説明

商品収納装置

【課題】外部からの空気の流入を抑制し、冷却エネルギーを有効活用できる商品収納装置を提供する。
【解決手段】装置本体2と、商品載置棚3とを備えた商品収納装置1において、装置本体の後部壁22に商品載置棚ごとに設けた商品補充口25と、該商品補充口を開閉可能な第一扉体5と、後部壁と所定の距離を置いて配設し、上方および下方に収納領域を形成する態様で装置本体の内部を上下に区切る仕切板30と、仕切板の後端から下方に延在し、下方の収納領域の後面を画成する内部壁6と、内部壁に商品載置棚ごとに設けた内部補充口61と、該内部補充口を開閉可能な第二扉体7と、下方の収納領域の空気を吸い込み、冷却して該収納領域へ戻す循環手段8と、装置本体の開口に吸込口911を有し、後部壁と内部壁との間の領域と該吸込口とを連通する通気路91と、吸込口から吸い込んだ空気を上方の収納領域に送出する送風手段93とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納装置に関し、より詳細には、収納した商品を冷却した状態で保持する商品収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
収納した商品を冷却した状態で保持する商品収納装置として、断熱材によって箱型に形成され、前面に商品取出口が開口し、後面に商品補充口が開口したものが知られている。この商品収納装置の内部には棚装置が設置してある。棚装置には、前端が商品取出口に臨み後端が商品補充口に臨むように上下方向に複数段の商品載置棚が配設してあり、商品補充口を介して商品収納装置の後方から商品載置棚に商品が補充され、商品取出口を介して商品収納装置の前方から商品が取り出される。商品載置棚は、その上面が後方から前方に向けて漸次低くなるように傾斜する態様で架設してあり、商品補充口から補充された商品は、商品載置棚の上面を移動することにより、前方に送られ、前方から後方に向けて順次集積される。また、商品収納装置の後面の商品補充口には、棚装置に対して一つの扉体が設けてあり、該扉体を開放して商品補充口から商品載置棚に商品を補充する(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−31102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した商品収納装置では、棚装置に対して一つの扉体が設けてあるため、扉体が開放されると、商品収納装置の後面が大きく開口し、外部の空気が大量に流入することになり、多大な冷却エネルギーが失われることになる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、外部からの空気の流入を抑制し、冷却エネルギーを有効活用できる商品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、前面が開口した筐体からなる装置本体と、前記装置本体の内部に上下方向に並んで複数配設し、前端が前記開口に臨むとともに後端が前記商品収納装置の後面に臨み、後方領域において補充された商品を前方領域において取り出し可能とする商品載置棚とを備えた商品収納装置において、前記装置本体の後面を画成する後部壁に商品載置棚ごとに設けた貫通した孔からなる商品補充口と、前記商品補充口に夫々配設してあり、該商品補充口を開閉可能な第一扉体と、前記後部壁と所定の距離を置いて配設し、上方および下方に収納領域を形成する態様で前記装置本体の内部を上下に区切る仕切板と、前記仕切板の後端から下方に延在し、前記商品載置棚の後端との間に空気の流路を確保する態様で前記商品載置棚の後端と前記後部壁との間に配設して下方の収納領域の後面を画成する内部壁と、前記内部壁に商品載置棚ごとに設けた貫通した孔からなる内部補充口と、前記内部補充口に夫々配設してあり、該内部補充口を開閉可能な第二扉体と、前記仕切板より下方の収納領域の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を冷却器で冷却して該収納領域へ戻す循環手段と、前記装置本体の開口に吸込口を有し、前記後部壁と前記内部壁との間の領域と該吸込口とを連通する通気路と、前記通気路の内部に配置し、前記吸込口から吸い込んだ空気を上方の収納領域に送出する送風手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記装置本体の開口上部から前方に延在する天井板と、前記天井板の前端部に沿って設けてあり、該前端部から下方に延在する遮蔽手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記上方の収納領域の温度を計測する温度センサと、前記吸込口から前記上方の収納領域までの空気の流通経路内または前記上方の収納領域に配設し、空気を温める発熱装置とを備え、前記温度センサの計測温度に基づき前記発熱装置の発熱量と前記送風手段の回転数とを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる商品収納装置は、装置本体の後面を画成する後部壁に商品載置棚ごとに設けた貫通した孔からなる商品補充口と、商品補充口に夫々配設してあり、該商品補充口を開閉可能な第一扉体と、を備えたものであるため、第一扉体が開放されても大きく開口することがない。これにより、外部からの空気の流入が抑制され、冷却エネルギーを有効活用できる。
【0010】
