説明

同軸ケーブル防水接続構造体及びこれに用いる接続体

【課題】汎用の同軸コネクタを使用可能でありながら、同軸ケーブルの周囲を通じて液体が接続部分に侵入するのを適切に防止できる同軸ケーブル防水接続構造体、及びこれに用いる接続体を提供する。
【解決手段】超音波流量計接続構造体20は、超音波流量計21の被接続部21Aに接続体30を接続した構造体である。SMBレセプタクル13にSMBプラグ33を結合させ、被接続側ネジ部1Aに接続体30のカバーネジ部31Sを螺合させた状態で、Oリング34が筒部材35に押圧されて、Oリング34とカバー部材31の底部31Vとが、Oリング34の全周に亘って液密に圧接し、Oリング34とカバー部材31の筒部31Wとが、Oリング34の外周全周に亘って圧接し、Oリング34と同軸ケーブル32とが、この同軸ケーブルの内周全周に亘って液密に圧接する形態に、接続体30と被接続部21Aが構成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブルを保持する接続体を、被接続体の被接続部に接続する同軸ケーブル接続構造体及びこれに用いる接続体に関し、特に、防水構造とした、同軸ケーブル防水接続構造体及びこれに用いる接続体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気信号や比較的小電力の電力を伝送に、同軸ケーブルを用いることが、しばしば行われている。また、同軸ケーブルと各機器内の配線との接続方式としては、同軸ケーブルの先端部に設けた接栓(プラグ,ジャック)と、各機器に設けられた接栓座(レセプタクル、パネルジャック)とを結合させる方式が、採用されることが多い。なお、この接栓と接栓座からなる一対の同軸Bコネクタの形式(仕様)としては、例えば、BNC,SMAなど各種の同軸コネクタの仕様が知られている。
【0003】
ところで、各電気機器、電子機器には、使用環境等を考慮して、防水性を要望される用途がある。この場合には、この機器に接続する同軸ケーブル及び同軸コネクタについても、防水構造とすることが望まれるが、BNC,SMAなどの汎用の仕様の同軸コネクタでは、高々、防滴構造とされたものに止まり、そのままでの使用は不適当である。
なお、本件出願人は、既に特許文献1において、同軸ケーブル同士を接続するにあたり、SMCコネクタを用いながらも防水構造とした防水コネクタを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−99969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1の防水コネクタは、同軸ケーブル同士を接続する場合に用いるもので、同軸ケーブルの先端部に設けた接栓と、各機器に設けられた接栓座との結合には適用困難である。また、別途、防水構造の同軸コネクタを設計する場合には、コストアップとなりがちである。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、市販、汎用の同軸コネクタを用いることが可能でありながら、同軸ケーブルの周囲を通じて液体が接続部分に侵入するのを適切に防止できる同軸ケーブル防水接続構造体、及び、これに用いる接続体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、同軸ケーブルを保持する接続体を、被接続体の被接続部に接続してなる同軸ケーブル接続構造体であって、上記被接続体の上記被接続部は、上記被接続体に固着されてなり、一対の同軸コネクタの一方をなす接栓座と、少なくとも上記接栓座のうち、上記一対の同軸コネクタの他方をなす接栓との結合部よりも、上記接栓座がなす接栓座軸線の径方向外側に、環状で、上記接栓座と同芯にネジが形成された被接続側ネジ部と、を有し、上記接続体は、凹部を構成する有底筒状をなし、上記凹部の底面をなす底部に上記同軸ケーブルが遊嵌状に貫通するケーブル貫通孔が穿孔されてなり、上記凹部の側面をなす筒部に、上記被接続体の上記被接続側ネジ部と螺合するネジを形成したカバーネジ部を有するカバー部材と、上記ケーブル貫通孔を貫通し、自身の先端部が上記凹部の上記底部よりもこの凹部の開口側に位置する上記同軸ケーブルと、上記同軸ケーブルの上記先端部に取付けられた上記接栓と、環状の弾性材からなり、上記同軸ケーブルのうち、上記カバー部材の上記ケーブル貫通孔と上記接栓との間に位置する部位に挿通されてなる弾性封止部材と、両端が開放された筒形状をなす筒部材と、を有し、上記接栓座に上記接栓を結合させ、かつ、上記被接続部の上記被接続側ネジ部に上記接続体の上記カバーネジ部を螺合させた状態において、上記弾性封止部材が、上記カバー部材の上記凹部の上記底面に接して配置され、上記筒部材が、上記接栓のうち少なくとも基端側の一部の周囲を取り囲み、上記開口方向を向く開口方向面で、上記被接続体、上記接栓座、または上記接栓の少なくともいずれかに当接すると共に、上記開放方向と逆方向を向く基端面で、上記弾性封止部材に当接して、上記弾性封止部材を上記底部に向けて押圧し、上記筒部材による上記弾性封止部材の押圧により、上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記底部とが、上記弾性封止部材の全周に亘って液密に圧接し、上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記筒部とが、上記弾性封止部材の外周全周に亘って圧接し、上記弾性封止部材と上記同軸ケーブルとが、上記弾性封止部材の内周全周に亘って液密に圧接する形態に、上記接続体及び上記被接続体の上記被接続部が構成されてなる同軸ケーブル防水接続構造体である。
【0008】
この同軸ケーブル防水接続構造体では、接続体と被接続体の被接続部とは、弾性封止部材とカバー部材の底部とが弾性封止部材の全周に亘って液密に圧接し、また、弾性封止部材と同軸ケーブルとが、弾性封止部材の内周全周に亘って液密に圧接する形態となっている。このため、同軸ケーブルを一対の同軸コネクタを用いて被接続体の被接続部に接続しながらも、同軸ケーブルとケーブル貫通孔との間を通って、カバー部材の凹部内へ液体が侵入するのを適切に防止することができる。
しかも、一対の同軸コネクタの結合とは別に、被接続体の被接続部における被接続側ネジ部と接続体のカバー部との結合を行う。このため、一対の同軸コネクタには、市販、汎用の同軸コネクタ(同軸ケーブル用のプラグ、ジャック及びレセプタクル)を利用することができ、安価で信頼性が高く、接続部分でノイズ等が侵入し難い、高品質の接続ができる。
さらに、接栓座に接栓を結合させ、かつ、被接続部の被接続側ネジ部に接続体のカバーネジ部を螺合させた状態において、弾性封止部材は、筒部材による押圧により、同軸ケーブル及びカバー部材の筒部に圧接している。逆に、被接続部の被接続側ネジ部と接続体のカバーネジ部との螺合を解いた場合には、弾性封止部材と同軸ケーブル或いはカバー部材の筒部との圧接が無くなる(或いは弱まる)。このため、接栓及び同軸ケーブルを、カバー部材(凹部)から容易に引き出すことができ、この接栓と被接続体側の接栓座との結合あるいは脱離を容易に行うことができる。
【0009】
なお、接栓は、同軸ケーブルの端部に接続されるコネクタであり、プラグ及びジャックの形式のものが含まれる。
また、接栓座は、機器の壁部やパネル等に取り付けられる側のコネクタである。この接栓座には、レセプタクル(接栓の取付側とは逆側(機器内部側)に、同軸ケーブルが取り付けられないもの)のほか、パネルジャック(機器内部側に同軸ケーブルが取り付けられながらも、パネル等に取り付け得る形態のもの)が含まれうる。また、レセプタクルには、接栓との結合部分がジャック形式となったジャックレセプタクルのほか、プラグ形式となったプラグレセプタクルも含まれる。
また、弾性封止部材としては、環状の弾性材からなるOリングやパッキンが挙げられる。また、弾性材の材質としては、例えば、ゴム状弾性を示すゴムのほか、弾性を示すゲル(ゲル状弾性体)が挙げられる。
【0010】
また、被接続側ネジ部とカバーネジ部とは、いずれが雄ねじで、他が雌ネジであっても良い。即ち、被接続側ネジ部を雄ネジとし、カバーネジ部を雌ネジとすることができる。また、被接続側ネジ部を雌ネジとし、カバーネジ部を雄ネジとしても良い。
なお、念のため説明するが、接栓座に接栓を結合させ、かつ、カバーネジ部と被接続側ネジ部とを螺合させた状態において、カバーネジ部は被接続側ネジ部と同芯である。また、被接続側ネジ部と接栓座軸線とは同芯である。従って、カバーネジ部が、接栓座軸線と同芯であることは、自明のことである。また、上述の状態では、接栓座軸線と接栓の軸線(接栓軸線)とは一致する。
【0011】
また、被接続体、接栓座、あるいは接栓が当接する開口方向面として、筒部材のうち、開口方向の端である先端がなす先端面が該当する構成とすることができる。このほか、この先端面よりも内側(底部側)に形成されるが、開口方向(先端側)を向く面が該当する構成とすることができる。
その他、この同軸ケーブル防水接続構造体としては、同軸ケーブルを被接続体に接続しつつ、防水も行う各種の構造体が挙げられる。
例えば、被接続体が超音波トランスデューサを含むものが挙げられる。さらに具体的には、被接続体に超音波トランスデューサを有するもので、超音波トランスデューサを駆動する電力あるいはこれから発する信号を、同軸ケーブルを通じて伝送する接続構造体において、同軸ケーブルの接続部分を防水とした同軸ケーブル防水接続構造超音波トランスデューサが挙げられる。
