噛合チェーン式進退作動装置
【課題】相互に噛み外れた噛合チェーンが駆動スプロケットに巻き込まれることを回避し、しかも噛合チェーンの騒音増大および走行異常を回避するとともにガイドエッジなどのチェーン軌道規制部材のメンテナンスに要する作業負担を軽減すること。
【解決手段】噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２から駆動スプロケット間領域Ｒに延びている内側チェーンユニット規制部分１５１Ａと一対の外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂ、１５１Ｂとを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造１５１を有しているチェーン軌道規制部材１５０を備えた噛合チェーン式進退作動装置１００。
【解決手段】噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２から駆動スプロケット間領域Ｒに延びている内側チェーンユニット規制部分１５１Ａと一対の外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂ、１５１Ｂとを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造１５１を有しているチェーン軌道規制部材１５０を備えた噛合チェーン式進退作動装置１００。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、各種製造分野の製造設備、運輸分野の移送設備、医療福祉分野の介護設備、芸術分野の舞台設備などに用いて被駆動物を進退動させる噛合チェーン式進退作動装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、噛合チェーン式進退作動装置としては、相互に噛み合って一体的に駆動される一対の噛合チェーン、所謂、チャックチェーンを用いて重量物などの被駆動物を移動させる噛合チェーン式昇降装置がある。
このような従来の噛合チェーン式昇降装置では、相互に噛み外れた噛合チェーンを規制するガイドエッジによって駆動スプロケットへの噛合チェーンの巻き込みを回避している（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平１１−２７８７９７号公報（段落［００２６］、図４参照。）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上述した従来の噛合チェーン式昇降装置では、板状の収納ガイド部の片面側のみに設置されたガイドエッジによって噛合チェーンを規制しているため、噛合チェーンの側面のうちチェーン幅方向に沿って噛合チェーンの側面に対するガイドエッジの接触領域に偏りを生じさせて噛合チェーンの走行軌道が歪んでしまうとともに噛合チェーンの側面における接触磨耗に偏りが生じて噛合チェーン走行時の騒音増大および走行異常を回避することが困難になるという問題点があった。
また、上述した従来の噛合チェーン式昇降装置において、チェーン幅方向に並列配置された複数の収納ガイド部のそれぞれの両面にガイドエッジを固定設置してガイドエッジの接触領域の偏りと噛合チェーンの接触磨耗の偏りとを回避しようとした場合、複数の収納ガイド部間にガイドエッジが配置されるため、複数の収納ガイド部を相互に分解した後にガイドエッジを収納ガイド部から取り外してガイドエッジをメンテナンスしなければならず、しかも一対の噛合チェーンの剛直位置の周辺に駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材が設置されていた場合には軸支持部材を取り外す必要も生じ、ガイドエッジのメンテナンスに伴って装置を分解する手間が生じてガイドエッジのメンテナンスに多大な作業負担を要するという保守メンテナンス上の厄介な問題点があった。
【０００５】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンが駆動スプロケットに巻き込まれることを回避し、しかも噛合チェーンの騒音増大および走行異常を回避するとともにガイドエッジなどのチェーン軌道規制部材のメンテナンスに要する作業負担を軽減する噛合チェーン式進退作動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
まず、本請求項１に係る発明の噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンと、前記チェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと、前記噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と、前記複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと、前記駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに前記複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備えた噛合チェーン式進退作動装置であって、前記チェーン軌道規制部材が、前記駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から前記複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って互いに隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有していることにより、前述した課題を解決したものである。
【０００７】
そして、本請求項２に係る発明は、請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置において、前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみてチェーンユニットに臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【０００８】
