説明

可聴のメッセージを生成可能なモニタシステム

人間に対する可聴のメッセージを生成するシステムは装置100を含んでいる。本装置は、オーディオメッセージを受信するための入力120を含んでいる。オーディオメッセージは、メモリ140に記憶される。出力150は、オーディオメッセージをレンダリングするために使用することができる、本装置は、マイクロフォン110及びコントローラ130を更に含んでいる。マイクロフォンを介して音が受信された場合、コントローラは、記憶されているオーディオメッセージを出力を介してレンダリングする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、人間への可聴のメッセージを生成するためのベビーモニタといったシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーモニタは、典型的に、ベビーユニット及び少なくとも1つのペアレンツユニットを含んでいる。ベビーユニットは、赤ん坊のベッドの隣に配置される。このユニットは、マイクロフォンを含んでいる。赤ん坊から受信された音は、ベビーユニットからペアレンツユニットに送出される。大部分のベビーユニットは、音のレベルが所定レベルを超える場合に赤ん坊の音を送出する。ペアレンツユニットは、ベビーユニットにより送出された音をレンダリングするためのスピーカを含んでいる。
【0003】
ベビーモニタの機能は、連続的に増加している。Philips SBC SC467のベビーモニタでは、人間のオペレータは、マイクロフォンの感度を調整可能である。選択されたレベルを超える音のみがペアレンツユニットに送出される。また、ペアレンツユニットは、赤ん坊を静かにモニタするためのオプションを提供する。このケースでは、赤ん坊の音のレベルは、視覚的に示され、スピーカのボリュームは、ゼロのボリュームレベルに下げることができる。赤ん坊を楽にするため、親は、ペアレンツユニットのマイクロフォンに話すことができる。音は、ベビーユニットに送出される。ベビーユニットにおけるスピーカは、親の声をレンダリングする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、改善されたシステムを提供することであって、特に人間に対して可聴メッセージを生成するベビーモニタを提供することにある。
【0005】
本発明の目的を達成するため、人間への可聴メッセージを生成するシステムは、マイクロフォン、オーディオメッセージを受信する入力、受信されたオーディオメッセージを記憶するメモリ、オーディオメッセージをレンダリング(rendering)する出力、及びマクロフォンを介して受信された音を検出することに応答して、記憶されたオーディオメッセージに出力を介してレンダリングさせるコントローラを含む装置を含んでいる。
【0006】
本発明者は、公知のベビーモニタのコンフォートオプションは、親が居り赤ん坊からの泣き声に応じることができる場合にのみ作動する。親が離れている場合、ベビーシッターの音は、所望の作用を有さない場合がある。親が寝ている場合、通常、赤ん坊は親が目を覚ますために十分な音で泣く必要がある。親は、ベッドから起き上がる必要なしに、赤ん坊を楽にするため公知のベビーモニタを使用する。しかし、それまでに、赤ん坊の苦痛は既に余りに高く、あやし声が作用を得ることができない場合がある。したがって、本発明に係るシステムでは、(たとえば赤ん坊の)音を検出する装置が(慰めになる)オーディオメッセージを自動的に生成する。メッセージは、装置のメモリに記録可能であって記憶される。従属の請求項5に記載されるように、装置は、ベビーユニットであることが好ましい。これは、追加される記載される機能をもつ従来のベビーユニットである場合がある。また、これは、子守の玩具のようなスタンドアロン装置である場合がある。親は、メッセージを記録することができ、したがって赤ん坊を最適に眠らせることができる。また、システムは、赤ん坊の音への作用以外の機能のために使用される場合もある。特に、システムは、いびきに注意を促すか、又は睡眠時の無呼吸に作用するために使用される場合がある。
【0007】
従属の請求項2の手段に記載されるように、装置は、マイクロフォンを介して受信されたオーディオ信号の信号強度を検出するための信号レベル検出器、信号強度が閾値を超えるのを検出する信号レベル検出器に応答してレンダリングさせるために作用するコントローラを含んでいる。このように、十分な強度をもつ音のみがメッセージの再生をトリガする。好ましくは、本装置は、人間のオペレータが閾値を決定するのを可能にするユーザインタフェースを含んでいる。
