための判断材料を分かり易い態様で提供することが可能になると考えられる。
【0009】
【特許文献1】特開2004−195077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0011】
即ち、本発明の目的は、現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートすることが可能であり、遊技店舗の出費をゼロに抑えることが可能な収支計測装置、そのプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートすることが可能であり、遊技機の販売増のための有効な営業ツールとして使用することができる収支計測装置、そのプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートすることが可能であり、同一機種の複数台の遊技機、又は複数種類の遊技機についてのシミュレート結果を分かり易い態様で対比して表示させる収支計測装置、そのプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、
操作者による操作を受け付ける操作入力装置と、
情報を表示する表示装置とを備え、
現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートする携帯型の収支計測装置であって、
所定の頻度で抽選を実行し、前記抽選の回数に応じた投入数及び前記抽選の結果に応じた払出数の導出を行う複数の遊技処理手段と、
それぞれの前記遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計を前記表示装置に表示する集計表示手段とを備えることを特徴とする収支計測装置(請求項1)、又は、
操作者による操作を受け付ける操作入力装置と、
情報を表示する表示装置とを備え、
現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートする携帯型の収支計測装置において解釈実行されるプログラムであって、
複数の遊技処理手段に、所定の頻度での抽選と、前記抽選の回数に応じた投入数及び前記抽選の結果に応じた払出数の導出とを実行させる遊技処理手順と、
それぞれの前記遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計を前記表示装置に表示する集計表示手順とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム(請求項6)、又は、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(請求項7)である。
【0015】
本発明における投入数は、現実の遊技機における抽選の実行のために必要となる遊技価値数(回胴式遊技機におけるメダル数や弾球遊技機におけるパチンコ球数など)に対応するものであり、例えば、所定数のメダル投入を条件として抽選が実行される回胴式遊技機を対象とする収支計測装置であれば、その所定数と同数を本発明の投入数とすることができ、所定の変動入賞口へのパチンコ球の入賞を条件として抽選が実行される弾球遊技機を対象とする収支計測装置であれば、変動入賞口への1回の入賞を発生させるのに必要なパチンコ球数の平均値を本発明の投入数とすることができる。
【0016】
本発明における払出数は、現実の遊技機での抽選において入賞役の当選があった場合に払い出される遊技価値数に対応するものであり、例えば、特別役や普通役などの当選があった場合に、当選した入賞役の種類に応じた枚数のメダルが払い出される回胴式遊技機を対象とする収支計測装置であれば、それぞれの入賞役が当選したときに払い出されるメダル数と同数を本発明の払出数とすることができる。
【0017】
本発明では、複数の遊技処理手段により抽選が反復して実行されるとともに当該抽選毎に上記投入数及び払出数が導出されるため、現実の遊技機での遊技価値の増減をシミュレートすることが可能であり、集計表示手段により各仮想遊技機が導出する投入数及び払出数の集計の表示が行われるため、遊技店舗の購買担当者等は、現実に遊技機を導入することなく、遊技機の仮想的な稼働状況を把握することが可能となる。更に本発明の収支計測装置は携帯型であるために、遊技機メーカーの担当者が遊技店舗を訪問営業する際の有用な営業ツールとして使用することが可能であり、そのような使用態様においては、遊技店舗において発生する費用負担をゼロとすることが可能である。
【0018】
なお、本発明の集計表示手段は、各仮想遊技機についての複数回数の抽選に渡る投入数の積算値、払出数の積算値、投入数の積算値と払出数の積算値の差分など、遊技店舗での遊技機導入の判断において参考にすることができる収支に関する様々な指標を集計として表示するものとすることができる。
【0019】
本発明の遊技処理手段は、現実の遊技機と同一の確率処理に従って前記抽選を実行するよう構成すること(請求項2)が可能であり、この場合には、現実の遊技機における稼働状況をより正確な態様で再現することが可能となる。
【0020】
本発明においては、前記操作入力装置への操作に基づいて、前記遊技処理手段により実行される抽選の回数、前記遊技処理手段の数及び/又は設定値の指定を受け付ける計測条件設定手段を更に備えること(請求項3)が可能である。
【0021】
かかる発明では、計測条件設定手段により受け付けられる抽選の回数、遊技処理手段の数及び/又は設定値に従った集計の導出及びその表示が行われるため、各遊技店舗における様々な営業態様に応じたシミュレートを行うことが可能になる。
【0022】
本発明の集計表示手段は、前記操作入力操作への操作に基づいて、前記複数の遊技処理手段のうちの一の遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計と、他の遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計とを表示装置上において並べて表示させるよう構成すること(請求項4)が可能である。
【0023】
かかる発明では、2又はそれ以上の遊技処理手段によるシミュレート結果を単一の画面上で並べて見比べることが可能となるために、設定値を同一にした場合や相違させた場合の遊技機の稼働状況のシミュレート結果を容易に対比することができる。
【0024】
本発明では、前記操作入力装置への操作に基づいて、前記遊技処理手段のそれぞれについて遊技機の種類の選択を受け付ける機種選択手段を更に備えること(請求項5)が可能である。
