説明

合わせガラスの製造方法

【課題】EVAを主成分として含む中間膜を用いた合わせガラスを、ニップロールによる加圧を含む工程を用いて製造する方法であって、合わせガラス内の気泡除去を良好に行うことができる製造方法を提供する。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体及び架橋剤を含む組成物からなり、温度70℃における溶融粘度が2×10Pa・s以下であり、少なくとも一方の表面の算術平均粗さRa(JIS−B0601(2001))が、5〜20μmであり、且つ平均厚さが0.5mm以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体層を1層以上備えた中間膜12を、2枚以上のガラス板の間に挟持し、積層体20を得る工程、積層体20を、加熱した後、ニップロール34を用いて加圧することにより圧着する圧着工程、及び前記圧着工程後に、積層体20’を更に加熱することにより、架橋一体化させる工程、を含むことを特徴とする合わせガラスの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする中間膜を用いた合わせガラスの製造方法に関し、特に、ニップロールで加圧する予備圧着工程を含む製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車、航空機等のウインドウ用ガラス、建築物の窓ガラス等には合わせガラスが広く用いられている。合わせガラスは、一般に、2枚のガラス板等の透明基板の間に中間膜が挟持された構造であり、耐貫通性や破損したガラスの飛散防止等の機能を有する。
【0003】
合わせガラスに用いられる中間膜は、ガラス板等との接着性、強度及び透明性等の観点から、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAともいう)を主成分とするもの(以下、EVA系中間膜ともいう)や、ポリビニルブチラール(以下、PVBともいう)を主成分とするもの(以下、PVB系中間膜ともいう)等の透明樹脂膜が用いられている。特に、EVA系中間膜は安価であり、優れた耐水性、接着性、透明性を有する点で有用である。また、EVA系中間膜は、有機過酸化物などの架橋剤を用いて共重合体を架橋させることにより、接着性、耐貫通性、耐久性等を向上させることができる。
【0004】
また、合わせガラスを製造するにあたり、2枚のガラス板と中間膜とを合わせ加工する場合、中間膜とガラス板との境界面に存在する空気を排出し、気泡が生じないようにする必要がある。合わせガラス内に気泡が存在すると、外観不良となる場合があるからである。
【0005】
従って、合わせガラスの製造方法として、例えば、(1)ガラス板の間に中間膜を挟持した積層体を真空袋に入れ、脱気し、加熱下に押圧する予備圧着を行うことで、中間膜中及びガラス板と中間膜の境界面の空気を、僅かに気泡が残存する程度まで除き、その後、高温高圧の容器による本加熱加圧において気泡を十分に除去する方法や、(2)ガラス板の間に中間膜を挟持した積層体を、搬送しつつ加熱ゾーンを通過させて加熱した後、ニップロールで挟んで加圧する予備圧着を行うことで、ガラス板と中間膜との境界面の空気を絞り出すように除去し、その後、高温高圧の容器による本加熱加圧を行う方法等が用いられている。
【0006】
一般に、ニップロールを用いる(2)の方法が、連続的に予備圧着工程を行うことができる点で有利であり、PVB系中間膜を用いた合わせガラスにおいては、通常使用される方法である。しかしながら、EVA系中間膜を用いる場合は、厚さが大きくなると、気泡が抜け難くなる等の制約があり、真空袋を用いる予備圧着工程を含む(1)の方法が主流となっている。
【0007】
一方、特許文献1には、気泡を含まない合わせガラスを効率的に製造するため、表面に、所定の中心線平均粗さRa、山数Pcを有するエンボスを形成したプラスチックシート(中間膜に相当)を2枚のガラス板に挟み、所定の条件で加熱し、ニップロールで加圧した後、所定の条件で2次加熱を行う合わせガラスの製造方法が開示されている。また、特許文献2には、合わせガラスの製造工程を合理化するため、特定の粘弾性特性(ガラス転移温度、貯蔵弾性率)を有する樹脂からなり、所定の範囲の厚みの中間膜を用いて、ニップロールによる圧接力で連続的に合わせガラスを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−167773号公報
【特許文献2】特開平11−209150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述のニップロールを用いる加圧工程は、特許文献1及び2に例示されている特定の樹脂材料を用いた中間膜の場合に有効であり、EVA系中間膜に応用することは困難であった。
【0010】
従って、本発明の目的は、EVAを主成分として含む中間膜を用いた合わせガラスを、ニップロールを用いる加圧を含む工程を用いて製造する方法であって、合わせガラス内の気泡除去を良好に行うことができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、EVA系中間膜を用いて合わせガラスを製造する場合、ニップロールを用いる加圧において、ガラス板と中間膜との境界面の気泡が抜け難くなる要因について種々検討した。そして、中間膜の流れ性、表面性状等に着目し、これらの条件を規定することで、EVA系中間膜を用いた合わせガラスを製造する際に、ニップロールを用いる加圧により、合わせガラス内の気泡除去を良好に実施できることが見出された。