【0008】
従属の請求項3に記載されるように、装置は、人間の音を表すマイクロフォンを介して受信されたオーディオ信号を検出するためのサウンドディスクリミネータ、ディスクリミネータからのトリガに応答してレンダリングを生じさせるために作用するコントローラを含んでいる。ディスクリミネータは、たとえば人間の声を含む可能性が高い周波数を抽出するために周波数帯域フィルタを使用して、適切なやり方で実現される場合がある。また、より正確な検出のために、ピッチ検出器又は音声認識器が使用される場合がある。好適な実施の形態では、赤ん坊の音及び/又はいびきから十分に区別される音は、望まれないメッセージの再生を回避してフィルタ出力される。
【0009】
従属の請求項4の手段によれば、入力は、人間のオペレータがオーディオメッセージを記録するのを可能にするためのマイクロフォンに結合される。これは、メッセージを記録するための効果的なやり方である。代替的に、メッセージは、別の装置から受信される場合がある。たとえば、ベビーモニタシステムでは、メッセージは、ペアレンツユニットから受信される場合がある。
【0010】
従属の請求項6の手段によれば、本システムの装置は、赤ん坊からの音に応答して、赤ん坊への記憶されたオーディオメッセージをレンダリングするためのベビーユニットを含んでおり、本システムは、ペアレンツユニットを更に含んでおり、ベビーユニット及びペアレンツユニットは、ユニット間での通信を確立するそれぞれの通信手段を含んでおり、ベビーユニットのコントローラは、音を検出した直後に記憶されたオーディオメッセージをレンダリングし、音が予め決定された期間について検出された後にアラーム信号をペアレンツユニットのみに送出するために作用し、ペアレンツユニットは、人間に警報を出す出力と、ベビーユニットからのアラーム信号の受信に応答して人間に警報を出すためのペアレンツユニットコントローラを含んでいる。このように、ベビーユニットは、第一のラインスムーサのように作用する。予め決定された期間内で不成功の場合、親には、警報がなお出力される。成功した場合、親は、目を覚ます必要がないか又は赤ん坊の方に歩み寄る努力を講じる必要がない。好ましくは、従属の請求項7に記載されるように、期間は調整可能である。
【0011】
従属の請求項8の手段によれば、サウンドディスクリミネータは、赤ん坊の音に関する第一のカテゴリと第二のカテゴリとを区別するために作用する。ベビーユニットコントローラは、第一のカテゴリの音が予め決定された期間について検出された後にのみ、第一のカテゴリの音についてペアレンツユニットにアラーム信号を送出し、第二のカテゴリの音を検出するのに即座に応答して第二のカテゴリの音についてペアレンツユニットにアラーム信号を送出するために作用する。このように、オートマチックスムージングは、第一のカテゴリの音について生じ(たとえば赤ん坊の僅かなうめき)、音が延長された期間について残っている場合にアラームによって後続される。緊急の注意を要する第二のカテゴリの音について(たとえば赤ん坊の苦痛、睡眠時の無呼吸等)、親は即座に警告される。
【0012】
従属の請求項9の手段によれば、検出することができる音は、睡眠時の無呼吸等である。特に赤ん坊については、軽い病気が生命を脅かすことになる可能性がある。睡眠時の無呼吸は、大人にとっても深刻であり、睡眠不足による疲れを引き起こす可能性がある。本発明に係るシステムは、予め記録されたメッセージで眠っている人に警告することができる。
【0013】
従属の請求項10の手段によれば、サウンドディスクリミネータは、睡眠時の無呼吸とは区別される少なくとも1つの更なる人間の声(たとえばいびき)を検出するために作用し、コントローラは、個別のボリュームレベルでオーディオメッセージのレンダリングを引き起こすために作用する。更なる人間の音を検出することに応じてメッセージをレンダリングするために使用されるよりも高いボリュームレベルが睡眠時の無呼吸の検出に応答して使用される。睡眠時の無呼吸は深刻な病気であるので、高いレベルでアラームが生じる。
【0014】
