周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラム
【課題】 応答速度の低下を来たすことなく、また、システムが機能できなくなる可能性が増加することを抑制しながら、大記憶容量が容易に得られる周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 周辺処理システム1は、仮想メモリカード2と外部装置3とで構成されている。仮想メモリカード2は、接続方式がメモリカードの入出力規格に準拠する接続方式の入出力装置11と、PC4に対する挿抜を仮想的に実行できる挿抜エミュレート回路16と、メモリカードの記憶部と同様の機能を有するカード記憶部15とを備え、外部装置3は、仮想メモリカード2と通信可能であって、周辺処理システム1の記憶部として機能するHDD26を備える。そして、外部装置3との通信が正常に実施できない場合には、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作する。
【解決手段】 周辺処理システム1は、仮想メモリカード2と外部装置3とで構成されている。仮想メモリカード2は、接続方式がメモリカードの入出力規格に準拠する接続方式の入出力装置11と、PC4に対する挿抜を仮想的に実行できる挿抜エミュレート回路16と、メモリカードの記憶部と同様の機能を有するカード記憶部15とを備え、外部装置3は、仮想メモリカード2と通信可能であって、周辺処理システム1の記憶部として機能するHDD26を備える。そして、外部装置3との通信が正常に実施できない場合には、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の周辺機器であって、接続装置と外部装置とを備えた周辺処理システム、並びに周辺処理システムにおける処理方法、及び当該処理方法を実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置が扱える情報量の増大や、情報処理装置を駆動するためのプログラムの大型化に伴い、情報処理装置の記憶装置容量は、増大の一途にある。一方、情報処理装置のCPUなどの演算装置は小型化が進み、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの小型で携帯使用に適した情報処理装置が実現されている。大容量の記憶装置を有する小型の情報処理装置を実現するための方法の一つとして、記憶装置として、情報処理装置に内蔵されている記憶装置の他に、情報処理装置に内蔵されていない、外部記憶装置が使用されている。
【0003】
外部記憶装置などの外付けの周辺機器を使用する情報処理装置の小型化のためには、情報処理装置と周辺機器とを接続するコネクタなどの装置の小型化が必要であり、特許文献1に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムが提案されている。また、外部記憶装置を挿着することによって、挿着した外部記憶装置を含んだ情報処理装置が大きくなることを抑制できるように、外部記憶装置の小型化も計られ、メモリカードのような小型の記憶装置が用いられている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−163169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、外付けの周辺機器は、情報処理装置に対して、物理的に着脱が行われることが必要であり、着脱を繰返すことに起因して、機械的な磨耗などが発生し、接続装置の信頼性が低下するという課題があった。特許文献1に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムでは、入出力インタフェースの着脱が必要であり、このような課題を解決することはできなかった。また、メモリカードのような半導体メモリは、現在では、まだ大容量化に限界があるという課題があった。特許文献1に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムでは、システムを構成する記憶装置の記憶容量を大きくすることは可能である。しかし、大記憶容量を有する記憶装置は応答速度が遅くなり、入出力インタフェースと記憶装置の間のデータ送受信には時間がかかり、システムの応答速度が遅くなるという別の課題があった。加えて、入出力インタフェースと記憶装置の間のデータ送受信がさらに必要であることから、また、入出力インタフェースと記憶装置の間のデータ送受信において障害が発生してデータ送受信が正常に行えない場合には、システムは正常に機能できなくなり、システムが機能できなくなる可能性が増加するという課題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、応答速度の低下を来たすことなく、また、システムが機能できなくなる可能性が増加することを抑制しながら、大記憶容量が容易に得られる周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、接続装置は、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置及び接続通信部が送受信するデータを記憶可能な接続データ記憶部と、接続入出力装置と接続通信部と接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、外部装置は、接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備え、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、外部データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作し、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できない場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作することを特徴とする。
【0008】
本発明による接続装置は、前記した周辺処理システムを構成する接続装置であって、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置及び接続通信部が送受信するデータを記憶可能な接続データ記憶部と、接続入出力装置と接続通信部と接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、外部データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作し、接続通信部と外部装置との間の通信が正常に実行できない場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作することを特徴とする。
【0009】
本発明による外部装置は、前記した周辺処理システムを構成する外部装置であって、接続装置との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明による処理方法は、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップと、接続装置が、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、接続装置が有する接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、指令情報の処理を実行するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、受信した指令情報を、接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、一時的に記憶した指令情報を、順次、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、外部装置が指令情報を受信するステップと、受信した指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答を送信するステップと、接続装置から情報処理装置に応答を送信するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明によるプログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを、接続装置のコンピュータが判定するステップと、接続装置のコンピュータが、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、接続装置のコンピュータが指令情報の処理を実行するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、接続装置のコンピュータが受信した指令情報を、接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、一時的に記憶した指令情報を、接続装置のコンピュータが、順次、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、指令情報に従って、指示された処理を実行し、指示された処理が、応答を必要とする処理の場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明の構成、処理方法及びプログラムによれば、周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた挿着部に挿着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを記憶する外部装置とを備える。それによって、情報処理装置に挿着する接続装置を、周辺処理システムの記憶容量とは関わり無く小型化することができる。同時に、情報処理装置に挿着する部分の小型化に影響を及ぼすことなく、周辺処理システムの記憶容量を大きくすることができる。また、例えば、接続データ記憶部は、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用することも可能であり、接続通信部と外部装置との通信は、情報処理装置と接続装置との通信と並行して実行することが可能である。通信が並行して実施できることから、情報処理装置と周辺処理システムとの通信速度は、接続通信部と外部装置との通信速度に関わりなく、情報処理装置と接続装置との通信速度とほぼ同等にすることができる。さらに、接続通信部と外部装置との間の通信に障害があることで、周辺処理システム全体が機能できない場合であっても、接続データ記憶部を周辺処理システムの記憶部として動作することで、周辺処理システムとして稼動することができる。従って、情報処理装置に直接挿着されていることから、情報処理装置との間の通信障害が発生する可能性が比較的小さい接続装置のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することが可能であり、通信の障害によって周辺処理システムが機能しなくなる可能性を小さくすることができる。また、情報処理装置の移動に対応して、常に外部装置を接続通信部との間の通信が可能な位置に移動させることを必須とせずに、周辺処理システムを稼動させることができる。
【0013】
この場合周辺処理システムは、接続装置に備えられた接続データ記憶部が、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることが好ましい。
【0014】
この場合接続装置は、接続装置に備えられた接続データ記憶部が、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、接続データ記憶部を、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用することにより、接続通信部と外部装置との通信は、情報処理装置と接続装置との通信と並行して実行することが可能である。通信が並行して実施できることから、情報処理装置と周辺処理システムとの通信速度は、接続通信部と外部装置との通信速度に関わりなく、情報処理装置と接続装置との通信速度とほぼ同等にすることができる。
【0016】
この場合周辺処理システムは、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作した後、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に送信することが好ましい。
【0017】
この場合接続装置は、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作した後、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に送信することが好ましい。
【0018】
この場合処理方法は、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、指令情報の処理を実行するステップを実行し、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップを再度実行し、通信が実行可能であると判定された場合には、接続データ記憶部をデータ記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に送信するステップをさらに有することが好ましい。
【0019】
この場合プログラムは、前記したプログラムであって、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、指令情報の処理を実行するステップをコンピュータが実行し、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップをコンピュータが再度実行し、通信が実行可能であると判定した場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に、コンピュータが送信させるステップを、さらにコンピュータに実行させることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、接続データ記憶部をデータ記憶部として動作している間には更新されなかった外部装置の外部データ記憶部に記憶されたデータを、通信が回復した時点で、更新することができる。これによって、外部データ記憶部に記憶されたデータを、あたかも、接続装置と外部装置との通信が行えなかった期間がなかったかのように、更新することができる。
【0021】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置が、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に入力される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【0022】
この場合接続装置は、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に送信される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【0023】
これらの構成によれば、接続装置の装着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【0024】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【0025】
この場合接続装置は、周辺処理システムを構成する接続装置であって、接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、接続装置はメモリカードとほぼ同様の形状であり、大きな記憶容量を持つ周辺処理システムを、メモリカードと同様の使い勝手で使用することができる。また、メモリカードを使用可能な情報処理装置であれば、情報処理装置に改良を加えることを必要とせず、メモリカードを使用するのと同様の使用方法で、周辺処理システムを使用することができる。
【0027】
この場合周辺処理システムは、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【0028】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、使用したい構成要素グループを選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【0030】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0031】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0032】
この構成によれば、使用したい領域を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【0033】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0034】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置の中の一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0035】
この構成によれば、使用したい外部装置を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【0036】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【0037】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、識別情報を指定することによって、複数の領域の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する領域を選ぶことができる。
【0039】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【0040】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【0041】
この構成によれば、識別情報を選択して指定することによって、複数の外部装置の外部データ記憶部の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する外部装置の外部データ記憶部を選ぶことができる。
【0042】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【0043】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【0044】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、情報処理装置などの周辺処理システム以外の装置を使用することなく、データの入力や、領域の設定を行うことができる。
【0045】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置を備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域又は複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【0046】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【0047】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、複数の領域又は外部データ記憶部の中から周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択し、特定することができる。
【0048】
この場合、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部に付与された識別情報及び仕様情報は、接続装置に送信されて、接続装置内に記憶されていることが好ましい。
【0049】
この構成によれば、接続装置の接続制御部が、接続装置内に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、接続装置内に記憶され識別情報に対応する領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことで、使用する領域又は外部データ記憶部に選定されている領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことができる。
【0050】
この場合処理方法は、外部データ記憶部を複数の領域に分割し、領域を判別するための識別情報、及び領域の仕様を示す仕様情報を、各領域毎に付与するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、外部装置内に記憶するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、接続装置に送信して、接続装置内に記憶するステップと、識別情報及び仕様情報を、接続装置内に記憶するのに伴ない、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に送信される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することが好ましい。
【0051】
この方法によれば、接続装置が、接続装置に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。このことによって、使用したい情報が記録された領域又は情報を記録したい領域の識別情報を選ぶだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、容易に、異なる周辺装置として周辺処理システムを使用することができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、識別情報に対応する領域とデータの授受を行うことで、使用する領域に選定されている領域とデータの授受を行うことができる。さらに、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下に、本発明の一実施形態に係る周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムについて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
(第1の実施形態)
以下に説明する実施形態は、情報処理装置の一例であるパーソナルコンピュータ(以降、PCと表記する)に接続して用いられる周辺処理システム1について説明する。図1は、本実施形態の周辺処理システムと、PCとの外観斜視図である。周辺処理システム1は、公知のメモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)(以降HDDと表記する)を備えた外部装置3と、で構成されている。外部装置3には、外部装置3を操作するための入力操作部3aと、外部装置3内のHDD26(図3参照)の情報などを表示する表示部3bと、OS(Operating System)などを読み込むためのドライブ装置3cとが備えられている。仮想メモリカード2が、接続装置に相当し、入力操作部3aが、外部入力装置に相当する。
【0054】
PC4は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、PC4を操作するための入力ボード4aと、入力ボード4aからの操作内容や処理した結果などを表示する表示部4bと、メモリカードを挿着するためのメモリカードスロット6と、を備えている。仮想メモリカード2は、メモリカードと同様の外観形状を有し、PC4のメモリカードスロット6に、公知のメモリカードと同様に挿着可能である。
【0055】
次に、仮想メモリカード2の電気的構成について説明する。図2は、仮想メモリカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図である。仮想メモリカード2は、PC4と接続するための入出力装置11と、外部装置3と通信するための無線通信コントローラ12及び無線モジュール14と、を有する。入出力装置11は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。仮想メモリカード2がメモリカードスロット6に挿着されると、入出力装置11と入出力装置22とが接続され、PC4は、公知のメモリカードが挿着されたと認識する。無線モジュール14は、外部装置3に設けられた無線モジュール23との間で電波の送受信をするモジュールで、電波の送受信は、無線通信コントローラ12によって制御される。無線モジュール14と無線通信コントローラ12とで接続通信部が構成される。無線通信は、ブルートウース(登録商標)(Bluetooth)による通信である。
【0056】
また、仮想メモリカード2は、CPU(Central Processing Unit)17と、ROM(Read Only Memory)18と、RAM(Random Access Memory)19とを有し、CPU17は、接続制御部として仮想メモリカード2の各動作を制御する。ROM18は、CPU17が仮想メモリカード2を制御するためのファームウエア、及びPC4に対してメモリカードとしてエミュレートするときの、メモリカードの固有情報等を記憶している。RAM19は、CPU17のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを展開する。仮想メモリカード2は、メモリカードが有する記憶部と同様の機能を有するカード記憶部15も有している。これら入出力装置11、無線通信コントローラ12、ROM18、RAM19、CPU17及びカード記憶部15は、内部バス21によってそれぞれ互いに接続されている。なお、ROM18及びカード記憶部15は、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【0057】
無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行されている場合には、カード記憶部15は、周辺処理システム1の記憶部としては使用されない。CPU17が、無線モジュール14と無線モジュール23との通信を介して外部装置3の記憶部を周辺処理システム1の記憶部であるかのように制御する。このときPC4は、仮想メモリカード2をメモリカードとして認識するだけで、外部装置3が接続されていることは認識せず、外部装置3の記憶部をメモリカードの記憶部として認識する。
【0058】
無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行できない場合には、仮想メモリカード2は、カード記憶部15を周辺処理システム1の記憶部として使用してメモリカードをエミュレートする。このときPC4は、仮想メモリカード2をメモリカードとして認識し、カード記憶部15をメモリカードの記憶部として認識する。無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行されている場合には、カード記憶部15は、仮想メモリカード2がPC4又は外部装置3から受取った情報を、外部装置3又はPC4に送信するまで一時的に記憶する記憶部としても使用される。カード記憶部15が、接続データ記憶部に相当し、入出力装置11が接続入出力装置に相当し、無線通信コントローラ12及び無線モジュール14が接続通信部に相当し、CPU17およびROM18が接続制御部に相当する。
【0059】
