説明

口臭を抑える抗菌作用を持った化合物

【課題】口臭の発生に関与する微生物に対する効果的な化合物及び薬剤の提供。
【解決手段】化学式1の化合物、特に抗菌作用を持つ薬剤及び口臭防止用薬剤製造用の特定使用及びこれに対応する方法。特に口腔衛生に関わる製品、化学式1の化合物あるいは化学式1の2以上の異なる化合物を混合したものを含む、あるいはこれで構成される製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1に、化学式1の化合物、あるいは化学式1の2以上の異なる化合物を混合したもの、特に抗菌作用を持つ薬剤及び口臭防止用薬剤製造用の特定使用及びこれに対応する方法に関わる。さらに、本発明は特定の製品、特に口腔衛生に関わる製品、化学式1の化合物あるいは化学式1の2以上の異なる化合物を混合したものを含む、あるいはこれで構成される製品に関わる。
【化1】

(化学式1の化合物ないしは混合したものに含まれる化学式1の各化合物に関しては、以下の式が該当する:
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2、特にn=0あるいは1であり、
n=1あるいは2のとき、それぞれ対になったR1とR2はそれぞれがH、あるいは2つ一緒にもうひとつの化学結合を意味し(たとえば桂皮酸誘導体におけるように)、
m=1、2あるいは3の場合、各Xは、他とは関係なく、OH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
p=1あるいは2のとき、各Yは、他とは関係なく、OH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキル(特にCH3、炭素原子を2から30持つ直鎖あるいは分枝アルキル鎖)であり、R3=Hは、対応する薬学上許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
【背景技術】
【0002】
WO2004/047833では、特定のアントラニル酸アミド(化学式1の)が、サブスタンスPに誘発された脂肪細胞からのヒスタミン遊離を阻止し、それによって化粧品及び掻痒刺激を和らげる薬剤に適していることが知られている。WO2004/047833に挙げられている化学式1の化合物のいくつかは、本発明の範囲内での使用にも特に好んで使われる。
【0003】
本発明は、自社の特許申請PCT/EP2006/063175とも同様に関連しており、その内容全体は、参照の指示という形で、本明細書を構成する一部分として本明細書に組み込まれている。PCT/EP2006/063175は、化粧品及び掻痒刺激緩和用の薬剤として、化学式1のアントラニル酸アミドと冷感作用物質とを含む混合物に関わる。
【0004】
健康な人間の口腔及び咽頭腔粘膜および歯の硬い部分には、病原菌ではない多数の微生物が住み着いている。このいわゆる口腔の微生物叢は、無害なだけでなく、日和見細菌あるいは病原菌を予防するための守りの要となっている。
【0005】
口腔衛生上問題となるのは、息が臭いことであり、これは口臭とも言い学術的にはFoetor ex oris(口内悪臭)あるいはHalitosis(口臭)として知られている。この臭いは、食べ物の残りや粘膜の壊死した細胞が微生物により分解されることによって作られる。グラム陽性及びグラム陰性細菌、共生菌、原生生物による被害が口臭の原因である。原因となるものとして、文献には特に嫌気性グラム陰性菌が挙げられる(例えば「口臭、学際的アプローチ」D.van Steenberghe、M.Rosenberg共著、レーヴァ大学出版、レーヴァ、1996年、111〜121)。口臭によって社会的接触に悪影響があることが多いので、この悩みを抱える者は、口臭対策あるいは口臭予防に大きな関心を持つ。
【0006】
グラム陰性細菌は、例えば菌種としてバクテロイデス属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ナイセリア属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、トレポネーマ属及びベイヨネラ属に属している。
【0007】
グラム陽性細菌は、例えばアクチノミセス属、ユーバクテリウム属、ラクトバシラス属、スタヒロコッカス属、ストマトコッカス属、ストレプトコッカス属といった菌種を代表するものである。
【0008】
共生菌の代表的なものとしては、例えば酵母菌(原生子嚢菌)とカビ(不整子嚢菌類)がある。
【0009】
病原菌及び条件性病原菌には、例えば酵母菌のグループでは、カンジダ属(例えば鷲口瘡カンジダ)がある。
【0010】
【特許文献1】国際公開第WO2004/047833号パンフレット
【特許文献2】PCT/EP2006/063175
【非特許文献1】「口臭、学際的アプローチ」D.van Steenberghe、M.Rosenberg共著、レーヴァ大学出版、レーヴァ、1996年、111〜121
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、口臭に対する、ないしは口臭の発生に関与する微生物に対する効果的な化合物及び薬剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、第1に、抗菌作用のある薬剤製造用の化学式1の化合物、あるいは化学式1の2以上の化合物を混合したものの使用に関わる。
【化2】

(化学式1の化合物ないしは混合したものに含まれる化学式1の各化合物に関しては、以下の式が該当する:
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2のとき、それぞれ対になったR1とR2はそれぞれがH、あるいは2つ一緒にもうひとつの化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3の場合、各Xは、他とは関係なく、OH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
p=1あるいは2のとき、各Yは、他とは関係なく、OH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは、対応する薬学上許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
【0013】
化学式1の化合物は、この場合任意の異性体、あるいは異性体の混合という形で存在しうる、つまり例えばn=1及びR1、R2=その他化学結合に関しては、シス型あるいはトランス型異性体としてである。
【0014】
XあるいはY=O−アシルに関しては特に:アシル=Rを持つCO−R=‐CH3、2〜30の炭素原子を持つ直鎖型あるいは分枝型アルキル基である。
【0015】
特に本発明により使用するのは、口臭の原因となる生物の成長を抑制及び/あるいは阻止及び/あるいは殺すための、及び/あるいは(ii)口臭を抑えるあるいは予防するための薬剤である。
【0016】
化学式1の化合物、あるいは化学式1の化合物のひとつの好ましい応用形は、請求項に示されている。
【0017】
それによれば、特に好ましいのは、以下が該当する化学式1の化合物である:
n=1あるいは2であり、かつ、和p+m>0であり、
及び/あるいはp+m>0であり、かつ、少なくとも1度はXあるいはYがOH及びO−アシルからなる群より選択されている、
もうひとつ好ましい化学式1の化合物には、以下が該当する:
p+m≧2であり、
これには、XとYが一緒に、最低2度OH及びO−アシルからなる群より選択されているという条件がつく。
【0018】
さらに、化学式1の化合物で好ましいものには、以下が該当する:
n=1であり、
m=1、2あるいは3であり、
これにはXが少なくとも1度OHあるいはO−アシルからなる群より選択されているという条件がつき、
及び/あるいは、
p=1あるいは2であり、
これにはYが最低1度OH及びO−アシルからなる群より選択されているという条件がつく。
【0019】
そのほかに、化学式1の化合物で好ましいものには、以下が該当する:
n=1であり、
1とR2はそれぞれがH、あるいは2つ一緒にもうひとつの化学結合を意味する。
【0020】
化学式1の化合物のその他の好ましい応用形には、以下が当てはまる:
n=0であり、
もうひとつ好ましいのは:
n=0であり、
m+p>2でであり、これには、置換基X及びYのうち最低2つがOH及びO−アシルからなる群より選択されているという条件がつく。
【0021】
同様に好ましい化学式1の化合物には、以下が該当する:
n=0であり、
n=1であり、
p=0であり、
X=OHであり、
E=Hである。
同様に好ましい化学式1の化合物には、以下が該当する:
3=CH3あるいは、2〜30の炭素原子を持つ直鎖あるいは分枝アルキルである。
【0022】
本発明は、さらに口臭の原因となる微生物の成長を抑制及び/あるいは阻止及び/あるいは殺すための方法で、以下の段階を持つものに関する:
‐口臭の原因となる微生物を、この微生物に抗菌作用のある量、化学式1の化合物あるいは化学式1の化合物を2以上組み合わせたものと接触させる。
【化3】

(化学式1の化合物あるいは混合したものに含まれる化学式1の各化合物には、以下が該当する:
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2の場合、それぞれ対になってR1とR2は、それぞれがH、あるいは2つ一緒にもうひとつの化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき各Xは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
p=1あるいは2の場合、各Yは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは、対応する薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
【0023】
ここでも、化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつの好ましい応用形が、上記のように、本発明によって投入されうる。
【0024】
本発明はまた、以下の段階を持つ口臭を抑えるあるいは予防するための方法にも関する:
‐口臭の原因となる微生物に対し抗菌作用のある量、化学式1の化合物、あるいは化学式1の2以上の化合物を含む混合物を、口腔及び/あるいは咽頭腔に入れる。
【化4】

