説明

合成樹脂エマルジョン粉末および水硬性物質用混和材

【課題】 再分散性に優れ、再分散した場合にも造膜性に優れると共に得られる皮膜の耐水性が高い再分散性合成樹脂エマルジョン粉末を得ること。かかるエマルジョン粉末を水硬性物質用混和材として用いると、水硬性物質への分散性に優れ、さらに高い強度と高い耐水性を有する水硬性物質を得ることができる。
【解決手段】分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョン(A)に、1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体(B)を配合した組成物を乾燥して得られる再分散性合成樹脂エマルジョン粉末と、該粉末からなる水硬性物質用混和材によって上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂エマルジョン粉末および水硬性物質用混和材に関する。さらに詳しくは、分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョン(A)に、1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体(B)を配合した組成物を乾燥して得られる合成樹脂エマルジョン粉末および該エマルジョン粉末からなる水硬性物質用混和材に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂エマルジョン粉末は、合成樹脂エマルジョンを噴霧乾燥することにより製造され、粉末形態であることにより、合成樹脂エマルジョンに比べて取り扱いおよび輸送の点で優れている。また、使用に際しては、水を添加し、攪拌することにより容易に水中に再分散するため、セメントあるいはモルタル混和材、接着剤、塗料用バインダーなどの広範な用途に使用される。なかでもモルタル混和材に関しては、粉末であることからプレミックスが可能であり、多様な商品形態が可能であるため広く用いられている。
【0003】
しかしながら、従来の合成樹脂エマルジョンをそのまま噴霧乾燥して粉末とした場合には分散質が容易に融着し、水に再分散しないため、多量のポリビニルアルコールを後添加したり、さらにはブロッキング防止剤として無水珪酸等の無機粉末を多量に併用する必要があるのが現状であった。
【0004】
本出願人はこれまで多くの樹脂粉末を提案しており特許出願している。例えば、ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、酢酸ビニルやエチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョンに、分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体を配合した組成物を乾燥して得た粉末と該粉末からなる水硬性物質用混和材または打継ぎ材(特許文献1)、ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョンに、重合度が200〜2000、けん化度が70〜85モル%のビニルアルコール系重合体を配合した組成物を乾燥して得た粉末と該粉末からなる水硬性物質用混和材または打継ぎ材(特許文献2)、ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョンに、1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体を配合した組成物を乾燥して得た粉末と該粉末からなる水硬性物質用混和材または打継ぎ材(特許文献3)が開示されている。
【特許文献1】特開2004−131374公報
【特許文献2】特開2004−359721公報
【特許文献3】特開2004−211059公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらに開示されている樹脂粉末は再分散性に優れたものであるが、さらに再分散性と再分散後の分散液から得られる皮膜の耐水性とのバランス性が要望されているのも事実である。したがって、本発明の目的は、再分散性に優れるとともに、再分散した場合の造膜性に優れ、しかも皮膜の耐水性が高い再分散性合成樹脂エマルジョン粉末を得ること、および該粉末を水硬性物質用混和材として用いた場合、水硬性物質への分散性に優れ、さらに高い強度と高い耐水性を有する水硬物を得ることが可能な水硬性物質用混和材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、分散剤と後添加する重合体の組み合わせについて詳細に検討した結果、分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョンに、1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体を配合した組成物を乾燥して得られる再分散性合成樹脂エマルジョン粉末により上記目的を達成することができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョン(A)に1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体(B)を配合した組成物を乾燥して得られる合成樹脂エマルジョン粉末である。