説明

台間装置および遊技媒体貸出システム

【課題】遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めること。
【解決手段】遊技台に記憶された認証鍵と対応する認証鍵を記憶部に記憶し、認証情報生成部が、所定の認証情報を遊技台との間で共有し、暗号化・復号部および認証依頼部が、遊技台との間で共有された認証情報を含んだ認証依頼を記憶部に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで遊技台に対して送信し、暗号化・復号部および許可部が、暗号化された情報を遊技台から受け取った場合に、暗号化された情報を記憶部に記憶された認証鍵を用いて復号することによって得られた復号情報に認証情報が含まれており、かつ、復号情報に含まれた認証情報と記憶部に記憶された認証情報とが一致したならば、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可するように台間装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台に対応して設けられる台間装置および遊技媒体貸出システムに関し、特に、遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めることができる台間装置および遊技媒体貸出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技台と並設され、紙幣や硬貨といった貨幣を受け付けてパチンコ玉やメダルといった遊技媒体を貸し出す貸出処理機(以下、「台間装置」と記載する)が知られている。
【0003】
かかる台間装置には、ノズルを介して遊技媒体を遊技台へ貸し出すタイプや、遊技台に対して所定の払出指示を送信して遊技台側に遊技媒体を貸し出させるタイプがある。たとえば、特許文献1には、所定の1単位額相当の玉貸しを遊技台へ要求し、遊技台から玉貸しの準備が整った旨の応答を受けた場合に、遊技台に対する1単位額相当の貸出指示を行う台間装置が開示されている。
【0004】
具体的には、特許文献1の台間装置は、遊技台に対して貸出指示を行う場合には、所定の信号ピン経由で遊技台へパルス信号を1回出力する。そして、遊技台は、信号ピンにパルス信号が1回入力されたならば、1単位額相当の遊技媒体を貸し出す。このように、台間装置および遊技台は、玉貸処理に伴う指示や応答のやり取りをパルス信号の入出力によって行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3545395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術には、ゴト行為に対するセキュリティが不十分であるという問題があった。ここで、ゴト行為とは、いわゆるぶら下がり基板を接続して遊技台に対して不正に貸出指示を行うことで遊技媒体を獲得する行為を指す。
【0007】
このような問題が発生するのは、従来の台間装置および遊技台が、玉貸処理に伴う指示や応答のやり取りを単にパルス信号の入出力のみで行っているためである。すなわち、ぶら下がり基板は、遊技台に対して擬似的なパルス信号を出力するだけで、遊技媒体の貸し出しを遊技台に対して容易に行わせることができてしまうのである。
【0008】
また、特許文献1の技術では、遊技台から玉貸しの準備が整った旨の応答を受けたうえで遊技台への貸出指示を行うこととしているが、かかる応答がぶら下がり基板によって偽造されるおそれもある。すなわち、ぶら下がり基板から台間装置に対して擬似的なパルス信号を送信することによって、台間装置に対して遊技台への貸出指示を不正に行わせることも考えられる。
【0009】
これらのことから、遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めることができる台間装置あるいは遊技媒体貸出システムをいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めることができる台間装置および遊技媒体貸出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、遊技台に対応して設けられる台間装置であって、前記遊技台に記憶された認証鍵と対応する認証鍵を記憶する認証鍵記憶手段と、所定の認証情報を前記遊技台との間で共有する認証情報共有手段と、前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信する認証依頼手段と、暗号化された情報を前記遊技台から受け取った場合に、前記暗号化された情報を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて復号することによって得られた復号情報に認証情報が含まれており、かつ、前記復号情報に含まれる認証情報と前記認証情報共有手段によって共有された認証情報とが一致したならば、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可する許可手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記認証依頼手段は、前記遊技台と接続した場合、入金を受け付けた場合、遊技媒体の貸し出し操作を受け付けた場合あるいは異常状態から復帰した旨を前記遊技台から受けた場合に、前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記認証依頼手段は、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示ごとに、前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化した前記認証依頼を前記遊技台に対して送信し、前記許可手段は、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示が行われたならば、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を禁止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記復号情報に含まれる認証情報が、前記認証情報共有手段によって共有された認証情報と一致しなかったならば、所定の異常対応指示を行う異常対応指示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ貸出指示を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信する貸出指示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技台および前記遊技台に対応して設けられる台間装置を有する遊技媒体貸出システムであって、前記台間装置は、前記遊技台に記憶された認証鍵と対応する認証鍵を記憶する認証鍵記憶手段と、所定の認証情報を前記遊技台との間で共有する認証情報共有手段と、前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信する認証依頼手段と、暗号化された情報を前記遊技台から受け取った場合に、前記暗号化された情報を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて復号することによって得られた復号情報に認証情報が含まれており、かつ、前記復号情報に含まれる認証情報と前記認証情報共有手段によって共有された認証情報とが一致したならば、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可する許可手段とを備え、前記遊技台は、前記台間装置が記憶する認証鍵と対応する認証鍵を記憶する記憶手段と、所定の認証情報を前記台間装置との間で共有する共有手段と、暗号化された認証依頼を前記台間装置から受け取った場合に、前記記憶手段に記憶された認証鍵を用いて復号された前記認証依頼に含まれる認証情報が、前記共有手段によって共有された認証情報と一致したならば、前記共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記台間装置に対して送信する依頼手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技台に記憶された認証鍵と対応する認証鍵を記憶し、所定の認証情報を遊技台との間で共有し、遊技台との間で共有された認証情報を含んだ認証依頼を認証鍵を用いて暗号化したうえで遊技台に対して送信し、暗号化された情報を遊技台から受け取った場合に、暗号化された情報を認証鍵を用いて復号することによって得られた復号情報に認