説明

吸水性ポリマー粒子の製造方法

本発明は、回転式ふるい機を用いての分級方法を含む、吸水性ポリマー粒子を製造する方法に関し、この際、分級のために使用される回転式ふるい機は、少なくとも1個のボールノック式クリーナーを備えており、かつ回転式ふるい機の外に連行されたボールを捕捉装置によって分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式ふるい機を用いての分級を含む、吸水性ポリマー粒子を製造する方法に関し、その際、分級に使用される回転式ふるい機は、少なくとも1個のボールノック式クリーナーを備えており、かつ回転式ふるい機の外に連行したボールを、捕捉装置を用いて分離除去する。
【0002】
吸水ポリマーは、おむつ、タンポン、ナプキン及びその他の衛生物品を製造するために使用されるが、農業園芸における保水剤としても使用される。該吸水性ポリマーは、超吸収体とも呼称される。
【0003】
吸水性ポリマー粒子の製造は、モノグラフ"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz及びA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,第71〜103頁に記載される。
【0004】
通常、吸水性ポリマー粒子は、溶液重合によって製造される。溶液重合によって得られるポリマーゲルは乾燥され、粉砕され、かつ分級される。しばしば、吸水性ポリマー粒子は付加的に表面架橋され、かつ再度分級される。
【0005】
吸水ポリマー粒子の分級は、たとえばEP0855232A2、DE102005001789A1、WO2008/037672A1、WO2008/037673A1およびWO2008/037675A1に記載されている。
【0006】
分級中に、ポリマー粒子がふるい中に埋もれることにより、自由なふるい表面と同時にふるい能力は減少する。
【0007】
本発明の課題は、吸水性ポリマー粒子を製造するための改善された方法、特に高いふるい能力および異物からの簡単な分離を提供することである。
【0008】
本発明の課題は、少なくとも1個の回転式ふるい機を用いての乾燥、粉砕および分級を含むものであって、
a)少なくとも1種のエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、この場合、これは少なくとも部分的に中和することができ、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)場合によっては、a)で挙げられたモノマーと共重合可能な1種またはそれ以上のエチレン性不飽和モノマー、および
e)場合によっては、1種またはそれ以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液またはモノマー懸濁液の重合によって、吸水性ポリマー粒子を製造する方法によって解決され、この場合、この方法は、分級のために使用される回転式ふるい機が、ふるい下に弾性ボールを備えたベーストレイから成る少なくとも1個のボールノック式クリーナーを備えており、該ボールは当初直径xを示し、かつベーストレイは最大粒径y(yはxよりも小さい)を有する粒子のための通過口を有し、かつ回転式ふるい機の外に連行した弾性ボールを、捕捉装置によって分離除去し、その際、捕捉装置は、最大粒径z(zはyよりも小さい)を有する粒子のための通過口を有し、その際、zはyより小さい。
【0009】
本発明による分級法のために適した回転式ふるい機は何ら制限されない。本発明による方法のために使用可能な回転式ふるい装置は、たとえばALLGAIER Werke GmbH、Uhingen(ドイツ国)およびMINOX Siebtechnik GmbH、Offenbach/Queich(ドイツ国)において得ることが可能である。
【0010】
回転式ふるい機において、分級すべき吸水性ポリマー粒子は、ふるい上を強制振動によりらせん状に移動する。より小さいふるい面の際の相対的に長いふるい手段は、分級の際の高い精度を導く。この強制振動は、典型的には0.7〜40mmの振幅、好ましくは1.5〜25mmの振幅を有し、かつ1〜100Hzの振動数、特に5〜10Hzの振動数を有する。
【0011】
本発明による方法において使用可能な回転式ふるい機は、特に少なくとも2個、特に好ましくは少なくとも3個、とりわけ好ましくは少なくとも4個のふるいを有する。その際、上方のふるいから落下するポリマー粒子が、特に漏斗状の装置を介して下方のふるいの中心方向に誘導されることは利点である。
【0012】
ふるいの目開きは、好ましくは100〜1000μmの範囲内、特に好ましくは125〜900μmの範囲内、とりわけ好ましくは150〜850μmの範囲内である。
【0013】
吸水性ポリマー粒子は、分級中において、好ましくは40〜120℃の温度、特に好ましくは45〜100℃の温度、とりわけ好ましくは50〜80℃の温度を有する。
【0014】
特に有利には、分級を連続的に実施する。その際、吸水性ポリマー粒子の流量は、通常少なくとも100kg/m・h、好ましくは少なくとも150kg/m・h、特に少なくとも200kg/m・h、特に好ましくは少なくとも250kg/m・h、とりわけ好ましくは少なくとも300kg/m・hに達する。
【0015】
特に吸水性ポリマー粒子上に、分級中にガス流、特に好ましくは空気流を通過させる。ガス量は、典型的には、ふるい面1m当たり0.1〜10m/h、好ましくはふるい面1m当たり0.5〜5m/h、特に好ましくはふるい面1m当たり1〜3m/hであり、その際、ガス体積は、標準条件下で測定される(25℃および1bar)。
【0016】
特に好ましくは、ガス流は、ふるい装置中への入口前で、典型的には、40〜120℃の温度に、好ましくは50〜110℃の温度に、有利には60〜100℃の温度に、特に有利には65〜90℃の温度に、とりわけ有利には70〜80℃の温度に予加熱される。ガス流の含水量は、典型的には5g/kg未満、好ましくは4.5g/kg未満、有利には4g/kg未満、特に有利には3.5g/kg未満、とりわけ有利には3g/kg未満である。少ない含水量を有するガス流は、たとえば、より高い含水量を有するガス流から、相応する水量を冷却によって凝縮除去することによって作り出される。
