説明

吸入用粉体組成物

薬剤の微細粒子および力制御剤の粒子を有する吸入用薬理粉体であって、上記力制御剤の粒子は活性粒子の表面上に粒子被覆、または連続もしくは不連続フィルムのいずれかとして配置されている吸入用薬理粉体。この粉体は薬剤粒子を支持するためにキャリア材料の粒子をさらに含んでよい。上記力制御剤は、アミノ酸、0.2〜1000KDaの分子量を有するペプチドおよびポリペプチド;リン脂質;二酸化チタン;二酸化アルミニウム;二酸化シリコン;デンプン;および脂肪酸の塩から選択され得る。さらに、力制御剤と1種以上の薬理的に活性な材料とを混合して上記活性粒子の表面上に上記力制御剤の粒子が粒子被覆、または連続もしくは不連続フィルムのいずれかとして配置された混合物を得る工程を包含するこのような吸入用粉体を製造する方法が開示される。この混合工程は、1種以上の薬理的に活性な材料と力制御剤の粒子とを篩い、混合もしくはブレンドし、微細化および/または共微細化することにより達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乾式粉体吸入器(DPI)に用いる粉体処方物に関し、そのような粉体処方物を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体処方物は典型的には、約1〜10μの平均空力学的直径を有する小さい薬剤粒子とその薬剤粒子のためのより粗いキャリア材料との二成分混合物から成る。通常これらの成分は一緒にブレンドされて、より微細な薬剤粒子がキャリア粒子に強く接着しているいわゆる「相互作用混合物」を形成する。相互作用混合物を使用することで、粉体は、製造の際、および粉体をDPIデバイスに充填する際により取り扱いが容易になる。加えて、この微細な薬剤粒子はキャリア粒子の表面上に比較的分散された状態で維持される。
【0003】
DPIを作動させる場合、微細な薬剤粒子は、患者の気道内に深く吸入されるためにキャリア粒子から分離されるべきである。薬剤物質およびキャリア材料の性質に依存して、接着の強度は強かったり弱かったりする。接着の強度が強すぎると、キャリア粒子からの微細な薬剤粒子の分離が非常に低くなり、DPIから射出された投与量の微粒子の画分が非常に低くなり、効果がなくなる。粉体技術者は、取り扱いおよび保存の間は相互作用混合物が一緒に保たれる優れた接着力を有し、しかしながら、DPIの作動の際には、薬剤が微細な吸入可能な粒子に効果的および再現可能に再分散されるのを妨げるほど強くない接着の品質を有する相互作用混合物を製造するためにこの接着力に影響を与えることができるいくつかの手段を開発してきた。
【0004】
かかる方法の1つは混合物中に第3の成分を用いることである。かかる第3の成分は、業界では力制御剤または抗接着添加剤としばしば呼ばれる。米国特許第6,521,260号には、相互作用混合物中にかかる添加剤を使用することが議論されている。ここに述べられている添加剤には、アミノ酸、たとえばロイシン、イソロイシン、リジン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、およびアスパルテームまたはアセスルファムKのようなそれらの誘導体の塩;0.25〜1000KDaの分子量を有するペプチドおよびポリペプチド、およびそれらの誘導体;およびリン脂質またはそれらの誘導体、たとえばレシチン、より詳しくは大豆レシチン;タルク;二酸化チタン;二酸化アルミニウム;二酸化シリコン;およびデンプンが含まれる。
【0005】
その他の非常に有用な力制御剤は、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルシン酸、ベヘン酸、またはこれらの誘導体(たとえばエステルおよび塩)である。かかる材料の具体例は、マグネシウムステアレート;カリウムステアリルフマレート;ナトリウムステアリルラクチレート;ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロールおよび天然および合成の肺表面活性剤の他の例;リポソームの処方物;ラウリン酸およびその塩、たとえばナトリウムラウリルスルフェート、マグネシウムラウリルスルフェート;ディンサン(Dynsan)118およびクチナ(Cutina)HRのようなトリグリセリド;および糖エステルが一般的である。
【0006】
特に有用な添加剤はマグネシウムステアレートである。相互作用混合物にマグネシウムステアレートを使うことは米国特許第6,645,466号の主題である。
【0007】
通常、相互作用混合物は混合もしくはブレンド法より形成される。典型的な操作は、微細化された薬剤物質と粉化されたキャリア材料とを混合する工程を含む。通常は、キャリア材料は前処理され、たとえば、粉体は予備ブレンドされてその表面構造および結果としてその表面エネルギーが変更され、上記接着力を調節する試みがなされる。第3の成分が用いられる場合は、典型的には、それによりキャリアが処理され、そのことによってもまたキャリア粒子の表面エネルギーが影響される。
【0008】
米国特許第6,528,096号には乾燥粉体中にマグネシウムステアレートを使用することの利点が教示されている。具体的には、これを用いてキャリア粒子の表面特性を変化させることができ、そのことにより、乾燥粉体処方物の特性が向上する。この文献には、マグネシウムステアレートで表面が被覆されたキャリア粒子と射出された投与量の呼吸可能な画分(微粒子画分)との間の「有利な関係」が報告されている。この発明を実施するのに重要なことは、キャリア粒子の表面の10%を上回るマグネシウムステアレートの連続被覆を確保する必要があることである。この必要な被覆は、キャリアおよびマグネシウムステアレートを従来通りブレンドすることによって行うことができ、または、より高いせん断力を印加する混合技術を用いてもよい。高せん断混合によれば、約0.5時間以内に必要な被覆が達成される。しかしながら、従来の混合法を用いる場合は、2時間を越える混合時間が必要であると当業者は明確に教示している。The Journal of Aerosol Medicine、11巻、3号、1998年、143〜152頁において、米国特許第6,528,096号の発明者は、ラクトース粒子を0.25%のマグネシウムステアレートで前処理することにより、分解、すなわち充填、輸送または使用中における薬剤とキャリア粒子との分離、を引き起こすことなく、ベクロメタゾンジプロピオネートの脱凝集が著しく向上したことを教示している。
【0009】
Pharmaceutical Research、14巻、11号(補充)、1997年、S−142〜S−143頁には、そのうちの一人が米国特許第6,528,096号の発明者である著者が、マグネシウムステアレートは、静電気引力を減少するという提案された機構による、効果的な不安定化剤であることが見出されたと教示している。
【0010】
マグネシウムステアレートがキャリア粒子をある程度被覆し、そのことで粒子の表面特性が変化することに基づいて、マグネシウムステアレートを使用することにより何らかの有利な特性が誘導されることが、先行技術から明らかである。この点に関し、当業者は射出される投与量の微粒子画分に有利な影響を与えるためには、キャリア粒子がマグネシウムステアレートの連続または不連続表面被覆を得るべきであることが教示される。この結果を達成するためにある種の混合技術が教示される。それには、マグネシウムステアレートおよびキャリア材料の高エネルギー混合または長時間低エネルギー混合が含まれる。その他の示唆には、高エネルギー粉砕または混合を含むキャリア処理工程と結合した低エネルギーブレンドの組合せが含まれる。更に、Pharmazie、60、339〜344(2005)において、ワグナー(Wagner)らは、相互作用混合物の接着現象の研究において、薬剤とキャリアとの相互作用のエネルギー論は薬剤と薬剤との相互作用と良好に比較しうると述べている。このことは、微細な薬剤粒子の球体は、隣接する薬剤粒子の球体−球体間接触と比較して非常に大きなキャリア粒子の表面と、より強力な接触(本質的に、球体−プレート間接触)を有することに基づいて合理的に説明される。実際、彼は、研究した混合物中に薬剤−薬剤間凝集体が観察されなかったと報告している。
