説明

商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理方法

【課題】 商品販売データを記憶するコンパクトフラッシュ(登録商標)カードの交換時期を延長させる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理方法を提供する。
【解決手段】 代替セクタ判定手段の判定結果に基づき、累積する代替セクタ数が閾値に達するまで商品販売データを代替セクタへ記憶するコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10と、代替セクタ数が閾値を超える場合は、商品販売データをメモリ3に記憶させ、商品販売データの登録終了に応答して、メモリ3に記憶した複数の商品販売データを一括してコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10に書込む中央処理装置CPU1とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性の補助記憶装置を有する商品販売データ処理装置に関し、特に、不揮発性の半導体メモリの寿命を改善する商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、フラッシュメモリ用データ書込管理装置を用いることにより、フラッシュメモリ内のブロックについて、データ書込回数が少ない順にデータ書込動作(および消去動作)を行い、一部のブロックのみについてデータ書込(および消去)が集中されることを防止し、半導体メーカによって定められているデータ書込可能回数の範囲内で、ブロックについてデータ書込が平均的に行い、フラッシュメモリにおけるデータの信頼性を確保すると同時に、フラッシュメモリの寿命を実質的に延長していた(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−282484号公報(第36段落、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフラッシュメモリ用データ書込管理装置では、電子キャッシュレジスタに入力する商品販売データやログ情報の書き込み回数がデジタルカメラや組み込み機器に比して増大しており、不揮発性の補助記憶装置としてのフラッシュメモリの書替寿命が短い。
【0005】
また、電子キャッシュレジスタは、書き込みデータ量が1日の来客数に依存するため、フラッシュメモリの書替寿命を予知することが困難である。
【0006】
さらに、半導体メーカが推奨する書替保証回数と書替実力回数との間には大きな差異があるため、半導体メーカ推奨の書替保証回数以内に電子キャッシュレジスタのメンテナンスを実施すると、フラッシュメモリが十分に書替可能であっても電子キャッシュレジスタを停止させてフラッシュメモリを交換しなければならないという課題も存在する。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑み、商品販売データを記憶する補助記憶装置の交換時期を延長させる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、例えば、商品販売データを入力する入力装置、商品販売データを出力する表示装置、通信回線を通して商品販売データを上位装置へ送信する通信装置を有する商品販売データ処理装置であって、代替セクタ判定手段の判定結果に基づき、累積する代替セクタ数が閾値に達するまで商品販売データを代替セクタへ記憶する不揮発性の補助記憶装置と、代替セクタ数が閾値を超える場合は、商品販売データを記憶装置に記憶させ、商品販売データの登録終了に応答して、記憶装置に記憶した複数の商品販売データを一括して補助記憶装置に書込む中央処理装置と、を備える商品データ処理装置であることを要旨とする。
【0009】
本発明の一態様は、例えば、入力装置から商品販売データを入力し、商品販売データを表示装置へ出力し、通信回線を通して商品販売データを上位装置へ送信する商品販売データ処理方法であって、累積する代替セクタ数が閾値に達するまで商品販売データを不揮発性の補助記憶装置の代替セクタへ記憶するステップと、代替セクタ数が閾値を超える場合は、商品販売データを記憶装置に記憶させ、商品販売データの登録終了に応答して、中央処理装置が記憶装置に記憶した複数の商品販売データを一括して補助記憶装置に書込むステップと、を含む商品販売データ処理方法であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、商品販売データを記憶する補助記憶装置の交換時期を延長させる商品販売データ処理装置及び商品販売データ処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図示例と共に説明する。