説明

取引処理装置

【課題】未成年者への煙草や酒類の販売、景品としての引渡しを防止すること。
【解決手段】利用者が獲得した遊戯媒体の数を遊戯媒体数管理部33に記憶し、バーコードリーダ25によって景品情報を読み込んで遊戯媒体と景品とを交換する場合に、景品処理部32によって景品が煙草であるか否かを判定し、煙草であると判定した場合には成人識別部12によって利用者が成人であることを確認した後に次の景品情報を入力可能とする。また、成人確認に使用したカードのIDを取引内容と関連付けて記憶部31に記憶し、管理端末10を介して管理センタ3に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取引物品の取引処理を行う取引処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、遊戯施設における遊戯媒体(例えばパチンコ玉)と景品との交換や、小売店における商品の販売に際し、その管理にPOS( Point Of Sales )システムが用いられている。POSシステムは、バーコードリーダなどの入力手段を有し、景品や商品に貼付したバーコードを読み取ることでその物品に関する情報を簡易に入力することができる。
【0003】
例えば、特許文献1は、遊戯媒体と景品との交換レートが複数存在する場合に対応し、常に適切な景品交換処理の終了を行なうことのできる景品交換管理装置を開示している。
【0004】
また、特許文献2は、バーコードリーダ11に表示部を設け、商品からバーコードを読み取った場合に、その商品情報をバーコードリーダ側に表示することで、操作性を向上した商品販売登録データ処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−224418号公報
【特許文献2】特開平11−185158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術のように、POSシステムを利用することで、景品や商品の管理を簡易かつ詳細に処理することができる。
【0007】
ところで、遊戯施設の景品や、小売店の商品には、煙草や酒類など未成年に渡す(交換する/販売する)ことのできない物がある。しかしながら、従来の技術では煙草や酒類であっても他の景品(商品)と同様に処理されるので、遊戯施設や小売店の店員が利用者の外見に基づいて煙草や酒類を渡すことの可否を判断していた。
【0008】
そして、利用者が未成年である可能性が高い場合には、運転免許証などを提示させて成人であることの確認を取るように店員に指導することが一般に行なわれているが、実際には見間違いによって未成年者に煙草を販売したり、交換したりすることが発生している。
【0009】
また、近年、成人を識別するためのカードを発行し、煙草の購入や交換時に提示を義務づけることも検討されているが、未成年者の店員が、利用者が未成年者と知りつつ、またはカードの提示を求めずに販売や交換を行なうことも懸念されている。
【0010】
すなわち、従来のPOSシステムなどの取引管理装置や取引管理システムでは、未成年との不適切な取引を防止することができないという問題点があり、取引された品目の個数などの管理に加えて不適切な取引を防止可能な取引処理装置の実現が重要な課題となっていた。
【0011】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、未成年者との不適切な取引を防止可能な取引処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、情報処理を実行する制御部と、取引物品の情報を取得可能な情報を入力する入力部と、利用者が所有する媒体から利用者の年齢を特定可能な情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された情報に基づいて利用者の年齢を特定する手段と、入力部から入力された取引物品を特定可能な情報によって特定される取引物品の取引処理を実行する手段と、前記取引処理中に、取引物品毎に販売を許可する年齢条件が定められている物品であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって販売を許可する年齢条件が定められている物品であると判定した場合には、前記年齢条件と利用者が所有する媒体から特定した利用者の年齢を比較し、利用者の年齢が前記年齢条件を満たしていないと判定した場合には前記取引物品の取引処理を実行しない手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記利用者の年齢を特定可能な情報は利用者の生年月日であり、前記情報取得手段により取得した生年月日に基づいて利用者の年齢を特定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記年齢条件は取引物品毎に定められていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