そして、本発明のもう一つの発明は、このような合成樹脂エマルジョン粉末からなる水硬性物質用混和材である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、再分散性に優れるとともに、再分散した場合の造膜性に優れ、しかも皮膜の耐水性が高い再分散性合成樹脂エマルジョン粉末を得ることができる。このような粉末を水硬性物質用混和材として用いた場合、水硬性物質への分散性に優れ、さらに高い強度と高い耐水性を有する水硬物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の合成樹脂エマルジョン粉末は、分散剤と分散質から構成される合成樹脂エマルジョンにビニルアルコール系重合体を配合し、乾燥して得られるが、分散剤として分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体、分散質としてエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を使用して合成樹脂エマルジョン(A)を得、該エマルジョンに1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体(B)を配合することに最大の特徴を有する。かかる組み合わせによって上記したような特性を有するエマルジョン粉末および水硬性物質用混和材を得ることができる。
【0010】
本発明に用いるエマルジョン(A)の分散剤である、分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体は、ビニルエステルとエチレンとの共重合体をけん化することにより得ることができる。ビニルアルコール系重合体におけるエチレン単位の含有量は1〜12モル%であることが重要であり、好ましくは1.5モル%以上、より好ましくは2モル%以上である。エチレン単位が1モル%未満であると、再分散後の皮膜耐水性が充分優れたものとはならず、また得られるセメントモルタルなどの水硬物の強度等が優れたものとはならない。一方、エチレン単位が12モル%を越えると、本発明が目的とする満足なエマルジョン粉末が得られない。
【0011】
エチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体としては、エチレン単位をXモル%とするとき、1,2−グリコール結合を(1.7−X/40)モル%以上含有するビニルアルコール系重合体が再分散性が良好であり好ましい。より好ましくは(1.75−X/40)モル%以上であり、さらに好ましくは(1.8−X/40)モル%以上である。また、1,2−グリコール結合の含有量は4モル%以下であることが好ましく、3.5モル%以下がより好ましく、3.2モル%以下がさらに好ましい。1,2−グリコール結合の含有量はNMRスペクトルの解析から求めることができる。
【0012】
このようなビニルアルコール系重合体の製法としては、例えば、ビニレンカーボネートを上記の1,2−グリコール結合量になるようにエチレンと共重合する方法、エチレンとビニルエステル系単量体を共重合する際、重合温度を通常の条件より高い温度、例えば75〜200℃で、加圧下に重合する方法などを挙げることができる。後者の方法において、重合温度は特に制限されないが通常95〜190℃、好ましくは100〜160℃で実施される。
【0013】
ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度(以下、粘度平均重合度を単に重合度と略す)は、適宜選定すればよく、特に制限はないが、粉末化する時の作業性の観点から100〜8000が好適である。より好ましくは300〜3000、さらに好ましくは300〜2500である。ビニルアルコール系重合体のけん化度も特に制限されないが、70〜99モル%が好ましく、80〜98モル%がより好ましく、83〜95モル%がさらに好ましい。
【0014】
ビニルアルコール系重合体は本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したものであっても良い。このようなエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、N−ビニルピロリドン、 N−ビニルホルムアミド、 N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類を例示することができる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体をα−オレフィンと共重合し、得られた共重合体をけん化することによって得られる末端変性物を用いてもよい。
【0015】
