説明

呼出者から被呼出者に向けた電話呼出管理方法およびその装置

【課題】被呼出者が常時通信を行なえる可能性を持つことができる電話呼出管理方法および装置を提供する。
【解決手段】本発明は呼出者(B)から被呼出者に向けた電話呼出管理方法に関するもので、予め決められた時間の間に電話呼出に対する被呼出者(A)の非応答が検知され、呼出者から被呼出者に向けて電話呼出を継続している間に、呼出者に宛てた少なくとも1つの伝言を転送するために、呼出者と非応答サーバ(130)間の通信が確立され、呼出者から電話呼出に対する被呼出者(A)の応答を検知し、電話呼出に対する被呼出者の応答を検知すると、呼出者と非応答サーバ間の通信が中断されると共に、呼出者と被呼出者間の通信が確立される。本発明は関連した装置にも関わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被呼出者が非応答状態にある呼出者から被呼出者に向けた電話呼出管理の方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加入者がある一定時間呼出に応答しない場合に、伝言録サーバに向けて電話呼出が転送されるよう加入者に提示するサービスが知られている。
【0003】
加入者は、呼出が伝言録サーバへ再転送されるまでに、受話器を通じて発生する合図音の数の選択が可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのサービスは、確かに実用的であるが、電話の利用者が置かれる状況のすべてには適切に対応していない。実際、このサービスの加入者が受話器の近くにいる状況にあるにもかかわらず、呼出が伝言録のサーバに向けて再転送されるまでに、呼出に出ることが出来ないことがしばしば起こる。この点は、呼出者がこのサービスの加入者に重要な情報を知らせなくてはならない場合には特に不便である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出管理方法を提示して、前掲の欠点を解決することを目的とし、本方法に次掲の各ステップが含まれることを特徴とする。
【0006】
すなわち、
‐予め決められた時刻の間の電話呼出に対する被呼出者の非応答を検知し、
‐呼出者に宛てた少なくとも1つの伝言を転送すると共に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を維持するために、呼出者と非応答サーバ間で通信を確立し、
‐呼出者からの電話呼出に対する被呼出者の応答を検知し、
電話呼出に対して被呼出者の応答が検知される場合に、
‐呼出者と非応答サーバ間の通信を遮断し、
‐呼出者と被呼出者間の通信を確立すること、である。
【0007】
これに関連して、本発明により呼出者から被呼出者に向けた電話呼出に関して次のものが含まれる管理装置を提案する。すなわち、この管理装置は、
‐予め決められた時刻の間の電話呼出に対する被呼出者の非応答を検知する手段と、
‐呼出者に宛てた少なくとも1つの伝言の転送を転送すると共に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を維持するために、呼出者と非応答サーバ間で通信を確立する手段と、
‐呼出者からの電話呼出に対する被呼出者の応答を検知する手段と、
‐電話呼出に対して被呼出者の応答が検知される場合に、呼出者と非応答サーバ間の通信を遮断する手段と、
‐呼出者と被呼出者間の通信を確立する手段と、を備えている。
【0008】
こうして、呼出者と非応答サーバ間で通信が確立される時、被呼出者への呼出が継続されることで、被呼出者は常時通信を行なえる可能性を持つことができる。
【0009】
本発明の別の態様によると、前記伝言は、呼出者に呼出を与え続ける、および/または、被呼出者の伝言録に伝言を残す、および/または、被呼出者に対し自動再呼出を行なう、および/または、別の電話端末に向けて電話呼出を転送するための、呼出者を勧誘するマルチメディアメッセージである。
【0010】
このように、呼出者は、呼出の重要性あるいはその緊急性に応じて、呼出の継続あるいはその他の操作を行なうことが可能である。
【0011】
本発明の別の態様によると、前記伝言は呼出者の身元、および/または、呼出しが行われる日付および/または時間、および/または、被呼出者が加入するサービスに合わせて適切に対応される。
【0012】
