説明

呼吸器疾患の治療のための置換ピリミド[5,4−d]ピリミジンの使用

本発明は、炎症性及び閉塞性呼吸管疾患、好ましくは喘息又はCOPDの治療におけるピリミド[5,4−d]ピリミジンの使用、及び該化合物を含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性及び閉塞性呼吸器疾患、好ましくは、喘息又はCOPDの治療のためのピリミド[5,4−d]ピリミジンの使用、及びこれらの化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症性及び閉塞性呼吸器疾患は、特に呼吸器障害を特徴とする進行性呼吸器疾患のグループに属する。これらの呼吸器障害は、通常、異なる細胞、特にはマクロファージ、好中球及びCD8Tリンパ球を含む気道の慢性的炎症に関する。
ピリミド[5,4−d]ピリミジンは、抗増殖活性を有する活性物質として従来技術で知られている。DE 1151806には、ピリミド[5,4−d]ピリミジンが冠動脈拡張薬として記載されている。EP 23559には、2−(ペルヒドロ−1,4−ジアジノ)ピリミド[5,4−d]ピリミジンが、血流へ運ばれるガン細胞の凝集についての抑制作用を有すると記載されている。EP 55444には、三置換ピリミド[5,4−d]ピリミジンが、低血圧及び強心活性を有するのに加えて、血流へ運ばれるガン細胞の凝集の抑制作用を有する化合物として記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、炎症性及び閉塞性呼吸器疾患の治療用薬剤を提供することである。本発明の更なる目的は、より少ない副作用、特には嘔吐及び吐き気により特徴付けられる炎症性及び閉塞性呼吸器疾患の治療用薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、ピリミド[5,4−d]ピリミジンが、呼吸器疾患、特に炎症性及び閉塞性呼吸器疾患を治療するのに適することを見い出した。
また、驚くべきことに、ピリミド[5,4−d]ピリミジンを使用して、呼吸器疾患の治療用薬剤を製造する場合、生じる副作用がほんの軽微なものであることを見い出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
炎症性又は閉塞性呼吸器疾患、特に好ましくはCOPD又は喘息の治療用薬剤を製造するために置換ピリミド[5,4−d]ピリミジンを使用するのが好ましい。
同時に副作用、特には嘔吐又は吐き気を低減しつつ炎症性又は閉塞性呼吸器疾患、特に好ましくはCOPD又は喘息を治療するための薬剤を製造するために置換ピリミド[5,4−d]ピリミジンを使用するのが特に好ましい。
上記呼吸器疾患の治療用薬剤を製造するために一般式1の化合物:










【0006】
【化1】

【0007】
(式中、
1及びR2は、H、又は−C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルより選ばれる基を示し、それは、場合により、アリール、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR6、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NO2、−NR4COR6、−NR45、−NR4SO24、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;又は
1及びR2は、窒素と一緒になって、場合により、アリール、−C1-6アルキル−OH、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR6、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NO2、−NR4COR6、−NR45、−NR4SO24、−O−C1-6アルキル、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよい環を形成し;
4及びR5は、互いに独立して、H、−C1-6アルキルを示し;
6は、H、−C1-6アルキル、−C1-6アルキル−CO−C1-6アルキル、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NR45を示し;
3は、H又は−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7及びフェニルより選ばれる基を示し、それは、場合により、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR4、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NO2、−NR4COR4、−NR45、−NR4SO24、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりアニレート化(anellate)されていてもよく又はモノ又はポリ置換されていてもよく;
7は、ヘテロアリール、ヘテロ環でアニレート化されたヘテロアリール、ヘテロ環又はフェニルを示し、それは、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2及び−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−を示し;
Yは、−NR4−、−S−、−O−である)、
又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を使用するのが好ましい。
【0008】
上記呼吸器疾患の治療用薬剤を製造するための、一般式1の化合物:
(式中、
1及びR2が、H又は−C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルより選ばれる基を示し、それは、場合により、−CONR45、−COOR4、−COR6、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NR4COR6、−NR45、−OR4より選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;又は
1及びR2が、窒素と一緒になって、場合により、−C1-6アルキル−OH、−CONR45、−COOR4、−COR6、−NR4COR6、−NR45、−NR4SO24、−O−C1-6アルキル、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよい環を形成し;
4及びR5が、互いに独立して、H、−C1-6アルキルであり;
6が、H、−C1-6アルキル、−C1-6アルキル−CO−C1-6アルキル、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NR45であり;
3が、H又は−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7及びフェニルより選ばれる基を示し、それは、場合により、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR4、ハロゲン、−NO2、−NR4COR4、−NR45、−NR4SO24、−OR4又はSR4より選ばれる一又は二以上の基によりアニレート化されていてもよく又はモノ又はポリ置換されていてもよく;
7が、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2及び−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基によりモノ又はポリ置換されていてもよいヘテロアリール、ヘテロ環でアニレート化されたヘテロアリール、ヘテロ環又はフェニルであり;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−NR4−、−S−、−O−である)、
又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を使用するのが特に好ましい。
【0009】
また、上記呼吸器疾患の治療用薬剤を製造するための一般式1の化合物:
(式中、
1及びR2が、H又は−C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル及び−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルより選ばれる基を示し、それは、場合により、−OH、−NR45、モルホリニル及びピリジルより選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;又は
1及びR2が、窒素と一緒になって、モルホリニル、チオモルホリノニル、ピペリジル、ピペラジニルより選ばれる環を形成し、それは、場合により、−OH、−C1-6アルキル−OH、−O−C1-6アルキル、−COOR4、−NR45、−CO−NR45、−COR6、−NH−COR6より選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;
4及びR5が、互いに独立して、H、−C1-6アルキルであり;
6が、H、−C1-6アルキル、−NR45、−C1-6アルキル−CO−C1-6アルキル、フラニル、チオフェニルであり;
3が、場合により、−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7又はフェニルを示し、それは、場合により、−CF3、COOR4、ハロゲン、−NO2、−NR45、−OR4及び−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりアニレート化されていてもよく又はモノ又はポリ置換されていてもよく;
7が、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2及び−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基によりモノ又はポリ置換されていてもよいフラニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル、ナフチル、1,3−ベンゾジオキゾール(benzodioxole)又はフェニルを示し;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−NR4−、−S−、−O−である)、又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を使用するのが好ましい。
【0010】
最も好ましくは、一般式1の化合物:
(式中、
1は、C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル又は−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルを示し、それは、場合により、−OH、−NR45、モルホリニル及びピリジルより選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;
2は、H又は−C1-6アルキルを示し;又は
1及びR2は、窒素と一緒になって、ピペラジニル環を示し;
4及びR5は、互いに独立して、H、−C1-6アルキルを示し;
3は、−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7又はフェニルを示し、それは、場合により、−CF3、−COOR4、ハロゲン、−NO2、−NR45、−OR4及び−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりアニレート化されていてもよく又はモノ又はポリ置換されていてもよく;
7は、フラニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル、ナフチル、1,3−ベンゾジオキゾール又はフェニルを示し、それは、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2及び−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−S−である)、又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を使用して、上記呼吸器疾患の治療用薬剤を製造する。
【0011】
これらのうち、番号2〜17の化合物が特に好ましく、アスタリスクは、ピリミドピリミジンAへの結合点を示す。

























【0012】
【化2】













【0013】
【化3】

【0014】
また、上記呼吸器疾患の治療用薬剤を製造するために一般式1の化合物(式中、
1は、C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル又は−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルを示し、それは、場合により、−OH、−NR45、モルホリニル及びピリジルより選ばれる一又は二以上の基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;
2は、H又は−C1-6アルキルを示し;又は
1及びR2は、窒素と一緒になって、ピペラジニル環を示し;
4及びR5は、互いに独立して、H、−C1-6アルキルを示し;
3は、ベンジルを示し;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−S−である)、又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を使用するのが好ましい。
【0015】
これらのうち、番号18〜65の化合物が特に好ましく、アスタリスクは、ピリミドピリミジンAへの結合点を示す。
【0016】
【化4】






