従属の請求項12の手段によれば、少なくとも1つの更なるオーディオメッセージを記憶するためのメモリは作用し、レンダリングされるメッセージは、人間により選択可能であって、及び/又はコントローラにより選択される。更なるメッセージは、人間が記録可能なメッセージである前もって記録されたメッセージである場合がある。オペレータ又はコントローラは、装置により検出されたそれぞれ個別の音への応答として個別のメッセージを選択する場合がある。赤ん坊が楽しくされた状態を維持するため、多数の異なる音又は記録されたメッセージがシーケンスで再生される場合があり、さもなければ、赤ん坊は、彼に安らぎを与える実際の親ではないか、又は少なくとも関心を無くし再び泣き始めることを学習する場合がある。大量の楽しい音が装置に存在する場合がある。
【0015】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施の形態を参照して明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係るシステムのブロック図を示している。図1の例では、システムは、1つの装置100を含んでいる。本装置100は、既存の装置に組み込まれている場合がある。たとえば、本発明に係る装置が赤ん坊又は子供を和ませるために使用される場合、赤ん坊/子供のベッドルームに典型的に存在する装置に組み込まれている場合がある。これは子供をあやす玩具のようなおもちゃであるか、オーディオシステム又はアラームクロックのような電子装置である場合がある。好適な実施の形態では、本装置は、ベビーモニタシステムのベビーユニットに組み込まれる。いびき(snoring)又は睡眠時の無呼吸状態(sleep apnea)を検出するのに応答して人間に警告するために本装置が使用される場合、本装置は、アラームクロックのような電子装置に組み込まれる場合がある。本装置は、音を受信するためのマイクロフォン110を含んでいる。多くのアプリケーションについて、たとえばモニタで使用されるような従来のマイクロフォンとすることができる。たとえば同じエリアで一方の人物のいびきを検出することと他方の人物の音を無視することといった、所定のアプリケーションについて、より多くの方向のやり方で音を検出することが好ましい。このため、好適な実施の形態では、マイクロフォンは、指向性マイクロフォンである。代替的な実施の形態では、ビームフォーマが使用される。指向性のマイクロフォン及びビームフォーマが知られている。ビームフォーマの例は、“IEEE ASSP Magazine”April 1988,page4〜24に記載されている。本装置は、たとえば親のオーディオメッセージを受信する入力120を更に含んでいる。多くのアプリケーションでは、入力は、マイクロフォン110に接続され、人間はメッセージを話すか又は歌うことができる。入力は、メッセージを適切なデジタル表現に変換するA/Dコンバータを含んでいる場合がある。入力は、デジタル表現を圧縮して記憶要求を低減するためのコンプレッサをも含んでいる場合がある。かかるコンバータ及びコンプレッサは公知であって、更に記載されない。たとえばシステムの内外に別の装置での通信システムを介して、又は固体メモリのような取り外し可能な記憶媒体を介して、メッセージを入力する他のやり方も可能である。受信されたオーディオメッセージは、メモリ140に記憶される。好ましくは、メモリはフラッシュ又はMRAMに基づいた不揮発性である。本装置は、オーディオメッセージをレンダリングするための出力を含んでいる。出力は、従来のデコンプレッサ及びD/Aコンバータを含んでいる場合がある。典型的に、本装置は、ラウドスピーカ160を含んでいるか、又はラウドスピーカに接続されている。
【0017】
本装置は、マイクロフォンを介して音が検出されている場合、記憶されているオーディオメッセージが出力を介してレンダリングされるために作用するコントローラ130を更に含んでいる。シンプルな装置では、専用のハードウェアコンポーネントを使用して、コントローラが実現される場合がある。より洗練された装置では、コントローラは、装置の他の機能をも制御するための埋め込まれたコントローラである場合がある。コントローラは、(DSPのような)シグナルプロセッサであり、記載された圧縮/伸長機能、更に詳細に以下に記載されるビーム成形及び他の信号処理機能を実行することができる場合がある。かかるより進んだコントローラは、ソフトウェアプログラムの制御下で動作する。プログラムは、コントローラに固定されて埋め込まれている場合がある。メモリ140のような(好ましくは)不揮発性メモリからロードされる場合もある。システムの動作の間に使用され、装置がスイッチオフに差されるたびに消去される、RAMのような揮発性メモリを含む場合もある。
【0018】