更に、後部壁と所定の距離を置いて配設し、上方および下方に収納領域を形成する態様で装置本体の内部を上下に区切る仕切板と、仕切板の後端から下方に延在し、商品載置棚の後端との間に空気の流路を確保する態様で商品載置棚の後端と後部壁との間に配設して下方の収納領域の後面を画成する内部壁と、内部壁に商品載置棚ごとに設けた貫通した孔からなる内部補充口と、内部補充口に夫々配設してあり、該内部補充口を開閉可能な第二扉体と、仕切板より下方の収納領域の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を冷却器で冷却して該収納領域へ戻す循環手段と、装置本体の開口に吸込口を有し、後部壁と内部壁との間の領域と該吸込口とを連通する通気路と、通気路の内部に配置し、前記吸込口から吸い込んだ空気を上方の収納領域に送出する送風手段とを備えたものであるため、循環手段により下方の収納領域を冷却するとともに、装置本体の開口から流出する冷却空気を上方の収納領域に送出して上方の収納領域を冷却することができる。
【0011】
更に、内部壁に商品載置棚ごとに設けた貫通した孔からなる内部補充口と、内部補充口に夫々配設してあり、該内部補充口を開閉可能な第二扉体と、を備えたものであるため、第一扉体および第二扉体を開放して下方の収納領域の商品載置棚に商品補充口から商品を補充することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1である商品収納装置の要部を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1に示した遮蔽手段を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した後部壁を示す背面図である。
【図4】図4は、第一扉体の開閉状態を示す図である。
【図5】図5は、第一扉体の開閉状態を示す図である。
【図6】図6は、第一扉体の開閉状態を示す図である。
【図7】図7は、第一扉体の開閉状態を示す図である。
【図8】図8は、図1に示したスリットカーテンを示す正面図である。
【図9】図9は、第一扉体および第二扉体の開閉状態を示す図である。
【図10】図10は、第一扉体および第二扉体の開閉状態を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2である商品収納装置の要部を示す縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態3である商品収納装置の要部を示す縦断面図である。
【図13】図13は、遮蔽手段の別の実施例を示す斜視図である。
【図14】図14は、遮蔽手段の別の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明にかかる商品収納装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
ここでは、物流過程における物流拠点や配送拠点に建設された倉庫の内部に設置され、商品を出荷する際の仕分け作業、所謂ピッキング作業において用いられるピッキング用の商品収納装置を例に説明する。しかしながら、本発明はピッキング用の商品収納装置に限られるものではなく、商品収納装置の後方から商品を補充して、開口した前面から取出可能なものであればよく、例えば、商品の陳列販売に用いられるオープンショーケースに適用することも可能である。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である商品収納装置1の要部を示す縦断面図である。本発明の実施の形態1である商品収納装置1は、商品を陳列した状態で収納するものであって、装置本体2と、複数の商品載置棚3とを備えている。
【0016】
装置本体2は、図1に示すように、断熱材によって箱型に形成した筐体であり、前面が開口している。装置本体2は、底壁21と、後部壁22と、上部壁23と、2つの側壁(図示せず)とを有している。底壁21は、装置本体2の底部を構成するものであり、断熱性を有する板状部材である。底壁21の前端部は、上方に向けて曲折している。後部壁22は、断熱性を有する板状部材であり、底壁21の後端縁から上方に延在し、装置本体2の後面を画成している。上部壁23は、断熱性を有する透明な板状部材であり、後部壁22の上端縁から前方に向けて延在している。上部壁23の内側面は収納領域の天井面を構成している。側壁は、断熱性を有する板状部材であり、底壁21、後部壁22および上部壁23の左右両端縁に対向して配設してある。装置本体2の前面には、底壁21と、2つの側壁と、上部壁23とにより周囲を画成された商品取出口24が開口してある。
【0017】
上部壁23の前方には天井板231が設けてある。天井板231は、断熱性を有する透明な板状部材であり、上部壁23の前端縁、すなわち装置本体の開口上部から前方に延在している。天井板231の横幅は、上部壁23の横幅とほぼ同じ長さに形成してあり、天井板231の前端部231aは、下方に向けて曲折している。本実施の形態では、上部壁23と天井板231とが一体的に形成してある。天井板231の前端部231aには遮蔽手段4が設けてある。
【0018】
遮蔽手段4は、装置本体2の内部と外部との間の空気の流通を妨げるものであり、図1に示すように、天井板231の前端部231aから下方に延在する態様で、天井板231の前端部231aに沿って設けてある。図2に示すように、遮蔽手段4は可撓性を有する合成樹脂製の透明なシート部材であり、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)401が形成してある。遮蔽手段4は、上部を天井板231の前端部231aに吊下げた態様で設けてある。遮蔽手段4の横幅は、商品取出口24の横幅とほぼ同じ長さに形成してある。遮蔽手段4の縦幅は、商品取出口24の縦幅よりやや長く形成してある。
【0019】