(化学式1の化合物、あるいは混合物の中の化学式1の各化合物には、以下が該当する:
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、n=0あるいは2の場合、それぞれ対になってR1とR2は、それぞれがH、あるいは2つ一緒にもうひとつの化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき各Xは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
p=1あるいは2の場合、各Yは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは対応する薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
【0025】
ここでも化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつの好ましい応用形が、上記のように、本発明によって投入されうる。
【0026】
本発明は、人間の口腔に入れるように決められ、口腔内に特定の時間とどまり、その後飲み込まれる、つまり食べられる(例えば食品)か、あるいは特定時間後に口腔から取り除かれる(例えばガム)製品にも関し、但しこの製品は、化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の2以上の化合物の混合物を、口臭を抑えるあるいは予防するのに十分な量含んでいる。ここには、加工された、一部加工された、あるいは加工されていない状態で人間に摂取されるように決められたあらゆる物質と製品も含まれる。
【0027】
ここでも化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつの好ましい応用形が、上記のように、本発明によって投入されうる。
【0028】
本発明の対象には、さらに1つあるいは複数の、化学式1の本発明よって投入される、口臭を抑える及び/あるいは予防するのに十分な量の化合物を含むあるいはそれによって構成される口腔衛生製品(口腔衛生用製剤)である。
【0029】
ここでも化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつの好ましい応用形が、上記のように、本発明によって投入されうる。
【0030】
口腔衛生製品とは、本発明では、口腔及び咽頭腔の洗浄及び手入れ用、及び息を爽快にさせるための、専門家によく知られている製剤のことである。すでに知られていて、一般に用いられている口腔衛生製剤は、クリーム、ゲル、泥膏、泡、乳剤、懸濁液、エアゾール剤、スプレーでもあれば、カプセル、顆粒、トローチ剤、錠剤、キャンディーあるいはガムもあり、こうして投与形態や投入可能性として挙げたものに限られない。こうした製剤は、歯や口腔を洗浄し、手入れし、息を爽快にするために使われる。
【0031】
本発明による口腔衛生製品は、特にクリーム状、ペースト状あるいはゲル状の歯磨き粉、濃縮タイプ及びすでに希釈されたマウスリンス、うがい液、口腔あるいは咽頭用スプレー(ポンプ式あるいは噴霧式スプレー)、口中で溶かすトローチや錠剤、キャンディー、ガム、チューイングキャンディー及びデンタルケア用ガムで構成されるグループから選択される。
【0032】
さらに、クリーム状、ペースト状あるいはジェル状の歯磨き粉、口腔あるいは咽頭用スプレー(ポンプ式あるいは噴霧式スプレー)、口中で溶かすトローチ剤や錠剤、キャンディー、ガム、チューイングキャンディー及びデンタルケア用ガムで構成されるグループから選択される口腔衛生製品が好ましい。
【0033】
本発明の対象はさらに口腔衛生製品(口腔衛生製剤)に関わり、化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の2以上の化合物の混合を、口臭を抑える及び/あるいは予防するのに十分な量含む、あるいはそれによって構成される口腔衛生製品(口腔衛生用製剤)であり、
これには口腔衛生製品が濃縮タイプのマウスリンスを含まないことを条件とし、
(a)化学式1Aのひとつあるいは複数の化合物を含むあるいはそれからなり、
【化5】

(化学式1Aの化合物ないしは混合物中の化学式1Aの各化合物には以下が該当し:
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、n=0あるいは2の場合、それぞれ対になってR1とR2は、それぞれがH、あるいは2つ一緒にもうひとつの化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき各Xは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
p=1あるいは2の場合、各Yは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは対応する化粧品としてあるいは薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
及び
(b)ひとつあるいは複数の冷感作用物質
を含む。
【0034】
但し、化学式1Aのある化合物は、任意の異性体、あるいは異性体混合物の形で、つまり例えばn=1及びR1、R2=シス型あるいはトランス型異性体としてのその他の化学結合として存在しうる。
【0035】
XあるいはY=O−アシルには、特に:アシル=CO−Rであり、R=−CH3、2〜30の炭素原子を有する直鎖あるいは分枝アルキル基が該当する。
【0036】
本発明のもうひとつの対象は、以下のものを含むあるいはそれからなる、本発明による混合物を含む濃縮タイプのマウスリンスに関わる:
(a)化学式1Aのひとつまたは複数の化合物、
【化6】

(化合物ないしは化学式1Aの各化合物には以下が該当する:
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2の場合、それぞれ対になってR1とR2は、それぞれがH、あるいは2つ一緒にもうひとつの化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき各Xは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
p=1あるいは2の場合、各Yは、他とは関係なくOH、O−アルキルあるいはO−アシルを意味し、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは対応する化粧品としてあるいは薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
及び
(b)ひとつあるいは複数の冷感作用物質、
化学式1Aの化合物あるいはそのひとつは、口臭を抑える及び/あるいは予防するのに十分な量含まれている。
【0037】
化学式1Aの化合物と、特に(a)化学式1Aのひとつあるいは複数の化合物と、(b)ひとつあるいは複数の冷感作用物質を含む混合物も、補足的に掻痒刺激を和らげる及び/あるいは皮膚の発赤を軽減する作用を持ち、但し(a)と(b)の混合によってこの作用が相乗作用で強められ、化学式1Aの化合物とその他の化合物をわずかな濃度投入するだけですでに、掻痒刺激を緩和するないしは発赤を軽減する効果を挙げるのに十分である。
【0038】
化学式1Aの化合物を本発明による混合物の形で使用するため、特に好まれるのが、以下が該当する化学式1Aの化合物である:
n=1あるいは2であり、かつ、和p+m>0であり、
及び/あるいは
p+m≧0であり、XあるいはYが、最低1度OH及びO−アシルからなる群より選択されている。
【0039】
特に好ましいのは以下が該当する化学式1Aの化合物である:
n=1であり、
p+m≧2であり、
これには、XとYが一緒に、最低2度OH及びO−アシルからなる群より選択されているという条件がつく。
【0040】
同様に好ましいのが、以下の該当する化学式1Aの化合物である:
n=1であり、
さらに以下が該当する:
m=1、2あるいは3であり、
これにはXが最低1度、OHあるいはO−アシルからなる群より選択されていることを条件とし、
及び/あるいは、
p=1あるいは2であり、
これにはYが最低1度、OHあるいはO−アシルからなる群より選択されていることを条件とする。
【0041】
nが1の値をとる場合、R1とR2は特にそれぞれHを意味し、しかしR1及びR2は一緒にもうひとつの化学結合を意味することがある。
【0042】
本発明の説明は、基本的にn=1である化学式1の化合物に関わる。
【0043】
しかし、n=0である化学式1の投入も、しばしば好んで行われている。
【0044】
この場合特に以下が該当する:
m+p≧2であり、
これには置換基X及びYの最低2つが、OH及びO−アシルからなる群より選択されていることを条件とする。
特に好ましいものとして、その構造式によって表示された化合物内では、それぞれR3=Hが該当する。
【0045】
この好ましい化合物の代わりに、それぞれこれに対応する化合物も好んで投入され得、これには以下が該当する:R3=CH3あるいは2〜30の炭素原子を有する直鎖あるいは分枝アルキル。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の範囲内で使うために好ましい個々の冷感作用物質は、以下にリストアップされている。専門家は以下のリストに、多数のその他冷感作用物質を付け加えることが可能である;リストアップされた冷感作用物質は、互いに組み合わせて投入されることも可能である:l−メントール、d−メントール、ラセミ体のメントール、メントングリセリンアセタール(商品名Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(商品名Frescolat(登録商標)ML)、特に乳酸メンチルの場合l−乳酸メンチル、特にl−メンチル−l−乳酸、置換されたメンチル−3−カルボン酸アミド(例えばメンチル−3−カルボン酸‐N−エチルアミド)、2−イソプロピル‐N−2,3−トリメチルブタンアミド、置換されたシクロヘキサンカルボン酸アミド、3−メントキシプロパン‐1,2−ジオール、2−ヒドロキシエチル炭酸メンチル2−ヒドロキシプロピル炭酸メンチル、N−アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えばメンチル−3−ヒドロキシ酪酸)、コハク酸モノメンチル、2−メルカプトシクロデカノン、メンチル−2−ピロリジン−5−オンカルボキシラート、2,3−ジヒドロキシ−p−メンタン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサンオングリセリンケタル、3−メンチル−3,6−ジ及びトリオキサアルカノアート、3−メンチルメトキシアセタート、イシリンである。
【0047】
その特別な相乗作用をもとに好ましい冷感作用物質は、l−メントール、d−メントール、ラセミ体のメントール、メントングリセリンアセタール(商品名Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(特にl−乳酸メンチル、特にl−メンチル−l−乳酸、商品名Frescolat(登録商標)ML)、置換されたメンチル−3−カルボン酸アミド(例えばメンチル−3−カルボン酸‐N−エチルアミド)、2−イソプロピル‐N−2,3−トリメチルブタンアミド、置換されたシクロヘキサンカルボン酸アミド、3−メントキシプロパン‐1,2−ジオール、2−ヒドロキシエチル炭酸メンチル、2−ヒドロキシプロピル炭酸メンチル、イソプレゴールである。
【0048】
特に好ましい冷感作用物質は、l−メントール、ラセミ体メントール、メントングリセリンアセタール(商品名Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(特にl−乳酸メンチル、特にl−メンチル−l−乳酸、商品名Frescolat(登録商標)ML)、3−メントキシプロパン‐1,2−ジオール、2−ヒドロキシエチル炭酸メンチル、2−ヒドロキシプロピル炭酸メンチルである。
【0049】
特別に好ましい冷感作用物質は、l−メントール、メントングリセリンアセタール(商品名Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(特にl−乳酸メンチル、特にl− メンチル−l−乳酸、商品名Frescolat(登録商標)ML)である。
【0050】
本発明により掻痒刺激軽減用に投入される化学式1Aの化合物の投入濃度は、WO2004/047833でも示されているように―物質によって―確かに、0.0001〜10重量パーセントの濃度範囲でありうる。しかし好ましいのは化学式1Aのひとつまたは複数の化合物を低い濃度で投入することである。特にそれぞれ応用準備のできた化粧品あるいは薬品の最終製品の総質量を基準にして、0.001〜1重量パーセントの濃度範囲が好ましく、特に好ましいのは0.01〜0.2重量パーセントの範囲である。
【0051】
本発明により投入される掻痒刺激軽減用の冷感作用物質の投入濃度は、物質によって、応用準備のできた化粧品あるいは薬品の最終製品の総質量を基準にして、特に0.01〜20重量パーセントの濃度範囲にあり、特に0.1〜5重量パーセントの濃度範囲にある。
【0052】
特に好ましいのは、本発明による濃縮タイプのマウスリンスで、この中では化学式1Aの化合物総量と冷感作用物質総量の重量比率が1:100から1:2の範囲にあり、特に1:50から1:5の範囲に、また特に好ましいのは1:30から1:10の範囲である。つまり冷感作用物質の重量の割合は、特に化学式1Aの化合物の重量の割合と比較してこれを上回る。
【0053】
本発明による濃縮タイプのマウスリンスは、その他多数の構成要素と組み合わせられ、それによって特に好ましい化粧品及び/あるいは薬品混合物ないしは製品が生まれる。
【0054】
本発明により投入される化学式1あるいは化学式1Aの化合物は、かなり汎用の、非常に多岐にわたる投与形態の口腔衛生製品に加工され得、ひとつあるいは少数の投与形態に限定されない、つまり本発明により投入される化学式1あるいは化学式1Aの化合物は、通常の多くの化粧品の補助・添加物質と調和するのである。化学式1及び/あるいは化学式1Aの化合物は、必要な場合高い濃度で極性非プロトン性溶媒、例えば硫酸ジメチル、ジメチルフォルムアミドに、またその他溶媒や溶媒の組み合わせにも(予備)溶解させることが可能である。
【0055】
本発明により投入される化学式1あるいは化学式1Aの個々の化合物を使用する場合、口腔内での微生物、特にグラム陽性およびグラム陰性細菌の成長が、妨げられる、あるいは抑えられる可能性があることがわかった。
【0056】
さらに、本発明により投入される、化学式1あるいは化学式1Aの化合物が、口臭の形成を効果的に減らす、あるいは口臭を除去することができる、ないしは口臭の発生を予防することができることも明らかになった。
【0057】
本発明により投入される化学式1あるいは化学式1Aの化合物、及び化学式1あるいは化学式1Aのひとつまたは複数の化合物を含むあるいはそれからなる口腔衛生製品を使用することで、口腔及び咽頭腔の生理的細菌叢を特に損なうことなく、口臭を効果的に抑えることが可能である。
【0058】
現状技術は、口臭並びにう歯、歯周炎、歯垢、歯肉炎のような細菌による現象の発生を軽減、除去ないしは予防するための手段としての、本発明による化学式1あるいは化学式1Aの化合物使用に関する示唆を行っていない。
【0059】
本発明により投入される、化学式1あるいは化学式1Aの好ましい化合物は:
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