、情報処理を実行する制御部と、取引物品の情報を取得可能な情報を入力する入力部と、利用者が所有する媒体から利用者の年齢を特定可能な情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された情報に基づいて利用者の年齢を特定する手段と、入力部から入力された取引物品を特定可能な情報によって特定される取引物品の取引処理を実行する手段と、前記取引処理中に、取引物品毎に販売を許可する年齢条件が定められている物品であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって販売を許可する年齢条件が定められている物品であると判定した場合には、前記年齢条件と利用者が所有する媒体から特定した利用者の年齢を比較し、利用者の年齢が前記年齢条件を満たしていないと判定した場合には前記取引物品の取引処理を実行しない手段と、を備えるよう構成したので、利用者が購入しようとしている物品の年齢条件を利用者が満たすか否かの判断を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施例1である遊戯施設用の取引管理装置の概要構成を説明する概要構成図である。
【図2】図2は、従来の遊戯施設用POSレジスタの処理動作を説明するフローチャートである。
【図3】図3は、図1に示したPOSレジスタの処理動作を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、取引データの具体的な一例について説明する説明図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2である店舗用の取引管理装置の概要構成を説明する概要構成図である。
【図6】図6は、従来の店舗用POSレジスタの処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、商品情報を取得した時点で成人確認を実行する場合の処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、小計処理を行なう前に成人確認を行なう場合の処理動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る取引処理装置の好適な実施例について説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1である遊戯施設(パチンコ店など)用の取引管理装置の概要構成を説明する概要構成図である。
【0019】
同図に示すように、遊戯施設1には管理端末10が設置され、この管理端末10はネットワーク2を介して管理センタ3に接続されるとともに、遊戯施設1内の複数のPOSレジスタが接続されている。また、各POSレジスタには、それぞれ成人識別部12が接続され、POSレジスタおよび成人識別部が取引管理装置として機能する。したがって、遊戯施設1、ネットワーク2、管理センタ3によって取引管理システムが構築されることとなる。
【0020】
図1では、POSレジスタ11および成人識別部12についてその具体的な内部構成を示し、他のPOSレジスタおよび成人識別部については図示を省略している。また、POSレジスタと管理端末10との間、および管理端末10と管理センタ3との間は、任意の通信インターフェースによって接続されるものであり、同図では記載を省略する。
【0021】
POSレジスタ11は、遊戯施設1にあって、所定の遊戯媒体、例えばパチンコ玉と景品との交換を管理する。すなわち、利用者が遊戯施設1に設置された遊戯装置から遊戯媒体を獲得した場合、その遊戯媒体の数に対応する景品と引き換えることができるのであり、この遊戯媒体と景品との交換がPOSレジスタ11によって管理される。
【0022】
POSレジスタ11は、具体的には、その内部に主制御部21、通信インターフェース22、表示部23、操作部24、バーコードリーダ25およびプリンタ26を有する。通信インターフェース22は、成人識別部12との通信を実現し、表示部23は、POSレジスタ11の操作者(遊戯施設の店員)や利用者に対する通知に用いる出力手段である。
【0023】
操作部24は、操作者による操作を受け付ける処理部であり、バーコードリーダ25は、景品に添付されたバーコードを読み取る情報取得手段である。また、プリンタ26は、POSレジスタ11の処理結果を出力する出力手段である。
【0024】
主制御部21は、POSレジスタ11を全体制御する制御部であり、その内部に記憶部31、景品処理部21および遊戯媒体数管理部33を有する。遊戯媒体数管理部33は、利用者が獲得した遊戯媒体の数を記憶・管理する処理部であり、景品処理部32は、遊戯媒体数管理部33が記憶した遊戯媒体数に基づいて遊戯媒体と景品との交換を管理する。
【0025】
