受付システム、受付処理装置、および、プログラム
【課題】 キャンセル待ちなどの受付業務の効率化と、利用者の利便性向上を図る。
【解決手段】 受付処理装置100は、キャンセル待ち申込者の移動体通信端末300から、当該移動体通信端末300の電話番号情報を、施設FC内の受付端末200を介して取得する。受付処理装置100は、当該申込の受付可否を判別し、受付可能である場合、施設FC内の構内網LNを用いて行われた移動体通信端末300の位置登録を示す登録端末リストを構内交換機10から取得する。受付処理装置100は、移動体通信端末300から取得した電話番号が登録端末リストにある場合、当該移動体通信端末300が現在施設FC内に存在すると判別し、受付可能である旨を示す通知情報を当該移動体通信端末300に送信する。通知情報を受信した移動体通信端末300を用いて受付端末200で受付手続が行われた場合、正式な受付として処理する。
【解決手段】 受付処理装置100は、キャンセル待ち申込者の移動体通信端末300から、当該移動体通信端末300の電話番号情報を、施設FC内の受付端末200を介して取得する。受付処理装置100は、当該申込の受付可否を判別し、受付可能である場合、施設FC内の構内網LNを用いて行われた移動体通信端末300の位置登録を示す登録端末リストを構内交換機10から取得する。受付処理装置100は、移動体通信端末300から取得した電話番号が登録端末リストにある場合、当該移動体通信端末300が現在施設FC内に存在すると判別し、受付可能である旨を示す通知情報を当該移動体通信端末300に送信する。通知情報を受信した移動体通信端末300を用いて受付端末200で受付手続が行われた場合、正式な受付として処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受付システム、受付処理装置、および、プログラムに関し、特に、キャンセル待ちなどにかかる受付業務の効率化とユーザの利便性向上に好適な受付システム、受付処理装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動体通信分野においては、技術の向上により端末の高機能化がすすんでおり、基本機能である通話機能以外の種々の機能が付加されている。近時では、種々の予約やキャンセル待ちなどに関するサービスを、移動体通信端末を用いて利用するための手法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、移動体通信端末のGPS機能によって、予約センタに近い移動体通信端末を検索し、キャンセルが発生したことを当該移動体通信端末に対して通知する手法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−345875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術では、申込者は予約センタを呼び出し、キャンセル待ち予約の手続を予め行っておく必要がある。このため、キャンセル待ちの申し込みをおこなう必要が急遽発生した場合などには対応することができない。また、移動体通信端末のGPS機能を利用しているため、GPS機能を有していない移動体通信端末にはサービスを提供することができない。
【0005】
さらに、予約センタに近い移動体通信端末を検索して通知しているので、予約センタと実際に利用する施設が同一でない場合などには不都合が生じる。すなわち、予約センタの近傍にいるが、実際に利用する施設にはいない者の移動体通信端末に通知をおこなってしまうことがある。ここで、申込対象を利用する意志がある者は、実際に利用する施設で通知を待機しているが、利用意志の低い者は、施設へ赴かなかったり、通知前に施設を離れてしまう可能性がある。よって、実際の利用施設と予約センタとが異なると、利用意志の低い者に通知してしまうこともあり、予約業務や受付業務の効率を低下させてしまう。
【0006】
また、実際に利用する施設と予約センタとが同一である(もしくは近接している)場合であっても、待機している者が多数いる場合、たまたま予約センタに最も近い者の移動体通信端末が検索されてしまうことになる。この場合、申込順序に従った受付処理とはならないので、利用者にとって不公平な受付業務がおこなわれてしまうことになる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、キャンセル待ちなどの受付業務の効率化を図るとともに、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる受付システムは、
施設内の移動体通信端末と通信する構内基地局と、前記構内基地局と交換局とを中継する構内交換機とから構成される構内網を備えた施設において受付処理をおこなうための受付システムであって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の電話番号情報を含んだ申込情報を、当該移動体通信端末から取得して記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が取得した申込情報に基づく申込の受付可否を判別する受付判別手段と、
前記受付判別手段が受付可と判別した場合に、前記構内基地局を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の電話番号情報を含む位置登録情報を、前記構内交換機から取得する位置登録情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報と、前記位置登録情報取得手段が取得した位置登録情報とに基づいて、当該申込者の移動体通信端末が前記施設内に現在存在するか否かを判別する存在判別手段と、
前記存在判別手段が、前記移動体通信端末が前記施設内に現在存在すると判別した場合、当該移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、施設の構内網を通じておこなわれた位置登録に基づいて申込者が使用する移動体通信端末の存在を判別しているので、受付可能となった時点(例えば、キャンセル待ち対象でキャンセルが発生した時点)に施設内にいる申込者に対してのみ、受付に関する通知をおこなうことができる。
【0010】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、申込順に前記申込情報を記憶することが望ましく、この場合、
前記受付判別手段は、前記申込情報取得手段に記憶された前記申込情報の申込順に前記判別をおこなうことが望ましい。
【0011】
このような構成によれば、申込順に通知することができるので、公正な受付業務をおこなうことができる。
【0012】
上記受付システムにおいて、
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電話番号情報を用いた音声通信によって前記通知をおこなうことが望ましい。
【0013】
このような構成によれば、移動体通信端末の音声通信機能を用いて通知することができるので、利用できる移動体通信端末が制限されない。
【0014】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、申込者の前記移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得してもよく、この場合、
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて、電子メールによる前記通知をおこなってもよい。
【0015】
このような構成によれば、移動体通信端末の機能に応じて通知方法を選択することができる。
【0016】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、
非接触リーダを備える申込端末を含んでいてもよく、この場合、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記申込端末との非接触通信により前記申込情報を取得することが望ましい。
【0017】
このような構成によれば、移動体通信端末の非接触ICカード機能を用いて申込手続をおこなえるので、受付業務の効率化とユーザの利便性向上を図ることができる。
【0018】
上記受付システムは、
申込者の前記移動体通信端末から、当該移動体通信端末の電話番号情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した電話番号情報と、前記通知手段が通信した前記移動体通信端末の電話番号情報との照合により認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した場合、前記申込情報に基づいた申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えていることが望ましい。
【0019】
このような構成によれば、移動体通信端末を用いて通知した者を認証し、通知処理と連動した正式な受付処理をおこなうことができる。
【0020】
上記受付システムにおいて、
前記認証情報取得手段は、
非接触リーダを備える受付端末を含んでいてもよく、この場合、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記受付端末との非接触通信により前記認証情報を取得することが望ましい。
【0021】
このような構成によれば、移動体通信端末の非接触ICカード機能を用いて受付手続をおこなえるので、受付業務の効率化とユーザの利便性向上を図ることができる。
【0022】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、キャンセル待ちに関する前記申込情報を取得し、
前記受付判別手段は、キャンセルが発生したか否かを判別し、
前記位置登録情報取得手段は、前記受付判別手段によってキャンセルが発生したと判別された場合に、前記位置登録情報を取得することができる。
【0023】
このような構成によれば、例えば、空港などの施設におけるキャンセル待ちにかかる受付業務の効率化と利便性向上を図ることができる。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる受付処理装置は、
施設における受付処理をおこなうための受付処理装置であって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が記憶する前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する受付可否判別手段と、
前記受付可否判別手段が受付可と判別した場合に、前記施設内の移動体通信端末による位置登録によって送信された識別情報を、前記施設の構内網から取得する識別情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と一致する識別情報が前記識別情報取得手段により取得されているか否かを判別する一致判別手段と、
前記一致判別手段が、一致する識別情報が取得されていると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、申込者が使用する移動体通信端末の識別情報と、施設内でおこなった位置登録にかかる識別情報とに基づいて、申し込みの受付が可能となった時点で施設内にある移動体通信端末に対し、受付可能である旨の通知をおこなうことができる。
【0026】
上記受付処理装置において、
前記識別情報は、前記移動体通信端末の電話番号情報とすることができ、この場合、
前記通知手段は、
前記電話番号情報を用いて前記移動体通信端末に発呼する発呼手段をさらに備え、
前記発呼手段による発呼に基づく音声通信により前記通知をおこなうことが望ましい。
【0027】
このような構成によれば、移動体通信端末の音声通信機能を用いて通知することができる。
【0028】
上記受付処理装置において、
前記申込情報取得手段は、前記申込者が使用する移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得してもよく、この場合、
前記通知手段は、
前記通知内容を示す電子メールを作成する電子メール作成手段をさらに備え、
前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて前記移動体通信端末と通信し、前記電子メール作成手段が作成した電子メールによって前記通知をおこなってもよい。
【0029】
このような構成によれば、移動体通信端末の電子メール機能を用いて通知することもでき、通知方法を選択することができる。
【0030】
上記受付処理装置は、
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した前記識別情報と、前記通知手段が通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えていることが望ましい。
【0031】
このような構成によれば、移動体通信端末の識別情報を用いて認証をおこなうことで、通知をおこなった申込者に対する受付処理をおこなうことができる。
【0032】
上記受付処理装置において、
前記申込情報取得手段は、前記移動体通信端末から前記申込情報を取得することが望ましい。
【0033】
このような構成によれば、移動体通信端末の識別情報を、例えば、当該移動体通信端末との通信などによって取得することができる。
【0034】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
コンピュータに、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する機能と、
記憶した前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する機能と、
受付可と判別した場合に、施設内の構内網を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の識別情報を前記構内網から取得する機能と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と同一の識別情報を取得しているか否かを判別する機能と、
同一の識別情報を取得していると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する機能と、
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する機能と、
前記認証情報として取得した識別情報と、前記通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう機能と、
認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0035】
このようなプログラムを適用することで、汎用コンピュータ装置などを上記受付処理装置として機能させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、受付に関する通知を、その時点で利用施設に実際にいる者に対してのみ自動的におこなうことができるので、受付業務の効率化とユーザの利便性向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(実施形態1)
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態を説明する。本実施形態では、本発明を適用した受付処理システムによって受付処理をおこなう場合を例示する。本実施形態においては、航空機の空席キャンセル待ちについての受付処理を空港(以下、「施設FC」とする)でおこなう場合を例に以下説明する。本実施形態にかかる受付システム1を、図1を参照して説明する。図1は、受付システム1の構成を模式的に示す図である。
【0038】
図1に示す受付システム1の主要構成は、施設FCに設置されている構内交換機10、複数の構内基地局20、および、受付処理装置100と、移動体通信端末300である。このような各構成の接続態様を以下説明する。
【0039】
図示するように、施設FC内の構内交換機10と各構内基地局20とは、構内通信網30によって接続されており、これにより、施設FCの構内網LNが構成されている。この構内網LNは、施設FC内での移動体通信端末300による通信を実現するためのものである。すなわち、施設FC内に配置された構内基地局20は、移動体通信端末300との無線通信をおこなうものであり、施設FC内で移動体通信端末300を使用する場合、当該移動体通信端末300は、至近の構内基地局20と通信することになる。
【0040】
構内交換機10は、移動体通信サービスを提供する通信事業者(いわゆる、キャリア)の交換局50が接続されている。交換局50を含むキャリアの交換局は、例えば、所定の地域単位で配置されており、それぞれが、当該地域における複数の基地局と接続されている。構内交換機10に接続されている交換局50は、施設FCのある地域を管轄する交換局であり、施設FC外に設置されている当該地域の基地局とも接続されている。施設FC内の構内基地局20は、この交換局50が管轄する基地局の一部であり、構内交換機10の中継により交換局50に接続されていることになる。
【0041】
この構内交換機10は、いわゆるPBX(Private Branch eXchange)であり、施設FC内の電話設備と公衆回線網40とを接続することで、施設FC内の電話設備を用いた通信を可能としている。本実施形態では、構内交換機10によって、移動体通信端末用の電話設備である構内基地局20と公衆回線網40とが接続されている。この公衆回線網40は、交換局50を含む複数の交換局を接続しているので、施設FC内で移動体通信端末300を用いた外線通話やデータ通信などの通信が可能となる。
【0042】
施設FC内の移動体通信端末300は、このような構成の構内網LNを介して通信することになるので、公衆回線網40を用いる通信に関しては、施設FC内の移動体通信端末300がおこなうすべての通信動作が構内交換機10を経由することになる。本実施形態では、構内交換機10が処理した通信動作の記録(いわゆる、ログ)を、構内交換機10が随時保存しているものとする。
【0043】
また、構内交換機10には受付処理装置100も接続されている。これにより、構内交換機10を介して、受付処理装置100と公衆回線網40とが接続されていることになる。また、受付処理装置100は、例えば、IP網(インターネット)などのデータ通信網60と接続されている。このデータ通信網60を介して、受付処理装置100は予約システムRSと接続される。
【0044】
本実施形態では、予約システムRSによって、航空機のチケットに関する予約管理などがおこなわれているものとする。この予約システムRSは、例えば、メインフレームなどの情報処理装置によって構成され、例えば、航空会社のホストコンピュータとして運用されているものとする。すなわち、予約システムRSによって、当該航空会社のユーザサービスに関する情報が一元的に管理されている。この場合、予約システムRSは、予約情報データベースを備えており、航空機の搭乗予約などに関する予約情報を蓄積する。予約情報には、これから搭乗手続などがおこなわれる便毎に、座席の予約状況を示す情報や予約者に関する情報などの他、搭乗手続の締め切り日時などが記録されるものとする。
【0045】
本実施形態では、受付システム1によって航空機の利用に関するサービスを受けるユーザは、予め予約システムRSにユーザ登録をしているものとする。よって、予約システムRSは、ユーザ情報を蓄積するためのユーザ情報データベースを有しているものとし、少なくとも、当該ユーザが使用する移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)を含んだユーザ情報が記録・管理されているものとする。本実施形態では、航空券の予約や購入に必要となる情報(例えば、ユーザの属性情報など)がユーザ情報として蓄積されているものとし、例えば、各ユーザに一意に割り当てられるユーザIDをキーとしたレコードに記録することで管理しているものとする。
【0046】
受付処理装置100はまた、施設FC内に設置された受付端末200と接続されている。この受付端末200は、例えば、施設FC(空港)内の搭乗手続カウンタなどに設置され、受付処理装置100の制御により、キャンセル待ちなどの申込時にユーザとのインタフェース装置(申込端末)として機能する他、航空券発券などの受付時にユーザとのインタフェース装置(受付端末)として機能する。
【0047】
以上のような接続態様で構成された受付システム1の各構成を以下説明する。まず、受付処理装置100について説明する。受付処理装置100は、例えば、ワークステーションなどの情報処理装置によって構成され、例えば、施設FC(空港)内で受付業務をおこなっている航空会社などによって運用される。受付処理装置100は、施設FCにおいておこなわれる受付業務に関する処理をおこなうものであり、本実施形態では、施設FC内に設置されているものとする。本実施形態にかかる受付処理装置100は、空港(施設FC)にておこなわれる予約手続やキャンセル待ち手続、航空券の発券手続、搭乗手続、などにかかる受付業務のデータ処理などをおこなう。
【0048】
このような受付処理装置100の構成を、図2を参照して説明する。図2は、受付処理装置100の構成を示すブロック図である。
【0049】
図示するように、受付処理装置100は、制御部110、構内網接続部120、データ通信部130、端末接続部140、入力制御部150、出力制御部160、および、記憶部170、などから構成される。各構成の詳細を以下説明する。
【0050】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、記憶部170に格納されているプログラムを実行することで動作し、受付処理装置100の各部を制御する。また、記憶部170に格納されているプログラムを実行することで、受付処理に必要な機能を実現し、後述する各処理が実行される(詳細後述)。なお、制御部110には、例えば、RAM(Random Access Memory)などから構成された主記憶装置(メモリ)などが含まれているものとし、実行するプログラムのロードや処理するデータの展開などに用いられるワークエリアとして機能する。
【0051】
構内網接続部120は、例えば、所定の入出力インタフェースなどから構成され、受付処理装置100と構内網LNとを接続する。本実施形態では、構内網接続部120が構内交換機10と接続されることで、受付処理装置100と構内網LNとが接続されているものとする。
【0052】
構内網接続部120は、公衆回線網40を用いた音声通信における発呼や呼切断などの呼制御をおこなうための呼制御部121を含む。呼制御部121は、例えば、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)発生装置などから構成され、音声通信の発呼動作などをおこなう。この場合の呼制御部121の発呼は、構内交換機10および公衆回線網40を介して、交換局50などに発せられることになる。
【0053】
データ通信部130は、例えば、NIC(Network Interface Card)などから構成され、例えば、ルータやモデムなどといった所定の通信装置を介して、受付処理装置100とデータ通信網60とを接続し、電子メールの送受信や予約システムRSとのデータ交換などといったデータ通信を可能とする。
【0054】
端末接続部140は、例えば、所定の入出力インタフェースなどから構成され、受付処理装置100と受付端末200とを接続する。
【0055】
入力制御部150は、例えば、キーボードやポインティングデバイスなどの入力装置15と受付処理装置100とを接続し、入力装置15による入力動作に応じた入力信号を制御部110に入力する。
【0056】
出力制御部160は、例えば、ディスプレイやプリンタなどの出力装置16と受付処理装置100とを接続し、出力装置16を制御し、制御部110の処理結果に基づいた出力動作をおこなう。
