説明

吹付機に於ける吹付ノズル装置及びこの吹付ノズル装置を用いた吹付システム

【課題】吹付基材と加圧水との混合状態を良好にし、被吹付物をノズル先端から所望位置に確実に且つ正確に吹付けできる吹付ノズル装置を提供する。
【解決手段】ノズル用混合筒体Aは、筒芯方向に沿って適宜間隔に配する複数の偏平狭窄部3を、偏平方向が筒芯周りで異なる向きに形成し、吹付ノズルBは、ノズル基体B1とノズル外装体B2とからなり、ノズル基体B1の内装筒部11の外周表面と、ノズル外装体B2の中央部の内周表面との間にエアー通過空間20を周設し、ノズル外装体B2の先端部内周表面に形成したテーパー状の傾斜内周面17と、ノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設し、エアーホース取付部15に装着したエアーホースDから供給する加圧エアーがエアー通過空間20を介してエアー噴出口21から噴出し、被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体B2先端から吐出できるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、セメント系材料を吹付けて道路工事や宅地造成に於ける法面等の補強(補修)を行う際に使用される吹付機に於ける吹付ノズル装置及びこの吹付ノズル装置を用いた吹付システムに係り、セメントに少なくとも砂が加えられることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用して長尺なホース内先端部分に乾式圧送され、一方、長尺なホースの先端寄り部分まで水が別途圧送されて、ホース内の先端寄り部分で吹付基材に水が加えられて被吹付物が形成され、この被吹付物を吹付けるときに、吹付基材と水との混合状態を良好にすると共に、被吹付物をノズル先端から所望位置に確実に且つ正確に吹付けできるよう工夫した吹付機に於ける吹付ノズル装置及びこの吹付ノズル装置を用いた吹付システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の吹付機に於ける吹付ノズル装置や吹付システムにあっては種々のものが開示されており、例えば、特許文献1の図3に示すような吹付ノズルが示されている。
これは、吹付ノズルにおいて、法枠材料の流れの周囲部分から空気を環状に前方に噴出させることを示したものである。しかも、この吹付ノズルが利用される前記法枠材料は、砂、セメント及び水をミキサーにて予め混練したものであり、この湿式の法枠材料を圧送ポンプにより圧送管路を通して吹付ノズルに圧送するようにしたものである。
また、特許文献2は、乾式吹付機から砂とセメントとの混合物を輸送管で乾式輸送し、この輸送された混合物にウオータスイベル内で加圧水と加圧エアを加え、これをミキシング装置内に送込むと共に、ミキシング装置内の複数の撹拌羽根によって撹拌してから吹付けられるような手段を採用したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−108470号公報(図3)
【特許文献2】特開2000−96823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前者の如きに吹付ノズルにあっては、法枠材料の流れの周囲部分から空気を環状に前方へ噴出させることにより、垂れ落ちようとする材料を空気に乗せて吹き飛ばしたり、或いは、空気の流れによるエアカーテン作用によって垂れ落ちを防止できるように記載されているが、リング管と吹付ノズル本体との間に形成される環状の噴出口の面積が一定となるように構成されていることにより、法枠材料や吹付条件等に応じて空気の噴出圧力を調整することが難しい難点があった。しかも、湿式の法枠材料を圧送ポンプから吹付ノズルまで圧送するため、圧送抵抗が大きく、よりスムーズな圧送や吹付が期待し難いものであった。
【0005】
また、後者の如きミキシング装置にあっては、ミキシング装置内に複数の撹拌羽根を設けているため、ミキシング装置の構成が複雑となる難点や、砂とセメントとの混合物に加圧水と加圧エアを加える際に、混合物に水が確実に且つバランス良く加え難い等の難点があった。
【0006】
そこで、本発明は、前述の如き難点等を解消して、吹付基材と水を夫々スムーズに圧送できるようにし、この吹付基材と水の混合が確実に、スムーズに、且つバランス良く行えるようにすると共に、均質で良好な混合状態の被吹付物が得られるようにし、更に、被吹付物を所望位置に確実に且つ均一に吹付け易くし、加えて、被吹付物や吹付条件等に応じてエアーの噴出圧力を容易に調整できるようにし、しかも、構成が簡素で、取扱い易く、メンテナンスが容易な吹付ノズル装置及び吹付システムを提供できるようにすべく創出されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