装置本体2の内部には複数の商品載置棚3が配設してある。商品載置棚3は収納対象である商品を載置するものであり、熱伝導性を有する板状部材であって、矩形状を成しており、上面が商品を載置する商品載置面を構成している。また、商品載置棚3にはローラ部材(図示せず)が回転可能に設けてあり、ローラ部材により後方から前方に向けて商品載置面を商品が滑走可能に構成してある。商品載置棚3は前面が商品取出口24に臨み、後面が商品補充口25に臨む態様で上下方向に並んで複数配置してあり、商品補充口25から商品取出口24に向けて漸次低くなる態様で傾斜して配設してある。また、商品載置棚3は、夫々、左右の側壁の間に一方の側壁から他方の側壁へ亘る態様で配設してある。商品載置棚3の前端は、夫々、装置本体2の内部に収容した態様で配設してある。商品載置棚3の後端は、商品載置棚3ごとに後部壁22の内側面と所定距離を置いて配設してあるとともに、後述する商品補充口25の開口下部に向かう態様で配設してあり、対応する商品補充口25の第一扉体5が開閉可能となる位置に配置してある。
【0020】
一つの商品載置棚3は、左右6列に区画してあり、各列の前縁にLED表示パネル31が配設してある。LED表示パネル31は、後方から投入された商品を受け止めて商品を集積するとともに、取り出す商品の収納位置を明示するものであり、フェンスとして機能するとともに、ピッキング指示パネルとして機能する。ピッキング作業時に、図示せぬ管理装置が商品収納装置1に取り出す商品を指示すると、当該商品を陳列している商品載置棚3の該当列のLED表示パネル31が点灯し、作業者にピッキングする商品を指示する。LED表示パネル31が点灯した商品載置棚3から作業者が商品を取り出すと、LED表示パネル31が消灯する。本実施の形態の商品収納装置1では、合計24個(左右6列×商品載置棚4段)のLED表示パネル31が設けてある。
【0021】
商品載置棚3に対応して後部壁22には複数の商品補充口25が設けてある。商品補充口25は、後部壁22を貫通する矩形状の孔であり、商品載置棚3ごとに上下方向に並んで複数配設してある。図3に示すように、本実施の形態では、更に、商品載置棚3の各列に対応して、一つの商品載置棚3における商品補充口25が6つに区画してある。
【0022】
夫々の商品補充口25には第一扉体5が配設してある。第一扉体5は、断熱性を有する板状部材で構成してあり、商品補充口25を開閉可能に構成してある。本実施の形態では、商品載置棚3の各列に対して一つの第一扉体5が設けてある。
【0023】
図4〜図7は、商品補充口25に設けた第一扉体5の例を示す図である。図4は、夫々の商品載置棚3の各列に対して一つの第一扉体5を設けた例である。第一扉体5の上端部はヒンジ51により回動可能に支承してある。この第一扉体5は、自重により垂れ下がり、商品補充口25を閉塞する。第一扉体5は、装置本体2の後方から商品が補充される場合、補充される商品により前方に押し開かれて商品補充口25を開放し、補充が完了すると、自重により垂れ下がり、商品補充口25を閉塞する。尚、第一扉体5は、自動操作により開閉可能なものとしてもよい。
【0024】
図5は、夫々の商品載置棚3の各列に対して上下対となる第一扉体5を設けた例である。上側となる第一扉体5aの上端部はヒンジ52により回動可能に支承してあり、下側となる第一扉体5bの下端部はヒンジ53により回動可能に支承してある。また、上側となる第一扉体5aと下側となる第一扉体5bとは、バネなどの弾性体(図示せず)により閉塞方向に復元力が作用している。第一扉体5は、装置本体2の後方から商品が補充される場合、補充される商品により復元力に抗して第一扉体5が押し開かれて商品補充口25を開放し、補充が完了すると、復元力により商品補充口25を閉塞する。尚、第一扉体5は、自動操作により開閉可能なものとしてもよい。
【0025】
図6は、夫々の商品載置棚3の隣接する2つの列ごとに左右対となる第一扉体5を設けた例である。左右対となる第一扉体5を左方あるいは右方に移動することにより商品補充口25の左側あるいは右側を開放する。尚、第一扉体5は、手動操作により開閉するが、自動操作により開閉可能なものとしてもよい。
【0026】
図7は、夫々の商品載置棚3の各列に対して一つの第一扉体5を設けた例である。第一扉体5を上方に移動することにより商品補充口25が開放され、第一扉体5を下方に移動することにより商品補充口25が閉塞する。尚、第一扉体5は、手動操作により開閉するが、自動操作により開閉可能なものとしてもよい。
【0027】
また、装置本体2の内部には、上方および下方に収納領域を形成する態様で装置本体2の内部を上下に区切る仕切板30が配設してある。仕切板30は、断熱性を有する板状部材であり、図1に示すように、上方および下方に商品載置棚3を配置する態様で、両側壁の間に一方の側壁から他方の側壁へ亘って配設してある。仕切板30の後端は、下方に位置する商品載置棚3の後端より後方に位置する態様で後部壁22と所定距離を置いて配設してある。仕切板30の前端縁には、該前端縁から下側前方に傾斜して延在する平板状の遮風板301が設けてある。仕切板30の下面は下方の収納領域の天井面を画成している。仕切板30の下面の商品取出口24側には、第一温度センサ32が配設してある。第一温度センサ32は、下方の収納領域の温度を測定するものである。
【0028】
本実施の形態では、上から2段目の商品載置棚3の下面に断熱性の板材を配設した態様で、仕切板30と商品載置棚3とが一体的に形成してある。この商品載置棚3(仕切板30)は他の商品載置棚3より奥行きが長く形成してあり、当該商品載置棚3の後端が他の商品載置棚3の後端より後方に突出した態様で、後部壁22と所定距離を置いて配設してある。
【0029】