【0025】
かかる発明では、遊技機を現実に導入することなく、2又はそれ以上の機種間での稼働状況の対比を行うことが可能となるために、遊技店舗が導入検討対象の2種類の機種間での比較考量や、遊技店舗に未導入の機種(新台など)と既導入の機種間での比較考量を行う際の判断材料を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の第1の実施形態に係る収支計測装置D1を添付図面に基づいて説明する。
【0027】
なお、収支計測装置D1は、遊技機メーカーの営業担当者がパチンコ店やパチスロ店等の遊技店舗に実際に出向いて、その遊技店舗の購買担当者に対して、現実の遊技機である回胴式遊技機(特に、新台)を売り込む場合に用いる営業用ツールであり、本実施形態の収支計測装置D1は、操作者による操作を受け付ける操作入力装置と、情報を表示する表示装置とを備えた携帯型の情報処理端末において実現することが可能であるが、本実施形態では、外部記録媒体から読み取ったゲームプログラムに基づきゲームを実行する家庭用の携帯型ゲーム装置1において実現された収支計測装置D1の場合について説明する。
【0028】
図1は、本発明が適用される携帯型ゲーム装置1の外観構成を示す説明図であり、図1(a)には携帯型ゲーム装置1の本体前面の平面図が、図1(b)にはその背面斜視図が示されている。
【0029】
図示するように、この携帯型ゲーム装置1の本体前面には、ゲームや映画等の画像や各種テキスト情報を表示する3〜7インチ程度の横長の液晶ディスプレイ2を備え、液晶ディスプレイ2の周辺には、操作者がゲーム操作などの各種操作を行う為のSTARTボタン3、方向キー4、○ボタン5a、×ボタン5b、□ボタン5c、△ボタン5d等の操作入力装置を構成する各種操作部材や、ゲーム演出音声や映画の音声等の各種サウンドを外部に出力する左右のスピーカ部6a及び6b等が配置されている。
【0030】
携帯型ゲーム装置1の本体背面には、本発明を適用したプログラムを含むソフトウェアや市販のゲームソフトウェア等を記録したUMD(Universal Media Disc)7a、或いは、映画のコンテンツを記録したDVD−ROM等の外部記録媒体を後述の外部記録媒体読取ドライブ7bのデータ読取位置にセットする為のディスクホルダー部7と、ゲーム経過情報を記録するメモリースティック8aなどの読取及び書込可能な外部記録媒体を後述の外部記録媒体読取/書込ドライブ8bのデータ読取/書込位置にセットする為のメモリ挿入口8と、バッテリーパック9a装填の為のバッテリーカバー9とを備えている。
【0031】
携帯型ゲーム装置1の本体上部側面には、Rボタン10a,Lボタン10b等の操作入力装置を構成する操作部材と、前述のディスクホルダー部7をOPENする為のOPENスイッチ11と、送受信データの出入力ターミナルである赤外線ポート12とを備えている。
【0032】
携帯型ゲーム装置1の本体下部側面には、外部ACアダプタの端子を差し込む為のDC端子13を備えている。
【0033】
また、携帯型ゲーム装置1の本体右側面には、電源のON/OFFを行ったり、上記各操作部材からの入力をロックする為のPOWER HOLDスイッチ14を備え、本体左側面には後述の通信処理部26のワイヤレスLAN機能をON/OFFさせる為のワイヤレスLANスイッチ15を備えている。
【0034】
図2は、図1に示した携帯型ゲーム装置1の内部のハードウェア構成を示す説明図である。
【0035】
図2に示すように、携帯型ゲーム装置1は、その内部にCPU20と、ROM21と、RAM22と、外部記録媒体読取ドライブ7bと、外部記録媒体読取/書込ドライブ8bと、画像処理部23と、音声処理部24と、操作入力処理部25と、通信処理部26とを備えている。
【0036】
ここで、CPU20は、ゲーム装置の制御動作の中枢となり、システムバス27を介して他の構成要素と制御信号やデータ信号等の受渡しを行ってゲーム装置全体を統括的に制御する。特に、本実施形態においては、後述の遊技機導入シミュレーションを実行する為のプログラム並びに操作者が操作入力装置を使って指示する内容に基づいて、適宜、描画や音声出力の為のタスクとしてのコマンドを生成して、遊技機導入シミュレーションの進行を制御する。
【0037】
ROM21は、ゲーム装置の起動時に使用する起動用プログラムや装置を動かす為の基本的なシステムプログラム等を格納する不揮発性メモリである。
【0038】
RAM22は、第1の外部記録媒体及び第2の外部記録媒体から読み出したデータを一時記録すると共に、作業中のデータを一時記録する揮発性メモリである。特に、本実施形態においては、UMD7aから読み出した後述の遊技機導入シミュレーションを実行する為のプログラムや各種データ(画像データ、演出音声データ、テキストデータ等)の一部若しくは全部をゲームプログラム記録領域22aに一時記録保持すると共に、後述の遊技機導入シミュレーションの実行中における作業データをゲーム進行データ記録領域22bに一時記録保持する。なお、一般的に、ゲーム進行データ記録領域22bには、第2の外部記録媒体8aから読み出したセーブデータなども一時記録保持される。
【0039】
外部記録媒体読取ドライブ7bは、UMD7aなどの外部記録媒体に記録されたプログラムやデータを読み取る。特に、本実施形態においては、後述の遊技機導入シミュレーションを実行する為のプログラムや各種データを読み取る。
【0040】
外部記録媒体読取/書込ドライブ8bは、メモリースティック8aなどの第2の外部記録媒体のデータの読み取り及び書き込みを行う。
【0041】
画像処理部23は、液晶ディスプレイ2で表示するゲームや映画等の画像を生成処理する。特に、本実施形態においては、後述の遊技機導入シミュレーション実行中の各種画面画像を生成する。
【0042】
音声処理部24は、左右スピーカ6a,6bを用いて出力するゲーム演出音声や映画の音声や音楽等の各種サウンドを生成する。特に、本実施形態においては、後述の遊技機導入シミュレーション実行中の各種サウンドを生成する。
【0043】
操作入力処理部25は、各種操作部材から構成される操作入力装置との間での信号の授受を行うためのI/Oポートである。
【0044】
通信処理部26は、ワイヤレスLANアクセス機能を用いて通信処理を行う。
【0045】
外部ACアダプタやバッテリーパック9aからの電力は、電源供給インタフェース部9bを介して携帯型ゲーム装置1の上記各部材に供給される。
【0046】
図3は、CPU20がUMD7aに記録される本発明に係るプログラムを実行することにより実現される収支計測装置D1の機能ブロック図である。
