説明

可視表示を変化させる液体洗剤組成物系

pH染料及びサルフェート又はスルホネート界面活性剤を有するpH7.5〜13の洗剤組成物であって、大量の水に添加すると、洗剤組成物の希釈により青色又は緑色が生じるように色が変化する、洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大量の水に希釈した場合に可視表示を変化させる液体洗剤組成物に関する。本発明は、こうした液体洗剤組成物の使用方法及びその使用を指示するプロセスに更に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、自らの洗浄行為の助けになる新規で興味深い信号を求めている。色を変化させることは、普通なら気付かない何かが起こっていることを消費者に知らせるために使用できる可視表示である。洗浄製品にてpH指示薬を使用することは、pHを上昇させる(酸性pHから6.5又は中性pHまで)状況で議論されてきた。英国特許第1,313,180号明細書、欧州特許第0 225 978号明細書、仏国特許第2673640号明細書及び米国特許第4,863,620号明細書を参照のこと。しかし、使用中のpHを減少させる(塩基性pHから中性pH)液体洗剤組成物は、異なる系を必要とし、酸性pH指示薬とは異なる配合問題を有する。色を変化させるのは、終点が無色であるより好ましい(英国特許第1424714号明細書)。色を変化させる他の既知の方法としては、所望の色変化を与えるために使用直前にpH指示薬と別個の構成成分とを混合することを含む。米国特許第7,053,029号明細書及び同第3,650,831号明細書を参照のこと。しかし、構成成分を別けておくこと又は消費者が使用前に構成成分を共に混合する必要があることは、どちらもコスト又は簡便性の点で望ましくない。
【0003】
液体洗剤組成物に染料のような構成成分、より詳細には過剰の染料を添加することで生じる別の問題は、組成物の外観を変える可能性があり、消費者にとって、組成物を透明な容器に入れた場合に組成物を通して光を容易に見ることができない程に暗くなりすぎることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許第1,313,180号明細書
【特許文献2】欧州特許第0 225 978号明細書
【特許文献3】仏国特許第2673640号明細書
【特許文献4】米国特許第4,863,620号明細書
【特許文献5】英国特許第1424714号明細書
【特許文献6】米国特許第7,053,029号明細書
【特許文献7】米国特許第3,650,831号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
故に、大量の水に希釈すると青色又は緑色が知覚されるように、可視表示を変化させる、好ましくは可視色を変化させる7.5〜13のpHを有する中性又は塩基性液体洗剤組成物がなおも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(a)7.5〜13のpHを有し、(i)第1の可視表示となり得るとともに、第2の可視表示となり得るpH染料と、(ii)サルフェート又はスルホネート界面活性剤と、を含む液体組成物と、(b)大量の水と、を含む液体組成物系であって、ここでこの液体組成物はpH染料の第1の可視表示を含み、液体組成物が大量の水に希釈されて液体組成物系を形成すると、液体組成物系は、pH染料の第2の可視表示を含み、この第2の可視色は青色又は緑色からなる群から選択されることを特徴とする液体組成物系に関する。
【0007】
本発明は、液体洗剤組成物に色変化を生じさせる方法であって、(i)pH感応性染料と、(ii)サルフェート又はスルホネート界面活性剤とを含む第1の可視色を有するpH7.5〜13の液体組成物を提供することにより、この液体洗剤組成物を大量の水に添加すると、青色又は緑色からなる群から選択される第2の可視色が生じることを特徴とする方法に更に関する。
【0008】
本発明は、液体組成物の色の可視変化を生じさせるプロセスであって、このプロセスは、(a)(i)pH感応性染料と、(ii)サルフェート又はスルホネート界面活性剤と、を含む第1の可視色を有するpH7.5〜13の液体組成物を提供する工程と、(b)大量の水にこの液体組成物を添加するように指示を与える工程と、(c)液体組成物及び大量の水から得られた混合物が、青色又は緑色からなる群から選択される第2の可視色をもたらすことを伝える工程とを含むことを特徴とするプロセスに更に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用するとき、「液体食器用洗剤組成物」は、手動で(すなわち手で)食器を洗う際に用いる組成物、及び前記組成物を希釈させた形態で含有するあらゆる溶液を指す。このような組成物は一般的には、本来起泡性又は発泡性が高い。
【0010】
本明細書で使用するとき、「洗濯洗剤組成物」とは、衣類及びその他の布地を洗う際に使用される組成物及び組成物を希釈させた形態で含有するあらゆる溶液を指す。手洗い用洗濯洗剤組成物が特に好ましい。こうした組成物は、本来高い又は低い起泡性又は発泡性であってもよく、1つの実施形態では、洗濯洗剤組成物は初期に起泡性又は発泡性が高く、次いで(すすぎ又は第2の洗浄状況では)起泡性又は発泡性は低くなる。
【0011】
本明細書で使用するとき、「大量の水」とは、バケツ又はシンクのような容器内でのすすぎ又は洗浄行為に十分な量の水を指し、その量は、容積が約1000mL〜約20000mL、より典型的には約5000mL〜約15000mLの範囲のバケツ又はシンクのような容器内で、約2000mL〜約20000mL、より典型的には約5000mL〜約15000mLの水である。水は、あらゆる水源、例えば、あらゆる公共水、市販水、家庭用又はその他利用可能な水源からのものとしてよい。この大量の水のpHは、好ましくは6.0〜9.0、より好ましくは7.0〜9.0、好ましくは7.5〜8.5である。
【0012】
液体洗剤組成物は、大量の水に任意の量で、好ましくは約0.5mL〜約20mLの液体洗剤組成物を添加してもよい。好ましくは、希釈時の液体洗剤組成物の濃度は、約800〜約5000ppmである。
【0013】
「X〜Y」又は「約X〜約Y」の形式で記載される場合、全範囲の数が、本明細書に明示的に記載されているかのように本明細書に組み込まれ、含まれる。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる限界には、場合によっては、全てのより低い又はより高い限界が本明細書に明示的に記載されているかのように、そのより低い又はより高い限界が含まれるということを理解すべきである。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲には、そのより広い範囲内のより狭い範囲がすべて、そのより狭い範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように含まれる。
【0014】
特に指定しない限り、重量百分率は洗剤組成物の重量百分率に関する。特に指示がない限り、温度はすべて摂氏(℃)で表記される。引用される文献は、すべて関連部分において本明細書に参照により組み込まれる。
【0015】
本組成物の組成は、好ましくは硬い表面、例えば台所や浴室等の家庭内又は車の内側若しくは外側に典型的に存在しているあらゆる種類の表面、例えば、床、壁、タイル、窓、シンク、シャワー、シャワー用ビニール(plastified)カーテン、洗面台、トイレ、皿、備品及び建具等、セラミック、ビニール、ワックスなしビニール、リノリウム、メラミン樹脂、ガラス、任意のプラスチック、ビニール処理した木材、金属又は塗装、つや消し、密封したような表面等の異なる物質を素材にしたものの洗浄に用いるのに好適である。硬質面には、更に冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、食器洗浄機等を含む家庭電化製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
1つの好ましい実施形態において、本組成物は、皿、コップ、カトラリー、ガラス製品、食品保存容器、カトラリー、調理器具、シンク、及びその他台所の表面を含む食器の洗浄に好適である。別の好ましい実施形態において、本組成物は、衣類、タオル、シーツ、カーテン、敷物、及びその他の布製物品を含む布地の洗浄に好適である。