本発明に係る実施の形態では、本装置は、マイクロフォン110を介して受信されたオーディオ信号の信号強度を検出するための信号レベル検出器171を含んでいる。たとえばデジタルシグナルプロセッサである信号処理ブロック170で実行される、たとえばソフトウェアモジュールのように、信号処理ブロック170に含まれる場合がある。検出された信号強度は、1つのサンプルの振幅に基づいている場合がある。好ましくは、信号強度は、たとえば10ミリ秒を1秒に変換して、連続したサンプル系列に基づいて決定される。より長い期間を使用することで、無関係な音のピークに作用する変化が低減される。余りに長い期間は、関心のある音を失うリスクを増加させる。好ましくは、全体的に10秒から20秒のインターバル内で採取される一連の短いサンプル系列で、多数決の投票が使用される。当業者は、関心のある音の特性に依存して、それぞれのアプリケーションについて最適な期間及び/又は多数決投票のインターバルを選択することができる。信号レベル検出器171は、信号強度をメモリ140に記憶される場合がある予め決定された閾値に比較する。信号レベル検出器が、信号強度が予め決定された閾値を超えたかを検出する場合、記憶されたオーディオメッセージのレンダリングがアクチベートされる。信号レベル検出器171の機能はコントローラ130により実行される場合があることが理解される。好ましくは、本装置は、ユーザとの本装置のインタラクションのためのユーザインタフェースを含んでいる。ユーザの入力は、リモートコントロール及びボイスコントロールを含む、ボタン又はホイール若しくは他の適切な入力手段を介して受信される場合がある。出力は、LED、LCDディスプレイ又は他の適切な手段を介して与えられる場合がある。有利なことに、ユーザは、閾値レベル及び信号が閾値を超える必要がある最小期間のような、信号レベル検出器のパラメータを調整することができる。このように、本装置は、赤ん坊の泣き声の検出、いびきの検出及び睡眠時の無呼吸の検出のような、異なるアプリケーションについて調整することができる。睡眠時の無呼吸状態について、検出が正確にトリガされる場合がある。予め決定された期間について呼吸音が検出されない場合、たとえばマイクロフォン110は、その期間の間にベッドルームの比較的な沈黙を採取し、又は睡眠の呼吸の特徴的な音のパターンはその期間の間失われ、以下に更に詳細に記載されるようにトリガが与えられる。
【0019】
本発明に係る実施の形態では、本装置は、人間ではない音と対照的に、人間の声を表すマクロフォンを介して受信されたオーディオ信号を検出するサウンドディスクリミネータ172を含んでいる。図1では、サウンドディスクリミネータ172は、信号レベルの検出について使用される信号処理ブロック170に組み込まれる。かかる人間の音が検出された場合、トリガがコントローラ130に与えられる。これに応じて、コントローラは、オーディオメッセージのレンダリングを生じさせる。人間からのものである音を検出することで、他の音を無視することができ、メッセージの誤ったレンダリングの数が低減される。音の検出は、多くの異なるやり方で行うことができる。シンプルな実施の形態では、音の検出は、たとえば100Hzから3000Hzのレンジでの周波数を通過させるフィルタを使用して、人間の口により生成されていない可能性が最も高い周波数成分を除去する。特に赤ん坊の泣き声を検出するために使用可能な、より進んだ実施の形態では、音の検出は、受信された音のピッチを検出することを含んでいる。検出されたピッチが赤ん坊にとって正常なピッチのレンジ内に含まれる場合(たとえば300から900Hz)、トリガが発せられる。ピッチ検出は、以下のやり方で行うことができる。有声音のスピーチは、声道、声門音源のスペクトル、及び放射負荷スペクトルにおける共振を表すフィルタによりフィルタリングされる声帯の励振を表す、ディラックのインパルス列としてモデル化することができる。このピッチは、ディラックのインパルスの周期により決定される。オーディオ信号の自己相関のオーディオスペクトルにおける第一のピークは、オーディオ信号のピッチを決定するために使用することができる。自己相関方法を使用して、ピッチTは、相関を最大にする時間シフトである。
【0020】
【数1】

