説明

取引処理装置

【課題】取引処理の終了時に放出する媒体が、利用者以外の者に詐取される危険性を低減し、セキュリティを向上させるとともに、使い勝手のよい取引処理装置を提供する。
【解決手段】ATM1は、取引処理の終了時に、この取引処理にかかる各種媒体を一定時間毎、または先に放出した媒体が抜き取られる毎に、1つずつ順番に放出する。このため、利用者が媒体の受け取りにまごついて、慌てるのを防止できる。また、取引処理の終了時に放出する媒体が、利用者以外の者に詐取される危険性が低減できるとともに、使い勝手の向上が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、操作者である利用者の操作に基づいて、入金取引や出金取引等の取引を処理し、この取引にかかるカード、通帳、伝票、硬貨、紙幣等の各種媒体を放出するATM等の取引処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の操作に基づいて、入金取引、出金取引、振込取引、振替取引等、様々な種類の取引が行える取引処理装置、所謂ATM、があった。銀行等の金融機関では、ATMを設置することにより、利用者の利便性の向上を図っている。ATMは、取引を開始するときに、カードや通帳等を必要に応じて受け付け、取引の終了時にカード、通帳、伝票、紙幣、硬貨等を必要に応じて放出する。ATMは、カードや通帳に記録されている磁気データや電子データ、さらには利用者が入力したデータ等に基づいて利用者を特定する。また、偽造カードや盗難・紛失カードを用いた、なりすまし等の犯罪や、個人情報の漏洩に対するセキュリティを確保するために、取引時における利用者の操作内容が他人に見られない構成を採用したATMも提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−155219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のATMは、取引の終了時における、カード、通帳、伝票、紙幣、硬貨等の各種媒体を、略同じタイミングで一斉に放出する構成であった。このため、利用者が、一斉に放出された複数種類の媒体の受け取りにまごついて、慌てることがあった。その結果、利用者が、放出された媒体のいずれかの媒体について受け取るのを忘れ、ATMから離れることがあった。従来の一般的なATMは、利用者が受け取るのを忘れた媒体を本体内部に回収する構成を備えているが、利用者が受け取るのを忘れた媒体が、この構成により回収される前に他人に詐取されてしまう危険性があった。また、利用者が、取引の終了時に放出された通帳や伝票等を受け取り、その記載内容を確認している間に、すでに放出されている紙幣や硬貨が他人に詐取されてしまう危険性もあった。
【0004】
この発明の目的は、取引処理の終了時に放出した媒体が、利用者以外の者に詐取される危険性を低減し、セキュリティを向上させた取引処理装置を提供することにある。
【0005】
また、この発明は、利用者を慌てさせることがなく、使い勝手のよい取引処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の取引処理装置は、上記課題を解決するために、以下の構成を備えている。
【0007】
(1)入力されたデータに基づいて取引を処理する取引処理手段と、
前記取引処理手段が行った取引の終了時に、この取引にかかる各種媒体を、予め定められた一定時間毎に、順番に放出する媒体放出手段と、を備えている。
【0008】
この構成では、取引の終了時に、この取引にかかる各種媒体が一定時間毎に、順番に放出される。したがって、利用者は、媒体が放出される毎に、放出された媒体を順番に受け取ればよい。この一定時間は、数秒程度(2〜3秒程度)の時間にすればよい。これにより、取引の終了時に放出された媒体が、利用者以外の者に詐取される危険性が低減できる。また、利用者が、取引の終了時に放出される各種媒体の受け取りにまごついて、慌てるような事態になるのを防止でき、使い勝手の向上が図れる。
【0009】
(2)入力されたデータに基づいて取引を処理する取引処理手段と、
前記取引処理手段が行った取引の終了時に、この取引にかかる各種媒体を順番に放出する媒体放出手段と、
前記媒体放出手段により放出された媒体毎に、その媒体が本体から抜き取られたかどうかを検知する抜取検知手段と、を備え、
前記媒体放出手段は、先に放出した媒体が、前記抜取検知手段により本体から抜き取られたことが検知された後に、未放出の媒体があれば、前記順番に基づいて次の媒体を放出する手段である。
【0010】
この構成では、取引の終了時に、この取引にかかる各種媒体が、順番に放出される。また、先に放出した媒体が本体から抜き取られるの待って、すなわち利用者が先に放出した媒体を受け取るのを待って、次の媒体を放出する。したがって、取引の終了時に放出された媒体が、利用者以外の者に詐取される危険性が低減できる。また、利用者が、取引の終了時に放出される各種媒体の受け取りにまごついて、慌てるような事態になるのを防止でき、使い勝手の向上が図れる。
