取鍋精錬用フラックス
【課題】耐火物の溶損を抑制できると共に、スラグからの水素ピックアップを抑制でき、さらに、溶鋼中のTiのピックアップも抑えながら取鍋精錬を行うことができるようにする。
【解決手段】取鍋精錬において使用するフラックスであって、成分が、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物である。
【解決手段】取鍋精錬において使用するフラックスであって、成分が、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フッ素が含有されていない取鍋精錬用フラックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、転炉での一次精錬後の二次精錬では溶鋼の成分調整などのために精錬を行うのが一般的であるが、このような二次精錬時に使用するフラックスとして特許文献1〜特許文献3に示すものがある。
特許文献1には、低窒素、低酸素および低イオウの鋼を製錬するためのフラックスであって、重量で、CaO:30〜57%、Al2O3:35〜64%およびMgO:5〜17%のフラックスが開示されている。
【0003】
特許文献2には、スラグの組成がCaO/Al2O3≧1.4、MgO≧4%、CaO=45〜60、Al2O3=25〜40、SiO2<15%としたものが開示されている。
特許文献3には、取鍋精錬を行うに際してスラグにTiO2が含まれることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−197825号公報
【特許文献2】特開2008−285709号公報
【特許文献3】特開2008−303406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、CaO系のスラグは、融点が高く溶融し難いという問題があるため、精錬時には融点降下剤としてCaF2を添加するということが行われている。しかしながら、近年では環境上の問題によりフッ素の使用が制限されており、精錬時に使用するフラックスにおいてもフッ素を含有しないものが望まれている。
このような点に鑑み、特許文献1〜特許文献3のフラックス(スラグ)を見てみると、フラックス(スラグ)の組成が開示されているものの、これらのフラックス(スラグ)はフッ素を使用しないことを前提としたものであるかは不明であるため、特許文献1〜特許文献3のフラックスをフッ素を使用しないものとして使用した場合は問題なく精錬を行うことができない恐れがあった。つまり、特許文献1〜特許文献3のフラックスを精錬に使用した場合、耐火物の溶損を抑制、スラグからの水素ピックアップの抑制、溶鋼中のTiのピックアップの抑制等に問題が生じ、適切な精錬を行えない可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、フッ素を含有しないフラックスを取鍋精錬に用いても耐火物の溶損を抑制できると共に、スラグからの水素ピックアップを抑制でき、さらに、溶鋼中のTiのピックアップも抑えながら取鍋精錬が可能な取鍋精錬用フラックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、取鍋精錬において使用するフラックスであって、成分が、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物である点にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐火物の溶損を抑制できると共に、スラグからの水素ピックアップを抑制でき、さらに、溶鋼中のTiのピックアップも抑えながら取鍋精錬を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】スラグ中のMgO量と液相比率との関係図である。
【図2】スラグ中のTiO2とスラグへの水蒸気溶解度との関係図である。
【図3】S45Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、他の成分が中間値である図である。
【図4】S45Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、高塩基度である。
【図5】S45Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、低塩基度である。
【図6】S25Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、他の成分が中間値である図である。
【図7】S25Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、高塩基度である。
【図8】S25Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、低塩基度である。