内積は、典型的に、オーディオ信号i(k)の所定の数のサンプルSにわたり計算され、i(k)の指数におけるスモールTは、転置を示している。ピッチを検出する多くの他のやり方は、音声認識及び音声合成のような音声処理アプリケーションから知られている。好ましくは、サウンドディスクリミネータは、異なるサウンド間で区別可能である。声に出された音及び声に出されない音の両者で、定義により異なる音を認識可能な音声認識技術を使用してこれを行う場合がある。特に、ベビーモニタアプリケーションについて、サウンドディスクリミネータは、ベビーサウンドの少なくとも2つのカテゴリ間で区別可能である。音は、いびき及び睡眠時の無呼吸のような、周波数及びサウンド/ノンサウンドインターバルでの完全に異なるサウンドである、多くのやり方で異なる場合がある。これらは、たとえばうめく赤ん坊の泣き声及び苦痛の赤ん坊の泣き声といった、情緒的に異なる場合がある。かかる情緒的な違いは、音の振幅から検出可能な場合がある。WO02/37474は、多くの異なる情緒及び情緒を認識する方法を記載している。これらの技術は、本発明に係るシステムで採用され、正確な音の分類となる。このために、ビデオカメラは、分類における支援のための更なる入力として使用される場合がある。
【0021】
図2は、好適な実施の形態を示しており、図1のベビーユニット100に加えてシステムは、ペアレンツユニット200をも含んでいる。そのように望まれる場合、複数のベビーユニット及び/又は複数のペアレンツユニットを含んでいる場合がある。ベビーユニットのエレメントは、図1について使用されるのと同じ参照符号で示されており、図1を参照して記載されるのと同じ機能を実行する。ベビーユニット及びペアレンツユニットは、ユニット間の通信を確立するためのそれぞれの通信手段190,290を含んでいる。通信は、たとえばベビーモニタシステムで既に使用されているような、適切な形式である場合がある。好ましくは、通信は無線である。基本的な動作について、(ベビーユニットからペアレンツユニットへの)通信が1方向である場合に十分である。より進んだアプリケーションについて、双方向の通信を使用することが好ましい。好適な実施の形態では、ベビーユニットのコントローラ130は、音を検出した場合に、即座に、記憶されたオーディオメッセージにローカルにレンダリングさせる。予め決定された期間について音が検出された後にのみ通信手段190を介してペアレンツユニットにアラーム信号を送出する。人間のオペレータは、ベビーユニットがペアレンツユニットに警告を出力しない期間を調整する場合がある。パラメータは、メモリ140に記憶されている場合がある。調整は、ベビーユニットのユーザインタフェース180を介して行われる場合がある。また、2方向の通信が可能である場合にペアレンツユニットのユーザインタフェース280を介して行われる場合がある。アラーム信号は、適切な形式で送出される場合がある。有利なことに、ベビーユニットは、受信した音(たとえば赤ん坊の泣き声)を単に通過させる。したがって、期間を経過しない限り、音を通過させない。期間の経過後に赤ん坊の音を通過することで、親は、赤ん坊の苦痛を正確に評価可能である。赤ん坊の音は、アナログ又はデジタル形式で通過される場合がある。また、アラーム信号は、ペアレンツユニットをトリガするため、短いデジタルメッセージのようなデジタルコードである場合がある。ペアレンツユニットは、人間に警告するための出力250を含んでいる。好ましくは、出力は、スピーカ260に接続される。アラームが通信手段290を介してデジタルトリガ信号(たとえばメッセージ)として受信された場合、ペアレンツユニットは、たとえばアラームリングトーンを生成又はフラッシュライトを生成するといった、特定のアラーム信号を発生する場合がある。かかる信号は、ペアレンツユニットのユーザインタフェース280を介して発生される場合がある。ペアレンツユニットのコントローラ230は、ベビーユニットからのアラーム信号を受信することに応じて、人間に警告が出力させる役割を果たす。コントローラは、適切なマイクロコントローラ又はプロセッサのいずれかである場合がある。埋め込まれたソフトウェアに付随している場合があるか、又は、ソフトウェアがメモリ240のような(好ましくは不揮発性の)メモリからロードされる場合がある。また、ペアレンツユニットは、マイクロフォン210を含んでいる場合もあるか、マイクロフォンに接続される場合もある。このマイクロフォンを介して、親は、赤ん坊に直接話しかけ、ベビーユニット等に記憶されるべきメッセージを入力する。マイクロフォンは、A/Dコンバータ及びオーディオコンプレッサを含む場合がある入力220に接続される場合がある。また、ペアレンツユニットは、テレビジョンのような別の装置、モバイルフォンのような携帯用装置、又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)に組み込まれる場合がある。
