説明

口腔用組成物

【課題】ミネラルの象牙細管への沈着を飛躍的に向上させることができ、象牙細管が効果的に狭窄・封鎖されて、象牙質知覚過敏の緩和・予防効果に優れ、かつ良好な使用感を有する口腔用組成物を提供する。
【解決手段】(A)加水分解シルク、(B)水溶性フッ素化合物、(C)ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びポリリン酸から選ばれる水溶性縮合リン酸のアルカリ金属塩、及び/又は酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸及びグルコン酸から選ばれる水溶性カルボン酸のアルカリ金属塩を含有し、(A)成分の含有量が0.5〜5質量%、(C)成分の含有量が0.5〜3質量%、かつ(A)成分と(C)成分の総含有量が1〜6質量%であることを特徴とする口腔用組成物。(A)加水分解シルクが、数平均分子量200〜6,000のものである上記の口腔用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、象牙細管でのフッ素化合物を含むミネラルの沈着を飛躍的に向上させ、象牙細管が狭窄・封鎖されて象牙質知覚過敏の緩和・予防効果に優れ、かつ使用感の良好な口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
象牙質知覚過敏は、外来刺激(比較的強い甘味や酸味、温熱、低温、圧力)が象牙質の根面に加わった時に一過性に感じる痛覚のことをいう。外来刺激は、象牙質に存在する無数の象牙細管を介して歯髄神経に伝わり、象牙質知覚過敏を引き起こす。象牙質知覚過敏が発症するには、歯根部の象牙質が歯肉の退縮により露出し、更に露出した象牙質の表面に存在する象牙細管が広く開口した状態にあることが前提となっている。象牙質知覚過敏の緩和・予防は、この象牙細管又はその開口部を狭窄・封鎖することによって達せられる。
【0003】
象牙質知覚過敏を患っていると、その痛覚を避けようとして十分なブラッシングが阻害されてプラーク除去が不十分となり、その結果、様々なトラブル(う蝕、歯周疾患、歯石沈着、口臭など)を引き起こす。また、熱いあるいは冷たい食品の摂取が制約され、食生活に対しても少なからず悪影響を及ぼす。従って、象牙質知覚過敏を日々のオーラルケアの中で改善・予防していくことは、口腔の保健を維持していく上で重要である。
【0004】
象牙質知覚過敏を緩和あるいは予防する技術として、種々の技術が実施あるいは提案されている。例えば、歯科医院では接着性レジンなどで象牙細管を封鎖する治療が行われている。一方、家庭内で使用する歯磨剤の中には、象牙質知覚過敏を緩和あるいは予防する有効成分を配合した歯磨剤が市販されている。
【0005】
一般に象牙質知覚過敏を緩和あるいは予防する技術には2つのアプローチがある。第一のアプローチは、象牙細管を狭窄・封鎖する技術であり、例えば、乳酸アルミニウムなどを配合し、更にフッ素化合物を配合した技術(特許文献1〜3参照)、フッ化第一スズを配合した技術(特許文献3,4参照)、塩化ストロンチウムを配合した技術(特許文献5,6参照)、シュウ酸化合物を配合した技術(特許文献7,8参照)などが提案されている。第二のアプローチは、歯髄に存在する神経を鈍麻して象牙質知覚過敏を緩和・予防する技術であり、例えば、硝酸カリウムを配合した技術(特許文献9,10参照)、クエン酸カリウムを配合した技術(特許文献11,12参照)などが知られている。カリウムイオンには、歯髄神経を鈍麻する作用があり、同イオンが歯髄まで達して象牙質知覚過敏を緩和する。
【0006】
象牙細管を狭窄・封鎖する技術において、乳酸アルミニウムに関する技術では、アルミニウムイオンによる粘膜の収斂性などの使用感の更なる改善という課題、フッ化ナトリウム、モノフロリン酸ナトリウム等のフッ素化合物に関する技術では、象牙質知覚過敏を緩和する効果が不十分であり、象牙質へのフッ素化合物の沈着の向上などの課題が残されている。フッ化第一スズに関する技術では、一定の緩和効果は認められるものの、スズイオンによる粘膜の収斂性などの使用感の更なる改善と、フッ化第一スズが不溶性の沈殿を形成して製剤中で薬効が失活し易く、これを安定化させるという課題、塩化ストロンチウムに関する技術では、高濃度の塩化ストロンチウム(10質量%)を配合しなければ十分な薬効が得られないため、使用感の更なる改善や製剤の安定化技術の改善という課題、シュウ酸化合物に関する技術では、使用後にシュウ酸カルシウムが患部以外の歯面にも沈着して歯面にザラザラ感が見られ、これを改善する課題が残されている。
【0007】
