説明

可溶性フィルム組成物

不安定活性成分の有効量を皮膚へ送達するシステム、キットおよび方法であって、水溶性ポリマーフィルム中に組み込まれた不安定活性成分の有効量および上記水溶性ポリマーフィルムを溶解することができる付加組成物を含む上記のシステム、キットおよび方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は皮膚に適用する可溶性フィルム組成物に関する。特に、本発明は安定な活性成分を皮膚へ送達する可溶性フィルム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
化粧品組成物の共通の問題は今なお、活性成分の皮膚への効果的な送達にある。化粧品組成物は化粧品として許容されるために多種の成分を有することが多いので、活性成分の量は希釈されることが多い。さらに、他の成分が存在するために皮膚内部に実際に送達される活性成分の量は妨げられうる。化粧品組成物中の成分が活性成分の皮膚への効果的な送達を妨げない場合でも、活性成分が皮膚に首尾よく接着できず本質的な活性成分を皮膚に送達できないこともありうる。
【0003】
さらに多くの活性成分は化粧品ビヒクル中で不安定である。例えば、ポリフェノンE、すなわち緑茶の活性成分を含水乳剤中に組み込むと急激に変色しかつ活性を失う。ポリフェノンEが強力な抗チロシナーゼ活性を有することは公知である。皮膚の色素沈着および黒化は上皮メラノソーム中のメラニンの量に関係する。メラノソーム中で、酵素チロシナーゼはチロシンを酸化し、得られる中間体化合物は重合して黒褐色のメラニン色素を形成する。メラニンの形成はヒトの防衛機構であって皮膚を有害な紫外線から保護すると考えられる。しかし、長時間の日光曝露後のまたは上皮メラニンユニットの障害に因るメラニンの過剰形成は黒皮症、そばかす、および色素沈着化粧品性皮膚炎の原因となる。過剰なメラニン形成の正確な機構は全て解明されてないが、チロシナーゼの活性化が重要な因子であると思われる。従って、チロシナーゼの酵素活性をモジュレートすることができる化学薬剤の開発は上記の望ましくない皮膚の状態を抑制するために高い価値を有しうる。米国特許第5,466,718号を参照されたい。
【0004】
ヒノキチオールが抗刺激、抗微生物および皮膚美白特性を有する殺細菌剤(bacterial fungicide)であることは公知である。しかし、ヒノキチオールを乳剤中に組み込むと、ヒノキチオールは強い不快臭を発生しかつ貯蔵時に乳剤を黄褐色に変色する。
【0005】
レチノイドは、レチノールすなわちビタミンAアルコールに関係する合成および天然化合物の大きなグループを構成する。哺乳動物においてレチノイドは上皮細胞の維持を含めて必須な役割を果たしている。しかし、レチノイドは化学的に不安定でかつ水にほとんど不溶であることが知られている。それ故にレチノイドを化粧品組成物中に組み込むことは困難である。
【0006】
他の例としては、化粧品組成物中で不安定であるビタミン類が挙げられる。例えば、ビタミンCは皮膚に対して美白およびのコラーゲン合成刺激を含む多くの利点をもたらす。当技術分野で公知のように、コラーゲン合成は皮膚を強化し、筋およびしわを減ずることを助ける。しかし、ビタミンCは水、酸素および光に曝されると非常に不安定であり、それ故にその活性を失いかつ急激に変色することが公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故に、不安定な活性成分を皮膚に送達する一方、活性成分にとって安定な環境を作るのに有効な局所送達システムに対する必要性は今なお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明は、不安定活性成分の有効量を皮膚へ送達するためのシステム、キットおよび方法であって、水溶性ポリマーフィルム中に組み込まれた不安定活性成分および水溶性ポリマーフィルムを溶解することができる付加組成物(additive composition)を含む上記システム、キットおよび方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の詳細な説明
以下に本発明で使用する用語の定義を記載する。
【0010】
定義
用語「有効量」は、皮膚に対して化粧品効果を生じるために十分な量を意味する。
【0011】
用語「水溶性」は、その物質が水に少なくとも95%溶解することを意味する。
【0012】
用語「不安定活性成分(labile active)」は、空気、水、および光ならびに乳剤などの化粧品製剤に曝すと、その自然状態から変化もしくは分解するおよび/または効力もしくは活性を失う活性成分を意味する。
【0013】
化粧品組成物は乳剤の剤形である場合が多いので、無保護の不安定活性成分は水に曝されるか、または環境曝露に対してあまり保護されていない包装で提供される。従って、無保護の不安定活性成分が化粧品組成物で提供されると、不安定活性成分は分解するために活性成分の所望の効果が低下しうる。従って、不安定性を避けるように活性成分を包装するだけでなく、活性成分が保護された方式で送達する手段を提供する必要がある。
【0014】
この目的のために、本発明は不安定活性成分の有効量を保護された方式で皮膚に送達するシステムを提供する。ある好ましい実施形態においては、本発明のシステムは水溶性ポリマーフィルム中に組み込まれた不安定活性成分の有効量を含有する1つの組成物および該水溶性ポリマーフィルムを溶解することができる1つの付加組成物を含む。
【0015】