図1から図5は本発明の第1の実施の形態であって、各図中に同一または類似の符号を付した部分は同一物または相当物を表わし、重複した説明は省略する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置のブロック図である。商品販売データ処理装置15は、商品販売データを入力する入力装置としてのキーボード4若しくはスキャナー11、商品販売データを出力する表示装置としての表示器9、通信回線7を通して商品販売データを上位装置8(HOST)へ送信する通信装置としてのローカルエリアネットワークLANカード5を有する商品販売データ処理装置15であって、代替セクタ判定手段の判定結果に基づき、累積する代替セクタ数が閾値に達するまで商品販売データを代替セクタへ記憶する不揮発性の補助記憶装置としてのコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10と、代替セクタ数が閾値を超える場合は、商品販売データを記憶装置としてのメモリ3に記憶させ、商品販売データの登録終了に応答して、記憶装置としてのメモリ3に記憶した複数の商品販売データを一括して補助記憶装置としてのコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10に書込む中央処理装置CPU1と、を備える。
【0013】
ここで、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10は、書き込みゲートの活性化に伴いキャリアとしての電子又は正孔を注入するフローティングゲートを有する不揮発性メモリを対象とする。
【0014】
また、商品販売データ処理装置15では、商品販売データ登録処理を実行するために、起動時にCPU1にバス13を経由して接続されたキーボード4、表示器9、スキャナー11、プリンタ12、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10、LANカード5などの周辺機器を制御するプログラム群BIOS2を実行する。
【0015】
メモリ3は、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリDRAMやスタティクランダムアクセスメモリSRAMのような揮発性の半導体記憶装置を対象とし、商品販売データ処理装置15の電源供給を切断すると記憶したデータを消滅させる固体記憶手段である。
【0016】
CPU1は、BIOS2による初期設定を完了させてから、メモリ3へ商品販売データ処理のアプリケーションプログラムをロードし実行する。メモリ3は、アプリケーションプログラムをロードする他に、商品販売データを一時記憶する記憶領域として使用することができる。
【0017】
商品販売データ処理装置15は、LANカード5を経由して店舗の上位装置8(HOST)に接続され、キーボード4から商品の登録時単価や業務の締め操作時の預金額を入力し、CPU1が演算処理した売上データや障害情報を上位装置8へ送信し、バージョンアップした商品販売データ処理のアプリケーションプログラムをLANカード5に経由させてダウンロードする。
【0018】
また、商品販売データ処理装置15は、液晶ディスプレイのような表示器9へ商品登録時の情報を表示し、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10へ商品販売データ処理のアプリケーションプログラムや商品売上データや操作ログなどを記憶する。
【0019】
さらに、商品販売データ処理装置15は、スキャナー11を通して商品等に添付されたバーコードを読み込み、プリンタ12へ商品取引の明細などを印字させる。
【0020】
図2及び図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置に装着されるコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の構成を説明する。コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10は、バス13に接続され、コンパクトフラッシュコントローラ19(以下、「CFコントローラ」と略記する。)、フローティングゲートを有する複数のメモリセルを含むフラッシュメモリ18を備える。
【0021】
CFコントローラ19は、CPU1とのインターフェースとしてコマンドを受け付け、商品販売データを送信及び受信し、フラッシュメモリ18に対する制御コードの読み出し及び書き込みを制御する。
【0022】
また、CFコントローラ19は、フラッシュメモリ18のセクタ情報として、図3に示すトータルセクタ数の初期値21、現在の代替セクタ数22(a)、代替セクタ数の閾値23(n)を記憶するレジスタで構成したメモリテーブル20(図3参照)を備える。
【0023】
CFコントローラ19は、CPU1から受信するセクタ書込信号に基づいて、選択されたセクタが何回書込又は消去をしたかカウントし、このカウント値を書込消去回数データとしてフラッシュメモリ18のメモリ管理領域に記憶する。