【0011】
(3)前記媒体放出手段が放出する各種媒体について、放出する順番を受け付ける受付手段と、を備え、
前記媒体放出手段は、各種媒体を、前記受付手段が受け付けた順番に放出する手段である。
【0012】
この構成では、取引処理の終了時に放出される各種媒体について、その放出される順番を利用者に決めさせることができ、使い勝手の一層の向上が図れる。
【0013】
(4)前記抜取検知手段により先に放出した媒体が本体から抜き取られたことが検知された時点で、前記媒体放出手段が放出していない未放出の媒体があれば、未放出の媒体の中から、次に放出する媒体の選択を受け付ける受付手段を備え、
前記媒体放出手段は、前記受付手段が選択を受け付けた未放出の媒体を放出する手段である。
【0014】
この構成では、未放出の媒体を利用者に確認させながら、次に放出する媒体の選択を受け付けるので、放出する各種媒体を略確実に利用者に受け取らせることができる。
【0015】
(5)前記媒体放出手段は、複数のグループに分割されている各種媒体を、グループ単位で放出する手段である。
【0016】
この構成では、取引の終了時に、各種媒体を1つずつではなく、グループ単位で放出するので、取引の終了時における各種媒体の放出にかかる時間の増加が抑えられ、その結果本体の処理効率の低下を抑えることができる。
【0017】
(6)本体を操作している操作者の有無を検知する操作者検知手段と、
前記媒体放出手段により放出されていない未放出の媒体があるときに、前記操作者検知手段により本体を操作している操作者が検知されなくなった場合、前記媒体放出手段に対して未放出の媒体の放出を制限する放出制限手段と、を備えている。
【0018】
この構成では、本体を操作している操作者、すなわち取引処理を行った利用者、が本体から離れると、未放出の媒体があっても、この未放出の媒体の放出が制限される。したがって、利用者が受け取りを忘れた媒体が、他人に詐取されるという事態が発生するのを、略確実に防止できる。
【0019】
(7)前記媒体放出手段により放出されていない未放出の媒体があるときに、前記操作者検知手段により本体を操作している操作者が検知されなくなった場合、媒体の取り忘れを報知する報知手段を備えている。
【0020】
この構成では、利用者に対して、媒体の受け取りを忘れていることを、速やかに知らせることができる。
【0021】
(8)前記放出制限手段が前記媒体放出手段に対して未放出の媒体の放出を制限した後、所定時間内に前記操作者検知手段により操作者が検知された場合、今回検知された操作者に対して予め定めた種類の特定情報の入力を要求し、ここで入力された特定情報に基づいて、この操作者が前記未放出の媒体を受け取るべき操作者であるかどうかを判定する判定手段を備え、
前記放出制限手段は、前記判定手段が前記未放出の媒体を受け取るべき操作者であると判定した場合に、前記媒体放出手段に対する未放出の媒体の放出制限を解除する手段である。
【0022】
この構成では、利用者が受け取るのを忘れた媒体があることに気がついたときに、その利用者に対して、受け取るのを忘れた媒体を放出することができる。ここで、特定情報は利用者の暗証番号としてもよい。また、利用者がすでに受け取っているカードや通帳に記録されている口座番号等のデータとしてもよい。この場合には、カードや通帳等を再度受け付ける構成とすればよい。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、取引の終了時に放出する媒体が、利用者以外の者に詐取される危険性が低減できる。また、利用者が、取引の終了時に放出される各種媒体の受け取りにまごついて、慌てるような事態になるのを防止でき、使い勝手の向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態であるATMについて詳細に説明する。
【0025】
図1は、この発明の実施形態であるATMの主要部の構成を示すブロック図であり、図2は、このATMの外観を示す図である。この実施形態のATM1は、本体に設けられた各部の動作を制御する制御部2を備えている。また、ATM1は、カードを処理するカード処理部3と、通帳を処理する通帳処理部4と、伝票を発行する伝票発行部5と、紙幣を処理する紙幣処理部6と、硬貨を処理する硬貨処理部7と、入力操作の受け付けや入力操作にかかるガイダンス表示等を行う操作部8と、利用者の有無を検知する利用者検知部9と、センタに設置されたホスト装置(不図示)等の上位装置との通信を制御する通信部10と、を備えている。
【0026】
カード処理部3は、カード挿入口3aから本体に挿入された利用者のカードを本体内部に取り込み、該カードに記録されているデータの読み取りや、該カードに対するデータの書き込みを行う。カード処理部3は、カードを搬送する搬送機構を備えている。カードには、口座番号等のデータが記録されている。また、カード処理部3は、本体内部に取り込んだカードをカード挿入口3aから放出する。カード処理部3は、使用されるカードの種類、例えば磁気カード、接触式ICカード、非接触式ICカード、に応じた構成である。また、カード処理部3は、複数種類のカードに対応する構成であってもよい。さらに、カード処理部3は、カード挿入口3aにおけるカードの挿入検知や、カード挿入口3aにおけるカードの抜き取り検知を行うためのセンサを有している。このセンサは、例えば発光部と受光部とをカードの搬送路を挟んで対向させた透過型のセンサであり、カード挿入口3a付近の本体内部側に設けている。