さらに、仮想メモリカード2には、挿抜エミュレート回路16が設けられており、入出力装置11と接続されると共に、内部バス21を介してCPU17などと接続されている。挿抜エミュレート回路16は、仮想メモリカード2をメモリカードスロット6から脱着することなく、仮想メモリカード2がメモリカードスロット6から抜かれて、異なる仮想メモリカード2が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。挿抜のエミュレーションが実行されると、PC4は、メモリカードスロット6に挿着されていたメモリカードが、異なるメモリカードに交換されたと認識する。挿抜エミュレート回路16の詳細は、後述する。挿抜エミュレート回路16、及び挿抜エミュレート回路16を制御するCPU17とROM18とが仮想脱着部に相当する。
【0060】
次に、外部装置3の電気的構成について説明する。図3は、外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図である。外部装置3は、仮想メモリカード2と無線通信するための無線モジュール23と、無線通信コントローラ24とを有する。また、周辺処理システム1の記憶部として機能するHDD26と、HDD26を制御するHDDコントローラ27とを有する。さらに、外部装置3の制御及び仮想メモリカード2との通信の制御を行うCPU28と、CPU28が外部装置3を制御するためのファームウエアやエミュレートするメモリカードの固有情報等を記憶しているROM29と、CPU28のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを記憶するRAM31とを有する。なお、ROM29は、仮想メモリカード2のROM18と同様に、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【0061】
そして、前記したように、外部装置3は、入力操作部3aと、表示部3bと、ドライブ装置3cとを有しており、これらと無線通信コントローラ24と、HDDコントローラ27と、ROM29と、RAM31と、CPU28とが、それぞれ内部バス32を介して互いに接続されている。無線モジュール23と、無線通信コントローラ24とが外部通信部に相当し、HDD26とHDDコントローラ27とが外部データ記憶部に相当し、CPU28とROM29とが外部装置制御部に相当し、入力操作部3aが外部入力装置に相当する。
【0062】
次に、周辺処理システム1がメモリカードをエミュレートする構成について説明する。前記したように、仮想メモリカード2の入出力装置11は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。そして、仮想メモリカード2がメモリカードスロット6に挿着されると、入出力装置11と入出力装置22とが接続され、PC4は、公知のメモリカードが挿着されたと認識する。即ち、PC4は、周辺処理システム1を、メモリカードスロット6に挿着された1枚のメモリカードであると認識する。それに対して、周辺処理システム1は、PC4に対して、PC4に認識された1枚のメモリカードをエミュレートする。この時、周辺処理システム1がエミュレートしている架空のメモリカードをメモリカードイメージと表記する。
【0063】
図4は、メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。HDD26の記憶領域33には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34が形成されている。図4に示した記憶領域33には、3箇所の領域34(図に34a,34b,34cと表記)が形成されている。メモリカードイメージの記憶部として、領域34を形成することで、新しいメモリカードイメージを形成することができる。新しいメモリカードイメージを形成する過程の詳細は、後述する。
【0064】
各メモリカードイメージは、それぞれ、カード仕様情報とカード識別情報とから成る固有情報を有しており、各固有情報はそれぞれ、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されている。図4に示したカード部36には、固有情報が、カード37(図に37a,37b,37cと表記)として記憶されている。周辺処理システム1がその時点でエミュレートしているメモリカードイメージが現在のカードとして選択されており、現在のカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する固有情報が、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されている。メモリカードイメージの記憶部を構成する実体は、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージに対応する領域34である。現在のカードとしてメモリカードイメージを選択する過程と、固有情報をカード部38に記憶させる過程との詳細は、それぞれ後述する。
【0065】
固有情報を構成するカード識別情報は、仮想メモリカード2と外部装置3とが、共に稼動可能状態であって、互いに通信エリア内に位置して、相互に通信可能な状態になった場合に、記憶部として使用する領域34を特定するための情報である。カード識別情報は、例えば、領域34の作成日時と、領域34の記憶容量と、領域34に付されたシリアル番号と、領域34に付されたカード名称とからなる。領域34の作成日時と、領域34の記憶容量と、領域34に付されたシリアル番号と、領域34に付されたカード名称とは、メモリカードイメージの作成日時と、メモリカードイメージの記憶容量と、メモリカードイメージに付されたシリアル番号と、メモリカードイメージに付されたカード名称でもある。
【0066】
固有情報を構成するカード仕様情報は、エミュレートするメモリカードイメージの仕様の情報である。本実施形態の場合では、メモリカードイメージは架空のメモリカードであるから、公知のメモリカードの規格に準拠した仕様が、カード仕様情報となる。但し、記憶容量は、対応する領域34を設定する際に定めた領域34の記憶容量となる。
【0067】
周辺処理システム1は、仮想メモリカード2のCPU17が、カード仕様情報の仕様に従って動作することによって、メモリカードイメージをエミュレートする。PC4がメモリカードスロット6に挿着されていると認識しているメモリカードは、周辺処理システム1がエミュレートしているメモリカードイメージであって、カード仕様情報の仕様を有するメモリカードである。
【0068】
次に、外部装置3の有する管理プログラムによるメモリカードイメージの管理、即ち、領域34及び固有情報の管理について説明する。図5は、外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す構成図である。領域34及び固有情報の管理に関る操作は、管理プログラムによって外部装置の表示部3bに表示される管理メニューに従って、操作者が行う。図5(a)は、外部装置3の表示部3bに表示される管理メニューのトップメニューを示している。表示される管理メニューのトップメニューには、管理メニューの一覧が表示され、実行する管理メニューを選択することができる。図5(b),(c),(d),(e),(f),(g)は、各管理メニューのトップ表示を示す図である。図5(a)の管理メニューの一覧から、操作者が、実行する管理メニューを選択すると、図5(b)から(g)に示したトップ表示の中の選択された管理メニューのトップ表示が、表示部3bに表示される。
【0069】
図5(a)に示したように、実行することができる管理メニューには、「カード容量表示」と「カード作成」と「プログラムインストール」と「カード消去」と「カード交換」と「容量表示」とがある。図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード容量表示」が選択されると、図5(b)に示したように、設定されているメモリカードイメージのカード名称及びその記憶容量が表示される。前記したように、カード名称はメモリカードイメージの記憶部である領域34に付けられたカード名称であり、記憶容量はそのカード名称が付けられた領域34の記憶容量である。
【0070】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択されると、図5(c)に示したように、カード作成のトップ表示が表示される。容量と名称とカード仕様とを入力することにより、新しいカード、即ち新しいメモリカードイメージを作成することができる。このとき、入力された容量と名称とカード仕様とに対応して、CPU28が、領域34を形成することで、入力された容量と名称とカード仕様とに対応したメモリカードイメージが形成される。メモリカードイメージの記憶部として、領域34を形成し、「カード作成」を実行する過程の詳細は、後述する。
【0071】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「プログラムインストール」が選択されると、図5(d)に示したように、プログラムインストールのトップ表示が表示される。プログラムのインストール先のカード名称を選択して、そのカード名称が付けられた領域34に、PC4のOSなどのプログラムを記憶させてインストールすることができる。なお、プログラムだけでなく、PC4が扱うデータを入力して記憶させることも、プログラムインストールメニューで実行させることができる。
【0072】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード消去」が選択されると、図5(e)に示したように、カード消去のトップ表示が表示される。消去したいメモリカードイメージの名称を選択して、そのメモリカードイメージを消去することができる。より具体的には、消去するカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する領域34が消去され、消去された領域34に対応するカード仕様情報とカード識別情報とが記憶されたカード37が、カード部36から消去される。
【0073】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード交換」が選択されると、図5(f)に示したように、カード交換のトップ表示が表示される。カード名称を選択して使用したいメモリカードイメージを選択することによって、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージと交換することができる。現在のカードとして別のメモリカードイメージを選択して交換する過程、即ち現在のカードとして別の領域34を選択して交換する過程の詳細は、後述する。
【0074】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「容量表示」が選択されると、図5(g)に示したように、記憶領域33の「全体の容量」と「使用中の容量」と「空き容量」とが表示される。なお、「使用中の容量」は、例えば、領域34として設定された記憶容量の合計であり、「空き容量」は、領域34として設定することが可能な記憶容量である。
【0075】
次に、仮想メモリカード2と外部装置3とが通信を開始する過程について説明する。図6は、外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。また、図7は、仮想メモリカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。
【0076】
最初に、図6に基づいて外部装置3が実行するフローについて説明する。外部装置3が可動状態になると、ステップS1で、仮想メモリカード2との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。通信可能な状態でない場合(ステップS1でNO)は、ステップS2へ進み、通信可能な状態の場合(ステップS1でYES)は、ステップS3へ進む。
【0077】
ステップS2では、仮想メモリカード2の探索を続けるか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部4bに「通信不能状態である」というメッセージを表示すると共に、探索を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。探索を継続する場合(ステップS2でYES)は、ステップS1へ戻り、仮想メモリカード2との試験通信の試行及び通信可能状態か否かの判定を再度実行する。探索を継続しない場合(ステップS2でNO)は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。
【0078】
ステップS3では、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されているカード識別情報を取得する。
【0079】
次に、ステップS4では、取得したカード部38に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード識別情報の中に、有るか否かを判定する。同一のカード識別情報がある場合(ステップS4でYES)は、ステップS5へ進む。同一のカード識別情報がない場合(ステップS4でNO)は、ステップS10へ進む。なお、カード部38にカード識別情報が記憶されていない場合には、同一のカード識別情報は存在し得ないためステップS4でNOとなり、ステップS10へ進む。
【0080】
ステップS5では、カード部38に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域34を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択する。そして、カード部38に記憶されているカード識別情報に対応する領域34が選択できた、即ち、カード部38に記憶されているメモリカードイメージが選択できたことを、仮想メモリカード2へ送信する。
【0081】
次に、ステップS6では、仮想メモリカード2から、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期を取得する。
【0082】
次に、ステップS7では、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期と、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報の更新時期とを比較する。そして、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しいか否かを判定する。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しい場合(ステップS7でYES)は、ステップS8へ進む。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が古い場合(ステップS7でNO)は、ステップS9へ進む。
【0083】
ステップS7の次に、ステップS8では、仮想メモリカード2から、カード記憶部15に記憶されている情報を取得し、取得した情報で、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報を更新する。ステップS8の次に、ステップS15に進む。
【0084】
ステップS7の次に、ステップS9では、仮想メモリカード2に、カード記憶部15に記憶されている情報を消去する指示を送信する。ステップS9の次に、ステップS15に進む。
【0085】
ステップS4の次に、ステップS10では、新たなカード(メモリカードイメージ)を作成するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部4bに「該当するカードがありません。新しいカードを作成しますか?」というメッセージを表示すると共に、新しいカードを作成するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。新たなカード(メモリカードイメージ)を作成する場合(ステップS10でYES)は、ステップS11へ進む。新たなカード(メモリカードイメージ)を作成しない場合(ステップS10でNO)は、ステップS12へ進む。
【0086】
ステップS10の次に、ステップS11では、新たなカード(メモリカードイメージ)を作成する。新たなメモリカードイメージを作成する過程の詳細は、後述する。
【0087】
ステップS12では、新たなカード作成を行わない決定を受けて、エミュレートするメモリカードイメージとして、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード37の中からカードを選択するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部4bに「既存のカードの中からカードを選択しますか?」というメッセージを表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。既存のカードの中からカードを選択しない場合(ステップS12でNO)は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。既存のメモリカードイメージの中からエミュレートするメモリカードイメージを選択する場合(ステップS12でYES)は、ステップS13へ進む。
【0088】
ステップS13では、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード37の中からエミュレートするカード(メモリカードイメージ)を選択する。具体的には、既存のカードの一覧を表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択することを促すメッセージを表示する。そして、操作者によって選択指示されたカードを、エミュレートするカード(メモリカードイメージ)として認識する。
【0089】
ステップS11又はステップS13の次に、ステップS14では、仮想メモリカード2にカードの交換実行の指示を送信し、カードの交換を実行する。エミュレートするカード(メモリカードイメージ)を交換する過程の詳細は、後述する。
【0090】
ステップS8、ステップS9又はステップS14の次に、ステップS15では、仮想メモリカード2とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【0091】
以上、外部装置3におけるカード設定および仮想メモリカード2との通信開始方法について説明した。次に、仮想メモリカード2におけるカード設定および外部装置3との通信開始の過程について図7を用いて一部図6と対比させて説明する。
【0092】
PC4に挿着された仮想メモリカード2がPC4からアクセスされると、仮想メモリカード2におけるカード設定および外部装置3との通信開始の過程が開始する。
【0093】
ステップS21では、外部装置3との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。このステップは、図6のステップS1と対応するステップである。通信可能な状態でない場合(ステップS21でNO)は、ステップS29へ進む。通信可能な状態の場合(ステップS21でYES)は、ステップS22へ進む。
【0094】
ステップS22では、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されているカード識別情報を外部装置3へ送信する。このステップは、図6のステップS3と対応するステップである。
【0095】
次のステップS23では、外部装置3から指示情報の送信を受信したか否かを判定する。指示情報は、例えば、図6のステップS5で説明した、カード部38に記憶されているカード識別情報に対応する領域34が選択できたことを仮想メモリカード2へ通知する情報である。指示情報の受信がない場合(ステップS23でNO)は、ステップS29へ進む。指示情報の受信があった場合(ステップS23でYES)は、ステップS24へ進む。
【0096】
ステップS21又はステップS23の次に、ステップS29では、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作を開始する。指示情報の受信がない場合(ステップS23でNO)は、外部装置3から指示情報の送信がない場合であって、図6のステップS12でNOとなった場合である。この場合は、ステップS22で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード識別情報の中に存在せず、新たなメモリカードイメージの作成も、既存のメモリカードイメージの中からエミュレートすべきものを選択することもしない場合である。ステップS12でNOとなった場合と同様に、通信不能状態であって、外部装置3との通信は開始できないため、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作を開始する。
【0097】
ステップS23の次にステップS24では、受信した指示情報が、ステップS22で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード識別情報の中に存在したという情報であるか否かを判定する。同一のカード識別情報が存在したという情報である場合(ステップS24でYES)は、ステップS26に進む。同一のカード識別情報が存在したという情報でない場合(ステップS24でNO)は、ステップS25に進む。
【0098】
指示情報が、同一のカード識別情報が存在したという情報である場合(ステップS24でYES)は、図6のステップS5で、カード部38に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域34を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択できた場合である。そして、カード部38に記憶されているカード識別情報に対応する領域34が選択できた、即ち、カード部38に記憶されているメモリカードイメージが形成できたことを、仮想メモリカード2へ送信してきた場合である。
【0099】
ステップS26では、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期を、外部装置3に送信する。図6に基づいて説明したように、外部装置3は、ステップS6で、送信された更新時期を取得し、ステップS7で、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期と、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報の更新時期とを比較する。そして、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しいか否かを判定する。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しい場合は、仮想メモリカード2から、カード記憶部15に記憶されている情報を取得し、取得した情報で、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報を更新する(ステップS8)。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が古い場合は、仮想メモリカード2に、カード記憶部15に記憶されている情報を消去する指示を送信する(ステップS9)。
【0100】
ステップS26の次に、ステップS27では、外部装置3の、ステップS7での判定結果に基づく指令に従って、カード記憶部15に記憶されている情報の外部装置3への送信、又は、カード記憶部15に記憶されている情報の消去を実行する。
【0101】
指示情報が、同一のカード識別情報が存在したという情報でない場合(ステップS24でNO)は、図6のステップS14で、仮想メモリカード2にカードの交換実行の指示を送信してきた場合である。
【0102】
ステップS25では、カードの交換を実行する。エミュレートするカード(メモリカードイメージ)を交換する過程の詳細は、後述する。
【0103】
ステップS27又はステップS25の次に、ステップS28に進み、外部装置3とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【0104】
次に、新たなメモリカードイメージを作成する過程について説明する。図8は、カード作成の過程を示すフローチャートである。前記したように、図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択された場合や、図6のステップS10で、新たなカードを作成することが選択された場合に、新たなメモリカードイメージを作成する過程が開始される。表示部3bに、図5(c)に示したような、カード作成のトップ表示が表示される。
【0105】
ステップS31では、操作者が入力操作部3aを操作して、設定するカード(メモリカードイメージ)の容量が入力されると、外部装置3のCPU28はメモリカードイメージの記憶容量が入力されたと認識する。容量は、HDD26の空き容量の全容量までを設定することができる。
【0106】
ステップS32では、HDD26の空き容量が、入力された容量以上であるか否かを外部装置3のCPU28が判定する。空き容量が、入力された容量以下の場合(ステップS32でNO)は、ステップS33へ進む。空き容量が、入力された容量以上の場合(ステップS32でYES)は、ステップS34へ進む
【0107】
ステップS33では、HDD26の空き容量が入力された容量以上でないため容量設定できない旨のエラー表示を表示部3bに表示する。同時に、容量入力を再度行うことを促す表示をして、ステップS31へ戻る。
【0108】
ステップS34では、操作者が入力操作部3aを操作して、設定するカード(メモリカードイメージ)の名称が入力されると、外部装置3のCPU28はメモリカードイメージのカード名称が入力されたと認識する。操作者は、例えば、図4に記載した「メモリカードa」などの名称を適宜入力する。
【0109】
次のステップS35では、入力された文字数が規定以内か否かを判定する。文字数が規定より多い場合(ステップS35でNO)は、ステップS36へ進む。文字数が規定内の場合(ステップS35でYES)は、ステップS37へ進む。
【0110】
ステップS36では、文字数が規定外であるため名称設定ができない旨のエラー表示を、表示部3bに表示する。同時に、名称の入力を再度行うことを促す表示をして、ステップS34へ戻る。
【0111】
ステップS37では、外部装置3のHDD26の記憶領域33に、入力された記憶容量を持つ領域34を作成する。
【0112】
次に、ステップS38では、ステップS37で作成された領域34に対応するカード識別情報が作成される。上記した各ステップで入力された記憶容量およびカード名称に加えて、作成日時とシリアル番号とが付与される。
【0113】
次に、ステップS39では、操作者が入力操作部3aを操作して、設定するカード(メモリカードイメージ)の仕様が選択されると、外部装置3のCPU28はメモリカードイメージの仕様が選択されたと認識する。仕様の選択は、例えば、図5(c)に示したようなメモリカードなどの公知の記憶装置名称の一覧の中から、周辺処理システム1がエミュレートする記憶装置の名称を選択することで実行できる。記憶装置名称の一覧に記載された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様は、予めROM29に記憶されており、CPU28は、選択された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様を認識する。
【0114】
次に、ステップS40では、ステップS39で認識された記憶装置仕様に対応するカード仕様情報が作成される。
【0115】
次に、ステップS41では、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に、カード37として、カード仕様情報およびカード識別情報からなる固有情報を書き込む。
【0116】
次に、ステップS42では、カードの作成終了の表示を表示部3bに表示し、カード作成の過程を終了する。
【0117】