しかして、前述の如き課題を達成できるようにすべく、請求項1記載の吹付機に於ける吹付ノズル装置にあっては、セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用してホースC内先端部分に乾式圧送され、一方、ホースCの先端寄り部分まで別途圧送された水を吹付基材に加えることにより被吹付物が形成され、この被吹付物を所望位置に吹付けできるよう構成した吹付ノズル装置であって、ホースCの先端部分に装着されるノズル用混合筒体Aと、このノズル用混合筒体Aの先端部分に装着される吹付ノズルBとからなり、前記ノズル用混合筒体Aは、円筒状の筒基体に複数の偏平狭窄部3を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成され、隣設する偏平狭窄部3相互は、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて異なる向きとなるように形成され、前記吹付ノズルBは、ノズル用混合筒体Aの先端部分に装着されるノズル基体B1と、このノズル基体B1に外装状に装着されるノズル外装体B2とからなり、ノズル基体B1の先端がわに形成される内装筒部11の外周表面と、ノズル外装体B2の中央部の内周表面との間にエアー通過空間20を周設し、ノズル外装体B2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面17を形成すると共に、この傾斜内周面17とノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設し、エアー通過空間20に連通するエアーホース取付部15をノズル外装体B2に形成し、このエアーホース取付部15に装着したエアーホースDから供給される加圧エアーがエアー通過空間20を介してエアー噴出口21から噴出され、ホースCから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体B2先端から吐出できるように構成する手段を採用した。
【0008】
また、請求項2記載の吹付機に於ける吹付ノズル装置にあっては、前記ノズル外装体B2は、その雌ネジ部16をノズル基体B1の雄ネジ部12に螺着することで装着され、ノズル基体B1に対するノズル外装体B2の装着位置を前後方向に調節できるように形成し、エアー噴出口21の面積を調節できるように構成する手段を採用した。
【0009】
更に、請求項3記載の吹付ノズル装置を用いた吹付システムにあっては、セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用してホースC内先端部分に乾式圧送され、この吹付基材にホースCの先端寄り部分まで別途圧送された水を加えられるように形成された注水ノズルEと、吹付基材に水が加えられた被吹付物を所望位置に吹付けできるよう形成した吹付ノズル装置とを備えた吹付システムであって、注水ノズルEは、ホースCの先端部分に装着される注水ノズル基体E1と、この注水ノズル基体E1の先端がわ部分を覆うように装着される注水ノズル外装体E2とからなり、注水ノズル基体E1の先端がわに形成される内装筒部31の外周表面と、注水ノズル外装体E2の内周表面との間に水通過空間40を周設し、注水ノズル外装体E2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面37を形成すると共に、この傾斜内周面37と注水ノズル基体E1先端との間に水噴出口41を周設し、水通過空間40に連通する注水ホース取付部35を注水ノズル外装体E2に形成し、この注水ホース取付部35に装着した注水ホースFから圧送される水が水通過空間40を介して水噴出口41から噴出され、ホースCから圧送される吹付基材に水が囲繞状に加えられて吹付ノズル装置に圧送できるように構成し、吹付ノズル装置は、注水ノズルEの先端部分に装着されるノズル用混合筒体Aと、このノズル用混合筒体Aの先端部分に装着される吹付ノズルBとからなり、前記ノズル用混合筒体Aは、円筒状の筒基体に複数の偏平狭窄部3を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成され、隣設する偏平狭窄部3相互は、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて異なる向きとなるように形成され、前記吹付ノズルBは、ノズル用混合筒体Aの先端部分に装着されるノズル基体B1と、このノズル基体B1に外装状に装着されるノズル外装体B2とからなり、ノズル基体B1の先端がわに形成される内装筒部11の外周表面と、ノズル外装体B2の中央部の内周表面との間にエアー通過空間20を周設し、ノズル外装体B2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面17を形成すると共に、この傾斜内周面17とノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設し、エアー通過空間20に連通するエアーホース取付部15をノズル外装体B2に形成し、このエアーホース取付部15に装着したエアーホースDから供給される加圧エアーがエアー通過空間20を介してエアー噴出口21から噴出され、注水ノズルEから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体B2先端から吐出できるように構成する手段を採用した。
【発明の効果】
【0010】
従って、請求項1記載の吹付機に於ける吹付ノズル装置によれば、セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用してホースC内先端部分に乾式圧送され、一方、ホースCの先端寄り部分まで別途圧送された水を吹付基材に加えることにより被吹付物が形成されるので、吹付基材と水を夫々スムーズに圧送できるようになる。しかも、所謂湿式圧送に比べ圧送抵抗がかなり低くなり、長い距離での圧送も可能となる。
【0011】
また、ノズル用混合筒体Aは、円筒状の筒基体に複数の偏平狭窄部3を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成され、隣設する偏平狭窄部3相互は、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて異なる向きとなるように形成されるので、被吹付物が複数の偏平狭窄部3で異なる向きから揉まれるような状態となり、均質で良好な混合状態の被吹付物が得られるようになる。
