説明

合奏システムおよび楽曲の合奏方法

【課題】複数の携帯電話端末を用いた楽曲の合奏において、各携帯端末用の合奏用楽曲をあらかじめダウンロードして準備しておかなくても合奏ができる携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末は、部分楽曲決定手段2と、演奏装置検出手段3を備え、演奏装置検出手段3が演奏装置4−1の近距離に存在する演奏装置4−2を無線を介して検出して検出結果情報310を出力し、部分楽曲決定手段2が検出結果情報310に基づいて楽曲510を構成する部分楽曲520−1、520−2を決定して演奏装置4−1、4−2に割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲の合奏システムならびに合奏方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末の着信通知に用いられる楽曲再生機能を利用して、複数の携帯電話端末を用いた合奏用の楽曲データを携帯電話端末へ配信するサービスが開始されている。上記サービスにおいて、利用者は楽曲を構成する部分楽曲ごとの楽曲データを携帯電話端末にダウンロードすることができるようになっている。上記サービスを利用すれば、たとえば3人の利用者が同一の楽曲のギター、ベース、ドラムの各パートに対応する部分楽曲の楽曲データをそれぞれの携帯電話端末にダウンロードしておき、3人の利用者が携帯電話端末を持ち寄って部分楽曲の楽曲データを同時に再生することにより、完成された楽曲となるよう合奏を行うことができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、楽器別の楽曲のパート(部分楽曲情報)を、楽曲提供事業者のサーバから複数の携帯端末に配信し、各携帯端末が同時に各楽曲のパートを再生することによって、楽曲を合奏する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2001−356764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の楽曲の合奏サービスにおいては、合奏のための準備作業が煩わしいという問題があった。すなわち、(1)複数の利用者が各々の携帯電話端末を合奏に参加させるということを前もって打ち合わせておき、(2)各携帯電話端末が再生する部分楽曲の楽曲データをそれぞれの利用者の携帯電話端末にダウンロードして準備する、という面倒なプロセスを経た上で、利用者が持ち寄った携帯電話端末で合奏を開始するというものであった。
【0005】
また、部分楽曲の楽曲データがすべて揃った状態で携帯電話端末が演奏を開始しないと合奏が完成しないため、たとえば合奏に参加するはずだった利用者の一人が合奏当日に欠席するようなことがあれば、合奏を行っても完成した楽曲にならない、という不都合が生じ得る。
【0006】
また、合奏に参加できるのは、予め定められた者だけであり、飛び入りの参加は認められないため、楽曲の合奏を契機として新たな仲間(同好の士)と知り合うというような、バリエーションを楽しむことができない。
【0007】
また、異種の端末同士で合奏を楽しむような(例えば、携帯電話端末と、コンビニエンスストアに備え付けられているマルチメディア情報端末とが合奏をするような)、変化に富んだバリエーションを実現することができない。
【0008】
本発明は、このような考察に基づいてなされたものであり、その目的は、煩わしい合奏のための準備を不要とし、また、居合わせたメンバーが即興的に合奏をしたり、あるいは、自由に合奏から離脱したりすることを可能とし、また、従来にない、斬新かつバリエーションに富んだ合奏を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の合奏システムは、楽曲の合奏を指揮するマスタ端末と、このマスタ端末による指揮の下で合奏に参加するスレーブ端末と、によって構成される合奏システムであって、前記マスタ端末は、複数の部分楽曲データにより構成される楽曲データを保持する楽曲保持手段と、所定の範囲内に位置する前記スレーブ端末を検出するスレーブ端末検出手段と、検出されたスレーブ端末の各々の演奏分担を決定して、各スレーブ端末に、どの部分楽曲データを再生するかを指示する楽曲決定手段と、を含む楽曲割当装置と、を備え、また、前記スレーブ端末は、前記マスタ端末に指示された前記部分楽曲データを再生することが可能な楽曲再生手段を備える。
【0010】
楽曲を指揮するマスタ装置に楽曲割当装置を搭載し、これによって、合奏が可能な圏内に存在するスレーブ端末に部分的な楽曲を動的に割当て、即興的な合奏を可能とするものである。「マスタ端末」としては、通信機能をもつ携帯端末あるいはスタンドアロンタイプの端末の双方が含まれる。「携帯端末」には、携帯電話端末、PDA端末、通信機能をもち、かつ持ち運び可能なコンピュータ端末、ならびに、通信機能をもち、かつ持ち運びが可能な電子楽器が含まれる。また、「スタンドアロンタイプの端末」には、例えば、コンビニエンスストアに設置されているマルチメディア情報端末、CD販売店に設置されている試聴機、ジュークボックス、楽曲コンテンツを蓄積しているホームサーバ、車載オーディオプレーヤ等が含まれる。また、「楽曲」には、メロディだけのもの、音声(歌)付のものの双方が含まれ、例えば、携帯電話端末における着信通知用のメロディや歌が該当する(但し、これに限定されるものではなく、合奏専用の楽曲であってもよい。また、ディスプレイに表示される映像と共に流れる楽曲であってもよい)。本発明の合奏システムでは、例えば、合奏を指揮するマスタ端末としての携帯端末が、近距離通信を利用して周囲を探索して、合奏可能な他の携帯端末(スレーブ端末)を発見し、各携帯端末に楽曲の担当(部分楽曲)を指示し、同期をとって一斉に演奏を開始できるため、その場に居合わせた者がもっている携帯端末同士で、即興的に、同一の楽曲を演奏すること(つまり、合奏すること)ができる。また、マスタ端末が、近くにいるスレーブ端末を検出する方法としては種々の方法が考えられる。例えば、複数のスレーブ端末がネットワーク経由で自端末の位置情報をマスタ端末に報告し、マスタ端末が位置情報に基づいて、それらのスレーブ端末が近距離にあることを検出することも可能である。マスタ端末がネットワーク経由で合奏を指揮する場合、スレーブ端末同士が互いに近距離に位置しさえすれば、スレーブ端末がマスタ端末の近くに位置しなくても合奏を行うことが可能となる。また、マスタ端末がスレーブサーバに部分楽曲を指示する方法としては、マスタ端末が各スレーブ端末に、部分楽曲データを無線通信あるいは有線通信によって送信する方法が考えられ(サーバ経由の送信も考えられる)、また、スレーブ端末自体が部分楽曲データを備えている場合には、マスタ端末が演奏すべき部分楽曲データのID(識別番号)を指示することも可能である。また、マスタ端末は演奏に参加せずにスレーブ端末の指揮に専念してもよく、あるいは、マスタ装置が演奏に積極的に参加してもよい。また、従来にない斬新な合奏も可能となる。例えば、偶然通りがかったコンビニエンスストアのマルチメディア情報端末やCD販売店の試聴機、ジュークボックスと携帯端末が合奏する場合や、友人の車に設置された車載型オーディオ装置と携帯端末が合奏する場合なども可能である(この場合、いずれか一方がマスタ端末として機能し、他方がスレーブ端末として機能する)。したがって、合奏者を予め定めたり、合奏用楽曲を予め準備するといった、煩わしい準備作業が不要となる。また、例えば、利用者は、自分と同一の楽曲(コンテンツ)を所有している携帯端末のユーザ(例えば、同好の士)を発見することもできる(つまり、楽しい時間を過ごす仲間を効率的に発見することができる)。
【0011】
また、本発明の合奏システムの一態様では、前記マスタ端末およびスレーブ端末の各々は、通信機能をもつ携帯端末あるいはスタンドアロン端末である。
【0012】
上述のとおり、「携帯端末」には、携帯電話端末、PDA端末、通信機能をもち、かつ持ち運び可能なコンピュータ端末、ならびに、通信機能をもち、かつ持ち運びが可能な電子楽器が含まれる。また、「スタンドアロンタイプの端末」には、例えば、コンビニエンスストアに設置されているマルチメディア情報端末、CD販売店に設置されている試聴機、ジュークボックス、楽曲コンテンツを蓄積しているホームサーバ、車載オーディオプレーヤ等が含まれる。したがって、従来にない斬新な合奏が可能となる。
【0013】
また、本発明の合奏システムの他の態様では、前記マスタ端末に備わる前記スレーブ端末検出手段は、近距離無線通信の通信圏内に存在するスレーブ端末を検出する。
【0014】
マスタ端末が近距離無線通信手段を備える場合、これを利用することによって、近距離通信圏内にある合奏が可能なスレーブ端末を、効率的に無理なく検出することができる。
【0015】
また、本発明の合奏システムの他の態様では、前記スレーブ端末は、マスタ端末の演奏との同期を確保しつつ、前記楽曲再生手段による楽曲再生を実施する。
【0016】
スレーブ端末が、マスタ端末の演奏との同期を確保しつつ楽曲の再生を行うことによって、適正な合奏が実現される。
【0017】
また、本発明の合奏システムの他の態様では、前記マスタ端末に備わる前記スレーブ端末検出手段は、演奏進行中において、前記所定の範囲内に位置していた、演奏を分担しているスレーブ端末の検出を中断したこと、前記所定の範囲内に位置する新規のスレーブ端末の検出を開始したこと、あるいは、前記合奏に参加しているスレーブ端末の担当パートがすべて終了したこと、の少なくとも一つを検出し、前記部分楽曲決定手段は、その検出結果に応じて、各スレーブ端末の演奏分担を動的に変更する。
【0018】
本発明のスレーブ端末を用いた合奏は、予め計画されたものではないため、途中で、合奏に参加していたスレーブ端末が離脱したり、あるいは、新たなスレーブ端末が合奏に参加したりすることがあり得る。また、合奏を開始した後、割当てた部分楽曲をすべて演奏し終えたスレーブ端末が発生すると、そのままでは、それ以降、そのスレーブ端末は合奏に参加できないことになる。そこで、このような状況の変化に柔軟に対処できるように、マスタ端末が、状況に応じて動的に、楽曲の割当てを変更するものである。例えば、離脱したスレーブ端末があるときは、その離脱したスレーブ端末が受け持っていた部分楽曲を、他のスレーブ端末に割当てて合奏を続行する。また、新規に合奏に参加するスレーブ端末があるとき(あるいは、担当のパートが終了してしまったスレーブ端末があるとき)は、他のスレーブ端末が担当するパートを調整して、その新規参加のスレーブ端末(あるいは、担当のパートが終了してしまったスレーブ端末)に、演奏すべき部分楽曲を、適応的に割当てる。これによって、状況の変化に柔軟に対応して合奏を続行することができる。また、多くの参加者が、合奏に積極的に関与することができ、合奏のバリエーションが広がる。その場に居合わせた者による大規模な即興的な合奏も可能となり、容易に仲間の輪を広げたり、連帯感を深めたりすることも可能となる。
【0019】