その中でも、受波した超音波信号を電気信号として出力するのに用いる、受波用或いは送受波用の超音波トランスデューサを有するものに適用するのが好ましい。一般に、このような超音波トランスデューサは、出力する電気信号が微弱である上、出力インピーダンスが高いので、出力される電気信号にノイズが重畳しやすいためである。
さらに具体的な例としては、同軸ケーブル防水接続構造の、超音波センサ、魚群探知用や海底探査用などの超音波ソナー、超音波探傷器、超音波流量計などが挙げられる。
【0012】
また、前述の同軸ケーブル防水接続構造体であって、前記被接続体、前記接栓座、及び前記接栓のうち前記筒部材の前記開口方向面に当接する部材と上記筒部材の上記開口方向面との間は、上記接栓座に上記接栓を結合させ、かつ、前記被接続部の前記被接続側ネジ部に前記接続体の前記カバーネジ部を螺合させる際に、前記弾性封止部材と上記筒部材の前記基端面との間に生じる摩擦力よりも、低い摩擦力が生じる低摩擦構造とされてなる同軸ケーブル防水接続構造体とすると良い。
【0013】
被接続部の被接続側ネジ部に接続体のカバーネジ部を螺合させるに当たっては、接続体(カバー部材)を回転させる。この際、カバー部材と共に回転する弾性封止部材と、回転しない被接続体、接栓座、及び接栓との間で、両者に当接する筒部材は、ねじられる。
もし、被接続体、接栓座、及び接栓のうち、筒部材の開口方向面に当接する部材とこの筒部材の開口方向面との摩擦が大きい場合には、螺合の際、筒部材は、カバー部材及び弾性封止部材と共に回転せず、筒部材と弾性封止部材との間で滑りが生じつつ、筒部材が回転するので、摩擦力によって、弾性封止部材が捩れるなど、不要な変形を生じる虞がある。
【0014】
これに対し、上述の同軸ケーブル防水接続構造体では、筒部材の開口方向面に当接する部材と筒部材の開口方向面との間は、低摩擦構造としてある。このため、螺合の際、筒部材は、開口方向面に当接する部材との間で滑り、カバー部材及び弾性封止部材とは共に回転する。従って、筒部材と弾性封止部材との間に滑りが生じず、弾性封止部材が捩れるなどの不要な変形を生じることがない。
【0015】
なお、低摩擦構造の具体的構成としては、例えば、筒部材のうち少なくとも開口方向面をなす部位を、摩擦係数の低いフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の低摩擦の樹脂とする構造が挙げられる。また、被接続体、接栓座、及び接栓のうち筒部材の開口方向面に当接する当接部位を、摩擦係数の低いフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の低摩擦の樹脂とする、或いは、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の低摩擦の樹脂で被覆する構造も挙げられる。さらには、上述の二者を同時に行う構造も挙げられる。その他、筒部材の開口方向面とこの開口方向面に当接する被接続体、接栓座、及び接栓の当接部位との間に、潤滑剤(例えば、油、シリコーン潤滑剤、フッ素樹脂潤滑剤)を介在させる構造も挙げられる。
【0016】
さらに、前述のいずれかに記載の同軸ケーブル防水接続構造体であって、前記一対の同軸コネクタは、スナップオン/プルオフタイプの同軸コネクタである同軸ケーブル防水接続構造体とすると良い。
【0017】
一般に、同軸コネクタの接続方式としては、ネジタイプ(例えば、SMA,SMCコネクタ)、バヨネットタイプ(例えば、BNCコネクタ)、スナップオン/プルオフタイプ(例えば、SMBコネクタ)などが挙げられる。
このうち、スナップオン/プルオフタイプの同軸コネクタを用いた上述の同軸ケーブル防水接続構造体では、同軸コネクタ同士の接続/脱離が容易である。また、この構造体では、同軸コネクタ同士の接続或いは脱離の際に、ネジタイプやバヨネットタイプの同軸コネクタのように、捻りの操作を行なわない。このため、接栓の接続或いは脱離の際に、接栓座に捻り(接栓座軸線の周りに回転する)力が加わりにくく、このような外力による接栓座と被接続体との間の緩み、被接続体の変形などを防止できる。
なお、スナップオン/プルオフタイプの同軸コネクタとしては、例えば、SMB,SMP,SMPM,MCX,MMCXの同軸コネクタが挙げられる。
【0018】
さらに、上述の同軸ケーブル防水接続構造体であって、前記筒部材は、前記接栓座に前記接栓を結合させ、かつ、前記被接続部の前記被接続側ネジ部に前記接続体の前記カバーネジ部を螺合させた状態において、自身の前記基端面で、前記弾性封止部材を前記底部に向けて押圧すると共に、自身の前記開口方向面で、上記接栓に当接し、上記接栓を前記接栓座側に押圧してなる同軸ケーブル防水接続構造体とすると良い。
【0019】
一般に、スナップオン/プルオフタイプの同軸コネクタは、ネジタイプの同軸コネクタなどに比して、結合させた場合に、ぐらつきが生じやすく、芯線の接続部同士の接続が不安定になりやすい。
これに対し、上述の同軸ケーブル防水接続構造体では、前述の状態において、筒部材で、接栓を接栓座側に押圧してなる。このため、押された接栓と接栓座との結合、従って、接栓及び接栓座が有する、芯線の接続部同士の接続をより安定させることができる。
【0020】
さらに、上述のいずれか1項に記載の同軸ケーブル防水接続構造体であって、前記被接続体は、前記同軸ケーブルに電気的に接続される超音波トランスデューサを含む同軸ケーブル防水接続構造体とすると良い。
【0021】
この同軸ケーブル防水接続構造体では、被接続体は、同軸ケーブルに電気的に接続される超音波トランスデューサを含んでいる。超音波トランスデューサと外部との間で、この同軸ケーブルを通じて、駆動電力や電気信号をやりとりすることができる上に、同軸コネクタの接続部分における防水を図ることができる。
【0022】
また、他の態様は、同軸ケーブルを保持してなり、被接続体の被接続部に接続して、上記被接続体と共に、同軸ケーブル接続構造体を構成する接続体であって、上記被接続体の上記被接続部は、上記被接続体に固着されてなり、一対の同軸コネクタの一方をなす接栓座と、少なくとも上記接栓座のうち、上記一対の同軸コネクタの他方をなす接栓との結合部よりも、上記接栓座がなす接栓座軸線の径方向外側に、環状で、上記接栓座と同芯にネジが形成された被接続側ネジ部と、を有してなり、上記接続体は、凹部を構成する有底筒状をなし、上記凹部の底面をなす底部に上記同軸ケーブルが遊嵌状に貫通するケーブル貫通孔が穿孔されてなり、上記凹部の側面をなす筒部に、上記被接続体の上記被接続側ネジ部と螺合するネジを形成したカバーネジ部を有するカバー部材と、上記ケーブル貫通孔を貫通し、自身の先端部が上記凹部の上記底部よりもこの凹部の開口側に位置する上記同軸ケーブルと、上記同軸ケーブルの上記先端部に取付けられた上記接栓と、環状の弾性材からなり、上記同軸ケーブルのうち、上記カバー部材の上記ケーブル貫通孔と上記接栓との間に位置する部位に挿通されてなる弾性封止部材と、両端が開放された筒形状をなす筒部材と、を有し、上記接栓座に上記接栓を結合させ、かつ、上記被接続部の上記被接続側ネジ部に上記接続体の上記カバーネジ部を螺合させた状態において、上記弾性封止部材が、上記カバー部材の上記凹部の上記底面に接して配置され、上記筒部材が、上記接栓のうち少なくとも基端側の一部の周囲を取り囲み、上記開口方向を向く開口方向面で、上記被接続体、上記接栓座、または上記接栓の少なくともいずれかに当接すると共に、上記開放方向と逆方向を向く基端面で、上記弾性封止部材に当接して、上記弾性封止部材を上記底部に向けて押圧し、上記筒部材による上記弾性封止部材の押圧により、上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記底部とが、上記弾性封止部材の全周に亘って液密に圧接し、上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記筒部とが、上記弾性封止部材の外周全周に亘って圧接し、上記弾性封止部材と上記同軸ケーブルとが、上記弾性封止部材の内周全周に亘って液密に圧接する形態に、上記被接続体の上記被接続部と共に構成されてなる接続体である。
【0023】
この接続体は、被接続体と組み合わせて、同軸ケーブル防水接続構造体とすることにより、接続体と被接続体の被接続部とは、弾性封止部材とカバー部材の底部とが弾性封止部材の全周に亘って液密に圧接し、また、弾性封止部材と同軸ケーブルとが、この弾性封止部材の内周全周に亘って液密に圧接する形態となっている。このため、この接続体は、被接続体と組み合わせて、同軸ケーブルを一対の同軸コネクタを用いて被接続体の被接続部に接続しながら、同軸ケーブルとケーブル貫通孔との間を通って、カバー部材の凹部内へ液体が侵入するのを適切に防止可能な同軸ケーブル防水接続構造体を構成することができる。
しかも、一対の同軸コネクタの結合とは別に、被接続体の被接続部における被接続側ネジ部と接続体のカバー部との結合を行う。このため、接続体の用いる接栓を含め一対の同軸コネクタには、市販、汎用の同軸コネクタ(同軸ケーブル用のプラグ、ジャック及びレセプタクル)を利用することができ、安価で信頼性が高く、接続部分でノイズ等が侵入し難い、高品質の接続が可能な同軸ケーブル防水接続構造体を構成することができる。
さらに、被接続体の接栓座に、この接続体の接栓を結合させ、かつ、被接続部の被接続側ネジ部に接続体のカバーネジ部を螺合させた状態において、弾性封止部材は、筒部材による押圧により、同軸ケーブル及びカバー部材の筒部に圧接する。逆に、被接続部の被接続側ネジ部と接続体のカバーネジ部との螺合を解いた場合には、弾性封止部材と同軸ケーブル或いはカバー部材の筒部との圧接が無くなる(或いは弱まる)。このため、この接続体において、接栓及び同軸ケーブルを、カバー部材(凹部)から容易に引き出すことができ、この接栓と被接続体側の接栓座との結合あるいは脱離を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態1にかかる超音波流量計接続構造体の構造を示す部分破断断面図である。