【0047】
図中、遊技機導入シミュレート実行部30は、後述のトップ画面2AでSTARTボタン3が押下された場合に、現実の遊技機(例えば、新台)を遊技店舗に複数導入したときの仮想的な稼働状況を所定の条件に基づいてシミュレートし、そのシミュレートの結果を液晶ディスプレイ2に表示する処理を実行するものであり、台数指定受付部31a、抽選回数受付部31b、設定値受付部31c、確認画面表示部31d及び計測条件記録部31eを有する計測条件設定部31と、複数の遊技処理部33−1〜33−n、6つの抽選テーブル34−1〜34−6及び計測画面表示部35を有する計測処理部32と、集計算出部36a、詳細結果表示部36b、総合結果表示部36c及び比較結果表示部36dを有する集計表示部36から構成されている。
【0048】
次に、図5(a)に示すトップ画面2Aにおいて、STARTボタン3が押下された場合に、実行される遊技機導入シミュレーションについて説明する。
【0049】
なお、以下に説明する遊技機導入シミュレーションは、遊技店舗に現実の遊技機(特に、新台)を導入した場合の稼働状況を所定の条件に基づいてシミュレートし、そのシミュレートの結果を表示画面に表示する処理を実行するものであり、より具体的には、指定された計測条件に従って複数の遊技機の稼働状況をシミュレートし、その結果(全体一覧結果、台ごとの詳細結果、全台の総合詳細結果、2台の詳細を比較する比較結果)を表示画面に表示する処理を行うものである。
【0050】
図4は、上記遊技機導入シミュレーションの進行中において、本発明のプログラムに従って実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
本発明に従うプログラムを格納したUMD7aをディスクホルダー部7にセットして携帯型ゲーム装置1のPOWER HOLDスイッチ14が投入されると、遊技機導入シミュレート実行部30が動作し、図5(a)に示すトップ画面2Aが液晶ディスプレイ2に表示される(ステップS101)。この状態においてSTARTボタン3が押下されると計測条件設定部31の台数指定受付部31aが動作し、図5(b)に示す台数指定画面2Bが液晶ディスプレイ2に表示され、操作者(遊技機メーカーの営業担当者或いは遊技店舗の遊技機購入担当者)による試行台数R(シミュレートする遊技機の台数)の指定が受け付けられる(ステップS102)。
【0052】
図示のように、台数指定画面2Bは、試行台数Rを指定する為の台数指定欄2Baを画面中央に備え、操作者の方向キー4及び○ボタン5aの操作に対応して試行台数Rの指定(例えば、1台〜64台の範囲内で任意に指定できるものとすることができる)及びその決定を行うことが可能となっている。すなわち、操作者が台数指定欄2Baに表示される数値を方向キー4の上下方向の操作で調整して、所望の数値が表示されている状態で○ボタン5aを押下することにより、その数値が試行台数Rとして計測条件記録部31eに記録される。
【0053】
また、図示の台数指定画面2Bでは、台数指定欄2Baの上下に、選択可能な数値の上限及び下限を操作者に認識させる為の矢印が表示されている。すなわち、台数指定欄2Baに、上限値「64」が表示されている場合には、下向き矢印のみを点滅表示させ、下限値「1」が表示されている場合には、上向き矢印のみを点滅表示させることでそれぞれの数値が上限又は下限であることを操作者が認識できるように、また、それ以外の数値(上限と下限の中の数値)が表示されている場合には上下両方の矢印を点滅表示させることで台数指定欄2Baの数値の増分及び減分がともに可能であることを操作者が認識できるようにしている。なお、本実施形態の台数指定画面2Bのデフォルト状態では、図示のように「16」の数値が台数指定欄2Baに表示されるようになっている。
【0054】
ステップS102における試行台数Rの受付が完了すると、抽選回数受付部31bが動作し、図5(c)に示す抽選回数指定画面2Cが液晶ディスプレイ2に表示され、後述の計測処理(ステップS106)において各遊技処理部が実行することになる抽選の反復数(現実の遊技機におけるプレイ数に対応する)である抽選回数Nの指定が受け付けられる(ステップS103)。
【0055】
図示のように、抽選回数指定画面2Cは、上記抽選回数Nを指定する為の抽選回数指定欄2Caを画面中央に備えており、操作者は、方向キー4により抽選回数指定欄2Caの数値を増減(例えば、「1000」、「2000」、「3000」、「4000」、「5000」、「6000」、「7000」の7種類の数値間で段階的に増減可能とすることができる)させた後に○ボタン5を操作することにより抽選回数Nを指定することが可能である。上記○ボタン5の操作があった場合には、そのときの抽選回数表示欄2Caの数値が抽選回数Nとして確定し、計測条件記録部31eに記録される。
【0056】
なお、本実施形態の抽選回数指定画面2Cは、デフォルト状態では、図示のように「7000」の数値を抽選回数表示欄2Caに表示させるようになっており、また、選択可能な抽選回数Nの上限及び下限を操作者が認識できるようにする為に、前述の台数指定画面2Bと同様の態様で点滅動作を行う矢印が表示される。
【0057】
ステップS103における抽選回数Nの受付が完了すると、次いで、設定値受付部31cが動作し、図5(d)に示す設定値指定画面2Dが液晶ディスプレイ2に表示され、各遊技処理部についての設定値の割振り(設定値ごとの仮想遊技機の台数)の指定が受け付けられる(ステップS104)。
【0058】
なお、ここでいう設定値は、現実の遊技機における設定値(ビッグボーナスなどの入賞役の当選確率を示す指標)に対応するものであり、現実の遊技機の場合と同様、「1」〜「6」のいずれかから指定することが可能となっている。
【0059】
図示のように、設定値指定画面2Dは、設定値ごとの遊技処理部の個数を指定する為の設定台数指定欄2Da〜2Dfを画面中央に、その割振りに応じた平均設定値を表示する為の平均設定表示欄2Dgを画面右下付近に備えており、操作者は、方向キー4でカーソルC1を移動させた後に○ボタン5aを押下することでいずれかの設定台数指定欄2Da〜2Dfを選択することができ、方向キー4を上下方向に操作することで選択した設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値を増減させることができる。上記による各数値の入力の後にSTARTボタン3が操作されると、各設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値が確定し、これが各設定値についての遊技処理部の個数として計測条件記録部31eに記録される。また、設定値指定画面2Dにおいて△ボタン5dが操作された場合には、各設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値がデフォルト状態に復帰する。