【図9】SUJ2を精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、他の成分が中間値である図である。
【図10】SUJ2を精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、高塩基度である。
【図11】SUJ2を精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、低塩基度である。
【図12】スラグ中のSiO2量と液相比率との関係図である。
【図13】スラグ中のSiO2量と溶鋼中の酸素濃度との関係図である。
【図14】スラグ中のAl2O3量と液相比率との関係図である。
【図15】スラグ中のAl2O3量とAl2O3の活量との関係図である。
【図16】スラグ中のCaO量と液相比率との関係図である。
【図17】取鍋精錬を行ったときの耐火物の測定残厚の傾向図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
本発明の取鍋精錬用フラックスは、例えば、転炉における脱炭処理などの一次精錬後にに行われる二次精錬工程における取鍋精錬にて使用するものである。なお、二次精錬工程における取鍋精錬は、バブリングにより溶鋼を攪拌しながら精錬を行う方法であっても、電磁攪拌により溶鋼を攪拌しながら精錬を行う方法であってもよく、取鍋精錬の方法については限定されない。
【0011】
取鍋精錬用フラックスの化学成分は、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物である。なお、意図的に含有する元素は上記のみであるが、例えば、Na2O、BaOなどの不可避不純物を含有していてもよい。不可避不純物は、これに限定されないのは当然である。また、本発明の取鍋精錬用フラックスは、フッ素を含まれないものを対象としているため当然にフッ素は添加されていない。
【0012】
以下、フラックスの成分について詳しく説明する。
本発明のフラックスの成分を評価するにあたっては、取鍋精錬を行ったときのスラグの液相率を指標として考慮している。ここで、スラグの液相率とは、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)にて求めたもので、スラグの液相率が0%に近くなればなるほどスラグの溶融性が悪い状態を示し、スラグの液相率が100%に近くなればなるほどスラグの溶融性が良いことを示している。
【0013】
スラグの液相率が100%であるときは、スラグの流動性(反応性)が高く、スラグへの耐火物の溶解が進みやすくなり耐火物が溶損し易くなる、また、スラグの液相率が90%未満であるときは、例えば、特許04063452号に開示されているように、スラグの流動性(反応)が低く取鍋精錬の効率が低下する。
そのため、本発明では、取鍋精錬用フラックスを使用したときに、スラグの流動性が90%以上100%未満となるように、当該フラックスの化学成分を設定している。
【0014】
まず、本発明の取鍋精錬用フラックスに関して、その成分であるMgOは、12質量%以上17質量%以下としている。MgOは、取鍋の内側に設けた耐火物(例えば、マグクロ系の耐火物)の溶損を防止する役割がある。図1は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるMgO量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。他の成分は、中間値としている。なお、各図における1500、1550、1600、1650は処理温度(溶鋼の温度)を示している。
【0015】
図1に示すように、MgO(%MgO)が12質量%以上であるとき、全ての処理温度において液相率は100%未満となり、耐火物の溶損を抑制することができる。ここで、MgO(%MgO)が高すぎるとスラグの流動性(反応性)が低下するが、MgOを17質量%以下にすると液相率を90%以下にすることができ、流動性を確保することができる。
【0016】
TiO2は、0.1質量%以下(0質量%を除く)としている。CaO系のスラグでは、水分を吸収し易いため、図2に示すように、TiO2はスラグへの水素の溶解度を低下させる役割がある。なお、図2は、「鉄と鋼 第51年(1965) 第10号 P.1840」に示されているものである。
スラグへの水蒸気溶解度が上がってしまうと、スラグ中の水素が溶鋼中にピックアップ(溶解)してしまうために、取鍋精錬時に出来る限りTiO2を添加する必要がある。
【0017】
しかしながら、TiO2を入れすぎると、溶鋼中に多くのTiが溶解してしまい、その結果、鋳造時の冷却過程においてチタンナイトライド(TiN)が生成して介在物となったり、表面欠陥を引き起こすことからTiO2の含有する上限値は設定する必要がある。
図3〜図11を用いてTiO2の上限値を説明する。