【0012】
更に、前記吹付ノズルBは、ノズル用混合筒体Aの先端部分に装着されるノズル基体B1と、このノズル基体B1に外装状に装着されるノズル外装体B2とからなり、ノズル基体B1の先端がわに形成される内装筒部11の外周表面と、ノズル外装体B2の中央部の内周表面との間にエアー通過空間20を周設し、ノズル外装体B2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面17を形成すると共に、この傾斜内周面17とノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設し、エアー通過空間20に連通するエアーホース取付部15をノズル外装体B2に形成し、このエアーホース取付部15に装着したエアーホースDから供給される加圧エアーがエアー通過空間20を介してエアー噴出口21から噴出され、ホースCから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体B2先端から吐出できるように構成したので、被吹付物がノズル外装体B2の先端から吹出される際に、被吹付物を囲繞するように加圧エアーが吹出されるようになり、加圧エアーの吹出し圧力が被吹付物に加えられるようになると共に、被吹付物の拡散が抑制できるようになり、作業者が被吹付物を所望位置(狙った位置や比較的離れた位置)に正確に吹付けできるようになる。ひいては、被吹付物を所望位置に確実に且つ均一に吹付け易いものとなる。
【0013】
特に、ノズル外装体B2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面17を形成すると共に、この傾斜内周面17とノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設したので、このエアー噴出口21から噴出される加圧エアーは、傾斜内周面17に沿って移動してから被吹付物を囲繞するように接触して、これを前方に押し出すような力を加えられるようになる。
しかも、吹出された被吹付物の周りには加圧エアーがあり、法面等の吹付面に於いてリバウンドロス等を少なくできて、綺麗な吹付面となる。
そして、エアー噴出口21は、エアー通過空間20に比べてかなり狭く形成することが可能となり、エアー噴出口21に於ける加圧エアーの通過速度をかなり高めることができるようになる。しかして、被吹付物を前方に押し出すような強い力を発揮できるようになると共に、エアー噴出口21後方の被吹付物を前方に引き出すような強い力も発揮できるようになり、被吹付物を連続的により強く吹付けできるようになる。
【0014】
加えて、吹付ノズル装置は、その構成が簡素で、取扱い易く、メンテナンスが容易となり、更に、ノズル用混合筒体Aは、その構成が極めて簡素となり、メンテナンスも容易となる。
【0015】
また、請求項2記載の吹付機に於ける吹付ノズル装置によれば、ノズル外装体B2は、その雌ネジ部16をノズル基体B1の雄ネジ部12に螺着することで装着され、ノズル基体B1に対するノズル外装体B2の装着位置を前後方向に調節できるように形成し、エアー噴出口21の面積を調節できるように構成したので、加圧エアーの噴出圧力や噴出速度を簡単に且つ細かく調整できるようになり、被吹付物や吹付条件等に応じた加圧エアーの最適な吹出しが行えるようになる。
【0016】
更に、請求項3記載の吹付システムによれば、セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用してホースC内先端部分に乾式圧送され、この吹付基材にホースCの先端寄り部分まで別途圧送された水を加えられるように形成された注水ノズルEを備えているので、吹付基材と水を夫々スムーズに圧送できるようになる。また、所謂湿式圧送に比べ圧送抵抗がかなり低くなり、長い距離での圧送も可能となる。
【0017】
しかも、注水ノズルEは、ホースCの先端部分に装着される注水ノズル基体E1と、この注水ノズル基体E1の先端がわ部分を覆うように装着される注水ノズル外装体E2とからなり、注水ノズル基体E1の先端がわに形成される内装筒部31の外周表面と、注水ノズル外装体E2の内周表面との間に水通過空間40を周設し、注水ノズル外装体E2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面37を形成すると共に、この傾斜内周面37と注水ノズル基体E1先端との間に水噴出口41を周設し、水通過空間40に連通する注水ホース取付部35を注水ノズル外装体E2に形成し、この注水ホース取付部35に装着した注水ホースFから圧送される水が水通過空間40を介して水噴出口41から噴出され、ホースCから圧送される吹付基材に水が囲繞状に加えられて吹付ノズル装置に圧送できるように構成したので、吹付基材を囲繞するように加圧水が水噴出口41から噴出するようになり、加圧水を吹付基材に効率良く加えることができ、吹付基材と加圧水の混合が確実に、スムーズに、且つバランス良く行えるようになる。
【0018】
特に、注水ノズル外装体E2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面37を形成すると共に、この傾斜内周面37と注水ノズル基体E1先端との間に水噴出口41を周設したので、この水噴出口41から噴出される加圧水は、傾斜内周面37に沿って移動してから被吹付物に良く混ざると共に、これを前方に押し出すような力を加えられるようになる。
