説明

可撓性材料でできたチューブを製造するための手順

可撓性材料ででき且つスカート(3)とヘッド(10)を含むチューブ(1)を製造するための手順で、このスカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を配置しまたは射出手順で製造し、この付属物(4)がこのスカート(3)の一端を完全にまたは部分的に閉じ且つ射出点を含み、この付属物(4)を完全にまたは部分的に切断し、およびこの切断した部分を除去し、およびこのヘッド(10)をこのスカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)の部分の、この切断した部分を一旦除去すると残る何れかの領域上にオーバーモールドする。この付属物(4)は、このオーバーモールドしたヘッドの仕上げの改善または、このユニット(2)を製造する場合に、上記ユニット(2)の金型からの取外しを容易にするような、幾つかの利点を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、化粧品、クリーム等を入れるために使う種類の、主としてスカートとヘッドから成り且つラベルおよびその他の装飾要素を備える、可撓性材料でできたチューブを製造するための手順に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術には、可撓性材料ででき且つスカート(一般的に両端が開いた、円筒体)およびヘッド(このスカートの両端の一つを閉じ且つ一般にねじ山付き領域または、キャップ若しくはその他の閉鎖部材を接続するようにできる、その他の適当な形状にされた領域を含む構成要素)を備えるチューブを製造するための多数の既知の手順がある。これまで最も広く使われている手順の一つは、連続チューブの押出しによってチューブスカートを製造し、続いて必要な長さのスカートを得るためにこのチューブを切断し、および続いてこのヘッドを上記スカートの上にオーバーモールドすることを伴う。もう一つの既知の方法は、WO05072931A1に記載してあり、それは以下の方法の結果としてチューブを製造し:即ち、ラベルで装飾したチューブのスカートをインモールドラベル付けを伴う第1射出法で製造し;このチューブのヘッドを第2射出法でこのスカートの上にオーバーモールドし;次にこのチューブにキャップを付け;任意に他の装飾要素を加えてもよい。WO06082255A1で提案してあるこの第2の方法は、ヘッドのオーバーモールドの結果を改善することを狙う。チューブ全体(スカートとヘッド)を単一射出方法および機械で同時に射出する、その他の既知のチューブ製造方法がある。
【0003】
この発明は、主として使用するまたは現在利用できる機械の制限のために先行手順に見られる幾つかの欠点を解決する、可撓性材料でできたチューブを製造するための手順を提供することを狙う。例えば、この発明の手順は、このチューブのスカート上へのヘッドのオーバーモールドの結果を改善することを狙う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO05072931A1
【特許文献2】WO06082255A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、可撓性材料ででき且つスカートとヘッドを備えるチューブを製造するための手順を提供することであり、このスカートは、大体の形が円形、楕円形または厚さが一定または可変のその他の断面のプリズムであって、このスカートがこのチューブの本体を形成し且つその対向する面が開いていて、およびこのヘッドがこのスカートの開いた面の少なくとも一つを閉じるカバーであり、上記ヘッドは、任意にこのチューブの内容物を放出するためのおよびキャップまたはその他の閉鎖部材を接続するための要素を含む。上記手順は、以下の段階:即ち、射出手順での、スカート付属物ユニットの製造で、この付属物をこのスカートの一端に配置し且つ上記端を部分的にまたは完全に閉じおよびこのまたはこれらの射出点が上記付属物内に位置し;この付属物の完全なまたは部分的な切断および切断した部分の除去;切断した部分の除去後に残るこのスカート付属物ユニットの何れかの領域上へのこのヘッドのオーバーモールド、即ち、このヘッドの切断を行う領域上または何か他の領域(例えば、切断を行うのと反対の端)上へのこのヘッドのオーバーモールドを含む。
【0006】
この付属物は、適所にクランプまたは保持し、それによってこのスカート付属物ユニットを射出手順によるその製造後に、金型からそれを取外せるようにしてもよい。この付属物は後の段階で切断すべきであり、従って使い捨てであるので、このユニットをこの付属物によって保持することに問題はなく、およびこのスカート(このスカート付属物ユニットの最も重要な部分)を保持したときに汚染される危険を避けられる。それで、幾つかのユニットを連続的に保持するために工具を清掃または交換する必要はなく;そうではなく、単一工具を使ってもよい。この付属物が提供するもう一つの利点は、それがこのチューブの内部で切断作業中に上記内部に挿入したスリーブ用のストッパーとして作用し、それによって上記切断作業を容易にするという事実である。