【0011】
要するに、先行技術は相互作用混合物の接着の問題を認識し、キャリア材料の表面特性が第3の成分で被覆もしくは部分的に被覆することにより機械的にまたは化学的に改変されるべきであることを示唆している。従来技術には、微細な薬剤粒子の表面特性を改変することは示唆されていない。相対的に見て、薬剤−薬剤間相互作用は、実際にエネルギー的に好ましくなく思え、従来技術において薬剤粒子の表面特性を処理するよりもむしろキャリア粒子の処理に関心が集まったことは当然である。しかしながら、出願人は、第3の成分で表面が被覆されたキャリア粒子が必ずしも相互作用混合物の良好な混合均一性を保障するものではないことを見出した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
驚くべきことに、出願人は、キャリア粒子とブレンドして相互作用混合物を形成する前に微細薬剤粒子を力制御剤で前処理した場合に、微細な薬剤粒子とキャリア粒子との相互作用混合物から成る粉体処方物が得られることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明の第1の局面では、微細な薬剤粒子、および要すれば該薬剤粒子を支持するキャリア粒子を含み、その処方物がさらに力制御剤を含む吸入用薬理粉体であって、該力制御剤が粒子被覆、または連続もしくは不連続フィルムのいずれかとして微細な薬剤粒子の表面上に配置されている薬理粉体が提供される。
【0014】
本発明の力制御剤は当該技術分野でこの目的用として知られているいずれの材料でもよい。米国特許第6,521,260号には、本発明に有用なある種のいわゆる力制御剤または抗接着添加剤が記載されている。これらの添加剤は、アミノ酸、たとえばロイシン、イソロイシン、リジン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、およびアスパルテームまたはアセスルファムKのようなそれらの誘導体の塩;0.25〜1000KDaの分子量を有するペプチドおよびポリペプチド、およびそれらの誘導体;およびリン脂質またはこれらの誘導体、たとえばレシチン、より詳しくは大豆レシチン;タルク;二酸化チタン;二酸化アルミニウム;二酸化シリコン;およびデンプン、から成る群から選択される。
【0015】
しかしながら、好ましい力制御剤はラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルシン酸、ベヘン酸のような脂肪酸の塩、またはそれらの誘導体(たとえばエステルおよび塩)である。かかる材料の具体例は、マグネシウムステアレート;ナトリウムステアリルフマレート;ナトリウムステアリルラクチレート;ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロールおよび天然および合成の肺表面活性剤の他の例;リポソームの処方物;ラウリン酸およびその塩、たとえばナトリウムラウリルスルフェート、マグネシウムラウリルスルフェート;ディンサン(Dynsan)118およびクチナ(Cutina)HRのようなトリグリセリド;および糖エステルなどが一般的である。
【0016】
本発明の組成物に用いるのにより好ましい力制御剤はマグネシウムステアレートである。使用される力制御剤の量は一般に、薬剤粒子間に存在する自発接着力を低減するのに十分であるべきである。その上限は、大量の力制御剤が肺に供給された場合に許容される毒性に依存する。2.0%までの量が好ましい。これらの制限内であれば、使用される力制御剤の量は、薬剤の性質、および薬剤の充填法に依存するであろう。当業者であれば、過度の負担または発明的な活動の必要なしに、薬剤の物理的および化学的特性を考慮して、適切な量を選択することができる。
【0017】
力制御剤の特定の実施形態では、より具体的に、マグネシウムステアレートは、0.01〜2.0重量%、より特定には0.1〜1.5重量%、さらに特定には0.25〜1.0重量%、またさらに特定には0.5〜1.0重量%の量で用いられる。力制御剤の粒子またはフィルムで覆われた微細な薬剤粒子は、本質的には、薬剤粒子間の自発接着力が大幅に減少されるために用いられる。しかしながら、いずれかの薬剤/力制御剤混合物の全体的な粉体特性が乾燥粉体吸入剤に用いるのに不適当であれば、その混合物は、当業者に知られている方法によって、適切な粉体組成物にさらに処方されてよい。得られる吸入用粉体は、キャリア材料を添加することによりペレット化処方物または秩序化混合物(ordered mixture)の形態であってよい。キャリア材料は、乾燥粉体処方物に通常用途が見出されるいずれかのキャリア材料であり得る。それらの例として、グルコース、グルコースモノヒドレート、ラクトース、ラクトースモノヒドレート、スクロースまたはトレハロースのような単糖類または二糖類;マンニトールまたはキシリトールのような糖アルコール;ポリ酪酸またはシクロデキストリン;またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ラクトースモノヒドレートが用いられる。
【0018】
本発明による処方物には、いずれかの薬剤物質が使用される。力制御剤は、薬剤粒子間の粒子間力を妨げる手段として上述したような様式で使用され、薬剤粒子のキャリア粒子に対する接着を促進し、そのことで望ましい相互作用混合物が形成される。
【0019】
粉体全体には異なる種類の粒子間力が存在し、それらの絶対的な規模および相対的な影響は、全体中の粒子の表面の化学的性質および物理的特性に依存する。一般的な説明は、たとえば、F.Podczeck “Particle-particle Adhesion in Pharmaceutical Powder Handling”, Imperial College Press, London、1998年、4〜15頁に記載されている。親水的な相互作用は疎水的な相互作用より大きく、それ故親水性材料は分散させるのが容易でない。これは、約50%の環境大気の相対湿度値で発生し得る、近接する粒子間の間質水分凝縮によって発生する毛管力が原因である。加えて、多孔性親水性粒子は、しばしば孔の中に補足した水分を含んでいる。この機構により発生する毛管力はその他の粒子間力よりも約10倍強力である。疎水性特性の粒子間では、毛管力はあまり発生しない。このことは、親水性化合物に特に存在する強力な粒子間力は、疎水性粒子については問題にならないことを意味する。
【0020】
約50%の周囲大気についての相対湿度値を下回る場合でも、親水性粒子は、吸収した水分が可塑剤として機能するために、増大された粒子間接着を示し得る。この可塑化効果によって粒子の接触面積が増大され、そのことでLifshitz-van der Waals粒子間力が増大される。以上より、当業者には、柔軟性親水性粒子からなる薬剤が、粒子間の真の接触面積が粉体全体の保存および通常の取り扱い操作の間に容易に増大されるために、より影響を受けやすいことが理解される。
【0021】