【図2】実施形態1にかかる超音波流量計接続構造体のうち、超音波トランスデューサ及び同軸ケーブルの接続部分の近傍の構造を示す、部分拡大断面図である。
【図3】実施形態1にかかる超音波流量計接続構造体のうち、超音波流量計の構造を示す部分破断断面図である。
【図4】実施形態1にかかる超音波流量計のうち、超音波トランスデューサ及びレセプタクルの近傍の構造を示す、部分拡大断面図である。
【図5】実施形態1にかかる超音波流量計に用いる超音波トランスデューサ及びこれの取付構造を説明する分解斜視図である。
【図6】実施形態1にかかる超音波流量計接続構造体のうち、同軸プラグを有する接続体の構造を示す部分破断断面図である。
【図7】実施形態1にかかる超音波流量計接続構造体のうち、接続体の構造を説明する分解説明図である。
【図8】実施形態2にかかる超音波センサ接続構造体の構造を示す部分破断断面図である。
【図9】実施形態2にかかる超音波センサ接続構造体のうち、超音波センサの構造を示す部分破断断面図である。
【図10】実施形態2にかかる超音波センサ接続構造体、及び変形形態にかかる超音波流量計接続構造体のうち、同軸プラグを有する接続体の構造を示す部分破断断面図である。
【図11】変形形態にかかる超音波流量計接続構造体の構造を示す部分破断断面図である。
【図12】変形形態にかかる超音波流量計接続構造体のうち、超音波トランスデューサ及び同軸ケーブルの接続部分の近傍の構造を示す、部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態1)
本発明の同軸ケーブル防水接続構造体に係る第1の実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。本実施形態1の超音波流量計接続構造体(同軸ケーブル防水接続構造体)20は、被接続体である超音波流量計21と、これに接続する接続体30,40とからなる。
【0026】
先ず、被接続体である超音波流量計21について説明する。この超音波流量計21は、主として、流量計本体部材1、及び、一対の超音波トランスデューサ5,6からなる。
このうち、流量計本体部材1は、耐熱性を有するフッ素樹脂(例えば、PFA)からなり、図1及び図3に示すように、図中左右方向に長い形態を有する。この流量計本体部材1内には、流路壁部2により、流路2Rが構成されている。具体的には、図中上下方向に延びる導入路2RA,2RCと、この間に位置し、導入路2RA,2RCよりも長く、図中左右方向に延びる測定路2RBとからなる、コ字状に折り曲げられた流路2Rが構成されている。この流路2Rには、液体Lが矢印で示すように流通される。
【0027】
この流量計本体部材1の流路壁部2のうち、測定路2RBの測定路軸線2RBXに直交する部位は、次述する超音波透過壁部3,4とされている。この超音波透過壁部3,4は、図2及び図4に示すように、それぞれ流路2Rに面する超音波透過流路面3A,4Aと、これの裏面にあたり、外側(図中、左あるいは右方向)を向く超音波透過外側面3B,4Bとをなす、円板形状を有している。流量計本体部材1のうち、この超音波透過壁部3,4の軸線2RBX方向の外側(図1及び図3中、超音波透過壁部3の右側、超音波透過壁部4の左側)には、後述する超音波トランスデューサ5,6を収容する収容凹部1S,1Sが形成されており、上述した超音波透過外側面3B,4Bが、この収容凹部1S,1Sにそれぞれ面している。
【0028】
この収容凹部1S,1S内のうち、超音波透過外側面3B,4Bには、円板状の音響整合層7を介して、前述した超音波トランスデューサ5,6がそれぞれ接して配置されている。
図5に示すように、この超音波トランスデューサ5,6は、円板状の圧電セラミックからなり、その両面に、銀からなる電極層5D,5G,6D,6Gが形成されており、一方面が、図示しない接着剤によって、音響整合層7に貼り付けられている。なお、音響整合層7側の接地電極層5G,6Gを取り出し容易にするため、作動電極層5D,6Dは円板形状から一部が欠けた形状とされる一方、この部分に、裏面側の接地電極層5G,6Gが回り込んで、回り込み部5GR,6GRを形成している。この超音波トランスデューサ5,6は、作動電極層5D,6Dと接地電極層5G,6Gとの間に、所定周波数の交流電
圧を印加すると、音響整合層7から超音波を放射することができ、逆に、超音波を受波すると、作動電極層5D,6Dと接地電極層5G,6Gとの間に、交流信号を発生する。
【0029】
音響整合層7は、シリカからなる薄い円板状とされ、超音波トランスデューサ5,6で発生する超音波の周波数に適合する厚みとされると共に、収容凹部1Sの底面をなす超音波透過外側面3B,4Bに当接して配置されている。
なお、音響整合層7と超音波透過外側面3B,4Bとの間には、図示しないが、グリス(例えば、シリコーングリス)を塗布してこれを介在させて、両者の密着性を保つようにすると良い。
【0030】
これら超音波トランスデューサ5,6は、音響整合層7および超音波透過壁部3,4を介して、流路2Rのうち測定路2RBに超音波(本実施例形態1では、周波数f=1.5MHz)を放射し、或いは測定路2RBからの超音波を受波するものであり、自身の軸線が、測定路2RBの軸線2RBXに一致するように、また、収容凹部1S内に配置されている。また、互いに内側を向いて対向し、超音波を放射/受波する超音波振動面5A,6Aが、測定路2RBの軸線2RBXに直交するように、配置されている。
この超音波流量計21では、超音波トランスデューサ5から放射された超音波を、超音波トランスデューサ6で受波するのと、これとは逆に超音波トランスデューサ6から放射された超音波を、超音波トランスデューサ5で受波するのとでは、送波から受波までの時間に差があり、その大きさが測定路2RB中を流れる液体Lの流速、従って流量の影響を受けることを利用して、液体Lの流量を検知する。
【0031】
図5に示すように、収容凹部1S内において、音響整合層7及び超音波トランスデューサ5,6の軸線2RBX方向の外側(図中、右下側)には、超音波トランスデューサ5,6よりも若干内径が大きく、外径が音響整合層7とほぼ同寸法の筒状で、銅からなるシールド筒8が配置される。従って、このシールド筒8は、超音波トランスデューサ5,6に当接することなく音響整合層7の環状の周縁部分に当接する。このシールド筒8は、基端面8Aから先端面8B側に延びるU字状の切り欠き部8Cが形成されている。さらに、このシールド筒8の基端面の外側(図中右下側)には、銅からなり円板状のシールド蓋9が、基端面8Aに当接して配置される。これにより、超音波トランスデューサ5,6は、それぞれ、音響整合層7、シールド筒8,及びシールド蓋9で囲まれて、トランスデューサ包囲体10を構成する。但し、この包囲体10は、シールド筒8に、切り欠き部8Cが形成されているので、各図において上方が開いた形態となる。
なお、この切り欠き部8Cには、後述するように、同軸レセプタクル13,14が配置される。
【0032】
また、超音波トランスデューサ5,6の作動電極5D,6Dには、図1〜図4に示すように、それぞれ信号リード線5L,6Lがハンダ付けされて、後述する同軸レセプタクル13,14の中心導体に接続している。
一方、超音波トランスデューサ5,6の接地電極5G,6Gの回り込み部5GR,6GR(図5参照)にそれぞれハンダ付けされた接地リード線5M,6Mは、シールド筒8にも接続されている。これにより、接地電極5G,6Gが、シールド筒8及びシールド蓋9と同電位とされる。さらに、シールド筒8と、同軸レセプタクル13,14の接地導体13G,14Gとが、コネクタ接地リード線8Lによって接続されている。
これにより、信号リード線5L,6Lは、いずれも接地された接地電極5G,6G、シールド筒8、シールド蓋9、及び同軸レセプタクル13,14の接地導体13G,14Gによって囲まれた空間内に配置されているので、この信号リード線5L,6Lの信号、特に超音波トランスデューサ5,6からの出力信号にノイズが重畳することを、効果的に防止できる。
なお、超音波トランスデューサ5,6の外側(図4中、右側)は、スポンジ状のバック材18で覆われて、外側への超音波の放射を抑制すると共に、信号リード線5L,6L、及び接地リード線5M,6Mを、このスポンジ状のバック材18で保持して、振動による折損を防止している。
【0033】
さらに、シールド蓋の外側(図5中、右下方向)には、それぞれ、スプリングワッシャ11を介して、押さえ蓋12が配置されており、この押さえ蓋12を収容凹部1Sに螺着し、スプリングワッシャ11によって、シールド蓋9,シールド筒8,及び音響整合層7を、それぞれ内側(図5中、右下方向)に向けて付勢することで、超音波透過壁部3,4と、音響整合層7とを、互いに密着させている。
【0034】
次いで、この超音波流量計21のうち、後述する接続体30,40の接続が可能に構成された、被接続部21A,21Bについて、図3,図4を参照して説明する。被接続部21A,21Bは、主として、流量計本体部材1に固着された同軸レセプタクル13,14と、この同軸レセプタクル13,14の周囲に形成された被接続側ネジ部1A,1Bとを含む。
【0035】