また、本発明の合奏システムの他の態様では、前記マスタ端末に備わる前記部分楽曲決定手段は、演奏分担を動的に変更する場合に、新規に合奏に参加したスレーブ端末に、演奏中の楽曲の特徴的なパートを担当させる。
【0020】
新たに合奏に参加したスレーブ端末に、特徴的なパートを担当させることによって、そのスレーブ端末を目立たせることができる。したがって、スレーブ端末が新たに合奏に参加したことを、合奏の参加者や見物人に効果的に印象付けることができる。ここで、ここで「特徴的」とは、主旋律、リフ等、楽曲を構成する構成要素のうち聴く者に強い印象を与える重要な構成要素を含んでいるということを意味する。どのパートがより特徴的であるかは、あらかじめ、例えば「主旋律>リズム>コード」のように定められたルールに基づいて判定される。
【0021】
また、本発明のマスタ端末は、本発明の合奏システムにおいて使用される、合奏を指揮するマスタ端末である。
【0022】
上述のとおり、マスタ端末には、携帯端末とスタンドアロンタイプの端末が含まれる。「携帯端末」には、携帯電話端末、PDA端末、通信機能をもち、かつ持ち運び可能なコンピュータ端末、ならびに、通信機能をもち、かつ持ち運びが可能な電子楽器が含まれる。また、「スタンドアロンタイプの端末」には、例えば、コンビニエンスストアに設置されているマルチメディア情報端末、CD販売店に設置されている試聴機、ジュークボックス、楽曲コンテンツを蓄積しているホームサーバ、車載オーディオプレーヤ等が含まれる。したがって、従来にない斬新な合奏が可能となる。
【0023】
また、本発明のスレーブ端末は、本発明の合奏システムにおいて使用される、マスタ端末による指揮の下で合奏に参加するスレーブ端末である。
【0024】
上述のとおり、マスタ端末には、携帯端末とスタンドアロンタイプの端末が含まれる。
「携帯端末」には、携帯電話端末、PDA端末、通信機能をもち、かつ持ち運び可能なコンピュータ端末、ならびに、通信機能をもち、かつ持ち運びが可能な電子楽器が含まれる。また、「スタンドアロンタイプの端末」には、例えば、コンビニエンスストアに設置されているマルチメディア情報端末、CD販売店に設置されている試聴機、ジュークボックス、楽曲コンテンツを蓄積しているホームサーバ、車載オーディオプレーヤ等が含まれる。したがって、従来にない斬新な合奏が可能となる。
【0025】
また、本発明の楽曲の合奏方法は、合奏を指揮するマスタ端末と、このマスタ端末による指揮の下で合奏に参加するスレーブ端末と、による楽曲の合奏方法であって、前記マスタ端末が、所定の範囲内に位置するスレーブ端末を検出する第1のステップと、前記マスタ端末が、検出されたスレーブ端末の演奏分担を決め、前記スレーブ端末の各々に、どの部分楽曲データを再生すればよいかを指示する第2のステップと、前記マスタ端末および前記スレーブ端末が、演奏の同期を確保しつつ、各々が担当するパートの部分楽曲データを再生する第3のステップと、を有する。
【0026】
これにより、マスタ端末とスレーブ端末による、即興的な合奏が可能となる。
【0027】
また、本発明の楽曲の合奏方法の一態様では、演奏進行中において、前記所定の範囲内に位置していた、演奏を分担しているスレーブ端末の検出を中断したこと、前記所定の範囲内に位置する新規の携帯端末の検出を開始したこと、あるいは、前記合奏に参加している携帯端末の担当パートがすべて終了したこと、の少なくとも一つが検出されると、前記マスタ端末が、その検出結果に応じて、各スレーブ端末の演奏分担を動的に変更する第4のステップを、さらに有する。
【0028】
これにより、状況の変化に対応した、柔軟かつバリエーション豊富な合奏を楽しむことができる。
【0029】
また、本発明の楽曲の合奏方法の他の態様では、前記マスタ端末が前記演奏分担を動的に変更する場合に、新規に合奏に参加したスレーブ端末に、演奏中の楽曲の特徴的なパートを担当させる。
【0030】
これにより、携帯端末が新たに合奏に参加したことを、合奏の参加者や見物人に効果的に印象付けることができる。
【0031】
また、本発明の楽曲の合奏方法の他の態様では、前記マスタ端末は、着信通知を行うとき、あるいは、ユーザから合奏の指示を受けたときに、前記第1のステップを開始する。
【0032】
合奏を指揮するマスタ端末に着信があったとき、あるいは、マスタ端末のユーザが合奏(再生)を指示したときに、例えば、着信通知のためのメロディを利用して合奏が開始される。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、マスタ端末が、近距離にあるスレーブ端末を検出して、各スレーブ端末に部分楽曲を即時的に、あるいは動的に割り当て、即興的な合奏を開始することができる。
【0034】
したがって、利用者による煩わしい合奏のための準備作業が不要である。
【0035】
また、合奏に参加している端末のみで完成された楽曲となるように部分楽曲を割り当てることができ、状況の変化に柔軟に対応した合奏を実現することができる。
【0036】
また、従来にない斬新な合奏も可能となる。例えば、偶然通りがかったコンビニエンスストアのマルチメディア情報端末やCD販売店の試聴機、ジュークボックスと携帯端末が合奏することが可能となり、また、友人の車に設置された車載型オーディオ装置と携帯端末が合奏することも可能となる。
【0037】
本発明によって、煩わしい合奏のための準備が不要となり、また、居合わせたメンバーが即興的に合奏をしたり、あるいは、自由に合奏から離脱したりすることが可能となり、従来にない、斬新かつバリエーションに富んだ、端末同士の合奏が実現される。
【0038】
また、本発明によれば、携帯端末(携帯電話端末等であり、マスタ端末あるいはスレーブ端末として機能する)を、合奏を媒介とした新たなコミュニケーションのためのツールとして利用することができ、これによって、携帯端末の付加価値(使用価値)を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明の実施形態の具体的な説明に入る前に、本発明による合奏の基本的な手順と、本発明の携帯端末(マスタ端末ならびにスレーブ端末の双方に共通に利用可能である)の基本的な構成について説明しておく。
【0040】
図1は、本発明の、複数の携帯端末を用いた合奏方法における基本的な手順を説明するための図である。
【0041】
図1において、A〜Eは、近距離無線通信機能をもつ携帯端末(ここでは、携帯電話端末とする)であり、図中、Aが合奏を指揮する携帯端末であり、Xは、携帯端末Aの近距離無線通信圏を示している。携帯端末B〜Dは、近距離無線通信圏Xの内側に存在し、したがって、携帯端末Aが指揮する合奏に参加する可能性がある。携帯端末Eは、通信圏Xに進入して来る携帯端末である。なお、本明細書中において、「指揮する」とは、複数の携帯端末による合奏を実現するために必要な指示やデータをマスタ端末がスレーブ端末に送出することを指す。たとえば、演奏すべき部分楽曲のデータをマスタ端末がスレーブ端末に送信すること、マスタ端末がスレーブ端末による演奏の進行(開始、終了など)を制御することが、本明細書中に記載する「指揮する」ことに相当する。
【0042】
また、携帯端末Aの保持コンテンツ(保持楽曲)は(M)である。携帯端末Bの保持コンテンツはK〜Nであり、コンテンツ(M)を含んでいる。携帯端末Cの保持コンテンツはL〜Pであり、コンテンツ(M)を含んでいる。携帯端末Dの保持コンテンツはL〜Qであり、コンテンツ(M)は保持されていない。また、携帯端末Eの保持コンテンツは(M)〜Sであり、コンテンツ(M)を含んでいる。
【0043】
このような状況の下で、下記(1)〜(5)の手順が実施される。これらの手順は、図1中に記載される(1)〜(5)に対応している。
手順(1):携帯端末Aが保持するコンテンツ(M)と同一のコンテンツ(M)を保持する近距離の携帯端末B〜Cを近距離無線を介して探索する。
手順(2):携帯端末Aが、演奏分担(各パートをどの端末で演奏するか)を決定し、携帯端末B〜Cに指示する。
手順(3):携帯端末Aからの同期信号に従って、携帯端末AならびにB〜Cが演奏を進行させる。
手順(4):携帯端末Aは、演奏進行中、携帯端末B〜Cの通信圏Xからの離脱や新規端末Eの通信圏Xへの進入を検知すると、上記手順(2)で割当てた部分楽曲(演奏パート)を動的に変更する。このとき、例えば、新規に合奏に参加する携帯端末Eが特徴的なパート(主旋律、冒頭のフレーズなど)の演奏を受け持つように演奏分担を決定する。
【0044】
上記の手順を実施することによって、偶然その場に居合わせた端末同士による、即興的な合奏が可能となり、合奏用コンテンツを予め準備する必要がなくなり、また、携帯端末のユーザは、自分と同一のコンテンツを所有している所有者(同好の士)を容易に発見することが可能となる。
【0045】
図2は、演奏分担の例を説明するための図である。図示されるように、時刻t1において、携帯端末Eが通信圏Xに進入する。すると、主旋律であるトラック1が、携帯端末Eに割当てられ、以降、トラック1〜3が各携帯端末A,B,C,Eに動的に割当てられて、合奏が進行する。
【0046】
図3は、図1に示される携帯端末(A〜E)に備わる機能ブロックの例を示すブロック図である。
【0047】
携帯端末A(B〜E)は、無線通信手段Y1と、近距離無線通信手段Y2と、楽曲再生手段(以下、演奏装置という場合がある)41と、携帯端末のユーザが楽曲の再生(合奏)の開始を指示するための再生指示手段(以下、合奏指示手段とう場合がある)81と、楽曲保持手段5と、楽曲割当装置1と、を有している。
【0048】
楽曲割当装置1は、部分楽曲を各携帯端末に動的に割当てたり、あるいは、割当てられたりする機能を備え、部分楽曲決定手段2と、演奏指示送信手段61と、携帯端末検出手段(以下、演奏装置検出手段という場合がある)3と、各部の動作を統括的に制御する制御手段9と、装置情報送信手段31と、装置情報提供手段32と、演奏指示受信手段62と、を有する。なお、装置情報とは、例えば、自機が保持する楽曲の種類等の情報である。図中、点線で囲まれて示される“MT”は、合奏を指揮する側の携帯端末に必要となる機能ブロックであり、同じく“SL”は、合奏に参加する側の携帯端末に必要となる機能ブロックである。
【0049】
以上、携帯端末同士による合奏を例をとって説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、スタンドアロンタイプの端末もマスタ端末やスレーブ端末となり得る。つまり、本発明では、例えば、偶然通りがかったコンビニエンスストアのマルチメディア情報端末やCD販売店の試聴機、ジュークボックスと携帯端末が合奏することが可能であり、また、友人の車に設置された車載型オーディオ装置と携帯端末が合奏することも可能である。
【0050】
以下の説明では、携帯端末同士による合奏について説明する。
【0051】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら、より具体的に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の構成要素には同一符号を付与し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