【0007】
この付属物は、それが行うべき機能(クランプができる、ストッパーとして作用する等)に依って、種々の形状および大きさを採ってもよい。この発明の詳細な説明および図面がこの付属物の幾つかの実施例を示す。
【0008】
この発明の手順は、他の既知の手順で得られるより良い仕上げのチューブを提供する。この改良した仕上げは、主としてこのスカートの射出点をこのスカートに結合した付属物上に配置する、言換えれば射出点をこのチューブラベルから離す結果として得られる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このスカート付属物ユニットを製造するための、この発明の手順は、このスカートにラベルを供給するインモールドラベル付け工程も含むのが好ましい。この特別な場合に、このまたはこれらの射出点(以後単一点を指す)がこの付属物上に配置してあるという事実がそれらをこのスカートから離しおよびそれによってこのインモールドラベル付け工程中に起る、ラベルしわ、移動、色あせ等のような、有り得る問題を防ぐ。これは、現在利用できる機械(これは、スカートの射出点がラベルに非常に近いかその上にあるので、このスカートをインモールドラベル付けによってラベル付きで射出することを困難にする)によって行った、WO05072931A1の手順によって得たのより良いチューブ仕上げを提供する。
【発明の効果】
【0010】
この発明の手順は、文献WO06082255A1を超える幾つかの利点を提供する。第1に、この発明の付属物は、WO06082255A1のセミヘッド(上記セミヘッドは、このヘッドをその上にオーバーモールドできるように、一般的にスカートより厚く且つ堅くあるべきである)より厚くなくできるので、サイクルタイム(従ってコスト)が実証されていない。第2に、この射出点が付属物上に配置してあり、それでラベルから離れているという事実が、このチューブの最も重要な領域である、このスカートとラベルの領域で達成すべき材料の均等な流れを可能にする。その上、文献WO06082255A1で開示された手法に従って製造したチューブに時々現れることがある工程を除去するので、このチューブの最終外観が改善される。本発明は、先行技術ではセミヘッド(スカートと同じ色である)がこのヘッドによって完全には隠されずまたは埋められないので不可能なことである、ヘッドをスカートと異なる色で製造することも可能にする。本発明は、同じスカートを使って、異なる断面(楕円形、円形等)のチューブを製造することも可能にし;これを達成するために必要な全ては、このスカートを十分に変形しおよび対応するヘッドをオーバーモールドすることである。
【0011】
本発明は、チューブ全体(スカートとヘッド)を単一作業および射出機によって射出する、チューブ製造用手順に優る幾つかの利点も提供する。第1に、本発明の手順は、簡単な方法で異なる大きさの容器の製造を可能にする(スカートの長さ、従ってチューブの容量を簡単に切断点を動かすことによって変えられる)。それは、スカートとは異なる特性(機械的、物理的/化学的等)を有するヘッドを得るために必要なことであり、且つ可撓性ノズル、塗布機、計量ポンプ用固体ベース等のような、ある用途に必要である、スカートとヘッドに異なる材料を使用できるようにもする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
この発明の詳細は、添付の非限定的な図で見ることができる。
【図1】この発明の手順の実施例を示す。
【図2】切断段階の実施例を示す。
【図3】付属物の第1実施例を示す。
【図4】付属物の第2実施例を示す。
【図5】付属物の第3実施例を示す。
【図6】付属物の第4実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、可撓性材料ででき且つスカート(3)とヘッド(10)を備えるチューブ(1)を製造するためのこの発明の手順の実施例を示し、このスカート(3)は、大体の形が円形、楕円形またはその他の断面のプリズムであって、このチューブ(1)の本体を形成し且つその対向する面が開き、およびこのヘッド(10)がこのスカート(3)の開いた面の少なくとも一つを閉じるカバーであり、上記ヘッド(10)は、任意にこのチューブの内容物を放出するためのおよびキャップ(6)またはその他の閉鎖部材を接続するための要素(7)を含む。本発明の手順は、少なくとも:
− スカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を製造し、この付属物(4)をスカート(3)の一端に配置し且つ上記端を部分的にまたは完全に閉じ、およびこのユニット(2)のこのまたはこれらの射出点が上記付属物(4)上に位置する射出段階(13);
− この付属物(4)を完全にまたは部分的に切断し、言換えればこの付属物(4)の少なくとも一部および任意にこの付属物(4)の全てとスカート(3)の一部さえも切断し、切断した部分を除去する切断段階(14);この図は、付属物(4)の全体とスカート(3)の一部を切断した実施例を示すことに注意すべきである;
− ヘッド(10)をスカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)の部分の、切断した部分を除去した後に残る何れかの領域上にオーバーモールドするオーバーモールド段階(15)を含む。
【0014】
この図の実施例で、この手順は、チューブ(1)がキャップ(6)を備えるキャップ付け段階(16)で終る。このキャップ付け段階(16)は、任意である。
【0015】
付属物(4)は、スカート(3)の端を完全にまたは部分的に閉ざす、どんな形状および大きさに作ってもよい。この付属物(4)は、チューブヘッドであってさえよい。言換えれば、この発明の手順は、チューブ全体(スカートとヘッド)を射出し、このヘッドの少なくとも一部を切断し(任意にヘッドの全ておよびスカートの一部さえ)、および続いて別のヘッドをこの残った部分の上にオーバーモールドする段階を含んでもよい。この後者の実施例は、同じヘッドを備える、同じチューブのバッチを使って異なるチューブ(異なるヘッドを備える)を製造することを可能にするだろう。
【0016】
スカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を製造するための射出段階(13)は、スカート(3)にラベル(5)を供給するインモールドラベル付け工程も含むのが好ましい。この特別な場合に、この発明は、射出点が上記ラベル(5)から離れていて、それによってスカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)の射出中にラベル(5)の欠陥が現れるのを防ぐので、特に特に有利である。
【0017】
この付属物(4)は、それがその機能(握りおよび保持するための要素として、ストッパとして等作用するため)を実行できるようにするために種々の形状で作り上げた壁を示してもよい。
【0018】
インモールドラベル付けの代りにまたはに加えて、代替印刷または装飾技術(シルクスクリーン印刷、ホットスタンピング、オフセット印刷等のような)を使う場合、最終スカート(3)の全表面を、この発明のおかげで、印刷することができる。図2に示すように、これは、スカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を印刷し、次にこの付属物(4)とスカート(3)の一部を切断したスカート(3)上の印刷した装飾がスカート(3)の縁(11)に達するように切断することによって達成する。
【0019】
図3ないし7は、付属物(4)の四つの実施例を示す。図3は、スカート(3)の一端を閉じる蓋の形の付属部(4)を示す。上記蓋は、材料の無駄を減らすために、一連の窓(7)を備える。図4は、付属物(4)が突起(8)も含む第2実施例を示す。図5は、付属物(4)が窓(7)と突起(8)を備える蓋も含む第3実施例を示す。図6は、付属物(4)が窓(7)を備える円錐形カバーである第4実施例を示す。これらの四つの実施例の他に、付属物(4)を、窓(7)ありまたはなしの、突起(8)ありまたはなしの、スカート(3)の端を完全にまたは部分的に蓋をする、他の形状に作ってもよい。
【0020】
この発明の他の目的は、スカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を射出手順で製造する代りに、この発明による手順が別の手順で予備製造したスカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を備える、先のものに類似する手順を提供することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料ででき且つスカート(3)とヘッド(10)を備えるチューブ(1)を製造するための手順で、このスカート(3)は、大体の形が円形、楕円形またはその他の断面のプリズムであり、このチューブ(1)の本体を形成し且つその対向する面が開き、およびこのヘッド(10)がこのスカート(3)の開いた面の少なくとも一つを閉じるカバーであり、上記ヘッド(10)は、任意にこのチューブの内容物を放出するためのおよびキャップ(6)またはその他の閉鎖部材を接続するための要素(7)を含む手順であって、以下の段階、即ち:
− スカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を製造し、この付属物(4)をスカート(3)の一端に配置し且つ上記端を部分的にまたは完全に閉じ、およびこのまたはこれらの射出点が上記付属物(4)上に位置する射出段階(13);
− この付属物(4)を完全にまたは部分的に切断し、切断した部分を除去する切断段階(14);
− このヘッド(10)をこのスカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)の部分の、切断した部分を除去した後に残る何れかの領域上にオーバーモールドするオーバーモールド段階(15)を含むことを特徴とする手順。
【請求項2】
請求項1による製造手順に於いて、上記ヘッド(10)を上記スカート(3)と付属物(4)によって形成する上記ユニット(2)の切断を行う領域上にオーバーモールドすることを特徴とする手順。
【請求項3】
請求項1による製造手順に於いて、上記付属物(4)を部分的に切断することを特徴とする手順。
【請求項4】
請求項1による製造手順に於いて、上記付属物(4)を全部切断することを特徴とする手順。
【請求項5】
請求項4による製造手順に於いて、上記スカート(3)の一部も切断することを特徴とする手順。
【請求項6】
請求項5による製造手順に於いて、上記切断段階(14)の前に、上記スカート付属物ユニットを代替印刷または装飾技術によって装飾すること、および上記切断段階(14)上記付属物(4)および上記スカート(3)の一部を、上記スカートの残部上の装飾が上記スカート(3)の縁に達するように、除去することを特徴とする手順。
【請求項7】
請求項1による製造手順に於いて、上記射出段階(13)がインモールドラベル付けを含み、それによって上記スカート(3)にレベル(5)を供給することを特徴とする手順。
【請求項8】
可撓性材料ででき且つスカート(3)とヘッド(10)を備えるチューブ(1)を製造するための手順で、このスカート(3)は、大体の形が円形、楕円形またはその他の断面のプリズムであり、このチューブ(1)の本体を形成し且つその対向する面が開き、およびこのヘッド(10)がこのスカート(3)の開いた面の少なくとも一つを閉じるカバーであり、上記ヘッド(10)は、任意にこのチューブの内容物を放出するためのおよびキャップ(6)またはその他の閉鎖部材を接続するための要素(7)を含む手順であって、以下の段階、即ち:
− スカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)を配置し、この付属物(4)をスカート(3)の一端に配置し且つ上記端を完全にまたは部分的に閉じ、およびこのまたはこれらの射出点が上記付属物(4)上に位置する;
− この付属物(4)を完全にまたは部分的に切断し、切断した部分を除去する切断段階(14);
− このヘッド(10)をこのスカート(3)と付属物(4)によって形成するユニット(2)の部分の、切断した部分を除去した後に残る何れかの領域上にオーバーモールドするオーバーモールド段階(15)を含むことを特徴とする手順。
【請求項9】
請求項8による製造手順に於いて、上記ヘッド(10)を上記スカート(3)と付属物(4)によって形成する上記ユニット(2)の切断を行う領域上にオーバーモールドすることを特徴とする手順。
【請求項10】
請求項8による製造手順に於いて、上記付属物(4)を部分的に切断することを特徴とする手順。
【請求項11】
請求項8による製造手順に於いて、上記付属物(4)を全部切断することを特徴とする手順。
【請求項12】
請求項11による製造手順に於いて、上記スカート(3)の一部も切断することを特徴とする手順。
【請求項13】
請求項12による製造手順に於いて、上記切断段階(14)の前に、上記スカート付属物ユニットを代替印刷または装飾技術によって装飾すること、および上記切断中上記付属物(4)および上記スカート(3)の一部を、上記スカートの残部上の装飾が上記スカート(3)の縁に達するように、除去することを特徴とする手順。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−521817(P2011−521817A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512156(P2011−512156)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/ES2008/000401
【国際公開番号】WO2009/147254
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510320081)シーティーエル − ティーエイチ パッケージング、エス.エル. ウニペルソナル (1)
【Fターム(参考)】