説明

可撓材製パッケージ並びにその連続製造方法及びマシン

本発明は、複数枚の原反を長尺方向沿いに連結することで形成された1枚のシート又は元々1枚の原反である1枚のシートを横断方向沿いに切断し可撓材製の容器を連続的に製造する方法に関する。その製造工程では、1枚化された又は1枚のシートを複数本の長折線に沿って折り畳むことで、そのシートの断面を、天井相当部分が判然としている開いた又は閉じた形状の断面にする。好ましくは、前もってシート上の相応部分に孔を形成し、そこにスパウトを配列してからシートを折り畳み、そのシートをドライブローラ対によって駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対向する2個の側壁(side wall)と容器天井(upper base)との区別が開栓直立時に判然となる可撓材製の容器を、その表面への熱熔接が可能で連続的なプラスチック素材製の原反(laminar band)1枚又は複数枚から連続的に製造する方法に関する。
【0002】
本発明は、また、本発明の方法を実行するマシン及び本発明の方法で製造される容器に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1及び2には、相対向する2個の側壁と容器天井との区別が開栓直立時に判然となる可撓材製の容器が記載されている。これらの容器には、原反の一部を長折線(longitudinal fold line)に沿い容器内方へと織り込むことで、通例に倣い逆V字状の容器下床(lower base)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0052151号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/031330号パンフレット
【特許文献3】西国特許第2292311号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした特徴を備える容器の天井に丈夫な口付部材(スパウト)を設け、キャップ等で塞栓可能な容器とするには、現状では、容器の連続製造に使用される方法及びマシンにかなりの改変を施す必要がある。何故なら、容器天井の中央にスパウトを位置決めして天井形成素材に固定するに当たり、容器天井から見て逆側の端が閉じていない仕掛品を容器材料たる連続的な原反1枚又は複数枚から分離させた上で、後に容器下床が形成される個所から仕掛品内に相応の装着手段を差し込み、スパウト・容器天井間を熱熔接する必要があるためである。この工程を実行するには、容器外から作用するもの及び容器内から作用するものを含め少なくとも一対の熔接顎でスパウト側略平坦面及び容器天井側相応部分を挟み、前者が脱落しないよう押さえつけつつ後者に前者を固定することが必要になる。ただ、閉じた容器下床が原反からの分離前に設けられる特許文献1及び2に記載の方法では、この種の工程を採用することができない。
【0006】
そこで、本発明は、容器例えば特許文献2記載のそれを連続的に製造できる新しい連続製造方法及び充填方法であって、その実行手段を従来から大きく改変する必要がなく、その天井に内容物取出用のスパウトが備わる容器を製造できるものを提供することを目的とする。
【0007】
更に、従来の方法で天井付容器を製造する際には、シートのうち容器天井になる部分を容器内方に折ることで略V字状の部分を形成し、その部分の先端を直角に曲げて直角部分を形成し、その直角部分をシートのうち側壁になる部分に接触させ、そこにその直角部分を三点熔接することで、容器天井・側壁間ひいては側壁相互間を連結させる。容器が内容物で満たされているときには、容器天井によって略ドーム状の覆いが形成され、当該容器天井の両端付近、側壁上部との間に僅かな窪みが生じる一方、上述した直角部分の三点熔接及びその全長に亘る対側壁固定の効果で、容器の側壁が直立状態を保つことになる。このとき、容器天井の端部と側壁の上部に挟まれ容器の両側に生じる窪みには、その容器を蓄蔵、輸送及び使用する過程で塵埃がたまることとなりやすい。
【0008】
そこで、本発明は、原反1枚からでも容器を製造できる方法であって、熱熔接リムが容器天井対側壁間取付線沿い部分やその一部に生じないものを提供することを目的とする。
【0009】
また、キャップ等の閉止素子がスパウトの本体にネジ山の噛み合いで連結されている場合等には、容器を強く握ってキャップをひねることで開栓が行われるため、その反作用で容器が捩れ縦軸回りで変形してしまうことが多い。
【0010】
そこで、本発明は、容器が内容物で満たされているときやそのスパウトをキャップで開閉する際の機械特性が良好で、上述した諸問題も発生しにくい容器を、可撓性を有する原反1枚から製造できる新たな方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る方法は、相対向する2個の側壁と容器天井との間の区別が開栓直立時に判然となる可撓材製の容器を連続的に製造するのに適している。
【0012】
本発明に係る方法の基本的な特徴は、その製造工程にて、複数枚の原反を長尺方向沿いに連結することで形成された1枚のシート又は元々1枚の原反である1枚のシートを複数本の長折線に沿って折り畳むことで、そのシートの断面を、第1側壁相当部分にその部分の一辺を挟み容器天井相当部分の一部が重なり、第2側壁相当部分に端部屈曲が生じ、且つその端部屈曲が容器天井相当部分の背面に接する形状の断面にした上で、そのシートを横断方向沿いに切断することにある。
【0013】
本発明に係る方法は、容器天井にスパウトが付設された容器の製造に役立てることができる。例えば、製造工程に先立ち事前準備工程を実行し、その事前準備工程にて、製造後の容器内容物取出に役立つ一群のスパウトを配列する形態を採ればよい。スパウトが配列されるのは1枚化された又は1枚のシート上である。スパウトは、そのシートの長縁に対し平行な直線に沿い等間隔で配列するのが望ましい。
【0014】
こうすることで、容器天井のうち第1側壁の片側に折り重なる部分を、シート上のスパウト配置済部分で形成することができる。
【0015】