仕切板30より下方に位置する商品載置棚3には、該商品載置棚3に対応する収納領域にスリットカーテン33が設けてある。スリットカーテン33は、商品載置棚3の上面側に形成された収納領域における前方域と後方域との間の空気の流通を遮るものであり、対応する収納領域の上方に位置する商品載置棚3または仕切板30の下面に吊下げた態様で、前方域の奥行に対し後方域の奥行が長くなる態様で設けてある。スリットカーテン33は、可撓性を有し、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)が設けられた透明なシート状の部材である。図8に示すように、スリットカーテン33には、通気口331と、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)332とが形成してある。通気口331は、商品載置棚3の上面側に形成された収納領域の上方に沿って空気が流れるように、スリットカーテン33の上部領域に形成した貫通孔である。通気口331の開口面積は、上段から下段の商品載置棚3にいくに従い段階的に小さくなるように形成してある。下段のスリットカーテン33の通気口331の開口面積を上段のスリットカーテン33の通気口331の開口面積よりも小さくすることにより、上段の商品載置棚3に供給する空気を増大している。スリットカーテン33は、空気の流通を遮る一方、押し退けられた場合には商品の通過を許容する。
【0030】
仕切板30の後端には、該後端から下方に延在する態様で内部壁6が配設してある。内部壁6は、断熱性の板状部材であって、一方の側壁と他方の側壁との間に亘って配設してあり、下方の収納領域の後面を画成している。内部壁6には内部補充口61が設けてある。
【0031】
内部補充口61は、内部壁6を貫通する矩形状の孔であり、商品載置棚3ごとに上下方向に並んで複数配設してある。本実施の形態では、更に、商品載置棚3の各列に対応して、一つの商品載置棚3における内部補充口61が6つに区画してある。内部補充口61は後部壁22に設けた商品補充口25と対向する態様で設けてあり、対向する商品補充口25とほぼ同一の大きさで、ほぼ同一形状に形成してある。夫々の内部補充口61には第二扉体7が配設してある。第二扉体7は、断熱性を有する板状部材で構成してあり、内部補充口61を開閉可能に構成してある。
【0032】
図9および図10は、内部補充口61に設けた第二扉体7の例を示す図である。図9に示す例では、第二扉体7の上端部がヒンジ71により回動可能に支承してある。第二扉体7は、商品載置棚3ごとに設けられた対応する第一扉体5と連動して開閉され、図9に二点鎖線で示すように、補充する商品により商品補充口25を閉塞する第一扉体5を押し開いた場合に、内部補充口61を閉塞する第二扉体7が連動して開放される。一方、図9に実線で示すように、商品載置棚3の上面に商品を補充すると、第二扉体7が内部補充口61を閉塞するとともに、第一扉体5が商品補充口25を閉塞する。
【0033】
図10に示す例では、第二扉体7は上下対となる扉体で構成される。上側となる第二扉体7aの上端部はヒンジ72により回動可能に支承してあり、下側となる第二扉体7bの下端部はヒンジ73により回動可能に支承してある。図10に二点鎖線で示すように、補充する商品により商品補充口25を閉塞する第一扉体5を押し開いた場合に、内部補充口61を閉塞する第二扉体7が連動して開放され、図10に実線で示すように、商品載置棚3の上面に商品を補充すると、第二扉体7が内部補充口61を閉塞するとともに、第一扉体5が商品補充口25を閉塞する。
【0034】
下方の収納領域の外側には、循環手段8が設けてある。循環手段8は、下方の収納領域の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を蒸発器(冷却器)82を通して冷却し、該収納領域へ送出するものである。循環手段8は、下部ダクト81と、蒸発器82と、循環ファン83とを備えている。
【0035】
下部ダクト81は、循環用吸込口811と、循環用吹出口812とを有している。循環用吸込口811は、下方の収納領域の空気を吸い込むための開口であり、下方の収納領域の下側前方縁部であって、装置本体2の開口下部の近傍に、左右方向に沿って延設してある。循環用吹出口812は、循環用吸込口811から吸い込んだ空気を下方の収納領域の内部に吹き出すための開口であり、下方の収納領域の下側後方縁部であって、商品載置棚3の後端と内部壁6の内面との間に、左右方向に沿って延設してある。下部ダクト81は循環用吸込口811から吸い込んだ空気を下方の収納領域の底部62より下側を通して循環用吹出口812へ送出する態様で設けてある。
【0036】
蒸発器82は、空気を冷却するものであり、下部ダクト81の内部に配設してある。蒸発器82は、図示せぬ圧縮機、凝縮器および膨張弁とともに冷却ユニットを構成している。蒸発器82、圧縮機、凝縮器および膨張弁は、配管を介して接続されており、冷却ユニット間で冷媒を循環する。ここで、圧縮機は、冷媒を圧縮するものであり、凝縮器は、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させるものであり、膨張弁は、凝縮器で凝縮させた冷媒を断熱膨張させて低温低圧の状態にさせるためのものである。蒸発器82は、膨張弁で断熱膨張させた冷媒を蒸発させることにより蒸発器82の周囲空気との間で熱交換を行って周囲空気を冷却する。蒸発器82で蒸発した冷媒は、再び圧縮機に戻り圧縮される。
【0037】