【0022】
先に記載されたように、サウンドディスクリミネータ172は、ベビーのサウンドの少なくとも第一のカテゴリと第二のカテゴリとの間で区別することができる場合がある。ベビーモニタシステムについて、第一のカテゴリの音は、うめく音といった親(又は世話人)の即座の注意を要さない赤ん坊の音、低い苦痛のファクタをもつ音を含んでいる。このカテゴリの音について、ベビーユニットコントローラ130は、記憶されたメッセージを即座にレンダリングするが、予め決定された期間について音が検出された後にのみ、アラーム信号をペアレンツユニットに送出する。このようにして、システムは、親に警告することなしに赤ん坊をなだめることを自動的に試みる。第二のカテゴリの音は、中間的な注意を要する場合がある音である。かかる音は、高い苦痛(たとえば高いボリューム)又は睡眠時の無呼吸状態により赤ん坊の泣き声を含む場合がある。コントローラ130は、第二のカテゴリの音が検出されたとき、アラーム信号をペアレンツユニットに即座に送出する。より多くのカテゴリを定義することができ、それぞれのカテゴリは、ローカル装置及び/又はリモート装置でのそれぞれの応答をもつことが理解される。
【0023】
先に記載されたように、サウンドディスクリミネータは、睡眠時の無呼吸状態を検出するために作用するのが好ましい。このことは、睡眠時の無呼吸状態は突然死に主要な原因であるので、大人と同様に赤ん坊のために有効である。睡眠の間、身体は比較的静止している。脈拍及び体温は下がる。このプロセスは、完全に自動的である。睡眠時の無呼吸障害をもつ人は、それらの睡眠の間に呼吸プロセスに障害を有する。彼らはしばらく呼吸するのを停止し、パニックで目を覚ます。睡眠時の無呼吸状態は、10よりも長い空気の通過の全部又は一部の封鎖の繰り返される周期として特徴づけされ、酸欠を引き起こす。症状は、特に赤ん坊について生命に関わる可能性がある。赤ん坊は、それらの睡眠の間に困難を有することがある。呼吸困難は、これらの中でとりわけである。幸運なことに、大部分の赤ん坊は、自動的に目を覚ます。突然死は、赤ん坊の最初の2年で主に生じる。特にこの期間の間、呼吸が余りに長く停止した場合に親が介入することが重要である。睡眠時の無呼吸障害をもつ子供又は大人は、常時起きており、結果的に夜の間に十分な休みを得られない。彼らは一日の間に非常に疲れている。時間の大部分は、しばらくの間に酸欠状態のとき身体は緊急状態になる。年齢の経つ子供及び大人について、酸欠が生じる前に、システムがそれらに時間的に警告することが好ましい。関与する人物の若干の乱れは、人を常時目覚めた状態とすることなしに、呼吸プロセスを再始動するのに十分である場合がある。睡眠時の無呼吸障害は深刻であるので、呼吸が迅速に再指導する場合に、オーディオメッセージが高いボリュームレベルでレンダリングされることが好ましい。記載されるように、オーディオメッセージは、人自身に対してレンダリングされる場合があるか、又は、ベビーモニタシステムのケースでは、ペアレンツユニットを通して親に対してレンダリングされる場合がある。次いで、ベビーユニットは、親が存在しないか又は余りに早く眠っているケースでは、赤ん坊の目を覚ますメッセージを発生する場合がある(又はペアレンツユニットがスイッチオフにされる)。高いボリュームレベルは、他の音についてオーディオメッセージをレンダリングするために使用されるよりも高い。
【0024】
好適な実施の形態においてシステムが検出することができる他の音のうちの1つは、人間のいびきである。いびきは、喉彦、軟口蓋の振動による粗い耳障りな雑音により睡眠中の呼吸として記載することができる。いびきについて特に、いびきがとまるように少し動くように刺激されることが望まれる。これを達成するため、オーディオメッセージは、従来のラウドスピーカを使用して、人間の目を覚ますために通常使用されるよりも低いレベルでレンダリングされる。かかるケースでは、出力150とラウドスピーカ160との間の接続、従来の有線接続である場合がある。また、装置から離すことができるラウドスピーカを使用することもできる。このことは、より長い配線を使用することで達成することができる。有利なことに、装置とラウドスピーカとの間でワイヤレスコネクションが使用される。このことは、いびきに警告するために装置が使用される場合に特に有効である。