【0052】
図4は、本発明の実施の形態1における楽曲割当装置の概略構成図である。図4において、楽曲割当装置1は、演奏装置検出手段3、部分楽曲決定手段2を備える。ここで、「演奏装置」とは、音を再生する機能を上位概念的に表現した用語であり、「楽曲再生手段」、あるいは、「楽曲再生手段を含む機器」と表現することもできる。
【0053】
演奏装置検出手段3は、無線通信を行うことにより、外部の演奏装置4−2が演奏装置4−1の近距離に存在するかどうかを検出し、検出結果を示す検出結果情報310を出力する。部分楽曲決定手段2は、検出結果情報310、および楽曲510に基づいて部分楽曲520−1、部分楽曲520−2をそれぞれ演奏装置4−1、演奏装置4−2に割り当てる。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態1における楽曲割当装置を第一の携帯電話端末100に設けたときの構成図である。図5において第一の携帯電話端末100は、図4の構成に加えて楽曲保持手段5、再生指示手段81、演奏指示送信手段61、制御手段9を備える。また、演奏装置4−1は再生手段41およびスピーカ42を備える。また、楽曲データ511は図4の楽曲510に、部分楽曲データ521−1は図4の部分楽曲520−1に、部分楽曲データ522−2は図4の部分楽曲520−2にそれぞれ対応する。
【0055】
演奏装置検出手段3は、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離無線を介して第二の携帯電話端末200と通信することにより、第二の携帯電話端末200が内蔵する演奏装置4−2が近距離に存在するかどうかを検出する。演奏装置検出手段3は、演奏装置4−2が近距離に存在することを検出した場合、検出した演奏装置4−2に関する装置情報を検出結果情報310として出力する。また、演奏装置検出手段3は近距離に演奏装置4−2が存在することを検出しない場合、「非検出」を検出結果情報310として出力する。
【0056】
楽曲保持手段5は、メモリやハードディスク等で構成され、楽曲510に対応する楽曲データ511を保持する。楽曲保持手段5は、楽曲を識別するための情報である楽曲識別情報530を受け付け、楽曲識別情報530が示す楽曲の楽曲データ511を出力する。
【0057】
再生指示手段81は、合奏の対象となる楽曲を選択する利用者の操作を受け付け、選択された楽曲の楽曲識別情報530を出力する。また、再生指示手段81は、合奏を開始する利用者の操作を受け付けて再生開始指示410を出力する。
【0058】
演奏指示送信手段61は、部分楽曲データ521−2を無線を介して第二の携帯電話端末200へ送信する。制御手段9は、CPU(Central Processing Unit)やデータバス等で構成され、第一の携帯電話端末100における全体動作の制御、および第一の携帯電話端末100を構成する各手段の入出力の中継を行う手段である。
【0059】
再生手段41は、音源チップ、DSP(Digital Signal Processor)、部分楽曲データ521−1を一時的に記憶するためのメモリ等で構成され、再生開始指示410に基づいて部分楽曲データ521−1の演奏を開始し、演奏音の電気信号である再生信号420を出力する。スピーカ42は、再生信号420を空気信号に変換して放音する。
【0060】
図6は、本発明の実施の形態1における第二の携帯電話端末200の構成図である。第二の携帯電話端末200は、再生指示手段81、演奏指示受信手段62、装置情報提供手段32、装置情報送信手段31を備える。また、第二の携帯電話端末200は、演奏装置4−2として再生手段41、スピーカ42を備える。
【0061】
演奏指示受信手段62は、図5に示す第一の携帯電話端末100の演奏指示送信手段61が送信する部分楽曲データ521−2を受信して演奏装置4−2へ出力する。
【0062】
装置情報提供手段32は、演奏装置4−2に関する情報である装置情報を提供する手段であり、装置情報要求320に対して装置情報330を出力する。装置情報330は演奏装置4−2を識別するための識別子を含む。装置情報提供手段32は、装置情報330を保持するメモリ等で構成される。
【0063】
装置情報送信手段31は、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離無線を介して図5の第一の携帯電話端末100の演奏装置検出手段3が発する無線信号を検出し、装置情報提供手段32へ装置情報要求320を出力して取得した装置情報330を図5の第一の携帯電話端末100の演奏装置検出手段3へ送信する。装置情報提供手段32および装置情報送信手段31は、たとえばRFID(Radio Frequency Identification)タグを用いて構成することも可能である。
【0064】
以下、本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100の動作を説明する。
【0065】
図7は、本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100の制御手段9の処理手順を示すフローチャートである。制御手段9は、再生指示手段81が出力する楽曲識別情報530を受け付けると、図7に示すフローチャートの処理を開始する。
【0066】
まず制御手段9は、受け付けた楽曲識別情報530を楽曲保持手段5へ出力して楽曲識別情報530に対応する楽曲の楽曲データ511を取得する(ステップS101)。次に制御手段9は近距離に存在する演奏装置を検出するよう演奏装置検出手段3に指示し、検出結果情報310を得る(ステップS102)。
【0067】
続いて制御手段9は、ステップS101で得た楽曲データ511およびステップS102の処理で得た検出結果情報310を部分楽曲決定手段2へ出力し、部分楽曲決定手段2が決定した部分楽曲データ521−1および部分楽曲データ521−2を得る(ステップS103)。さらに制御手段9は、ステップS103で得た部分楽曲データ521−1を再生手段41へ出力するとともに、部分楽曲データ521−2を演奏指示送信手段61へ出力することにより第二の携帯電話端末200へ送信する(ステップS104)。
【0068】
ここで制御手段9は、再生指示手段81から再生開始指示410を受け付けるまで待ち状態に入る(ステップS105、NO)。制御手段9は、再生開始指示410を受け付けると(ステップS105、YES)、再生開始指示410を再生手段41へ出力し、再生手段41が部分楽曲データ521−1の演奏を開始する(ステップS106)。
【0069】
図8は、本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100の部分楽曲決定手段2の処理手順を示すフローチャートである。図7のフローチャートのステップS103において制御手段9が出力する検出結果情報310および楽曲データ511を受け付けると、部分楽曲決定手段2が図8に示すフローチャートの処理を開始する。
【0070】
部分楽曲決定手段2は、図7のステップS102の処理において演奏装置検出手段3が近距離に存在する演奏装置4−2を検出した場合、すなわち検出結果情報310に演奏装置4−2の識別子が含まれている場合(ステップS201、YES)、ステップS211へ進み、外部の演奏装置を検出しなかった場合、すなわち検出結果情報310が「非検出」である場合(ステップS201、NO)、ステップS221へ進む。
【0071】
ステップS211の処理において、部分楽曲決定手段2は、楽曲データ511を構成するトラックを演奏装置4−1および演奏装置4−2にランダムに割り当てる。一方、ステップS221の処理において部分楽曲決定手段2は、楽曲データ511を構成するトラックのすべてを演奏装置4−1に割り当てる。最後に部分楽曲決定手段2は、部分楽曲データ521−1および部分楽曲データ521−2を出力する。
【0072】
なお、図7のステップS102が請求項2記載の第1のステップに、図8のステップS201、ステップS211、およびステップS221が同じく請求項2記載の第2のステップにそれぞれ相当する。
【0073】
図9は、本発明の実施の形態1における楽曲データ511の例を説明する図である。なお、楽曲データ511はたとえばStandard MIDI(Musical Instrument Digital Interface)等の公知の形式を用いて表現することが可能であるので、本明細書中では詳細な説明は省略し、図9に示すような簡略化した形式を用いて説明を行う。
【0074】
図9(a)は、楽曲データ511の構造を示す図である。楽曲データ511は、楽曲データヘッダD101、楽曲識別情報D102、テンポ情報D103、および楽曲データを構成する各トラックの内容を表すトラックデータD104〜D107から成る。
【0075】
図9(b)は、図9(a)に示した楽曲データ511を構成する第一のトラックの内容を表すトラックデータD104の構造を示す図である。トラックデータD104は、トラックデータヘッダD1041、および第一のトラックの演奏内容(音色選択、発音・消音等)を指示する演奏データD1042から成る。図9(b)には、トラックデータD104の構造のみを示したが、図9(a)のトラックデータD105〜D107についても、図9(b)に示すトラックデータD104と同様に、トラックヘッダ、およびそれぞれのトラックの演奏データから成る構造を有する。
【0076】
図10は、本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100および第二の携帯電話端末200の動作状況の例を説明する図である。図10において、本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100の構成を有する携帯電話端末100−1、本発明の実施の形態1における第二の携帯電話端末200の構成を有する携帯電話端末200−2、同じく第二の携帯電話端末200の構成を有する携帯電話端末200−3が互いに近距離に存在している。以下、図10を中心にして本発明の実施の形態1における携帯電話端末の動作を説明する。
【0077】
なお、以下の説明において、携帯電話端末100−1、携帯電話端末200−2、携帯電話端末200−3の構成要素は、符号の末尾にそれぞれ「−1」、「−2」、「−3」を付して記載することにより区別するものとする。また、携帯電話端末100−1、携帯電話端末200−2、携帯電話端末200−3が内蔵する演奏装置4−1、演奏装置4−2、演奏装置4−3の識別子はそれぞれ「idAAA」、「idBBB」、「idCCC」であるものとする。
【0078】
まず、利用者が携帯電話端末100−1の再生指示手段81−1を操作することにより合奏する楽曲として「楽曲P」を選択すると、携帯電話端末100−1の再生指示手段81−1が楽曲識別情報530として「楽曲P」を出力し、制御手段9が図7に示す処理を開始する。