そして、本請求項３に係る発明は、請求項１または請求項２に係る噛合チェーン式進退作動装置において、前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみて駆動スプロケットの回転軸に臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンと、チェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと、噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と、複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと、前記駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備えていることにより、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンが駆動スプロケットに巻き込まれることを回避することができるばかりでなく、以下のような特有の構成に対応した格別の効果を奏することができる。
【００１０】
すなわち、本請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン軌道規制部材が、駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って互いに隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有していることにより、チェーン幅方向に沿って複数のチェーンユニットの側面のそれぞれの両端領域から内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分によって噛合チェーンを規制して噛合チェーンの側面のうちチェーン軌道規制部材に接触する接触領域についてチェーン幅方向に沿って偏りを回避して噛合チェーンの走行軌道の歪みを回避するとともに噛合チェーンの側面における接触磨耗の偏りが回避されるため、噛合チェーンの騒音増大および走行異常を回避することができ、しかも噛合チェーンの噛み外れ方向にチェーン軌道規制部材を取り外してチェーン軌道規制部材のメンテナンスを行うことでチェーン軌道規制部材のメンテナンスに要する作業負担を軽減することができる。
より具体的には、例えば、チェーン軌道規制部材が軸支持部材に着脱自在に設置されている場合には、すなわち、駆動スプロケット駆動軸の軸支持部材に対して直接固定することで、容易に、正確な位置決めを行うことが可能になるとともに、チェーン収納ガイドプレートを取り外した後、軸支持部材および駆動スプロケットを分解して取り外すことなく、チェーン噛み外れ方向にチェーン軌道規制部材を引き抜くことにより、噛合チェーン式進退作動装置全体を分解する手間を軽減してチェーン軌道規制部材をメンテナンスすることができる。
【００１１】
そして、本請求項２に係る噛合チェーン式進退作動装置は、請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置が奏する効果に加えて、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、この先端部からみてチェーンユニットに臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分の先端部におけるチェーンユニットの引っかかり、すなわち噛合チェーンの引っかかりが回避されるため、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分の先端部が噛合チェーンに引っかかることによって生じうる噛合チェーンの磨耗および振動を回避して噛合チェーンの騒音増大および走行異常をより一層回避することができる。
【００１２】
そして、本請求項３に係る噛合チェーン式進退作動装置は、請求項１または請求項２に係る噛合チェーン式進退作動装置が奏する効果に加えて、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、この先端部からみて駆動スプロケットの回転軸に臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、面取りが施されていない場合に比べて回転軸に近い位置まで内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分の先端部が設置されるため、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンの分岐位置に近い位置から噛合チェーンを規制して噛合チェーンの駆動スプロケットへの巻き込みを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の側面図。
【図２】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の平面図。
【図３】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部斜視図。
【図４】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の拡大側面図。
【図５】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置を一部拡大した断面図。
【図６】噛合チェーンの一部拡大図。
【図７】噛合チェーンの一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明の噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンとチェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備え、チェーン軌道規制部材が駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有し、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンが駆動スプロケットに巻き込まれることを回避し、しかも噛合チェーンの騒音増大および走行異常を回避するとともにチェーン軌道規制部材のメンテナンスに要する作業負担を軽減するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