【0060】
なお、設定値指定画面2Dは、デフォルト状態では設定値が「4」の設定台数表示欄2DdにステップS102で指定した試行台数Rを表示するようになっており、その後の操作によりいずれかの設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値が変更された場合には、各設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値の合計がステップS102で指定した試行台数Rに一致するように他の設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値が変動するようになっている。
【0061】
具体的には、設定値受付部31cは、いずれかの設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値が「1」増分される毎に、最も大きい数値が表示される他の設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値を「1」減分させ、いずれかの設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値が「1」減分される毎に、最も小さい数値が表示される他の設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値を「1」増分させる。例えば、図5(d)の表示状態において、設定値「1」の設定台数表示欄2Daの数値が方向キー4への操作により「1」→「2」→「3」・・・と増分されると、その増分に対応して設定値「4」の設定台数表示欄2Ddの数値が「64」→「63」→「62」→「61」・・・と減分される。なお、最も大きい数値又は最も小さい数値が複数ある場合には、設定値の低い方の設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値が増減の対象となる。
【0062】
従って、操作者は、設定値ごとの割振りを指定する際に、台数指定画面2Bで指定した試行台数Rと設定台数指定欄2Da〜2Dfの数値の合計値とが不一致となることに気を掛けることなくステップS104における指定操作を行うことが可能である。
【0063】
ステップS104における設定値指定の受付が完了すると、次いで、確認画面表示部31dが動作し、図5(e)に示す確認画面2Eが液晶ディスプレイ2に表示される(ステップS105)。
【0064】
図示のように、確認画面2Eにおいては、前述の台数指定画面2B、抽選回数指定画面2C及び設定値指定画面2Dで設定した試行台数R、設定内訳、抽選回数Nの計測条件が一覧表示されるため、操作者は、確認画面2Eの表示によりステップS102〜S104における設定を確認することができる。なお、操作者がこの確認画面2Eにおいて○ボタン5aを押下すると、計測条件記録部31eに記録された計測条件(試行台数R、設定値の割り振り、抽選回数N)が計測処理部32に通知され、計測処理部32による計測処理が実行される(ステップS106)。
【0065】
この計測処理においては、遊技処理部33−1〜33−nによる遊技処理及び計測画面表示部35による集計データの表示処理が平行して実行される。
【0066】
ここで、遊技処理部33−1〜33−nは、現実の遊技機(シミュレートの対象となる遊技機)と同様の乱数を発生させ、これをそれぞれの遊技処理部33−1〜33−nに割り振られた抽選テーブル34−1〜34−6に照らし合わせることにより各種入賞役の当否判定を行うとともに、抽選の実行回数に応じた投入数と当該抽選の結果、当選の判定がなされた入賞役に応じた払出数を導出することを内容とする遊技処理を実行するものである。また、各遊技処理部33−1〜33−nには、「1」から開始する連番の台番号(遊技処理部の個数が64である場合には、「1」〜「64」の台番号)が付与されており、ステップS106の計測処理では、台番号が若いものからステップS102において受け付けられた試行台数Rと同数の遊技処理部33−1〜33−Rが上記遊技処理を所定の頻度で繰り返して実行するようになっている。遊技処理部33−1〜33−Rにより導出される時々刻々の投入数及び払出数、或いはこれらに加えてビッグボーナスの当選回数などの情報は、計測画面表示部35及び集計算出部36aに送信される。
【0067】
各遊技処理部33−1〜33−nへの抽選テーブル34−1〜34−6の割り振りの具体的態様を図5(e)の設定(「設定1」〜「設定5」がそれぞれ10個、「設定6」が14個と設定されている)を例として説明すれば、台番号の若い遊技処理部から順に、台番号「1」〜「10」の遊技処理部33−1〜33−10には「設定1」に対応する抽選テーブル34−1が割り振られ、台番号「11」〜「20」の遊技処理部33−11〜33−20には「設定2」に対応する抽選テーブル34−2が割り振られ、台番号「21」〜「30」の遊技処理部33−21〜33−30には「設定3」に対応する抽選テーブル34−3が割り振られ、台番号「31」〜「40」の遊技処理部33−31〜33−40には「設定4」に対応する抽選テーブル34−4が割り振られ、台番号「41」〜「50」の遊技処理部33−41〜33−50には「設定5」に対応する抽選テーブル34−5が割り振られ、台番号「51」〜「64」の遊技処理部33−51〜33−64には「設定6」に対応する抽選テーブル34−6が割り振られる。
【0068】
なお、上記抽選テーブル34−1〜34−6は、それぞれ前述の設定値「1」〜「6」に対応して参照されるテーブルであって、遊技処理部33−1〜33−nが発生させる乱数と、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを始めとする各種入賞役の当否との対応関係を現実の遊技機(シミュレートの対象となる遊技機)と同様の態様で規定したものである。
【0069】
計測画面表示部35は、遊技処理部33−1〜33−Rにより時々刻々導出される投入数や払出数などに基づいて各種の集計データを算出し、これを液晶ディスプレイ2に表示させる。
【0070】