一方、神経を鈍麻して象牙質知覚過敏を緩和・予防する技術においては、硝酸カリウム及びクエン酸カリウムに関する技術が知られており、硝酸カリウムの場合(歯磨剤へ5%配合)、臨床試験にてその有効性が認められている。しかし、これら技術では、カリウムイオンが歯髄に到達しなければならないが、歯髄までの距離に個体差があり、また歯の種類などでも異なり、そのため効果の現れかたに個人差が大きく影響する。よって、カリウムイオンをできるだけ長く歯面に滞留させることができる技術の開発が望まれているのが現状であった。
【0008】
このように、いずれの技術も未だ改善の余地があり、象牙質知覚過敏をより効果的に緩和又は予防できる新たな技術が望まれる。
【0009】
【特許文献1】特開2003−026556号公報
【特許文献2】特開2003−073246号公報
【特許文献3】特開平07−291844号公報
【特許文献4】特表2002−538192号公報
【特許文献5】特表2002−505261号公報
【特許文献6】特表2004−506663号公報
【特許文献7】特開2000−281551号公報
【特許文献8】特表2002−505261号公報
【特許文献9】特表2004−525190号公報
【特許文献10】特表2002−512177号公報
【特許文献11】特表2006−506436号公報
【特許文献12】特表2004−525190号公報
【特許文献13】国際出願PCT/JP2005/22831
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、象牙細管でのフッ素化合物を含むミネラルの沈着を飛躍的に向上させ、象牙細管が狭窄・封鎖されて象牙質知覚過敏の緩和・予防効果に優れ、かつ使用感の良好な口腔用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、う蝕予防で歯磨剤などの口腔用組成物への配合実績があり、使用感にほとんど影響しないフッ化ナトリウム等の水溶性フッ素化合物のミネラル沈着作用に着目し、(A)加水分解シルク、特に数平均分子量200〜6,000の加水分解シルクと、(B)水溶性フッ素化合物と、(C)下記に示す特定の水溶性縮合リン酸のアルカリ金属塩及び/又は水溶性カルボン酸のアルカリ金属塩とを併用し、(A)成分の含有量を0.5〜5質量%、(C)成分の含有量を0.5〜3質量%、かつ(A)及び(C)成分の総含有量を1〜6質量%とすることにより、象牙細管でのフッ素化合物を含むミネラルの沈着が飛躍的に向上し、象牙細管が狭窄・封鎖されて象牙質知覚過敏の緩和・予防効果に優れ、しかも、歯磨剤や洗口剤などの口腔用組成物として口腔内での使用感にも優れた口腔用組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】
特定の加水分解シルクを配合した口腔用組成物については、これとフッ素化合物とを組み合わせて使用する技術が提案され(特許文献13参照)、加水分解シルクを用いて象牙質に存在するコラーゲンの酵素的分解を抑制することで、象牙質う蝕の予防に有効であることが示されている。そのメカニズムは、加水分解シルクがコラーゲンあるいは象牙質に吸着・被覆しやすい性質を持ち、このような吸着・被覆機能により、コラゲナーゼなどの分解酵素のアタックを防ぎ、コラーゲンの分解を抑制していると考えられる。
【0013】
本発明では、このような加水分解シルクの吸着・被覆機能に着目し、象牙質知覚過敏の予防・緩和効果の向上をなし得たものである。より詳細には、加水分解シルクとフッ素化合物とを併用すると、象牙質への加水分解シルクの吸着・被覆により、象牙質に取り込まれたフッ素化合物が長く留まりやすくなり、その結果、フルオロアパタイトが象牙細管に形成されやすくなって、象牙細管が狭窄・封鎖され、象牙質知覚過敏の予防・緩和効果の向上に寄与できるものと考えたが、フッ素化合物と加水分解シルクとを併用しても、フッ素化合物単独の場合と比較して必ずしも高い効果は得られなかった。
【0014】
そこで更に鋭意検討した結果、加水分解シルクと、水溶性フッ素化合物と、特定の水溶性縮合リン酸のアルカリ金属塩及び/又は水溶性カルボン酸のアルカリ金属塩とを特定の割合で配合すると、いずれかの成分を欠く場合や、各成分を併用していても配合量が不適切な場合に比較して、象牙細管にフルオロアパタイトが効果的に沈着し、象牙細管が予想外に有効に狭窄・封鎖され、しかも良好な使用感が得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0015】