そして、未成年に渡すことのできない煙草が景品として指定された場合、景品処理部32は、成人識別部12に利用者が成人であるか否かの識別を要求する。また、景品処理部32は、景品が煙草であると判断した場合に、成人識別が必要なことを操作者(店員)もしくは利用者に表示部23を通じて(もしくは図示しない音声出力部を通じての音声通知などで)知らせる。そして成人識別の結果、利用者が成人であることが確認された場合に、煙草と遊戯媒体との交換を許可する。
【0026】
また、景品処理部32は、交換した景品と利用者の識別結果とを対応付けた取引データを記憶部31に記憶させる。管理端末10は、遊戯施設1内のPOSレジスタから取引データを収集してとりまとめ、管理センタ3に送信する。
【0027】
成人識別部12は、利用者が成人であるか否かを識別する処理部である。本実施例1では、成人の利用者に予め発行された成人確認カードを利用者に提出させ、この成人確認カードを認証することで利用者が成人であるか否かの判定を行なう場合を想定している。
【0028】
具体的には、成人識別部12は、その内部に通信インターフェース41、制御部42、カード読取部43および表示部44を有する。通信インターフェース41は、POSレジスタ12との通信を実現する。また、カード読取部43は、成人確認カードの読み取りを行なうカードリーダであり、表示部44は、POSレジスタ11の操作者や利用者に対する通知に用いる出力手段である。
【0029】
制御部42は、成人識別部42を全体制御する制御部であり、カード読取部43が成人確認カードから読み取った情報を認証し、正規の成人識別カードであるか否かを判定する。そして、通信インターフェース41を介して判定結果をPOSレジスタ11に送信するとともに、必要に応じて表示部44に表示を行なう。
【0030】
つぎに、POSレジスタ11の処理動作について説明する。まず図2に示したフローチャートを参照し、成人確認を行なわない従来のPOSレジスタの処理動作を説明する。同図に示すように、まず、POSレジスタは、利用者が獲得した獲得遊戯媒体数の数を計数した情報である計数情報を読み取り(ステップS101)、表示部に獲得遊戯媒体数を表示する(ステップS102)。
【0031】
ここで計数情報は、例えば専用の遊戯媒体計数装置を用いて作成し、その結果得られた情報を操作者が入力する。また、計数結果を遊戯媒体計数装置からレシートや磁気カードの状態で出力させ、POSレジスタが自動的に読み取る構成であってもよい。
【0032】
つぎに、操作者がバーコードリーダを操作して景品に添付したバーコードを読み取ることで、景品情報を入力する(ステップS103)。景品にはそれぞれ対価となる遊戯媒体数が設定されているので、入力された景品分の遊戯媒体数を獲得遊戯媒体数から減算し、残りの遊戯媒体数が「0」になったか否かを判定する(ステップS104)。
【0033】
残遊戯媒体数が「0」になっていなければ(ステップS104,No)、POSレジスタは、残遊戯媒体数を表示部に表示した(ステップS105)後、操作部に含まれる終了キーが押下されたか否かを判定する(ステップS106)。
【0034】
終了キーが押下されていなければ(ステップS106,No)、POSレジスタは、バーコードリーダによる次の景品情報の入力を受け付ける(ステップS103)。一方、終了キーが押下された場合(ステップS106,Yes)、もしくは残遊戯媒体数が「0」になった場合(ステップS104,Yes)、POSレジスタは処理を終了し、待機状態に移行する。
【0035】
すなわち、遊戯施設のPOSレジスタでは、1つの景品の情報が入力された時点で対価分の遊戯媒体数を残遊戯媒体数から減算し、残遊戯媒体数が「0」となるか、終了キーが押下されるまでこの処理を繰り返す。
【0036】
つぎに、図3に示したフローチャートを参照し、成人確認を行なう本発明のPOSレジスタ11の処理動作を説明する。同図に示すように、まず、POSレジスタ11は、計数情報を読み取り(ステップS201)、表示部23に獲得遊戯媒体数を表示する(ステップS202)。つぎに、操作者がバーコードリーダ25を操作して景品に添付したバーコードを読み取ることで、景品情報を入力する(ステップS203)。
【0037】
その後、景品処理部32は、読み取った景品情報に基づいて、景品が煙草であるか否かを判定する(ステップS204)。その結果、景品が煙草であるならば(ステップS204,Yes)、表示部23を通じて操作者や利用者に成人識別が必要であることを伝えるとともに、成人識別部12による成人識別を実行する(ステップS205)。
【0038】
成人識別の結果、利用者が成人であることを確認した場合(ステップS206,Yes)、もしくは入力された景品が煙草ではなかった場合(ステップS204,No)、景品処理部32は、入力された景品分の遊戯媒体数を獲得遊戯媒体数から減算し、残りの遊戯媒体数が「0」になったか否かを判定する(ステップS208)。
【0039】
一方、成人識別の結果、成人であることが確認できなかった場合(ステップS206,No)、景品処理部32は、入力された煙草の返品処理を実行する(ステップS207)。
【0040】