このようにして、被呼出者は電話に応答しない時に転送された伝言を個人のものとすることができ、またそうした伝言を電話呼出時間に適切に合わせることができる。
【0013】
本発明の別の態様によると、前記非応答サーバが前記伝言に対する呼出者による応答を検知する。
【0014】
本発明の別の態様によれば、前記呼出者による応答が、呼出者に呼出を与え続けることの承諾を示す場合には、呼出者と非応答サーバ間の通信は中断される。
【0015】
こうして、呼出者は呼出の継続が可能である。
【0016】
本発明の別の態様によると、前記呼出者による応答が、被呼出者の伝言録に伝言を残すことの受諾を示す場合には、呼出者と非応答サーバとの間の通信が中断されると同時に、呼出者と、被呼出者が関連付けされた伝言サーバとしての別な非応答サーバとの間で、通信が確立される。
【0017】
このように、呼出者は被呼出者の呼出と平行して、被呼出者の音声伝言録に伝言を残すことができる。
【0018】
本発明はまた、情報媒体に記憶されるコンピュータプログラムにも関係し、前記プログラムは、一乃至複数の情報機器装置にロードされ、その装置によって実行されると、前述した方法を実施するための実行指令が含まれる。
【0019】
上記の本発明の特徴は、他と同様に、実施例に関する添付図面と関連してなされる以降の説明を読むことにより、さらに明確になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明に基づいて、被呼出者が非応答の場合に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を管理可能にする電話通信装置を示している。
【0021】
図1の電話通信装置は、二者の利用者Aおよび利用者B間の通話の確立を可能とする電話通信装置である。通話は、IP180網ならびに呼出管理設備110a,110bを介して二者間で確立される。このタイプのネットワークは「次世代網」の頭文字を取ったNGN網の名で知られている。二者の利用者AおよびBだけが図1には示される。勿論、さらに多数の利用者がこの電話通信装置に接続される。
【0022】
呼出管理設備110は、例えばITU H.323の標準に合致する門番(あるいは英語で「ゲートキーパー」)である。呼出管理設備110aは、図1に示されない他の利用者端末と同様に、利用者BのH.323端末群を管理する。呼出管理設備110bは、図1には示されない他の利用者端末と同様に、利用者AのH.323端末群を管理する。
【0023】
利用者Bすなわち呼出者が、別の利用者例えば利用者Aすなわち被呼出者Aと通話を確立しようとする時、利用者Bは呼出管理設備110aに受諾のための要求を発信すると同時に、利用者Aの例えばE.164の識別子あるいは電子メールアドレスなどの識別子を知らせる。呼出管理設備110aは呼出が許可されるかどうかを決定し、それが肯定(許可される)の場合には、利用者AへのH.323端末のIPアドレスを返す。呼出管理設備110aは、利用者Aが関連付けられている呼出管理装置110bに向けた接続要求を出した後、この要求を被呼出者AのH.323端末に転送する。この要求を受信すると、被呼出者AのH.323端末は、次に、例えば合図音のような利用者Aに向けた呼出信号を出すと同時に、その後、呼出管理設備110によって、その呼出信号を示す伝言を呼出者BのH.323端末へ転送する。
【0024】
被呼出者Aが通話を行なうと、次に、オフフックを示す伝言が被呼出者AのH.323端末により呼出管理設備110を介して呼出者BのH.323端末に転送される。これを受けて、被呼出者BのH.323端末は、呼出管理設備110を介して呼出者Aの端末H.323に肯定応答(アクノレッジメント)の伝言を転送する。通話はその後、二利用者AおよびB間で確立される。
【0025】