次に、カードを交換する過程について説明する。カードの交換は、周辺処理システム1がエミュレートしているメモリカードイメージを別のメモリカードイメージに換えることで、PC4に別のメモリカードが挿着されたと認識させることにより、実行される。図9は、外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャートである。図10は、挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図であり、図11は、仮想メモリカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャートである。
【0118】
通常、仮想メモリカード2が挿着されたPC4は、定期的に仮想メモリカード2に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っている。仮想メモリカード2がポーリングに対して応答することで、PC4と仮想メモリカード2との間の情報処理が円滑に実行される。以下に説明するカード交換の過程が実行されている場合には、PC4からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても仮想メモリカード2は応答しない状態となる。
【0119】
最初に、図9に基づいて、外部装置3におけるカード交換の過程を説明する。前記したように、図5(a)の管理メニュー表示で、「カード交換」が選択された場合や、図6のステップS11で、新たなカード(メモリカードイメージ)が作成された場合や、図6のステップS13で、現在のカードとして、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード37の中から、新にカードが選択された場合に、カード交換過程が開始される。表示部3bに、図5(f)に示したような、カード交換のトップ表示が表示される。
【0120】
ステップS51では、交換するカードが選択されたか否かをCPU28が判定する。操作者が入力操作部3aを操作して、交換して使用するメモリカードイメージのカード名称を選択すると、外部装置3のCPU28は、カードが選択されたと認識する。カード名称の選択は、例えば、図5(f)に示したようなカード名称の一覧の中から選択することで実行することができる。交換するカードが選択されたと認識された場合(ステップS51でYES)は、ステップS52へ進む。交換するカードが選択されたと認識されない場合(ステップS51でNO)は、ステップS51を繰り返す。
【0121】
ステップS52では、仮想メモリカード2へカード交換の指示を送信する。
【0122】
次に、ステップS53では、PC4に対して仮想メモリカード2の挿抜をエミュレートするための、挿抜エミュレート回路16による挿抜操作が終了したという通知を、仮想メモリカード2から受信したか否かを判定する。判定は、例えば、仮想メモリカード2へカード交換の指示を送信した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合(ステップS53でNO)は、ステップS54に進む。受信していた場合(ステップS53でYES)は、ステップS55に進む。
【0123】
ステップS54では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部4bに「仮想メモリカード2から挿抜操作済みの応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合(ステップS54でYES)は、ステップS52へ戻り、仮想メモリカード2へのカード交換の指示送信を再度実行する。カード交換を継続しない場合(ステップS54でNO)は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【0124】
ステップS53の次に、ステップS55では、仮想メモリカード2からカード識別情報及びカード仕様情報の送信の要求を受信したか否かを判定する。判定は、例えば、ステップS53で、挿抜エミュレート回路16による挿抜操作が終了したという通知を、受信したか否かを判定した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合(ステップS55でNO)は、ステップS56に進む。受信していた場合(ステップS55でYES)は、ステップS57に進む。
【0125】
ステップS56では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部4bに「仮想メモリカード2から情報要求の応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合(ステップS56でYES)は、ステップS55へ戻り、ステップS55を繰返す。カード交換を継続しない場合(ステップS56でNO)は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【0126】
ステップS57では、仮想メモリカード2へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報を送信し、カード交換過程を終了する。
【0127】
次に、図10に基づいて、仮想メモリカード2の挿抜エミュレート回路16の構成について説明する。挿抜エミュレート回路16は、CPU17からの挿抜操作を指示する切替信号40を受けて作動を開始するタイマ回路41と、タイマ回路41に同調してスイッチをONまたはOFFに切り替えるアナログスイッチ42と、PC4のメモリカードスロット6の端子と接続するためのコネクタ端子43と、コネクタ端子43とアナログスイッチ42とを接続する検出信号線44および接地信号線45とを有する。
【0128】
この構成によれば、PC4と接続されていた仮想メモリカード2を交換するエミュレーション(仮想挿抜)を実行する場合に、まず、タイマ回路41がCPU17からの挿抜操作を指示する切替信号40を受ける。切替信号40を受けると、ONの状態であったアナログスイッチは、ONからOFFに切り替わり、同時にタイマ回路が計時を開始する。タイマ回路41が、規定された時間、例えば3秒を計時し、3秒経過後にアナログスイッチ42は、OFFからONに切り替わる。
【0129】
PC4は、メモリカードスロット6の入出力装置22を介して、仮想メモリカード2のコネクタ端子43からの信号の変化を検出する。アナログスイッチ42がONからOFFへ切り替わると、検出信号線44および接地信号線45がハイ「1」からロー「0」へ変化する。この変化を検出して、PC4は仮想メモリカード2が抜かれたと判断する。続いて、アナログスイッチ42がOFFからONへ切り替わると、検出信号線44および接地信号線45がロー「0」からハイ「1」へ変化する。この変化を検出して、PC4は仮想メモリカード2が挿入されたと判断する。
【0130】
このように、仮想メモリカード2を実際には抜き差しすることなく、PC4に対して、仮想メモリカード2が交換されたと認識させることができる。従って、仮想挿抜を実行することにより、一枚の仮想メモリカード2を複数の仮想メモリカード2として使用することができる。
【0131】
次に、図11に基づいて、仮想メモリカード2におけるカード交換の過程を説明する。ステップS61では、図9のステップS52で、外部装置3から送信されたカード交換の指示を受信する。仮想メモリカード2のCPU17は、このカード交換の指示を受信してカード交換の過程を開始する。
【0132】
次のステップS62では、CPU17が、カード挿抜をエミュレートする挿抜操作のための切替信号40を、挿抜エミュレート回路16へ出力する。
【0133】
次のステップS63では、切替信号40により、挿抜エミュレート回路16は、アナログスイッチ42をONからOFFに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、PC4は仮想メモリカード2が抜かれたと判断する。
【0134】
ステップS64では、アナログスイッチ42をONからOFFに切り替えてから、3秒の規定時間が経過する間、アナログスイッチ42をOFFした状態を維持する。
【0135】
ステップS65では、アナログスイッチ42をOFFからONに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、PC4は、仮想メモリカード2が挿入されたと判断する。
【0136】
ステップS66では、外部装置3へ仮想メモリカード2の挿抜操作終了の通知を送信する。これによって、図9に示したステップS53において、PC4に対して仮想メモリカード2の交換をエミュレートするための、仮想メモリカード2の挿抜エミュレート回路16による挿抜操作が終了したという通知を、仮想メモリカード2から受信したという判定がなされる。
【0137】
ステップS67では、外部装置3へ、カード識別情報及びカード仕様情報の要求を送信する。挿抜操作終了に伴い、PC4に対して、新しいメモリカードイメージとして動作するために、交換後の新しいメモリカードイメージの識別情報及びカード仕様情報を外部装置3に要求する。この要求に対して、図9に示したステップS57で、仮想メモリカード2へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報が送信される。
【0138】
ステップS68では、外部装置3からカード識別情報及びカード仕様情報を受信したか否かを判定する。受信していない場合(ステップS68でNO)は、ステップS66に戻り、ステップS66及びステップS67を繰り返す。受信していた場合(ステップS68でYES)は、ステップS69に進む。
【0139】
ステップS69では、受信したカード識別情報及びカード仕様情報をエミュレートするメモリカードイメージのカード識別情報及びカード仕様情報としてROM18のカード部38に記憶する。そして、PC4に対して、カード部38に記憶されたカード仕様情報の仕様を有するメモリカードとして動作する。
【0140】
なお、前記したように、仮想メモリカード2が挿着されたPC4は、定期的に仮想メモリカード2に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っており、仮想メモリカード2のCPU17が応答している。しかし、ステップS62で、切替信号40を、挿抜エミュレート回路16へ出力してから、ステップS69で、カード識別情報及びカード仕様情報をカード部38に記憶する間は、PC4からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても、CPU17は応答しない状態となる。
【0141】
次に、周辺処理システム1を起動装置として使用して、PC4を起動させる過程を説明する。周辺処理システム1がエミュレートするメモリカードとして、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash)メモリカード(以降、CFカードと表記する)のように、起動装置として使用することができる規格の入出力装置を有するメモリカードを選択することによって、周辺処理システム1を起動装置として使用することができる。
【0142】
図12は、周辺処理システムを起動装置として使用して、PCを起動させる過程を示すシーケンス図である。PC4及び周辺処理システム1を操作する操作者は、図5(a)に示した一覧から「カード作成」を選択する。そして、図5(c)を基に説明した「カード作成」過程を外部装置3に実行させて、PC4を駆動できる基本ソフト(OS)をインストールするための領域34を、HDD26内に予め作成する。次に、図5(a)に示した一覧から「プログラムインストール」を選択して、図5(d)を基に説明した「プログラムインストール」を実行させて、「カード作成」で作成した領域34に基本ソフトをインストールする。基本ソフトとしては、Windows(登録商標)シリーズ、LinuxなどのUNIX(登録商標)系のOS、などが挙げられる。前記したように、外部装置3には複数の領域34を設定することが可能であり、複数の基本ソフトを1台の外部装置3に、予めインストールしておくことができる。
【0143】
PC4を、周辺処理システム1を起動装置として起動させる前に、起動ソフトとして使用する基本ソフトを選択する。操作としては、図5(a)の管理メニュー表示で、「カード交換」を選択し、起動ソフトとして使用する基本ソフトがインストールされている領域34に付けたカード名称を選択する。外部装置3において、図9に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域34を記憶部とする、メモリカードイメージが選択される。さらに、仮想メモリカード2において、図11に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域34を記憶部とする、メモリカードイメージを周辺処理システム1がエミュレートすることができるようになる。
【0144】
PC4を、周辺処理システム1を起動装置として起動させるためには、メモリカードスロット6に挿着されるメモリカードを起動優先順が最優先の装置として、予め設定する。仮想メモリカード2を挿着したPC4を、操作者がリセット操作すると、PC4は、仮想メモリカード2にアクセスして、基本ソフトを読み込もうとする。仮想メモリカード2及び外部装置3は、図6および図7に基づいて説明した通信開始過程を実行して、周辺処理システム1がメモリカードイメージをエミュレート可能な状態となる。PC4は、周辺処理システム1がエミュレートしているメモリカードイメージの記憶部にアクセスするため、メモリカードイメージの記憶部として設定されている領域34にアクセスし、アクセスした領域34に記憶されている基本ソフトを読み込んで起動するることができる。
【0145】
なお、使用カードとして設定されている領域34に基本ソフトが記憶されていなかった場合には、PC4は、起動優先順が次の装置から基本ソフトを読み込んで起動する。従って、領域34に基本ソフトが記憶されており、起動装置として使用できる周辺処理システム1であっても、基本ソフトが記憶されていない別の領域34をメモリカードイメージの記憶部として設定することで、起動装置としてだけでなく、一般的なメモリカードとしても使用できる。
【0146】
この第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)周辺処理システム1は、メモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、HDD26を備えた外部装置3とで構成されている。従って、HDD26の記憶容量を変えるだけで、仮想メモリカード2の形状大きさに影響を及ぼすことなく、周辺処理システム1の記憶容量を大きくすることができる。
【0147】
(2)仮想メモリカード2は外部装置3との通信が正常に実施できない場合には、カード記憶部15を、エミュレートするメモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作を開始する。カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とすることで、仮想メモリカード2のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することができる。そのため、PC4に直接挿着されていることから、PC4との間の通信障害が発生する可能性が比較的小さい仮想メモリカード2のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することができ、通信の障害によって周辺処理システム1が機能しない可能性を小さくすることができる。
【0148】
(3)また、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部として、仮想メモリカード2のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することで、外部装置3と仮想メモリカード2との通信が常に正常であることが必須ではなくすることができる。従って、周辺処理システム1を使用するときに、外部装置3が仮想メモリカード2との通信可能範囲に在ることは必須ではなく、外部装置3と仮想メモリカード2との通信可能範囲に拘束されずに、PC4を移動させることができる。
【0149】
(4)無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行されている場合には、カード記憶部15は、仮想メモリカード2がPC4又は外部装置3から受取った情報を、外部装置3又はPC4に送信するまで一時的に記憶するキャシュメモリとしても使用される。カード記憶部15をキャシュメモリとして使用することで、無線モジュール14と無線モジュール23との間の通信速度と、入出力装置11と入出力装置22との間の通信速度と、の差を吸収することができる。従って、周辺処理システム1の通信速度が、無線モジュール間の通信速度と、入出力装置間の通信速度とのうち遅い方の通信速度に依って定まって遅くなることを抑制することができる。
【0150】
(5)周辺処理システム1は、メモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、HDD26を備えた外部装置3と、で構成されている。従って、メモリカードとしてPC4に挿着可能であって、HDD26の持つ大きな記憶容量を備えたメモリカードを実現することができる。
【0151】
(6)仮想メモリカード2の入出力装置11は、構成が公知のメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。従って、入出力規格が起動装置として使用することができる例えばCFカードのようなメモリカードをエミュレートするメモリカードとして選択することで、周辺処理システム1をPC4の起動装置として使用することができる。
【0152】
(7)仮想メモリカード2の入出力装置11は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。従って、PC4のようにメモリカードスロット6を備えた装置であれば、ハードウエアに改良を加えることは全く必要とせずに、大容量の外部記憶装置を、メモリカードと同様の使い勝手で使用することができる。
【0153】
(8)仮想メモリカード2には、挿抜エミュレート回路16が設けられており、仮想メモリカード2をメモリカードスロット6から脱着することなく、仮想メモリカード2がメモリカードスロット6から抜かれて、異なる仮想メモリカード2が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。従って、実際に挿抜を行う回数を減少させることで、接続端子の磨耗を抑制することができる。また、メモリカードスロット6から抜かれた単体の仮想メモリカード2を紛失したり、破損したりする可能性を小さくすることができる。
【0154】
(9)外部装置3のHDD26は、複数の領域34を形成することが可能で、各領域34を記憶部とするメモリカードイメージを形成し、各メモリカードイメージを周辺処理システム1が個別にエミュレートする。従って、一つの周辺処理システム1をあたかも複数のメモリカードであるかのように使用することができる。
【0155】
(第2の実施形態)
次に、本発明の一実施形態である周辺処理システムに係る第2の実施形態について説明する。本実施形態の周辺処理システムは、仮想メモリカードと通信可能な複数の外部装置を使用できるシステムである。周辺処理システムを構成する仮想メモリカード及び外部装置は、第1の実施形態で説明した周辺処理システム1を構成する仮想メモリカード2及び外部装置3と基本的に同一のものである。第1の実施形態で説明した周辺処理システム1とは異なる外部装置の構成について説明する。
【0156】
以下に説明する第2の実施形態は、情報処理装置の一例である携帯電話55に接続して用いられる周辺処理システム51について説明する。図13は、本実施形態の周辺処理システムと、携帯電話との外観斜視図である。周辺処理システム51は、公知のメモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、HDDを備えた外部装置53及び外部装置54とで構成されている。仮想メモリカード2は、第1の実施形態で説明した仮想メモリカード2である。外部装置53及び外部装置54には、外部装置53又は外部装置54を操作するための入力操作部53a,54aと、外部装置53又は外部装置54内のHDD26(図3参照)の情報などを表示する表示部53b,54bと、画像データなどを読み込むためのドライブ装置53c,54cとが備えられている。仮想メモリカード2が接続装置に相当し、入力操作部53a,54aが外部入力装置に相当する。
【0157】
携帯電話55は、電話機能の他に、写真の撮影および再生機能、音楽の再生機能を有している。また、メモリカードを挿着するためのメモリカードスロット56を備えている。携帯電話55は、写真の撮影および再生機能や音楽の再生機能を実行するために必要なデータ等を、メモリカードからメモリカードスロット56を介して取得している。また、撮影データなどを、メモリカードスロット56を介してメモリカードに記憶させている。仮想メモリカード2は、メモリカードと同様の外観形状を有し、携帯電話55のメモリカードスロット56に、公知のメモリカードと同様に挿着可能である。
【0158】
仮想メモリカード2は、第1の実施形態で説明した仮想メモリカード2であり、電気的構成は、第1の実施形態で説明した構成である。外部装置53及び外部装置54の電気的構成は、第1の実施形態で説明した外部装置3の電気的構成である。
【0159】
次に、周辺処理システム51がメモリカードをエミュレートする構成について説明する。前記したように、仮想メモリカード2の入出力装置11(図2参照)は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、携帯電話55のメモリカードスロット56に設けられた入出力装置に接続可能である。そして、仮想メモリカード2がメモリカードスロット56に挿着されると、入出力装置11とメモリカードスロット56に設けられた入出力装置とが接続され、携帯電話55は、公知のメモリカードが挿着されたと認識する。即ち、携帯電話55は、周辺処理システム51を、メモリカードスロット56に挿着された1枚のメモリカードであると認識する。それに対して、周辺処理システム51は、携帯電話55に対して、携帯電話55に認識された1枚のメモリカードをエミュレートする。この時、周辺処理システム51がエミュレートしている架空のメモリカードを、第1の実施形態と同様に、メモリカードイメージと表記する。
【0160】
図14は、メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。外部装置53及び外部装置54に設けられたHDD26の記憶領域33には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34が形成されている。図14に示した外部装置53及び外部装置54の記憶領域33には、それぞれ3箇所の領域34が形成されている。メモリカードイメージの記憶部として、領域34を形成することで、新しいメモリカードイメージを形成することができる。新しいメモリカードイメージを形成する過程は、第1の実施形態において、図8に基づいて説明した過程と同様である。
【0161】
各メモリカードイメージは、それぞれ、カード仕様情報とカード識別情報とから成る固有情報を有しており、各固有情報はそれぞれ、外部装置53又は外部装置54のROM29に設けられたカード部36に記憶されている。図14に示した外部装置53及び外部装置54のカード部36には、固有情報が、それぞれカード37として記憶されている。カード仕様情報とカード識別情報とは、第1の実施形態において説明したカード仕様情報とカード識別情報と同様である。
【0162】
周辺処理システム51がその時点でエミュレートしているメモリカードイメージの記憶部に対応する領域34が、外部装置53又は外部装置54において、現在のカードとして選択されており、現在のカードとして選択された領域34に対応する固有情報が、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されている。仮想メモリカード2は、外部装置53と外部装置54のうち、カード部38に記憶されている固有情報に対応する領域34を有する外部装置と通信を行って、メモリカードイメージをエミュレートする。メモリカードイメージの記憶部を構成する実体は、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージに対応する領域34である。現在のカードとしてメモリカードイメージを選択する過程と、固有情報をカード部38に記憶させる過程とは、第1の実施形態において、図9及び図11に基づいて説明したカード交換過程と同様である。
【0163】
この第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)周辺処理システム51は、システムを構成する外部装置を2台有するため、より大きな記憶容量を有するシステムを構成することができる。
【0164】
(2)周辺処理システム51は、システムを構成する外部装置を2台有するため、外部装置を複数の場所に設置し、設置場所によって使い分けることができる。また、外部装置を記憶内容によって使い分けることもできる。
【0165】
(第3の実施形態)
次に、本発明の一実施形態である周辺処理システムに係る第3の実施形態について説明する。本実施形態の周辺処理システムは、外部装置と通信可能な複数の仮想メモリカードを、複数の異なる情報処理装置に挿入して使用できるシステムである。周辺処理システムを構成する仮想メモリカード及び外部装置は、第1の実施形態で説明した周辺処理システム1を構成する仮想メモリカード2及び外部装置3と基本的に同一のものである。
【0166】
図15は、本実施形態の周辺処理システムと、各情報処理装置との外観斜視図である。周辺処理システム61は、仮想メモリカード2と、仮想メモリカード71と、仮想メモリカード81と、外部装置3とで構成されている。外部装置3は、第1の実施形態で説明した外部装置3である。本実施形態の情報処理装置は、図15に示すように、携帯電話55、音楽聴取機能付デジタルカメラ70およびビデオカメラ80であり、それぞれメモリカードスロット56、72、82を有している。携帯電話55のメモリカードスロット56には、仮想メモリカード2が挿入されており、デジタルカメラ70のメモリカードスロット72には、仮想メモリカード71が挿入されており、ビデオカメラ80のメモリカードスロット82には、仮想メモリカード81が挿入されている。
【0167】
次に、周辺処理システム61がメモリカードをエミュレートする構成について説明する。図16は、メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。図16に示すように、携帯電話55に挿着された仮想メモリカード2は、ROM18に、外部装置3の有する領域34b(名称がMUSIC)に対応するカード37bと同じカード識別情報等を、カード部38に記憶している。デジタルカメラ70に挿着された仮想メモリカード71は、外部装置3の有する領域34a(名称がPHOTO)に対応するカード37aと同じカード識別情報等を、ROM73のカード74に記憶している。ビデオカメラ80に挿着された仮想メモリカード81は、外部装置3の有する領域34c(名称がMOVIE)に対応するカード37cと同じカード識別情報等を、ROM83のカード84に記憶している。
【0168】
この構成によれば、外部装置3は、第1の実施形態において図6および図7を用いて説明した通信開始過程を実行して、携帯電話55、デジタルカメラ70およびビデオカメラ80にそれぞれ挿入されている仮想メモリカード2、71、81のいずれかと通信を開始することができる。携帯電話55に挿入されている仮想メモリカード2と外部装置3とが通信可能になることで、携帯電話55から外部装置3の領域34bに記憶されている情報を使用することができる。領域34bに記憶されて情報が、例えば音楽であればそれを聴取することができる。
【0169】
このとき携帯電話55は、記憶部として領域34bを有するメモリカードとして仮想メモリカード2を認識しているだけで、外部装置3を認識していない。第1の実施形態で、図9及び図11を用いて説明したカード交換過程が実行されて、携帯電話55のカード部38に記憶されている内容が、外部装置3のカード37b(MUSIC)からカード37a(PHOTO)に書き換えられると、携帯電話55は、メモリカードが交換されたと認識する。携帯電話55で、外部装置3の領域34a(PHOTO)に記憶されている情報を使用することができる。領域34aに記憶されて情報が、例えば画像であればそれを観ることができる。
