説明

取鍋搬送台車の停止位置決め方法および装置

【課題】 取鍋が搬送台車の中心に乗っていない場合でも、取鍋のレールは、常に、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルのローラーの中心と一致するので、取鍋は、円滑に搬送台車からローラーテーブルに移送される。
【解決手段】 搬送台車6に設けられた、搬送台車6走行方向と直行する方向に取鍋2を移送可能なローラーテーブル11上に取鍋2を乗せ、搬送台車6を、搬送台車6の走行方向と直行する方向に設けられたローラーテーブル16Aまで走行させ、そして、ローラーテーブル11上の取鍋2を、ローラーテーブル16Aに移載する際の、搬送台車6の停止位置決め方法において、搬送台車6上の取鍋2の位置を検出し、取鍋2の中心とローラーテーブル16Aの中心とが一致するように、搬送台車6の停止位置を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取鍋搬送台車の停止位置決め方法および装置、特に、取鍋が搬送台車の中心に乗っていない場合でも、取鍋の中心は、常に、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルの中心と一致するので、取鍋は、円滑に搬送台車からローラーテーブルに移送される、取鍋搬送台車の停止位置決め方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダクタイル鋳鉄管等のダクタイル鋳物は、鋼材と同等の引張強度を有し、その伸びおよび靱性等の機械試験値は、普通鋳鉄の十数倍に達し、更に、普通鋳鉄と同等の優れた耐食性を有しており、そのため、これらの特性が要求される地中埋設管等のより厳しい環境下での各種配管材等で広く利用されている。
【0003】
このダクタイル鋳物は、鉄スクラップを主たる鉄源原料として、キュポラあるいは電気炉によって溶解された元湯に、金属Mg等の黒鉛球状化剤を添加して、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製し、これを遠心鋳造機等の鋳造設備によって鋳造することにより製造されている。
【0004】
溶解炉で溶解された元湯をダクタイル鋳物用溶融鋳鉄に溶製する際には、通常、溶解炉で溶解された元湯を一旦保持炉に装入し、保持炉で貯留し滞留させて温度や成分等を均質化させた後に保持炉から所定量の元湯を取鍋に装入し、取鍋内で黒鉛球状化剤を添加するか、あるいは取鍋内の元湯を分湯して、分湯した元湯に黒鉛球状化剤を添加した後に元湯と合せることによって黒鉛球状化処理が行われており、従来、元湯を収容した取鍋および黒鉛球状化処理が施された後の溶湯を収容した取鍋は、クレーンやホイスト等によって吊り上げられて、保持炉や黒鉛球状化処理装置の間を搬送されている。
【0005】
クレーンやホイストは、製鉄業や金属加工業では重量物の搬送手段として、広く且つ一般的に使用されている。そして、空中を搬送ルートとしているため、特別の搬送ルートを設ける必要がないという利点を有している。
【0006】
しかしながら、溶湯の収容された取鍋をクレーンで搬送する場合には、万一の場合を考慮して、通常、搬送ルート直下に他の製造用設備は配置されることがない。従って、搬送ルート直下に相当する場所、並びに万一の場合に影響を受けると予想される場所は、空けておく必要があり、工場敷地の有効活用の観点からは、優れた搬送手段とはいい難い。
【0007】
また、クレーンやホイストを用いて搬送する際には、クレーンまたはホイストを運転する操作員が必要であると同時に、地上ではクレーンフックの状況等を確認する玉掛け操作員が必要となる。この場合、稼働率の高いクレーンでは、操作員が常時クレーンに搭乗してクレーンを運転する必要があるが、稼働率が高いクレーンといえども、作業の空き時間が必ず発生し、クレーンに搭乗した操作員は、その期間待機することになる。
【0008】
このように、従来、保持炉から黒鉛球状化処理装置を経て、元湯からダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製する際に、溶湯は、クレーン等の吊り上げ手段を有する搬送装置によって搬送されているため、搬送装置を運転する専用の操作員を必要とすると共に、作業の都度に玉掛け操作員の指示、合図を必要としており、労働生産性が必ずしも高い作業であるとはいい難く、ダクタイル鋳物の製造コストを上昇させる一つの要因であった。
【0009】
そこで、上述の問題点を解決したダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製設備が特許文献1に開示されている。以下、これを従来技術といい、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図5は、従来技術を示す概略平面図、図6は、取鍋が乗せられた搬送台車を示す側面図、図7は、搬送台車を示す平面図、図8は、取鍋が乗せられた、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルを示す側面図、図9は、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルを示す平面図である。