上記のように、遊技処理部33−1〜33−nでは、現実の遊技機と同様の態様で発生させた乱数を現実の遊技機と同様の態様で入賞役の当選確率が規定される抽選テーブル34−1〜34−6に照らし合わせて入賞役の当否判定が行われるため、現実の遊技機での抽選と同様の確率処理に従った抽選が実現されることになる。
【0071】
図6(a)は、計測画面表示部35により液晶ディスプレイ2に表示される計測中画面2Fの一例を示す説明図である。
【0072】
図示のように、計測中画面2Fは、試行台数Rと同数の遊技処理部33−1〜33−Rのそれぞれについての各種の集計データを表示する情報ブロックBを台番号の若い順に配列して表示するものであり、各情報ブロックBは、各遊技処理部33−1〜33−Rについての台番号、設定値、投入数の積算値、払出数の積算値及び投入数の積算値から払出数の積算値を差し引いた差分である差引枚数をそれぞれ示す「台番号」情報項目B1、「設定値」情報項目B2、「投入枚数」情報項目B3、「払出枚数」情報項目B4及び「差引枚数」情報項目B5を備えている。
【0073】
なお、図示の計測中画面2Fでは、単一のページに最大32個の情報ブロックB(横8×縦4)を表示できるようになっており、ステップS102で設定された試行台数Rが32を超過する場合には、その超過分は次ページに表示する構成とされている。
【0074】
計測中画面2Fでは、×ボタン5bの操作により計測処理を中止させることが可能であり、当該操作の入力があった場合には、計測処理部32はステップS202における遊技処理及び計測中画面2Fの表示処理を中止し、ステップS101に処理を復帰させる。
【0075】
各遊技処理部33−1〜33−RにおいてステップS103で設定された抽選回数Nと同数の遊技処理が実行されると、計測処理部32はステップS106を終了させ、処理をステップS107に移行させる。
【0076】
ステップS107では、ステップS106において遊技動作を実行した各遊技処理部33−1〜33−Rから送信される情報に基づいて、集計算出部36aが各遊技処理部についての集計データ(N回の抽選に渡る投入数の積算値Tsである「投入枚数」、N回の抽選に渡る払出数の積算値Hsである「払出枚数」、TsからHsを差し引いた差分Ssである「差引枚数」など)を導出し、図6(b)に示す計測結果画面2Gを液晶ディスプレイ2に表示させる。
【0077】
図示のように、計測結果画面2Gは、上記各集計データ(台番号、設定値及びTs、Hs、Ss)を表示する情報ブロックが前述の計測中画面2Fと同様の態様で配列されて表示されており、遊技店舗の遊技機購入担当者は、この計測結果画面2Gにより、遊技機を現実に導入した場合の仮想的な稼働状況の確認を行うことが可能である。
【0078】
また計測結果画面2Gは、上記に加えて各情報ブロックBを選択する為のカーソルC2を備えており、方向キー4、○ボタン5a、△ボタン5d及び□ボタン5cの操作に応答してそれぞれ異なる態様で集計データの表示を行い得るようになっている。
【0079】
即ち、計測結果画面2GにおけるカーソルCを用いていずれかの台番号の情報ブロックBを選択した状態で○ボタン5が操作された場合には、詳細結果表示部36bが動作して図6(c)に示す詳細結果画面2Hが液晶ディスプレイ2に表示させる(ステップS108)。
【0080】
図示のように詳細結果画面2Hには、「台番号」、「投入枚数(Ts)」、「払出枚数(Hs)」、「差引枚数(Ss)」など、計測中画面2F或いは計測結果画面2Gの情報ブロックBと同様の集計データに加えて、「設定値」、「プレイ回数(抽選回数N)」、「投入金額(投入数の積算値が50の倍数を越える毎に1000ずつ加算されることで導出される値)」、「出玉率(=(Hs+リプレイ役の当選回数×3)÷(Ts+リプレイ役の当選回数×3)×100)」、ベース(=(Hs+リプレイ役の当選回数×3−ボーナスゲームでの払出数の積算値)÷(Ts+リプレイ役の当選回数×3−ボーナスゲームでの払出数の積算値)×100)」、「割数(=[投入金額−{(Ts−Hs)×20}÷投入金額]×10)」、「BB(ボーナス役である「赤7」役及び「青7」役の合計成立回数)」、「赤7:青7(ボーナス役である「赤7」役及び「青7」役の個々の成立回数)」等などの追加的なデータが表示されており、集計データをより詳細な態様で確認することができる。
【0081】
計測結果画面2Gにおいて△ボタン5dが押下された場合には、総合結果表示部36cが動作して図6(d)に示す総合結果画面2Iが液晶ディスプレイ2に表示される(ステップS109)。
【0082】
図示のように、総合結果画面2Iは、詳細結果画面2Hと同様の集計データを表示するものであるが、詳細結果画面2Hでは計測結果画面2GにおいてカーソルC2により選択された特定の台番号の遊技処理部33−1〜33−Rについての集計データが表示されるのに対して、総合結果画面2Iは、ステップS106において遊技動作を行った全ての遊技処理部33−1〜33−Rについて総合的に集計された「台番号」、「プレイ数」、「設定値」、「投入枚数」、「払出枚数」、「差引枚数」、「投入金額」、「出玉率」、「ベース」、「割数」、「BB」及び「赤7:青7」が表示される。
【0083】
計測結果画面2Gにおいて□ボタン5cが押下されると、比較結果表示部36dが動作し、順次液晶ディスプレイ2に表示される図6(e)及び(f)の選択画面2J及び2KにおいてそれぞれカーソルC3及びC4により選択された2つの台番号の遊技処理部33−1〜33−Rについての集計データを示す比較結果画面2Lが、図6(g)に示す態様で表示される。
【0084】
図示のように、比較結果画面2Lは、上記により選択された2つの遊技処理部33−1〜33−Rについての詳細結果画面2Hに表示されると同様の集計データを左右に並べて表示するものであり、例えば、同じ設定値が割り振られた2つの遊技処理部の集計データを横並びで比較し、或いは異なる設定値が割り振られた2つの遊技処理部の集計データを横並びで比較するなど、様々な態様で遊技機の仮想的な稼働状況の比較を行うことができる。
【0085】
なお、本実施形態に係る収支計測装置D1は、一般のプレイヤが遊技を行うゲーム装置とは異なり、遊技機の稼働状況を数値で確認することを目的とする装置であるため、液晶ディスプレイ2に表示される各画面2A〜2Lには図示のようなシンプルな構成を採用することができ、更には、背景色を黒色、テキストやカーソルを白色で表示するなど、各画面2A〜2Lにおける配色もシンプルなものとすることができる。ただし、計測中画面2F、計測結果画面2G、詳細結果画面2Hにおける「差引枚数」については、プラスの数値である場合(遊技店舗が黒字になっている場合)には青色で、マイナスの数値である場合(遊技店舗が赤字になっている場合)には赤色で表示させるなどにより、収支を一見して判断できる態様で表示することも可能である。また、選択画面2J及び2KにおけるカーソルC3、C4は、それぞれ1回目の選択か、2回目の選択かの区別ができるように、それぞれ異なる色彩で表示することが可能である。