【0170】
同様に、デジタルカメラ70に挿入されている仮想メモリカード71と外部装置3とが通信可能になることで、デジタルカメラ70から外部装置3の領域34aに記憶されている情報を使用することができる。領域34aに記憶されて情報が、例えば画像であればそれを観ることができる。
【0171】
このとき、デジタルカメラ70は、記憶部として領域34bを有するメモリカードとして仮想メモリカード2を認識しているだけで、外部装置3を認識していない。第1の実施形態で、図9及び図11を用いて説明したカード交換過程が実行されて、携帯電話55のカード部38に記憶されている内容が、外部装置3のカード37a(PHOTO)からカード37b(MUSIC)に書き換えられると、デジタルカメラ70は、メモリカードが交換されたと認識する。デジタルカメラ70で、外部装置3の領域34b(MUSIC)に記憶されている情報を使用することができる。領域34aに記憶されて情報が、例えば音楽であって、デジタルカメラ70が音楽再生機能を備えていれば、それを聴取することができる。ビデオカメラ80についても同様である。
【0172】
上記したように、デジタルカメラ70に挿入されている仮想メモリカード71が、記憶装置として通信しアクセスしていた外部装置3の領域34aに、次に、携帯電話55に挿入されている仮想メモリカード2が記憶装置として通信してアクセスすることにより、領域34aに記憶されて情報を使用することができる。従って、デジタルカメラ70で作成された情報を、周辺処理システム61を介して共有して、携帯電話55で使用することができる。
【0173】
公知のメモリカードを利用して、ある情報処理装置で作成した情報を他の情報処理装置と共有する場合、一つの情報処理装置において、公知のメモリカードに情報を記憶し、情報が記憶されたメモリカードを他の情報処理装置に挿着することで、共有を実現していた。周辺処理システム61を使用することで、メモリカードを挿抜することなく、複数の情報処理装置の間で、情報を共有して使用することができる。さらに、情報処理装置の間でメモリカードを共用するためには、情報処理装置が使用できるメモリカードが同一仕様のメモリカードであることが必要である。しかし、周辺処理システム61では、情報処理装置が使用できるメモリカードに対応した仮想メモリカードを使用するだけで、複数の情報処理装置が、情報が記憶された同一の領域34にアクセスすることができる。これによって、互いに異なる仕様のメモリカードスロットを備えた複数の情報処理装置の間で、情報を共有して使用できるようにすることができる。
【0174】
なお、同一の領域34に対して、複数の仮想メモリカードが同時に、対応する仮想メモリカードとならないようにするためには、例えば、各仮想メモリカードにそれぞれ識別番号を付与する。そして、最初に識別番号を指定して仮想メモリカードを選択し、次に、第1の実施形態で説明した「カード交換」のメニューを使用して、選択した仮想メモリカードと通信してメモリカードイメージをエミュレートする領域34を選択する。
【0175】
この第3の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)情報処理装置である携帯電話55、デジタルカメラ70およびビデオカメラ80が、それぞれに挿入されている仮想メモリカード2、71、81をメモリカードとして認識することで、仮想メモリカード2、71、81と外部装置3との通信が個別に可能である。外部装置3に記憶された情報を、仮想メモリカード2、71、81を介して、異なる複数の情報処理装置のそれぞれが共有して使用することができる。
【0176】
(2)周辺処理システム61では、各情報処理装置が使用できる仕様のメモリカードに対応した仮想メモリカードを使用することで、複数の情報処理装置が、情報が記憶された同一の領域34にアクセスすることができ、複数の情報処理装置の間で、情報を共有して使用できる。従って、情報処理装置には何ら改良を加えることなどを必要とせずに、異なる仕様のメモリカードを使用する情報処理装置の間で、同一の領域34を使用できるようにすることができる。
【0177】
本発明の実施形態は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0178】
(変形例1)前記実施形態において、仮想メモリカードが挿着されるのはメモリカードスロットであったが、仮想メモリカードが挿着されるのはメモリカードスロットに限らない。例えば、メモリスティック(登録商標)(Memory Stick)が挿着されるUSB端子のようなものであっても良い。
【0179】
(変形例2)前記実施形態において、周辺処理システムがエミュレートするメモリカードイメージは、情報処理装置がメモリカードとして認識する装置であったが、エミュレートするメモリカードイメージはメモリカードに限らない。周辺処理システムは、情報処理装置に挿着されて使用される様々な記憶装置をエミュレートすることができる。
【0180】
(変形例3)前記実施形態において、外部装置は記憶媒体を備えた記憶装置であったが、外部装置は記憶装置に限らない。例えば、PCに接続して印刷を行う印刷機能を持つプリンタなどを備えた外部装置であってもよい。記憶媒体に代えて印刷装置を選択することで、周辺処理システムは、プリンタをエミュレートすることができる。より具体的には、仮想メモリカードは、プリンタを接続できるUSB端子に挿着できる例えばメモリスティック(登録商標)をエミュレートできる仕様のものにする。外部装置は、HDDとプリンタとを備えた構成とする。プリンタをエミュレートする場合は、外部装置において、使用する領域としてプリンタを選択し、プリンタの仕様の情報を、仮想メモリカードに送信し、記憶する。仮想メモリカードは、情報機器に対して、受信して記憶したプリンタの仕様を有するプリンタとして動作する。
【0181】
(変形例4)前記実施形態において、データ記憶部としてHDDを用いたが、データ記憶部としてHDDを用いることは必須ではない。HDD以外のDVD、光ディスク、大容量半導体メモリなどでも良い。
【0182】
(変形例5)前記実施形態において、仮想メモリカードと外部装置との通信は、電波を使用する無線通信であったが、通信手段は電波を使用する無線通信に限らない。有線であっても良いし、赤外線を用いた通信でもよい。
【0183】
(変形例6)仮想メモリカードのROMおよびRAMとは、仮想メモリカードのCPUとともに、同一のチップに一緒に内蔵される構成であっても良い。同様に、外部装置のROMおよびRAMとは、外部装置のCPUとともに、同一のチップに一緒に内蔵される構成であっても良い。機能的には同様であり、まとめて一個のパーツとなっておれば実装工程の短縮が図れる。
【0184】
(変形例7)外部装置として、外部装置のプログラムを搭載したパーソンルコンピュータ(PC)やホームサーバを用いて、周辺処理装置を構成しても良い。既設のPC等を使用することで、新たに外部装置を作成することが不要となり、初期導入の費用を低減することができる。
【0185】
(変形例8)前記実施形態において、基本ソフトのインストールは、外部装置に設けられたドライブ装置から入力していたが、外部装置にドライブ装置を設けることは必須ではない。基本ソフトのインストールは、PCから周辺処理システムを選択して、PCに備えられた入力装置から入力してもよい。
【0186】
(変形例9)前記実施形態において、情報処理装置は、PCやデジタルカメラや携帯電話やビデオカメラであったが、情報処理装置がPCやデジタルカメラや携帯電話やビデオカメラであることは必須ではない。例えば、工作機械の制御装置や、POS(Point Of Sale)用端末装置であってもよい。工作機械の制御装置や、POS用端末装置は、専用の基本ソフトを使用して、基本ソフトの上で動くアプリケーションソフトは使用せずに稼動するものがあり、そのような装置においては、本発明の周辺処理システムを使用して、複数の基本ソフトを使い分けることにより、容易に異なる装置として稼動させることができる。また、故障診断プログラムなどのように、通常時は使用しないが、緊急的に必要になる場合がある特殊なソフトを、常時、直ちに使用に供せる状態で保持することができる。
【0187】
(変形例10)前記実施形態において、周辺処理システムは一台又は二台の外部装置を備えていたが、さらに多数の外部装置を備える構成であってもよい。
【0188】
(変形例11)前記実施形態において、外部装置のHDDの記憶領域には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする複数の領域が形成されていたが、領域に代えて、複数の外部装置のそれぞれが備える記憶部が、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする構成でもよい。
【0189】
(変形例12)前記実施形態において、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34は、外部装置に設けられた入力操作部を操作して選択していたが、仮想メモリカードから領域34を選択してもよい。仮想メモリカードから領域34を選択するためには、仮想メモリカードに、例えばディップスイッチのような入力操作部を設け、各スイッチに対応する識別情報を、仮想メモリカードのROMに記憶させておき、選択されたスイッチに対応する識別情報を付与された領域34をメモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34として、通信する。
【0190】
上記した実施の形態および変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(技術的思想1) 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする周辺処理システム。
【0191】
(技術的思想2) 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする周辺処理システム。
【0192】
(技術的思想3) 前記請求項に記載の接続装置であって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする接続装置。
【0193】
(技術的思想4) 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部通信部と前記接続装置の前記接続通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする外部装置。
【0194】
(技術的思想5) 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする外部装置。
【0195】
(技術的思想6) 請求項1に記載の周辺処理システムにおいて、前記周辺機器は、メモリスティックであり、前記挿着部は、USB接続端子であることを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の第1の実施形態の周辺処理システムと、PCとの外観斜視図。
【図2】仮想メモリカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図3】外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図4】メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【図5】外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す模式図。
【図6】外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図7】仮想メモリカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図8】カード作成の過程を示すフローチャート。
【図9】外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図10】挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図。
【図11】仮想メモリカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図12】周辺処理システムを起動装置として使用して、PCを起動させる過程を示すシーケンス図。
【図13】本発明の第2の実施形態の周辺処理システムと、携帯電話との外観斜視図。
【図14】メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【図15】本発明の第3の実施形態の周辺処理システムと、各情報処理装置との外観斜視図。
【図16】メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【符号の説明】
【0197】
1…周辺処理システム、2、71、81…仮想メモリカード、3…外部装置、3a…入力操作部、3b…表示部、3c…ドライブ装置、4…PC、4a…入力ボード、6…メモリカードスロット、11…入出力装置、14…無線モジュール、15…カード記憶部、16…挿抜エミュレート回路、17…CPU、18…ROM、19…RAM、22…入出力装置、23…無線モジュール、26…HDD、28…CPU、29…ROM、31…RAM、34…領域、36,38…カード部、40…切替信号、41…タイマ回路、42…アナログスイッチ、43…コネクタ端子、44…検出信号線、45…接地信号線、51…周辺処理システム、53…外部装置、53a…入力操作部、53b…表示部、53c…ドライブ装置、54…外部装置、55…携帯電話、56、72、82…メモリカードスロット、61…周辺処理システム、70…デジタルカメラ、73…ROM、74…カード、80…ビデオカメラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の周辺機器であって、接続装置と外部装置とを備えた周辺処理システム、並びに周辺処理システムにおける処理方法、及び当該処理方法を実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置が扱える情報量の増大や、情報処理装置を駆動するためのプログラムの大型化に伴い、情報処理装置の記憶装置容量は、増大の一途にある。一方、情報処理装置のCPUなどの演算装置は小型化が進み、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの小型で携帯使用に適した情報処理装置が実現されている。大容量の記憶装置を有する小型の情報処理装置を実現するための方法の一つとして、記憶装置として、情報処理装置に内蔵されている記憶装置の他に、情報処理装置に内蔵されていない、外部記憶装置が使用されている。
【0003】
外部記憶装置などの外付けの周辺機器を使用する情報処理装置の小型化のためには、情報処理装置と周辺機器とを接続するコネクタなどの装置の小型化が必要であり、特許文献1に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムが提案されている。また、外部記憶装置を挿着することによって、挿着した外部記憶装置を含んだ情報処理装置が大きくなることを抑制できるように、外部記憶装置の小型化も計られ、メモリカードのような小型の記憶装置が用いられている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−163169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、外付けの周辺機器は、情報処理装置に対して、物理的に着脱が行われることが必要であり、着脱を繰返すことに起因して、機械的な磨耗などが発生し、接続装置の信頼性が低下するという課題があった。特許文献1に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムでは、入出力インタフェースの着脱が必要であり、このような課題を解決することはできなかった。また、メモリカードのような半導体メモリは、現在では、まだ大容量化に限界があるという課題があった。特許文献1に記載されたような小型の入出力インタフェースを備えたシステムでは、システムを構成する記憶装置の記憶容量を大きくすることは可能である。しかし、大記憶容量を有する記憶装置は応答速度が遅くなり、入出力インタフェースと記憶装置の間のデータ送受信には時間がかかり、システムの応答速度が遅くなるという別の課題があった。加えて、入出力インタフェースと記憶装置の間のデータ送受信がさらに必要であることから、また、入出力インタフェースと記憶装置の間のデータ送受信において障害が発生してデータ送受信が正常に行えない場合には、システムは正常に機能できなくなり、システムが機能できなくなる可能性が増加するという課題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、応答速度の低下を来たすことなく、また、システムが機能できなくなる可能性が増加することを抑制しながら、大記憶容量が容易に得られる周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、接続装置は、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置及び接続通信部が送受信するデータを記憶可能な接続データ記憶部と、接続入出力装置と接続通信部と接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、外部装置は、接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備え、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、外部データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作し、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できない場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作することを特徴とする。
【0008】
本発明による接続装置は、前記した周辺処理システムを構成する接続装置であって、挿着部に挿着可能な周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、情報処理装置と接続装置との間で、接続入出力装置を介して授受されるデータを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、接続入出力装置及び接続通信部が送受信するデータを記憶可能な接続データ記憶部と、接続入出力装置と接続通信部と接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、外部データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作し、接続通信部と外部装置との間の通信が正常に実行できない場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作することを特徴とする。
【0009】
本発明による外部装置は、前記した周辺処理システムを構成する外部装置であって、接続装置との間でデータの送受信を行う外部通信部と、周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、外部通信部が受信したデータを記憶する外部データ記憶部と、外部通信部と外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明による処理方法は、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップと、接続装置が、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、接続装置が有する接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、指令情報の処理を実行するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、受信した指令情報を、接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、一時的に記憶した指令情報を、順次、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、外部装置が指令情報を受信するステップと、受信した指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、指示された処理が、応答が必要な処理の場合には、外部装置から接続装置に応答を送信するステップと、接続装置から情報処理装置に応答を送信するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明によるプログラムは、情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを、接続装置のコンピュータが判定するステップと、接続装置のコンピュータが、データ及び情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、情報処理装置から受信するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、接続装置のコンピュータが指令情報の処理を実行するステップと、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、接続装置のコンピュータが受信した指令情報を、接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、一時的に記憶した指令情報を、接続装置のコンピュータが、順次、接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、指令情報に従って、指示された処理を実行し、指示された処理が、応答を必要とする処理の場合には、外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、情報処理装置に応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明の構成、処理方法及びプログラムによれば、周辺処理システムは、情報処理装置に設けられた挿着部に挿着されて、情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを記憶する外部装置とを備える。それによって、情報処理装置に挿着する接続装置を、周辺処理システムの記憶容量とは関わり無く小型化することができる。同時に、情報処理装置に挿着する部分の小型化に影響を及ぼすことなく、周辺処理システムの記憶容量を大きくすることができる。また、例えば、接続データ記憶部は、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用することも可能であり、接続通信部と外部装置との通信は、情報処理装置と接続装置との通信と並行して実行することが可能である。通信が並行して実施できることから、情報処理装置と周辺処理システムとの通信速度は、接続通信部と外部装置との通信速度に関わりなく、情報処理装置と接続装置との通信速度とほぼ同等にすることができる。さらに、接続通信部と外部装置との間の通信に障害があることで、周辺処理システム全体が機能できない場合であっても、接続データ記憶部を周辺処理システムの記憶部として動作することで、周辺処理システムとして稼動することができる。従って、情報処理装置に直接挿着されていることから、情報処理装置との間の通信障害が発生する可能性が比較的小さい接続装置のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することが可能であり、通信の障害によって周辺処理システムが機能しなくなる可能性を小さくすることができる。また、情報処理装置の移動に対応して、常に外部装置を接続通信部との間の通信が可能な位置に移動させることを必須とせずに、周辺処理システムを稼動させることができる。
【0013】
この場合周辺処理システムは、接続装置に備えられた接続データ記憶部が、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることが好ましい。
【0014】
この場合接続装置は、接続装置に備えられた接続データ記憶部が、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、接続データ記憶部を、接続入出力装置の通信速度と接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用することにより、接続通信部と外部装置との通信は、情報処理装置と接続装置との通信と並行して実行することが可能である。通信が並行して実施できることから、情報処理装置と周辺処理システムとの通信速度は、接続通信部と外部装置との通信速度に関わりなく、情報処理装置と接続装置との通信速度とほぼ同等にすることができる。
【0016】
この場合周辺処理システムは、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作した後、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に送信することが好ましい。
【0017】
この場合接続装置は、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作した後、接続通信部と外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に送信することが好ましい。
【0018】
この場合処理方法は、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、指令情報の処理を実行するステップを実行し、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップを再度実行し、通信が実行可能であると判定された場合には、接続データ記憶部をデータ記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に送信するステップをさらに有することが好ましい。
【0019】
この場合プログラムは、前記したプログラムであって、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、指令情報の処理を実行するステップをコンピュータが実行し、接続装置と、外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップをコンピュータが再度実行し、通信が実行可能であると判定した場合には、接続データ記憶部を、周辺処理システムの記憶部として動作している間に接続データ記憶部に記憶されたデータを、接続データ記憶部から外部装置に、コンピュータが送信させるステップを、さらにコンピュータに実行させることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、接続データ記憶部をデータ記憶部として動作している間には更新されなかった外部装置の外部データ記憶部に記憶されたデータを、通信が回復した時点で、更新することができる。これによって、外部データ記憶部に記憶されたデータを、あたかも、接続装置と外部装置との通信が行えなかった期間がなかったかのように、更新することができる。
【0021】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置が、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に入力される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【0022】
