説明

取引装置及び制御プログラム

【課題】 複数のデータ記録部を備える記録媒体を受け入れて処理する際に、記録媒体のデータ復元処理を容易に行うことができる取引装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、少なくとも取引情報と制御情報が記録された第1のデータ記録部と、少なくとも取引情報が記録された第2のデータ記録部とを備える記録媒体を受け入れて処理することが可能な記録媒体処理部を備える取引装置に関する。そして、取引装置は、記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられているか否かを確認する手段と、記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられていると確認された場合、当該記録媒体の第1のデータ記録部に対して、少なくとも制御情報のデータ復元を行う手段を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取引装置及び制御プログラムに関し、例えば、金融機関やコンビニエンスストア等に設置されるATM(Automatic Teller Machine)等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、ATMの取引で用いられるキャッシュカードでは、複数のデータ記録媒体を備えるものがある。例えば、従来、磁気ストライプ(以下、「MS」とも呼ぶ)に加えてICチップが付けられたキャッシュカード(以下、「ICキャッシュカード」と呼ぶ)がある。
【0003】
従来のICキャッシュカードでは、磁気ストライプに、当該キャッシュカードにICチップが付けられているか否かを判定するための制御情報のデータ(以下、「有効性コード」とも呼ぶ)が記録されている。従来のATMで、ICキャッシュカードが挿入された場合であっても、ATMは先に磁気ストライプのデータを読み取り、有効性コードから、当該キャッシュカードのICチップの有無を判断する。
【0004】
そのため、ICキャッシュカードで磁気ストライプの不良(例えば、磁気消失や破損等)によりATMで読み取り不可の状態となると、ICチップが正常であっても、当該ICキャッシュカードを用いてATMでの取引を行うことはできなくなり、金融機関の窓口等でICキャッシュカードの再発行等の手続き等が必要になる。
【0005】
このような問題に対応する従来技術としては、特許文献1の記載技術がある。特許文献1に記載されたATMでは、取り込んだICキャッシュカードで、磁気ストライプのデータが読取りできない場合、ICチップの情報を上位システム(ホストコンピュータ)に送信し、上位システムから当該ICキャッシュカードの磁気ストライプに記録すべきデータを受信して、受信したデータを当該ICキャッシュカードの磁気ストライプ書き込み、磁気ストライプのデータを復元している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−80544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の記載技術では、ATMを上位システムと連携して動作させる必要があるため、新たに導入する場合には、ATM側だけでなく上位システム側の改変が必要であった。
【0008】
上述のような問題に鑑みて、複数のデータ記録部を備える記録媒体(例えば、ICキャッシュカード)を受け入れて処理する際に、記録媒体のデータ復元処理を容易に行うことができる取引装置及び制御プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明は、第1のデータ記録部と第2のデータ記録部とを有し、上記第1のデータ記録部には、少なくとも取引を行うための取引情報と当該記録媒体に上記第2のデータ記録部が備えられていることを示す制御情報が記録されており、上記第2のデータ記録部には少なくとも上記第1のデータ記録部の取引情報と同様の内容を表わす取引情報が記録されている記録媒体を受け入れて処理することが可能な記録媒体処理部を備える取引装置において、(1)上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられているか否かを確認する確認手段と、(2)上記確認手段により、上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられていると確認された場合、当該記録媒体の第1のデータ記録部に対して、少なくとも制御情報のデータ復元処理を行うデータ復元処理手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第2の本発明の制御プログラムは、(1)第1のデータ記録部と第2のデータ記録部とを有し、上記第1のデータ記録部には、少なくとも取引を行うための取引情報と当該記録媒体に上記第2のデータ記録部が備えられていることを示す制御情報が記録されており、上記第2のデータ記録部には少なくとも上記第1のデータ記録部の取引情報と同様の内容を表わす取引情報が記録されている記録媒体を受け入れて処理することが可能な記録媒体処理部を備える取引装置に搭載されたコンピュータを、(2)上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられているか否かを確認する確認手段と、(3)上記確認手段により、上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられていると確認された場合、当該記録媒体の第1のデータ記録部に対して、少なくとも制御情報のデータ復元処理を行うデータ復元処理手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のデータ記録部を備える記録媒体を受け入れて処理する際に、記録媒体のデータ復元処理を容易に行うことができる取引装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態のATMの動作について示したフローチャートである。
