説明

周期的光パケット交換

光ネットワークでは、データは、複数の光ファイバを透過していくつかの光パケットスイッチで交換される複数の波長の光によって、ソースから宛先に送信される。周期的光パケット交換(POPS)では、ネットワーク管理システムが、各波長を複数のタイムスロットに分割する。可変長データパケットを宛先に伝送するよう求めるソースからの要求に応答して、ネットワーク管理システムは、パケット間間隔を当該接続に割り当てる。パケット間間隔は、データパケットの伝送に割り当てられたタイムスロット数である。ソースは、パケット間間隔内の最初のタイムスロットでしかデータパケットの伝送を開始することができない。このようにして、光パケットスイッチは、宛先に経路指定すべき新しいデータパケットがいつソースから入来するかが分かる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ネットワークにおいてソースと宛先の間でデータをルーティングする方法およびシステムに関する。さらに詳細には、本発明は、光学領域でデータパケットの交換を行う、すなわち電子フォーマットへの変換を行わずにデータパケットの交換を行う方法であって、パケット交換の柔軟性、頑強性および効率を維持しながら、光ネットワーク内でのパケット衝突を回避する新しい方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光ネットワークを介したデータ伝送では、1つまたは複数の波長、あるいは1つの波長内の複数のタイムスロットを各加入者の専用として回線を使用している。これは、光回線交換(OCS)と呼ばれる。過去20年にわたるパケット交換と回線交換の優劣に関する論争は、インターネットプロトコル(IP)が急速かつ広範に受け入れられたことから分かるように、パケット交換の圧倒的な勝利で幕を閉じた。現在では、近い将来のネットワークがパケット交換技術をベースとしたものとなること、およびIPがその最も有力なプロトコルとなることに疑問を感じる人はほとんどいない。さらに、高速光伝送技術および高密度波長分割多重(DWDM)技術により、ネットワーク容量は大幅に増加している。こうしたデータ転送速度に関する問題は、従来の電子技術を用いてこの膨大なデータストリームの交換を行うとコストが極めて高くなる点にある。
【0003】
このような目的の下、現在の研究努力は、このDWDM光ネットワークで使用するパケット交換方法の開発に集中しており、複数のDWDM伝送システムを相互接続する好ましい手段として、光クロスコネクト(OXC)が出現している。従来のTDMデジタルクロスコネクト(DCS)と同様、OXCも、数ヶ月から数年という長い期間にわたってプロビジョニングされる長寿命回線に対応した回線スイッチである。光クロスコネクトは、SONETのSTS−1またはOC−48未満のチャネル、すなわちそれぞれ毎秒51.84メガビット(Mbps)未満または毎秒2.488ギガビット(Gbps)未満では、交換を行うことができないことが多く、接続に要する時間が、例えば数日、数週間、または数ヶ月など、非常に長くなることがよくある。
【0004】
多くの研究者は、パケット交換の利点を光学領域にまで拡大するために光パケット交換(OPS)について研究している。既存の光パケット交換の研究では、従来のパケット交換パラダイムを光ネットワークに適用するのが普通である。すなわち、パケットは「任意に(at will)」(トラフィックシェーピング機能およびトラフィックポリシングの機能を除いて任意に)送信され、パケットスイッチはパケットの確率的到着に対応するように設計される。研究者達は、交換時間が数ナノ秒から数マイクロ秒となる光パケット交換の実現の可能性を実証し、必然的に、光パケット交換と光回線交換の優劣に関する問題が生じている。従来のパケット交換の利点、すなわちその柔軟性および統計的多重化による高い資源利用率が、光ネットワークにも当てはまるかどうかは明らかではない。
【0005】
この研究で、顕著な問題の1つは、光パケットをバッファリングする効果的な技術がないことであった。光パケットには、電子分野のランダムアクセスメモリ(RAM)パケットバッファに相当するものがなく、交換点での衝突によるパケット損失を回避する方法、または「競合解消(contention resolution)」の方法を見つけることは、依然として重要な問題である。1つの方法は、光バースト交換と呼ばれるものである。光バースト交換の第1の特徴は、仮想接続が確立される前にデータが伝送される点である。これは、従来の方法による接続確立の際の終端間確認応答中に生じるラウンドトリップ遅延を回避するために行われる。言うまでもなく、ソースクライアントがパケットを送信する前にパケットを安全に伝送するのに十分な資源があることを保障されないので、その代償として、パケットの衝突および損失が起きる確率は高くなる。
【0006】
光学領域でパケットをバッファリングできないことは、実用的な光パケットスイッチの発展を妨げる深刻な障害となっている。10−4というそれほど厳しくないパケット損失目標を達成するのでさえ、バッファのない光パケットスイッチでは、リンク利用効率を極めて不経済なレベルまで低く保たなければならない。研究者らは、遅延線や偏向ルーティング、複数波長を用いた伝送など、バッファの代替手段を研究してきたが、これらの代替手段は、複数の光送信機および光受信機など、追加の費用が必要になる。これらの費用がパケット交換のコスト面の有利性を超えるほど大きくなり、結局は光クロスコネクトの方がより経済的かつ賢明な解決策となることもある。
【0007】