本発明によると、被呼出者Aの呼出管理設備110bは接続要求を受信すると待機を開始する。この待機は、被呼出者AのH.323端末により転送されたオフフックを示す伝言を受信すると解除される。オフフックを示す伝言がこの待機中に受信されない場合には、被呼出者Aの呼出管理設備110bが接続のための要求を非応答管理サーバ130に出す。呼出管理設備110bは、非応答管理サーバ130からの肯定応答を受信すると、非応答セッションの確立を示す伝言を呼出者Bの端末に出す。この伝言が呼出者BのH.323端末により確認される時には、この端末が非応答管理サーバ130と接続中である。非応答管理サーバ130は、本発明によると、図2についてさらに詳細にこの点が明らかにされるように、その呼出を継続したり、あるいは他の端末若しくは伝言録(メッセージング)サーバ140のような別の非応答サーバに向けて呼出を変更したりするために、呼出者Bを勧誘するオーディオおよび/またはテキストの伝言のようなマルチメディアメッセージを呼出者Bへ転送することができる。伝言録サーバ140は、被呼出者Aに対し意図された音声伝言を記憶することができる。ここでは、呼出者Bが非応答管理サーバ130と通信中である限り、被呼出者AのH.323端末が利用者Aに呼出信号を出し続けることが注目すべき点である。
【0026】
ここでの変形例として、呼出者の呼出管理設備110であれ、前例による呼出管理設備110aであれ、その何れかが被呼出者の呼出管理設備110bに代って、図2で説明されるものと同様な方法で、待機の開始と、非応答管理サーバ130に向けた呼出者Bの変更のステップを実行する点もまた注目すべきである。
【0027】
ここで図1は、H.323標準が利用されるネットワークに基づく装置を示している点に注目すべきである。勿論、例えばIETFにより提示されたSIPプロトコルといった別のプロトコルの利用もまた可能である。SIPは「セッション・イニシエーション・プロトコル」の頭文字をとったものである。この場合、呼出管理設備110bはSIPプロキシサーバに含まれる。
【0028】
同様に、本発明はアナログ型および/またはデジタル型の電話網に基づいた別の実施形態に位置づけられ得る。この形態の実施例では、呼出管理設備110bは被呼出者Aに対する電話サービスの提供を可能にする交換機に含まれる。この交換機は、呼出者Bを非応答管理サーバさらには伝言録サーバ140と通話させるのに適する。
【0029】
図2は、本発明に基づいて、被呼出者が非応答の場合に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を管理するアルゴリズムを示している。
【0030】
ステップE200は、呼出管理設備110bを通じて、利用者Bによると同時に利用者Aに宛てた電話呼出の検知からなる。
【0031】
本発明がH.323標準を利用するネットワークに基づいている場合、利用者Bは呼出管理設備110aに承諾要求を発信すると同時に利用者Aの識別子をこれに知らせる。呼出管理設備110aは利用者Aと関連付けた呼出管理設備110bに宛てて接続要求を出した後、呼出管理設備110bが被呼出者AのH.323端末にこの要求を転送する。
【0032】
本発明がアナログの電話網に基づいている場合、呼出者Bは被呼出者Aの電話番号を廻し、呼出者Bが接続される交換機が、被呼出者Aが接続される交換機と接続を確立する。
【0033】
次のステップE201は、利用者Aの呼出信号を出すことにある。
【0034】
本発明がH.323標準が利用されるネットワークに基づいている場合、利用者AのH.323端末は、前記接続要求を受信すると、例えば合図音といった利用者Aの呼出信号を出してから、呼出管理設備110を介して呼出信号を示す伝言を呼出者Bの端末H.323に転送する。
【0035】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合、利用者Aが接続されると共に、本発明と同じような呼出管理設備110bが含まれる交換機が、利用者Aの端末に向けて呼出信号を出し、この端末が呼出信号を受信すると、利用者Aに合図音のような呼出信号を出す。
【0036】
ステップE202では、呼出管理設備110bが呼出者Bの識別子を記憶する。この識別子は、本発明がアナログ電話網内で実施される時には呼出者Bの電話番号であり。また本発明がH.323型のネットワーク内で実施される時には呼出者BのアドレスIPである。
【0037】
ステップE203において、呼出管理設備110bはT1と記される待機を開始する。
【0038】
ステップE204においては、呼出管理設備110bは被呼出者Aが通信を行なったかどうかを確認する。
【0039】
本発明がH.323標準を利用するネットワークに基づいている場合、呼出管理設備110bはオフフックを示す伝言が被呼出者AのH.323端末により転送されていたかどうかを確認する。