図3〜図5は、S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係をまとめたものである。図3はTiO2以外の他の成分は中間値であり、図4は塩基度(CaO/SiO2)が高い場合であり、図5は塩基度が低い場合であることを示している。
【0018】
図6〜図8は、S25C(機械構造用炭素鋼鋼材)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係をまとめたものである。図6ではTiO2以外の他の成分は中間値であり、図7は塩基度が高い場合であり、図8は塩基度が低い場合を示している。
図9〜図11は、SUJ2(軸受鋼)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係をまとめたものである。図9ではTiO2以外の他の成分は中間値であり、図10は塩基度が高い場合であり、図11は塩基度が低い場合である。
【0019】
なお、図3〜図11に示した処理温度(溶鋼の温度)は、各鋼種(S45C、S25C、SUJ2)を当業者常法にて取鍋精錬にて製造するときのものを示しており、各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
図3〜図5に示すように、鋼種がS45Cのときにおいて、溶鋼中のフリー酸素(Of値)がいずれの値であっても、スラグ中のTiO2が増加するにつれて溶鋼中のTiの濃度が大きくなる傾向にある。図3〜図5に示すように、塩基度がいずれの場合であっても、TiO2の濃度(%TiO2)が0.1質量%を超えると、溶鋼中のTiの濃度が急激に増加する傾向にある。
【0020】
図6〜図8に示すように、鋼種がS25Cのときにおいて、フリー酸素(Of値)がいずれの値であっても、スラグ中のTiO2が増加するにつれて溶鋼中のTiの濃度が大きくなる傾向にある。図6〜図8に示すように、塩基度がいずれの場合であっても、TiO2の濃度(%TiO2)が0.1質量%を超えると、溶鋼中のTiの濃度が急激に増加する傾向にある。
【0021】
図3〜図8に示すように、機械構造用炭素鋼鋼材を製造するにあたっては、TiO2を0.1質量%以下にすることが良いことが分かる。
さて、図9〜図11は、鋼種がSUJ2(軸受鋼)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係であるが、一般的に、SUJ2の場合は介在物の関係からTiの濃度を30ppm以下であることが必要とされている。つまり、SUJ2は、転がり寿命が高いことが要求されていてチタンナイトライド(TiN)の介在物は極力少ないことが望まれ、例えば、特開2009−057589号公報や特開2009−030145号公報に示されるように、溶鋼中のTiの濃度が30ppm以下である必要がある。
【0022】
図9〜図11に示すように、SUJ2(軸受鋼)を製造するに際しても、フリー酸素(Of値)がいずれの値であっても、スラグ中のTiO2が増加するにつれて溶鋼中のTiの濃度が大きくなる傾向にある。図9〜図11に示すように、塩基度がいずれの場合であっても、TiO2の濃度(%TiO2)が0.1質量%以下であれば、溶鋼中のTiの濃度を30ppm以下に抑えることができる。
【0023】
SiO2は、4質量%以下(0質量%を除く)としている。SiO2は、スラグの融点を低下させる役割がある。図12は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるSiO2量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。図13は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるSiO2量と、溶鋼中の酸素濃度(%[O])との関係をまとめたものである。図12や図13における各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
【0024】
図12に示すように、SiO2が増加するにつれて、液相率は100%に向けて次第に増加する傾向にあるが、4質量%以下であると液相率を100%未満にすることができる。なお、図12では、TiO2の濃度(%TiO2)は上限値の0.1質量%である。図13に示すように、スラグ中のSiO2が増加すると溶鋼中の酸素が増加する傾向にあるが、SiO2が4質量%を超えると急激に溶鋼中の酸素が増加する。
【0025】
このように、SiO2は、4質量%以下(0質量%を除く)にする必要がある。
