説明

合成材料ディスバージョン

本発明は、(a)親水性メラミン樹脂予備縮合物と、水中または水およびアルコールC1−C6の混合物中の潜在性硬化触媒との水性相の溶液と、(b)水不溶性であり、エーテル化され、酸硬化触媒および酸不透過剤を含む、70〜99%のメラミン樹脂予備縮合物から誘導されたナノ液滴および/またはナノ粒子の形の有機ナノ相と、(c)メラミン樹脂予備縮合物の分散剤とからなる合成材料ディスパージョンに関する。親水性メラミン樹脂予備縮合物と、エーテル化した水不溶性メラミン樹脂予備縮合物の割合は、10:1〜1:10であり、本発明の合成材料ディスバージョンの含水量は8〜50重量%の範囲である。前記合成材料ディスバージョンは、構造材用またはスポーツ・レクリエーション用の積層体、平坦な被覆支持材料または被覆成形体の形で屋外で使用される、平たい被覆製品を製造するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性表面を設けた親水性シート状構造体または親水性造形品を製造するための合成樹脂ディスバージョンに関する。
【背景技術】
【0002】
親水性シート状構造体のための被覆または含浸用組成物として、水またはアルコール/水混合物中のメラミン樹脂予備縮合物(precondensate)または部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物を使用することは公知である(欧州特許第0686665A2号、独国特許第4420013A1号)。
【0003】
従来のメラミン樹脂溶液で含浸した紙または厚紙などの親水性シート状構造体の欠点は、含浸した表面層の中へ水が抵抗なく拡散し、表面層の亀裂を開始させるので、戸外で使用するときの耐候性の低さである。
【0004】
メラミン樹脂を含浸した親水性シート状構造体の耐候性を改善する公知の方法は、含浸シート状構造体に、ポリフッ化ビニル(米国特許第3676290A号)、ポリアクリレート(独国特許第3329679C1号、欧州特許第0824560A1号、米国特許第3841956A号、独国特許第3630315A1号)、不飽和ポリエステル(欧州特許第0824560A1号)、またはエチレン/プロピレンゴム(欧州特許第0206832A1号)の疎水性上層を追加でコーティングすることである。しかし、下部に存在する親水性層とこれらの疎水性上層との親和性には限界があるので、機械的応力に曝される間に層の脱離が起きることがある。
【0005】
完全にまたは部分的に硬化したメラミン樹脂粒子を含むメラミン樹脂ディスバージョンも知られている。米国特許第3945980A号によれば、アミン樹脂予備縮合物が水の混和限界を超えるまでポリビニルアルコールを添加して希釈された後、酸条件下で硬化される。米国特許第5344704A号は水またはメラミン樹脂溶液中の硬化した粉砕したメラミン樹脂粒子のディスバージョンについて記述している。しかし、ナノ尺度のディスバージョンおよび疎水性表面はこれらのディスバージョンでは達成できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、疎水性表面を設けられた親水性シート状構造体または親水性形状加工された物品のための合成樹脂ディスバージョンである。
【0007】
驚くべきことに、疎水性表面を設けられた親水性シート状構造体または親水性造形品は、親水性シート状構造体または親水性造形品に疎水性および親水性メラミン樹脂成分および疎水化剤を含むアミノプラストディスバージョンをコーティングすることによって製造できることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、本発明の、
a)親水性メラミン樹脂予備縮合物と、水中または水およびC1〜C6アルコールの混合物中の潜在性硬化触媒との水性相溶液と、
b)酸硬化触媒および疎水化剤を含み、水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物を70〜99重量%含むそのナノ液滴および/またはナノ粒子の形の有機ナノ相と、
c)メラミン樹脂予備縮合物の全重量に対して1〜10重量%の濃度の分散剤とを含み、
合成樹脂ディスバージョン中の水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物に対する親水性メラミン樹脂予備縮合物の割合が10:1〜1:10であり、合成樹脂ディスバージョンの含水量が8〜50重量%である合成樹脂ディスバージョンによって達成された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明による合成樹脂ディスバージョンは、メラミン樹脂予備縮合物の全重量を基準として、0.1〜5重量%の顔料および/または0.1〜5重量%の耐炎剤を含むことが好ましい。
【0010】
本発明による合成樹脂ディスバージョンに含むことのできる適切な顔料の例には、酸化鉄、エステル基を含むイソインドリン顔料、アントラセン蛍光染料、カルバゾール−ジオキサジン、デルタ−インダントロン青色顔料がある。
【0011】
本発明による合成樹脂ディスバージョンに含むことのできる適切な耐炎剤の例には、ポリリン酸アンモニウム、シアヌール酸メラミン、ホウ酸亜鉛がある。
【0012】
水性および有機ナノ相中のメラミン樹脂予備縮合物の例には、アルデヒド成分として、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、および/またはトリメチロールアセトアルデヒド、ならびにメラミン成分としてはメラミン以外にアセトグアナミンおよび/またはベンゾグアナミンを含むことのできるメラミン樹脂予備縮合物がある。
【0013】
本発明による合成樹脂ディスバージョンの水性相および有機ナノ相中のメラミン樹脂予備縮合物は、メラミンおよびホルムアルデヒドに基づくメラミン樹脂予備縮合物であることが好ましい。
【0014】
親水性および水不溶性のメラミン樹脂予備縮合物中の硬化触媒の濃度は、両方ともメラミン樹脂予備縮合物を基準として0.05〜3重量%であることが好ましい。
【0015】
親水性メラミン樹脂予備縮合物中のアルデヒド成分/メラミン成分のモル比が1.6:1〜4.5:1であり、水性相中の親水性メラミン樹脂予備縮合物の濃度が10〜50重量%であればさらに好ましい。
【0016】
好ましい実施形態において、親水性メラミン樹脂予備縮合物は、C1〜C4アルコールで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物および/または非エーテル化メラミン樹脂予備縮合物であり、水とC1〜C6アルコールとの混合物中の混合比は95:5〜5:95である。
【0017】
ここで、C1〜C4アルコールで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物中のC1〜C4アルコールでエーテル化されない水酸基の含有量が、C1〜C4アルコールで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物中の水酸基とC1〜C4アルコキシ基の総計に対して5〜75モル%であれば特に有利である。
【0018】
1〜C4アルコールで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物の例には、2,4−ビス(メトキシメチルアミノ)−6−ヒドロキシメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2−ブトキシメチルアミノ−4,6−ジヒドロキシメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、または2−エトキシメチルアミノ−4−メトキシメチルアミノ−6−ヒドロキシメチアミノ−1,3,5−トリアジンをそのより高分子量のオリゴマーとの混合物中の主要成分として含む予備縮合物がある。
【0019】
非エーテル化メラミン樹脂予備縮合物の例には、2,4,6−トリス(ヒドロキシメチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(ヒドロキシメチルアミノ)−6−アミノ−1,3,5−トリアジン、または2,4−ビス(ヒドロキシメチルアミノ)−6−(ジヒドロキシメチル)イミノ−1,3,5−トリアジンをそのより高分子量のオリゴマーとの混合物中の主要成分として含む予備縮合物がある。
【0020】
水性相が、親水性メラミン樹脂予備縮合物に対して、さらに水溶性ポリマーおよび/または分子量62〜5000の水溶性多価アルコールを1〜20重量%含む合成樹脂ディスバージョンであることがさらに好ましい。
【0021】
本発明による合成樹脂ディスバージョンの水性相中の他の水溶性ポリマーは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートコポリマー、ポリヒドロキシエステル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンオキシド、ポリカプロラクトン、および/またはエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーであることが好ましい。
【0022】
本発明による合成樹脂ディスバージョンの水性相中の他の水溶性ポリマーとしてのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートコポリマーの例には、ヒドロキシエチルアクリレート/メチルメタクリレートコポリマーおよびアクリルアミド/ヒドロキシブチルアクリレートコポリマーがある。
【0023】
本発明による合成樹脂ディスバージョンの水性相中のさらに他の水溶性ポリマーとしてのポリヒドロキシエステルの例には、無水フタール酸とグリセロールに基づくポリヒドロキシエステル、および無水マレイン酸とペンタエリスリトールに基づくポリヒドロキシエステルがある。
【0024】
合成樹脂ディスバージョンの水性相中に含むことのできる分子量62〜5000の水溶性多価アルコールの例には、エチレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフランがある。
【0025】