循環ファン83は、空気を循環させるものであり、下部ダクト81の内部の所定位置に配設してある。循環ファン83を駆動すると、下方の収納領域の空気が循環用吸込口811から下部ダクト81の内部へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は、蒸発器82の周囲を通過する際に冷媒との間で熱交換が行われて冷却される。冷却された空気は、循環用吹出口812から下方の収納領域の内部へ吹き出される。これにより、下方の収納領域の内部と外部との間で空気が循環される。
【0038】
循環ファン83および蒸発器82は、第一温度センサ32の計測温度に基づいて制御される。本発明では、第一温度センサ32の計測温度に基づいて、循環ファン83の回転数(回転速度)を増減制御するとともに、蒸発器82に供給する冷媒量を増減制御することにより、下方の収納領域の温度を所望の温度域に制御している。
【0039】
下方の収納領域の底部と底壁21との間には、回収ダクト(通気路)91が設けてある。回収ダクト91は装置本体2の開口から外部へ流出する空気を回収し、下方の収納領域より下側を通して上方の収納領域へ送るための通風路である。回収ダクト91の一端には回収用吸込口911が開口してある。回収用吸込口911は、収納領域から装置本体2の外部へ流出する空気を回収して吸い込むための開口であり、循環用吸込口811と隣接し、かつ並列する態様で、装置本体2の開口下部に左右方向に沿って延設してある。回収ダクト91の他端は外部壁と内部壁6との間の空間と連通している。具体的には、後部壁22、両側壁および内部壁6によって画成される領域と連通する態様で、後部壁22の下端および内部壁6の下端と、回収ダクト91の他端とが接続してある。回収ダクト91の内部には、ヒータ(発熱装置)92と、回収ファン(送風手段)93とが配設してある。
【0040】
ヒータ92は、空気を温めるためのものであり、駆動(通電)すると発熱により周囲空気を温める。本発明では、ヒータ92の配設位置は特に限定されるものではなく、回収用吸込口911から吸い込まれて上方の収納領域へ送出される空気、または上方の収納領域の内部の空気を温めることができる個所であればよく、回収用吸込口911から上方の収納領域における商品取出口24までの空気の流通経路内、例えば第一扉体5、第二扉体7を含む後部壁22と内部壁6との間の領域内、または上方の収納領域の内部、に配設することも可能である。
【0041】
回収ファン93は、回収用吸込口911側から空気を吸い込んだ空気を上方の収納領域へ空気を送出するためのものであり、回収ダクト91の所定位置に配設してある。本発明では、回収ファン93の配設位置は特に限定されるものではなく、後述する回収ファン93の機能を発揮することができる個所であればよく、後部壁22と内部壁6との間の領域に配設することも可能である。
【0042】
回収ファン93を駆動すると、循環用吸込口811に吸い込まれずに、装置本体2の開口から外部へ流出する空気が回収用吸込口911から回収ダクト91の内部へ吸い込まれる。吸い込まれた空気はヒータ92を通過する際にヒータ92の発熱により温められる。回収ダクト91を通過した空気は後部壁22と内部壁6との間を流通し、仕切板30の後端と後部壁22との間の間隙から上方の収納領域の後部に吹き出される。これにより、装置本体2の開口から外部へ流出する空気が回収されて、装置本体2の内部(上方の収納領域)に戻される。
【0043】
回収ファン93およびヒータ92は、第二温度センサ94の計測温度に基づいて制御される。第二温度センサ94は、上方の収納領域の温度を計測するものであり、上部壁23の下面、すなわち上方の収納領域の天井面に配設してあり、上方の収納領域の商品取出口24側に配設してある。本発明では、第二温度センサ94の計測温度に基づいて、回収ファン93の回転数(回転速度)を増減制御するとともに、ヒータ92の通電量を増減制御することにより、上方の収納領域の温度を所望の温度域に制御している。
【0044】
上述した商品収納装置1を稼動すると、循環ファン83が駆動し、蒸発器82に冷媒が供給される。循環ファン83の駆動によって下方の収納領域の空気が循環用吸込口811から下部ダクト81の内部へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は下部ダクト81内の蒸発器82を通過して冷却され、循環用吹出口812から下方の収納領域へ吹き出される。吹き出された空気は商品載置棚3の後端と内部壁6との間の間隙を通り、下方の収納領域における各商品載置棚3の収納領域に供給され、スリットカーテン33の通気口331を通過して商品取出口24に向かって流出し、循環用吸込口811から吸い込まれて再び下部ダクト81の内部へ吸い込まれる。冷却された空気が下方の収納領域における各商品載置棚3の収納領域を通過して循環することにより、商品載置棚3の上面に載置された商品が冷却される。
【0045】
第一温度センサ32の計測温度が設定した所望の温度域よりも高い場合には、循環ファン83の回転数、若しくは蒸発器82に供給する冷媒量、またはこれら両方を増大する。これにより、下方の収納領域の内部温度が所望の温度域まで低下する。一方、第一温度センサ32の計測温度が設定した所望の温度域よりも低い場合には、循環ファン83の回転数、若しくは蒸発器82に供給する冷媒量、またはこれら両方を減少する。これにより、下方の収納領域の内部温度が所望の温度域まで上昇する。
【0046】