加えて、水噴出口41は、水通過空間40に比べてかなり狭く形成することが可能となり、水噴出口41に於ける水の通過速度をかなり高めることができるようになる。しかして、加圧水が吹付基材により良く混ざるようになると共に、被吹付物を前方に押し出すようなより強い力を発揮できるようになる。
【0019】
更に、ノズル用混合筒体Aは、円筒状の筒基体に複数の偏平狭窄部3を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成され、隣設する偏平狭窄部3相互は、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて異なる向きとなるように形成されるので、被吹付物が複数の偏平狭窄部3で異なる向きから揉まれるような状態となり、均質で良好な混合状態の被吹付物が得られるようになる。
【0020】
そして、前記吹付ノズルBは、ノズル用混合筒体Aの先端部分に装着されるノズル基体B1と、このノズル基体B1に外装状に装着されるノズル外装体B2とからなり、ノズル基体B1の先端がわに形成される内装筒部11の外周表面と、ノズル外装体B2の中央部の内周表面との間にエアー通過空間20を周設し、ノズル外装体B2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面17を形成すると共に、この傾斜内周面17とノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設し、エアー通過空間20に連通するエアーホース取付部15をノズル外装体B2に形成し、このエアーホース取付部15に装着したエアーホースDから供給される加圧エアーがエアー通過空間20を介してエアー噴出口21から噴出され、注水ノズルEから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体B2先端から吐出できるように構成したので、被吹付物がノズル外装体B2の先端から吹出される際に、被吹付物を囲繞するように加圧エアーが吹出されるようになり、加圧エアーの吹出し圧力が被吹付物に加えられるようになると共に、被吹付物の拡散が抑制できるようになり、作業者が被吹付物を所望位置(狙った位置や比較的離れた位置)に正確に吹付けできるようになる。ひいては、被吹付物を所望位置に確実に且つ均一に吹付け易いものとなる。
【0021】
特に、ノズル外装体B2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面17を形成すると共に、この傾斜内周面17とノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設したので、このエアー噴出口21から噴出される加圧エアーは、傾斜内周面17に沿って移動してから被吹付物を囲繞するように接触して、これを前方に押し出すような力を加えられるようになる。
しかも、吹出された被吹付物の周りには加圧エアーがあり、法面等の吹付面に於いてリバウンドロス等を少なくできて、綺麗な吹付面となる。
そして、エアー噴出口21は、エアー通過空間20に比べてかなり狭く形成することが可能となり、エアー噴出口21に於ける加圧エアーの通過速度をかなり高めることができるようになる。しかして、被吹付物を前方に押し出すようなより強い力を発揮できるようになると共に、エアー噴出口21後方の被吹付物を前方に引き出すようなより強い力も発揮できるようになり、被吹付物を連続的により強く吹付けできるようになる。
【0022】
加えて、吹付ノズル装置や吹付システムは、その構成が簡素で、取扱い易く、メンテナンスが容易となり、更に、ノズル用混合筒体Aは、その構成が極めて簡素となり、メンテナンスも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】吹付ノズル装置を例示する一部切欠斜視図である。
【図2】吹付ノズル装置を例示する縦断正面図である。
【図3】吹付ノズルを例示する縦断正面図である。
【図4】吹付ノズルを例示する縦断側面図である。
【図5】他の吹付ノズルを例示する縦断正面図である。
【図6】注水ノズルを例示する縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を図示例に基づいて説明すると、次の通りである。
本発明は、主に、セメント系材料を吹付けて道路工事や宅地造成に於ける法面等の補強(補修)を行う際に使用される吹付機に於ける吹付ノズル装置及びこの吹付ノズル装置を用いた吹付システムに係るものである。
【0025】
そして、本発明の吹付ノズル装置は、セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用して長尺なホースC内先端部分に乾式圧送され、一方、ホースCの先端寄り部分まで別途圧送された水を吹付基材に加えることにより被吹付物が形成され、この被吹付物を吹付ける際に、吹付基材と水との混合状態を良好にすると共に、被吹付物を吹付ノズルB先端から所望位置(狙った位置や比較的離れた位置)に確実に且つ正確に吹付けできるよう構成したものである。
【0026】
具体的には、ホースCの先端部分に装着されるノズル用混合筒体Aと、このノズル用混合筒体Aの先端部分に装着される吹付ノズルBとからなる。
そして、前記ノズル用混合筒体Aは、円筒状の筒基体に複数の偏平狭窄部3を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成され、隣設する偏平狭窄部3相互は、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて異なる向きとなるように形成されている。