また、スパウトを配列するに当たっては、それに先立ち、製造後のスパウト越し容器内外連通に役立つ一群の孔を、シート上のスパウト配列対象部分に配設するのが望ましい。この手法で好適に製造できるのは、例えば、容器天井形成素材に穿刺する手段を欠いたスパウトを使用するタイプの容器、言い換えればスパウトがスクリューキャップ等の在来型閉止手段で閉止されるタイプの容器である。
【0016】
事前準備工程では、例えば、容器天井の半分及び対応する側壁を後続の製造工程で形成するのに十分なスペースが、シート長縁のうち第1長縁からスパウトに亘る部分及び第2長縁からスパウトに亘る部分それぞれに生じるよう、連続的なシート1枚に孔、スパウト又はその双方を配設乃至配列するようにする。
【0017】
シート上でのスパウト配列位置は、例えば、そのシートのどちらの長縁に対しても等距離となる位置にすればよい。
【0018】
或いは、シート上でのスパウト配列位置を、第1長縁からスパウトに亘る部分に広いスペースが生じるよう、そのシートの長縁のうち第2長縁寄りに偏らせてもよい。発生させるスペースの規模は、容器天井の半分並びに対応する側壁及び下床を、後続の製造工程で形成できる規模とするのが望ましい。
【0019】
本発明に係る方法では、容器が例えば反転姿勢で製造される。
【0020】
本発明に係る方法では、その製造工程として、例えば請求項8記載の諸工程を含むものを実行する。
【0021】
より好ましいのは、二対の容器天井隅部と側壁との間を熱熔接で相互固定し、都合4個生じる熱熔接耳を対象にして更なる切断、接着、折り曲げ乃至調製工程を実行することである。
【0022】
例えば、容器天井の隅部二対と側壁とをつなぐ4個の熱熔接耳を三角形にした上で、それらの熱熔接耳を斜辺沿いに切断して容器天井及び個々の側壁に相応の傾斜を付与する工程を実行するのが望ましい。
【0023】
請求項12記載の方法は、対称性の高い容器を得るのに役立つ。
【0024】
また、本発明に係る容器は、例えば、その片面又は両面への熱熔接が可能な可撓材製の原反1枚又は複数枚から形成されたシートを用い、本発明に係る方法を実行することで特に好適に製造することができる。製造されるのは、例えば、横断方向にも長尺方向にも折れ目がない略平行四辺形の面及び複数本の斜辺を有する容器天井、その容器天井に付設された容器内容物取出用のスパウト、並びにそれぞれ斜辺、一対の傾斜熔接ビード及び縦断熔接ビードを有する第1及び第2側壁を備える容器である。ビードのうち傾斜熔接ビードは、容器天井側の斜辺に倣い側壁の上縁に設けられた斜辺と、当該容器天井側の対応する斜辺とを、熱熔接により相互固定することで生じたビードであり、縦断熔接ビードは対向辺同士を固定することで容器下床に亘り生じたビードである。容器天井の中央部分から、対をなす傾斜熔接ビードの挾間を通り、その対に対応する縦断熔接ビードに至る部分は、先窄まり形状の傾斜肩となる。
【0025】
本発明に係る容器は、例えば、側壁のうち少なくとも一方から容器天井を越え上方へと延設された上方張出部と、その上方張出部に隣り合うようシートの一部分を折線に沿い上方に折ることで容器天井の片側に形成された鰭部と、を備え、鰭部及び上方張出部がその外周部分にて相互固定され容器の襟部を形成する構成にすることができる。
【0026】
とりわけ、液体を入れる容器に相応しいのは、容器天井のうち傾斜肩となっている部分のうちいずれかにスパウトが位置する構成である。
【0027】
本発明に係る容器は、また、連続的な1枚のシート上で容器天井相当部分と少なくとも一方の側壁相当部分とが途切れなく連なる部位に、その側壁相当部分の上縁への熱熔接による固定で縦リムが設けられた構成にすることができる。
【0028】
そして、本発明に係るマシンは、本発明に係る方法を実行するマシンである。本マシンは、複数枚の原反を長尺方向沿いに連結することで形成された1枚のシート又は元来1枚の連続的な原反である1枚のシートに一群の孔を形成し、その孔内に相応のスパウトを配置する装置と、第1側壁相当部分の上にその一辺を挟みスパウト配置済部分込みの帯状部分が重なり、第2側壁相当部分に端部屈曲が生じ、且つその端部屈曲が当該帯状部分の背面に接する形状の断面になるよう、そのシートを折り畳む手段と、折り畳まれたシートから製造対象たる容器を分離させる横断方向切断手段と、その容器の断面が略T字状の輪郭を呈するまで当該帯状部分を容器の側壁に対し回動させる手段と、をシート進行方向沿いにこの順で備えることを特徴とするものである。
【0029】
請求項20記載のマシンは、原反1枚から容器を製造するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一例に係る方法に従い1枚のシートから下床無し容器を製造する工程のうち横断方向沿いに切断する前のある工程におけるシート端面を示す図である。
【図2】別例に係る方法に従い1枚のシートから下床無し容器を製造する工程のうち横断方向沿いに切断する前のある工程におけるシート端面を示す図である。
【図3】一例に係る方法に従い1枚のシートから下床付容器を製造する工程のうち横断方向沿いに切断する前のある工程におけるシート端面を示す図である。
【図4】別例に係る方法に従い1枚のシートから下床付容器を製造する工程のうち横断方向沿いに切断する前のある工程におけるシート端面を示す図である。
【図5】更なる別例に係る方法に従い1枚のシートから下床付容器を製造する工程のうち横断方向沿いに切断する前のある工程におけるシート端面を示す図である。
【図6】一例に係る方法に従い連続的な2枚のシートから下床付容器を製造する工程のうち横断方向沿いに切断する前、1枚化される直前のある工程におけるシート端面を示す図である。
【図7】別例に係る方法に従い連続的な2枚のシートから下床付容器を製造する工程のうち横断方向沿いに切断する前、1枚化される直前のある工程におけるシート端面を示す図である。
【図8】本発明の好適な実施形態に係る方法に従い1枚のシートに施される処理の一つを示す図である。
【図9】それに後続する処理を示す図である。
【図10】それに後続する処理を示す図である。
【図11】それに後続する処理を示す図である。
【図12】図8〜図11に例示した方法を実行するマシンを示す斜視図である。