この場合接続装置は、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に送信される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることが好ましい。
【0023】
これらの構成によれば、接続装置の装着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【0024】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【0025】
この場合接続装置は、周辺処理システムを構成する接続装置であって、接続装置に備えられた接続入出力装置が互換性を有する入出力装置を備える周辺機器が、メモリカードであり、周辺機器が挿着される挿着部が、メモリカードスロットであることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、接続装置はメモリカードとほぼ同様の形状であり、大きな記憶容量を持つ周辺処理システムを、メモリカードと同様の使い勝手で使用することができる。また、メモリカードを使用可能な情報処理装置であれば、情報処理装置に改良を加えることを必要とせず、メモリカードを使用するのと同様の使用方法で、周辺処理システムを使用することができる。
【0027】
この場合周辺処理システムは、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【0028】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部通信部と、周辺処理システムの記憶部と、外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、複数の構成要素グループの中の一つが選択されて周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、使用したい構成要素グループを選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【0030】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0031】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、当該領域の一つが周辺処理システムの記憶部として使用され、記憶部として使用される領域と、当該領域を有する外部装置に備えられた外部通信部及び外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0032】
この構成によれば、使用したい領域を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【0033】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0034】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置の中の一つの外部装置に備えられた外部通信部と、外部データ記憶部と、外部装置制御部とで、構成要素グループが形成されていることが好ましい。
【0035】
この構成によれば、使用したい外部装置を選択するだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、一つの周辺処理システムを、複数の周辺処理装置が存在するかのように情報処理装置に認識させて使用することができる。
【0036】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【0037】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であって、外部装置に備えられた外部データ記憶部が、複数の領域に分割されており、領域には、領域を判別するための識別情報及び領域の仕様を示す仕様情報が、各領域毎に付与されていることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、識別情報を指定することによって、複数の領域の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する領域を選ぶことができる。
【0039】
この場合、周辺処理システムは複数の外部装置を備え、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【0040】
この場合外部装置は、周辺処理システムを構成する外部装置であり、周辺処理システムを構成する外部装置は複数であって、複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部には、外部データ記憶部を判別するための識別情報及び外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各外部データ記憶部毎に付与されていることが好ましい。
【0041】
この構成によれば、識別情報を選択して指定することによって、複数の外部装置の外部データ記憶部の中から、例えば周辺処理システムの記憶部として使用する外部装置の外部データ記憶部を選ぶことができる。
【0042】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【0043】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることが好ましい。
【0044】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、情報処理装置などの周辺処理システム以外の装置を使用することなく、データの入力や、領域の設定を行うことができる。
【0045】
この場合周辺処理システムは、周辺処理システムを構成する外部装置が、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置を備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域又は複数の外部装置のそれぞれに備えられた外部データ記憶部の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【0046】
この場合外部装置は、データと識別情報と仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備え、外部入力装置は、外部入力装置を操作することで、複数の領域の中から、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することが好ましい。
【0047】
この構成によれば、外部入力装置を使用して、複数の領域又は外部データ記憶部の中から周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部を選択し、特定することができる。
【0048】
この場合、周辺処理システムの記憶部として使用する領域又は外部データ記憶部に付与された識別情報及び仕様情報は、接続装置に送信されて、接続装置内に記憶されていることが好ましい。
【0049】
この構成によれば、接続装置の接続制御部が、接続装置内に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、接続装置内に記憶され識別情報に対応する領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことで、使用する領域又は外部データ記憶部に選定されている領域又は外部データ記憶部とデータの授受を行うことができる。
【0050】
この場合処理方法は、外部データ記憶部を複数の領域に分割し、領域を判別するための識別情報、及び領域の仕様を示す仕様情報を、各領域毎に付与するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、外部装置内に記憶するステップと、指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする領域として指定された領域に付与された識別情報及び仕様情報を、接続装置に送信して、接続装置内に記憶するステップと、識別情報及び仕様情報を、接続装置内に記憶するのに伴ない、周辺機器が挿着部に対して脱着されるときに周辺機器から情報処理装置に送信される信号を情報処理装置に送信することで、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することが好ましい。
【0051】
この方法によれば、接続装置が、接続装置に記憶された仕様情報の仕様を有する周辺機器として動作することで、接続装置が挿着された情報処理装置に、挿着された接続装置が、仕様情報の仕様を有する周辺機器であると認識させることができる。このことによって、使用したい情報が記録された領域又は情報を記録したい領域の識別情報を選ぶだけで、情報処理装置の設定などを変更することなく、容易に、異なる周辺装置として周辺処理システムを使用することができる。また、接続装置が情報処理装置とデータの授受を行うときに、識別情報に対応する領域とデータの授受を行うことで、使用する領域に選定されている領域とデータの授受を行うことができる。さらに、接続装置の挿着部に対する脱着を仮想的に実行することによって、実際に接続装置を脱着することなく、情報処理装置には周辺処理システムが交換されたと認識させることが可能となり、実際の脱着による接触部の磨耗などを低減して、接触部の磨耗などに起因する信頼性の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下に、本発明の一実施形態に係る周辺処理システム、接続装置、及び外部装置、並びに処理方法、及びプログラムについて、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
(第1の実施形態)
以下に説明する実施形態は、情報処理装置の一例であるパーソナルコンピュータ(以降、PCと表記する)に接続して用いられる周辺処理システム1について説明する。図1は、本実施形態の周辺処理システムと、PCとの外観斜視図である。周辺処理システム1は、公知のメモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)(以降HDDと表記する)を備えた外部装置3と、で構成されている。外部装置3には、外部装置3を操作するための入力操作部3aと、外部装置3内のHDD26(図3参照)の情報などを表示する表示部3bと、OS(Operating System)などを読み込むためのドライブ装置3cとが備えられている。仮想メモリカード2が、接続装置に相当し、入力操作部3aが、外部入力装置に相当する。
【0054】
PC4は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、PC4を操作するための入力ボード4aと、入力ボード4aからの操作内容や処理した結果などを表示する表示部4bと、メモリカードを挿着するためのメモリカードスロット6と、を備えている。仮想メモリカード2は、メモリカードと同様の外観形状を有し、PC4のメモリカードスロット6に、公知のメモリカードと同様に挿着可能である。
【0055】
次に、仮想メモリカード2の電気的構成について説明する。図2は、仮想メモリカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図である。仮想メモリカード2は、PC4と接続するための入出力装置11と、外部装置3と通信するための無線通信コントローラ12及び無線モジュール14と、を有する。入出力装置11は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。仮想メモリカード2がメモリカードスロット6に挿着されると、入出力装置11と入出力装置22とが接続され、PC4は、公知のメモリカードが挿着されたと認識する。無線モジュール14は、外部装置3に設けられた無線モジュール23との間で電波の送受信をするモジュールで、電波の送受信は、無線通信コントローラ12によって制御される。無線モジュール14と無線通信コントローラ12とで接続通信部が構成される。無線通信は、ブルートウース(登録商標)(Bluetooth)による通信である。
【0056】
また、仮想メモリカード2は、CPU(Central Processing Unit)17と、ROM(Read Only Memory)18と、RAM(Random Access Memory)19とを有し、CPU17は、接続制御部として仮想メモリカード2の各動作を制御する。ROM18は、CPU17が仮想メモリカード2を制御するためのファームウエア、及びPC4に対してメモリカードとしてエミュレートするときの、メモリカードの固有情報等を記憶している。RAM19は、CPU17のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを展開する。仮想メモリカード2は、メモリカードが有する記憶部と同様の機能を有するカード記憶部15も有している。これら入出力装置11、無線通信コントローラ12、ROM18、RAM19、CPU17及びカード記憶部15は、内部バス21によってそれぞれ互いに接続されている。なお、ROM18及びカード記憶部15は、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【0057】
無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行されている場合には、カード記憶部15は、周辺処理システム1の記憶部としては使用されない。CPU17が、無線モジュール14と無線モジュール23との通信を介して外部装置3の記憶部を周辺処理システム1の記憶部であるかのように制御する。このときPC4は、仮想メモリカード2をメモリカードとして認識するだけで、外部装置3が接続されていることは認識せず、外部装置3の記憶部をメモリカードの記憶部として認識する。
【0058】
無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行できない場合には、仮想メモリカード2は、カード記憶部15を周辺処理システム1の記憶部として使用してメモリカードをエミュレートする。このときPC4は、仮想メモリカード2をメモリカードとして認識し、カード記憶部15をメモリカードの記憶部として認識する。無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行されている場合には、カード記憶部15は、仮想メモリカード2がPC4又は外部装置3から受取った情報を、外部装置3又はPC4に送信するまで一時的に記憶する記憶部としても使用される。カード記憶部15が、接続データ記憶部に相当し、入出力装置11が接続入出力装置に相当し、無線通信コントローラ12及び無線モジュール14が接続通信部に相当し、CPU17およびROM18が接続制御部に相当する。
【0059】
さらに、仮想メモリカード2には、挿抜エミュレート回路16が設けられており、入出力装置11と接続されると共に、内部バス21を介してCPU17などと接続されている。挿抜エミュレート回路16は、仮想メモリカード2をメモリカードスロット6から脱着することなく、仮想メモリカード2がメモリカードスロット6から抜かれて、異なる仮想メモリカード2が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。挿抜のエミュレーションが実行されると、PC4は、メモリカードスロット6に挿着されていたメモリカードが、異なるメモリカードに交換されたと認識する。挿抜エミュレート回路16の詳細は、後述する。挿抜エミュレート回路16、及び挿抜エミュレート回路16を制御するCPU17とROM18とが仮想脱着部に相当する。
【0060】
次に、外部装置3の電気的構成について説明する。図3は、外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図である。外部装置3は、仮想メモリカード2と無線通信するための無線モジュール23と、無線通信コントローラ24とを有する。また、周辺処理システム1の記憶部として機能するHDD26と、HDD26を制御するHDDコントローラ27とを有する。さらに、外部装置3の制御及び仮想メモリカード2との通信の制御を行うCPU28と、CPU28が外部装置3を制御するためのファームウエアやエミュレートするメモリカードの固有情報等を記憶しているROM29と、CPU28のワーク用のメモリであり通信用のデータなどを記憶するRAM31とを有する。なお、ROM29は、仮想メモリカード2のROM18と同様に、読み出し及び書き込みが可能なフラッシュメモリなどにより構成された不揮発性メモリであり、記録された情報を書き換えることができる。
【0061】
そして、前記したように、外部装置3は、入力操作部3aと、表示部3bと、ドライブ装置3cとを有しており、これらと無線通信コントローラ24と、HDDコントローラ27と、ROM29と、RAM31と、CPU28とが、それぞれ内部バス32を介して互いに接続されている。無線モジュール23と、無線通信コントローラ24とが外部通信部に相当し、HDD26とHDDコントローラ27とが外部データ記憶部に相当し、CPU28とROM29とが外部装置制御部に相当し、入力操作部3aが外部入力装置に相当する。
【0062】
次に、周辺処理システム1がメモリカードをエミュレートする構成について説明する。前記したように、仮想メモリカード2の入出力装置11は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。そして、仮想メモリカード2がメモリカードスロット6に挿着されると、入出力装置11と入出力装置22とが接続され、PC4は、公知のメモリカードが挿着されたと認識する。即ち、PC4は、周辺処理システム1を、メモリカードスロット6に挿着された1枚のメモリカードであると認識する。それに対して、周辺処理システム1は、PC4に対して、PC4に認識された1枚のメモリカードをエミュレートする。この時、周辺処理システム1がエミュレートしている架空のメモリカードをメモリカードイメージと表記する。
【0063】
図4は、メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。HDD26の記憶領域33には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34が形成されている。図4に示した記憶領域33には、3箇所の領域34(図に34a,34b,34cと表記)が形成されている。メモリカードイメージの記憶部として、領域34を形成することで、新しいメモリカードイメージを形成することができる。新しいメモリカードイメージを形成する過程の詳細は、後述する。
【0064】
各メモリカードイメージは、それぞれ、カード仕様情報とカード識別情報とから成る固有情報を有しており、各固有情報はそれぞれ、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されている。図4に示したカード部36には、固有情報が、カード37(図に37a,37b,37cと表記)として記憶されている。周辺処理システム1がその時点でエミュレートしているメモリカードイメージが現在のカードとして選択されており、現在のカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する固有情報が、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されている。メモリカードイメージの記憶部を構成する実体は、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージに対応する領域34である。現在のカードとしてメモリカードイメージを選択する過程と、固有情報をカード部38に記憶させる過程との詳細は、それぞれ後述する。
【0065】
固有情報を構成するカード識別情報は、仮想メモリカード2と外部装置3とが、共に稼動可能状態であって、互いに通信エリア内に位置して、相互に通信可能な状態になった場合に、記憶部として使用する領域34を特定するための情報である。カード識別情報は、例えば、領域34の作成日時と、領域34の記憶容量と、領域34に付されたシリアル番号と、領域34に付されたカード名称とからなる。領域34の作成日時と、領域34の記憶容量と、領域34に付されたシリアル番号と、領域34に付されたカード名称とは、メモリカードイメージの作成日時と、メモリカードイメージの記憶容量と、メモリカードイメージに付されたシリアル番号と、メモリカードイメージに付されたカード名称でもある。
【0066】
固有情報を構成するカード仕様情報は、エミュレートするメモリカードイメージの仕様の情報である。本実施形態の場合では、メモリカードイメージは架空のメモリカードであるから、公知のメモリカードの規格に準拠した仕様が、カード仕様情報となる。但し、記憶容量は、対応する領域34を設定する際に定めた領域34の記憶容量となる。
【0067】
周辺処理システム1は、仮想メモリカード2のCPU17が、カード仕様情報の仕様に従って動作することによって、メモリカードイメージをエミュレートする。PC4がメモリカードスロット6に挿着されていると認識しているメモリカードは、周辺処理システム1がエミュレートしているメモリカードイメージであって、カード仕様情報の仕様を有するメモリカードである。
【0068】
次に、外部装置3の有する管理プログラムによるメモリカードイメージの管理、即ち、領域34及び固有情報の管理について説明する。図5は、外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す構成図である。領域34及び固有情報の管理に関る操作は、管理プログラムによって外部装置の表示部3bに表示される管理メニューに従って、操作者が行う。図5(a)は、外部装置3の表示部3bに表示される管理メニューのトップメニューを示している。表示される管理メニューのトップメニューには、管理メニューの一覧が表示され、実行する管理メニューを選択することができる。図5(b),(c),(d),(e),(f),(g)は、各管理メニューのトップ表示を示す図である。図5(a)の管理メニューの一覧から、操作者が、実行する管理メニューを選択すると、図5(b)から(g)に示したトップ表示の中の選択された管理メニューのトップ表示が、表示部3bに表示される。
【0069】
図5(a)に示したように、実行することができる管理メニューには、「カード容量表示」と「カード作成」と「プログラムインストール」と「カード消去」と「カード交換」と「容量表示」とがある。図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード容量表示」が選択されると、図5(b)に示したように、設定されているメモリカードイメージのカード名称及びその記憶容量が表示される。前記したように、カード名称はメモリカードイメージの記憶部である領域34に付けられたカード名称であり、記憶容量はそのカード名称が付けられた領域34の記憶容量である。
【0070】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択されると、図5(c)に示したように、カード作成のトップ表示が表示される。容量と名称とカード仕様とを入力することにより、新しいカード、即ち新しいメモリカードイメージを作成することができる。このとき、入力された容量と名称とカード仕様とに対応して、CPU28が、領域34を形成することで、入力された容量と名称とカード仕様とに対応したメモリカードイメージが形成される。メモリカードイメージの記憶部として、領域34を形成し、「カード作成」を実行する過程の詳細は、後述する。
【0071】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「プログラムインストール」が選択されると、図5(d)に示したように、プログラムインストールのトップ表示が表示される。プログラムのインストール先のカード名称を選択して、そのカード名称が付けられた領域34に、PC4のOSなどのプログラムを記憶させてインストールすることができる。なお、プログラムだけでなく、PC4が扱うデータを入力して記憶させることも、プログラムインストールメニューで実行させることができる。
【0072】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード消去」が選択されると、図5(e)に示したように、カード消去のトップ表示が表示される。消去したいメモリカードイメージの名称を選択して、そのメモリカードイメージを消去することができる。より具体的には、消去するカードとして選択されたメモリカードイメージに対応する領域34が消去され、消去された領域34に対応するカード仕様情報とカード識別情報とが記憶されたカード37が、カード部36から消去される。
【0073】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード交換」が選択されると、図5(f)に示したように、カード交換のトップ表示が表示される。カード名称を選択して使用したいメモリカードイメージを選択することによって、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージと交換することができる。現在のカードとして別のメモリカードイメージを選択して交換する過程、即ち現在のカードとして別の領域34を選択して交換する過程の詳細は、後述する。
【0074】
図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「容量表示」が選択されると、図5(g)に示したように、記憶領域33の「全体の容量」と「使用中の容量」と「空き容量」とが表示される。なお、「使用中の容量」は、例えば、領域34として設定された記憶容量の合計であり、「空き容量」は、領域34として設定することが可能な記憶容量である。
【0075】
次に、仮想メモリカード2と外部装置3とが通信を開始する過程について説明する。図6は、外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。また、図7は、仮想メモリカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャートである。
【0076】
最初に、図6に基づいて外部装置3が実行するフローについて説明する。外部装置3が可動状態になると、ステップS1で、仮想メモリカード2との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。通信可能な状態でない場合(ステップS1でNO)は、ステップS2へ進み、通信可能な状態の場合(ステップS1でYES)は、ステップS3へ進む。
【0077】
ステップS2では、仮想メモリカード2の探索を続けるか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部4bに「通信不能状態である」というメッセージを表示すると共に、探索を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。探索を継続する場合(ステップS2でYES)は、ステップS1へ戻り、仮想メモリカード2との試験通信の試行及び通信可能状態か否かの判定を再度実行する。探索を継続しない場合(ステップS2でNO)は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。
【0078】
ステップS3では、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されているカード識別情報を取得する。
【0079】
次に、ステップS4では、取得したカード部38に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード識別情報の中に、有るか否かを判定する。同一のカード識別情報がある場合(ステップS4でYES)は、ステップS5へ進む。同一のカード識別情報がない場合(ステップS4でNO)は、ステップS10へ進む。なお、カード部38にカード識別情報が記憶されていない場合には、同一のカード識別情報は存在し得ないためステップS4でNOとなり、ステップS10へ進む。
