説明

呼び出しシステム

【課題】 安否を確認する場合に、安否の確認のアナウンスを行ったり入浴者に対してアナウンスに応答させたりせずに入浴者が放水装置を使用していることと使用していないこととを明確に区別して報知できる。
【解決手段】 放水装置1から放水される水を調整する操作を行うための操作装置2を備え、操作装置2が操作されて放水される水の量が適切な量となった時点から計測した時間が第一の所定時間に達するまでに操作装置2が操作されなかった場合に放水装置1から不適切な量の水を放水する。そして、計測した時間が第二の所定時間に達するまでに操作装置2が操作されなかった場合に報知装置6を動作させる。これにより、入浴者が放水装置1を使用し続けるには放水量を調整しなければならないので、安否の確認のアナウンスが行われなくても入浴者に安否を確認でき、不適切な量の水が放水されたままであるときには入浴者に異常が生じていることになり報知が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や介護施設などに設けられている浴室内で入浴者の異常を検出して医療従事者や介護者、同居人、管理人などを呼び出す呼び出しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院や介護施設などの施設の浴室内に設置されているカランやシャワーなどの放水装置を使用している入浴者が意識を失ったり倒れたりすると、入浴者がそのままの状態で放置されてしまうことがあった。
【0003】
そのため、入浴者が入浴中にカランやシャワーなどで湯が使われる時間が所定時間を超えたり、入浴者が入浴中にカランやシャワーなどで湯が使われない時間が所定時間を超えたりした場合に報知を行う技術が知られている(例えば、特許文献1など)。しかしながら、この特許文献1に記載の技術では、入浴者が単にカランやシャワーを所定時間以上使用しただけでも報知が行われ、誤報が発生してしまうという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、入浴者が入浴中にカランやシャワーなどの放水装置で水または湯が使われている時間が所定時間を超えた時点で、入浴者に対して安否を確認するアナウンスを行うことが考えられる。この安否の確認のアナウンスに対して入浴者が応答すれば、入浴者が意識を失ったり倒れたりせずに、放水装置が所定時間以上使われているだけであるので、報知が行われない。一方、この安否の確認のアナウンスに対して入浴者が応答しなければ、入浴者が意識を失ったり倒れたりして、放水装置が所定時間以上使われていることになるので、報知が行われる。
【0005】
ところで、水または湯の供給開始から停止までの時間を予め設定しておき、水または湯の供給を開始すると、タイマーによるカウントを行い、カウントした時間が予め設定しておいた時間に達すると、蛇口からの水または湯の供給を自動的に停止する技術が知られている(例えば、特許文献2など)。
【0006】
このような、特許文献2に記載の技術を前述の従来技術に適用すると、水または湯が使われている時間が所定時間に達した時点で水または湯の使用を自動的に停止し、入浴者が再び水または湯を使用するための操作を行うことで安否の確認を行うことが考えられる。これにより、安否の確認を行うためのアナウンスを行ったり、入浴者が安否の確認のアナウンスにわざわざ応答したりする必要がなくなる。しかしながら、この従来技術では、入浴者が意識を失ったり倒れたりして、入浴者が再び水または湯を使用するための操作を行うことができなくなった場合だけでなく、水または湯が使われている時間が所定時間に達した時点で水または湯の使用を自動的に停止したタイミングが入浴者にとって水または湯を使用しなくなるタイミングと一致した場合でも、報知が行われるため誤報が発生してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−227653号公報
【特許文献2】特開2008−280673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、浴室内に安否の確認のアナウンスを行ったり、浴室内の入浴者に対してアナウンスに応答させたりせずに、水または湯を放水する放水装置の使用者である入浴者の安否を確認する場合に、入浴者が放水装置を使用し続けていることと使用しなくなったこととを明確に区別して報知を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の呼び出しシステムでは、水または湯を放水する放水装置を使用する入浴者が放水装置から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第一の所定時間が経過した場合に、放水装置から不適切な量の水または湯を放水させる。