証情報が含まれており、かつ、復号情報に含まれる認証情報と遊技台との間で共有された認証情報とが一致したならば、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可することとしたので、遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めることができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、認証依頼手段は、遊技台と接続した場合、入金を受け付けた場合、遊技媒体の貸し出し操作を受け付けた場合あるいは異常状態から復帰した旨を遊技台から受けた場合に、認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで遊技台に対して送信することとしたので、台間装置および遊技台間で共有する認証情報が様々なタイミングで更新される結果、傍受した認証依頼を用いたゴト行為を困難化することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示ごとに、認証鍵を用いて暗号化した認証依頼を遊技台に対して送信し、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示が行われたならば、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を禁止することとしたので、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示が許可される期間を必要最小限に留めることができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、復号情報に含まれる認証情報と遊技台との間で共有された認証情報とが一致しなかったならば、所定の異常対応指示を行うこととしたので、たとえば、遊技店の従業員に対し、ゴト行為が行われているおそれがある旨を迅速に報知することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、遊技台との間で共有された認証情報を含んだ貸出指示を認証鍵を用いて暗号化したうえで遊技台に対して送信することとしたので、遊技台が、貸出指示の送信元が確かに台間装置であることを確認したうえで貸出処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る台間装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、台間装置および遊技台の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、台間装置の外観図である。
【図5】図5は、台間装置と遊技台との間で行われる認証情報の共有処理および削除処理を示すシーケンス図である。
【図6】図6は、台間装置と遊技台との間で行われる相互認証処理を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、認証情報の共有処理および相互認証処理間における実行タイミングの関係を示す図である。
【図8】図8は、認証情報の共有処理および相互認証処理の実行タイミングのバリエーションを示す図である。
【図9】図9は、貸出ボタン押下時に共有処理を行った後、貸出指示ごとに相互認証処理を行う場合を示すシーケンス図である。
【図10】図10は、貸出指示ごとに共有処理および相互認証処理を行う場合および貸出指示を暗号化する場合を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る台間装置および遊技媒体貸出システムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、台間装置が併設される遊技台がパチンコ機である場合について説明することとする。
【0024】
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要を示す図である。同図に示すように、本発明に係る遊技媒体貸出手法では、台間装置および遊技台間で相互認証を行い、相互認証の結果に応じて遊技台への貸出指示を許可するか否かを決定する点に主たる特徴がある。
【0025】
具体的には、図1に示したように、台間装置および遊技台は、互いに対応する認証鍵を予め記憶している(図1の(1),(1’)参照)。ここで、「互いに対応する」とは、一方の認証鍵によって暗号化された情報を他方の認証鍵によって復号でき、その逆も可能であることを指す。
【0026】
また、台間装置および遊技台は、相互認証に用いる認証情報を共有する処理を行う(図1の(2)参照)。ここで、認証情報とは、乱数やパスワード、パスフレーズ等を指す。具体的には、台間装置は、認証情報を生成し、生成した認証情報を自装置に記憶するとともに遊技台へ送信する。また、遊技台は、台間装置から受信した認証情報を自装置に記憶する。これによって、台間装置および遊技台は、認証情報を共有した状態となる。
【0027】
また、台間装置および遊技台は、認証鍵および認証情報を用いて相互認証処理を行う(図1の(3)参照)。まず、台間装置は、自装置を認証すべき旨の認証依頼を遊技台へ送信して、遊技台に対して自装置を認証させる。具体的には、台間装置は、認証情報を含んだ認証依頼を認証鍵を用いて暗号化し、暗号化した認証依頼を遊技台へ送信する。
【0028】
遊技台は、暗号化された認証依頼を受信したならば、受信した認証依頼を認証鍵を用いて復号し、復号した認証依頼から認証情報を取り出す。そして、遊技台は、取り出した認証情報と自装置に記憶された認証情報とを比較し、両者が一致したならば台間装置を認証する。なお、遊技台は、台間装置を認証すると、遊技媒体の貸出処理の実行が許可な状態となる。
【0029】
また、遊技台は、台間装置を認証すると、認証依頼を台間装置へ送信して、台間装置に対して自装置を認証させる。具体的には、遊技台は、自装置に記憶された認証情報を含んだ認証依頼を認証鍵を用いて暗号化し、暗号化した認証依頼を台間装置に対して送信する。
【0030】
台間装置は、暗号化された認証依頼を受信したならば、受信した認証依頼を認証鍵を用いて復号し、復号した認証依頼から認証情報を取り出す。そして、台間装置は、取り出した認証情報と自装置に記憶された認証情報とを比較し、両者が一致したならば遊技台を認証する。
【0031】
そして、台間装置および遊技台が相互に認証したならば(図1の(4)参照)、台間装置は、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可する(図1の(5)参照)。すなわち、台間装置は、遊技客によって遊技媒体の貸出ボタンが押下された場合に、遊技台に対して遊技媒体の貸出指示を行うことが可能な状態となる。
【0032】
このように、台間装置および遊技台が相互に認証してはじめて、遊技台による遊技媒体の貸出処理の実行が可能となるとともに、台間装置による遊技台への貸出指示の送信が可能となる。
【0033】
なお、遊技台は、台間装置を認証していない場合には、遊技媒体の貸出処理の実行が許可されないので、ぶら下がり基板から不正な貸出指示を受けたとしても、遊技媒体の貸出処理を行わない。また、台間装置は、遊技台を認証していない場合には、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示が許可されないので、ぶら下がり基板からの不正な指示を受けたとしても、遊技台への貸出指示を行わない。
【0034】
なお、遊技台または台間装置のいずれかの認証が失敗した場合には、異常対応処理が行われる。たとえば、台間装置は、認証依頼から取り出した認証情報が自装置に記憶された認証情報と異なる場合には、異常対応処理として、異常が発生した旨を所定の表示部に対して表示する。
【0035】
このように、本発明に係る遊技媒体貸出手法では、台間装置および遊技台間で相互認証を行い、相互認証が成功した場合に遊技台への貸出指示を行うこととしたので、ぶら下がり基板を用いた不正行為を防止することができる。したがって、遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めることができる。
【0036】
ところで、台間装置および遊技台間でやり取りされる認証依頼は、ぶら下がり基板によって傍受される可能性がある。そして、このような場合、ぶら下がり基板は、傍受した認証依頼を用いて台間装置や遊技台に対して相互認証を行わせたうえで、遊技台に対して不正に貸出処理を行わせるおそれがある。たとえば、ぶら下がり基板は、傍受した認証依頼を台間装置に送信し、台間装置に対して遊技台の認証を行わせるとともに遊技台への貸出指示を行わせることが考えられる。