【0027】
通帳処理部4は、通帳挿入口4aから本体に挿入された利用者の通帳を本体内部に取り込み、該通帳に記録されているデータの読み取りや、該通帳に対するデータの書き込みを行う。通帳処理部4は、通帳を搬送する搬送機構や、通帳の頁を捲る捲り機構を備えている。通帳にも、カードと同様に、口座番号等のデータが記録されている。また、通帳処理部4は、取引の内容を通帳に印字する構成も備えている。また、通帳処理部4は、本体内部に取り込んだ通帳を通帳挿入口4aから放出する。さらに、通帳処理部4は、通帳挿入口4aにおける通帳の挿入検知や、通帳挿入口4aにおける通帳の抜き取り検知を行うためのセンサを有している。このセンサも、例えば発光部と受光部とを通帳の搬送路を挟んで対向させた透過型のセンサであり、通帳挿入口4a付近の本体内部側に設けている。
【0028】
伝票発行部5は、取引の内容を印字した伝票を発行するとともに、この伝票を伝票放出口5aから放出する。伝票発行部5は、伝票放出口5aにおける伝票の抜き取り検知を行うためのセンサを有している。このセンサも、例えば発光部と受光部とを伝票の搬送路を挟んで対向させた透過型のセンサであり、伝票放出口5a付近の本体内部側に設けている。伝票発行部5は、伝票を搬送する搬送機構を備えている。
【0029】
紙幣処理部6は、紙幣投入口6aから投入された紙幣(入金紙幣)や、紙幣投入口6aから放出する紙幣(出金紙幣)について、その真偽や金種を鑑別する紙幣鑑別部を有している。紙幣投入口6aには蓋が設けられており、紙幣処理部6がこの蓋を開閉する。また、この蓋の下には、入金紙幣や出金紙幣を一時的に貯留する貯留部が設けられている。また、紙幣投入口6aから本体に投入され、貯留部に貯留されている入金紙幣を本体内部に取り込んだり、本体内部に設けられたカートリッジに収納されている出金紙幣を貯留部に搬送する紙幣搬送機構を備えている。さらに、紙幣処理部6は、入金紙幣や出金紙幣を貯留する貯留部における紙幣の有無を検知するセンサを有している。このセンサは、例えば発光部と受光部とを、貯留部に貯留される紙幣を挟んで対向する位置に配置した透過型のセンサである。ATM1は、この透過型センサを貯留部における紙幣の幅方向に複数並べている
硬貨処理部7は、硬貨投入口7aから投入された硬貨(入金硬貨)や、硬貨投入口7aから放出する硬貨(出金硬貨)について、その真偽や金種を鑑別する硬貨鑑別部を有している。硬貨投入口7aには蓋が設けられており、硬貨処理部7がこの蓋を開閉する。また、この蓋の下には、入金硬貨や出金硬貨を一時的に貯留する貯留部が設けられている。また、硬貨投入口7aから投入され、貯留部に貯留されている入金硬貨を本体内部に取り込んだり、本体内部に設けられたカートリッジに収納されている出金硬貨を貯留部に搬送する硬貨搬送機構を備えている。さらに、硬貨処理部7は、入金硬貨や出金硬貨を貯留する貯留部における硬貨の有無を検知するセンサを有している。このセンサは、例えば発光部と受光部とを、貯留部に貯留される硬貨を挟んで対向する位置に配置した透過型のセンサである。ATM1は、この透過型のセンサを貯留部の幅方向に複数並べている。
【0030】
操作部8は、表示器8aおよびこの表示器8aの上に設けたタッチパネル8bを有している。操作部8は、操作ガイダンス等を表示器8aにおいて表示するとともに、タッチパネル8bで利用者の入力操作を検知し、当該入力を受け付ける構成である。また、操作部8には、利用者に対してメッセージを音声で出力する音声出力部が設けられている。利用者検知部9は、本体正面に設けられた利用者検知センサ9aを有し、この利用者検知センサ9aにより、本体正面に人がいるかどうか、すなわち利用者がいるかどうか、を検知する。この利用者検知センサ9aは、発光部と、受光部を有する反射型のセンサである。通信部10は、専用回線を介して、接続されている上位装置との通信を制御する。この上位装置とは、例えばセンタに設置されているホスト装置である。ATM1は、専用回線を介して直接上位装置に接続されていてもよいし、他の装置を介して上位装置に接続されていてもよい。
【0031】
また、カード挿入口3a、通帳挿入口4a、伝票放出口5a、紙幣投入口6a、および硬貨投入口7aの近傍には、それぞれフリッカランプ3b、4b、5b、6b、7bが設けられている。フリッカランプ3b、4b、5b、6b、7bは、対応する処理部により、その点灯が制御される。
【0032】
この実施形態のATM1は、取引の終了時に、カード、通帳、伝票、出金紙幣、出金硬貨等の各種媒体を必要に応じて放出する。言い換えれば、カード、通帳、伝票、出金紙幣、出金硬貨の中には、取引の終了時に放出しないものもある。取引の終了時に放出する媒体は、処理した取引の種別や、この取引で使用された媒体等によって決まる。