本発明により投入される化学式1の好ましい化合物は:
【化13】

本発明により投入される化学式1の、嫌気性グラム陰性細菌に対し非常によい効果があるため特に好ましい化合物は:
化学式28、102、24、25、10、12、101、27、29、26、23、3、100、7、9、2、8、20、4、13、75、102及び103の化合物である。
【0060】
但し最も好ましいのは、化学式20、8、2、9、7、100、23、26、29、27、101、12、10、25、24、102、28及び3の口臭に対し特に効果的な(この点で、口臭軽減用の試験管内テストの結果も参照のこと)化合物である。
【化14】

【化15】

【0061】
本発明により投入される化学式1Aの、嫌気性グラム陰性細菌に対し非常によい効果があるため特に好ましい化合物は:化学式28、24、25、10、12、27、29、26、23、3、7、9、2、8、20、4、13、及び75の化合物である。
【0062】
但し最も好ましいのは、化学式20、8、2、9、7、23、26、29、27、12、10、25、24、28及び3の、口臭に対し特に効果的な(この点で、口臭軽減用の試験管内テストの結果も参照のこと)化合物である。
【0063】
カラスムギ属、ナデシコ属、マンテマ属、フシグロ属のエキスのような、本発明による化学式1あるいは化学式1Aの化合物の効果的な成分によって優れている、天然のあるいは合成物質あるいは物質の混合を投入するのも同様に好ましい。本発明による化合物は、単独で、あるいは本発明による他の化合物やその他芳香物質と組み合わせて使うことが可能である。特にそれぞれの単独の化合物と並んで、本発明による化合物2つあるいは3つの、場合によっては他の芳香物質との組み合わせが好ましい。
【0064】
本発明による化合物が、口臭を発生させる口腔及びあるいは咽頭腔のグラム陽性及びグラム陰性の細菌、共生菌、原生生物の成長を軽減及び/あるいは阻止することがわかった。
【0065】
さらに、本発明による化合物が口臭の原因となる要素の形成を阻止及び/あるいは軽減することがわかった。
【0066】
特に、本発明により使われる化学式1あるいは化学式1Aの化合物は、口臭の原因となる細菌、特にユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ナイセリア属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、トレポネーマ属及びベイヨネラ属の各菌種、特にフソバクテリウム・ヌクレアトゥム、ポルフィロモナス・エンドドンタリス、ポルフィロモナス・ジンジバーリス、プレボテラ・インテルメディア、プレボテラ・ロエスキイ(loeschii)、トレポネマ・デンティコーラ及びベイヨネラ・パルビュラを軽減及び/あるいは阻止することができる。
【0067】
さらに驚くべきは、本発明による化学式1あるいは化学式1Aの化合物が、典型的に朝起床後に知覚される口臭、特に強い朝の口臭に対しよく効くということである。
【0068】
本発明による化学式1あるいは化学式1aの化合物は、特に口腔衛生製品(口腔衛生製剤)に投入され、但し、それぞれ製剤の総重量を基準に、特に0.0005〜5.0重量パーセント(5〜50000ppmに対応)の範囲の総濃度、特に好ましいのは0.001〜2.0重量パーセント(10〜20000ppmに対応)の範囲、特に0.0025〜1.5重量パーセント(25〜15000ppm)の範囲である。さらに好ましいのは、本発明により投入される化学式1あるいは化学式1Aの化合物の総濃度が、製剤の総重量を基準に0.005〜1.0重量パーセント(50〜10000ppmに対応)の範囲、特に好ましいのは0.01〜0.5重量パーセント(100〜5000ppmに対応)の範囲にあることである。
【0069】
独自の研究ではさらに、本発明により投入される化学式1あるいは化学式1Aの化合物、ないしは化学式1あるいは化学式1Aの2以上の異なる化合物の混合は、特に口腔衛生製品用に上に挙げた濃度の場合、それ自身の味があまりない、あるいは(基本的に)ニュートラルな味であり、それによって化学式1あるいは化学式1Aの化合物は、(特に)味を変えることなく口腔衛生製品のような経口投与される製品に入れるのに優れていることがわかった。
【0070】
本発明による口腔衛生製剤の緩衝が好ましい。好ましいのは、pHが3.5〜10.0の範囲である。特に都合がいいのはpH値が6.5〜8.0の範囲を選ぶことである。
本発明による化学式1あるいは化学式1Aの化合物は、口腔衛生製品用の通常の口腔衛生製剤に問題なく入れることができる。好ましい口腔衛生製品は、クリーム状、ペースト状、ゲル状の歯磨き粉、濃縮タイプあるいはすでに希釈されたマウスリンス、うがい液、口腔あるいは咽頭用スプレー(ポンプ式あるいは噴霧式スプレー)、口中で溶かすトローチ剤や錠剤、キャンディー、ガム、チューイングキャンディー及びデンタルケア用ガムである。
【0071】
本発明による口腔衛生用製剤は、通常こうした製剤で行われているように、補助物質(添加剤)、特に以下のグループのひとつあるいは複数の物質を含むことが可能である:
防腐剤、研磨材(研磨するもの)、その他抗菌剤、消炎剤、刺激抑制剤、鎮静剤、その他抗微生物薬、抗酸化剤、収斂剤、帯電防止剤、結合剤、(鉱物性)充填剤、緩衝液、キャリア剤、キレート剤(キレート結合剤)、洗浄剤、手入れ物質、界面活性物質、消臭剤、乳化剤、酵素、繊維、塗膜形成要素(塗膜形成剤)、固定剤、起泡剤、消泡剤、泡安定剤、泡持続剤、増粘剤、ゲル化剤、保湿剤(モイスチャライザー)、加湿剤、保水剤、漂白剤、蛍光漂白剤(例えば過酸化水素)、含浸剤、減摩剤、潤滑剤、臭い及び/あるいは風味の調整剤、臭い及び/あるいは風味の緩和剤、臭い及び/あるいは風味増強剤、乳白剤、可塑剤、被覆剤、光沢剤、シリコン、粘膜/皮膚冷却剤(冷感作用物質)、粘膜/皮膚鎮静剤、粘膜/皮膚洗浄剤、粘膜/皮膚の手入れ物質、粘膜/皮膚治療剤、粘膜保護剤、紫外線フィルター、安定剤、沈殿防止剤、ビタミン、脂肪油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、一価あるいは多価不飽和脂肪酸、α−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、流動性付与剤、着色剤、塗装保護剤、顔料、界面活性剤、電解質、シリコン誘導体、ポリオール、有機溶剤、珪酸、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、酸化アルミニウム、フッ化物、亜鉛塩、スズ塩、カリウム塩、ナトリウム塩及びストロンチウム塩、ニリン酸、ヒドロキシアパタイト。
【0072】
その意味で口腔衛生製剤は溶液あるいはローションであり、例えば溶剤として使われる:水または水溶液、油、またカプリン酸あるいはカプリル酸のトリグリセリド、またアルコール、ジオールあるいは炭素数の小さいポリオール並びにそのエーテル、特にエタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール。特に上記溶剤の混合物が使われる。
【0073】
本発明で言うところの味覚物質及び芳香物質とは、センサーの働きをする物質で、揮発性(芳香物質)あるいは不揮発性(味覚物質)である。揮発性の芳香物質は人間によって、直接鼻からも、また喉から鼻に抜けても知覚され得る。味覚物質は舌の味覚受容体と相互作用し、甘味、酸味、苦味、塩味及びうま味という味覚(味)の印象を司っており、これと並んで他の、三叉神経の刺激、例えば辛い、非常に辛い、非常に辛い、冷やす、ぴりぴりする(蟻走感)、あるいは、ちくちくする作用が知覚される。
【0074】
本発明で言う味覚物質は、したがって特に(粘膜を)冷ます薬剤、(粘膜を)暖める薬剤、辛い味の物質、甘味料、糖置換物質、有機あるいは無機酸化剤(例えばリンゴ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、燐酸)、苦味素(例えばキニーネ、カフェイン、リモニン、アマロゲンチン、フムロン、ルプロン、カテキン、タンニン)及び食用になる鉱酸塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、燐酸ナトリウム)である。
【0075】
本発明による製剤の構成部分として適している芳香物質は例えば、S.Arctander著:「香料・香味化学品」(1,2巻、モントクレア、ニュージャージー、1969年、アイゲン出版)、あるいはK.Bauer、D.Garbe、H..Surburg共著:「一般的芳香及び香味化学物質」4版、ワイリーVCH出版、ヴァインハイム2001年)に挙げられており、また例えば以下の属から選ぶことができる:脂肪族エステル(飽和及び不飽和)、例として酪酸エチル、カプロン酸アリル;芳香族エステル、例えば酢酸ベンジル、サリチル酸メチル;環状アルコール、例えばメントール;脂肪族アルコール、例えばイソアミルアルコール、3−オクタノール;芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、脂肪族アルデヒド(飽和及び不飽和)、例えばアセトアルデヒド、イソブチルアルデヒド;芳香族アルデヒド、例えばベンズアルデヒド;バニリン;ケトン、例えばメントン、カルボン;環状エーテル、例えば4−ヒドロキシ−5−メチルフラノン;芳香族エーテル、例えばp−メトキシベンズアルデヒド、グアヤコール;ラクトン、例えばγ‐デカラクトン;テルペン、例えばリモネン、リナロール、テルピン、テルピネオール、シトラルである。特に2、3、4、5、6、7、8、9、10あるいはそれ以上の芳香物質の混合が好んで投入され、これがまた特に最低ひとつ、特に2、3、4、5あるいはそれ以上、上記の属の芳香物質を含む。
【0076】
但し、光学活性の芳香物質は、純粋なエナンチオマーの形で投入されるか、2つのエナンチオマーの任意の混合として投入される。同じことは(E)/(Z)異性体とジアステレオマーにも該当する。
【0077】