【0011】
図5に示すように、従来技術のダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製設備は、保持炉1と、取鍋2内にMg等の黒鉛球状化剤を添加するための黒鉛球状化処理装置3と、取鍋2内のスラグを排出するための排滓処理装置4とが水平方向に並んで配置され、これらの装置に沿ってほぼ直線状に伸びる一対のレール5が敷設され、このレール5上を搬送台車6が走行するようになっている。
【0012】
保持炉1は、キュポラや電気炉等の溶解炉で溶解された元湯(溶融鋳鉄)を、遠心鋳造機等の鋳造設備で鋳造される前に一旦収容する容器であり、内壁が耐火物で構成され、低周波誘導等によって収容された元湯を加熱することが可能な炉である。
【0013】
黒鉛球状化処理装置3は、元湯に黒鉛球状化剤を添加して元湯中の黒鉛を球状化し、元湯からダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製する装置であり、黒鉛球状化剤として、純Mg、Fe−Si−Mg合金、Ni−Mg合金、Cu−Mg合金、希土類金属等を用い、置注ぎ法、蓋付取鍋添加法、プランジャ法、圧力添加法、ワイヤーフィーダー法等の適宜の添加手段によって添加する装置である。
【0014】
排滓処理装置4は、溶製されたダクタイル鋳物用溶融鋳鉄上に浮遊するスラグを除去して、鋳造されるダクタイル鋳物の品質を高める装置であり、取鍋2を傾斜させて、排滓ステーション7で滓ポット8内にスラグを排出する。
【0015】
図6および図7に示すように、搬送台車6は、駆動機9により駆動される車輪10によりレール5上を自走する。上には、搬送台車6の走行方向と直交する方向に取鍋2を移送する台車側取鍋移送手段としてのローラーテーブル11が設置されている。ローラーテーブル11は、中央部に凹部を有する形状の2列に配置された複数個のローラー12からなり、各ローラー12は、電動機13、減速機14、伝達機15等により駆動される。
【0016】
保持炉1とレール5との間、黒鉛球状化処理装置3とレール5との間、排滓処理装置4とレール5との間には、取鍋7を移送するための中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブル16A〜16Cがレール5と直角にそれぞれ設置されている。図8および図9に示すように、ローラーテーブル16A〜16C(図では16Aのみ示す)の各々の構造は、搬送台車6のローラーテーブル11と同様に、中央部が凹没した形状の2列に配置された複数個のローラー12からなり、各ローラー12は、電動機13、減速機14、伝達機15等により駆動される。
【0017】
取鍋2の底面には、一対のレール17が固定され、レール17がローラー12の凹部に入り込んだ状態でローラーテーブル11あるいは16A〜16Cに支持され、ローラー12が回転することによって取鍋2が移載されるようになっている。
【0018】
レール5の延長線上にはレーザーセンサー18が設置され、搬送台車6の所在位置がレーザーセンサー18によって常時監視され、所定位置で停止するようになっている。
【0019】
排滓処理装置4の近傍には、排滓処理された取鍋2を遠心鋳造機(図示せず)等の鋳造設備の設置された別棟に搬送するための棟越搬送台車19が設置されている。
【0020】
上述の従来技術によりダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製する方法を、以下に説明する。
【0021】
鉄スクラップ等の鉄源とコークス等の炭材とを原料として、キュポラあるいは電気炉等の溶解炉で元湯(溶融鋳鉄)を溶解し、更に、必要に応じて脱硫処理して得られた元湯を一旦保持炉1に収容する。
【0022】
空の取鍋2をローラーテーブル16A上に待機させておき、保持炉1を傾動させて元湯を取鍋2内に注湯する。注湯完了後、元湯を収容した取鍋2は、ローラーテーブル16Aによりレール5に向って移送される。この間、搬送台車6は、ローラーテーブル16Aの前面所定位置に自動的に移動し、取鍋2は、ローラーテーブル16Aからローラーテーブル11に移送される。
【0023】
このようにして、取鍋2が搬送台車6に乗せられると、搬送台車6は、ローラーテーブル16Bの前面位置まで走行し、所定の位置で停止する。搬送台車6が停止すると、搬送台車6のローラーテーブル11とローラーテーブル16Bが自動的に稼動し、取鍋2は、搬送台車6からローラーテーブル16Bに移載される。この後、黒鉛球状化処理装置3によって鉄被覆Mgワイヤーが取鍋2内の元湯に供給され、元湯は、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄に溶製される。
【0024】