【0017】
本発明による好ましい実施態様において、複数個の回転式ふるい機を平行して運転する。
【0018】
この回転式ふるい機は、通常、電気的に接地する。
【0019】
ボールノック式クリーナーは、ふるい下に弾性のボールを備えたベーストレイから成る。ふるい機の回転手段によって、弾性ボールは下からふるいに対して飛び出し、かつこのようにして埋もれた吸水性ポリマー粒子をふるいから取り除く。
【0020】
弾性ボールは、特に天然ゴム、シリコーン変性エチレン−プロピレン−ジエン−ゴム(EPDM Silikon)、ニトリル−ブタジエン−ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR)またはポリウレタンから成り、かつ好ましくは15〜40mm、特に好ましくは20〜35mm、とりわけ好ましくは25〜30mmの当初直径xを有する。
【0021】
ベーストレイは、分級すべき吸水性ポリマー粒子のための通過口を有する。通過口の形状はいかなる制限もされることはなく、かつ、たとえば円形、楕円形、正方形、長方形または台形の通過口を使用することができる。ボールノック式クリーナーのために使用される当初直径xを有する弾性ボールは、通過口を通過することができないことが重要である。したがって、弾性ボールは、ベーストレイとその上に位置するふるいとの間の範囲に保持される。これに対して、分級すべき吸水性ポリマー粒子は、通過口を通過し、かつそれによってベーストレイに留まることはない。
【0022】
したがって、ベーストレイの通過口は粒子のみを通過させ、その粒径yはボールノック式クリーナー中で使用されるボールの当初直径xよりも小さい。粒径yは、該当初直径xよりも好ましくは1〜20mm、特に好ましくは2〜15mm、とりわけ好ましくは5〜10mm小さい。
【0023】
たとえば、ボールノック式クリーナーのために、26mmの当初直径を有する弾性ボールおよび円形通過口を備えたベーストレイを使用する。円形通過口の直径は、20mmであってもよい。ベーストレイは、20mmを上回る直径を有する弾性ボールを有効に留め、他方、20mmまたはそれ未満の粒径yを有する粒子は、通過口を通過することができる。
【0024】
捕捉装置は、分級すべき吸水性ポリマー粒子のための通過口を有する。通過口の形状は同様に何ら制限されるものではなく、かつ、たとえば円形、楕円形、正方形、長方形または台形の通過口を使用することができる。分級すべき吸水性ポリマー粒子は、通過口を通過することができ、かつそれによって捕捉装置に留まることはない。
【0025】
本発明は、ボールノック式クリーナー中で使用される弾性ボールが、回転式ふるい機の運転の際に摩耗し、かつ該弾性ボールの直径が時間の経過とともに減少するといった認識に基づく。したがって、回転式ふるい機の延長した運転後に、摩耗した弾性ボールがベーストレイの通過口を通過し、かつ、回転式ふるい機は相当するふるい画分と一緒に、吸水性ポリマー粒子を搬出する。したがって、通常、摩耗した弾性ボールは早めに新しい弾性ボールと交換される。本発明によって使用される捕捉装置は、摩耗した、すなわち、ベーストレイの通過口を通過した摩耗した弾性ボールを吸水性ポリマー粒子から分離除去する。これによって、弾性ボールが交換される時間的間隔が顕著に延ばされ、かつ、回転式ふるい機の停止時間を顕著に縮小することができる。
【0026】
したがって、捕捉装置の通過口は粒子のみを通過させ、その粒径zは粒径yよりも小さい。粒径zは粒径yよりも好ましくは0.1〜10mm、特に好ましくは0.2〜5mm、とりわけ好ましくは0.5〜2mm小さい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による捕捉装置を示す概略図
【図2】本発明による連続式捕捉装置を示す概略図
【0028】
有利には、捕捉装置として、平行に配置された管状磁石を有する磁気分離装置を使用し、その際、それぞれ2個の管状磁石の間に少なくとも1個のバーをさらに該管状磁石に平行に挿入することができる。図1は、このような捕捉装置を示し、その際、符号は以下の意味を有する:
1 生成物流管路
2 磁気分離装置
3 管状磁石
4 バー
【0029】
たとえば、ボールノック式クリーナーに関して、26mmの当初直径xを有する弾性ボール、円形通過口を有するベーストレイ、および捕捉装置として平行に配置された管状磁石を有する磁気分離装置を使用することができる。円形通過口の直径は20mmであり、かつ管状磁石の間隔は15mmである。19mmの直径を有する摩耗した弾性ボールは、ベーストレイの通過口を通過し、吸水性ポリマー粒子と一緒に磁気分離装置中に達し、かつここで留まる。
【0030】
管状磁石は、運転中に、金属性不純物および付着した吸水性ポリマー粒子を負荷され、かつしたがって、定期的に清浄化しなければならない。これに関して、管状磁石は磁気分離装置から除去され、かつ付着した金属不純物および吸水性ポリマー粒子を、たとえば電気掃除機で除去する。
【0031】
より簡単な清浄化のために、管状磁石を付加的な非磁性材料、たとえば特殊鋼から成る取り外し可能なカプセル中で使用することができる。付加的なカプセルに堆積した材料は、管状磁石を引き抜くことによって容易に除去することができる。この種の系は、たとえば商標EASY CLEANクリーナー(S+S SeparationおよびSorting Technology GmbH、Schonberg、ドイツ国)により得ることができる。これに関する欠点は、作用表面についての磁場強度と同時に分離割合が付加的なカプセルの使用によって低下することである。
【0032】
磁気分離装置中の吸水性ポリマー粒子の温度は、好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃、とりわけ好ましくは50〜70℃である。
【0033】