好ましい合成樹脂ディスバージョンは、有機ナノ相中の水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物がC1〜C4アルコール、C2〜C20ジオール、および/または分子量250〜5000のポリアルキレンオキシドで完全にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物、および/またはC5〜C18アルコール、C2〜C20ジオールおよび/または分子量250〜5000のポリアルキレンオキシドで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物のものである。
【0026】
完全にC1〜C4アルコールでエーテル化され、水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物として有機ナノ相中に含むことの好ましいメラミン樹脂予備縮合物の例には、2,4,6−トリス(メトキシメチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、4,6−ビス(エトキシメチルアミノ)−2−ブトキシメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、または2,4,6−トリス(ジメトキシメチルイミノ)−1,3,5−トリアジンをそのより高分子量のオリゴマーとの混合物中の主要成分として含む予備縮合物がある。
【0027】
5〜C18アルコールで部分的にエーテル化され、水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物として有機ナノ相中に含むことの好ましいメラミン樹脂予備縮合物の例には、ジヒドロキシメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、または2−オクチルオキシメチルアミノ−4−ヘキシルオキシメチルアミノ−6−ヒドロキシメチアミノ−1,3,5−トリアジンがあり、これをそのより高分子量のオリゴマーとの混合物中の主要成分として含む。
【0028】
2〜C20ジオールで完全にまたは部分的にエーテル化した水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中に含むことのできるC2〜C20ジオール成分の例には、エチレングリコール、ジグリコール、オクタンジオール、ジアン−エチレンオキシド付加物がある。
【0029】
ポリアルキレンオキシドで完全にまたは部分的にエーテル化した水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中に含むことのできる分子量250〜5000のポリアルキレンオキシド成分の例には、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーまたはポリテトラヒドロフランがある。
【0030】
有利な合成樹脂ディスバージョンは、水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物中のアルデヒド成分/メラミン成分が3:1〜6:1であり、ナノ液滴またはナノ粒子の直径が50〜300nmのものである。
【0031】
有機ナノ相は、水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物を基準として0.1〜2重量%の安定剤、1〜20重量%の分子量134〜5000の水不溶性多価アルコール、および/または1〜30重量%の薄層ケイ酸塩を含むことが好ましい。
【0032】
有機ナノ相中に含むことのできる適切な安定剤の例には、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、セバシン酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル]エステル、またはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートなどのUV安定剤、および/またはオクタデシル3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートなどの酸化防止剤がある。
【0033】
有機ナノ相中に含むことのできる分子量134〜5000の水不溶性多価アルコールの例には、オクタンジオール、ドデカンジオール、および分子量500〜5000のポリプロピレングリコールがある。
【0034】
有機ナノ相中に含むことのできる適切な薄層ケイ酸塩の例には、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、ムスコバイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、カネマイト、レブダイト、グローマンタイト、アイラアイト(ilerite)、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、スチーブンサイト、ラポナイト、タネオライト(taneolite)、バーメキュライト、ハロイサイト、ボルコンスコアイト、マガダイト、レクトライト、ケニヤアイト、ソーコナイト、フルオロフロゴパイトホウ素(boron fluorophlogopites)、および/または合成スメクタイトがある。
【0035】
有機ナノ相に含まれる疎水化剤は、有機シラノール、有機シロキサン、有機シラン、アミノ末端基または水酸基末端基を末端とする有機アミノシランもしくはポリオルガノシロキサン、表面フッ素化SiO2ナノ粒子、ポリテトラフルオロエチレンナノ粒子、および/またはイミド基を含むエチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物コポリマーの類の30〜1重量%の有機ケイ素化合物であることが好ましい。
【0036】
疎水化剤としてのアミノ末端基または水酸末端基を末端とするポリオルガノシロキサンの例には、分子量が1,000〜6,000のアミノプロピル−終端ポリジメチルシロキサンまたはヒドロキシブチル−終端ポリジメチルシロキサンがある。
【0037】
疎水化剤としての有機シラノールの例には、トリメチルシラノール、ジエチルシランジオール、トリイソプロピルシラノール、トリフェニルシラノールがある。
【0038】
有機シロキサンの例には、テトラメチルジシロキサンジオールまたはテトラフェニルジシロキサンジオールがある。
【0039】
有機シランの例には、テトラフェニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラドデシル−シランがある。
【0040】
有機アミノシランの例には、トリエチルアミノシランおよびトリフェニルアミノシランがある。
【0041】
表面フッ素化SiO2ナノ粒子の例には、平均粒子直径が5〜30nmであり、フッ素化炭化水素との反応によって修飾される熱分解法ケイ酸がある。
【0042】
イミド基を含む適切なエチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物コポリマーは、オクチルアミン、ジグリコールアミン、またはエタノールアミンなどのアミンでイミド化されるスチレン/無水マレイン酸コポリマーである。
【0043】
非イオン性分散剤または50〜99重量%の非イオン性と1〜50重量%のアニオン性分散剤との混合物は、本発明による合成樹脂ディスバージョン中の分散剤として有利に使用される。
【0044】
合成樹脂ディスバージョン中の分散剤として、分子量2,000〜30,000のエーテル化メラミン樹脂オリゴマーを使用することが好ましい。分子量1,000〜8000のポリエチレングリコール、および/または分子量1,000〜8,500のC1〜C12モノアルキル−エーテル化ポリエチレングリコール、およびC1〜C10アルコールでエーテル化したメラミン樹脂オリゴマーは特に有利である。
【0045】
特に好ましい実施形態において、ポリエチレングリコール/C1〜C10アルコールのモル比は、1:10〜2:1およびメラミン/ホルムアルデヒド/エーテル化アルコールのモル比は1:2.8:2.5〜1:4.5:3.5である。
【0046】
これらのエーテル化メラミン樹脂オリゴマーは親水性基および疎水性基を有する。このため、それらは分散剤として働くことができる。従来の分散剤の使用よりも有利な点は、メラミン樹脂オリゴマーが共有結合しており、したがって、恒久的にシート状構造体中にあることである。
【0047】
親水性シート状構造体は、セルロースおよび/またはポリアミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、および/またはポリビニルアルコールの類の極性プラスチック、好ましくは紙に基づく積層体、プレス積層体、または1層のシート状支持材料であることが好ましい。
【0048】
親水性造形品は、材木製品、またはポリアミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、および/もしくはポリビニルアルコールの類の極性プラスチックの熱可塑性加工によって、または、55〜90重量%の木材と45〜10重量%の熱可塑性および/もしくは熱硬化性プラスチックとの混合物の加工によって製造された、半完成製品または成形材料であることが好ましい。
【0049】
親水性造形品の例には、材木対象物の切断もしくは回転作業によって製造された材木形状品、またはクラッディング要素、カバー、もしくは円形形状品など、射出成形もしくは形状押し出しによって製造したポリアミドもしくはポリエチレンテレフタレートの製品がある。
【0050】
55〜90重量%の木材と45〜10重量%の熱可塑性プラスチックとの混合物の親水性造形品に含むことのできる熱可塑性プラスチックの例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド6ポリメチルメタクリレート、ポリ2,6−ジメチルフェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレートがある。
【0051】
55〜90重量%の木材と45〜10重量%の熱硬化性プラスチックの混合物の親水性造形品に含むことのできる熱硬化性プラスチックの例には、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂がある。
【0052】