本実施形態1の同軸レセプタクル13,14は、レセプタクル固定ナット15を用いて、固着するネジ固定タイプのジャックレセプタクルであり、SMB仕様の同軸コネクタである。この同軸レセプタクル13,14は、流量計本体部材1において、収容凹部1Sに連通するように形成した挿通孔1Hに挿通し、レセプタクルワッシャ16とレセプタクル固定ナット15とを用いて、この挿通孔1Hに固定されてなる。これにより、同軸レセプタクル13,14の中心導体13C,14Cが、収容凹部1S内、従って、切り欠き部8Cを通して、シールド筒8内に突出する形態に保持される。
【0036】
一方、この同軸レセプタクル13,14のうち、先端部分(図中、上端部分)は、同軸プラグ33,43が結合する結合部13A,14Aである。本実施形態1では、この結合部13A,14Aよりも、同軸レセプタクル13,14のレセプタクル軸線CX1の径方向外側DQ1において、この結合部13A,14Aを囲むように、かつ、レセプタクル13,14と同芯に、即ちレセプタクル軸線CX1を軸芯として、円筒状の被接続側ネジ部1A,1Bが、形成されている。
なお、本実施形態1では、被接続側ネジ部1A,1Bに雄ネジが形成されている。
【0037】
次いで、接続体30,40について、図6,図7を参照して説明する。接続体30と40とは、同一の形態であるので、以下では、主として、接続体30について説明する。
この接続体30,40は、主として、カバー部材31と、同軸ケーブル32,42と、同軸プラグ33,43と、Oリング34と、筒部材35とからなる。
このうち、カバー部材31は、流量計本体部材21と同じく、耐熱性のあるフッ素樹脂(例えば、PFA)からなり、外形は、先端側(図6中、下方)が径大とされた、二段円柱形状である。さらに、この内部には、先端側に開口する二段円柱形状の凹部31Uが形成され、カバー部材31全体としては有底二段円筒形状とされている。即ち、開口31Pから見て、凹部31Uの奥側(基端側、図7中、上方)の内径DU1が、入口側(先端側、図7中、下方)の内径DU2よりも小さい形態とされている。
【0038】
但し、この凹部31Uの底面31VSをなす底部31Vには、その中心に、同軸ケーブル32の外径よりも、やや径大のケーブル貫通孔31Hが穿孔されている。また、凹部31Uをなす二段形状の側面31WSをなす筒部31Wのうち、径大の先端部分(図6中、下方)は、その内周に雌ネジが螺刻され、前述した被接続側ネジ部1A,1Bと螺合するカバーネジ部31Sが形成されている。
底部31Vから開口31Pを向く方向(図6,図7において、下方)を、開口方向DPとし、この逆の方向を奥方向DRとする。
【0039】
カバー部材31のケーブル貫通孔31Hには、遊嵌状に同軸ケーブル32,42が貫通している。この同軸ケーブル32,42は、外径DCであり、次述するSMB仕様の同軸プラグ33,43に適合する公知のフレキシブル同軸ケーブルである。具体的には、図示しないが、銅からなる芯線(内部導体)を中心として、ポリエチレンからなる絶縁体(誘導体)、銅線の編組(外部導体)、及びポリ塩化ビニルからなる保護被覆が、同軸に配置されたケーブルである。
【0040】
この同軸ケーブル32,42の先端部32Tには、同軸プラグ33,43がそれぞれ取り付けられている。この同軸プラグ33,43は、前述した同軸レセプタクル13,14とそれぞれ対をなし、この同軸レセプタクル13,14にそれぞれ結合可能な構成を有する、プラグ型のSMB同軸コネクタである。
この同軸プラグ33は、基端側(図6中、上方)で、同軸ケーブル32をカシメ固定しており、比較的小径(外径DP1)の基端小径部33K、先端部分に位置し、同軸レセプタクル13と結合する径大(外径DP3)な先端部33T、及び、これらの間に位置し、基端小径部33Kより径大(外径DP2)な中間径大部33Mからなる(図7参照)。
【0041】
さらに、図7に示すように、同軸ケーブル32,42には、Oリング34が外嵌しており、さらに、このOリング34と同軸プラグ33,43との間には、円筒形状の筒部材35が外嵌している。このうち、Oリング34は、フッ素ゴム(ゴム状弾性体)からなり、自由断面が直径DR1の円形で、円環形状(内径DR2,外径DR3)とされている。このOリング34の自由状態における内径は、同軸ケーブル32,42の外径DCと、ほぼ同じ(DR2≒DC)とされ、同軸ケーブル32,42に対し、Oリング34が、遊嵌状、あるいは緩嵌状にはめ込まれている。また、Oリング34の外径DR3は、カバー部材31の凹部31Uの奥側の内径DU1とほぼ同じ(DR3≒DU1)とされ、カバー部材31の凹部31Uの奥側に、Oリング34を、遊嵌状、あるいは緩嵌状にはめ込むことができる。
【0042】
また、筒部材35は、フッ素樹脂からなり、その内径DS1は、同軸プラグ33の基端小径部33Kの外径DP1よりやや大きく(DS1>DP1)、かつ、中間径大部33Mの外径DP2よりも径小(DS1<DP2)とされている。このため、この筒部材35は、同軸ケーブル32のみならず、同軸プラグ33のうち基端小径部33Kの周囲に外嵌可能な寸法とされている。
一方、この筒部材35の外径DS2は、カバー部材31の凹部31Uの奥方向DRの内径DU1よりも小さく(DS2<DU1)されている。このため、この筒部材35を、カバー部材31の凹部31Uの奥方向DRに遊挿可能とされている。
【0043】
接続体30,40では、各部材を前述の寸法としているので、図6に示すように、同軸プラグ33を、カバー部材31の凹部31U内に引き込むと、その中間径大部33Mに筒部材35の先端面(図6,図7中、下端面)35Tが係合する。さらに、筒部材35の基端面(図6,図7中、上端面)35Kが、Oリング34に当接すると共に、このOリング34が、カバー部材31の凹部31Uの底面31VS(底部31V)にも当接する。
逆に、この接続体30,40では、各部材を前述の寸法としているので、図7に示すように、同軸プラグ33をカバー部材31から容易に引き出すことができる。このため、前述の同軸レセプタクル13,14に同軸プラグ33,43を接続させる、あるいは脱着するに当たり、カバー部材31等が邪魔にならず、この同軸プラグ33,43を同軸レセプタクル13,14と容易に結合、あるいは脱着させることができる。
【0044】
なお、このカバー部材31の凹部31Uは、その開口31Pに連なり、相対的に径大(内径DU2)とされた入口部31UIと、相対的に径小(内径DU1)とされた奥部31UOとに分けられる。本実施形態1では、筒部31Wのうち、この入口部31UIと奥部31UOとの境界をなす段部31WDには、図6に示すように、フッ素樹脂からなる円環板状の滑りワッシャ37と、これに基端側(図6中、上側)が当接するカバー部Oリング36が配置されている。
【0045】
次に、接続体30,40と超音波流量計21の被接続部21A,21Bの接続について、図2,図6,図7を参照して説明する。先ず、カバー部材31から同軸プラグ33,43を引き出した状態(図7参照)において、同軸プラグ33,43を同軸レセプタクル
13,14にそれぞれ接続する。さらに、同軸プラグ33,43、筒部材35、及びOリング34を、カバー部材31の凹部31U内に納めるようにして、カバー部材31を回転させ、そのカバーネジ部31Sを、流量計本体部材1の被接続側ネジ部1A,1Bに螺合させる。
この状態では、カバー部材31のケーブル貫通孔31Hが、軸線CX1上に位置することとなる。このため、カバーネジ部31Sと流量計本体部材1の被接続側ネジ部1A,1Bにとの螺合(カバー部材31の回転)に際し、同軸ケーブル33に屈曲等の応力が掛からずに、螺合させることができる。
【0046】
また、Oリング34は、カバー部材31の凹部31Uの底面31VSに接して配置され、筒部材35が、同軸プラグ33のうちの基端側の基端径大部33Kを取り囲み、開口方向DPを向く先端面35Tで、同軸プラグ33の中間径大部33Mに当接する。これにより、筒部材35の基端面35Kで、Oリング34に当接して、このOリング34を底部31Vに向けて押圧する。
これにより、Oリング34とカバー部材31の底部31Vとが、Oリング34の全周にわたって、液密に圧接する。さらに、この押圧により、Oリング34は、開口方向DP(プラグ軸線CX2に沿う方向)に押しつぶされ、プラグ軸線CX2に直交する方向(図
2において左右方向)の厚みが増加する。これにより、Oリング34がカバー部材31の筒部31Wに、このOリング34の外周全周に亘って圧接する。さらに、Oリング34と同軸ケーブル32,42とが、Oリング34の内周全周に亘って液密に圧接する。
【0047】
本実施形態1では、上述の関係となるように、接続体30,40と、超音波流量計本体21の被接続部21Aとの寸法が構成されてなる。かくして、本実施形態1の超音波流量計接続構造体20では、同軸ケーブル32,42を一対の同軸コネクタ(同軸レセプタクル13,14及び同軸プラグ33,43)を用いて、超音波流量計21の被接続部21A,21Bに接続しながらも、同軸ケーブル32,42とケーブル貫通孔31Hとの間を通って、カバー部材31の凹部31U内へ液体が侵入するのを適切に防止することができる。
しかも、一対の同軸コネクタ(同軸レセプタクル13,14及び同軸プラグ33,43の結合とは別に、超音波流量計21の被接続部21A,21Bにおける被接続側ネジ部1A,1Bと接続体30,40のカバー部31との結合を行う。このため、一対の同軸コネクタ(同軸レセプタクル13,14及び同軸プラグ33,43同軸ケーブル用のプラグ、ジャック及びレセプタクル)には、市販、汎用の同軸コネクタ(本実施形態1では、SMBタイプ)を利用することができ、安価で信頼性が高く、接続部分でノイズ等が侵入し難い、高品質の接続ができる。