【0017】
組成物は、いずれかの好適な液体形態又はゲルのような半液体形態、錠剤、カプセルのような液体又は単位用量形態、あるいはこれらの形態のいずれかの組み合わせであってよい。1つの実施形態において、本組成物は液体の形態である。別の実施形態において、本組成物は水性液体の形態である。
【0018】
pH−液体組成物は、蒸留水の10%水溶液として測定されるとき、7.5〜13、好ましくは8.0〜10、より好ましくは8.5〜9.5のpHを有する。pHは、液体組成物が10%水溶液に希釈される場合に、標準pHプローブを用いて室温(20℃)にて測定される。しかし、pHの測定のためのこうした希釈は、本明細書に記載される液体組成物系を意味するものではない。
【0019】
pH染料−本出願に使用するためのpH染料又はpH感応性染料、場合によっては2以上のpH染料は、可視表示変化、好ましくは色変化を与えるものである。組成物中のpH染料の量は、約25ppm〜約500ppm、好ましくは30ppm〜200ppm、好ましくは35ppm〜75ppmであってよい。
【0020】
理論に限定されないが、pH染料とサルフェート又はスルホネート界面活性剤のミセルとの会合は、pH染料のpKa(「見掛けのpka」)を、pH染料の報告されているpKaよりも界面活性剤濃度に比例して増大させると考えられる。ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ・ファラデイ・トランスアクションズ(J. Chem. Soc Faraday Trans.)、1995年、91巻、4号、p.681〜686;コロイド・アンド・サーフェス(Colloids and Surfaces)A:Physicochem.Eng.Aspects、216巻(2003年)、p.21〜26;ジャーナル・オブ・コロイド・アンド・インターフェース・サイエンス(Journal of Colloid and Interface Science)、285巻(2005年)、p.382〜387。本明細書で使用するとき、25℃における見掛けのpKaは、pH染料が、サルフェート又はスルホネート界面活性剤が存在する場合に1つの可視表示から別の可視表示に変化するときの、pKa値の範囲を意味する。
【0021】
pH染料は、式Aから選択されてもよい。
【0022】
【化1】

【0023】
A及びA’は独立に、水素、直鎖又は分枝状C1〜C12アルキルから選択され、好ましくは水素及びメチル(C1アルキル)から選択され、より好ましくはA及びA’は、両方とも水素又は両方ともメチル(C1アルキル)として選択される。D及びD’は独立に、水素、直鎖又は分枝状C1〜C12アルキル、塩素(Cl)及び臭素(Br)から選択され、好ましくはD及びD’は、水素、分枝状C3アルキル(イソプロピル)、塩素(Cl)及び臭素(Br)から選択され、より好ましくはD及びD’は、両方とも水素、分枝状C3アルキル(イソプロピル)、塩素(Cl)又は臭素(Br)として選択される。E及びE’は独立に、水素、直鎖又は分枝状C1〜C12アルキル、塩素(Cl)及び臭素(Br)から選択され、好ましくはE及びE’は、水素、メチル(C1アルキル)、分枝状C3アルキル(イソプロピル)及び臭素(Br)から選択され、より好ましくはE及びE’は両方とも水素、メチル(C1アルキル)、分枝状C3アルキル(イソプロピル)及び臭素(Br)として選択される。G及びG’は独立に、水素、塩素(Cl)又は臭素(Br)から選択され、好ましくはG及びG’は水素及び臭素(Br)から選択され、最も好ましくはG及びG’は両方とも水素又は臭素(Br)として選択される。J−Lは、−C=O(酸素に二重結合の炭素)又は−SO2部分である。上記で既に列挙されていない更なる直鎖又は分枝状C1〜C12アルキルは、メチル(−CH3)、エチル(−C25)、イソプロピル(−CH(CH32)、ブチル(−C49)、イソブチル(−CH(CH3)(C25))である。
【0024】
pH染料は、式Bとして以下に示される式Aの塩から選択されてもよい。
【0025】
【化2】

【0026】
式BのA及びA’、D及びD’、E及びE’、並びにG及びG’は、式Aにて上述された通りである。式BのMは、SO3-、CO2、及びこれらの混合物から選択される。
【0027】
pH染料は、ブロモクレゾール・パープル(25℃にて報告されたpKa6.3)、ブロモチモール・ブルー(25℃にて報告されたpKa7.1)、ブロモクレゾール・グリーン(25℃にて報告されたpKa4.7)、ブロモフェノール・ブルー(25℃にて報告されたpKa4.0)、ブロモキシレノール・ブルー(25℃にて報告されたpKa7.0)及びこれらの混合物の群から選択されてよい。同様に、これらのpH染料の塩も利用できる。液体組成物系のpHに近い見掛けのpKaを含むpH染料を選択することが、第1の可視表示から第2の可視表示への最も顕著な可視表示変化をもたらすと考えられる。
【0028】
本明細書で使用するとき、「可視表示」とは、可視合図又は可視色を意味する。好ましくは、第1の可視表示又は可視色はある1つの色であり、第2の可視表示又は可視色は別の色である。好ましくは、第1の色は無色(色がない)、青、緑、紫、ピンク、赤、橙及び黄から選択される。実施形態の1つでは、第1の可視表示は、λmax=約380nm〜約700nmの溶液吸収波長間隔によって特徴付けられる色である。
【0029】
第2の可視表示は、λmax=550nm〜約680nmの溶液吸収波長間隔によって特徴付けられる色である。好ましくは、第2の色は青色又は緑色から選択される。理論に制限されないが、溶液に関して青色又は緑色の外観に対応する第2の可視表示波長は、大量の水が「清浄」であり、洗浄又はすすぐべき物品を洗浄又はすすぐのにまだ利用できることを組成物のユーザーに示すと考えられる。
【0030】
本明細書で使用するとき、「提供する」とは、液体組成物のような物品又は指示をその物品を後で利用する人にとって利用可能にすることを意味し、例えばその物品を店舗にて又はインターネット上で見ることができるような架空の店舗にて入手可能にすることを意味する。指示は、液体組成物が大量の水に添加されることを伝えるための書面、絵又は口頭による指示を意味し得る。この指示は、水の量、水の温度又は本願のプロセスに関連し得る他の任意の情報などの他の情報を含んでよい。本願のプロセスにおける「伝える」手段は、その意図する目的のために伝えられた情報を後で利用する人に対する任意の書面、絵又は口頭の情報である。伝達は、広告、インターネットウェブサイト、液体組成物を有する容器(containing)上のラベル言語、及び伝達に関わる人に理解される同様の伝達形態であってよい。
【0031】
第1の可視表示から第2の可視表示への変化のタイミングは、液体洗剤組成物が大量の水に添加された時間から1分未満(60秒以内)に完了すべきである。好ましくは、この第1の可視表示から第2の可視表示への変化は、30秒未満、好ましくは20秒未満、好ましくは10秒未満に知覚される。
【0032】
第2の可視表示は、少なくとも30秒間、好ましくは少なくとも60秒間〜30分間まで表示されるべきである。第2の可視表示は、表面が洗浄されるときに大量の水に蓄積し得る汚れの存在下で持続するのが好ましい。
【0033】
更なる染料−pH染料に加えて、他の標準的な染料を、液体組成物又は液体組成物系のいずれかにて所望の可視表示を達成するために使用してもよい。例えば、pH染料は、緑色の可視表示を与えてもよいが、「より深い」又はより鮮やかな色合いの緑色を有するのが望ましい。こうした場合に、更なる染料又は染料の組み合わせ(例えば、青色染料及び黄色染料)が、所望の可視色を達成するために添加されてもよい。
【0034】
サルフェート又はスルホネート界面活性剤−サルフェート又はスルホネート界面活性剤は、有効量、例えば組成物の約0.1重量%〜約50重量%、更に例えば約1重量%〜約45重量%、なお更に例えば約5重量%〜約40重量%にて組成物中に存在する。好ましいスルホネート界面活性剤は、C10〜16アルキルベンゼンスルホン酸、好ましくはC11〜14アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。好ましくは、アルキル基は直鎖であり、そのような直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として既知である。アルキルベンゼンスルホネート、特にLASは、当該技術分野において周知である。そのような界面活性剤及びそれらの調製は、例えば、米国特許第2,220,099号明細書及び同第2,477,383号明細書に記載されている。特に好ましいものは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14の線状直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びカリウムである。C11〜14、例えばC12のLASのナトリウムが特に好ましい。