磁気分離装置中の吸水性ポリマー粒子の湿分量は、好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは2〜10質量%、とりわけ好ましくは2.5〜5質量%であり、かつEDANAにより推奨される試験方法No.WSP 230.2−05""Moisture Content"によって測定する。
【0034】
吸水性ポリマー粒子の製造の際の磁気分離装置の使用は、付加的な機械的負荷によって、増加したダストを招く。磁気分離は、しばしば、吸水性ポリマー製造の際の最終工程である。したがって、これらのダストはもはや取り除かれず、かつ生成物の性質を劣化させる。
【0035】
吸水性ポリマー粒子の機械的安定性は、温度調節およびさらに最小湿分量の調節によって、顕著に増加させることができる。温度が過度に高い場合には、磁場が弱くなる。
【0036】
その一方で、過度に高い温度と過度に高い湿分量との組合せは、回避すべきであり、それというのも、この場合においては、吸水性ポリマー粒子の粘性が増加するためである。
【0037】
吸水性ポリマー粒子が、高い温度、たとえば160℃を上まわる温度で熱的に後処理され、たとえば表面後架橋される場合には、吸水性ポリマーは、極めて低い湿分量を示す。したがって、吸水性ポリマー粒子の湿分量を、磁気分離装置前に増加させることが有利である。
【0038】
湿分量は、通常は、適した混合装置中に水または水溶液を添加することによって増加する。有利には、高速混合機を備えたミキサを使用し、それというのも、これによって吸水性ポリマー粒子の凝固傾向を最小限にするためである。凝固傾向に影響を与える他のパラメータは、吸水性ポリマー粒子の温度および湿潤化のために使用された水溶液のイオン強度である。凝固傾向は、増加した温度および増加したイオン強度で取り除く。
【0039】
使用した管状磁石は、通常、少なくとも0.6T、特に好ましくは少なくとも0.9T、とりわけ好ましくは少なくとも1.1Tの磁束密度を有する。
【0040】
磁気分離装置の管状磁石は、通常、生成物流管路中に直接存在する。該生成物流管路は何ら制限されるものではない。適した生成物管路は、たとえば、吸水性ポリマー粒子を空気により又は重力により輸送する管路である。この生成物流管路の直径は、有利には5〜50cm、特に有利には15〜40cm、特にとりわけ有利には20〜35cmである。
【0041】
有利には、磁気分離装置は上から下に通過させる。これに関して、吸水性ポリマー粒子は本質的にその正味重量に基づいて、磁気分離装置を導くことが可能である。
【0042】
管状磁石の間隔は、生成物流のための十分な間隙を提供する一方で、間隙中心における十分な磁場が保証されるように選択される。
【0043】
管状磁石の直径は、好ましくは5〜30mm、特に好ましくは5〜20mm、とりわけ好ましくは5〜10mmである。管状磁石間の間隙幅は、好ましくは5〜30mm、特に好ましくは8〜25mm、とりわけ好ましくは10〜20mmである。
【0044】
有利には、複数個の管状磁石を並べて、かつ上下にずらして配置する。それによって、磁気分離装置の分離割合が増加する。
【0045】
磁気分離装置の面積負荷は特に2〜15g/cms、特に好ましくは4〜12g/cms、とりわけ好ましくは6〜8g/cmsである。面積負荷は、生成物流方向に対して垂直な断面積1cmを1秒間に通過する生成物の量(g)である。
【0046】
過度に低い面積負荷の場合には、金属性不純物は積層流の形で管状磁石の周囲を回る。過度に高い面積負荷の場合には、すでに析出した金属性不純物が再度管状磁石から叩き落とされる。
【0047】
磁気分離装置は、さらにガス流、たとえば空気または工業用窒素を貫流させてもよい。ガス流は、好ましくは5g/kgを下回り、特に好ましくは4g/kgを下回り、とりわけ好ましくは3g/kgを下回る含水量を示す。
【0048】
本発明は、摩耗した弾性ボールを有利には磁気分離装置中で捕捉することができるという認識に基づく。磁気分離装置の管状磁石は、頻繁に清浄化しなければならず、かつそれによって通常は、取り出し可能なカセット中に配置される。磁気分離装置の適切な調節によって、摩耗した弾性ボールは捕捉され、かつ磁気分離装置の通常の清浄化の際に付加的なコストをかけることなく除去することができる。
【0049】
連行された弾性ボールは、さらに有利には連続的に排出することができる。たとえば、捕捉装置は、水平方向に対して勾配し、好ましくは少なくとも10゜、特に好ましくは少なくとも30゜、とりわけ好ましくは少なくとも50゜勾配していてもよい。この方法で連行された弾性ボールは側面で連続的に生成物流から除去することができる。
【0050】
連続式捕捉装置は、たとえば磁気分離装置下に取り付けることができる。図2は、このような連続式捕捉装置を示し、その際、符号は、以下の意味を有する:
1 生成物流管路
2 磁気分離装置
3 管状磁石
5 捕捉装置
6 収容容器
【0051】
吸水性ポリマー粒子は、モノマー溶液またはモノマー懸濁液の重合によって製造され、かつ通常は水不溶性である。
【0052】
モノマーa)は、好ましくは水溶性であり、すなわち、23℃における水中での溶解度は、概して少なくとも1g/水100g、好ましくは少なくとも5g/水100g、特に有利には少なくとも25g/水100g、極めて有利には少なくとも35g/水100gである。
【0053】
適したモノマーa)は、たとえばエチレン性不飽和カルボン酸、たとえばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸である。特に好ましいモノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸である。とりわけ好ましくはアクリル酸である。
【0054】
さらなる適したモノマーa)は、たとえばエチレン性不飽和スルホン酸、たとえばスチレンスルホン酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0055】