【0012】
即ち、上記目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び架橋剤を含む組成物からなり、温度70℃における溶融粘度が2×10Pa・s以下であり、少なくとも一方の表面の算術平均粗さRa(JIS−B0601(2001)に従う、以下同じ)が、5〜20μmであり、且つ平均厚さが0.5mm以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体層を1層以上備えた中間膜を、2枚以上のガラス板の間に挟持し、積層体を得る積層工程、前記積層体を、加熱した後、ニップロールを用いて加圧することにより圧着する圧着工程、及び
前記圧着工程後に、前記積層体を更に加熱することにより、架橋一体化させる工程、を含むことを特徴とする合わせガラスの製造方法によって達成される。
【0013】
中間膜のEVA層に含まれるEVAの温度70℃における溶融粘度を上記のように設定することで、圧着工程における中間膜の流れ性が向上し、上記積層体をニップロールで加圧する際に、EVA層が、ガラス板との境界面に速やかに行き渡るようにすることができる。また、中間膜の少なくとも一方の面の表面性状を、上記の算術平均粗さRaの範囲に設定することで、圧着工程において、ニップロールを用いる加圧時の中間膜とガラス板の境界面において空気の移動が速やかになるため、空気が抜け易くなり、気泡が生じるのを防ぐことができる。算術平均粗さRaが5μm未満、又はRaが20μmを超えると中間膜とガラス板の境界面に空気が残存する場合がある。なお、中間膜の両方の面が上記の算術平均粗さRaの範囲であることが好ましい。更に、中間膜におけるEVA層の1層の平均厚さを上記のように設定することで、応力緩和効果により、ガラス板を破損することなくニップロールで十分な加圧を行うことができ、中間膜とガラス板間の気泡を十分に除去することができる。
【0014】
本発明の合わせガラスの製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層の温度70℃における溶融粘度が、1×10〜2×10Pa・sである。中間膜の流れ性が高過ぎると、中間膜がガラス板間からはみ出る場合があるため、上記の範囲が好ましい。
(2)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(JIS−K7210)が、4g/10分以上である。これにより、EVA層の温度70℃における溶融粘度を、容易に上記のように設計することができる。
(3)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層の平均厚さが、0.5〜2.0mmである。中間膜の膜厚が厚過ぎると、中間膜がガラス板間からはみ出る場合があるため、上記の範囲が好ましい。
(4)前記中間膜が、2層以上の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層を備えた複層構造である。
(5)前記中間膜が、2層以上の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層の間に、少なくとも1枚の透明プラスチックフィルムを挟持した複層構造である。これにより、中間膜の膜厚を形状維持しつつ容易に厚くすることができる。
(6)前記透明プラスチックフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETともいう)である。PETは、熱等の負荷に対する耐性が高く、透明性が高い点で適している。
(7)前記圧着工程が、前記積層体を搬送しながら加熱炉内を通過させ、その後少なくとも1対のニップロール間を通過させて加圧する工程である。
(8)前記圧着工程が、ニップロールを用いる加圧の前に、前記中間膜の温度が62〜80℃になるように加熱される。
(9)前記圧着工程の加熱方式が、赤外線加熱方式である。中間膜が直接均一に加熱されることで、EVA層が均一に溶融し易くなるため、加圧の際に、EVA層をムラなくガラス板との境界面に行き渡らせることができる。
(10)前記圧着工程のニップロールによる加圧の線圧が、5〜100kN/mである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の合わせガラスの製造方法は、EVA系中間膜を用いた合わせガラスを、ニップロールを用いる加圧を含む工程を用いて製造する方法であっても、上記のようなEVA系中間膜を用いるので、合わせガラス内、特に中間膜とガラス板の境界面の気泡の除去を良好に行うことができる。従って、本発明の製造方法により、EVAを中間膜に用いた合わせガラスを、連続的な予備圧着工程を用いて効率的に、且つ外観不良の発生を抑制することで歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の合わせガラスの製造方法の代表的な1例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の合わせガラスの製造方法に用いる中間膜の好適態様の1例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の合わせガラスの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の合わせガラスの製造方法の代表的な1例を示す概略断面図である。図1において、合わせガラスは、中間膜12を2枚のガラス板11A及び11Bで挟持した積層体20を形成し、これを加熱加圧により予備圧着した後、加熱架橋することで製造される。