さらに、光ネットワークでは、統計的多重化から得られる利点が、従来の電子パケットネットワークの場合ほど重要でないこともある。非特許文献1に記載の「多粒度交換(multi-granular switching)」という方法について考えてみる。非特許文献1の著者らは、図5に示すように、複数粒度の帯域幅で交換を行うことによって、光ネットワークで必要となる波長ポートの数が劇的に減少することを示した。最も粗い粒度レベルでは、1本のファイバ全体のコンテンツを、ファイバクロスコネクト600を用いて交換する。その次の粒度レベルでは、1つの波長帯または1組の波長のコンテンツを1つの単位として、波長帯クロスコネクト610で交換する。その次のより精細なレベルは、単一の波長クロスコネクト620であり、最も精細なレベルは、時分割多重(TDM)クロスコネクト630またはパケットスイッチ640のサブ波長である。パケット交換では、統計的多重化によって帯域幅の利用効率が向上するが、多粒度交換を行った場合には、光パケット交換によって最適化されるのはトラフィック全体のごくわずかな部分に過ぎない。光パケット交換により得られる利得が、システムの全コストに対して非常に小さいこともある。新しいパラダイムが必要であり、それは、本発明の周期的光パケット交換で採用する手法である。
【0008】
別の光交換技術は、特許文献1に開示されている光ラベル交換である。光ラベル交換では、光パケットのヘッダは、パケットのペイロードデータと同じ波長で搬送される。パケットルーティング情報が、データペイロードと同じチャネルまたは波長に組み込まれ、ヘッダおよびデータペイロードの双方が同じ経路を通り、それに応じた遅延を伴ってネットワーク要素を伝播するようになっている。光ラベル交換を使用するかどうかは、適当に競合を解消するためのパケットバッファリング能力によって決まる。
【0009】
ARPAの支援を受けた全光ネットワーク(AON)コンソーシアムは、コンピュータネットワークで見られるLAN、MANおよびWANのアーキテクチャに似た、3レベル階層サブネットワークであるアーキテクチャを生み出した。AONは、光学端末(OT)の間で3つの基本サービス、すなわちAサービス、BサービスおよびCサービスを提供する。Aは透過回線交換サービスであり、Bは透過タイムスケジュールTDM/WDMサービスであり、Cは信号発信に使用される非透過データグラムサービスである。Bサービスでは、250マイクロ秒フレームを使用し、フレームあたりのスロット数を128とした構造を使用する。1スロット内または1群のスロット内で、ユーザは、変調速度および変調方式を自由に選ぶことができる。Cサービスのネットワーク制御管理(NC&M)信号発信をBサービスのペイロードで区切るには、信号のヘッダとペイロードとを慎重に同期させることが必要である。任意のビット転送速度で、250マイクロ秒フレームをフレームあたりのスロット数を128にして使用すると、この要件はさらに厳しくなる。ビットレベルの同期を行うだけでなく、ネットワーク全体でもこの同期を行わなければならない。スケーラビリティおよび相互運用性は、ネットワーク同期要件に合わせて向上するわけではないので、極めて困難である。
【0010】
【特許文献1】米国特許第6111673号明細書
【非特許文献1】「Impact of Intermediate Traffic Grouping on the Dimensioning of Multi-Granularity Optical Networks」、L. NoireおよびM. Vigourex(Optical Fiber Communications Conference、Anaheim、California 2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
実質的に任意の大きさのスループットを保障し、また送信中のデータのサイズを容易にかつサービスを中断せずに増減させることを可能にする、フレキシブルな光伝送サービスを提供できるシステムおよび方法があることが望ましい。
【0012】
さらに、故障したネットワーク構成要素から回復するため、またはネットワークを再構成するために、パケットを再ルーティングすることができる頑強な光伝送サービスを実施するシステムおよび方法があることが望ましい。
【0013】
さらに、パケット衝突によって引き起こされる諸問題を回避することによって、有効帯域幅の高い利用率を達成するシステムおよび方法があることが望ましい。
【0014】
また、パケットバッファを使用することなくデータパケットをルーティングすることができるシステムおよび方法があることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、光ネットワークにおいて光データのパケットを交換する方法およびシステムは、ソースと宛先の間の接続を、一定の経路に沿った光パケットスイッチを通る固定光ファイバ経路を介して割り当てるネットワーク管理システムを備える。各波長は、複数のタイムスロットに分割される。ネットワークは、データパケットをソースから宛先まで伝送するためのパケット間間隔として、所定数のタイムスロットを割り当てる。ソースは、パケット間間隔の開始時にのみデータパケットを伝送することができる。
【0016】
光パケット交換における競合解消問題に対して提案するこの解決策は、認定情報速度(CIR)のフレームリレーサービス(FRS)および固定ビットレート(CBR)の非同期転送モード(ATM)といった既存のデータサービスと類似しているが、同一ではない。FRS CIRおよびATM CBRはともにスループットを保障したパケットベースのコネクション指向サービスであり、加入者は、ネットワークとの間で「発呼要求(call request)」ネゴシエーションを行うことによって接続を確立することができる。本発明では、クライアントが指定間隔毎にしかパケットを送信できないようにする一種のトラフィックシェーピングによって、これらのタイプのデータサービスを修正している。これは、これらのサービスがタイムスロット交換回線スイッチによってネットワークを通じて転送されるかのように行われる。