かかるアプリケーションでは、ラウドスピーカは、枕の上又は下に置かれるか、若しくは部屋における他の人が警告されないように、いびきをかいている人の少なくとも非常に近くに置かれる場合があるラウドスピーカである場合がある。かかるラウドスピーカ自身は、公知であって、ベッドで休んでいる間に音楽又は本を聞いている人により典型的に使用される。好適な実施の形態では、ラウドスピーカは、聴覚障害をもつ人にためのラウドスピーカから公知であるような、耳に設けられる(ear-mounted)ラウドスピーカである。ラウドスピーカが関与する人物の非常に近くに位置することができる場合、ボリュームレベルは、関与する人が警告されるように選択され、他の人が乱されないように選択することができる。音を使用して人間に警告する代替又はこれ加えて、他の刺激が使用される場合もある。いびきをかいている人又は睡眠時の無呼吸障害をもつ人に警告を出力するため、バイブレータが使用されるのが好ましい。バイブレータは、たとえばモバイルフォンから公知である。
【0025】
先に与えられたシステムの記載は、人間に警告するために1つのオーディオメッセージを使用することに焦点をあてている。メモリ140は、複数のオーディオメッセージを記憶することができる場合があり、そのうちの少なくとも1つが記録可能であることを理解されたい。他のメッセージは、記録可能であるか又は前もって記録可能な場合がある。複数のメッセージをもつシステムを使用して、レンダリングされるべきメッセージは、ユーザインタフェースを介して人間により選択可能である場合がある。シンプルな実施の形態では、唯一のメッセージをシステムによりレンダリングすることができ、この場合、人間は、どの1つを選択することができる。より進んだ実施の形態では、システムは、異なるイベントについて異なるメッセージをレンダリングすることができる。たとえば、睡眠時の無呼吸についてとは異なるいびきについてのメッセージである。かかるシステムでは、ユーザは、レンダリングされるべきメッセージをそれぞれイベントについて選択できることが好ましい。代替的に、コントローラは、たとえば、人が眠り続ける場合のなだめるメッセージ、及び人が目を覚ます(又は部分的に目を覚ます)場合のアラームメッセージといった、イベントについて最も適したメッセージを選択する。好ましくは、ユーザは、それぞれのイベント又はそれぞれのメッセージについてレンダリングするためのボリュームレベルを選択することもできる。ユーザにより選択された設定は、メモリ140に記憶することができ、レンダリングの間にコントローラにより適用される。
【0026】
先に記載された実施の形態は、本発明を制限するよりはむしろ例示するものであって、当業者であれば、特許請求の範囲から逸脱することなしに多くの代替的な実施の形態を設計できることを留意されたい。請求項では、括弧間に配置される参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「有する“comprise”」及び「含む“include”」並びにその派生語の使用は、請求項で述べた以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。エレメントに先行する冠詞“a”又は“an”は、複数のかかるエレメントの存在を排除しない。本発明は、幾つかの個別のエレメントを有するハードウェアにより、適切にプログラムされたコンピュータにより実現される場合がある。幾つかの手段を列挙する装置の請求項では、これらの手段の幾つかが同一のハードウェアにより実施される場合がある。所定の手段が相互に異なる従属の請求項で引用される事実は、これらの手段の組み合わせを使用することができないことを示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】スタンドアロン装置によるブロック図である。
【図2】2つの通信装置、特にベビーユニットとペアレンツユニットをもつシステムのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間にとって可聴のメッセージを生成するシステムであって、
当該システムは、マイクロフォンと、オーディオメッセージを受けるための入力と、受けたオーディオメッセージを記憶するためのメモリと、オーディオメッセージをレンダリングするための出力と、前記マイクロフォンを介して受信される音の検出に応じて、記憶されているオーディオメッセージを前記出力を介してレンダリングするためのコントローラとを含む装置を有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記装置は、前記マイクロフォンを介して受信されたオーディオ信号の信号強度を検出するための信号レベル検出器を含み、