【0017】
【化5】






【0018】
【化6】





【0019】
【化7】





【0020】
【化8】

【0021】
また、上記呼吸器疾患の治療用薬剤を製造するための一般式1の化合物(式中、
1及びR2は、窒素と一緒になって、ピペラジニル環を示し;
3は、−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7又はフェニルを示し、それは、場合により、−CF3、−COOR4、ハロゲン、−NO2、−NR45、−OR4及び−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりアニレート化されていてもよく又はモノ又はポリ置換されていてもよく;
7は、フラニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル、ナフチル、1,3−ベンゾジオキゾール又はフェニルを示し、それは、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2及び−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−S−である)、又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を使用するのが好ましい。
【0022】
これらのうち、番号66〜95の化合物が特に好ましく、アスタリスクはピリミドピリミジンAへの結合点を示す。
【0023】
【化9】


























【0024】
【化10】





【0025】
【化11】

【0026】
また、上記呼吸器疾患の治療用薬剤を製造するために一般式1の化合物(式中、
1は、−CH2−CH2−OHを示し;
2は、Hを示し;
3は、−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7又はフェニルを示し、それは、場合により、−CF3、−COOR4、ハロゲン、−NO2、−NR45、−OR4及び−SR4より選ばれる一又は二以上の基によりアニレート化されていてもよく又はモノ又はポリ置換されていてもよく;
7は、フラニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル、ナフチル、1,3−ベンゾジオキゾール又はフェニルを示し、それは、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2及び−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基によりモノ又はポリ置換されていてもよく;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−S−である)、又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物を使用するのが好ましい。
【0027】
これらのうち、番号96〜127の化合物が特に好ましく、アスタリスクは、ピリミドピリミジンAへの結合点を示す。






