【0037】
そこで、本発明にかかる遊技媒体貸出手法では、認証情報の共有処理や相互認証処理を様々なタイミングで行い、台間装置および遊技台間で共有する認証情報を頻繁に更新することによって、かかるゴト行為を困難化することとしている。
【0038】
たとえば、認証情報の共有処理によって台間装置および遊技台間で共有されている認証情報が更新された場合、ぶら下がり基板によって傍受された認証依頼に含まれる認証情報は、台間装置および遊技台間であらたに共有された認証情報と一致しなくなる。この結果、ぶら下がり基板は、傍受した認証依頼を台間装置や遊技台に対して送信しても貸出指示や貸出処理が許可されないため、遊技台に対して不正に貸出処理を行わせることができない。
【0039】
このように、認証情報の共有処理や相互認証処理を様々なタイミングで行い、台間装置および遊技台間で共有する認証情報を頻繁に更新することによって、傍受した認証依頼を用いたゴト行為を困難化することができる。なお、認証情報の共有処理および相互認証処理の具体的な実行タイミングについては、後述する。
【0040】
以下では、図1を用いて説明した遊技媒体貸出手法を適用した台間装置についての実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0041】
図2は、本実施例に係る台間装置10が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、遊技台100ごとに設けられる台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各機器と接続されている。なお、遊技媒体貸出システムは、台間装置10と、遊技台100とを含むものとする。
【0042】
また、島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間の通信データを中継する。
【0043】
ここで、台間装置10がカードを返却した場合、他の遊技台100で遊技を継続する意志がない遊技客は、カードを精算機400へ挿入することで、プリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。
【0044】
また、遊技客は、景品交換コーナーへカードを持参し、カード処理機600にカードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理機500や景品払出機700を操作することで、遊技客は、持玉価値に応じた景品を受け取ることになる。
【0045】
なお、同図に示すように、管理装置200は、カード(記録媒体)に関連付けられる価値を管理する記録媒体管理DB(データベース)201を有している。そして、記録媒体管理DB201は、プリペイド価値を管理するプリペイドカードDB(データベース)201aと、遊技客が獲得した遊技媒体を換金したり景品交換したりすることなく遊技店へ預けておくことを指す貯玉を管理する貯玉DB(データベース)201bと、遊技客が獲得した持玉価値を管理する持玉DB(データベース)201cとから構成される。
【0046】
たとえば、台間装置10が返却するカードに価値付けられる持玉価値やプリペイド価値は、管理装置200が管理するプリペイドカードDB201aや、持玉DB201cによっても管理されている。
【0047】
なお、貯玉DB(データベース)201bは、遊技店の会員に対して配布される会員カードに付与された貯玉サービスを行うためのデータベースであり、一般カードの場合には、プリペイドカードDB(データベース)201aおよび持玉DB(データベース)201cのみが関連する。
【0048】
ここで、貯玉DB(データベース)201bについては、会員用の管理装置を別途設けることとしたうえで、かかる会員用の管理装置が貯玉DB(データベース)201bを管理することとしてもよい。
【0049】
次に、本実施例に係る台間装置10および遊技台100の構成について図3を用いて説明する。図3は、台間装置10および遊技台100の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10および遊技台100の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0050】
同図に示すように、台間装置10は、通信インタフェース11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14とを備えている。また、記憶部13は、認証情報13aと、認証鍵13bとを記憶しており、制御部14は、暗号化・復号部14aと、認証情報生成部14bと、タイミング検知部14cと、認証依頼部14dと、遊技台認証部14eと、許可部14fと、貸出指示部14gとをさらに備えている。
【0051】
一方、遊技台100は、通信インタフェース101と、表示部102と、貸出部103と、記憶部104と、制御部105とを備えている。また、記憶部104は、認証情報104aと、認証鍵104bとを記憶しており、制御部105は、暗号化・復号部105aと、認証情報登録部105bと、台間装置認証部105cと、認証依頼部105dと、許可部105eと、貸出実行部105fとをさらに備えている。
【0052】
以下では、まず、台間装置10の各構成要素について説明する。通信インタフェース11は、遊技台100との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。また、表示部12は、7セグメントディスプレイ(いわゆる、7セグ)、ドットマトリクスディスプレイといった表示デバイスである。
【0053】
ここで、図3に示した台間装置10の外観構成について図4を用いて説明しておく。図4は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
【0054】
図4に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52とを備えている。また、台間装置10は、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53と、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、カードの返却ボタンといった操作部を含んだ表示・操作部54とを備えている。
【0055】
また、台間装置10は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた持玉払出部55と、一般カードや会員カードといったカードを受け付けるとともに持玉価値やプリペイド価値が関連付けられたカードを返却するカード挿入部56と、遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する計数部57と、持玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部58とを備えている。ここで、遊技台100の下皿から落下した遊技媒体は、玉貯留部58を経て計数部57へと導かれることになる。
【0056】
ここで、台間装置10には、計数部57で計数された遊技媒体(持玉)の再利用を行うための「持玉払出ボタン」が設けられているものとする。そして、この「持玉払出ボタン」の設置場所については特に制限はない。たとえば、「持玉払出ボタン」は、台間装置10の表示・操作部54、計数部57などに設けられる。
【0057】
なお、遊技台100には、カードの残額や、貸し出された遊技媒体の数などを表示する表示部100aと、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示する返却ボタンといった操作ボタン100bとが設けられる。
【0058】
台間装置10は、同図に示す遊技台100の下皿から落下した持玉(獲得玉)を玉貯留部58でいったん貯留し、貯留した持玉(獲得玉)を計数部57へ導く。そして、計数部57で持玉(獲得玉)の数量を計数する。
【0059】
具体的には、この計数部57は、持玉(獲得玉)の計数結果を加算していくことで持玉(獲得玉)の総数を算出する。なお、本実施例では、計数部57が持玉(獲得玉)の総数を算出する機能を備える場合について説明するが、総数算出を行う処理部を、計数部57と独立して設けることとしてもよい。ここで、計数後の遊技媒体は、遊技島内に形成される図示しない遊技媒体回収経路へ排出される。
【0060】