【図2】第1の実施形態のATMの機能的構成について示したブロック図である。
【図3】第1の実施形態のATMで使用されるキャッシュカードの構成例について示した説明図である。
【図4】第1の実施形態のATMでキャッシュカードを返却する際に表示する画面の内容例について示した説明図である。
【図5】第2の実施形態のATMで、キャッシュカードが挿入された場合の動作について示したフローチャートである。
【図6】第2の実施形態のATMで、有効性コード復元処理が行われる場合の動作について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による取引装置及び制御プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第1の実施形態の取引装置は、ATMである。
【0014】
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、この実施形態のATM10の機能的構成を示すブロック図である。また、図2の括弧内の符号は、後述する第2の実施形態でのみ用いられる符号である。
【0015】
ATM10は、例えば、金融機関の店舗やコンビニエンスストア等に設置される取引装置であり、取引処理を行うユーザ(以下、「顧客」と呼ぶ)の操作や、図示しない上位システム(ホストコンピュータ)との通信を伴う情報処理(例えば、トランザクション処理)により、当該顧客の口座に関する取引処理(例えば、振込処理や入金(預入)処理等)を行うものである。そして、ATM10では、顧客との取引に際して、顧客から挿入されたキャッシュカードを受け入れて、当該キャッシュカードのデータ記録部に書き込まれたデータも利用して取引処理行うことができる。
【0016】
図3は、ATM10に挿入されるキャッシュカード(ICキャッシュカード20、IC無しキャッシュカード30)の構成について示したブロック図である。
【0017】
ATM10では、図3(a)に示す磁気ストライプ201及びICチップ202ICキャッシュカード20が付けられたICキャッシュカード20、又は、図3(b)に示す磁気ストライプ301のみが付けられている(すなわち、ICチップが付けられていない)IC無しキャッシュカード30のいずれかのキャッシュカードが顧客から挿入される場合があるものとする。ICキャッシュカード20及びIC無しキャッシュカード30については、既存のATMで用いられるものと同様のものであるので、詳しい説明は省略する。
【0018】
ATM10は、制御部101、データ記憶部102、カード処理部103、操作表示部104、プリンタ105、通帳処理部106、現金処理部107、及び通信部108を有している。なお、第1の実施形態のATM10のハードウェア構成としては、既存のATMと同様のものを適用することが可能である。また、ATM10において、操作表示部104及びカード処理部103以外の顧客とのインタフェース(例えば、プリンタ105、通帳処理部106、現金処理部107)の構成については限定されないものであり、既存のATMの種々の構成を適用することができる。
【0019】
制御部101は、ATM1内の各部の動作を制御する機能を担っているものである。データ記憶部102は、制御部101が情報処理を行うために必要な各種情報等を格納するデータ記憶手段であり、例えば、各種メモリ等により構成することができる。
【0020】
制御部101は、例えば、プロセッサ等を含むプログラムの実施構成に実施形態の制御プログラム等をインストールすることにより実現することができる。上述の制御プログラムは、例えば、データ記憶部102に記憶しておき、ATM1が起動したときに、制御部101が読み込んで実行するようにしても良い。
【0021】
通信部108は、上述の図示しない上位システム(ホストコンピュータ)等と接続するためのネットワークインタフェースである。なお、通信部108については、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
【0022】
取引処理部11は、顧客との取引処理を行うための情報処理や、取引処理に伴ってATM10内の各構成要素の制御等を行うものである。なお、取引処理部11が行う取引処理(例えば、振込みや預入等の取引処理)の内容自体は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
【0023】