【0024】
同時に、CFコントローラ19は、選択されたセクタに含まれる複数のブロック領域(例えば、1ブロックを256バイト)の有効又は無効を示すフラグ情報をフラッシュメモリ18のメモリ管理領域に記憶する。
【0025】
すなわち、CFコントローラ19は、選択されたセクタの中でデータを記憶するブロック領域については、有効を示すフラグ「1」を記憶し、一方、データを記憶する必要のないブロック領域については、無効を示すフラグ「0」を記憶する。
【0026】
CFコントローラ19は、CPU1から書込又は消去命令を受信し、無効を示すフラグ「0」のブロック領域にデータを書き込む。
【0027】
CFコントローラ19は、CPU1から受信した商品販売データとブロック領域に書き込んだデータが一致するかベリファイ処理を実行する。データの一致を検出した場合はベリファイ処理をしたブロック領域のセクタを正常セクタと判定し、データの不一致を検出した場合はベリファイ処理をしたブロック領域のセクタを不良セクタと判定する。
【0028】
CFコントローラ19は、不良セクタに代替する代替セクタにCPU1から受信したデータを書き込み、メモリテーブル20の現在の代替セクタ数22(a)の値を増分する。この場合、メモリ管理領域に記録した不良セクタの書込消去回数が書込消去実力値である。
【0029】
このように、CFコントローラ19は、CPU1から書込又は消去命令を受信し、レジスタのメモリテーブル20を参照し、現在の代替セクタ数22(a)と代替セクタ数23(閾値n)を比較し累積する代替セクタ数が閾値nに達するまでCPU1から受信する商品販売データ及び操作ログをフラッシュメモリ18のブロック領域へ記憶する。
【0030】
また、CPU1は、CFコントローラ19から累積する代替セクタ数が閾値nを超えるコードを受信した場合は、商品販売データ及び操作ログをメモリ3へ一時記憶する。
【0031】
メモリテーブル20では、例えば、トータルセクタ数22(a)を「51200」本、代替セクタ数23(閾値n)を「12800」本とした場合、全セクタの25%まで代替セクタに通常書き込みモードで商品販売データ及び操作ログの書込み動作を設定することができる。しかも、ベリファイ処理によりメーカ推奨の書替消去寿命より長期間に亘り商品販売データ及び操作ログの書き込みができるので、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の交換時期も長くすることができる。
【0032】
ただし、本発明は、閾値を25%の値に限定するものではなく、任意の閾値を設定することもできる。例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の容量が増大する場合は閾値nを増加させ、容量が減少する場合は閾値nを減らせばよい。
【0033】
また、CPU1は、書込み回数低減モードで商品販売データ及び操作ログをメモリ3に一時記憶させてから、営業終了時にオペレータから商品販売データの登録終了操作に応答して、一時記憶させた商品販売データ及び操作ログをフラッシュメモリ18へ一括書き込みすることができる。
【0034】
このように、第1の実施の形態では、フラッシュメモリ18の書替消去寿命を代替セクタ数で予測するので、商品販売データ処理装置15の運用を停止させずに、営業時間外にコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の交換を行なうことができるという利点を有する。
【0035】
さらに、CPU1は、書込み回数低減モードに移行した段階で、表示器9へ「書込み回数低減モード」を表示して操作者へ報知させてもよく、上位装置8への書込み回数低減モード発生通報との相乗効果でコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の交換時期を容易に確認することができる。
【0036】
図4のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置の動作を説明する。
【0037】
スタートステップ(以下、ステップを「S」と略記する。)では、商品販売データ処理装置15が起動し、商品販売データ処理のアプリケーションプログラムをメモリ3にロードしCPU1によって実行する。
【0038】
CPU1は、終了判定S30でキーボード4若しくはスキャナー11から入力される終了コマンドに応答し処理終了か否かを判定する。CPU1は、終了判定S30でキーボード4若しくはスキャナー11から入力される登録コマンド(NO)に応答し処理を登録S31へ分岐させる。
【0039】
CPU1は、登録S31で、キーボード4若しくはスキャナー11から入力される商品販売データをメモリ3へ一時記憶させ、データ送信S32へ移行してLANカード5及び通信回線7を経由させて上位装置8へ商品販売データを送信する。