本発明による合成樹脂ディスバージョンの水性相に含まれる潜在性硬化触媒は、アンモニウム塩、特にペルオキソ二硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、蓚酸アンモニウムおよび/またはチオシアナートアンモニウムであり、カルボン酸のC1〜C4アルキルアンモニウム塩、特にフタール酸メチルアンモニウム、マレイン酸メチルアンモニウムおよび/またはナフタレンスルホン酸のメチルアミン塩であり、および/またはリン酸、亜リン酸、蓚酸および/またはフタール酸のエステル、特にリン酸ジエチル、蓚酸ジメチルエステル、および/またはフタール酸ジメチルエステルであることが好ましい。
【0053】
本発明による合成樹脂ディスバージョンの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物に含まれることの好ましい酸硬化触媒は、
(1)アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までは、ブロックされたスルホン酸、脂肪族C4〜C18カルボン酸、リン酸のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、C6〜C14芳香族カルボン酸もしくは無機酸のC1〜C12アルキルエステルもしくはC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル、脂肪族C1〜C18カルボン酸無水物とメラミンもしくはグアナミンの塩、C4〜C20二カルボン酸の半エステルもしくは半アミド、エチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物とC2〜C20オレフィンおよび/もしくはC8〜C20ビニル芳香族の類のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーの半エステルもしくは半アミド、C1〜C12アルキルアミンもしくはアルカノールアミンとC1〜C18脂肪族カルボン酸、C6〜C14芳香族カルボン酸、もしくはアルキル芳香族カルボン酸との(メタ)アクリル酸コポリマーおよび/もしくは塩、または塩酸、硫酸、もしくはリン酸の類の無機酸、または、
(2)モル比が4:1を超えるときは、強酸、好ましくは塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、および/またはジノニルナフタレンジスルホン酸である。
【0054】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としてのブロックされたスルホン酸の例には、ベンジルモノオキシムトシラート、α−シクロヘキシルスルホニルオキシ−イミノフェニル酢酸エチルエステル、アセトンオキシムp−ベンゾイルベンゼンスルホネート、α−(4−ニトロベンゼン−スルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、2−ニトロベンジルスルホネート、2−メチルスルホニルオキシイミノ−4−フェニル−ブト−3−エンニトリルがある。
【0055】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としての脂肪族C4〜C18カルボン酸の例には、酪酸、カプロン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸がある。
【0056】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としてのリン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の例には、リン酸水素アンモニウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸水素カリウムがある。
【0057】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としてのC6〜C14芳香族カルボン酸もしくは無機酸のC1〜C12アルキルエステルもしくはC2〜C8ヒドロキシルエステルの例には、フタール酸ジブチル、フタール酸ジグリコールエステルおよび/またはトリメリト酸グリコールエステルがある。
【0058】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としてのC1〜C18脂肪族カルボン酸とメラミンまたはグアナミンの塩の例には、蟻酸メラミン、クエン酸メラミン、および/または酪酸アセトグアナミンがある。
【0059】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としてのC4〜C20二カルボン酸の無水物、半エステルまたは半アミドの例には、無水マレイン酸;マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノエチルヘキシルエステルもしくはマレイン酸モノステアリルなどのマレイン酸モノ−C1〜C18アルキル;またはマレイン酸モノエチルアミド、マレイン酸モノオクチルアミドもしくはマレイン酸モノステアリルアミドなどのマレイン酸モノ−C1〜C18アルキルアミドがある。
【0060】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としての、エチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物とC2〜C20オレフィンおよび/もしくはC8〜C20ビニル芳香族の類のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーの半エステルもしくは半アミドの例には、無水マレイン酸とイソブテン、ジイソブテンおよび/もしくは4−メチルペンテンおよび/もしくはスチレンの類のC3〜C8α−オレフィンとのコポリマーの半エステルもしくは半アミドがあり、無水マレイン酸/C3〜C8α−オレフィンもしくはスチレンもしくは対応するモノマー混合物のモル比は1:1〜1:5である。
【0061】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までの水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒としての、C1〜C18脂肪族カルボン酸、C6〜C14芳香族カルボン酸もしくはアルキル芳香族カルボン酸、および塩酸、硫酸もしくはリン酸の類の無機酸C1〜C12アルキルアミンもしくはアルカノールアミンとの塩の例には、塩化エタノールアンモニウム、トリエチルアンモニウムマレアート、ジエタノールアンモニウムフホスファートおよび/またはイソプロピルアンモニウムp−トルエンスルホネートがある。
【0062】
特に好ましい合成樹脂ディスバージョンは、非イオン性分散剤として、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、C8〜C18アルコールでモノエーテル化したポリ(C2〜C4アルキレン)オキシド、多価アルコールとC8〜C18カルボン酸とのエステル、C8〜C18脂肪性アルコール上のC2〜C4アルキレンオキシド付加物、および/もしくはエチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物と、アミノ基を末端とするポリ(C2〜C4アルキレン)オキシドでイミド化された、C2〜C20オレフィン、C8〜C20ビニル芳香族、C4〜C21アクリル酸エステルおよび/もしくはC5〜C22メタクリル酸エステルの類のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーを含むものである。
【0063】
8〜C18アルコールでモノエーテル化され、分子量が400〜6,000であり、本発明による合成樹脂ディスバージョン中に非イオン性分散剤として含まれるポリ(C2〜C4アルキレン)オキシドの例には、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテルおよびポリエチレングリコールモノドデシルエーテルがある。
【0064】
本発明による合成樹脂ディスバージョン中に非イオン性分散剤として含まれる多価アルコールのC8〜C18カルボン酸とのエステルの例には、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリエチレングリコールグリセリル−ステアレートがある。
【0065】
本発明による合成樹脂ディスバージョン中に非イオン性分散剤として含まれるC8〜C18脂肪アルコール上のC2〜C4アルキレンオキシド付加物の例には、オキシエチル化した脂肪アルコールおよびオキシエチル化したオキソ−アルコールがある。
【0066】
本発明による合成樹脂ディスバージョン中に非イオン性分散剤として含まれる、エチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物と、アミノ基を末端とするポリ(C2〜C4アルキレン)オキシドでイミド化された、C2〜C20オレフィン、C8〜C20ビニル芳香族、C4〜C21アクリル酸エステルおよび/もしくはC5〜C22メタクリル酸エステルの類のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーの例には、無水マレイン酸/スチレンコポリマー、またはα−アミノを末端とするポリエチレンオキシドでイミド化された無水マレイン酸/α−メチルスチレン/ブチルアクリレートコポリマーがある。
【0067】
本発明による合成樹脂ディスバージョン中のアニオン性分散剤の例には、硫酸アルキル、オキシエチル化硫酸アルキル、硫酸エーテル、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネートがある。
【0068】
本発明による合成樹脂ディスバージョン中の好ましいアニオン性分散剤は、(メタ)アクリル酸コポリマーのアルカリ金属塩、オキシエチル化したC6〜C18アルキルフェノール硫酸、および/またはC8〜C18カルボン酸のアルカリ金属および/もしくはアンモニウム塩、および/もしくはC8〜C18アルキルスルホネートである。
【0069】