不安定活性成分は、環境分解を受けるいずれの化粧品成分、例えば、酸化防止剤、老化防止剤、美白剤、紫外線保護剤、皮膚コンディショナー、またはそれらの組み合わせなどでありうる。一実施形態においては、本発明の活性成分はポリフェノール活性成分から選択される。他の実施形態においては、不安定活性成分は具体的には、緑茶エキス、白茶エキス、紅茶エキス、黒茶エキス、甘草エキス、植物スフィンゴシン、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、白樺エキス、ヒノキチオール、コーヒーエキス、茯苓きのこエキス、アスコルビン酸、メナモミ(siegesbeckia)、ローズマリーエキス、シリマリン(silymarin)、ボスウェリア(Boswellia)エキス、ユビキノン、レチノイド、レスベラトロル(resveratrol)、コレステロール硫酸カリウム(potassium cholesterol sulfate)、プロテアーゼ酵素、リパーゼ酵素、アピゲニン(Apigenin)、ビタミンE、ブドウ種子エキス、ルテイン、リコカルコン、ルテオリン、ウルソル酸(ursolic acid)、ツボクサ(Centella asiatica)エキス、ジメニニック(ximenynic)酸、フェルル酸、アメントフラボン(amentoflavone)、ジヒドロキシアセトン、共役リノール酸、サリチル酸、1,3-βグルカン、およびトリクロサン、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。エキスが以上に記載される場合、エキスに対する言及はまた、そのエキスのいずれかおよび全ての不安定活性成分を包含するものであると理解されよう。不安定活性成分およびエキス、ならびにそれらの不安定性に関わる原因のリストを以下の表1に記載する。
【0016】
表1
【表1】

【0017】

【0018】
本発明のシステムで使用される不安定活性成分の有効量は、選択した活性成分および所望の化粧品効果に応じて変わりうるが、通常選択した物質に対する公知の活性濃度の範囲内にあるか、またはいくつかの事例では活性が高く保持されるのでそれより低くてもよい。総合すると、ガイドラインとして、その範囲は典型的には重量で全組成の0.001%〜5%であろう。一例として、ある好ましい実施形態においては、ヒノキチオールの有効量は0.001%〜0.5%、好ましくは0.01〜0.3%そして最も好ましくは0.05〜0.1%である。他の例として、酸化防止剤、例えば植物エキスの有効量は、0.001%〜2%、好ましくは0.01%〜1.5%そして最も好ましくは0.1%〜1%である。不安定活性成分は、本発明のシステムにおいて、それぞれの活性成分が他の活性成分の安定性を妨害しない限り、組合わせて使用しうることは特記すべきである。当業者は、色々な活性成分の不安定性に関する一般に利用しうる情報に基づいて、かかる組み合わせを確認することができるであろう。
【0019】
本発明のシステムの他の構成要素は水溶性フィルム形成剤を含有する水溶性ポリマーフィルムであり、そのフィルム中に少なくとも1種の不安定活性成分が組み込まれる。驚くべきことに、水溶性ポリマーフィルムは不安定活性成分を、不安定活性成分が組み込まれる前には不安定性を助長する因子から保護する。具体的に説明すると、水溶性ポリマーフィルムはいずれの水または水システムの成分も含有しないので、それにより、不安定活性成分を典型的な含水化粧品基剤内に組み込むことを計画するときに遭遇する溶解度および安定性の問題を回避する。不安定活性成分は、好ましくは、水溶性ポリマーフィルムの皮膚と接触する側に組み込まれる。水溶性ポリマーフィルムを皮膚に適用して次いでフィルムを溶解すると、不安定活性成分は実質的に変化しない状態で皮膚に効果的に移行され、そして所望の化粧品効果を与える。
【0020】
好ましい実施形態においては、水溶性ポリマーフィルムは本来粘着性または付着性/接着性があるものであって、水溶性ポリマーフィルムを皮膚に適用するとフィルムは皮膚に接着することができる。
【0021】
粘着性の水溶性ポリマーフィルムを形成できる水溶性フィルム形成剤の例としては、限定されるものでないが、コラーゲン誘導体、セルロース誘導体、例えば、ニトロセルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース;プルラン、ビニルピロリドンのホモおよびコポリマー、例えばPVPまたはPVP/PVAコポリマー;ビニルアルコールのホモおよびコポリマー、例えばポリビニルアルコール、アクリル酸および/またはメタクリル酸のホモおよびコポリマー、ならびにそれらの塩およびエステル、デンプンおよびそれらの誘導体、またはガム、例えばキサンタンガム、アラビアガム、グアールガム、カロブビーンガム、セルロースガム、アルギン酸塩、野菜タンパク質、シェラック、クロトン酸ポリマー、アジピン酸ポリマーまたはカラギーナン、およびそれらの混合物が挙げられる。一般的に、これらの水溶性フィルム形成剤からフィルムを作る方法は当技術分野で周知である。
【0022】
1種以上の水溶性ポリマーフィルム形成剤を組合わせて使用し、不安定活性成分を組み込む第1層を形成しうることは特記すべきである。
【0023】
ある好ましい実施形態においては、本発明の組成物は少なくとも2層のポリマーフィルムを含む。好ましくは、第2の水溶性ポリマーフィルムも最終組成物の物理的安定性を付与するために利用し、それにより、不安定活性成分を組み込む接着水溶性ポリマーフィルム層にさらに潤滑性と延展性を与える。かかる第2のフィルムは皮膚における上記組成物の可溶性を妨げることのない量を使用しなければならない。第2の水溶性ポリマーフィルムは活性成分を含有する第1の水溶性ポリマーフィルムと異なり、区切られた2層を維持できるようにすることが好ましい。
【0024】
この目的に有用な水溶性フィルム形成剤の例としては、限定されるものでないが、ポリエチレン、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)、親水性シロキシケイ酸エステル、親水性シリコーンポリアクリレートおよびそれらの組み合わせが挙げられる。(このリストでチェックすること)。第2層のそれぞれの薬剤は区切られた2層を維持する第1層の水溶性フィルム形成剤(1種以上)と異なるという限定のもとに、1種以上の水溶性ポリマーフィルム形成剤を組合わせて使用して水溶性ポリマーフィルムの第2層を形成することができるのは特記すべきである。