そして、残遊戯媒体数「0」になっていない場合(ステップS208,No)、もしくは煙草の返品処理(ステップS207)の終了後、景品処理部32は、残遊戯媒体数を表示部14に表示(ステップS209)し、操作部24に含まれる終了キーが押下されたか否かを判定する(ステップS210)。
【0041】
終了キーが押下されていなければ(ステップS210,No)、景品処理部32は、バーコードリーダ25による次の景品情報の入力を受け付ける(ステップS203)。一方、終了キーが押下された場合(ステップS210,Yes)、もしくは残遊戯媒体数が「0」になった場合(ステップS208,Yes)、取引処理部32は処理を終了し、待機状態に移行する。
【0042】
このように、景品情報が入力された場合にその景品が煙草であるか否かを判定し、煙草である場合には、利用者が成人であることを確認した後に次の景品情報を入力可能とすることで、遊戯施設のPOSレジスタのように減算による取引を扱う場合であっても未成年者に煙草を渡すことを防止することができる。また、景品に煙草が含まれない場合には、成人確認を要求しないので、利用者に不要な労力を課すことなく景品交換を実行することができる。
【0043】
なお、成人識別部12によって利用者が成人であることが確認できた場合には、例えば景品処理部32に成人確認済みであることを示すフラグをセットしておき、以降の景品情報の入力時には成人確認を行なわないことが望ましい。このように構成することで、一度煙草を入力して成人確認を行なえば、それ以降の景品に煙草が含まれていたとしても成人確認処理を繰り返す必要がなくなる。
【0044】
また、成人確認は必ずしも煙草の景品情報を取得した後に実行する必要はなく、例えば計数情報の入力前や、最初の景品情報の読み取り前に予め実行し、成人確認済みを示すフラグをセットすることができるように構成しても良い。この成人確認済みを示すフラグのリセットについては、景品処理部32が処理を終了し、待機状態に移行する際に実行すれば良い。
【0045】
つぎに、記憶部31が記憶する取引データについて説明する。図4は、取引データの具体的な一例について説明する説明図である。同図に示すように、取引データ31aは、成人識別部12が識別した成人確認カードのIDと、景品交換をおこなった日時、遊戯施設もしくはPOSレジスタを特定する取引場所コード、交換した銘柄および単価を記憶している。したがって、この取引データ31aを管理端末を介して管理センタ3に送信することで、管理センタ3は利用者ごとの取引履歴を得ることができる。
【0046】
この取引データ31aを用いれば、成人確認カードを不正に利用した交換が行なわれていないかを確認することができる。例えば、成人確認カードの不正な利用方法としては、操作者が予め正規の成人確認カードを用意し、未成年者が煙草との交換を求めた場合には予め用意した成人確認カードを成人識別部12に挿入することで、利用者が成人であるかのように偽装する方法が考えられる。
【0047】
しかし、図4に示したように、成人識別カードのIDを記憶すれば、成人識別カードの使用頻度、景品の数や銘柄などから不正に利用された可能性のある成人識別カードを特定可能となる。さらに、POSレジスタ11の操作者に対しても操作用IDを設定し、この操作用IDを併せて記憶することで、不正な取引を実行もしくは容認した操作者をさらに特定することができる。
【0048】
上述してきたように、本実施例1にかかる取引管理装置および取引管理システムは、利用者が獲得した遊戯媒体の数を遊戯媒体数管理部33に記憶し、バーコードリーダ25によって景品情報を読み込んで遊戯媒体と景品とを交換する場合に、景品が煙草であるか否かを判定し、煙草である場合には成人識別部12によって利用者が成人であることを確認した後に次の景品情報を入力可能としているので、減算による取引を扱う場合であっても未成年者との不適切な取引を防止することができる。
【0049】
また、成人確認時に読み込んだ成人確認カードのIDと交換した景品に関する情報とを関連付けて記憶し、管理センタ3に送信するので、成人確認カードを不正に利用した交換が行なわれていないかを確認することができる。
【0050】
なお、本実施例1では、遊戯施設において景品として用いられることの多い煙草を例に説明を行なったが、例えば酒類などであっても同様の構成および処理によって未成年との不適切な取引を防止可能である。
【0051】
また、本実施例では、成人確認カードを用いて成人識別を行なう場合を例に説明を行なったが、例えば生年月日が記載された記録媒体からその利用者の年齢を算出して成人であるか否かを判定する構成であってもよい。
【実施例2】
【0052】
図5は、本発明の実施例2である小売店舗用の取引管理装置および取引管理システムの概要構成を説明する概要構成図である。小売店舗での販売取引では、利用者が複数の商品をまとめて購入する場合に、予め全ての商品の情報を取得し、代金を合計して決済を行う。
【0053】