操作表示部104は、当該ATM1を使用するユーザとのインタフェースの機能を担っている。操作表示部104で、ユーザとのインタフェースに用いるデバイスの種類は限定されないものであるが、ここでは、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を用いたタッチパネル画面等のデバイスが用いられるものとする。なお、操作表示部104としては、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明を省略する。また、この実施形態の操作表示部104では、タッチパネル画面を用いて、顧客からの操作の受付や、顧客への情報の表示及び顧客からの操作の受付を行うものとして説明する。
【0024】
プリンタ105、取引内容を印字した明細書等を印刷して出力するものである。なお、プリンタ105自体は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
【0025】
通帳処理部106は、顧客から挿入された通帳を受け入れ、ATM10における当該顧客との取引内容に応じた内容を印字する等の通帳に関する処理を行う機能を担っている。なお、通帳処理部106としては、既存のATM等と同様のものを適用することができるので詳しい説明を省略する。
【0026】
現金処理部107は、顧客から入金された現金(紙幣及び又は硬貨)の投入を受け入れて、収納する機能と、収納した現金を顧客に出金する機能を担っている。なお、現金処理部107は、既存のATM等と同様のものを適用することができる。
【0027】
カード処理部103は、制御部101の制御に応じて、ICキャッシュカード20(又はIC無しキャッシュカード30)に付けられている磁気ストライプ201(又は磁気ストライプ301)についてデータの読み込み及び書込みが可能な構成となっているものとする。また、カード処理部103は、ICキャッシュカード20に付けられているICチップ202について少なくともデータの読み込みが可能な構成となっているものとする。カード処理部103において、磁気ストライプやICチップに対してデータ処理(読み込み、書込み)を行う構成については、既存のATM等に備えられているカードリーダ・ライタ等と同様の構成を適用することができるため、詳しい説明については省略する。
【0028】
この実施形態において、ICキャッシュカード20(IC無しキャッシュカード30)に付けられている磁気ストライプ201(磁気ストライプ301)には、取引に必要な情報(少なくとも当該キャッシュカードを発行した金融機関の金融機関番号、当該キャッシュカードに係る口座番号)、及び有効性コード(当該キャッシュカードのICチップの有無を示す制御情報)が記録されているものとする。
【0029】
すなわち、ICチップ202が付けられているICキャッシュカード20の磁気ストライプ201に記録されている有効性コードは、「ICチップ有り」を示す内容となっている。一方、ICチップが付けられていないIC無しキャッシュカード30の磁気ストライプ301に記録されている有効性コードは、「ICチップ無し」を示す内容となっている。なお、IC無しキャッシュカード30の磁気ストライプ301には、有効性コードそのものの記録をしないことにより「ICチップ無し」を示すように構成しても良いが、この実施形態では、上述のように、「ICチップ無し」を示す内容の有効性コードを記録しているものとする。磁気ストライプ201又は磁気ストライプ301に記録される有効性コード等の具体的なデータの記録形式及び内容としては、既存のキャッシュカードと同様のものを適用することができるので詳しい説明については省略する。
【0030】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のATM10の動作を説明する。
【0031】
ここでは、顧客からキャッシュカード(ICキャッシュカード20又はIC無しキャッシュカード30)が挿入された場合のATM10(制御部101)の動作について、図1を用いて説明する。
【0032】
まず、顧客によりキャッシュカード(ICキャッシュカード20又はIC無しキャッシュカード30)がカード処理部103に挿入されたものとする(S101)。
【0033】
なお、この実施形態のATM10では、顧客から最初にキャッシュカードの挿入を受付けて、その後、いずれの取引処理を行うかの選択操作を受付ける(例えば、操作表示部104のタッチパネルに取引選択メニューを表示して選択させる)ものとして説明する。また、ATM10において、キャッシュカードの挿入を受けるタイミングについては限定されないものであり、例えば、いずれの取引処理を行うかの選択操作を受付けてから、キャッシュカードの挿入を受付けるようにしても良い。
【0034】
そして、カード処理部103では、制御部101の制御に応じて、挿入されたキャッシュカードの磁気ストライプのデータ読取りが行われる(S102)。
【0035】
そして、制御部101では、カード処理部103による磁気ストライプのデータ読取結果が確認され、その確認結果に応じてその後の処理の判断が行われる(S103)。ステップS103で、磁気ストライプのデータ読取りに成功した場合(読取りOKの場合)には、制御部101は、後述するステップS104の処理から動作し、磁気ストライプのデータ読取りに失敗した場合(読取りNGの場合)には、後述するステップS107から動作する。
【0036】