本発明による合成樹脂ディスバージョン中に場合によってアニオン性分散剤として含まれるオキシエチル化したC6〜C18アルキルフェノール硫酸の例には、オキシエチル化したp−ノニルフェノール硫酸ナトリウムおよびオキシエチル化したp−ドデシルフェノール硫酸ナトリウムがある。
【0070】
本発明による合成樹脂ディスバージョン中に場合によってアニオン性分散剤として含まれるC8〜C18カルボン酸のアルカリ金属および/もしくはアンモニウム塩の例には、オレイン酸ナトリウムおよびパルミチン酸アンモニウムがある。
【0071】
疎水性表面を設けた親水性シート状構造体または親水性造形品を製造するための合成樹脂ディスバージョンは、多段工程で調製され、
−第1の工程段階において、親水性メラミン樹脂予備縮合物、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物、および疎水化剤の混合物を、50〜130℃で2〜15分間の滞留時間をかけて高粘度の液体または溶融物として均一化し、
−第2の工程段階において、メラミン樹脂予備縮合物の総計に対して0.5〜10重量%の分散剤を含む、メラミン樹脂予備縮合物の総計に対して8.7〜100重量%の水中に、高剪断速度で3分〜15分間の滞留時間をかけて前記混合物を導入し、さらにそのディスバージョンを低剪断速度でさらに撹拌しながら室温まで冷却し、室温まで冷却した後に、潜在性硬化剤と酸硬化触媒を加える。
【0072】
ここで、第2工程段階における水が、メラミン樹脂予備縮合物の総重量に対して分散助剤としての1〜25重量%のC3〜C6アルコールおよび/または水溶性ポリマーおよび/または水溶性多価アルコールを含み、90℃までの温度に加熱し、室温まで冷却した後に顔料および/または耐炎剤を加えることが好ましい。
【0073】
本発明による合成樹脂ディスバージョンを製造するための第2の方法は、多段工程で、
−第1の工程段階において、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物を、50〜130℃の高粘度の液体または溶融物として高剪断速度で3〜15分間の滞留時間をかけて、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物に対して0.5〜10重量%の分散剤を含む、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物に対して8.7〜100重量%の水中に導入し、さらにそのディスバージョンを低剪断速度でさらに撹拌しながら室温まで冷却し、
−第2の工程段階において、親水性メラミン樹脂予備縮合物を溶液として水不溶性メラミン樹脂予備縮合物の水性ディスバージョンに加え、その混合物を均一化し、潜在性硬化剤および酸硬化触媒を水性溶液に加える。
【0074】
ここで、第1の工程段階の水不溶性メラミン樹脂予備縮合物および/または第2工程段階の水性溶液が、30重量%までの疎水化剤を含み、第1工程段階の水が、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物に対して分散助剤としてのC3〜C6アルコールおよび/または水溶性ポリマーおよび/または水溶性多価アルコールを1〜25重量%含み、それを90℃まで加熱し、かつ顔料および/または耐炎剤を第2工程段階の水性溶液に加えることが好ましい。
【0075】
本発明による合成樹脂ディスバージョンを製造する他の方法の多段工程においては、
−第1の工程段階において、C1〜C10アルコールでエーテル化したメラミン樹脂を、酸硬化触媒の存在下または不在下で、分子量500〜8000のポリエチレングリコールと50〜165℃の温度で反応して、エーテル化メラミン樹脂オリゴマーを得、
−第2の工程段階において、60〜200℃の温度で、エーテル化メラミン樹脂オリゴマー15〜40重量%と、C1〜C10アルコールでエーテル化した分子量300〜800のメラミン樹脂85〜60重量%との混合物を、20〜80℃に予熱した水中に高剪断勾配で加え、エーテル化メラミン樹脂オリゴマーとC1〜C10アルコールでエーテル化したメラミン樹脂との溶融物および/または第2工程段階の水性相に0〜8重量%の疎水化剤を加え、
−第3の工程段階において、10〜40重量%の親水性メラミン樹脂予備縮合物を、第2工程段階のメラミン樹脂オリゴマーとエーテル化したメラミン樹脂との混合物90〜60重量%と、30〜70%濃度の水性溶液の形で混合する。
【0076】
3種類の変形方法の全てに対して、高剪断動作を行う適切な分散ユニットは、分当たり25000回転の攪拌速度または超音波分散の高性能分散機を備える、循環器、攪拌反応器を有する工程内分散機である。
【0077】
さらに、本発明は、疎水性表面を設け、上述の合成樹脂ディスバージョンを使用して製造される親水性シート状構造体または親水性形状加工した物品に関する。
【0078】
本発明による合成樹脂ディスバージョンの親水性シート状構造体への塗工は、ローラー塗工、ドクターブレード塗工、流動床コーティング、浸漬コーティング、ブラシ塗工、噴霧工程、静電気噴霧などの従来の塗工工程によって実施することができる。好ましい乾燥および硬化温度は100〜220℃の範囲である。
【0079】
塗工および乾燥作業の間に、有機ナノ相の大部分の濃縮はコーティング表面に起きるので、乾燥および硬化の後、コーティング表面は実質上全て水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物に基づく架橋メラミン樹脂を含む。親水性シート状構造体または親水性造形品の上に形成された疎水性表面層は、架橋作業の間にそれが親水性メラミン樹脂予備縮合物に基づくメラミン樹脂に化学的に結合し、親水性シート状構造体の中へ吸収されるので、親水性シート状構造体の上に高い接着強度を有する。
【0080】
疎水性表面を設けた親水性シート状構造体または親水性造形品の疎水性表面の厚さは、1〜40μmであることが好ましい。
【0081】
親水性シート状構造体または親水性造形品上の疎水性表面の薄層の厚さは、粗い表面の場合に製品の良好な接着特性および十分な水蒸気の浸透効果を有する。
【0082】
積層体を除いて、親水性シート状構造体または親水性造形品上の疎水性表面の製造において、合成樹脂ディスバージョンは、親水性シート状構造体または親水性造形品を50〜95℃に予熱した後、噴霧によって塗工することが好ましく、合成樹脂ディスバージョンを含浸させたシート状構造体または造形品を乾燥し100〜145℃で硬化する。含浸シート状構造体または造形品の赤外照射によって乾燥と硬化を行うことが特に有利である。
【0083】
疎水性表面でコーティングされた親水性シート状構造体に基づく積層体の製造の場合、硬化は、30〜150バールの圧力、140〜170℃の範囲の温度で従来のプレス技術によって行うことが好ましい。
【0084】
55〜90重量%の木材と45〜10重量%の熱可塑性または熱硬化性プラスチック、またはポリアミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニルおよび/もしくはポリビニルアルコールの種類の極性プラスチックとの混合物の押し出し成形によって製造される形状品などの造形品の場合、疎水性表面の製造には、押し出し成形型の直後に合成樹脂ディスバージョンを形状品に噴霧するのが有利である。
【0085】
合成樹脂ディスバージョンをコーティングしたシート状構造体または造形品を使用する好ましい分野は、構造物分野、特に外装用パネルにおける使用であり、耐候性の改善と接着能力を必要とするスポーツおよびレジャー分野である。
【実施例】
【0086】
本発明を以下の実施例によって説明する。
【0087】
実施例1
親水性メラミン樹脂予備縮合物として、メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:3:2.1であり、30gのイソブタノールを含む、部分的にメタノールでエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物330gに、100gのイミド化スチレン/無水マレイン酸コポリマー(スチレン/無水マレイン酸のモル比は2:1であり、70モル%のオクチルアミンと30モル%のジグリコールアミンの混合物でイミド化する)を疎水化剤として加え、2.5lの攪拌反応器中で120℃で溶融して成分を均一化する。
【0088】
対応するより高分子量のオリゴマーとの混合物中に2,4,6−トリス(メトキシ−メチルアミノ)−1,3,5−トリアジンを主成分として含む水不溶性メラミン樹脂予備縮合物600gを、100℃20分間で低粘度の溶融物に計量し成分を均一化する。
【0089】
得られた均一な溶融物を、高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)を備え、水990gと、オキシエチル化したC16〜C18アルコール混合物(エチレンオキシド80モル/アルコールのモル)とオキシエチル化したpノニルフェノール硫酸ナトリウム(エチレンオキシド含有率23重量%)の比が75:25の分散剤混合物18gを含む2.5lの攪拌反応器中で、70℃で15分間かけて分散し、エマルジョンを35℃に冷却した後、分散助剤として100gのブタノール、潜在性硬化剤として1.2gのフタール酸メチルアンモニウム、酸硬化触媒として8gのマレイン酸モノステアリルを加える。
【0090】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して130nmである。
【0091】
疎水性表面を設けた装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)を製造するために、装飾紙にドクターブレードによって合成樹脂ディスバージョンをコーティングする。ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は98モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.9重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量56重量%を有する。
【0092】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の45重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン試験プレス機機で相対圧90バール、155℃、180秒間で互いにプレスする。