【0040】
引き続き、CPU1は、セクタ情報取得S33へ移行し、CFコントローラ19からフラッシュメモリ18の代替セクタ情報を取得てから、フラッシュメモリ18の寿命予測S34へ移行する。
【0041】
CPU1は、寿命予測S34においてレジスタのメモリテーブル20を参照し、フラッシュメモリ18の現在の代替セクタ数22(a)が閾値の代替セクタ数23(n)より大きいか否か判定をする。否判定(NO)の場合はフラッシュメモリ18へのデータ書き込みS35へ分岐し、商品販売データや操作ログをフラッシュメモリ18へ書き込み、処理を終了判定S30へ復帰させる。
【0042】
また、CPU1は、寿命予測S34においてレジスタのメモリテーブル20を参照し、フラッシュメモリ18の現在の代替セクタ数22(a)が閾値の代替セクタ数23(n)より大きいか否か判定し、是判定(YES)のときはホスト通知S36へ分岐し代替セクタ数が閾値(n)を超えた予測寿命到達コードを上位装置8へ送信する。
【0043】
さらに、CPU1は、予測寿命到達コードを上位装置8へ送信してから、データ書き込みS37へ移行してメモリ3に商品販売データや操作ログを書き込み、処理を終了判定Sへ復帰させる。
【0044】
CPU1は、終了判定S30で終了処理(YES)と判定した場合は、CF書き込みS38へ分岐しメモリ3に記憶した複数の商品販売データや操作ログをコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10へ一括して書き込み、終了S39へ移行して商品販売データ処理を終了させる。例えば、1つのセクタに含まれる複数のブロック領域へ複数の商品販売データや操作ログを連続して書き込むとメモリ消費効率がよい。
【0045】
図5は、本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置の斜視図である。図1に例示した構成要素と同一の部材については重複する説明を省略する。
【0046】
商品販売データ処理装置15は、現金などを収容するドロワ47に載置され、表示器9、表示器9の裏面側に立設する客用表示器45、ワイヤで接続されるプリンタ12、ワイヤで接続されるスキャナー11、上位装置8と通信回線7を通して接続するLANカード5、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10を備える。
【0047】
表示器9では、CPU1がキーボードアイコン44の選択操作に応答してソフトキーボードのようなキーボード4を表示し、キーボード4から入力する商品販売データや操作ログをコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10へ書き込み、商品販売データを印字したレシートをプリンタ12のレシート口46から出力する。
【0048】
図示した商品販売データ処理装置15は、キーボードアイコン44のタッチ操作によりCPU1がメモリ3からビットマップ情報を読み出し入力文字キーボード4を表示器9にポップアップ表示し、CPU1がオペレータから入力される商品販売データを受け付け、メモリ3若しくは着脱可能なコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10に記憶することができる。
【0049】
このように、本発明の第1の実施の形態では、活性化されている選択ボタン及びテンキーボタン内の表示領域をハイトライト状態で表示するので、オペレータに情報入力モードを容易に確認させることができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
図1及び図6のフローチャートを参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置の動作を説明する。第1の実施の形態の構成要素と同一または類似の符号を付した部分は同一物または相当物を表わし、重複した説明は省略する。
【0051】
スタートSでは、商品販売データ処理装置15が起動し、商品販売データ処理のアプリケーションプログラムをメモリ3にロードしCPU1によって実行する。
【0052】
CPU1は、終了判定S30でキーボード4若しくはスキャナー11から入力される終了コマンドに応答し処理終了か否かを判定する。CPU1は、終了判定S30でキーボード4若しくはスキャナー11から入力される登録コマンド(NO)に応答し処理を登録S31へ分岐させる。
【0053】
CPU1は、登録S31で、キーボード4若しくはスキャナー11から入力される商品販売データをメモリ3へ一時記憶させ、データ送信S32へ移行してLANカード5及び通信回線7を経由させて上位装置8へ商品販売データを送信する。
【0054】
引き続き、CPU1は、セクタ情報取得S33へ移行し、CFコントローラ19からフラッシュメモリ18の代替セクタ情報を取得てから、フラッシュメモリ18の寿命予測S34へ移行する。