更に、前記吹付ノズルBは、ノズル用混合筒体Aの先端部分に装着されるノズル基体B1と、このノズル基体B1に外装状に装着されるノズル外装体B2とからなり、ノズル基体B1の先端がわに形成される内装筒部11の外周表面と、ノズル外装体B2の中央部の内周表面との間にエアー通過空間20を周設し、ノズル外装体B2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面17を形成すると共に、この傾斜内周面17とノズル基体B1先端との間にエアー噴出口21を周設し、エアー通過空間20に連通するエアーホース取付部15をノズル外装体B2に形成し、このエアーホース取付部15に装着したエアーホースDから供給される加圧エアーがエアー通過空間20を介してエアー噴出口21から噴出され、ホースCから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体B2先端から吐出できるように構成されている。
【0027】
また、本発明の吹付システムは、セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用してホースC内先端部分に乾式圧送され、この吹付基材にホースCの先端寄り部分まで別途圧送された水を加えられるように形成された注水ノズルEと、吹付基材に水が混合された被吹付物を所望位置に吹付けできるよう構成した前述の如き吹付ノズル装置とを備えたものである。
そして、前記注水ノズルEは、ホースCの先端部分に装着される注水ノズル基体E1と、この注水ノズル基体E1の先端がわ部分を覆うように装着される注水ノズル外装体E2とからなり、注水ノズル基体E1の先端がわに形成される内装筒部31の外周表面と、注水ノズル外装体E2の内周表面との間に水通過空間40を周設し、注水ノズル外装体E2の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面37を形成すると共に、この傾斜内周面37と注水ノズル基体E1先端との間に水噴出口41を周設し、水通過空間40に連通する注水ホース取付部35を注水ノズル外装体E2に形成し、この注水ホース取付部35に装着した注水ホースFから圧送される水が水通過空間40を介して水噴出口41から噴出され、ホースCから圧送される吹付基材に水が囲繞状に加えられて吹付ノズル装置に圧送できるように構成したものである。
【実施例】
【0028】
前記ノズル用混合筒体Aは、例えば、適宜金属材によって構成されており、円筒状を呈すると共に、その内周面に雌ネジ部が設けられている基端がわのホース取付部1と、円筒状を呈すると共に、その外周面に雄ネジ部が設けられている先端部と、この先端部とホース取付部1との間の筒状中間部とからなり、この中間部に複数の偏平狭窄部3(例えば、第一偏平狭窄部3aと第二偏平狭窄部3b)を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成されている。
【0029】
そして、前記ホース取付部1は、ホースCの先端部分(或いは、注水ノズルEの注水ノズル外装体E2の先端部分、或いは、注水ノズル外装体E2の先端部分に装着された短いホースCの先端部分)が螺着できるように形成されている。
尚、ホース取付部1の先端がわ奥壁段部にはパッキン2が配され、ホースC先端面とホース取付部1の奥壁段部との間に介装されるように形成してある。
【0030】
また、ノズル用混合筒体Aの先端部は、吹付ノズルB(ノズル基体B1)の基端部分に螺着できるように形成されている。
尚、ノズル用混合筒体Aの先端部の先端面と吹付ノズルB(ノズル基体B1の連結部10)の奥壁段部との間にパッキン4が介装されるように形成してある。
【0031】
ノズル用混合筒体Aの中間部に設けた複数の偏平狭窄部3(例えば、第一偏平狭窄部3aと第二偏平狭窄部3b)は、例えば、断面長円環状に形成されていると共に、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて90度異なるような向きに配されている。
尚、ノズル用混合筒体Aの中間部の基端部分と、ノズル用混合筒体Aの中間部の先端部分と、複数の偏平狭窄部3(例えば、第一偏平狭窄部3aと第二偏平狭窄部3b)の中間部分は、夫々断面円環状に形成されており、これらの断面円環状部分から偏平狭窄部3(例えば、第一偏平狭窄部3aと第二偏平狭窄部3b)に近づく従って漸次断面長円環状に変形するように構成されている。すなわち、吹付基材に水を加えてなる被吹付物は、ノズル用混合筒体A内を圧送されると、複数の偏平狭窄部3(例えば、第一偏平狭窄部3aと第二偏平狭窄部3b)を通過する際に異なる向きから自動的に揉まれるようになり、吹付基材と水の混合がスムーズに且つバランス良く行えて、良好な混合状態の被吹付物が得られるように形成されている。
【0032】
前記吹付ノズルBは、例えば、ノズル用混合筒体Aの先端部分の雄ネジ部に螺着される連結部10を備えたノズル基体B1と、このノズル基体B1の中央部外周面に設けた雄ネジ部12に螺着される雌ネジ部16を基端がわ内周面に有すると共に、ノズル基体B1に外装状に装着されるノズル外装体B2とで構成されている。
【0033】
前記ノズル基体B1は、例えば、適宜金属材によって全体筒状に形成されており、円筒状を呈すると共に、その内周面にノズル用混合筒体Aの先端部分の雄ネジ部に螺着される雌ネジ部が設けられた連結部10と、この連結部10の先端部分に一体的に連設されると共に、円筒状を呈する内装筒部11とからなり、この内装筒部11の基端がわ外周面には雄ネジ部12が形成されている。
しかも、内装筒部11の先端がわ部分は、先端に行くに従って僅かに窄まるようなテーパー円筒状に形成されている。すなわち、圧送されて内装筒部11を通過する被吹付物が僅かに絞られるようになって、吹付け時に被吹付物をバランス良く吐出できるように形成してある。