【0035】
他の好ましい種類のサルフェート界面活性剤には、エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤が含まれる。アルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても既知のこうした物質は、式(I)に対応するものである。
R’−O−(C24O)n−SO3M 式(I)
式中、式(I)のR’はC8〜C20アルキル基であり、nは約1〜20であり、式(I)のMは塩生成カチオンである。好ましくは、式(I)のR’はC10〜C18アルキルであり、式(I)のnは約1〜15であり、式(I)のMはナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム又はアルカノールアンモニウムである。最も好ましくは、式(I)のR’はC12〜C16であり、nは約1〜6であり、式(I)のMはナトリウムである。
【0036】
アルキルエーテルサルフェートは、一般に、種々のR’鎖長及び種々のエトキシル化度を含む混合物の形態で使用する。そのような混合物はまた、必然的にいくつかの非エトキシル化アルキルサルフェート物質、すなわち、上記エトキシル化アルキルサルフェートの式で、式中、n=0である界面活性剤も含有することになることが多い。非エトキシル化アルキルサルフェートもまた本発明の組成物に別途に加え、存在してよいいずれかのアニオン性界面活性剤構成成分として又はその構成成分中で使用してよい。
【0037】
好ましい非アルコキシル化、例えば非エトキシル化の、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、高級C8〜C20脂肪族アルコールの硫酸化により製造されるものである。従来の一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式(II)を有する。
ROSO3-+ 式(II)
式中、式(II)のRは、通常直鎖C8〜C20ヒドロカルビル基であり、これは直鎖又は分枝鎖であってもよく、式(II)のMは水溶性化カチオンである。好ましくは、式(II)のRは、C10〜C15アルキルであり、式(II)のMはアルカリ金属である。最も好ましくは、式(II)のRは、C12〜C14であり、式(II)のMはナトリウムである。
【0038】
液体洗剤組成物は、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤を更に含んでもよい。一般に使用されるアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤は、モノマー含量が高い(60重量%を超える)。実施形態の1つでは、洗濯用のり洗浄に関しては、モノマー含量を最小限にし、オリゴマー含量を最大限にすることが好ましいことがわかった。本明細書で使用するとき、「オリゴマー」には、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤のダイマー、トリマー、クアドリマー、及びヘプタマーまでのオリゴマーが含まれる。モノマー含量の最小化は、存在するアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤の0重量%〜約60重量%、0重量%〜約55重量%、0重量%〜約50重量%、0重量%〜約30重量%であってよい。
【0039】
本明細書で用いるアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤としては、C10〜40、C10〜22、C12〜18及びC16〜18のアルキル鎖長を有する界面活性剤が挙げられる。アルキル鎖は、分枝状でも直鎖でもよく、存在する場合、分枝は、メチル(C1)又はエチル(C2)のようなC1〜4のアルキル部分を含む。一般に、本明細書で使用されてよい好適なアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマーの構造としては、(A)ダイマー、(B)トリマー、並びに(C)テトラマー及び以下で具体的に例示されないより高度なオリゴマーが挙げられる。
【0040】
【化3】

【0041】
当業者は、対イオンが上記ナトリウム以外の他の好適な可溶性カチオンで置換されてもよいことを認識するであろう。上記構造(A)〜(C)におけるRは、C10〜40、C10〜22、C12〜18及びC16〜18である。アルキル鎖は、分枝状でも直鎖でもよく、存在する場合、分枝は、メチル(C1)又はエチル(C2)のようなC1〜4のアルキル部分を含む。また、当業者は、対応するアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤オリゴマーが、OSO3-部分であるSO3-部分を備える類似構造を有してもよいことも認識するであろう。洗剤組成物中に存在するとき、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤オリゴマー混合物は、洗剤組成物の0.1重量%〜10重量%、0.5重量%〜5重量%、1.0重量%〜4重量%存在する。
【0042】
好適な他のサルフェート又はスルホネート界面活性剤としては、米国特許第6,020,303号明細書及び同第6,060,443号明細書に記載されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号明細書及び同第6,020,303号明細書に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;国際公開第99/05243号公報、同第99/05242号公報、同第99/05244号公報、同第99/05082号公報、同第99/05084号公報、同第99/05241号公報、同第99/07656号公報、同第00/23549号公報、及び同第00/23548号公報に記載されているような修飾されたアルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES)、及びα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0043】
任意成分
本組成物の組成には、任意成分、例えば、サルフェート又はスルホネート界面活性剤以外の界面活性剤、ヒドロトロープ、粘度調節剤、ジアミン、高分子泡安定剤、酵素、ビルダー、香料、キレート剤、及びこれらの混合物が含まれてもよい。組成物の種類又は形態、特に組成物が液体食器用洗剤組成物か、硬質面洗浄組成物か、リンス添加組成物か、洗濯用洗剤組成物かによって、任意成分の適した種類が決まる。当業者であれば、本明細書の組成物に適した任意成分を選択できる。
【0044】
その他の界面活性剤
本組成物の洗剤組成物は、サルフェート又はスルホネート界面活性剤以外の界面活性剤を含んでよい。界面活性剤は、両性、双極性イオン、非イオン性、サルフェート及びスルホネート界面活性剤以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0045】
両性界面活性剤
本組成物に有用であろう両性界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤から選択される。アミンオキシドは半極性非イオン性界面活性剤であり、それらとしては、約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つの部分を含有する水溶性アミンオキシド、10〜18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つの部分を含有する水溶性ホスフィンオキシド、約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル部分並びに1〜3個の炭素原子のアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される1つの部分を含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。好ましいアミンオキシド界面活性剤としては、とりわけC10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及びC8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが挙げられる。