一方、回収ファン93が駆動すると、循環用吸込口811に吸い込まれずに商品取出口24側へ流出する空気が回収用吸込口911から回収ダクト91の内部へ吸い込まれる。回収用吸込口911から吸い込まれた空気は、通電したヒータ92を通過することにより下方の収納領域より高い冷却温度に温められ、回収ダクト91の他端から後部壁22と内部壁6との間の領域へ流れて上方の収納領域へ送出される。上方の収納領域へ送出された空気は、商品載置棚3の後端と後部壁22との間の間隙を通り、上方の収納領域における各商品載置棚3の収納領域に供給され、商品取出口24に向かって流出する。商品取出口24から流出する空気は、遮蔽手段4により装置本体2の外部へ流出することを妨げられるとともに、冷却された密度の高い空気であるため装置本体2の下方に向けて流れる。下方に流れた空気の一部は再び回収用吸込口911から回収ダクト91の内部へ吸い込まれる。冷却された空気を上方の収納領域へ送出することにより、上方の収納領域の商品載置棚3に載置された商品が冷却される。また、下方の収納領域から外部へ流出する空気を取り込み、取り込んだ空気をヒータ92を通して温めることにより、上方の収納領域に収納した商品を下方の収容領域より高温の状態で冷却する。
【0047】
第二温度センサ94が計測した温度が設定した所望の温度域よりも高い場合には、回収ファン93の回転数を増大、若しくはヒータ92の通電量を減少、または回収ファン93の回転数を増大するとともにヒータ92の通電量を減少する。これにより、上方の収納領域の内部温度が所望の温度域まで低下する。一方、第二温度センサ94が計測した温度が設定した所望の温度域よりも低い場合には、回収ファン93の回転数を減少、若しくはヒータ92の通電量を増大、または回収ファン93の回転数を減少するとともにヒータ92の通電量を増大する。これにより、下方の収納領域の内部温度が所望の温度域まで上昇する。
【0048】
上述した商品収納装置1において、下方の収納領域に商品を補充する場合には、商品を投入する商品載置棚3に対応する第一扉体5および第二扉体7を開放する。そして、開放された商品補充口25および内部補充口61から商品載置棚3に商品を補充する。その後、開放した第一扉体5および第二扉体7を閉塞し、商品の補充を完了する。
【0049】
上方の収納領域に商品を補充する場合には、商品を投入する商品載置棚3に対応する第一扉体5を開放する。そして、開放された商品補充口25から商品載置棚3に商品を補充する。その後、開放した第一扉体5を閉塞し、商品の補充を完了する。
【0050】
上述した実施の形態1である商品収納装置1は、装置本体2の後面を画成する後部壁22に商品載置棚3ごとに設けた貫通した孔からなる商品補充口25と、商品補充口25に夫々配設してあり、該商品補充口25を開閉可能な第一扉体5と、を備えたものであるため、第一扉体5が開放されても大きく開口することがない。これにより、外部からの空気の流入が抑制され、冷却エネルギーを有効活用できる。
【0051】
また、後部壁22と所定の距離を置いて配設し、上方および下方に収納領域を形成する態様で装置本体2の内部を上下に区切る仕切板30と、仕切板30の後端から下方に延在し、商品載置棚3の後端との間に空気の流路を確保する態様で商品載置棚3の後端と後部壁22との間に配設して下方の収納領域の後面を画成する内部壁6と、内部壁6に商品載置棚3ごとに設けた貫通した孔からなる内部補充口61と、内部補充口61に夫々配設してあり、該内部補充口61を開閉可能な第二扉体7と、仕切板30より下方の収納領域の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を蒸発器82で冷却して該収納領域へ戻す循環手段8と、装置本体2の開口に回収用吸込口911を有し、後部壁22と内部壁6との間の領域と該回収用吸込口とを連通する回収ダクト91と、回収ダクト91の内部に配置し、回収用吸込口911から吸い込んだ空気を上方の収納領域に送出する回収ファン93とを備えたものであるため、循環手段8により下方の収納領域を冷却するとともに、装置本体2の開口から流出する冷却空気を上方の収納領域に送出して上方の収納領域を冷却することができる。
【0052】
更に、内部壁6に商品載置棚3ごとに設けた貫通した孔からなる内部補充口61と、内部補充口61に夫々配設してあり、該内部補充口61を開閉可能な第二扉体7と、を備えたものであるため、第一扉体5および第二扉体7を開放して下方の収納領域の商品載置棚3に商品補充口25から商品を補充することができる。
【0053】
更に、下方の収納領域は、商品補充口25側が後部壁22と内部壁6との間を流通する冷却空気を介して外気と接しているため、後方からの外気の侵入が抑制され、冷却エネルギーを有効活用することができる。
【0054】
また、装置本体2の開口上部から前方に延在する天井板231と、天井板231の前端部231aに沿って設けてあり、該前端部から下方に延在する遮蔽手段4とを備えているものであるため、装置本体2の内部と外部との間の空気の流通を阻害して循環用吸込口811から外気が吸い込まれることを防止し、その結果、蒸発器82の熱負荷を減少して商品収納装置1の省エネルギー化を図ることができる。更に、回収用吸込口911から吸い込んで上方の収納領域へ送出した空気が、商品載置棚3の前方、かつ遮蔽手段4の内側を通過し、再び回収用吸込口911から吸い込まれることにより、下方の収納領域における開口の外側に上方から下方へ流通する空気の流れが形成され、循環用吸込口811から外気が吸い込まれることを防止することができる。そのため、蒸発器82の熱負荷を減少し、高い省エネルギー効果を得ることができる。
【0055】
また、上方の収納領域の温度を計測する第二温度センサ94と、回収用吸込口911から上方の収納領域までの空気の流通経路内または上方の収納領域に配設し、空気を温めるヒータ92とを備え、第二温度センサ94の計測温度に基づきヒータ92の発熱量と回収ファン93の回転数とを制御するものであるため、上方の収納領域を下方の収納領域と異なる温度領域とすることができ、上方の収納領域を下方の収納領域より高温の領域とすることができる。従って、例えば下方の収納領域を冷凍領域、上方の収納領域を冷蔵領域とすることが可能である。