【0079】
図7のステップS101において制御手段9は、図9に示す楽曲データ511を取得する。ステップS102において制御手段9は、検出結果情報310として演奏装置4−2の識別子「idBBB」、および演奏装置4−3の識別子「idCCC」を得る。
【0080】
制御手段9がステップS103の処理を行うと、部分楽曲決定手段2が図8に示すフローチャートの処理を開始する。まず、図7のフローチャートのステップS102において演奏装置4−2および演奏装置4−3が検出されているので図8のステップS201の判断は「YES」となり、部分楽曲決定手段2はステップS211の処理へ進む。次に、部分楽曲決定手段2は、楽曲データ511を構成するトラックを演奏装置4−1、演奏装置4−2、演奏装置4−3にランダムに割り当て(ステップS211)、部分楽曲データ521−1、部分楽曲データ521−2、部分楽曲データ521−3を出力する(ステップS231)。
【0081】
図11は、図8のステップS231において部分楽曲決定手段2が出力した部分楽曲データ521−1、部分楽曲データ521−2、部分楽曲データ521−3の内容を示す図である。部分楽曲データ521−1、部分楽曲データ521−2、部分楽曲データ521−3は、図9に示す楽曲データ511の楽曲データヘッダD101、楽曲識別情報D102、およびテンポ情報D103を有する。また、部分楽曲データ521−1には演奏装置4−1に割り当てたトラックのトラックデータD104を、部分楽曲データ521−2には演奏装置4−2に割り当てたトラックのトラックデータD106を、部分楽曲データ521−3には演奏装置4−3に割り当てたトラックのトラックデータD105およびトラックデータD107をそれぞれ有している。
【0082】
続いて制御手段9は図7のステップS104において、部分楽曲決定手段2から得た部分楽曲データ521−1を演奏装置4−1へ出力し、部分楽曲データ521−2、部分楽曲データ521−3を演奏装置4−2、演奏装置4−3へそれぞれ送信するよう演奏指示送信手段61へ指示する。
【0083】
演奏装置4−1が部分楽曲データ521−1を受け取ると、再生手段41−1が部分楽曲データ521−1を一時的に記憶する。携帯電話端末200−2の演奏指示受信手段62−1が部分楽曲データ521−2を受信すると、演奏装置4−2の再生手段41−2が部分楽曲データ521−2を一時的に記憶する。同様に、演奏装置4−3の再生手段41−3が部分楽曲データ521−3を一時的に記憶する。
【0084】
ステップS105の待機状態において、利用者が再生指示手段81−1により再生開始を指示すると、制御手段9は再生開始指示410を受け取り(ステップS105、YES)、再生手段41−1へ再生開始指示410を出力することにより再生手段41−1が部分楽曲データ521−1の演奏を開始する(ステップS106)。再生指示手段81−1の操作と同時に、利用者が再生指示手段81−2および再生指示手段81−3により再生開始を指示すると、再生手段41−2、再生手段41−3がそれぞれ部分楽曲データ521−2、部分楽曲データ521−3の演奏を開始する。
【0085】
その結果、部分楽曲データ521−1、部分楽曲データ521−2、部分楽曲データ521−3が並行して演奏されるので、楽曲データ511を構成するすべてのトラックのトラックデータD104〜D107に含まれる演奏データが演奏されることになり、楽曲全体が完成された形で聞こえるように合奏が行われることになる。
【0086】
以上説明したとおり、本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100においては、演奏装置4−1の近距離にある演奏装置4−2を演奏装置検出手段3が無線を介して検出して検出結果情報310を出力し、部分楽曲決定手段2が検出結果情報310に基づいて演奏装置4−1および演奏装置4−2が演奏する部分楽曲データ521−1および521−2を決定する。これにより、合奏に参加している演奏装置4−2を自動的に検出して演奏装置4−1および演奏装置4−2が演奏する部分楽曲データ521−1および部分楽曲データ521−2を決定することができるので、利用者による煩わしい準備作業を必要とせず、合奏に参加している携帯電話端末だけで完成された楽曲となるよう演奏装置に楽曲データを割り当てることができる。
(実施の形態2)
【0087】
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本発明の実施の形態2は、既に説明した本発明の実施の形態1における部分楽曲決定手段が、演奏中の演奏装置の追加または離脱に応じて、部分楽曲の割り当てを変更する点に特徴がある。
【0088】
また、本発明の実施の形態2は、部分楽曲決定手段が、演奏中の演奏装置の追加または離脱に応じて部分楽曲の割り当てを変更する際に、演奏装置における演奏の進行状況に基づいて部分楽曲の割り当てを変更する点に特徴がある。
【0089】
また、本発明の実施の形態2は、部分楽曲決定手段が、部分楽曲の特徴を表す属性情報に基づいて部分楽曲の割り当てを決定する点に特徴がある。
【0090】
また、本発明の実施の形態2は、部分楽曲決定手段が、演奏装置が楽曲を保持していることを演奏装置検出手段が検出した場合に演奏装置に部分楽曲を割り当てる点に特徴がある。
【0091】
また、本発明の実施の形態2は、部分楽曲決定手段が、楽曲から部分楽曲を抽出するための部分楽曲情報によって、演奏装置が演奏すべき部分楽曲を演奏装置へ指示する点に特徴がある。
【0092】
また、本発明の実施の形態2は、演奏装置における演奏の進行状況を他の演奏装置へ通知することにより複数の演奏装置が楽曲を同期して演奏する点に特徴がある。
【0093】
図12は、本発明の実施の形態2における楽曲割当装置1の概略構成図である。図12において、楽曲割当装置1は、図1に示す本発明の実施の形態1における楽曲割当装置の構成のうち、部分楽曲決定手段2が演奏装置4−1における演奏の進行状況を表す演奏進行情報430に基づいて部分楽曲520−1、部分楽曲520−2をそれぞれ演奏装置4−1、演奏装置4−2に割り当てるよう構成している。
【0094】
図13は、本発明の実施の形態2における楽曲割当装置1を第一の携帯電話端末300に設けたときの構成図である。図13において第一の携帯電話端末300は、図5に示す本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100の再生指示手段81に替えて音声通信手段82を備える。
【0095】
音声通信手段82は電話回線に接続して音声通信を行うための手段であり、他の電話端末からの着信を検出し、利用者に着信を通知するための楽曲の演奏を開始または終了する指示である再生開始指示410、および演奏する楽曲を識別する楽曲識別情報530を出力する。
【0096】
また、本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末300は、図5に示す本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末100と異なり、再生手段41は楽曲保持手段5から取得した楽曲データ511のうち演奏すべき部分楽曲を指定するための部分楽曲情報522−1に基づいて部分楽曲を演奏するよう構成されている。
【0097】
また、楽曲保持手段5は、楽曲データ511に替えて楽曲データ511に関する情報を表す楽曲情報512を制御手段9へ出力し、部分楽曲決定手段2が楽曲情報512に基づいて部分楽曲を決定するよう構成されている。
【0098】
また、部分楽曲決定手段2は、楽曲情報512に基づいて部分楽曲情報522−1および部分楽曲情報522−2を出力するよう構成されている。また、演奏指示送信手段61は、部分楽曲情報522−2および演奏進行情報430を第二の携帯電話端末400へ送信するよう構成されている。また、演奏装置検出手段3は、楽曲識別情報530を第二の携帯電話端末400へ送信するよう構成されている。
【0099】
図14は、本発明の実施の形態2における第二の携帯電話端末400の構成図である。図14において第二の携帯電話端末400は、図6の構成に加えて楽曲保持手段5を備える。楽曲保持手段5は、楽曲識別情報530を受け付け、楽曲識別情報530が示す楽曲の楽曲データを保持している場合は「有」を、保持していない場合は「無」を楽曲保持情報551として出力する。
【0100】
また、再生手段41は、演奏指示受信手段62が受信した演奏進行情報430および部分楽曲情報522−2に基づいて部分楽曲を演奏するよう構成されている。また、装置情報送信手段31は、第一の携帯電話端末300から受信した楽曲識別情報530を楽曲保持手段5へ出力し、楽曲保持手段5から取得した楽曲保持情報551を第一の携帯電話端末300へ送信するよう構成されている。
【0101】
演奏装置4−2の再生手段41が演奏装置4−1の再生手段41が出力する演奏進行情報430に基づいて演奏を進行する構成にすることにより、合奏に参加する複数の演奏装置間で演奏を同期させることができるようにしている。
【0102】
図13の第一の携帯電話端末300の演奏装置検出手段3は装置情報送信手段31が出力する楽曲保持情報551を受信し、楽曲保持情報551が「有」の場合、すなわち演奏装置4−1が演奏する楽曲と同じ楽曲を演奏装置4−2が保持している場合、演奏装置4−2の装置情報330を検出結果情報310として出力する。また、演奏装置検出手段3は近距離に演奏装置4−2が存在することを検出しないか、または装置情報送信手段31が送信する楽曲保持情報551が「無」の場合、すなわち演奏装置4−1が演奏する楽曲と同じ楽曲を保持している演奏装置が近距離に存在しない場合に、演奏装置検出手段3は「非検出」を検出結果情報310として出力するよう構成されている。
【0103】
以下、本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末300の動作を説明する。
【0104】
図15は、本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末300の制御手段9の処理手順を示すフローチャートである。制御手段9は、音声通信手段82が着信を検知して出力する楽曲識別情報530および再生の開始を指示する再生開始指示410を受け付けると、図15に示すフローチャートの処理を開始する。
【0105】
まず制御手段9は、受け付けた楽曲識別情報530を楽曲保持手段5へ出力して楽曲識別情報530に対応する楽曲の楽曲情報512を取得する(ステップS301)。次に制御手段9は、ステップS301で得た楽曲情報512、ステップS302で演奏装置検出手段3から得た検出結果情報310を部分楽曲決定手段2へ出力し、部分楽曲決定手段2が出力した部分楽曲情報522−1および部分楽曲情報522−2を得る(ステップS303)。
【0106】
さらに制御手段9は、ステップS303で得た部分楽曲情報522−1を再生手段41へ出力するとともに、部分楽曲情報522−2を演奏指示送信手段61へ出力することにより第二の携帯電話端末400へ送信する(ステップS304)。