そして、台間装置10に持玉が記憶された状態で、遊技客が持玉払出ボタンを押下した場合には、持玉(獲得玉)を持玉払出部55経由で遊技台100へ投出する。なお、持玉払出部55は、紙幣挿入部52へ紙幣が挿入されたり、カード挿入部56へプリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されたりして、遊技台100の貸し出しボタンが押下された場合の払い出しを併せて行う場合もある。なお、持玉(獲得玉)の払い出しを持玉払出部55経由で行うのではなく、貸玉と同様に遊技台100から行うこととしてもよい。
【0061】
なお、図4には、計数部57が台間装置10の下部に設けられている場合について示したが、計数部57を、台間装置10や遊技台100が設置される遊技島の膳板を貫通させた位置(膳板の下方)に設けることとしてもよい。また、計数部57を台間装置10とは独立した装置として構成することとしてもよい。
【0062】
図3の説明に戻り、記憶部13について説明する。記憶部13は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、認証情報13aおよび認証鍵13bを記憶する。認証情報13aは、台間装置10および遊技台100間での相互認証に用いられる情報であり、たとえば、乱数を用いることができる。なお、認証情報13aは、乱数に限らず、パスワードやパスフレーズ等であってもよい。
【0063】
認証鍵13bは、暗号化や復号に用いられるパラメータである。具体的には、認証鍵13bは、遊技台100に対して送信する情報を暗号化したり遊技台100から受信した情報を復号したりする場合に暗号化・復号部14aによって用いられる。
【0064】
ここで、認証鍵13bは、遊技台100に記憶された認証鍵104bと対応している。すなわち、認証鍵13bを用いて暗号化された情報は、認証鍵104bを用いて復号することができる。同様に、認証鍵104bを用いて暗号化された情報は、認証鍵13bを用いて復号することができる。
【0065】
制御部14は、暗号化および復号、認証情報の生成および削除、認証依頼の生成、遊技台の認証、遊技媒体の貸出指示の許可、遊技媒体の貸出指示といった処理を行う処理部である。暗号化・復号部14aは、所定の情報を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信するとともに、遊技台100から受信した暗号化された情報を認証鍵13bを用いて復号する処理部である。
【0066】
たとえば、暗号化・復号部14aは、認証依頼部14dから受け取った認証依頼を認証鍵13bを用いて暗号化し、暗号化した認証依頼を通信インタフェース11経由で遊技台100へ送信する。また、暗号化・復号部14aは、認証鍵13bを用いて復号した情報が、遊技台100からの認証依頼である場合には、かかる認証依頼を遊技台認証部14eへ渡す。
【0067】
認証情報生成部14bは、タイミング検知部14cからの指示に基づき、認証情報を生成する処理部である。また、認証情報生成部14bは、生成した認証情報を記憶部13に記憶するとともに暗号化・復号部14aへ渡す。また、認証情報生成部14bは、認証情報を生成すると、認証依頼部14dに対して認証依頼を生成すべき旨を通知する。
【0068】
なお、認証情報生成部14bは、認証情報13aを更新する場合には、認証情報の生成に先立って、認証情報の削除処理を行う。具体的には、認証情報生成部14bは、記憶部13に記憶された認証情報13aを削除するとともに、遊技台100に対する認証情報削除指示を生成して暗号化・復号部14aへ渡す。
【0069】
タイミング検知部14cは、認証情報の更新タイミングを検知した場合に、認証情報生成部14bに対して認証情報の生成を指示する処理部である。たとえば、タイミング検知部14cは、台間装置10および遊技台100間が接続されたこと、入金を検知したこと、認証情報を生成してから一定時間が経過したこと、貸出ボタンが押下されたことあるいは異常状態から復帰したこと等を検知した場合に、認証情報生成部14bに対して認証情報の生成を指示する。
【0070】
認証依頼部14dは、認証情報生成部14bからの指示に基づき、自装置の認証を依頼する認証依頼を生成する処理部である。具体的には、認証依頼部14dは、記憶部13から認証情報13aを取り出し、取り出した認証情報13aを含んだ認証依頼を生成する。そして、認証依頼部14dは、生成した認証依頼を暗号化・復号部14aへ渡す。
【0071】
遊技台認証部14eは、遊技台100から認証依頼を受け取った場合に、遊技台100の認証処理を行う処理部である。ここで、遊技台100から送信される認証依頼は、認証情報104aを含んでおり、認証鍵104bによって暗号化された状態で台間装置10へ送信される。
【0072】
遊技台認証部14eは、暗号化・復号部14aによって復号された認証依頼を受け取ると、復号された認証依頼から認証情報104aを取り出し、取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとを対比する。そして、遊技台認証部14eは、認証依頼から取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとが一致したならば、許可部14fに対して遊技台100を認証した旨を通知する。
【0073】
一方、遊技台認証部14eは、認証依頼から取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとが異なる場合には、異常対応処理を行う。具体的には、遊技台認証部14eは、異常対応処理として、表示部12(たとえば、図4に示した表示・操作部54)に対して異常が発生した旨の表示を行わせる。なお、遊技台認証部14eは、異常対応処理として、自装置をエラーダウンさせてもよい。
【0074】
許可部14fは、遊技台認証部14eから遊技台100を認証した旨の通知を受け取ると、遊技台100への貸出指示を許可する旨の許可通知を、貸出指示部14gへ渡す処理を行う処理部である。
【0075】
貸出指示部14gは、遊技客によって遊技台100の貸出ボタンが押下された場合に、許可部14fから許可通知を受け取っているならば、通信インタフェース11経由で遊技台100に対して遊技媒体の貸出指示を送信する処理部である。一方、貸出指示部14gが許可部14fから許可通知を受け取っていない場合には、遊技台100への貸出指示を行わない。なお、遊技媒体の貸出指示は、暗号化・復号部14aによって暗号化されることなく遊技台100へ送信される。
【0076】
また、貸出指示部14gは、貸出指示数を含んだ貸出指示を遊技台100へ送信するものとする。ここで、貸出指示数とは、遊技台100が貸し出すべき遊技媒体の数のことを指す。具体的には、貸出指示部14gは、規定値(たとえば、24玉)を貸出指示数とした貸出指示を生成する。この規定値は、記憶部13の図示しない記憶領域に記憶されている。
【0077】
次に、遊技台100の各構成要素について説明する。通信インタフェース101は、台間装置10との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。表示部102は、7セグメントディスプレイ(いわゆる、7セグ)、ドットマトリクスディスプレイといった表示デバイスである。
【0078】
貸出部103は、貸出実行部105fからの指示に従って貸し玉を払い出す機構である。なお、この貸出部103は、遊技台における、いわゆる賞球を払い出す処理を併せて行うものとする。
【0079】
記憶部104は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、認証情報104aおよび認証鍵104bを記憶する。認証情報104aは、認証情報13aと同様、台間装置10および遊技台100間で相互認証を行う場合に用いられる情報であり、たとえば、乱数である。
【0080】
認証鍵104bは、台間装置10に記憶された認証鍵13bと対応する認証鍵である。具体的には、認証鍵104bは、台間装置10に対して送信する情報を暗号化したり台間装置10から受信した情報を復号したりする場合に暗号化・復号部105aによって用いられる。
【0081】
制御部105は、暗号化および復号、認証情報の登録、台間装置10の認証、認証完了通知の生成、遊技媒体の貸出処理の許可、遊技媒体の貸出処理といった処理を行う処理部である。
【0082】
暗号化・復号部105aは、所定の情報を認証鍵104bを用いて暗号化したうえで台間装置10へ送信するとともに、台間装置10から受信した暗号化情報を認証鍵104bを用いて復号する処理部である。
【0083】
たとえば、暗号化・復号部105aは、認証依頼部105dから受け取った認証依頼を認証鍵104bを用いて暗号化し、暗号化した認証依頼を通信インタフェース11経由で台間装置10へ送信する。また、暗号化・復号部14aは、認証鍵13bを用いて復号した情報が、台間装置10からの認証依頼である場合には、かかる認証依頼を台間装置認証部105cへ渡す。
【0084】