本発明の合わせガラスの製造方法におけるガラス板11A及び11Bは透明基板であれば良く、例えば、グリーンガラス、珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンブチレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のプラスチック製の基板又はフィルムを用いてもよい。耐熱性、耐候性、耐衝撃性等の点でガラス板が好ましい。ガラス板の厚さは、1〜20mm程度が一般的である。ガラス板11A及び11Bは、同一のもの用いてもよく、異なる基材を組み合わせて用いてもよい。基材の強度と合わせガラスの用途とを考慮して、組み合わせを決定する。
【0018】
本発明の合わせガラスの製造方法に用いる中間膜12は、EVA及び架橋剤を含む組成物からなるEVA層を1層以上備えている。図1においては、中間膜12のEVA層は1層のみであるが、後述のように、中間膜12はEVA層を2層以上備えた複層構造が好ましい。
【0019】
そのEVA層の物性は、以下のように規定されている。即ち、温度70℃における溶融粘度が2×10Pa・s以下である。これにより、後述のニップロールを用いる圧着工程において、中間膜12の流れ性を向上することができ、EVA層が、ガラス板11A及び11Bとの境界面に速やかに行き渡るようにすることができる。中間膜12の流れ性が高くなり過ぎると、EVA層がガラス板11A及び11Bの間からはみ出る場合があるため、温度70℃における溶融粘度は、1×10〜2×10Pa・sが好ましく、2×10〜2×10Pa・sが更に好ましい。なお、溶融粘度は、キャピログラフにて、0.1mm/分の一定せん断速度で測定した。
【0020】
また、そのEVA層の少なくとも一方の表面の算術平均粗さRaが5〜20μmである。これにより、後述のニップロールを用いる圧着工程において、中間膜12とガラス板11A及び11Bの境界面において空気の移動が速やかになるため、空気が抜け易くなり、気泡が生じるのを防ぐことができる。算術平均粗さRaが5μm未満では空気の通り道が小さくなり、又はRaが20μmを超えると大きな気泡が生じることがあり、中間膜とガラス板の境界面に空気が残存する場合がある。EVA層の表面の算術平均粗さRaは、5〜15μmが好ましく、更に7〜13μmが好ましい。なお、中間膜12の両方の面が上記の算術平均粗さRaの範囲であることが好ましい。通常、EVA層の表面にエンボス加工することにより、凹凸形状パターンを付与し、上記のような表面性状を付与することができる。凹凸形状パターンは、上述した算術平均粗さRaを有するものであれば特に制限はない。例えば、凹凸形状パターンにおける凸部を、円形状、半円形状、多角形状等にすることができる。
【0021】
なお、本発明において、表面の算術平均粗さRaとは、JIS−B0601(2001)に準拠した方法により測定した値である。即ち、粗さ曲線から、その平均線の方向に、所定の長さを抜き取り、その抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
【0022】
更に、そのEVA層の平均厚さは0.5mm以上である。これにより、後述のニップロールを用いる圧着工程において、応力緩和効果により、ガラス板を破損することなくニップロールで十分な加圧を行うことができ、中間膜とガラス板間の気泡を十分に除去することができる。EVA層の平均厚さが大き過ぎると、中間膜12がガラス板11A及び11Bの間からはみ出る場合があるため、EVA層の平均厚さは0.5〜2.0mmが好ましく、0.5〜1.2mmが更に好ましい。なお、EVAフィルムの平均厚さとは、マイクロメータを用いてEVAフィルムの厚さを10箇所以上測定し、その測定値の平均値とする。
【0023】
図1における本発明の合わせガラスの製造方法は、まず、上述のようなEVA層を備える中間膜12を、2枚のガラス板11A及び11Bの間に挟持させ、積層体20を形成する。この積層体を搬送装置33により、搬送しながら加熱炉31を通過させる。加熱炉31はヒーター部32を備え、積層体20が加熱炉31を通過する間に、中間膜12を所定の温度になるまで加熱することができる。その後、積層体20を、対向する2基1対のロール部で構成されるニップロール34の間を通過させる。ニップロール34は、ロール部間を通過するものを所定の線圧で連続的に加圧する装置である。これにより積層体20が加圧され、加熱された中間膜12がガラス板11A及び11Bの境界面に圧着する。この際、中間膜12のEVA層が上述のような物性に規定されているので、ガラスを破損することなく十分加圧することができ、EVA層がガラス板11A及び11Bの境界面に速やかに行き渡り、且つEVA層とガラス板11A及び11Bの境界面から空気が抜け易く、気泡が生じ難くなっている。