本発明に用いるエマルジョン(A)の分散質は、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体からなる。エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体類、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンの4級アンモニウム塩、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミンの4級アンモニウム塩、さらにはアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の4級アンモニウム塩、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができる。これらの単量体は単独または二種以上を組み合わせて使用される。
【0016】
なかでも、上記した不飽和単量体単位を有する重合体のうち、酢酸ビニル系重合体で代表されるビニルエステル系重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体で代表されるオレフイン−ビニルエステル共重合体が好ましい。
【0017】
本発明に用いるエマルジョン(A)は、分散剤であるエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体の存在下で、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体を乳化重合することによって得ることができる。そして、上記エマルジョン(A)を乾燥することによって再分散性に優れる合成樹脂エマルジョン粉末を得ることができる。
【0018】
乳化重合する際の重合開始剤は、通常乳化重合に用いられる重合開始剤、すなわち過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の水溶性開始剤やアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の油溶性開始剤を単独または各種還元剤との組み合わせによるレドックス系で用いられる。これらの使用方法は特に制限されないが、初期一括で添加する方法や連続的に重合系に添加する方法等を採用することができる。
【0019】
本発明に用いるエマルジョン(A)において、分散剤として用いられるビニルアルコール系重合体の使用量は特に制限されるものではないが、あまり少ないとエマルジョンの重合安定性が低下すると共にビニルアルコール系重合体を分散剤とするエマルジョンの特徴である機械的安定性や化学的安定性の低下、皮膜強度の低下が起こる傾向があり、またあまり多いと重合系の粘度上昇による反応熱除去の問題や皮膜耐水性の低下が起こることがあるので、通常、分散質を構成するビニルアルコール系重合体単量体100重量部に対して2〜30重量部、好ましくは3〜15重量部、より好ましくは3〜10重量部で実施される。
【0020】
分散剤である上記ビニルアルコール系重合体の添加方法は特に制限はなく、初期に一括して添加する方法、初期にビニルアルコール系重合体の一部を添加し、重合中に連続的に重合系へ添加する方法等が採用される。従来公知のノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤やヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子をビニルアルコール系重合体と併用してもかまわない。
【0021】
本発明に用いるエマルジョン(A)において、分散質を製造するのに用いられる単量体は、初期に一括して重合系に添加してもよく、初期に単量体の一部を添加し、残りを重合中に連続的に添加してもよい。また、単量体と水と分散剤を予め乳化したものを重合系に連続的に添加してもよい。
【0022】
また、本発明に用いるエマルジョン(A)を製造する際に、連鎖移動剤を添加することもできる。連鎖移動剤としては、連鎖移動が起こるものであれば特に制限はないが、連鎖移動の効率の点でメルカプト基を有する化合物が好ましい。メルカプト基を有する化合物としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオ
ン酸等が挙げられる。
【0023】
連鎖移動剤の添加量は、あまり多いと合成樹脂エマルジョンの重合安定性が低下する上、分散質を形成する重合体の分子量が著しく低下し、エマルジョン物性の低下が起こることがあるので、単量体100重量部に対して5重量部以下とするのが好ましい。
【0024】
本発明の再分散性合成樹脂エマルジョン粉末は、前述したエマルジョン(A)に、1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体(B)を配合した組成物を乾燥して得られる。ビニルアルコール系重合体(B)は、1,2―グリコール含有量が1.9モル%以上であることが重要であり、より好ましくは1.95モル%以上、さらに好ましくは2.0モル%以上である。
【0025】