【0046】
本組成物において有用な両性洗剤界面活性剤のその他の好適な非限定例としては、アミドプロピルベタイン並びに脂肪族又は複素環式二級及び三級(ternary)アミンの誘導体が挙げられ、脂肪族部分は直鎖又は分枝状であることができ、脂肪族置換基の1つは、8〜24個の炭素原子を含有し、少なくとも1つの脂肪族置換基は、アニオン水溶性基を含有する。
【0047】
両性界面活性剤は、存在する場合、組成物の、例えば約0.1重量%〜約40重量%、更には例えば約0.1重量%〜約20重量%、更には例えば約0.5重量%〜約15重量%の有効量で、組成物中に存在する。
【0048】
非イオン性界面活性剤
含まれることができる非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールと約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分枝状、一級又は二級のいずれかであることができ、一般に約8〜約22個の炭素原子を含有する。特に好ましいものは、約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルコールと、アルコール1モル当り約2〜約18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。
【0049】
更に、式(III)、R2O(Cn2nO)t(グリコシル)x(III)を有し得るアルキルポリグリコシドも挙げられ、式中、式(III)のR2は、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択され(前記アルキル基は約10〜約18個、更には約12〜約14個の炭素原子を含有する)、式(III)のnは2又は3、更には2であり、式(III)のtは0〜約10、更には0であり、式(III)のxは約1.3〜約10、更には約1.3〜約3、更には約1.3〜約2.7である。グリコシルは、好ましくはグルコースから誘導される。これらの化合物を調製するには、まずアルコール又はアルキルポリエトキシ(alkylpolyethoy)アルコールを形成し、次いでグルコース又はグルコース源と反応させて、グルコシドを形成する(1位で結合)。これで、付加的グリコシル単位が、それらの1位と前述のグリコシル単位の2、3、4及び/又は6位、好ましくは主に2位との間で結合できる。
【0050】
含まれることができる更なる非イオン性界面活性剤は、式(IV)を有する脂肪酸アミド界面活性剤である。
【0051】
【化4】

式中、式(IV)のR6は、約7〜約21個(好ましくは約9〜約17個)の炭素原子を含有するアルキル基であり、式(IV)の各R7は、水素、C1〜C4のアルキル、C1〜C4のヒドロキシアルキル、及び−(C24xHからなる群から選択され、式(IV)のxは、1〜3まで幅がある。好ましいアミドは、C8〜C20アンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、及びイソプロパノールアミドである。
【0052】
本組成物に有用な別の非イオン性界面活性剤は、2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルである。グリセリルエーテルは、通常、2−エチルヘキサノールとエポキシ化合物、例えばエピハロヒドリン又はグリシドールとを、BF3又はアルミニウム触媒のような酸触媒を用いて反応させることによって製造する方法にて得られる。2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルは、特開2001−49291(A)号公報に記載されるような複数の生成物を含有する混合物である。2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルの具体的な例としては、2−エチルヘキサノールがエポキシ化合物の1位に付加した化合物(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,2−プロパンジオール、並びに2−エチルヘキサノールがエポキシ化合物の2位に付加した化合物(2−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,3−プロパンジオールが挙げられる。また、副生成物の例としては、エポキシ化合物が上記(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,2−プロパンジオール及び(2−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,3−プロパンジオールに更に付加した多付加化合物が挙げられる。
【0053】
非イオン性界面活性剤は、組成物中に存在する場合、組成物の例えば約0.1重〜約40重量%、更には約0.1重量%〜約20重量%、更には約0.5重量%〜約15重量%の有効量で存在する。
【0054】
他のアニオン性界面活性剤
他のアニオン性界面活性剤としては、好ましくは1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレートを挙げることができる。他のアニオン性界面活性剤は、存在する場合、組成物の少なくとも15重量%、例えば20重量%〜40重量%、更には25重量%〜40重量%の濃度である。
【0055】
カチオン性界面活性剤/布地柔軟化添加剤
カチオン性界面活性剤は、本出願の組成物の構成成分として利用する場合、炭素原子を最大26個有し得る非四級アンモニウム界面活性剤から選択することができ、米国特許第6,136,769号明細書に記載されているアルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、同第6,004,922号明細書に記載されているジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム、国際公開第98/35002号公報、同第98/35003号公報、同第98/35004号公報、同第98/35005号公報、及び同第98/35006号公報に記載されているポリアミンカチオン性界面活性剤、米国特許第4,228,042号明細書、同第4,239,660号明細書、同第4,260,529号明細書及び同第6,022,844号明細書に記載されているカチオン性エステル界面活性剤、並びに米国特許第6,221,825号明細書及び国際公開第00/47708号公報に記載されているアミノ界面活性剤、特にアミドプロピルジメチルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
好適なカチオン性界面活性剤はまた、ジタローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ水素添加−タローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジキャノーラ−オイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジタロージメチルアンモニウムクロライド、トリタローメチルアンモニウムクロライド、メチルビス(タローアミドエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(水素添加タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウム(ammonim)メチルサルフェート、メチルビス(オレイルアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジタローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジ水素添加−タローオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジキャノーラ−オイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、N−タローオイルオキシエチル−N−タローオイルアミノプロピルメチルアミン、1,2−ビス(硬化タローオイルオキシ)−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロライド、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない、既知の布地柔軟化添加剤から選択することもできる。