【図13】図4に例示した方法を実行するマシンを示す斜視図である。
【図14】図5に例示した方法を実行するマシンを示す斜視図である。
【図15】図6に例示した方法を実行するマシンを示す斜視図である。
【図16】図1に例示した方法で得られる容器を示す斜視図である。
【図17a】図3又は図5に例示した方法で製造された容器を示す図である。
【図17b】同容器を示す別の図である。
【図18】図1に例示した方法を実行するマシンを示す斜視図である。
【図19a】図3〜図7に例示した方法で製造された容器を示す図である。
【図19b】同容器を示す別の図である。
【図20a】例えば図3、図4、図5又は図7に例示した方法の変形版で製造された容器を示す図である。
【図20b】同容器を示す別の図である。
【図21a】例えば図3〜図7に例示した方法の変形版で製造された容器を示す図である。
【図21b】同容器を示す別の図である。
【図22a】図3、図5又は図7に例示した方法で製造され、そのスパウトが容器天井の中央から偏した位置にある容器を示す図である。
【図22b】同容器を示す別の図である。
【図23a】例えば図3〜図7に例示した方法の変形版で製造され、そのスパウトが容器天井の中央から偏した位置にある容器を示す図である。
【図23b】同容器を示す別の図である。
【図24】図3〜図7に例示した方法で製造され、その容器天井及び側壁が延びて互いに結合している容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係る方法は、複数枚の原反を長尺方向沿いに連結することで形成された1枚のシート又は元々1枚の原反たる1枚のシートを横断方向沿いに切断して容器を製造するのに適している。その製造工程では、1枚化された又は1枚のシートを複数本の長折線に沿って折り畳むことで、そのシートの断面を、容器天井相当部分が判然としている開いた又は閉じた形状の断面にする。こうしたシートは、ドライブローラ対によって駆動することができる。スパウト付天井を伴う容器を製造する際には、後述の通り、容器天井相当部分を折り畳む前に(必要に応じ孔をあけて)一群のスパウトを配置すればよい。この措置は、製造工程における原反の扱い方を変えることなく導入することができる。従って、本方法によれば、容器天井へのスパウトの随非を問わず種々の容器を製造することができる。
【0032】
図1〜図5に、1枚の連続的なシート2から複数個の容器を製造する方法の諸例を示す。これらの例では事前準備工程、即ち一群の孔を精密に形成してそのなかに相応のスパウト3を配置する工程が実行される。
【0033】
図示例のうち図1及び図2に係る二例では、横断方向沿い切断前のある工程にてシート2の端面形状が図示形状となる。両例は、1枚のシート2から図16に示す下床無しの容器1を製造するのに適している。即ち、共通の容器天井5並びに第1側壁8及び第2側壁7を備えていて、一般的な練り歯磨きチューブのそれに似たV字状のチューブ尻が側壁8,7の下端に備わる容器1を製造するのに適している。
【0034】
これらの例は、熱熔接前の断面形状が開放的であること、シート2の第1長縁9・第2長縁11間をその熱熔接で相互固定すること、並びにその熱熔接を(可能な限り)シート2の横断方向沿い切断に先立ち実行することで共通しているが、図1に係る例ではその熱熔接で容器1のチューブ尻が形成されるのに対し、図2に係る例では容器天井5・第1側壁8間がその一辺に沿い相互固定される点で相違している。
【0035】
また、図1に係る例ではシート2のうち2本の長折線12,13で挟まれた部分が容器天井5になるのに対し、図2に係る例ではシートの第1長縁9・第2長縁11間を相互固定する熔接ビードと1本の長折線13で挟まれた部分が天井5になる。
【0036】
そして、既述の通り、両例ではその第1長縁9・第2長縁11間を熱熔接で固定する工程が(可能な限り)シート2の横断方向沿い切断に先立ち実行されるので、切断が実行される時点でシート端面が既に閉じている。
【0037】
他方、図3〜図5にその端面を示す諸例は、図1及び図2に係る例と異なり、連続的なシート2が複数本の長折線に沿い折り畳まれる例である。これらは、図17a及び図17bに示す如く天井5及び下床14を併有する容器、例えば本件技術分野で既知のドイパック型容器のそれに似た容器下床を有するものを製造するのに適している。
【0038】
また、図3に係る例では、シート2のうち第1側壁8及び第2側壁7を形成する諸部分と途切れ無しで連なるように容器天井5が設けられている。従って、天井5とその前後にある側壁7,8との固定個所に継ぎ目や熱熔接痕跡がない容器10を、最終的に得ることができる。
【0039】
それら、図17a及び図17bに示す容器10の製造に当たっては、図8〜図11に示す諸工程からなる製造工程を、例えば図12に示すマシン100上で実行する。以下、容器10を製造する方法に関し、必要に応じ図8〜図11を参照しつつ且つ図12に示すマシン100を想定して詳細に説明する。
【0040】
まず、事前準備工程では、第1長縁9及び第2長縁11と平行な直線に対し整列するよう且つ互いに等間隔になるよう、互いにそっくりな一群の孔6を連続的なシート2上に形成する。その孔6内には、容器10の内容物を取り出すのに使用可能で、その孔6に相応する形態を有するスパウト3を配置する。この事前準備工程は、図12に示すマシン100に備わる部材のうち、パンチ101、スパウト吐出手段102、並びにシート2にスパウト3を取り付けるための装着手段103によって実行される。
【0041】
孔6が配列される位置は、図8及び図12から読み取れるように、連続的なシート2に備わる長縁のうち一方(この例では第2長縁11)寄りに偏っている。
【0042】
その後は図8〜図10に示す製造工程が開始される。この製造工程では、第1長折線16及び第2長折線17を境にシート2を180°ずつ折り曲げ、その熱熔接可能面に重ねることで、第1二重ジグザグ屈曲15ひいては容器下床14を形成する。同様に、第3長折線19及び第4長折線20を境にシート2を180°ずつ折り曲げ、その熱熔接可能面に重ねることで、第4長折線20とシート2の長縁のうちその最寄りにある第2長縁11との間に、第2二重ジグザグ屈曲18ひいては第2側壁7を形成する。