制御部101において、磁気ストライプのデータ読取結果が成功であるか否か(磁気ストライプが正常であるか否か)の判断方式は限定されないものである。例えば、カード処理部103で読取った磁気ストライプのデータについて、エラー検出処理(例えば、エラー検出や誤り訂正符号等を用いた検出)を行って、エラーが検出されない場合に、制御部101は、磁気ストライプのデータ読取に成功したと判定するようにしても良い。一方、エラー検出処理でエラーが検出され、正常なデータの読取りができなかったと判断できる場合や、カード処理部103で磁気ストライプからデータの読取り自体が実行できない場合等に、制御部101は、磁気ストライプのデータ読取に失敗したと判定するようにしても良い。
【0037】
そして、上述のステップS103で、磁気ストライプのデータ読取りに成功した場合(読取りOKの場合)には、制御部101は、読取った磁気ストライプのデータに含まれる有効性コードを参照して、「ICチップ有り」を示す内容であるか、「ICチップ無し」を示す内容であるかを確認する(S104)。そして、参照した有効性コードの内容が「ICチップ有り」を示す内容であると確認された場合には、制御部101は後述するステップS105から動作する。また、参照した有効性コードの内容が「ICチップ無し」を示す内容であると確認された場合には、制御部101は後述するステップS106から動作する。
【0038】
上述のステップS104で、参照した有効性コードの内容が「ICチップ有り」を示すと確認された場合(すなわち、挿入されたキャッシュカードが、ICキャッシュカード20である場合)には、制御部101は、カード処理部103を介してICチップ202のデータを読み込んで、カード処理部103のデータを用いた取引処理を顧客との間で開始する(S105)。
【0039】
一方、上述のステップS104で、参照した有効性コードの内容が「ICチップ無し」を示すと確認された場合(すなわち、挿入されたキャッシュカードが、IC無しキャッシュカード30である場合)には、カード処理部103が読取った磁気ストライプ301のデータを用いた取引処理を顧客との間で開始する(S106)。
【0040】
一方、上述のステップS103で、磁気ストライプのデータ読取りに失敗した場合(読取りNGの場合)には、制御部101は、挿入されたキャッシュカードを、仮にICチップの付けられたICキャッシュカード20であるとみなし、カード処理部103を介してICチップのデータの読み込みを試みる(S107)。
【0041】
上述のステップS103で、挿入されたキャッシュカードの磁気ストライプのデータ読取りに失敗したということは、当該キャッシュカードの磁気ストライプに記録されている有効性コードも読取りができない状態であるため、制御部101では、有効性コードに基づいて当該キャッシュカードにICチップが付けられているか否かも判断することができない。そこで、制御部101では、上述のように、仮に当該キャッシュカードがICチップの付けられたICキャッシュカード20であるとみなして、ICチップへコンタクト(カード処理部103を介してデータ読み込みを実行)を試みることにより、当該キャッシュカードにICチップが付けられているか否かを判断するものとする。
【0042】
そして、制御部101は、上述のステップS107のデータの読取り結果に応じて、挿入されたキャッシュカードにICチップが付けられているか否かを判定する(S108)。そして、上述のステップS108で、挿入されたキャッシュカードにICチップが付けられていると判定された場合には、制御部101は、後述するステップS109から動作し、挿入されたキャッシュカードにICチップが付けられていないと判定された場合には、制御部101は、後述するステップS111から動作する。
【0043】
そして、上述のステップS108で、挿入されたキャッシュカードにICチップが付けられていると判定された場合(すなわち、挿入されたキャッシュカードがICキャッシュカード20だった場合)には、制御部101は、ICキャッシュカード20の磁気ストライプ201上のデータのうち、少なくとも有効性コードについて、ATM(本発明を適用したATMに限定されない)で読み込みが可能となるように復元(書き込み)を行う(S109)。
【0044】
ステップS109で、ICキャッシュカード20の磁気ストライプ201に対して書き込みデータの内容は、少なくとも有効性コードについて、他のATMでもデータの読み込みが可能となる内容であれば良い。例えば、制御部101は、磁気ストライプ201のデータのうち、有効性コード以外は、ダミーのデータ(例えば、口座番号等にオール0のダミーデータ等)を入力するようにしても良い。
【0045】
そして、その後顧客が当該ICキャッシュカード20を、ICチップに対応する他のATM(本発明を適用ていないATM)に挿入した場合には、ICチップ202の内容に基づいて取引を行うことができるが、ICチップに対応しない他のATM(本発明を適用していないATM)に挿入した場合には、取引を行うことができないことになる。そこで、制御部101で、ICキャッシュカード20の磁気ストライプ201の内容(有効性データ)を復元する処理に際して、操作表示部104のタッチパネル画面に、図4に示すような画面を表示出力して、顧客に対して、少なくとも、磁気ストライプのデータが不良となっていることを通知するために、警報を発するようにしても良い。ATM10では、例えば、図4に示すように、ATM10(制御部101)は、「カードの磁気ストライプが破損しております。お早めに窓口にお申し出ください。IC対応ATMでは取引が可能ですが未対応のATMでは取引ができません」というメッセージを顧客に出力することにより警報を発するようにしても良い。これにより、顧客に対して、磁気ストライプのデータが不良となっている旨と、ICチップに未対応のATMでは取引ができない旨を知らせ、注意喚起することができる。これにより、顧客は、当該キャッシュカードを窓口に持参し、磁気ストライプのデータの復元や、新しいキャッシュカードの発行等のサービスを受けることが可能となる。なお、ATM10で、上述の警報を発する手段は限定されないものであり、例えば、上述のメッセージと同じ内容の音声メッセージを、図示しないスピーカにより出力するようにしても良い。