その為、店舗4に設置するPOSレジスタ51では、実施例1に示したPOSレジスタ11とは異なり、主制御部61の内部に記憶部62、商品処理部63、小計処理部64および決済処理部65を有する。その他の構成および動作は実施例1に示した取引管理装置と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
POSレジスタ51の処理動作を、図6〜8に示したフローチャートを参照して説明する。図6は、成人確認を行なわない従来の店舗用POSレジスタの処理動作を説明するフローチャートである。
【0055】
同図に示すように、まず、操作者(店員)がバーコードリーダを操作し、利用者(顧客)が購入を希望する商品の情報を入力する(ステップS301)。その後、操作部に含まれる小計キーが押下されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0056】
小計キーが押下されていなければ(ステップS302,No)、商品処理部63は、バーコードリーダによる次の商品情報の入力を受け付ける(ステップS301)。一方、小計キーが押下された場合(ステップS302,Yes)、小計処理部が入力された商品の合計金額を算出する小計処理を実行する(ステップS303)。
【0057】
その後、利用者が操作者に渡した金額(預かり金額)の入力を受け付けて、表示部に表示する(ステップS304)。そして、操作部に含まれる現金キーの押下を待機し(ステップS305)、現金キーが押下された場合に(ステップS305,Yes)、決済処理部が釣銭を算出して表示部に表示し(ステップS306)、処理を終了する。
【0058】
このように複数の商品情報を取得した後に小計して決済を行う場合、成人確認を実行するタイミングとしては、商品情報を取得した時点と、小計処理を行なう前とがある。図7は、商品情報を取得した時点で成人確認を実行する場合の処理動作を説明するフローチャートである。
【0059】
同図に示すように、まず、操作者(店員)がバーコードリーダ25を操作し、利用者(顧客)が購入を希望する商品の情報を入力する(ステップS401)。その後、入力された商品情報をもとに、商品が煙草または酒類であるか否かを判定する(ステップS402)。
【0060】
その結果、商品が煙草または酒類であるならば(ステップS402,Yes)、表示部23を通じて(もしくは図示しない音声出力部を通じての音声通知などで)店員や利用者に成人識別が必要であることを伝えるとともに、成人識別部12による成人識別を実行する(ステップS403)。そして成人識別の結果、成人であることが確認できなかった場合(ステップS404,No)、商品処理部63は、入力された商品の返品処理を実行する(ステップS405)。
【0061】
商品の返却処理(ステップS405)が終了した場合、利用者が成人であることを確認した場合(ステップS404,Yes)、もしくは入力された商品が煙草でも酒類でもなかった場合(ステップS402,No)、商品処理部63は、小計キーが押下されたか否かを判定する(ステップS406)。
【0062】
小計キーが押下されていなければ(ステップS406,No)、商品処理部63は、バーコードリーダ25による次の商品情報の入力を受け付ける(ステップS401)。一方、小計キーが押下された場合(ステップS406,Yes)、小計処理部64による小計処理を実行する(ステップS407)。
【0063】
その後、利用者が操作者に渡した金額(預かり金額)の入力を受け付けて、表示部23に表示(ステップS408)し、現金キーの押下を待機する(ステップS409)。そして、現金キーが押下された場合に(ステップS409,Yes)、決済処理部65が釣銭を算出して表示部23に表示し(ステップS410)、処理を終了する。
【0064】
このように、商品情報が入力された場合にその商品が煙草または酒類であるか否かを判定し、煙草または酒類である場合には、利用者が成人であることを確認した後に次の商品情報を入力可能とすることで、未成年者への煙草や酒類の販売を防止することができる。また、商品に煙草や酒類が含まれない場合には、成人確認を要求しないので、利用者に不要な労力を課すことなく販売を行うことができる。
【0065】
つぎに、小計処理を行なう前に成人確認を行なう場合について、図8に示したフローチャートを参照して説明する。
【0066】
同図では、まず、操作者(店員)がバーコードリーダ25を操作し、利用者(顧客)が購入を希望する商品の情報を入力する(ステップS501)。その後、商品処理部63は、小計キーが押下されたか否かを判定する(ステップS502)。
【0067】
小計キーが押下されていなければ(ステップS502,No)、商品処理部63は、バーコードリーダ25による次の商品情報の入力を受け付ける(ステップS501)。一方、小計キーが押下された場合(ステップS502,Yes)、商品処理部63は、入力された商品に煙草や酒類が含まれているか否かを判定する(ステップS503)。
【0068】