所定量の鉄被覆Mgワイヤーが添加され、Mgによる黒鉛球状化処理が終了したら、ローラーテーブル16Bおよびローラーテーブル11により、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を収容した取鍋2は、搬送台車6上に再度、乗せられる。この後、搬送台車6は、ローラーテーブル16Cの前面位置まで走行し、所定の位置で停止する。搬送台車6が停止すると、ローラーテーブル11およびローラーテーブル16Cが自動的に稼動し、取鍋2は、搬送台車6からローラーテーブル16Cに移載される。この後、排滓ステーション7において排滓冶具を用いて取鍋2内のスラグが滓ポット8内に排出される。この後、予め、ローラーテーブル16Cの前面位置に待機させておいた棟越搬送台車19上に取鍋2を移送する。そして、棟越搬送台車19により取鍋2は、遠心鋳造機等の鋳造設備が設置された別棟に搬送される。
【0025】
この間、空の取鍋2が搬送台車6に乗せられ、ローラーテーブル16Aにより保持炉1に移送され、上述の工程が繰り返し行われる。
【0026】
以上のように従来技術によれば、一連の工程に、取鍋2をクレーン等によって吊り上げるといった作業がないので、ほとんどの作業を自動運転で行うことが可能となり、省力化並びに省力化に伴う生産性の向上が達成されるばかりか、安全性に優れ、工場敷地の有効活用が図れるといった効果がもたらされる。
【0027】
【特許文献1】特開2004−169082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら従来技術は、次のような問題があった。搬送台車6は、レーザーセンサー18等により、ローラーテーブル16Aの中心(2列に配置されたローラー列間の中心)と搬送台車6の中心、すなわち、搬送台車6のローラーテーブル11の中心(2列に配置されたローラー列間の中心)とが一致するように停止制御されるが(図1参照)、搬送台車6上の取鍋2が取鍋2の進行方向に対して左右にずれることがある。この状態で、ローラーテーブル11により取鍋2を移送すると、取鍋2のレール17がローラー12の凹部に入り込まず、レール17の先端部がローラー12と接触し、この結果、取鍋2をローラーテーブル16Aに移送することができず、位置合わせのためにラインを一時的に停止せざるを得ない事態になることがあった。
【0029】
搬送台車6上の取鍋2が取鍋2の進行方向に対して左右にずれる原因は、以下の通りである。
【0030】
(a)操業開始時には、クレーンにより空の取鍋2を搬送台車6上に吊り込むので、その時にセンターを合わせにくい。すなわち、ローラー12の凹部の幅は、取鍋2のレール17の幅に比べて広いので、ローラー12の凹部中心に正確に取鍋2のレール17を吊降ろすことが困難である。
【0031】
(b)操業時に、空の取鍋2が搬送台車6からローラーテーブル16Aに移送される際に、取鍋2が軽いので、取鍋2の停止、発進を繰り返すうちに、微妙にずれが生じる。
【0032】
(c)取鍋2の左右のレール17が片減りしていると、ずれが生じる。
【0033】
従って、この発明は、取鍋が搬送台車の中心に乗っていない場合でも、取鍋の中心は、常に、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルの中心と一致するので、取鍋は、円滑に搬送台車からローラーテーブルに移送される、取鍋搬送台車の停止位置決め方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0034】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0035】
請求項1記載の発明は、搬送台車上に設けられた、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に取鍋を移送可能な台車側取鍋移送手段上に取鍋を乗せ、前記搬送台車を、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に設けられた中継用取鍋移送手段まで走行させ、そして、前記台車側取鍋移送手段上の取鍋を、前記中継用取鍋移送手段に移載する際の、前記搬送台車の停止位置決め方法において、前記搬送台車上の取鍋の位置を検出し、取鍋の中心と前記中継用取鍋移送手段の中心とが一致するように、前記搬送台車の停止位置を補正することに特徴を有するものである。
【0036】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明は、搬送台車上の取鍋の位置を、レーザー式距離検出器によって検出することに特徴を有するものである。
【0037】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、台車側取鍋移送手段および中継用取鍋移送手段は、取鍋の下面に設けられたレールを介して取鍋を搬送可能なローラーテーブルから構成されていることに特徴を有するものである。
【0038】