本発明による製剤が最低ひとつの芳香物質、特に2、3、4、5、6、7、8、9、10あるいはそれ以上の芳香物質を以下のグループから選択している場合特に都合がよい:メントール(特にl−メントール及び/あるいはラセミ体のメントール)、アネトール、アニソール、アニスアルデヒド、アニスアルコール、(ラセミ体)ネオメントール、ユーカリプトール(1,8−シネオール)、メントン(特にL−メントン)、イソメントン(特にD−イソメントン)、イソプレゴール、酢酸メンチル(特にL−酢酸メンチル)、プロピオン酸メンチル、カルボン(特に(−)−カルボン、場合によってはミドリハッカ油(スペアミントオイル)の構成要素として)、サリチル酸メチル(場合によっては冬緑油の構成要素として)、酢酸オイゲノール、イソオイゲノールメチルエーテル、β−ホモシクロシトラール、オイゲノール、イソブチルアルデヒド、3−オクタノール、ジメチルスルフィド、ヘキサノール、ヘキサナール、トランス−2−へキセナール、シス−3−ヘキセノール、4−テルピネオール、ピペリトン、リナロール、8−オシメニルアセテート、イソアミルアルコール、イソバレルアルデヒド、α−ピネン、β−ピネン、リモネン(特にD−リモネン、場合によっては精油の構成要素として)、ピペリトン、トランス−サビネンハイドラート、メントフラン、カリオフィレン、ゲルマクレンD、シンナムアルデヒド、ミントラクトン、チモール、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、(1,3E,5Z)−ウンデカトリエン、2−ブタノン、蟻酸エチル、3−酢酸オクチル、イソアミルイソバレレート、シス−及びトランス−カルビルアセテート、p−シメン、ダマセノン、ダマスコン、シス−ローゼンオキシド(Rosenoxidブルガリアローズオイルの成分)、トランス−ローゼンオキシド、フェンチョール、アセトアルデヒドジエチルアセタール、1−酢酸エトキシエチル、シス−4−ヘプテナール、シスジャスモン、ジヒドロジャスモン酸メチル、2’−ヒドロキシプロピオフェノン、メンチルメチルエーテル、酢酸ミルテニル、2−フェニルエチルアルコール、2−フェニルエチルイソブチラート、フェニルエチルイソバレレート、ゲラニオール、ネロール、ビリジフロロールである。
【0078】
キラル化合物の場合、(好ましい)芳香物質はラセミ体として、あるいは個々のエナンチオマーとして、あるいはエナンチオマー強化混合物として存在する。
【0079】
特に口腔、咽頭腔、鼻腔に爽快な作用が得られるのは、本発明による製剤が、以下のグループから、最低ひとつの芳香物質、特に2、3、4、5あるいはそれ以上の芳香物質を含んでいる場合である:l−メントール、ラセミ体メントール、アネトール、アニスアルデヒド、アニスアルコール、ネオメントール、ユーカリプトール(1,8−シネオール)、L−メントン、D−イソメントン、イソプレゴール、L−酢酸メンチル、(−)−カルボン、サリチル酸メンチル、トランス−2−へキセナール、シス−3−ヘキセノール、4−テルピネオール、リナロール、8−オシメニルアセテート、α−ピネン、D−リモネン、(+)−メントフラン、シンナムアルデヒド、メンチルメチルエーテル。
【0080】
但し、メントールは、純粋な形(天然あるいは合成)、及び/あるいは天然油の構成要素として、及び/あるいはメントールを含む分留として投入され得、特別には、特定のハッカ属の種、特にMentha arvensis(ニホンハッカ、英語ではcornmintとも呼ばれる)と、Mentha peperita(セイヨウハッカ、米語ではpeppermintとも呼ばれる)の精油(つまり水蒸気蒸留により得られる)の形で、こちらにはウィラメット、ヤキマ、マドラスのような特別な栽培地域の産地表示がついているMentha piperita(セイヨウハッカ)からの上記名称の種類のオイルが含まれる。
但し、(−)−カルボンは、純粋な形(天然あるいは合成)及び/あるいは天然油の構成要素として、及び/あるいはメントールを含む分留として、特別には、特定のハッカ属の種、特にMentha cardiaca(アメリカハッカ)あるいはMentha spicata(オランダハッカ)からの特定のハッカの種類からの精油(つまり水蒸気蒸留により得られる)の形で投入される。
【0081】
但し、アネトールは、シス−あるいはトランス−アネトールとしてあるいは異性体の混合という形で使われうる。但し、アネトールは純粋な形(天然あるいは合成)及び/あるいは天然油の構成要素として、及び/あるいはアネトールを含む分留として、特に、アニス油、大ウイキョウ油、ウイキョウ油、あるいはそれらのアネトールを含む分留として投入され得る。
【0082】
ユーカリプトールは、純粋な形(天然あるいは合成)及び/あるいは天然油の構成要素として、及び/あるいは天然油のユーカリプトールを含む分留として、例えばゲッケイジュ(葉)油の形で投入され得るが、特にeucalyptus fruticetorum(ユーカリ)及び/あるいはeucalyptus globulus(ユーカリ・グロブルス)及び/あるいはユーカリプトールを含むその分留が好まれる。
【0083】
口腔、咽頭腔及び/あるいは鼻腔内の冷却あるいはこれを爽快にする作用を持つ特に適した物質は、メントール、メントン、イソメントン、1,8−シネオール(ユーカリプトール)、(−)−カルボン、4−テルピネオール、チモール、サリチル酸メチル、L−メンチルメチルエーテルである。
【0084】
本発明で言う特に適している芳香及び/あるいは味覚物質はさらに、例えばアニス油、バジル油、ベルガモット油、クヘントウ油、クスノキ油、シトロネラ油、レモン油、レモンユーカリ(eucalyptus−citriodora)油、ユーカリ油、ウイキョウ油、グレープフルーツ果皮油、ショウガ(根)油、カモミレ油、オランダハッカ油、カラウェー油、ライム油、マンダリンオレンジ果皮油、ニクズク油(特にニクズクの花の油=メース油)、没薬油、チョウジ油、チョウジ花油、橙皮油、オレガノ油、パセリ(種)油、ハッカ油、ローズマリー油、セージ油(クラリセージ、ダルマチアセージあるいはスペインセージ油)、大ウイキョウ油、タイム油、バニラ油、ジュニパー油(特にジュニパーベリー=杜松油)、冬緑油、桂皮油(葉)、桂皮油(樹皮)のような、精油、エキス、チンキ剤、バルサム、並びにこれらの分留ないしはそこから分離した内容物質である。
【0085】
本発明による製剤に入れるため、本発明の範囲内で使うために好まれる冷感作用物質は、以下にリストアップされている。専門家は以下のリストにその他多数の冷感作用物質を付け加えることができるだろう:冷感作用物質は、互いに組み合わせて投入することも可能である。特に本発明による製剤は最低ひとつ、特に2つ以上の冷感作用物質を含み、これらは以下のグループから選択される:
メントングリセリンアセタール(商品名Frescolat(登録商標)MGA、Symrise合資会社、ドイツ)、乳酸メンチル(商品名Frescolat(登録商標)ML、Symrise合資会社、ドイツ、特に乳酸メンチルの場合l−乳酸メンチル、特にl−メンチル−l−乳酸)、置換されたメンチル−3−カルボン酸アミド(例えばメンチル−3−カルボン酸‐N−エチルアミドWS−3としても知られている)、2−イソプロピル‐N−2,3−トリメチルブタンアミド(WS−23としても知られている)、置換されたシクロヘキサンカルボン酸アミド、3−メントキシプロパン‐1,2−ジオール、2−炭酸メンチルヒドロキシエチル、2−炭酸メンチルヒドロキシプロピル、N−アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えばメンチル−3−ヒドロキシ酢酸)、コハク酸モノメンチル、2−メルカプトシクロデカノン、メンチル−2−ピロリジン−5−オンカルボキシラート、2,3−ジヒドロキシ−p−メンタン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサンオングリセリンケタル、3−メンチル−3,6−ジ及びトリオキサアルカノアート、3−メンチルメトキシアセタート、イシリンである。
【0086】
特に好ましい冷感作用物質は、メントングリセリンアセタール(商品名Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(特にl−乳酸メンチル、特にl−乳酸−l−メンチル、商品名Frescolat(登録商標)ML)、置換されたメンチル−3−カルボン酸アミド(例えばメンチル−3−カルボン酸‐N−エチルアミド)、2−イソプロピル‐N−2,3−トリメチルブタンアミド、3−メントキシプロパン‐1,2−ジオール、2−炭酸メンチルヒドロキシエチル、2−炭酸メンチルヒドロキシプロピル、イソプレゴール、コハク酸モノメンチルである。
【0087】
本発明によれば、最低ひとつ、特に好ましいのは最低2つの冷感物質を含む本発明による製剤が好ましい。
【0088】
特に本発明による製剤は、味覚及び/あるいは芳香物質の混合を含んでおり、これが本発明による製剤に、ハーバルな(薬草らしい)、ミントのような、シナモンのような、チョウジのような、冬緑のようなおよび/あるいはフルーツのような性格を与える。
【0089】
さらに、本発明による製剤に、特に上に好んで挙げられたグループの冷感物質から補足的にひとつまたは複数の冷感作用物質が含まれていれば好ましい。この好ましい組み合わせにより、口腔、咽頭腔、鼻腔内に特別に爽快な作用が特によく達成される。
【0090】
その他の好ましい応用形によれば、本発明により投入される味覚及び/あるいは芳香物質は、本発明による製剤製造の際使われる前に、まず食品及び嗜好品に適した基質(キャリア物質)に入れられ、これは例えば乳剤、リポソームの形で、例えばホスファチジルコリンから出発して、ミクロのレベル、ナノのレベルへ、あるいはカプセルや顆粒あるいは押し出し加工製品という形でもよい。但し、特に好ましいのは、味覚及び/あるいは芳香物質がゆっくり基質から離れ、作用の持続が達成されるように基質が選択されることである。
【0091】
但し、味覚及び/あるいは芳香物質を、その使用前に本発明による製剤製造時に入れる好ましい基質には、特に以下のグループからひとつあるいは複数の材料が選択される:炭水化物重合体(多糖類)(例えばデンプン、デンプン誘導体、セルロース、あるいはセルロース誘導体(例えばヒドロキシプロピルセルロース)、アルギン酸塩、ジェランガム、寒天あるいはカラゲーン)、天然の脂肪、天然の蝋(例えば蜜蝋、カルナウバろう)、プロテイン、例えばゼラチン、錯化剤(例えばサイクロデキストリンあるいはサイクロデキストリン誘導体、特にβ−サイクロデキストリン)。
【0092】
基質に本発明による味覚及び/あるいは芳香物質を載せる量は、要求や希望する感覚のプロフィールによって変わる。通常は味覚及び/あるいは芳香物質を、基質(キャリア物質)と味覚及び/あるいは芳香物質の総重量を基準に、1〜60重量パーセントの範囲で、通常また特に5〜40重量パーセントの範囲で載せる。
【0093】
さらに、味覚及び/あるいは芳香物質が、本発明による製剤製造時に使われる前に、噴霧乾燥された形に変えられると都合がよいことが証明されている。本発明により投入される噴霧乾燥された味覚及び/あるいは芳香物質の基質として、個々の物質ないしは物質の混合が投入され得る。都合のよいキャリア物質は、炭水化物及び/あるいは炭水化物重合体(多糖類)である。噴霧乾燥された形で、味覚及び/あるいは芳香物質の好ましいキャリア物質として挙げられるのは:ヒドロコロイド、例えば、デンプン、分解されたデンプン、化学的あるいは物理的に変性させたデンプン、変性セルロース、アラビアゴム、インドゴム、トラガント、カラヤゴム、カラゲエニン、グアーガム、キャロブパウダー、アルギン酸塩(例えばアルギン酸ナトリウム)、ペクチン、イヌリンあるいはキサンタンガムが挙げられる。好ましいキャリア物質はバクガデキストリン並びにバクガデキストリンとアラビアゴムの混合で、但しそれぞれのバクガデキストリンのDE値が15〜20の範囲内であるとさらに都合がよい。デンプンの分解程度は、デキストロース当量(DE値)という指数で測定され、これは限界値0が鎖の長いブドウ糖重合体を、100が純粋なブドウ糖を表せる。味覚及び/あるいは芳香物質を噴霧乾燥を使ってカプセルに入れることは、専門家の間で知られており、例えばUS3,159,585やUS3,971,852、US4,532,145あるいはUS5,124,162に説明されている。噴霧乾燥された香料は、様々な味覚及び異なる粒子の大きさのものが多数市場に出回っている。