【0017】
周期的光パケット交換(POPS)は、主に3つの特徴を基本としている。第1に、周期的光パケット交換はコネクション指向方式であり、ソースクライアントは、従来通りの「発呼要求」によって宛先クライアントに対する接続を確立し、接続は、一定の経路に沿った光パケットスイッチ(OPS)を通して行われる。第2に、POPSネットワークは「スロット化(slotted)」され、その波長の帯域幅は固定長の複数のタイムスロットに分割され、クライアントおよびスイッチの双方を含むPOPSネットワーク内の全ての装置は、共通のクロックに同期される。第3に、ソースクライアントは、指定された「パケット間間隔(inter-packet intervals)」でのみ光パケットを伝送でき、このパケット間間隔は、タイムスロットの倍数に相当する時間間隔である。
【0018】
POPSパケットの構造は、貨物列車に例えられる。機関車の後に積荷で一杯の貨車が数両続くのと同じように、POPSパケットのヘッダの後には、データの詰まったいくつかのタイムスロットが続いている。さらに、貨物列車の長さを、貨車1両の長さの倍数となる様々な長さにすることができるのと同じように、POPSパケットの長さも、1つのタイムスロットの長さの倍数となる様々な長さにすることができる。このアナロジーを拡大して、貨物列車が絶えず荷を積み、それぞれの行き先に送り出されるような炭鉱について考えてみる。線路の渋滞を避けるために、この炭鉱では、例えば毎日正確に午後1時など、特定の時間間隔でしか列車を送り出すことができない。また、この炭鉱では、貨車数が200両以下の貨物列車を送り出すことが許されており、貨車数が200両未満の貨物列車を送り出すことができるが、それを超えることはできない。「列車間間隔」は24時間であり、列車は、最大長である201両まで(機関車を1両として数える)の、貨車1両の長さの倍数となる可変長を有する。同様に、POPSソースクライアントは、「パケット間間隔」ごとに一つのPOPSパケットを伝送することができ、パケットは、最大長すなわち「max_packet_length」までの、タイムスロットの長さの倍数となる可変長を有することができる。
【0019】
POPSネットワークでは、i)ソースから宛先までの経路に沿った各POPSスイッチに既知の時間にパケットが到着するようにパケットの伝送をスケジュールし、ii)衝突を起こさずにパケットの交換を行うことができるように各スイッチにおける資源を専用にすることによって、パケット衝突を解消する。パケットの到着時間およびその所要時間の情報を用いて、POPSスイッチでは、各パケットを入力ポートから適当な出力ポートに衝突を起こすことなくルーティングするための一連のスケジュールされた設定を実行する。
【0020】
POPSネットワークは、以下の動作を行う必要がある。ネットワークは、ネットワーク内の全ての存在する接続および割り当てられた資源のデータベースを維持し、この情報を使用して、新たな接続のための競合を生じない経路、すなわち当該接続の経路が通る光パケットスイッチにおいて衝突を起こすパケットを伝送するその他の接続が存在しない経路を計算しなければならない。このネットワークは、通過する光パケットスイッチに、当該接続のパラメータ、例えば入力波長および出力波長、ならびに光パケットの最大長および到着時間などを通知しなければならない。このネットワークは、ソースクライアントに、クライアントがパケットの伝送を開始することができる開始時間すなわちconnection_start_time、およびパケット伝送の間の時間間隔すなわちconnection_inter_packet_intervalを通知しなければならない。前述のように、ソースクライアントは、厳しいトラフィックシェーピングに従い、割り当てられた時間間隔の開始時にしかパケットを伝送することができない。
【0021】
ソースクライアント、および通過するOPSスイッチは、下記のような理由から、現在の接続においてパケットの衝突が起きないことを保障される。
1.このネットワークは、その他の任意の接続が、現在の接続で通過する任意のOPSスイッチにおいて同一のタイムスロットを使用することを許さない。
2.ソースクライアントは、指定間隔でのみ光パケットを伝送する。
3.通過するOPSは、うまくパケットの交換を行うことができるように、いつ光パケットが入来するかを「知っている(know)」。
【0022】
POPSサービスは、スループットの保障を実質的に任意の大きさにすることができ、サービスを中断することなく容易に増減させることができるので、柔軟である。さらに、複数の波長をバンドルして1つの統合リンクとして扱うことができるので、このサービスのスループットは、単一の波長の容量を超えることもできる。POPSサービスは、ネットワークを再構成するために、または故障したネットワーク構成要素から回復するために光パケットを再ルーティングすることができるので、頑強である。別の利点として、光信号の性能監視およびパケットのエラー検出を可能にするチェックサムによってパケットを保護することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明による光ネットワーク100を示す図である。データパケットは、ソース110と宛先120の間で、複数の光パケットスイッチ131〜136を介して光ファイバ141から153を通って伝送される。各光ファイバは、波長分割多重(WDM)フォーマットで異なる複数の波長の光を伝達することができる。各波長は複数のタイムスロットに分割される。ソース110から接続確立要求を受信すると、ネットワークマネージャまたはネットワーク管理システム(NMS)160は、特定の帯域幅を当該接続に割り当てる。NMSは、ソース110から宛先120にデータを伝送するためのソース110と宛先120の間の経路を指定しなければならない。例えば、NMS160は、所与の時点における最良の経路が、光パケットスイッチ131から光ファイバ141を通って光パケットスイッチ132に至り、そこから光ファイバ142を通って光パケットスイッチ133に進み、そこからさらに光ファイバ143を通って、光ファイバ148を介して宛先120に接続された光パケットスイッチ134に至る経路であると判断する。