【0024】
搬送装置33、加熱炉31、及びニップロール34は従来公知のものを使用することができる。加熱炉31のヒーター部32の加熱方式はどの様な方式でも良く、例えば、赤外線加熱方式、熱風方式等が挙げられる。加熱炉31ではなく、加熱ロール方式の加熱装置であっても良い。加熱方式は、中間膜12を直接均一に加熱することができる赤外線加熱方式が好ましい。これにより、中間膜12の加熱温度の制御が容易になり、EVA層が均一に溶融し易くなるため、ニップロールによる加圧の際にEVA層をムラなくガラス板との境界面に行き渡らせることができる。加熱は、中間膜のEVA層に含まれる架橋剤が反応しない温度であれば特に制限は無い。中間膜12の流れ性と加圧時の応力緩和性を考慮すると、ニップロールによる加圧の前に、中間膜12の温度が62〜80℃の範囲になるように加熱することが好ましく、68〜78℃の範囲になるように加熱することが更に好ましい。
【0025】
ニップロール34はどの様なものでも良く、複数対のニップロールを有するものでも良い。また、加圧時の温度低下を避けるため、加熱ロールで構成されているものでも良い。
ニップロール34による加圧の線圧は特に制限は無いが、5〜100kN/mが好ましく、10〜50kN/mが更に好ましい。
【0026】
上述の圧着工程後、予備圧着された積層体20’を加熱し、架橋一体化する工程(加熱架橋工程)を行うことで合わせガラスを得ることができる。加熱架橋工程は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、オートクレーブ等の高温高圧処理を用いることができる。加熱条件は、特に制限は無く、後述のEVA層に含まれる架橋剤等の配合によっても調節する。通常、100〜150℃(特に130℃付近)で、10分〜1時間加熱する。加熱は、1.0×10Pa〜5.0×10Paの圧力で加圧しながら行うのが好ましい。このとき、積層体を架橋後の冷却は一般に室温で行われるが、特に、冷却は速いほど好ましい。
【0027】
以下に本発明の合わせガラスの製造方法に用いる中間膜について詳述する。
図2は、本発明の製造方法に用いる中間膜の好適態様の1例を示す概略断面図である。図2における中間膜22は2層のEVA層25A及び25Bの間に、透明プラスチックフィルム26を挟持した複層構造である。これにより、中間膜の膜厚を容易に厚くすることができる。透明プラスチックフィルム26は無くても良く、EVA層25A及び25Bのみの複層構造でも膜厚を容易に厚くすることができる。本発明において、中間膜を複層構造にして、膜厚を厚くした場合、形状安定性が低下する場合があるため、形状維持のためにEVA層25A及び25Bの間に透明プラスチックフィルム26を挟持した複層構造の中間膜22が更に好ましい。図2においては、中間膜22のEVA層は2層であるが、更に多くのEVA層を積層した複層構造でも良い。層数は2〜4層が好ましい。層数が多過ぎると、EVA層間のズレや空気の抱き込み量が多くなること等により、上述の圧着工程で気泡が抜け難くなる場合がある。EVA層が3層以上の複層構造の中間膜とする場合、複数枚の透明プラスチックフィルムを挟持させても良い。
【0028】
透明プラスチックフィルム26としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)のプラスチックフィルムであれば特に制限はない。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリエチレンブチレートフィルムを挙げることができ、熱等の負荷に対する耐性が高く、透明性が高い点でPETフィルムが好ましい。プラスチックフィルムの厚さは、10〜400μm、特に20〜200μmであるのが好ましい。
【0029】
以下に、本発明の製造方法に用いる中間膜を構成するEVA層を形成する組成物の材料について詳述する。
【0030】
[エチレン−酢酸ビニル共重合体]
本発明において使用するEVAは、EVA層が、上記の温度70℃における溶融粘度となるように形成できれば、特に制限はない。EVAにおける酢酸ビニルの含有量は、前記EVAに対して、23〜38質量%が好ましい。EVAの酢酸ビニル単位の含有量が低い程、EVA樹脂膜が硬くなる傾向がある。酢酸ビニル単位の含有量が23質量%未満であると、高温で架橋硬化させる場合に中間膜の透明度が十分でない恐れがあり、38質量%を超えると耐衝撃性、耐貫通性に必要な中間膜の硬さが不十分となる恐れがある。EVAにおける酢酸ビニルの含有量は25〜30質量%が更に好ましく、特に26〜28質量%が好ましい。また、EVAのメルトフローレート(MFR)(JIS−K7210に従う)は、4g/10分以上が好ましい。これにより、EVA層の温度70℃における溶融粘度を、容易に上記のように設計することができる。MFRは、4.0〜30.0g/10分が更に好ましく、特に8.0〜18.0g/10分であることが好ましい。なお、MFRは、190℃、荷重21.18Nの条件で測定されたものである。
【0031】
[架橋剤]
本発明において使用する架橋剤は、EVAの架橋構造を形成することができ、EVA層の接着力を高めることができるものである。
【0032】
架橋剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
【0033】