【0094】
本発明による製剤の構成要素であり得る、適当な代用甘味料は、糖アルコールで、例えばマンニトール、ソルビトール、ソルビトールシロップ、イソマルト(例えばPalatinit(登録商標))、マルチトール、マルチトールシロップ、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、ダルシトール、イジトール、またフルクトオリゴ糖(例えばRaftilose(登録商標))、オリゴフルクトース、ポリデキストロースである。
【0095】
典型的な甘味料として、本発明による製剤の構成要素でありうるのは、サッカリン(場合によってはNa−、K−あるいはCa−塩として)、アスパルテーム(例えばNutraSweet(登録商標))、シクラメート(場合によってはNa−あるいはCa−塩として)、アセスルファムK(例えばSunett(登録商標))タウマチンあるいはネオヘスペリジンジヒドロカルコンが挙げられる。さらに、ステビオシド、レバウジオシドA、グリシリジン、ウルトラズュース(Ultrasuβ)、オスラジン、ブラゼイン、ミラクリン、ペンタジン、フィロズルチン、ジヒドロカルコン、アリル尿素、3分子置換グアニジン、グリシリジン、スーパーアスパルタム、スオサン(Suosan)、スクラロース(トリクロロガラクトスクロースTGS)、アリテーム、モネリンあるいはNeotam(登録商標)といった甘味料である。
【0096】
特に辛い味および/あるいは口の中の唾液の分泌を刺激する物質及び/あるいは温かい感じ及び/あるいは皮膚や粘膜にむずむずする感じを起こす物質で、本発明による製剤の構成要素でありうるのは、例えばカプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ギンゲロン、パラドール、ショーガオール、ピペリン、カルボン酸−N−バニリルアミド、特にノナン酸−N−バニリルアミド、ペリトリンあるいはスピラントール、2−ノネン酸アミド、特に2−ノネン酸−N−イソブチルアミド、2−ノネン酸−N−4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルアミド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアルコール、特に4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル−n−ブチルエーテルのアルキルエーテル、4−アシロキシ−3−メトキシベンジルアルコール、特に4−アセチロキシ−3−メトキシベンジル−n−ブチルエーテル及び4−アセチロキシ−3−メトキシベンジル−n−ヘキシルエーテルのアルキルエーテル、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4−ジメトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4−メチレンジオキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸アミド、特に(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸−N−n−オクチルアミド、バニリロマンデル酸アルキルアミド、フェルラ酸フェネチルアミド、ニコチンアルデヒド、メチルニコチナート、プロピルニコチナート、2−ブトキシエチルニコチナート、ベンジルニコチナート、1−アセトキシカビコール、ポリゴディアール及びイソドリメニノール、さらにWO2004/000787ないしはWO2004/043906によるシス−及び/あるいはトランス−ペリトリン、WO2005/044778によるアルカンカルボン酸−N−アルキルアミド、WO03/106404によるマンデル酸アルキルアミド、あるいはWO2006/003210によるアルキロキシアルカン酸アミドである。
辛い味がする、及び/あるいは温かい感じ及び/あるいは皮膚や粘膜にむずむずする感じを起こす好ましい天然のエキスで、本発明による製剤の構成要素でありうるのは、トウガラシのエキス、コショウのエキス(例えば蕃椒エキス)、チリペッパーのエキス、ショウガ根のエキス、アフラモムム・メルグエタ(aframomum melgueta)のエキス、オランダセンニチ(spilanthes−acmella)のエキス、ガランガ(kaempferia galanga)のエキスあるいはアルピニア・ガランガ(alpinia galanga)のエキスである。
【0097】
ひとつあるいは複数の不快な味覚の印象、特に苦い、収斂させる及び/あるいは金属的な味の印象あるいは後味を隠すための好ましい物質で、本発明による製剤の構成要素となりうるのは、ラクティソール(lactisol)〔2O−(4−メトキシフェニル)乳酸〕(US5,045,336参照)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸カリウム塩(US5,643,941参照)、ショウガエキス(GB2,380,936参照)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン(ManufacturingChemist誌、2000年7月号、P.16〜17参照)、特定のフラボン〔2−フェニルクロム−2−en−4−one〕(US5,580,545参照)、特定のヌクレオチド、例えばシチジン−5’−一リン酸(CMP)(US2002/0177576参照)、特定のナトリウム塩、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及び乳酸ナトリウム(Nature誌1997年、387号、P.563参照)β−ラクトグロブリン及びホスファチジン酸からのリポタンパク質(EP−A635218参照)、ネオジオスミン〔5,7−ジヒドロキシ−2−(4−メトキシ−3−ヒドロキシフェニル)−7−O−ネオヘスペリドーシル−クロム−2−en−4−オン〕(US4,154,862参照)、特にEP1258200によるヒドロキシフラバノン、但しここでも特に2−(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロキシクロマン−4−オン(ナリンゲニン)、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロキシクロマン−4−オン(エリオジクチオール)、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシ−7−メトキシクロマン−4−オン(エリオジクチオール−7−メチルエーテル)、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシ−5−メトキシクロマン−4−オン(エリオジクチオール−5−メチルエーテル)及び2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−5,7−ジヒドロキシクロマン−4−オン(ホモエリオジクチオール)、その(2S)−あるいは(2R)−エナンチオマーあるいはその混合、並びに対の陽イオンとしてNa+、K+、NH4+、Ca2+、Mg2+あるいはAl3+を持ったその1価あるいは多価石炭酸塩、あるいはγ−アミノ酪酸(4−アミノブタン酸、中性の形として(「中性塩」)あるいはWO2005/096841によるカルボキシラートあるいはアンモニウムの形で)である。
【0098】
苦い、収斂させる、べたべたする、埃っぽい、乾いた、粉っぽい、脂くさい、あるいは金属的な味がする物質は、例えばキサンチンアルカロイドのキサンチン(カフェイン、テオブロミン、テオフィリン)、アルカロイド(キニン、ブルシン、ニコチン)、フェノール配糖体(例えばサリシン、アルブチン)、フラボン配糖体(例えばヘスペリジン、ナリンギン)、カルコン及びカルコン配糖体、加水分解型タンニン(例えばペンタガロイルグルコースのような炭水化物の没食子酸あるいはエラグ酸エステル)、縮合型タンニン(場合によってはガロイル基を持つカテキンあるいはエピカテキン及びそのオリゴマー、例えばプロアントシアニジンあるいはプロシアニジン、テアルビジニン)、フラボン(例えばケルセチン、タキシフォリン、ミリセチン)、その他ポリフェノール(γ−オリザノール、コーヒー酸あるいはそのエステル)、テルペン類似の苦味素(例えば柑橘類から採れるリモニンあるいはノミリンのようなリモノイド、ホップから採れるルプロンとフモロン、イリドイド、セコイリドイド)、ニガヨモギから採れるアブシンチン、リンドウから採れるアマロゲンチン、金属塩(塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム)、特定の薬学上の作用物質(例えばフルオロキノロン系抗生物質、パラセタモール、アスピリン、β−ラクタム系抗生物質、アンブロキソール、プロピルチオウラシル〔PROP〕、グアイフェネシン)、特定のビタミン〔例えばビタミンH、B1、B2、B6、B12ナイアシン、パントテン酸のようなB群のビタミン〕、デナトニウム安息香酸塩、スクラロースオクタアセタート、塩化カリウム、マグネシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、尿素、不飽和脂肪酸、特に乳剤の形の不飽和脂肪酸、アミノ酸(例えばロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン、チロシン、リシン及びフェニルアラニン)、ペプチド(特にN−あるいはC−の終端で、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、プロリンあるいはフェニルアラニンのグループのアミノ酸を有するペプチド)である。
苦い、収斂させる、べたべたする、埃っぽい、乾いた、粉っぽい、脂くさい、あるいは金属的な後味がする物質は、例えば甘味料あるいは代用甘味料のグループに属していることがある。例えばアスパルタム、ネオテーム、スーパーアスパルタム、サッカリン、スクラロース、タガトース、モネリン、ステビオシド、タウマチン、ミラクリン、グリシリジン、及びその誘導体、シクラメート及び上記化合物の薬学的に許容可能な塩がある。
【0099】
本発明による製剤に入れるための好ましい添加物は乳化剤(例えばレシチン、ジグリセリド、アラビアゴム)、安定剤(例えばカラギーナン、アルギン酸塩)、保存料(安息香酸、ソルビン酸)、酸化防止剤(例えば、トコフェロール、アスコルビン酸)、キレート化剤(例えばクエン酸)、植物抽出物、天然あるいは合成顔料あるいは色素(たとえばカロチノイド、フラボノイド、アントシアン、クロロフィル及びその誘導体)である。
【0100】