【0080】
ステップS5では、カード部38に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域34を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択する。そして、カード部38に記憶されているカード識別情報に対応する領域34が選択できた、即ち、カード部38に記憶されているメモリカードイメージが選択できたことを、仮想メモリカード2へ送信する。
【0081】
次に、ステップS6では、仮想メモリカード2から、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期を取得する。
【0082】
次に、ステップS7では、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期と、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報の更新時期とを比較する。そして、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しいか否かを判定する。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しい場合(ステップS7でYES)は、ステップS8へ進む。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が古い場合(ステップS7でNO)は、ステップS9へ進む。
【0083】
ステップS7の次に、ステップS8では、仮想メモリカード2から、カード記憶部15に記憶されている情報を取得し、取得した情報で、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報を更新する。ステップS8の次に、ステップS15に進む。
【0084】
ステップS7の次に、ステップS9では、仮想メモリカード2に、カード記憶部15に記憶されている情報を消去する指示を送信する。ステップS9の次に、ステップS15に進む。
【0085】
ステップS4の次に、ステップS10では、新たなカード(メモリカードイメージ)を作成するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部4bに「該当するカードがありません。新しいカードを作成しますか?」というメッセージを表示すると共に、新しいカードを作成するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。新たなカード(メモリカードイメージ)を作成する場合(ステップS10でYES)は、ステップS11へ進む。新たなカード(メモリカードイメージ)を作成しない場合(ステップS10でNO)は、ステップS12へ進む。
【0086】
ステップS10の次に、ステップS11では、新たなカード(メモリカードイメージ)を作成する。新たなメモリカードイメージを作成する過程の詳細は、後述する。
【0087】
ステップS12では、新たなカード作成を行わない決定を受けて、エミュレートするメモリカードイメージとして、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード37の中からカードを選択するか否かを判定する。具体的には、例えば、表示部4bに「既存のカードの中からカードを選択しますか?」というメッセージを表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択するか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。既存のカードの中からカードを選択しない場合(ステップS12でNO)は、通信不能状態であって、そのまま「通信開始する過程」を終了する。既存のメモリカードイメージの中からエミュレートするメモリカードイメージを選択する場合(ステップS12でYES)は、ステップS13へ進む。
【0088】
ステップS13では、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード37の中からエミュレートするカード(メモリカードイメージ)を選択する。具体的には、既存のカードの一覧を表示すると共に、既存のカードの中からカードを選択することを促すメッセージを表示する。そして、操作者によって選択指示されたカードを、エミュレートするカード(メモリカードイメージ)として認識する。
【0089】
ステップS11又はステップS13の次に、ステップS14では、仮想メモリカード2にカードの交換実行の指示を送信し、カードの交換を実行する。エミュレートするカード(メモリカードイメージ)を交換する過程の詳細は、後述する。
【0090】
ステップS8、ステップS9又はステップS14の次に、ステップS15では、仮想メモリカード2とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【0091】
以上、外部装置3におけるカード設定および仮想メモリカード2との通信開始方法について説明した。次に、仮想メモリカード2におけるカード設定および外部装置3との通信開始の過程について図7を用いて一部図6と対比させて説明する。
【0092】
PC4に挿着された仮想メモリカード2がPC4からアクセスされると、仮想メモリカード2におけるカード設定および外部装置3との通信開始の過程が開始する。
【0093】
ステップS21では、外部装置3との試験通信を試行することで、通信可能状態か否かを判定する。例えば、規定された時間内又は回数の試験通信を行い、規定時間又は回数の試験通信を行っても通信ができない場合には、通信可能な状態でないと判定する。このステップは、図6のステップS1と対応するステップである。通信可能な状態でない場合(ステップS21でNO)は、ステップS29へ進む。通信可能な状態の場合(ステップS21でYES)は、ステップS22へ進む。
【0094】
ステップS22では、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されているカード識別情報を外部装置3へ送信する。このステップは、図6のステップS3と対応するステップである。
【0095】
次のステップS23では、外部装置3から指示情報の送信を受信したか否かを判定する。指示情報は、例えば、図6のステップS5で説明した、カード部38に記憶されているカード識別情報に対応する領域34が選択できたことを仮想メモリカード2へ通知する情報である。指示情報の受信がない場合(ステップS23でNO)は、ステップS29へ進む。指示情報の受信があった場合(ステップS23でYES)は、ステップS24へ進む。
【0096】
ステップS21又はステップS23の次に、ステップS29では、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作を開始する。指示情報の受信がない場合(ステップS23でNO)は、外部装置3から指示情報の送信がない場合であって、図6のステップS12でNOとなった場合である。この場合は、ステップS22で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード識別情報の中に存在せず、新たなメモリカードイメージの作成も、既存のメモリカードイメージの中からエミュレートすべきものを選択することもしない場合である。ステップS12でNOとなった場合と同様に、通信不能状態であって、外部装置3との通信は開始できないため、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作を開始する。
【0097】
ステップS23の次にステップS24では、受信した指示情報が、ステップS22で送信したカード識別情報と同一のカード識別情報が、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード識別情報の中に存在したという情報であるか否かを判定する。同一のカード識別情報が存在したという情報である場合(ステップS24でYES)は、ステップS26に進む。同一のカード識別情報が存在したという情報でない場合(ステップS24でNO)は、ステップS25に進む。
【0098】
指示情報が、同一のカード識別情報が存在したという情報である場合(ステップS24でYES)は、図6のステップS5で、カード部38に記憶されているカード識別情報と同一のカード識別情報を有する領域34を、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択できた場合である。そして、カード部38に記憶されているカード識別情報に対応する領域34が選択できた、即ち、カード部38に記憶されているメモリカードイメージが形成できたことを、仮想メモリカード2へ送信してきた場合である。
【0099】
ステップS26では、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期を、外部装置3に送信する。図6に基づいて説明したように、外部装置3は、ステップS6で、送信された更新時期を取得し、ステップS7で、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期と、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報の更新時期とを比較する。そして、カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しいか否かを判定する。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が新しい場合は、仮想メモリカード2から、カード記憶部15に記憶されている情報を取得し、取得した情報で、エミュレートするメモリカードイメージの記憶部として選択された領域34に記憶されている情報を更新する(ステップS8)。カード記憶部15に記憶されている情報の更新時期の方が古い場合は、仮想メモリカード2に、カード記憶部15に記憶されている情報を消去する指示を送信する(ステップS9)。
【0100】
ステップS26の次に、ステップS27では、外部装置3の、ステップS7での判定結果に基づく指令に従って、カード記憶部15に記憶されている情報の外部装置3への送信、又は、カード記憶部15に記憶されている情報の消去を実行する。
【0101】
指示情報が、同一のカード識別情報が存在したという情報でない場合(ステップS24でNO)は、図6のステップS14で、仮想メモリカード2にカードの交換実行の指示を送信してきた場合である。
【0102】
ステップS25では、カードの交換を実行する。エミュレートするカード(メモリカードイメージ)を交換する過程の詳細は、後述する。
【0103】
ステップS27又はステップS25の次に、ステップS28に進み、外部装置3とメモリカードイメージをエミュレートするための通信を開始する。
【0104】
次に、新たなメモリカードイメージを作成する過程について説明する。図8は、カード作成の過程を示すフローチャートである。前記したように、図5(a)の管理メニュー一覧表示で、「カード作成」が選択された場合や、図6のステップS10で、新たなカードを作成することが選択された場合に、新たなメモリカードイメージを作成する過程が開始される。表示部3bに、図5(c)に示したような、カード作成のトップ表示が表示される。
【0105】
ステップS31では、操作者が入力操作部3aを操作して、設定するカード(メモリカードイメージ)の容量が入力されると、外部装置3のCPU28はメモリカードイメージの記憶容量が入力されたと認識する。容量は、HDD26の空き容量の全容量までを設定することができる。
【0106】
ステップS32では、HDD26の空き容量が、入力された容量以上であるか否かを外部装置3のCPU28が判定する。空き容量が、入力された容量以下の場合(ステップS32でNO)は、ステップS33へ進む。空き容量が、入力された容量以上の場合(ステップS32でYES)は、ステップS34へ進む
【0107】
ステップS33では、HDD26の空き容量が入力された容量以上でないため容量設定できない旨のエラー表示を表示部3bに表示する。同時に、容量入力を再度行うことを促す表示をして、ステップS31へ戻る。
【0108】
ステップS34では、操作者が入力操作部3aを操作して、設定するカード(メモリカードイメージ)の名称が入力されると、外部装置3のCPU28はメモリカードイメージのカード名称が入力されたと認識する。操作者は、例えば、図4に記載した「メモリカードa」などの名称を適宜入力する。
【0109】
次のステップS35では、入力された文字数が規定以内か否かを判定する。文字数が規定より多い場合(ステップS35でNO)は、ステップS36へ進む。文字数が規定内の場合(ステップS35でYES)は、ステップS37へ進む。
【0110】
ステップS36では、文字数が規定外であるため名称設定ができない旨のエラー表示を、表示部3bに表示する。同時に、名称の入力を再度行うことを促す表示をして、ステップS34へ戻る。
【0111】
ステップS37では、外部装置3のHDD26の記憶領域33に、入力された記憶容量を持つ領域34を作成する。
【0112】
次に、ステップS38では、ステップS37で作成された領域34に対応するカード識別情報が作成される。上記した各ステップで入力された記憶容量およびカード名称に加えて、作成日時とシリアル番号とが付与される。
【0113】
次に、ステップS39では、操作者が入力操作部3aを操作して、設定するカード(メモリカードイメージ)の仕様が選択されると、外部装置3のCPU28はメモリカードイメージの仕様が選択されたと認識する。仕様の選択は、例えば、図5(c)に示したようなメモリカードなどの公知の記憶装置名称の一覧の中から、周辺処理システム1がエミュレートする記憶装置の名称を選択することで実行できる。記憶装置名称の一覧に記載された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様は、予めROM29に記憶されており、CPU28は、選択された記憶装置名称に対応する記憶装置仕様を認識する。
【0114】
次に、ステップS40では、ステップS39で認識された記憶装置仕様に対応するカード仕様情報が作成される。
【0115】
次に、ステップS41では、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に、カード37として、カード仕様情報およびカード識別情報からなる固有情報を書き込む。
【0116】
次に、ステップS42では、カードの作成終了の表示を表示部3bに表示し、カード作成の過程を終了する。
【0117】
次に、カードを交換する過程について説明する。カードの交換は、周辺処理システム1がエミュレートしているメモリカードイメージを別のメモリカードイメージに換えることで、PC4に別のメモリカードが挿着されたと認識させることにより、実行される。図9は、外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャートである。図10は、挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図であり、図11は、仮想メモリカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャートである。
【0118】
通常、仮想メモリカード2が挿着されたPC4は、定期的に仮想メモリカード2に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っている。仮想メモリカード2がポーリングに対して応答することで、PC4と仮想メモリカード2との間の情報処理が円滑に実行される。以下に説明するカード交換の過程が実行されている場合には、PC4からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても仮想メモリカード2は応答しない状態となる。
【0119】
最初に、図9に基づいて、外部装置3におけるカード交換の過程を説明する。前記したように、図5(a)の管理メニュー表示で、「カード交換」が選択された場合や、図6のステップS11で、新たなカード(メモリカードイメージ)が作成された場合や、図6のステップS13で、現在のカードとして、外部装置3のROM29に設けられたカード部36に記憶されているカード37の中から、新にカードが選択された場合に、カード交換過程が開始される。表示部3bに、図5(f)に示したような、カード交換のトップ表示が表示される。
【0120】
ステップS51では、交換するカードが選択されたか否かをCPU28が判定する。操作者が入力操作部3aを操作して、交換して使用するメモリカードイメージのカード名称を選択すると、外部装置3のCPU28は、カードが選択されたと認識する。カード名称の選択は、例えば、図5(f)に示したようなカード名称の一覧の中から選択することで実行することができる。交換するカードが選択されたと認識された場合(ステップS51でYES)は、ステップS52へ進む。交換するカードが選択されたと認識されない場合(ステップS51でNO)は、ステップS51を繰り返す。
【0121】
ステップS52では、仮想メモリカード2へカード交換の指示を送信する。
【0122】
次に、ステップS53では、PC4に対して仮想メモリカード2の挿抜をエミュレートするための、挿抜エミュレート回路16による挿抜操作が終了したという通知を、仮想メモリカード2から受信したか否かを判定する。判定は、例えば、仮想メモリカード2へカード交換の指示を送信した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合(ステップS53でNO)は、ステップS54に進む。受信していた場合(ステップS53でYES)は、ステップS55に進む。
【0123】
ステップS54では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部4bに「仮想メモリカード2から挿抜操作済みの応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合(ステップS54でYES)は、ステップS52へ戻り、仮想メモリカード2へのカード交換の指示送信を再度実行する。カード交換を継続しない場合(ステップS54でNO)は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【0124】
ステップS53の次に、ステップS55では、仮想メモリカード2からカード識別情報及びカード仕様情報の送信の要求を受信したか否かを判定する。判定は、例えば、ステップS53で、挿抜エミュレート回路16による挿抜操作が終了したという通知を、受信したか否かを判定した後、規定された時間の間待機し、規定時間が経過しても受信できない場合には、受信していないと判定する。受信していない場合(ステップS55でNO)は、ステップS56に進む。受信していた場合(ステップS55でYES)は、ステップS57に進む。
【0125】
ステップS56では、カード交換を継続するか否かを判定する。より具体的には、例えば、表示部4bに「仮想メモリカード2から情報要求の応答がありません」というメッセージを表示すると共に、カード交換を続けるか否かの判定の入力を促すメッセージを表示する。カード交換を継続する場合(ステップS56でYES)は、ステップS55へ戻り、ステップS55を繰返す。カード交換を継続しない場合(ステップS56でNO)は、カード交換は実施せず、そのままカード交換過程を終了する。
【0126】
ステップS57では、仮想メモリカード2へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報を送信し、カード交換過程を終了する。
【0127】
次に、図10に基づいて、仮想メモリカード2の挿抜エミュレート回路16の構成について説明する。挿抜エミュレート回路16は、CPU17からの挿抜操作を指示する切替信号40を受けて作動を開始するタイマ回路41と、タイマ回路41に同調してスイッチをONまたはOFFに切り替えるアナログスイッチ42と、PC4のメモリカードスロット6の端子と接続するためのコネクタ端子43と、コネクタ端子43とアナログスイッチ42とを接続する検出信号線44および接地信号線45とを有する。
【0128】
この構成によれば、PC4と接続されていた仮想メモリカード2を交換するエミュレーション(仮想挿抜)を実行する場合に、まず、タイマ回路41がCPU17からの挿抜操作を指示する切替信号40を受ける。切替信号40を受けると、ONの状態であったアナログスイッチは、ONからOFFに切り替わり、同時にタイマ回路が計時を開始する。タイマ回路41が、規定された時間、例えば3秒を計時し、3秒経過後にアナログスイッチ42は、OFFからONに切り替わる。
【0129】
PC4は、メモリカードスロット6の入出力装置22を介して、仮想メモリカード2のコネクタ端子43からの信号の変化を検出する。アナログスイッチ42がONからOFFへ切り替わると、検出信号線44および接地信号線45がハイ「1」からロー「0」へ変化する。この変化を検出して、PC4は仮想メモリカード2が抜かれたと判断する。続いて、アナログスイッチ42がOFFからONへ切り替わると、検出信号線44および接地信号線45がロー「0」からハイ「1」へ変化する。この変化を検出して、PC4は仮想メモリカード2が挿入されたと判断する。
【0130】
このように、仮想メモリカード2を実際には抜き差しすることなく、PC4に対して、仮想メモリカード2が交換されたと認識させることができる。従って、仮想挿抜を実行することにより、一枚の仮想メモリカード2を複数の仮想メモリカード2として使用することができる。
【0131】
次に、図11に基づいて、仮想メモリカード2におけるカード交換の過程を説明する。ステップS61では、図9のステップS52で、外部装置3から送信されたカード交換の指示を受信する。仮想メモリカード2のCPU17は、このカード交換の指示を受信してカード交換の過程を開始する。
【0132】
次のステップS62では、CPU17が、カード挿抜をエミュレートする挿抜操作のための切替信号40を、挿抜エミュレート回路16へ出力する。
【0133】
次のステップS63では、切替信号40により、挿抜エミュレート回路16は、アナログスイッチ42をONからOFFに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、PC4は仮想メモリカード2が抜かれたと判断する。
【0134】
ステップS64では、アナログスイッチ42をONからOFFに切り替えてから、3秒の規定時間が経過する間、アナログスイッチ42をOFFした状態を維持する。
【0135】
ステップS65では、アナログスイッチ42をOFFからONに切り替える。前記したように、この変化を検出すると、PC4は、仮想メモリカード2が挿入されたと判断する。
【0136】
ステップS66では、外部装置3へ仮想メモリカード2の挿抜操作終了の通知を送信する。これによって、図9に示したステップS53において、PC4に対して仮想メモリカード2の交換をエミュレートするための、仮想メモリカード2の挿抜エミュレート回路16による挿抜操作が終了したという通知を、仮想メモリカード2から受信したという判定がなされる。
【0137】
ステップS67では、外部装置3へ、カード識別情報及びカード仕様情報の要求を送信する。挿抜操作終了に伴い、PC4に対して、新しいメモリカードイメージとして動作するために、交換後の新しいメモリカードイメージの識別情報及びカード仕様情報を外部装置3に要求する。この要求に対して、図9に示したステップS57で、仮想メモリカード2へ、交換後のメモリカードイメージに対応するカード識別情報及びカード仕様情報が送信される。
【0138】
ステップS68では、外部装置3からカード識別情報及びカード仕様情報を受信したか否かを判定する。受信していない場合(ステップS68でNO)は、ステップS66に戻り、ステップS66及びステップS67を繰り返す。受信していた場合(ステップS68でYES)は、ステップS69に進む。
【0139】
ステップS69では、受信したカード識別情報及びカード仕様情報をエミュレートするメモリカードイメージのカード識別情報及びカード仕様情報としてROM18のカード部38に記憶する。そして、PC4に対して、カード部38に記憶されたカード仕様情報の仕様を有するメモリカードとして動作する。
【0140】
なお、前記したように、仮想メモリカード2が挿着されたPC4は、定期的に仮想メモリカード2に対して、送信などの処理要求があるかを確認するポーリングを行っており、仮想メモリカード2のCPU17が応答している。しかし、ステップS62で、切替信号40を、挿抜エミュレート回路16へ出力してから、ステップS69で、カード識別情報及びカード仕様情報をカード部38に記憶する間は、PC4からのポーリングを含むいかなるアクセスに対しても、CPU17は応答しない状態となる。
【0141】
次に、周辺処理システム1を起動装置として使用して、PC4を起動させる過程を説明する。周辺処理システム1がエミュレートするメモリカードとして、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash)メモリカード(以降、CFカードと表記する)のように、起動装置として使用することができる規格の入出力装置を有するメモリカードを選択することによって、周辺処理システム1を起動装置として使用することができる。
【0142】
図12は、周辺処理システムを起動装置として使用して、PCを起動させる過程を示すシーケンス図である。PC4及び周辺処理システム1を操作する操作者は、図5(a)に示した一覧から「カード作成」を選択する。そして、図5(c)を基に説明した「カード作成」過程を外部装置3に実行させて、PC4を駆動できる基本ソフト(OS)をインストールするための領域34を、HDD26内に予め作成する。次に、図5(a)に示した一覧から「プログラムインストール」を選択して、図5(d)を基に説明した「プログラムインストール」を実行させて、「カード作成」で作成した領域34に基本ソフトをインストールする。基本ソフトとしては、Windows(登録商標)シリーズ、LinuxなどのUNIX(登録商標)系のOS、などが挙げられる。前記したように、外部装置3には複数の領域34を設定することが可能であり、複数の基本ソフトを1台の外部装置3に、予めインストールしておくことができる。
【0143】
PC4を、周辺処理システム1を起動装置として起動させる前に、起動ソフトとして使用する基本ソフトを選択する。操作としては、図5(a)の管理メニュー表示で、「カード交換」を選択し、起動ソフトとして使用する基本ソフトがインストールされている領域34に付けたカード名称を選択する。外部装置3において、図9に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域34を記憶部とする、メモリカードイメージが選択される。さらに、仮想メモリカード2において、図11に基づいて説明したカード交換過程が実行されて、選択した領域34を記憶部とする、メモリカードイメージを周辺処理システム1がエミュレートすることができるようになる。
【0144】
PC4を、周辺処理システム1を起動装置として起動させるためには、メモリカードスロット6に挿着されるメモリカードを起動優先順が最優先の装置として、予め設定する。仮想メモリカード2を挿着したPC4を、操作者がリセット操作すると、PC4は、仮想メモリカード2にアクセスして、基本ソフトを読み込もうとする。仮想メモリカード2及び外部装置3は、図6および図7に基づいて説明した通信開始過程を実行して、周辺処理システム1がメモリカードイメージをエミュレート可能な状態となる。PC4は、周辺処理システム1がエミュレートしているメモリカードイメージの記憶部にアクセスするため、メモリカードイメージの記憶部として設定されている領域34にアクセスし、アクセスした領域34に記憶されている基本ソフトを読み込んで起動するることができる。
【0145】