1,2−グリコール結合の含有量が1.9モル%未満の場合、得られるエマルジョン粉末の再分散性が低下することがあり、セメントまたはセメントモルタルなどの水硬性物質用混和材として使用した場合、曲げ強度などの点で優れた物性が得られないことがある。1,2−グリコール結合の含有量は4モル%以下であることが好ましく、より好ましくは3.5モル%以下、さらに好ましくは3.2モル%以下である。1,2−グリコール結合の含有量はNMRスペクトルの解析から求めることができる。
【0026】
ビニルアルコール系重合体(B)の製造方法は特に制限はなく公知の方法が使用可能である。一例としてビニレンカーボネートを上記の1,2−グリコール結合量になるようにビニルエステルと共重合する方法、ビニルエステルの重合温度を通常の条件より高い温度、例えば75〜200℃で、加圧下に重合する方法などを挙げることができる。後者の方法においては、重合温度は95〜190℃であることが好ましく、100〜180℃とするのがより好ましい。
【0027】
加圧条件としては、重合系が沸点以下になるように選択することが重要であり、好ましくは0.2MPa以上、より好ましくは0.3MPa以上である。加圧の上限としては5MPa以下が好ましく、3MPa以下がより好ましい。重合はラジカル重合開始剤の存在下、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などいずれの方法でも行うことができるが、溶液重合、とくにメタノールを溶媒とする溶液重合法が好適である。このようにして得られたビニルエステル重合体を通常の方法によりけん化することによりビニルアルコール系重合体(B)を得ることができる。
【0028】
ビニルアルコール系重合体(B)の重合度は、適宜選定すればよく、特に制限はないが、粉末化時の作業性の観点から通常は100〜3000のものが用いられる。より好ましくは150〜2000、さらに好ましくは200〜1600、さらに好ましくは200〜1000である。ビニルアルコール系重合体(B)のけん化度も特に制限されないが、70〜99モル%であることが好ましく、75〜98モル%がより好ましく、80〜96モル%がさらに好ましい。
【0029】
ビニルアルコール系重合体(B)は本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したものであってもよい。このようなエチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類を例示することができる。
【0030】
共重合の割合は特に制限されないが、上記単量体が5モル%以下のものが通常用いられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合するか、またはビニルエステルと上記エチレン性不飽和単量体とを共重合し、得られる(共)重合体をけん化することによって得られる末端変性物を用いることもできる。
【0031】
エマルジョン(A)に配合するビニルアルコール系重合体(B)の配合比は、固形分重量比で(B)/(A)=0.01〜0.5が好ましい。合成樹脂エマルジョン(A)にビニルアルコール系重合体(B)を添加することにより、乾燥後に得られるエマルジョン粉末の再分散性が向上するとともに水硬性物質への分散性も向上し、さらにエマルジョン粉末を使用した水硬性物質の強度も優れたものとなる。
【0032】
エマルジョン(A)にビニルアルコール系重合体(B)を添加するには、ビニルアルコール系重合体(B)の水溶液をエマルジョン(A)に添加する方法が好適な方法であるが、ビニルアルコール系重合体(B)の粉末、フレークまたはペレットをエマルジョン(A)に添加する方法でもよい。また、乳化重合してエマルジョン(A)を製造する際、乳化重合の後半にビニルアルコール系重合体(B)を一括または連続で添加してもよい。
【0033】
本発明の再分散性合成樹脂粉末は、上記の合成樹脂エマルジョン(A)にビニルアルコール系重合体(B)を配合した後、乾燥することによって得ることができる。乾燥は噴霧乾燥が好ましい。噴霧乾燥としては、流体を噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥を使用することができる。噴霧の形式により、ディスク式、ノズル式、衝撃波式などがあるが、いずれの方法であってもよい。乾燥の熱源としては熱風や加熱水蒸気等が用いられる。乾燥条件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、合成樹脂エマルジョンの濃度、粘度、流量等によって適宜選択すればよい。乾燥温度は、100℃〜150℃が適当であり、この乾燥温度の範囲内で、十分に乾燥した粉末が得られるように、他の乾燥条件を設定することが望ましい。
【0034】
本発明の再分散性合成樹脂エマルジョン粉末には、貯蔵安定性、水への再分散性を向上させる目的で、ブロッキング防止効果を有する無機粉末を使用することが望ましい。無機粉末は平均粒径0.1〜100μmの微粒子であることが好ましい。無機粉末としては、微粒子の無機粉末が好ましく、炭酸カルシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を例示することができる。無機粉末の使用量は、性能上、エマルジョン粉末中20重量%以下とするのが好ましく、10重量%以下とするのがより好ましい。下限値については0.1重量%以上が好ましく、0.2重量%以上がより好ましい。