なお、水溶性縮合リン酸塩及び水溶性カルボン酸塩の作用メカニズムについては、以下のように推察される。加水分解シルクは水溶性であるが、コラーゲンあるいは象牙質に吸着しやすい性質を有している。この加水分解シルクを含む溶液に上記した水溶性の縮合リン酸塩及び/又は水溶性カルボン酸塩を添加すると、加水分解シルクが塩析しやすくなり、コラーゲンあるいは象牙質への吸着・被覆効果がより向上すると考えられる。その結果、象牙質に取り込まれたフッ素化合物が長く留まりやすくなり、ひいては象牙細管でのフルオロアパタイトの形成が飛躍的に向上するものと推察される。水溶性縮合リン酸塩がこのような塩析作用に優れている理由の一つとしては、水溶性縮合リン酸塩が多荷イオン性(マイナス4荷以上)であることから、塩化ナトリウムのような1荷の電荷の塩類に比べて、比較的低濃度で塩析作用が現れやすいためと考えられる。一方、カルボン酸塩に関しては、必ずしも多荷イオン性だけでは説明できないメカニズム(例えば、カルボン酸イオンの炭化水素基と加水分解シルクとの相互作用など)が関与していると推察される。
【0016】
従って、本発明は、(A)加水分解シルク、(B)水溶性フッ素化合物、(C)ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びポリリン酸から選ばれる水溶性縮合リン酸のアルカリ金属塩、及び/又は酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸及びグルコン酸から選ばれる水溶性カルボン酸のアルカリ金属塩を含有し、(A)成分の含有量が0.5〜5質量%、(C)成分の含有量が0.5〜3質量%、かつ(A)成分と(C)成分の総含有量が1〜6質量%であることを特徴とする口腔用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の口腔用組成物は、フッ素化合物を含むミネラルの象牙細管への沈着を飛躍的に向上させることができ、象牙細管が効果的に狭窄・封鎖されて、象牙質知覚過敏の緩和・予防効果に優れ、かつ良好な使用感を有するもので、象牙質知覚過敏の予防や緩和に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明について更に詳細に説明すると、本発明の口腔用組成物は、(A)加水分解シルク、(B)水溶性フッ素化合物、(C)水溶性の縮合リン酸塩及び/又はカルボン酸塩を含有する。
【0019】
本発明に用いられる加水分解シルク(シルクの加水分解物)は、蚕の吐糸する繭糸を精製して得られるシルクプロテイン(例えばシルクフィブロイン等)を酸・アルカリ、酵素、酸化・還元剤などを用いて加水分解処理することで得ることができる。
繭糸には、中心部にフィブロイン、周囲にセリシンが存在し、存在比は一般的にフィブロイン:セリシン=70〜80%:20〜30%(質量百分率)であることが知られている。絹糸は、まず養蚕農家で生産された繭を乾繭、煮繭後繰糸して生糸を作製し、次いで生糸の精練を行って絹糸又は絹織物とする。精錬方法としては、アルカリ性ナトリウム塩や石鹸を含む水溶液中で煮沸する方法(アルカリ石鹸精錬)が最も一般的であり、この精錬によって、絹糸の外側のセリシンは除去され、中心部のフィブロインだけに精製される。加水分解シルクは、このフィブロイン(数平均分子量:約350,000)を酸・アルカリ、酵素、酸化・還元剤などで加水分解することで得ることができるが、加水分解する程度により、様々な分子量のものを調製できる。
【0020】
ここで、酸による分解処理は、例えば希酸(塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸、又は酢酸、クエン酸などの有機酸)を約60〜120℃に加熱し、10分以上処理することが好ましい。
アルカリによる分解処理は、希アルカリ液(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機性アルカリ剤)を約60〜180℃に加熱し、10分以上処理することが好ましい。
【0021】
酵素による分解処理は、プロテアーゼ活性(例えば、ペプシン、パパインなどの酵素)を有する酵素液中で行われ、それぞれの至適pHにて約10〜60℃にて10分以上処理することが好ましい。
【0022】
酸化還元剤による分解処理は、酸化還元剤の希釈液にて約10〜100℃にて10分以上行われることが望ましい。酸化還元薬剤としては、亜硫酸塩、過酸化水素、次亜塩素酸塩、ヒドラジンなどの化合物が使用できる。
なお、上記加水分解処理法は、単独の処理法で行っても二つ以上の方法を併用してもよい。
【0023】
本発明では、このようにして得られた加水分解物を精製(脱塩、脱臭、脱色など)し、加水分解シルクとして使用することが好ましい。なお、この加水分解物には、分解条件や精製条件によって種々の分子量を持つ分子(アミノ酸、アミノ酸オリゴマー、ペプチド)が存在するが、数平均分子量が特定範囲であれば、いずれの分子を含んでいてもよく、加水分解処理していないシルクタンパク(例えばシルクフィブロイン)の場合より高い効果が得られる。
【0024】