【0034】
前記ノズル外装体B2は、例えば、適宜金属材によって全体略筒状に形成されており、その基端がわ内周面には雌ネジ部16が設けられ、中央部外表面にはエアーホース取付部15が設けられ、先端寄り内周面には傾斜内周面17が形成されている。
【0035】
そして、雌ネジ部16は、ノズル基体B1の雄ネジ部12に螺着可能で、ノズル基体B1に対してノズル外装体B2を筒芯方向に移動調節できるように形成されている。尚、ノズル外装体B2の基端面とノズル基体B1の連結部10の先端がわ段部との間には、パッキン13が介装されるようになる(図3参照)。
ところで、パッキン13の介装手段としては、例えば、ノズル外装体B2の基端部分にノズル基体B1の連結部10外周面に摺接するような延長筒部を延設し、この延長筒部内周表面と連結部10外周表面との間に、前記パッキン13を介装できるように構成しても良い(図5参照)。
【0036】
また、内装筒部11の先端がわ外周表面と、ノズル外装体B2の中央部の内周表面との間には、エアー通過空間20が周設され、このエアー通過空間20に連通するようにエアーホース取付部15が形成されている(図3、図4、図5参照)。尚、エアー通過空間20は、比較的大きな空間で形成され、エアーホース取付部15に装着したエアーホースDから供給される加圧エアーが、よりスムーズに回り込めるように形成されている。
【0037】
更に、傾斜内周面17は、先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状に形成されており、この傾斜内周面17と、ノズル基体B1先端との間に略環状のエアー噴出口21が周設されており、エアーホースDから供給される加圧エアーがエアー通過空間20を介してエアー噴出口21から噴出されて、ホースCから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズルB先端から吐出できるよう形成されている。すなわち、このエアー噴出口21から噴出される加圧エアーは、傾斜内周面17に沿って移動してから被吹付物を囲繞するように接触して、これを前方に押し出すような力を集中して加えられるように形成されており、しかも、被吹付物をバランス良く吹出せて、吹出された被吹付物の周りには加圧エアーがあり、法面等の吹付面に於いてリバウンドロス等を少なくできて、綺麗な吹付面となるように形成されている。
尚、エアー噴出口21は、エアー通過空間20に比べてかなり狭く形成されており、エアー噴出口21に於ける加圧エアーの通過速度をかなり高めること(高速化)ができるように形成されている。すなわち、被吹付物を前方に押し出すような強い力を発揮できるようにすると共に、エアー噴出口21後方の被吹付物を前方に引き出すような強い力も発揮できるように形成されている。
【0038】
ところで、ノズル外装体B2は、ノズル基体B1に対する装着位置を雌ネジ部16と雄ネジ部12とにより前後方向に調節することで、エアー噴出口21の面積を調節できるように構成されており、被吹付物や吹付条件等に応じてエアー噴出口21の面積を調節して、加圧エアーの噴出圧力や噴出速度を簡単に且つ細かく調整できるようにして、被吹付物や吹付条件等に応じた加圧エアーの最適な吹出しが行えるように形成されている。
【0039】
前記ホースCは、かなり長尺に形成され、その基端部分が適宜吹付機に接続されて、吹付基材をスムーズに圧送できるものが採用される。
ところで、ホースC内を圧送される吹付基材は、セメントに少なくとも砂が加えられてカラ練りされたものを吹付機からホースC先端まで乾式圧送したものでも良いし、或いは、セメント(或いは、砂)を吹付機からホースC先端まで乾式圧送すると共に、砂(或いは、セメント)を別経路で乾式圧送してホースC先端寄り部分内で合流できるようにしたものでも良い。
【0040】
尚、図中C1は、ホースCの先端がわに接続される注水管で、この注水管C1は、ホースC内を圧送される吹付基材に、ホースC先端部分で水を確実に且つ簡単に加えられるようにしたものである。
【0041】
前記エアーホースDは、その基端がコンプレーサー等に接続され、その先端部分がエアーホース取付部15に取付けられるように形成されたもので、コンプレーサーからの加圧エアーをエアーホース取付部15にスムーズに送れるように形成したものが採用される。
【0042】
前記注水ノズルEは、例えば、ホースC(或いはホースC先端に装着された適宜接続具)の先端部分の雄ネジ部に螺着される連結部30を備えた注水ノズル基体E1と、この注水ノズル基体E1の中央部外周面に設けた雄ネジ部32に螺着される雌ネジ部36を基端部分に有すると共に、注水ノズル基体E1に外装状に装着される注水ノズル外装体E2とで構成されている。
【0043】
前記注水ノズル基体E1は、例えば、適宜金属材によって全体筒状に形成されており、円筒状を呈すると共に、その内周面にホースC(或いはホースC先端に装着された適宜接続具)の先端部分の雄ネジ部に螺着される雌ネジ部が設けられた連結部30と、この連結部30の先端部分に設けられる内装筒部31とからなり、この内装筒部31の中央部外周面には雄ネジ部32が形成されている。
【0044】
前記注水ノズル外装体E2は、例えば、適宜金属材によって先端がわが細い段付筒状に形成されており、その基端部分には雌ネジ部36が設けられ、その中央部外表面には注水ホース取付部35が設けられ、中央部先端寄り内周面には傾斜内周面37が形成され、その先端部は、基端部及び中央部より小径な円筒状を呈し、その外周面先端がわにはノズル用混合筒体Aのホース取付部1の雌ネジ部に螺着される雄ネジ部が形成されている。
【0045】