【0107】
続いて制御手段9は、再生手段41が演奏を開始していない場合には再生開始指示410を再生手段41へ出力することにより、ステップS304で再生手段41へ指示した部分楽曲情報522−1に基づいて再生手段41が演奏を開始する(ステップS306)。さらに制御手段9は、再生手段41が出力する演奏進行情報430を部分楽曲決定手段2へ出力するとともに、演奏進行情報430を第二の携帯電話端末400へ送信するよう演奏指示送信手段61へ指示する(ステップS307)。
【0108】
ここで制御手段9は、音声通信手段82が出力する再生開始指示410、およびステップS307で再生手段41から得た演奏進行情報430に基づいて、楽曲の演奏が終了したかどうかを判断し、演奏が終了した場合(ステップS308、YES)は処理を終了し、演奏が終了していない場合(ステップS308、NO)はステップS302へ進む。
【0109】
ステップS302において制御手段9は、近距離に存在する演奏装置を検出するよう演奏装置検出手段3に指示し、検出結果情報310を得てステップS303へ戻る(ステップS302)。
【0110】
図15のフローチャートにおいて、制御手段9は演奏装置の検出(ステップS302)に先立って再生の開始を指示する(ステップS306)よう動作する。このように、比較的長い時間を要する検出処理よりも以前に楽曲の再生の開始を指示することにより、再生開始指示410を受け付けてから演奏装置4−1が楽曲の先頭の再生音を放音するまでの時間をより短時間とすることができるので、第一の携帯電話端末300への着信を利用者がいち早く知ることができるという効果がある。
【0111】
図16は、本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末300の部分楽曲決定手段2の処理手順を示すフローチャートである。図15のフローチャートのステップS303において制御手段9が出力する検出結果情報310または楽曲識別情報530を受け付けると、部分楽曲決定手段2が図16に示すフローチャートの処理を開始する。
【0112】
部分楽曲決定手段2は、図15のステップS302の処理において近距離に存在し合奏対象の楽曲の楽曲データ511を保持している演奏装置4−2を演奏装置検出手段3が検出した場合、すなわち検出結果情報310に演奏装置4−2の識別子が含まれている場合(ステップS401、YES)、演奏装置4−2が合奏可能な演奏装置であると判断してステップS411へ進む一方、検出結果情報310が「非検出」である場合(ステップS401、NO)、ステップS421へ進む。
【0113】
ステップS411の処理において、部分楽曲決定手段2は、演奏装置4−1および演奏装置4−2へのトラックの割り当てを変更する。一方、ステップS421の処理において部分楽曲決定手段2は、楽曲データ511を構成するすべてのトラックを演奏装置4−1に割り当てる。
【0114】
最後に部分楽曲決定手段2は、ステップS411またはステップS421において演奏装置4−1に割り当てたトラックの演奏を指示する部分楽曲情報522−1、および演奏装置4−2に割り当てたトラックの演奏を指示する部分楽曲情報522−2を出力する。部分楽曲情報は、トラックを演奏装置に割り当てたことを演奏装置の識別子およびトラック名を用いて「<演奏装置識別子> <トラック名1>・・・<トラック名N>」の形式のデータで表現される。
【0115】
図17は、図16のステップS411において部分楽曲決定手段2が実行する処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0116】
図17において、まず部分楽曲決定手段2は、図15のステップS302において得られる検出結果情報310に基づいて合奏に参加していた演奏装置が離脱して近距離に存在しなくなったかどうかを判断し、演奏装置が離脱した場合(ステップS501、YES)、ステップS502へ進み、演奏装置が離脱していない場合(ステップS501、NO)、ステップS503へ進む。
【0117】
ステップS502において部分楽曲決定手段2は、離脱した演奏装置X(Xは変数、以下同じ)に割り当てられたトラックのうち、演奏装置Xが演奏を完了していないすべてのトラックを、図15のステップS307の処理において受け取った直近の演奏進行情報430に基づいて抽出し、抽出したトラックを演奏装置X以外の合奏可能な演奏装置にランダムに割り当てる。
【0118】
ステップS503において部分楽曲決定手段2は、図16のステップS401において検出した合奏可能な演奏装置のうち、演奏すべきトラックの割り当てがなされていない演奏装置Y(Yは変数、以下同じ)があるかどうかを判断する。すなわち、既に割り当てられたトラックの演奏がすべて完了した演奏装置や、合奏に参加するために新たに追加された演奏装置を演奏装置Yとする。該当する演奏装置Yがある場合(ステップS503、YES)は、ステップS504へ進み、ない場合(ステップS503、NO)は、図16のステップS431へ進む。
【0119】
続くステップS504〜ステップS506は、ステップS503において求めた演奏装置Y以外の演奏装置に割り当てられているトラックの一部を演奏装置Yに再割り当てする処理である。
【0120】
まず、ステップS504において部分楽曲決定手段2は、演奏が開始されていないトラックが最も多く割り当てられている演奏装置Z(Zは変数、以下同じ)を求める。次に、ステップS504において部分楽曲決定手段2は、演奏装置Zに割り当てられている演奏未開始トラックのうちで最も早く演奏開始されるトラックG(Gは変数、以下同じ)を求める。
【0121】
続いて、ステップS506において部分楽曲決定手段2は、ステップS504において求めたトラックGを演奏装置Zに割り当てるが、トラックGが複数存在する場合はトラックデータ中のトラック属性に基づいてトラックGのうち最も特徴的なトラックを演奏装置Zに割り当てる。ここで「特徴的」とは、主旋律、リフ等、楽曲を構成する構成要素のうち聴く者に強い印象を与える重要な構成要素を含んでいるということを意味する。どのトラック属性がより特徴的であるかは、あらかじめ、例えば「主旋律>リズム>コード」のように定められたルールに基づいて判定される。
【0122】
ステップS506において演奏装置Yへ割り当てられたトラックは、もはや演奏装置Zによって演奏する必要がなくなるので、図16のステップS431において部分楽曲決定手段2は、演奏装置Yに割り当てたトラックの演奏を指示する部分楽曲情報を演奏装置Yへ出力するとともに、演奏装置Yに割り当てた部分楽曲の割り当ての取り消しを指示する部分楽曲情報を演奏装置Zに対して出力する。部分楽曲の割り当ての取り消しを指示する部分楽曲情報は、取り消すトラックのトラック名の直前に記号「#」を付与して「<演奏装置識別子> #<トラック名>」の形式のデータで表現される。
【0123】
なお、図15のステップS302が請求項2記載の第1のステップに、図16のステップS401、ステップS411、およびステップS421が同じく請求項2記載の第2のステップにそれぞれ相当する。
【0124】
図18〜図20は、本発明の実施の形態2における楽曲データ511の例を説明する図である。楽曲データ511は、図9(a)に示す本発明の実施の形態1における楽曲データ511の例で既に説明した楽曲データヘッダD101、楽曲識別情報D102、テンポ情報D103と、トラックデータD204〜D208から成る。
【0125】
図18(b)は、図18(a)に示した楽曲データ511を構成する第一のトラックの内容を表すトラックデータD204の構造を示す図である。第一のトラックデータD204は、図9(b)に示す本発明の実施の形態1におけるトラックデータD104の構造に加えて、楽曲データ中の演奏されるべきトラックデータを指定する際の識別情報であるトラック名D2042、トラックの特徴を表す属性情報であるトラック属性D2043、演奏開始位置D2044、および演奏終了位置D2045を備える。
【0126】
図19、図20に示すトラックデータD205〜D208も、図18(b)に示す第一のトラックデータD204と同様の構造を有するので説明は省略する。なお、本発明の実施の形態2の説明において、トラックデータに含まれる演奏開始位置および演奏終了位置は「小節:拍:ティック形式」で示してあるが、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)タイムコード等、他のタイムコード形式を用いて記述したものであってもよい。
【0127】
図21は、図18〜図20に示す本発明の実施の形態2における楽曲データ511に基づいて楽曲保持手段3が生成する楽曲情報512の内容を示す図である。楽曲情報512は、楽曲データ511を構成するすべてのトラックのトラック名、トラック属性、演奏開始位置、演奏終了位置を配列したデータである。
【0128】
図22〜図27は、本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図である。以下、図22〜図27を中心にして本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作を説明する。なお、本動作例においては、本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末300の構成を有する携帯電話端末300−1、本発明の実施の形態2における第二の携帯電話端末400の構成を有する携帯電話端末400−2および携帯電話端末400−3を用いて説明を行う。
【0129】
また、携帯電話端末300−1、携帯電話端末400−2、携帯電話端末400−3が内蔵する楽曲保持手段5−1、楽曲保持手段5−2、楽曲保持手段5−3は、楽曲データ511を保持しているものとする。また、携帯電話端末300−1、携帯電話端末400−2、携帯電話端末400−3が内蔵する演奏装置4−1、演奏装置4−2、演奏装置4−3の識別子はそれぞれ「idAAA」、「idBBB」、「idCCC」であるものとして説明を行う。
【0130】
図22(a)は、初期状態である第一の状況を説明する図である。第一の状況において、携帯電話端末300−1と携帯電話端末400−2とが互いに近距離に存在している。第一の状況において、携帯電話端末300−1に着信があると、携帯電話端末300−1の音声通信手段82が楽曲識別情報530として「楽曲P」を出力するとともに演奏開始指示410を出力し、携帯電話端末300−1の制御手段9は図15に示すフローチャートに従って処理を開始する。
【0131】
制御手段9がステップS301において楽曲識別情報530を楽曲保持手段5へ出力すると、楽曲保持手段5は図21に示す楽曲情報512を制御手段9へ出力する。制御手段9がステップS303において楽曲情報512を出力すると、部分楽曲決定手段2が図16のフローチャートに従って処理を開始する。
【0132】