【0040】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合、利用者Aが接続されると共に、呼出管理設備110bが含まれる交換機が、被呼出者Aの端末との電流ループの確立を検知する。
【0041】
被呼出者Aが通話を行なっていれば、アルゴリズムは被呼出者Aの呼出信号の停止からなる次のステップE205に移る。
【0042】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合、被呼出者Aが接続される交換機が呼出信号の停止を要求する。
【0043】
本発明がH.323標準を利用するネットワークに基づいている場合には、被呼出AのH.323端末が呼出信号の停止を要求する。
【0044】
この操作が実行されると、利用者AおよびBはステップE206で接続され、それにより通話が利用者AおよびBとの間に確立され、本発明によるアルゴリズムは停止されると同時に新たな電話呼出を持つ。
【0045】
被呼出者Aが通話を行なっていない場合、呼出管理設備110aはステップE203で開始された時間待機T1が終わったかどうかを確認する。
【0046】
もし終わってなければ、待機T1が終わらない限りステップE204およびステップE207が繰り返される。
【0047】
被呼出者Aが通話を開始する前に、この待機が終わってしまった場合には、呼出管理設備110aはステップE208に移る。
【0048】
ステップE208は呼出者Bに宛ててマルチメディアメッセージを出すことからなる。
【0049】
本発明がH.323標準を利用するネットワークに基づいている場合、被呼出者Aの呼出管理設備110bは非応答管理サーバ130に接続のための要求を出す。非応答管理サーバ130から肯定応答の伝言を受信すると、被呼出者Aの呼出管理設備110bは、呼出者Bの端末に非応答のセッション、つまり呼出者Bから被呼出者Aに向けた呼出と平行して確立されるセッションを示す伝言を出す。この伝言が呼出者BのH.323端末により確認される場合、この呼出者BのH.323端末は被呼出者Aに向けた呼出と平行して、非応答管理サーバ130と接続される。
【0050】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合、被呼出者Aが連結される交換機は、利用者Aに向けた呼出と平行して利用者Bと非応答管理サーバ130間の通信を確立する。
【0051】
ここで本発明によると、本発明がアナログ電話網に基づいている場合、被呼出者Aが接続される交換機が呼出信号を出し続けて接続される点に注目すべきである。本発明がH.323標準を採用するネットワークに基づいている場合には、被呼出者AのH.323端末が呼出信号を出し続ける。
【0052】
非応答管理サーバ130は、本発明によると、少なくとも1つのオーディオおよび/またはテキストのマルチメディアメッセージを呼出者Bに転送することができる。
【0053】
非応答管理サーバ130は、一連の提示の中から選択を行なわせるように呼出者Bを誘うマルチメディアメッセージを、呼出者Bに出す。これらの提示は、非限定的に例をあげると、被呼出者Aからの呼出を与え続ける、被呼出者Aの伝言録に伝言を残す、被呼出者Aに対し自動再呼出を行なう、呼出が例えば被呼出者Aあるいは被呼出者Aの秘書の携帯電話といった別の端末に転送される、或いは別なオプションにアクセスするなどの勧誘である。
【0054】
ここでは、マルチメディアメッセージが予め決定される条件に合わせて適切に対応される点に注目すべきである。これらの予め決められる条件とは、非限定的に例を挙げると、ステップE202で得られる呼出者Bの身元、および/または、呼出を処理した日付や時間、または被呼出者Aが電話通信装置のオペレータに対して申し込む一乃至複数のサービスである。その理由は、被呼出者Aは自身のH.323端末あるいはインターネット網に接続された自身のコンピュータを介して、非応答管理サーバ130にアクセスすることで、これらの条件を定めることができるからである。
【0055】
次のステップE209において、非応答管理サーバ130は時間待機T2を作動させる。
【0056】
次のステップE210において、非応答管理サーバ130は、呼出者Bが被呼出者Aに呼出を行なわせ続ける勧誘を選択することで、ステップE208で転送したマルチメディアメッセージに応答したかどうかを確認する。呼出者Bの応答は、例えば、自身のH.323端末の予め決められたキーを押動操作することであり、これは非応答管理サーバ130へのDTMFタイプあるいはその他の信号や、非応答管理サーバ130により解釈される音声コマンドの転送を要求するものである。