【0057】
ポリ四級アンモニウム化合物もまた、本組成物のカチオン性界面活性剤として有用な可能性があり、欧州特許第803,498号明細書、英国特許第808,265号明細書、同第1,161,552号明細書、ドイツ特許第4,203,489号明細書、欧州特許第221,855号明細書、同第503,155号明細書、同第507,003号明細書、同第803,498号明細書、仏国特許第2,523,606号明細書、JP 84−273918号、JP 2−011,545号、米国特許第3,079,436号明細書、同第4,418,054号明細書、同第4,721,512号明細書、同第4,728,337号明細書、同第4,906,413号明細書、同第5,194,667号明細書、同第5,235,082号明細書、同第5,670,472号明細書、ウェイロン・ミャオ(Weirong Miao)、ウェイ・フー(Wei Hou)、リー・チェン(Lie Chen)、及びゾンシー・リ(Zongshi Li)著、「多官能性仕上げ剤の研究(Studies on Multifunctional Finishing Agents)」、リヨン・ワクスー・ゴニエ(Riyong Huaxue Gonye)、No.2、p.8〜10、1992年、「応用化学(Yokagaku)」、41巻、第4号(1992年)、及び「消毒、滅菌、及び保存(Disinfection, Sterilization, and Preservation)」、第4版、リー&フェビガー(Lea & Febiger)により1991年出版、13章、p.226〜30に更に詳細に記載されている。脂肪酸とN,N,N’,N’テトラアキス(ヒドロキシエチル)−1,6−ジアミノヘキサンとの反応生成物の四級化によって形成される生成物も、本発明に使用するのに適している。
【0058】
セレスター(Cerestar)から商標名C*BOND(C*BOND)(登録商標)で、及びナショナルスターチ(National Starch)から商標名CATO(CATO)(登録商標)A2で市販されているような、25%〜95%のアミロースを含有し、置換度が0.02〜0.09である、一般的なトウモロコシデンプン又はバレイショデンプンが基となるカチオンデンプンも、カチオン性界面活性剤/布地柔軟化添加剤として利用することができる。また、米国特許第4,876,336号明細書(表II、サンプルA及びF)及び同時係属特許出願公開第2005/0054553号(2004年6月27日出願)に記載されているようなカチオン性リン酸化(phophorylated)デンプンも利用することができる。
【0059】
本組成物に有用なエステル及び/又はアミド結合カチオン性界面活性剤の例は、米国特許第5,759,990号明細書及び同第5,747,443号明細書に開示されている。本組成物のカチオン性界面活性剤として使用できる好適なアミン柔軟剤の例は、米国特許第6,630,441号明細書に開示されている。本明細書に使用できる他の布地柔軟化活性物質は、少なくとも基本構造に関して包括的に、米国特許第3,861,870号明細書、同第4,308,151号明細書、同第3,886,075号明細書、同第4,233,164号明細書、同第4,401,578号明細書、同第3,974,076号明細書、及び同第4,237,016号明細書に開示されている。より生分解性の高いカチオン性界面活性剤の例は、米国特許第3,408,361号明細書、同第4,709,045号明細書、同第4,233,451号明細書、同第4,127,489号明細書、同第3,689,424号明細書、同第4,128,485号明細書、同第4,161,604号明細書、同第4,189,593号明細書、及び同第4,339,391号明細書に見い出すことができる。
【0060】
カチオン性界面活性剤は、組成物中に存在する場合、組成物の例えば約0.1重量〜約40重量%、更には約1重量〜約27重量%、また更には約5重量〜約20重量%のような有効量で存在する。
【0061】
水性液体キャリア
本明細書の組成物には、液状の場合、約30%〜80%の水性液体キャリアが更に含まれてもく、そのキャリア中に他の必須成分及び任意成分が溶解、分散、又は懸濁する。より好ましくは、水性液体キャリアは、本明細書の組成物の約45%〜約70%、例えば約45%〜約65%で含まれる。
【0062】
水性液体キャリアの1つの好ましい構成成分は、水である。しかしながら、水性液体キャリアは、室温(20℃〜25℃)で液状であるか又は液体キャリアに溶解する他の構成成分であって、不活性な充填剤の機能に加えてある種の他の機能をも果たすことができる他の構成成分を含有してもよい。そのような物質としては、例えば、ヒドロトロープ及び溶媒を挙げることができ、以下でより詳細に考察される。本明細書の組成物を使用する地域に応じて、水性液体キャリア中の水は、約0.03〜0.5g/L(2〜30gpg)の硬度レベルを有することができる(「gpg」は、当業者には周知の水の硬度の測度であって、「グレイン・パー・ガロン(grains per gallon)」を表す)。
【0063】
組成物の粘度(Thickness)
本明細書の組成物は、液体形態で具現した場合、増粘性があり、20℃で測定した場合、0.7Pa・s(700cps)超、例えば0.7〜1.1Pa・s(700〜1100cps)の粘度を有してよい。
【0064】
溶媒
本明細書の組成物は、任意に溶媒を含んでよい。好適な溶媒には、C4〜14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C6〜C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化直鎖C1〜C5アルコール、直鎖C1〜C5アルコール、アミン、C8〜C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。分枝が存在する場合、1つ以上のC1〜C4の分枝があってもよい。
【0065】
好ましい溶媒は、メトキシオクタデカノール、エトキシエトキシエタノール、ベンジルアルコール、2−エチルブタノール及び/又は2−メチルブタノール、1−メチルプロポキシエタノール及び/又は2−メチルブトキシエタノール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルジグリコールエーテル(BDGE)、ブチルトリグリコールエーテル、第三級アミルアルコール、グリセロールのような直鎖C1〜C5アルコール、並びにこれらの混合物から選択される。本明細書で使用できる特に好ましい溶媒は、ブトキシプロポキシプロパノール、ブチルジグリコールエーテル、ベンジルアルコール、ブトキシプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エタノール、メタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物である。
【0066】
本明細書で用いるのに好適な他の溶媒としては、プロピレングリコール誘導体、例えばn−ブトキシプロパノール若しくはn−ブトキシプロポキシプロパノ−ル、水溶性カルビトールR(CARBITOL R)(登録商標)溶媒、又は水溶性セロソルブR(CELLOSOLVE R)(登録商標)溶媒が挙げられる。水溶性カルビトールR(CARBITOL R)(登録商標)溶媒は、2−(2−アルコキシエトキシ)エタノールの部類の化合物であり、アルコキシ基はエチル、プロピル、又はブチルに由来し、好ましい水溶性カルビトール(CARBITOL)(登録商標)は、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールであり、ブチルカルビトール(BUTYL CARBITOL)(登録商標)としても知られている。水溶性セロソルブR(CELLOSOLVE R)(登録商標)溶媒は、2−アルコキシエトキシエタノールの部類の化合物であり、2−ブトキシエトキシエタノールが好ましい。他の好適な溶媒としては、ベンジルアルコール、並びに2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどのジオール、並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましいいくつかの溶媒は、n−ブトキシプロポキシプロパノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール及びこれらの混合物である。