【0024】
また、NMS160は、このシステムが当該経路内の各光ファイバで伝送できる複数の波長のうちの1つを、伝送に割り当てる。NMS160は、当該選択された経路内の各光パケットスイッチに、所与の接続の伝送に使用される入力波長および出力波長を知らせなければならない。
【0025】
図2に示すように、各光波長は「スロット化」されて複数のタイムスロット200になっている。タイムスロット(time_slot)200は、NMS160が割り当てることができる最短時間であり、最小パケット長を波長帯域幅で割った値と密接な関係がある。タイムスロットの長さをナノ秒で測定するか、マイクロ秒で測定するか、またはミリ秒で測定するかは、スイッチ設定時間などのシステムパラメータによって決まる。波長帯域幅とは、特定の波長が伝送することができる毎秒あたりのビット数である。最小パケット長とは、システム内の全ての伝送接続の全てのパケットの最小のビット長としてシステムの設計によって設定されるパラメータである。
【0026】
POPSの最小パケットと、光回線交換(OCS)のタイムスロットは、それぞれネットワークが割当てまたは交換を行うことができる最小の帯域幅であるという点が同じである。例えば、既存の光クロスコネクト(OXC)で交換できる帯域幅の最小単位は、前述のように、STS−1(51.84Mbps)またはOC−48(2.488Gbps)である。POPSネットワークで交換できるこの帯域幅の最小単位は、最小の光パケットによって決定される。最小パケット長の大きさに影響を及ぼすファクターは多数存在するが、例えば、POPSスイッチの構成に要する時間や、POPSスイッチが光パケットのヘッダを読み取って処理するのに必要な時間などがある。POPSでは、最小帯域幅および割当ての粒度(granularity)は、下記の数式(1)で表現することができる。
【0027】
【数1】

【0028】
POPSと光回線交換の重要な違いは、POPSネットワークが、電話網のように、一定の反復「マスタ(master)」伝送サイクルで動作しない点である。例えば、SONETネットワークは、125μ秒の基本サイクルすなわち伝送フレームに基づいている。POPSには反復伝送サイクルが存在しないので、サイクルの反復による制約を受けないため、帯域幅割当ての柔軟性を高めることが可能となる。タイムスロットおよび固定サイクルを用いたネットワークでは、最小帯域幅および割当ての粒度は、下記の数式(2)で表現される。
【0029】
【数2】

【0030】
例として、タイムスロットが1μ秒、サイクルが1ミリ秒の1Mbps伝送チャネルについて考える。最小の帯域幅割当ては、上記の数式(2)を下記の数式(3)のように用いて決定される。
【0031】
【数3】

【0032】
しかし、POPSでは、帯域幅割当ての粒度はサイクルによって決まるものではなく、接続パケット間間隔(connection_inter_packet_interval)210を任意に大きくすることによって、帯域幅の割当てを任意に小さくすることができる。言うまでもなく、最大帯域幅とは、波長全体の容量、または統合リンクにした場合の複数の波長の容量である。しかし、connection_inter_packet_intervalに際限がない場合には、いくつかの利点が失われることもある。例えば、1つの「タイムアウト(timeout)」の間に受信データがなかった場合に、ネットワークが接続に失敗したと判断してしまうこともある。connection_inter_packet_intervalが実質的に無限であれば、このようなことは行われない。また、inter_packet_intervalを最大にすることにより、新たな接続に使用される資源の利用可能性を決定するために用いられるアルゴリズムを単純化することができる。したがって、POPSは、max_inter_packet_intervalを含むが、このシステムパラメータ値は、1サイクルに対して考えられる通常の値よりはるかに大きい。POPSでは、max_inter_packet_intervalおよびconnection_inter_packet_intervalというパラメータ名をそれぞれに対して使用することにより、最大パケット間間隔と接続パケット間間隔とを区別している。
【0033】
したがって、所与の伝送の際に、NMS160は、connection_inter_packet_interval210も設定しなければならない。connection_inter_packet_interval210は、タイムスロットを単位として測定される、特定の接続のための新しいパケット伝送の間の時間間隔である。パケット間間隔は、最大パケット間間隔、すなわちmax_inter_packet_intervalまでの任意のタイムスロット数にすることができる。例えば、ソース110と宛先120の間の所与の伝送において、タイムスロット5個分に等しい、図2に示すようなパケット間間隔210にすることもできる。ソース110は、各パケット間間隔210の最初のタイムスロットから始まるデータパケットしか送信することができない。POPSネットワーク100は、最短から最長の範囲内の任意の可変長光パケットを交換することができ、図2は、3つのデータパケット220が送信されている状態を示している。各パケット220は、可変長にすることができる。図2では、タイムスロット4個分、タイムスロット2個分、およびタイムスロット3個分の長さを有するパケット220を伝送するものとして示してある。POPSパケットは、最長になるまでの1つまたは複数のタイムスロットを占めることができるが、各パケットが始まるのは、各接続パケット間間隔の始点のみである。