【0046】
また、上述のステップS109で、有効性コード復元処理に失敗した場合には、制御部101は、後述するステップS111に移行するようにしても良い。例えば、ICキャッシュカード20の磁気ストライプ201の部分が、破損している場合(例えば、傷付いていたり、割れていたりしている場合)には、正常に磁気ストライプ201へのデータ書込みを行うことはできないため、上述のような処理が必要となる。
【0047】
さらに、図1において、ATM10(制御部101)では、顧客との取引処理を完了する前のタイミング(上述のステップS109のタイミング)で、有効性コード復元処理を行っているが、有効性コード復元処理を行うタイミングについては限定されないものである。例えば、ATM10(制御部101)では、顧客との取引処理を完了した後、ICキャッシュカード20を返却する前に、有効性コード復元処理を行うようにしても良い。
【0048】
一方、上述のステップS108で、挿入されたキャッシュカードにICチップが付けられていないと判定された場合には、制御部101は、カード処理部103を制御し、挿入されたキャッシュカードを返却(排出)させて取引処理を中止する(S111)。この場合、カード処理部103に挿入されたキャッシュカードは、磁気ストライプ301のデータが不良となっているIC無しキャッシュカード30、又は、磁気ストライプ201及びICチップ202のいずれも不良となっているICキャッシュカード20のいずれかとなる。したがって、制御部101では、当該キャッシュカードからは、取引に必要なデータを得る手段がないため、取引を中止せざるを得ない。なお、ステップS108の場合でも、上述のステップS107と同様に、顧客に対して、磁気ストライプのデータが不良となっている旨等を通知する画面表示等を行うようにしても良い。
【0049】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0050】
(A−3−1)ATM10では、ICキャッシュカード20であれば、磁気ストライプ201のデータが不良であっても、ICチップ202のデータを読み込んで、取引を行うことができる。
【0051】
(A−3−2)ATM10では、ICキャッシュカード20であれば、磁気ストライプ201のデータが不良であっても、有効性コードを暫定的に復元することで、次回以降に、他のATM(本発明のATMに限定されない)での取引を行うことができる。
【0052】
(A−3−3)ATM10では、ICキャッシュカード20の磁気ストライプ201に対して、暫定的に有効性データを復元する処理を行うため、特許文献1の従来技術のように、磁気ストライプのデータを復元するために、上位システム(ホストコンピュータ等)からのデータ受信を受ける必要がない。したがって、ATM10では、上位システムに改変を加えることなく、ATM10側の改変だけで、容易に有効性コード復元処理を実現することができる。
【0053】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による取引装置及び制御プログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第1の実施形態の取引装置は、ATMである。
【0054】
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態のATM10Aも、上述の図2を用いて示すことができる。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を説明する。
【0055】
第2の実施形態のATM10Aでは、制御部101が制御部101Aに置き換わっている点で、第1の実施形態と異なっている。
【0056】
第1の実施形態の制御部101では、上述の図1に示すように、顧客との取引処理の過程で、ICキャッシュカード20の磁気ストライプ201が不良である場合には、少なくとも有効性コードについて他のATMで正常に読み込みができるような復元処理(以下、「データ復元処理モード」と呼ぶ)を行っている。これに対して、第2の実施形態では、有効性コード復元処理を、顧客との取引処理の過程では行わずに、有効性コード復元処理を実行可能な動作モードで、ATM10A(制御部101A)が動作する場合に実行されるものとする。
【0057】