前記有機過酸化物としては、樹脂の加工温度・貯蔵安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド系化合物、ジアルキルパーオキサイド系化合物、及びケトンパーオキサイド系化合物を使用するのが好ましい。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0034】
前記ハイドロパーオキサイド系化合物としては、例えば、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0035】
前記ジアルキルパーオキサイド系化合物としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス((t−ブチルパーオキシ)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0036】
前記ケトンパーオキサイド系化合物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
【0037】
これらの中でも、優れた接着力、耐熱性、耐紫外線性を有する硬化膜が得られることから、ジアルキルパーオキサイド系化合物、特に、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いるのが好ましい。
【0038】
EVA層を形成する組成物における架橋剤の含有量は、EVA100質量部に対して、通常0.5〜5.0質量部であり、好ましくは0.5〜2.5質量部、より好ましくは0.65〜2.5質量部である。架橋剤の含有量が上記の範囲であれば、強固な架橋構造が得られ、中間膜とガラス板とを十分に架橋一体化させることができる。
【0039】
[架橋助剤]
本発明において、EVA層を形成する組成物は、必要に応じて、さらに架橋助剤を含んでいても良い。前記架橋助剤は、EVAのゲル分率を向上させ、EVAフィルムの接着性及び耐久性を向上させることができる。
【0040】
前記架橋助剤の含有量は、EVA100質量部に対して、一般に10質量部以下、好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.1〜2.5質量部で使用される。これにより、更に接着性に優れるEVAフィルムが得られる。
【0041】
前記架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
【0042】
[接着向上剤]
本発明において、EVA層を形成する組成物は、更に優れた接着力を付与するために、接着向上剤をさらに含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
【0043】
前記シランカップリング剤の含有量はEVA100質量部に対して0.1〜2質量部が好ましく、更に0.1〜0.65質量部、特に0.1〜0.4質量部であることが好ましい。
【0044】
[その他]
本発明において、EVA層を形成する組成物は、EVA層の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤、本発明における化合物Iの他のアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0045】
可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。可塑剤の含有量は、EVA100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
アクリロキシ基含有化合物及びメタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることができる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオピル基を挙げることができる。アミドの例としては、ジアセトンアクリルアミドを挙げることができる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
【0046】
エポキシ含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0047】
前記アクリロキシ基含有化合物、前記メタクリロキシ基含有化合物、または前記エポキシ基含有化合物は、それぞれEVA100質量部に対してそれぞれ一般に0.5〜5.0質量部、特に1.0〜4.0質量部含まれていることが好ましい。
【0048】
更に、本発明において、EVA層を形成する組成物は、紫外線吸収剤、光安定剤および老化防止剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤を含むことにより、照射された光などの影響によってEVAが劣化し、EVA層が黄変するのを抑制することができる。紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なお、上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の配合量は、EVA100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
【0049】