親水性は、化合物が水により溶媒和される傾向である。より一般には、親水性化合物は溶媒和の前に容易に水を吸収する傾向がある。表面の化学的性質によってかかる化合物は容易に湿潤し、かかる化合物の粒子は表面に水のフィルムまたは層を形成し得る。親水性材料は、高い表面張力値を有し、水素結合を形成する能力を有するという事実により特徴付けられる。親水性化合物を定義するのに供される多くのパラメーターがある。かかるパラメーターの1つはオクタノール−水分離係数である。親水性化合物はこの係数が低い。特に、本発明の目的について、親水性薬剤は、2未満、より特定には1未満、さらに特定には0.5未満のオクタノール−水分離係数の常用対数(LogP)を有するように特徴付けられる。
【0022】
親水性薬剤を特徴付けるその他の方法は、水に対する接触角を測定することである。特に、本発明の目的について、親水性薬剤は90゜未満、より特定には80゜未満、より特定には70゜未満の水接触角により特徴付けられる。
【0023】
以上に述べたことに関し、本発明の一般論に関りなく、本発明は親水性薬剤の処方に用いる場合に特に有用である。
【0024】
以下、本発明の処方物に使用される薬剤物質を具体的に例示する。
【0025】
レバブテロール、テルブタリン、レプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、フォルモテロール、フェノテロール、クレンブテロール、バンブテロール、ツロブテロール、ブロクサテロール、インダカテロール、エピネフリン、イソプレナリンおよびヘキソプレナリンのようなβ受容体刺激剤;チオトロピウム、イプラトロピウム、オキシトロピウムおよびグリコピロニウムのような抗コリン作用薬;ブチクソカルト、ロフレポニド、ブデソニド、シクロセニド、モメタゾン、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ロテプレドノルおよびトリアムシノロンのようなコルチコステロイド;アンドラスト、イラルカスト、プランルカスト、イミトロダスト、セラトロダスト、ジレウトン、ザフィルカストおよびモンテルカストのようなロイコトリエン拮抗薬;フィラミナストおよびピクラミラストのようなホスホジエステナーゼ阻害剤;アパファント、フォラバファントおよびイスラパファントのようなPAF阻害剤;アミロリドおよびフロセミドのようなカリウム通路開放物質;モルヒネ、フェンタニル、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ペチジン、チリジン、メタドンおよびヘロインのような鎮痛剤;シルデナフィル、アルプロスタジルおよびフェントラミンのような潜在薬;又は上述の化合物のいずれかまたは同種の化合物の薬理的に許容される誘導体又は塩から選択される活性物質。これらの化合物がキラル中心を有する場合は、化合物は光学的に鈍粋な形態で、またはジアステレオマーの混合物もしくはラセミ体の混合物として提供されうる。また、本発明の乾燥粉体はタンパク、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、ポリアミノ酸、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび高分子量多糖類を用いてもよい。本発明に用いうる巨大分子の例には以下のものが含まれる:アルブミン(好ましくはヒト血清インシュリン、アルブミン);BSA;IgG;IgM;インシュリン;GCSF;GMCSF;LHRH;VEGF;hGH;リゾチーム;α−ラクトグロブリン;塩基性線維芽細胞成長因子;塩基性線維芽成長因子;(bFGF);アスパラギナーゼ;tPA;ウロキナーゼ−VEGF;キモトリプシン;トリプシン;ストレプトキナーゼ;インターフェロン;カルボニックアンヒドラーゼ;卵白アルブミン;グルカゴン;ACTH;オキシトシン;ホスホリラーゼb;アルカリホスファターゼ−セクリチン;バソプレシン;レボチロキシン;ファターゼ;β−ガラクトシダーゼ;パラチロイドホルモン、カルシトニン;フィブリノーゲン;ポリアミノ酸(例えば、DNAse、アルファルアンチトリプシン;ポリリジン、ポリアルギニン);血管形成阻害剤またはプロ免疫グロブリン(例えば、抗体);モータ;ゾマトスタチンおよび類似体;カゼイン;コラーゲン;ゼラチン;大豆タンパク;およびサイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン);免疫グロブリン。
【0026】
ペプチドホルモン、サイトカイン、成長因子、循環器系に対する作用因子、中枢および末梢神経系に対する作用因子、体液電解質および血液物質に対する作用因子、骨および骨格に対する作用因子、消化器系に対する作用因子、免疫系に対する作用因子、呼吸器系に対する作用因子、生殖器に対する作用因子、および酵素のような生理的に活性なタンパク。
【0027】
インシュリン、プロインシュリン、インシュリンのC−ペプチド、インシュリンおよびインシュリンのC−ペプチドの混合物、ハイブリッドインシュリン共結晶(Nature Biotechnology, 20, 800-804, 2002)、成長ホルモン、パラチロイドホルモン、黄体ホルモン−放出ホルモン(LH−RH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アミリン、オキシトシン、黄体ホルモン、(D−Tryp6)−LHRH、ナファレリンアセテート、ロイプロリドアセテート、卵胞刺激ホルモン、グルカゴン、プロスタグランジン、エストラジオール、テストステロン、生殖器に対する他の作用因子およびそれらの誘導体、類似体および同族体を含むホルモンおよびホルモン調節剤。上記LH−RHの類似体のように、米国特許第4,008,209号、同第4,086,219号、同第4,124,557号、同第4,317,815号および同第5,110,904号に記載されているような公知の化合物。
【0028】
エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファージ刺激因子(GM−CSF)およびマクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、白血球増殖因子製剤(ロイコプロル、森永乳業)、血小板、血小板増殖刺激因子、巨核球増殖(刺激)因子、および因子VIIIおよびその他を含む造血または血小板産生因子。
【0029】
骨および骨格に対して作用する治療因子および骨GLaペプチド、パラチロイドホルモンおよびその活性断片(オステオスタチン、Endocrinology 129, 324, 1991)、ヒストンH4−関連骨形成および増殖ペプチド(OGP, The EMBO Journal 11, 1867, 1992)およびそれらの突然変異体、誘導体および類似体を含む骨および骨格に対して作用する治療因子および骨粗鬆症を治療するための薬剤。
【0030】
パンクレアーゼ、L−アスパラギナーゼ、ヒアルロニダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、tPA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、パンクレアチン、コラゲナーゼ、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、プラスミノーゲン、スプレプトキナーゼ、アデニルシクラーゼ、およびスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を含む酵素および酵素共同因子。
【0031】
B型肝炎、MMR(はしか、おたふく風邪、および風疹)、およびポリオワクチンを含むワクチン。
【0032】
神経成長因子(NGF、NGF−2/NT−3)、表皮性成長因子(EGF)、神経成長因子(FGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、形質転換成長因子(TGF)、血小板由来細胞成長因子(PDGF)、および肝細胞成長因子(HGF)を含む成長因子。