本発明の取鍋精錬用フラックスに関して、その成分であるAl2O3は、36質量%以上40質量%以下としている。Al2O3は、融点を低下させる役割がある。図14は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるAl2O3量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。図15は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるAl2O3量と、Al2O3の活量との関係をまとめたものである。図14や図15における各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
【0026】
図14に示すように、Al2O3が増加するにつれて、液相率は100%に向けて次第に増加する傾向にあるが、Al2O3が36質量%以上になると液相率を90%以上にすることができ、Al2O3が40質量%を超えると液相率が100%となる。また、図15に示すように、Al2O3が40質量%を超えると急激にAl2O3の活量が増加する。
このように、Al2O3は、36質量%以上40質量%以下にする必要になる。
【0027】
CaOは、45質量%以上49質量%以下としている。図16は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるCaO量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。図16における各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
図16に示すように、CaOが増加するにつれて、液相率は次第に減少する傾向にあるが、CaOが45質量%以上になると液相率を100%未満にすることができる。また、CaOが49質量%を超えると液相率が90%未満となるため、CaOは、45質量%以上49質量%以下にする必要がある。
【0028】
本発明の取鍋精錬用フラックスの化学成分は上述したものであるが、スラグの滓化性を向上させるためにプリメルト化したものであることが好ましい。
表1は、本発明の取鍋精錬用フラックスを用いて、複数の鋼種について取鍋精錬を行ったときの実施例を示したものである。なお、表1では、本発明の取鍋精錬用フラックスを使用して当業者常法通りに取鍋精錬を行ったときの結果をまとめたものである。
【0029】
【表1】
【0030】
表1における滓化性の判断では、例えば、バブリングにより溶鋼を攪拌したり、電磁攪拌により溶鋼を当業者常法により攪拌して取鍋精錬を行ったときにおいて、攪拌から1分以内にスラグが滓化していることが認められるもの(目視)を良好「○」とした。
表1における取鍋の溶損の判断では、当業者常法通りに取鍋精錬を複数回行ったときに、溶損の減少傾向(耐火物の残厚の減少度)がフッ素を含むフラックス、即ち、精錬時のスラグ(CaO+CaF2系スラグ)に対して優れている場合を良好「○」とした。例えば、図17に示すように、アークによる加熱により精錬を行う(LF装置での精錬)において、CaO+CaF2系スラグにおける耐火物の測定残厚の減少度(矢印A)よりも、CaO+Al2O3系スラグ(本発明の取鍋精錬用フラックスを使用したときのスラグ)における耐火物の測定残厚の減少度(矢印B)の方が小さく優れている。
【0031】
表1では、清浄度を示しているが、この清浄度は、当業者常法通りに鋳造を経て分塊圧延を行い、鋳片(鋼片)のD/4にてサンプル採取して、ASTM E45−A−97法に従い評価したときの値である。表1では、Hピックアップ(水素性クラック)の判断が示されているが、溶鋼中にピックアップされた水素が起因して発生した欠陥が無いときは良好「○」とした。即ち、水素性クラックとは、鋳片(鋼片)の冷却過程において鋼中での水素溶解度が低下することにより欠陥になったものである。なお、水素性クラックの判断は、当業者常法通りに、取鍋精錬後に鋳造を経て分塊圧延を行い、その鋳片(鋼片)に対して超音波探傷試験(例えば、水ギャップ法、垂直/傾斜探傷、3MHz、φ500μm×10mm 保証)を行い、当該試験にて欠陥が発見されなかった場合を良好「○」としている。なお、表1に示すように、Tiピックアップ(Tiが溶鋼に取り込まれること)は、検出できなかった(表1、Tr.)。
【0032】
表1に示すように、本発明の取鍋精錬用フラックスして取鍋精錬を行った場合、耐火物の溶損を抑制できる(取鍋の溶損、良好「○」)と共に、スラグからの水素ピックアップを抑制でき(水素性クラック、良好「○」)、さらに、溶鋼中のTiのピックアップも抑えることができる(TiピックアップTr.)。しかも、表1に示すように、取鍋精錬用フラックスでは、スラグの滓化性も非常に向上させることができる。即ち、本発明の取鍋精錬用フラックスによれば、フッ素をしなくても所望の鋼(例えば、低酸素・低硫の鋼)を容易に製造することができる。
【0033】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フッ素が含有されていない取鍋精錬用フラックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、転炉での一次精錬後の二次精錬では溶鋼の成分調整などのために精錬を行うのが一般的であるが、このような二次精錬時に使用するフラックスとして特許文献1〜特許文献3に示すものがある。