認証情報登録部105bは、台間装置10から受信した認証情報を記憶部104へ記憶させる処理部である。なお、認証情報登録部105bは、台間装置10から認証情報削除指示を受けた場合には、記憶部104に記憶された認証情報104aを削除する。
【0085】
台間装置認証部105cは、台間装置10から認証依頼を受け付けた場合に、台間装置10の認証処理を行う処理部である。具体的には、台間装置認証部105cは、暗号化・復号部105aによって復号された認証依頼を受け取ると、受け取った認証依頼から認証情報13aを取り出し、取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとを対比する。
【0086】
そして、台間装置認証部105cは、認証依頼から取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとが一致したならば、遊技台100を認証した旨を認証依頼部105dおよび許可部105eへ通知する。
【0087】
一方、台間装置認証部105cは、認証依頼から取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとが異なる場合には、異常対応処理を行う。具体的には、台間装置認証部105cは、異常対応処理として、表示部102(たとえば、図4に示した表示部100a)に対して異常が発生した旨の表示を行わせる。
【0088】
認証依頼部105dは、台間装置10を認証した旨の通知を台間装置認証部105cから受けた場合に、記憶部104に記憶された認証情報104aを含んだ認証依頼を生成する処理部である。また、認証依頼部105dは、生成した認証依頼を暗号化・復号部105aへ渡す。
【0089】
許可部105eは、台間装置認証部105cから台間装置10を認証した旨の通知を受け取ると、遊技媒体の貸出処理の実行を許可する旨の許可通知を貸出実行部105fへ渡す処理部である。
【0090】
貸出実行部105fは、遊技媒体の貸出指示を受けた場合に、許可部105eから許可通知を受け取っているならば、遊技媒体の貸出処理を行う処理部である。具体的には、貸出実行部105fは、貸出指示から貸出指示数を取得し、取得した貸出指示数と同数の遊技媒体の貸し出しを貸出部103に実行させる。
【0091】
また、貸出実行部105fは、許可部105eから許可通知を受け取っていない場合には、貸出指示を受け取ったとしても貸出処理を実行しない。また、貸出実行部105fは、貸出処理を終えると、貸出完了通知を台間装置10に対して送信する。なお、貸出完了通知は、暗号化・復号部105aによって暗号化されることなく台間装置10へ送信される。
【0092】
次に、台間装置10と遊技台100との間で行われる認証情報の共有処理および削除処理について図5を用いて説明する。図5は、台間装置10と遊技台100との間で行われる認証情報の共有処理および削除処理を示すシーケンス図である。
【0093】
まず、同図の(A)に示す認証情報の共有処理について説明する。図5の(A)に示すように、台間装置10では、認証情報生成部14bが、認証情報13aを生成し(ステップS101)、生成した認証情報13aを記憶部13に記憶する(ステップS102)。また、台間装置10では、暗号化・復号部14aが、生成された認証情報13aを認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信する(ステップS103)。
【0094】
つづいて、遊技台100では、暗号化された認証情報を受信すると、暗号化・復号部105aが、暗号化された認証情報を認証鍵104bを用いて復号する(ステップS104)。また、遊技台100では、認証情報登録部105bが、復号して得られた認証情報104aを記憶部104に記憶する(ステップS105)。
【0095】
つづいて、遊技台100では、認証情報登録部105bが、認証情報104aを登録した旨の登録完了通知を生成し、暗号化・復号部105aが、生成された登録完了通知を認証鍵104bを用いて暗号化したうえで台間装置10へ送信する(ステップS106)。これにより、台間装置10および遊技台100は、同一の認証情報13a,104aを共有した状態となる。
【0096】
次に、図5の(B)に示す認証情報の削除処理について説明する。なお、認証情報の削除処理は、基本的には、台間装置10および遊技台100間で共有されている認証情報を更新する場合に、認証情報の共有処理に先立って行われるものとするが、認証情報の削除処理を任意のタイミングで行うこともできる。
【0097】
同図の(B)に示すように、台間装置10では、認証情報生成部14bが、記憶部13に記憶された認証情報13aを削除する(ステップS201)。また、台間装置10では、認証情報生成部14bが、認証情報104aを削除すべき旨の認証情報削除指示を生成し、暗号化・復号部14aが、生成された認証情報削除指示を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信する(ステップS202)。
【0098】
つづいて、遊技台100では、暗号化・復号部105aが、暗号化された認証情報削除指示を復号する(ステップS203)。また、遊技台100では、暗号化・復号部105aから認証情報削除指示を受け取った認証情報登録部105bが、記憶部104に記憶された認証情報104aを削除する(ステップS204)。
【0099】
また、遊技台100では、認証情報登録部105bが、認証情報104aを削除した旨の認証情報削除完了通知を生成し、暗号化・復号部105aが、生成された認証情報削除完了通知を認証鍵104bを用いて暗号化したうえで台間装置10へ送信する(ステップS205)。これにより、台間装置10および遊技台100で共有されていた認証情報13a,104aは、削除される。
【0100】
次に、台間装置10および遊技台100間で行われる相互認証処理について図6を用いて説明する。図6は、台間装置10と遊技台100との間で行われる相互認証処理を示すシーケンス図である。
【0101】
同図に示すように、台間装置10では、認証依頼部14dが、認証情報13aを含んだ認証依頼を生成し、暗号化・復号部14aが、生成された認証依頼を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信する(ステップS301)。
【0102】
つづいて、遊技台100では、暗号化・復号部105aが、暗号化された認証依頼を認証鍵104bを用いて復号する(ステップS302)。また、遊技台100では、台間装置認証部105cが、復号された認証依頼から認証情報13aを取り出し、取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとを対比する。
【0103】
そして、遊技台100では、認証依頼から取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとが一致した場合には(ステップS303)、台間装置認証部105cが、台間装置10を認証した旨を認証依頼部105dおよび許可部105eへ通知する。
【0104】
そして、遊技台100では、台間装置10を認証した旨の通知を受けた認証依頼部105dが、認証情報104aを含んだ認証依頼を生成し、暗号化・復号部105aが、生成された認証依頼を認証鍵104bを用いて暗号化したうえで台間装置10へ送信する(ステップS304)。
【0105】
また、遊技台100では、台間装置10を認証した旨の通知を受けた許可部105eが、遊技媒体の貸出処理を許可する旨の許可通知を貸出実行部105fに対して送信する(ステップS305)。
【0106】
一方、台間装置10では、暗号化・復号部14aが、暗号化された認証依頼を認証鍵13bを用いて復号する(ステップS306)。また、台間装置10では、遊技台認証部14eが、復号された認証依頼から認証情報104aを取り出し、取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとを対比する。
【0107】
そして、台間装置10では、認証依頼から取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとが一致した場合には(ステップS307)、遊技台認証部14eが、遊技台100を認証した旨を許可部14fに通知する。
【0108】
また、台間装置10では、遊技台100を認証した旨の通知を受けた許可部14fが、貸出指示部14gに対して許可通知を送信する(ステップS308)。このように、台間装置10および遊技台100は、認証鍵13b,104bおよび認証情報13a,104aを用いて相互認証を行うことによって、それぞれ遊技台100への貸出指示および貸出指示に基づく貸出処理が可能な状態となる。
【0109】