【0025】
ある好ましい実施形態においては、第1の接着フィルム層の水溶性フィルム形成剤は、湿組成物重量により30%〜90%、好ましくは35%〜75%、そして最も好ましくは40%〜70%の量を使用する。
【0026】
ある好ましい実施形態においては、第2のフィルム層の水溶性フィルム形成剤は、湿組成物重量により2%〜50%、好ましくは4%〜40%、そして最も好ましくは6%〜30%の量で存在する。
【0027】
好ましい実施形態においては、不安定活性成分を組み込む水溶性ポリマーフィルムの第1層は、フィルムキャスティング(casting)用の溶液を用いて作る。上記溶液は少量の水溶性フィルム形成ポリマーを水に溶解することにより作る。選択した不安定活性成分の有効量を、得られる上記溶液に直接加える。次いでその溶液を均一に混合し、そして、例えば、清浄なセラミックタイルプレートまたは他の好適な表面上に注ぎ、そして溶液の均一なコーティングが行われるまでプレート全体をローラーで処理する。(もし不安定活性成分が熱に耐えることができれば)プレートを次にオーブン中で焼いて水の蒸発を加速させるか、または当業者に公知の方法、例えば市販の手持ちヘアドライヤーを用いて、もしくは一晩ファンを用いて乾燥し、溶液をフィルムにコーティングする。使用する方法は利用する活性成分および活性成分の水との反応性に応じて決定しうる。例えば、より水感受性である活性成分を含有するフィルムは直ぐに乾燥させるが、水安定性である活性成分は一晩乾燥してもよい。水溶性ポリマーフィルムを乾燥して、フィルムが本質的に乾燥して2%以下、好ましくは0.1%〜1%以下の水を含有するようにする。
【0028】
2層組成物を作る場合、水溶性ポリマーフィルムの第2層を当業者に公知の方法により第1の水溶性ポリマーフィルム中の活性成分が作用する側の反対側に隣接して接着させ、第2のポリマーフィルムが活性成分の作用を妨害しないようにする。具体的には、水溶性ポリマーフィルムの第1層と水溶性ポリマーフィルムの第2層の両方を上記の通り乾燥する。その後、水溶性ポリマーフィルムの第2層を水溶性ポリマーフィルムの第1層上に、ポリマー層を作る当業者に公知の方法、例えばローラー積層により接着し、こうして第2層を第1層に隣接して接着させることにより2つの区切られた層を作製する。水溶性ポリマーフィルムの第2層は、水溶性ポリマーフィルムの第1層上に当技術分野で公知の方法によりローラー積層することができる。
【0029】
得られる水溶性ポリマーフィルム組成物を次いでサイズに合わせてカットする。ある好ましい実施形態においては、フィルム組成物を例えば、パッチの形態で、プラスチックもしくはフォイルに包んで、または他の保護封入物でさらに包装しうる。使用者の手で、該パッチを皮膚に適用し、そこで、パッチを下記の方法により再溶解する。得られる水溶性ポリマーフィルム組成物の第1層の一例を下記実施例1に示した。得られる2層フィルム組成物の一例を下記実施例2に示した。
【0030】
以上の項で、水溶性ポリマーフィルム中に組み込んだ不安定活性成分を含む組成物の基本的な要素を記載した。しかし、他の成分をこのフィルム中に組み込むことが望ましい場合もありうる。
【0031】
一実施形態においては、本発明の水溶性ポリマーフィルムはさらに、さらなる潤滑性および水溶性フィルム形成ポリマーの延展性を与えるために組み込む可塑剤を含有してもよい。可塑剤は、不安定活性成分を妨げることのないいずれの物質であってもよく、それらは当業者に公知である。もし可塑剤を使用するのであれば、可塑剤と水溶性フィルム形成ポリマーを乾燥する前に、不安定活性成分(1種以上)を上記の方法を用いて可塑剤中に直接組み込むことができる。
【0032】
本発明のフィルム形成ポリマーの可塑剤として作用しうる例示の物質の限定されないリストとしては、アジピン酸ジイソブチル、クエン酸、アセチル-トリ-n-ブチル、アゼライン酸ジ(2-エチルヘキシル)、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、イソフタル酸ジイソオクチル、フタル酸イソオクチルベンジル、ステアリン酸ブチル、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル、ネオペンタン酸N-オクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、コロイダル・ヒュームドシリカ(Cabot社が販売するCab-O-Sil(登録商標)など)およびほとんどの芳香物質が挙げられる。好ましくは、可塑剤はポリオール、例えば1,3ブチレングリコールであり、その理由は最小限の濃度で可塑剤効果を与える特性が知られているからである。
【0033】
可塑剤は、もし使用するのであれば、湿組成物の0.01%〜20%、好ましくは0.1%〜10%、そして最も好ましくは0.15%〜5%の量で存在する。
【0034】
当業者は、以上の成分が本発明のフィルムの好ましい要素を代表するが、化粧品/治療効果を構成する他の任意の要素を含んでもよいことを容易に認識するであろう。これらの任意の要素は、不安定活性成分の安定性を損なわなわないようにかついくつかの事例では好ましくは向上しうるように選択される。かかる任意の成分には、限定されるものでないが、安定剤、保存剤、界面活性剤、乳濁化剤、染料および他の非不安定活性成分が挙げられる。
【0035】
不安定活性成分を送達するためのシステムのさらなる構成要素として、湿潤溶液または追加溶液を利用する。不安定活性成分は水または空気などの因子に曝されると相対的に不安定であるので、活性成分が皮膚中に運ばれるまでかかる不安定活性成分はかかる因子から遮断されることを推奨する。しかし、皮膚上で機能を果たすために、水溶性ポリマーフィルムを湿潤剤または活性化剤である付加組成物を用いて湿らせることが好ましい。付加組成物は、水溶性ポリマーフィルムとは別に与えて、活性成分の皮膚への送達前に付加組成物が不安定活性成分を不安定化することのないようにする。不安定活性成分が皮膚に接触している時に水溶性ポリマーフィルムが溶解するにつれて不安定活性成分が皮膚に移行するように、付加組成物を用いて水溶性ポリマーフィルムを湿らせる。不安定活性成分は、フィルムの一部分として、使用者の皮膚に実際に適用される瞬間まで相対的に安定な状態で維持される。