【0034】
TDM回線および仮想回線と同様に、ソースクライアントおよび宛先クライアント(A点およびZ点)は接続確立時に固定され、サービスが持続している間に変わることはない。POPSネットワークでは、接続確立中に、適当なネットワーク資源を当該接続のスループットを保障するためだけに使用し、ソースノード110のサービス要求は、このソースから宛先120までが必要とする帯域幅の推定値を含んでいる必要がある。所要帯域幅について十分な認識がないと、NMS160が十分な帯域幅を割り当てず、それにより遅延が生じるか、あるいはNMS160が割り当てた帯域幅がデータの大きさの割に大きすぎて、それによりネットワークの利用効率が低下することになる。ソース110がNMS160に所要帯域幅の良好な推定値を提供することは、重要なことではあるが、絶対に必要というわけではない。POPSネットワークの典型的な特徴の1つは、割り当てられた接続パラメータを調整して効率を最大限に高めることができる能力である。POPSは、動的なスループットに対応していない。すなわち、接続に割り当てられた帯域幅を「実行中(on the fly)」に増大または減少させる能力には対応していない。ソース110は、データバッファにおいて過剰な遅延が起きると、より広い帯域幅をNMS160に要求することができ、これを受けてNMS160は、パケット間間隔およびconnection_max_packet_lengthを修正することによって割り当てられた帯域幅を容易に修正することができる。当該接続が十分に利用されていないとソース110またはNMS160が判断した場合には、NMSは、これらのパラメータに直ちに修正を加えて、ネットワーク容量を他のユーザに対して開放することもできる。
【0035】
NMS160は、ソースクライアントに対して、当該クライアントがパケットの伝送を開始できる開始時間connection_start_time、およびパケット伝送間の時間間隔connection_inter_packet_intervalを通知しなければならない。
【0036】
NMS160は、通過する各光パケットスイッチに対して、例えば入力波長や出力波長、予測される光パケットの長さおよび到着時間など、当該接続のパラメータを通知しなければならない。各光パケットスイッチ131〜136では、割り当てられた宛先までの接続経路内の次の光パケットスイッチに向かう適切な光ファイバおよび波長に、データパケットをスイッチするのに必要な情報を記載したテーブルを保持していなければならない。データパケットの入力ポートおよび波長も、出力ポートおよび波長と同様に分かっていなければならない。各光パケットスイッチは、あるデータパケットが、connection_inter_packet_interval内の最初のタイムスロットの間に指定された入力ポートおよび波長に到着を開始することを知っている。その後、このスイッチは、このデータパケットを指定された出力ポートおよび波長にルーティングしなければならない。
【0037】
多くの高容量回線交換サービスと同様に、POPS接続は、通常は長寿命である。このサービスは、クライアントブラウザとネットワークサーバの間のような短時間のデータ転送のためのものではなく、加入者エンドポイント間、またはイーサスイッチやIPルータなどの高容量電子パケットスイッチ間の長期間の接続により適している。POPSが短時間のデータ転送に適していない理由は、接続を確立するのに必要な時間、すなわちソース110から要求を受信し、経路を割り当て、この割当てを適当な光パケットスイッチに伝え、ソースクライアントおよび宛先クライアントに通知するのに必要な時間が、実際のデータ送信に費やされる時間を超えることがあるからである。POPSの短時間データ伝送の利点は、こうした接続確立時のオーバヘッドによって、すぐに打ち消されてしまうことになる。
【0038】
NMS160は、ソース110、宛先120および光パケットスイッチ131〜136のそれぞれと、帯域内通信、または図1に通信ライン161〜168として示す別個の通信ネットワークを介して通信する。いずれの場合も、NMS160は、ソースや宛先、最大パケット長、パケット間間隔などの接続情報を、これらの様々な光パケットスイッチに送信して、データパケットをルーティングする。
【0039】
ネットワーク要素およびホストに関する要件を制限したいという要求があると、パケットサイズも制限される。しかし、POPSでは、inter_packet_intervalの場合と同様に、ネットワークの最大パケット長と接続の最大パケット長とを区別している。このように区別するのは、ネットワークの柔軟性を向上させるためである。connection_max_packet_lengthが常にnetwork_max_packet_lengthと等しい場合には、POPSネットワークは、あらゆる接続に対して常に最長のパケットを交換するように準備しておかなければならない。したがって、接続に割り当てられるタイムスロットは、常に前述のような最短パケットではなく最長パケットの伝送時間でなければならないので、帯域幅割当ての粒度ははるかに粗くなる。network_max_packet_length以下にすることができるconnection_max_packet_lengthを生成することにより、最大パケット長の利点を維持しながら、帯域幅割当ての粒度がより精細になるという柔軟性も維持される。
【0040】
特定の伝送接続に割り当てられる帯域幅を制御するためには、POPSが以下の3つのパラメータを使用すると有効である。
【0041】
1)min_packet_length
2)connection_inter_packet_interval