【0033】
次に、この実施形態にかかるATM1の動作について。図3は、この実施形態にかかるATMの動作を示すフローチャートである。この実施形態のATM1は、取引の終了時に放出する各種媒体について、放出する順番が予め設定されている。ここでは、この順番が、カード、通帳、伝票、出金硬貨、出金紙幣、である場合を例にして説明する。
【0034】
ATM1は、利用者検知部9において利用者を検知すると(s1)、取引内容にかかる入力を受け付ける(s2)。s2では、これから実行する取引に応じて、カード、通帳、入金紙幣、入金硬貨等の媒体の中で必要な媒体の挿入や投入を受け付けるとともに、操作部8において利用者による取引種別の選択にかかる入力や、利用者の暗証番号にかかる入力、出金金額にかかる入力等を必要に応じて受け付ける。このとき、操作部8は、表示器8aに利用者に対する操作ガイダンスや、入力操作画面を表示し、タッチパネル8b上における利用者の押下位置を検知することで、利用者の入力操作を検知する。
【0035】
ATM1は、s2で今回の取引を行うにあたり、必要な媒体の挿入や投入、および利用者による入力の全てを受け付けると、通信部10から上位装置に対して取引可否の認証要求を送信し(s3)、上位装置からの認証結果を待つ(s4)。この認証要求には、s2で取得したデータ、例えば口座番号、暗証番号、が含まれている。ATM1は、上位装置からの認証結果を通信部10において受信すると、取引の可否を判断し(s5)、取引可であれば、取引処理を行う(s6)。s6では、通帳処理部4における通帳への印字処理、伝票発行部5における伝票の発行処理、紙幣処理部6における紙幣の入出金処理、硬貨処理部7における硬貨の入出金処理等を、必要に応じて行う。また、ATM1は、s5で取引不可であると判定すると、エラー処理を行い(s7)、本処理を終了する。
【0036】
なお、s6では、出金紙幣については紙幣投入口6aの下に位置する貯留部まで搬送し、この貯留部に出金紙幣を貯留するが、紙幣投入口6aに設けられている蓋を開しない。また、出金硬貨についても硬貨投入口7aの下に位置する貯留部まで搬送し、この貯留部に出金硬貨を貯留するが、硬貨投入口7aに設けられている蓋を閉しない。
【0037】
ATM1は、s6にかかる取引処理が終了すると、今回の取引において、カードの放出が必要であるかどうかを判定し(s8)、必要であればカードをカード挿入口3aから放出する(s9)。s9では、カード処理部3が、カード挿入口3aにおいて、カードの先端が本体外部に突出する位置までカードを搬送する。このとき、カードは、その先端が外部に突出しているが、本体で保持された状態である。利用者は、このカードの先端を持って本体から抜き取ることで、当該カードを受け取る。また、カード処理部3は、s9でカードを放出したとき、カード挿入口3aに対応するフリッカランプ3bを点灯させ、利用者にカードの受け取りを促す。カード処理部3は、放出したカードが、利用者により抜き取られたことを検知すると、該当するフリッカランプ3bを消灯させる。カードの抜取検知は、カード挿入口3aに設けたセンサの出力に基づいて行われる。
【0038】
ATM1は、s8でカードの放出が必要でないと判定した場合、またはs9でカードを放出してから予め定めた一定時間(例えば、2〜3秒)経過すると(s10)、通帳の放出が必要であるかどうかを判定し(s11)、必要であれば通帳を通帳挿入口4aから放出する(s12)。s10で待機する一定時間は、利用者が放出されたカードをカード挿入口3aから抜き取るのに十分な時間であり、また抜き取ってから次の媒体が放出されるまでの待ち時間がそれほど長くない時間に設定される。s12では、通帳処理部4が、通帳挿入口4aにおいて、通帳の先端が本体外部に突出する位置まで通帳を搬送する。このとき、通帳は、その先端が外部に突出しているが、本体で保持された状態である。利用者は、この通帳の先端を持って本体から抜き取ることで、当該通帳を受け取る。通帳処理部4は、s12で通帳を通帳挿入口4aから放出したとき、通帳挿入口4aに対応するフリッカランプ4bを点灯させ、利用者に通帳の受け取りを促す。通帳処理部4は、放出した通帳が、利用者により抜き取られたことを検知すると、該当するフリッカランプ4bを消灯させる。通帳の抜取検知は、通帳挿入口4aに設けたセンサの出力に基づいて行われる。
【0039】
ATM1は、s11で通帳の放出が必要でないと判定した場合、またはs12で通帳を放出してから予め定めた一定時間経過すると(s13)、伝票の放出が必要であるかどうかを判定し(s14)、必要であれば伝票を伝票放出口5aから放出する(s15)。s13にかかる一定時間は、s10と同じである。s15では、伝票発行部5が、伝票放出口5aにおいて、伝票の先端が本体外部に突出する位置まで伝票を搬送する。このとき、伝票は、その先端が外部に突出しているが、本体で保持された状態である。利用者は、この伝票の先端を持って本体から抜き取ることで、当該伝票を受け取る。伝票発行部5は、s15で伝票を伝票放出口5aから放出したとき、伝票放出口5aに対応するフリッカランプ5bを点灯させ、利用者に伝票の受け取りを促す。伝票発行部5は、放出した伝票が、利用者により抜き取られたことを検知すると、該当するフリッカランプ5bを消灯させる。伝票の抜取検知は、伝票放出口5aに設けたセンサの出力に基づいて行われる。