【0036】
付加組成物は、使用する水溶性ポリマーフィルムの相対的な水溶解度および本発明の組成物中の添加成分の性質に応じて、通常の水のように単純であってもまたはポリオールなどの水混和性成分であってもよい。付加組成物は好ましくは、フィルムを適用すると不安定活性成分を移行させるフィルムを湿らせて、フィルム中の不安定活性成分を皮膚へ放出することができる。
【0037】
付加組成物がいくつかの種類の添加物および活性成分を含有することは、かかる添加物および活性成分が付加組成物の水性の性質を妨げない性質であるかまたは量で使用される限り有益であり、それらとしては、限定されるものでないが、"The CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、Tenth Edition (2004)"に記載の成分クラスが挙げられ、研磨材、吸収剤、エステ成分、例えば芳香剤、色素、発色剤/着色剤、精油、皮膚センセイト(skin sensate)、アストリンジェントなど、にきび防止薬、固化防止薬、消泡剤、抗微生物薬、酸化防止剤、バインダー、生物学的添加物、緩衝剤、充填剤、キレート剤、化学添加物、着色剤、化粧品アストリンジェント、化粧品バイオサイド、変性剤、薬用アストリンジェント、外用鎮痛剤、フィルム形成剤または物質、例えば、フィルム形成特性および組成物の実質性(substantivity)を助けるポリマー、乳白剤、pH調節剤、噴霧剤、還元剤、封止剤、皮膚漂白および美白剤、皮膚コンディショナー(例えば、湿潤剤、軟化剤または保湿剤)、皮膚鎮静剤および/または治癒剤、皮膚トリートメント剤、増粘剤、およびビタミン類ならびにそれらの誘導体が含まれる。効能により分類したが、本発明で有用な活性成分はある場合には1以上の効能を与えまたは1以上の作用機序を介して作用しうることを特記すべきである。従って、ここに記載した分類は便宜上行ったものであり、特定の適用または列挙した適用に対する活性に限定することを意図するものでない。
【0038】
付加組成物中の有用なさらなる成分のさらに具体的な例としては、レチノイド例えばレチノール、およびエステル、酸、およびそれらのアルデヒド;アスコルビン酸、およびエステルおよびそれらの金属塩、トコフェロールおよびエステルおよびそれらのアミド誘導体;サメ軟骨;ミルクタンパク質;α-またはβ-ヒドロキシ酸;DHEAおよびそれらの誘導体;局所心血管薬;クロトリマゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、グリセオフルビン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、メピバカイン、モノベンゾン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、メクロシリン(meclocyline)、ハイドロキノン、ミノサイクリン、ナプロキセン、イブプロフェン、テオフィリン、クロモリン、アルブテロール、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21-酢酸塩、ヒドロコルチゾン17-吉草酸塩、ヒドロコルチゾン17-酪酸塩、ベタメタゾン吉草酸塩、ベタメタゾンジプロピオン酸塩、トリアミノロンアセトニド、フルオシノニド、クロベタゾール、プロピオン酸塩、過酸化ベンゾイル、クロタミトン、プロパノール、プロメタジン、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明のシステムの製剤の特に好ましい実施形態は、ヒノキチオールなどの活性成分を組み込んでいる美白製品として用いられる皮膚ケアパッチである。
【0039】
付加組成物中の成分が、水溶性フィルム形成ポリマー中の不安定活性成分と同定された成分と重複してもよいことは特記すべきである。しかし、付加組成物中の活性成分は化粧品製剤で通常のやり方で使用されるものであり、本発明のシステムで見出されるように、相対的に優れた保護状態で不安定活性成分を送達することにより得られる驚くほど有効な化粧品効果を与えるものではない。
【0040】
キット
不安定活性成分を含有するフィルムおよび付加組成物の2つの要素を含む本発明のシステムは、分離した要素として提供することができる。例えば、使用者はフィルムを皮膚に適用し、その後、フィルムを単純な水道水の適用によりまたは別に得られるフィルムを溶解できるさらなる化粧品組成物(例えば水系乳剤もしくはトナーなど)の適用により溶解することができる。ある好ましい実施形態においては、しかし、末端消費者の便宜のために、本発明のシステムをキット、すなわち不安定活性成分を含有する水溶性フィルムと付加組成物を含有する別の容器とを組合わせて両方を含有するユニットパッケージとして提供する。ユニットパッケージは箱、スズ缶、段ボール円筒、または諸成分を一緒に包んだシュリンク・ラップであってもよい。一実施形態においては、パッケージを、環境因子への曝露を少なくしてさらに成分を安定化するように工夫する、すなわち、気密にするかまたは光への曝露を避けるために遮光してもよい。パッケージで提供する要素はまた、色々な形態で提供することができる。例えば、フィルムは便利なディスペンサーで提供することができるし、または個別にプラスチック、ホイル、紙、セロハン、またはグラシン・パケットまたはパッチの形態の包みであってもよい。典型的には液性の付加組成物をガラスもしくはプラスチックボトル(例えば、絞りもしくは注ぎボトル、またはエーロゾルもしくは非エーロゾルポンプ)、またガラスもしくはプラスチックビン、または液組成物を保持するのに好適ないずれかの他の容器に詰めることができる。