【0028】
【化12】






【0029】
【化13】








【0030】
【化14】

【0031】
他の態様において、本発明は、呼吸器疾患の治療用薬剤に関し、それは、一般式1の上記ピリミド[5,4−d]ピリミジンの一又は二以上を含み、それは、抗コリン作用薬、ステロイド又はβアゴニストより選ばれる一又は二以上の付加的活性物質との組み合わせにおいて、一緒に又は連続的に、同時、順次的又は別々の投与のために使用される。
従って、上記好ましい実施態様に従って式1の化合物を一又は二以上を含むことを特徴とする医薬組成物が好ましい。
好ましくは、本発明は、肺を含む上気道及び下気道組織の炎症性又は閉塞性疾患、例えば、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、気管支拡張症、嚢胞性線維症、喘息、COPD、特発性肺線維症及び線維化性肺胞炎の治療用医薬組成物を製造するための一般式1の化合物の使用に関する。
一般式1の化合物は、それ自体で又は本発明の他の一般式1の化合物との組み合わせで、場合により、他の薬理学的に活性な物質との組み合わせで使用することができる。他の薬理学的に活性な物質の例は、例えば、抗コリン作用薬(イプラトロピウム、オキシトロピウム、チオトロピウム)、ステロイド又はβ2アゴニスト(アルブテロール、サルメテロール、フォルモテロール)であってもよい。
【0032】
適当な製剤は、例えば、錠剤、カプセル、溶液、シロップ、エマルジョン又は吸入可能な粉末又はエアロゾルを含む。各場合における医薬的に活性な化合物の含量は、組成物の全量を基準として0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲内、即ち、以下に特定される投与量範囲を達成するのに十分な量にあるべきである。
経口投与は、錠剤の形態、粉末の形態、カプセル(例えば硬質ゼラチンカプセル)内の粉末、溶液又は懸濁液であってもよい。活性物質を吸入により投与する場合、活性物質の組み合わせを、粉末として、水性又は水性エタノール溶液として又は噴射剤ガス組成物として投与できる。
好ましくは、一般式1の化合物は、経口的に投与され、それらが1日に1回又は2回投与される場合に特に好ましい。適当な錠剤は、例えば、活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、錠剤分解物質、例えば、コーンスターチ又はアルギン酸、結合剤、例えば、スターチ又はゼラチン、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク及び/又は遅延放出剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリビニルアセテートを混合することにより製造することができ。錠剤は、また、複数の層を含んでいてもよい。
【0033】
被覆錠は、錠剤と同じようにして製造されたコアを、錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより製造することができる。遅延放出を達成するか又は非適合性を防止するため、コアはまた、多くの層からなっていてもよい。同様に、錠剤被覆は、可能であれば錠剤について上述した賦形剤を用いて、遅延放出を達成するための多くの層からなっていてもよい。
本発明の活性物質又はそれらの組み合わせを含むシロップ又はエリキシルは、さらに、甘味料、例えばサッカリン、チクロ、グリセロール又は糖及びフレーバー増強剤、例えば香味料、例えばバニリン又はオレンジ抽出物を含んでいてもよい。それらは、また、懸濁液アジュバント又は増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、湿潤剤、例えば、酸化エチレンと脂肪アルコールとの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p−ヒドロキシベンゾエートを含んでいてもよい。
一又は二以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば、活性物質を、不活性担体、例えばラクトース、ソルビトールと混合すること、及びそれらをゼラチンカプセルに充填することにより製造することができる。適当な座薬は、例えば、座薬用に提供されている担体、例えば、天然脂肪又はポリエチレングリコール又はそれらの誘導体と混合することにより製造することができる。使用することができる賦形剤としては、例えば、水、医薬的に許容可能な有機溶剤、例えば、パラフィン(石油フラクション)、植物油(例えば、ラッカセイ油又はゴマ油)、単又は多官能基アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高分散ケイ酸及びシリケート)、糖(例えば、甘蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、スターチ及びポリビニルピロリドン)及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)があげられる。
【0034】
経口投与用として、錠剤は、当然、上記担体は別として、添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及び第二リン酸カルシウムを、種々の添加剤、例えば、スターチ、好ましくは、ポテトスターチ、ゼラチンなどと一緒に含んでいてもよい。更に、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクを、同時に、錠剤工程について使用することができる。水性懸濁液のケースにおいて、活性物質は、上記賦形剤に加えて、種々のフレーバー増強剤又は着色剤と組み合せることができる。
一般式1の化合物を吸入により投与するものまた好ましく、1日に1回又は2回投与するのが特に好ましい。このため、一般式1の化合物は、吸入可能な組成物として製造されなければならない。適当な吸入可能な組成物としては、吸入可能な粉末、噴射剤ガス含有定量エアロゾル又は噴射剤ガスを含有しない吸入可能な溶液があげられ、場合により、従来の生理学的に許容可能な賦形剤と混合してもよい。
本発明の範囲内において、噴射剤ガスを含有しない吸入可能な溶液なる用語はまた、濃縮物又は殺菌した、使用可能な吸入可能な溶液を包括する。以下、本発明の範囲内において使用可能な製剤について詳細に説明する。
【0035】
吸入可能な粉末
一般式1の化合物が生理学的に許容可能な賦形剤と混合して存在する場合、以下の生理学的に許容可能な賦形剤を使用して本発明の吸入可能な粉末を製造することができる:単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖類及び多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール類(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤の混合物。単糖類又は二糖類を使用するのが好ましく、ラクトース又はグルコースの使用が好ましく、制限するものではないが、それらの水和物を使用するのが特に好ましい。本発明の目的のためにはラクトースが特に好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が最も特に好ましい。成分を粉砕し及び微粉化し及び最終的に一緒に混合することにより本発明の吸入可能な粉末を製造する方法は、先行技術により知られている。