図16のステップS401の時点では、演奏装置の検出処理(図15のステップS302)がまだ実行されていないので、判断は「NO」となり、部分楽曲決定手段2はステップS421の処理へ進む。ステップS421において部分楽曲決定手段2は、部分楽曲割当テーブルおよび演奏装置状態テーブルの内容を更新する。
【0133】
図22(b)は、部分楽曲決定手段2が保持する部分楽曲割当テーブルT201の内容を示す図である。部分楽曲割当テーブルT201は、合奏対象である楽曲を構成する各部分楽曲がどの演奏装置に割り当てられているかを管理するためのテーブルである。部分楽曲割当テーブルT201は、楽曲データ511のトラックごとにレコードR2011〜R2015で構成され、各レコードR2011〜R2015は、トラック名を表す「トラック名」(フィールドF2011)、トラック属性を表す「トラック属性」(フィールドF2012)、演奏開始位置を表す「開始」(フィールドF2013)、演奏終了位置を表す「終了」(フィールドF2014)、トラックデータが割り当てられている演奏装置の識別子を表す「演奏装置」(フィールドF2015)の各フィールドを有する。
【0134】
図22(c)は、部分楽曲決定手段2が保持する演奏装置状態テーブルT211の内容を示す図である。演奏装置状態テーブルは、部分楽曲の割り当て状態を演奏装置ごとに管理するためのテーブルである。演奏装置状態テーブルT211は、演奏装置ごとのレコードR2111から成り、各レコードR2111は、演奏装置の識別子を表す「演奏装置」(フィールドF2111)、演奏装置に割り当てられたトラックのうち演奏が開始されていないトラックの数を表す「演奏予定トラック」(フィールドF2112)、演奏装置に割り当てられ演奏中であるトラックの数を表す「演奏中トラック」(フィールドF2113)の各フィールドを有する。
【0135】
図16のステップS421において、部分楽曲決定手段2は、まず楽曲情報512に基づいてトラックごとのレコードR2011〜R2015を部分楽曲割当テーブルT201中に生成し、楽曲情報512に従ってトラック名(フィールドF2011)、トラック属性(フィールドF2012)、開始(フィールドF2013)、終了(フィールドF2014)の各フィールドに値を格納する。
【0136】
次に部分楽曲決定手段2は、部分楽曲割当テーブルT201のレコードR2011〜R2015の演奏装置フィールドF2015に携帯電話端末300−1が有する演奏装置4−1の識別子である「idAAA」を格納することにより、全トラックを演奏装置4−1へ割り当てる。続いて部分楽曲決定手段2は、部分楽曲割当テーブルT201に基づいて演奏装置状態テーブルT211の内容を更新する。
【0137】
携帯電話端末300−1の演奏装置4−1(識別子「idAAA」)には、トラック名「序奏」(部分楽曲割当テーブルT201のレコードR2011)、「第1主題」(同レコードR2012)、「提示部1」(同レコードR2013)、「提示部2」(同レコードR2014)、「第2主題」(同レコードR2015)の5個のトラックが割り当てられており、いずれのトラックも演奏が開始されていないので、演奏装置状態テーブルT211のレコードR2111の演奏予定トラックフィールドF2112の値は5、演奏中トラックフィールドF2113の値は0となっている。
【0138】
続いて、図16のステップS431において部分楽曲決定手段2は、楽曲データ511を構成する全トラック(トラック名「序奏」、「第1主題」、「提示部1」、「提示部2」、「第2主題」)の演奏を演奏装置4−1に指示するために部分楽曲情報522−1「idAAA 序奏 第1主題 提示部1 提示部2 第2主題」を出力する。
【0139】
部分楽曲情報522−1を受け取った制御手段9が、図15のステップS304において部分楽曲情報522−1を演奏装置4−1へ出力し、ステップS306で再生を開始する旨の再生開始指示410を出力する。再生開始指示410を受け付けた再生手段41−1が、楽曲保持手段5が保持する楽曲データ511に基づいて、部分楽曲情報522−1が指定するトラックの演奏を開始し、演奏進行情報430として演奏位置を示す「1:01:000」を出力するとともに、再生信号420を出力すると、スピーカ42−1が再生音を放音する。
【0140】
演奏進行情報430を取得した制御手段9は、ステップS307において演奏進行情報430を部分楽曲決定手段2へ出力すると、部分楽曲決定手段2は、演奏装置状態テーブルT211(図22)の内容を更新する。この時点ではん、部分楽曲割当テーブルT201において演奏装置4−1(識別子「idAAA」)に割り当てられたトラックのうち、トラック「序奏」(レコードR2011)の演奏のみが開始されているので、部分楽曲決定手段2は演奏装置状態テーブルT211中のレコードR2111の演奏予定トラックフィールドF2112の値を4に、演奏中トラックフィールドF2113の値を1に更新する。
【0141】
図23は、部分楽曲決定手段2が更新した演奏装置状態テーブルT212の内容を示す図である。演奏装置4−1に対応するレコードR2121の演奏予定トラックフィールドF2122の値が4、演奏中トラックフィールドF2123の値が1となっている。
【0142】
制御手段9は、ステップS308において楽曲の演奏が終了したかどうかを判断する。判断結果は「NO」であるので制御手段9はステップS302の処理へ進む。
【0143】
次に、制御手段9はステップS302の処理において、楽曲識別情報530として「楽曲P」を演奏装置検出手段3へ出力して近距離にある演奏装置の検出を演奏装置検出手段3に指示する。
【0144】
演奏装置検出手段3が携帯電話端末400−2が備える装置情報送信手段31−2と通信を開始すると、装置情報送信手段31−2がこれを検出して装置情報要求320を出力し、装置情報提供手段32−2から装置情報「idBBB」を得る。また、装置情報送信手段31−2が楽曲識別情報530として「楽曲P」を出力すると、楽曲保持手段5−2は、「楽曲P」で識別される楽曲データを保持していることを示す「有」を楽曲保持情報551として出力する。
【0145】
装置情報送信手段31−2は、装置情報「idBBB」および楽曲保持情報「有」を演奏装置検出手段3へ送信する。演奏装置検出手段3は、装置情報送信手段31−2から受信した楽曲保持情報551が「有」であるので、装置情報「idBBB」を検出結果情報310として出力する。
【0146】
制御手段9の処理がステップS303へ進むと、部分楽曲決定手段2は再び図16に示す処理を行う。演奏装置4−2(識別子「idBBB」)が合奏可能であるのでステップS401の判断は「YES」となり、部分楽曲決定手段2はステップS411へ進み、図17に示すフローチャートの処理を開始する。
【0147】
ステップS501の判断はNOであるので、部分楽曲決定手段2はステップS503へ進む。ステップS503において、演奏装置4−2にはトラックが割り当てられていないので部分楽曲決定手段2はステップS504へ進む。ステップS504において部分楽曲決定手段2は、演奏装置状態テーブルT212(図23)を参照し、演奏予定トラックフィールドF2122の値の最も大きい演奏装置である演奏装置4−1(識別子「idAAA」)を演奏装置Zとする。
【0148】
ステップS505において部分楽曲決定手段2は、部分楽曲割当テーブルT201を参照して条件に合致するトラックを求める。すなわち、部分楽曲決定手段2は、部分楽曲割当テーブルT201において、演奏装置フィールドF2015が「idAAA」であるレコードR2011〜レコードR2015のうち、演奏未開始、すなわち直前に取得した演奏進行情報「1:01:000」よりも開始フィールドF2013の値が大きいレコードR2012〜レコードR2015を求め、さらにレコードR2012〜レコードR2015の中で開始フィールドF2013の値が最も小さい、すなわち最も早く演奏が開始されるトラック「第1主題」(レコードR2012)をトラックGとする。
【0149】
ステップS506において部分楽曲決定手段2は、トラックGはトラック「第1主題」(レコードR2012)のみであるのでトラック「第1主題」を演奏装置4−2へ割り当てる。
【0150】
図24は、上記ステップS506において部分楽曲決定手段2が更新した部分楽曲割当テーブルT203および演奏装置状態テーブルT213の内容を示す図である。トラック「第1主題」(レコードR2032)の演奏装置フィールドF2035の値が演奏装置4−2の識別子である「idBBB」に変更され、演奏装置4−2にトラック「第1主題」が割り当てられていることを示している。また、演奏装置状態テーブルT213には、演奏装置4−2に対応するレコードR2132が追加され、演奏予定トラックフィールドF2132の値は、演奏装置4−2にトラック「第1主題」が割り当てられているので1となり、演奏装置4−1に対応するレコードR2131の演奏予定トラックフィールドF2132の値が3に減算されている。
【0151】
図16のステップS431において部分楽曲決定手段2は、部分楽曲情報522−1として「idAAA #第1主題」を出力し、部分楽曲情報522−2として「idBBB 第1主題」を出力する。続いて図15のステップS304において制御手段9が部分楽曲情報522−1を演奏装置4−1へ出力すると、再生手段41−1はトラック「第1主題」を演奏対象から除外する。一方、ステップS304において制御手段9が部分楽曲情報522−2を演奏指示送信手段61−1を介して携帯電話端末400−2の演奏指示受信手段62−2へ送信すると、演奏指示受信手段62−2がこれを受信して部分楽曲情報522−2を再生手段41−2へ出力する。そして、再生手段41−2が部分楽曲情報522−2を受け取り、トラック「第1主題」を演奏対象とする。
【0152】
図15のステップS307において制御手段9は、再生手段41−1が出力する演奏進行情報430を部分楽曲決定手段2へ出力するとともに、演奏指示送信手段61−1を介して携帯電話端末400−2の演奏指示受信手段62−2へ送信する。演奏指示受信手段62−2は受信した演奏進行情報430を再生手段41−2へ出力する。演奏装置4−1による演奏が進行し、演奏進行情報430がトラック「第1主題」の開始位置「4:03:000」に達すると、再生手段41−2が楽曲保持手段5−2が保持する楽曲データ511を参照しながらトラック「第1主題」の演奏を開始するので、演奏装置4−1および演奏装置4−2による楽曲データ511の合奏が行われることになる。
【0153】
図24(c)は、さらに演奏が進行し、演奏進行情報430が「19:02:000」に達した時点での演奏装置状態テーブルT214の内容を示す図である。演奏装置4−1はトラック「序奏」(図24(a)レコードR2031)の演奏を既に終了してトラック「提示部1」(レコードR2033)の演奏を開始しているので、レコードR2141の演奏予定トラックフィールドF2142の値が2、演奏中トラックフィールドF2143の値が1となっている。また、演奏装置4−2がトラック「第1主題」(図24(a)のレコードR2032)の演奏を開始しているので、レコードR2142の演奏中トラックフィールドF2143の値が1となっている。
【0154】