【0041】
好ましい使用法
本発明のシステムとキットを用いて多数の利点を得ることができる。不安定活性成分を組み込む水溶性ポリマーフィルムを皮膚に適用し、そして付加組成物を用いて再湿潤し、それにより不安定活性成分を皮膚に安定な形態で移行することができる。本発明のシステムおよび/またはキットは不安定活性成分を皮膚に送達する優れた手段として作用する。不安定活性成分を運ぶフィルムは、必要な治療に適合するためにいずれの形状またはサイズで作ってもよい。それ故に、適当な形状のフィルムを斑点治療または広面積治療用のマスクに用いることができる。具体的な例は、美白効果を与える活性成分を送達するための本発明のシステムおよび/またはキットの使用である。美白組成物の全皮膚表面への適用よりもむしろ、フィルムパッチは美白剤を加齢斑点または変色領域へ直接送達することができる。この目的で、美白剤、例えばヒノキチオール、コジック酸、ハイドロキノン、アスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、およびアスコルビルグルコシドをフィルム中に組み込み、そして付加組成物を用いて湿らせて、美白剤を美白を所望する皮膚領域へ移行することができる。
【0042】
本発明のシステムおよび/またはキットは、皮膚の様々な部分、例えば眼の隅、上唇沿い、および集中的直接治療、例えば抗加齢もしくは抗しわ治療を必要とする他の領域に使用することができる。例えば、本発明のシステムおよび/またはキットの好ましい使用は斑点しわ治療のためである。1種以上の抗しわ活性成分を含有するパッチを、治療すべき領域、例えばカラスの足跡、眼の下側、唇周囲、首の領域、額の深い溝、および眉領域に直接適用することができる。不安定性、抗しわまたは抗加齢活性成分の例としては、レチノイド、ビタミンC、2-ヒドロキシアルカン酸、プロスタグランジン、セラミドおよびそれらの誘導体が挙げられる。
【0043】
限定されるものでない、可能な活性成分および対応する利点のリストを先に掲げた表1に記載する。1種以上の不安定活性成分を本発明のキットに含む場合、該活性成分はそれぞれの特定の不安定活性成分の公知の有効用量を送達するのに十分な量だけ組み込まれるであろう。
【実施例】
【0044】
次の実施例はさらに本発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0045】
実施例1
不安定活性成分を組み込む本発明の水溶性ポリマーフィルムは、次の表2に記載の通り処方することができる。表2はフィルム乾燥前の組成物の要素の重量%を与える。
【0046】
表2
【表2】

【0047】
実施例2
次の表3に示す組成物は本発明の代わりの実施形態の一例であり、不安定活性成分を組み込む第1層の接着水溶性ポリマーフィルムおよび第1層に隣接して接着する第2層の水溶性ポリマーフィルムを与える。このパッチは主に皮膚の美白を意図する。要素の重量%は最終乾燥組成物中の量を示す。
【0048】
活性化剤または付加組成物の一例を次の表4に記載する。表3と表4の組成物を組み合わせて本発明のシステムおよびキットを提供する。
【0049】
表3
【表3】

【0050】
表4
【表4】

【0051】
実施例3
本実施例は、本発明のシステムの使用と性能を説明する。
【0052】
本実施例は制御された研究であり、2ヶ月間の製品使用から構成される。試験部位は選択した女性パネリストの顔の表面である。その女性に、試験期間中は提供した試験製品を除くいずれのトリートメント製品も試験部位に使用することを控えるよう指示した。皮膚評価は、トリートメント前(基線)、およびトリートメント期間中の2、4、および8週後に行った。
【0053】
女性に上記表3に記載の組成物2パッチを一日一回、朝に顔の両側に適用するよう指示した。パッチをしっかりと皮膚の上に15〜30秒間押さえ付ける。タブを静かに剥がして青いフィルムを顔面に残す。先の表4に記載の付加組成物をそれぞれのパッチに軽くたたいて載せ、そして10〜15回転ブレンドしながら皮膚に塗りこんでフィルムを溶解しかつ皮膚に吸収させる。試験日に女性は、測定を行う前の少なくとも12時間、その製品を適用していない。製品使用は、毎日の日記ならびに研究終了時の残留パッケージ含量の評価によりモニターする。
【0054】
皮膚の色調の研究:
研究開始時に、それぞれのパネリストの頬に皮膚の色調を測定する特定領域をマークした。顔のその特定部分の画像を光ファイバー顕微鏡(fiber optic microscope)(Scalar、Vacaville、CA)を用いて640x320(ほぼ1平方cm)の解像度で取得した。それぞれの頬から3つの画像を記録した。最初の来訪後、同じ領域をそれぞれ同じ時点で撮影した。保存したRGB画像をデジタル化して画像分析プログラムOptimas 6.51を用いて分析した。3つのカラーチャネルのそれぞれの平均グレイ値(Grey value)の標準偏差を決定した。これはカラーについての写真の変動(variation)の量の基準となる。もしある製品が午後の肌の色(evening skin color)に効果的であれば、変動の低下およびグレイ値の分散(variance)の同時低下があるであろう。
【0055】
加齢斑点の研究:
研究開始時に、それぞれのパネリストの頬または手の上の加齢斑点を示している特定の領域をマークした。顔または手の特定部分の画像を光ファイバー顕微鏡(Hi-Scope)を用いて20xの拡大率で取得した。パネリスト1人当たり3つの加齢斑点を選んだ。最初の来訪後に、同じ領域をそれぞれ同じ時点で撮影した。保存したRGB画像をデジタル化して画像分析プログラムOptimas 6.51を用いて分析した。保存したRGB画像をデジタル化して分析し、対応する加齢斑点の平均グレイ値(Grey value)(すなわち密度)と面積を決定した。もしある製品が加齢斑点の出現を減少するのに有効であれば、グレイ値(密度)の増加と斑点面積の減少が起こるであろう。
【0056】
皮膚美白の研究:
皮膚美白をクローズアップ写真を用いて評価して記録した。右と左の顔面の頬の写真をNikon M3デジタルカメラを用いて撮影した。パネリストの頭をヘッドレストに置いて位置の再現性を確実なものにした。カメラをパネリストから2フィートに配置し、絞りはFストップ32とした。交差偏光レンズ(crossed polarized lens)を用いて写真から全てのグレアを除去した。写真を画像分析プログラムOptimas 6.51を介して評価し、製品使用の前後を比較した。それぞれの写真の3つのカラーチャネル(RGB)の平均グレイ値を測定することにより、美白を分析した。もし製品が皮膚の美白に有効であれば、グレイ値の増加があり得る。
【0057】
次の表5に見られるように、本発明のキットは、製品使用の8週後に治療前と比較して有意に(p<0.05)、皮膚色調を基線測定値と比較して平均46%だけ改善し、加齢斑点の外見を44%だけ減少し、そして皮膚美白を平均36%だけ改善した。
【0058】
表5
【表5】

【0059】
実施例4
上記表3および表4の組成物を用いた上記実施例3と同じ研究を、異なる17人の女性から構成した新しいパネリストについて繰り返した。
【0060】
次の表6に見られるように、本発明のシステムは皮膚色調を基線評価と比較して49%だけ、加齢斑点の外見の減少を47%だけ、そして皮膚美白を40%だけ改善した。
【0061】
表6
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
不安定活性成分を皮膚へ送達するためのシステムであって、少なくとも1つの水溶性ポリマーフィルム中に組み込まれた不安定活性成分の有効量を含有する組成物;および
上記水溶性ポリマーフィルムを溶解することができる付加組成物を含む上記システム。
【請求項2】
不安定活性成分が酸化防止剤、老化防止剤、美白剤、紫外線保護剤、皮膚コンディショナー、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
不安定活性成分が緑茶エキス、白茶エキス、紅茶エキス、黒茶エキス、甘草エキス、植物スフィンゴシン、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、白樺エキス、ヒノキチオール、コーヒーエキス、茯苓きのこエキス、アスコルビン酸、メナモミ(siegesbeckia)、ローズマリーエキス、シリマリン(silymarin)、ボスウェリア(Boswellia)エキス、ユビキノン、レチノール、レスベラトロル(resveratrol)、コレステロール硫酸カリウム(potassium cholesterol sulfate)、プロテアーゼ酵素、リパーゼ酵素、アピゲニン(Apigenin)、ビタミンE、ブドウ種子エキス、ルテイン、リコカルコン、ルテオリン、ウルソル酸(ursolic acid)、ツボクサ(Centella asiatica)エキス、ジメニニック(ximenynic)酸、フェルル酸、アメントフラボン(amentoflavone)、ジヒドロキシアセトン、共役リノール酸、サリチル酸、1,3-βグルカン、およびトリクロサン、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
不安定活性成分がヒノキチオールである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
不安定活性成分がポリフェノールである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
ポリフェノールが緑茶エキスである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
該組成物が少なくとも2つのポリマーフィルムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つのフィルムが皮膚接着性である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
不安定活性成分が皮膚接着性フィルム中に組み込まれている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
第2のポリマーフィルムを皮膚接着性フィルムに隣接して接着させる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
ポリマーフィルムが0.1%〜2%以下の水を含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
水溶性ポリマーフィルムがコラーゲン誘導体、セルロース誘導体、プルラン、ビニルピロリドンのホモおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモおよびコポリマー、アクリル酸および/またはメタクリル酸のホモおよびコポリマー、ならびにそれらの塩およびエステル、デンプン誘導体、ガム、アルギン酸塩、野菜タンパク質、シェラック(shellac)、クロトン酸ポリマー、アジピン酸ポリマー、カラギーナン、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
付加組成物がペプチド、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、グリセロール、尿素、グアニジン、ビタミン類およびその誘導体、日焼け止め、レゾルシノール、サリチル酸、植物ステロール、リポ酸、フラボノイド、アロエベラエキス、アラントインおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される活性成分を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムを含有するユニットパッケージを含む、不安定活性成分を皮膚に送達するためのキット。
【請求項15】