また、光安定剤を含むことによっても、照射された光などの影響によってEVAの劣化し、EVA層が黄変するのを抑制することができる。光安定剤としてはヒンダードアミン系と呼ばれる光安定剤を用いることが好ましく、例えば、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63LA−63p、LA−67、LA−68(いずれも(株)ADEKA製)、Tinuvin744、Tinuvin 770、Tinuvin 765、Tinuvin144、Tinuvin 622LD、CHIMASSORB 944LD(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)、UV−3034(B.F.グッドリッチ社製)等を挙げることができる。なお、上記光安定剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は、EVA100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
【0050】
老化防止剤としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。
【0051】
[中間膜の製造]
本発明の合わせガラスの製造方法に用いる中間膜を製造するには、まず、中間膜を構成するEVA層を調製する。EVA層の調製は、例えば、(a)EVA及び架橋剤を含む組成物をシート状に成形して成形体を得る工程、(b)前記成形体の少なくとも一方の面にエンボス加工により、算術平均粗さRaが、5〜20μmの表面性状とする工程を含む方法が用いられる。
【0052】
工程(a)において、EVA及び架橋剤、及び必要に応じて上述した各種成分を含む組成物をシート状に成形するには、押出成形又はカレンダ成形(カレンダリング)など、従来公知の方法が用いられる。組成物の混合は、40〜90℃、特に60〜80℃の温度で加熱混練することにより行うのが好ましい。混練は、スーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル等を用いて、公知の方法で行うことができる。
【0053】
また、シート状に成形する際の加熱温度は、架橋剤が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、40〜90℃、特に50〜80℃とするのが好ましい。
【0054】
工程(b)において、シート状に成形した成形体を上述の表面性状とするには、従来公知の方法を用いて行えばよい。例えば、上記表面性状の反転凹凸形状パターンを有するエンボスローラーやエンボスプレートを上記成形体の所定の面に加熱押圧し、凹凸形状パターンを付与することができる。これにより本発明に使用するEVA層を調製できる。エンボスローラー等を成形体の両面に加熱押圧し、成形体の両面が上記表面性状であるEVA層としても良い。
【0055】
得られたEVA層を1層で中間膜として使用しても良く、上述のように、2層以上積層し、複層構造の中間膜を製造して使用しても良い。また、上述のように透明プラスチックフィルムを2層以上のEVA層に挟持した複層構造の中間膜を製造して使用しても良い。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1〜14、比較例1〜10)
1.中間膜の作製
表1及び表2に記載した配合の組成物を原料としてカレンダ成形法により成形体を得た。なお、組成物の混練は80℃で15分行い、またカレンダロールの温度は80℃、加工速度は5m/分であった。その後、ミニエンボスロールを用いて、成形体の一方の表面をエンボス加工することにより、表1及び表2に示した厚さ、及び表面性状(算術平均粗さRa)を有する実施例1〜14、及び比較例1〜10の各EVA層(大きさ:1000mm×1000mm)を得た。次いで、各EVA層を表1及び表2に記載した層数で積層することで中間膜を作製した。
【0057】
なお、EVA層の粘度はキャピログラフにて、0.1mm/分の一定せん断速度で測定した。また、EVA層の表面性状(算術平均粗さRa)の測定は、JIS−B0601(2001)に従い、表面粗さ測定機(Rank Taylor Hobson社製 Surtronic 3+)を用いて測定した。また、測定は10箇所行い、その測定値の平均値を求めた。測定条件は、測定距離:7.5cm、測定速度:1mm/s、カットオフ波長:2.5μm、長波長基準長さλc:2.5mm、短波長基準長さλs:0.0025mmとした。
【0058】
2.合わせガラスの作製
各中間膜を、2枚のガラス板(大きさ:1000mm×1000mm、厚さ:3mm)の間に挟持した積層体を形成し、加熱装置及びニップロールによる加圧装置を有する圧着装置を用いて、表1及び表2に記載した温度及びニップロール線圧で予備圧着を行い、次いでオートクレーブにより、温度130℃の条件下で30分間加圧処理して合わせガラスを作製した。得られた合わせガラスの外観を観察し、気泡の状況を評価した。評価は、作製した合わせガラスの表面に、目視で確認できる直径1mm以下の気泡が、0個の場合を「○」とし、直径1mm以下の気泡が、1〜9個の場合を「△」とし、直径1mm以下の気泡が10個以上、又は直径1mmを越える気泡が1個以上認められる場合を「×」とした。
【0059】
3.評価結果
評価結果を表1及び表2に示す。
【0060】
【表1】