【0067】
溶媒は、モノ−、ジ−、及びトリ−エチレングリコールのエーテル誘導体、ブチレングリコールエーテル、並びにこれらの混合物を含む、化合物の群から選択することもできる。これらの溶媒の重量平均分子量は、好ましくは350未満、例えば100〜300、更には例えば115〜250である。好ましい溶媒の例としては、例えば、モノエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、モノプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びトリプロピレングリコールメチルエーテルが挙げられる。エチレングリコール及びプロピレングリコールエーテルは、ダウケミカル社(Dow Chemical Company)から商標名ダワノール(DOWANOL)(登録商標)で、及びアルコケミカル社(Arco Chemical Company)から商標名アルコソルブ(ARCOSOLV)(登録商標)で市販されている。モノ−及びジ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテルを含む他の好ましい溶媒は、ユニオンカーバイド社から入手可能である。
【0068】
本明細書の組成物は、存在する場合、組成物の0.01重量%〜20重量%、例えば0.5重量%〜20重量%、更には1重量%〜10重量%の溶媒を含有する。溶媒は、例えば、水などの水性の液体キャリアと組み合わせて使用してもよいし、存在する水性の液体キャリアなしに使用してもよい。
【0069】
ヒドロトロープ
本明細書の組成物は、組成物が水に適切に相溶するように、任意に有効量のヒドロトロープを含んでもよい。「水に適切に相溶する」とは、製品が、洗浄習慣と使用条件の双方に応じて迅速かつ十分に水に溶解することを意味する。水に素早く溶解しない組成物は、全般的な洗浄、起泡性、皿/グラスなどの表面からの組成物のすすぎやすさ、又は洗浄後の表面上への残留性に関して、良好な性能を達成することができない場合がある。ヒドロトロープを含めることは、文献や先行技術において周知なように、組成物の安定性及び配合性の改善にも有用である。
【0070】
本明細書で使用するのに好適なヒドロトロープには、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物、並びに米国特許第3,915,903号明細書に開示されている関連する化合物が挙げられる。
【0071】
本明細書の組成物は、典型的に、組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは3重量%〜6重量%のヒドロトロープ、又はその混合物を含む。
【0072】
疎水性ブロックポリマー
本明細書の組成物は、アルキレンオキシド部分、及び少なくとも500であるが好ましくは10,000未満、例えば1,000〜5,000、更には1,500〜3,500の重量平均分子量を有する疎水性ブロックポリマーを任意に含んでよい。好適な疎水性ポリマーは、25℃において、そのポリマーの約1重量%未満、例えば約0.5重量%未満、更には約0.1重量%未満の水溶解度を有する。
【0073】
本明細書で使用するとき、「ブロックポリマー」とは、結びついて1個のポリマー構造を形成する2つ以上の異なるホモポリマー及び/又はモノマー単位を含むポリマーを包含することを意味する。好ましいコポリマーは、モノマー単位の1つとしてエチレンオキシドを含む。より好ましいコポリマーは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドとのコポリマーである。このような好ましいポリマーのエチレンオキシド含量は、約5重量%超、より好ましくは約8重量%超、かつ約50重量%未満、より好ましくは約40重量%未満である。好ましいポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーであり、BASF社より、商標名プルロニックL81(PLURONIC L81)(登録商標)、プルロニックL35(PLURONIC L35)(登録商標)又はプルロニックL43(PLURONIC L43)(登録商標)で入手可能である。
【0074】
本明細書の組成物は、1つ以上の疎水性ブロックポリマーを組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは組成物の1重量%〜6重量%で任意に含む。
【0075】
増粘剤
本明細書における組成物はまた、洗剤組成物の約0.2重量%〜5重量%の増粘剤を含有することができる。より好ましくは、このような増粘剤は、本明細書の洗剤組成物の約0.5重量%〜2.5重量%で含まれる。増粘剤は、典型的に、セルロース誘導体の部類から選択される。好適な増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン性疎水変性ヒドロキシエチルセルロース(アマコール社(Amerchol Corporation)からクアトリソフト(QUATRISOFT)(登録商標)LM200として入手可能)などが挙げられる。好ましい増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0076】
高分子泡安定剤
本明細書の組成物は、任意に高分子泡安定剤を含有してもよい。これらの高分子泡安定剤は、組成物の起泡量や起泡持続時間を増大させる。これらの高分子泡安定剤は、(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルエステル及び(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルアクリレートエステルのホモポリマーから選択され得る。高分子泡促進剤の重量平均分子量は、常套のゲル浸透クロマトグラフィーで求められ、1,000〜2,000,000、例えば5,000〜1,000,000、更には10,000〜750,000、なお更には20,000〜500,000、また更には35,000〜200,000である。高分子泡安定剤は任意に、無機又は有機の塩のいずれかの塩、例えば(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステルのクエン酸塩、硫酸塩、又は硝酸塩の形態で存在できる。
【0077】
1つの好ましい高分子泡安定剤は、(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステル、すなわち、式(V)で表されるアクリレートエステルである。
【0078】
【化5】

【0079】
高分子泡促進剤は、組成物中に存在する場合、組成物の0.01重量%〜15重量%、例えば0.05重量%〜10重量%、更には0.1重量%〜5重量%で組成物中に存在してよい。
【0080】
ジアミン
本明細書の組成物の別の任意成分は、ジアミンである。液体食器用洗剤組成物などの組成物のユーザーの習慣及び実践はばらつきが激しいので、組成物には、少なくとも1種のジアミンを組成物の0重量%〜15重量%、例えば0.1重量%〜15重量%、更には0.2重量%〜10重量%、更には例えば0.25重量%〜6重量%、また0.5重量%〜1.5重量%で含有させることができる。
【0081】
好ましい有機ジアミンとしては、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン(pKa=10〜10.5)、1,3−プロパンジアミン(pK1=10.5、pK2=8.8)、1,6−ヘキサンジアミン(pK1=11、pK2=10)、1,3−ペンタンジアミン(DYTEK EP(登録商標))(pK1=10.5、pK2=8.9)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(DYTEK A(登録商標))(pK1=11.2、pK2=10.0)が挙げられる。他の好ましい物質には、C4〜C8の範囲のアルキレンスペーサーを有する第一級/第一級ジアミンが挙げられる。一般に、第一級ジアミンは、第二級及び第三級ジアミンより好ましいと考えられている。本明細書において実用的な定義として、ジアミンのpKaは、25℃の全水溶液中において、及び0.1〜0.5Mのイオン強度に関して特定される。