不純物は、重合に著しい影響を与えかねない。それゆえ、使用される原料は、可能な限り高い純度を有していることが望ましい。それゆえ、たいていの場合、モノマーa)を特別に精製することが好ましい。適した精製法は、たとえばWO2002/055469A1、WO2003/078378A1及びWO2004/035514A1に記載される。適したモノマーa)は、たとえばWO2004/035514A1により精製されたアクリル酸であり、アクリル酸99.8460質量%、酢酸0.0950質量%、水0.0332質量%、プロピオン酸0.0203質量%、フルフラール0.0001質量%、無水マレイン酸0.0001質量%、ジアクリル酸0.0003質量%およびヒドロキノンモノメチルエーテル0.0050質量%を有する。
【0056】
モノマーa)の全量におけるアクリル酸および/またはその塩の割合は、有利に少なくとも50モル%、特に有利に少なくとも90モル%、とりわけ有利に少なくとも95モル%である。
【0057】
モノマーa)は、通常、重合禁止剤、好ましくはヒドロキノン半エーテルを貯蔵安定剤として含有する。
【0058】
該モノマー溶液は、そのつど未中和の該モノマーa)に対して、ヒドロキノン半エーテルを、好ましくは250質量ppmまで、有利にはせいぜい130質量ppm、特に有利にはせいぜい70質量ppmであって、有利には少なくとも10質量ppm、特に有利には少なくとも30質量ppm、とりわけ約50質量ppm含有する。たとえば、該モノマー溶液の製造のために、相応するヒドロキノン半エーテル含量を有するエチレン性不飽和の酸基含有モノマーを使用することができる。
【0059】
有利なヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はα−トコフェロール(ビタミンE)である。
【0060】
適した架橋剤b)は、架橋のために適した少なくとも2個の基を有する化合物である。かかる基は、たとえば、ポリマー鎖中にラジカル重合導入されることができるエチレン性不飽和基、および該モノマーa)の酸基と共有結合を形成することができる官能基である。さらに、該モノマーa)の少なくとも2個の酸基と配位結合を形成可能な多価金属塩も架橋剤b)として適している。
【0061】
架橋剤b)は、好ましくは、ポリマー網目にラジカル重合導入されることができる少なくとも2個の重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は、たとえばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン(たとえばEP0530438A1に記載)、ジアクリレートおよびトリアクリレート(たとえばEP0547847A1、EP0559476A1、EP0632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1およびDE10331450A1に記載)、アクリレート基の他にさらなるエチレン性不飽和基を有する混合アクリレート(たとえばDE10331456A1およびDE10355401A1に記載)、または架橋剤混合物(たとえばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1およびWO2002/032962A2に記載)である。
【0062】
有利な架橋剤b)は、ペンタエリトリトリアリルエーテル、テトラアルコキシエタン、メチレンビス−メタクリルアミド、15箇所エトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びトリアリルアミンである。
【0063】
特に極めて有利な架橋剤b)は、たとえばWO2003/104301A1に記載されているような、ジアクリレート又はトリアクリレートのためにアクリル酸又はメタクリル酸とエステル化された多重エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンである。3〜10箇所でエトキシル化されたグリセリンのジ−および/またはトリアクリレートが特に有利である。特にとりわけ有利には、1〜5箇所エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのジアクリレート又はトリアクリラートである。最も有利なのは、3〜5箇所エトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのトリアクリレート、殊に3箇所エトキシ化されたグリセリンのトリアクリレートである。
【0064】
架橋剤b)の量は、そのつどモノマーa)に対して、好ましくは0.05〜1.5質量%、特に有利には0.1〜1質量%、極めて有利には0.3〜0.6質量%である。架橋剤含量が増えるにつれて、遠心保持容量(CRC)は低下し、かつ21.0g/cm2の加圧下での吸収量は最大値に達する。
【0065】
開始剤c)として、重合条件下で全てのラジカルを生成する化合物、たとえば熱開始剤、レドックス開始剤、光開始剤を使用することができる。適したレドックス開始剤は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、過酸化水素/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/重亜硫酸ナトリウムおよび過酸化水素/重亜硫酸ナトリウムである。好ましくは、熱開始剤と酸化還元開始剤とからの混合物、たとえばペルオキソ二硫酸ナトリウム/過酸化水素/アスコルビン酸が使用される。しかし、還元性成分として、好ましくは2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩および重亜硫酸ナトリウムとからの混合物も使用される。この種の混合物は、Brueggolite(登録商標)FF6及びBrueggolite(登録商標)FF7(Brueggeman Chemicals;Heilbronn;Germany)として入手可能である。
【0066】
エチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)は、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートである。
【0067】
水溶性ポリマーe)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、変性セルロース、たとえばメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリグリコール又はポリアクリル酸、好ましくはデンプン、デンプン誘導体及び変性セルロースを使用することができる。
【0068】
通常はモノマー水溶液が使用される。該モノマー溶液の含水率は、好ましくは40〜75質量%、特に有利には45〜70質量%、極めて有利には50〜65質量%である。モノマー懸濁液、すなわち、過剰のモノマーa)を有するモノマー溶液、たとえばアクリル酸ナトリウムを使用することも可能である。含水量が増えるにつれて、引き続く乾燥に際してのエネルギー消費量が増大し、かつ含水量が下がるにつれて、重合熱は不十分にしか除去することができない。
【0069】
有利な重合禁止剤は、最適な作用のために溶解された酸素を必要とする。それゆえモノマー溶液から、重合前に、不活性化によって、すなわち、不活性ガス、好ましくは窒素または二酸化炭素による流過によって、溶解された酸素が取り除かれることがある。好ましくは、重合前のモノマー溶液の酸素含有率は、1質量ppm未満に、特に有利には0.5質量ppm未満に、極めて有利には0.1質量ppm未満に下げられる。
【0070】
適した反応器は、たとえば混練反応器またはベルト反応器である。ニーダー中では、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合に際して発生するポリマーゲルが、WO2001/38402A1に記載されているように、たとえば対向撹拌軸(gegenlaeufige Ruehrwellen)によって連続的に微粉砕される。ベルト上での重合は、たとえばDE3825366A1およびUS6,241,928に記載される。ベルト反応器中での該重合に際してポリマーゲルが生じ、それは、さらなる方法工程において、たとえば押出機中または混練機中で微粉砕されなければならない。
【0071】
しかし、モノマー水溶液を液滴化し、かつ生成された該液滴を、加熱されたキャリアーガス流中で重合することも可能である(滴下重合)。これに関して、工程は重合および乾燥を一緒にまとめることができ、これはたとえばWO2008/040715A2およびWO2008/052971A1に記載されている。
【0072】
得られたポリマーゲルの酸基は、通常、部分的に中和されている。この中和は、有利にモノマーの段階で実施される。中和は通常、中和剤を水溶液として、又は好ましくは固体として混合導入することによって行われる。中和度は、好ましくは25〜95モル%、特に有利には30〜80モル%、極めて有利には40〜75モル%であり、その際、通常の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩ならびにこれらの混合物を使用することができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩も使用してよい。ナトリウムおよびカリウムはアルカリ金属として特に好ましく、しかしながらとりわけ好ましくは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムならびにこれらの混合物である。
【0073】
しかし、重合後の中和を、該重合に際して発生するポリマーゲルの段階で実施することも可能である。さらに、中和剤の一部をすでにモノマー溶液に添加し、かつ所望の最終中和度を重合後に初めてポリマーゲルの段階で調整することによって、重合前に酸基を40mol%まで、好ましくは10〜30mol%、特に有利には15〜25mol%中和することが可能である。該ポリマーゲルが少なくとも部分的に重合後に中和される場合、該ポリマーゲルは、好ましくは機械的に、たとえば押出機を用いて微粉砕され、その際、該中和剤を吹き付けるか、振りかけるか、又は注ぎ込み、次いで入念に相互に混合することができる。そのため、得られたゲル組成物をなお繰り返し均質化のために押出すことができる。
【0074】
次いでポリマーゲルは、好ましくはベルト乾燥機で、残留湿分含有率が、好ましくは0.5〜15質量%、特に有利には1〜10質量%、極めて有利には2〜8質量%になるまで乾燥し、その際、該残留湿分含有率は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)より推奨される試験法No.WSP 230.2−05"Moisture content"に従って測定する。残留湿分量が高すぎる場合、乾燥された該ポリマーゲルは過度に低いガラス転移温度Tgを有し、かつ、さらに加工を行うにも困難となる。過度に低い残留湿分量の場合には、乾燥したポリマーゲルはもろくかつ、引き続いての粉砕工程中で、低い粒径(微細な粉体)を有する望ましくない量で生じる。該ゲルの固体含有率は、乾燥前、好ましくは25〜90質量%、特に有利には35〜70質量%、極めて有利には40〜60質量%である。しかしながら選択的には、乾燥のため、流動床乾燥機又はパドル乾燥機も使用できる。
【0075】
この後で、乾燥させたヒドロゲルを微粉砕し、そして分級し、その際、微粉砕のために通常、1段階又は多段階のロールミル、好ましくは2段階又は3段階のロールミル、ピンミル、ハンマーミル又はスイングミルを使用することができる。
【0076】
生成物画分として分離されたポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは少なくとも200μm、特に有利には250〜600μm、極めて有利には300〜500μmである。該生成物画分の平均粒径は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法No.WSP 220.2−05 "Partikel Size Distribution"によって算出されることができ、その際、該ふるい画分の質量割合は、累積的にプロットされ、かつ平均粒径は、グラフにより定められる。この場合、平均粒径は、累積して50質量%となる目開きの値である。