【0035】
かかる無機粉末は、噴霧乾燥後のエマルジョン粉末に添加して均一に混合してもよいが、噴霧乾燥する際に合成樹脂エマルジョン(A)を無機粉末の存在下に同時に噴霧すると均一な混合を行うことができ好ましい。また、噴霧する際にシリコーンおよび/または炭化水素系の消泡剤を添加して粉末化することも可能である。
【0036】
得られた再分散性合成樹脂エマルジョン粉末(平均粒径1〜1000μm、好適には2〜500μm)は、そのままで水硬性物質用混和材または打継ぎ材として用いることができる。水硬性物質としては、例えばポルトランドセメント、アルミナセメント、スラグセメント、フライアッシュセメントなどの水硬性セメント、あるいは石膏、プラスターなどのセメント以外の水硬性材料が挙げられる。必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の各種エマルジョン、再分散性エマルジョン粉末を添加して用いることもできる。
【0037】
本発明の再分散性合成樹脂エマルジョン粉末を、水硬性材料、骨材および水からなるセメントモルタルに配合して使用する場合、エマルジョン粉末の配合量は、水硬性材料中で1〜20重量%になるように配合するのが好ましい。骨材としては、川砂、砕砂、色砂、けい砂などの細骨材、川砂利、砕石などの粗骨材が挙げられる。
【0038】
エマルジョン粉末の水への再分散性をより向上させるために、各種の水溶性添加剤を加えることもできる。添加剤は、噴霧乾燥前に合成樹脂エマルジョンに添加して噴霧乾燥すると均一に混合されるため好ましい。水溶性添加剤の使用量は特に制限はなく、エマルジョンの耐水性等の物性に悪影響を与えない程度に適宜コントロールされる。このような添加剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、でんぷん誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等の他、水溶性アルキッド樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ナフタレンスルホン酸樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリオール樹脂、水溶性エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0039】
本発明の再分散性合成樹脂エマルジョン粉末には、使用する用途により、各種添加剤を配合することもできる。例えば、セメントおよびモルタルなどへの混和材としての用途では、AE剤、減水剤、流動化剤、保水剤、増粘剤、防水剤等が、接着剤用には粘性改良剤、保水剤、粘着付与剤、増粘剤等が、塗料用バインダー用には、粘性改良剤、増粘剤、顔料分散剤、安定剤等が適宜添加される。以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。なお、エマルジョン粉末の性能は次の評価方法で行った。また実施例中、「部」および「%」はいずれも重量基準を意味する。
【0040】
エマルジョン粉末の性能評価:
エマルジョン粉末100部に20℃のイオン交換水100部を添加して、攪拌機により十分攪拌し、以下の物性を評価した。
【0041】
1.再分散性:再分散したエマルジョンを200メッシュのステンレス製金網でろ過し、
105℃で5時間乾燥し、次式によりろ過残渣を測定した。ろ過残渣は少なければすくな
いほど、エマルジョン粉末を水硬性物質用混和材として用いた場合に、優れた強度等を有
する水硬物を得ることができる。
ろ過残渣=(乾燥後のろ過残渣重量/再分散に用いたエマルジョン粉末重量)×100(%)
【0042】
2.再分散後の状態;再分散したエマルジョンの状態を目視及び光学顕微鏡で観察し、以下の基準により判断した。
○ 再分散液が均一で未分散物(ブツ)がない。
× 再分散はしているが、未分散物が認められる。
【0043】
3.造膜性:50℃でガラス板上に再分散物を流延、乾燥させ、造膜性を以下の基準により判断した。
○ 均一な皮膜となり、強靱な皮膜が得られる。
× 皮膜にはなるがもろい。
【0044】
4.耐水性(皮膜の吸水率):再分散したエマルジョンを20℃65%RH下で製膜し、皮膜を得た(膜厚100μm)。該皮膜を20℃水中に24時間浸漬し、次式により吸水率を算出した。吸水率は少なければ少ないほどより優れた耐水性を示す。
吸水率=(浸漬後の皮膜含水重量/浸漬前の皮膜絶乾重量)×100(%)
【0045】
5.セメントモルタル用混和材としての性能(セメントモルタルの物性試験):
1)モルタル組成:
エマルジョン粉末/セメント重量比=0.10
砂/セメント重量比=2.5、水/セメント重量比=0.5
【0046】