【0086】
上記の第1の実施形態においては、単一機種の遊技機の稼働状況をシミュレートする収支計測装置D1について説明したが、以下では、第2の実施形態として、複数種類の遊技機(新台や既存の遊技機)の稼働状況を同時にシミュレートできる収支計測装置D2について説明する。
【0087】
図7は、第2の実施形態に係る収支計測装置D2が備える遊技導入シミュレート実行部300の機能ブロック図を示す説明図である。
【0088】
図示のように、遊技機導入シミュレート実行部300は、計測条件設定部310が機種選択画面表示部310fを追加的に備えている点、及び、計測処理部320が、それぞれ複数の遊技処理部330−1〜330−n及び6つの抽選テーブル340−1〜340−6を備える複数の機種別処理部370−1〜370−Mを備える点において収支計測装置D1の遊技機導入シミュレート実行部30と相違している。
【0089】
図8は、第2の実施形態に係る収支計測装置D2の動作を示すフローチャートである。
【0090】
携帯型ゲーム装置1のPOWER HOLDスイッチ14により電源がONにされると、遊技機導入シミュレート実行部300が動作し、収支計測装置D1のステップS101と場合と同様のステップS201が実行され、STARTボタン3の操作が行われると機種選択画面表示部310fが動作し、図9(a)に示す機種選択画面20Aが液晶ディスプレイ2に表示される(ステップS202)。
【0091】
図示されるように、機種選択画面20Aは、遊技機の種類を指定する為の機種選択表示欄20Aaを画面中央に備え、方向キー4,○ボタン5a,STARTボタン3の操作に応答して操作者がシミュレートすることを希望する遊技機の機種選択及び決定を行うことが可能となっている。すなわち、方向キー4の上下方向操作により機種選択表示欄20AaにおけるカーソルC5を上下に移動させることができ、○ボタン5aを操作することでカーソルC5が位置するチェックボックスにチェックマーク(レ)を表示させることができる。そして、上記操作の後にSTARTボタン3が押下されると、チェックマークが表示された1又は複数の機種がシミュレートする遊技機の機種として計測条件記録部310eに記録される。
【0092】
ステップS202における機種選択が完了すると、台数指定受付部310aが動作し、図9(b)に示す台数指定画面20Bが液晶ディスプレイ2に表示され、各機種についての試行台数Rの指定が受け付けられる(ステップS203)。
【0093】
図示されるように、台数指定画面20Bには、ステップS202において指定された各機種についての台数指定欄20Ba、20Bbが表示されており、方向キー4及び○ボタン5aの操作により機種別に試行台数Rの指定及び決定を行うことが可能となっている。台数指定画面20Bでは、方向キー4への左右方向の操作によりカーソルC5を各台数指定欄20Ba、20Bbの間で移動させることができ、方向キー4への上下方向の操作で当該カーソルC5が位置する台数指定欄20Ba、20Bbの数値を増減できるようになっているが、この点を除いて台数指定画面20Bにおける操作は、収支計測装置D1における台数指定画面2Bの場合と同様である。
【0094】
なお、台数指定画面20Bにおける各機種についての試行台数Rの指定可能範囲は任意の態様で定めることができるが、例えば、各機種についての試行台数Rの合計値に上限(例えば、64)を定めておき、当該合計値の上限を選択された機種数で除した値の整数部分を各機種についての試行台数Rの上限とすることができる。具体的には、上記合計値の上限が「64」であれば、選択された機種数が「2」の場合には、各機種についての試行台数Rの上限を「32(=64÷2)」として「1〜32」の範囲で試行台数Rの受付を行い、選択された機種数が「3」の場合には、各機種についての試行台数Rの上限を「21(=64÷3の整数部)として「1〜21」の範囲で試行台数Rの受付を行うことが可能である。
【0095】
ステップS203における試行台数Rの受付が完了すると、抽選回数受付部310bが動作し、図9(c)に示す抽選回数指定画面20Cが液晶ディスプレイ2に表示され、抽選回数Nの指定が受け付けられる(ステップS204)。ステップS204における処理の内容は、収支計測装置D1におけるステップS103と同様である。
【0096】
ステップS204における抽選回数Nの受付が完了すると、設定値受付部310cが動作し、図9(d)に示す設定値指定画面20Dが液晶ディスプレイ2に表示され、操作者による各機種についての設定値の割振りの受付が行われる(ステップS205)。
【0097】
図示される設定値指定画面20Dは、ステップS202において選択されたいずれかの機種(機種1)についての設定値毎の割振りを入力するための画面であり、方向キー4を左右方向に操作することで、他の機種についての設定値毎の割振りを入力するための同様の画面に切り替えることができる。設定値指定画面20Dにおけるその他の操作は、収支計測装置D1における設定値指定画面2Dの場合と同様である。
【0098】
ステップS205における受付が完了すると、確認画面表示部310dが動作し、図9(e)に示す確認画面20Eが液晶ディスプレイ2に表示される(ステップS206)。確認画面20Eの表示内容は、収支計測装置D1における確認画面2Eの場合と同様であるが、確認画面20Eでは、方向キー4の左右方向への操作によって他の機種についての計測条件を表示することが可能となっている。
【0099】
確認画面20Eにおいて○ボタン5aの操作が行われると、計測処理部320が動作し、機種別処理部370−1〜370−MのうちのステップS202において指定された機種に対応する機種別処理部による遊技処理及び計測結果表示部350による集計データの表示処理を内容とする計測処理(ステップS207)が実行される。
【0100】
ここで、機種別処理部370−1〜370−Mがそれぞれ備える遊技処理部330−1〜330−nは、ステップS202において選択可能な機種の現実の遊技機と同様の態様で乱数を発生させ、これをそれぞれの抽選テーブル340−1〜340−6に照らし合わせることによる入賞役の当否判定、並びに、投入数及び払出数の導出を内容とする遊技処理を実行する。なお、各機種別処理部370−1〜370−Mにおける遊技処理部330−1〜330−nの動作内容及び遊技処理部330−1〜330−nへの抽選テーブル340−1〜340−6の割り振りは、収支計測装置D1の遊技処理部について上記したと同様である。また、各機種別処理部370−1〜370−Mにおける抽選テーブル340−1〜340−6には、ビッグボーナスなどの入賞役の当選確率が、それぞれ対応する現実の遊技機と同様の態様の態様で規定されている。