特許文献1には、低窒素、低酸素および低イオウの鋼を製錬するためのフラックスであって、重量で、CaO:30〜57%、Al2O3:35〜64%およびMgO:5〜17%のフラックスが開示されている。
【0003】
特許文献2には、スラグの組成がCaO/Al2O3≧1.4、MgO≧4%、CaO=45〜60、Al2O3=25〜40、SiO2<15%としたものが開示されている。
特許文献3には、取鍋精錬を行うに際してスラグにTiO2が含まれることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−197825号公報
【特許文献2】特開2008−285709号公報
【特許文献3】特開2008−303406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、CaO系のスラグは、融点が高く溶融し難いという問題があるため、精錬時には融点降下剤としてCaF2を添加するということが行われている。しかしながら、近年では環境上の問題によりフッ素の使用が制限されており、精錬時に使用するフラックスにおいてもフッ素を含有しないものが望まれている。
このような点に鑑み、特許文献1〜特許文献3のフラックス(スラグ)を見てみると、フラックス(スラグ)の組成が開示されているものの、これらのフラックス(スラグ)はフッ素を使用しないことを前提としたものであるかは不明であるため、特許文献1〜特許文献3のフラックスをフッ素を使用しないものとして使用した場合は問題なく精錬を行うことができない恐れがあった。つまり、特許文献1〜特許文献3のフラックスを精錬に使用した場合、耐火物の溶損を抑制、スラグからの水素ピックアップの抑制、溶鋼中のTiのピックアップの抑制等に問題が生じ、適切な精錬を行えない可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、フッ素を含有しないフラックスを取鍋精錬に用いても耐火物の溶損を抑制できると共に、スラグからの水素ピックアップを抑制でき、さらに、溶鋼中のTiのピックアップも抑えながら取鍋精錬が可能な取鍋精錬用フラックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、取鍋精錬において使用するフラックスであって、成分が、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物である点にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐火物の溶損を抑制できると共に、スラグからの水素ピックアップを抑制でき、さらに、溶鋼中のTiのピックアップも抑えながら取鍋精錬を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】スラグ中のMgO量と液相比率との関係図である。
【図2】スラグ中のTiO2とスラグへの水蒸気溶解度との関係図である。
【図3】S45Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、他の成分が中間値である図である。
【図4】S45Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、高塩基度である。
【図5】S45Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、低塩基度である。
【図6】S25Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、他の成分が中間値である図である。
【図7】S25Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、高塩基度である。
【図8】S25Cを精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、低塩基度である。
【図9】SUJ2を精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、他の成分が中間値である図である。
【図10】SUJ2を精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、高塩基度である。
【図11】SUJ2を精錬した場合のスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係図であって、低塩基度である。
【図12】スラグ中のSiO2量と液相比率との関係図である。
【図13】スラグ中のSiO2量と溶鋼中の酸素濃度との関係図である。
【図14】スラグ中のAl2O3量と液相比率との関係図である。