そして、雌ネジ部36は、注水ノズル基体E1の雄ネジ部32に螺着可能で、注水ノズル基体E1に対して注水ノズル外装体E2を筒芯方向に移動調節できるように形成されている。尚、注水ノズル外装体E2の中央部内周面と注水ノズル基体E1の中央部外周面との間には、パッキン33が介装されるようになる。
【0046】
また、内装筒部31の先端がわ外周表面と、注水ノズル外装体E2の中央部の内周表面との間には、水通過空間40が周設され、この水通過空間40に連通するように注水ホース取付部35が形成されている(図6参照)。尚、水通過空間40は、比較的大きな空間で形成され、注水ホース取付部35に装着した注水ホースFから供給される加圧水が、よりスムーズに回り込めるように形成されている。
【0047】
更に、傾斜内周面37は、先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状に形成されており、この傾斜内周面37と、注水ノズル基体E1先端との間に略環状の水噴出口41が周設されており、注水ホース取付部35に装着した注水ホースFから供給される加圧水が水通過空間40を介して水噴出口41から噴出されて、ホースCから圧送される吹付基材に加圧水が周囲から確実に且つバランス良く加えられるように形成されている。すなわち、水噴出口41から噴出される加圧水は、傾斜内周面37に沿って移動してから吹付基材に良く混ざると共に、これを前方に押し出すような力を集中して加えられるように形成されている。
尚、水噴出口41は、水通過空間40に比べてかなり狭く形成されており、水噴出口41に於ける加圧水の通過速度をかなり高めること(高速化)ができるように形成されている。すなわち、加圧水が吹付基材により良く混ざるように形成されていると共に、吹付基材を前方に押し出すようなより強い力を発揮できるよう形成されている。
【0048】
ところで、注水ノズル外装体E2は、注水ノズル基体E1に対する装着位置を雌ネジ部36と雄ネジ部32とにより前後方向に調節することで、水噴出口41の面積を調節できるように構成されており、吹付基材や吹付条件等に応じて水噴出口41の面積を調節して、加圧水の噴出圧力や噴出速度を簡単に且つ細かく調整できるようにして、吹付基材に応じた加圧水の最適な吹出しが行えるように形成されている。
【0049】
前記注水ホースFは、その基端がポンプ等に接続され、その先端部分が注水ホース取付部35に取付けられるように形成されたもので、ポンプからの加圧水を注水ホース取付部35にスムーズに送れるように形成したものが採用される。
【0050】
ところで、吹付ノズル装置の具体的構成、形状、寸法、ノズル用混合筒体Aの具体的構成、形状、寸法、材質、ホース取付部1の具体的構成、形状、寸法、材質、パッキン2の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、偏平狭窄部3(第一偏平狭窄部3a、第二偏平狭窄部3b)の具体的構成、形状、寸法、数、配設位置、吹付ノズルBの具体的構成、形状、寸法、材質、パッキン4の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、ノズル基体B1の具体的構成、形状、寸法、材質、ノズル外装体B2の具体的構成、形状、寸法、材質、連結部10の具体的構成、形状、寸法、材質、内装筒部11の具体的構成、形状、寸法、材質、雄ネジ部12の具体的構成、形状、寸法、配設位置、パッキン13の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、エアーホース取付部15の具体的構成、形状、寸法、配設位置、雌ネジ部16の具体的構成、形状、寸法、配設位置、傾斜内周面17の具体的構成、形状、寸法、配設位置、エアー通過空間20の具体的構成、形状、寸法、配設位置、エアー噴出口21の具体的構成、形状、寸法、配設位置、ホースCの具体的構成、形状、寸法、材質、注水管C1の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、エアーホースDの具体的構成、形状、寸法、材質、注水ノズルEの具体的構成、形状、寸法、材質、注水ノズル基体E1の具体的構成、形状、寸法、材質、注水ノズル外装体E2の具体的構成、形状、寸法、材質、連結部30の具体的構成、形状、寸法、材質、内装筒部31の具体的構成、形状、寸法、材質、雄ネジ部32の具体的構成、形状、寸法、配設位置、パッキン33の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、注水ホース取付部35の具体的構成、形状、寸法、配設位置、雌ネジ部36の具体的構成、形状、寸法、配設位置、傾斜内周面37の具体的構成、形状、寸法、配設位置、水通過空間40の具体的構成、形状、寸法、配設位置、水噴出口41の具体的構成、形状、寸法、配設位置、注水ホースFの具体的構成、形状、寸法、材質等は図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
しかして、本発明の吹付ノズル装置は、乾式圧送される被吹付物の混合状態を良好にすると共に、この被吹付物を所望の場所に(作業者が狙った場所や多少離れた場所であっても)スムーズに且つ確実に吹付けられるようになり、本発明の吹付ノズル装置を用いた吹付システムは、吹付基材と水の混合が確実に、スムーズに、且つバランス良く行え、更に、被吹付物の混合状態を良好にすると共に、この被吹付物を所望の場所に(作業者が狙った場所や比較的離れた場所であっても)にスムーズに且つ確実に吹付けられるようにする。
【符号の説明】
【0052】
A ノズル用混合筒体
1 ホース取付部
2 パッキン
3 偏平狭窄部
3a 第一偏平狭窄部
3b 第二偏平狭窄部
4 パッキン