【0040】
ATM1は、s14で伝票の放出が必要でないと判定した場合、またはs15で伝票を放出してから予め定めた一定時間経過すると(s16)、硬貨の放出が必要であるかどうかを判定し(s17)、必要であれば硬貨投入口7aに設けられている蓋を開する(s18)。s18で硬貨投入口7aに設けられている蓋が開されたとき、すでに、その下の貯留部に出金硬貨が貯留されている。利用者は、硬貨投入口7aから貯留部に手を入れて、ここに貯留されている硬貨を抜き取る。硬貨処理部7は、s18で硬貨投入口7aに設けられている蓋を開したとき、硬貨投入口7aに対応するフリッカランプ7bを点灯させ、利用者に出金硬貨の受け取りを促す。硬貨処理部7は、全ての出金硬貨が利用者により抜き取られたことを検知すると、該当するフリッカランプ7bを消灯させるとともに、硬貨投入口7aに設けられている蓋を閉する。
【0041】
ATM1は、s17で出金硬貨の放出が必要でないと判定した場合、またはs18で硬貨投入口7aに設けられている蓋を開してから予め定めた一定時間経過すると(s19)、紙幣の放出が必要であるかどうかを判定し(s20)、必要であれば紙幣投入口6aに設けられている蓋を開する(s21)。s21で紙幣投入口6aに設けられている蓋が開されたとき、すでに、その下の貯留部に出金紙幣が貯留されている。利用者は、紙幣投入口6aから貯留部に手を入れて、ここに貯留されている紙幣を抜き取る。紙幣処理部6は、s21で紙幣投入口6aに設けられている蓋を開したとき、紙幣投入口6aに対応するフリッカランプ6bを点灯させ、利用者に出金紙幣の受け取りを促す。紙幣処理部6は、全ての出金紙幣が利用者により抜き取られたことを検知すると、該当するフリッカランプ6bを消灯させるとともに、紙幣投入口6aに設けられている蓋を閉する。
【0042】
ATM1は、上述したs8以降の処理で放出した全ての媒体を、利用者が抜き取り、受け取ったと判定すると(s22)、本処理を終了する。
【0043】
このように、この実施形態のATM1は、取引の終了時に、カード、通帳、伝票、出金硬貨、出金紙幣等の各種媒体を、一定時間毎に1つずつ放出するので、利用者が放出された媒体の受け取りにまごついて、慌てるような状況になるのを抑えられる。すなわち、利用者を慌てさせることなく、取引の終了時に放出する媒体を利用者に受け取らせることができる。これにより、利用者が放出された媒体の受け取りを忘れたり、放出された媒体を他人に詐取される事態の発生が抑えられ、セキュリティの向上が図れる。また、利用者にとっての使い勝手も向上される。
【0044】
また、上記実施形態のATM1では、取引の終了時に、カード、通帳、伝票、出金硬貨、出金紙幣等の各種媒体を、一定時間毎に1つずつ放出するとしたが図3におけるs10、s13、s16、およびs19にかかる処理を、図4に示すように、先に放出した媒体が抜き取られるの待つ処理(s31、s32、s33、およびs34)に置き換えてもよい。この場合、s22にかかる処理は、実質的には、紙幣の抜取を検知する処理(s35)になる。また、s20で紙幣の放出が不要であると判定したときには、本処理を終了する。
【0045】
この図4に示すATM1では、取引の終了時に複数の媒体が、本体から放出されている状態になることがない。したがって、利用者が放出されている何れかの媒体を受け取っているときに、すでに放出されている別の媒体が他人に詐取されるという事態が発生するのを略確実に防止でき、セキュリティの一層の向上が図れる。
【0046】
また、上記実施形態のATM1では、取引の終了時に、カード、通帳、伝票、出金硬貨、出金紙幣を、この順番に放出することが予め設定されているとしたが、媒体が放出される順番を利用者が自分の使い勝手に合わせて行えるように構成してもよい。具体的には、s6にかかる取引処理の終了後に、これから放出する媒体の種類を表示器8aに表示し、放出する媒体の順番を利用者に入力させる構成としてもよい。例えば、上述したs6にかかる処理の直後に、図5に示す画面を表示器8aに表示し、放出する順番を利用者に入力させるステップを追加すればよい。図5(A)は、カード、通帳、出金硬貨、出金紙幣を放出する場合の画面例であり、図5(B)は、カード、伝票、出金硬貨、出金紙幣を放出する場合の画面例である。ここでは、取引の終了時に放出しない媒体については、表示器8aに表示しないことで、利用者の設定入力にかかる操作が煩雑になるのを防止している。この追加ステップでは、ATM1は、表示器8aに表示されている媒体を、利用者に放出する順番に押下させ、利用者が媒体を押下する毎に、押下した媒体をタッチパネル8bで検知することで、利用者が設定した媒体を放出する順番を取得する。
【0047】