次に、認証情報の共有処理および相互認証処理の実行タイミングについて説明する。図7は、認証情報の共有処理および相互認証処理間における実行タイミングの関係を示す図である。
【0110】
図7の(1)に示すように、相互認証処理は、基本的には、共有処理と同様のタイミングで行われる。すなわち、共有処理の実行後に相互認証処理を実行する手順が繰り返される。ここで、認証情報の共有処理および相互認証処理の実行タイミングについて図8を用いて説明しておく。図8は、認証情報の共有処理および相互認証処理の実行タイミングのバリエーションを示す図である。
【0111】
図8に示すように、共有処理および相互認証処理は、定期的なタイミング(T−1,T−2)、遊技客からの操作に応じた任意のタイミング(T−3,T−4,T−4A,T−4B,T−5)あるいは異常状態の発生に起因するタイミング(T−6)で行われる。
【0112】
ここで、定期的なタイミングとしては、台間装置10および遊技台100間の接続時(T−1)、待機中常時(T−2)がある。接続時(T−1)とは、たとえば、台間装置10および遊技台100への電源投入、台間装置10および遊技台100間のコネクタ接続、台間装置10または遊技台100のリセット等によって台間装置10および遊技台100間が接続された時点で、共有処理および相互認証処理を行う場合を示す。
【0113】
たとえば、共有処理および相互認証処理を接続時に行う場合(T−1)、共有処理は、タイミング検知部14cが、台間装置10および遊技台100間が接続されたことを検知し、認証情報生成部14bに対して認証情報を生成すべき旨を通知することによって開始される。また、相互認証処理は、遊技台100から認証情報の登録が完了した旨の通知を受け取った認証情報生成部14bが、認証依頼部14dに対して認証依頼を生成すべき旨を通知することによって開始される。
【0114】
待機中常時(T−2)とは、たとえば、一定時間が経過する毎、一定金額が入金される毎あるいは一定個数の遊技媒体が貸し出される毎に共有処理および相互認証処理を行う場合を示す。かかる場合(T−2)は、共有処理および相互認証処理を接続時にのみ行う場合(T−1)と比較して、認証情報が頻繁に更新されることとなる。このため、認証情報を含んだ認証依頼が傍受された場合であっても、傍受した認証依頼を用いて台間装置10や遊技台100に対して不正に相互認証を行わせるゴト行為を困難化することができる。
【0115】
また、遊技客からの操作に応じた任意のタイミングとしては、入金時(T−3)、貸出ボタン押下時(T−4)、貸出指示前(T−4A)、貸出指示後(T−4B)、カード返却時(T−5)がある。入金時(T−3)とは、たとえば、入金を検知した時点、入金検知後から入金確定までの任意の時点あるいは入金が確定した時点で、共有処理および相互認証処理が行われる場合を示す。なお、入金とは、紙幣挿入部52に対して紙幣を挿入すること、あるいは、プリペイド価値が関連付けられたカードをカード挿入部56に対して挿入することを示す。
【0116】
貸出ボタン押下時(T−4)とは、遊技客によって遊技台100の貸出ボタンが押下された時点で共有処理および相互認証処理を行うことを示す。貸出指示前(T−4A)とは、貸出ボタン押下後から貸出指示を行うまで任意の時点で、共有処理および相互認証処理を行うことを示す。貸出指示後(T−4B)とは、台間装置10が遊技台100から貸出完了通知を受けた時点で、共有処理および相互認証処理を行うことを示す。
【0117】
ここで、遊技媒体の貸出指示は、貸出ボタンの1回の押下に対して複数回行われる場合がある。たとえば、貸出ボタンが1回押下されることによって、遊技媒体が5回に分けて貸し出される場合には、貸出指示は、遊技台100に対して5回送信される。
【0118】
なお、貸出ボタンの押下時だけでなく、計数部57で計数された遊技媒体(持玉)の再利用を行うための「持玉払出ボタン」が押下された時点で、共有処理および相互認証処理を行うこととしてもよい。また、計数部57が持玉の計数処理を開始した時点で、共有処理および相互認証処理を行ってもよい。
【0119】
カード返却時(T−5)とは、遊技客によってカードの返却ボタンが押下された時点、管理装置200が有する持玉DB201cの更新中の任意の時点あるいは持玉DB201cの更新終了時点で、共有処理および相互認証処理を行うことを示す。
【0120】
また、異常状態の発生に起因するタイミングとしては、異常復帰時(T−6)や想定外の動作の検出時(T−7)がある。異常復帰時(T−6)とは、台間装置10が、異常状態から復帰した旨の異常状態解除通知を遊技台100から受けた時点で、共有処理および相互認証処理を行うことを示す。ここで、「異常」とは、たとえば、玉詰まり状態や玉切れ状態、遊技台100の前面に設けられた扉が開いた状態など正常に遊技を行うことができない状態を示す。
【0121】
また、想定外の動作の検出時(T−7)とは、遊技台100による想定外の動作を検出した時点で、共有処理および相互認証処理を行うことを示す。ここで、「遊技台100による想定外の動作」とは、たとえば、台間装置10が、貸出指示を行っていないにも拘わらず遊技台100から貸出完了通知を受けた時点等を示す。なお、台間装置10は、異常状態である旨の異常状態通知を遊技台100から受けた場合あるいは遊技台100による想定外の動作を検出した場合には、認証情報を削除してもよい。
【0122】
具体的には、タイミング検知部14cは、遊技台100に異常が発生した旨の異常状態通知を受けた場合あるいは遊技台100による想定外の動作を検出した場合に、認証情報生成部14bに対して認証情報を削除すべき旨を通知する。そして、認証情報生成部14bは、認証情報を削除すべき旨の通知を受けると、記憶部13に記憶された認証情報13aを削除する。
【0123】
また、台間装置10は、遊技台100による想定外の動作を検出した場合には、認証情報を削除したのち、遊技台100に対して異常状態通知を送信する。そして、遊技台100は、台間装置10から異常状態通知を受けると、異常が発生した旨を表示部102に対して表示する。なお、台間装置10は、遊技台100に対して異常状態通知を送信したのち、エラーダウンすることとしてもよい。
【0124】
このように、認証情報の共有処理や相互認証処理を様々なタイミングで行い、台間装置および遊技台間で共有する認証情報を頻繁に更新することによって、傍受した認証依頼を用いたゴト行為を困難化することができる。
【0125】
図7の説明に戻り、その他の実行タイミングについて説明する。台間装置10および遊技台100は、図7の(2)に示すように、共有処理を1回行った後に複数回の相互認証処理を行ってもよい。すなわち、共有処理によって台間装置10および遊技台100間で共有された認証情報を複数の相互認証処理に用いることで、共有処理にかかる処理負荷を軽減させることができる。
【0126】
たとえば、台間装置10および遊技台100は、台間装置10および遊技台100間の接続時(T−1)に共有処理および相互認証処理を行った後、T−2〜T−6の各タイミングでさらに相互認証処理を行ってもよい。
【0127】
また、台間装置10および遊技台100は、入金検知時に共有処理および相互認証処理を行った後、入金確定前、入金確定時にさらに相互認証処理を行うこととしてもよい。また、台間装置10および遊技台100は、返却ボタン押下時に共有処理および相互認証処理を行い、持玉DB201cの更新中、持玉DB201cの更新終了時にさらに相互認証処理を行うこととしてもよい。
【0128】
また、貸出ボタンの1回の押下に対して遊技媒体の貸出指示が複数回行われる場合には、台間装置10および遊技台100は、貸出ボタン押下時(T−4)に共有処理を行った後、貸出指示ごとに相互認証処理を行ってもよい。
【0129】
次に、貸出ボタン押下時に共有処理を行った後、貸出指示ごとに相互認証処理を行う場合について図9を用いて説明する。図9は、貸出ボタン押下時に共有処理を行った後、貸出指示ごとに相互認証処理を行う場合を示すシーケンス図である。
【0130】
なお、同図では、貸出ボタンの押下が台間装置10側で行われる場合について示しているが、貸出ボタンの設置位置は、台間装置10に限られない。すなわち、台間装置10と遊技台100とを接続する図示しないコネクタ経由で、遊技台100に設けられた貸出ボタンからの信号を台間装置10が受け付けることとしてもよい。
【0131】
図9に示すように、遊技客によって貸出ボタンが押下されると(ステップS401)、台間装置10および遊技台100間で認証情報の共有処理が行われる(ステップS402)。具体的には、共有処理は、タイミング検知部14cが、貸出ボタンが押下されたことを検知し、認証情報生成部14bに対して認証情報を生成すべき旨を通知することによって開始される。
【0132】