【0036】
噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾル
本発明の範囲内で使用可能な噴射剤ガス含有吸入可能なエアロゾルは、噴射剤ガスに溶解されているか又は分散されている式1の化合物を含んでいてもよい。吸入可能なエアロゾルを製造するために使用される噴射剤ガスは、先行技術により知られている。適当な噴射剤ガスは、炭化水素、例えば、n−プロパン、n−ブタン又はイソブタン及びハロ炭化水素、例えば、好ましくは、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体より選ばれる。上記噴射剤ガスは、それ自体で又はそれらの混合物で使用することができる。特に好ましい噴射剤ガスは、TG134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、TG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)及びそれらの混合物より選ばれるハロゲン化アルカン誘導体である。本発明に使用することができる噴射剤ガス駆動吸入エアロゾルは、また、他の成分、例えば、補助溶剤、安定化剤、界面活性剤、酸化防止剤、滑沢剤及びpH調整剤を含んでいてもよい。
【0037】
噴射剤ガスを含有しない吸入可能な溶液
本発明の一般式1の化合物を使用して、噴射剤ガスを含有しない吸入可能な溶液及び懸濁液を製造するのが好ましい。これらの製剤を製造するのに適当な溶剤は、水性又はアルコール性、好ましくはエタノール溶液を含む。溶剤は、水のみでもよく又は水及びエタノールの混合物であってもよい。溶液又は懸濁液は、pH2〜7、好ましくは2〜5に、適当な酸で調整される。pHは、無機又は有機酸より選ばれる酸を用いて調整することができる。特に適当な無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸である。特に適当な有機酸の例は:アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸などである。好ましい無機酸は、塩酸、硫酸である。また、活性物質の1つと酸付加塩を形成する酸を使用することが可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望なら、上記酸の混合物を、特には、それらの酸化性質に加えて他の特性を有する酸、香味料、酸化防止剤又は錯化剤、例えばクエン酸又はアスコルビン酸のケースにおいて使用することができる。本発明によれば、塩酸を使用してpHを調整するのが特に好ましい。
【0038】
補助溶剤及び/又は他の賦形剤を、本発明に使用可能な噴射剤ガスを含有しない吸入可能な溶液に添加することができる。好ましい補助溶剤は、ヒドロキシル基又は他の極性基を含むもの、例えば、アルコール−特には、イソプロピルアルコール、グリコール−特にはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。本明細書において賦形剤及び添加剤なる用語は、活性物質ではないが、活性物質組成物の質的特性を改良するために薬学的に適当な溶剤中において活性物質と配合可能な薬学的に許容可能な物質を意味する。好ましくは、これらの物質は、薬理学的作用を有さないか、又は所望の治療に関連して、感知できないか又は少なくとも望ましくない薬理学的作用を有さない。賦形剤及び添加剤は、例えば、界面活性剤、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート、ポリビニルピロリドン、他の安定化剤、錯化剤、酸化防止剤及び/又は防腐剤(最終医薬組成物の寿命を保証又は延長する)、香味料、ビタミン及び/又は当該技術分野において知られる他の添加剤を含む。添加剤は、また、薬理学的に許容可能な塩、例えば塩化ナトリウムを等張剤として含む。
【0039】
好ましい賦形剤は、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、(例えば、但し、それが既にpH調整のために使用されていない限りとする)、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール及びヒト体内に生じる類似のビタミンを含む。防腐剤を使用して、病原体での汚染から組成物を保護することができる。適当な防腐剤は、当該技術分野において知られたもの、特に、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンズアルコニウム又は安息香酸又はベンゾエート、例えば、安息香酸ナトリウム(当該技術分野において知られる濃縮物中)である。
他の態様において、本発明は、特に、副作用、例えば嘔吐又は吐き気を低減しつつ、ピリミド[5,4−d]ピリミジンにより呼吸器疾患を治療する方法に関する。
従って、呼吸器疾患、COPD又は喘息より選ばれる用語を含む説明と、ピリミド[5,4−d]ピリミジンと抗コリン作用薬、ステロイド又はβ−アゴニストより選ばれる一又は二以上との組合せとを含む、使用の準備が整った呼吸器疾患の治療用薬剤パッケージを提供する。
【0040】
用語及び定義
薬理学的に許容可能な酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ハイドロスルフェート、ハイドロホスフェート、ハイドロメタンスルホネート、ハイドロニトレート、ハイドロマレエート、ハイドロアセテート、ハイドロシトレート、ハイドロフマレート、ハイドロタートレート、ハイドロオキサレート、ハイドロスクシネート、ハイドロベンゾエート、又はハイドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ハイドロスルフェート、ハイドロホスフェート、ハイドロフマレート及びハイドロメタンスルホネートを意味する。
特に記載のない限り、C1-6アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基である。例えば、メチル、エチル、プロピル又はブチルがあげられる。略語Me、Et、Prop又はBuは、メチル、エチル、プロピル又はブチルを示すために使用する場合もある。特に記載のない限り、定義プロピル及びブチルは、それらのあらゆる異性体形態を全て含む。従って、プロピルは、n−プロピル及びイソプロピルを含み、ブチルは、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルなどを含む。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルが好ましい。