【0043】
次いで、図9に示すように、シート2の第1長縁9・第2長縁11間でその位置が揃い内面同士が接することとなるよう、且つ第4長折線20・第5長折線21間にスパウト3の配列が位置することとなるよう、第5長折線21を境にシート2を180°折り曲げその熱熔接可能面に重ねることで、第4長折線20・第5長折線21間に容器天井5、第5長折線21・第2長折線17間に第1側壁8をそれぞれ形成する。
【0044】
図12に示すマシン100に備わる部材のうち、この工程に関わるのは折り曲げ装置104,105である。第1折り曲げ装置104では2個の二重ジグザグ屈曲15,18が同時に形成され、第2折り曲げ装置105では第1折り曲げ装置104を経たシート2が第5長折線21を境に折り畳まれる。
【0045】
こうして折り畳まれたシート2は、図12に示す一組の折り曲げローラ22によって平坦化されて図9に示す状態となり、同図中に文字Aで示されている個所から同図中の熱熔接ステーションへと強制搬送されていく。それらの熱熔接ステーションでは、容器下床隅部と第1側壁8及び第2側壁7の対応する隅部23との間、帯状部分24沿いにある第1長縁9と第2長縁11の間、第2長折線17に対し平行な帯状部分24’を挟み対向しているシート構成部分同士の間、側壁8,7のうち中空収縮時容器幅に応じた間隔で2本の横断熔接ビード26が形成されるべき部分間、並びに容器天井隅部25と第1側壁8のうち容器天井5の背面に対向しているシート構成部分との間が、それぞれ熔接によって相互固定される。これにより、シート2は図10に示す状態になる。
【0046】
ここに、本発明が属する分野で容器製造に使用される原反では、容器の外面になる面と内面になる面との間に特性差が存するのが普通である。容器内容物に直に接する内面と違い、外面には情報や広告が印刷されるからである。印刷が可能な面同士は熔接しにくいので、外面になる面の対向部分同士を熔接で固定するのは難しい。この問題を回避するため、図10に示すシート2、又はそれを構成する原反のうち容器下床14になるものには、製造工程に先立ち前述のものとは別の穿孔工程にて一群の孔が形成される。即ち、対をなす孔同士が第1長折線16から見て同じ側に位置するよう、且つ第1側壁8及び第2側壁7の合計長に相当する横断熔接ビード26沿い間隔にて、シート2上の容器下床14相当部分に二対の孔が形成されている(既知であるため図12〜図15では図示を省略)。こうした孔があるため、シート2のうち下床14となる部位を挟み込みつつ、側壁8,7の隅部23を問題なく固定することができる。即ち、側壁8,7の内面同士がこの孔を介し対面するため、図10中に矢印線で示す通り、両者を熔接で相互固定することができる。
【0047】
図12に示したマシンでは、こうして容器下床14の隅部を第1側壁8及び第2側壁7の対応する隅部23に固定する工程と、シート2の相対向する第1長縁9・第2長縁11間を相互固定する工程とを、同一の下部熔接顎106で実行する。また、容器天井隅部25を第1側壁8側の対応するシート構成部分に固定する工程を、一組の横断熔接顎107で実行する。これに代え、後述の如く、連続的なシート2を切断手段108で横断方向沿いに切断した後、後続する他のステーションにてそうした熔接固定を実行するようにしてもよい。
【0048】
図示例にて、第1側壁8及び第2側壁7に都合二対の容器天井隅部25,27を熔接する工程をシートの横断方向に沿った切断より先に実行しているのは、後述する点を考慮した結果である。
【0049】
こうして熔接固定が済んだ後は、横断熔接ビードの略中央を切れ目が通るようシート2を横断方向沿いに切断することで、折り重なった部分を有する連続的なシート2から1個又は複数個の容器10を分離させる。次いで、その容器10上で第4長折線20・第5長折線21間を占めている容器天井5を、その第4長折線20をその容器10の第2側壁7から引き離しながら容器本体に略直交する姿勢まで回動させる。即ち、スパウト3で懸架又は固定し輸送することが可能な状態へと、その容器10の状態を変化させる。更に、その容器10の天井隅部27(図11ではそのうち1個だけが見えている)を、シート2上の第2側壁7相当部分のうち天井5の背面に接している部分に熔接で固定する。
【0050】
図12に示したマシン100では、こうして容器天井隅部27を固定する工程が、隅部27間で同時に且つ同一対の閉止顎109で実行される。容器端面が図11に示した状態になるのは図12中に文字Bで示されている個所である。
【0051】
その工程、即ち各一対の容器天井隅部25,27を第1側壁8及び第2側壁7に固定する工程を経た段階では、片持ち梁状の熱熔接耳が都合4個生じている。これらの熱熔接耳は、更なる切断、接着、折り曲げ乃至調製工程の対象になりうる。図示例では、図12に示す鋏110を用い更なる切断工程を実行することで、後述の通り、容器充填後に重宝な実用的長所を備える容器を得るようにしている。
【0052】
これに代え、一対の容器天井隅部27をその固定先の第1側壁8と共に切断ダイで切断し、シート2を横断方向沿いに切断し、容器を図11の姿勢にした後、容器天井隅部27を鋏で切断する、という流れにすることもできる。
【0053】
こうして容器10が完成したら、在来型の充填手段111を用いスパウト3経由で容器充填を実行した後、相応の封止キャップ112でそのスパウト3を閉止させる。
【0054】
こうして得られる容器10は対称性の高い容器となる。それは、第1に、シート2の第1長縁9が第1長折線16・第2長折線17間の距離と等しい距離を以て第1長折線16から隔たるよう、ひいては第2長折線17に重なりその位置が揃うよう、第1二重ジグザグ屈曲15が形成されているからである。第2に、第3長折線19・第4長折線20間の距離が第1長折線16・第2長折線17間の距離と略等しくなるよう、第2二重ジグザグ屈曲18が形成されているからである。第3に、第4長折線20・第5長折線21間の距離が第1長折線16・第2長折線17間の距離の略2倍で、且つ形成される容器10で容器天井5となるべき四角形領域の幾何中心にスパウト3が配置されているからである。