本発明の加水分解シルクとしては、上記したような一定の条件下で加水分解して得られるシルクであれば特に制限なく使用できるが、数平均分子量が200〜6,000の分解物が工業的に入手しやすく好ましく、より好ましくは500〜5,000、更に好ましくは500〜1,000の分解物である。数平均分子量が200未満であると、歯牙への吸着性はあるものの造膜性が低く、象牙細管狭窄・封鎖効果が低くなる場合がある。6,000を超えると造膜性は高いものの歯牙への吸着性が低下し、象牙細管狭窄・封鎖効果が満足に発揮されない場合がある。
【0025】
なお、数平均分子量は、一般的にゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)、分析窒素値の計算によって算出する方法があるが、本発明に用いる加水分解シルクのようにポリペプチド化合物は、後者の方法による算出値を用いることが好ましい。上記加水分解シルクの数平均分子量は、分子中の総窒素量、アミノ態窒素量、構成アミノ酸の平均分子量をもとに下記式(1)によって算出される。
【0026】
【数1】

【0027】
上記式(1)において、構成アミノ酸の平均分子量は、通常のアミノ酸分析により求めた構成アミノ酸の存在比率(%)に各アミノ酸の分子量を掛け合わせたものを示すもので、総窒素量は、化粧品原料基準一般試験法の窒素定量法第一法あるいはガスクロマトグラフィー(GC)、アミノ態窒素量は、ホルモール滴定法によって測定できる。
【0028】
加水分解シルクとしては、市販品を使用することもできる。加水分解シルクは、様々な数平均分子量のグレードが各社から市販されており、それらを必要に応じ使い分けすることができる。リン酸加水分解による加水分解シルクとして、シルクBN−P((株)NDC製、数平均分子量500)が挙げられ、酵素加水分解による加水分解シルクとして、シルクペプチドM−500(コスモ食品(株)製、数平均分子量500)、その他の製法による加水分解シルクとして、プロモイス(登録商標)シルク1000p((株)成和化成製、数平均分子量1,000)、シルクペプチド5(カネボウ(株)製、数平均分子量1,500)、シルクパウダーFD(カネボウ(株)製、数平均分子量5,000)などが挙げられる。なお、歯磨剤などの口腔用組成物への配合安定性を考慮すると、加水分解シルクとしては、カチオン性又はノニオン性などの化学修飾を施していないものが好適に使用できる。
【0029】
加水分解シルクの配合量は、組成物全体の0.5〜5%(質量%、以下同様)であり、好ましくは0.5〜3%である。配合量が0.5%未満では高い象牙細管狭窄・封鎖効果が得られず、5%を超えると象牙細管狭窄・封鎖効果が飽和する傾向にあり、また、口腔内での使用感が悪くなる。
【0030】
本発明に用いられる水溶性フッ素化合物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化スズ、アミンフッ化物、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化ケイ素ナトリウム、フッ化ケイ素カルシウムなどが挙げられ、特にフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0031】
フッ素化合物の配合量は、組成物全体の0.02〜5%が好ましく、特にフッ化ナトリウムの場合は0.02〜1.2%、モノフルオロリン酸ナトリウムの場合は0.05〜3.8%の範囲で配合することが好ましい。更に、フッ素化合物の配合量は、フッ素として100〜5,000ppm、特に100〜3,000ppmの範囲が好ましい。
フッ素化合物の配合量が0.02%に満たないと、象牙細管狭窄・封鎖効果が満足に得られないことがあり、5%を超えると象牙細管狭窄・封鎖効果が飽和する傾向がある。
また、フッ素として100ppm未満では満足なフッ素の象牙細管狭窄・封鎖効果が得られず、5,000ppmを超えると象牙細管狭窄・封鎖効果が飽和する傾向がある。
【0032】
本発明に用いられる水溶性縮合リン酸塩は、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、及びポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩から選ばれるもので、中でもピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩が好適である。
【0033】
水溶性カルボン酸塩としては、異味や異臭がなく水溶性のものが好ましく、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、及びグルコン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩から選ばれるものが使用される。
【0034】
本発明では、(C)成分として上記水溶性縮合リン酸塩及び/又は水溶性カルボン酸塩が配合され、1種を単独で配合しても2種以上を併用してもよく、水溶性縮合リン酸塩又は水溶性カルボン酸塩を配合しても、水溶性縮合リン酸塩と水溶性カルボン酸塩とを併用してもよい。