【0093】
積層体表面上の蒸留水の接触角は102度である。
【0094】
比較実験において、潜在性硬化剤として予備縮合物に対して1重量%のフタール酸メチルアンモニウムを加えた後に、メタノールで部分的にエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物(メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比は1:3:2.1)が装飾紙表面に塗工されたものでは、ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化した水酸基の含有量は75モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.9重量%まで乾燥し、クラフト紙で積層した後、同様な条件で製造した積層体の表面上の蒸留水の接触角は69度である。
【0095】
実施例2
メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:3:2.1であり、30gのイソブタノールを含む、部分的にメタノールでエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の混合物250gに、75gのイミド化スチレン/無水マレイン酸コポリマー(スチレン/無水マレイン酸のモル比は2.6:1であり、60モル%のオクチルアミンと40モル%のエタノールアミンの混合物でイミド化する)を疎水化剤として加え、2.5lの攪拌反応器中で95℃で溶融して成分を均一化する。より高分子量のオリゴマーとの混合物中にビス−2,4(ドデシルオキシ−メチルアミノ)−6−ヒドロキシメチルアミノ−1,3,5−トリアジンを主成分として含む水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物500gを、95℃で15分間かけて低粘度の溶融物に計量し成分を均一化する。
【0096】
得られた均一な溶融物を、高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)を備え、水950gと、オキシエチル化したセチルアルコール/ステアリルアルコールの混合物(エチレンオキシド27モル/アルコールのモル、分子量約1,450)24gとを含む2.5lの攪拌反応器中で30℃で15分間かけて分散し、エマルジョンを20℃に冷却した後、分散助剤として80gのイソブタノール、潜在性硬化剤として3gの蓚酸アンモニウム、酸硬化触媒として5.4gの酪酸アセトグアナミンを加える。
【0097】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して55nmである。
【0098】
疎水性表面を設けた装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)を製造するために、装飾紙にドクターブレードによって合成樹脂ディスバージョンをコーティングする。ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は70モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量6.1重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量59重量%を有する。
【0099】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の45重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、155℃、180秒間で互いにプレスする。
【0100】
積層体表面上の蒸留水の接触角は102度である。
【0101】
比較実験において、潜在性硬化剤として予備縮合物基準で1重量%の蓚酸アンモニウムを加えた後に、30gのイソブタノールを含む、メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:3:2.1の、メタノールで部分的にエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物が装飾紙表面に塗工されるならば、ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化した水酸基の含有量は51モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.9重量%まで乾燥し、クラフト紙で積層した後、類似の条件で製造した積層体の表面上の蒸留水の接触角は65度である。
【0102】
実施例3
メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:5:3.2の、部分的にメタノールでエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物260gと、より高分子量のオリゴマーとの混合物中に2,4−ビス(メトキシメチルアミノ)−6−ブトキシメチル−アミノ−1,3,5−トリアジンを主成分として含む水不溶性予備縮合物600gと、ポリテトラフルオロエチレン粒子(平均粒子直径30nm)40gとを90℃で2.5lの攪拌反応器中で溶融し、成分を均一化する。
【0103】
得られた均一な溶融物を、高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)を備え、水850gと、オキシエチル化したオレイルアルコール(エチレンオキシド80モル/オレイルアルコールのモル)17gとを含む2.5lの攪拌反応器中で65℃で5分間かけて分散し、エマルジョンを35℃に冷却した後、潜在性硬化剤として2.9gのリン酸アンモニウム、酸硬化触媒として8gのフタール酸ジグリコールエステルを加える。
【0104】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して55nmである。
【0105】
疎水性表面を設けた装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)を製造するために、装飾紙にドクターブレードによって合成樹脂ディスバージョンをコーティングする。ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は95モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.7重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量58重量%を有する。
【0106】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の45重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、160℃、150秒間で互いにプレスする。
【0107】
積層体表面上の蒸留水の接触角は94度である。
【0108】
比較実験において、潜在性硬化剤として予備縮合物基準で1重量%のリン酸アンモニウムを含む、メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:5:3.2の、メタノールで部分的にエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物が装飾紙表面に塗工されるならば、ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化した水酸基の含有量は65モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.7重量%まで乾燥した後、類似の条件で製造した積層体の表面上の蒸留水の接触角は58度である。
【0109】
実施例4
メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:3:2.1の、部分的にメタノールでエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物320gと、より高分子量のオリゴマーとの混合物中に2,4−ビス(ジオクチルオキシメチル−イミノ)−6−ヒドロキシ−メチルアミノ−1,3,5−トリアジンを主成分として含む水不溶性メラミン樹脂予備縮合物650gと、ヒドロキシプロピル−終端ポリジメチルシロキサン(分子量3,000)35gとの混合物を100℃で2.5lの攪拌反応器中で溶融し、成分を均一化する。
【0110】
得られた均一な溶融物を、高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)を備え、水810gと、プロピレンオキシド/エチレンオキシドブロックコポリマー(エチレンオキシド含有量77重量%)24gとを含む2.5lの攪拌反応器中で50℃で8分間かけて分散し、エマルジョンを20℃に冷却した後、潜在性硬化剤として3gのペルオキシ二硫酸アンモニウム、酸硬化触媒として3.5gのp−トルエンスルホン酸を加える。
【0111】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して90nmである。
【0112】
疎水性表面を設けた装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)を製造するために、装飾紙にドクターブレードによって合成樹脂ディスバージョンをコーティングする。ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は72モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.9重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量56重量%を有する。
【0113】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の45重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、155℃、130秒間で互いにプレスする。