【図15】スラグ中のAl2O3量とAl2O3の活量との関係図である。
【図16】スラグ中のCaO量と液相比率との関係図である。
【図17】取鍋精錬を行ったときの耐火物の測定残厚の傾向図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
本発明の取鍋精錬用フラックスは、例えば、転炉における脱炭処理などの一次精錬後にに行われる二次精錬工程における取鍋精錬にて使用するものである。なお、二次精錬工程における取鍋精錬は、バブリングにより溶鋼を攪拌しながら精錬を行う方法であっても、電磁攪拌により溶鋼を攪拌しながら精錬を行う方法であってもよく、取鍋精錬の方法については限定されない。
【0011】
取鍋精錬用フラックスの化学成分は、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物である。なお、意図的に含有する元素は上記のみであるが、例えば、Na2O、BaOなどの不可避不純物を含有していてもよい。不可避不純物は、これに限定されないのは当然である。また、本発明の取鍋精錬用フラックスは、フッ素を含まれないものを対象としているため当然にフッ素は添加されていない。
【0012】
以下、フラックスの成分について詳しく説明する。
本発明のフラックスの成分を評価するにあたっては、取鍋精錬を行ったときのスラグの液相率を指標として考慮している。ここで、スラグの液相率とは、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)にて求めたもので、スラグの液相率が0%に近くなればなるほどスラグの溶融性が悪い状態を示し、スラグの液相率が100%に近くなればなるほどスラグの溶融性が良いことを示している。
【0013】
スラグの液相率が100%であるときは、スラグの流動性(反応性)が高く、スラグへの耐火物の溶解が進みやすくなり耐火物が溶損し易くなる、また、スラグの液相率が90%未満であるときは、例えば、特許04063452号に開示されているように、スラグの流動性(反応)が低く取鍋精錬の効率が低下する。
そのため、本発明では、取鍋精錬用フラックスを使用したときに、スラグの流動性が90%以上100%未満となるように、当該フラックスの化学成分を設定している。
【0014】
まず、本発明の取鍋精錬用フラックスに関して、その成分であるMgOは、12質量%以上17質量%以下としている。MgOは、取鍋の内側に設けた耐火物(例えば、マグクロ系の耐火物)の溶損を防止する役割がある。図1は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるMgO量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。他の成分は、中間値としている。なお、各図における1500、1550、1600、1650は処理温度(溶鋼の温度)を示している。
【0015】
図1に示すように、MgO(%MgO)が12質量%以上であるとき、全ての処理温度において液相率は100%未満となり、耐火物の溶損を抑制することができる。ここで、MgO(%MgO)が高すぎるとスラグの流動性(反応性)が低下するが、MgOを17質量%以下にすると液相率を90%以下にすることができ、流動性を確保することができる。
【0016】
TiO2は、0.1質量%以下(0質量%を除く)としている。CaO系のスラグでは、水分を吸収し易いため、図2に示すように、TiO2はスラグへの水素の溶解度を低下させる役割がある。なお、図2は、「鉄と鋼 第51年(1965) 第10号 P.1840」に示されているものである。
スラグへの水蒸気溶解度が上がってしまうと、スラグ中の水素が溶鋼中にピックアップ(溶解)してしまうために、取鍋精錬時に出来る限りTiO2を添加する必要がある。
【0017】
しかしながら、TiO2を入れすぎると、溶鋼中に多くのTiが溶解してしまい、その結果、鋳造時の冷却過程においてチタンナイトライド(TiN)が生成して介在物となったり、表面欠陥を引き起こすことからTiO2の含有する上限値は設定する必要がある。
図3〜図11を用いてTiO2の上限値を説明する。
図3〜図5は、S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係をまとめたものである。図3はTiO2以外の他の成分は中間値であり、図4は塩基度(CaO/SiO2)が高い場合であり、図5は塩基度が低い場合であることを示している。
【0018】
図6〜図8は、S25C(機械構造用炭素鋼鋼材)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係をまとめたものである。図6ではTiO2以外の他の成分は中間値であり、図7は塩基度が高い場合であり、図8は塩基度が低い場合を示している。