【0035】
水溶性縮合リン酸塩及び/又は水溶性カルボン酸塩の合計配合量は、組成物中0.5〜3%であり、好ましくは1〜2%である。配合量が0.5%未満では満足な象牙細管狭窄・封鎖効果が得られず、3%を超えた場合には使用感が悪くなる。
また、水溶性縮合リン酸塩を配合する場合、その配合量は0.5〜3%、特に1〜2%が好ましく、水溶性カルボン酸塩を配合する場合、その配合量は0.5〜3%、特に1〜2%が好ましい。
【0036】
本発明において、(A)加水分解シルクと(C)水溶性縮合リン酸塩及び/又は水溶性カルボン酸塩との総配合量は1〜6%であり、好ましくは1.5〜5%である。1%未満では加水分解シルクの象牙細管狭窄・封鎖効果が十分に発揮されず、6%を超えた場合には使用感が悪くなる。
【0037】
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口剤、口中清涼剤、うがい用錠剤、義歯用洗浄剤、トローチ、チューインガム等の形態、特に練歯磨等の歯磨剤とすることができ、その形態に応じてその他の成分を任意成分として配合し、通常の方法で調製することができる。
【0038】
任意成分としては、口腔用組成物の種類に応じた適宣な成分が用いられる。例えば、研磨剤、界面活性剤、粘結剤、粘稠剤、甘味料、防腐剤、香料、着色剤、pH調整剤、賦形剤、各種薬効成分等を配合することができる。
【0039】
研磨剤としては、例えば無水ケイ酸等のシリカ系研磨剤、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミノシリケート、第二リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、合成樹脂等が必要に応じて好適に使用される(配合量通常3〜90%)。
【0040】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18である高級アルキル硫酸エステルの水溶性塩、ラウリルモノグリセライドスルフォン酸ナトリウム、ココナッツモノグリセライドスルフォン酸ナトリウム等の脂肪酸基の炭素数が10〜18である高級脂肪酸モノグリセライドスルフォン酸の水溶性塩、オレフィンスルフォン酸、パラフィンスルフォン酸等のアニオン性界面活性剤、ステアリルモノグリセライド、ショ糖モノ及びジラウレート等の脂肪酸基の炭素数が12〜18であるショ糖脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、エチレングリコール約60モルが付加したソルビタンモノステアレート縮合物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノラウリルエステル等の誘導体などのノニオン性界面活性剤、ベタイン型、アミノ酸型等の両性界面活性剤などが用いられる(通常配合量0.01〜7%)。
【0041】
粘結剤としては、カラゲナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウムなどのアルカリ金属アルギネート、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ、ビーガム、ラポナイトなどの無機粘結剤等が配合される(配合量通常0.5〜10%)。
【0042】
粘稠剤としては、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット等の多価アルコール、糖アルコールなどを配合し得る(配合量通常1〜50%)。
【0043】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、キシリトール、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル、p−メトキシシンナミックアルデヒド、サイクラミン酸ナトリウム等、防腐剤としては、p−ヒドロキシメチルベンゾイックアシド、p−ヒドロキシエチルベンゾイックアシド、p−ヒドロキシプロピルベンゾイックアシド、p−ヒドロキシブチルベンゾイックアシド、安息香酸ナトリウム、低級脂肪酸モノグリセライド等、香料としてウインターグリーン油、スペアミント油、ペパーミント油、サッサフラス油、丁字油、ユーカリ油等が配合され得る。着色剤としては、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等を通常量で配合することができる。
また、ゼラチン、ペプトン、アルブミン、増白剤、シリコーン、その他成分を配合し得る。
【0044】