【0077】
少なくとも150μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0078】
過度に低い粒径を有するポリマー粒子は、透過性(SFC)を低下させる。それゆえ、過度に小さいポリマー粒子("微粉")の割合は低いことが望ましい。
【0079】
過度に小さいポリマー粒子は、それゆえ通常は分離され、かつ処理に返送される。これは、好ましくは、重合の前、重合の間又は重合直後に、すなわちポリマーゲルの乾燥前に行われる。過度に小さいポリマー粒子は、該返送の前または間に、水および/または水性界面活性剤で湿らせてよい。
【0080】
また、後の方法工程で、たとえば表面後架橋又は他の被覆工程により、過度に小さいポリマー粒子を分離することができる。この場合、返送した過度に小さいポリマー粒子は、表面後架橋若しくは他の方法で、たとえば熱分解法シリカにより被覆されている。
【0081】
重合のために混練反応器が使用される場合、過度に小さいポリマー粒子は、好ましくは、該重合の最後の3分の1の間に添加される。
【0082】
過度に小さいポリマー粒子が、非常に早く、たとえば、すでにモノマー溶液に添加される場合、それによって、得られた該吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は低下する。しかしながらこれは、架橋剤b)の使用量を調整することによって補うことができる。
【0083】
過度に小さいポリマー粒子が、非常に遅く、たとえば、重合反応器中に後接続された装置中で、たとえば押出機中で初めて添加される場合、過度に小さい該ポリマー粒子を、得られたポリマーゲルに組み込むのは困難でしかない。不十分に組み込まれた非常に小さいポリマー粒子は、一方で、乾燥されたポリマーゲルから粉砕中に再び離れ、それゆえ分級に際して新たに分離され、かつ返送されるべき過度に小さいポリマー粒子の量を増加させる。
【0084】
せいぜい850μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0085】
せいぜい600μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0086】
過度に大きい粒径を有するポリマー粒子は、膨潤速度を低下させる。それゆえ、過度に大きいポリマー粒子の割合もまた同様に低くすべきである。
【0087】
過度に大きいポリマー粒子は、それゆえ通常は分離され、かつ乾燥されたポリマーゲルの粉砕に返送される。
【0088】
ポリマー粒子は、特性の更なる改善のために表面後架橋することができる。適した表面後架橋剤は、ポリマー粒子の少なくとも2個のカルボキシレート基と共有結合を形成することができる基を含有する化合物である。適した化合物は、たとえば多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド(たとえばEP0083022A2、EP0543303A1及びEP0937736A2に記載)、二官能性又は多官能性のアルコール(たとえばDE3314019A1、DE3523617A1及びEP0450922A2に記載)、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド(たとえばDE10204938A1及びUS6,239,230に記載)である。
【0089】
加えて、DE4020780C1の中で環状カーボネートが、DE19807502A1の中で2−オキサゾリドン及びその誘導体、たとえば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE19807992C1の中でビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE19854573A1の中で2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE19854574A1の中でN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE10204937A1の中で環状尿素が、DE10334584A1の中で二環状アミドアセタールが、EP1199327A2の中でオキセタン及び環状尿素が、またWO2003/31482A1の中でモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が適した後架橋剤として記載されている。
【0090】
有利な表面後架橋剤は、グリセリン、エチレンカーボネート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドとエピクロロヒドリンとの反応生成物およびプロピレングリコールと1,4−ブタンジオールとからの混合物である。
【0091】
極めて有利な表面後架橋剤は、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン、オキサゾリジン−2−オンおよび1,3−プロパンジオールである。
【0092】
さらに、DE3713601A1に記載されているように、付加的な重合可能なエチレン性不飽和基を有する表面後架橋剤も使用することができる。
【0093】
表面架橋剤の量は、それぞれのポリマー粒子に対して特に0.001〜2質量%、特に好ましくは0.02〜1質量%、とりわけ好ましくは0.05〜0.2質量%である。
【0094】
本発明の有利な一実施態様において、表面後架橋の前、間または後に、表面後架橋剤に加えて多価カチオンが粒子表面に施与される。
【0095】