【0082】
好ましくは、本明細書の組成物は、液体形態の場合、透明な液体組成物として配合する。「透明な」とは、安定かつ透明であることを意味する。透明な組成物を得るために溶媒及びヒドロトロープを使用することは、洗剤組成物の技術分野に精通している人には周知である。本明細書の好ましい組成物は透明な単層液体であるが、米国特許第5,866,529号明細書(エリリ(Erilli)ら)、及び同第6,380,150号明細書(トゥーサン(Toussaint)ら)に記載のビーズ又は真珠様のもののように分散した層を含有する透明及び不透明な製品も、その製品が貯蔵中に物理的に安定的である(すなわち、分離しない)のであれば、含まれる。
【0083】
本明細書の組成物は、使用するために組成物を供給するのに好適ないずれかのパッケージで包装してよい。好ましくは、パッケージは、ガラス又はプラスチック製の透明なパッケージである。
【0084】
ビルダー
本出願の組成物は、ビルダー系を更に含んでもよい。ビルダーを使用するのが望ましい場合には、アルミノシリケート物質、シリケート、ポリカルボキシレート及び脂肪酸、エチレン−ジアミン四酢酸等の物質、アミノポリホスホネート、とりわけエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸及びジエチレントリアミンペンタメチレン−ホスホン酸等の金属イオン封鎖剤を包含する従来のいかなるビルダー系も本明細書で用いるのに好適である。いうまでもなく環境的理由から好ましくはないが、ホスフェートビルダーも本明細書において使用できる。
【0085】
本明細書に使用するのに好適なポリカルボキシレートビルダーには、クエン酸、好ましくは水溶性塩の形態のクエン酸、式(VI)R−CH(COOH)CH2(COOH)(式VI)のコハク酸の誘導体が挙げられ、ここで、式(VI)のRは、C10〜20アルキル又はアルケニルであり、例えばC12〜16であるか、又は式(VI)のRは、ヒドロキシル、スルホ、スルホキシル若しくはスルホン置換基で置換され得る。具体例としては、ラウリルサクシネート、ミリスチルサクシネート、パルミチルサクシネート、2−ドデセニルサクシネート、2−テトラデセニルサクシネートが挙げられる。サクシネートビルダーは、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルカノールアンモニウム塩を含むこれらの水溶性塩の形態で使用する。
【0086】
その他の好適なポリカルボキシレートは、オキソジサクシネート、及び米国特許第4,663,071号明細書に記載されているようなタータラートモノコハク酸とタータラートジコハク酸との混合物である。
【0087】
とりわけ本明細書の液体形態に関して、本明細書での使用に好適な脂肪酸ビルダーは、飽和又は不飽和C10〜18の脂肪酸、並びに対応する石鹸である。好ましい飽和種は、アルキル鎖に12〜16個の炭素原子を有する。好ましい不飽和脂肪酸は、オレイン酸である。液体組成物のための他の好ましいビルダー系は、ドデセニルコハク酸及びクエン酸を基にしている。
【0088】
ビルダーが含まれる場合、それは組成物の0.5重量%〜50重量%、好ましくは0.5重量%〜25重量%、最も一般的には0.5重量%〜5重量%の量で含まれてよい。
【0089】
酵素
本出願の組成物は、洗浄性能上の利益をもたらす1つ以上の酵素を更に含んでよい。前記酵素には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、又はこれらの混合物から選択される酵素が挙げられる。好ましい組み合わせは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素の混液を有する組成物である。酵素が本組成物に存在する場合、組成物の0.0001重量%〜5重量%の活性酵素として存在する。次に、好ましいタンパク質分解酵素は、アルカラーゼ(ALCALASE)(登録商標)(ノボインダストリ社(Novo Industri A/S))、BPN’、プロテアーゼA及びプロテアーゼB(ジェネンコア社(Genencor))、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。プロテアーゼB(Protease B)が最も好ましい。好ましいアミラーゼ酵素としては、ターマミル(TERMAMYL)(登録商標)、デュラミル(DURAMYL)(登録商標)、並びにジェネンコア・インターナショナル社(Genencor International)に対する国際公開第94/18314号公報及びノボ社(Novo)に対する同第94/02597号公報に記載されているアミラーゼ酵素が挙げられる。
【0090】
キレート剤
本明細書の組成物は、任意に1以上の鉄及び/又はマンガンキレート剤を含有してもよい。このようなキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、これらのすべては以下で定義する。理論に束縛されるものではないが、このような物質の利点は、1つには、可溶性キレートの形成により洗浄溶液から鉄及びマンガンイオンを取り除くそれらの並外れた能力に起因すると考えられている。
【0091】
任意のキレート剤として有用なアミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミンテトラアセテート、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロ−トリ−アセテート、エチレンジアミンテトラプロプリオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、及びエタノールジグリシン、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
洗剤組成物において少なくとも低濃度の総リンが許容される場合、アミノホスホネートも本発明の組成物におけるキレート剤として用いるのに好適であり、デクエスト(DEQUEST)(登録商標)のようなエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が挙げられる。これらアミノホスホネートは、6個より多い炭素原子を持つアルキル基又はアルケニル基を含有しないのが好ましい。多官能置換された芳香族キレート剤も、本明細書の組成物中で有用である。1974年5月21日にコナー(Connor)らに対して発行された、米国特許第3,812,044号明細書を参照のこと。この種の酸型の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンのようなジヒドロキシジスルホベンゼンである。本明細書で使用するのに好ましい生分解性キレート剤は、エチレンジアミンジサクシネート(「EDDS」)であり、特に、1987年11月3日にハートマン(Hartman)及びパーキンス(Perkins)に対して発行された、米国特許第4,704,233号明細書に記載されている[S,S]異性体である。本明細書における組成物は、キレート剤又は補助ビルダーとして、水溶性メチルグリシン二酢酸(MGDA)塩(又は酸の形態)を含有してもよい。同様に、シトレート等のいわゆる「弱い」ビルダーをキレート剤として用いることもできる。
【0093】
キレート剤を利用する場合、これらのキレート剤は、一般に、本明細書における洗剤組成物の0.00015重量%〜15重量%で含まれる。更に好ましくは、キレート剤を利用する場合、キレート剤は、組成物の0.0003重量%〜3.0重量%で含まれる。
【0094】
他の成分