【0033】
EP第436189号、同第457195号、同第496452号および同第528312号、JP[公開]第H−3−94692/1991号および同第13099/1991号に記載されているエンドセリン、エンドセリン阻害剤およびエンドセリン拮抗剤のような血圧および動脈硬化症を制御する因子を含む心血管系に対する作用因子等;エンドセリン産生酵素阻害剤バソプレシン、レニン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、アンギオテンシンIII、アンギオテンシンI阻害剤、アンギオテンシンII受容体拮抗剤、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、および抗不整脈ペプチド;オピオイドペプチド(たとえば、エンケファリン、エンドルフィン)、神経向性因子(NTF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRHの塩および誘導体[JP[公開]第50−121273/1975号(米国特許第3,959,247号)、JP[公開]第52−116465/1977号(米国特許第4,100,152号)]、およびニューロテンシン。
【0034】
セクレチンおよびガストリンを含む胃腸系に対する作用因子。
【0035】
カルシトニン、アポタンパクEおよびヒルジンのような、血球凝集、血漿コレステロール値または金属イオン濃度を制御する因子を含む体液電解質および血液物質に対する作用因子;ラミニンおよび細胞接着因子を例示的に表す細胞間接着分子1(ICAM1)。
【0036】
脳由来ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、およびウロテンシンのような腎臓の機能を制御する物質を含む腎尿路に対する作用因子。
【0037】
物質Pのような、種々の器官の感度を制御する因子を含む感覚器官に対して作用する因子。
【0038】
パクリタキセル、マイトマイシンC、BCNU、およびドキソルビシンのような化学療法薬。
【0039】
走化性ペプチドおよびブラジキニンのような炎症および悪性腫瘍を制御する因子および感染性微生物を攻撃する因子を含む免疫系に対する作用因子。
【0040】
スギ花粉およびブタクサ花粉のような、抗原として作用しうる自然発生的、化学合成または組換えペプチドもしくはタンパク、およびこれらの材料単独もしくは一緒にハプテンに結合したもの、または助剤と一緒にされたもの。
【0041】
本発明は、クロピリド、ブロミド、イオダイド、ニトレート、カルボネート、スルフェート、メチルスルフェート、ホスフェート、アセテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、フマレート、マロネート、タータレート、スクシネート、シトレート、ラクテート、グルコネート、グルタメート、エデンテート、メシレート、パモエート、パントテネート、またはヒドロキシナフトエートのような上述のいずれかの化合物の塩の形態;またはアセテート、プロピオネート、ホスフェート、スクシネートまたはエタボネートのようなエステルの形態のような親水性および感湿性の活性物質の処方に特に有用である。
【0042】
β受容体刺激剤、抗コリン作用薬またはコルチコステロイドを単独またはいずれかの組合せで含む処方物は本発明の好ましい実施形態である。これらの活性物質は塩またはエステルの形態で存在し得る。たとえば塩の形態のβ受容体刺激剤の例には、レバルブテロールスルフェート、フォルモテロールフマレート、フォルモテロールタータレート、サルブタモールスルフェートまたはサルメテロールキシナフォエート(サルメテロール1−ヒドロキシ−2−エナフトエート)などがある。エステルの形態のコルチコステロイドの具体例には、ベクラメタゾンジプロピロピオネート、フルチカゾンプロピオネート、トリアムシノリン16,21−ジアセテート、トリアムシノリンアセトニド21−アセテート、トリアムシノリンアセトニド21−ジナトリウムホスフエート、トリアムシノリンアセトニド21−ヘミスクシネート、モメタゾンフロエート、またはロテプレドノルエタボネートなどがある。
【0043】
本発明の最も好ましい実施形態は、オキシトロピウムブロミド、グリコピロニウムブロミド(グリコピロレート)、イプラトロピウムブロミド、またはチオトロピウムブロミドのような塩の形態の抗コリン作用薬を含む処方物である。
【0044】
本発明の他の局面では、本発明の薬理粉体を必要に応じて患者に投与することを含む、病状を治療する方法が提供される。上記粉体は好ましくは、ヒト患者に非経口、特にたとえばDPIを用いる吸入法により投与される。
【0045】
上述の粉体処方物を処方する方法は本発明のさらに他の局面を形成する。
【0046】
本発明の処方物は、まず、薬剤を適当な量の力制御剤と接触させるような様式で調製される。力制御剤の粒子と薬剤粒子との近密な接触が必要であり、薬剤粉体の全体に形成された自発接着力の低減を達成することが重要である。上記近密な接触は当業者に知られている方法により達成される。特に、薬剤および制御剤の両方を細かい篩を通して篩うことにより、両方の粒子が存在する良好な分散体が提供される。この操作に適切な篩の寸法は、たとえば、25〜250μm寸法(BS410による500〜60メッシュ)、より特定には、25〜180μm(BS410による500〜85メッシュ)、より特定には、25〜90μm(BS410による500〜170メッシュ)である。
【0047】
追加的にまたは二者択一的に、近密な粒子間接触を達成するためにブレンドおよび混合装置を用いてよく、たとえば、回転式ブレンダー、箱型ブレンダー、円錐型ブレンダーなどが挙げられる。薬剤粒子の自発接着特性が、表面エネルギーを低減する粒子被覆またはフィルムを形成するために力制御剤と共に高せん断力を必要とするようなものである場合は、高せん断ミキサーを用いてもよい。
【0048】
吸入用粉体処方物として処方される微細薬剤粒子が吸入経路に適合する適切な寸法でない場合は、力制御剤の存在下における粒子減少技術を用いて、適合する寸法の粒子を得ることができる。好ましい方法は、空気ジェットミルを用いた共微細化であり、このことが、再び薬剤粒子と力制御剤の粒子をして、薬剤粒子の表面に連続もしくは不連続フィルムが形成されるか、または制御剤粒子が接着するか、いずれかの接触状態にする。しかしながら、当業界で知られており、共微細化に適したいずれの技術も用いることができる。
【0049】
従って、他の局面では、本発明は1種以上の薬理的に活性な化合物と力制御剤とを粉体ブレンダー中でブレンドする工程を包含する、微細な薬剤粒子を含有する粉体処方物の製造方法を提供する。本発明のさらに他の局面では、1種以上の薬理的に活性な化合物と力制御剤とを共微細化する工程を包含する微細な薬剤粒子を含有する粉体処方物の製造方法が提供される。
【0050】
好ましくは、上述のブレンド工程は、以下に説明する一連のブレンド工程の1つとして行われる。
【0051】
第1工程では、1種以上の薬剤および力制御剤が、その制御剤が薬剤粒子の表面に粒子被覆、または連続もしくは不連続フィルムのいずれかとして接着するような様式において一緒に混合される。上述のように、処理された薬剤粒子は単独で乾燥粉体吸入デバイスにおいて用いることができるような、適当な特性を有しうる。しかしながら、所望の場合、これらは更にキャリア材料と混合されてよい。
【0052】
従って、任意の工程として、処理された微細な薬剤粒子はキャリア材料と混合される。この混合工程は、好ましくは粉体ブレンダーにおいて、1時間を超えない期間、好ましくは30分未満、より好ましくは20分未満、たとえば約15〜20分間行われる。