本発明による方法において使用することができる多価カチオンは、たとえば二価のカチオン、たとえば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄及びストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、たとえばアルミニウム、鉄、クロム、希土類及びマンガンのカチオン、四価のカチオン、たとえばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオンおよびカルボン酸イオン、たとえば酢酸イオンおよび乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウム及び乳酸アルミニウムが有利である。金属塩以外に、ポリアミンも多価カチオンとして使用することができる。
【0096】
多価カチオンの使用量は、そのつどポリマー粒子に対して、たとえば0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、特に有利には0.02〜0.8質量%である。
【0097】
通常、該表面後架橋は、表面後架橋剤の溶液を、乾燥されたポリマー粒子上に吹き付けるように実施される。該吹き付けに引き続き、表面後架橋剤でコーティングされたポリマー粒子は熱乾燥され、その際、該表面後架橋反応は、乾燥前でも乾燥中でも行うことができる。
【0098】
表面後架橋剤の溶液の吹き付けは、好ましくは、可動式混合ツールを有するミキサー、たとえばスクリューミキサー、ディスクミキサー及びパドルミキサー中で実施される。特に有利なのは横型ミキサー、たとえばパドルミキサーであり、極めて有利なのは縦型ミキサーである。横型ミキサーと縦型ミキサーとの区別は、ミキシングシャフトの取り付け部により行われ、すなわち、横型ミキサーは、水平に取り付けられたミキシングシャフトを有し、かつ縦型ミキサーは、垂直に取り付けられたミキシングシャフトを有する。適したミキサーは、たとえば横型Pflugschar(登録商標)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH;Paderborn;DE)、Vrieco−Nauta連続ミキサー(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;NL)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated;Cincinnati;US)及びSchugi Flexomix(登録商標)(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;NL)である。しかし、表面後架橋剤溶液を流動床中で吹き付けることも可能である。
【0099】
該表面後架橋剤は、概して水溶液として使用される。非水性溶媒の含量もしくは全体の溶媒量により、ポリマー粒子中への表面後架橋剤の侵入深さを調整することができる。
【0100】
溶媒として主に水を用いる場合、界面活性剤を添加することが有利である。それによって濡れ挙動が改善され、且つ凝塊形成が減少される。好ましくは、しかし、溶媒混合物、たとえばイソプロパノール/水、1,3−プロパンジオール/水およびプロピレングリコール/水が使用され、その際、該混合物の質量比は、好ましくは20:80〜40:60である。
【0101】
熱的乾燥は、好ましくは接触乾燥機中、とりわけ有利にはパドル乾燥機中、極めて有利にはディスク乾燥機中で実施される。適した乾燥機は、たとえばHosokawa Bepex(登録商標)Horizontal Paddle Dryer(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;DE)、Hosokawa Bepex(登録商標)Disc Dryer(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;DE)及びNara Paddle Dryer(Nara Machinery Europe;Frechen;DE)である。さらに、流動層乾燥機も使用してよい。
【0102】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。同様に、後方に配置された乾燥機、たとえばシェルフドライヤー、回転管炉か又は加熱可能なスクリューが適している。とりわけ好ましくは、流動層乾燥機中で混合および乾燥される。
【0103】
有利な乾燥温度は、100〜250℃、有利には120〜220℃、特に有利には130〜210℃、極めて有利には150〜200℃の範囲にある。反応ミキサーまたは乾燥機中でのこの温度における有利な滞留時間は、好ましくは少なくとも10分間、特に有利には少なくとも20分間、極めて有利には少なくとも30分間であり、かつ通常はせいぜい60分間である。
【0104】
引き続き、表面後架橋されたポリマー粒子を新たに分級してよく、その際、過度に小さいポリマー粒子および/または過度に大きいポリマー粒子が分離され、かつ処理に返送される。
【0105】
該表面後架橋されたポリマー粒子は、特性のさらなる改善のためにコーティングするかまたは後で湿らせてよい。獲得挙動(Akquisitionsverhalten)並びに透過性(SFC)の改善のための適したコーティングはたとえば無機の不活性物質、たとえば水不溶性金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー並びに二価又は多価の金属カチオンである。粉塵結合のための適したコーティングはたとえばポリオールである。ポリマー粒子の不所望な凝結傾向に対する適したコーティングは、たとえば熱分解シリカ、たとえばAerosil(登録商標)200、および界面活性剤、たとえばSpan(登録商標)20である。
【0106】
本発明による方法により製造された吸水性ポリマー粒子は、好ましくは0〜15質量%、特に有利には0.2〜10質量%、極めて有利には0.5〜8質量%の湿分含有率を有し、その際、該含水率は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)より推奨される試験法No.WSP 230.2−05 "Moisture content"に従って測定される。