【0057】
記憶部170は、例えば、ハードディスク装置などの補助記憶装置から構成され、受付処理装置100の動作に必要なデータやプログラム、および、受付処理装置100の動作によって生成されたデータなどを記憶する。記憶部170には、記憶する情報の種類に応じた記憶領域が作成されるものとする。本実施形態では、図3に示すように、プログラム格納領域171、申込情報格納領域172、位置登録情報格納領域173、通知情報格納領域174、受付記録情報格納領域175、などが作成される。各記憶領域に格納される情報を以下説明する。
【0058】
プログラム格納領域171には、制御部110が実行する動作プログラムが格納される。ここでは、OS(Operating System)などの基本プログラムが格納される他、本実施形態にかかる受付処理で必要となる機能を実現するためのプログラムが格納される。制御部110は、このようなプログラムを実行することで、図4に示すような構成として機能する。図4は、制御部110によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。図示するように、制御部110は、仮受付処理部111、受付可否判別部112、位置登録情報取得部113、一致判別部114、通知情報作成部115、通知処理部116、受付処理部117、などの構成として機能する。各機能構成の詳細を以下説明する。
【0059】
仮受付処理部111は、キャンセル待ち申込の申込情報を、申込者の移動体通信端末300から随時取得し、取得した申込情報を申込順に記憶部170(申込情報格納領域172)に格納する。本実施形態では、端末接続部140との協働により、受付端末200を用いて移動体通信端末300から申込情報を取得するものとする。この申込情報には、少なくとも、申込者が使用する移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)が含まれる。また、必要に応じて、当該移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレス(識別情報)が申込情報に含まれる。
【0060】
すなわち、仮受付処理部111の動作によって、申込者が使用する移動体通信端末300の電話番号情報が取得される。また、必要に応じて、当該移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレスが取得されることになる。本実施形態では、仮受付処理部111が申込情報を取得したことで、キャンセル待ちの仮受付とする。すなわち、キャンセルが発生するかは不確実であるが、キャンセル待ち希望者の申し込みを受け付けた状態(仮受付)ということになる。
【0061】
受付可否判別部112は、データ通信部130との協働によって予約システムRSと通信し、仮受付処理部111が取得した申込情報の申込順に、当該申込の受付可否を判別する。すなわち、予約システムRSが管理する予約情報を参照することで、仮受付したキャンセル待ちの申し込みに該当するキャンセルが発生したか否かを判別することで、申し込みを正式に受付可能であるか否かを判別する。受付可否判別部112はまた、キャンセル待ちの申込が可能な予約情報を予約システムRSから取得し、端末接続部140との協働によって、当該予約情報を受付端末200に提供する。
【0062】
位置登録情報取得部113は、構内網接続部120との協働により、受付可否判別部112が受付可と判別した場合に、その時点での登録端末リストを構内交換機10に要求して取得する。この登録端末リストは、構内交換機10が記録する移動体通信端末300の通信のうち、位置登録に関する通信の記録を示したリストである。すなわち、構内交換機10が随時作成・更新する通信記録から、位置登録に関する通信記録を抽出したものである。この登録端末リストには、少なくとも、位置登録をおこなった移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)が含まれているものとする。
【0063】
一致判別部114は、受付可否判別部112が受付可と判別した申込情報に含まれている電話番号情報と、位置登録情報取得部113が取得した登録端末リストに示されている電話番号情報との一致を判別する。ここでは、該当する申込の申込情報に含まれている電話番号情報と同一の電話番号情報が、現時点の通信記録から抽出された登録端末リストにあるか否かを判別することで、当該移動体通信端末300が施設FC内に現在存在しているか否かを判別する。換言すると、当該申込者が施設FC内に現在存在しているか否かを判別することになる。
【0064】
通知情報作成部115は、申込の受付が可能であると判別され、かつ、現在施設FC内に存在していると判別された申込者に通知する情報を作成する。ここでの通知情報は、仮受付した申込を正式に受付可能である旨を申込者に通知する情報である。本実施形態では、仮受付したキャンセル待ちについて、該当するキャンセルが発生した旨などを通知することになる。本実施形態では、このような通知を、音声もしくは電子メールによっておこなうものとする。この場合、仮受付した申込を正式に受け付けることができる旨のメッセージ(例えば、「お申し込みいただいたキャンセル待ちの受付が可能となりましたので、受付端末にて手続をおとりください。」など)を示した音声ファイルまたはテキストファイルを記憶部170(通知情報格納領域174)から取得する。すなわち、音声通知をおこなう場合は音声ファイルを取得し、電子メールにより通知する場合はテキストファイルを取得する。
【0065】
ここで、音声ファイルを取得した場合、通知情報作成部115は、当該音声ファイルをワークエリアに展開することで再生可能状態とする。一方、テキストファイルを取得した場合、通知情報作成部115は、取得したテキストファイルが示すメッセージを本文とし、申込情報に含まれる電子メールアドレスを宛先とした電子メールを作成してワークエリアに展開することで、当該電子メールを送信可能状態とする。
【0066】
通知処理部116は、通知情報作成部115の動作を制御するとともに、通知情報作成部115が作成した通知情報を申込者に通知するための処理をおこなう。具体的には、構内網接続部120(呼制御部121)およびデータ通信部130との協働により、通知情報作成部115が作成した通知情報の送信動作をおこなう。
【0067】
すなわち、音声通信で通知する場合、呼制御部121を制御することで、申込情報に含まれる電話番号情報に基づいた発呼をおこない、公衆回線網40を介した通信路を確立する。そして、ワークエリア上で再生可能状態となっている音声ファイルの再生をおこなうことで、音声メッセージが公衆回線網40を介して移動体通信端末300に送信される。ここで、再生音声を移動体通信端末300に伝達するための仕組みや構成は、種々の音声ガイダンスサービスなどに用いられている周知の技術を適用するものとする。
【0068】
一方、電子メールにより通知する場合は、データ通信部130を制御することで、ワークエリア上で送信可能状態となっている電子メールを、データ通信網60を介して移動体通信端末300に送信する。
【0069】
受付処理部117は、受付可能であると判別されたキャンセル待ち申し込みの正式な受け付けをおこなうための受付処理を実行する。ここでは、受付処理部117は、受付可能であると判別された申し込みの申込者に対する正式な受付処理をおこなう。本実施形態では、キャンセルが発生した座席についての予約確定や航空券の発券、搭乗手続などを正式な受付とし、これらにかかる処理をおこなうことになる。
【0070】
この場合、受付処理部117は、当該申込者が使用する移動体通信端末300の識別情報を用いて、該当する申込者であるか否かの認証をおこなう。本実施形態では、端末接続部140との協働により、受付端末200を用いて移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)を認証情報として取得し、取得した認証情報(電話番号情報)と、受付可と判別して通知情報を送信した移動体通信端末300の電話番号情報とを照合することで認証をおこなう。
【0071】
受付処理部117はまた、受付端末200から取得した移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)に基づいて、認証された申込者(ユーザ)のユーザ情報を予約システムRSから取得する。すなわち、受付処理部117は、データ通信部130との協働により、データ通信網60を介して予約システムRSと通信をおこなう。また、受付処理部117は、受付端末200を制御し、受付内容に応じた動作を受付端末200に実行させる。
【0072】
本実施形態では、制御部110がプログラムを実行することにより、上記の機能構成が論理的に実現されるものとしたが、これらの機能を実現する構成を、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)などによって物理的に構成してもよい。
【0073】
記憶部170の他の記憶領域(図3参照)に格納される情報について説明する。
【0074】
申込情報格納領域172には、仮受付処理部111によって取得された申込情報が申込順に格納される。申込情報格納領域172に記録される申込情報の例を図5(a)に示す。仮受付処理部111が受け付けた申込順に一意に割り当てられる申込IDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、当該申し込みにかかる申し込み情報が記録される。ここでは、当該申込情報が取得された日時を示す日時情報(「申込日時」)、申込対象(本実施形態では、便名やキャンセル待ちである旨などとする)を示す情報(「申込内容」)、申込者が使用する移動体通信端末300の識別情報(「使用端末」)として、当該移動体通信端末300に割り当てられている電話番号や受信可能な電子メールアドレスなどが記録される。
【0075】
位置登録情報格納領域173には、位置登録情報取得部113が構内交換機10から取得した登録端末リスト(位置登録情報)が一時的に格納される。位置登録情報格納領域に記録される登録端末リストの例を図5(b)に示す。図示するように、登録端末リストには、施設FC内で位置登録をおこなった移動体通信端末300の電話番号情報、および、当該位置登録で用いられた構内基地局20に一意に割り当てられている識別情報であるエリアコードが記録されるとともに、位置登録をおこなった日時を示す日時情報(「位置登録日時」)などが記録される。なお、位置登録情報格納領域173に格納される登録端末リストは、位置登録情報取得部113が構内交換機10から取得する度に書き換えられるものとする。
【0076】
通知情報格納領域174には、通知情報作成部115が用いる通知情報(音声ファイルやテキストファイルなど)が格納される。この通知情報は、例えば、通知内容などに応じて分類されているものとし、通知情報格納領域174には、通知情報の分類に応じた通知内容の種別を示す情報や格納されている通知情報のファイル名などが対応づけられて記録されている。
【0077】
通知情報格納領域174はまた、申込情報格納領域172に格納された申込情報のうち、通知処理部116が通知を実行したものを「通知記録情報」として格納する。本実施形態では、通知が実行された申込情報のレコードが通知情報格納領域174に転記されるものとする。通知情報格納領域174に格納される通知記録情報の例を図6(a)に示す。図示するように、通知情報格納領域174には、転記された申込情報の申込IDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、当該通知動作がおこなわれた日時を示す日時情報(「通知日時」)が記録される他、申込情報で「使用端末」として記録されている移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報や電子メールアドレス)に基づいた通知先を示す情報(「通知先」)、申込情報で記録された「申込内容」に基づいた通知内容を示す情報(「通知内容」)、などが記録される。
【0078】
受付記録情報格納領域175には、受付処理部117によっておこなわれた受付処理に関する情報(以下、「受付記録情報」とする)が格納される。受付記録情報格納領域175に記録される情報の例を図6(b)に示す。図示するように、受付記録情報格納領域175には、受付処理部117による受付毎に一意に割り当てられる受付IDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、受付日時を示す情報(「受付日時」)や、受付対象を示す情報(「受付内容」)が記録されるとともに、受付処理部117が予約システムRSから取得した情報(「予約情報」)、などが記録される。
【0079】
次に、受付処理装置100と接続された受付端末200の構成を説明する。受付端末200は、例えば、図7に示すような外観の装置であり、受付処理におけるユーザ(申込者や予約者など)とのインタフェース装置として機能し、受付処理に必要な情報の取得などをおこなう。図示するように、受付端末200には、表示装置240やICカード通信装置250、発券装置260、などが備えられ、これらがユーザとのインタフェースとして機能する。
【0080】
表示装置240は、例えば、タッチセンサを有するディスプレイ装置などから構成され、種々の画面を表示するとともに、ユーザの接触を感知することによる入力をおこなう。すなわち、表示装置240は、入出力装置として機能する。
【0081】
ICカード通信装置250は、例えば、NFC(Near Field Communication)などといった短距離無線通信規格に基づく通信装置などから構成され、非接触ICカード機能を有する移動体通信端末300などと非接触通信をおこなって情報の読み取りなどをおこなうリーダ装置である。本実施形態では、ユーザが使用する移動体通信端末300と非接触通信をおこなって、当該移動体通信端末300が保持している所定の情報を読み取って取得する。
【0082】
発券装置260は、所定のチケット(本実施形態では、航空券とする)などを発券するための装置であり、所定の情報をチケットの用紙に印字する印字装置(プリンタ)などによって構成される。
【0083】
このような受付端末200の内部構成を、図8を参照して説明する。図8は、受付端末200の構成を示すブロック図である。図示するように、受付端末200は、制御部210、通信部220、入出力制御部230、などから構成される。
【0084】
制御部210は、例えば、CPUなどから構成され、受付端末200の各部を制御する。なお、制御部210は、通信部220との協働により、受付処理装置100からの指示に基づいて受付端末200の各部を制御する。
【0085】
通信部220は、例えば、所定の通信規格に基づいた通信インタフェースや通信回路などから構成され、所定のケーブルなどを介して受付端末200と受付処理装置100とを接続し、受付処理装置100との通信をおこなう。制御部210は、通信部220を介した受付処理装置100との通信により、受付処理装置100の制御に応じた動作をおこなう。また、表示装置240やICカード通信装置250から入力された情報は、通信部220によって受付処理装置100に随時送信される。
【0086】
入出力制御部230は、所定の入出力回路などから構成され、受付端末200の入出力装置である、表示装置240、ICカード通信装置250、および、発券装置260と制御部210とを接続し、制御部210からの指示に応じてこれらの入出力装置を制御する。すなわち、表示装置240やICカード通信装置250が取得した情報を制御部210に入力するとともに、制御部210からの出力信号に応じて表示装置240や発券装置260を用いた出力をおこなう。
【0087】
次に本実施形態にかかる移動体通信端末300について説明する。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信で用いられる電話端末であり、公衆回線網40を介した音声通話を主機能とするものである。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、主機能である音声通話機能の他に、例えば、インターネットなどのデータ通信網60を介しておこなうデータ通信機能(インターネット接続機能)や、NFCなどの短距離無線通信規格に基づいた非接触ICカード機能を備えているものとする。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、データ通信機能として、少なくとも電子メールの送受信機能を備えているものとする。
【0088】
このような移動体通信端末300の構成を、図9を参照して説明する。図9は、移動体通信端末300の構成を示すブロック図である。図示するように、移動体通信端末300は、制御部310、通信部320、入出力制御部330、操作部331、表示部332、マイクロフォン333、スピーカ334、ICカード部340、記憶部350、などから構成される。
【0089】
制御部310は、例えば、CPUなどから構成され、記憶部350に格納されているプログラムを実行することで、移動体通信端末300の各部を制御するとともに、種々の機能構成として動作する(詳細後述)。
【0090】
通信部320は、移動体通信端末300による通信動作をおこなうための構成であり、アンテナ321、音声通信部322、データ通信部323、非ユーザ通信部324、などを含んでいる。
【0091】
アンテナ321は、所定の送受信回路やアンテナ部材などから構成され、移動体通信端末300と、近傍の基地局との無線通信をおこなう。
【0092】
音声通信部322は、所定の音声通信回路などから構成され、移動体通信端末300の音声通信機能にかかる動作をおこなう。
【0093】
データ通信部323は、所定のデータ通信回路などから構成され、移動体通信端末300のデータ通信機能にかかる動作をおこなう。
【0094】
非ユーザ通信部324は、所定の通信回路などから構成され、ユーザが直接的に利用する通信(例えば、音声通話や電子メール送受信など)以外の、ユーザが直接的に利用しない通信(以下、「非ユーザ通信」とする)をおこなう。本実施形態では、非ユーザ通信として、移動体通信端末300の位置登録にかかる通信などをおこなう。
【0095】
入出力制御部330は、例えば、入力信号生成回路や表示制御回路、音声入出力回路、などから構成され、操作部331、表示部332、マイクロフォン(MIC)333、スピーカ334、などの入出力装置と、制御部310とを接続し、制御部310の指示に応じてこれらの入出力装置を制御する。
【0096】
操作部331は、例えば、テンキーや十字キーなどといった、ユーザによって操作されるキーやボタンなどから構成された入力装置である。
【0097】
表示部332は、例えば、液晶表示装置などの表示装置から構成され、種々の画面表示をおこなう出力装置である。
【0098】
マイクロフォン(MIC)333は、音声入力用のマイクロフォンであり、音声通話時のユーザの発話音声などを収音して入力する入力装置である。
【0099】
スピーカ334は、例えば、音声通話時の受話音声や着信音などの音声を報音する出力装置である。
【0100】
本実施形態にかかる移動体通信端末300は、デジタル方式の音声通話をおこなうものとし、この場合、入出力制御部330は、マイクロフォン333から入力されたアナログ音声信号をデジタルデータに変換し、音声通信部322が受信したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するコーデック回路を備えているものとする。
【0101】
また、入出力制御部330は、操作部331のボタンと表示部332での表示画面との対応付けにより、場面毎に操作部331のボタンに割り当てられる機能を判別し、該当する機能に応じた入力信号を生成して制御部310に入力する。
【0102】
ICカード部340は、移動体通信端末300のICカード機能を実現するための構成であり、例えば、NFCなどの短距離無線通信規格に基づく無線通信装置などから構成される。
【0103】
記憶部350は、例えば、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成され、移動体通信端末300によって処理される種々のデータが格納される。
【0104】
移動体通信端末300で処理されるデータとして、制御部310が実行するプログラムが記憶部350に格納される。制御部310は、記憶部350に格納されたプログラムを実行することにより、移動体通信端末300が受付システム1を用いるために必要な種々の構成として機能する。
【0105】
制御部310により実現される機能構成を図10に示す。図示するように、制御部310は、着信処理部311、位置登録動作部312、ICカード制御部313、などとして機能する。各機能の詳細を以下説明する。
【0106】
着信処理部311は、音声通信部322やデータ通信部323、および、入出力制御部330との協働により、音声通話や電子メールの着信に応じた動作をおこなう。ここでは、着信時の通知動作(例えば、着信音の出力)をおこなう他、ユーザによる操作部331の操作に応じた通信部320の制御や、通信部320が受信した情報を入出力制御部330などに供給する動作などをおこなう。
【0107】
位置登録動作部312は、非ユーザ通信部324との協働により、移動体通信端末300の位置登録にかかる動作をおこなう。この位置登録は、自己の位置をキャリアに通知して登録する動作であり、通常の移動体通信端末が一般的におこなっている動作である。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、近傍の基地局が随時発信する識別情報(エリアコード)を受信し、受信したエリアコードと自己の電話番号情報とをキャリアの交換局50に送信することで位置登録をおこなうものとする。なお、自己の電話番号情報や受信したエリアコードなどは記憶部350に格納されているものとする。
【0108】
本実施形態では、このような位置登録動作を、予め規定されているタイミング(例えば、電源投入時や近傍の基地局が変化したときなど)でおこなう他、所定間隔(例えば、1分間毎)で定期的におこなうものとする。このような位置登録などの非ユーザ通信は自動的に実行される。
【0109】
ICカード制御部313は、ICカード部340との協働により、移動体通信端末300のICカード機能にかかる動作をおこなう。ICカード制御部313は、ICカード部340の受信動作に基づいて通信対象を判別する他、通信により送受信すべき情報の選択や、送受信する情報の取得・書込などをおこなう。この場合、記憶部350に格納されている情報を取得して送信する他、受信した情報を記憶部350に格納する。
【0110】
本実施形態では、上記各機能構成を制御部310によって論理的に実現するものとしたが、これらの構成を、例えば、ASICなどで構成することで、物理的な構成で実現してもよい。一方、上述した入出力制御部330の構成を、プログラムの実行によって、制御部310が論理的に実現するようにしてもよい。
【0111】
記憶部350には、上記機能構成を実現するために必要なプログラムの他、種々の情報が格納される。本実施形態では、例えば、位置登録時に近傍の基地局から受信したエリアコード、移動体通信端末300に割り当てられている識別情報(電話番号や電子メールアドレスなど)、受信した電子メール、などが格納されるものとする。
【0112】
なお、上記各構成は、移動体通信端末300を用いて本発明を実現するために必要な構成であり、移動体通信端末として必要なその他の構成は、必要に応じて備えられているものとする。
【0113】
以上のような構成によって実現される受付システム1の動作を以下説明する。
【0114】