【0101】
計測画面表示部350は、各機種別処理部370−1〜370−Mの遊技処理部330−1〜330−nにより時々刻々導出される投入数や払出数などに基づいて各種の集計データを算出し、これを液晶ディスプレイ2に表示させる。
【0102】
図10(a)は、計測画面表示部350により液晶ディスプレイ2に表示される計測中画面20Fの一例を示す説明図である。
【0103】
図示のように、計測中画面20Fは、配列された情報ブロックがどの機種についての集計データであるかを表示するための機種指示表示20Faを有する点を除いて、計測中画面2Fと同様の構成を有している。
【0104】
各機種別処理部370−1〜370−Mの各遊技処理部330−1〜330−RによるステップS203で設定された抽選回数Nと同数の遊技処理が完了すると、計測処理部320は計測処理を終了させ、処理をステップS208に移行させる。
【0105】
ステップS208では、集計算出部360aが収支計測装置D1におけるステップS107と同様の処理により集計データの導出を行い、導出された集計データを図10(b)に示す計測結果画面20Gにおいて表示させる。
【0106】
図示のように、計測結果画面20Gでは、ステップS208における各集計データ(台番号、設定値及びTs、Hs、Ss)を表示する情報ブロックが計測中画面20Fと同様の態様で配列されていることに加えて、計測中画面20Fにおける機種指示表示20Faと同様の表示を備えており、遊技店舗の遊技機購入担当者は、この計測結果画面20Gにより、遊技機を現実に導入した場合の仮想的な稼働状況を機種別に確認することが可能である。
【0107】
また計測結果画面20Gにおいて方向キー4、○ボタン5a、△ボタン5d、□ボタン5cなどへの操作が行われた場合には、計測結果画面2Gの場合と同様、詳細結果表示部360b、総合結果画面表示部360c及び比較結果表示部360dが動作し、それぞれ詳細結果画面20H、総合結果画面20I及び比較結果画面20Lの表示が行われるようになっている。
【0108】
図10(c)は、計測結果画面20Gにおいていずれかの情報ブロックをカーソルC10により選択した状態で○ボタン5aが操作された場合に表示される詳細結果画面20Hであり、その画面構成は、選択した情報ブロックに対応する機種を表示するための機種指示表示20Hbが追加的に表示される点を除いて詳細結果画面2Hと同様である。
【0109】
図10(d)は、計測結果画面20Gにおいて△ボタン5dが操作された場合に表示される総合結果画面20Iである。
【0110】
この総合結果画面20Iは、ステップS207において遊技動作を行った全ての遊技処理部について総合的に集計された「設定値」、「投入枚数」、「払出枚数」、「差引枚数」、「投入金額」、「出玉率」、「ベース」、「割数」、「BB」及び「ボーナス役の成立回数」を収支計測装置D1における総合結果画面2Iと同様の態様で表示する総合結果表示欄20Iaに加え、ステップS207において遊技動作を行った全ての遊技処理部のうちの特定の機種に対応する機種別処理部370−1〜370−Mの遊技処理部についてのみ集計がなされた「設定値」、「投入枚数」、「払出枚数」、「差引枚数」、「投入金額」、「出玉率」、「ベース」、「割数」、「BB」及び「ボーナス役の成立回数」を表示する機種別総合結果表示欄20Ibを備えている。なお、総合結果表示欄20Ia及び全ての機種についての機種別総合結果表示欄20Ibを1画面内に表示できない場合には、方向キー4への操作などにより、他の機種についての機種別総合結果表示欄20Ibを切り替えて表示させるように構成することが可能である。
【0111】
計測結果画面において□ボタン5cが操作された場合には、比較結果表示部360dが動作し、順次液晶ディスプレイ2に表示される図10(e)及び(f)の選択画面20J及び20KにおいてそれぞれカーソルC11及びC12により選択された2つの台番号の遊技処理部についての集計データを表示する比較結果画面20Lが図10(g)に示す態様で表示される。
【0112】
比較結果画面20Lは、表示されるデータがどの機種のものであるかを表示するための機種指示表示20La、20Lbを有する点を除いて、比較結果画面2Lと同様の構成を有している。
【0113】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0114】
例えば、上記実施形態では、家庭用の携帯型ゲーム装置に本発明を適用した収支計測装置を例として説明したが、携帯電話機やノート型PCやPDA等の他の携帯情報端末に本発明を適用することで収支計測装置を実現することも可能である。
【0115】
また、上記実施形態では、回胴式遊技機の稼働状況をシミュレートする収支計測装置、そのプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を例として説明したが、本発明は、弾球遊技機など他の遊技機の稼働状況をシミュレートする収支計測装置、そのプログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成することも可能である。
【0116】
また、上記実施形態における計測条件の種類、集計として表示されるデータの種類、各画面の構成などは単なる例示であり、例えば、抽選の回数、遊技処理手段の数及び設定値のいずれかを固定値とし、或いは操作入力手段から指定されるこれら以外の計測条件に従って遊技機の稼働状況のシミュレートを行うことが可能であり、上記実施形態において例示した以外の集計データの表示を行うよう構成することが可能であり、上記実施形態において数値により表示される集計データの全部又は一部をグラフなどの他の形式で表示するよう構成するなどが可能である。
【0117】