また、この場合、媒体を放出する順番の基準パターン、例えば上述した実施形態で説明したカード、通帳、伝票、出金硬貨、出金紙幣、の順番、を用意しておき、利用者が、この基準パターンを選択するか、または自分の使い勝手に応じた順番に設定するように構成してもよい。このようにすれば、ATM1の操作に不慣れな利用者であっても、基準パターンを選択することで媒体を放出する順番の設定が簡単に行える。また、この追加ステップにおいて、利用者が媒体を放出する順番の設定にかかる入力を行わなければ、自動的に基準パターンを設定する構成としてもよい。
【0048】
また、取引の終了時に媒体を放出する順番を示すデータを、カードや通帳に記録しておき、ATM1が、取引の開始時に本体に挿入されたカードや、通帳を受け付けたときに、この順番を取得する構成としてもよい。さらに、上位装置において、口座番号毎に取引処理の終了時に媒体を放出する順番を記憶しておき、上位装置が、この順番を取引可否の認証結果とともにATM1に通知する構成としてもよい。
【0049】
なお、利用者が媒体を放出する順番を設定する構成とした場合も、図3に示すように、一定時間毎に媒体を放出してもよいし、図4に示すように、利用者が先に放出した媒体を抜き取るのを待って、次の媒体を放出するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態のATM1では、取引処理の終了時に、媒体を1つずつ順番に放出するとしたが、放出される場所が比較的近い複数の媒体については、これらの媒体を1つのグループとみなし、同時に放出するようにしてもよい。例えば、この実施形態のATM1では、図2に示すようにカード挿入口3aと、伝票放出口5aとが比較的近いことから、カードと伝票とを1つのグループとみなし、同時に放出する構成としてもよい。また、この場合には、ATM1は、グループ単位で、放出する媒体の順番を受け付ける構成とすればよい。ただし、各グループは、属する媒体の種類数が均一である必要はなく、1種類であるグループ、2種類であるグループ、3種類以上であるグループが混在していても特に問題はない。このようにすれば、取引の終了時における、利用者に対する媒体の放出にかかる処理時間の増加が抑えられ、結果的にATM1の処理効率の低下を抑えることができる。
【0051】
次に、この発明の別の実施形態であるATM1について説明する。この実施形態のATM1も、上述した図1、および図2に示した構成である。図6は、この実施形態にかかるATM1の動作を示すフローチャートである。この実施形態のATM1は、上述した実施形態のATM1と同様に、s1〜s7にかかる処理を行う。このs1〜s7にかかる処理については、すでに説明しているので、ここでは説明を省略する。
【0052】
ATM1は、s6にかかる処理が完了すると、今回の取引で利用者に受け取らせる媒体、すなわち今回の取引で放出する媒体、を判断する(s41)。ATM1は、今回の取引で放出する媒体があるかどうかを判断し(s42)、なければ本処理を終了する。ATM1は、今回の取引で放出する媒体があれば、次に放出する媒体の選択を受け付ける選択画面を表示し(s43)、利用者による選択を受け付ける(s44)。
【0053】
この時点では、どの媒体も放出していないので、s41で放出すると判断した全ての媒体の中から、最初に放出する媒体の選択を受け付ける画面を表示器8aに表示する。図7(A)は、s41でカード、通帳、出金硬貨、および出金紙幣を放出する判断した場合の画面例であり、図7(B)は、s41でカード、伝票、出金硬貨、および出金紙幣を放出すると判断した場合の画面例である。ATM1は、表示器8aに表示されている媒体の中で、次に放出する媒体を利用者に押下させ、利用者が押下した媒体をタッチパネル8bで検知する。
【0054】
ATM1は、次に放出する媒体の選択を受け付けると、選択された媒体を放出する(s45)。例えば、選択された媒体がカードであれば、カードをカード挿入口3aから放出する。ATM1は、s45で媒体を放出すると、利用者が今回放出した媒体を抜き取るの待つ(s46)。ATM1は、今回放出した媒体が抜き取られると、この時点で未放出の媒体があるかどうかを判定する(s47)。s47では、s41で放出すると判断した媒体を、全て放出したかどうかを判断している。ATM1は、s47で未放出の媒体があると判定すると、s43に戻り、この時点で未放出である媒体の中から、次に放出する媒体の選択を受け付ける。例えば、図7(A)に示す画面で、利用者がカードを選択し、放出されたカードを抜き取ったときには、図8(A)に示す画面を表示器8aに表示し、次に放出する媒体の選択を受け付ける。ATM1は、s47で未放出の媒体が無いと判定するまで、s43〜s47の処理を繰り返す。図8(B)は、図8(A)に示す画面で、利用者が通帳を選択し、放出された通帳を抜き取ったときに表示器8aに表示される画面例を示しており、図8(C)は、図8(B)に示す画面で、利用者が硬貨を選択し、放出された硬貨を抜き取ったときに表示器8aに表示される画面例を示している。
【0055】
ATM1は、s47で未放出の媒体がないと判定すると、すなわち41で放出すると判断した媒体を全て放出したと判定すると、本処理を終了する。
【0056】