【0053】
キャリア材料は未処理のまま用いてよく、または薬剤粒子と同様に処理してもよい。
【0054】
本発明の方法では、薬剤、力制御剤およびキャリア材料は上述の通りであり得る。
【0055】
処方物に用いる薬剤の量が少ない、たとえば処方物の約30重量%未満、より特定には約1〜20重量%、より特定には処方物の約0.01〜10重量%である場合、まず微細な薬剤粒子を処理し、得られる薬剤/力制御剤混合物を少量のキャリア材料、たとえば約10%と混合して比較的薬剤について濃厚な粉体混合物を形成することが好ましい。これにより薬剤とキャリア材料との適切な混合が確実になる。後続して、残りのキャリア材料と先行する工程からの濃厚混合物とを混合する追加の工程が行われる。また、これは粉体ブレンダー中で行われることが好ましい。その他のブレンド工程は行われないことが好ましい。しかしながら、好ましい品質の最終的な粉体処方物を達成するために、追加のブレンドおよび篩工程を行うことが必要と考えられてもよい。
【0056】
適当な粒子寸法の粉体成分を確実に得るために、適当な寸法の篩、たとえば、25〜500μm寸法(BS410による500〜30メッシュ)、より特定には63〜250μm(BS410による240〜60メッシュ)の篩を通して篩うことにより上記成分を調製するのが習慣的である。
【0057】
微細な薬剤粒子が吸入可能であるために、すなわち、それらが、肺の末端部および呼吸気管支および肺胞管および肺胞のような肺の深部にまで通過できるように、これらは最大約10μm、たとえば、1〜10μm、好ましくは1〜6μm、より好ましくは1〜4μmの平均粒子径(質量平均空気動力学的直径として測定)を有する粒子形状で無ければならない。かかるミクロ微細粒子は、たとえば、微細化(micronisation)、選択された溶媒からの制御された沈殿、またはスプレードライなどにより例示される公知の方法により得られる。
【0058】
使用される薬剤の量は、薬剤の性質、取り扱い条件の種類および過酷さ、および治療が必要な患者の状態に依存して広範囲に変化させてよい。
【0059】
ぜんそくおよび慢性閉塞性肺疾患の全容態のように肺の局所的な状態を治療するのに用いる薬剤の場合は、比較的低い投与量の薬剤が用いられ、たとえば、約5〜5000μg、より特定には、5〜500μgである。肺の全体に系統的に供給することが意図される薬剤については、肺を通過して血漿に至る吸収に関する問題を考慮してより高い投与量が必要となり得る。典型的には、約20μg〜50mg、より特定には50μg〜20mgの量で薬剤を用いてよい。
【0060】
処方物の全重量を基準にした濃度で表現すると、薬剤は0.01〜30重量%、より特定には0.1〜10重量%、より特定には0.1〜5重量%の量で存在し得る。従って、投与量を正確に達成するために、薬剤をキャリア材料で希釈しなければならないことに驚くべきではない。典型的な処方物中には、所望の特定の希釈度および処方物に用いられる力制御剤の量に依存して、キャリア材料は99重量%までまたはそれ以上、特に50〜99重量%の量で存在し得る。希釈度は、吸入器から供給される許容される発射重量が薬剤の所望の薬剤の投与量を正確に含むように選択される。この点に関し、正確な投与量は1回の発射または複数回の発射において供給されよい。また、希釈は、粉体混合物に流動性のような良好な巨視的な特性を持たせ、よりミクロ微細活性物質の接着もしくは凝集力をバランスさせて処方物の良好な均一性を確実にするために用いてもよい。
【0061】
二重螺旋または一重螺旋ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドまたは短核酸配列を含む核酸も本発明において処方される得る。核酸という用語には、RNA(siRNA、mRNA、リボザイム、アプタマー)およびDNA(たとえば、cDNAまたはゲノムDNA)の両方が含まれる。核酸は発現を指揮または制御する適当な配列(すなわち、プロモーター配列)を有するベクターの形態(たとえば、プラスミドまたは他の構成体)で存在してよい。
【0062】
用いられるキャリア材料は、製造および充填操作の間にそれらを容易に取り扱えるように、十分大きい粒子寸法の形態で無ければならない。また、それらは肺の深部に吸入されないように十分大きくあるべきである。典型的には、キャリア材料は約10〜500μm、好ましくは50〜300μmの平均粒子直径(質量平均空気動力学的直径として測定されたもの)を有する。
【0063】
本発明の乾燥粉体処方物はマルチ投与乾燥粉体吸入器の用途に特に適する。特に、この処方物はデバイスの作動により要求に応じて個々の治療投与量が引き出される貯蔵容器を有するような吸入器に用いるのに適している。しかしながら、本発明の処方物は、単一もしくは複数の予備投与ユニットを含む複数のカプセルを含むマルチ投与吸入器に用いるのにも適している。
【0064】
本発明の処方物に用いるのに好適なかかるマルチ投与吸入デバイスは米国特許第6,182,655号に記載されており、その全体が参照としてここに組み込まれる。
【0065】
本発明のさらに他の局面では、本発明の方法によって製造された薬理的粉体を、必要に応じて患者に投与することを包含する病状の治療方法が提供される。
【0066】
本発明のこの局面の他の1つは、本発明の処方物を含むこのようなマルチ投与吸入器に向けられる。
【0067】
マルチ投与吸入器は、数10回または数100回分の治療投与量を含む乾燥粉体の貯蔵容器を有する。ここで用いる「治療投与量」という文言は、患者に供給した際に、治療効果を不法(illicit)にする、たとえば治療されるべき特定の状態を緩和し、予防しまたは抑制するために必要な量の薬剤を含む吸入処方物の量を有する。治療投与量は、DPIデバイスの1回以上の作動により供給される。これは、たとえば、患者を咳き込ませたり、患者を刺激しないで供給できる粉体の量であり、または1回の吸気のうちに合理的または快適に供給できるといった理由で、1回の作動あたり約50mg、より好ましくは25mgに制限される。従って、薬剤の性質および治療される状態の性質および過酷さに依存して、時間当り、一日〜複数日当り、週当り、月当りに1回または毎回以上の作動が必要になり得る。
【0068】
治療投与量は薬剤の性質、患者の状態、および治療される状態の性質および過酷さに大きく依存する。治療投与量は、たとえば強力な活性物質を用いてぜんそくのような局所的な状態を治療する場合はその最小値は1ng/kgから、最大10mg/kgの範囲であり、より特定には、投与量は20ng/kg〜1mg/kgの範囲である。治療投与量はDPIデバイスに伴う包装またはラベルに示され、特定には、ラベルの表示に示される。
【0069】
バッチ間の品質および再現性を確実にするために、処方物はMDIから射出される処方物の平均投与量を一定にするために試験されるべきであり、ラベルの表示から大幅に異なるべきではない。この点に関して、本発明の処方物は特に安定であり、たとえば、以下に示す基準を満足する。
【0070】
平均供給投与量は、ラベル表示の+/−15%以内、単一の投与を10回行ったうちの9回は平均の+/−25%を外れず、そしてすべての1回の投与は平均の+/−35%以内であるか、または
【0071】
単一の投与を10回行ったうちの少なくとも9回はラベル表示の+/−20%以内であり、すべての単一の投与量はラベル表示の+/−25%以内である。
【0072】