認証情報の共有処理が終了すると、台間装置10では、暗号化・復号部14aが、遊技台100の状態を確認するための状態確認通知を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信する(ステップS403)。そして、遊技台100は、遊技媒体の貸出処理が可能な状態である場合には、暗号化・復号部105aが、貸出可能状態通知を認証鍵104bで暗号化したうえで台間装置10へ送信する(ステップS404)。
【0133】
つづいて、台間装置10が遊技台100から貸出可能状態通知を受信すると、台間装置10および遊技台100は、相互認証処理を行う(ステップS405)。そして、台間装置10では、台間装置10および遊技台100が相互認証処理によって認証されたならば、許可部14fから許可通知を受けた貸出指示部14gが、貸出指示数を含んだ貸出指示を遊技台100へ送信する(ステップS406)。また、貸出指示部14gは、貸出指示を終えると、許可部14fから受けた許可通知を無効化し、遊技媒体の貸出禁止状態へと移行する。
【0134】
また、遊技台100では、貸出指示を受信したならば、貸出実行部105fが、遊技媒体の貸出処理を実行する(ステップS407)。具体的には、遊技台100では、貸出実行部105fが、台間装置10から通知された貸出指示から貸出指示数を取得し、取得した貸出指示数と同数の遊技媒体の貸し出しを貸出部103に実行させる。
【0135】
つづいて、遊技台100では、貸出処理が完了すると、貸出完了通知を台間装置10へ送信する(ステップS408)。そして、台間装置10では、貸出完了通知を受け取ると、貸出指示部14gが、全ての貸出指示を行ったか否かを判定する(ステップS409)。
【0136】
たとえば、貸出ボタンが1回押下されることによって、遊技媒体が5回に分けて貸し出される場合には、貸出指示部14gは、貸出指示を5回行ったか否かを判定する。そして、残りの貸出指示が存在する場合(ステップS409,No)、台間装置10は、ステップS403以降の処理を繰り返す。
【0137】
一方、全ての貸出指示を行ったと判定した場合には(ステップS409,Yes)、台間装置10および遊技台100は、認証情報の削除処理を行う(ステップS410)。
【0138】
このように、貸出指示ごとに相互認証処理を行い、貸出指示が完了したならば貸出指示を禁止することによって、遊技台100に対する遊技媒体の貸出指示が許可される期間を必要最小限に留めることができるため、ゴト行為に対するセキュリティ性をより一層高めることができる。
【0139】
なお、台間装置10は、遊技台100を認証しなかった場合、すなわち、認証依頼から取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとが異なる場合には、異常対応処理を行う。具体的には、台間装置10では、遊技台認証部14eが、異常対応処理として、表示部12に対して異常が発生した旨を表示させる。また、遊技台認証部14eは、異常対応処理として、自装置をエラーダウンさせることとしてもよい。
【0140】
同様に、遊技台100は、台間装置10を認証しなかった場合、すなわち、認証依頼から取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとが異なる場合には、異常対応処理を行う。具体的には、遊技台100では、台間装置認証部105cが、異常対応処理として、表示部102に対して異常が発生した旨の表示を行わせる。
【0141】
なお、図9では、貸出ボタン押下時に共有処理を行った後、貸出指示ごとに相互認証処理を行う場合について説明したが、これに限らず、貸出指示ごとに共有処理および相互認証処理を行ってもよい。
【0142】
ところで、これまでは、認証情報の削除処理を認証情報の共有処理に先立って行う場合について説明してきたが、認証情報の削除処理は、任意のタイミングで行われることとしてもよい。たとえば、削除処理は、認証情報の共有処理や相互認証処理が行われてから一定時間が経過した場合や、一定個数あるいは一定金額の遊技媒体が貸し出された場合のように定期的に行われてもよい。また、削除処理は、故障やエラーといった異常が発生した場合あるいは遊技台100による想定外の動作を検知した場合のような異常時に行われてもよい。また、削除処理は、貸出指示ごとに行ってもよい。
【0143】
このように、台間装置10および遊技台100間で共有した認証情報に有効期間を設けることによって、認証情報が傍受された場合であっても、傍受した認証依頼を用いたゴト行為を困難化することができる。
【0144】
また、これまでは、遊技媒体の貸出指示を暗号化せずに送信する場合について説明した。しかしながら、貸出指示を暗号化せずに送信することとした場合、遊技台100は、貸出指示の送信元が台間装置10であるかぶら下がり基板であるかを特定することができない。
【0145】
このため、遊技台100は、貸出処理の実行が許可された状態のときに、ぶら下がり基板から不正な貸出指示を受けた場合には、かかる不正な貸出指示によって貸出処理を実行してしまうおそれがある。そこで、台間装置10は、認証情報13aを含んだ貸出指示を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信することとしてもよい。
【0146】
以下では、貸出指示ごとに共有処理および相互認証処理を行う場合および貸出指示を暗号化したうえで送信する場合について図10を用いて説明する。図10は、貸出指示ごとに共有処理および相互認証処理を行う場合および貸出指示を暗号化する場合を示すシーケンス図である。
【0147】
図10に示すように、遊技客によって貸出ボタンが押下されると(ステップS501)、台間装置10および遊技台100間で認証情報の共有処理が行われる(ステップS502)。認証情報の共有処理が終了すると、台間装置10では、暗号化・復号部14aが、状態確認通知を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信する(ステップS503)。
【0148】
そして、遊技台100は、遊技媒体の貸出処理が可能な状態である場合には、暗号化・復号部105aが、貸出可能状態通知を認証鍵104bで暗号化したうえで台間装置10へ送信する(ステップS504)。
【0149】
つづいて、台間装置10が遊技台100から貸出可能状態通知を受信すると、台間装置10および遊技台100は、相互認証処理を行う(ステップS505)。そして、台間装置10では、台間装置10および遊技台100が相互認証処理によって認証されたならば、台間装置10は、貸出指示数を含んだ貸出指示を暗号化したうえで遊技台100へ送信する(ステップS506)。
【0150】
具体的には、まず、許可部14fから許可通知を受けた貸出指示部14gが、貸出指示数および認証情報13aを含んだ貸出指示を暗号化・復号部14aへ渡す。つづいて、暗号化・復号部14aは、貸出指示部14gから受け取った貸出指示を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信する。
【0151】
また、遊技台100は、貸出指示を受信したならば、遊技媒体の貸出処理を実行する(ステップS507)。具体的には、まず、暗号化・復号部105aは、暗号化された貸出指示を認証鍵104bを用いて復号し、復号した貸出指示を台間装置認証部105cへ渡す。
【0152】
つづいて、台間装置認証部105cは、暗号化・復号部105aから受け取った貸出指示から認証情報13aを取り出し、取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとを対比する。
【0153】
また、台間装置認証部105cは、貸出指示から取り出した認証情報13aと記憶部104に記憶された認証情報104aとが一致したならば、暗号化・復号部105aから受け取った貸出指示を貸出実行部105fへ渡す。そして、貸出実行部105fは、台間装置認証部105cから受け取った貸出指示に基づき、遊技媒体の貸出処理を実行する。
【0154】
つづいて、遊技台100は、貸出処理が完了したならば、貸出完了通知を台間装置10へ送信する(ステップS508)。具体的には、貸出実行部105fは、認証情報104aを含んだ貸出完了通知を生成して、暗号化・復号部105aへ渡す。つづいて、暗号化・復号部105aは、貸出実行部105fから受け取った貸出完了通知を認証鍵104bを用いて暗号化したうえで台間装置10へ送信する。
【0155】
つづいて、台間装置10が貸出完了通知を受信したならば、台間装置10および遊技台100間で認証情報の削除処理が行われる(ステップS509)。具体的には、まず、暗号化・復号部14aは、暗号化された貸出完了通知を認証鍵13bを用いて復号し、復号した貸出完了通知を遊技台認証部14eへ渡す。
【0156】