このように、この実施形態にかかるATM1は、利用者に対して、未放出の媒体、すなわち利用者が受け取っていない媒体、を確認させながら、次に放出する媒体の選択を行わせるので、放出する各種媒体を略確実に利用者に受け取らせることができる。したがって、利用者が受け取るのを忘れた媒体が、他人に詐取されるのを略確実に防止でき、セキュリティの一層の向上が図れる。
【0057】
また、上述した各実施形態のATM1においても、利用者が媒体の受け取りを忘れるのを完全に防止することはできず、媒体の受け取り忘れがまれに発生する。そこで、利用者が媒体の受け取りを忘れたときに、その媒体が他人に詐取されるのを防止するために、以下で説明する図9に示す処理を、上述した各実施形態のATM1に実行させてもよい。
【0058】
この図9に示す処理は、上述した各実施形態のATM1がs1〜s7にかかる処理を完了した後にスタートし、この処理が終了するまで実行される処理である。
【0059】
ATM1は、利用者が全ての媒体の受け取りを完了する前に、この利用者がATM1本体の前から離れたかどうかを監視する(s51、s52)。ATM1は,利用者検知部9が利用者検知センサ9aの出力に基づいて本体の前にいる利用者の有無を検知している。ATM1は、s51で利用者が全ての媒体の受け取りを完了したと判定すると、本処理を終了する。一方、ATM1は、s52で利用者が全ての媒体の受け取りを完了する前に、ATM1本体の前から離れたと判定すると、この時点で、放出したにもかかわらず、利用者が抜き取っていない媒体があるかどうかを判定し(s53)、利用者が抜き取っていない媒体があれば、この媒体を回収する(s54)。s54では、回収する媒体がカード、通帳、伝票であれば、本体外部に突出している媒体の先端部が、本体内部に収納される位置まで媒体を本体内部に取り込む。一方、回収する媒体が硬貨や紙幣であれば、硬貨投入口7aや紙幣投入口6aに設けられている蓋を閉する。そして、ATM1は、媒体の放出にかかる処理を一時的に制限する(s55)。これにより、ATM1は、上述した各実施形態で説明した、媒体の放出にかかる処理を一時的に停止する。すなわち、ATM1は、この状態で媒体を放出することはない。また、ATM1は、操作部8において、受け取りを忘れている媒体があることを利用者に通知する音声メッセージを出力する(s56)。s56で音声メッセージを出力する時点では、利用者はATM1の近くにいる可能性が高い。したがって、利用者に対して、受け取りを忘れている媒体があることを高い確率で通知することができる。
【0060】
ATM1は、s56で音声メッセージを出力してから、予め定められた所定時間(例えば5秒)経過するか、本体の前にいる利用者を検知するのを待つ(s57、s58)。s58では、ATM1の前に利用者がいるかどうかを検知しているだけであり、このときに検知された利用者が、媒体の受け取りを忘れた利用者であるかどうかについてまで判定していない。ATM1は、s58で利用者がATM1の前にいると判定すると、この利用者が媒体の受け取りを忘れていることに気づき、戻ってきた利用者であるかどうかを確認するための、特定情報の入力を要求し(s59)、特定情報が入力されるのを待つ(s60)。特定情報は、媒体の受け取り忘れが発生した取引において利用者が入力した暗証番号としてもよいし、媒体の受け取り忘れが発生した取引において利用者が使用したカードや通帳に記録されているデータとしてもよい。この場合、利用者に対してカードや通帳の再挿入を要求すればよい。
【0061】
ATM1は、入力された特定情報により、ATM1の前にいる利用者が媒体の受け取りを忘れた利用者であるかどうかを判定する(s61)。ATM1は、s61で、ATM1の前にいる利用者が媒体の受け取り忘れた利用者であると判定すると、s55で行った媒体の放出にかかる処理の制限を解除し(s62)、s51に戻る。これにより、ATM1は、上述した各実施形態で説明した、媒体の放出にかかる処理を再開する。これにより、ATM1において、媒体の放出が再開される。
【0062】
また、ATM1は、s57で所定時間経過した、またはs61でATM1の前にいる利用者が媒体を取り忘れた利用者でないと判定した場合、利用者が受け取るのを忘れた媒体を本体内部に回収カートリッジ(不図示)に回収し(s63)、本処理を終了する。
【0063】
このように、この図9に示す処理をATM1に実行させることにより、利用者が媒体の受け取りを忘れるような事態が生じても、その媒体が他人に詐取されるのを略確実に防止できる。また、利用者に対して媒体の受け取り忘れがあることを通知し、この通知を聞いて、媒体を受け取りに戻ってきた利用者に対して、速やかに媒体を放出し、放出した媒体を受け取らせることができる。さらに、s59で特定情報を入力させ、本体の前にいる利用者が、媒体の受け取りを忘れた利用者であるかどうかを確認する構成としているので、媒体の受け取りを忘れた利用者でない他人に対して、この利用者に放出する媒体を不用意に放出することもない。したがって、セキュリティも十分に確保できる。
【0064】