【0114】
積層体表面上の蒸留水の接触角は101度である。
【0115】
比較実験において、潜在性硬化剤として予備縮合物基準で1重量%のペルオキシ二硫酸アンモニウムを含む、メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:3:2.1の、メタノールで部分的にエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物が装飾紙表面に塗工されるならば、ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化した水酸基の含有量は64モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.7重量%まで乾燥した後、類似の条件で製造した積層体の表面上の蒸留水の接触角は57度である。
【0116】
実施例5
親水性メラミン樹脂予備縮合物として、メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:3:2.1であり、30gのイソブタノールを含む、部分的にメタノールでエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物330gに、疎水化剤として12.3gのアミノプロピル−終端ポリジメチルシロキサン(分子量3,000、アミン含有量1.1モル%)を加え、2.5lの攪拌反応器中で108℃で溶融し、成分を均一化する。対応するより高分子量のオリゴマーとの混合物中に2,4,6−トリス(メトキシ−メチルアミノ)−1,3,5−トリアジンを主成分として含む水不溶性メラミン樹脂予備縮合物600gを、108℃、20分間で低粘度の溶融物に計量し成分を均一化する。
【0117】
得られた均一な溶融物を、高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)を備え、水990gと、オキシエチル化したC16〜C18アルコール混合物(エチレンオキシド80モル/アルコールのモル)とオキシエチル化したp−ノニルフェノール硫酸ナトリウム(エチレンオキシド含有率23重量%)の75:25分散剤混合物18gを含む2.5lの攪拌反応器中で70℃で15分間かけて分散し、エマルジョンを35℃に冷却した後、分散助剤として100gのブタノール、潜在性硬化剤として1.2gのフタール酸メチルアンモニウム、酸硬化触媒として8gのマレイン酸モノステアリルを加える。
【0118】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して50nmである。
【0119】
疎水性表面を設けた装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)を製造するために、装飾紙にドクターブレードによって合成樹脂ディスバージョンをコーティングする。ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は98モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.9重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量56重量%を有する。
【0120】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の45重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、155℃、170秒間で互いにプレスする。
【0121】
積層体表面上の蒸留水の接触角は108度である。
【0122】
比較実験において、潜在性硬化剤として予備縮合物基準で1重量%のフタール酸メチルアンモニウムを加えた後に、メタノールで部分的にエーテル化した親水性メラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物(メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比は1:3:2.1)が装飾紙表面に塗工されるならば、ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化した水酸基の含有量は74モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.9重量%まで乾燥し、クラフト紙で積層した後、類似の条件で製造した積層体の表面上の蒸留水の接触角は68度である。
【0123】
実施例6
完全にメタノールでエーテル化した低分子量のメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物(メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比が1:3:3)360gに表面をフッ素化した高度に分散するケイ酸(平均粒子径12nm)20gを加え、105℃で2.5lの攪拌反応器中で溶融し、混合物を、45℃に加熱され、分散剤として6.5gのオキシエチル化したC16〜C18アルコール混合物(アルコールのモル当たり80モルのエチレンオキシド)を含む355gの水に高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)によって溶融物として混合する。28℃に冷却した後、最初にメラミン−ホルムアルデヒド含浸樹脂(メラミン/ホルムアルデヒドのモル比=1:1.69)に基づく予備縮合物の50%濃度の水性混合物80g、最終的にやはりエチレンオキシドとジメチルシロキサンのブロックコポリマー(エチレンオキシド含有量約20重量%、分子量約950)1.15gを加え、成分を均一に分散する。貯蔵安定性のある低粘度の混合物が形成され、2.5gのマレイン酸を加えた後、装飾紙の含浸樹脂として使用される。
【0124】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して120nmである。
【0125】
疎水性表面を設けた装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)を製造するために、装飾紙にドクターブレードによって合成樹脂ディスバージョンをコーティングする。ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は99モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.4重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量48重量%を有する。
【0126】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の48重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、150℃、180秒間で互いにプレスする。
【0127】
積層体表面上の蒸留水の接触角は98度である。
【0128】
実施例7
実施例6によるエマルジョンの調製を繰り返す。しかし、同じバッチサイズに3.5gのエチレンオキシド/ジメチルシロキサンブロックコポリマーを加える。ここで、マレイン酸の替わりに、硬化剤として3.5gのマレイン酸モノブチルエーテルを高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)を用いてこのエマルジョン400gに加える。このエマルジョン400gを、非エーテル化メラミン−ホルムアルデヒド含浸樹脂(メラミン/アルデヒドのモル比=1:1.65)に基づく50%濃度の水性予備縮合物溶液800gと簡単な攪拌機を用いて混合し、混合物は装飾紙(単位面積当たり重量110g/m2)の含浸に直接使用される。
【0129】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して125nmである。
【0130】
ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は98モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.5重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量51重量%を有する。
【0131】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の48重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、150℃、180秒間で互いにプレスする。
【0132】
積層体表面上の蒸留水の接触角は96度である。
【0133】
実施例8
エマルジョンを実施例6と同様に調製したが、ポリシロキサンブロックコポリマーとマレイン酸は加えなかった。
【0134】
イミド化したスチレン/無水マレイン酸コポリマー(スチレン/MSAのモル比=2:1、60モル%のドデシルアミンと40モル%のエタノールアミンでイミド化)とジプロピレングリコールモノブチルエーテルの1:1混合物90gを実施例6によるエーテル化した樹脂360gに加え、混合物を110℃で溶融する。その後、手順は実施例6と同じである。次いで、低粘度の安定なエマルジョンを、非エーテル化含浸樹脂(メラミン/アルデヒドのモル比=1:1.65)に基づく50%濃度の水性予備縮合物溶液600gと簡単な攪拌機を用いて混合し、混合物は装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)の含浸に直接使用される。ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して95nmである。硬化剤としてマレイン酸モノブチルエーテルを3g(全樹脂固体基準で0.6重量%)使用する。
【0135】
ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は97モル%である。140℃の循環空気炉で揮発含有量5.4重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量50重量%を有する。