組成物は、更に好ましくは、汚れ放出ポリマー、高分子分散剤、多糖類、研磨剤、殺菌剤及びその他の抗菌剤、変色防止剤、抗真菌剤又は白カビ制御剤、防虫剤、香料、ヒドロトロープ、増粘剤、加工助剤、泡促進剤、光沢剤、錆止め助剤、安定剤、酸化防止剤、及びキレート剤から選択される1つ以上の洗浄性補助剤を含む。洗剤組成物に有用な多種多様なその他の成分を、本明細書の組成物に含むことができ、それらとしては他の活性成分、キャリア、酸化防止剤、加工助剤、液体配合のための溶媒、棒状組成物のための固体充填剤等が挙げられる。高い起泡性が所望であれば、C10〜C16アルカノールアミド等の泡促進剤を、典型的には1〜10%の濃度にて組成物に組み入れることができる。C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドは、このような泡促進剤の典型的な部類を示す。上述のアミンオキシド、ベタイン、及びスルタインのような高起泡補助界面活性剤を含む泡促進剤を使用することも有益である。
【0095】
所望により、酸化防止剤を本出願の組成物に加えることができる。それらは、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、カルバメート、アスコルベート、チオサルフェート、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のような洗剤組成物において使用されるいかなる従来型酸化防止剤であってもよい。酸化防止剤が存在する場合、酸化防止剤は組成物に0.001重量%〜5重量%で存在することが好ましい。
【0096】
食器の洗浄プロセス
本組成物は、食器洗浄プロセスにも関する。食器を、上述のような組成物と接触させる。組成物を好適な容器(例えば、タライ、シンク、又はボウル)中で水と混合させることができ、それによって多くの皿を同じ組成物及び水(食器を洗うための水)を用いて洗浄することができる。更に別のプロセスにおいて、この製品は、典型的には非常に汚れた食器用の浸漬媒体として、好適な容器中において希釈形態で使用することができる。前述したように、食器を任意ではあるが乾燥前にすすぎ洗いすることが好ましい。乾燥は、水を自然蒸発させることによって受動的に行ってもよく、いかなる好適な乾燥器具、例えば、布又はタオルを用いて能動的に行ってもよい。
【0097】
粘度試験方法
本明細書の洗剤組成物の粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計モデル番号LVDVII+により20℃で測定する。これらの測定に使用されるスピンドルは、異なる粘度の製品を測定するために適切な速度を持つS31であり、例えば、1Pa・s(1000cps)より大きい粘度の製品を測定するためには12rpm、0.5〜1.0Pa・s(500cps〜1000cps)の粘度を有する製品を測定するためには30rpm、0.5Pa・s(500cps)未満の粘度を有する製品を測定するためには60rpmである。
【0098】
以下の実施例は、本発明の組成物を代表するが、いかなる制限も意味するものではない。
【0099】
【表1】

1:クメンスルホン酸ナトリウム
2:C12〜C14アミンオキシド
3:平均0.6個のエトキシ基を含有するC12〜13アルキルエトキシスルホネート
4:1,3−BACは、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサンである。
5:(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
6:例えば米国特許出願公開第2006/0073999(A1)号に記載されているもの
【0100】
【表2】

1米国特許第4,891,160号明細書(ファンデルメール(VanderMeer)ら)による1つ以上のポリマー。
2国際公開第00/105923号公報(プライス(Price)ら)による1つ以上のポリマー。
【0101】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0102】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において、本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0103】
本発明の特別な実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくその他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)7.5〜13、好ましくは8.0〜10、より好ましくは8.5〜10のpHを有し、
(i)第1の可視表示となり得るとともに、第2の可視表示となり得るpH染料と、
(ii)サルフェート又はスルホネート界面活性剤と
を含む液体組成物と、
(b)大量の水と、
を含む液体組成物系であって、
前記液体組成物が前記pH染料の第1の可視表示を含み、
前記液体組成物が大量の水で希釈されて液体組成物系を形成し、前記液体組成物系が前記pH染料の前記第2の可視表示を含む場合、前記第2の可視色が青色又は緑色からなる群から選択されることを特徴とする、液体組成物系。
【請求項2】
前記液体組成物系のpHが、前記液体組成物のpH未満であり、好ましくは前記液体組成物系のpHが7.0〜8.5であることを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物系。
【請求項3】
前記液体組成物が、pH染料でない1以上の染料を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物系。
【請求項4】
前記pH染料が、
【化1】

及びこれらの混合物から選択され、
式中、A及びA’は独立に、水素、直鎖又は分枝状C1〜C12アルキルから選択され、D及びD’は独立に、水素、直鎖又は分枝状C1〜C12アルキル、塩素及び臭素から選択され、E及びE’は独立に、水素、直鎖又は分枝状C1〜C12アルキル、塩素及び臭素から選択され、G及びG’は独立に、水素、塩素又は臭素から選択され、J〜Lは−C=O又は−SO2であり、MはSO3-、CO2及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物系。
【請求項5】
前記pH染料が、ブロモクレゾール・パープル、ブロモチモール・ブルー、ブロモクレゾール・グリーン、ブロモフェノール・ブルー、ブロモキシレノール・ブルー及びこれらの混合物の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物系。
【請求項6】
前記液体組成物が、非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、カチオン性界面活性剤又はアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤から選択される界面活性剤を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物系。
【請求項7】
前記第1の可視表示が黄色又は緑色から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物系。
【請求項8】
前記第2の可視表示が青色であることを特徴とする、請求項1に記載の液体組成物系。
【請求項9】
液体洗剤組成物に色変化を生じさせる方法であって、
(i)pH感応性染料と、(ii)サルフェート又はスルホネート界面活性剤とを含む第1の可視色を有するpH7.5〜13の液体組成物を提供することにより、前記液体洗剤組成物を大量の水に添加すると、青色又は緑色からなる群から選択される第2の可視色が生じることを特徴とする、方法。
【請求項10】
液体組成物の色の可視変化を生じさせるプロセスであって、前記プロセスが、
(a)
(i)pH感応性染料と、
(ii)サルフェート又はスルホネート界面活性剤と
を含む第1の可視色を有するpH7.5〜13の液体組成物を提供する工程と、
(b)大量の水に前記液体組成物を添加するように指示を与える工程と、
(c)前記液体組成物及び大量の水から得られた混合物が、青色又は緑色からなる群から選択される第2の可視色をもたらすことを伝える工程と
を含むことを特徴とする、プロセス。

【公表番号】特表2010−521572(P2010−521572A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554121(P2009−554121)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051098
【国際公開番号】WO2008/117233
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】