請求項4記載の発明は、搬送台車上に設けられた、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に取鍋を移送可能な台車側取鍋移送手段上に取鍋を乗せ、前記搬送台車を、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に設けられた中継用取鍋移送手段まで走行させ、そして、前記台車側取鍋移送手段上の取鍋を、前記中継用取鍋移送手段に移載する際の、前記搬送台車の停止位置決め装置において、前記搬送台車上の取鍋の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段による取鍋位置データーに基づいて、取鍋の中心と前記中継用取鍋移送手段の中心とが一致するように、前記搬送台車に走行指令を出して、前記搬送台車の停止位置を補正する制御器とを備えたことに特徴を有するものである。
【0039】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明は、位置検出手段は、レーザー式距離検出器であることに特徴を有するものである。
【0040】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の発明において、台車側取鍋移送手段および中継用取鍋移送手段は、取鍋の下面に設けられたレールを介して取鍋を搬送可能なローラーテーブルから構成されていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0041】
この発明によれば、取鍋が搬送台車の中心に乗っていない場合でも、取鍋のレールは、常に、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルのローラーの中心と一致するので、取鍋は、円滑に搬送台車からローラーテーブルに移送される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
この発明の取鍋搬送台車の停止位置決め装置を、図面を参照しながら説明する。
【0043】
図1は、取鍋が搬送台車の中心に乗せられたときの搬送台車の停止位置を示す平面図、図2は、取鍋が搬送台車の右側に寄って乗せられたときの搬送台車の停止位置を示す平面図、図3は、取鍋が搬送台車の左側に寄って乗せられたときの搬送台車の停止位置を示す平面図、図4は、取鍋が搬送台車の右側に寄って乗せられたときのレールの先端がローラーテーブルに当たる状態を示す平面図である。
【0044】
図1から図4において、図5から図9と同じ番号は、同一物を示す。すなわち、6は、取鍋2が乗せられた搬送台車、11は、搬送台車6上に設けられたローラーテーブルであり、中央部に凹部を有する形状の2列に配置された複数個のローラー12からなっている。16Aは、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブル、17は、取鍋2の底面に固定された一対のレールであり、レール17の中心は、取鍋2の中心(O)と一致している。20は、搬送台車6上に設けられた位置検出手段である。位置検出手段20は、レーザー式距離検出器等からなり、搬送台車6上の取鍋2の位置を検出する。
【0045】
図1に示すように、取鍋2のレール17がローラーテーブル11のローラー12の中心に乗せられた場合には、取鍋2は、円滑に搬送台車6からローラーテーブル16Aに移送される。このとき、取鍋2の中心(O)は、搬送台車6の中心(図1中、二点鎖線で示す)およびローラーテーブル16Aの中心(図1中、一点鎖線で示す)と一致している。
【0046】
一方、図2に示すように、取鍋2のレール17がローラーテーブル11のローラー12の右側に寄って乗せられた場合でも、搬送台車6は、その中心とローラーテーブル16Aの中心とが一致する位置で停止する。従って、この場合には、図4に示すように、取鍋2のレール17の先端部がローラーテーブル16Aのローラー12に衝突するので、取鍋2の移送が行えず、ラインを一時的に停止せざるを得ないことがある。
【0047】
この発明では、位置検出手段20が搬送台車6上の取鍋2の位置、すなわち、位置検出手段20と取鍋2との距離を検出する。図2の場合には、この距離が定常時の(図1のL0)から(L1)に長くなるので、制御器(図示せず)は、この取鍋位置データー(L1)に基づいて、取鍋2の中心(O)とローラーテーブル16Aの中心とが一致するように、搬送台車6に走行指令を出して、搬送台車6の停止位置を補正する。
【0048】
この結果、取鍋2の中心(O)とローラーテーブル16Aの中心とが一致するので、取鍋2は、円滑に搬送台車6からローラーテーブル16Aに移送される。
【0049】
また、図3に示すように、取鍋2のレール17がローラーテーブル11のローラー12の左側に寄って乗せられた場合でも、搬送台車6は、その中心とローラーテーブル16Aの中心とが一致する位置で停止する。従って、この場合にも、取鍋2のレール17の先端部がローラー12に衝突する。
【0050】
この場合には、距離が定常時の(L0)から(L2)に短くなるので、制御器(図示せず)は、この取鍋位置データー(L2)に基づいて、取鍋2の中心(O)とローラーテーブル16Aの中心とが一致するように、搬送台車6に走行指令を出して、搬送台車6の停止位置を補正する。
【0051】