【0055】
図17a及び図17bに、最終的に得られる容器10を示す。その形成に使用された原反は1枚であり、得られた容器10には略平行四辺形の面を有する容器天井5が判然と現れている。第1側壁8及び第2側壁7は縦断熔接ビード35、即ち横断熔接ビード26を横断方向に沿って切断した後に残ったビードに沿い相互に固定されている。
【0056】
それら、容器天井5の隅部には斜辺31、第1側壁8及び第2側壁7の上寄り隅部には斜辺32が図示の如く生じている。これは、各一対の容器天井隅部25,27を側壁8,7に固定することで生じた都合4個の熱熔接耳が、上述の如く鋏110で切断された結果である。
【0057】
充填後の容器10の側部には、それぞれ、こうした切断工程の結果たる傾斜熔接ビード33が一対ずつ現れる。対をなす傾斜熔接ビード33同士の間には先窄まり形状の傾斜肩34があり(図17a及び図17bでは1個しか見えていない)、これは、容器天井5の中央部分から対をなす傾斜熔接ビード33同士の挾間を通り対応する縦断熔接ビード35に達している。その縦断熔接ビード35は、第1側壁8及び第2側壁7の対向辺同士を固定することで生じたものであり、その容器10の下床14まで延びている。図示の通り、これらの特徴は、図19a〜図24に示す諸例間で共通である。
【0058】
こうして熱熔接耳切断工程を実行すると、傾斜肩34へのアクセスが容易になるだけでなく、図22a〜図23bに示す如くその肩34にスパウト3を配置することが可能になり、肩34に塵埃がたまりにくくなり、更に容器10の剛性も高まる。実際、熱熔接耳の切断を切断しなかった容器、即ち縦断熔接ビードに沿い相互固定された側壁が容器天井5と横並びの位置まで延びて肩34を取り囲んでいる容器に比べ、傾斜熔接ビード33がある容器10はそのねじり強度が高い容器となる。
【0059】
図13に、本発明の他の実施形態に係るマシン100を示す。このマシン100は、図4の如き断面形状になるよう1枚のシート2を折り畳むのに適している。図中、図12に示したマシン100のそれに対応する部材には同一の参照符号を付してある。
【0060】
図4に示す如く折り畳んだ後は、同じく、そのシート2の第1長縁9・第2長縁11間を熱熔接で相互固定する。好適にも、シート2の切断はそれより後に実行される。固定される部位は、製造対象たる容器で容器天井5になる部分と第1側壁8との間に挟まれた辺沿いである。図示の通り、この例では、スパウト3の配列位置がシート2の長縁9寄りに偏っている。
【0061】
図13に示すマシン100は、孔を形成してスパウトを配列する手段(図示せず)に加え、図4に示す第1二重ジグザグ屈曲28を形成する第1折り曲げ装置113と、シート2を折り畳んで三重屈曲29ひいては容器下床を形成する第2折り曲げ装置114とを備えている。シート2が図4の状態になるのは折り曲げローラ22によって平坦化された後、即ち図13中に文字Aで示されている個所である。
【0062】
そのシート2は熱熔接ステーションへと強制搬送される。熱熔接ステーションでは、一組の下部熔接顎106による熔接で、容器下床14の隅部と第1側壁8及び第2側壁7の対応する部分との間、並びに三重屈曲29の端部折線と同じ高さにある帯状部分に沿い相対向するシート2構成部分同士を固定し、一組の上部熔接顎106’による熔接でシート2の相対する第1長縁9・第2長縁11間を固定し、一組の横断熔接顎107による熔接で、側壁8,7のうち中空収縮時容器幅に応じた間隔で2本の横断熔接ビードが形成されるべき部分同士を固定する。
【0063】
切断手段108は、こうして平らな筒状になったシート2を横断方向沿いに切断することで、製造対象たる容器を1個又は複数個分離させる。
【0064】
次いで、図12に示したマシン100で実行されるそれと類する手順で、容器天井5を容器本体に略直交する姿勢まで回動させることで、スパウト3で懸架し輸送することが可能な状態へと容器10の状態を変化させる。その後は、シート2上の第2側壁7相当部分のうち天井5の背面に接している部分に、その天井5に備わる隅部のうち一対を熔接によって固定する。この工程は、上部にある一組の閉止顎109によって実行される。
【0065】
図12に示したマシン100に対し図13に例示するマシン100が相違する点の一つは、図示の通り、容器天井5の隅部をシート2上の第1側壁8相当部分に固定する工程が、先行するステップで上部熔接顎106’を用い実行されるため、上部にある一組の閉止顎109で固定すべき個所が、実質的に、容器天井5の隅部と第2側壁7とが対面する個所だけになることである。
【0066】
なお、図13中の文字Aは、シート2が図4の姿勢になる個所を表している。文字Bは、製造中の容器10が図11に示すそれに類似した状態になる個所を表している。同一ではなく類似と表現したのは、この例の場合、容器天井5の一辺と第1側壁8の間、即ちシート2の第1長縁9・第2長縁11間をつなぐ熔接ビードが生じるからである。
【0067】
図14に、本発明の更に他の実施形態に係るマシン100を示す。このマシン100は、図5の如き断面形状になるよう1枚のシート2を折り畳むのに適している。図中、図12に示したマシン100のそれに対応する部材には同一の参照符号を付してある。
【0068】
図5から読み取れるように、本実施形態では容器製造が反転姿勢で実行される。即ち、その第1長縁9・第2長縁11が図中の上寄り位置で対峙することとなるよう、シート2が複数本の長折線に沿い折り畳まれ、その状態で容器製造が実行される。
【0069】
先に示した諸実施形態に対する本実施形態例の相違点の一つは、その断面形状が開放的なまま、連続的なシート2が切断手段108に送られ、そこで横断方向沿いに切断されることである。反転姿勢を採っているので容器下床14が容器10の上方にあり、またその下床14に開口があるので、その開口を介し容器内充填を実行することができる。図14中の文字Aはシート2が図5の状態になる個所を表している。
【0070】
本実施形態の如く反転姿勢で容器製造を行う場合も、先に掲げた諸実施形態に従い非反転姿勢で容器製造を行う場合と同じ要領にて、対をなす容器天井隅部25,27と第1側壁8及び第2側壁7との間を熔接で固定する工程、その隅部25を付随する第1側壁8内シート構成部分と共に切断する工程等を実行することができる。隅部27を切断する工程は後回しにすることができる。