図9〜図11は、SUJ2(軸受鋼)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係をまとめたものである。図9ではTiO2以外の他の成分は中間値であり、図10は塩基度が高い場合であり、図11は塩基度が低い場合である。
【0019】
なお、図3〜図11に示した処理温度(溶鋼の温度)は、各鋼種(S45C、S25C、SUJ2)を当業者常法にて取鍋精錬にて製造するときのものを示しており、各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
図3〜図5に示すように、鋼種がS45Cのときにおいて、溶鋼中のフリー酸素(Of値)がいずれの値であっても、スラグ中のTiO2が増加するにつれて溶鋼中のTiの濃度が大きくなる傾向にある。図3〜図5に示すように、塩基度がいずれの場合であっても、TiO2の濃度(%TiO2)が0.1質量%を超えると、溶鋼中のTiの濃度が急激に増加する傾向にある。
【0020】
図6〜図8に示すように、鋼種がS25Cのときにおいて、フリー酸素(Of値)がいずれの値であっても、スラグ中のTiO2が増加するにつれて溶鋼中のTiの濃度が大きくなる傾向にある。図6〜図8に示すように、塩基度がいずれの場合であっても、TiO2の濃度(%TiO2)が0.1質量%を超えると、溶鋼中のTiの濃度が急激に増加する傾向にある。
【0021】
図3〜図8に示すように、機械構造用炭素鋼鋼材を製造するにあたっては、TiO2を0.1質量%以下にすることが良いことが分かる。
さて、図9〜図11は、鋼種がSUJ2(軸受鋼)を製造する際でのスラグ中のTiO2と溶鋼中のTiとの関係であるが、一般的に、SUJ2の場合は介在物の関係からTiの濃度を30ppm以下であることが必要とされている。つまり、SUJ2は、転がり寿命が高いことが要求されていてチタンナイトライド(TiN)の介在物は極力少ないことが望まれ、例えば、特開2009−057589号公報や特開2009−030145号公報に示されるように、溶鋼中のTiの濃度が30ppm以下である必要がある。
【0022】
図9〜図11に示すように、SUJ2(軸受鋼)を製造するに際しても、フリー酸素(Of値)がいずれの値であっても、スラグ中のTiO2が増加するにつれて溶鋼中のTiの濃度が大きくなる傾向にある。図9〜図11に示すように、塩基度がいずれの場合であっても、TiO2の濃度(%TiO2)が0.1質量%以下であれば、溶鋼中のTiの濃度を30ppm以下に抑えることができる。
【0023】
SiO2は、4質量%以下(0質量%を除く)としている。SiO2は、スラグの融点を低下させる役割がある。図12は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるSiO2量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。図13は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるSiO2量と、溶鋼中の酸素濃度(%[O])との関係をまとめたものである。図12や図13における各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
【0024】
図12に示すように、SiO2が増加するにつれて、液相率は100%に向けて次第に増加する傾向にあるが、4質量%以下であると液相率を100%未満にすることができる。なお、図12では、TiO2の濃度(%TiO2)は上限値の0.1質量%である。図13に示すように、スラグ中のSiO2が増加すると溶鋼中の酸素が増加する傾向にあるが、SiO2が4質量%を超えると急激に溶鋼中の酸素が増加する。
【0025】
このように、SiO2は、4質量%以下(0質量%を除く)にする必要がある。
本発明の取鍋精錬用フラックスに関して、その成分であるAl2O3は、36質量%以上40質量%以下としている。Al2O3は、融点を低下させる役割がある。図14は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるAl2O3量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。図15は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるAl2O3量と、Al2O3の活量との関係をまとめたものである。図14や図15における各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
【0026】
図14に示すように、Al2O3が増加するにつれて、液相率は100%に向けて次第に増加する傾向にあるが、Al2O3が36質量%以上になると液相率を90%以上にすることができ、Al2O3が40質量%を超えると液相率が100%となる。また、図15に示すように、Al2O3が40質量%を超えると急激にAl2O3の活量が増加する。