その結果、商品に煙草や酒類が含まれているならば(ステップS503,Yes)、表示部23を通じて(もしくは図示しない音声出力部を通じての音声通知などで)店員や利用者に成人識別が必要であることを伝えるとともに、成人識別部12による成人識別を実行する(ステップS504)。そして成人識別の結果、成人であることが確認できなかった場合(ステップS505,No)、商品処理部63は、入力された商品の返品処理を実行する(ステップS506)。
【0069】
商品の返却処理(ステップS506)が終了した場合、利用者が成人であることを確認した場合(ステップS505,Yes)、もしくは入力された商品に煙草も酒類も含まれていなかった場合(ステップS503,No)、小計処理部64による小計処理を実行する(ステップS507)。
【0070】
その後、利用者が操作者に渡した金額(預かり金額)の入力を受け付けて、表示部23に表示(ステップS508)し、現金キーの押下を待機する(ステップS509)。そして、現金キーが押下された場合に(ステップS509,Yes)、決済処理部65が釣銭を算出して表示部23に表示し(ステップS510)、処理を終了する。
【0071】
このように、複数の商品についてその代金を小計して決済を行う場合、小計処理の前に煙草や酒類が含まれるか否かを判定し、煙草や酒類が含まれるならば、利用者が成人であることを確認した後に小計処理を実行可能とすることで、未成年者への煙草や酒類の販売を防止することができる。また、商品に煙草や酒類が含まれない場合には成人確認を要求しないので、利用者に不要な労力を課すことなく販売を行うことができる。
【0072】
上述してきたように、本実施例2にかかる取引管理装置および取引管理システムは、バーコードリーダ25によって商品情報を読み込んで販売管理を行なう場合に、商品が煙草や酒類であるか否かを判定し、煙草や酒類である場合には成人識別部12によって利用者が成人であることを確認した後に次の商品情報の入力処理、もしくは小計処理を可能としているので、未成年者への不適切な商品の販売を防止することができる。
【0073】
なお、不正に利用した交換が行なわれていないかを確認可能である点、成人確認に生年月日が記載された記録媒体を用いるなど任意の方法を使用可能である点については、実施例1と同様であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上のように、本発明にかかる取引処理装置は、貨幣もしくは所定の媒体と物品とを引き換える取引の管理に有用であり、特に未成年との不適切な取引の防止に適している。
【符号の説明】
【0075】
1 遊戯施設
2 ネットワーク
3 管理センタ
4 店舗
10 管理端末
11,51 POSレジスタ
12 成人識別部
21,61 主制御部
22,41 通信インターフェース
23 表示部
24 操作部
25 バーコードリーダ
26 プリンタ
31,62 記憶部
31a 取引データ
32 景品処理部
33 遊戯媒体数管理部
42 制御部
43 カード読取部
44 表示部
63 商品処理部
64 小計処理部
65 決済処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する制御部と、
取引物品の情報を取得可能な情報を入力する入力部と、
利用者が所有する媒体から利用者の年齢を特定可能な情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された情報に基づいて利用者の年齢を特定する手段と、
入力部から入力された取引物品を特定可能な情報によって特定される取引物品の取引処理を実行する手段と、
前記取引処理中に、取引物品毎に販売を許可する年齢条件が定められている物品であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって販売を許可する年齢条件が定められている物品であると判定した場合には、前記年齢条件と利用者が所有する媒体から特定した利用者の年齢を比較し、利用者の年齢が前記年齢条件を満たしていないと判定した場合には前記取引物品の取引処理を実行しない手段と、
を備える取引処理装置。
【請求項2】
前記利用者の年齢を特定可能な情報は利用者の生年月日であり、前記情報取得手段により取得した生年月日に基づいて利用者の年齢を特定する請求項1に記載の取引処理装置。
【請求項3】
前記年齢条件は取引物品毎に定められている、請求項1または2に記載の取引処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−28766(P2011−28766A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197134(P2010−197134)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【分割の表示】特願2010−38521(P2010−38521)の分割
【原出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】