前記コントローラは、信号強度が予め決定された閾値を超えることを検出した前記信号レベル検出器に応答して、レンダリングするために作用する、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記装置は、人間の音を表す、前記マイクロフォンを介して受信されたオーディオ信号を検出するためのサウンドディスクリミネータを含み、
前記コントローラは、前記ディスクリミネータからのトリガに応答してレンダリングするために作用する、
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記入力は、人間のオペレータがオーディオメッセージを記録するのを可能にするためにマイクロフォンに結合される、
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記装置は、赤ん坊からの音に応答して赤ん坊への記憶されているオーディオメッセージをレンダリングするためのベビーユニットを含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
当該システムはペアレンツユニットを含み、前記ベビーユニット及びペアレンツユニットは、ユニット間の通信を確立するためのそれぞれの通信手段を含み、
前記ベビーユニットのコントローラは、音を検出した直後に記憶されているオーディオメッセージをレンダリングし、予め決定された期間について音が検出された後にのみアラーム信号をペアレンツユニットに送出するために作用し、前記ペアレンツユニットは、人間に警告するための出力と、前記ベビーユニットからのアラーム信号の受信に応答して人間に警告するペアレンツユニットコントローラを含む、
請求項5記載のシステム。
【請求項7】
当該システムは、人間のオペレータが予め決定された期間を調整するのを可能にするための少なくとも1つのユーザインタフェースを含む、
請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記サウンドディスクリミネータは、少なくとも第一及び第二のカテゴリの赤ん坊の音を区別するために作用し、前記ベビーユニットコントローラは、第一のカテゴリの音が予め決定された期間について検出された後にのみ第一のカテゴリの音についてペアレンツユニットにアラーム信号を送出し、第二のカテゴリの音の検出に即座に応答して、第二のカテゴリの音についてペアレンツユニットにアラーム信号を送出するために作用する、
請求項3又は6記載のシステム。
【請求項9】
前記サウンドディスクリミネータは、睡眠時の無呼吸状態を検出するために作用する、
請求項3記載のシステム。
【請求項10】
前記サウンドディスクリミネータは、睡眠時の無呼吸状態と異なる少なくとも1つの更なる人間の音を検出するために作用し、
前記コントローラは、異なるボリュームレベルでオーディオメッセージをレンダリングするために作用し、前記更なる人間の音の検出に応答してメッセージをレンダリングするために使用されるよりも高いボリュームレベルが睡眠時の無呼吸状態の検出に応答してメッセージをレンダリングするために使用される、
請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記更なる人間の音は、人間のいびきである、
請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記メモリは、少なくとも1つの更なるオーディオメッセージを記憶するために作用し、レンダリングされるメッセージは、人間により選択可能であるか、及び/又は前記コントローラにより選択される、
請求項1記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−511812(P2007−511812A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530846(P2006−530846)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050685
【国際公開番号】WO2004/104960
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】