薬効成分としては、例えばイプシロンアミノカプロン酸、トラネキサム酸や、デキストラナーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素、リテックエンザイム等の酵素、クロルヘキシジン塩類、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン塩類、グリチルレチン酸、カロペプタイド、ビタミン類、歯垢防止剤、抗菌剤、塩化ナトリウム、硝酸カリウムなどの知覚過敏症鈍麻剤等の有効成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合し得る。
【実施例】
【0045】
以下、実験例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお表中の%はいずれも質量百分率である。また、表中の配合量は、純分換算したものを示した。加水分解シルクの数平均分子量は、分子中の総窒素量、アミノ態窒素量、構成アミノ酸の平均分子量をもとに上記式(1)により算出した値である。
【0046】
〔実験例〕
下記に示す組成の口腔用組成物を下記方法で調製し、象牙細管の狭窄・封鎖試験及び使用感評価を行った。結果を表1,2に示す。
【0047】
(1)試料の作製
ヒト抜去歯の歯冠部と歯根部の境目を切断し、歯根部を得た。歯根部の表面を#1200のサンドペーパーにて平らに研磨し、新しい象牙質面を露出させた。次いで、歯根の長軸に対して直角方向に歯科用ダイアモンドカッターを用いて、約0.5mmの厚さで歯根を切断し、象牙質ディスクを得た。次いで、同ディスクの両面(新しく露出させた象牙質面を除いて)を耐水性のマニキュア(ヌーヴ ネールカラー RD8 株式会社資生堂)で被覆した。被覆した同ディスクを、0.5mol/LのEDTA溶液(pH7.4)に4分間、室温にて浸漬して象牙細管に目詰まりしたスミヤー層を除去して象牙細管を開口させた(以下、象牙質サンプルと記す。)。この状態を象牙質知覚過敏が発症するモデルとした(An in vitro study of dentin sensitivity: The relation of dentin sensitivity and patency of dentin tubules. Cuenin MF et al, Journal of Periodontology 1991; 62: 668−673 参照。)。
【0048】
(2)試験歯磨剤組成物の調製
精製水に、下記の試験歯磨剤組成の水溶成分(グリセリン、キシリトール、サッカリンナトリウム等)及び活性成分(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、加水分解シルク、水溶性縮合リン酸塩、水溶性カルボン酸塩、比較成分等)を常温で混合溶解させたA相を調製した。一方、プロピレングリコール中に、カルボキシメチルセルロースナトリウムを常温で溶解・分散させたB相を調製した。次に、撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製した。C相中に、香料、無水ケイ酸、ラウリル硫酸ナトリウムを、1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い常温で混合し、5.3kPaまで減圧し脱泡を行い、歯磨剤組成物600gを得た。途中、ニーダーにて混合中に水酸化ナトリウム又は塩酸にてpH7.0に調整した。
【0049】
なお、加水分解シルクは、株式会社エヌ・ディ・シー品(商品名 BN−P、数平均分子量500)、コスモ食品株式会社品(商品名 シルクペプチドM−500、数平均分子量500)及び株式会社成和化成品(商品名 プロモイスシルク1000p、数平均分子量1,000)を使用した。また、シルク以外のタンパク加水分解物として大豆タンパク質加水分解物(株式会社成和化成品、商品名 プロモイスWS、数平均分子量:700)、加水分解していないタンパク質成分として豚皮コラーゲン(日本ハム(株)、商品名 NMPコラーゲンPS)、及びアミノ酸混合物(市販の試薬(いずれも和光純薬工業株式会社)より調製し、グルタミン酸10%、アスパラギン酸10%、グリシン80%の混合物)を比較成分として用いた。水溶性縮合リン酸塩は、ピロリン酸ナトリウム(Na427、分子量266)、ピロリン酸カリウム(K427、分子量330)、トリポリリン酸ナトリウム(Na5310、分子量368)、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びポリリン酸ナトリウム(いずれも和光純薬工業株式会社)を用いた。水溶性カルボン酸塩は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、乳酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム(いずれも和光純薬工業株式会社の試薬)を用いた。これらの比較成分として、リン酸1水素カリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム(いずれも和光純薬工業株式会社の試薬)を用いた。