例えば、ATM10Aが銀行の店舗に設置されている場合には、当該店舗の行員等、特定の者によってのみ、ATM10A(制御部101A)を、有効性コード復元処理を実行可能な動作モードで動作させるように構成することが望ましい。以下では、ATM10A(制御部101A)において、有効性コード復元処理が実行可能な動作モードを「行員モード」と呼ぶものとする。そして、ATM10A(制御部101A)が行員モードで動作する場合には、少なくとも有効性コード復元処理を実行することが可能であるものとする。ATM10A(制御部101A)が行員モードで動作する場合、例えば、現金処理部107に対する現金の取り出し処理や補充処理等、他の処理についても実行可能とするように構成しても良い。
【0058】
ATM10A(制御部101A)を行員モードで動作するように遷移させるトリガについては限定されないものである。例えば、ATM10Aで、図示しない施錠されたドアの内部に行員モードに遷移させるためのトリガとなるスイッチを設けて、当該スイッチにより行員モードのON/OFFを制御するようにしても良いし、所定の認証情報(パスワード等)入力をトリガとして、行員モードへの遷移を行うようにしても良い。
【0059】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のATM10Aの動作を説明する。
【0060】
まず、顧客からキャッシュカード(ICキャッシュカード20又はIC無しキャッシュカード30)が挿入された場合のATM10A(制御部101A)の動作について、図1を用いて説明する。
【0061】
まず、顧客によりキャッシュカード(ICキャッシュカード20又はIC無しキャッシュカード30)がカード処理部103に挿入されたものとする(S201)。
【0062】
そして、カード処理部103では、制御部101Aの制御に応じて、挿入されたキャッシュカードの磁気ストライプのデータ読取りが行われる(S202)。
【0063】
そして、制御部101Aでは、カード処理部103による磁気ストライプのデータ読取結果が確認され、その確認結果に応じてその後の処理の判断が行われる(S203)。ステップS203で、磁気ストライプのデータ読取りに成功した場合(読取りOKの場合)には、制御部101Aは、後述するステップS204の処理から動作し、磁気ストライプのデータ読取りに失敗した場合(読取りNGの場合)には、後述するステップS207から動作する。なお、制御部101Aにおいて、磁気ストライプのデータ読取結果が成功であるか否かの判断方式は第1の実施形態と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0064】
そして、上述のステップS203で、磁気ストライプのデータ読取りに成功した場合(読取りOKの場合)には、制御部101Aは、読取った磁気ストライプのデータに含まれる有効性コードを参照して、「ICチップ有り」を示す内容であるか、「ICチップ無し」を示す内容であるかを確認する(S204)。そして、参照した有効性コードの内容が「ICチップ有り」を示す内容であると確認された場合には、制御部101Aは後述するステップS205から動作する。また、参照した有効性コードの内容が「ICチップ無し」を示す内容であると確認された場合には、制御部101Aは後述するステップS206から動作する。
【0065】
上述のステップS204で、参照した有効性コードの内容が「ICチップ有り」を示すと確認された場合(すなわち、挿入されたキャッシュカードが、ICキャッシュカード20である場合)には、制御部101Aは、カード処理部103を介してICチップ202のデータを読み込んで、カード処理部103のデータを用いた取引処理を顧客との間で開始する(S205)。
【0066】
一方、上述のステップS204で、参照した有効性コードの内容が「ICチップ無し」を示すと確認された場合(すなわち、挿入されたキャッシュカードが、IC無しキャッシュカード30である場合)には、カード処理部103が読取った磁気ストライプ301のデータを用いた取引処理を顧客との間で開始する(S206)。
【0067】
そして、上述のステップS203で、磁気ストライプのデータ読取りに失敗した場合(読取りNGの場合)には、制御部101Aは、カード処理部103を制御し、挿入されたキャッシュカードを返却(排出)させて取引処理を中止する(S207)。
【0068】
以上の図5に示すフローチャートの動作は、従来のATMとほぼ同様であるが、ATM10A(制御部101A)では、ICキャッシュカード20であれば、行員モードで有効性コード復元処理を行い、当該ICキャッシュカード20の磁気ストライプ201の有効性コードを復元し、ATM(本発明のATMに限定されない)で取引可能な状態にさせることができる。
【0069】
そこで、第2の実施形態のATM10A(制御部101A)では、上述のステップS207のように、挿入されたキャッシュカードの磁気ストライプのデータの読み込みができない場合に、異常(キャッシュカードの磁気ストライプのデータの読み込みができないこと)を、行員等に知らせるための警報(例えば、音声やランプ表示等)を発するようにしても良い。また、操作表示部104のタッチパネル画面に、顧客に対するメッセージとして「キャッシュカードの磁気ストライプが破損しております。窓口にお越しいただくか、係員を呼んでください。」というメッセージを表示し、顧客に行員を呼ぶことを促すようにしても良い。
【0070】
そして、上述のステップS207の処理の後、例えば、行員が、ATM10Aの側に来て、顧客が使用しているキャッシュカードを目視し、そのキャッシュカードがICチップ202の付けられたICキャッシュカード20であるか否かを確認する。そして、ここでは、当該キャッシュカードはICチップ202の付けられたICキャッシュカード20であり、行員の操作により、ATM10Aが行員モードに遷移したものとする。