【0056】
更に、上部壁23、天井板231および遮蔽手段4が透明な部材で構成してあるため、外光を用いて商品収納装置1の内部を照明することが可能であり、商品収納装置1の内部に設置する照明装置の設置数を減少して、省エネルギー化を図ることができる。また、発熱体となる照明装置の設置数を減少することにより、熱負荷を減少して省エネルギー化を図ることができる。特に、商品取出口24と遮蔽手段4との間の領域に余計な照明装置を設ける必要がないため、当該領域の温度上昇を低減して、循環用吸込口811および回収用吸込口911から高温の空気が吸い込まれることを防止し、熱負荷を減少して商品収納装置1の省エネルギー化を図ることができる。
【0057】
尚、本実施の形態ではヒータ92を回収ダクト91の内部に配設しているが、ヒータを第一扉体および/または第二扉体に設置し、第一扉体および/または第二扉体の表面の結露を防止する結露防止用のヒータと兼用することも可能である。結露防止用のヒータと兼用することにより、ヒータの設置コストを削減し、ヒータの加熱エネルギーを有効活用して商品収納装置1の省エネルギー化を図ることができる。
【0058】
また、本実施の形態では、商品載置棚3の各列に対応して商品補充口25を形成しているが、商品載置棚3ごとに一つの商品補充口を形成し、一つの商品補充口に対し、商品載置棚3の列ごとに開閉可能な第一扉体を複数設ける構成とすることも可能であり、商品載置棚3ごとに一つの内部補充口を形成し、一つの内部補充口に対し、商品載置棚3の列ごとに開閉可能な第二扉体を複数設ける構成とすることも可能である。
【0059】
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2である商品収納装置10の要部を示す縦断面図である。実施の形態2の商品収納装置10は、実施の形態1の天井板231に替えて天井板232を備えており、実施の形態1の遮蔽手段4に替えて遮蔽手段40を備えている。実施の形態2において、実施の形態1と同一の符号は同一の構成を示し、ここではその詳細を省略する。
【0060】
天井板232は、断熱性を有する透明な板状部材である。天井板232は、上部壁23の前端縁、すなわち装置本体の開口上部から前方に延在しており、前端部232aが下方に向けて曲折している。具体的には、図11に示すように、商品収納装置10を設置した際に、天井板232の前端部232aがピッキング作業を行う倉庫の内部に設置された商品移載装置101の鉛直上方に位置するように設けてある。商品移載装置101は、ピッキング作業領域において商品収納装置10の前方に配置した移載用コンベアであり、商品取出口24から取り出した商品を載置して配送フロア等へ移載するものである。天井板232の横幅は、上部壁23の横幅とほぼ同じ長さに形成してあり、本実施の形態では、上部壁23と天井板232とが一体的に形成してある。天井板232の前端部232aには遮蔽手段40が設けてある。
【0061】
遮蔽手段40は、装置本体2の内部と外部との間の空気の流通を妨げるものであり、図11に示すように、天井板232の前端部232aから下方に延在する態様で、天井板232の前端部232aに沿って設けてある。遮蔽手段40は可撓性を有する合成樹脂製の透明なシート部材であり、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)が形成してある。遮蔽手段40は、上部を天井板232の前端部232aに吊下げた態様で設けてある。遮蔽手段40の横幅は、商品取出口24の横幅とほぼ同じ長さに形成してある。遮蔽手段40の縦幅は、商品取出口24の縦幅より短く形成してある。具体的には、図11に示すように、遮蔽手段40の縦幅は、天井板232の前端部232aに吊下げた際に、遮蔽手段40の下端縁が商品移載装置101の鉛直上方に、商品移載装置101の上面と所定距離を置いて配設される長さに形成してある。
【0062】
上述した実施の形態2における商品収納装置10では、実施の形態1における効果に加え、遮蔽手段40が商品移載装置101の鉛直上方に配設されているため、商品載置棚3に載置された商品を商品移載装置101へ載置するまでの間、冷却することが可能である。更に、遮蔽手段40は商品移載装置101の上面と所定距離を置いて配設してあるため、商品移載装置101の上面に商品を載置し易い。
【0063】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3である商品収納装置の要部を示す縦断面図である。実施の形態3の商品収納装置1は、実施の形態1の天井板231に替えて天井板233を備えており、実施の形態1の遮蔽手段4に替えて遮蔽手段41を備えている。実施の形態3において、実施の形態1および実施の形態2と同一の符号は同一の構成を示し、ここではその詳細を省略する。
【0064】
天井板233は、断熱性を有する透明な板状部材である。天井板233は、上部壁23の前端縁、すなわち装置本体の開口上部から前方に延在しており、前端部233aが下方に向けて曲折している。具体的には、図12に示すように、天井板233は、商品収納装置11を設置した際に、商品収納装置11の前方に設置された商品移載装置101の上面を天井板233が所定距離を置いて覆う態様で、前方に長く延在してあり、天井板233の前端部233aが商品収納装置11に対して遠方に位置する商品移載装置101の側面101aの鉛直上方に位置するように設けてある。天井板233の横幅は、上部壁23の横幅とほぼ同じ長さに形成してあり、本実施の形態では、上部壁23と天井板233とが一体的に形成してある。天井板233の前端部233aには遮蔽手段41が設けてある。