【0041】
3〜8個の炭素原子を有する用語C3-8シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを示す。シクロプロピル及びシクロヘキシルが好ましい。
本発明の範囲内において、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示す。特に記載のない限り、フッ素、塩素及び臭素が好ましいハロゲンである。
用語アリールは、6〜10個の炭素原子を有する芳香族環系を示す。好ましいアリール基は、フェニル又はナフチルであり、一方、環基は、定義において特定されるように置換されていてもよい。
ヘテロアリール環(またヘテロアリールと略される)は、本発明の範囲内において、酸素、窒素及び硫黄より選ばれる1、2又は3個のヘテロ原子を含み、場合により、前述する定義のように置換されていてもよい芳香族環系を意味する。例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール及びピラゾリジンがあげられる。一方、ヘテロ環は、定義において特定されるように置換されていてもよい。
酸素、窒素及び硫黄より選ばれる1、2又は2個のヘテロ原子をヘテロ原子として含み得る5−又は6−員の飽和又は不飽和ヘテロ環(またヘテロ環と略される)の例としては、例えば、フラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2−ヒドロキシメチルフラン、テトラヒドロフラノン、γ−ブチロラクトン、α−ピラン、γ−ピラン、ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、チオラン、ジチオラン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、テトラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ピラゾリジンがあげられる。一方、ヘテロ環は、定義において特定されるように置換されていてもよい。
【0042】
窒素と一緒に基R1及びR2により形成され得る5−、6−又は7−員の飽和又は不飽和ヘテロ環の例としては、ピロール、ピロリン、ピロリジン、2−メチルピロリジン、3−メチルピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−(n−プロピル)−ピペラジン、N−ベンジルピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、好ましくは、モルホリン、N−ベンジルピペラジン、ピペラジン及びピペリジンがあげられる。一方、ヘテロ環は、定義において特定されるように置換されていてもよい。これに関連して特に好ましい環は、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−ベンジルピペラジン、モルホリン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、好ましくは、モルホリン、N−ベンジルピペラジン、ピペラジン、及びピペリジンであり、一方、ヘテロ環は、定義において特定されるように置換されていてもよい。
本発明の範囲内において、呼吸器疾患とは、患者の呼吸困難(breathing difficulty)、呼吸窮迫症(respiratory distress)又は気道の痛みを生じる疾患、特に、炎症性又は閉塞性呼吸器疾患を意味する。肺を含む上気道及び下気道組織の炎症性又は閉塞性疾患、例えば、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、気管支拡張症、嚢胞性線維症、喘息、COPD、特発性肺線維症及び線維化性肺胞炎が好ましい。特に、喘息、慢性気管支炎又はCOPDが好ましい。
本発明の範囲内において、低減された副作用とは、患者に嘔吐を起こさせないか、又はさらに良いのは嘔気を起こさせないか、特に好ましいのは不快感を全く生じさせずに、医薬的組成物を投与する能力を意味する。治療上有効量の物質を、疾患の進行のあらゆる段階において嘔吐又は吐き気を誘発することなしに投与することができるのが最も好ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器疾患の治療用薬剤を製造するための、置換ピリド[5,4−d]ピリミジンの使用。
【請求項2】
呼吸器疾患が炎症性又は閉塞性呼吸器疾患である請求項1に記載の使用。
【請求項3】
呼吸性疾患がCOPD又は喘息である請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
治療の副作用が低減される請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
低減される副作用が嘔吐及び吐き気より選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
ピリミド[5,4−d]ピリミジンが一般式1の化合物:
【化1】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、H、−C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルを示し、それぞれ、アリール、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR6、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NO2、−NR4COR6、−NR45、−NR4SO24、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4からなる群より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよく;又は
1及びR2は、窒素と一緒になって、アリール、−C1-6アルキル−OH、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR6、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NO2、−NR4COR6、−NR45、−NR4SO24、−O−C1-6アルキル、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよい環を形成し;
4及びR5は、互いに独立して、H、−C1-6アルキルであり;
6は、H、−C1-6アルキル、−C1-6アルキル−CO−C1-6アルキル、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NR45であり;