図25(a)は、第一の状況において携帯電話端末300−1と携帯電話端末400−2による合奏の途中で新たに携帯電話端末400−3が近距離に現れた第二の状況を説明する図である。なお、本動作例の説明において、演奏装置4−1が出力する演奏進行情報430の値が「19:02:098」になった時点で第二の状況になったものとする。
【0155】
第二の状況で携帯電話端末400−3が近距離に現れると、図15のフローチャートのステップS302において制御手段9は演奏装置検出手段3が出力する検出結果情報310として「idBBB idCCC」を取得する。
【0156】
図17のステップS503において演奏装置4−3が演奏装置Yとなり、ステップS504において演奏装置状態テーブルT214のレコードR2141に対応する演奏装置4−1が演奏装置Zとなる。ステップS505において部分楽曲決定手段2は、部分楽曲割当テーブルT203に基づいてトラック「提示部2」(レコードR2034)およびトラック「第2主題」(レコードR2035)の2つのトラックをトラックGとする。
【0157】
ステップS506において部分楽曲決定手段2は、レコードR2034およびレコードR2035のトラック属性フィールド(フィールドF2032)の値を比較し、所定の規則に基づきトラック属性「主旋律」(レコードR2035、フィールドF2032)を持つトラック「第2主題」を、トラック属性「リズム」(レコードR2034、フィールドF2032)を持つトラック「提示部2」よりも特徴的なトラックであると判断し、トラック「第2主題」を演奏装置4−3に割り当てる。
【0158】
図25(b)は、第一の状況において部分楽曲決定手段2が更新した部分楽曲割当テーブルT205の内容を示す図である。部分楽曲割当テーブルT205は、トラック「第2主題」(レコードR2055)が演奏装置4−3(識別子「idCCC」)に新たに割り当てられていることを示している。また、図25(c)は、第一の状況において部分楽曲決定手段2が更新した演奏装置状態テーブルT215の内容を示す図である。演奏装置状態テーブルT215は、演奏装置4−1(識別子「idAAA」)に割り当てられていたトラックのうち、演奏予定であったトラック(レコードR2151、フィールドF2152)のうちの1個が演奏装置4−3(識別子「idCCC」)に割り当てられたこと(レコードR2153、フィールドF2152)を示している。
【0159】
図26は、図25(a)に示す第二の状況において再生手段41が出力する演奏進行情報430の値が「20:03:000」となった時点の部分楽曲割当テーブルT206および演奏装置状態テーブルT216の内容を示す図である。この時点で演奏装置4−2に割り当てられ演奏されていたトラック「第1主題」(図26(a)レコードR2062)の演奏が終了して演奏装置4−2にトラックが割り当てられていない状態となるので、部分楽曲決定手段2は演奏装置4−1に割り当てていたトラック「提示部2」(レコードR2064)を新たに演奏装置4−2に割り当てるよう、トラックの割り当てを変更している。
【0160】
図27(a)は、第二の状況において携帯電話端末400−2が離脱して近距離に存在しなくなった第三の状況を説明する図である。なお、本動作例において、演奏装置4−1が出力する演奏進行情報430の値が「30:01:027」になった時点で第三の状況になったものとして説明を行う。
【0161】
第三の状況になると、図15のフローチャートのステップS302において制御手段9が受け取る検出結果情報310「idCCC」に基づき、部分楽曲決定手段2は図17のステップS501において演奏装置4−2が離脱したと判断し(ステップS501、YES)、ステップS502の処理へ進む。
【0162】
ステップS502において部分楽曲決定手段2は、演奏装置4−2に割り当てられているトラック「提示部2」(図26(a)レコードR2064)を演奏装置4−1、演奏装置4−3にランダムに割り当てる。
【0163】
図27(b)は、第三の状況において部分楽曲決定手段2が更新した部分楽曲割当テーブルT207の内容を示す図である。部分楽曲割当テーブルT207は、トラック「提示部2」(レコードR2074)が演奏装置4−1(識別子「idAAA」)に割り当てられたことを示している。また、図27(c)は、第三の状況において部分楽曲決定手段2が更新した演奏装置状態テーブルT217の内容を示す図である。演奏装置状態テーブルT217は、演奏装置4−2(識別子「idBBB」)に割り当てられていたトラック(図26(b)のレコードR2162、フィールドF2163)が演奏装置4−1(識別子「idAAA」)に割り当てられたこと(図27(c)レコードR2171、フィールドF2173)を示している。
【0164】
そして、図16のステップS431において部分楽曲決定手段2は部分楽曲情報522−1として「idAAA 提示部2」を出力し、図15のステップS307において再生手段41−1が部分楽曲情報522−1を受け付けると、演奏装置4−1がトラック「提示部2」の残り部分の演奏を即座に開始する。その結果、離脱した演奏装置4−2に割り当てられていたトラックを演奏装置4−1が引き継いで演奏することになるので、演奏装置4−1と演奏装置4−3のみで全トラックを合奏し続けることができる。
【0165】
図28は、本発明の実施の形態2における携帯電話端末の出力例を示す図である。図28において、横軸は演奏の進行状況を演奏進行情報430の値を用いて示しており、トラックデータD2046、トラックデータD2056、トラックデータD2066、トラックデータD2076、トラックデータD2086は、それぞれトラック「序奏」、トラック「第1主題」、トラック「提示部1」、トラック「提示部2」、トラック「第2主題」のトラックデータの演奏音がスピーカ42−1、42−2、42−3から出力されていることを表している。
【0166】
トラックデータのうち、斜線のハッチングを施してある部分は演奏装置4−2による演奏音がスピーカ42−2から出力された部分、点描のハッチングを施してある部分は演奏装置4−3による演奏音がスピーカ42−3から出力された部分、ハッチングを施していない部分は演奏装置4−1による演奏音がスピーカ42−1から出力された部分を示している。また、時刻t0は演奏装置4−1と演奏装置4−2が近距離に存在した第一の状況において演奏が開始された時刻を、時刻t1は演奏装置4−3が追加された第二の状況の発生時刻を、時刻t2は演奏装置4−2が離脱した第三の状況の発生時刻をそれぞれ示している。
【0167】
図28に示すとおり、合奏中に演奏装置が新たに合奏に参加した場合や、合奏に参加している演奏装置が合奏中に離脱した場合でも、合奏に参加している演奏装置がトラックの演奏を適宜分担し、楽曲が完成するよう合奏を続けていることがわかる。
【0168】
以上説明したように、本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末300においては、演奏装置4−1の近距離にある演奏装置4−2を演奏装置検出手段3が無線を介して検出して検出結果情報310を出力し、部分楽曲決定手段2が検出結果情報310に基づいて演奏装置4−1および演奏装置4−2が演奏する部分楽曲を指示する部分楽曲情報522−1および522−2を決定する。これにより、合奏に参加している演奏装置4−2を自動的に検出して演奏装置4−1および演奏装置4−2が演奏する部分楽曲を決定することができるので、利用者による煩わしい準備作業を必要とせず、合奏に参加している携帯電話端末だけで完成された楽曲となるよう演奏装置に楽曲データを割り当てることができる。
【0169】
また、本発明の実施の形態2における携帯電話端末300においては、演奏装置検出手段3が出力する検出結果情報310に基づいて演奏装置4−2が新たに参加したことまたは演奏装置4−2が離脱したことを検出し、部分楽曲決定手段2が演奏装置4−2への部分楽曲の割り当てを変更することにより、合奏中の演奏装置の追加や離脱に応じて演奏装置が部分楽曲を適宜分担して演奏するので、楽曲が完成するように携帯電話端末が合奏を続けることができる。
【0170】
また、本発明の実施の形態2における携帯電話端末300においては、部分楽曲決定手段2が演奏装置4−2への部分楽曲の割り当てを変更する際に、演奏装置4−2が出力する演奏進行情報430に基づいて部分楽曲の割り当てを決定することにより、携帯電話端末400が新たに合奏可能となった直後に携帯電話端末400が素早く演奏を開始できるよう演奏装置4−2に部分楽曲を割り当てることができる。
【0171】
また、本発明の実施の形態2における携帯電話端末300においては、部分楽曲決定手段2が、部分楽曲の特徴を表す属性情報に基づいて部分楽曲の割り当てを決定することにより、特徴的な部分楽曲を新たに参加した携帯電話端末400の演奏装置4−2に優先的に割り当てるといった、部分楽曲の特徴に応じた割り当ての制御が可能となる。これにより、たとえば新たに参加した携帯電話端末400に特徴的な部分楽曲を演奏させて携帯電話端末400を目立たせることができるので、携帯電話端末が新たに合奏に参加したことを利用者に印象付けることができる。
【0172】
また、本発明の実施の形態2における携帯電話端末300においては、演奏装置検出手段3が出力する検出結果情報310に基づいて演奏装置4−2が楽曲を保持していることを検出した場合に、部分楽曲を演奏装置4−2へ割り当てることにより、同一の楽曲を格納した携帯電話端末であれば煩わしい準備をせずに合奏に参加できるので、共通の趣向を持つ利用者同士のコミュニケーションツールとしての携帯電話端末の有用性が増す。
【0173】
また、本発明の実施の形態2における携帯電話端末300においては、演奏装置検出手段3が出力する検出結果情報310に基づいて演奏装置4−2が楽曲を保持していることを検出した場合に、部分楽曲を演奏装置4−2へ割り当てて、演奏装置4−1が出力する演奏進行情報430に基づいて演奏装置4−2における部分楽曲の演奏を制御することにより、携帯電話端末300が楽曲を演奏している最中に、同一の楽曲を格納した携帯電話端末400を所持する利用者が近づくと、携帯電話端末400が自動的に楽曲の演奏に参加することになるので、たとえば見ず知らずの人々が集まる場所で利用者と共通の趣向を持つ別の利用者が出会った際に利用者の携帯電話端末が互いに共鳴し合うような演出効果がもたらされ、コミュニケーションツールとしての携帯電話端末の有用性が増す。
【0174】
また、本発明の実施の形態2における携帯電話端末300においては、部分楽曲決定手段2が楽曲から部分楽曲を抽出するための部分楽曲情報522−2によって演奏装置4−2が演奏すべき部分楽曲を演奏装置4−2へ指示することにより、演奏装置4−2への演奏の指示の際のデータ転送量を抑え、部分楽曲の演奏データそのものを送受することによる携帯電話端末400の動作の遅延を防止することができる。
【0175】