なお、使用カードとして設定されている領域34に基本ソフトが記憶されていなかった場合には、PC4は、起動優先順が次の装置から基本ソフトを読み込んで起動する。従って、領域34に基本ソフトが記憶されており、起動装置として使用できる周辺処理システム1であっても、基本ソフトが記憶されていない別の領域34をメモリカードイメージの記憶部として設定することで、起動装置としてだけでなく、一般的なメモリカードとしても使用できる。
【0146】
この第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)周辺処理システム1は、メモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、HDD26を備えた外部装置3とで構成されている。従って、HDD26の記憶容量を変えるだけで、仮想メモリカード2の形状大きさに影響を及ぼすことなく、周辺処理システム1の記憶容量を大きくすることができる。
【0147】
(2)仮想メモリカード2は外部装置3との通信が正常に実施できない場合には、カード記憶部15を、エミュレートするメモリカードの記憶部とするメモリカードとして動作を開始する。カード記憶部15を、メモリカードの記憶部とすることで、仮想メモリカード2のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することができる。そのため、PC4に直接挿着されていることから、PC4との間の通信障害が発生する可能性が比較的小さい仮想メモリカード2のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することができ、通信の障害によって周辺処理システム1が機能しない可能性を小さくすることができる。
【0148】
(3)また、カード記憶部15を、メモリカードの記憶部として、仮想メモリカード2のみを使用して、周辺処理システムとして稼動することで、外部装置3と仮想メモリカード2との通信が常に正常であることが必須ではなくすることができる。従って、周辺処理システム1を使用するときに、外部装置3が仮想メモリカード2との通信可能範囲に在ることは必須ではなく、外部装置3と仮想メモリカード2との通信可能範囲に拘束されずに、PC4を移動させることができる。
【0149】
(4)無線モジュール14と無線モジュール23との通信が正常に実行されている場合には、カード記憶部15は、仮想メモリカード2がPC4又は外部装置3から受取った情報を、外部装置3又はPC4に送信するまで一時的に記憶するキャシュメモリとしても使用される。カード記憶部15をキャシュメモリとして使用することで、無線モジュール14と無線モジュール23との間の通信速度と、入出力装置11と入出力装置22との間の通信速度と、の差を吸収することができる。従って、周辺処理システム1の通信速度が、無線モジュール間の通信速度と、入出力装置間の通信速度とのうち遅い方の通信速度に依って定まって遅くなることを抑制することができる。
【0150】
(5)周辺処理システム1は、メモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、HDD26を備えた外部装置3と、で構成されている。従って、メモリカードとしてPC4に挿着可能であって、HDD26の持つ大きな記憶容量を備えたメモリカードを実現することができる。
【0151】
(6)仮想メモリカード2の入出力装置11は、構成が公知のメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。従って、入出力規格が起動装置として使用することができる例えばCFカードのようなメモリカードをエミュレートするメモリカードとして選択することで、周辺処理システム1をPC4の起動装置として使用することができる。
【0152】
(7)仮想メモリカード2の入出力装置11は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、PC4のメモリカードスロット6に設けられた入出力装置22に接続可能である。従って、PC4のようにメモリカードスロット6を備えた装置であれば、ハードウエアに改良を加えることは全く必要とせずに、大容量の外部記憶装置を、メモリカードと同様の使い勝手で使用することができる。
【0153】
(8)仮想メモリカード2には、挿抜エミュレート回路16が設けられており、仮想メモリカード2をメモリカードスロット6から脱着することなく、仮想メモリカード2がメモリカードスロット6から抜かれて、異なる仮想メモリカード2が挿着されたかのように挿抜のエミュレーションを実行する。従って、実際に挿抜を行う回数を減少させることで、接続端子の磨耗を抑制することができる。また、メモリカードスロット6から抜かれた単体の仮想メモリカード2を紛失したり、破損したりする可能性を小さくすることができる。
【0154】
(9)外部装置3のHDD26は、複数の領域34を形成することが可能で、各領域34を記憶部とするメモリカードイメージを形成し、各メモリカードイメージを周辺処理システム1が個別にエミュレートする。従って、一つの周辺処理システム1をあたかも複数のメモリカードであるかのように使用することができる。
【0155】
(第2の実施形態)
次に、本発明の一実施形態である周辺処理システムに係る第2の実施形態について説明する。本実施形態の周辺処理システムは、仮想メモリカードと通信可能な複数の外部装置を使用できるシステムである。周辺処理システムを構成する仮想メモリカード及び外部装置は、第1の実施形態で説明した周辺処理システム1を構成する仮想メモリカード2及び外部装置3と基本的に同一のものである。第1の実施形態で説明した周辺処理システム1とは異なる外部装置の構成について説明する。
【0156】
以下に説明する第2の実施形態は、情報処理装置の一例である携帯電話55に接続して用いられる周辺処理システム51について説明する。図13は、本実施形態の周辺処理システムと、携帯電話との外観斜視図である。周辺処理システム51は、公知のメモリカードの外形形状の規格に適合する外形形状を有する仮想メモリカード2と、HDDを備えた外部装置53及び外部装置54とで構成されている。仮想メモリカード2は、第1の実施形態で説明した仮想メモリカード2である。外部装置53及び外部装置54には、外部装置53又は外部装置54を操作するための入力操作部53a,54aと、外部装置53又は外部装置54内のHDD26(図3参照)の情報などを表示する表示部53b,54bと、画像データなどを読み込むためのドライブ装置53c,54cとが備えられている。仮想メモリカード2が接続装置に相当し、入力操作部53a,54aが外部入力装置に相当する。
【0157】
携帯電話55は、電話機能の他に、写真の撮影および再生機能、音楽の再生機能を有している。また、メモリカードを挿着するためのメモリカードスロット56を備えている。携帯電話55は、写真の撮影および再生機能や音楽の再生機能を実行するために必要なデータ等を、メモリカードからメモリカードスロット56を介して取得している。また、撮影データなどを、メモリカードスロット56を介してメモリカードに記憶させている。仮想メモリカード2は、メモリカードと同様の外観形状を有し、携帯電話55のメモリカードスロット56に、公知のメモリカードと同様に挿着可能である。
【0158】
仮想メモリカード2は、第1の実施形態で説明した仮想メモリカード2であり、電気的構成は、第1の実施形態で説明した構成である。外部装置53及び外部装置54の電気的構成は、第1の実施形態で説明した外部装置3の電気的構成である。
【0159】
次に、周辺処理システム51がメモリカードをエミュレートする構成について説明する。前記したように、仮想メモリカード2の入出力装置11(図2参照)は、構成がメモリカードの入出力装置と同じ構成であり、接続方式が、メモリカードの入出力規格に準拠する接続方式であり、携帯電話55のメモリカードスロット56に設けられた入出力装置に接続可能である。そして、仮想メモリカード2がメモリカードスロット56に挿着されると、入出力装置11とメモリカードスロット56に設けられた入出力装置とが接続され、携帯電話55は、公知のメモリカードが挿着されたと認識する。即ち、携帯電話55は、周辺処理システム51を、メモリカードスロット56に挿着された1枚のメモリカードであると認識する。それに対して、周辺処理システム51は、携帯電話55に対して、携帯電話55に認識された1枚のメモリカードをエミュレートする。この時、周辺処理システム51がエミュレートしている架空のメモリカードを、第1の実施形態と同様に、メモリカードイメージと表記する。
【0160】
図14は、メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。外部装置53及び外部装置54に設けられたHDD26の記憶領域33には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34が形成されている。図14に示した外部装置53及び外部装置54の記憶領域33には、それぞれ3箇所の領域34が形成されている。メモリカードイメージの記憶部として、領域34を形成することで、新しいメモリカードイメージを形成することができる。新しいメモリカードイメージを形成する過程は、第1の実施形態において、図8に基づいて説明した過程と同様である。
【0161】
各メモリカードイメージは、それぞれ、カード仕様情報とカード識別情報とから成る固有情報を有しており、各固有情報はそれぞれ、外部装置53又は外部装置54のROM29に設けられたカード部36に記憶されている。図14に示した外部装置53及び外部装置54のカード部36には、固有情報が、それぞれカード37として記憶されている。カード仕様情報とカード識別情報とは、第1の実施形態において説明したカード仕様情報とカード識別情報と同様である。
【0162】
周辺処理システム51がその時点でエミュレートしているメモリカードイメージの記憶部に対応する領域34が、外部装置53又は外部装置54において、現在のカードとして選択されており、現在のカードとして選択された領域34に対応する固有情報が、仮想メモリカード2のROM18に設けられたカード部38に記憶されている。仮想メモリカード2は、外部装置53と外部装置54のうち、カード部38に記憶されている固有情報に対応する領域34を有する外部装置と通信を行って、メモリカードイメージをエミュレートする。メモリカードイメージの記憶部を構成する実体は、現在のカードとして選択されているメモリカードイメージに対応する領域34である。現在のカードとしてメモリカードイメージを選択する過程と、固有情報をカード部38に記憶させる過程とは、第1の実施形態において、図9及び図11に基づいて説明したカード交換過程と同様である。
【0163】
この第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)周辺処理システム51は、システムを構成する外部装置を2台有するため、より大きな記憶容量を有するシステムを構成することができる。
【0164】
(2)周辺処理システム51は、システムを構成する外部装置を2台有するため、外部装置を複数の場所に設置し、設置場所によって使い分けることができる。また、外部装置を記憶内容によって使い分けることもできる。
【0165】
(第3の実施形態)
次に、本発明の一実施形態である周辺処理システムに係る第3の実施形態について説明する。本実施形態の周辺処理システムは、外部装置と通信可能な複数の仮想メモリカードを、複数の異なる情報処理装置に挿入して使用できるシステムである。周辺処理システムを構成する仮想メモリカード及び外部装置は、第1の実施形態で説明した周辺処理システム1を構成する仮想メモリカード2及び外部装置3と基本的に同一のものである。
【0166】
図15は、本実施形態の周辺処理システムと、各情報処理装置との外観斜視図である。周辺処理システム61は、仮想メモリカード2と、仮想メモリカード71と、仮想メモリカード81と、外部装置3とで構成されている。外部装置3は、第1の実施形態で説明した外部装置3である。本実施形態の情報処理装置は、図15に示すように、携帯電話55、音楽聴取機能付デジタルカメラ70およびビデオカメラ80であり、それぞれメモリカードスロット56、72、82を有している。携帯電話55のメモリカードスロット56には、仮想メモリカード2が挿入されており、デジタルカメラ70のメモリカードスロット72には、仮想メモリカード71が挿入されており、ビデオカメラ80のメモリカードスロット82には、仮想メモリカード81が挿入されている。
【0167】
次に、周辺処理システム61がメモリカードをエミュレートする構成について説明する。図16は、メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図である。図16に示すように、携帯電話55に挿着された仮想メモリカード2は、ROM18に、外部装置3の有する領域34b(名称がMUSIC)に対応するカード37bと同じカード識別情報等を、カード部38に記憶している。デジタルカメラ70に挿着された仮想メモリカード71は、外部装置3の有する領域34a(名称がPHOTO)に対応するカード37aと同じカード識別情報等を、ROM73のカード74に記憶している。ビデオカメラ80に挿着された仮想メモリカード81は、外部装置3の有する領域34c(名称がMOVIE)に対応するカード37cと同じカード識別情報等を、ROM83のカード84に記憶している。
【0168】
この構成によれば、外部装置3は、第1の実施形態において図6および図7を用いて説明した通信開始過程を実行して、携帯電話55、デジタルカメラ70およびビデオカメラ80にそれぞれ挿入されている仮想メモリカード2、71、81のいずれかと通信を開始することができる。携帯電話55に挿入されている仮想メモリカード2と外部装置3とが通信可能になることで、携帯電話55から外部装置3の領域34bに記憶されている情報を使用することができる。領域34bに記憶されて情報が、例えば音楽であればそれを聴取することができる。
【0169】
このとき携帯電話55は、記憶部として領域34bを有するメモリカードとして仮想メモリカード2を認識しているだけで、外部装置3を認識していない。第1の実施形態で、図9及び図11を用いて説明したカード交換過程が実行されて、携帯電話55のカード部38に記憶されている内容が、外部装置3のカード37b(MUSIC)からカード37a(PHOTO)に書き換えられると、携帯電話55は、メモリカードが交換されたと認識する。携帯電話55で、外部装置3の領域34a(PHOTO)に記憶されている情報を使用することができる。領域34aに記憶されて情報が、例えば画像であればそれを観ることができる。
【0170】
同様に、デジタルカメラ70に挿入されている仮想メモリカード71と外部装置3とが通信可能になることで、デジタルカメラ70から外部装置3の領域34aに記憶されている情報を使用することができる。領域34aに記憶されて情報が、例えば画像であればそれを観ることができる。
【0171】
このとき、デジタルカメラ70は、記憶部として領域34bを有するメモリカードとして仮想メモリカード2を認識しているだけで、外部装置3を認識していない。第1の実施形態で、図9及び図11を用いて説明したカード交換過程が実行されて、携帯電話55のカード部38に記憶されている内容が、外部装置3のカード37a(PHOTO)からカード37b(MUSIC)に書き換えられると、デジタルカメラ70は、メモリカードが交換されたと認識する。デジタルカメラ70で、外部装置3の領域34b(MUSIC)に記憶されている情報を使用することができる。領域34aに記憶されて情報が、例えば音楽であって、デジタルカメラ70が音楽再生機能を備えていれば、それを聴取することができる。ビデオカメラ80についても同様である。
【0172】
上記したように、デジタルカメラ70に挿入されている仮想メモリカード71が、記憶装置として通信しアクセスしていた外部装置3の領域34aに、次に、携帯電話55に挿入されている仮想メモリカード2が記憶装置として通信してアクセスすることにより、領域34aに記憶されて情報を使用することができる。従って、デジタルカメラ70で作成された情報を、周辺処理システム61を介して共有して、携帯電話55で使用することができる。
【0173】
公知のメモリカードを利用して、ある情報処理装置で作成した情報を他の情報処理装置と共有する場合、一つの情報処理装置において、公知のメモリカードに情報を記憶し、情報が記憶されたメモリカードを他の情報処理装置に挿着することで、共有を実現していた。周辺処理システム61を使用することで、メモリカードを挿抜することなく、複数の情報処理装置の間で、情報を共有して使用することができる。さらに、情報処理装置の間でメモリカードを共用するためには、情報処理装置が使用できるメモリカードが同一仕様のメモリカードであることが必要である。しかし、周辺処理システム61では、情報処理装置が使用できるメモリカードに対応した仮想メモリカードを使用するだけで、複数の情報処理装置が、情報が記憶された同一の領域34にアクセスすることができる。これによって、互いに異なる仕様のメモリカードスロットを備えた複数の情報処理装置の間で、情報を共有して使用できるようにすることができる。
【0174】
なお、同一の領域34に対して、複数の仮想メモリカードが同時に、対応する仮想メモリカードとならないようにするためには、例えば、各仮想メモリカードにそれぞれ識別番号を付与する。そして、最初に識別番号を指定して仮想メモリカードを選択し、次に、第1の実施形態で説明した「カード交換」のメニューを使用して、選択した仮想メモリカードと通信してメモリカードイメージをエミュレートする領域34を選択する。
【0175】
この第3の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)情報処理装置である携帯電話55、デジタルカメラ70およびビデオカメラ80が、それぞれに挿入されている仮想メモリカード2、71、81をメモリカードとして認識することで、仮想メモリカード2、71、81と外部装置3との通信が個別に可能である。外部装置3に記憶された情報を、仮想メモリカード2、71、81を介して、異なる複数の情報処理装置のそれぞれが共有して使用することができる。
【0176】
(2)周辺処理システム61では、各情報処理装置が使用できる仕様のメモリカードに対応した仮想メモリカードを使用することで、複数の情報処理装置が、情報が記憶された同一の領域34にアクセスすることができ、複数の情報処理装置の間で、情報を共有して使用できる。従って、情報処理装置には何ら改良を加えることなどを必要とせずに、異なる仕様のメモリカードを使用する情報処理装置の間で、同一の領域34を使用できるようにすることができる。
【0177】
本発明の実施形態は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0178】
(変形例1)前記実施形態において、仮想メモリカードが挿着されるのはメモリカードスロットであったが、仮想メモリカードが挿着されるのはメモリカードスロットに限らない。例えば、メモリスティック(登録商標)(Memory Stick)が挿着されるUSB端子のようなものであっても良い。
【0179】
(変形例2)前記実施形態において、周辺処理システムがエミュレートするメモリカードイメージは、情報処理装置がメモリカードとして認識する装置であったが、エミュレートするメモリカードイメージはメモリカードに限らない。周辺処理システムは、情報処理装置に挿着されて使用される様々な記憶装置をエミュレートすることができる。
【0180】
(変形例3)前記実施形態において、外部装置は記憶媒体を備えた記憶装置であったが、外部装置は記憶装置に限らない。例えば、PCに接続して印刷を行う印刷機能を持つプリンタなどを備えた外部装置であってもよい。記憶媒体に代えて印刷装置を選択することで、周辺処理システムは、プリンタをエミュレートすることができる。より具体的には、仮想メモリカードは、プリンタを接続できるUSB端子に挿着できる例えばメモリスティック(登録商標)をエミュレートできる仕様のものにする。外部装置は、HDDとプリンタとを備えた構成とする。プリンタをエミュレートする場合は、外部装置において、使用する領域としてプリンタを選択し、プリンタの仕様の情報を、仮想メモリカードに送信し、記憶する。仮想メモリカードは、情報機器に対して、受信して記憶したプリンタの仕様を有するプリンタとして動作する。
【0181】
(変形例4)前記実施形態において、データ記憶部としてHDDを用いたが、データ記憶部としてHDDを用いることは必須ではない。HDD以外のDVD、光ディスク、大容量半導体メモリなどでも良い。
【0182】
(変形例5)前記実施形態において、仮想メモリカードと外部装置との通信は、電波を使用する無線通信であったが、通信手段は電波を使用する無線通信に限らない。有線であっても良いし、赤外線を用いた通信でもよい。
【0183】
(変形例6)仮想メモリカードのROMおよびRAMとは、仮想メモリカードのCPUとともに、同一のチップに一緒に内蔵される構成であっても良い。同様に、外部装置のROMおよびRAMとは、外部装置のCPUとともに、同一のチップに一緒に内蔵される構成であっても良い。機能的には同様であり、まとめて一個のパーツとなっておれば実装工程の短縮が図れる。
【0184】
(変形例7)外部装置として、外部装置のプログラムを搭載したパーソンルコンピュータ(PC)やホームサーバを用いて、周辺処理装置を構成しても良い。既設のPC等を使用することで、新たに外部装置を作成することが不要となり、初期導入の費用を低減することができる。
【0185】
(変形例8)前記実施形態において、基本ソフトのインストールは、外部装置に設けられたドライブ装置から入力していたが、外部装置にドライブ装置を設けることは必須ではない。基本ソフトのインストールは、PCから周辺処理システムを選択して、PCに備えられた入力装置から入力してもよい。
【0186】
(変形例9)前記実施形態において、情報処理装置は、PCやデジタルカメラや携帯電話やビデオカメラであったが、情報処理装置がPCやデジタルカメラや携帯電話やビデオカメラであることは必須ではない。例えば、工作機械の制御装置や、POS(Point Of Sale)用端末装置であってもよい。工作機械の制御装置や、POS用端末装置は、専用の基本ソフトを使用して、基本ソフトの上で動くアプリケーションソフトは使用せずに稼動するものがあり、そのような装置においては、本発明の周辺処理システムを使用して、複数の基本ソフトを使い分けることにより、容易に異なる装置として稼動させることができる。また、故障診断プログラムなどのように、通常時は使用しないが、緊急的に必要になる場合がある特殊なソフトを、常時、直ちに使用に供せる状態で保持することができる。
【0187】
(変形例10)前記実施形態において、周辺処理システムは一台又は二台の外部装置を備えていたが、さらに多数の外部装置を備える構成であってもよい。
【0188】
(変形例11)前記実施形態において、外部装置のHDDの記憶領域には、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする複数の領域が形成されていたが、領域に代えて、複数の外部装置のそれぞれが備える記憶部が、メモリカードイメージに対応して、メモリカードイメージの記憶部の役割をする構成でもよい。
【0189】
(変形例12)前記実施形態において、メモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34は、外部装置に設けられた入力操作部を操作して選択していたが、仮想メモリカードから領域34を選択してもよい。仮想メモリカードから領域34を選択するためには、仮想メモリカードに、例えばディップスイッチのような入力操作部を設け、各スイッチに対応する識別情報を、仮想メモリカードのROMに記憶させておき、選択されたスイッチに対応する識別情報を付与された領域34をメモリカードイメージの記憶部の役割をする領域34として、通信する。
【0190】
上記した実施の形態および変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(技術的思想1) 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする周辺処理システム。
【0191】
(技術的思想2) 前記請求項に記載の周辺処理システムであって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする周辺処理システム。
【0192】
(技術的思想3) 前記請求項に記載の接続装置であって、前記接続装置の前記接続通信部と前記外部装置の前記外部通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする接続装置。
【0193】
(技術的思想4) 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部通信部と前記接続装置の前記接続通信部との通信が非接触な通信であることを特徴とする外部装置。
【0194】
(技術的思想5) 前記請求項に記載の外部装置であって、前記外部装置の前記外部データ記憶部は、ハードディスクドライブであることを特徴とする外部装置。
【0195】
(技術的思想6) 請求項1に記載の周辺処理システムにおいて、前記周辺機器は、メモリスティックであり、前記挿着部は、USB接続端子であることを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の第1の実施形態の周辺処理システムと、PCとの外観斜視図。
【図2】仮想メモリカードの電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図3】外部装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図。
【図4】メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【図5】外部装置の表示部に表示される管理メニューを示す模式図。
【図6】外部装置側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図7】仮想メモリカード側のカード設定および通信開始過程を示すフローチャート。
【図8】カード作成の過程を示すフローチャート。
【図9】外部装置におけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図10】挿抜エミュレート回路の構成を示すブロック図。
【図11】仮想メモリカードにおけるカード交換の過程を示すフローチャート。
【図12】周辺処理システムを起動装置として使用して、PCを起動させる過程を示すシーケンス図。
【図13】本発明の第2の実施形態の周辺処理システムと、携帯電話との外観斜視図。
【図14】メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【図15】本発明の第3の実施形態の周辺処理システムと、各情報処理装置との外観斜視図。
【図16】メモリカードをエミュレートする各装置の関連を示す模式図。
【符号の説明】
【0197】
1…周辺処理システム、2、71、81…仮想メモリカード、3…外部装置、3a…入力操作部、3b…表示部、3c…ドライブ装置、4…PC、4a…入力ボード、6…メモリカードスロット、11…入出力装置、14…無線モジュール、15…カード記憶部、16…挿抜エミュレート回路、17…CPU、18…ROM、19…RAM、22…入出力装置、23…無線モジュール、26…HDD、28…CPU、29…ROM、31…RAM、34…領域、36,38…カード部、40…切替信号、41…タイマ回路、42…アナログスイッチ、43…コネクタ端子、44…検出信号線、45…接地信号線、51…周辺処理システム、53…外部装置、53a…入力操作部、53b…表示部、53c…ドライブ装置、54…外部装置、55…携帯電話、56、72、82…メモリカードスロット、61…周辺処理システム、70…デジタルカメラ、73…ROM、74…カード、80…ビデオカメラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、
前記接続装置は、
前記挿着部に挿着可能な前記周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置及び前記接続通信部が送受信する前記データを記憶可能な接続データ記憶部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部と前記接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、