発射の重量および供給投与量およびそれらの変化は投与単位採取装置(DUSA)を用いて測定し得る。微粒子画分(FPF)はアンデルセン・カスケード・インパクター(ACI)を用いて測定し得る。測定の方法論およびそのための装置は当業者によく知られており、合衆国薬局方の601章、または欧州薬局方の吸入剤のモノグラフに記載されており、これらの両文献は参照としてここに含める。上記合衆国薬局方には、FPFの測定には装置1を用いるべきと記載されている。また、上記合衆国薬局方には、供給投与量の均一性は、DUSAまたは等価物で測定されるべきと述べられている。しかしながら、供給投与量および供給投与量の均一性は、好ましくはいわゆる漏斗法を用いて測定するのが好ましい。漏斗法は、Drug Delivery to the Lungs 、VIII、第116〜119頁に記載されており、これはここに参照として組み込む。要するに、漏斗法は、処方物をDPIから漏斗装置の中へ放出することからなり、この漏斗装置は基本的に標準ブフナー漏斗からなる。放出された投薬は漏斗のガラスシンターに補足され、洗い流され、HPLC分析を用いて投与量が決定される。漏斗法によれば標準合衆国薬局方の装置と同等の結果が得られ、DUSA装置の等価物とほぼ考えられる。上述の方法により測定した微細粒子画分は、空気流量60L/分に調整されたアンデルセン・カスケード・インパクターのステージ2〜フィルターステージから収集される結合画分からなると考えられる。これらの画分は3.2μm未満の空力学的粒子寸法を有する。
【0073】
二者択一的に、微粒子画分は、上記薬局方に記載されており、以下の実施例に述べられているように、ツイン・インピンジャー法およびマルチ−ステージ・リキッド・インピンジャー法によって測定してもよい。
【0074】
本発明の処方物は、たとえば合衆国および欧州の薬局方に述べられている、供給投与量均一性に関する薬局方の要件を満足する。たとえば、本発明の処方物は合衆国薬局方USP26−NF21、601章、「供給投与量均一性(Delivered Dose Uniformity)」に提示された要件を満足する。実際に、この処方物は非常に安定であり、1998年10月にCDERによって出版された、FDAから出された現時点でのガイダンス案に記載された相対的により厳しい供給投与量均一性の要件をも満足する。さらに、この処方物の供給投与量は高い画分の微粒子、すなわち、肺の深部に浸透できる粒子、たとえば、ACIで測定した約4.7μm未満、ツイン・インピンジャーで測定した6.4を下回る、そしてマルチ−ステージ・リキッド・インピンジャーで測定した6.8を下回る直径を有する粒子、を含んでいる。
【実施例】
【0075】
本発明を説明するために一連の実施例を提供する。
【0076】
粒子画分寸法測定方法
製造者の指示に従って、適当なフィルターを配置してアンデルセン・カスケード・インパクターを組立て、そして系の気密性を確保する。効率的な粒子の補足を確実にするために、それぞれのプレートを、揮発性溶媒から堆積させる高粘度液体で被覆する。予備分離器は同様に被覆されるべきであり、または10mlの適当な溶媒を含むべきである。この装置を、流動制御バルブ、二方向バルブ、タイマーおよび真空ポンプを有する流動系に接続する。
【0077】
試験は、その装置によって4リットルの空気を引き出す吸入デバイスの内部抵抗に整合させた流動速度で行う。高い流動速度では、最も低いステージをスタックから除く必要があり得る。流動速度を調節するために、流出する体積流量を調節した流量計を誘導ポートに接続する。系を通過する定状流が所望の速度になるように、流動制御バルブを調節する。
【0078】
流動制御バルブの両側の絶対圧力を測定することにより、流動制御バルブ中に臨界的な流動が生じることを確実にする。空気流動のスイッチを切る。
【0079】
患者の指示に従って、使用のための乾燥粉体吸入器を調製する。ポンプを動かし、二方向バルブを閉じて、マウスピースアダプターに吸入器のマウスピースを取り付ける。そこから4リットルの空気を引き出すのに必要な時間、バルブを開けることにより粉体を装置の中に放出する。放出操作を繰返す。放出の回数は最低限にされるべきであり、典型的には10回を越えない。放出の回数は、微細粒子投与量の正確かつ精密な決定を確実にするのに十分であるべきである。最終的な放出の後に5秒間待ち、次いでポンプのスイッチを切る。
【0080】
装置を分解する。注意深くフィルターを除去し、活性成分を溶媒のアリコットの中に抽出する。装置から予備分離器、誘導ポート、およびマウスピースアダプターを取り外し、薬剤を溶媒のアリコット中に抽出する。活性成分を、装置の内壁および各ステージの収集板から溶媒のアリコット中に抽出する。適当な分析の方法を用いて、溶媒の9個の容積のそれぞれに含まれる薬剤の量を特定する。
【0081】
放出当りの各ステージに付着した薬剤の質量、および放出当りに、誘導ポート、マウスピースアダプターおよび予備分離器を用いた場所に付着した薬剤の質量を計算する。薬剤の合計質量は、供給投与量の均一性を試験している間に決定された平均供給投与量の75%以上および125%以下である。合計質量がこの範囲外である場合には、試験が繰返されなければならない。フィルターから出発して、それぞれのステージのカットオフ直径に対する累積質量を導く。5μm未満の薬剤の質量を補間することにより微粒子投与量(FPD)を計算する。要すれば、および適切であれば、対数確率紙の上にカットオフ直径に対する薬剤の累積画分をプロットし、そして質量メジアン空力学的直径(MMAD)および幾何学標準偏差(GSD)の値を決定するのにこのプロットを用いる。
【0082】
実施例1
処方物1
グリコピロレート(グリコピロニウムブロミド)、マグネシウムステアレートおよびラクトースモノヒドレートからなる粉体処方物を以下のようにして調製する。グリコピロレートおよびマグネシウムステアレートを38μm篩を通してふるう。ラクトースモノヒドレートを250μm篩を通してふるう。篩にかけたグリコピロレート−マグネシウムステアレートの粉体全体を篩にかけたラクトースモノヒドレートの約半分と、チューブラ(Turbula)T2C粉体ブレンダー中で22rpmで10分間混合する。
【0083】
得られる濃厚混合物を250μm篩を通してふるい、残りのラクトースモノヒドレートを加え、この混合物をさらに10分間22rpmにおいてブレンダー中でブレンドする。
【0084】
得られる粉体ブレンドは目視および顕微鏡下で評価した場合に均一である。このブレンドは引き出された試料の薬剤含有量の相対標準偏差が5%以下、通常は3%以下というブレンド均一性を満足する。
【0085】
処方物2(比較例、本発明には含まれない)
グリコピロレート(グリコピロニウムブロミド)、マグネシウムステアレートおよびラクトースモノヒドレートからなる乾燥粉体処方物を、以下のようにして従来の方法により形成する。ラクトースモノヒドレートおよびマグネシウムステアレートを250μm篩を通してふるい、チューブラT2C粉体中で30rpmで20分間混合する。
【0086】
グリコピロレートおよびラクトース−マグネシウムステアレート混合物の約半分を250μm篩を通してふるい、チューブラT2C粉体ブレンダー中で46rpmで20分間混合する。
【0087】
さらに、得られる濃厚混合物および残りのラクトースモノヒドレートを250μm篩を通してふるい、この混合物を10分間46rpmでブンレダー中でブレンドする。
【0088】
得られる乾燥粉体ブレンドは目視および顕微鏡下で評価した場合に、不均一な局面を有する。ブレンド均一性試験は、5%を上回る引き出された試料の薬剤含有量の相対標準偏差を与える。
【0089】
実施例2
処方物3
以下の方法により、グリコピロレート(グリコピロニウムブロミド)、マグネシウムステアレートおよびラクトースモノヒドレートからなる乾燥粉体処方物を形成する。グリコピロレートおよびマグネシウムステアレートを38μm篩を通してふるう。ラクトースモノヒドレートを250μm篩を通してふるう。篩にかけた両方の粉体全体を高せん断混合機ニロ(Niro)PP1中で10分間300rpmのインペラー速度および300rpmのチョッパー速度で混合する。