本実施形態では、上述したように、空港(施設FC)での搭乗手続などにおける、いわゆるキャンセル待ちにかかる手続を受付システム1でおこなう場合を例示する。この場合において、キャンセル待ちの申し込みを希望する申込者(ユーザ)は、上述した構成の移動体通信端末300を使用するものとする。また、このユーザは、予約システムRSに予めユーザ登録しているものとする。そして、このようなユーザがキャンセル待ちの申し込みをおこなうために施設FC(空港)に訪れ、受付端末200を用いることで、キャンセル待ちの申し込みなどをおこなうものとする。
【0115】
まず、施設FC(空港)を訪れたユーザが、移動体通信端末300を用いてキャンセル待ちの申し込みをおこない、受付処理装置100がこの申し込みを仮受付として処理する「仮受付処理」を、図11に示すフローチャートを参照して説明する。この「仮受付処理」は、ユーザの移動体通信端末300と受付端末200とが非接触ICカード機能で通信を開始したことを契機に開始されるものとする。すなわち、施設FC(空港)を訪れたユーザが、移動体通信端末300のICカード部340と、受付端末200のICカード通信装置250とを近接させることで、移動体通信端末300と受付端末200との非接触通信が開始されたことを契機に開始される。
【0116】
この場合において、受付端末200の表示装置240には、提供可能なサービス項目が選択可能にメニュー表示されており、例えば、「キャンセル待ちの申し込み」などと表示されたメニュー項目をユーザが選択し、申込対象(本実施形態の場合、便名とする)を選択もしくは入力した上で、移動体通信端末300とICカード通信装置250とを近接させる。これにより、受付端末200と接続されている受付処理装置100が、当該受付端末200を用いた処理がキャンセル待ちの申し込みにかかるものであることと、申込対象とを認識して「仮受付処理」を開始する。この場合、キャンセル待ち申し込みの処理である旨と、申し込み対象となる便名を示す情報が、受付端末200から受付処理装置100に通知される。
【0117】
「仮受付処理」が開始されると、受付処理装置100の仮受付処理部111は、申込者の移動体通信端末300から当該移動体通信端末300の識別情報を取得する。ここでは、仮受付処理部111が、受付端末200の制御部210に対し、識別情報の取得を指示し(ステップS101)、これに応じたICカード通信装置250の動作により、移動体通信端末300の識別情報を非接触通信により移動体通信端末300から取得する。
【0118】
ここで、移動体通信端末300の識別情報として、少なくとも、当該移動体通信端末300に割り当てられている電話番号を示した電話番号情報を取得する。なお、本実施形態では、電話番号情報に加え、当該移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレスを、必要に応じて、当該移動体通信端末300の識別情報として取得するものとする。すなわち、移動体通信端末300に電子メール機能が備えられており、ユーザにより電子メールアドレスの提示が拒否されない場合などに、電話番号情報と電子メールアドレスを取得する。
【0119】
移動体通信端末300から識別情報を取得した受付端末200は、通信部220により取得した識別情報を受付処理装置100に送信する。これにより、受付処理装置100は、申込者の移動体通信端末300の識別情報を申込情報として取得する(ステップS102)。
【0120】
移動体通信端末300から識別情報を含んだ申込情報を取得すると、仮受付処理部111は、取得した申込情報を申込情報格納領域172に格納する。ここで、複数の受付端末200から申込情報を取得している場合、仮受付処理部111は、受付処理装置100で取得した順に、申込情報を申込情報格納領域172に格納する。すなわち、取得した申込情報が申込順に申込情報格納領域172に格納されることになる。
【0121】
この場合、仮受付処理部111は、当該申込情報に、申込順に一意となる申込IDを割り当て(ステップS103)、当該申込IDをキーとするレコードを申込情報格納領域172に作成する(ステップS104)。そして、作成したレコードに、当該申込情報を取得した日時を示す取得日時情報と、申込対象(便名)を示す申込対象情報と、取得した申込情報(移動体通信端末300の識別情報)と、を記録する。すなわち、移動体通信端末300から取得した申込情報を申込順に申込情報格納領域172に格納して(ステップS105)、処理を終了する。申込情報が申込情報格納領域172に格納されたことにより、キャンセル待ちの申し込みが仮受付されたことになる。
【0122】
受付処理装置100は、上記「仮受付処理」によって取得した申込情報のそれぞれについて、申し込まれたキャンセル待ちの受付をおこなう「受付可否判別処理」を並行して実行する。この「受付可否判別処理」を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。この「受付可否判別処理」は、受付業務のために受付処理装置100が稼働している間、所定期間毎に定期的に実行されるものとする。
【0123】
「受付可否判別処理」が開始されると、受付可否判別部112が申し込みの受付可否を判別する。ここでは、申込情報格納領域172に格納された申込情報の申込順に受付可否を判別する。したがって、受付可否判別部112は、申込情報格納領域172に格納されている申込情報に付与されている取得日時情報に基づいて、現在格納されている申込情報のうちで最早に取得された申込情報を特定し(ステップS201)、当該申込情報についてのキャンセル待ち申し込みが受付可能であるか否かを判別する(ステップS202)。すなわち、申込順に受付可否が判別される。
【0124】
受付可否の判別は、予約システムRSに問い合わせることによっておこなう。すなわち、少なくとも、ステップS201で特定した申込情報に示される申込対象情報を予約システムRSに送信することで、当該申込情報が示す便名でのキャンセルの発生があるか否かを照会する。ここで、上述したように予約システムRSでは、航空券の予約に関する処理が一元的におこなわれているため、キャンセルが発生した場合には、予約システムRSで管理している予約情報に反映される。したがって、予約システムRSは、受付処理装置100からの問い合わせに応じて予約情報を参照し、対象となる便でキャンセルが発生したか否かを判別し、判別結果(キャンセルあり、または、キャンセルなし)を受付処理装置100に返信する。
【0125】
予約システムRSからの返信が「キャンセルあり」である場合、キャンセルされた席をキャンセル待ちの申込者に割り当てることができるので、受付可否判別部112は、キャンセル待ちの受付について「受付可」であると判別する。一方、予約システムRSからの返信が「キャンセルなし」である場合、申込者が希望する座席を現時点では用意することができないので、受付可否判別部112は、キャンセル待ちの受付について「受付不可」であると判別する。
【0126】
ここで、受付不可と判別した場合(ステップS202:No)、受付可否判別部112は、判別した申込情報が申込情報格納領域172に格納されている最後の申込情報であるか否かを判別する(ステップS203)。当該申込情報が最後ではない場合(ステップS203:No)、受付可否判別部112は、申込情報格納領域172に格納されている次の申込情報を特定し(ステップS204)、当該申込情報についての受付可否の判別をおこなう(ステップS202)。一方、最後の申込情報であった場合は(ステップS203:Yes)、処理を終了し、次の所定期間経過時に再度処理が実行される。
【0127】
一方、ステップS201もしくはステップS204で特定した申込情報に基づく申込が受付可能である場合(ステップS202:Yes)、受付可否判別部112は、位置登録情報取得部113に位置登録情報の取得を指示するとともに、受付可能と判別した申込情報に含まれる電話番号情報を一致判別部114に通知する。位置登録情報取得部113は、受付可否判別部112からの指示に応じて、構内網接続部120を制御し、現時点での登録端末リストを構内交換機10から取得し、受付可と判別された申込情報と照合する(ステップS205)。
【0128】
より詳細には、構内交換機10から登録端末リストを取得すると、位置登録情報取得部113は、取得した登録端末リストを位置登録情報格納領域173に一時的に格納し、その旨を一致判別部114に通知する。一致判別部114は、位置登録情報取得部113からの通知に応じて、受付可否判別部112から通知された電話番号情報と一致する電話番号情報が、位置登録情報格納領域173に格納されている登録端末リストに含まれているか否かを判別する(ステップS206)。
【0129】
ここで、一致する電話番号情報が含まれている場合、当該申込者が現在施設FC内に存在していることになる。つまり、取得した登録端末リストは、現在およびその直近に施設FCで位置登録をおこなった移動体通信端末の記録を示しているので、一致する電話番号情報があれば、当該電話番号が割り当てられている移動体通信端末300が、現在およびその直近に施設FC内で位置登録をおこなったことになる。このため、その移動体通信端末300を使用している申込者も現在施設FC内に存在していることになる。
【0130】
本実施形態に示すような航空機の搭乗に関するキャンセル待ち手続は、通常、出発当日や出発直前におこなうことが一般的であり、この場合、かかる航空券の発券や搭乗手続等は空港(施設FC)にておこなうことになる。よって、キャンセルが発生した場合であっても、当該申込者が空港(施設FC)内にいなければ、最終的な手続(航空券の発券や搭乗手続など)をおこなうことができない。よって、本実施形態では、キャンセル待ちの受付が可能となった時点で当該申込者が空港(施設FC)内に存在する場合のみ、受付処理装置100が当該申込者に「申し込みの受付可能である」旨を通知することとする。
【0131】
したがって、申込者のうち、受付可能となった時点(キャンセルが発生した時点)で空港(施設FC)内に存在する者を峻別する必要がある。このため、本実施形態では、申込者が使用する移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)と、当該申込者によるキャンセル待ち申し込みが受付可能となった時点で、空港(施設FC)内で位置登録をおこなった移動体通信端末の識別情報(電話番号情報)とを照合し、同一の電話番号情報があるか否かを判別することによって、当該申込者が現在施設FC内に存在するか否かを判別する。
【0132】
一致する電話番号が登録端末リストにないと判別され(ステップS206:No)、当該申込者が現在施設FC内に存在しないと判別された場合、一致判別部114は、ステップS205で取得した登録端末リストを位置登録情報格納領域173から削除する(ステップS209)。この場合、通知対象が存在しないので、通知処理をおこなわずにステップS203に戻り、次の申込情報がある場合には、その受付可否の判別をおこなうことになる。
【0133】
一方、電話番号の一致が判別されたことにより(ステップS206:Yes)、申込者が現在施設FC内に存在すると判別された場合、仮受付処理部111は、受付可能と判別された申込情報に含まれている移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)を予約システムRSに通知することで、キャンセルされた分の仮予約を依頼する(ステップS207)。
【0134】
すなわち、受付システム1を使用する移動体通信端末300のユーザは、使用する移動体通信端末300の電話番号情報を含むユーザ情報を予約システムRSに予め登録しているので、予約システムRSでは、受付処理装置100から通知された移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)に基づいて、申込者のユーザ情報を特定することができる。そして、予約システムRSは、特定したユーザ情報を用いて、キャンセルが発生した座席の仮予約処理をおこなうことができる。ここでは、キャンセルされた座席の予約者情報に、特定したユーザ情報を適用することで、キャンセルが発生した便の予約情報を更新する。これにより、キャンセルされた座席が、キャンセル待ちの申込者によって仮予約され、予約確定となるまで当該座席が確保される。
【0135】
キャンセル分の仮予約がおこなわれると、仮受付処理部111は、当該申込情報のレコードを申込情報格納領域172から通知情報格納領域174に転記するとともに、当該レコードの申込IDを通知情報作成部115に通知する(ステップS208)。この場合、転記により、当該レコードは申込情報格納領域172から削除されるものとする。このため、「受付可否判別処理」の次回実行時には、すでに受付可と判別された申込情報は、受付可否の判別対象とならない。なお、仮受付処理部111は、通知記録情報となるよう元の申込情報を加工して転記するものとする。
【0136】
そして、申込者に申し込みの受付が可能である旨を通知するための「通知処理」が通知情報作成部115および通知処理部116によって実行される(ステップS300)。この「通知処理」の詳細を、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0137】
処理が開始されると、通知情報作成部115は、通知情報格納領域174にアクセスし、ステップS208で仮受付処理部111から通知された申込IDで特定される通知記録情報を取得する(ステップS301)。
【0138】
通知情報作成部115は、取得した通知記録情報に含まれている移動体通信端末300の識別情報に基づいて通知方法を選択する。本実施形態では、識別情報に電子メールアドレスが含まれているか否かを判別し(ステップS302)、電子メールアドレスが含まれている場合には(ステップS302:Yes)、電子メールによる通知を選択し(ステップS303)、電子メールアドレスが含まれていない場合には(ステップS302:No)、音声による通知を選択する(ステップS304)ものとする。
【0139】
通知情報作成部115は、選択した通知方法に応じた通知情報を通知情報格納領域174から取得する。すなわち、ステップS303で電子メールによる通知を選択した場合は、通知情報格納領域174から、キャンセル待ちの申し込みを受付可能であることを通知するために作成されたテキストデータを取得する(ステップS305)。一方、ステップS304で音声通知が選択された場合は、通知情報格納領域174から、キャンセル待ちの申し込みを受付可能であることを通知するために作成された音声データを取得する(ステップS306)。
【0140】
ステップS305で電子メール用のテキストデータを取得した場合、通知情報作成部115は、当該テキストデータを本文とする電子メールを作成する。この場合、通知情報作成部115は、ステップS301で取得した申込情報に含まれている、移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレスを宛先として設定する(ステップS307)。そして、通知情報作成部115は、電子メールによる通知情報が作成された旨を通知処理部116に通知する。
【0141】
一方、ステップS306で音声通知用の音声データを取得した場合、通知情報作成部115は、当該音声データをワークエリアに展開して再生可能状態にするとともに、ステップS301で取得した申込情報に含まれている、移動体通信端末300の電話番号情報に示される電話番号を発呼先として設定する(ステップS308)。そして、通知情報作成部115は、音声データによる通知情報が作成された旨を通知処理部116に通知する。
【0142】
通知処理部116は、通知情報作成部115からの通知に応じて、作成された通知情報を送信するための動作をおこなう。電子メールによる通知の場合は、ステップS307で作成された電子メールの送信をデータ通信部130に指示することで、作成された電子メールが移動体通信端末300宛に送信される(ステップS309)。この場合、例えば、「お申し込みいただいたキャンセル待ちの受付が可能となりましたので、受付端末にて手続をおとりください。」などのメッセージを含んだ電子メールが、受付可能と判別された申込情報に含まれる電子メールアドレス宛に送信される。すなわち、申し込みの受付が可能となった旨が、電子メールによって、当該申込者に通知される。
【0143】
一方、音声通知をする場合、通知処理部116は、ステップS308で設定された電話番号に発呼するよう呼制御部121に指示することで、移動体通信端末300に発呼し、通信路が確立された際に、通知処理部116が音声データの通知情報を再生する(ステップS310)。これにより、例えば、「お申し込みいただいたキャンセル待ちの受付が可能となりましたので、受付端末にて手続をおとりください。」などの音声メッセージが移動体通信端末300で出力される。すなわち、申し込みの受付が可能となった旨が、いわゆる音声ガイダンスによって、当該申込者に通知される。
【0144】
ステップS309またはステップS310で、通知情報が移動体通信端末300に送信されると、通知処理部116は、通知情報格納領域174にアクセスし、通知動作をおこなった日時情報を記録することで通知記録情報を更新して(ステップS311)、「受付可否判別処理」(図12)のフローに戻る。「受付可否判別処理」では、そのまま処理を終了する。
【0145】
上記通知処理により、申し込んだキャンセル待ちが受付可能となった場合、施設FC(空港)内にいる当該申込者の移動体通信端末300に、受付可能となった旨を示す通知情報が送信される。
【0146】
受付処理装置100によって音声通知が実行された場合、移動体通信端末300では、受付処理装置100からの発呼を音声通信部322が受信し、着信処理部311によって着信にかかる動作が実行される。この場合、着信処理部311の制御により、着信を知らせる着信音がスピーカ334から出力される。これに応じて、ユーザが操作部331を操作して着呼を指示すると、着信処理部311が音声通信部322を制御することで、受付処理装置100との音声通信路が確立し、受付処理装置100で再生された音声通知情報を音声通信部322が順次受信する。受信された音声通知信号は、入出力制御部330によって再生され、スピーカ334から出力される。これにより、ユーザ(申込者)に、申込をおこなったキャンセル待ちが受付可能となった旨が音声により通知される。
【0147】
一方、電子メールによる通知が実行された場合、移動体通信端末300では、データ通信部323が受信し、着信処理部311によって着信にかかる動作が実行される。この場合、着信処理部311の制御により、着信を知らせる着信音がスピーカ334から出力される。また、着信処理部311は、入出力制御部330に受信した電子メールを構成しているデータを供給するとともに、当該データを記憶部350に格納する。入出力制御部330は、表示部332を制御し、受信した電子メールを表示出力する。これにより、ユーザ(申込者)に、申込をおこなったキャンセル待ちが受付可能となった旨が電子メール(文字情報)により通知される。
【0148】
これにより、申込者は、自分がおこなったキャンセル待ちの受付が可能となったことを認識し、キャンセルとなった座席を申し込むための正式な申込手続をおこなうことになる。本実施形態では、施設FC(空港)内に設置されている受付端末200を用いて正式な申込手続をおこなうこととする。
【0149】
すなわち、通知を受けた申込者は、移動体通信端末300をもって受付端末200に赴き、移動体通信端末300の非接触ICカード機能を用いて、受付端末200で手続をおこなう。この場合に受付処理装置100が実行する「受付処理」を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。この「受付処理」は、通知情報を受信した移動体通信端末300と、受付端末200との間で、非接触ICカード機能で通信を開始したことを契機に開始されるものとする。すなわち、施設FC(空港)内で受付可能の通知を受けたユーザが、移動体通信端末300のICカード部340と、受付端末200のICカード通信装置250とを近接させることで、移動体通信端末300と受付端末200との非接触通信が開始されたことを契機に開始される。
【0150】
この場合において、受付端末200の表示装置240には、提供可能なサービス項目が選択可能にメニュー表示されており、例えば、「キャンセル待ちの確定」などと示されたメニュー項目をユーザが選択し、申込対象(すなわち、便名)を選択もしくは入力した上で、移動体通信端末300とICカード通信装置250とを近接させる。これにより、受付端末200と接続されている受付処理装置100が、当該受付端末200を用いた処理が、キャンセル待ち申込の受付にかかるものであることと、申込対象とを認識して「受付処理」を開始する。この場合、キャンセル待ち申込の受付処理である旨と、申し込み対象となる便名を示す情報が、受付端末200から受付処理装置100に通知される。
【0151】
「受付処理」が開始されると、受付処理装置100の受付処理部117は、申込者の移動体通信端末300から、当該移動体通信端末300の識別情報を、申込者を認証するための認証情報として取得する。ここでは、受付処理部117が、受付端末200の制御部210に対し認証情報(識別情報)の取得を指示し(ステップS401)、これに応じたICカード通信装置250の動作により移動体通信端末300との非接触通信がおこなわれ、当該移動体通信端末300から識別情報を取得する。ここでは、上述した「仮受付処理」の場合と同様に、移動体通信端末300の電話番号情報を識別情報として取得することとする。
【0152】
移動体通信端末300から識別情報を取得した受付端末200は、通信部220により取得した識別情報を受付処理装置100に送信する。これにより、受付処理装置100は、申込者の移動体通信端末300の識別情報を認証情報として取得する(ステップS402)。
【0153】
移動体通信端末300から識別情報を含んだ認証情報を取得すると、受付処理部117は、取得した認証情報を用いて、受付手続をおこなっている者の認証をおこなう。すなわち、受付手続をおこなっている者が、キャンセル待ちの申し込みをし、かつ、その申し込みの受付が可能である旨が通知された者であるか否かを認証する。
【0154】
この場合、受付処理部117は、通知情報格納領域174にアクセスし、ステップS402で取得した識別情報と通知記録情報とを照合して(ステップS403)、同一の識別情報(電話番号情報)が、通知記録情報にあるか否かを判別することで、認証の成否を判別する(ステップS404)。ここで、取得した識別情報(電話番号情報)と同一の識別情報(電話番号情報)が通知記録情報にあれば、受付手続で使用されている移動体通信端末300に通知情報が送信されていることになる。したがって、この場合は、受付手続をおこなっている者を正規の申込者として認証することができる。
【0155】
ここで、同一の識別情報(電話番号情報)が通知記録情報にない場合(ステップS404:No)、受付手続をおこなっている者を正規の申込者として認証することができないので、そのまま「受付処理」を終了する。
【0156】
一方、同一の識別情報(電話番号情報)ありと判別されることで(ステップS404:Yes)、受付手続をおこなっている者を正規の申込者として認証すると、受付処理部117は、正式な受付が可能であるか否かを判別する(ステップS405)。
【0157】
すなわち、本実施形態で示すような搭乗手続にかかる受付処理の場合、搭乗手続の締め切り時刻などが設定されているので、このような締め切り時刻の経過後に受付手続をおこなっても、正式な受付をおこなうことはできない。よって、受付処理部117は、認証した申込者の正式受付ができるか否かを、予約システムRSに問い合わせることで判別する。
【0158】
この場合、受付処理部117は、ステップS402で取得した移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)と対象便名を示す情報を予約システムRSに送信することで、正式受付の可否を問い合わせる。予約システムRSでは、受付処理装置100から送信された便名情報と移動体通信端末300の識別情報とに基づいて、予約情報を特定し、搭乗手続の締め切り時刻を経過していないか否かなどの判別し、判別結果を受付処理装置100に返信する。
【0159】
予約システムRSからの返信が、例えば、「締め切り時刻未経過」などである場合、受付処理部117は「正式受付可」と判別する。一方、予約システムRSからの返信が、例えば、「締め切り時刻経過」などである場合、受付処理部117は「正式受付不可」と判別する。
【0160】
ここで、正式受付不可と判別した場合(ステップS405:No)、受付手続を完了することができないので、そのまま「受付処理」を終了する。
【0161】
一方、正式受付可と判別した場合(ステップS405:Yes)、受付処理部117は、当該正式受付を実行するのに必要な情報を予約システムRSに要求する。本実施形態では、予約した座席についての航空券の発券をもって正式受付の実行とする。この場合、受付処理部117は、発券する航空券に印字すべき情報(以下、「チケット情報」とする)の提供を予約システムRSに要求する。ここでは、ステップS402で取得した移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)や対象となる便名を示す情報などを予約システムRSに通知することで、チケット情報の提供を要求する。
【0162】
予約システムRSは、受付処理装置100からの要求に応じて、予約情報データベースの該当する予約情報から必要な情報を抽出し、チケット情報として受付処理装置100に送信する。予約システムRSでは、チケット情報を送信したことによって、仮予約から予約確定(受付完了)されたと判別し、受付完了である旨が示されるように予約情報を更新する。
【0163】
受付処理装置100の受付処理部117は、予約システムRSが送信したチケット情報を受信する。すなわち、受付の実行に必要な情報(以下、「受付情報」とする)を取得する(ステップS406)。受付情報(チケット情報)を取得すると、受付処理部117は、取得した情報を受付端末200に転送するとともに、当該チケット情報を用いた発券を制御部210に指示する。すなわち、正式な受付にかかる動作の実行を受付端末200に指示する(ステップS407)。
【0164】
受付端末200では、受付処理装置100からの指示に応じて、発券装置260を動作させ、取得したチケット情報を用紙に印字して排出することで、航空券を発券する。すなわち、正式な受付にかかる動作が実行される。発券装置260による発券動作が完了すると、制御部210は、その旨を受付処理装置100に通知する(発券完了通知)。すなわち、正式な受付が完了したことが通知される(受付完了通知)。
【0165】
受付処理装置100では、受付端末200からの発券完了通知(受付完了通知)を受信すると(ステップS408)、正式な受付にかかる動作が完了したと判断する。この場合、受付処理部117が、この受付処理でおこなった処理内容を示す受付記録情報(図6(b)参照)を作成し、受付記録情報格納領域175に格納して(ステップS409)、処理を終了する。この受付記録情報は、施設FCでおこなわれた受付処理の記録として受付処理装置100に保存される他、例えば、予約システムRSに送信されることで、受付履歴の一元管理などに用いられる。
【0166】
以上説明したように、本発明を上記実施形態の如く適用することで、所定の施設にいるものでなければ行えない手続等の受付に関する通知を、その時点で当該施設に実際にいる者にのみ自動的におこなうことができる。つまり、上記実施形態で例示した空港でのキャンセル待ちの場合、申し込み後も空港内にいる者、すなわち、キャンセル席の獲得意志が本当にある者に対してのみ、受付可能であることを自動的に通知するので、キャンセル分を確実に割り当てることができる。また、申込者の移動体通信端末300に自動的に通知するので、受付担当者による呼び出しや館内放送などをおこなう必要もない。よって、受付にかかる業務の効率化を図ることができる。
【0167】
また、自動的に申込順に処理して通知するので、申込者の待ち順番にしたがった公正な通知をおこなうことができる。ここで、申込者の移動体通信端末300を用いて通知をおこなうので、施設FC内であれば、ユーザ(申込者)の居場所を問わず公正に通知することができる。つまり、申込後のユーザを拘束することなく確実に通知することができる。よって、従来のように、申込をおこなったカウンタの近傍で待機する必要がない他、館内放送の呼び出しなどで生じうる聞き逃しなどもない。また、申し込み順に処理するために整理券などを発行する必要もないため、受付業務の効率化を図ることができる。さらに、複数の受付端末200を使った申し込みであっても申し込み順に処理することができので、申し込みを受け付ける場所が1カ所に制限されない。よって、待ち行列や混雑の緩和にも寄与することになり、ユーザの利便性向上と受付業務の効率化を実現することができる。
【0168】
また、受付可能時にその場にいない者は自動的に対象外とするため、無駄な通信を発生させることなく、キャンセル分を確実に販売することができ、コスト削減と収益性向上にも寄与することができる。
【0169】
このような、申し込みの受付が可能となった時点でその場にいる者に対してのみ通知する動作を実現するために、一般的な移動体通信端末で通常おこなわれている位置登録を利用しているので、構内交換機や構内基地局などから構成される構内網が備えられている施設であれば、上述した受付システム1を容易に構築することができる。
【0170】
また、ユーザ(申込者)側も、ICカード機能を有する移動体通信端末300を用いて手続を行うことができるので、受付端末200に移動体通信端末300を近接させるだけでキャンセル待ちの申し込みや受付手続などをおこなうことができる。すなわち、簡単、かつ、短時間に手続をおこなえるので、ユーザの利便性が向上するとともに、待ち行列や混雑の緩和などにも貢献するので、施設FC全体の効率化にも寄与することになる。
【0171】
なお、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施形態が本発明の範囲に含まれる。
【0172】
上記実施形態では、空港における航空機のキャンセル待ちにかかる受付処理に本発明を適用した場合を示したが、その時点で所定の施設に実際にいる者でなければ手続をおこなうことのできない種々の受付処理に本発明を適用することができる。例えば、種々の交通機関をはじめ、飲食店、娯楽施設(劇場、映画館、テーマパークなど)、その他各種公共施設などにおいて、入場や座席などといった利用に関する予約やキャンセル待ちをおこなう種々の場面に本発明を適用することができる。
【0173】
また、上記実施形態では、受付端末200を用いて、申込者の移動体通信端末300から申込情報を取得するものとしたが、受付処理装置100によって申込情報が取得できるのであれば、取得する方法はこれに限られず任意である。例えば、申込者が、パーソナルコンピュータなどを用いて、インターネットなどを介して申込情報を送信することで、受付処理装置100(もしくは予約システムRS)が申込情報を取得してもよい。
【0174】
あるいは、移動体通信端末300から申込情報を取得する場合であっても、受付端末200を用いずに、例えば、移動体通信端末300がインターネットを介して申込情報を送信することで、受付処理装置100(もしくは予約システムRS)が申込情報を取得するようにしてもよい。
【0175】
これらの場合、例えば、受付業務をおこなう者(上記実施形態の例では、航空会社など)が、申込情報を受け付けるためのウェブサイトをインターネット上に開設し、ユーザがこのようなウェブサイトにアクセスして申込情報を送信するように構成することができる。
【0176】
また、上記実施形態では、移動体通信端末300が施設FC内に存在しているか否かを判別するために、移動体通信端末300の電話番号情報を用いて照合したが、移動体通信端末300を特定することができるのであれば、任意の識別情報を用いてもよい。例えば、移動体通信端末300がIP電話端末であり、施設FCの構内網LNがLAN(Local Area Network:構内通信網)などのIP通信網である場合、移動体通信端末300のMACアドレスやIPアドレスなどを識別情報として用いてもよい。
【0177】
上記実施形態では、移動体通信端末300の位置登録を示す情報を構内交換機10から取得するものとしたが、施設FC内の移動体通信端末がおこなった位置登録を示す情報が取得できるのであれば、取得先は構内交換機10に限られない。例えば、各構内基地局20と受付処理装置100とを接続し、位置登録を示す情報を構内基地局20から取得するようにしてもよい。すなわち、構内交換機10や構内基地局20などから構成されている構内網LNから取得するように構成することができる。あるいは、キャリアの交換局50から、施設FC内でおこなわれた位置登録を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0178】
また、上記受付処理においては、認証情報として、移動体通信端末300の電話番号情報を用いたが、移動体通信端末300もしくは申込者を特定できる識別情報であれば、任意のものを用いることができる。例えば、電子メールアドレスなどを認証情報として用いることができる他、上述したMACアドレスやIPアドレスなどを用いてもよい。
【0179】
上記実施形態では、移動体通信端末300の非接触ICカード機能から情報を読み取るICカード通信装置250として、リーダ装置を受付端末200に構成したが、移動体通信端末300のICカード機能に対し情報の書き込みが可能なリーダ・ライタ装置によりICカード通信装置250を構成してもよい。この場合、例えば、受付処理装置100によって設定される申込IDや受付IDなどの情報を移動体通信端末300に書き込み、これらの情報を識別情報や認証情報として用いる用にしてもよい。
【0180】
なお、上記実施形態では、移動体通信端末300の非接触ICカード機能を用いて識別情報(電話番号情報)を取得するものとしたが、識別情報が取得できるのであれば、その通信方法などは任意である。例えば、IrDA (Infrared Data Association)やBluetooth、あるいは、IEEE802.11(無線LAN)などの種々のワイヤレス通信規格などに基づいて非接触通信をおこなってもよい。また、非接触通信に限らず、例えば、移動体通信端末300と受付端末200とを所定のケーブルや端子などで接続して通信するようにしてもよい。あるいは、受付端末200の表示装置240を操作することで、ユーザが識別情報を入力してもよい。
【0181】
なお、申込情報や認証情報(すなわち、移動体通信端末300の識別情報)の取得に受付端末200を用いなくてもよく、例えば、データ通信網60(例えば、インターネット)を介した移動体通信端末300と受付処理装置100との通信により、移動体通信端末300から受付処理装置100に識別情報を入力してもよい。あるいは、受付カウンタで受付業務をおこなう従業員などが識別情報を受付処理装置100に入力してもよい。
【0182】
また、上記実施形態では、移動体通信端末300のICカード機能を識別情報の取得に用いたが、例えば、受付処理にかかる決済をICカード機能でおこなってもよい。この場合、例えば、ICカード機能によって実現される電子マネーなどを用いて決済処理がおこなえる他、例えば、クレジットカード情報の授受によって決済処理をおこなってもよい。
【0183】
なお、上記実施形態にかかる各処理において用いた識別情報は、移動体通信端末300にかかるもの(電話番号情報や電子メールアドレス)であったが、申込者にかかる識別情報を用いるようにしてもよい。この場合、例えば、予約システムRSなどに登録してあるユーザ情報についての識別情報(ユーザID)などを移動体通信端末300と受付処理装置100の間で授受することで、上記各処理をおこなってもよい。この場合、例えば、移動体通信端末300のインターネット接続機能などを用いてユーザ登録をおこない、その際に発行されたユーザIDを移動体通信端末300の記憶部350などに格納しておく。そして、上記各処理をおこなう際には、そのユーザID情報を受付端末200などに送信することで、上記各処理をおこなうことができる。
【0184】
また、上記実施形態では、申込者への通知方法の1つとして電子メールによる通知を例示したが、これに限られず、例えば、インスタントメッセージ(IM)やプッシュ配信による画像配信などによって通知をおこなってもよい。また、上記実施形態では、音声または電子メールのいずれかで通知する場合を例示したが、複数の通知方法のいずれか1以上、もしくは、すべてによって通知してもよい。また、申込時にユーザが通知方法を任意に選択するようにしてもよい。
【0185】
上記実施形態にかかる受付処理装置100は、専用装置によって構成可能であることはもとより、例えば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータ装置によって構成することもできる。この場合、汎用コンピュータ装置に、上記実施形態の受付処理装置100として機能させるプログラムを適用することで、汎用コンピュータ装置を受付処理装置100として機能させることができる。すなわち、上記実施形態における制御部110が実行した動作プログラムと同様の動作プログラムを、汎用コンピュータ装置の記憶装置にインストールし、これを当該コンピュータ装置の制御装置(CPUなど)が実行することで、本発明にかかる受付処理装置として機能させることができる。
【0186】
このようなプログラムを提供する形態は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して配布することで提供可能である他、例えば、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMやDVDなど)に格納して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】本発明の実施形態にかかる受付システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す受付処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す記憶部に作成される記憶領域の例を示す図である。
【図4】図1に示す制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図3に示す記憶領域に記録される情報の例を示す図であり、(a)は申込情報格納領域に記録される申込情報の例を示し、(b)は位置登録情報格納領域に記録される登録端末リストの例を示す。
【図6】図3に示す記憶領域に記録される情報の例を示す図であり、(a)は通知情報格納領域に記録される通知記録情報の例を示し、(b)は受付記録情報格納領域に記録される受付記録情報の例を示す。
【図7】図1に示す受付端末の外観構成の例を示す図である。
【図8】図7に示す受付端末の内部構成を示すブロック図である。
【図9】図1に示す移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図11】本発明の実施形態にかかる「仮受付処理」を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態にかかる「受付可否判別処理」を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に示す受付可否判別処理において実行される「通知処理」を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態にかかる「受付処理」を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0188】
1…受付システム、FC…施設、10…構内交換機、20…構内基地局、30…構内通信網、LN…構内網、40…公衆回線網、50…交換局、60…データ通信網、100…受付処理装置、110…制御部、111…仮受付処理部、112…受付可否判別部、113…位置登録情報取得部、114…一致判別部、115…通知情報作成部、116…通知処理部、117…受付処理部、120…構内網接続部、121…呼制御部、130…データ通信部、140…端末接続部、150…入力制御部、15…入力装置、160…出力制御部、16…出力装置、170…記憶部、171…プログラム格納領域、172…申込情報格納領域、173…位置登録情報格納領域、174…通知情報格納領域、175…受付記録情報格納領域、200…受付端末、210…制御部、220…通信部、230…入出力制御部、240…表示装置、250…ICカード通信装置、260…発券装置、300…移動体通信端末、310…制御部、311…着信処理部、312…位置登録動作部、313…ICカード制御部、320…通信部、321…アンテナ、322…音声通信部、323…データ通信部、324…非ユーザ通信部、330…入出力制御部、331…操作部、332…表示部、333…マイクロフォン、334…スピーカ、340…ICカード部、350…記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、受付システム、受付処理装置、および、プログラムに関し、特に、キャンセル待ちなどにかかる受付業務の効率化とユーザの利便性向上に好適な受付システム、受付処理装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動体通信分野においては、技術の向上により端末の高機能化がすすんでおり、基本機能である通話機能以外の種々の機能が付加されている。近時では、種々の予約やキャンセル待ちなどに関するサービスを、移動体通信端末を用いて利用するための手法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、移動体通信端末のGPS機能によって、予約センタに近い移動体通信端末を検索し、キャンセルが発生したことを当該移動体通信端末に対して通知する手法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−345875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術では、申込者は予約センタを呼び出し、キャンセル待ち予約の手続を予め行っておく必要がある。このため、キャンセル待ちの申し込みをおこなう必要が急遽発生した場合などには対応することができない。また、移動体通信端末のGPS機能を利用しているため、GPS機能を有していない移動体通信端末にはサービスを提供することができない。
【0005】
さらに、予約センタに近い移動体通信端末を検索して通知しているので、予約センタと実際に利用する施設が同一でない場合などには不都合が生じる。すなわち、予約センタの近傍にいるが、実際に利用する施設にはいない者の移動体通信端末に通知をおこなってしまうことがある。ここで、申込対象を利用する意志がある者は、実際に利用する施設で通知を待機しているが、利用意志の低い者は、施設へ赴かなかったり、通知前に施設を離れてしまう可能性がある。よって、実際の利用施設と予約センタとが異なると、利用意志の低い者に通知してしまうこともあり、予約業務や受付業務の効率を低下させてしまう。
【0006】
また、実際に利用する施設と予約センタとが同一である(もしくは近接している)場合であっても、待機している者が多数いる場合、たまたま予約センタに最も近い者の移動体通信端末が検索されてしまうことになる。この場合、申込順序に従った受付処理とはならないので、利用者にとって不公平な受付業務がおこなわれてしまうことになる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、キャンセル待ちなどの受付業務の効率化を図るとともに、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる受付システムは、
施設内の移動体通信端末と通信する構内基地局と、前記構内基地局と交換局とを中継する構内交換機とから構成される構内網を備えた施設において受付処理をおこなうための受付システムであって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の電話番号情報を含んだ申込情報を、当該移動体通信端末から取得して記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が取得した申込情報に基づく申込の受付可否を判別する受付判別手段と、
前記受付判別手段が受付可と判別した場合に、前記構内基地局を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の電話番号情報を含む位置登録情報を、前記構内交換機から取得する位置登録情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報と、前記位置登録情報取得手段が取得した位置登録情報とに基づいて、当該申込者の移動体通信端末が前記施設内に現在存在するか否かを判別する存在判別手段と、
前記存在判別手段が、前記移動体通信端末が前記施設内に現在存在すると判別した場合、当該移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、施設の構内網を通じておこなわれた位置登録に基づいて申込者が使用する移動体通信端末の存在を判別しているので、受付可能となった時点(例えば、キャンセル待ち対象でキャンセルが発生した時点)に施設内にいる申込者に対してのみ、受付に関する通知をおこなうことができる。
【0010】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、申込順に前記申込情報を記憶することが望ましく、この場合、
前記受付判別手段は、前記申込情報取得手段に記憶された前記申込情報の申込順に前記判別をおこなうことが望ましい。
【0011】
このような構成によれば、申込順に通知することができるので、公正な受付業務をおこなうことができる。
【0012】
上記受付システムにおいて、
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電話番号情報を用いた音声通信によって前記通知をおこなうことが望ましい。
【0013】
このような構成によれば、移動体通信端末の音声通信機能を用いて通知することができるので、利用できる移動体通信端末が制限されない。
【0014】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、申込者の前記移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得してもよく、この場合、
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて、電子メールによる前記通知をおこなってもよい。
【0015】
このような構成によれば、移動体通信端末の機能に応じて通知方法を選択することができる。
【0016】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、
非接触リーダを備える申込端末を含んでいてもよく、この場合、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記申込端末との非接触通信により前記申込情報を取得することが望ましい。
【0017】
このような構成によれば、移動体通信端末の非接触ICカード機能を用いて申込手続をおこなえるので、受付業務の効率化とユーザの利便性向上を図ることができる。
【0018】
上記受付システムは、
申込者の前記移動体通信端末から、当該移動体通信端末の電話番号情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した電話番号情報と、前記通知手段が通信した前記移動体通信端末の電話番号情報との照合により認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した場合、前記申込情報に基づいた申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えていることが望ましい。
【0019】