つづいて、遊技台認証部14eは、暗号化・復号部14aから受け取った貸出完了通知から認証情報104aを取り出し、取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとを対比する。そして、遊技台認証部14eは、貸出完了通知から取り出した認証情報104aと記憶部13に記憶された認証情報13aとが一致したならば、認証情報生成部14bに対して認証情報を削除すべき旨を通知する。これにより、認証情報の削除処理が開始される。
【0157】
つづいて、認証情報の削除処理が完了すると、台間装置10では、貸出指示部14gが、全ての貸出指示を行ったか否かを判定する(ステップS510)。そして、台間装置10は、残りの貸出指示が存在する場合(ステップS510,No)には、ステップS502以降の処理を繰り返し、全ての貸出指示を行ったと判定した場合には(ステップS510,Yes)、待機状態へと移行する。
【0158】
このように、貸出指示ごとに共有処理および相互認証処理を行うことによって、各相互認証処理をそれぞれ異なる認証情報を用いて行うことができるため、ゴト行為に対するセキュリティ性をより一層高めることができる。
【0159】
また、認証情報13aを含んだ貸出指示を認証鍵13bを用いて暗号化したうえで遊技台100へ送信することによって、遊技台100は、貸出指示の送信元が台間装置10であることを確認したうえで貸出処理を行うことができる。
【0160】
上述してきたように、本実施例では、遊技台に記憶された認証鍵と対応する認証鍵を記憶部に記憶し、認証情報生成部が、所定の認証情報を遊技台との間で共有し、暗号化・復号部および認証依頼部が、遊技台との間で共有された認証情報を含んだ認証依頼を記憶部に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで遊技台に対して送信し、暗号化・復号部および許可部が、暗号化された情報を遊技台から受け取った場合に、暗号化された情報を記憶部に記憶された認証鍵を用いて復号することによって得られた復号情報に認証情報が含まれており、かつ、復号情報に含まれる認証情報と遊技台との間で共有された認証情報とが一致したならば、遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可することとしたので、遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めることができる。
【0161】
なお、上述した実施例では、台間装置が認証情報の生成を行うこととしたが、認証情報の生成は、遊技台が行ってもよい。この場合、遊技台側に認証情報生成部およびタイミング検知部を設けるとともに台間装置側に認証情報登録部を設けることとすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0162】
以上のように、本発明にかかる台間装置および遊技媒体貸出システムは、遊技台に対して不正に貸出指示を行って遊技媒体を獲得するゴト行為に対するセキュリティ性を高めたい場合に有用であり、特に、遊技台および遊技台に対応して設けられる台間装置を有する遊技店システムへの適用に適している。
【符号の説明】
【0163】
10 台間装置
11 通信インタフェース
12 表示部
13 記憶部
13a 認証情報
13b 認証鍵
14 制御部
14a 暗号化・復号部
14b 認証情報生成部
14c タイミング検知部
14d 認証依頼部
14e 遊技台認証部
14f 許可部
14g 貸出指示部
20 店舗内LAN
51 状態表示部
52 紙幣挿入部
53 リモコン受光部
54 表示・操作部
55 持玉払出部
56 カード挿入部
57 計数部
58 玉貯留部
100 遊技台
100a 表示部
100b 操作ボタン
101 通信インタフェース
102 表示部
103 貸出部
104 記憶部
105 制御部
105a 暗号化・復号部
105b 認証情報登録部
105c 台間装置認証部
105d 認証依頼部
105e 許可部
105f 貸出実行部
200 管理装置
300 島コントローラ
400 精算機
500 景品管理機
600 カード処理機
700 景品払出機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に対応して設けられる台間装置であって、
前記遊技台に記憶された認証鍵と対応する認証鍵を記憶する認証鍵記憶手段と、
所定の認証情報を前記遊技台との間で共有する認証情報共有手段と、
前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信する認証依頼手段と、
暗号化された情報を前記遊技台から受け取った場合に、前記暗号化された情報を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて復号することによって得られた復号情報に認証情報が含まれており、かつ、前記復号情報に含まれる認証情報と前記認証情報共有手段によって共有された認証情報とが一致したならば、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可する許可手段と
を備えたことを特徴とする台間装置。
【請求項2】
前記認証依頼手段は、
前記遊技台と接続した場合、入金を受け付けた場合、遊技媒体の貸し出し操作を受け付けた場合あるいは異常状態から復帰した旨を前記遊技台から受けた場合に、前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の台間装置。
【請求項3】
前記認証依頼手段は、
前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示ごとに、前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化した前記認証依頼を前記遊技台に対して送信し、
前記許可手段は、
前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示が行われたならば、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を禁止する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の台間装置。
【請求項4】
前記復号情報に含まれる認証情報が、前記認証情報共有手段によって共有された認証情報と一致しなかったならば、所定の異常対応指示を行う異常対応指示手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の台間装置。
【請求項5】
前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ貸出指示を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信する貸出指示手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の台間装置。
【請求項6】
遊技台および前記遊技台に対応して設けられる台間装置を有する遊技媒体貸出システムであって、
前記台間装置は、
前記遊技台に記憶された認証鍵と対応する認証鍵を記憶する認証鍵記憶手段と、
所定の認証情報を前記遊技台との間で共有する認証情報共有手段と、
前記認証情報共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記遊技台に対して送信する認証依頼手段と、
暗号化された情報を前記遊技台から受け取った場合に、前記暗号化された情報を前記認証鍵記憶手段に記憶された認証鍵を用いて復号することによって得られた復号情報に認証情報が含まれており、かつ、前記復号情報に含まれる認証情報と前記認証情報共有手段によって共有された認証情報とが一致したならば、前記遊技台に対する遊技媒体の貸出指示を許可する許可手段と
を備え、
前記遊技台は、
前記台間装置が記憶する認証鍵と対応する認証鍵を記憶する記憶手段と、
所定の認証情報を前記台間装置との間で共有する共有手段と、
暗号化された認証依頼を前記台間装置から受け取った場合に、前記記憶手段に記憶された認証鍵を用いて復号された前記認証依頼に含まれる認証情報が、前記共有手段によって共有された認証情報と一致したならば、前記共有手段によって共有された認証情報を含んだ認証依頼を前記記憶手段に記憶された認証鍵を用いて暗号化したうえで前記台間装置に対して送信する依頼手段と
を備えたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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