3)connection_max_packet_length
ある接続に割り当てられる帯域幅は、以下の数式(4)で表すことができる。
【0042】
【数4】

【0043】
POPSネットワークはスロット化され、ソースクライアントはconnection_inter_packet_intervalの開始時にしかパケットを送信できないが、POPSネットワークには、パケット間間隔を時間的に前後にシフトさせることができるという柔軟性がある。この緩和により、いくつかの利点が得られる。例えば、利用率の高いネットワークにおいて、要求された帯域幅を提供するにはタイムスロットが不十分であるという理由で、新たな接続をブロックすることができる。NMSは、接続パケット間間隔のタイミングの柔軟性を利用して、既存の接続のパケット到着時間を「シフト(shift)」させ、新たな接続のための「余裕を作る(make a room)」ことができる。もう1つの利点は、ネットワークがネットワーク中の接続を再構成して、より効率的な構成にすることができる、すなわちハードディスクのデフラグメンテーションに似た動作で帯域幅を「デフラグ(defragment)」することができる点である。デフラグメンテーションでは、未割当てのタイムスロット(未使用の帯域幅)の不連続なブロックを後の割当てに備えて統合するように、複数の接続に割り当てられている接続パラメータの再割当てを行う。
【0044】
POPSネットワークではタイミングは重要な考慮事項であり、例えばconnection_inter_packet_intervalやmax_inter_packet_interval、time_slot、guard_bandなど、ネットワーク内の全ての要素で一様でなければならないタイミングパラメータがいくつか存在する。保護帯域(guard_band)とは、機器の性能差に対応するためにタイムスロットの冒頭と末尾に設けられた「むだ時間(dead time)」である。保護帯域は、NMS160によって設定され、全てのネットワーク要素に通信されるネットワークパラメータである。タイミングパラメータの中で最も重要なものは、帯域幅の割当ておよび交換の基礎となるtime_slotである。ネットワーク中の全てのスイッチを完全に同期させるということは現実的でないため、異なる入力波長のタイムスロットが厳密には同時に到着しない、タイムスロットの長さが厳密には同一でない、という事態を避けることはできない。これにより、克服しなければならない欠陥、すなわちタイムスロットのずれ、ならびにタイムスロットの「すべりおよび追加(slips and adds)」が生じる。ただし、タイムスロットのずれは、既に十分に研究された問題であり、この問題に対処するために利用できる技術もいくつかある。
【0045】
スケジューリングによってパケット衝突が回避され、要求をネットワーク中に「パック(pack)」することができるので、POPSネットワークの利用効率および費用効果は非常に高くすることができる。もう1つの利点は、ネットワークの設計に関するものである。転送ネットワークの設計の第1の測定基準は「ビットあたりのコスト(cost per bit)」であり、一般的な方向性は、可能であれば常に容量および規模の経済性が最大になるようにしてネットワーク要素を使用することである。しかし、大容量のネットワーク要素が細かい粒度で交換を行うことができることはほとんどない。例えば、一部のOXCは、OC−48(2.488Gbps)未満になると交換を行うことができない。これに対して、POPSスイッチは、粒度が粗くても細かくても交換を行うことができる。以下の表1および表2は、max_inter_packet_intervalが表1では1秒、表2では50ミリ秒であると仮定して、波長帯域幅と、最小パケット長(または最小交換時間)と、交換の粒度(単位bps)の間の関係を示している。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
交換時間10μ秒のOC−768と同じ速度でも、POPSスイッチは、max_inter_packet_intervalが1秒の時には400Kbps、50ミリ秒の時には8Mbpsの帯域幅の接続の交換しか行うことができない。帯域幅の極めて大きな接続および帯域幅の極めて小さな接続を両方とも交換できるということは、現在2つ以上のネットワーク要素で行っている作業を単一のPOPSスイッチで行うことができるということなので、重要である。例えば、図3は、光アドドロップマルチプレクサ(OADM)310が、WDMファイバ300内のOC−48の波長を、ライン311を介してブロードバンドデジタルクロスコネクト(BDCS)320にドロップする構成を示す図である。BCDS320では、STS−1信号を逆多重化し、これをライン321を介してワイドバンドデジタルクロスコネクト(WDCS)330に送る。最後に、ワイドバンドデジタルクロスコネクトが、DS1信号を逆多重化し、ライン331を介してエンドユーザ340に送る。場合によっては、これら別個のネットワーク要素を全て統合して1つのPOPSスイッチにして、ネットワークサービスプロバイダにとってかなりの節約となるようにすることもできる。言うまでもなく、光信号をDS1電子フォーマット、または加入者に適したフォーマットに変換するためには、POPSスイッチに電子機器を追加しなければならなくなる。
【0049】
光パケットスイッチは、1つの入力ポートに入来するデータを複数の出力ポートに交換して複数の宛先に送達することができるので、POPSを使用してマルチキャストを行うこともできる。
【0050】