【0057】
もし応答していれば、アルゴリズムは次のステップE211に移る。
【0058】
このステップで、本発明がH.323標準を採用するネットワークに基づいている場合、非応答管理サーバ130は被呼出者Aの呼出管理設備110bに非応答セッションの閉鎖を示す伝言を転送する。呼出管理設備110bは応答として、呼出者BのH323端末に前記非応答セッションの閉鎖を示す伝言を転送する。
【0059】
本発明がアナログの電話網に基づいている場合には、呼出者Bと非応答管理サーバ130間の通信は中断され、呼出者Bは再度被呼出者Aと同じく呼出手続中になる。
【0060】
次のステップE212において、被呼出者Aの呼出管理設備110bは被呼出者Aが通話を行なったどうかを確認する。
【0061】
確認はステップE204において前出で説明されたものと同様に行われるので、もはや説明しない。
【0062】
被呼出者Aが通話を行なっていれば、アルゴリズムは被呼出者Aの呼出の信号を停止することからなる次のステップE215に移る。
【0063】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合には、被呼出者Aが接続される交換機が呼出信号の停止を要求する。
【0064】
本発明がH.323標準を採用するネットワークに基づいている場合は、被呼出者Aの端末H.323が呼出信号の停止を要求する。
【0065】
この操作が行われると、利用者AおよびBがステップE216において相互通話状態におかれる。
【0066】
通信はこうして利用者AおよびB間に確立される。本発明によるアルゴリズムは停止すると同時に新たな電話呼出が待たれる。
【0067】
被呼出者Aが通話を行なっていない場合には、呼出管理設備110bはステップE212からステップE213へ移ると共に、呼出者Bが通信を中断したかどうかを確認する。
【0068】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合には、呼出者Bが接続される交換機が被呼出者Aの受話器が置かれるオフフックを検知すると共に、被呼出者Aが接続される交換機に伝言を転送する。
【0069】
本発明がH.323標準を採用するネットワークに基づいている場合には、被呼出者AのH.323端末が呼出管理装置110aに、呼出管理装置110bならびに被呼出者AのH.32端末3に転送された通信閉鎖の伝言を転送する。
【0070】
通信が呼出者Bにより中断されない限り、呼出管理装置110bはステップE212からステップE213までを実行する。
【0071】
呼出者Bが通信を中断した時には、アルゴリズムは利用者Aの呼出信号の停止からなるステップE214に移る。
【0072】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合には、被呼出者Aの受話器が接続される交換機が呼出信号の停止を要求する。
【0073】
本発明がH.323標準を採用するネットワークに基づいている場合は、被呼出者AのH.323端末が呼出信号の停止を要求する。
【0074】
ここで別の実施形態では、ステップE208で転送されたマルチメディアメッセージに応答して、呼出者Bが自身の端末H.323あるいは自身の受話器の予め決められたキーを押すことにより、あるいは音声コマンドを実行することにより、被呼出者Aへの呼出を与え続ける勧誘を選択した時に、時間待機T2は作動解除されると共に、T3で示される時間待機が非応答サーバ130により作動される点が注目されるべきである。
【0075】
この変型例によると、本発明が標準H.323を採用するネットワークに基づいている場合は、非応答管理サーバ130は被呼出者Aの呼出管理装置110bに対して、非応答セッションの閉鎖を示す伝言を転送しない。加入者Bと非応答サーバ間の非応答セッションは継続される。被呼出者Aがその端末をオフフックしないか、あるいは呼出者Bがその端末をオンフックしない限り、待機T3は作動したままであると同時に、この待機が作動を終えた時にアルゴリズムはステップE208に戻る。このステップにおいて、非応答サーバ130は呼出者Bに新たな選択を行なわせるように勧誘する新たなマルチメディアメッセージを転送する。
【0076】