そして、入浴者が放水装置から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第一の所定時間よりも長い第二の所定時間が経過しても、入浴者が放水の量を調整しなかった場合に報知を行うようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、入浴者が放水装置から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第一の所定時間が経過しても放水の量が調整されなかった場合には、放水装置から不適切な量の水または湯が放水される。これに対して、入浴者が放水装置を使用し続けるには、放水の量を調整しなければならなくなる。これにより、浴室内に安否の確認のアナウンスが行われなくても、入浴者に安否の確認を行うことができる。また、入浴者は放水の量を調整するだけで安否の確認に応答することになるため、入浴者がアナウンスにわざわざ応答する必要がなくなる。
【0011】
また、放水装置から不適切な量の水または湯が放水されている状態のまま入浴者が放水装置を使用しなくなることは、入浴者が意識を失ったり倒れたりしていない限り考えられない。そのため、入浴者が放水装置から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第二の所定時間が経過するまでに、放水の量が調整された場合には、入浴者が放水装置を使用し続けていることになる。一方、入浴者が放水装置から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第二の所定時間が経過しても放水の量が調整されなかった場合には、入浴者が意識を失ったり倒れたりしていることになり報知が行われる。従って、水または湯を放水する放水装置の使用者である入浴者の安否を確認する場合に、入浴者が放水装置を使用し続けていることと使用しなくなったこととを明確に区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態による呼び出しシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による呼び出しシステムにて行われる水または湯の量を調整するための操作および報知のタイミング示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態による呼び出しシステムの構成例を示すブロック図を図1に示す。同図に示すように、本実施形態による呼び出しシステムは、放水装置1、操作装置2、調整装置3、制御装置4、タイマー5、報知装置6を備えて構成されている。
【0014】
図1において、放水装置1は、カランやシャワーなどにより構成されており、外部から供給された水または湯を放水する。また、放水装置1にはバルブが設けられており、バルブの開閉により放水装置1から放水される水または湯の量が調整される。
【0015】
操作装置2は、放水装置1から放水される水または湯を調整するために操作されるレバーなどにより構成されており、入浴者によって使用される。また、操作装置2は、伝送線を介して制御装置4に接続されており、操作装置2が操作された度合を示す操作信号を常に生成して制御装置4へ出力する。
【0016】
例えば、放水装置1から放水される水または湯の量を減少させるように操作装置2が操作されると、操作装置2は、放水装置1のバルブを閉めて放水装置1から放水される水または湯の量を減少させる。それと同時に、操作装置2は操作信号の操作装置2が操作された度合を示す値を減少させて制御装置4へ出力する。また、放水装置1から放水される水または湯の量を減少させるように操作装置2が最大限に操作されると、操作装置2は、放水装置1のバルブを完全に閉めて放水装置1から放水される水または湯を停止させる。それと同時に、操作装置2は操作信号の操作装置2が操作された度合を示す値を0とした操作信号を制御装置4へ出力する。
【0017】
一方、放水装置1から放水される水または湯の量を増加させるように操作装置2が操作されると、操作装置2は、放水装置1のバルブを開けて放水装置1から放水される水または湯の量を増加させる。それと同時に、操作装置2は操作信号の操作装置2が操作された度合を示す値を増加させて制御装置4へ出力する。また、放水装置1から放水される水または湯を増加させるように操作装置2が最大限に操作されると、操作装置2は、放水装置1のバルブを最大限に開けて放水装置1から放水される水または湯を最大量にする。それと同時に、操作装置2は操作信号の操作装置2が操作された度合を示す値を最大値である100とした操作信号を制御装置4へ出力する。これにより、入浴者は、操作装置2を操作することで、放水装置1から放水される水または湯の量を適宜調整することができる。
【0018】
初期状態において入浴者は、操作装置2を操作して放水装置1から水または湯の放水を開始させて、操作装置2を操作して放水装置1から放水される水または湯の量を適切な量となるように調整する。調整の操作が完了すると、入浴者は操作装置2を操作しなくなる。