このような構成によれば、移動体通信端末を用いて通知した者を認証し、通知処理と連動した正式な受付処理をおこなうことができる。
【0020】
上記受付システムにおいて、
前記認証情報取得手段は、
非接触リーダを備える受付端末を含んでいてもよく、この場合、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記受付端末との非接触通信により前記認証情報を取得することが望ましい。
【0021】
このような構成によれば、移動体通信端末の非接触ICカード機能を用いて受付手続をおこなえるので、受付業務の効率化とユーザの利便性向上を図ることができる。
【0022】
上記受付システムにおいて、
前記申込情報取得手段は、キャンセル待ちに関する前記申込情報を取得し、
前記受付判別手段は、キャンセルが発生したか否かを判別し、
前記位置登録情報取得手段は、前記受付判別手段によってキャンセルが発生したと判別された場合に、前記位置登録情報を取得することができる。
【0023】
このような構成によれば、例えば、空港などの施設におけるキャンセル待ちにかかる受付業務の効率化と利便性向上を図ることができる。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる受付処理装置は、
施設における受付処理をおこなうための受付処理装置であって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が記憶する前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する受付可否判別手段と、
前記受付可否判別手段が受付可と判別した場合に、前記施設内の移動体通信端末による位置登録によって送信された識別情報を、前記施設の構内網から取得する識別情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と一致する識別情報が前記識別情報取得手段により取得されているか否かを判別する一致判別手段と、
前記一致判別手段が、一致する識別情報が取得されていると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、申込者が使用する移動体通信端末の識別情報と、施設内でおこなった位置登録にかかる識別情報とに基づいて、申し込みの受付が可能となった時点で施設内にある移動体通信端末に対し、受付可能である旨の通知をおこなうことができる。
【0026】
上記受付処理装置において、
前記識別情報は、前記移動体通信端末の電話番号情報とすることができ、この場合、
前記通知手段は、
前記電話番号情報を用いて前記移動体通信端末に発呼する発呼手段をさらに備え、
前記発呼手段による発呼に基づく音声通信により前記通知をおこなうことが望ましい。
【0027】
このような構成によれば、移動体通信端末の音声通信機能を用いて通知することができる。
【0028】
上記受付処理装置において、
前記申込情報取得手段は、前記申込者が使用する移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得してもよく、この場合、
前記通知手段は、
前記通知内容を示す電子メールを作成する電子メール作成手段をさらに備え、
前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて前記移動体通信端末と通信し、前記電子メール作成手段が作成した電子メールによって前記通知をおこなってもよい。
【0029】
このような構成によれば、移動体通信端末の電子メール機能を用いて通知することもでき、通知方法を選択することができる。
【0030】
上記受付処理装置は、
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した前記識別情報と、前記通知手段が通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えていることが望ましい。
【0031】
このような構成によれば、移動体通信端末の識別情報を用いて認証をおこなうことで、通知をおこなった申込者に対する受付処理をおこなうことができる。
【0032】
上記受付処理装置において、
前記申込情報取得手段は、前記移動体通信端末から前記申込情報を取得することが望ましい。
【0033】
このような構成によれば、移動体通信端末の識別情報を、例えば、当該移動体通信端末との通信などによって取得することができる。
【0034】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
コンピュータに、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する機能と、
記憶した前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する機能と、
受付可と判別した場合に、施設内の構内網を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の識別情報を前記構内網から取得する機能と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と同一の識別情報を取得しているか否かを判別する機能と、
同一の識別情報を取得していると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する機能と、
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する機能と、
前記認証情報として取得した識別情報と、前記通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう機能と、
認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0035】
このようなプログラムを適用することで、汎用コンピュータ装置などを上記受付処理装置として機能させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、受付に関する通知を、その時点で利用施設に実際にいる者に対してのみ自動的におこなうことができるので、受付業務の効率化とユーザの利便性向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(実施形態1)
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態を説明する。本実施形態では、本発明を適用した受付処理システムによって受付処理をおこなう場合を例示する。本実施形態においては、航空機の空席キャンセル待ちについての受付処理を空港(以下、「施設FC」とする)でおこなう場合を例に以下説明する。本実施形態にかかる受付システム1を、図1を参照して説明する。図1は、受付システム1の構成を模式的に示す図である。
【0038】
図1に示す受付システム1の主要構成は、施設FCに設置されている構内交換機10、複数の構内基地局20、および、受付処理装置100と、移動体通信端末300である。このような各構成の接続態様を以下説明する。
【0039】
図示するように、施設FC内の構内交換機10と各構内基地局20とは、構内通信網30によって接続されており、これにより、施設FCの構内網LNが構成されている。この構内網LNは、施設FC内での移動体通信端末300による通信を実現するためのものである。すなわち、施設FC内に配置された構内基地局20は、移動体通信端末300との無線通信をおこなうものであり、施設FC内で移動体通信端末300を使用する場合、当該移動体通信端末300は、至近の構内基地局20と通信することになる。
【0040】
構内交換機10は、移動体通信サービスを提供する通信事業者(いわゆる、キャリア)の交換局50が接続されている。交換局50を含むキャリアの交換局は、例えば、所定の地域単位で配置されており、それぞれが、当該地域における複数の基地局と接続されている。構内交換機10に接続されている交換局50は、施設FCのある地域を管轄する交換局であり、施設FC外に設置されている当該地域の基地局とも接続されている。施設FC内の構内基地局20は、この交換局50が管轄する基地局の一部であり、構内交換機10の中継により交換局50に接続されていることになる。
【0041】
この構内交換機10は、いわゆるPBX(Private Branch eXchange)であり、施設FC内の電話設備と公衆回線網40とを接続することで、施設FC内の電話設備を用いた通信を可能としている。本実施形態では、構内交換機10によって、移動体通信端末用の電話設備である構内基地局20と公衆回線網40とが接続されている。この公衆回線網40は、交換局50を含む複数の交換局を接続しているので、施設FC内で移動体通信端末300を用いた外線通話やデータ通信などの通信が可能となる。
【0042】
施設FC内の移動体通信端末300は、このような構成の構内網LNを介して通信することになるので、公衆回線網40を用いる通信に関しては、施設FC内の移動体通信端末300がおこなうすべての通信動作が構内交換機10を経由することになる。本実施形態では、構内交換機10が処理した通信動作の記録(いわゆる、ログ)を、構内交換機10が随時保存しているものとする。
【0043】
また、構内交換機10には受付処理装置100も接続されている。これにより、構内交換機10を介して、受付処理装置100と公衆回線網40とが接続されていることになる。また、受付処理装置100は、例えば、IP網(インターネット)などのデータ通信網60と接続されている。このデータ通信網60を介して、受付処理装置100は予約システムRSと接続される。
【0044】
本実施形態では、予約システムRSによって、航空機のチケットに関する予約管理などがおこなわれているものとする。この予約システムRSは、例えば、メインフレームなどの情報処理装置によって構成され、例えば、航空会社のホストコンピュータとして運用されているものとする。すなわち、予約システムRSによって、当該航空会社のユーザサービスに関する情報が一元的に管理されている。この場合、予約システムRSは、予約情報データベースを備えており、航空機の搭乗予約などに関する予約情報を蓄積する。予約情報には、これから搭乗手続などがおこなわれる便毎に、座席の予約状況を示す情報や予約者に関する情報などの他、搭乗手続の締め切り日時などが記録されるものとする。
【0045】
本実施形態では、受付システム1によって航空機の利用に関するサービスを受けるユーザは、予め予約システムRSにユーザ登録をしているものとする。よって、予約システムRSは、ユーザ情報を蓄積するためのユーザ情報データベースを有しているものとし、少なくとも、当該ユーザが使用する移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)を含んだユーザ情報が記録・管理されているものとする。本実施形態では、航空券の予約や購入に必要となる情報(例えば、ユーザの属性情報など)がユーザ情報として蓄積されているものとし、例えば、各ユーザに一意に割り当てられるユーザIDをキーとしたレコードに記録することで管理しているものとする。
【0046】
受付処理装置100はまた、施設FC内に設置された受付端末200と接続されている。この受付端末200は、例えば、施設FC(空港)内の搭乗手続カウンタなどに設置され、受付処理装置100の制御により、キャンセル待ちなどの申込時にユーザとのインタフェース装置(申込端末)として機能する他、航空券発券などの受付時にユーザとのインタフェース装置(受付端末)として機能する。
【0047】
以上のような接続態様で構成された受付システム1の各構成を以下説明する。まず、受付処理装置100について説明する。受付処理装置100は、例えば、ワークステーションなどの情報処理装置によって構成され、例えば、施設FC(空港)内で受付業務をおこなっている航空会社などによって運用される。受付処理装置100は、施設FCにおいておこなわれる受付業務に関する処理をおこなうものであり、本実施形態では、施設FC内に設置されているものとする。本実施形態にかかる受付処理装置100は、空港(施設FC)にておこなわれる予約手続やキャンセル待ち手続、航空券の発券手続、搭乗手続、などにかかる受付業務のデータ処理などをおこなう。
【0048】
このような受付処理装置100の構成を、図2を参照して説明する。図2は、受付処理装置100の構成を示すブロック図である。
【0049】
図示するように、受付処理装置100は、制御部110、構内網接続部120、データ通信部130、端末接続部140、入力制御部150、出力制御部160、および、記憶部170、などから構成される。各構成の詳細を以下説明する。
【0050】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)などから構成され、記憶部170に格納されているプログラムを実行することで動作し、受付処理装置100の各部を制御する。また、記憶部170に格納されているプログラムを実行することで、受付処理に必要な機能を実現し、後述する各処理が実行される(詳細後述)。なお、制御部110には、例えば、RAM(Random Access Memory)などから構成された主記憶装置(メモリ)などが含まれているものとし、実行するプログラムのロードや処理するデータの展開などに用いられるワークエリアとして機能する。
【0051】
構内網接続部120は、例えば、所定の入出力インタフェースなどから構成され、受付処理装置100と構内網LNとを接続する。本実施形態では、構内網接続部120が構内交換機10と接続されることで、受付処理装置100と構内網LNとが接続されているものとする。
【0052】
構内網接続部120は、公衆回線網40を用いた音声通信における発呼や呼切断などの呼制御をおこなうための呼制御部121を含む。呼制御部121は、例えば、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)発生装置などから構成され、音声通信の発呼動作などをおこなう。この場合の呼制御部121の発呼は、構内交換機10および公衆回線網40を介して、交換局50などに発せられることになる。
【0053】
データ通信部130は、例えば、NIC(Network Interface Card)などから構成され、例えば、ルータやモデムなどといった所定の通信装置を介して、受付処理装置100とデータ通信網60とを接続し、電子メールの送受信や予約システムRSとのデータ交換などといったデータ通信を可能とする。
【0054】
端末接続部140は、例えば、所定の入出力インタフェースなどから構成され、受付処理装置100と受付端末200とを接続する。
【0055】
入力制御部150は、例えば、キーボードやポインティングデバイスなどの入力装置15と受付処理装置100とを接続し、入力装置15による入力動作に応じた入力信号を制御部110に入力する。
【0056】
出力制御部160は、例えば、ディスプレイやプリンタなどの出力装置16と受付処理装置100とを接続し、出力装置16を制御し、制御部110の処理結果に基づいた出力動作をおこなう。
【0057】
記憶部170は、例えば、ハードディスク装置などの補助記憶装置から構成され、受付処理装置100の動作に必要なデータやプログラム、および、受付処理装置100の動作によって生成されたデータなどを記憶する。記憶部170には、記憶する情報の種類に応じた記憶領域が作成されるものとする。本実施形態では、図3に示すように、プログラム格納領域171、申込情報格納領域172、位置登録情報格納領域173、通知情報格納領域174、受付記録情報格納領域175、などが作成される。各記憶領域に格納される情報を以下説明する。
【0058】
プログラム格納領域171には、制御部110が実行する動作プログラムが格納される。ここでは、OS(Operating System)などの基本プログラムが格納される他、本実施形態にかかる受付処理で必要となる機能を実現するためのプログラムが格納される。制御部110は、このようなプログラムを実行することで、図4に示すような構成として機能する。図4は、制御部110によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。図示するように、制御部110は、仮受付処理部111、受付可否判別部112、位置登録情報取得部113、一致判別部114、通知情報作成部115、通知処理部116、受付処理部117、などの構成として機能する。各機能構成の詳細を以下説明する。
【0059】
仮受付処理部111は、キャンセル待ち申込の申込情報を、申込者の移動体通信端末300から随時取得し、取得した申込情報を申込順に記憶部170(申込情報格納領域172)に格納する。本実施形態では、端末接続部140との協働により、受付端末200を用いて移動体通信端末300から申込情報を取得するものとする。この申込情報には、少なくとも、申込者が使用する移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)が含まれる。また、必要に応じて、当該移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレス(識別情報)が申込情報に含まれる。
【0060】
すなわち、仮受付処理部111の動作によって、申込者が使用する移動体通信端末300の電話番号情報が取得される。また、必要に応じて、当該移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレスが取得されることになる。本実施形態では、仮受付処理部111が申込情報を取得したことで、キャンセル待ちの仮受付とする。すなわち、キャンセルが発生するかは不確実であるが、キャンセル待ち希望者の申し込みを受け付けた状態(仮受付)ということになる。
【0061】
受付可否判別部112は、データ通信部130との協働によって予約システムRSと通信し、仮受付処理部111が取得した申込情報の申込順に、当該申込の受付可否を判別する。すなわち、予約システムRSが管理する予約情報を参照することで、仮受付したキャンセル待ちの申し込みに該当するキャンセルが発生したか否かを判別することで、申し込みを正式に受付可能であるか否かを判別する。受付可否判別部112はまた、キャンセル待ちの申込が可能な予約情報を予約システムRSから取得し、端末接続部140との協働によって、当該予約情報を受付端末200に提供する。
【0062】
位置登録情報取得部113は、構内網接続部120との協働により、受付可否判別部112が受付可と判別した場合に、その時点での登録端末リストを構内交換機10に要求して取得する。この登録端末リストは、構内交換機10が記録する移動体通信端末300の通信のうち、位置登録に関する通信の記録を示したリストである。すなわち、構内交換機10が随時作成・更新する通信記録から、位置登録に関する通信記録を抽出したものである。この登録端末リストには、少なくとも、位置登録をおこなった移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)が含まれているものとする。
【0063】
一致判別部114は、受付可否判別部112が受付可と判別した申込情報に含まれている電話番号情報と、位置登録情報取得部113が取得した登録端末リストに示されている電話番号情報との一致を判別する。ここでは、該当する申込の申込情報に含まれている電話番号情報と同一の電話番号情報が、現時点の通信記録から抽出された登録端末リストにあるか否かを判別することで、当該移動体通信端末300が施設FC内に現在存在しているか否かを判別する。換言すると、当該申込者が施設FC内に現在存在しているか否かを判別することになる。
【0064】
通知情報作成部115は、申込の受付が可能であると判別され、かつ、現在施設FC内に存在していると判別された申込者に通知する情報を作成する。ここでの通知情報は、仮受付した申込を正式に受付可能である旨を申込者に通知する情報である。本実施形態では、仮受付したキャンセル待ちについて、該当するキャンセルが発生した旨などを通知することになる。本実施形態では、このような通知を、音声もしくは電子メールによっておこなうものとする。この場合、仮受付した申込を正式に受け付けることができる旨のメッセージ(例えば、「お申し込みいただいたキャンセル待ちの受付が可能となりましたので、受付端末にて手続をおとりください。」など)を示した音声ファイルまたはテキストファイルを記憶部170(通知情報格納領域174)から取得する。すなわち、音声通知をおこなう場合は音声ファイルを取得し、電子メールにより通知する場合はテキストファイルを取得する。
【0065】
ここで、音声ファイルを取得した場合、通知情報作成部115は、当該音声ファイルをワークエリアに展開することで再生可能状態とする。一方、テキストファイルを取得した場合、通知情報作成部115は、取得したテキストファイルが示すメッセージを本文とし、申込情報に含まれる電子メールアドレスを宛先とした電子メールを作成してワークエリアに展開することで、当該電子メールを送信可能状態とする。
【0066】
通知処理部116は、通知情報作成部115の動作を制御するとともに、通知情報作成部115が作成した通知情報を申込者に通知するための処理をおこなう。具体的には、構内網接続部120(呼制御部121)およびデータ通信部130との協働により、通知情報作成部115が作成した通知情報の送信動作をおこなう。
【0067】
すなわち、音声通信で通知する場合、呼制御部121を制御することで、申込情報に含まれる電話番号情報に基づいた発呼をおこない、公衆回線網40を介した通信路を確立する。そして、ワークエリア上で再生可能状態となっている音声ファイルの再生をおこなうことで、音声メッセージが公衆回線網40を介して移動体通信端末300に送信される。ここで、再生音声を移動体通信端末300に伝達するための仕組みや構成は、種々の音声ガイダンスサービスなどに用いられている周知の技術を適用するものとする。
【0068】
一方、電子メールにより通知する場合は、データ通信部130を制御することで、ワークエリア上で送信可能状態となっている電子メールを、データ通信網60を介して移動体通信端末300に送信する。
【0069】
受付処理部117は、受付可能であると判別されたキャンセル待ち申し込みの正式な受け付けをおこなうための受付処理を実行する。ここでは、受付処理部117は、受付可能であると判別された申し込みの申込者に対する正式な受付処理をおこなう。本実施形態では、キャンセルが発生した座席についての予約確定や航空券の発券、搭乗手続などを正式な受付とし、これらにかかる処理をおこなうことになる。
【0070】
この場合、受付処理部117は、当該申込者が使用する移動体通信端末300の識別情報を用いて、該当する申込者であるか否かの認証をおこなう。本実施形態では、端末接続部140との協働により、受付端末200を用いて移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)を認証情報として取得し、取得した認証情報(電話番号情報)と、受付可と判別して通知情報を送信した移動体通信端末300の電話番号情報とを照合することで認証をおこなう。
【0071】
受付処理部117はまた、受付端末200から取得した移動体通信端末300の電話番号情報(識別情報)に基づいて、認証された申込者(ユーザ)のユーザ情報を予約システムRSから取得する。すなわち、受付処理部117は、データ通信部130との協働により、データ通信網60を介して予約システムRSと通信をおこなう。また、受付処理部117は、受付端末200を制御し、受付内容に応じた動作を受付端末200に実行させる。
【0072】
本実施形態では、制御部110がプログラムを実行することにより、上記の機能構成が論理的に実現されるものとしたが、これらの機能を実現する構成を、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)などによって物理的に構成してもよい。
【0073】