不安定活性成分が酸化防止剤、老化防止剤、美白剤、紫外線保護剤、皮膚コンディショナー、またはそれらの組み合わせの有効量からなる群より選択される、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
不安定活性成分が緑茶エキス、白茶エキス、紅茶エキス、黒茶エキス、甘草エキス、植物スフィンゴシン、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、白樺エキス、ヒノキチオール、コーヒーエキス、茯苓きのこエキス、アスコルビン酸、メナモミ(siegesbeckia)、ローズマリーエキス、シリマリン(silymarin)、ボスウェリア(Boswellia)エキス、ユビキノン、レチノール、レスベラトロル(resveratrol)、コレステロール硫酸カリウム(potassium cholesterol sulfate)、プロテアーゼ酵素、リパーゼ酵素、アピゲニン(Apigenin)、ビタミンE、ブドウ種子エキス、ルテイン、リコカルコン、ルテオリン、ウルソル酸(ursolic acid)、ツボクサ(Centella asiatica)エキス、ジメニニック(ximenynic)酸、フェルル酸、アメントフラボン(amentoflavone)、ジヒドロキシアセトン、共役リノール酸、サリチル酸、1,3-βグルカン、およびトリクロサン、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14に記載のキット。
【請求項17】
不安定活性成分がヒノキチオールである、請求項14に記載のキット。
【請求項18】
不安定活性成分がポリフェノールである、請求項14に記載のキット。
【請求項19】
ポリフェノールが緑茶エキスである、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
該組成物が少なくとも2つのポリマーフィルムを含む、請求項14に記載のキット。
【請求項21】
少なくとも1つのフィルムが皮膚接着性である、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
不安定活性成分が皮膚接着性フィルム中に組み込まれている、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
第2のポリマーフィルムを皮膚接着性フィルムに隣接して接着させる、請求項21に記載のキット。
【請求項24】
ポリマーフィルムが0.1%〜2%以下の水を含有する、請求項14に記載のキット。
【請求項25】
水溶性ポリマーフィルムがコラーゲン誘導体、セルロース誘導体、プルラン、ビニルピロリドンのホモおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモおよびコポリマー、アクリル酸および/またはメタクリル酸のホモおよびコポリマー、ならびにそれらの塩およびエステル、デンプン誘導体、ガム、アルギン酸塩、野菜タンパク質、シェラック、クロトン酸ポリマー、アジピン酸ポリマー、カラギーナン、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項14に記載のキット。
【請求項26】
付加組成物がペプチド、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、グリセロール、尿素、グアニジン、ビタミン類およびその誘導体、日焼け止め、レゾルシノール、サリチル酸、植物ステロール、リポ酸、フラボノイド、アロエベラエキス、アラントインおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される活性成分を含む、請求項14に記載のキット。
【請求項27】
不安定活性成分を安定化する方法であって、不安定活性成分を水溶性ポリマーフィルムを含む組成物中に組み込むステップおよび該組成物を乾燥してフィルムを形成するステップを含む上記方法。
【請求項28】
水溶性ポリマーフィルムがコラーゲン誘導体、セルロース誘導体、プルラン、ビニルピロリドンのホモおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモおよびコポリマー、アクリル酸および/またはメタクリル酸のホモおよびコポリマー、ならびにそれらの塩およびエステル、デンプン誘導体、ガム、アルギン酸塩、野菜タンパク質、シェラック、クロトン酸ポリマー、アジピン酸ポリマー、カラギーナン、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
不安定活性成分が酸化防止剤、老化防止剤、美白剤、紫外線保護剤、皮膚コンディショナー、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
不安定活性成分が緑茶エキス、白茶エキス、紅茶エキス、黒茶エキス、甘草エキス、植物スフィンゴシン、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、白樺エキス、ヒノキチオール、コーヒーエキス、茯苓きのこエキス、アスコルビン酸、メナモミ(siegesbeckia)、ローズマリーエキス、シリマリン(silymarin)、ボスウェリア(Boswellia)エキス、ユビキノン、レチノール、レスベラトロル(resveratrol)、コレステロール硫酸カリウム(potassium cholesterol sulfate)、プロテアーゼ酵素、リパーゼ酵素、アピゲニン(Apigenin)、ビタミンE、ブドウ種子エキス、ルテイン、リコカルコン、ルテオリン、ウルソル酸(ursolic acid)、ツボクサ(Centella asiatica)エキス、ジメニニック(ximenynic)酸、フェルル酸、アメントフラボン(amentoflavone)、ジヒドロキシアセトン、共役リノール酸、サリチル酸、1,3-βグルカン、およびトリクロサン、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