ここで転送されたマルチメディアメッセージは、先に転送された伝言とは異なると同時に次の提示を含むのが好ましい。すなわち、被呼出者Aの伝言録に伝言を残す、被呼出者Aに対し自動再呼出を行なう、例えば被呼出者Aの携帯電話あるいは被呼出者Aの秘書のような他の端末に向けて呼出が転送される、或いは別なオプションにアクセスするなどである。その理由は、被呼出者Aが時間待機T3中に応答しない場合、被呼出者に向けて呼出を与えるのに呼出者を改めて勧誘する必要がないからである。
【0077】
ステップE210において、ステップE208で転送されたマルチメディアメッセージに応答して、呼出者Bが被呼出者Aへの呼出を与え続ける勧誘を選択しなかった場合に、アルゴリズムはステップE217に移る。
【0078】
このステップで、非応答管理サーバ130は被呼出者Aの伝言サーバ140にアクセスする勧誘を選択することで、呼出者BがステップE208で転送されたマルチメディアメッセージに応答したかどうかを確認する。
【0079】
呼出者Bの応答は、例えば、自身のH.323端末の予め決められたキーを押動操作することであり、これは非応答管理サーバに宛てたDTMFタイプあるいはその他の信号や、非応答管理サーバ130により解釈される音声コマンドの転送を要求するものである。
【0080】
もし応答していれば、アルゴリズムは次のステップE218に移る。
【0081】
本発明がH.323標準を採用するネットワークに基づいている場合は、非応答管理サーバ130は被呼出者Aの呼出管理装置110bに通信の閉鎖を示す伝言を転送する。非応答管理サーバ130は、さらに別の非応答サーバの識別子と、さらに正確には伝言録サーバ140の識別子からなる返送伝言を、呼出者BのH.323端末に出す。呼出者BのH.323端末は応答して、最初に呼出管理装置110によって呼出者BのH.323端末に通信閉鎖の伝言を転送し、次に呼出管理装置110によって伝言録サーバ140に接続要求の伝言を転送する。伝言録サーバ140が通信を行なうと、オフフックの受話器取上げを示す伝言が、呼出管理装置110によって呼出者BのH.323端末に転送されると共に、この伝言を確認する。呼出者Bは、次に伝言録サーバ140に被呼出者Aに宛てた音声伝言を残すことができる。
【0082】
こうして、呼出者の応答が被呼出者の伝言録に伝言を残すことの受諾を示す場合、本方法では、呼出者Bと非応答サーバ130間の通信が中断され、被呼出者に向けた呼出者の電話呼出が中断されると同時に、呼出者と被呼出者が関連付けられた伝言録サーバ140のような別の非応答サーバとの間の通信が確立される。
【0083】
本発明がアナログ電話網に基づいている場合、非応答管理サーバ130は伝言録サーバ140に通信を移行する。呼出者Bはその後、被呼出者Aに向けて伝言を残すよう勧誘される。
【0084】
ステップE219において、ステップE204に説明されるものと同様に、呼出管理装置110bは被呼出者Aが呼出者Bの電話呼出に応答するかどうかを確認する。
【0085】
被呼出者Aが呼出に応答する場合、アルゴリズムは呼出者と呼出管理装置110bが伝言録サーバ140のような非応答サーバとの間の通信が中断される次のステップE220に移る。被呼出者Aの呼出管理装置110bは、伝言録サーバ140ならびに呼出者Bの端末H.323に非応答セッションの閉鎖を示す伝言を転送する。本発明がアナログ電話網に基づいている場合、呼出者Bと伝言録サーバ140間の通信が中断されると共に、呼出者Bは再度被呼出者Aと同じく呼出手続中になる。
【0086】
ステップE221において、被呼出者Aの呼出信号は段階E205で説明されたものと同様な方法で中断され、ステップE222で被呼出者と呼出者間の通信が確立される。
【0087】
被呼出者Aが電話呼出に応答しない場合、アルゴリズムはステップE219からステップE223に移る。
【0088】
ステップE223はステップE213に説明されるものと同様に、呼出管理装置110bについて、呼出者Bが通信を中断したかどうかの確認からなる。
【0089】
通信が呼出者Bにより中断されるか、あるいは被呼出者Aが呼出に応答しない限り、呼出管理装置110bはステップE219およびステップE223を実行する。
【0090】
呼出者Bが通信を中断した時、アルゴリズムは利用者Aの呼出信号の停止からなるステップE224に移る。
【0091】
呼出者Bが、ステップE208で転送されたマルチメディアメッセージに応答して、被呼出者Aの伝言録サーバ140にアクセスする勧誘を選択しない場合、アルゴリズムはステップE225に移る。