記憶部170の他の記憶領域(図3参照)に格納される情報について説明する。
【0074】
申込情報格納領域172には、仮受付処理部111によって取得された申込情報が申込順に格納される。申込情報格納領域172に記録される申込情報の例を図5(a)に示す。仮受付処理部111が受け付けた申込順に一意に割り当てられる申込IDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、当該申し込みにかかる申し込み情報が記録される。ここでは、当該申込情報が取得された日時を示す日時情報(「申込日時」)、申込対象(本実施形態では、便名やキャンセル待ちである旨などとする)を示す情報(「申込内容」)、申込者が使用する移動体通信端末300の識別情報(「使用端末」)として、当該移動体通信端末300に割り当てられている電話番号や受信可能な電子メールアドレスなどが記録される。
【0075】
位置登録情報格納領域173には、位置登録情報取得部113が構内交換機10から取得した登録端末リスト(位置登録情報)が一時的に格納される。位置登録情報格納領域に記録される登録端末リストの例を図5(b)に示す。図示するように、登録端末リストには、施設FC内で位置登録をおこなった移動体通信端末300の電話番号情報、および、当該位置登録で用いられた構内基地局20に一意に割り当てられている識別情報であるエリアコードが記録されるとともに、位置登録をおこなった日時を示す日時情報(「位置登録日時」)などが記録される。なお、位置登録情報格納領域173に格納される登録端末リストは、位置登録情報取得部113が構内交換機10から取得する度に書き換えられるものとする。
【0076】
通知情報格納領域174には、通知情報作成部115が用いる通知情報(音声ファイルやテキストファイルなど)が格納される。この通知情報は、例えば、通知内容などに応じて分類されているものとし、通知情報格納領域174には、通知情報の分類に応じた通知内容の種別を示す情報や格納されている通知情報のファイル名などが対応づけられて記録されている。
【0077】
通知情報格納領域174はまた、申込情報格納領域172に格納された申込情報のうち、通知処理部116が通知を実行したものを「通知記録情報」として格納する。本実施形態では、通知が実行された申込情報のレコードが通知情報格納領域174に転記されるものとする。通知情報格納領域174に格納される通知記録情報の例を図6(a)に示す。図示するように、通知情報格納領域174には、転記された申込情報の申込IDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、当該通知動作がおこなわれた日時を示す日時情報(「通知日時」)が記録される他、申込情報で「使用端末」として記録されている移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報や電子メールアドレス)に基づいた通知先を示す情報(「通知先」)、申込情報で記録された「申込内容」に基づいた通知内容を示す情報(「通知内容」)、などが記録される。
【0078】
受付記録情報格納領域175には、受付処理部117によっておこなわれた受付処理に関する情報(以下、「受付記録情報」とする)が格納される。受付記録情報格納領域175に記録される情報の例を図6(b)に示す。図示するように、受付記録情報格納領域175には、受付処理部117による受付毎に一意に割り当てられる受付IDをキーとしたレコードが作成され、各レコードには、受付日時を示す情報(「受付日時」)や、受付対象を示す情報(「受付内容」)が記録されるとともに、受付処理部117が予約システムRSから取得した情報(「予約情報」)、などが記録される。
【0079】
次に、受付処理装置100と接続された受付端末200の構成を説明する。受付端末200は、例えば、図7に示すような外観の装置であり、受付処理におけるユーザ(申込者や予約者など)とのインタフェース装置として機能し、受付処理に必要な情報の取得などをおこなう。図示するように、受付端末200には、表示装置240やICカード通信装置250、発券装置260、などが備えられ、これらがユーザとのインタフェースとして機能する。
【0080】
表示装置240は、例えば、タッチセンサを有するディスプレイ装置などから構成され、種々の画面を表示するとともに、ユーザの接触を感知することによる入力をおこなう。すなわち、表示装置240は、入出力装置として機能する。
【0081】
ICカード通信装置250は、例えば、NFC(Near Field Communication)などといった短距離無線通信規格に基づく通信装置などから構成され、非接触ICカード機能を有する移動体通信端末300などと非接触通信をおこなって情報の読み取りなどをおこなうリーダ装置である。本実施形態では、ユーザが使用する移動体通信端末300と非接触通信をおこなって、当該移動体通信端末300が保持している所定の情報を読み取って取得する。
【0082】
発券装置260は、所定のチケット(本実施形態では、航空券とする)などを発券するための装置であり、所定の情報をチケットの用紙に印字する印字装置(プリンタ)などによって構成される。
【0083】
このような受付端末200の内部構成を、図8を参照して説明する。図8は、受付端末200の構成を示すブロック図である。図示するように、受付端末200は、制御部210、通信部220、入出力制御部230、などから構成される。
【0084】
制御部210は、例えば、CPUなどから構成され、受付端末200の各部を制御する。なお、制御部210は、通信部220との協働により、受付処理装置100からの指示に基づいて受付端末200の各部を制御する。
【0085】
通信部220は、例えば、所定の通信規格に基づいた通信インタフェースや通信回路などから構成され、所定のケーブルなどを介して受付端末200と受付処理装置100とを接続し、受付処理装置100との通信をおこなう。制御部210は、通信部220を介した受付処理装置100との通信により、受付処理装置100の制御に応じた動作をおこなう。また、表示装置240やICカード通信装置250から入力された情報は、通信部220によって受付処理装置100に随時送信される。
【0086】
入出力制御部230は、所定の入出力回路などから構成され、受付端末200の入出力装置である、表示装置240、ICカード通信装置250、および、発券装置260と制御部210とを接続し、制御部210からの指示に応じてこれらの入出力装置を制御する。すなわち、表示装置240やICカード通信装置250が取得した情報を制御部210に入力するとともに、制御部210からの出力信号に応じて表示装置240や発券装置260を用いた出力をおこなう。
【0087】
次に本実施形態にかかる移動体通信端末300について説明する。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、例えば、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信で用いられる電話端末であり、公衆回線網40を介した音声通話を主機能とするものである。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、主機能である音声通話機能の他に、例えば、インターネットなどのデータ通信網60を介しておこなうデータ通信機能(インターネット接続機能)や、NFCなどの短距離無線通信規格に基づいた非接触ICカード機能を備えているものとする。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、データ通信機能として、少なくとも電子メールの送受信機能を備えているものとする。
【0088】
このような移動体通信端末300の構成を、図9を参照して説明する。図9は、移動体通信端末300の構成を示すブロック図である。図示するように、移動体通信端末300は、制御部310、通信部320、入出力制御部330、操作部331、表示部332、マイクロフォン333、スピーカ334、ICカード部340、記憶部350、などから構成される。
【0089】
制御部310は、例えば、CPUなどから構成され、記憶部350に格納されているプログラムを実行することで、移動体通信端末300の各部を制御するとともに、種々の機能構成として動作する(詳細後述)。
【0090】
通信部320は、移動体通信端末300による通信動作をおこなうための構成であり、アンテナ321、音声通信部322、データ通信部323、非ユーザ通信部324、などを含んでいる。
【0091】
アンテナ321は、所定の送受信回路やアンテナ部材などから構成され、移動体通信端末300と、近傍の基地局との無線通信をおこなう。
【0092】
音声通信部322は、所定の音声通信回路などから構成され、移動体通信端末300の音声通信機能にかかる動作をおこなう。
【0093】
データ通信部323は、所定のデータ通信回路などから構成され、移動体通信端末300のデータ通信機能にかかる動作をおこなう。
【0094】
非ユーザ通信部324は、所定の通信回路などから構成され、ユーザが直接的に利用する通信(例えば、音声通話や電子メール送受信など)以外の、ユーザが直接的に利用しない通信(以下、「非ユーザ通信」とする)をおこなう。本実施形態では、非ユーザ通信として、移動体通信端末300の位置登録にかかる通信などをおこなう。
【0095】
入出力制御部330は、例えば、入力信号生成回路や表示制御回路、音声入出力回路、などから構成され、操作部331、表示部332、マイクロフォン(MIC)333、スピーカ334、などの入出力装置と、制御部310とを接続し、制御部310の指示に応じてこれらの入出力装置を制御する。
【0096】
操作部331は、例えば、テンキーや十字キーなどといった、ユーザによって操作されるキーやボタンなどから構成された入力装置である。
【0097】
表示部332は、例えば、液晶表示装置などの表示装置から構成され、種々の画面表示をおこなう出力装置である。
【0098】
マイクロフォン(MIC)333は、音声入力用のマイクロフォンであり、音声通話時のユーザの発話音声などを収音して入力する入力装置である。
【0099】
スピーカ334は、例えば、音声通話時の受話音声や着信音などの音声を報音する出力装置である。
【0100】
本実施形態にかかる移動体通信端末300は、デジタル方式の音声通話をおこなうものとし、この場合、入出力制御部330は、マイクロフォン333から入力されたアナログ音声信号をデジタルデータに変換し、音声通信部322が受信したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換するコーデック回路を備えているものとする。
【0101】
また、入出力制御部330は、操作部331のボタンと表示部332での表示画面との対応付けにより、場面毎に操作部331のボタンに割り当てられる機能を判別し、該当する機能に応じた入力信号を生成して制御部310に入力する。
【0102】
ICカード部340は、移動体通信端末300のICカード機能を実現するための構成であり、例えば、NFCなどの短距離無線通信規格に基づく無線通信装置などから構成される。
【0103】
記憶部350は、例えば、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成され、移動体通信端末300によって処理される種々のデータが格納される。
【0104】
移動体通信端末300で処理されるデータとして、制御部310が実行するプログラムが記憶部350に格納される。制御部310は、記憶部350に格納されたプログラムを実行することにより、移動体通信端末300が受付システム1を用いるために必要な種々の構成として機能する。
【0105】
制御部310により実現される機能構成を図10に示す。図示するように、制御部310は、着信処理部311、位置登録動作部312、ICカード制御部313、などとして機能する。各機能の詳細を以下説明する。
【0106】
着信処理部311は、音声通信部322やデータ通信部323、および、入出力制御部330との協働により、音声通話や電子メールの着信に応じた動作をおこなう。ここでは、着信時の通知動作(例えば、着信音の出力)をおこなう他、ユーザによる操作部331の操作に応じた通信部320の制御や、通信部320が受信した情報を入出力制御部330などに供給する動作などをおこなう。
【0107】
位置登録動作部312は、非ユーザ通信部324との協働により、移動体通信端末300の位置登録にかかる動作をおこなう。この位置登録は、自己の位置をキャリアに通知して登録する動作であり、通常の移動体通信端末が一般的におこなっている動作である。本実施形態にかかる移動体通信端末300は、近傍の基地局が随時発信する識別情報(エリアコード)を受信し、受信したエリアコードと自己の電話番号情報とをキャリアの交換局50に送信することで位置登録をおこなうものとする。なお、自己の電話番号情報や受信したエリアコードなどは記憶部350に格納されているものとする。
【0108】
本実施形態では、このような位置登録動作を、予め規定されているタイミング(例えば、電源投入時や近傍の基地局が変化したときなど)でおこなう他、所定間隔(例えば、1分間毎)で定期的におこなうものとする。このような位置登録などの非ユーザ通信は自動的に実行される。
【0109】
ICカード制御部313は、ICカード部340との協働により、移動体通信端末300のICカード機能にかかる動作をおこなう。ICカード制御部313は、ICカード部340の受信動作に基づいて通信対象を判別する他、通信により送受信すべき情報の選択や、送受信する情報の取得・書込などをおこなう。この場合、記憶部350に格納されている情報を取得して送信する他、受信した情報を記憶部350に格納する。
【0110】
本実施形態では、上記各機能構成を制御部310によって論理的に実現するものとしたが、これらの構成を、例えば、ASICなどで構成することで、物理的な構成で実現してもよい。一方、上述した入出力制御部330の構成を、プログラムの実行によって、制御部310が論理的に実現するようにしてもよい。
【0111】
記憶部350には、上記機能構成を実現するために必要なプログラムの他、種々の情報が格納される。本実施形態では、例えば、位置登録時に近傍の基地局から受信したエリアコード、移動体通信端末300に割り当てられている識別情報(電話番号や電子メールアドレスなど)、受信した電子メール、などが格納されるものとする。
【0112】
なお、上記各構成は、移動体通信端末300を用いて本発明を実現するために必要な構成であり、移動体通信端末として必要なその他の構成は、必要に応じて備えられているものとする。
【0113】
以上のような構成によって実現される受付システム1の動作を以下説明する。
【0114】
本実施形態では、上述したように、空港(施設FC)での搭乗手続などにおける、いわゆるキャンセル待ちにかかる手続を受付システム1でおこなう場合を例示する。この場合において、キャンセル待ちの申し込みを希望する申込者(ユーザ)は、上述した構成の移動体通信端末300を使用するものとする。また、このユーザは、予約システムRSに予めユーザ登録しているものとする。そして、このようなユーザがキャンセル待ちの申し込みをおこなうために施設FC(空港)に訪れ、受付端末200を用いることで、キャンセル待ちの申し込みなどをおこなうものとする。
【0115】
まず、施設FC(空港)を訪れたユーザが、移動体通信端末300を用いてキャンセル待ちの申し込みをおこない、受付処理装置100がこの申し込みを仮受付として処理する「仮受付処理」を、図11に示すフローチャートを参照して説明する。この「仮受付処理」は、ユーザの移動体通信端末300と受付端末200とが非接触ICカード機能で通信を開始したことを契機に開始されるものとする。すなわち、施設FC(空港)を訪れたユーザが、移動体通信端末300のICカード部340と、受付端末200のICカード通信装置250とを近接させることで、移動体通信端末300と受付端末200との非接触通信が開始されたことを契機に開始される。
【0116】
この場合において、受付端末200の表示装置240には、提供可能なサービス項目が選択可能にメニュー表示されており、例えば、「キャンセル待ちの申し込み」などと表示されたメニュー項目をユーザが選択し、申込対象(本実施形態の場合、便名とする)を選択もしくは入力した上で、移動体通信端末300とICカード通信装置250とを近接させる。これにより、受付端末200と接続されている受付処理装置100が、当該受付端末200を用いた処理がキャンセル待ちの申し込みにかかるものであることと、申込対象とを認識して「仮受付処理」を開始する。この場合、キャンセル待ち申し込みの処理である旨と、申し込み対象となる便名を示す情報が、受付端末200から受付処理装置100に通知される。
【0117】
「仮受付処理」が開始されると、受付処理装置100の仮受付処理部111は、申込者の移動体通信端末300から当該移動体通信端末300の識別情報を取得する。ここでは、仮受付処理部111が、受付端末200の制御部210に対し、識別情報の取得を指示し(ステップS101)、これに応じたICカード通信装置250の動作により、移動体通信端末300の識別情報を非接触通信により移動体通信端末300から取得する。
【0118】
ここで、移動体通信端末300の識別情報として、少なくとも、当該移動体通信端末300に割り当てられている電話番号を示した電話番号情報を取得する。なお、本実施形態では、電話番号情報に加え、当該移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレスを、必要に応じて、当該移動体通信端末300の識別情報として取得するものとする。すなわち、移動体通信端末300に電子メール機能が備えられており、ユーザにより電子メールアドレスの提示が拒否されない場合などに、電話番号情報と電子メールアドレスを取得する。
【0119】
移動体通信端末300から識別情報を取得した受付端末200は、通信部220により取得した識別情報を受付処理装置100に送信する。これにより、受付処理装置100は、申込者の移動体通信端末300の識別情報を申込情報として取得する(ステップS102)。
【0120】
移動体通信端末300から識別情報を含んだ申込情報を取得すると、仮受付処理部111は、取得した申込情報を申込情報格納領域172に格納する。ここで、複数の受付端末200から申込情報を取得している場合、仮受付処理部111は、受付処理装置100で取得した順に、申込情報を申込情報格納領域172に格納する。すなわち、取得した申込情報が申込順に申込情報格納領域172に格納されることになる。
【0121】
この場合、仮受付処理部111は、当該申込情報に、申込順に一意となる申込IDを割り当て(ステップS103)、当該申込IDをキーとするレコードを申込情報格納領域172に作成する(ステップS104)。そして、作成したレコードに、当該申込情報を取得した日時を示す取得日時情報と、申込対象(便名)を示す申込対象情報と、取得した申込情報(移動体通信端末300の識別情報)と、を記録する。すなわち、移動体通信端末300から取得した申込情報を申込順に申込情報格納領域172に格納して(ステップS105)、処理を終了する。申込情報が申込情報格納領域172に格納されたことにより、キャンセル待ちの申し込みが仮受付されたことになる。
【0122】
受付処理装置100は、上記「仮受付処理」によって取得した申込情報のそれぞれについて、申し込まれたキャンセル待ちの受付をおこなう「受付可否判別処理」を並行して実行する。この「受付可否判別処理」を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。この「受付可否判別処理」は、受付業務のために受付処理装置100が稼働している間、所定期間毎に定期的に実行されるものとする。
【0123】
「受付可否判別処理」が開始されると、受付可否判別部112が申し込みの受付可否を判別する。ここでは、申込情報格納領域172に格納された申込情報の申込順に受付可否を判別する。したがって、受付可否判別部112は、申込情報格納領域172に格納されている申込情報に付与されている取得日時情報に基づいて、現在格納されている申込情報のうちで最早に取得された申込情報を特定し(ステップS201)、当該申込情報についてのキャンセル待ち申し込みが受付可能であるか否かを判別する(ステップS202)。すなわち、申込順に受付可否が判別される。
【0124】
受付可否の判別は、予約システムRSに問い合わせることによっておこなう。すなわち、少なくとも、ステップS201で特定した申込情報に示される申込対象情報を予約システムRSに送信することで、当該申込情報が示す便名でのキャンセルの発生があるか否かを照会する。ここで、上述したように予約システムRSでは、航空券の予約に関する処理が一元的におこなわれているため、キャンセルが発生した場合には、予約システムRSで管理している予約情報に反映される。したがって、予約システムRSは、受付処理装置100からの問い合わせに応じて予約情報を参照し、対象となる便でキャンセルが発生したか否かを判別し、判別結果(キャンセルあり、または、キャンセルなし)を受付処理装置100に返信する。
【0125】
予約システムRSからの返信が「キャンセルあり」である場合、キャンセルされた席をキャンセル待ちの申込者に割り当てることができるので、受付可否判別部112は、キャンセル待ちの受付について「受付可」であると判別する。一方、予約システムRSからの返信が「キャンセルなし」である場合、申込者が希望する座席を現時点では用意することができないので、受付可否判別部112は、キャンセル待ちの受付について「受付不可」であると判別する。
【0126】
ここで、受付不可と判別した場合(ステップS202:No)、受付可否判別部112は、判別した申込情報が申込情報格納領域172に格納されている最後の申込情報であるか否かを判別する(ステップS203)。当該申込情報が最後ではない場合(ステップS203:No)、受付可否判別部112は、申込情報格納領域172に格納されている次の申込情報を特定し(ステップS204)、当該申込情報についての受付可否の判別をおこなう(ステップS202)。一方、最後の申込情報であった場合は(ステップS203:Yes)、処理を終了し、次の所定期間経過時に再度処理が実行される。
【0127】
一方、ステップS201もしくはステップS204で特定した申込情報に基づく申込が受付可能である場合(ステップS202:Yes)、受付可否判別部112は、位置登録情報取得部113に位置登録情報の取得を指示するとともに、受付可能と判別した申込情報に含まれる電話番号情報を一致判別部114に通知する。位置登録情報取得部113は、受付可否判別部112からの指示に応じて、構内網接続部120を制御し、現時点での登録端末リストを構内交換機10から取得し、受付可と判別された申込情報と照合する(ステップS205)。
【0128】
より詳細には、構内交換機10から登録端末リストを取得すると、位置登録情報取得部113は、取得した登録端末リストを位置登録情報格納領域173に一時的に格納し、その旨を一致判別部114に通知する。一致判別部114は、位置登録情報取得部113からの通知に応じて、受付可否判別部112から通知された電話番号情報と一致する電話番号情報が、位置登録情報格納領域173に格納されている登録端末リストに含まれているか否かを判別する(ステップS206)。
【0129】
ここで、一致する電話番号情報が含まれている場合、当該申込者が現在施設FC内に存在していることになる。つまり、取得した登録端末リストは、現在およびその直近に施設FCで位置登録をおこなった移動体通信端末の記録を示しているので、一致する電話番号情報があれば、当該電話番号が割り当てられている移動体通信端末300が、現在およびその直近に施設FC内で位置登録をおこなったことになる。このため、その移動体通信端末300を使用している申込者も現在施設FC内に存在していることになる。
【0130】