また、上記実施形態では、設定値ごとの遊技処理手段の個数を指定することで設定値の割り振りが行われる場合について説明したが、操作入力手段からの入力に従って、個々の遊技処理手段の設定値を個別に指定することで設定値の割り振りが行われるよう構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る収支計測装置の外観構成を示す説明図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る収支計測装置のシステム構成を示す説明図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る収支計測装置において実現される機能ブロックを示す説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る収支計測装置における処理動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る収支計測装置における画面表示例を示す説明図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る収支計測装置における画面表示例を示す説明図。
【図7】第2の実施形態に係る収支計測装置の機能ブロックを示す説明図。
【図8】第2の実施形態に係る収支計測装置における遊技機導入シミュレーション実行時の処理動作を示すフローチャート。
【図9】第2の実施形態に係る収支計測装置における画面表示例を示す説明図。
【図10】第2の実施形態に係る収支計測装置における画面表示例を示す説明図。
【符号の説明】
【0119】
D1、D2・・・収支計測装置、1・・・携帯型ゲーム装置、2・・・液晶ディスプレイ、3・・・STARTボタン、4・・・方向キー、5a〜5d・・・ボタン、6a、6b・・・スピーカ部、7・・・ディスクホルダー部、7a・・・UMD、7b・・・外部記録媒体読取ドライブ、8・・・メモリ挿入口、8a・・・メモリースティック、8b・・・外部記録媒体読取/書込ドライブ、9・・・バッテリーカバー、9a・・・バッテリーパック、10a・・・Rボタン、10b・・・Lボタン、11・・・OPENスイッチ、12・・・赤外線ポート、13・・・DC端子、14・・・POWER HOLDスイッチスイッチ、15・・・ワイヤレスLANスイッチ、20・・・CPU、21・・・ROM、22・・・RAM、22a・・・ゲームプログラム記録領域、22b・・・ゲーム進行データ記録領域、23・・・画像処理部、24・・・音声処理部、25・・・操作入力処理部、26・・・通信処理部、27・・・システムバス、30・・・遊技機導入シミュレート実行部、31・・・計測条件設定部、31a・・・台数指定受付部、31b・・・抽選回数受付部、31c・・・設定値受付部、31d・・・確認画面表示部、31e・・・計測条件記録部、32・・・計測処理部、33−1〜33−n・・・遊技処理部、34−1〜34−6・・・抽選テーブル、35・・・計測画面表示部、36・・・集計表示部、36a・・・集計算出部、33b・・・詳細結果表示部、33c・・・総合結果表示部、33d・・・比較結果表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者による操作を受け付ける操作入力装置と、
情報を表示する表示装置とを備え、
現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートする携帯型の収支計測装置であって、
所定の頻度で抽選を実行し、前記抽選の回数に応じた投入数及び前記抽選の結果に応じた払出数の導出を行う複数の遊技処理手段と、
それぞれの前記遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計を前記表示装置に表示する集計表示手段とを備えることを特徴とする収支計測装置。
【請求項2】
前記遊技処理手段は、現実の遊技機と同一の確率処理に従って前記抽選を実行することを特徴とする請求項1に記載の収支計測装置。
【請求項3】
前記操作入力装置への操作に基づいて、前記遊技処理手段により実行される抽選の回数、前記遊技処理手段の数及び/又は設定値の指定を受け付ける計測条件設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の収支計測装置。
【請求項4】
前記集計表示手段は、前記操作入力操作への操作に基づいて、前記複数の遊技処理手段のうちの一の遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計と、他の遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計とを表示装置上において並べて表示させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の収支計測装置。
【請求項5】
前記操作入力装置への操作に基づいて、前記遊技処理手段のそれぞれについて遊技機の種類の選択を受け付ける機種選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の収支計測装置。
【請求項6】
操作者による操作を受け付ける操作入力装置と、
情報を表示する表示装置とを備え、
現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートする携帯型の収支計測装置において解釈実行されるプログラムであって、
複数の遊技処理手段に、所定の頻度での抽選と、前記抽選の回数に応じた投入数及び前記抽選の結果に応じた払出数の導出とを実行させる遊技処理手順と、
それぞれの前記遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計を前記表示装置に表示する集計表示手順とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
操作者による操作を受け付ける操作入力装置と、
情報を表示する表示装置とを備え、
現実の遊技機の稼働状況を所定の計測条件に基づいてシミュレートする携帯型の収支計測装置において解釈実行されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
複数の遊技処理手段に、所定の頻度での抽選と、前記抽選の回数に応じた投入数及び前記抽選の結果に応じた払出数の導出とを実行させる遊技処理手順と、
それぞれの前記遊技処理手段により導出される前記投入数及び前記払出数の集計を前記表示装置に表示する集計表示手順とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−6078(P2008−6078A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−179666(P2006−179666)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】