【0019】
調整装置3は、放水装置1のバルブを強制的に開けたり閉めたりするためのモーターなどにより構成されており、放水装置1から放水される水または湯の量が不適切な量となるように自動的に調整する。また、調整装置3は、伝送線を介して制御装置4に接続されており、制御装置4から後述する調整信号を入力すると、放水装置1のバルブを閉めて放水装置1から放水される水または湯の量を半分程度に減らす。ここで、不適切な量とは、放水装置1から放水されている水または湯の量を入浴者が適切ではないと感じることができる程度に、放水される水または湯の量を増やしたり減らしたりしたものである。なお、本実施形態では、調整装置3は、放水装置1から放水される水または湯の量を適切な量の半分程度に減らしている。
【0020】
制御装置4は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成されており、入浴者を監視する監視者(例えば、医療従事者や介護者、同居人、管理人など)が居る場所に設置されている。タイマー5は、時間を計測するためのものであり、制御装置4によって時間の計測を開始したり、時間の計測を停止したりする。報知装置6は、入浴者に異常が生じていることを報知するためのものであり、スピーカーや表示灯、表示装置などにより構成されている。制御装置4から報知信号を入力すると、報知装置6は、スピーカーから報知音を鳴らしたり、表示灯を点灯/点滅させたり、表示装置にメッセージを表示したりして、入浴者に異常が生じていることを報知する。ここで、報知装置6は、入浴者を監視する監視者が居る場所に設置されている。
【0021】
制御装置4は、入力した操作信号に含まれる操作装置2が操作された度合を示す値を常に監視し、その値に変化が生じたか否かを判定する。その値に変化が生じたと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4はタイマー5を動作させて、タイマー5が計測した時間が一定の時間に達するまでその値に変化が生じなかったか否かを判定する。その値に変化が生じなかったと制御装置4にて判断した場合に、放水装置1から放水される水または湯の量が適切な量になったと見なして、制御装置4はタイマー5を再度動作させる。そして、タイマー5が計測した時間が予め設定しておいた第一の所定時間に達するまでに、操作装置2が操作された度合を示す値に変化が生じたか否かを制御装置4にて判定する。
【0022】
タイマー5が計測した時間が第一の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じたと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4はタイマー5が計測していた時間をリセットさせる。ここで、第一の所定時間とは、入浴者に安否の確認を行うまでの時間であり、例えば5〜10分程度となる。また、タイマー5がリセットされるケースは、入浴者が操作装置2を操作して放水装置1から放水される水または湯の量を調整しているため、安否の確認を行うタイミングを遅らせることを意味する。
【0023】
一方、タイマー5が計測した時間が第一の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じなかったと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4は、調整信号を生成して調整装置3へ出力するとともに、タイマー5が計測した時間が予め設定しておいた第二の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じたか否かを判定する。タイマー5が計測した時間が第二の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じたと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4はタイマー5が計測していた時間をリセットさせる。
【0024】
ここで、第二の所定時間とは、第一の所定時間よりも長い時間であり、その差にあたる時間内に安否の確認に対する応答が行われたか否かを判定するための時間であり、例えば15〜20分程度となる。また、タイマー5がリセットされるケースは、放水装置1から放水される水または湯の量が不適切な量であることを感じた入浴者が操作装置2を操作して放水装置1から放水される水または湯の量を調整したため、安否の確認を行うタイミングを遅らせることを意味する。
【0025】
一方、タイマー5が計測した時間が第二の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じなかったと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4は、報知信号を生成して報知装置6へ出力するとともに、タイマー5の動作を停止させる。報知装置6は、入浴者に異常が生じていることを報知する。