前記外部装置は、
前記接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備え、
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記外部データ記憶部を、前記周辺処理システムの記憶部として動作し、
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できない場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作することを特徴とする周辺処理システム。
【請求項2】
前記接続データ記憶部は、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記接続入出力装置の通信速度と前記接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【請求項3】
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作した後、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【請求項4】
前記接続装置は、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に入力される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の周辺処理システム。
【請求項5】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の周辺処理システム。
【請求項6】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【請求項7】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の周辺処理システム。
【請求項8】
前記周辺処理システムは複数の前記外部装置を備え、一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の周辺処理システム。
【請求項9】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、各前記領域毎に付与されていることを特徴とする、請求項7に記載の周辺処理システム。
【請求項10】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各前記外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする、請求項8に記載の周辺処理システム。
【請求項11】
前記外部装置に、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の周辺処理システム。
【請求項12】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域又は前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項11に記載の周辺処理システム。
【請求項13】
使用する前記領域又は前記外部データ記憶部に付与された前記識別情報及び前記仕様情報は、前記接続装置に送信されて、前記接続装置内に記憶されていることを特徴とする、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の周辺処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の周辺処理システムを構成する接続装置であって、
前記挿着部に挿着可能な周辺機器の前記入出力装置と互換性を有する前記接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、前記外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置及び前記接続通信部が送受信する前記データを記憶可能な接続データ記憶部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部と前記接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記外部データ記憶部を、前記周辺処理システムの記憶部として動作し、
前記接続通信部と前記外部装置との間の通信が正常に実行できない場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの記憶部として動作することを特徴とする接続装置。
【請求項15】
前記接続データ記憶部は、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記接続入出力装置の通信速度と前記接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることを特徴とする、請求項14に記載の接続装置。
【請求項16】
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作した後、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に送信することを特徴とする、請求項14に記載の接続装置。
【請求項17】
前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に送信される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項14乃至16の何れか1項に記載の接続装置。
【請求項18】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項14乃至17の何れか1項に記載の接続装置。
【請求項19】
請求項1に記載の周辺処理システムを構成する外部装置であって、
前記接続装置との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする外部装置。
【請求項20】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項19に記載の外部装置。
【請求項21】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項20に記載の外部装置。
【請求項22】
前記周辺処理システムは複数の前記外部装置を備え、一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項20に記載の外部装置。
【請求項23】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、各前記領域毎に付与されていることを特徴とする、請求項21に記載の外部装置。
【請求項24】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各前記外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする、請求項22に記載の外部装置。
【請求項25】
前記外部装置に、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項23又は24に記載の外部装置。
【請求項26】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域又は前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項25に記載の外部装置。
【請求項27】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップと、
前記接続装置が、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、前記接続装置が有する接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記指令情報の処理を実行するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、受信した前記指令情報を、前記接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、
一時的に記憶した前記指令情報を、順次、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、
前記外部装置が前記指令情報を受信するステップと、
受信した前記指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、
前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から前記接続装置に応答を送信するステップと、
前記接続装置から前記情報処理装置に応答を送信するステップと、を有する、ことを特徴とする処理方法。
【請求項28】
前記接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記指令情報の処理を実行するステップを実行し、前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップを再度実行し、通信が実行可能であると判定された場合には、
前記接続データ記憶部を前記データ記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に送信するステップをさらに有することを特徴とする、請求項27に記載の処理方法。
【請求項29】
前記外部データ記憶部を複数の領域に分割し、前記領域を判別するための識別情報、及び前記領域の仕様を示す仕様情報を、各前記領域毎に付与するステップと、
指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする使用領域として指定された前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記外部装置内に記憶するステップと、
前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置に送信して、前記接続装置内に記憶するステップと、
前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置内に記憶するのに伴ない、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に送信される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することを特徴とする、請求項27に記載の処理方法。
【請求項30】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを、前記接続装置のコンピュータが判定するステップと、
前記接続装置のコンピュータが、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記接続装置のコンピュータが前記指令情報の処理を実行するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、前記接続装置のコンピュータが受信した前記指令情報を、前記接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、
一時的に記憶した前記指令情報を、前記接続装置のコンピュータが、順次、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、
前記指令情報に従って、指示された処理を実行し、前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、
前記情報処理装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項31】
請求項30に記載のプログラムであって、
前記接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記指令情報の処理を実行するステップをコンピュータが実行し、前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップをコンピュータが再度実行し、通信が実行可能であると判定した場合には、
前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に、コンピュータが送信させるステップを、さらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
情報処理装置に設けられた周辺機器接続用の挿着部に着脱自在に挿着されて、前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、当該データを処理する外部装置とを備える周辺処理システムであって、
前記接続装置は、
前記挿着部に挿着可能な前記周辺機器の入出力装置と互換性を有する接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置及び前記接続通信部が送受信する前記データを記憶可能な接続データ記憶部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部と前記接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、
前記外部装置は、
前記接続通信部との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備え、
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記外部データ記憶部を、前記周辺処理システムの記憶部として動作し、
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できない場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作することを特徴とする周辺処理システム。
【請求項2】
前記接続データ記憶部は、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記接続入出力装置の通信速度と前記接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【請求項3】
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作した後、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【請求項4】
前記接続装置は、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に入力される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の周辺処理システム。
【請求項5】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の周辺処理システム。
【請求項6】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の周辺処理システム。
【請求項7】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の周辺処理システム。
【請求項8】
前記周辺処理システムは複数の前記外部装置を備え、一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の周辺処理システム。
【請求項9】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、各前記領域毎に付与されていることを特徴とする、請求項7に記載の周辺処理システム。
【請求項10】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各前記外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする、請求項8に記載の周辺処理システム。
【請求項11】
前記外部装置に、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の周辺処理システム。
【請求項12】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域又は前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項11に記載の周辺処理システム。
【請求項13】
使用する前記領域又は前記外部データ記憶部に付与された前記識別情報及び前記仕様情報は、前記接続装置に送信されて、前記接続装置内に記憶されていることを特徴とする、請求項9乃至12のいずれか1項に記載の周辺処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の周辺処理システムを構成する接続装置であって、
前記挿着部に挿着可能な周辺機器の前記入出力装置と互換性を有する前記接続入出力装置と、
前記情報処理装置と前記接続装置との間で、前記接続入出力装置を介して授受される前記データを、前記外部装置との間で送受信する接続通信部と、
前記接続入出力装置及び前記接続通信部が送受信する前記データを記憶可能な接続データ記憶部と、
前記接続入出力装置と前記接続通信部と前記接続データ記憶部とを制御する接続制御部と、を備え、
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記外部データ記憶部を、前記周辺処理システムの記憶部として動作し、
前記接続通信部と前記外部装置との間の通信が正常に実行できない場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの記憶部として動作することを特徴とする接続装置。
【請求項15】
前記接続データ記憶部は、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できる場合には、前記接続入出力装置の通信速度と前記接続通信部の通信速度との差を補完するためのキャッシュメモリとして使用されることを特徴とする、請求項14に記載の接続装置。
【請求項16】
前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できないことから、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作した後、前記接続通信部と前記外部通信部との間の通信が正常に実行できるようになった場合には、前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に送信することを特徴とする、請求項14に記載の接続装置。
【請求項17】
前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に送信される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施する仮想脱着部をさらに備えることを特徴とする、請求項14乃至16の何れか1項に記載の接続装置。
【請求項18】
前記周辺機器は、メモリカードであり、前記挿着部は、メモリカードスロットであることを特徴とする、請求項14乃至17の何れか1項に記載の接続装置。
【請求項19】
請求項1に記載の周辺処理システムを構成する外部装置であって、
前記接続装置との間でデータの送受信を行う外部通信部と、
前記周辺機器が有するデータ記憶部の記憶容量より大きな記憶容量を有し、前記外部通信部が受信した前記データを記憶する外部データ記憶部と、
前記外部通信部と前記外部データ記憶部とを制御する装置制御部と、を備えることを特徴とする外部装置。
【請求項20】
前記外部通信部と、前記周辺処理システムの記憶部と、前記外部装置制御部とから成る構成要素グループを複数備えており、前記複数の構成要素グループの中の一つが選択されて前記周辺処理システムが機能するための構成要素として使用されることを特徴とする、請求項19に記載の外部装置。
【請求項21】
前記外部データ記憶部は複数の領域に分割されており、複数の前記領域の中の一つの前記領域が前記周辺処理システムの前記記憶部として使用され、前記記憶部として使用される前記領域と、当該領域を有する前記外部装置に備えられた前記外部通信部及び前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項20に記載の外部装置。
【請求項22】
前記周辺処理システムは複数の前記外部装置を備え、一つの前記外部装置に備えられた前記外部通信部と、前記外部データ記憶部と、前記外部装置制御部とで、前記構成要素グループが形成されていることを特徴とする、請求項20に記載の外部装置。
【請求項23】
前記領域には、前記領域を判別するための識別情報及び前記領域の仕様を示す仕様情報が、各前記領域毎に付与されていることを特徴とする、請求項21に記載の外部装置。
【請求項24】
前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部には、前記外部データ記憶部を判別するための識別情報及び前記外部データ記憶部の仕様を示す仕様情報が、各前記外部データ記憶部毎に付与されていることを特徴とする、請求項22に記載の外部装置。
【請求項25】
前記外部装置に、前記データと前記識別情報と前記仕様情報とを入力可能な外部入力装置をさらに備えることを特徴とする、請求項23又は24に記載の外部装置。
【請求項26】
前記外部入力装置は、前記外部入力装置を操作することで、前記複数の領域又は前記複数の前記外部装置のそれぞれに備えられた前記外部データ記憶部の中から、前記周辺処理システムの前記記憶部として使用する前記領域又は前記外部データ記憶部を選択する機能をさらに有することを特徴とする、請求項25に記載の外部装置。
【請求項27】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップと、
前記接続装置が、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、前記接続装置が有する接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記指令情報の処理を実行するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、受信した前記指令情報を、前記接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、
一時的に記憶した前記指令情報を、順次、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、
前記外部装置が前記指令情報を受信するステップと、
受信した前記指令情報に従って指示された処理を実行するステップと、
前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から前記接続装置に応答を送信するステップと、
前記接続装置から前記情報処理装置に応答を送信するステップと、を有する、ことを特徴とする処理方法。
【請求項28】
前記接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記指令情報の処理を実行するステップを実行し、前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップを再度実行し、通信が実行可能であると判定された場合には、
前記接続データ記憶部を前記データ記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に送信するステップをさらに有することを特徴とする、請求項27に記載の処理方法。
【請求項29】
前記外部データ記憶部を複数の領域に分割し、前記領域を判別するための識別情報、及び前記領域の仕様を示す仕様情報を、各前記領域毎に付与するステップと、
指示された処理を実行するステップにおいてアクセスする使用領域として指定された前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記外部装置内に記憶するステップと、
前記領域に付与された前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置に送信して、前記接続装置内に記憶するステップと、
前記識別情報及び前記仕様情報を、前記接続装置内に記憶するのに伴ない、前記周辺機器が前記挿着部に対して脱着されるときに前記周辺機器から前記情報処理装置に送信される信号を前記情報処理装置に送信することで、前記接続装置の前記挿着部に対する脱着を仮想的に実施するステップと、をさらに有することを特徴とする、請求項27に記載の処理方法。
【請求項30】
情報処理装置に設けられた周辺機器を接続するための挿着部に挿着されて前記情報処理装置とデータの授受を行う接続装置と、外部データ記憶部を備えた外部装置との通信が実行可能であるか否かを、前記接続装置のコンピュータが判定するステップと、
前記接続装置のコンピュータが、データ及び前記情報処理装置からの指令の少なくとも一つからなる指令情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行不可能であると判定された場合には、接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記接続装置のコンピュータが前記指令情報の処理を実行するステップと、
前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップにおいて、通信が実行可能であると判定された場合には、前記接続装置のコンピュータが受信した前記指令情報を、前記接続データ記憶部に一時的に記憶するステップと、
一時的に記憶した前記指令情報を、前記接続装置のコンピュータが、順次、前記接続装置から外部データ記憶部を備えた外部装置に送信するステップと、
前記指令情報に従って、指示された処理を実行し、前記指示された前記処理が、応答が必要な前記処理の場合には、前記外部装置から送信されてくる応答をコンピュータが受信するステップと、
前記情報処理装置に前記応答をコンピュータが送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項31】
請求項30に記載のプログラムであって、
前記接続データ記憶部をデータ記憶部として使用して、前記指令情報の処理を実行するステップをコンピュータが実行し、前記接続装置と、前記外部装置との通信が実行可能であるか否かを判定するステップをコンピュータが再度実行し、通信が実行可能であると判定した場合には、
前記接続データ記憶部を、前記周辺処理システムの前記記憶部として動作している間に前記接続データ記憶部に記憶された前記データを、前記接続データ記憶部から前記外部装置に、コンピュータが送信させるステップを、さらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−146640(P2006−146640A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336987(P2004−336987)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.COMPACTFLASH
3.Linux
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.COMPACTFLASH
3.Linux
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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