2)スランプ値(セメントモルタルへの分散性を示す指標):JIS A−1173に準
拠して測定した。
【0047】
3)曲げ強度:JIS A−6203に準拠して測定した。
【0048】
4)圧縮強度:JIS A−6203に準拠して測定した。
【0049】
エマルジョン製造例1:
窒素吹き込み口、温度計、撹拌機を備えた耐圧オートクレーブにエチレン変性PVA(PVA−1、エチレン単位含有量2.5モル%、重合度800、けん化度93モル%、1,2−グリコール結合含有量1.7モル%)の9.5%水溶液80部を仕込み、60℃に昇温してから、窒素置換を行った。酢酸ビニル80部を仕込んだ後、エチレンを4.9MPaまで加圧し、0.5%過酸化水素水溶液2gおよび2%ロンガリット水溶液0.3gを圧入し、重合を開始した。残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エチレンを放出して圧力2.0MPaとし、3%過酸化水素水溶液0.3gを圧入し重合を完結させた。重合中に凝集などは認められず重合安定性に優れており、固形分濃度55.0%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−1)が得られた。
【0050】
実施例1
エマルジョン製造例1で得たエマルジョン(Em−1)(A)100部と15%PVA水溶液(B)(PVA−2:重合度500、けん化度88.0モル%、1,2−グリコール結合含有量2.3モル%)36.7部を混合したもの〔固形分重量比(B)/(A)=0.1〕と、全固形分中2%の無水珪酸微粉末(平均粒径2μm)とを別々に140℃の熱風中に同時噴霧して乾燥し、平均粒径20μmのエマルジョン粉末を得た。性能評価を行った結果を表1に示す。
【0051】
実施例2
エマルジョン製造例1で得たエマルジョン(Em−1)(A)100部と15%PVA水溶液(B)(PVA−2:重合度500、けん化度88.0モル%、1,2−グリコール結合含有量2.3モル%)220部を混合したもの〔固形分重量比(B)/(A)=0.6〕を用いる以外は実施例1と同様にしてエマルジョン粉末を得た。性能評価を行った結果を表1に示す。
【0052】
比較例1
エマルジョン製造例1で得たエマルジョン(Em−1)(A)100部のみ〔固形分重量比(B)/(A)=0〕を用いる以外は実施例1と同様にしてエマルジョン粉末を得た。性能評価を行った結果を表1に示す。
【0053】
比較例2
エマルジョン製造例1で得たエマルジョン(Em−1)(A)100部と15%PVA水溶液(B)(PVA−3:重合度500、けん化度88.0モル%、1,2−グリコール結合含有量1.6モル%)36.7部を混合したもの〔固形分重量比(B)/(A)=0.1〕を用いる以外は実施例1と同様にしてエマルジョン粉末を得た。性能評価の結果を表1に示す。
【0054】
エマルジョン製造例2:
エマルジョン製造例1において、PVA−1を用いる代わりに、無変性PVA(PVA−4:重合度800、けん化度93モル%、1,2−グリコール結合含有量1.7モル%)を用いる以外はエマルジョン製造例1と同様にして固形分濃度55.0%、エチレン含量18.3重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−2)を得た。
【0055】
比較例3
エマルジョン製造例2で得たエマルジョン(Em−2)(A)100部と15%PVA水溶液(B)(PVA−2:重合度500、けん化度88.0モル%、1,2−グリコール結合含有量2.3モル%)36.7部を混合したもの〔固形分重量比(B)/(A)=0.1〕を用いる以外は実施例1と同様にしてエマルジョン粉末を得た。性能評価の結果を表1に示す。
【0056】
エマルジョン製造例3:
エマルジョン製造例1において、PVA−1を用いる代わりに、エチレン変性PVA(PVA−5:エチレン単位含有量4.0モル%、重合度1500、けん化度97モル%、1,2−グリコール結合含有量1.5モル%)を用いる以外はエマルジョン製造例1と同様にして、固形分濃度55.0%、エチレン含量17.8重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−3)を得た。
【0057】
実施例3
エマルジョン製造例3で得たエマルジョン(Em−3)(A)100部と15%PVA水溶液(B)(PVA−2:重合度500、けん化度88.0モル%、1,2−グリコール結合含有量2.3モル%)36.7部を混合したもの〔固形分重量比(B)/(A)=0.1〕を用いる以外は実施例1と同様にしてエマルジョン粉末を得た。性能評価の結果を表1に示す。
【0058】
エマルジョン製造例4:
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、エチレン変性PVA(PVA−6:エチレン単位含有量8.0モル%、重合度400、けん化度98.5モル%、1,2−グリコール結合含有量1.6モル%)5部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全溶解させた。次いで、希硫酸によりpH=4とした後、150rpmで撹拌しながら酢酸ビニル14部、n−ブチルアクリレート6部を添加し、窒素置換後70℃まで昇温した。1%過硫酸カリウム5部を添加し重合を開始し、さらに2時間かけて酢酸ビニル56部、n−ブチルアクリレート24部を混合したものを連続的に添加した。重合開始3時間後、固形分濃度51.4%の安定な酢酸ビニル/n−ブチルアクリレート共重合体エマルジョン(Em−4)を得た。