【0026】
また、操作装置2が操作された度合を示す値が0になったと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4は、本実施形態による呼び出しシステムの動作を停止させる。これは、入浴者が放水装置1からの放水を停止させたことを意味する。
【0027】
図2は、本実施形態による呼び出しシステムにて行われる水または湯の量を調整するための操作および報知のタイミングを示す図である。まず、入浴者に異常が生じていない場合について説明する。図2(a)に示すように、初期状態において入浴者は、操作装置2を操作して放水装置1から水または湯の放水を開始させて、操作装置2を操作して放水装置1から放水される水または湯の量を適切な量となるように調整する。操作装置2は、操作装置2が操作された度合を示す値を含む操作信号を制御装置4へ出力する。
【0028】
その値を入力した制御装置4では、その値に変化が生じたためタイマー5を動作させる(図2(a)の時間t0を参照)。その後、タイマー5が計測した時間が一定の時間(図2(a)の時間tsを参照)に達するまでその値に変化が生じないため、制御装置4はタイマー5を再度動作させる。
【0029】
その状態で、タイマー5が計測した時間が第一の所定時間に達するまでその値に変化が生じないため、制御装置4は調整信号を生成して調整装置3へ出力する。制御装置4から出力された調整信号を入力した調整装置3は、放水装置1のバルブを閉めて放水装置1から放水される水または湯の量を半分程度に減らす(図2(a)の時間t1を参照)。
【0030】
放水装置1から放水される水または湯の量が不適切な量であることを感じた入浴者は操作装置2を操作して、放水装置1から放水される水または湯の量を調整する。すると、操作信号を入力した制御装置4は、タイマー5が計測した時間が第二の所定時間に達するまでに、操作装置2が操作された度合を示す値に変化が生じているため、タイマー5が計測していた時間をリセットさせる。また、制御装置4は、その時点(図2(a)の時間ts’を参照)で放水装置1から放水される水または湯の量が適切な量であると見なして、タイマー5が計測した時間が第一の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じたか否かを再び判定する。
【0031】
次に、放水装置1を使用している入浴者が意識を失ったり倒れたりして入浴者に異常が生じた場合について説明する。図2(b)に示すように、初期状態において入浴者は、操作装置2を操作して放水装置1から水または湯の放水を開始させて、操作装置2を操作して放水装置1から放水される水または湯の量を適切な量となるように調整する。操作装置2は、操作装置2が操作された度合を示す値を含む操作信号を制御装置4へ出力する。
【0032】
その値を入力した制御装置4では、その値に変化が生じたためタイマー5を動作させる(図2(b)の時間t0を参照)。その後、タイマー5が計測した時間が一定の時間(図2(b)の時間tsを参照)に達するまでその値に変化が生じないため、制御装置4はタイマー5を再度動作させる。
【0033】
その状態で、タイマー5が計測した時間が第一の所定時間に達するまでその値に変化が生じないため、制御装置4は調整信号を生成して調整装置3へ出力する。制御装置4から出力された調整信号を入力した調整装置3は、放水装置1のバルブを閉めて放水装置1から放水される水または湯の量を半分程度に減らす(図2(b)の時間t1を参照)
【0034】
放水装置1から放水される水または湯の量が不適切な量となっても、意識を失ったり倒れたりしていている入浴者は操作装置2を操作することができない。そのため、制御装置4は、タイマー5が計測した時間が第二の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じなかったと判断し、報知信号を生成して報知装置6へ出力するとともに、タイマー5の動作を停止させる(図2(b)の時間t2を参照)。
【0035】
以上、詳しく説明したように、本実施形態の呼び出しシステムでは、入浴者が操作装置2を操作して、放水装置1から放水される水または湯の量が適切な量となった場合に、制御装置4はタイマー5を動作させて、タイマー5が計測した時間が予め設定しておいた第一の所定時間に達するまでに、操作装置2が操作された度合を示す値に変化が生じたか否かを判定する。タイマー5が計測した時間が第一の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じなかったと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4は、調整信号を生成して調整装置3へ出力するとともに、タイマー5が計測した時間が予め設定しておいた第二の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じたか否かを判定する。そして、タイマー5が計測した時間が第二の所定時間に達するまでに、その値に変化が生じなかったと制御装置4にて判断した場合に、制御装置4は報知装置6を動作させるようにしている。