さらに、同軸レセプタクルに同軸プラグを結合させ、かつ、超音波流量計21の被接続部21A,21Bの被接続側ネジ部1A,1Bに接続体30,40のカバーネジ部31Sを螺合させた状態において、Oリング34は、筒部材35による押圧により、同軸ケーブル32,42及びカバー部材31の筒部31Wに圧接している。逆に、被接続部21A,21Bの被接続側ネジ部1A,1Bと接続体30,40のカバーネジ部31Sとの螺合を解いた場合には、Oリング34と同軸ケーブル32,42或いはカバー部材31の筒部31Wとの圧接が無くなる(或いは弱まる)。このため、同軸プラグ33,43及び同軸ケーブル32,42を、カバー部材31の凹部31Uから容易に引き出すことができ、この同軸プラグ33,43と同軸レセプタクル13,14との結合あるいは脱離を容易に行うことができる。
【0048】
しかも本実施形態1では、カバー部材31及び筒部材35をフッ素樹脂であるPTFEで形成し、Oリング34をフッ素ゴムからなるゴム状弾性体としている。このようにしているので、同軸プラグ33,43のうち筒部材35の先端面35Tに当接する中間径大部33Mと、筒部材35の先端面35Tとの間は、同軸レセプタクル13,14に同軸プラグ33,43を結合させ、かつ、被接続部21A,21Bの被接続側ネジ部1A,1Bに接続体30,40のカバーネジ部31Sを螺合させる際に、Oリング34と筒部材35の基端面35Kとの間に生じる摩擦力よりも、低い摩擦力が生じる低摩擦構造とされている。つまり、被接続部21A,21Bの被接続側ネジ部1A,1Bに接続体30,40のカバーネジ部31Sを螺合させる際に、筒部材35は、カバー部材31及びOリング34と共に回転する一方、同軸プラグ33,43の中間径大部33Mとの間で滑る。このため、カバー部材31の螺合の際に、Oリング34がよじれるなど、不要な変形を生じる虞がない。
【0049】
なお、本実施形態1では、このカバー部材31の筒部31Wのうち、段部31WDにカバー部Oリング36の他に、滑りワッシャ37を配置した。このため、カバー部材31を被接続側ネジ部1A,1Bに螺合した際に、この被接続側ネジ部1A,1Bの端面1AT,1BTと、カバー部Oリング36とが、液密に密着して、被接続側ネジ部1A,1B及びカバーネジ部31Sとの間を通じて進入する液体の、凹部31Uへの侵入を防止することができる。
また、被接続部21A,21Bの被接続側ネジ部1A,1Bと接続体30,40のカバーネジ部31Sを螺合させるにあたり、滑りワッシャ37とカバー部材の段部31WDとの間で滑りが生じて、カバー部Oリング36によじれが生じるのを、防止している。
【0050】
また、本実施形態1の超音波流量計接続構造体20では、スナップオン/プルオフタイプのSMBコネクタを用いているので、同軸レセプタクル13,14と同軸プラグ33,43との接続/脱離が容易である。また、この構造体20では、同軸レセプタクル13,14と同軸プラグ33,43との接続或いは脱離の際に、捻りの操作を行なわないので、同軸プラグ33,43の接続或いは脱離の際に、同軸レセプタクル13,14に捻り力が加わりにくく、このような外力による同軸レセプタクル13,14と同軸プラグ33,43との間の緩み、同軸プラグ33,43の変形などを防止できる。
【0051】
しかも、本実施形態1の超音波流量計接続構造体20では、筒部材35は、同軸レセプタクル13,14に同軸プラグ33,43を結合させ、かつ、被接続部21A,21Bの被接続側ネジ部1A,1Bに接続対30,40のカバーネジ部31Sを螺合させた状態において、自身の基端面35Kで、Oリング34を底部31Vに向けて押圧する。更にこれと共に、自身の先端面35Tで、同軸プラグ33,43の中間径大部33Mに当接し、これを開口方向DP、つまり、同軸レセプタクル13,14の側に押圧している。
このため、押された同軸プラグ33,43の中間径大部33Mと、同軸レセプタクル13,14との結合従って、同軸プラグ33,43及び同軸レセプタクル13,14が有する、中心導体同士の接続を、より安定させることができる。
【0052】
また、本実施形態1の超音波流量計接続構造体20は、同軸ケーブル32,42に電気的に接続される超音波トランスデューサ5,6を含んでいる。このため、超音波トランスデューサ5,6と外部との間で、この同軸ケーブル32,42を通じて、駆動電力や電気信号を適切やりとりすることができる上に、同軸コネクタ32の接続部分における防水を図ることができる。
【0053】
(実施形態2)
次いで、本発明の同軸ケーブル防水接続構造体に係る第2の実施形態を、図8〜図10を参照して説明する。本実施形態2の超音波センサ接続構造体(同軸ケーブル防水接続構造体)120は、被接続体である超音波センサ121と、これに接続する接続体130とからなる。
【0054】
先ず、被接続体である超音波センサ121について説明する。この超音波センサ121は、主として、センサケース101と、超音波トランスデューサ105を含んでこれを囲むトランスデューサ包囲体110と、同軸レセプタクル113とからなる。
このうち、センサケース101は、耐熱性を有するフッ素樹脂(例えば、PFA)からなり、図8及び図9に示すように、概略、有底円筒形状を有する。このセンサケース101は、主として、収容凹部101Sの底面をなす、円板状の底部である超音波透過部103と、側面をなす円筒形状の筒部104とからなり、この筒部104の端面104T近傍は、雄ネジが形成された被接続側ネジ部104Aとされている。
なお、このセンサケース101の被接続側ネジ部104Aと、同軸レセプタクル113とは、後述する接続体130の接続が可能に構成された、被接続部121Aに相当する。
【0055】
このセンサケース101内には、超音波透過部103に接するように、トランスデューサ包囲体110が当接して配置されている。このトランスデューサ包囲体110内には、円板状の超音波トランスデューサ105が収容され、銅からなる有底円筒状のシールドケース108の底部108Vに、図示しない接着剤を介して接着されている。
超音波トランスデューサ105は、円板状の圧電セラミックからなり、その両面に、銀からなる電極層105D,105Gが形成されており、その一方である接地電極層105G(図中、下層)が、シールドケース108の底部108Vに貼り付けられている。一方、これとは逆側の作動電極層105Dは、信号リード線105Lを通じて、後述する同軸レセプタクル113の中心導体113Cに接続している。
【0056】
なお、本実施形態2では、前述の実施形態1におけるトランスデューサ5,6とは異なり、接地電極層105Gに、回り込み部は形成していない。銅からなるシールドケース108(その底部108V)に接地電極層105Gを当接させ、両者を導通させるからである。この超音波トランスデューサ105も、作動電極層105Dと接地電極層105Gとの間に、所定周波数の交流電圧を印加すると、底部108V及び超音波透過部103を通じて、図8中、下方に、放射超音波USEを放射することができ、逆に、受波超音波USRを受波すると、作動電極層105Dと接地電極層105Gとの間に、交流信号を発生する。
また、シールドケース108の底部108Vと、超音波透過部103との間には、図示しないが、グリス(例えばシリコーングリス)を塗布して、両者の密着性を保つようにすると良い。
さらに、本実施形態2では、後述するように、筒部材135で同軸プラグ133を開口方向DPに押圧することに伴って、同軸レセプタクル113及びトランスデューサ包囲体110(具体的には、シールド蓋109及びシールドケース108)も、開口方向(図中、下方)に押圧される。このため、シールドケース108の底部108Vと超音波透過部103との間の密着も高められる利点も得られる。
【0057】
この超音波センサ121は、上述したように、超音波トランスデューサ105、シードケース108の底部108V、および超音波透過部103を介して、超音波透過部103の図中下方に向けて、放射超音波USEを放射することができ、或いは、受波超音波USRを受波することができることから、空中超音波或いは水中超音波を用いた、超音波センサとして利用することができる。
【0058】
なお、この超音波センサ121において、シールドケース108の筒部108Wの開口には、これを閉塞する円板状のシールド蓋109が被せられ、溶接部108Mで互いに溶接されている。
このシールド蓋109の中央には、貫通孔109Hが穿孔されており、実施形態1と同様、ネジ固定タイプのジャックレセプタクルである同軸レセプタクル113が、この挿通孔109Hに挿通され、レセプタクルワッシャ116とレセプタクル固定ナット115とを用いて、この挿通孔109Hに固定されている。これにより、同軸レセプタクル113の中心導体113Cが、トランスデューサ包囲体110内、従って、貫通孔109Hを通して、シールドケース108内に突出する形態に保持される。前述したように、中心導体113Cは、信号リード線105Lを通じて、超音波トランスデューサ105の作動電極層105Dに電気的に導通している。
さらに、このシールドケース108、シールド蓋109、及び、同軸レセプタクル113の接地導体113Gは互いに導通する。このため、接地電極層105Gは、シールドケース108及びシールド蓋109を通じて、同軸レセプタクル113の接地導体113Gにも導通している。また、このトランスデューサ包囲体110をなす、シールドケース108、シールド蓋109、及び、同軸レセプタクル113で、内部に配置した超音波トランスデューサ105を電磁的に取り囲んでいるので、例えば、超音波トランスデューサ105に発生した微弱な超音波信号を電磁ノイズに影響されることなく、同軸コネクタ113及び同軸ケーブル132を通じて、外部に伝送することができる。
加えて、シールドケース108の底部108Vと超音波透過部103との間には、図示しないが、グリス(シリコーングリス)を塗布して、両者の密着性を保つようにすると良い。
【0059】