【0136】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の48重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、150℃、180秒間で互いにプレスする。
【0137】
積層体表面上の蒸留水の接触角は96度である。
【0138】
実施例9
完全にメタノールでエーテル化した低分子量のメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物(メラミン/ホルムアルデヒド/結合メタノールのモル比=1:3:3)360gを110℃で2.5lの攪拌反応器中で溶融し、50℃に加熱され、分散剤として6gのオキシエチル化したC16〜C18アルコール混合物(アルコールのモル当たり72モルのエチレンオキシド)を含む365gの水に高速分散機(Ultra−Turrax、スタウフェンのジャンケ−クンケル製)によって溶融物として混合する。25℃に冷却した後、最初にメラミン−ホルムアルデヒド含浸樹脂(メラミン/ホルムアルデヒドのモル比=1:1.8)に基づく予備縮合物の50%濃度の水性混合物70g、最終的にやはりポリテトラフルオロエチレンナノ粒子(固体含有量60重量%、平均粒子直径75nm)の水性ディスバージョン10gを加え、成分を均一に分散させる。貯蔵安定性のある低粘度の混合物が形成され、3gのマレイン酸を加えた後、装飾紙の含浸樹脂として使用される。
【0139】
ディスバージョン中のナノ相の平均粒子径は、粒子径検出器(Zeta−Sizer)で測定して105nmである。
【0140】
疎水性表面を設けた装飾紙(単位面積当たり重量80g/m2)を製造するために、装飾紙にドクターブレードによって合成樹脂ディスバージョンをコーティングする。ATR分光計による装飾紙表面の分析結果、メラミン樹脂予備縮合物のエーテル化水酸基の含有量は98モル%である。145℃の循環空気炉で揮発含有量5.2重量%まで乾燥した後、装飾紙は樹脂含有量52重量%を有する。
【0141】
続いてコーティングされた装飾紙の層を、3層の芯紙(単位面積当たり重量180g/m2、樹脂含有量はメラミン−ホルムアルデヒド予備縮合物の48重量%、メラミン/ホルムアルデヒドのモル比は1:1.65)と、コリン実験室プレス機で相対圧90バール、155℃、200秒間で互いにプレスする。
【0142】
積層体表面上の蒸留水の接触角は106度である。
【0143】
実施例10
鋸屑(残留水分含有量7重量%、平均粒子直径100μm、90重量%のトウヒ(spruce)と10重量%のモミ(fir)の組成物、100g/lH2O中および20℃でpH5.5)を6.2kg/時間で、および0.2重量%の無水マレイン酸で修飾したブテン/エチレンコポリマー(190℃/5kgでの溶融指数0.85g/10分、平均粒子径0.08mm)を3.8kg/時間で、真空揮発分除去、型プロファイル6×6mm、ベルト取り出し装置、温度プロファイル90/140/185/210/200/165を備えるWerner&Pfleiderer ZSK 30 押し出し機の原材料ホッパーに計量し、混合物を溶融し、均一化し、揮発分を除去し、矩形形状として取り出す。ベルト取り出し装置に置く前に、矩形形状は輪状ノズル噴霧ヘッドを通過し、実施例1による合成樹脂ディスバージョンでコーティングされる。
【0144】
鋸屑/ポリオレフィン混合物からのコーティングされた矩形形状の表面上の蒸留水の接触角は90度である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性表面を設けた親水性シート状構造体または親水性造形品を製造するための合成樹脂ディスバージョンであって、
(a)親水性メラミン樹脂予備縮合物と、水中または水およびC1〜C6アルコールの混合物中の潜在性硬化触媒との水性相の溶液と、
(b)酸硬化触媒および疎水化剤を含み、水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物を70〜99重量%含みそのナノ液滴および/またはナノ粒子の形の有機ナノ相と、
(c)メラミン樹脂予備縮合物の全重量に対して1〜10重量%の濃度の分散剤とを含み、
前記合成樹脂ディスバージョン中の水不溶性エーテル化メラミン樹脂予備縮合物に対する親水性メラミン樹脂予備縮合物の割合が10:1〜1:10であり、前記合成樹脂ディスバージョンの含水量が8〜50重量%であることを特徴とする合成樹脂ディスバージョン。
【請求項2】
メラミン樹脂予備縮合物の全重量を基準として、0.1〜5重量%の顔料および/または0.1〜5重量%の耐炎剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項3】
前記水性相および有機相中のメラミン樹脂予備縮合物が、メラミンとホルムアルデヒドに基づくことを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項4】
前記硬化触媒の濃度が、メラミン樹脂予備縮合物に対して0.05〜3重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項5】
前記親水性メラミン樹脂予備縮合物中のアルデヒド成分/メラミン成分のモル比が1.6:1〜4.5:1であり、前記水性相中の親水性メラミン樹脂予備縮合物の濃度が10〜50重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項6】
前記親水性メラミン樹脂予備縮合物が、C1〜C4アルコールで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物および/または非エーテル化メラミン樹脂予備縮合物であり、前記水とC1〜C6アルコールとの混合物の混合比が95:5〜5:95であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項7】
前記C1〜C4アルコールで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物中のC1〜C4アルコールでエーテル化されない水酸基の含有量が、前記C1〜C4アルコールで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物中の水酸基とC1〜C4アルコキシ基の総計に対して、5〜75モル%であることを特徴とする請求項6に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項8】
前記水性相が、前記親水性メラミン樹脂予備縮合物に対して、さらに水溶性ポリマーおよび/または分子量62〜5000の水溶性多価アルコールを1〜20重量%含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項9】
前記水不溶性エーテル化したメラミン樹脂予備縮合物が、C1〜C4アルコール、C2〜C20ジオールおよび/または分子量250〜5000のポリアルキレンオキシドで完全にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物、ならびに/あるいはC5〜C18アルコール、C2〜C20ジオールおよび/または分子量250〜5000のポリアルキレンオキシドで部分的にエーテル化したメラミン樹脂予備縮合物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項10】
前記水不溶性エーテル化したメラミン樹脂予備縮合物中のアルデヒド成分/メラミン成分のモル比が3:1〜6:1であり、前記ナノ液滴またはナノ粒子の平均直径が50〜300nmであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項11】
前記有機ナノ相が、水不溶性エーテル化したメラミン樹脂予備縮合物を基準として、0.1〜2重量%の安定剤、1〜20重量%の分子量134〜5000の水不溶性多価アルコールおよび/または1〜30重量%の薄層ケイ酸塩を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項12】
前記疎水化剤が、有機シラノール、有機シロキサン、有機シラン、有機アミノシラン、またはアミノ末端基もしくは水酸基末端基を末端とするポリオルガノシロキサンの類の有機ケイ素化合物、表面フッ素化SiO2ナノ粒子、ポリテトラフルオロエチレンナノ粒子、ならびに/あるいはイミド基を含むエチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物コポリマーであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項13】
非イオン性分散剤、または50〜99重量%の非イオン性分散剤と1〜50重量%のアニオン性分散剤との混合物を分散剤として使用することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項14】
分子量2000〜30000のエーテル化したメラミン樹脂オリゴマーを分散剤として使用することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項15】
前記エーテル化したメラミン樹脂オリゴマーが、分子量1000〜8000のポリエチレングリコールおよび/または分子量1000〜8500のC1〜C12モノアルキルエーテル化ポリエチレングリコールと、C1〜C10アルコールとでエーテル化したメラミン樹脂オリゴマーであることを特徴とする請求項14に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項16】
ポリエチレングリコール/C1〜C10アルコールのモル比が、1:10〜2:1であり、メラミン/ホルムアルデヒド/エーテル化アルコールのモル比が、1:2.8:2.5〜1:4.5:3.5であることを特徴とする請求項15に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項17】
前記親水性シート状構造体が、セルロース、好ましくは紙、木材、ならびに/あるいはポリアミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、および/またはポリビニルアルコールの種類の極性プラスチックに基づく積層体、プレス積層体またはシート状支持材料であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項18】