【0071】
後続の諸工程は本件技術分野で周知のものである。唯一留意すべき点としては、先に掲げた諸実施形態と異なり素材損失が生じる点がある。素材損失が生じるのは、シート2のうち熔接ステーション116にて熱熔接固定される個所9,11から上方に延び図5中の長縁9’,11’に至る帯状の部分、即ちシート2の余剰部分が、容器10を閉止すべく最後段の切断ステーション117にて切除されるためである。シート2が図14中に文字Aで示す個所に至った後、開口経由での容器内充填を実行した上でその開口を閉じる工程の流れや、その実施を通じ容器10を製造する手段については、例えば特許文献3の記載を参照されたい。
【0072】
そして、本実施形態では、スパウト3配列部分のシート2に孔がないタイプの容器も製造することができる。例えば、スパウト3に装着されたキャップ等の閉止素子を開方向に操作するとその表面に孔が生じるタイプの容器である(図示せず)。孔をあける手段としては、スパウト3に可動実装されるキャップに切断乃至穿刺用の部分を設けておけばよい。
【0073】
図6及び図7に、本実施形態の変形例として、2枚の連続的なシート2,2’を用い容器10を製造する例を示す。
【0074】
そのうち第1の例は、前もって孔が形成されその孔内に相応のスパウト3が配置されているシート2’と、前もって複数本の長折線沿いに折り畳まれているシート2とを、シート2’が容器天井5となるよう図6の如く突き合わせ、シート2の第2長縁11とシート2’の長縁29とを熱熔接で相互固定することで、シート2,2’を一体化する、というものである。この工程は、原反を略横断方向沿いに切断する工程に先立ち実行するのが望ましい。
【0075】
第2の例は、連続的なシート2’が容器下床14となるよう、長縁11・29間を熱熔接で相互固定してシート2,2’を一体化する、というものである。この工程は、原反を略横断方向沿いに切断する工程に先立ち実行するのが望ましい。
【0076】
図15に、図6に例示した方法を実行可能なマシンを示す。この図のマシン100は、シート2の長縁のうち第2長縁11とは逆側に位置する長縁のそばに折り目を1本入れる第1折り曲げ装置118と、図4に示した実施形態に備わる三重屈曲29に類する三重屈曲を形成する第2折り曲げ装置119とを備えている。シート2,2’が図6に示す状態になるのは図15中に文字Aで示した個所である。
【0077】
図面から読み取れるように、図15に示したマシン100は、この工程以降、図13に示したそれに類似した構成となっている。
【0078】
図18に、容器1例えば図16に示したものを製造するのに適したマシンの構成を示す。図12に示したマシンに比しこのマシンが大きく相違する点は、1枚のシート2を折り曲げるためのシステムで、複数本の長折線間に一重ジグザグ屈曲38を形成するのに適した折り曲げ装置104が使用されている点や、シート2のうちそれら長折線で挟まれている帯状部分が第2側壁7の一部、即ち製造対象たる容器の天井5背面に接する部分になる点である。図12に示したマシンに倣い、このマシンも、図1に示した長折線12を境にシート2を折り畳む簡略な第2折り曲げ装置105を備えている。
【0079】
即ち、図18に示したマシンには、容器1に下床を設ける手段が備わっていない。その代わり、折り曲げローラ22の下流には、シート2の端部同士を熱熔接で固定し第1長縁9及び第2長縁11を重ね合わせる一組の下部熔接顎106が備わっている。
【0080】
図19a〜図24に、図17に示した容器10の変形例を示す。これらは、本発明を実施するための手段乃至本発明の神髄に本質的な改変を施すことなく、本発明の方法に従い製造することができる。まず、図20a〜図21bに示す二例では、容器天井5を越え上方へと延びるよう第1側壁8に上方張出部8’が設けられている。天井5の片側には折線36があり、その折線36に沿いシートの一部分を上方に折ることで鰭部37が形成されている。鰭部37の隣には側壁8からの張出部8’があり、両者は容器10の襟部38となるようその外周に沿い堅固に相互固定されている。形成された襟部38は代替的な容器充填部材として使用することができる。これら二例に係る容器10は、その天井5にスパウト3がある点を除き特許文献2記載のそれに似ており、それぞれ、図4乃至図6に記載の手法を若干変形した手法で製造することができる。
【0081】
図24に示す容器1にも、上掲の例に類する鰭部が2個備わっている。それらの鰭部38,38’上には孔40,40’があり、一種のハンドルとして使用することができる。
【0082】
図22a〜図23bに示す諸例では、重要なことに、容器天井5を形成している部位のうち一方の傾斜肩34内にスパウト3が配置されている。容器10をこうした形態にするための切断工程の付加で、その満杯時強度が損なわれることはない。
【0083】
そして、シートのうち容器天井5になる部分と第1側壁8及び第2側壁7になる部分が同一のシート上で途切れなくつながっていて、(図3、図5及び図7に例示した方法と異なり)熔接ビードの発生を伴う熱熔接固定の使用が必須でない場合でも、シートのうち天井5になる部分に縦リム39を設けることや、それらを側壁8、7又はその双方の上縁に熱熔接で固定することが可能である。