一方、この同軸レセプタクル113のうち、先端部分(図中、上端部分)は、後述する同軸プラグ133が結合する結合部113Aである。本実施形態2では、この結合部113Aよりも、同軸レセプタクル113のレセプタクル軸線CX1の径方向外側DQ1において、この結合部113Aを囲むように、かつ、レセプタクル113と同芯に、即ちレセプタクル軸線CX1を軸芯として、円筒状の被接続側ネジ部101Aが、形成されている。
なお、本実施形態2でも、被接続側ネジ部101Aに雄ネジが形成されている。
【0060】
次いで、接続体130について、図10を参照して説明する。
この接続体130は、実施形態1における接続体30と、近似した形態を有している。即ち、接続体130は、主として、カバー部材131と、同軸ケーブル132と、同軸プラグ133と、Oリング134と、筒部材135とからなる。
このうち、カバー部材131は、センサケース101と同じく、耐熱性のあるフッ素樹脂(例えば、PFA)からなり、外形は、先端側(図10中、下方)が径大とされた、二段円柱形状である。さらに、この内部には、先端側に開口する二段円柱形状の凹部131Uが形成され、カバー部材131全体としては有底二段円筒形状とされている。即ち、開口131Pから見て、凹部31Uの奥側(基端側、図10中、上方)が、入口側(先端側、図10中、下方)よりも小さい形態とされている。
【0061】
但し、この凹部131Uの底面131VSをなす底部131Vには、その中心に、同軸ケーブル132の外径よりも、やや径大のケーブル貫通孔131Hが穿孔されている。また、凹部131Uをなす二段形状の側面131WSをなす筒部131Wのうち、径大の先端部分(図6中、下方)は、その内周に雌ネジが螺刻され、前述した被接続側ネジ部104Aと螺合するカバーネジ部131Sが形成されている。
また、本実施形態2では、底部131Vから開口131Pを向く方向(図10において、下方)を、開口方向DPとし、この逆の方向を奥方向DRとする。
【0062】
カバー部材131のケーブル貫通孔131Hには、遊嵌状に同軸ケーブル132が貫通している。この同軸ケーブル132も、外径DCで、SMB仕様の同軸プラグ133に適合する公知のフレキシブル同軸ケーブルである。
この同軸ケーブル132の先端部132Tには、同軸プラグ133が取り付けられている。この同軸プラグ133は、前述した同軸レセプタクル113と対をなし、この同軸レセプタクル113に結合可能な構成を有する、プラグ型のSMB同軸コネクタである。
この同軸プラグ133も、実施形態1と同様、基端小径部33K、先端部33T、及び、これらの間に位置する中間径大部33Mからなる(図10参照)。
【0063】
さらに、同軸ケーブル132には、Oリング134が外嵌しており、このOリング134と同軸プラグ133との間には、円筒形状の筒部材135が外嵌している。Oリング134も、フッ素ゴム(ゴム状弾性体)からなり、同軸ケーブル132に対し、遊嵌状、あるいは緩嵌状にはめ込まれている。また、Oリング134は、カバー部材131の凹部131Uの奥側に、Oリング134を、遊嵌状、あるいは緩嵌状にはめ込むことができる寸法とされている。
【0064】
また筒部材135も、実施形態1と同様、フッ素樹脂からなり、同軸ケーブル132のみならず、同軸プラグ133のうち基端小径部33Kの周囲に外嵌可能な内径寸法とされている。また、筒部材135は、カバー部材31の凹部31Uの奥方向DRに遊挿可能な外径寸法とされている。
【0065】
接続体130では、各部材を前述の寸法としているので、図10に示すように、同軸プラグ133を、カバー部材131の凹部131U内に引き込むと、その中間径大部133Mに筒部材135の先端面(図10中、下端面)135Tが係合する。さらに、筒部材135の基端面(図10中、上端面)135Kが、Oリング134に当接すると共に、このOリング134が、カバー部材131の底部131Vにも当接する。
逆に、この接続体130では、各部材を前述の寸法としているので、同軸プラグ133をカバー部材131から容易に引き出すことができる。このため、実施形態1と同様、同軸プラグ133を同軸レセプタクル113と容易に結合、あるいは脱着させることができる。
【0066】
なお、実施形態1と同じく、カバー部材131の筒部131Wのうち、段部131WDには、フッ素樹脂からなる円環板状の滑りワッシャ137と、これに基端側が当接するカバー部Oリング136が配置されている。
【0067】
次に、接続体130と超音波センサ121の被接続部121Aとの接続について、図8を参照して説明する。先ず、カバー部材131から同軸プラグ133を引き出した状態で、同軸プラグ133を同軸レセプタクル113に接続する。さらに、同軸プラグ133、筒部材135、及びOリング134を、カバー部材131の凹部131U内に納めるようにして、カバー部材131を回転させ、そのカバーネジ部131Sを、センサケース101の被接続側ネジ部104Aに螺合させる。
すると、カバー部材131のケーブル貫通孔131Hが、軸線CX1上に位置するので、カバーネジ部131Sと被接続側ネジ部104Aとの螺合に際し、同軸ケーブル132に屈曲等の応力が掛からずに、螺合させることができる。
【0068】
また、Oリング134は、カバー部材131の凹部131Uの底面131VSに接して配置され、筒部材135が、同軸プラグ133の基端径大部133Kを取り囲み、開口方向DPを向く先端面135Tで、同軸プラグ133の中間径大部133Mに当接する。これにより、筒部材135の基端面135Kで、Oリング134に当接して底部31Vに向けて押圧する。
これにより、Oリング134とカバー部材131の底部131Vとが、Oリング134の全周にわたって、液密に圧接する。さらに、この押圧でOリング134が押しつぶされ、プラグ軸線CX2に直交する方向(図8において左右方向)の厚みが増加する。これにより、Oリング134が、カバー部材131の筒部131WにOリング134の外周全周に亘って圧接すると共に、Oリング134の内周全周に亘って液密に圧接する。
【0069】
本実施形態2でも、上述の関係となるように、接続体130と、超音波センサ121の被接続部121Aとの寸法が構成されてなる。かくして、本実施形態2の超音波センサ接続構造体120でも、同軸ケーブル132を一対の同軸コネクタ(同軸レセプタクル113及び同軸プラグ133)を用いて、超音波センサ121の被接続部121Aに接続しながらも、同軸ケーブル132とケーブル貫通孔131Hとの間を通って、カバー部材131の凹部131U内へ液体が侵入するのを適切に防止することができる。
しかも、一対の同軸コネクタ113,133の結合とは別に、超音波センサ121の被接続部121Aにおける被接続側ネジ部104Aと接続体130のカバー部131との結合を行う。このため、一対の同軸コネクタ113,133には、市販、汎用の同軸コネクタ(本実施形態2では、SMBタイプ)を利用することができ、安価で信頼性が高く、接続部分でノイズ等が侵入し難い、高品質の接続ができる。
さらに、同軸レセプタクル113に同軸プラグ133を結合させ、かつ、超音波センサ121の被接続部121Aの被接続側ネジ部104Aに接続体130のカバーネジ部131Sを螺合させた状態において、Oリング134は、筒部材135による押圧により、同軸ケーブル132及びカバー部材131の筒部131Wに圧接している。逆に、被接続部121Aの被接続側ネジ部104Aと接続体130のカバーネジ部131Sとの螺合を解いた場合には、Oリング134と同軸ケーブル132或いはカバー部材131の筒部131Wとの圧接が無くなる(或いは弱まる)。このため、同軸プラグ133及び同軸ケーブル132を、カバー部材131の凹部131Uから容易に引き出すことができ、この同軸プラグ133と同軸レセプタクル113との結合あるいは脱離を容易に行うことができる。
【0070】
また本実施形態2でも、カバー部材131及び筒部材135をフッ素樹脂であるPTFEで形成し、Oリング134をフッ素ゴムからなるゴム状弾性体としている。これにより、被接続部121Aの被接続側ネジ部104Aに接続体130のカバーネジ部131Sを螺合させる際に、Oリング134と筒部材135の基端面135Kとの間に生じる摩擦力よりも、同軸プラグ133の中間径大部133Mと筒部材135の先端面135Tとの間に生じる摩擦力が低くなる低摩擦構造が実現されている。つまり、被接続側ネジ部104Aにカバーネジ部131Sを螺合させる際に、筒部材135は、カバー部材131及びOリング134と共に回転する一方、同軸プラグ133の中間径大部133Mとの間で滑る。このため、カバー部材131の螺合の際に、Oリング134がよじれるなど、不要な変形を生じる虞がない。
【0071】
なお、本実施形態2でも、カバー部Oリング136により、液密に密着して、被接続側ネジ部1A,1B及びカバーネジ部31Sとの間を通じて進入する液体の、凹部31Uへの侵入を防止している。また、滑りワッシャ137を用いることで、滑りワッシャ137とカバー部材の段部131WDとの間で滑らせて、カバー部Oリング136によじれが生じるのを防止している。
【0072】
また、本実施形態2でも、スナップオン/プルオフタイプの同軸コネクタを用いているので、同軸レセプタクル113と同軸プラグ133との接続/脱離が容易である。また、この構造体120では、同軸レセプタクル113と同軸プラグ133との接続或いは脱離の際に、捻りの操作を行なわないので、捻り力による同軸レセプタクル113と同軸プラグ133との間の緩み、同軸プラグ133の変形などを防止できる。
【0073】