【0071】
図6は、例えば上述のような場合に、行員の操作により、ATM10Aが行員モードに遷移し、ATM10Aにより、ICキャッシュカード20に対して有効性コード復元処理が行われる場合の動作について示したフローチャートである。
【0072】
まず、ATM10A(制御部101A)が、行員の操作により行員モードに遷移し(S301)、さらに、行員の操作により、ATM10A(制御部101A)で有効性コード復元処理が開始されたものとする(S302)。
【0073】
ATM10A(制御部101A)で、行員モードで動作中に、有効性コード復元処理を開始するトリガについては限定されないものである。例えば、ATM10A(制御部101A)では、行員モードに遷移するとその後、いずれの処理を行うかの選択操作を受付ける(例えば、操作表示部104のタッチパネルに処理選択メニューを表示して選択させる)ようにしても良い。
【0074】
そして、制御部101Aは、有効性コード復元処理が開始されると、行員にキャッシュカードの挿入を促し(例えば、操作表示部104のタッチパネル画面に「カードを挿入してください」等のメッセージを表示する)、行員からキャッシュカードが挿入されたものとする(S303)。
【0075】
そして、制御部101Aは、挿入されたキャッシュカードを、仮に当該キャッシュカードがICチップの付けられたICキャッシュカード20であるとみなして、ICチップへコンタクト(カード処理部103を介してデータ読み込みを実行)を試みることにより、当該キャッシュカードにICチップが付けられているか否かを判断するものとする(S304)。
【0076】
そして、制御部101Aは、上述のステップS304のデータの読取り結果に応じて、挿入されたキャッシュカードにICチップが付けられているか否かを判定する(S305)。そして、上述のステップS305で、挿入されたキャッシュカードにICチップからデータの読込が成功したと判定された場合には、制御部101Aは、後述するステップS306から動作し、挿入されたキャッシュカードにICチップからのデータ読込に失敗したと判定された場合には、制御部101Aは、後述するステップS308から動作する。なお、上述のステップS303で、挿入されたキャッシュカードが、IC無しキャッシュカード30であった場合には、当然ICチップからのデータの読み込みに失敗することになるので、後述のステップS308に進むことになる。
【0077】
そして、上述のステップS305で、挿入されたキャッシュカードのICチップからのデータ読込に成功したと判定された場合(すなわち、挿入されたキャッシュカードが正常なICチップ202を備えるICキャッシュカード20だった場合)には、制御部101Aは、カード処理部103を制御して、ICキャッシュカード20に対して有効性コード復元処理を実行し(S306)、さらに当該ICキャッシュカード20を行員に返却(排出)させる(S307)。
【0078】
一方、上述のステップS305で、挿入されたキャッシュカードのICチップからのデータ読込に失敗したと判定された場合(すなわち、挿入されたキャッシュカードが不良なICチップ202を備えるICキャッシュカード20だった場合、又は、IC無しキャッシュカード30だった場合)には、制御部101Aは、カード処理部103を制御して、当該キャッシュカードを行員に返却(排出)させる(S308)。
【0079】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0080】
(B−3−1)第2の実施形態のATM10Aでは、第1の実施形態と同様に、ICキャッシュカード20であれば、磁気ストライプ201が不良であっても、有効性コードを暫定的に復元することで、次回以降に、ATM(本発明のATMに限定されない)での取引を行うことができる。
【0081】
(B−3−2)第2の実施形態のATM10Aでは、第1の実施形態と同様に、磁気ストライプの有効性コード復元処理に際して上位システム(ホストコンピュータ等)からのデータ受信を受ける必要がなく、容易に有効性コード復元処理を実現することができる。
【0082】
(B−3−3)第2の実施形態のATM10Aでは、有効性コード復元処理を実行するには、有効性コード復元処理が実行可能な行員モードで動作させる必要がある。したがって、磁気ストライプ201のデータが不良となっているICキャッシュカード20を所持した顧客がATM10Aでの取引を行う場合には、一旦、金融機関の店舗の係員(行員)への申し出が必要となる。しかしながら、第2の実施形態のATM10Aでは、行員による対応が必ず必要となるため、有効性コード復元処理により暫定的に有効性コードを復元するのとともに、有効性コード以外の磁気ストライプも復元した正式なカードの再発行手続きにすぐに取り掛かることができるという効果を奏する。
【0083】
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0084】