【0061】

【表2】

【0062】
表1及び表2に示す通り、EVA層の温度70℃における溶融粘度が2×10Pa・s以下であり、少なくとも一方の表面の算術平均粗さRaが、5〜20μmであり、且つ平均厚さが0.5mm以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体層を用いた中間膜を使用した場合、ニップロールを用いた加圧による圧着工程で外観が良好な合わせガラスを作製できることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明により、EVAを含む中間膜を用いた合わせガラスを高い生産性で提供することができる。本発明により製造される合わせガラスは、建築物や乗り物(自動車、鉄道車両、船舶)用の窓ガラス、プラズマディスプレイなどの電子機器、冷蔵庫や保温装置などのような各種装置の扉や壁部など、種々の用途に使用することができる。
【符号の説明】
【0064】
11A、11B ガラス板
12、22 中間膜
20 積層体
20’ 積層体(予備圧着後)
25A、25B EVA層
26 透明プラスチックフィルム
31 加熱炉
32 ヒーター部
33 搬送装置
34 ニップロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン−酢酸ビニル共重合体及び架橋剤を含む組成物からなり、温度70℃における溶融粘度が2×10Pa・s以下であり、少なくとも一方の表面の算術平均粗さRa(JIS−B0601(2001))が、5〜20μmであり、且つ平均厚さが0.5mm以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体層を1層以上備えた中間膜を、2枚以上のガラス板の間に挟持し、積層体を得る工程、
前記積層体を、加熱した後、ニップロールを用いて加圧することにより圧着する圧着工程、及び
前記圧着工程後に、前記積層体を更に加熱することにより、架橋一体化させる工程、
を含むことを特徴とする合わせガラスの製造方法。
【請求項2】
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層の温度70℃における溶融粘度が、1×10〜2×10Pa・sである請求項1に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項3】
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(JIS−K7210)が、4g/10分以上である請求項1又は2に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項4】
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層の平均厚さが、0.5〜2.0mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項5】
前記中間膜が、2層以上の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層を備えた複層構造である請求項1〜4のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項6】
前記中間膜が、2層以上の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体層の間に、少なくとも1枚の透明プラスチックフィルムを挟持した複層構造である請求項5に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項7】
前記透明プラスチックフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項6に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項8】
前記圧着工程が、前記積層体を搬送しながら加熱炉内を通過させ、その後少なくとも1対のニップロール間を通過させて加圧する工程である請求項1〜7のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項9】
前記圧着工程が、ニップロールを用いる加圧の前に、前記中間膜の温度が62〜80℃になるように加熱される請求項1〜8のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項10】
前記圧着工程の加熱方式が、赤外線加熱方式である請求項1〜9のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。
【請求項11】
前記圧着工程のニップロールによる加圧の線圧が、5〜100kN/mである請求項1〜10のいずれか1項に記載の合わせガラスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−66984(P2012−66984A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215242(P2010−215242)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】