本発明による調合は、さらに抗酸化剤を含む、あるいは抗酸化効果を強め得る物質、特に天然に発生するトコフェロール及びその誘導体(例えばビタミンE酢酸塩)、ビタミンC、及びその塩ないしは誘導体(例えばアスコルビン酸パルミテート、Mg−アスコルビン酸リン酸塩、アスコルビン酸酢酸塩)、ビタミンA及び誘導体(ビタミンAパルミテート)、トコトリエノール、フラボノイド、α−オキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸)及びそのNa−、Ka−及びCa−塩、フラボノイド、ケルセチン、フェノール性ベンジルアミン、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA、E320)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、E321)、レシチン、クエン酸でエステル化された食用油の脂肪酸のモノグリセリド及び二グリセリン酸塩、カロチノイド、カロチン(例えばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)及びその誘導体、フィチン酸、ラクトフェリン、EDTA、EGTA)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びその誘導体、フェルラ酸及びその誘導体、亜鉛とその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンとその誘導体(例えばセレンメチオニン)、オルトリン酸塩及び一燐酸のNa−、Ka−及びCa−塩、並びに植物から分離した内容物質、抽出物並びに例えば紅茶、緑茶、海藻、ブドウの種、小麦胚芽、カモミール、ローズマリー及びオレガノからのその分留を含むことができる。
【0101】
本発明による製剤は例えば以下の顔料、着色剤あるいは色素を含むことができる:ラクトフラビン(リボフラビン)、β−カロチン、リボフラビン−5’−燐酸塩、α−カロチン、γ−カロチン、カンタキサンチン、エリスロシン、クルクミン、キノリンイエロー、サンセットイエローFCF、タルトラジン、ビキシン、ノルビキシン(アナトー、オルレアン(Orlean))、カプサンチン、カプソルビン、リコペン、β−アポ−8’−カロチナール、β−アポ−8’−カロチン酸エチルエステル、キサントフィル(フラボキサンチン、ルテイン、クリプトキサンチン、ルビキサンチン、バイオラキサンチン、ロドキサンチン)、純正カルミン(カルミン酸、コチニール)、アゾルビン、コチニールレッドA(ポンソー4R)、ビートレッド、ベタニン、アントシアン、アマラント、パテントブルーV、インジゴカルミンI(インジゴカルミン)、クロロフィル、クロロフィルの銅化合物、ブリリアントアシッドグリーンBS(リサミングリーン)、ブリリアントブラックBN、植物性薬用炭、二酸化チタン、酸化鉄及び水酸化鉄、炭酸カルシウム、アルミニウム、銀、金、ルビン色素BK(リソールルビン)、メチルバイオレットB、ヴィクトリアブルーR、ヴィクトリアブルーB、アシランブリリアントブルーFFR(ブリリアントインドシアニンブルーFFR)、ナフトールグリーンB、アシランファストグリーン10G(アルカリファストグリーン10G)、セレスイエローGRN、ズダンブルーII、ウルトラマリン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストアシッドバイオレットR。さらに、天然に得られた抽出物(例えばパプリカ抽出物、黒色にんじん抽出物、赤キャベツ抽出物)を着色目的に使うことも可能である。また以下に挙げる顔料、いわゆるアルミニウムレーキを使ってもよい結果が得られた:FD&C イエロー 5 レーキ、FD&C ブルー 2 レーキ、FD&C ブルー 1 レーキ、タルトラジン・レーキ、キノリンイエロー・レーキ、FD&C イエロー 6 レーキ、FD&C レッド40 レーキ、サンセットイエロー・レーキ、カルモイジン・レーキ、アマラント・レーキ、ポンソー4R レーキ、エリスロシン・レーキ、レッド2G レーキ、アルラレッド・レーキ、パテントブルー V レーキ、インジゴカルミン・レーキ、ブリリアントブルー・レーキ、ブラウン HT レーキ、ブラックPNレーキ、グリーン S レーキ及びその混合である。
【0102】
本発明による製剤に入れるのに適した(鉱物性の)充填剤は、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化珪素、タルカムパウダー、酸化アルミニウム、燐酸二カルシウム、燐酸三カルシウム、水酸化マグネシウム及びその混合物である。
本発明による好ましい応用には、口腔衛生製品あるいは歯の衛生用製品にも使われる添加剤も使うことができる。但し特に最低ひとつの添加剤が以下のグループから選ばれる:珪酸、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、酸化アルミニウムのような研削/研磨材(研削あるいは研磨剤)及び/あるいは水酸アパタイト、及び/あるいは例えばラウリル硫酸ナトリウム、サルコシン酸ラウリルナトリウムのような表面活性物質、及び/あるいはコカミドプロピルベタイン、及び/あるいはグリセリン及び/あるいはソルビトールのような保水剤、サッカリンのような人工甘味料、不快な味覚に対する味覚改善剤、通常は不快でない味覚の味覚改善剤、味覚調節物質(例えば燐酸イノシトール、グアノシン一燐酸、アデノシン一燐酸あるいはグルタミン酸ナトリウムや2フェノキシプロピオン酸のような他の物質のようなヌクレオチド)、カルボキシルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カラギーナン及び/あるいはLaponite(登録商標)、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロ燐酸ナトリウム、ニフッ化スズ、第4基のフッ化アンモニウム、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ピロリン酸スズ、二塩化スズ、各種ピロリン酸塩の混合物、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、過酸化水素及び/あるいは重炭酸ナトリウムのような作用物質。
【0103】
本発明による製剤は、特に化学式1あるいは1A のひとつあるいは複数の化合物と並んで、補足的にひとつあるいは複数の口腔衛生改善用の物質、例えば歯垢、歯石あるいはう歯を抑えるあるいは阻止するための、並びに口臭を抑えあるいは阻止する物質を含んでいる。これに関連してUS5,043,154が指摘される。例としてクエン酸亜鉛、フッ化亜鉛のような亜鉛塩、フッ化スズのようなスズ塩、銅塩、例えばフッ化アミンのようなフッ化物、フッ化ナトリウムのようなフッ化アルカリ、アルカリ土類のフッ化物、フッ化アンモニウムのようなフッ化アルカリ、リン酸塩、ピロリン酸塩、モノフルオロ燐酸ナトリウムのようなフルオロ燐酸塩、一燐酸及び二燐酸アルミニウム、αイオノン、ゲラニオール、チモール、イソメンチル酢酸塩、パンテノール(プロビタミンB5)、キシリトール、アラントイン、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、酢酸トコフェリル(ビタミンE酢酸塩)、ポロクサマーが挙げられる。
【0104】
本発明による製剤は、化学式1あるいは1Aのひとつあるいは複数の化合物と並んで、口腔衛生改善用に、補足的にひとつあるいは複数の抗菌作用物質を含むことができる。この抗菌作用物質は、親水性、両性、疎水性の性質を持ち得る。特に好まれるその他の抗菌作用物質は、トリクロサン、クロルヘキシジンとその塩(例えば酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンあるいは塩酸クロルヘキシジン)、過酸化物、フェノール及びその塩、臭化ドミフェン(臭化フェノドデシニウム)、臭化クロロフェン、亜鉛塩、クロロフィル、銅塩、グルコン酸銅、銅クロロフィル、ラウリル硫酸ナトリウム、ココアルキルベンジルジメチル塩化アンモニウムのような第4級モノアンモニウム塩、あるいは塩化セチルピリジニウムのようなピリジニウム塩もそうである。個々の作用物質と並んで、作用物質の混合あるいは天然抽出物ないしはその分留を含む作用物質も投入され得る。例えばインドセンダン、メギ、ウイキョウ、緑茶、キンセンカ、カモミール、ローズマリー、タイム、プロポリスあるいはウコンから得られるものである。
【0105】
デンタルケア及び口腔ケア用製品として使うことを想定している本発明による製剤は、カリエス誘発性物質、特にショ糖、ブドウ糖、乳糖、加水分解された乳糖、ソルボース、アラビノース、キシロース、マンノース、マルトース、ガラクトース、マルトトリオース及び果糖を含んでいない。
【実施例】
【0106】
以下の例は、本発明を制限することなく明確化するためのものである。特記されていなければ単位はすべて重量である。
【0107】
例:
例1:口臭軽減用の試験管内試験
試験はGoldberg及びRosenbergの論文(「試験管内システムにおける口臭の発生」S・Goldberg及びM.Rosenberg共著、P.143〜150 「口臭−学際的アプローチ、編集:D.van Steenberghe、M.Rosenberg、レーヴァ大学出版、1996年)に基き、再現性を改善するために調整された。
【0108】
採取したばかりの朝の唾液を植えつけられた滅菌液体培地を、数日間37℃で培養し、引き続き試験者のパネルから臭いをかぐ。
強い、典型的な口臭が形成される。唾液を植えつけていないほうの比較用培地は培地の弱い臭いがするのみである。
【0109】
試験の比較用として、Triclosan(登録商標)が0.05%の濃度で入れられる。唾液を植えつけられたフラスコは、培養後唾液を植えつけていないフラスコと同じにおいがする。
口腔ケア用の典型的な芳香物質を使用し、試験で0.1%投入した場合、口臭と芳香物質の混合によって生じる非常に不快な混合臭が最も多かった。芳香物質は、唾液の微生物によって分解されたため一部知覚できなくなってしまった。
【0110】
0.0025重量パーセントの2−(ベンゾイルアミノ)安息香酸(化合物27)を投入すると、0.05重量パーセントのTriclosan(登録商標)投入時と同じく、臭いが確認されなかった。0.001重量パーセントの場合、不快でない臭いが知覚されたが、これは口臭と似ていなかった。
【0111】
化学式1あるいは化学式1Aの各種化合物の、臭いが確認されなかった最小作用濃度を以下に挙げる:
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
オイゲノールやチモールのような、抗菌作用があるとして知られているその他の化合物は、本試験では投入濃度0.1%で同様に口臭の形成を抑えたが、その物質自体の臭いが強烈であることが難点であった。
【0114】
例2:最小抑制濃度
最小抑制濃度(MHK)は、2−(ベンゾイルアミノ)安息香酸(化合物27)を例に、さまざまな口内細菌に対する逐次希釈試験で規定された。結果は以下の表に示した:
【表3】