【0092】
このステップにおいて、非応答管理サーバ130は呼出者Bが被呼出者Aの再呼出を行なわせる勧誘を選択することで、ステップE208で転送されたマルチメディアメッセージに応答したかどうかを確認する。応答は自身のH.323端末、自身の受話器、あるいは音声伝言の予め決められたキーの上を押すことである。
【0093】
もし応答していれば、アルゴリズムは予め決められた時刻、あるいは呼出者Bにより定められた時刻の終わりに、自動再呼出の手順を行なう次の段階E226に移る。
【0094】
本発明が標準H.323を採用するネットワークに基づいている場合は、非応答管理サーバ130は、通信の閉鎖を示す伝言を被呼出者Aの呼出管理装置110bに転送し、この伝言はその後、被呼出者AのH.323端末に転送される。被呼出者AのH.323端末はこの伝言を受信すると、呼出信号を中断する。非応答管理サーバ130は、呼出者Bの呼出管理装置110aに通信の閉鎖を示す伝言を転送し、この伝言はその後、呼出者BのH.323端末に転送される
呼出者Bの呼出管理装置110aが、予め決められた時間の待機ループに入り、その待機ループの終わりに、呼出者Bの端末に接続するための要求と、被呼出者Aの端末に接続するための要求を出す。
【0095】
ステップE208で転送されるマルチメディアメッセージに応答して、呼出者Bが自動再呼出を実行する勧誘を選択しなかった場合、アルゴルズムはステップE227に移る。
【0096】
このステップにおいて、被呼出者Aの呼出管理装置110bは被呼出者Aが通信を行なったかどうかを確認する。
【0097】
もし行なっていれば、アルゴリズムはステップE228に移る。呼出管理装置110bはさらに、非応答管理サーバ130に宛てた呼出者Bとの通信閉鎖を示す伝言も転送する。
【0098】
ステップE229において、被呼出者Aの呼出信号は中断される。
【0099】
ステップE230において呼出管理装置110bは、呼出管理装置110aによって呼出者Bの端末H.323に向けられた被呼出者Aにより、回線が塞がっていることを示す伝言を転送する。
【0100】
回線が塞がっていることを示す伝言が受信されると、被呼出者Aは被呼出者AのH.323端末に肯定応答の伝言を転送する。通話はその後二利用者間で確立される。
【0101】
被呼出者Aが通信を行なわない場合は、アルゴリズムはステップE227からステップE231に移ると同時に、非応答管理サーバ130がステップE209で作動される時間待機T2が終了したかどうかを確認する。もし終了していなければ、アルゴリズムは前に説明されたステップE210に戻る。もし終了していれば、アルゴリズムはステップE232に移る。
【0102】
このステップでは、呼出者Bと非応答管理サーバ130間の通信が、被呼出者Aからの呼出と同様に中断される。
【0103】
本発明がH.323標準を採用するネットワークに基づいている場合は、非応答管理サーバ130は通信の閉鎖を示す伝言を被呼出者Aの呼出管理装置110bに転送し、この伝言はその後、被呼出者AのH.323端末に転送される。非応答管理サーバ130は、通信の閉鎖を示す伝言を呼出者Bの呼出管理装置110aに転送し、この伝言はその後、呼出者Bの端末H.323に転送される。
【0104】
勿論、本発明はここに説明された実施形態に何ら限定されるものではなく、逆に当業者の範囲にある全ての変型が含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明に基づいて、被呼出者が非応答の場合に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を管理可能にする電話通信装置を示している。
【図2】本発明に基づいて、被呼出者が非応答の場合に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を管理するアルゴリズムを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐予め決められた時刻の間の電話呼出に対する被呼出者の非応答を検知し(E204)、
‐呼出者に宛てた少なくとも1つの伝言を転送すると共に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を維持するために、呼出者(B)と非応答サーバ(130,140)間で通信を確立し、