本発明による特定の接続を確立する方法を、図4の流れ図に示す。特定の接続を確立する前に、いくつかのネットワークパラメータ、すなわち、max_packet_length、max_inter_packet_interval、minimum_packet_length、guard_band、およびtime_slotは既に決定されている。接続を確立するために、ステップ400で、ソース110がデータを伝送するよう求める要求をNMS160に送信する。このデータ伝送要求は、宛先の識別子、および必要な帯域幅の推定値を含む。ステップ410で、NMS160は、割当てアルゴリズムを実行して、当該接続のパラメータを決定する。NMS160によって決定される接続パラメータとしては、データが通過する物理経路または回線すなわちファイバや、波長、およびデータがルーティングされることになる光パケットスイッチなどがある。また、NMS160は、接続パケット間間隔(connection_inter_packet_interval)をタイムスロット単位で決定し、接続最大パケット長(connection_max_packet_length)をビット単位で決定し、接続開始時間を決定する。NMS160は、割当てステップを一旦実行したら、ステップ420において波長、接続パケット間間隔、接続最大パケット長および開始時間といった当該接続に関する情報をソース120に送信しなければならない。ステップ430で、NMS160は、データが通過する光パケットスイッチが、いつデータが入来するのか、どこにデータが入来するのか、どこにデータをルーティングするのか分かるように、各光パケットスイッチが必要としている情報、すなわち当該接続の接続開始時間、接続パケット間間隔、入力ポートおよび出力ポートを転送する。ステップ440で、NMS160は、接続開始時間、接続パケット間間隔および波長を宛先に通知し、これらに基づいて、宛先はデータパケットの入来を予測することができる。これで、ソース110は、当該開始時間に、またはその後の任意の接続パケット間間隔の開始時に、接続最大パケット長までのデータパケットの伝送を開始することができるようになる。割り当てられた経路内の各光パケットスイッチは、既知の時間(接続開始時間およびパケット間間隔に基づく)に入力ポートで受信したデータパケットを、適当な出力ポートに交換することができる。宛先120は、割り当てられた波長のパケット間間隔の1つまたは複数の開始時に、可変長データパケットを受信することになる。
【0051】
上記の説明は、単に本発明の例示および説明のみを目的としたものであって、全てを網羅するもの、または本発明を開示した任意の詳細な形態に限定するものではない。上記の教示に照らして、数多くの修正および変更が可能である。記載した応用分野は、本発明の原理および本発明の実際の応用分野を最もよく説明して、当業者が様々な応用分野で、企図した特定の用途に適した様々な修正を加えて本発明を最もよく利用できるようにするために、選択し、説明したものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による周期的光パケット交換とともに使用されるネットワークの1実施形態を示す図である。
【図2】スロット化帯域幅とパケット間隔の関係を示す図である。
【図3】従来技術による光/電気スイッチを示す図である。
【図4】本発明による、ソース要求時のデータの流れを示す流れ図である。
【図5】複数の粒度レベルにおける光交換の概念を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースと宛先の間で1つまたは複数の光学波長で複数の光パケットスイッチを介してデータパケットを伝送するための光ファイバネットワークにおいて伝送のための接続を確立する方法であって、
前記ソースからの接続要求をネットワーク管理システムで受信するステップと、
前記ネットワーク管理システムにおいて、光ファイバ経路、波長、開始時間、接続パケット間間隔および接続最大パケット長を含む1組の接続パラメータを当該接続に割り当てるステップと、
割り当てられた波長、開始時間、接続パケット間間隔および接続最大パケット長を、前記ソースに通知するステップと、
前記開始時間、接続パケット間間隔、およびデータパケットの入来が予想される入力ポート、並びに、前記宛先に伝送するために前記データパケットを交換すべき出力ポートを、前記光ファイバ経路に沿った各光パケットスイッチに通知するステップと、
当該接続の波長、開始時間、および接続パケット間間隔を前記宛先に通知するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記割り当てるステップが、前記波長を複数の等長タイムスロットに分割するステップをさらに含み、前記接続パケット間間隔がタイムスロット複数個分である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記接続パケット間間隔が、前記光ファイバネットワークの最大パケット間間隔以下である、請求項1の方法。
【請求項4】
前記ソースに通知するステップが、前記ネットワーク管理システムと前記ソースの間の直接通信によって行われる、請求項1の方法。
【請求項5】
前記各光パケットスイッチに通知するステップが、前記ネットワーク管理システムと前記経路の各光パケットスイッチとの間の直接通信によって行われる、請求項1の方法。
【請求項6】
前記宛先に通知するステップが、前記ネットワーク管理システムと前記宛先の間の直接通信によって行われる、請求項1の方法。
【請求項7】
前記ソースに通知するステップ、前記各光パケットスイッチに通知するステップ、および前記宛先に通知するステップが、帯域内通信または帯域外通信によって行われる、請求項1の方法。
【請求項8】
前記ソースから前記ネットワーク管理システムに伝送される前記接続要求が、前記接続に必要な推定帯域幅を示す指示を含む、請求項1の方法。
【請求項9】
ソースと宛先の間で1つまたは複数の光学波長で複数の光パケットスイッチを介してデータパケットを伝送するための光ファイバネットワークにおいて伝送を行う方法であって、