【0107】
本発明による方法により製造された吸水ポリマー粒子は、概して少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には少なくとも26g/gの遠心保持容量(CRC)を有する。吸水ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は、通常は60g/g未満である。遠心保持容量(CRC)は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験法Nr.241.2−05"Centrifuge retention capacity"に従って測定される。
【0108】
本発明による方法により製造された吸水性ポリマー粒子は、49.2g/cmの加圧下で、概して少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には少なくとも26g/gの吸収量を有する。吸水性ポリマー粒子の49.2g/cmの加圧下での吸収量は、通常は35g/g未満である。49.2g/cmの加圧下での吸収量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨される試験法Nr.WSP 242.2−05 "Absorption under pressure"と同様に測定され、その際、21.0g/cmの圧力の代わりに、49.2g/cmの圧力が調整される。
【0109】
EDANA試験方法は、たとえばEDANA(Avenue Eu-15 gene Plasky 157、B-1030 Brussel, Belgien)で入手可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 生成物管路、 2 磁気分離装置、 3 管状磁石、 4 バー、 5 捕捉装置、 6 収容容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の回転式ふるい機を用いての乾燥、粉砕および分級を含む、
a)少なくとも部分的に中和することができる、少なくとも1種のエチレン性不飽和酸基含有モノマー、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)場合によっては、a)で挙げられたモノマーと共重合可能な1種またはそれ以上のエチレン性不飽和モノマー、および
e)場合によっては、1種またはそれ以上の水溶性ポリマー
を含有するモノマー溶液またはモノマー懸濁液を重合することによる、吸水性ポリマー粒子の製造方法において、
分級のために使用される回転式ふるい機が、ふるいの下に弾性ボールを備えたベーストレイから成る少なくとも1種のボールノック式クリーナーを備えており、前記ボールは当初直径xを有し、かつ前記ベーストレイは、最大粒径yを有する粒子のための通過口を有しており、この際、yはxよりも小さく、かつ回転式ふるい機の外に連行された弾性ボールを捕捉装置によって分離し、この際、この捕捉装置は、最大粒径zを有する粒子のための通過口を有しており、この際、zはyよりも小さいことを特徴とする、前記吸水性ポリマー粒子の製造方法。
【請求項2】
表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を、回転式ふるい機中で分級する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
弾性ボールの当初粒径xが、15〜40mmである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
弾性ボールが天然ゴム、シリコーン変性エチレン−プロピレン−ジエン−ゴム、ニトリル−ブタジエン−ゴム、スチレン−ブタジエン−ゴムまたはポリウレタンから成る、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ベーストレイが、粒径yを有する粒子のための通過口を有し、その際yはxよりも1〜20mm小さい、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ベーストレイ中の通過口が円形である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
捕捉装置が、粒径zを有する粒子のための通過口を有し、その際、zはyよりも0.1〜10mm小さい、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
捕捉装置が、平行に配置された管状磁石を有する磁気分離装置である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
それぞれ2個の管状磁石の間に、管状磁石ではない少なくとも1個のさらなるバーが存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
連行された弾性ボールを、捕捉装置によって連続的に搬出する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
捕捉装置が、水平方向に対して少なくとも30゜の勾配を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
吸水性ポリマー粒子が、少なくとも15g/gの遠心保持容量を有する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−519737(P2012−519737A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550534(P2011−550534)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051830
【国際公開番号】WO2010/094639
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】