(C−1)上記の各実施形態では、本発明の取引装置を、顧客から記録媒体としてのキャッシュカードを受け入れて取引を行うATMに適用する例について説明したが、本発明の取引装置は例えば、顧客から記録媒体を受け入れて取引を行うその他の装置に適用するようにしても良い。例えば、ポイントカード、電子マネーカード等であって、複数のデータ記録部(例えば、磁気ストライプとICチップ)を備える記録媒体を受け入れて、その記録媒体に記録されたデータを用いて取引を行う取引装置に適用するようにしても良い。例えば、本発明の取引装置が記録媒体としてポイントカードを受け入れて取引を行う場合には、当該ポイントカードとして、顧客番号等の取引に必要な取引に加えて有効性コードを記録した磁気ストライプと、磁気ストライプと同様の取引情報を記録したICチップが備えられているものを適用することができる。
【0085】
(C−2)上記の各実施形態では、記録媒体としてのキャッシュカードには、第1のデータ記録部として磁気ストライプが適用されており、第2のデータ記録部としてICチップが適用されている例について説明したが、本発明の取引装置で処理する記録媒体に備えるデータ記録部のデータ記録部の種類や組合せは上述のものに限定されないものである。
【0086】
(C−3)上記の各実施形態において、ICキャッシュカードに付けられているICチップが1つの例について説明したが、物理的に複数のICチップに分かれていても良い。
【符号の説明】
【0087】
10…ATM(取引装置)、101…制御部、102…データ記憶部、103…カード処理部、104…操作表示部、105…プリンタ、106…通帳処理部、107…現金処理部、108…通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデータ記録部と第2のデータ記録部とを有し、上記第1のデータ記録部には、少なくとも取引を行うための取引情報と当該記録媒体に上記第2のデータ記録部が備えられていることを示す制御情報が記録されており、上記第2のデータ記録部には少なくとも上記第1のデータ記録部の取引情報と同様の内容を表わす取引情報が記録されている記録媒体を受け入れて処理することが可能な記録媒体処理部を備える取引装置において、
上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられているか否かを確認する確認手段と、
上記確認手段により、上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられていると確認された場合、当該記録媒体の第1のデータ記録部に対して、少なくとも制御情報のデータ復元処理を行うデータ復元処理手段と
を備えることを特徴とする取引装置。
【請求項2】
上記データ復元処理手段は、上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体の第1のデータ記録部からデータの読み込みができない場合にのみ、上記第1のデータ記録部に対するデータ復元処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の取引装置。
【請求項3】
上記データ復元処理手段は、第1のデータ記録部に対するデータ復元処理を行う際に、制御情報以外のデータとしてダミーデータを入力することを特徴とする請求項1又は2に記載の取引装置。
【請求項4】
上記データ復元処理手段は、上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体の第1のデータ記録部のデータが正常に読み込みできない場合にのみ、第1のデータ記録部に対するデータ復元処理を行うことを特徴とする請求項1〜3に記載の取引装置。
【請求項5】
上記データ復元処理手段が、上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体の第1のデータ記録部に対して、データ復元処理を行った場合に、所定の手段により警報を発することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の取引装置。
【請求項6】
ユーザの操作に応じて、当該取引装置を、上記データ復元処理手段の機能を有効とする第1の動作モード、又は、上記データ復元処理手段の機能を無効とする第2の動作モードのいずれかに切り替えて動作させる動作モード切替手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の取引装置。
【請求項7】
第1のデータ記録部と第2のデータ記録部とを有し、上記第1のデータ記録部には、少なくとも取引を行うための取引情報と当該記録媒体に上記第2のデータ記録部が備えられていることを示す制御情報が記録されており、上記第2のデータ記録部には少なくとも上記第1のデータ記録部の取引情報と同様の内容を表わす取引情報が記録されている記録媒体を受け入れて処理することが可能な記録媒体処理部を備える取引装置に搭載されたコンピュータを、
上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられているか否かを確認する確認手段と、
上記確認手段により、上記記録媒体処理部が受け入れた記録媒体に第2のデータ記録部が備えられていると確認された場合、当該記録媒体の第1のデータ記録部に対して、少なくとも制御情報のデータ復元処理を行うデータ復元処理手段と
して機能させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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