なお、本発明の「噛み外れ方向」とは、相互に噛み外れて分岐した一対の噛合チェーンのうち一方の噛合チェーンがチェーン収納ガイドに向かって走行する方向を意味しており、一方の噛合チェーンに対応して配置されたチェーン軌道規制部材は、規制対象である一方の噛合チェーンの噛み外れ方向から駆動スプロケット間領域に延びて配置されている。
【００１５】
そこで、本発明の噛合チェーン式進退作動装置においては、噛合チェーンを構成するチェーンユニットがチェーン幅方向に複数列配置されていればよく、例えば、２列並列配置されていてもよいし、３列以上並列配置されていてもよい。
すなわち、チェーンユニットが２列並列配置されている場合には、チェーン軌道規制部材は、これらチェーンユニットをそれぞれ含む２つの仮想平面のそれぞれに並列配置された２つの駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びる一つの内側チェーンユニット規制部分を有して噛合チェーンを規制することができる。
また、チェーンユニットが３列以上並列配置されている場合、チェーン軌道規制部材は、これらチェーンユニットをそれぞれ含む３つ以上の仮想平面のそれぞれに並列配置された３つ以上の駆動スプロケットのうち隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域毎にそれぞれ延びる２つ以上の内側チェーンユニット規制部分を有して噛合チェーンを規制することができる。
【００１６】
そして、チェーン軌道規制部材は、チェーン収納ガイドプレートに直接設置されて固定されていてもよいし、チェーン収納ガイドプレートに固定設置された固定部材を介して間接的に固定設置されていてもよい。
また、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が面取りされた面取り形状は、噛合チェーンの噛み外れ方向に対して鋭角をなして交差する平面形状であってもよいし、曲面形状であってもよい。
また、チェーン軌道規制部材は、連動ギヤおよび駆動ギヤをその外側で保護するとともに駆動スプロケットの駆動軸を軸支する軸支持部材に着脱自在に固定設置されていてもよい。
【００１７】
また、本発明の噛合チェーン式進退作動装置は、設置面が据え置き設置形態となる床面であっても、吊り下げ設置形態となる天井面であっても進退動作に何ら支障はなく、さらには、片持ち支持形態となる垂直壁面であっても前述した進退動作に何ら支障はない。
【実施例】
【００１８】
以下、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置１００を図１乃至図７に基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の側面図であり、図２は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の平面図であり、図３は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部斜視図であり、図４は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の拡大側面図であり、図５は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置を一部拡大した断面図であり、図６は、噛合チェーンの一部拡大図であり、図７は、噛合チェーンの一部断面図である。
なお、図３では、チェーン軌道規制部材１５０の構成を明確にするため便宜上噛合チェーンの図示を省略している。
【００１９】
まず、図１に示す本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置１００は、作業床面に据え置き状態で設置されて、重量物などの被駆動物（図示しない）を搭載する昇降テーブルなどの搬送物支持部１３０を設置面Ｇに対して平行に昇降させるものである。
【００２０】
本実施例の噛合チェーン式進退作動装置１００は、図１乃至図７に示すように、チェーン幅方向Ｗに並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニット１１１を各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーン１１０と、チェーンユニット１１１をそれぞれ含む複数の仮想平面Ｓ１およびＳ２内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニット１１１に係合して噛合チェーン１１０を駆動する複数の駆動スプロケット１２０と、噛合チェーン１１０の一端に取り付けられて噛合チェーン１１０の進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部１３０と、複数の仮想平面Ｓ１およびＳ２内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐している噛合チェーン１１０を構成する複数列のチェーンユニット１１１をそれぞれチェーン収納ガイド１４１に案内する複数のチェーン収納ガイドプレート１４０と、チェーン収納ガイドプレート１４０に着脱自在に設置されているとともに複数の駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐している噛合チェーン１１０の側面側からチェーンユニット１１１の動作を規制してチェーンユニット１１１をチェーン収納ガイド１４１に案内するチェーン軌道規制部材１５０とを備えている。
これにより、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーン１１０、１１０が駆動スプロケット１２０、１２０に巻き込まれることを回避するようになっている。