【0115】
つまり、口臭の原因となる細菌フソバクテリウム・ヌクレアトゥムとプレボテラ・インテルメディアに対する殺菌作用が証明された。
【0116】
口臭と関係のないカンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・ニゲルあるいはまたエシェリキア・コリに対しては、例えば本発明により投入される化合物10アベンアントラミド(Avenanthramid)Dは1000ppmの適量では効果がなかった。
【0117】
製剤の例:
F1:口臭に対して効き目のあるゲル・タイプの口腔用クリーム
【表4】

【0118】
F2:口臭に対して効き目のある歯垢予防用口腔用クリーム
【表5】

【0119】
F3:口臭に対して効き目のある歯垢予防用口腔用クリーム
【表6】

【0120】
F4:口臭に対して効き目のある敏感な歯に対する口腔用クリーム
【表7】

【0121】
F5:口臭に対して効き目のある敏感な歯に対する口腔用クリーム
【表8】

【0122】
F6:口臭に対して効き目のある、フッ化物を含む、そのまま使えるマウスリンス
【表9】

【0123】
F7:口臭に対して効き目のあるマウスリンス濃縮液
【表10】

【0124】
F8:口臭防止用ガム
【表11】

【0125】
F9:口臭防止用無糖のガム
【表12】

【0126】
F10:そのまま摂取する口臭防止用ゼラチンカプセル
【表13】

【0127】
但し香料Bは以下の組成である。
0.1%ネオテーム粉末、0.05%アスパルタム、29.3%ハッカ油(ニホンハッカ)、29.3%ハッカ油(ウィラメット渓谷産のセイヨウハッカ)、2.97%スクラロース、2.28%トリアセチン、5.4%酒石酸ジエチル、12.1%ハッカ油(ヤキマ渓谷産のセイヨウハッカ)、0.7%エタノール、3.36% 2−ヒドロキシエチル炭酸メンチル、3.0% 2−ヒドロキシプロピル炭酸メンチル、0.27%バニリン、5.5%D−リモネン、5.67%L−乳酸メンチル。
【0128】
直接摂取するのに適したゼラチンカプセルは5mm径で、中身の材料とカプセル材料の重量比は約90:10である。カプセルは口内に入って10秒未満で開き、50秒未満で完全に溶ける。
【0129】
本発明による作用物質の、(a)化学式1Aの化合物と(b)ひとつまたは複数の冷感作用物質の組み合わせによって、掻痒刺激を和らげる作用を相乗的に強めることは、以下に説明された人間の生体内研究(皮膚刺激試験)から明らかになる。
【0130】
例3:掻痒刺激を和らげる作用物質(ジヒドロアベンアントラミドD;CARN:697 235−49−7、安息香酸、2−〔〔3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)アミノ〕−(9Cl))と冷感作用物質、乳酸メンチル(商標:Frescolat(登録商標)ML)の相乗的に高まる作用を証明するための人間に対する「皮膚刺激試験」
【化16】