【0090】
得られる粉体ブレンドは目視および顕微鏡下で評価した場合に均一である。このブレンドは、5%以下、通常は3%以下の引き出された試料の薬剤含有量の相対標準偏差というブレンド均一性を満足する。
【0091】
実施例3
微粒子画分の測定
使用される処方物1および2は上記実施例1により形成される。このように製造される粉体ブレンドは、供給される投与量の投与含有量均一性および微粒子画分を評価するために、スキーエファルマ(SkyePharma)所有の乾燥粉体吸入器、SkyehalerTM(これは米国特許第6,182,655号により完全に記載されている。)に充填する。
【0092】
処方物をこのDPIデバイス中に充填した後に、このデバイスを試験する前に少なくとも24時間放置する。
【0093】
予備分離器および8個のステージを備え、60L/分の流動速度に設計および調整されたアンデルセン・カスケード・インパクター・マークII
(欧州薬局方4.4、2.9.18章の装置D)を用いて、動力学的粒子寸法分布を測定する。微粒子投与量は、この装置のステージ2からフィルターステージ上に見出される薬剤の量である。
【0094】
60L/分の設定された流動速度において上記装置から4Lの空気を引き出すことにより、実施例1および2の処方物について3回作動させてすでに特定した粒子寸法調節装置中に放出する。供給され、霧化される薬剤粒子は、等価空力学的粒子寸法に依存する、流動中に達成される粒子の運動量によって分類される。従って、投与量の画分は、薬剤粒子の空力学的粒子寸法によって、装置の異なる部分または収集ステージに付着する。それぞれの画分を収集し、ひとまとめにして、HPLCを用いて分析する。
【0095】
処方物1のHPLC分析により、アンデルセン・カスケード・インパクター装置中に供給される投与量の微粒子画分(3.2μm未満)が約42%であることが示される。
【0096】
処方物3のHPLC分析により、アンデルセン・カスケード・インパクター装置中に導入される投与量の微粒子画分(3.2μm未満)が約43%であることが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の微粒子と力制御剤の粒子とを含有する吸入用薬理粉体であって、該力制御剤の粒子は粒状被覆、または連続もしくは不連続フィルムのいずれかとして活性粒子の表面に配置されている吸入用薬理粉体。
【請求項2】
薬剤の微粒子、薬剤粒子を支持するためのキャリア材料の粒子、および力制御剤粒子を含有する吸入用薬理粉体であって、該力制御剤粒子は粒状被覆、または連続もしくは不連続フィルムとして活性粒子の表面上に配置されている吸入用薬理粉体。
【請求項3】
前記力制御剤が、アミノ酸0.25〜1000KDaの分子量を有するペプチドおよびポリペプチド;リン脂質;二酸化チタン;二酸化アルミニウム;二酸化シリコン;デンプン;および脂肪酸の塩から成る群から選択される請求項1または2記載の粉体。
【請求項4】
前記力制御剤がラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルカ酸、およびベヘン酸から成る群から選択される脂肪酸の塩である先行請求項のいずれか記載の粉体。
【請求項5】
前記力制御剤がマグネシウムステアレートである先行請求項のいずれか記載の粉体。
【請求項6】
前記力制御剤が5.0質量%までの量で存在する先行請求項のいずれか記載の粉体。
【請求項7】
前記力制御剤が0.01〜5.0質量%の量で存在する先行請求項のいずれか記載の粉体。
【請求項8】
前記キャリア材料が、グルコース、ラクトース、ラクトースモノヒドレート、スクロースまたはトレハロースのような単糖類または二糖類;マンニトールまたはキシリトールのような糖アルコール;ポリ乳酸;およびこれらの混合物から成る群から選択される先行請求項のいずれか記載の粉体。
【請求項9】
前記キャリア材料がラクトースモノヒドレートである先行請求項のいずれか記載の粉体。
【請求項10】
前記薬剤が、90゜未満である水に対する接触角を有する先行請求項のいずれか記載の粉体。
【請求項11】
前記薬剤が、2より小さいオクタノール−水分離係数(logP)を有する薬剤から選択される請求項1〜9のいずれか記載の粉体。
【請求項12】
前記薬剤が、レバブテロール、テルブタリン、レプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、フォルモテロール、フェノテロール、クレンブテロール、バンブテロール、ツロブテロール、ブロクサテロール、エピネフリン、イソプレナリンおよびヘキソプレナリンから成る群から選択されるβ受容体刺激剤;チオトロピウム、イプラトロピウム、オキシトロピウムおよびグリコピロニウムから成る群から選択される抗コリン作用薬;ブチクソカルト、ロフレポニド、ブデソニド、シクロセニド、モメタゾン、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ロテプレドノルおよびトリアムシノロンから成る群から選択されるコルチコステロイド;アンドラスト、イラルカスト、プランルカスト、イミトロダスト、セラトロダスト、ジレウトン、ザフィルカストおよびモンテルカストから成る群から選択されるロイコトリエン拮抗薬;フィラミナストおよびピクラミラストから成る群から選択されるホスホジエステナーゼ阻害剤;アパファント、フォラバファントおよびイスラパファントから成る群から選択されるPAF阻害剤;アミロリドおよびフロセミドから成る群から選択されるカリウム通路開放物質;モルヒネ、フェンタニル、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ペチジン、チリジン、メタドンおよびヘロインから成る群から選択される鎮痛剤;シルデナフィル、アルプロスタジルおよびフェントラミンから成る群から選択される潜在薬;タンパク、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、ポリアミノ酸、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび高分子量多糖類;アルブミン(好ましくはヒト血清インシュリン、アルブミン);BSA;IgG;IgM;インシュリン;GCSF;GMCSF;LHRH;VEGF;hGH;リゾチーム;α−ラクトグロブリン;塩基性線維芽細胞成長因子;塩基性線維芽成長因子;(bFGF);アスパラギナーゼ;tPA;ウロキナーゼ−VEGF;キモトリプシン;トリプシン;ストレプトキナーゼ;インターフェロン;カルボニックアンヒドラーゼ;卵白アルブミン;グルカゴン;ACTH;オキシトシン;ホスホリラーゼb;アルカリホスファターゼ−セクリチン;バソプレシン;レボチロキシン;ファターゼ;β−ガラクトシダーゼ;パラチロイドホルモン、カルシトニン;フィブリノーゲン;DNAse、アルファルアンチトリプシン、ポリリジン、およびポリアルギニンから選択されるポリアミノ酸;血管形成阻害剤またはプロ免疫グロブリン;モータ;ゾマトスタチンおよび類似体;カゼイン;コラーゲン;ゼラチン;大豆タンパク;およびサイトカイン;免疫グロブリンから成る群から選択される巨大分子;ペプチドホルモン、サイトカイン、成長因子、循環器系に対する作用因子、中枢および末梢神経系に対する作用因子、体液電解質および血液物質に対する作用因子、骨および骨格に対する作用因子、消化器系に対する作用因子、免疫系に対する作用因子、呼吸器系に対する作用因子、生殖器に対する作用因子、および酵素;インシュリン、プロインシュリン、インシュリンのC−ペプチド、インシュリンおよびインシュリンのC−ペプチドの混合物、ハイブリッドインシュリン共結晶;成長ホルモン、パラチロイドホルモン、黄体ホルモン−放出ホルモン(LH−RH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アミリン、オキシトシン、黄体ホルモン、(D−Tryp6)−LHRH、ナファレリンアセテート、ロイプロリドアセテート、卵胞刺激ホルモン、グルカゴン、プロスタグランジン、エストラジオール、テストステロン、生殖器に対する他の作用因子およびそれらの誘導体、類似体および同族体を含むホルモンおよびホルモン調節剤;エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファージ刺激因子(GM−CSF)およびマクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、白血球増殖因子製剤(ロイコプロル、森永乳業)、血小板、血小板増殖刺激因子、巨核球増殖(刺激)因子、および因子VIIIおよびその他を含む造血または血小板産生因子;骨および骨格に対して作用する治療因子および骨GLaペプチド、パラチロイドホルモンおよびその活性断片、ヒストンH4−関連骨形成および増殖ペプチドおよびそれらの突然変異体、誘導体および類似体を含む骨および骨格に対して作用する治療因子および骨粗鬆症を治療するための薬剤;パンクレアーゼ、L−アスパラギナーゼ、ヒアルロニダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、tPA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、パンクレアチン、コラゲナーゼ、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、プラスミノーゲン、スプレプトキナーゼ、アデニルシクラーゼ、およびスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)から成る群から選択される酵素および酵素共同因子;B型肝炎、MMR(はしか、おたふく風邪、および風疹)、およびポリオワクチンを含むワクチン;神経成長因子(NGF、NGF−2/NT−3)、表皮性成長因子(EGF)、神経成長因子(FGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、形質転換成長因子(TGF)、血小板由来細胞成長因子(PDGF)、および肝細胞成長因子(HGF)を含む成長因子;エンドセリン、エンドセリン阻害剤およびエンドセリン拮抗剤から選択される血圧および動脈硬化症を制御する因子を含む心血管系に対する作用因子;エンドセリン産生酵素阻害剤バソプレシン、レニン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、アンギオテンシンIII、アンギオテンシンI阻害剤、アンギオテンシンII受容体拮抗剤、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、および抗不整脈ペプチド;オピオイドペプチド(たとえば、エンケファリン、エンドルフィン)、神経向性因子(NTF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRHの塩および誘導体、およびニューロテンシン;セクレチンおよびガストリンを含む胃腸系に対する作用因子;カルシトニン、アポタンパクEおよびヒルジンのような、血球凝集、血漿コレステロール値または金属イオン濃度を制御する因子を含む体液電解質および血液物質に対する作用因子;ラミニンおよび細胞接着因子を例示的に表す細胞間接着分子1(ICAM1);脳由来ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、およびウロテンシンのような腎臓の機能を制御する物質を含む腎尿路に対する作用因子;種々の器官の感度を制御する因子を含む感覚器官に対して作用する因子;パクリタキセル、マイトマイシンC、BCNU、およびドキソルビシンから成る群から選択される化学療法薬;走化性ペプチドおよびブラジキニンから成る群から選択される炎症および悪性腫瘍を制御する因子および感染性微生物を攻撃する因子を含む免疫系に対する作用因子;スギ花粉およびブタクサ花粉のような、抗原として作用しうる自然発生的、化学合成または組換えペプチドもしくはタンパク、およびこれらの材料単独もしくは一緒にハプテンに結合したもの、または助剤と一緒にされたもの;および先行の化合物または同類の化合物のいずれかの製薬業で受け入れられる誘導体または塩;から成る群から選択される請求項1〜9のいずれか記載の粉体。
【請求項13】
前記薬剤が、オキシトロピウムブロミド、グリコピロニウムブロミド(グリコピロレート)、イプラトロピウムブロミドまたはチオトロピウムブロミドのような塩の形態の抗コリン作用薬から成る群から選択される請求項1〜9のいずれか記載の粉体。
【請求項14】
力制御剤と1種以上の製薬学的に活性な材料とを混合することにより、該力制御剤が粒子被覆、または連続もしくは不連続フィルムのいずれかとして活性な粒子の表面に配置されている粒子である混合物を得る工程を包含する吸入用粉体の製造方法。
【請求項15】
前記混合工程が、1種以上の薬理的に活性な材料と力制御剤の粒子を篩い、混合もしくはブレンドし、微細化もしくは共微細化する一種以上の工程により行われる請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記混合物とキャリア材料とを混合またはブレンドする工程を包含する請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
第1工程において、前記混合物がキャリア材料の第1部分と混合もしくはブレンドされて第2混合物を形成し、次いで後続する工程において、キャリア材料の残りが該第2混合物と混合される請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記混合もしくはブレンドが拡散式ブレンダー、回転式ブレンダー、箱型ブレンダーもしくは円錐型ブレンダー、または高せん断ミキサーで行われ、そして前記微細化または共微細化がエアージェットミルで行われる請求項14〜17のいずれか記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか記載の粉体を含むDPIデバイズ。
【請求項20】
請求項14に記載の、および実施例の1つまたはいずれかに実質的に記載の吸入用粉体の製造方法。
【請求項21】
請求項1に記載の、および実施例の1つまたはいずれかに実質的に記載の吸入用薬理粉体。
【請求項22】
請求項1〜13のいずれかまたは21記載の薬理粉体を必要に応じて患者に投与する工程を包含する病状を治療する方法。
【請求項23】
請求項14〜18のいずれかまたは20記載の方法により製造された薬理的粉体を必要に応じて患者に投与する工程を包含する病状を治療する方法。

【公表番号】特表2009−518449(P2009−518449A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544856(P2008−544856)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011941
【国際公開番号】WO2007/068443
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(500322826)ヤゴテック アーゲー (16)
【Fターム(参考)】