【0059】
実施例4
エマルジョン製造例4で得たエマルジョン(Em−4)(A)100部と15%PVA水溶液(B)(PVA−7:重合度1300、けん化度94.0モル%、1,2−グリコール結合含有量2.1モル%)68.6部を混合したもの〔固形分重量比(B)/(A)=0.2〕を用いる以外は実施例1と同様にしてエマルジョン粉末を得た。性能評価の結果を表1に示す。
【0060】
エマルジョン製造例5:
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、エチレン変性PVA(PVA−8:エチレン単位含有量1.9モル%、重合度500、けん化度87.0モル%、1,2−グリコール結合含有量1.7モル%)6部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全溶解させた。次いで、希硫酸によりpH=4とした後、150rpmで撹拌しながら酢酸ビニル17部、バーサチック酸ビニル(VeoVa−10)3部を添加し、窒素置換後60℃まで昇温した。酒石酸0.5部を添加した後、0.5%過酸化水素1部の連続添加を開始(3時間)し、さらに2時間かけて酢酸ビニル68部、バーサチック酸ビニル(VeoVa−10)17部を混合したものを連続的に添加した。重合開始3時間後、固形分濃度51.6%の安定な酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−5)を得た。
【0061】
実施例5
エマルジョン製造例5で得たエマルジョン(Em−5)(A)100部と15%PVA水溶液(B)(PVA−2:重合度500、けん化度88.0モル%、1,2−グリコール結合含有量2.3モル%)34.4部を混合したもの〔固形分重量比(B)/(A)=0.1〕を用いる以外は実施例1と同様にしてエマルジョン粉末を得た。性能評価の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
以上の結果から、本発明の合成樹脂エマルジョン粉末は、再分散性、皮膜物性及びモルタル物性において優れていることは明らかであり、したがって、再分散性、再分散した場合の造膜性に優れ、皮膜の耐水性が高い再分散性合成樹脂エマルジョン粉末を得ることができる。そしてこのような粉末を水硬性物質用混和材として用いると、水硬性物質への分散性に優れ、高い強度と高い耐水性を有する水硬物を得ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明により、再分散性に優れ、再分散した場合にも造膜性に優れるとともに皮膜の耐水性が高い再分散性合成樹脂エマルジョン粉末を得ることができる。かかる合成樹脂エマルジョン粉末を水硬性物質用混和材として用いると、水硬性物質への分散性に優れ、さらに高い強度と高い耐水性を有する水硬性物質を得ることができるので産業上の有用性が大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内にエチレン単位を1〜12モル%含有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョン(A)に、1,2−グリコール結合を1.9モル%以上含有するビニルアルコール系重合体(B)を配合した組成物を乾燥して得られる再分散性合成樹脂エマルジョン粉末。
【請求項2】
該分散質が、ビニルエステル系重合体またはオレフィン−ビニルエステル共重合体である請求項1記載の合成樹脂エマルジョン粉末。
【請求項3】
該分散剤が、エチレン単位の含有量をXモル%とするとき、1,2−グリコール結合を(1.7−X/40)以上含有するビニルアルコール系重合体である請求項1または2記載の合成樹脂エマルジョン粉末。
【請求項4】
エマルジョン(A)に配合するビニルアルコール系重合体(B)の配合比が、固形分重量比で(B)/(A)=0.01〜0.5である請求項1〜3いずれかに記載の合成樹脂エマルジョン粉末。
【請求項5】
該乾燥が噴霧乾燥である請求項1〜4いずれかに記載の合成樹脂エマルジョン粉末。
【請求項6】
該再分散性合成樹脂エマルジョン粉末が無機粉末を含有する請求項1〜5いずれかに記載の合成樹脂エマルジョン粉末。
【請求項7】
請求項1〜6いずれかに記載のエマルジョン粉末からなる水硬性物質用混和材。

【公開番号】特開2007−145895(P2007−145895A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338597(P2005−338597)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】