しかも、本実施形態2でも、筒部材135の基端面35Kで、Oリング34を底部31Vに向けて押圧すると共に、自身の先端面35Tで、同軸プラグ33,43の中間径大部33Mに当接し、開口方向DPつまり同軸レセプタクル113の側に押圧している。
このため、押された同軸プラグ133と同軸レセプタクル113の、中心導体同士の接続をより安定させることができる。
【0074】
また、本実施形態2の超音波センサ接続構造体120は、同軸ケーブル132に電気的に接続される超音波トランスデューサ105を含んでいる。このため、超音波トランスデューサ105と外部との間で、この同軸ケーブル132を通じて、駆動電力や電気信号を適切やりとりすることができる上に、同軸コネクタ132の接続部分における防水を図ることができる。
【0075】
(変形形態)
本実施形態1では、流路20をコ字状とし、測定路2RBが延びる測定路軸線2RBXと、同軸レセプタクル13,14のなすレセプタクル軸線CX1とが直交する形態に、同軸レセプタクル13,14及び接続体30,40を配置する形態の超音波流量計接続構造体20を示した。
これに対し、本変形形態では、実施形態2で示したトランスデューサ包囲体110及び接続体130と同様なものを用い、測定路の測定路軸線と、同軸レセプタクルのなすレセプタクル軸線CX1とが一致する形態に、同軸レセプタクル及び接続体を配置する形態の超音波流量計接続構造体220を示す。
なお、実施形態1或いは実施形態2に記載したのと同様な内容については、説明を省略或いは簡略化する。
【0076】
本変形形態の超音波流量計接続構造体(同軸ケーブル防水接続構造体)220(図11、図12及び図10参照)は、被接続体である超音波流量計221と、これに接続する接続体130とからなる。
先ず、被接続体である超音波流量計221について説明する。この超音波流量計221は、主として、流量計本体部材201、及び、超音波トランスデューサ105を含んでこれを囲むトランスデューサ包囲体110と、同軸レセプタクル113とからなる。
このうち、流量計本体部材201は、フッ素樹脂(例えば、PFA)からなり、図11に示すように、図中左右方向に長い形態を有する。この流量計本体201内には、流路壁部202により、流路202Rが構成されている。具体的には、図中左右方向に長く延びる測定路2RBと、この左右に接続しクランク状に屈曲して延びる導入路202RA,202RCとからなる流路202Rが構成されている。この流路202Rには、液体Lが矢印で示すように流通される。
【0077】
この流量計本体部材201の流路壁部202のうち、測定路202RBの測定路軸線202RBXに直交する部位は、次述する超音波透過壁部203,204とされている。この超音波透過壁部203,204は、図12に示すように、それぞれ流路202Rに面する超音波透過流路面203A,204Aと、これの裏面にあたり、外側(図中、左あるいは右方向)を向く超音波透過外側面203B,204Bとをなす、円板形状を有している。流量計本体部材201のうち、この超音波透過壁部203,204の軸線202RBX方向の外側(図11中、超音波透過壁部203の右側、超音波透過壁部204の左側)には、超音波トランスデューサ105及びこれを包囲するトランスデューサ包囲体110を収容する収容凹部201S,201Sが形成されており、上述した超音波透過外側面203B,204Bが、この収容凹部201S,201Sにそれぞれ面している。
【0078】
この収容凹部201S内のうち、超音波透過外側面203B,204Bには、実施形態2で説明したトランスデューサ包囲体110(図9参照)がそれぞれ接して配置されている。即ち、トランスデューサ包囲体110内には、円板状の超音波トランスデューサ105が収容され、銅からなる有底円筒状のシールドケース108の底部108Vに、図示しない接着剤を介して接着されている。
超音波トランスデューサ105は、円板状の圧電セラミックからなり、その両面に、銀からなる電極層105D,105Gが形成されており、その一方である接地電極層105G(図中、下層)が、シールドケース108の底部108Vに貼り付けられている。
【0079】
なお、このトランスデューサ包囲体110において、シールドケース108の筒部108Wの開口には、これを閉塞する円板状のシールド蓋109が被せられ、溶接部108Mで互いに溶接されている。
このシールド蓋109の中央には、貫通孔109Hが穿孔されており、同軸レセプタクル113が、この挿通孔109Hに挿通され、レセプタクルワッシャ116とレセプタクル固定ナット115とを用いて、この挿通孔109Hに固定されている。これにより、同軸レセプタクル113の中心導体113Cが、トランスデューサ包囲体110内、従って、貫通孔109Hを通して、シールドケース108内に突出する形態に保持される。中心導体113Cは、信号リード線105Lを通じて、超音波トランスデューサ105の作動電極層105Dに電気的に導通している。
さらに、このシールドケース108、シールド蓋109、及び、同軸レセプタクル113の接地導体113Gは互いに導通する。このため、接地電極層105Gは、シールドケース108及びシールド蓋109を通じて、同軸レセプタクル113の接地導体113Gにも導通している。また、このトランスデューサ包囲体110では、シールドケース108、シールド蓋109、及び、同軸レセプタクル113で、内部に配置した超音波トランスデューサ105を電磁的に取り囲んでいるので、例えば、超音波トランスデューサ105に発生した微弱な超音波信号を、電磁ノイズに影響されることなく、同軸コネクタ113,133及び同軸ケーブル132を通じて、外部に伝送することができる。
加えて、シールドケース108の底部108Vと超音波透過外側面203B,204Bとの間には、図示しないが、グリス状のシリコーンゲルを塗布したり、ゲル状弾性体(例えば、シリコーンゲルシート)を介在させて、両者の密着性を保つようにすると良い。
【0080】
一方、この同軸レセプタクル113のうち、先端部分(図12中、上端部分)は、後述する同軸プラグ133が結合する結合部113Aである(図9参照)。本変形形態では、流量計本体部材201において、この結合部113Aよりも同軸レセプタクル113のレセプタクル軸線CX1の径方向外側DQ1に、この結合部113Aを囲むように、かつ、レセプタクル113と同芯に、即ちレセプタクル軸線CX1を軸芯として、円筒状の被接続側ネジ部201A,201Bを形成している。
【0081】
次に、接続体130と超音波流量計221の被接続部221A,221Bとの接続について、図12を参照して説明する。
なお、接続体130については、既に、実施形態1において、説明したのと同様であるので、記載を省略する。
先ず、カバー部材131から同軸プラグ133を引き出した状態で、同軸プラグ133を同軸レセプタクル113に接続する。さらに、同軸プラグ133、筒部材135、及びOリング134を、カバー部材131の凹部131U内に納めるようにして、カバー部材131を回転させ、そのカバーネジ部131Sを、流量計本体部材201の被接続側ネジ部201A,201Bにそれぞれ螺合させる。
すると、カバー部材131のケーブル貫通孔131Hが、それぞれ軸線CX1上に位置するので、カバーネジ部131Sと被接続側ネジ部201A,201Bとの螺合に際し、同軸ケーブル132に屈曲等の応力が掛からずに、螺合させることができる。
【0082】
また、Oリング134は、実施形態2と同じく、カバー部材131の凹部131Uの底面131VSに接して配置され、筒部材135が、同軸プラグ133の基端径大部133Kを取り囲み、開口方向DPを向く先端面135Tで、同軸プラグ133の中間径大部133Mに当接する。これにより、筒部材135の基端面135Kで、Oリング134に当接して底部31Vに向けて押圧する。
これにより、Oリング134とカバー部材131の底部131Vとが、Oリング134の全周にわたって、液密に圧接する。さらに、この押圧でOリング134が押しつぶされ、プラグ軸線CX2に直交する方向(図8において左右方向)の厚みが増加する。これにより、Oリング134が、カバー部材131の筒部131WにOリング34の外周全周に亘って圧接すると共に、Oリング34の内周全周に亘って液密に圧接する。
【0083】
かくして、本変形形態でも、上述の関係となるように、接続体130と、超音波流量計本体221の被接続部221Aとの寸法が構成されてなる。かくして、本変形形態の超音波流量計接続構造体220でも、同軸ケーブル132,132をそれぞれ一対の同軸コネクタ(同軸レセプタクル113及び同軸プラグ133)を用いて、超音波流量計221の被接続部221A,221Bに接続しながらも、同軸ケーブル132,132とケーブル貫通孔131Hとの間を通って、カバー部材131の凹部131U内へ液体が侵入するのを適切に防止することができる。
その他、実施形態1或いは実施形態2と同様の効果をえることができる。
【0084】
以上において、本発明を実施形態1,2および変形形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態1及び変形形態では、超音波流量計として使用する場合に、超音波トランスデューサ5,6,105が、測定路2RBの軸線2RBX(202RBX)にそれぞれ直交し、互いに対向する形態に、超音波トランスデューサ5,6,105を配置した例を示した。
しかし、測定路2RBの軸線2RBXと、超音波振動面5Aと超音波振動面6Aとを結ぶ軸線とが斜交するように、超音波トランスデューサ5,6を配置するようにしても良い。
【0085】
また、実施形態1,2および変形形態では、超音波トランスデューサを用いる接続構造体について例示したが、他の素子や電子装置における同軸ケーブル防水接続構造体に適用しても良いことは、明らかである。