【0055】
CPU1は、寿命予測S34においてレジスタのメモリテーブル20を参照し、フラッシュメモリ18の現在の代替セクタ数22(a)が閾値の代替セクタ数23(n)より大きいか否か判定をする。否判定(NO)の場合はフラッシュメモリ18へのデータ書き込みS35へ分岐し、商品販売データや操作ログをフラッシュメモリ18へ書き込み、処理を終了判定S30へ復帰させる。
【0056】
この場合、CFコントローラ19は、CPU1から書込又は消去命令を受信し、有効を示すフラグ「1」が存在しない代替セクタにデータを書き込む。つまり、既にデータを書き込んだ有効のブロック領域が存在するセクタには、書込み制御ゲートを共通とする無効のブロック領域へのデータ書込みを禁止し書替寿命を延長させる。したがって、CFコントローラ19は、メモリセルのデータリテンション及び信頼性低下を防止する。
【0057】
商品販売データ処理装置15は、商品の販売毎に1回だけ書込みをする商品販売データ及び操作ログを逐次的にフラッシュメモリ18へ書き込むので、既にセクタに書き込まれたデータをすべて消去してから書込動作をしない限り、書込み動作はセクタ数に対応する回数に制限される。
【0058】
そこで、CFコントローラ19は、レジスタのメモリテーブル20(図3)を参照し、トータルセクタ数21(初期値)と、現在の代替セクタ数22(a)と、代替セクタ数23(閾値n)とを読み出し、商品販売データ及び操作ログの書込み動作に応答させて、現在の代替セクタ数22(a)を増分させ、代替セクタ数23(閾値n)と比較し累積する代替セクタ数が閾値nに達するまで商品販売データ及び操作ログをフラッシュメモリ18のブロック領域へ書き込むことができる。
【0059】
また、CPU1は、寿命予測S34においてレジスタのメモリテーブル20を参照し、フラッシュメモリ18の現在の代替セクタ数22(a)が閾値の代替セクタ数23(n)より大きいか否か判定し、是判定(YES)のときはホスト通知S36へ分岐し代替セクタ数が閾値(n)を超えた予測寿命到達コードを上位装置8へ送信する。
【0060】
さらに、CPU1は、予測寿命到達コードを上位装置8へ送信してから、データ書き込みS37へ移行してメモリ3に商品販売データや操作ログを書き込み、データ長判定S40へ移行し、メモリ3の書き込みデータ長がフラッシュメモリ18のセクタに含まれる全ブロック長以下であるか判定する。
【0061】
CPU1は、データ長判定S40で、メモリ3の書き込みデータ長が全ブロック長以下と判定した場合は、処理を終了判定S30へ復帰させる。
【0062】
CPU1は、終了判定S30で終了処理(YES)と判定した場合は、CF書き込みS38へ分岐しメモリ3に記憶した複数の商品販売データや操作ログをコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10へ一括して書き込み、終了S39へ移行して商品販売データ処理を終了させる。例えば、1つのセクタに含まれる複数のブロック領域へ複数の商品販売データや操作ログを連続して書き込むとメモリ消費効率がよい。
【0063】
一方、CPU1は、データ長判定S40で、メモリ3の書き込みデータ長が全ブロック長を超えると判定したときは、データ転送S41へ移行してメモリ3に記憶した商品販売データや操作ログをフラッシュメモリ18へ転送し、処理を終了判定S30へ復帰させる。
【0064】
上述したメモリテーブル20は、例えば、トータルセクタ数22(a)を「51200」本、代替セクタ数23(閾値n)を「46080」本とした場合、代替セクタの90%まで通常書き込みモードで商品販売データ及び操作ログの書込みに対応させ、残り10%の代替セクタについては、書込み回数低減モードでメモリ3を経由して商品販売データ及び操作ログの書込みに対応させることができる。
【0065】
ただし、本発明は、閾値を90%の値に限定するものではなく、任意の閾値を設定することもできる。例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の容量が増大する場合は閾値nを増加させ、容量が減少する場合は閾値nを減らせばよい。
【0066】
また、CPU1は、書込み回数低減モードで商品販売データ及び操作ログの書込み動作を継続させ、トータルセクタ数22(a)に到達した段階でCFコントローラ19からメモリオーバフローコマンドを受信し、表示器9へ警報を表示させ操作者にコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の交換を操作者に促すことができる。
【0067】
この場合、交換したコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10は、データを一括消去し、再使用することができる。
【0068】