【0065】
遮蔽手段41は、装置本体2の内部と外部との間の空気の流通を妨げるものであり、図12に示すように、天井板233の前端部233aから下方に延在する態様で、天井板233の前端部233aに沿って設けてある。遮蔽手段41は可撓性を有する合成樹脂製の透明なシート部材であり、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)が形成してある。遮蔽手段41は、上部を天井板233の前端部233aに吊下げた態様で設けてある。遮蔽手段41の横幅は、商品取出口24の横幅とほぼ同じ長さに形成してある。遮蔽手段41の縦幅は、商品取出口24の縦幅より短く形成してある。具体的には、図12に示すように、遮蔽手段40の縦幅は、天井板232の前端部232aに吊下げた際に、遮蔽手段41の下端縁が商品移載装置101の側面101aの上端より下側に位置する長さに形成してある。
【0066】
上述した実施の形態3における商品収納装置11では、実施の形態1における効果に加え、天井板233が商品移載装置101の上面を所定距離を置いて覆う態様で、前方に長く延在してあり、遮蔽手段41の下端縁が商品移載装置101の側面101aの上端より下側に位置する長さに形成してあるため、商品移載装置101に載置した商品を冷却することができ、商品移載装置101の上面に商品を載置し易い。
【0067】
尚、本発明の遮蔽手段は、天井板の前端部に沿って設けてあり、該前端部から下方に延在するものであって、装置本体2の内部と外部との間の空気の流通を遮ることが可能なものであればよく、例えば、図13に示すように、遮蔽手段42を可撓性を有する1枚のシート状の部材とすることも可能である。また、透明な板状の部材としてもよい。また、図14に示すように、天井板の前端部および側端部に沿って設けてあり、天井板の前端部および側端部から下方に延在する遮蔽手段43としてもよい。遮蔽手段43は、可撓性を有する透明なシート部材であり、上下方向に延びる細長の切り込み(スリット)431と、出入口432とが形成してある。出入口432は、遮蔽手段43において、天井板の側端部から下方に延在する部位に形成した開口である。遮蔽手段43によって商品収納装置の前面および側面を覆うことにより、外気の侵入を防止することができる。更に、出入口432を介して作業者が遮蔽手段43で囲まれた領域へ容易に進入、退出することができる。
【符号の説明】
【0068】
1、10、11 商品収納装置
2 装置本体
3 商品載置棚
4、40、41、42、43 遮蔽手段
5 第一扉体
6 内部壁
7 第二扉体
8 循環手段
22 後部壁
23 上部壁
24 商品取出口
25 商品補充口
30 仕切板
61 内部補充口
81 下部ダクト
82 蒸発器
83 循環ファン
91 回収ダクト
92 ヒータ
93 回収ファン
231、232、233 天井板
811 循環用吸込口
812 循環用吹出口
911 回収用吸込口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口した筐体からなる装置本体と、
前記装置本体の内部に上下方向に並んで複数配設し、前端が前記開口に臨むとともに後端が前記商品収納装置の後面に臨み、後方領域において補充された商品を前方領域において取り出し可能とする商品載置棚と
を備えた商品収納装置において、
前記装置本体の後面を画成する後部壁に商品載置棚ごとに設けた貫通した孔からなる商品補充口と、
前記商品補充口に夫々配設してあり、該商品補充口を開閉可能な第一扉体と、
前記後部壁と所定の距離を置いて配設し、上方および下方に収納領域を形成する態様で前記装置本体の内部を上下に区切る仕切板と、
前記仕切板の後端から下方に延在し、前記商品載置棚の後端との間に空気の流路を確保する態様で前記商品載置棚の後端と前記後部壁との間に配設して下方の収納領域の後面を画成する内部壁と、
前記内部壁に商品載置棚ごとに設けた貫通した孔からなる内部補充口と、
前記内部補充口に夫々配設してあり、該内部補充口を開閉可能な第二扉体と、
前記仕切板より下方の収納領域の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を冷却器で冷却して該収納領域へ戻す循環手段と、
前記装置本体の開口に吸込口を有し、前記後部壁と前記内部壁との間の領域と該吸込口とを連通する通気路と、
前記通気路の内部に配置し、前記吸込口から吸い込んだ空気を上方の収納領域に送出する送風手段と
を備えたことを特徴とする商品収納装置。
【請求項2】
前記装置本体の開口上部から前方に延在する天井板と、
前記天井板の前端部に沿って設けてあり、該前端部から下方に延在する遮蔽手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項3】
前記上方の収納領域の温度を計測する温度センサと、
前記吸込口から前記上方の収納領域までの空気の流通経路内または前記上方の収納領域に配設し、空気を温める発熱装置とを備え、
前記温度センサの計測温度に基づき前記発熱装置の発熱量と前記送風手段の回転数とを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の商品収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−179256(P2012−179256A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44436(P2011−44436)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】