3は、H、−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−フェニル又はフェニルであり、ここで、各基は、場合により、−C1-6アルキル−OH、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR4、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NO2、−NR4COR4、−NR45、−NR4SO24、−O−C1-6アルキル、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4より選ばれる一又は二以上の置換基により置換又は可能ならアニレート化されていてもよく;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−NR4−、−S−、−O−である)、
又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
1及びR2が、互いに独立して、H、−C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルを示し、それぞれ、場合により、−CONR45、−COOR4、−COR6、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NR4COR6、−NR45、−OR4より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよく;又は
1及びR2が、窒素と一緒になって、−C1-6アルキル−OH、−CONR45、−COOR4、−COR6、−NR4COR6、−NR45、−NR4SO24、−O−C1-6アルキル、−OR4、−SO2NR45、−SO24、−SOR4又は−SR4より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよい環を形成し;
4及びR5が、互いに独立して、H、−C1-6アルキルであり;
6が、H、−C1-6アルキル、−C1-6アルキル−CO−C1-6アルキル、ヘテロアリール、ヘテロ環、−NR45であり;
3が、場合により、−C1-6アルキル−OH、−CF3、−CN、−CONR45、−COOR4、−COR4、ハロゲン、−NO2、−NR4COR4、−NR45、−NR4SO24、−O−C1-6アルキル又は−OR4より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよい、H、−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7又はフェニルであり;
7が、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2、−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよい−OH、COOR4、−NR45、ヘテロアリール、ヘテロ環、ヘテロ環でアニレート化されたヘテロアリール、フェニルであり;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−NR4−、−S−、−O−であり;
又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
1及びR2が、互いに独立して、H、−C1-6アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−O−C1-6アルキルを示し、それぞれ、場合により、−OH、−NR45、モルホリニル、ピリジルより選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよく;又は
1及びR2が、窒素と一緒になって、モルホリニル、チオモルホリノニル、ピペリジル、ピペラジニルより選ばれる環を形成し、それぞれ、場合により、−OH、−C1-6アルキル−OH、−O−C1-6アルキル、−COOR4、−NR45、−CO−NR45、−COR6、−NH−COR6より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよく;
4及びR5が、互いに独立して、H、−C1-6アルキルであり;
6が、H、−C1-6アルキル、−NR45、−C1-6アルキル−CO−C1-6アルキル、フラニル、チオフェニルであり;
3が、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、−S−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2、−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよい、−C1-8アルキル、−C3-8シクロアルキル、−C1-6アルキル−R7又はフェニルであり;
7が、場合により、−C1-6アルキル、−O−C1-6アルキル、ハロゲン、−NO2、−CF3より選ばれる一又は二以上の置換基により置換されていてもよい−OH、COOR4、−NR45、フラニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル、ナフチル、1,3−ベンゾジオキゾール、フェニルであり;
Xは、−S−、−S(O)−、−S(O2)−であり;
Yは、−NR4−、−S−、−O−であり;
又は薬理学的に許容可能な酸付加塩;互変異性体、異性体又は混合物;幾何学的異性体又は光学的異性体、特にそれらの異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
薬剤を1日に一度又は二度投与する請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
薬剤が、請求項5〜8のいずれか1項に記載の一般式1の活性物質又はそれらの薬理学的に許容可能な酸付加塩を1〜200mg含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
呼吸器疾患の治療用医薬組成物であって、一緒に又は連続的に、同時的、順次的又は別々の投与のために使用される抗コリン作用薬、ステロイド又はβ−アゴニストより選ばれる一又は二以上の活性物質と共に、請求項5〜8のいずれか1項に記載の式1の一又は二以上の化合物を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2007−517827(P2007−517827A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548242(P2006−548242)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000163
【国際公開番号】WO2005/067934
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】