本実施形態に示すような航空機の搭乗に関するキャンセル待ち手続は、通常、出発当日や出発直前におこなうことが一般的であり、この場合、かかる航空券の発券や搭乗手続等は空港(施設FC)にておこなうことになる。よって、キャンセルが発生した場合であっても、当該申込者が空港(施設FC)内にいなければ、最終的な手続(航空券の発券や搭乗手続など)をおこなうことができない。よって、本実施形態では、キャンセル待ちの受付が可能となった時点で当該申込者が空港(施設FC)内に存在する場合のみ、受付処理装置100が当該申込者に「申し込みの受付可能である」旨を通知することとする。
【0131】
したがって、申込者のうち、受付可能となった時点(キャンセルが発生した時点)で空港(施設FC)内に存在する者を峻別する必要がある。このため、本実施形態では、申込者が使用する移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)と、当該申込者によるキャンセル待ち申し込みが受付可能となった時点で、空港(施設FC)内で位置登録をおこなった移動体通信端末の識別情報(電話番号情報)とを照合し、同一の電話番号情報があるか否かを判別することによって、当該申込者が現在施設FC内に存在するか否かを判別する。
【0132】
一致する電話番号が登録端末リストにないと判別され(ステップS206:No)、当該申込者が現在施設FC内に存在しないと判別された場合、一致判別部114は、ステップS205で取得した登録端末リストを位置登録情報格納領域173から削除する(ステップS209)。この場合、通知対象が存在しないので、通知処理をおこなわずにステップS203に戻り、次の申込情報がある場合には、その受付可否の判別をおこなうことになる。
【0133】
一方、電話番号の一致が判別されたことにより(ステップS206:Yes)、申込者が現在施設FC内に存在すると判別された場合、仮受付処理部111は、受付可能と判別された申込情報に含まれている移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)を予約システムRSに通知することで、キャンセルされた分の仮予約を依頼する(ステップS207)。
【0134】
すなわち、受付システム1を使用する移動体通信端末300のユーザは、使用する移動体通信端末300の電話番号情報を含むユーザ情報を予約システムRSに予め登録しているので、予約システムRSでは、受付処理装置100から通知された移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)に基づいて、申込者のユーザ情報を特定することができる。そして、予約システムRSは、特定したユーザ情報を用いて、キャンセルが発生した座席の仮予約処理をおこなうことができる。ここでは、キャンセルされた座席の予約者情報に、特定したユーザ情報を適用することで、キャンセルが発生した便の予約情報を更新する。これにより、キャンセルされた座席が、キャンセル待ちの申込者によって仮予約され、予約確定となるまで当該座席が確保される。
【0135】
キャンセル分の仮予約がおこなわれると、仮受付処理部111は、当該申込情報のレコードを申込情報格納領域172から通知情報格納領域174に転記するとともに、当該レコードの申込IDを通知情報作成部115に通知する(ステップS208)。この場合、転記により、当該レコードは申込情報格納領域172から削除されるものとする。このため、「受付可否判別処理」の次回実行時には、すでに受付可と判別された申込情報は、受付可否の判別対象とならない。なお、仮受付処理部111は、通知記録情報となるよう元の申込情報を加工して転記するものとする。
【0136】
そして、申込者に申し込みの受付が可能である旨を通知するための「通知処理」が通知情報作成部115および通知処理部116によって実行される(ステップS300)。この「通知処理」の詳細を、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0137】
処理が開始されると、通知情報作成部115は、通知情報格納領域174にアクセスし、ステップS208で仮受付処理部111から通知された申込IDで特定される通知記録情報を取得する(ステップS301)。
【0138】
通知情報作成部115は、取得した通知記録情報に含まれている移動体通信端末300の識別情報に基づいて通知方法を選択する。本実施形態では、識別情報に電子メールアドレスが含まれているか否かを判別し(ステップS302)、電子メールアドレスが含まれている場合には(ステップS302:Yes)、電子メールによる通知を選択し(ステップS303)、電子メールアドレスが含まれていない場合には(ステップS302:No)、音声による通知を選択する(ステップS304)ものとする。
【0139】
通知情報作成部115は、選択した通知方法に応じた通知情報を通知情報格納領域174から取得する。すなわち、ステップS303で電子メールによる通知を選択した場合は、通知情報格納領域174から、キャンセル待ちの申し込みを受付可能であることを通知するために作成されたテキストデータを取得する(ステップS305)。一方、ステップS304で音声通知が選択された場合は、通知情報格納領域174から、キャンセル待ちの申し込みを受付可能であることを通知するために作成された音声データを取得する(ステップS306)。
【0140】
ステップS305で電子メール用のテキストデータを取得した場合、通知情報作成部115は、当該テキストデータを本文とする電子メールを作成する。この場合、通知情報作成部115は、ステップS301で取得した申込情報に含まれている、移動体通信端末300で受信可能な電子メールアドレスを宛先として設定する(ステップS307)。そして、通知情報作成部115は、電子メールによる通知情報が作成された旨を通知処理部116に通知する。
【0141】
一方、ステップS306で音声通知用の音声データを取得した場合、通知情報作成部115は、当該音声データをワークエリアに展開して再生可能状態にするとともに、ステップS301で取得した申込情報に含まれている、移動体通信端末300の電話番号情報に示される電話番号を発呼先として設定する(ステップS308)。そして、通知情報作成部115は、音声データによる通知情報が作成された旨を通知処理部116に通知する。
【0142】
通知処理部116は、通知情報作成部115からの通知に応じて、作成された通知情報を送信するための動作をおこなう。電子メールによる通知の場合は、ステップS307で作成された電子メールの送信をデータ通信部130に指示することで、作成された電子メールが移動体通信端末300宛に送信される(ステップS309)。この場合、例えば、「お申し込みいただいたキャンセル待ちの受付が可能となりましたので、受付端末にて手続をおとりください。」などのメッセージを含んだ電子メールが、受付可能と判別された申込情報に含まれる電子メールアドレス宛に送信される。すなわち、申し込みの受付が可能となった旨が、電子メールによって、当該申込者に通知される。
【0143】
一方、音声通知をする場合、通知処理部116は、ステップS308で設定された電話番号に発呼するよう呼制御部121に指示することで、移動体通信端末300に発呼し、通信路が確立された際に、通知処理部116が音声データの通知情報を再生する(ステップS310)。これにより、例えば、「お申し込みいただいたキャンセル待ちの受付が可能となりましたので、受付端末にて手続をおとりください。」などの音声メッセージが移動体通信端末300で出力される。すなわち、申し込みの受付が可能となった旨が、いわゆる音声ガイダンスによって、当該申込者に通知される。
【0144】
ステップS309またはステップS310で、通知情報が移動体通信端末300に送信されると、通知処理部116は、通知情報格納領域174にアクセスし、通知動作をおこなった日時情報を記録することで通知記録情報を更新して(ステップS311)、「受付可否判別処理」(図12)のフローに戻る。「受付可否判別処理」では、そのまま処理を終了する。
【0145】
上記通知処理により、申し込んだキャンセル待ちが受付可能となった場合、施設FC(空港)内にいる当該申込者の移動体通信端末300に、受付可能となった旨を示す通知情報が送信される。
【0146】
受付処理装置100によって音声通知が実行された場合、移動体通信端末300では、受付処理装置100からの発呼を音声通信部322が受信し、着信処理部311によって着信にかかる動作が実行される。この場合、着信処理部311の制御により、着信を知らせる着信音がスピーカ334から出力される。これに応じて、ユーザが操作部331を操作して着呼を指示すると、着信処理部311が音声通信部322を制御することで、受付処理装置100との音声通信路が確立し、受付処理装置100で再生された音声通知情報を音声通信部322が順次受信する。受信された音声通知信号は、入出力制御部330によって再生され、スピーカ334から出力される。これにより、ユーザ(申込者)に、申込をおこなったキャンセル待ちが受付可能となった旨が音声により通知される。
【0147】
一方、電子メールによる通知が実行された場合、移動体通信端末300では、データ通信部323が受信し、着信処理部311によって着信にかかる動作が実行される。この場合、着信処理部311の制御により、着信を知らせる着信音がスピーカ334から出力される。また、着信処理部311は、入出力制御部330に受信した電子メールを構成しているデータを供給するとともに、当該データを記憶部350に格納する。入出力制御部330は、表示部332を制御し、受信した電子メールを表示出力する。これにより、ユーザ(申込者)に、申込をおこなったキャンセル待ちが受付可能となった旨が電子メール(文字情報)により通知される。
【0148】
これにより、申込者は、自分がおこなったキャンセル待ちの受付が可能となったことを認識し、キャンセルとなった座席を申し込むための正式な申込手続をおこなうことになる。本実施形態では、施設FC(空港)内に設置されている受付端末200を用いて正式な申込手続をおこなうこととする。
【0149】
すなわち、通知を受けた申込者は、移動体通信端末300をもって受付端末200に赴き、移動体通信端末300の非接触ICカード機能を用いて、受付端末200で手続をおこなう。この場合に受付処理装置100が実行する「受付処理」を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。この「受付処理」は、通知情報を受信した移動体通信端末300と、受付端末200との間で、非接触ICカード機能で通信を開始したことを契機に開始されるものとする。すなわち、施設FC(空港)内で受付可能の通知を受けたユーザが、移動体通信端末300のICカード部340と、受付端末200のICカード通信装置250とを近接させることで、移動体通信端末300と受付端末200との非接触通信が開始されたことを契機に開始される。
【0150】
この場合において、受付端末200の表示装置240には、提供可能なサービス項目が選択可能にメニュー表示されており、例えば、「キャンセル待ちの確定」などと示されたメニュー項目をユーザが選択し、申込対象(すなわち、便名)を選択もしくは入力した上で、移動体通信端末300とICカード通信装置250とを近接させる。これにより、受付端末200と接続されている受付処理装置100が、当該受付端末200を用いた処理が、キャンセル待ち申込の受付にかかるものであることと、申込対象とを認識して「受付処理」を開始する。この場合、キャンセル待ち申込の受付処理である旨と、申し込み対象となる便名を示す情報が、受付端末200から受付処理装置100に通知される。
【0151】
「受付処理」が開始されると、受付処理装置100の受付処理部117は、申込者の移動体通信端末300から、当該移動体通信端末300の識別情報を、申込者を認証するための認証情報として取得する。ここでは、受付処理部117が、受付端末200の制御部210に対し認証情報(識別情報)の取得を指示し(ステップS401)、これに応じたICカード通信装置250の動作により移動体通信端末300との非接触通信がおこなわれ、当該移動体通信端末300から識別情報を取得する。ここでは、上述した「仮受付処理」の場合と同様に、移動体通信端末300の電話番号情報を識別情報として取得することとする。
【0152】
移動体通信端末300から識別情報を取得した受付端末200は、通信部220により取得した識別情報を受付処理装置100に送信する。これにより、受付処理装置100は、申込者の移動体通信端末300の識別情報を認証情報として取得する(ステップS402)。
【0153】
移動体通信端末300から識別情報を含んだ認証情報を取得すると、受付処理部117は、取得した認証情報を用いて、受付手続をおこなっている者の認証をおこなう。すなわち、受付手続をおこなっている者が、キャンセル待ちの申し込みをし、かつ、その申し込みの受付が可能である旨が通知された者であるか否かを認証する。
【0154】
この場合、受付処理部117は、通知情報格納領域174にアクセスし、ステップS402で取得した識別情報と通知記録情報とを照合して(ステップS403)、同一の識別情報(電話番号情報)が、通知記録情報にあるか否かを判別することで、認証の成否を判別する(ステップS404)。ここで、取得した識別情報(電話番号情報)と同一の識別情報(電話番号情報)が通知記録情報にあれば、受付手続で使用されている移動体通信端末300に通知情報が送信されていることになる。したがって、この場合は、受付手続をおこなっている者を正規の申込者として認証することができる。
【0155】
ここで、同一の識別情報(電話番号情報)が通知記録情報にない場合(ステップS404:No)、受付手続をおこなっている者を正規の申込者として認証することができないので、そのまま「受付処理」を終了する。
【0156】
一方、同一の識別情報(電話番号情報)ありと判別されることで(ステップS404:Yes)、受付手続をおこなっている者を正規の申込者として認証すると、受付処理部117は、正式な受付が可能であるか否かを判別する(ステップS405)。
【0157】
すなわち、本実施形態で示すような搭乗手続にかかる受付処理の場合、搭乗手続の締め切り時刻などが設定されているので、このような締め切り時刻の経過後に受付手続をおこなっても、正式な受付をおこなうことはできない。よって、受付処理部117は、認証した申込者の正式受付ができるか否かを、予約システムRSに問い合わせることで判別する。
【0158】
この場合、受付処理部117は、ステップS402で取得した移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)と対象便名を示す情報を予約システムRSに送信することで、正式受付の可否を問い合わせる。予約システムRSでは、受付処理装置100から送信された便名情報と移動体通信端末300の識別情報とに基づいて、予約情報を特定し、搭乗手続の締め切り時刻を経過していないか否かなどの判別し、判別結果を受付処理装置100に返信する。
【0159】
予約システムRSからの返信が、例えば、「締め切り時刻未経過」などである場合、受付処理部117は「正式受付可」と判別する。一方、予約システムRSからの返信が、例えば、「締め切り時刻経過」などである場合、受付処理部117は「正式受付不可」と判別する。
【0160】
ここで、正式受付不可と判別した場合(ステップS405:No)、受付手続を完了することができないので、そのまま「受付処理」を終了する。
【0161】
一方、正式受付可と判別した場合(ステップS405:Yes)、受付処理部117は、当該正式受付を実行するのに必要な情報を予約システムRSに要求する。本実施形態では、予約した座席についての航空券の発券をもって正式受付の実行とする。この場合、受付処理部117は、発券する航空券に印字すべき情報(以下、「チケット情報」とする)の提供を予約システムRSに要求する。ここでは、ステップS402で取得した移動体通信端末300の識別情報(電話番号情報)や対象となる便名を示す情報などを予約システムRSに通知することで、チケット情報の提供を要求する。
【0162】
予約システムRSは、受付処理装置100からの要求に応じて、予約情報データベースの該当する予約情報から必要な情報を抽出し、チケット情報として受付処理装置100に送信する。予約システムRSでは、チケット情報を送信したことによって、仮予約から予約確定(受付完了)されたと判別し、受付完了である旨が示されるように予約情報を更新する。
【0163】
受付処理装置100の受付処理部117は、予約システムRSが送信したチケット情報を受信する。すなわち、受付の実行に必要な情報(以下、「受付情報」とする)を取得する(ステップS406)。受付情報(チケット情報)を取得すると、受付処理部117は、取得した情報を受付端末200に転送するとともに、当該チケット情報を用いた発券を制御部210に指示する。すなわち、正式な受付にかかる動作の実行を受付端末200に指示する(ステップS407)。
【0164】
受付端末200では、受付処理装置100からの指示に応じて、発券装置260を動作させ、取得したチケット情報を用紙に印字して排出することで、航空券を発券する。すなわち、正式な受付にかかる動作が実行される。発券装置260による発券動作が完了すると、制御部210は、その旨を受付処理装置100に通知する(発券完了通知)。すなわち、正式な受付が完了したことが通知される(受付完了通知)。
【0165】
受付処理装置100では、受付端末200からの発券完了通知(受付完了通知)を受信すると(ステップS408)、正式な受付にかかる動作が完了したと判断する。この場合、受付処理部117が、この受付処理でおこなった処理内容を示す受付記録情報(図6(b)参照)を作成し、受付記録情報格納領域175に格納して(ステップS409)、処理を終了する。この受付記録情報は、施設FCでおこなわれた受付処理の記録として受付処理装置100に保存される他、例えば、予約システムRSに送信されることで、受付履歴の一元管理などに用いられる。
【0166】
以上説明したように、本発明を上記実施形態の如く適用することで、所定の施設にいるものでなければ行えない手続等の受付に関する通知を、その時点で当該施設に実際にいる者にのみ自動的におこなうことができる。つまり、上記実施形態で例示した空港でのキャンセル待ちの場合、申し込み後も空港内にいる者、すなわち、キャンセル席の獲得意志が本当にある者に対してのみ、受付可能であることを自動的に通知するので、キャンセル分を確実に割り当てることができる。また、申込者の移動体通信端末300に自動的に通知するので、受付担当者による呼び出しや館内放送などをおこなう必要もない。よって、受付にかかる業務の効率化を図ることができる。
【0167】
また、自動的に申込順に処理して通知するので、申込者の待ち順番にしたがった公正な通知をおこなうことができる。ここで、申込者の移動体通信端末300を用いて通知をおこなうので、施設FC内であれば、ユーザ(申込者)の居場所を問わず公正に通知することができる。つまり、申込後のユーザを拘束することなく確実に通知することができる。よって、従来のように、申込をおこなったカウンタの近傍で待機する必要がない他、館内放送の呼び出しなどで生じうる聞き逃しなどもない。また、申し込み順に処理するために整理券などを発行する必要もないため、受付業務の効率化を図ることができる。さらに、複数の受付端末200を使った申し込みであっても申し込み順に処理することができので、申し込みを受け付ける場所が1カ所に制限されない。よって、待ち行列や混雑の緩和にも寄与することになり、ユーザの利便性向上と受付業務の効率化を実現することができる。
【0168】
また、受付可能時にその場にいない者は自動的に対象外とするため、無駄な通信を発生させることなく、キャンセル分を確実に販売することができ、コスト削減と収益性向上にも寄与することができる。
【0169】
このような、申し込みの受付が可能となった時点でその場にいる者に対してのみ通知する動作を実現するために、一般的な移動体通信端末で通常おこなわれている位置登録を利用しているので、構内交換機や構内基地局などから構成される構内網が備えられている施設であれば、上述した受付システム1を容易に構築することができる。
【0170】
また、ユーザ(申込者)側も、ICカード機能を有する移動体通信端末300を用いて手続を行うことができるので、受付端末200に移動体通信端末300を近接させるだけでキャンセル待ちの申し込みや受付手続などをおこなうことができる。すなわち、簡単、かつ、短時間に手続をおこなえるので、ユーザの利便性が向上するとともに、待ち行列や混雑の緩和などにも貢献するので、施設FC全体の効率化にも寄与することになる。
【0171】
なお、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、種々の応用が可能であり、あらゆる実施形態が本発明の範囲に含まれる。
【0172】
上記実施形態では、空港における航空機のキャンセル待ちにかかる受付処理に本発明を適用した場合を示したが、その時点で所定の施設に実際にいる者でなければ手続をおこなうことのできない種々の受付処理に本発明を適用することができる。例えば、種々の交通機関をはじめ、飲食店、娯楽施設(劇場、映画館、テーマパークなど)、その他各種公共施設などにおいて、入場や座席などといった利用に関する予約やキャンセル待ちをおこなう種々の場面に本発明を適用することができる。
【0173】
また、上記実施形態では、受付端末200を用いて、申込者の移動体通信端末300から申込情報を取得するものとしたが、受付処理装置100によって申込情報が取得できるのであれば、取得する方法はこれに限られず任意である。例えば、申込者が、パーソナルコンピュータなどを用いて、インターネットなどを介して申込情報を送信することで、受付処理装置100(もしくは予約システムRS)が申込情報を取得してもよい。
【0174】
あるいは、移動体通信端末300から申込情報を取得する場合であっても、受付端末200を用いずに、例えば、移動体通信端末300がインターネットを介して申込情報を送信することで、受付処理装置100(もしくは予約システムRS)が申込情報を取得するようにしてもよい。
【0175】
これらの場合、例えば、受付業務をおこなう者(上記実施形態の例では、航空会社など)が、申込情報を受け付けるためのウェブサイトをインターネット上に開設し、ユーザがこのようなウェブサイトにアクセスして申込情報を送信するように構成することができる。
【0176】
また、上記実施形態では、移動体通信端末300が施設FC内に存在しているか否かを判別するために、移動体通信端末300の電話番号情報を用いて照合したが、移動体通信端末300を特定することができるのであれば、任意の識別情報を用いてもよい。例えば、移動体通信端末300がIP電話端末であり、施設FCの構内網LNがLAN(Local Area Network:構内通信網)などのIP通信網である場合、移動体通信端末300のMACアドレスやIPアドレスなどを識別情報として用いてもよい。
【0177】
上記実施形態では、移動体通信端末300の位置登録を示す情報を構内交換機10から取得するものとしたが、施設FC内の移動体通信端末がおこなった位置登録を示す情報が取得できるのであれば、取得先は構内交換機10に限られない。例えば、各構内基地局20と受付処理装置100とを接続し、位置登録を示す情報を構内基地局20から取得するようにしてもよい。すなわち、構内交換機10や構内基地局20などから構成されている構内網LNから取得するように構成することができる。あるいは、キャリアの交換局50から、施設FC内でおこなわれた位置登録を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0178】
また、上記受付処理においては、認証情報として、移動体通信端末300の電話番号情報を用いたが、移動体通信端末300もしくは申込者を特定できる識別情報であれば、任意のものを用いることができる。例えば、電子メールアドレスなどを認証情報として用いることができる他、上述したMACアドレスやIPアドレスなどを用いてもよい。
【0179】