CPU1は、再使用するコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10のフラッシュメモリ18の書込又は消去動作時にベリファイ処理エラーを検出したときは、直ちに書込回数低減モードに移行し、メモリ3に商品販売データ及び操作ログを書き込んでから、登録終了を判定しメモリ3から商品販売データ及び操作ログをフラッシュメモリ18の代替セクタへ一括転送書き込みを実行するとコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の寿命を延長させることができる。
【0069】
このように、本発明の実施の形態では、フラッシュメモリ18の寿命を延長させることができるので、商品販売データ処理装置15の運用を停止させずに、営業時間外にコンパクトフラッシュ(登録商標)カード10の交換を行なうことができるという利点を有する。
【0070】
したがって、予測寿命到達コマンドの送信時からオーバフローコマンド受信時まで、商品販売データ処理装置15のメンテナンス時間に割り当てることができるため、よりきめ細かなサービスを提供することができる。
【0071】
なお、本発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置のブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置に用いるコンパクトフラッシュ(登録商標)カードのブロック図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に用いるフラッシュメモリのメモリテーブルを示す図。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置の処理フローチャート。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置の斜視図。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる商品販売データ処理装置の処理フローチャート。
【符号の説明】
【0073】
1・・・CPU、3・・・メモリ、4 キーボード、5・・・LANカード、7・・・通信回線、8・・・上位装置、9・・・表示器、10・・・コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、11・・・スキャナー、12・・・プリンタ、15・・・商品販売データ処理装置、18・・・フラッシュメモリ、19・・・コンパクトフラッシュコントローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売データを入力する入力装置、商品販売データを出力する表示装置、通信回線を通して商品販売データを上位装置へ送信する通信装置を有する商品販売データ処理装置であって、
代替セクタ判定手段の判定結果に基づき、累積する代替セクタ数が閾値に達するまで前記商品販売データを代替セクタへ記憶する不揮発性の補助記憶装置と、
前記代替セクタ数が閾値を超える場合は、前記商品販売データを記憶装置に記憶させ、前記商品販売データの登録終了に応答して、前記記憶装置に記憶した複数の商品販売データを一括して前記補助記憶装置に書込む中央処理装置と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記補助記憶装置は、前記代替セクタ数を記憶するレジスタを有する不揮発性メモリコントローラからの書込回数低減コマンドに基づき、前記記憶装置から複数の商品販売データを一括して書込む前記中央処理装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記補助記憶装置は、フローティングゲートを有する不揮発性メモリであることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
入力装置から商品販売データを入力し、商品販売データを表示装置へ出力し、通信回線を通して商品販売データを上位装置へ送信する商品販売データ処理方法であって、
累積する代替セクタ数が閾値に達するまで商品販売データを不揮発性の補助記憶装置の代替セクタへ記憶するステップと、
前記代替セクタ数が閾値を超える場合は、前記商品販売データを記憶装置に記憶させ、商品販売データの登録終了に応答して、中央処理装置が前記記憶装置に記憶した複数の商品販売データを一括して前記補助記憶装置に書込むステップと、
を含むことを特徴とする商品販売データ処理方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−155532(P2006−155532A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349134(P2004−349134)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】