構造式:ジヒドロアベンアントラミドD(=化合物8)
【0131】
試験方法の説明:
試験は10人の発端者に対し行われ(下腕内側の5箇所の試験箇所;1×処理しない+4つの試料に関し4つの塗布面)
試料:
1.擬薬製剤
2.製品A:擬薬と同様の製剤、但し補足的に1重量パーセントの乳酸メンチル含む。
3.製品B:擬薬と同様の製剤、但し補足的に0.05重量パーセントのジヒドロアベンアントラミドDを含む。
4.製品C:擬薬と同様の製剤、但し補足的に0.025重量パーセントのジヒドロアベンアントラミドDと0.5重量パーセントのFrescolatMLを含む。
【0132】
試験の実施:
決められた量の塩化ヒスタミン溶液(HALアレルギー有限会社、デュッセルドルフ、濃度:10mg/ml)が、下腕内側の皮膚に塗布された。引き続き皮膚は特殊なランセット(フェザー安全剃刀株式会社、メディカル部門、日本)で表面に軽いかき傷をつける。これによって5分以内に強い掻痒刺激が生まれる。引き続き擬薬製剤並びに製品A〜Cを塗布する(量:2mg/cm2)。塗布していない部分及び擬薬と比較して、製品A〜Cが掻痒刺激軽減に与える影響は90分後に求められる。この場合試験の実施は標準化された条件〔20℃+/−1%、湿度:50%+/−5%〕で行われた。
【0133】
結果:
1.製品A〜Cは、塗布していない部分及び作用物質を含まない擬薬製剤と比較して、明らかにより強い掻痒刺激の軽減につながった(図1)。
2.製品Cには、製品A及びBと比較して掻痒刺激の最も強い軽減が見られた(図1)。
3.人間の生体に対する皮膚刺激試験の研究は、一般的化学式1Aのアントラニル酸アミドと冷感作用物質の組み合わせによって掻痒刺激の比較的強い軽減が達成されることを典型的に示している。製品Cに関しては、製品A及びBと比較して掻痒刺激の明らかにより強い軽減が観察された(図1)。掻痒刺激の軽減は、純粋に加算して期待される軽減値を超えており、それによって製品Cに含まれる0.5重量パーセントのFrescolatMLと0.025重量パーセントのジヒドロアベンアントラミドD(化合物8)との相乗効果が明白に証明されている。製品A及びBと比較した製品Cの発赤軽減の相乗的な強化も、実験の範囲で同様に証明された。
【0134】
冷感作用物質と掻痒刺激を軽減する作用物質という本発明による作用物質の組み合わせが持つ作用の相乗的強化は、Kullの方程式の感覚データ(F.C。Kull他著:応用微生物学、9巻、P.538〜541(1961年)、David C.Steinberg著:洗顔・化粧品、115巻(No.11)P.59〜62、2000年11月;計算方法については表10も参照のこと)が存在しており、これを使って証明される。Kullの方程式を使えば、純粋な物質とそこから作られた作用物質の混合との、掻痒刺激軽減作用に関して比較することができる。ここで相乗効果指数(SI)と呼ばれているものが決められ、これは掻痒刺激を軽減する混合の相乗作用また場合によっては相反作用を表す基準となる。求められたSI値が1未満であれば、相乗効果は明白である。これに対し計算してSIがちょうど1になった場合、掻痒刺激を軽減する2つの製品の効果が純粋に加算されることになる。これに対しSI値が1より大きければ、(しばしば望ましくない)相反作用が存在する。
【0135】
以下に例として、乳酸メンチルとジヒドロアベンアントラミドDとの混合を使った処理に関する90分の培養時間後のSI値の計算を示した。計算されたSIの0.066という値は、乳酸メンチルとジヒドロアベンアントラミドDとで構成される混合物が、相乗的作用物質の組み合わせであることを示している。
【0136】
表1:比較用清涼物質(A)と比較用掻痒刺激緩和作用物質ジヒドロアベンアントラミドD(製品B)とで構成される、乳酸メンチルとジヒドロアベンアントラミドDの混合(製品C)の、相乗効果指数(SI)
【表14】

【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】皮膚刺激試験/掻痒刺激強度を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌作用のある薬剤製造のための化学式1の化合物、あるいは化学式1の2以上の異なる化合物の混合物の使用。
【化1】

(化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1のそれぞれの化合物に関して、
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2のとき、それぞれ対になってR1とR2がそれぞれHあるいはその他の化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき、各Xが、他とは関係なくOH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
p=1あるいは2のとき、各Yが、他とは関係なくOH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは、対応する、薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表する。)
【請求項2】
薬剤が、(i)口臭の原因となる生物の成長を抑える及び/あるいは阻止するための、及び/あるいはこれを殺すための、及び/あるいは(ii)口臭を抑えあるいは阻止するための薬剤である請求項1記載の使用。
【請求項3】
口臭の原因となる微生物が、ユーバクテリウム属、フソバクテリウム属、ヘモフィルス属、ナイセリア属、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、トレポネーマ属及びベイヨネラ属からなる群から選ばれている請求項2記載の使用。
【請求項4】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつに関して:
n=1あるいは2であり、かつ、和p+m>0であり、
及び/あるいはp+m>0であり、かつ、最低1度XあるいはYがOH及びOアシルからなる群より選ばれている請求項1から3のいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつに関して:
n=1であり、
p+m≧2であり、
XとYが最低2度、OH及びOアシルからなる群より選ばれているという条件付きである、請求項1から4のいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつに関して:
n=1であり、
m=1、2あるいは3であり、
Xは最低1度、OH及びOアシルからなる群より選ばれているという条件付きで、及び/あるいは、
Yが最低1度、OH及びOアシルからなる群より選ばれているという条件付きである、請求項1から3のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつに関して:
n=1であり、
1及びR2がそれぞれHを、あるいは一緒にもうひとつの化学結合を意味する請求項1から6のいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつが、以下からなる群より選ばれている請求項1から4のいずれか1項記載の使用:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【請求項9】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつに関して、
n=0である、
請求項1から3のいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつに関して、
m+p>2であり、
置換基X及びYの最低2つが、OHあるいはOアシルからなる群より選ばれているという条件付きである請求項9記載の使用。
【請求項11】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつが、以下からなる群より選ばれている請求項9あるいは10記載の使用:
【化6】

【化7】

【化8】

【請求項12】
化学式1の化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつに関して:
n=0であり、
m=1であり、
p=0であり、
X=OHであり、
E=Hである請求項9記載の使用。
【請求項13】
化合物あるいは混合物中の化学式1の化合物のひとつが化学式100である請求項12記載の使用:
【化9】

【請求項14】
3=CH3あるいは2〜30個のC原子を持つ直鎖あるいは分枝アルキルである請求項1から7、9及び10のいずれか1項記載の使用。
【請求項15】
口臭の原因となる微生物の成長を抑制及び/あるいは阻止及び/あるいは殺す方法であって、以下の工程を持つ方法:
−口臭の原因となる微生物に、この微生物に対し抗菌作用のある量の化学式1の化合物あるいは化学式1の2以上の化合物の混合物を接触させる。
【化10】

(化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の各化合物に関して、
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2のとき、それぞれ対になってR1とR2がそれぞれHあるいは一緒にその他の化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき、各Xは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
p=1あるいは2のとき、各Yは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは、対応する薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
【請求項16】
口臭を抑えるあるいは予防するための方法であって、以下の工程を持つ方法:
−口臭の原因となる微生物に対し、この微生物に対して抗菌作用のある量の化学式1の化合物あるいは化学式1の2以上の化合物の混合物を、口腔あるいは咽頭腔内に入れる、
【化11】

(化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の各化合物に関して、
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2のとき、それぞれ対になってR1とR2がそれぞれHあるいは一緒にその他の化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき、各Xは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
p=1あるいは2のとき、各Yは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは、対応する薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表している。)
【請求項17】
人間の口腔内に入れられるように決まった製品であって、口腔内に特定の時間とどまり、引き続き飲み込まれるかあるいは口腔から出され、口臭を抑える及び/あるいは回避するのに十分な量の、化学式1の化合物、あるいは化学式1の2以上の化合物の混合物を含む製品。
【請求項18】
食料品あるいはガムである請求項17記載の製品。
【請求項19】
口腔衛生製品であって、化学式1の化合物、あるいは化学式1の2以上の異なる化合物を混合したものを、口臭を抑える及び/あるいは回避するのに十分な量含む、あるいはからなる口腔衛生製品。
【化12】

(化学式1の化合物、あるいは混合物中の化学式1の各化合物に関して、
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2のとき、それぞれ対になってR1とR2がそれぞれHあるいは一緒にその他の化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき、各Xは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
p=1あるいは2のとき、各Yは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは、対応する薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも代表する。)
【請求項20】
クリーム状、ペースト状あるいはゲル状の歯磨き粉、そのまま使う、あるいは濃縮タイプのマウスリンス、うがい液、口腔あるいは咽頭用スプレー(ポンプ式あるいは噴霧式スプレー)、口中で溶かすトローチ剤や錠剤、キャンディー、ガム、チューイングキャンディー及びデンタルケア用ガムからなる群より選択される請求項19記載の口腔衛生製品。
【請求項21】
濃縮タイプのマウスリンスであって、以下のもの:
(a)化学式1Aのひとつあるいは複数の化合物の混合物、
【化13】

(化学式1Aの化合物、あるいは混合物中の化学式1Aの各化合物に関して、
m=0、1、2あるいは3であり、
p=0、1あるいは2であり、
n=0、1あるいは2であり、
n=1あるいは2のとき、それぞれ対になってR1とR2がそれぞれHあるいは一緒にその他の化学結合を意味し、
m=1、2あるいは3のとき、各Xは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
p=1あるいは2のとき、各Yは、他とは関係なく、OH、OアルキルあるいはOアシルを意味し、
E=Hあるいは基COOR3であり、
3=Hあるいはアルキルであり、R3=Hは、対応する薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物をも表わす。)
及び
(b) ひとつあるいは複数の冷感作用物質、
を含むあるいはこれらからなるマウスリンス。

【図1】
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【公開番号】特開2007−332143(P2007−332143A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156409(P2007−156409)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】