さらに、ジャックレセプタクルとして、自身にネジ部を形成し、レセプタクル固定ナットを用いて、これを固定するタイプのレセプタクルを用いた例を示した。しかし、他の形態のレセプタクルを用いても良い。
また、一対の同軸コネクタとして、被接続体(超音波流量計21,221、超音波センサ121)にジャックレセプタクルを、他方(接続体30,40,130)にプラグを用いた例を示した。しかし、ジャックレセプタクルに代えてプラグレセプタクルを用い、プラグに代えてジャックを用いることも出来る。また、信号リード線5L、接地リード線5Gに代えて同軸ケーブルの芯線と編粗を用い、レセプタクルに代えてパネルジャックを用いることもできる。
【符号の説明】
【0086】
L 液体(流体)
20,220 超音波流量計接続構造体(同軸ケーブル防水接続構造体)
120 超音波センサ接続構造体(同軸ケーブル防水接続構造体)
21,221 超音波流量計(被接続体)
121 超音波センサ(被接続体)
21A,21B,121A,221A 被接続部
1,201 流量計本体部材
1A,1B,201A,201B 被接続側ネジ部
1AT,1BT (被接続側ネジ部の)端面
1H 挿通孔
2,202 流路壁部
2R,202R (流路壁部で構成される)流路
3,4,203,204 超音波透過壁部
101 センサケース
103 超音波透過部
104 筒部
104A 被接続側ネジ部
104T (筒部の)端面
5,6,105 超音波トランスデューサ
13,14,113,213,214 同軸レセプタクル(接栓座)
13A,14A,113A 同軸プラグとの結合部(接栓との結合部)
CX1 レセプタクル軸線(接栓座軸線)
DQ1 (レセプタクル軸線の)径方向外側
30,40,130 接続体
31,41,131 カバー部材
31U,131U (カバー部材の)凹部
31V,131V (凹部の)底部
31VS,131VS (凹部の)底面
31W,131W (凹部の)筒部
31WS,131WS (凹部の)側面
31P,131P (凹部の)開口
DP 開口方向
DR 奥方向(開口方向の逆方向)
31S,131S カバーネジ部
31H,131H ケーブル貫通孔
32,42,132 同軸ケーブル
32T,132T (同軸ケーブルの)先端部
33,43,133 同軸プラグ(接栓)
33K,133K (同軸プラグの)基端小径部
33T,133T (同軸プラグの)先端部
33M,133M (同軸プラグの)中間径大部
CX2 プラグ軸線(接栓軸線)
34,134 Oリング(弾性封止部材)
35,135 筒部材
35K,135K 基端面
35T,135T 先端面(開口方向面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸ケーブルを保持する接続体を、被接続体の被接続部に接続してなる同軸ケーブル接続構造体であって、
上記被接続体の上記被接続部は、
上記被接続体に固着されてなり、一対の同軸コネクタの一方をなす接栓座と、
少なくとも上記接栓座のうち、上記一対の同軸コネクタの他方をなす接栓との結合部よりも、上記接栓座がなす接栓座軸線の径方向外側に、環状で、上記接栓座と同芯にネジが形成された被接続側ネジ部と、
を有し、
上記接続体は、
凹部を構成する有底筒状をなし、
上記凹部の底面をなす底部に上記同軸ケーブルが遊嵌状に貫通するケーブル貫通孔が穿孔されてなり、
上記凹部の側面をなす筒部に、上記被接続体の上記被接続側ネジ部と螺合するネジを形成したカバーネジ部を有する
カバー部材と、
上記底部から上記凹部の開口を向く方向を開口方向、この逆を逆方向としたとき、
上記ケーブル貫通孔を貫通し、自身の先端部が上記凹部の上記底部よりも上記開口方向に位置する上記同軸ケーブルと、
上記同軸ケーブルの上記先端部に取付けられた上記接栓と、
環状の弾性材からなり、上記同軸ケーブルのうち、上記カバー部材の上記ケーブル貫通孔と上記接栓との間に位置する部位に挿通されてなる弾性封止部材と、
両端が開放された筒形状をなす筒部材と、
を有し、
上記接栓座に上記接栓を結合させ、かつ、上記被接続部の上記被接続側ネジ部に上記接続体の上記カバーネジ部を螺合させた状態において、
上記弾性封止部材が、上記カバー部材の上記凹部の上記底面に接して配置され、
上記筒部材が、
上記接栓のうち少なくとも基端側の一部の周囲を取り囲み、
上記開口方向を向く開口方向面で、上記被接続体、上記接栓座、または上記接栓の少なくともいずれかに当接すると共に、上記開放方向と逆方向を向く基端面で、上記弾性封止部材に当接して、上記弾性封止部材を上記底部に向けて押圧し、
上記筒部材による上記弾性封止部材の押圧により、
上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記底部とが、上記弾性封止部材の全周に亘って液密に圧接し、
上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記筒部とが、上記弾性封止部材の外周全周に亘って圧接し、
上記弾性封止部材と上記同軸ケーブルとが、上記弾性封止部材の内周全周に亘って液密に圧接する形態に、
上記接続体及び上記被接続体の上記被接続部が構成されてなる
同軸ケーブル防水接続構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の同軸ケーブル防水接続構造体であって、
前記被接続体、前記接栓座、及び前記接栓のうち前記筒部材の前記開口方向面に当接する部材と上記筒部材の上記開口方向面との間は、
上記接栓座に上記接栓を結合させ、かつ、前記被接続部の前記被接続側ネジ部に前記接続体の前記カバーネジ部を螺合させる際に、前記弾性封止部材と上記筒部材の前記基端面との間に生じる摩擦力よりも、
低い摩擦力が生じる低摩擦構造とされてなる
同軸ケーブル防水接続構造体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の同軸ケーブル防水接続構造体であって、
前記一対の同軸コネクタは、スナップオン/プルオフタイプの同軸コネクタである
同軸ケーブル防水接続構造体。
【請求項4】
請求項3に記載の同軸ケーブル防水接続構造体であって、
前記筒部材は、
前記接栓座に前記接栓を結合させ、かつ、前記被接続部の前記被接続側ネジ部に前記接続体の前記カバーネジ部を螺合させた状態において、
自身の前記基端面で、前記弾性封止部材を前記底部に向けて押圧すると共に、
自身の前記開口方向面で、上記接栓に当接し、上記接栓を前記接栓座側に押圧してなる
同軸ケーブル防水接続構造体。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の同軸ケーブル防水接続構造体であって、
前記被接続体は、前記同軸ケーブルに電気的に接続される超音波トランスデューサを含む
同軸ケーブル防水接続構造体。
【請求項6】
同軸ケーブルを保持してなり、被接続体の被接続部に接続して、上記被接続体と共に、同軸ケーブル接続構造体を構成する接続体であって、
上記被接続体の上記被接続部は、
上記被接続体に固着されてなり、一対の同軸コネクタの一方をなす接栓座と、
少なくとも上記接栓座のうち、上記一対の同軸コネクタの他方をなす接栓との結合部よりも、上記接栓座がなす接栓座軸線の径方向外側に、環状で、上記接栓座と同芯にネジが形成された被接続側ネジ部と、
を有してなり、
上記接続体は、
凹部を構成する有底筒状をなし、
上記凹部の底面をなす底部に上記同軸ケーブルが遊嵌状に貫通するケーブル貫通孔が穿孔されてなり、
上記凹部の側面をなす筒部に、上記被接続体の上記被接続側ネジ部と螺合するネジを形成したカバーネジ部を有する
カバー部材と、
上記底部から上記凹部の開口を向く方向を開口方向、この逆を逆方向としたとき、
上記ケーブル貫通孔を貫通し、自身の先端部が上記凹部の上記底部よりも上記開口方向に位置する上記同軸ケーブルと、
上記同軸ケーブルの上記先端部に取付けられた上記接栓と、
環状の弾性材からなり、上記同軸ケーブルのうち、上記カバー部材の上記ケーブル貫通孔と上記接栓との間に位置する部位に挿通されてなる弾性封止部材と、
両端が開放された筒形状をなす筒部材と、
を有し、
上記接栓座に上記接栓を結合させ、かつ、上記被接続部の上記被接続側ネジ部に上記接続体の上記カバーネジ部を螺合させた状態において、
上記弾性封止部材が、上記カバー部材の上記凹部の上記底面に接して配置され、
上記筒部材が、
上記接栓のうち少なくとも基端側の一部の周囲を取り囲み、
上記開口方向を向く開口方向面で、上記被接続体、上記接栓座、または上記接栓の少なくともいずれかに当接すると共に、
上記開放方向と逆方向を向く基端面で、上記弾性封止部材に当接して、上記弾性封止部材を上記底部に向けて押圧し、
上記筒部材による上記弾性封止部材の押圧により、
上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記底部とが、上記弾性封止部材の全周に亘って液密に圧接し、
上記弾性封止部材と上記カバー部材の上記筒部とが、上記弾性封止部材の外周全周に亘って圧接し、
上記弾性封止部材と上記同軸ケーブルとが、上記弾性封止部材の内周全周に亘って液密に圧接する形態に、
上記被接続体の上記被接続部と共に構成されてなる
接続体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−38438(P2012−38438A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174877(P2010−174877)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】