なお、上述した各実施形態のATM1において、利用者が、取引の終了時に放出される媒体を、略同じタイミングで一斉に放出させる選択が行えるように構成してもよい。このようにすれば、従来のATM1の動作が、自分の使い勝手にあっている利用者の使い勝手を低下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の実施形態であるATMの主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施形態であるATMの外観を示す図である。
【図3】この発明の実施形態にかかるATMの動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の別の実施形態にかかるATMの動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施形態にかかるATMにおける、媒体を放出する順番を設定するときに表示される画面例を示す図である。
【図6】この発明の別の実施形態にかかるATMの動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施形態にかかるATMにおける、媒体を放出する順番を設定するときに表示される画面例を示す図である。
【図8】この発明の実施形態にかかるATMにおける、媒体を放出する順番を設定するときに表示される画面例を示す図である。
【図9】この発明の別の実施形態にかかるATMの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1−ATM
2−制御部
3−カード処理部
4−通帳処理部
5−伝票発行部
6−紙幣処理部6
7−硬貨処理部
8−操作部8
9−利用者検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたデータに基づいて取引を処理する取引処理手段と、
前記取引処理手段が行った取引の終了時に、この取引にかかる各種媒体を、予め定められた一定時間毎に、順番に放出する媒体放出手段と、を備えた、
取引処理装置。
【請求項2】
入力されたデータに基づいて取引を処理する取引処理手段と、
前記取引処理手段が行った取引の終了時に、この取引にかかる各種媒体を順番に放出する媒体放出手段と、
前記媒体放出手段により放出された媒体毎に、その媒体が本体から抜き取られたかどうかを検知する抜取検知手段と、を備え、
前記媒体放出手段は、先に放出した媒体が、前記抜取検知手段により本体から抜き取られたことが検知された後に、未放出の媒体があれば、前記順番に基づいて次の媒体を放出する手段である、
取引処理装置。
【請求項3】
前記媒体放出手段が放出する各種媒体について、放出する順番を受け付ける受付手段と、を備え、
前記媒体放出手段は、各種媒体を、前記受付手段が受け付けた順番に放出する手段である、
請求項1または2に記載の取引処理装置。
【請求項4】
前記抜取検知手段により先に放出した媒体が本体から抜き取られたことが検知された時点で、前記媒体放出手段が放出していない未放出の媒体があれば、未放出の媒体の中から、次に放出する媒体の選択を受け付ける受付手段を備え、
前記媒体放出手段は、前記受付手段が選択を受け付けた未放出の媒体を放出する手段である、
請求項2に記載の取引処理装置。
【請求項5】
前記媒体放出手段は、複数のグループに分割されている各種媒体を、グループ単位で放出する手段である、
請求項3に記載の取引処理装置。
【請求項6】
本体を操作している操作者の有無を検知する操作者検知手段と、
前記媒体放出手段により放出されていない未放出の媒体があるときに、前記操作者検知手段により本体を操作している操作者が検知されなくなった場合、前記媒体放出手段に対して未放出の媒体の放出を制限する放出制限手段と、を備えた、
請求項1〜5のいずれかに記載の取引処理装置。
【請求項7】
前記媒体放出手段により放出されていない未放出の媒体があるときに、前記操作者検知手段により本体を操作している操作者が検知されなくなった場合、媒体の取り忘れを報知する報知手段を備えた、
請求項6に記載の取引処理装置。
【請求項8】
前記放出制限手段が前記媒体放出手段に対して未放出の媒体の放出を制限した後、所定時間内に前記操作者検知手段により操作者が検知された場合、今回検知された操作者に対して予め定めた種類の特定情報の入力を要求し、ここで入力された特定情報に基づいて、この操作者が前記未放出の媒体を受け取るべき操作者であるかどうかを判定する判定手段を備え、
前記放出制限手段は、前記判定手段が前記未放出の媒体を受け取るべき操作者であると判定した場合に、前記媒体放出手段に対する未放出の媒体の放出制限を解除する手段である、
請求項6または7に記載の取引処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−328451(P2007−328451A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157744(P2006−157744)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】