この結果、取鍋2の中心(O)とローラーテーブル16Aの中心とが一致するので、取鍋2は、円滑に搬送台車6からローラーテーブル16Aに移送される。
【0052】
このように、この発明によれば、取鍋2の搬送台車6のローラーテーブル11への載置位置にかかわらず、取鍋2のレール17は、常に、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブル16Aのローラー12の中心と一致するので、取鍋2は、円滑に搬送台車6からローラーテーブル16Aに移送される。この結果、レール17がローラー12と衝突することによるライン停止等の問題は起こらない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】取鍋が搬送台車の中心に乗せられたときの搬送台車の停止位置を示す平面図である。
【図2】取鍋が搬送台車の右側に寄って乗せられたときの搬送台車の停止位置を示す平面図である。
【図3】取鍋が搬送台車の左側に寄って乗せられたときの搬送台車の停止位置を示す平面図である。
【図4】取鍋が搬送台車の右側に寄って乗せられたときのレールの先端がローラーテーブルに当たる状態を示す平面図である。
【図5】従来技術を示す概略平面図である。
【図6】取鍋が乗せられた搬送台車を示す側面図である。
【図7】搬送台車を示す平面図である。
【図8】取鍋が乗せられた、中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルを示す側面図である。
【図9】中継用取鍋移送手段としてのローラーテーブルを示す平面図である。
【符号の説明】
【0054】
1:保持炉
2:取鍋
3:黒鉛球状化処理装置
4:排滓処理装置
5:レール
6:搬送台車
7:排滓ステーション
8:滓ポット
9:駆動機
10:車輪
11:ローラーテーブル
12:ローラー
13:電動機
14:減速機
15:伝達機
16A〜16C:ローラーテーブル
17:レール
18:レーザーセンサー
19:棟越搬送台車
20:位置検出器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送台車上に設けられた、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に取鍋を移送可能な台車側取鍋移送手段上に取鍋を乗せ、前記搬送台車を、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に設けられた中継用取鍋移送手段まで走行させ、そして、前記台車側取鍋移送手段上の取鍋を、前記中継用取鍋移送手段に移送する際の、前記搬送台車の停止位置決め方法において、
前記搬送台車上の取鍋の位置を検出し、取鍋の中心と前記中継用取鍋移送手段の中心とが一致するように、前記搬送台車の停止位置を補正することを特徴とする、取鍋搬送台車の停止位置決め方法。
【請求項2】
前記搬送台車上の取鍋の位置を、レーザー式距離検出器によって検出することを特徴とする、請求項1記載の、取鍋搬送台車の停止位置決め方法。
【請求項3】
前記台車側取鍋移送手段および前記中継用取鍋移送手段は、取鍋の下面に設けられたレールを介して取鍋を搬送可能なローラーテーブルから構成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の、取鍋搬送台車の停止位置決め方法。
【請求項4】
搬送台車上に設けられた、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に取鍋を移送可能な台車側取鍋移送手段上に取鍋を乗せ、前記搬送台車を、前記搬送台車の走行方向と直交する方向に設けられた中継用取鍋移送手段まで走行させ、そして、前記台車側取鍋移送手段上の取鍋を、前記中継用取鍋移送手段に移送する際の、前記搬送台車の停止位置決め装置において、
前記搬送台車上の取鍋の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段による取鍋位置データーに基づいて、取鍋の中心と前記中継用取鍋移送手段の中心とが一致するように、前記搬送台車に走行指令を出して、前記搬送台車の停止位置を補正する制御器とを備えたことを特徴とする、取鍋搬送台車の停止位置決め装置。
【請求項5】
前記位置検出手段は、レーザー式距離検出器であることを特徴とする、請求項4記載の、取鍋搬送台車の停止位置決め装置。
【請求項6】
前記台車側取鍋移送手段および前記中継用取鍋移送手段は、取鍋の下面に設けられたレールを介して取鍋を搬送可能なローラーテーブルから構成されていることを特徴とする、請求項4または5記載の、取鍋搬送台車の停止位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−7661(P2007−7661A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187850(P2005−187850)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000231877)日本鋳鉄管株式会社 (48)
【Fターム(参考)】