なお、本発明の実施の形態において、部分楽曲決定手段はトラックごとの単位で部分楽曲を演奏装置へ割り当てるものとしたが、これに限るものではなく、楽曲を構成する互いに分離可能な単位であればどのような単位で部分楽曲を割り当ててもよく、例えばチャンネル、プログラム番号、音色、楽器、フレーズ、パート、声部、小節、拍、音符などに基づく単位であってもよいし、楽曲に含まれる歌詞を構成する段落、行、節、句、文節、単語、文字に基づいて楽曲の一部を抽出した単位であってもよい。
【0176】
なお、また、本発明の実施の形態において、演奏装置検出手段と、部分楽曲の演奏を演奏装置に指示する演奏指示送信手段とを別々の手段として構成したが、一の無線通信手段が上記両手段の機能を兼ねるように構成してもよい。
【0177】
なお、また、本発明の実施の形態において、部分楽曲決定手段と演奏装置検出手段の両手段を携帯電話端末の筐体に設置する構成としたが、これに限るものではなく、たとえば携帯端末が演奏装置検出手段を備え、サーバが部分楽曲決定手段を備え、携帯端末とサーバとが通信することにより演奏装置検出手段による検出結果を部分楽曲決定手段へ伝える構成とするなど、部分楽曲決定手段と演奏装置検出手段とを互いに分離構成してもよい。
【0178】
なお、また、本発明の実施の形態において、楽曲データ、楽曲情報、部分楽曲情報の各データについて例を挙げて説明を行ったが、各々のデータ構造が本発明の実施の形態で説明した構造に限られるものではないことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、即興的かつ動的な合奏を可能とするという効果を奏し、したがって、合奏システム、マスタ端末ならびにスレーブ端末(携帯電話端末や携帯型電子機器等の携帯端末、ならびに、店内に設置されるマルチメディア情報端末、ミュージックボックス、ホームサーバ等を含む)ならびに楽曲の合奏方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】本発明の、複数の携帯端末を用いた合奏方法における基本的な手順を説明するための図
【図2】演奏分担の例を説明するための図
【図3】図1に示される携帯端末に備わる機能ブロックの例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における楽曲割当装置の概略構成図
【図5】本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末の構成図
【図6】本発明の実施の形態1における第二の携帯電話端末の構成図
【図7】本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末の制御手段の処理手順を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末の部分楽曲決定手段の処理手順を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における第一の携帯電話端末の楽曲保持手段が保持する楽曲データの例を示す図
【図10】本発明の実施の形態1における携帯電話端末の動作状況の例を示す図
【図11】本発明の実施の形態1における携帯電話端末の部分楽曲決定手段が出力する部分楽曲データの例を示す図
【図12】本発明の実施の形態2における楽曲割当装置の概略構成図
【図13】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の構成図
【図14】本発明の実施の形態2における第二の携帯電話端末の構成図
【図15】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の制御手段の処理手順を示すフローチャート
【図16】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の部分楽曲決定手段の処理手順を示すフローチャート
【図17】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の部分楽曲決定手段の処理手順を示すフローチャート
【図18】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の楽曲保持手段が保持する楽曲データの例を示す図
【図19】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の楽曲保持手段が保持する楽曲データの例を示す図
【図20】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の楽曲保持手段が保持する楽曲データの例を示す図
【図21】本発明の実施の形態2における第一の携帯電話端末の楽曲保持手段が出力する楽曲情報の例を示す図
【図22】本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図
【図23】本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図
【図24】本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図
【図25】本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図
【図26】本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図
【図27】本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図
【図28】本発明の実施の形態2における携帯電話端末の動作例を説明する図
【符号の説明】
【0181】
1 楽曲割当装置
2 部分楽曲決定手段
3 演奏装置検出手段
4−1、4−2 演奏装置
5 楽曲保持手段
9 制御手段
31 装置情報送信手段
32 装置情報提供手段
41 再生手段
42、42−1、42−2、42−3 スピーカ
61 演奏指示送信手段
62 演奏指示受信手段
81、81−1、81−2、81−3 再生指示手段
82 音声通信手段
100、100−1、200、200−2、200−3、300、300−1、400、400−2、400−3 携帯電話端末
310 検出結果情報
320 装置情報要求
330 装置情報
410 再生開始指示
420 再生信号
510 楽曲
511 楽曲データ
512 楽曲情報
520−1、520−2 部分楽曲
521−1、521−2、521−3 部分楽曲データ
522−1、522−2 部分楽曲情報
530 楽曲識別情報
T201、T203、T205、T206、T207 部分楽曲割当テーブル
T211、T212、T213、T214、T215、T216、T217 演奏装置状態テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲の合奏を指揮するマスタ端末と、このマスタ端末による指揮の下で合奏に参加するスレーブ端末と、によって構成される合奏システムであって、
前記マスタ端末は、
複数の部分楽曲データにより構成される楽曲データを保持する楽曲保持手段と、
所定の範囲内に位置する前記スレーブ端末を検出するスレーブ端末検出手段と、検出されたスレーブ端末の各々の演奏分担を決定して、各スレーブ端末に、どの部分楽曲データを再生するかを指示する楽曲決定手段と、を含む楽曲割当装置と、を備え、
また、前記スレーブ端末は、前記マスタ端末に指示された前記部分楽曲データを再生することが可能な楽曲再生手段を備える、
ことを特徴とする合奏システム。
【請求項2】
請求項1記載の合奏システムであって、
前記マスタ端末およびスレーブ端末の各々は、通信機能をもつ携帯端末あるいはスタンドアロン端末であることを特徴とする合奏システム。
【請求項3】
請求項1記載の合奏システムであって、
前記マスタ端末に備わる前記スレーブ端末検出手段は、近距離無線通信の通信圏内に存在するスレーブ端末を検出することを特徴とする合奏システム。
【請求項4】
請求項1記載の合奏システムであって、
前記スレーブ端末は、マスタ端末の演奏との同期を確保しつつ、前記楽曲再生手段による楽曲再生を実施することを特徴とする合奏システム。
【請求項5】
請求項1記載の合奏システムであって、
前記マスタ端末に備わる前記スレーブ端末検出手段は、演奏進行中において、前記所定の範囲内に位置していた、演奏を分担しているスレーブ端末の検出を中断したこと、前記所定の範囲内に位置する新規のスレーブ端末の検出を開始したこと、あるいは、前記合奏に参加しているスレーブ端末の担当パートがすべて終了したこと、の少なくとも一つを検出し、前記部分楽曲決定手段は、その検出結果に応じて、各スレーブ端末の演奏分担を動的に変更することを特徴とする合奏システム。
【請求項6】
請求項5記載の合奏システムであって、
前記マスタ端末に備わる前記部分楽曲決定手段は、演奏分担を動的に変更する場合に、新規に合奏に参加したスレーブ端末に、演奏中の楽曲の特徴的なパートを担当させることを特徴とする合奏システム。
【請求項7】
請求項1に記載されるマスタ端末。
【請求項8】
請求項1に記載されるスレーブ端末。
【請求項9】
合奏を指揮するマスタ端末と、このマスタ端末による指揮の下で合奏に参加するスレーブ端末と、による楽曲の合奏方法であって、
前記マスタ端末が、所定の範囲内に位置するスレーブ端末を検出する第1のステップと、
前記マスタ端末が、検出されたスレーブ端末の演奏分担を決め、前記スレーブ端末の各々に、どの部分楽曲データを再生すればよいかを指示する第2のステップと、
前記マスタ端末および前記スレーブ端末が、演奏の同期を確保しつつ、各々が担当するパートの部分楽曲データを再生する第3のステップと、
を有することを特徴とする楽曲の合奏方法。
【請求項10】
請求項9記載の楽曲の合奏方法であって、
演奏進行中において、前記所定の範囲内に位置していた、演奏を分担しているスレーブ端末の検出を中断したこと、前記所定の範囲内に位置する新規の携帯端末の検出を開始したこと、あるいは、前記合奏に参加している携帯端末の担当パートがすべて終了したこと、の少なくとも一つが検出されると、前記マスタ端末が、その検出結果に応じて、各スレーブ端末の演奏分担を動的に変更する第4のステップを、さらに有することを特徴とする楽曲の合奏方法。
【請求項11】
請求項10記載の楽曲の合奏方法であって、
前記マスタ端末が前記演奏分担を動的に変更する場合に、新規に合奏に参加したスレーブ端末に、演奏中の楽曲の特徴的なパートを担当させることを特徴とする楽曲の合奏方法。
【請求項12】
請求項9記載の楽曲の合奏方法であって、
前記マスタ端末は、着信通知を行うとき、あるいは、ユーザから合奏の指示を受けたときに、前記第1のステップを開始することを特徴とする楽曲の合奏方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2008−9267(P2008−9267A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181498(P2006−181498)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】