これについては図19a、図19b、図21a及び図21bに示す例を参照されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対向する2個の側壁(8,7)と容器天井(5)との間の区別が開栓直立時に判然となる可撓材製の容器(1,10)を、その表面への熱熔接が可能で連続的なプラスチック素材製の原反(2,2’)1枚又は複数枚から連続的に製造する方法であって、その製造工程にて、複数枚の原反を長尺方向沿いに連結することで形成された1枚のシート又は元々1枚の原反である1枚のシートを複数本の長折線に沿って折り畳むことで、そのシートの断面を、第1側壁(8)相当部分にその部分の一辺を挟み容器天井(5)相当部分の一部が重なり、第2側壁(7)相当部分に端部屈曲が生じ、且つその端部屈曲が容器天井(5)相当部分の背面に接する形状の断面にした上で、そのシートを横断方向沿いに切断することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、その製造工程に先立つ事前準備工程にて、製造後の容器内容物取出に役立つ一群のスパウト(3)を、1枚化された又は1枚のシート上に、そのシートの長縁に対し平行な直線に沿い等間隔で配列することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、製造後のスパウト越し容器内外連通に役立つ一群の孔(6)を、スパウト(3)を配列するのに先立ちシート上のスパウト配列対象部分に配設することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2又は3記載の方法であって、容器のうち容器天井(5)の半分及び対応する側壁(7,8)を後続の製造工程で形成するのに十分なスペースが、シート(2)の長縁のうち第1長縁(9)からスパウト(3)に亘る部分及び第2長縁(11)からスパウト(3)に亘る部分それぞれに生じるよう、1枚の連続的なシート(2)に事前準備工程で孔(6)、スパウト(3)又はその双方を配設乃至配列することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、そのシート(2)のどちらの長縁(9,11)に対しても等距離となるようシート(2)上にスパウト(3)を配列することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4記載の方法であって、容器のうち容器天井(5)の半分並びに対応する側壁(8)及び容器下床(14)を後続の製造工程で形成するのに十分なスペースがシート(2)の第1長縁(9)からスパウト(3)に亘る部分に生じるよう、シート(2)の長縁のうち第2長縁(11)寄りに偏しスパウト(3)を配列することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の方法であって、容器(1,10)を反転姿勢で製造することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法であって、その製造工程が、
(a)第1二重ジグザグ屈曲(15)が形成されるよう第1及び第2長折線(16,17)を境にシート(2)を180°ずつ折り曲げその熱熔接可能面に重ねることで容器下床(14)を形成する工程と、
(b)第2二重ジグザグ屈曲(18)が形成されるよう第3及び第4長折線(19,20)を境に原反を180°ずつ折り曲げその熱熔接可能面に重ねることで、第4長折線(20)とその最寄りにあるシート長縁(11)との間に第2側壁(7)を形成する工程と、
(c)シートの第1及び第2長縁(9,11)間でその位置が揃い内面同士が接することとなるよう、且つ第4長折線と第5長折線(21)の間にスパウト(3)の配列が位置することとなるよう、第5長折線(21)を境にシートを180°折り曲げその熱熔接可能面に重ねることで、第4長折線と第5長折線(21)の間に容器天井(5)、第5長折線(21)と第2長折線(17)との間に第1側壁(8)をそれぞれ形成する工程と、
(d)容器下床の隅部と第1及び第2側壁側の相対向する隅部(23)との間、シートの第1長縁と第2長縁の間、第2長折線に対し平行な帯状部分(24’)を挟み対向しているシート構成部分同士の間、並びに第1及び第2側壁のうち中空収縮時容器幅に応じた間隔で2本の横断熔接ビード(26)が形成されるべき部分間を、それぞれ熔接で相互固定する工程と、
(e)その横断熔接ビード(26)の略中央を切れ目が通るよう横断方向沿いに切断することで、折り畳まれたシートから1個又は複数個の容器を分離させる工程と、
(f)その容器上で第4長折線(20)と第5長折線の間を占める容器天井を、その第4長折線をその容器の第2側壁(7)から引き離しながらその容器の本体に略直交する姿勢まで回動させることで、スパウト(3)で懸架又は固定し輸送することが可能な状態へと容器を移行させる工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、
(g)容器天井(5)の隅部のうちその背面が第2側壁(7)に接しているもの(27)と第2側壁側の対応する部分との間、並びに先行する工程で未実施の場合は第2側壁の隅部のうち容器天井(5)より下方にあるものと第1側壁(8)のうちその隅部に対向している部分との間を、それぞれ熱熔接で相互固定する工程と、
(h)容器天井(5)の隅部のうちその背面が第1側壁(8)の一部分に対向しているもの(25)と第1側壁(8)側の対応する部分との間を熱熔接で相互固定する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、容器天井(5)の隅部(25,27)二対と側壁(8,7)とをつなぐ4個の熱熔接耳を対象にした切断、接着、折り曲げ乃至調製工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、容器天井(5)の隅部(25,27)二対と側壁(8,7)とをつなぐ4個の熱熔接耳が三角形であり、且つそれら熱熔接耳を斜辺沿いに切断して容器天井(5)及び個々の側壁(8,7)に相応の傾斜を付与する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のうちいずれか一項記載の方法であって、
シート(2)の第1長縁(9)が第1及び第2長折線(16,17)間の距離と等しい距離を以て第1長折線(16)から隔たるよう、ひいては第2長折線(17)に重なりその位置が揃うよう、ステップ(a)にて第1二重ジグザグ屈曲(15)を形成し、
第3及び第4長折線(19,20)間の距離が第1及び第2長折線間の距離と略等しくなるよう、ステップ(b)にて第2二重ジグザグ屈曲(18)を形成し、