以上の試薬の配合量は、全て純分換算した量を示した。
【0050】
試験歯磨剤組成物の組成:
(A)〜(C)成分、比較成分 表1,2に示す量
無水ケイ酸 20.0%
プロピレングリコール 3.0
グリセリン 30.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
キシリトール 5.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
サッカリンナトリウム 0.02
香料 0.8
pH調整剤(水酸化ナトリウム又は塩酸) 適 量
精製水 バランス
合計 100.0%
【0051】
(3)試験歯磨剤組成物による処置
試験歯磨剤組成物を蒸留水で4倍に希釈し、この希釈液に象牙質サンプルを3分間(室温下)浸漬した。その後、同サンプルを取り出し蒸留水にて5秒間洗浄し、余剰の蒸留水を吸い取り、37℃の人工唾液(CaCl2=1.5mmol/L、KH2PO4=5.0mmol/L、酢酸=100mmol/L、NaCl=100mmol/L、1規定水酸化ナトリウム水溶液にてpH6.5に調整、試薬はすべて和光純薬工業株式会社製)に浸漬して、フッ素化合物による象牙細管への石灰化沈着を起こさせた。7時間後、同サンプルを人工唾液から取り出し、再度、試験歯磨剤組成物にて同様に浸漬した後、再び人工唾液に浸漬した。この操作を1日に2回行い、これを5日間繰り返した。
【0052】
(4)試料の電子顕微鏡観察による象牙細管狭窄・封鎖効果の評価
試験歯磨剤組成物の上記処置を終えた同サンプルについて、象牙細管の狭窄・封鎖状況を電子顕微鏡(S−3000N 株式会社日立ハイテクノロジーズ)にて観察した。すなわち、同サンプルを自然乾燥させた後、常法に従ってカーボン蒸着し、象牙質表面に開口している象牙細管の狭窄・封鎖状況の画像(倍率5,000)を得た。1サンプルあたり5箇所撮影し、象牙細管が狭窄・封鎖された数(Nt)を数え、象牙細管の総数(N0)に対する割合:(Nt/N0)×100(%)として象牙細管狭窄・封鎖率を算出した。
<象牙細管狭窄・封鎖効果の評価基準>
◎:象牙細管狭窄・封鎖率が75%以上
○:象牙細管狭窄・封鎖率が50%以上75%未満
△:象牙細管狭窄・封鎖率が25%以上50%未満
×:象牙細管狭窄・封鎖率が25%未満
【0053】
(5)使用感評価
20人のパネルに通常通り(約3分間の歯磨きとその後の軽い口濯ぎ)、試験歯磨剤組成物を使用してもらい、使用後に使用感を下記評価基準で評価した。
<使用感の評価基準>
◎:20名が使用感に問題がない
○:17〜19名が使用感に問題がない
×:0〜16名が使用感に問題がない
【0054】
(6)総合評価
総合評価は、象牙質知覚過敏の緩和・予防効果がフッ化ナトリウム(歯磨剤で最も一般的な配合濃度として0.21%)単独である比較例2と比較評価した。比較例2の象牙細管狭窄・封鎖効果は△であり、その効果より高いものが○と◎である。更に使用感の評価が良好(○と◎)である場合、即ち、象牙細管狭窄・封鎖効果と使用感において◎と○、あるいは○と○の組み合わせの場合を総合評価として好ましい(○と表記)と評価し、両者が◎の場合、総合評価として最も好ましい(◎で表記)と評価し、それ以外の場合は×と評価した。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
表1,2の結果から、本発明の(A)〜(C)成分のいずれかを欠く場合や、これら成分の配合量が本発明範囲外の場合は、象牙細管狭窄・封鎖効果、使用感のいずれかに劣ることがわかった。
更に、本発明にかかわる(A)成分の加水分解シルクの代わりに、他のタンパク加水分解物として大豆タンパク加水分解物、加水分解をしていないタンパク質として豚皮コラーゲン、及びアミノ酸混合物(グルタミン酸10%、アスパラギン酸10%、グリシン80%)を配合しても、加水分解シルクで得られたような優れた象牙細管狭窄・封鎖効果は見られなかった。
また、(C)水溶性縮合リン酸塩及び/又は水溶性カルボン酸塩の代わりに他の各種無機塩としてリン酸1水素カリウム、硫酸ナトリウム、又は塩化アンモニウムを配合した場合は、わずかに象牙細管狭窄・封鎖効果は見られるものの、十分な効果は得られなかった。
これらに対して、本発明の口腔用組成物は、優れた象牙細管狭窄・封鎖効果及び良好な使用感を有することが確認された。
【0058】
下記組成の口腔用組成物を同様に調製し、同様に象牙細管狭窄・封鎖効果、使用感及び総合評価を行った。
【0059】
[実施例17]歯磨剤