上記実施形態では、移動体通信端末300の非接触ICカード機能から情報を読み取るICカード通信装置250として、リーダ装置を受付端末200に構成したが、移動体通信端末300のICカード機能に対し情報の書き込みが可能なリーダ・ライタ装置によりICカード通信装置250を構成してもよい。この場合、例えば、受付処理装置100によって設定される申込IDや受付IDなどの情報を移動体通信端末300に書き込み、これらの情報を識別情報や認証情報として用いる用にしてもよい。
【0180】
なお、上記実施形態では、移動体通信端末300の非接触ICカード機能を用いて識別情報(電話番号情報)を取得するものとしたが、識別情報が取得できるのであれば、その通信方法などは任意である。例えば、IrDA (Infrared Data Association)やBluetooth、あるいは、IEEE802.11(無線LAN)などの種々のワイヤレス通信規格などに基づいて非接触通信をおこなってもよい。また、非接触通信に限らず、例えば、移動体通信端末300と受付端末200とを所定のケーブルや端子などで接続して通信するようにしてもよい。あるいは、受付端末200の表示装置240を操作することで、ユーザが識別情報を入力してもよい。
【0181】
なお、申込情報や認証情報(すなわち、移動体通信端末300の識別情報)の取得に受付端末200を用いなくてもよく、例えば、データ通信網60(例えば、インターネット)を介した移動体通信端末300と受付処理装置100との通信により、移動体通信端末300から受付処理装置100に識別情報を入力してもよい。あるいは、受付カウンタで受付業務をおこなう従業員などが識別情報を受付処理装置100に入力してもよい。
【0182】
また、上記実施形態では、移動体通信端末300のICカード機能を識別情報の取得に用いたが、例えば、受付処理にかかる決済をICカード機能でおこなってもよい。この場合、例えば、ICカード機能によって実現される電子マネーなどを用いて決済処理がおこなえる他、例えば、クレジットカード情報の授受によって決済処理をおこなってもよい。
【0183】
なお、上記実施形態にかかる各処理において用いた識別情報は、移動体通信端末300にかかるもの(電話番号情報や電子メールアドレス)であったが、申込者にかかる識別情報を用いるようにしてもよい。この場合、例えば、予約システムRSなどに登録してあるユーザ情報についての識別情報(ユーザID)などを移動体通信端末300と受付処理装置100の間で授受することで、上記各処理をおこなってもよい。この場合、例えば、移動体通信端末300のインターネット接続機能などを用いてユーザ登録をおこない、その際に発行されたユーザIDを移動体通信端末300の記憶部350などに格納しておく。そして、上記各処理をおこなう際には、そのユーザID情報を受付端末200などに送信することで、上記各処理をおこなうことができる。
【0184】
また、上記実施形態では、申込者への通知方法の1つとして電子メールによる通知を例示したが、これに限られず、例えば、インスタントメッセージ(IM)やプッシュ配信による画像配信などによって通知をおこなってもよい。また、上記実施形態では、音声または電子メールのいずれかで通知する場合を例示したが、複数の通知方法のいずれか1以上、もしくは、すべてによって通知してもよい。また、申込時にユーザが通知方法を任意に選択するようにしてもよい。
【0185】
上記実施形態にかかる受付処理装置100は、専用装置によって構成可能であることはもとより、例えば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータ装置によって構成することもできる。この場合、汎用コンピュータ装置に、上記実施形態の受付処理装置100として機能させるプログラムを適用することで、汎用コンピュータ装置を受付処理装置100として機能させることができる。すなわち、上記実施形態における制御部110が実行した動作プログラムと同様の動作プログラムを、汎用コンピュータ装置の記憶装置にインストールし、これを当該コンピュータ装置の制御装置(CPUなど)が実行することで、本発明にかかる受付処理装置として機能させることができる。
【0186】
このようなプログラムを提供する形態は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して配布することで提供可能である他、例えば、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMやDVDなど)に格納して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】本発明の実施形態にかかる受付システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す受付処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す記憶部に作成される記憶領域の例を示す図である。
【図4】図1に示す制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図3に示す記憶領域に記録される情報の例を示す図であり、(a)は申込情報格納領域に記録される申込情報の例を示し、(b)は位置登録情報格納領域に記録される登録端末リストの例を示す。
【図6】図3に示す記憶領域に記録される情報の例を示す図であり、(a)は通知情報格納領域に記録される通知記録情報の例を示し、(b)は受付記録情報格納領域に記録される受付記録情報の例を示す。
【図7】図1に示す受付端末の外観構成の例を示す図である。
【図8】図7に示す受付端末の内部構成を示すブロック図である。
【図9】図1に示す移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す制御部によって実現される機能構成を示す機能ブロック図である。
【図11】本発明の実施形態にかかる「仮受付処理」を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態にかかる「受付可否判別処理」を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に示す受付可否判別処理において実行される「通知処理」を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態にかかる「受付処理」を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0188】
1…受付システム、FC…施設、10…構内交換機、20…構内基地局、30…構内通信網、LN…構内網、40…公衆回線網、50…交換局、60…データ通信網、100…受付処理装置、110…制御部、111…仮受付処理部、112…受付可否判別部、113…位置登録情報取得部、114…一致判別部、115…通知情報作成部、116…通知処理部、117…受付処理部、120…構内網接続部、121…呼制御部、130…データ通信部、140…端末接続部、150…入力制御部、15…入力装置、160…出力制御部、16…出力装置、170…記憶部、171…プログラム格納領域、172…申込情報格納領域、173…位置登録情報格納領域、174…通知情報格納領域、175…受付記録情報格納領域、200…受付端末、210…制御部、220…通信部、230…入出力制御部、240…表示装置、250…ICカード通信装置、260…発券装置、300…移動体通信端末、310…制御部、311…着信処理部、312…位置登録動作部、313…ICカード制御部、320…通信部、321…アンテナ、322…音声通信部、323…データ通信部、324…非ユーザ通信部、330…入出力制御部、331…操作部、332…表示部、333…マイクロフォン、334…スピーカ、340…ICカード部、350…記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の移動体通信端末と通信する構内基地局と、前記構内基地局と交換局とを中継する構内交換機とから構成される構内網を備えた施設において受付処理をおこなうための受付システムであって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の電話番号情報を含んだ申込情報を、当該移動体通信端末から取得して記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が取得した申込情報に基づく申込の受付可否を判別する受付判別手段と、
前記受付判別手段が受付可と判別した場合に、前記構内基地局を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の電話番号情報を含む位置登録情報を、前記構内交換機から取得する位置登録情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報と、前記位置登録情報取得手段が取得した位置登録情報とに基づいて、当該申込者の移動体通信端末が前記施設内に現在存在するか否かを判別する存在判別手段と、
前記存在判別手段が、前記移動体通信端末が前記施設内に現在存在すると判別した場合、当該移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする受付システム。
【請求項2】
前記申込情報取得手段は、申込順に前記申込情報を記憶し、
前記受付判別手段は、前記申込情報取得手段に記憶された前記申込情報の申込順に前記判別をおこなう、
ことを特徴とする請求項1に記載の受付システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電話番号情報を用いた音声通信によって前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の受付システム。
【請求項4】
前記申込情報取得手段は、申込者の前記移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得し、
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて、電子メールによる前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項5】
前記申込情報取得手段は、
非接触リーダを備える申込端末を含み、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記申込端末との非接触通信により前記申込情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項6】
申込者の前記移動体通信端末から、当該移動体通信端末の電話番号情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した電話番号情報と、前記通知手段が通信した前記移動体通信端末の電話番号情報との照合により認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した場合、前記申込情報に基づいた申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項7】
前記認証情報取得手段は、
非接触リーダを備える受付端末を含み、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記受付端末との非接触通信により前記認証情報を取得する、
ことを特徴とする請求項6に記載の受付システム。
【請求項8】
前記申込情報取得手段は、キャンセル待ちに関する前記申込情報を取得し、
前記受付判別手段は、キャンセルが発生したか否かを判別し、
前記位置登録情報取得手段は、前記受付判別手段によってキャンセルが発生したと判別された場合に、前記位置登録情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項9】
施設における受付処理をおこなうための受付処理装置であって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が記憶する前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する受付可否判別手段と、
前記受付可否判別手段が受付可と判別した場合に、前記施設内の移動体通信端末による位置登録によって送信された識別情報を、前記施設の構内網から取得する識別情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と一致する識別情報が前記識別情報取得手段により取得されているか否かを判別する一致判別手段と、
前記一致判別手段が、一致する識別情報が取得されていると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする受付処理装置。
【請求項10】
前記識別情報は、前記移動体通信端末の電話番号情報であり、
前記通知手段は、
前記電話番号情報を用いて前記移動体通信端末に発呼する発呼手段をさらに備え、
前記発呼手段による発呼に基づく音声通信により前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項9に記載の受付処理装置。
【請求項11】
前記申込情報取得手段は、前記申込者が使用する移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得し、
前記通知手段は、
前記通知内容を示す電子メールを作成する電子メール作成手段をさらに備え、
前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて前記移動体通信端末と通信し、前記電子メール作成手段が作成した電子メールによって前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項9または10に記載の受付処理装置。
【請求項12】
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した前記識別情報と、前記通知手段が通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の受付処理装置。
【請求項13】
前記申込情報取得手段は、前記移動体通信端末から前記申込情報を取得する、
ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の受付処理装置。
【請求項14】
コンピュータに、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する機能と、
記憶した前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する機能と、
受付可と判別した場合に、施設内の構内網を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の識別情報を前記構内網から取得する機能と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と同一の識別情報を取得しているか否かを判別する機能と、
同一の識別情報を取得していると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する機能と、
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する機能と、
前記認証情報として取得した識別情報と、前記通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう機能と、
認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
施設内の移動体通信端末と通信する構内基地局と、前記構内基地局と交換局とを中継する構内交換機とから構成される構内網を備えた施設において受付処理をおこなうための受付システムであって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の電話番号情報を含んだ申込情報を、当該移動体通信端末から取得して記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が取得した申込情報に基づく申込の受付可否を判別する受付判別手段と、
前記受付判別手段が受付可と判別した場合に、前記構内基地局を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の電話番号情報を含む位置登録情報を、前記構内交換機から取得する位置登録情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報と、前記位置登録情報取得手段が取得した位置登録情報とに基づいて、当該申込者の移動体通信端末が前記施設内に現在存在するか否かを判別する存在判別手段と、
前記存在判別手段が、前記移動体通信端末が前記施設内に現在存在すると判別した場合、当該移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする受付システム。
【請求項2】
前記申込情報取得手段は、申込順に前記申込情報を記憶し、
前記受付判別手段は、前記申込情報取得手段に記憶された前記申込情報の申込順に前記判別をおこなう、
ことを特徴とする請求項1に記載の受付システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電話番号情報を用いた音声通信によって前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の受付システム。
【請求項4】
前記申込情報取得手段は、申込者の前記移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得し、
前記通知手段は、前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて、電子メールによる前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項5】
前記申込情報取得手段は、
非接触リーダを備える申込端末を含み、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記申込端末との非接触通信により前記申込情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項6】
申込者の前記移動体通信端末から、当該移動体通信端末の電話番号情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した電話番号情報と、前記通知手段が通信した前記移動体通信端末の電話番号情報との照合により認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した場合、前記申込情報に基づいた申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項7】
前記認証情報取得手段は、
非接触リーダを備える受付端末を含み、
非接触ICカード機能を有する前記移動体通信端末と前記受付端末との非接触通信により前記認証情報を取得する、
ことを特徴とする請求項6に記載の受付システム。
【請求項8】
前記申込情報取得手段は、キャンセル待ちに関する前記申込情報を取得し、
前記受付判別手段は、キャンセルが発生したか否かを判別し、
前記位置登録情報取得手段は、前記受付判別手段によってキャンセルが発生したと判別された場合に、前記位置登録情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の受付システム。
【請求項9】
施設における受付処理をおこなうための受付処理装置であって、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する申込情報取得手段と、
前記申込情報取得手段が記憶する前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する受付可否判別手段と、
前記受付可否判別手段が受付可と判別した場合に、前記施設内の移動体通信端末による位置登録によって送信された識別情報を、前記施設の構内網から取得する識別情報取得手段と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と一致する識別情報が前記識別情報取得手段により取得されているか否かを判別する一致判別手段と、
前記一致判別手段が、一致する識別情報が取得されていると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする受付処理装置。
【請求項10】
前記識別情報は、前記移動体通信端末の電話番号情報であり、
前記通知手段は、
前記電話番号情報を用いて前記移動体通信端末に発呼する発呼手段をさらに備え、
前記発呼手段による発呼に基づく音声通信により前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項9に記載の受付処理装置。
【請求項11】
前記申込情報取得手段は、前記申込者が使用する移動体通信端末で受信可能な電子メールアドレスを含んだ前記申込情報を取得し、
前記通知手段は、
前記通知内容を示す電子メールを作成する電子メール作成手段をさらに備え、
前記申込情報に含まれる電子メールアドレスを用いて前記移動体通信端末と通信し、前記電子メール作成手段が作成した電子メールによって前記通知をおこなう、
ことを特徴とする請求項9または10に記載の受付処理装置。
【請求項12】
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報取得手段が取得した前記識別情報と、前記通知手段が通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう認証手段と、
前記認証手段が認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう受付処理手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の受付処理装置。
【請求項13】
前記申込情報取得手段は、前記移動体通信端末から前記申込情報を取得する、
ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の受付処理装置。
【請求項14】
コンピュータに、
少なくとも申込者が使用する移動体通信端末の識別情報を含んだ申込情報を取得して申込順に記憶する機能と、
記憶した前記申込情報毎の受付可否を前記申込順に判別する機能と、
受付可と判別した場合に、施設内の構内網を用いて位置登録をおこなった移動体通信端末の識別情報を前記構内網から取得する機能と、
前記受付可と判別された申込情報に含まれる前記識別情報と同一の識別情報を取得しているか否かを判別する機能と、
同一の識別情報を取得していると判別した場合、当該識別情報の移動体通信端末と通信し、受付可能である旨を通知する機能と、
前記施設内の移動体通信端末から、当該移動体通信端末の識別情報を認証情報として取得する機能と、
前記認証情報として取得した識別情報と、前記通信した移動体通信端末の識別情報との照合によって認証をおこなう機能と、
認証した識別情報に対応する前記申込情報に基づいて、当該申込の受付処理をおこなう機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−94463(P2007−94463A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279041(P2005−279041)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
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