前記ソースからネットワーク管理システムに接続要求を伝送するステップと、
前記ネットワーク管理システムにおいて、光ファイバ経路、複数の等長タイムスロットに分割された波長、接続開始時間、タイムスロット複数個分に等しい接続パケット間間隔、および接続最大パケット長を含む1組の接続パラメータを当該接続に割り当てるステップと、
割り当てられた波長、接続開始時間、接続パケット間間隔および接続最大パケット長を、前記ソースに通知するステップと、
前記接続開始時間、接続パケット間間隔、およびデータパケットの入来が予想される入力ポート、並びに、前記宛先に伝送するために前記データパケットを交換すべき出力ポートを、前記光ファイバ経路に沿った各光パケットスイッチに通知するステップと、
当該接続の波長、接続開始時間、および接続パケット間間隔を前記宛先に通知するステップと、
前記接続開始時間に、またはその後の任意の接続パケット間間隔の開始時に、割り当てられた経路の光パケットスイッチを介して前記ソースから前記宛先にデータパケットを伝送するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記ソースから前記宛先に伝送される前記データパケットが、前記接続最大パケット長未満の長さを有する、請求項9の方法。
【請求項11】
前記割り当てるステップが、波長、光ファイバ経路、接続開始時間、接続最大パケット長、および接続パケット間間隔といった前記接続パラメータが、その他の任意の接続に割り当てられたその他の任意の接続パラメータと競合しないと判定するステップをさらに含む、請求項9の方法。
【請求項12】
前記割り当てるステップが、データが伝送されない期間である保護帯域を決定するステップをさらに含む、請求項9の方法。
【請求項13】
複数波長光ファイバネットワークにおいて1つまたは複数の光パケットスイッチを介してソースから宛先にデータパケットを伝送するための接続パラメータの割当てを行うネットワーク管理システムであって、
各波長を複数の等長タイムスロットに分割する手段と、
ソースからの各伝送要求に応答して、複数の光パケットスイッチを通る経路、波長、開始時間、接続パケット間間隔、および接続最大パケット長を含む1組の接続パラメータを割り当てる手段と、
その他の任意の接続に割り当てられた前記接続パラメータとの競合がないかどうかを前記割当て手段が判定することができるように、前記複数波長光ファイバネットワーク中の全ての接続に割り当てられた全ての接続パラメータのデータベースを維持する手段と
を備えたことを特徴とするネットワーク管理システム。
【請求項14】
前記接続パケット間間隔が、前記複数波長光ファイバネットワークの最大パケット間間隔未満である、請求項13のシステム。
【請求項15】
前記光パケットスイッチがデータ交換を行うことができる速度に基づいて最小パケット長を設定する手段をさらに含む、請求項13のシステム。
【請求項16】
前記ソース、前記宛先、および割り当てられた経路の各光パケットスイッチのそれぞれに、特定の通信パラメータを通信する手段をさらに含む、請求項13のシステム。
【請求項17】
割り当てられた波長、開始時間、最大パケット間間隔および最大パケット長が、当該接続を要求しているソースに通信される、請求項16のシステム。
【請求項18】
入力ポート、出力ポート、開始時間およびパケット間間隔が、前記ソースと前記宛先の間の割り当てられた経路の各光パケットスイッチに通信される、請求項16のシステム。
【請求項19】
前記波長、開始時間およびパケット間間隔が前記宛先に通信される、請求項16のシステム。
【請求項20】
前記割り当てる手段が、前記ソースが要求する帯域幅が任意の1つの波長またはファイバの容量を超えている場合に、複数の波長またはファイバにわたって利用可能なタイムスロットをバンドルする手段をさらに含む、請求項14のシステム。
【請求項21】
ネットワーク構成要素に障害があるかどうかを判定し、その影響を受ける全ての接続の再割当てを要求する手段をさらに含む、請求項14のシステム。
【請求項22】
未割当ての不連続なタイムスロットを統合するように、複数の接続の接続パラメータを変更することによって、所与の波長の割り当てられたタイムスロットをデフラグする手段をさらに含む、請求項14のシステム。
【請求項23】
前記1組の接続パラメータが保護帯域をさらに含む、請求項14のシステム。
【請求項24】
複数の光パケットスイッチによって接続された複数の光ファイバを介してソースから宛先にデータパケットを伝送する光ファイバネットワークにおいてソースが伝送を行う方法であって、
ある時間にわたる帯域幅の推定量を必要とするデータの伝送を求める要求をネットワーク管理システムに送信するステップと、
当該接続についての割り当てられた波長、開始時間、パケット間間隔および最大パケット長を受信するステップと、
前記開始時間に、またはその後の任意のパケット間間隔で、1つまたは複数のパケットを伝送するステップと
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2006−513672(P2006−513672A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568054(P2004−568054)
【出願日】平成15年12月23日(2003.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2003/041608
【国際公開番号】WO2004/070429
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(399047921)テルコーディア テクノロジーズ インコーポレイテッド (61)
【Fターム(参考)】