【0036】
これにより、入浴者が放水装置1から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第一の所定時間が経過しても操作装置2が操作されて放水の量が調整されなかった場合に、放水装置1から不適切な量の水または湯が放水される。これに対して、入浴者が放水装置1を使用し続けるには、操作装置2を操作して放水の量を調整しなければならなくなる。このことから、浴室内に安否の確認のアナウンスが行われなくても、入浴者に安否の確認を行うことができる。また、入浴者は放水の量を調整するだけで安否の確認に応答することになるため、入浴者がアナウンスにわざわざ応答する必要がなくなる。
【0037】
また、放水装置1から不適切な量の水または湯が放水されている状態のまま入浴者が放水装置1を使用しなくなることは、入浴者が意識を失ったり倒れたりしていない限り考えられない。そのため、入浴者が放水装置1から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第二の所定時間が経過するまでに、操作装置2が操作されて放水の量が調整された場合には、入浴者が放水装置1を使用し続けていることになる。一方、入浴者が放水装置1から適切な量の水または湯を放水させる操作を行った時点から第二の所定時間が経過しても操作装置2が操作されずに放水の量が調整されなかった場合には、入浴者が意識を失ったり倒れたりしていることになり報知が行われる。従って、水または湯を放水する放水装置1の使用者である入浴者の安否を確認する場合に、入浴者が放水装置1を使用し続けていることと使用しなくなったこととを明確に区別することができる。
【0038】
なお、前述した実施形態では、調整装置3は、放水装置1から放水される水または湯の量を適切な量の半分程度に減らしているが、これに限定されない。例えば、調整装置3が放水装置1から放水される水または湯の量を適切な量の半分以下に減らしたり、適切な量から大幅に増やしたりするようにしても良い。
【0039】
また、前述した実施形態では、制御装置4は、タイマー5が計測した時間が一定の時間に達するまで、入力した操作信号に含まれる操作装置2が操作された度合を示す値に変化が生じなかったと判断した場合に、放水装置1から放水される水または湯の量が適切な量になったと見なしているが、これに限定されない。例えば、タイマー5が計測した時点からある程度の時間になった時点を放水装置1から放水される水または湯の量が適切な量になった時点と見なすようにしても良い。
【0040】
また、前述した実施形態では、制御装置4は、入力した操作信号に含まれる操作装置2が操作された度合を示す値の変化を監視しているが、これに限定されない。例えば、放水装置1から放水されている水または湯の量を測定し、測定した量の変化を制御装置4にて監視するようにしても良い。
【0041】
その他、呼び出しシステムの構成、処理手順、内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除するようにしても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 放水装置
2 操作装置
3 調整装置
4 制御装置
5 タイマー
6 報知装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水または湯を放水する放水装置と、
前記放水装置から水または湯を放水させる量を調整する操作を行うための操作装置と、
時間を計測するタイマーと、
前記放水装置から不適切な量の水または湯を放水させるように水または湯の量を調整する調整装置と、
前記入浴者に異常が生じていることを報知する報知装置と、
前記放水装置から適切な量の水または湯を放水させる操作が前記操作装置にて行われた場合に、前記タイマーを動作させて時間の計測を開始させ、前記タイマーが計測した時間が第一の所定時間に達したと判定した場合に、前記調整装置を動作させて、前記タイマーが計測した時間が前記第一の所定時間よりも長い第二の所定時間に達するまでに前記操作装置が操作されなかった場合に、前記報知装置を動作させる制御装置と、
を備えることを特徴とする呼び出しシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−248041(P2012−248041A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119872(P2011−119872)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】