‐呼出者からの電話呼出に対する被呼出者の応答を検知し(E219,E227)、
電話呼出に対して被呼出者の応答が検知される場合に、
‐呼出者と非応答サーバ間の通信を遮断し(E220,E228)、
‐呼出者と被呼出者間の通信を確立する(E222,E230)、
以上の各ステップが含まれることを特徴とする電話通信網(180)による呼出者(B)から被呼出者(A)に向けた電話呼出管理方法。
【請求項2】
前記伝言は、呼出者に呼出を与え続ける、および/または、被呼出者の伝言録に伝言を残す、および/または、被呼出者に対し自動再呼出を行なう、および/または、別の電話端末に向けて電話呼出を転送するための、呼出者を勧誘するマルチメディアメッセージであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記伝言は、呼出者の身元、および/または、呼出しが行われる日付および/または時間、および/または、被呼出者が加入するサービスに合わせて適切に対応されることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
さらに非応答サーバ(130)によって実行され、前記伝言に対する呼出者による応答を検知するステップが含まれることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記呼出者による応答が、呼出者に呼出を与え続けることの承諾を示す場合には、さらに呼出者と非応答サーバ間の通信を中断するステップ(E211)が含まれることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記呼出者による応答が、被呼出者の伝言録に伝言を残すことの受諾(E217)を示す場合には、さらに
‐呼出者と非応答サーバ(130)間の通信を中断し(E218)、
‐呼出者と、被呼出者が関連付けされた前記伝言サーバ(140)としての別な非応答サーバとの間で、通信を確立する各ステップが含まれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
‐予め決められた時刻の間の電話呼出に対する被呼出者の非応答を検知する手段と、
‐呼出者に宛てた少なくとも1つの伝言の転送を転送すると共に、呼出者から被呼出者に向けた電話呼出を維持するために、呼出者と非応答サーバ間で通信を確立する手段と、
‐呼出者からの電話呼出に対する被呼出者の応答を検知する手段と、
‐電話呼出に対して被呼出者の応答が検知される場合に、呼出者と非応答サーバ間の通信を遮断する手段と、
‐呼出者と被呼出者間の通信を確立する手段と、
が含まれることを特徴とする呼出者から被呼出者に向けた電話呼出管理装置。
【請求項8】
前記伝言に対する呼出者による応答を検知する手段と、
前記呼出者による応答が、呼出者に呼出を与え続けることの承諾を示す場合に、呼出者と非応答サーバ間の通信を中断する手段と、が含まれることを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
呼出者と非応答サーバ間の通信を中断する手段と、
呼出者と、被呼出者が関連付けされた前記伝言サーバとしての別な非応答サーバとの間で、通信を確立する手段と、が含まれることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
記憶媒体上に記憶されたプログラム製品であって、情報機器装置により前記製品が利用されると、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の方法を実施するように適合するプログラムの実行指令が含まれることを特徴とするプログラム製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−522471(P2008−522471A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542036(P2007−542036)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002845
【国際公開番号】WO2006/058977
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】