前記親水性造形品が、木材製品であるか、あるいはポリアミド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニルおよび/もしくはポリビニルアルコールの種類の極性プラスチックの熱可塑加工、または55〜90重量%の木材と45〜10重量%の熱可塑性および/もしくは熱硬化性プラスチックとの混合物の加工によって製造される、半製品または成形材料であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項19】
前記水性相に含まれる潜在的硬化触媒が、アンモニウム塩、好ましくはフタール酸メチルアンモニウム、マレイン酸メチルアンモニウムおよび/またはナフタレンスルホン酸のメチルアミン塩、ならびに/あるいはリン酸、亜燐酸、蓚酸、および/またはフタール酸のエステル、好ましくはジエチルリン酸塩、蓚酸ジメチルエステルおよび/またはフタール酸ジメチルエステルであることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項20】
アルデヒド成分/メラミン成分のモル比が4:1までのときには、ブロックされたスルホン酸、脂肪族C4〜C18カルボン酸、リン酸のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩、C6〜C14芳香族カルボン酸もしくは無機酸のC1〜C12アルキルエステルもしくはC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル、C1〜C18脂肪族カルボン酸とのメラミンもしくはグアナミンの塩、C4〜C20二カルボン酸の無水物半エステルもしくは半アミド、エチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物とC2〜C20オレフィンおよび/もしくはC8〜C20ビニル芳香族の種類のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーの半エステルもしくは半アミド、(メタ)アクリル酸コポリマー、ならびに/あるいはC1〜C12アルキルアミンもしくはアルカノールアミンとC1〜C18脂肪族カルボン酸、C6〜C14芳香族カルボン酸もしくはアルキル芳香族カルボン酸または塩酸、硫酸もしくはリン酸の種類の無機酸との塩、あるいは、
モル比が4:1を超えるときには、強酸、好ましくは塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、および/もしくはジノニルナフタレンジスルホン酸を、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物中の酸硬化触媒として使用することを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項21】
前記非イオン性分散剤が、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、C8〜C18アルコールでモノエーテル化したポリ(C2〜C4アルキレン)オキシド、多価アルコールとC8〜C18カルボン酸とのエステル、C8〜C18脂肪アルコール上のC2〜C4アルキレンオキシド付加物、ならびに/あるいはエチレン性不飽和C4〜C20二カルボン酸無水物と、C2〜C20オレフィン、C8〜C20ビニル芳香族、C4〜C21アクリル酸エステルおよび/またはC5〜C22メタクリル酸エステルの種類のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーであって、アミノ基を末端とするポリ(C2〜C4アルキレン)オキシドでイミド化されたものであることを特徴とする請求項13に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項22】
前記アニオン性分散剤が、(メタ)アクリル酸コポリマーのアルカリ金属塩、オキシエチル化C6〜C18アルキルフェノール硫酸の塩、ならびに/あるいはC8〜C18カルボン酸および/またはC8〜C18アルキルスルホン酸のアルカリ金属および/あるいはアンモニウム塩であることを特徴とする請求項13に記載の合成樹脂ディスバージョン。
【請求項23】
第1の工程段階において、親水性メラミン樹脂予備縮合物、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物、および疎水化剤の混合物を、50〜130℃で滞留時間2〜15分間、高粘度の液体または溶融物として均一化し、および
第2の工程段階において、メラミン樹脂予備縮合物の総計に対して0.5〜10重量%の分散剤を含む、メラミン樹脂予備縮合物の総計に対して8.7〜100重量%の水中に、高剪断速度で3分〜15分間の滞留時間をかけて前記混合物を導入し、さらにそのディスバージョンを低剪断速度でさらに撹拌しながら室温まで冷却し、室温まで冷却した後に、潜在性硬化剤と酸硬化触媒とを加える
多段工程で調製することを特徴とする、請求項1に記載の合成樹脂ディスバージョンの製造方法。
【請求項24】
前記第2工程段階における水が、メラミン樹脂予備縮合物の総重量に対して分散助剤としてのC3〜C6アルコールおよび/または水溶性ポリマーアルコールを1〜25重量%含み、それを90℃までの温度に加熱し、かつ、室温まで冷却した後に、顔料および/または耐炎剤を加えることを特徴とする請求項23に記載の合成樹脂ディスバージョンの製造方法。
【請求項25】
第1の工程段階において、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物を、50〜130℃の高粘度の液体または溶融物として高剪断速度で3〜15分間の滞留時間をかけて、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物に対して0.5〜10重量%の分散剤を含む、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物に対して8.7〜100重量%の水中に導入し、さらにそのディスバージョンを低剪断速度でさらに撹拌しながら室温まで冷却し、および
第2の工程段階において、親水性メラミン樹脂予備縮合物を溶液として水不溶性メラミン樹脂予備縮合物の水性ディスバージョンに加え、その混合物を均一化し、潜在性硬化剤および酸硬化触媒を水性溶液に加える
多段工程で調製することを特徴とする、請求項1に記載の合成樹脂ディスバージョンの製造方法。
【請求項26】
前記第1工程段階における水不溶性メラミン樹脂予備縮合物および/または前記第2工程段階における前記水性溶液が30重量%までの疎水化剤を含み、前記第1工程段階における前記水が、水不溶性メラミン樹脂予備縮合物に対して分散助剤としてのC3〜C6アルコールおよび/または水溶性ポリマーおよび/または水溶性多価アルコールを1〜25重量%含み、それを90℃まで加熱し、かつ顔料および/または耐炎剤を前記第2工程段階の水性溶液に加えることを特徴とする請求項25に記載の合成樹脂ディスバージョンの製造方法。
【請求項27】
第1の工程段階において、C1〜C10アルコールでエーテル化したメラミン樹脂を、酸硬化触媒の存在下または不在下で、分子量500〜8000のポリエチレングリコールと50〜165℃の温度で反応して、エーテル化メラミン樹脂オリゴマーを得、
第2の工程段階において、60〜200℃の温度で、エーテル化メラミン樹脂オリゴマー15〜40重量%と、C1〜C10アルコールでエーテル化した分子量300〜800のメラミン樹脂85〜60重量%との混合物を、20〜80℃に予熱した水中に高剪断勾配で導入し、エーテル化メラミン樹脂オリゴマーおよびC1〜C10アルコールでエーテル化したメラミン樹脂の溶融物ならびに/あるいは第2工程段階の水性相に、0〜8重量%の疎水化剤を加え、次いで
第3の工程段階において、10〜40重量%の親水性メラミン樹脂予備縮合物を、第2工程段階のメラミン樹脂オリゴマーとエーテル化したメラミン樹脂との混合物90〜60重量%と、30〜70%濃度の水性溶液の形で混合する
多段工程で調製することを特徴とする、請求項1から22の少なくとも一項に記載の合成樹脂ディスバージョンの製造方法。
【請求項28】
請求項1に記載の合成樹脂ディスバージョンを用いて製造する、疎水性表面を設けた親水性シート状構造体または親水性造形品。
【請求項29】
前記疎水性表面の厚さが1〜40nmであることを特徴とする、請求項28に記載の疎水性表面を設けた親水性シート状構造体または親水性造形品。
【請求項30】
前記疎水性表面を製造するために、積層体を除く親水性シート状構造体または親水性造形品を50〜95℃に予熱した後に、噴霧によって前記合成樹脂ディスバージョンを前記親水性シート状構造体または親水性造形品に塗工し、前記合成樹脂ディスバージョンを含浸した親水性シート状構造体または造形品を乾燥し、100〜145℃で硬化することを特徴とする、請求項28または29に記載の疎水性表面を設けた親水性シート状構造体または親水性造形品。
【請求項31】
構造物分野、特に外装用パネル、および耐候性の改善と接着能力を必要とするスポーツおよびレジャー分野に使用するための、請求項28に記載の合成樹脂ディスバージョンでコーティングしたシート状構造体または親水性造形品の使用。

【公表番号】特表2006−510769(P2006−510769A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561336(P2004−561336)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014452
【国際公開番号】WO2004/056899
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(505231534)アミ−アグロリンツ メラミネ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (3)
【氏名又は名称原語表記】AMI−AGROLINZ MELAMINE INTERNATIONAL GMBH
【Fターム(参考)】