第4及び第5長折線(20,21)間の距離が第1及び第2長折線間の距離の略2倍になるよう、且つ形成される容器で容器天井(5)となるべき四角形領域の幾何中心にスパウト(3)が配置されるよう、ステップ(c)を実行することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちいずれか一項記載の方法によって製造された容器。
【請求項14】
請求項13記載の容器(10)であって、
形成に使用されたシートが、その片面又は両面への熱熔接が可能な可撓材製の原反1枚又は複数枚で形成されており、
容器天井(5)が、横断方向にも長尺方向にも折れ目がない略平行四辺形の面及び複数本の斜辺(31)を有すると共に容器内容物取出用のスパウト(3)を伴い、
第1及び第2側壁(8,7)が、それぞれ、容器天井の斜辺に倣いその上縁に設けられた斜辺(32)と、その斜辺を容器天井側の対応する斜辺に熱熔接で固定することにより生じた一対の傾斜熔接ビード(33)と、容器の対向辺同士を固定することで容器下床(14)に亘り生じた縦断熔接ビード(35)と、を有し、
容器天井が、更に、当該容器天井の中央部分から対をなす傾斜熔接ビードの挾間を通りその対に対応する縦断熔接ビードに至る先窄まり形状の傾斜肩(34)を有する容器。
【請求項15】
請求項14記載の容器(10)であって、側壁のうち少なくとも一方(8)から容器天井(5)を越え上方へと延設された上方張出部(8’)と、その上方張出部(8’)に隣り合うようシートの一部分を折線(36)に沿い上方に折ることで容器天井(5)の片側に形成された鰭部(37)と、を備え、鰭部(37)及び上方張出部(8’)がその外周に沿い堅固に相互固定され容器(10)の襟部(38)を形成していることを特徴とする容器。
【請求項16】
請求項13乃至15のうちいずれか一項記載の容器(10)であって、容器天井(5)のうち傾斜肩(34)となっている部分のうちいずれかにスパウト(3)が位置することを特徴とする容器。
【請求項17】
請求項13乃至16のうちいずれか一項記載の容器(10)であって、連続的な1枚のシート上で容器天井(5)相当部分と少なくとも一方の側壁(8)相当部分とが途切れなく連なる部位に、その側壁(8)相当部分の上縁への熱熔接による固定で縦リム(39)が設けられたことを特徴とする容器。
【請求項18】
請求項13乃至17のうちいずれか一項記載の容器(10)であって、1枚のシートから形成されたことを特徴とする容器。
【請求項19】
請求項1記載の方法を実行するマシンであって、
複数枚の原反を長尺方向沿いに連結することで形成された1枚のシート又は元来1枚の連続的な原反である1枚のシートに一群の孔を形成し、その孔内に相応のスパウト(3)を配置する装置(101,102,103)と、
第1側壁相当部分の上にその一辺を挟みスパウト配置済部分込みの帯状部分が重なり、第2側壁相当部分に端部屈曲が生じ、且つその端部屈曲が当該帯状部分の背面に接する形状の断面になるよう、そのシートを折り畳む手段と、
折り畳まれたシートから製造対象たる容器を分離させる横断方向切断手段(108)と、
その容器の断面が略T字状の輪郭を呈するまで上記帯状部分を容器の側壁に対し回動させる手段と、
をシート進行方向沿いにこの順で備えることを特徴とするマシン。
【請求項20】
請求項19記載のマシンであって、
連続的なシートを折り畳む折り畳みシステムと、
その折り畳みシステムの下流にあり、折り畳みシステムで折り畳まれたシートを平坦化して横断方向切断手段(108)に送る一組のローラと、
を備え、上記折り畳みシステムが、
シートの第1長縁が第1及び第2長折線間の距離と等しい距離を以て第1長折線から隔たるよう、ひいては第2長折線に重なりその位置が揃うよう、第1及び第2長折線を境にシートを折り曲げ第1二重ジグザグ屈曲を形成するのと同時に、第3長折線とその最寄りにあるシート長縁との間の距離がその容器の側壁に期待される高さと等しくなるよう、連続的なシートを第3及び第4長折線を境に折り曲げ第2二重ジグザグ屈曲を形成する第1折り曲げ装置(104)と、
シートに備わる二本の長縁間でその位置が揃い内面同士が接することとなるよう、且つ第4長折線と第5長折線の間に孔が位置することとなるよう、連続的なシートを第5長折線を境に180°折り曲げその熱熔接可能面に重ねる簡略な第2折り曲げ装置(105)と、
を有することを特徴とするマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20a】
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【図20b】
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【図21a】
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【図21b】
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【図22a】
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【図22b】
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【図23a】
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【図23b】
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【図24】
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【公表番号】特表2013−500890(P2013−500890A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523357(P2012−523357)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/ES2010/070452
【国際公開番号】WO2011/015696
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(512030120)ヴォルパク エス エー ユー (1)
【Fターム(参考)】