このように、Al2O3は、36質量%以上40質量%以下にする必要になる。
【0027】
CaOは、45質量%以上49質量%以下としている。図16は、1500℃〜1650℃までの温度帯域におけるCaO量と、スラグの液相比率(質量%)との関係をまとめたものである。図16における各種値は、スラグ中の化学成分を基に、熱力学平衡計算ソフトウェア(FactSage Ver.6.0)により求めた。
図16に示すように、CaOが増加するにつれて、液相率は次第に減少する傾向にあるが、CaOが45質量%以上になると液相率を100%未満にすることができる。また、CaOが49質量%を超えると液相率が90%未満となるため、CaOは、45質量%以上49質量%以下にする必要がある。
【0028】
本発明の取鍋精錬用フラックスの化学成分は上述したものであるが、スラグの滓化性を向上させるためにプリメルト化したものであることが好ましい。
表1は、本発明の取鍋精錬用フラックスを用いて、複数の鋼種について取鍋精錬を行ったときの実施例を示したものである。なお、表1では、本発明の取鍋精錬用フラックスを使用して当業者常法通りに取鍋精錬を行ったときの結果をまとめたものである。
【0029】
【表1】
【0030】
表1における滓化性の判断では、例えば、バブリングにより溶鋼を攪拌したり、電磁攪拌により溶鋼を当業者常法により攪拌して取鍋精錬を行ったときにおいて、攪拌から1分以内にスラグが滓化していることが認められるもの(目視)を良好「○」とした。
表1における取鍋の溶損の判断では、当業者常法通りに取鍋精錬を複数回行ったときに、溶損の減少傾向(耐火物の残厚の減少度)がフッ素を含むフラックス、即ち、精錬時のスラグ(CaO+CaF2系スラグ)に対して優れている場合を良好「○」とした。例えば、図17に示すように、アークによる加熱により精錬を行う(LF装置での精錬)において、CaO+CaF2系スラグにおける耐火物の測定残厚の減少度(矢印A)よりも、CaO+Al2O3系スラグ(本発明の取鍋精錬用フラックスを使用したときのスラグ)における耐火物の測定残厚の減少度(矢印B)の方が小さく優れている。
【0031】
表1では、清浄度を示しているが、この清浄度は、当業者常法通りに鋳造を経て分塊圧延を行い、鋳片(鋼片)のD/4にてサンプル採取して、ASTM E45−A−97法に従い評価したときの値である。表1では、Hピックアップ(水素性クラック)の判断が示されているが、溶鋼中にピックアップされた水素が起因して発生した欠陥が無いときは良好「○」とした。即ち、水素性クラックとは、鋳片(鋼片)の冷却過程において鋼中での水素溶解度が低下することにより欠陥になったものである。なお、水素性クラックの判断は、当業者常法通りに、取鍋精錬後に鋳造を経て分塊圧延を行い、その鋳片(鋼片)に対して超音波探傷試験(例えば、水ギャップ法、垂直/傾斜探傷、3MHz、φ500μm×10mm 保証)を行い、当該試験にて欠陥が発見されなかった場合を良好「○」としている。なお、表1に示すように、Tiピックアップ(Tiが溶鋼に取り込まれること)は、検出できなかった(表1、Tr.)。
【0032】
表1に示すように、本発明の取鍋精錬用フラックスして取鍋精錬を行った場合、耐火物の溶損を抑制できる(取鍋の溶損、良好「○」)と共に、スラグからの水素ピックアップを抑制でき(水素性クラック、良好「○」)、さらに、溶鋼中のTiのピックアップも抑えることができる(TiピックアップTr.)。しかも、表1に示すように、取鍋精錬用フラックスでは、スラグの滓化性も非常に向上させることができる。即ち、本発明の取鍋精錬用フラックスによれば、フッ素をしなくても所望の鋼(例えば、低酸素・低硫の鋼)を容易に製造することができる。
【0033】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取鍋精錬において使用するフラックスであって、成分が、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物であることを特徴とする取鍋精錬用フラックス。
【請求項1】
取鍋精錬において使用するフラックスであって、成分が、MgO:12〜17質量%、TiO2:0.1質量%以下(0質量%を除く)、SiO2:4質量%以下(0質量%を除く)、Al2O3:36〜40質量%、CaO:45〜49質量%であり、残部が不可避不純物であることを特徴とする取鍋精錬用フラックス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−46978(P2011−46978A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194303(P2009−194303)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】
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