B 吹付ノズル
B1 ノズル基体
B2 ノズル外装体
10 連結部
11 内装筒部
12 雄ネジ部
13 パッキン
15 エアーホース取付部
16 雌ネジ部
17 傾斜内周面
20 エアー通過空間
21 エアー噴出口
C ホース
C1 注水管
D エアーホース
E 注水ノズル
E1 注水ノズル基体
E2 注水ノズル外装体
30 連結部
31 内装筒部
32 雄ネジ部
33 パッキン
35 注水ホース取付部
36 雌ネジ部
37 傾斜内周面
40 水通過空間
41 水噴出口
F 注水ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用してホース内先端部分に乾式圧送され、一方、ホースの先端寄り部分まで別途圧送された水を吹付基材に加えることにより被吹付物が形成され、この被吹付物を所望位置に吹付けできるよう構成した吹付ノズル装置であって、ホースの先端部分に装着されるノズル用混合筒体と、このノズル用混合筒体の先端部分に装着される吹付ノズルとからなり、前記ノズル用混合筒体は、円筒状の筒基体に複数の偏平狭窄部を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成され、隣設する偏平狭窄部相互は、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて異なる向きとなるように形成され、前記吹付ノズルは、ノズル用混合筒体の先端部分に装着されるノズル基体と、このノズル基体に外装状に装着されるノズル外装体とからなり、ノズル基体の先端がわに形成される内装筒部の外周表面と、ノズル外装体の中央部の内周表面との間にエアー通過空間を周設し、ノズル外装体の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面を形成すると共に、この傾斜内周面とノズル基体先端との間にエアー噴出口を周設し、エアー通過空間に連通するエアーホース取付部をノズル外装体に形成し、このエアーホース取付部に装着したエアーホースから供給される加圧エアーがエアー通過空間を介してエアー噴出口から噴出され、ホースから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体先端から吐出できるように構成したことを特徴とする吹付機に於ける吹付ノズル装置。
【請求項2】
前記ノズル外装体は、その雌ネジ部をノズル基体の雄ネジ部に螺着することで装着され、ノズル基体に対するノズル外装体の装着位置を前後方向に調節できるように形成し、エアー噴出口の面積を調節できるように構成したことを特徴とする請求項1記載の吹付機に於ける吹付ノズル装置。
【請求項3】
セメントに少なくとも砂を加えることにより形成される吹付基材が、吹付機を利用してホース内先端部分に乾式圧送され、この吹付基材にホースの先端寄り部分まで別途圧送された水を加えられるように形成された注水ノズルと、吹付基材に水が加えられた被吹付物を所望位置に吹付けできるよう形成した吹付ノズル装置とを備えた吹付システムであって、注水ノズルは、ホースの先端部分に装着される注水ノズル基体と、この注水ノズル基体の先端がわ部分を覆うように装着される注水ノズル外装体とからなり、注水ノズル基体の先端がわに形成される内装筒部の外周表面と、注水ノズル外装体の内周表面との間に水通過空間を周設し、注水ノズル外装体の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面を形成すると共に、この傾斜内周面と注水ノズル基体先端との間に水噴出口を周設し、水通過空間に連通する注水ホース取付部を注水ノズル外装体に形成し、この注水ホース取付部に装着した注水ホースから圧送される水が水通過空間を介して水噴出口から噴出され、ホースから圧送される吹付基材に水が囲繞状に加えられて吹付ノズル装置に圧送できるように構成し、吹付ノズル装置は、注水ノズルの先端部分に装着されるノズル用混合筒体と、このノズル用混合筒体の先端部分に装着される吹付ノズルとからなり、前記ノズル用混合筒体は、円筒状の筒基体に複数の偏平狭窄部を筒芯方向に沿って適宜間隔に配して形成され、隣設する偏平狭窄部相互は、夫々の偏平方向が筒芯周りに於いて異なる向きとなるように形成され、前記吹付ノズルは、ノズル用混合筒体の先端部分に装着されるノズル基体と、このノズル基体に外装状に装着されるノズル外装体とからなり、ノズル基体の先端がわに形成される内装筒部の外周表面と、ノズル外装体の中央部の内周表面との間にエアー通過空間を周設し、ノズル外装体の先端がわの内周表面に先端がわに行くに従って漸次窄まるようなテーパー状の傾斜内周面を形成すると共に、この傾斜内周面と、ノズル基体先端との間にエアー噴出口を周設し、エアー通過空間に連通するエアーホース取付部をノズル外装体に形成し、このエアーホース取付部に装着したエアーホースから供給される加圧エアーがエアー通過空間を介してエアー噴出口から噴出され、注水ノズルから圧送される被吹付物を加圧エアーで囲繞するようにしてノズル外装体先端から吐出できるように構成したことを特徴とする吹付ノズル装置を用いた吹付システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−184169(P2010−184169A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28340(P2009−28340)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000177483)三和産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】