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5
無水ケイ酸 25.0
70%ソルビット 35.0
キシリトール 4.0
プロピレングリコール 1.0
サッカリンナトリウム 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 4.0
安息香酸ナトリウム 0.02
メチルパラベン 0.1
トリクロサン 0.05
硝酸カリウム 5.0
香料 1.0
加水分解シルク((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
1.5
フッ化ナトリウム 0.21
ピロリン酸ナトリウム 1.5
精製水 残
計 100.0%
(象牙細管狭窄・封鎖効果 ◎、使用感 ◎、総合評価 ◎)
【0060】
[実施例18]歯磨剤(研磨剤無配合組成)
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック252L、日本純薬(株))) 1.5
70%ソルビット 55.0
プロピレングリコール 5.0
サッカリンナトリウム 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
安息香酸ナトリウム 0.02
メチルパラベン 0.1
香料 0.8
硝酸カリウム 5.0
加水分解シルク
((株)成和化成、プロモイスシルク1000p、数平均分子量1,000)
1.5
フッ化ナトリウム 0.21
乳酸ナトリウム 1.5
精製水 残
計 100.0%
(象牙細管狭窄・封鎖効果 ◎、使用感 ◎、総合評価 ◎)
【0061】
[実施例19]洗口剤
加水分解シルク((株)エヌ・ディ・シー、BN−P、数平均分子量500)
0.8
フッ化ナトリウム 0.15
グルコン酸ナトリウム 1.0
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
パルミトイルサルコシンナトリウム 0.1
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.6
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
トリクロサン 0.05
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
(象牙細管狭窄・封鎖効果 ○、使用感 ◎、総合評価 ○)
【0062】
[実施例20]洗口剤
加水分解シルク
((株)成和化成、プロモイスシルク1000p、数平均分子量1,000)
1.5
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.19
ポリリン酸ナトリウム 1.0
エタノール 8.0
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 2.0
グリセリン 10.0
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
キシリトール 5.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
デキストラナーゼ 0.3
塩化セチルピリジニウム 0.01
0.1%緑色3号 0.8
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
(象牙細管狭窄・封鎖効果 ◎、使用感 ◎、総合評価 ◎)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)加水分解シルク、(B)水溶性フッ素化合物、(C)ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びポリリン酸から選ばれる水溶性縮合リン酸のアルカリ金属塩、及び/又は酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸及びグルコン酸から選ばれる水溶性カルボン酸のアルカリ金属塩を含有し、(A)成分の含有量が0.5〜5質量%、(C)成分の含有量が0.5〜3質量%、かつ(A)成分と(C)成分の総含有量が1〜6質量%であることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項2】
(A)加水分解シルクが、数平均分子量200〜6,000のものである請求項1記載の口腔用組成物。

【公開番号】特開2009−155216(P2009−155216A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331676(P2007−331676)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】