不安定活性成分がヒノキチオールである、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
不安定活性成分がポリフェノールである、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
ポリフェノールが緑茶エキスである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
該組成物が少なくとも2つのポリマーフィルムを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つのフィルムが皮膚接着性である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
不安定活性成分が皮膚接着性フィルム中に組み込まれている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
第2のポリマーフィルムを皮膚接着性フィルムに隣接して接着させる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ポリマーフィルムが0.1%〜2%以下の水を含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
さらにフィルム形成剤を溶解することができる付加組成物を適用するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
不安定活性成分を皮膚へ送達する方法であって、不安定皮膚ケア活性成分の有効量を含有する少なくとも1つの水溶性ポリマーフィルムを含む第1組成物を皮膚に適用するステップおよび上記フィルムを溶解することができる第2組成物を上記フィルムに適用するステップを含む上記方法。
【請求項41】
水溶性ポリマーフィルムがコラーゲン誘導体、セルロース誘導体、プルラン、ビニルピロリドンのホモおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモおよびコポリマー、アクリル酸および/またはメタクリル酸のホモおよびコポリマー、ならびにそれらの塩およびエステル、デンプン誘導体、ガム、アルギン酸塩、野菜タンパク質、シェラック、クロトン酸ポリマー、アジピン酸ポリマー、カラギーナン、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される水溶性薬剤である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
不安定活性成分が酸化防止剤、老化防止剤、美白剤、紫外線保護剤、皮膚コンディショナー、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
不安定活性成分が緑茶エキス、白茶エキス、紅茶エキス、黒茶エキス、甘草エキス、植物スフィンゴシン、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、白樺エキス、ヒノキチオール、コーヒーエキス、茯苓きのこエキス、アスコルビン酸、メナモミ(siegesbeckia)、ローズマリーエキス、シリマリン(silymarin)、ボスウェリア(Boswellia)エキス、ユビキノン、レチノール、レスベラトロル(resveratrol)、コレステロール硫酸カリウム(potassium cholesterol sulfate)、プロテアーゼ酵素、リパーゼ酵素、アピゲニン(Apigenin)、ビタミンE、ブドウ種子エキス、ルテイン、リコカルコン、ルテオリン、ウルソル酸(ursolic acid)、ツボクサ(Centella asiatica)エキス、ジメニニック(ximenynic)酸、フェルル酸、アメントフラボン(amentoflavone)、ジヒドロキシアセトン、共役リノール酸、サリチル酸、1,3-βグルカン、およびトリクロサン、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
不安定活性成分がヒノキチオールである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
不安定活性成分がポリフェノールである、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
ポリフェノールが緑茶エキスである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
該組成物が少なくとも2つのポリマーフィルムを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも1つのフィルムが皮膚接着性である、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
不安定活性成分が皮膚接着性フィルム中に組み込まれている、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
第2のポリマーフィルムを皮膚接着性フィルムに隣接して接着させる、請求項40に記載の方法。
【請求項51】
ポリマーフィルムが0.1%〜2%以下の水を含有する、請求項40に記載の方法。

【公表番号】特表2008−503580(P2008−503580A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518169(P2007−518169)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/021739
【国際公開番号】WO2006/009987
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】