【００２１】
すなわち、本実施例の噛合チェーン式昇降装置１００では、図６および図７に示すように、噛合チェーン１１０を構成する複数列のチェーンユニット１１１のそれぞれは、左右一対でチェーン幅方向Ｗに並列配置されているとともに前後一対のブシュ１１１Ｂを圧入嵌合してなる一対の内歯プレート１１１Ａと、チェーン幅方向Ｗに配置された中間歯プレート１１１Ｃとを備え、一対の内歯プレート１１１Ａがチェーン幅方向Ｗの最も外側に配置される外歯プレート１１１Ｄの前後一対のピン孔に圧入嵌合する前後一対の連結ピン１１１Ｅによりチェーン長手方向に多数連結されたものである。
そして、ブシュ１１１Ｂの外周には、ローラ１１１Ｆが外嵌されている。
【００２２】
本実施例では、内リンクユニットを構成する一対の内歯プレート１１１Ａをチェーン幅方向Ｗに並列配置したことにより、一対の噛合チェーン１１０、１１０の一方を構成する内歯プレート１１１Ａと中間歯プレート１１１Ｃと外歯プレート１１１Ｄとが、これに対向する他方の噛合チェーン１１０を構成する内歯プレート１１１Ａと中間歯プレート１１１Ｃと外歯プレート１１１Ｄとに対してチェーン幅方向Ｗの複列に亙ってそれぞれフック状、所謂、チャック状に多重かつ強固に噛み合っている。
このため、噛合チェーン１１０のチェーン幅方向Ｗに生じがちな座屈を確実に抑制し、しかもチェーン幅方向Ｗにおける駆動スプロケット１２０との噛合バランスを向上するようになっている。
【００２３】
そして、一対の噛合チェーン１１０は、図１乃至図７に示すように、チェーン幅方向Ｗに並列配置されて前述したブシュ１１１Ｂと噛合うとともに駆動モータＭおよび駆動ギヤＦを介して供給された駆動力によって回転軸１２０Ａを中心に連結ギヤＥ、Ｅとともに駆動される一対の駆動スプロケット１２０、１２０にそれぞれ対向配置させ、水平方向から垂直方向へ、すなわち噛み外れ方向Ｄ２から剛直方向Ｄ１へ偏向しながら相互に対向する内歯プレート１１１Ａ同士、中間歯プレート１１１Ｃ同士、外歯プレート１１１Ｄ同士をチェーン長手方向に半ピッチずらした状態で内歯プレート１１１Ａのフック部分同士、中間歯プレート１１１Ｃのフック部分同士、外歯プレート１１１Ｄのフック部分同士をそれぞれ噛み合わせると同時に内歯プレート１１１Ａ同士、中間歯プレート１１１Ｃ同士、外歯プレート１１１Ｄ同士をそれぞれ接触させる一方で、相互に噛み合った内歯プレート１１１Ａ同士および外歯プレート１１１Ｄ同士を一対の駆動スプロケット１２０により垂直方向から水平方向へ、すなわち剛直方向Ｄ１からへ噛み外れ方向Ｄ２へ偏向させて内歯プレート１１１Ａ同士および外歯プレート１１１Ｄ同士の接触を開放させると同時に内歯プレート１１１Ａ同士、中間歯プレート１１１Ｃ同士、外歯プレート１１１Ｄ同士をそれぞれ噛み外して分岐させるように構成されている。
【００２４】
次に、前述した本実施例の噛合チェーン式進退作動装置１００が最も特徴とするチェーン軌道規制部材１５０の具体的な形態について、図１乃至図５に基づいて詳しく説明する。
本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置１００では、図１乃至図５に示すように、チェーン軌道規制部材１５０が、駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐する噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２から複数の駆動スプロケット１２０のうちチェーン幅方向Ｗに沿って隣り合う駆動スプロケット１２０、１２０を相互に隔てる駆動スプロケット間領域Ｒに延びている内側チェーンユニット規制部分１５１Ａとチェーン幅方向Ｗに沿って複数の駆動スプロケット１２０の外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂ、１５１Ｂとを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造１５１を有している。
【００２５】
これにより、チェーン幅方向Ｗに沿って複数のチェーンユニット１１１のそれぞれの両端領域から内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂによって噛合チェーン１１０を規制して噛合チェーン１１０の側面のうちチェーン軌道規制部材１５０に接触する接触領域についてチェーン幅方向Ｗに沿って偏りを回避して噛合チェーン１１０の走行軌道の歪みを回避するとともに噛合チェーン１１０の側面における接触磨耗の偏りが回避される。
このため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、噛合チェーン１１０の騒音増大および走行異常を回避し、しかも噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２にチェーン軌道規制部材１５０を取り外してチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスを行うことでチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスに要する作業負担を軽減するようになっている。
【００２６】
より具体的には、チェーン軌道規制部材１５０は、Ｌ字型固定部材Ｃを介してチェーン収納プレート１４０に固定設置されているとともに噛み外れ方向Ｄ２に引き出して着脱自在に構成されている。
これにより、複数のチェーン収納ガイドプレート１４０を相互に分離してチェーン軌道規制部材１５０を交換しなくてもチェーン軌道規制部材１５０を噛み外れ方向Ｄ２に引き出して取り外されるため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、チェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスに要する作業負担を軽減するようになっている。
また、チェーン軌道規制部材１５０が軸支持部材１６０に着脱自在に固定設置されている場合には、チェーン収納ガイドプレート１４０を取り外した後、軸支持部材１６０および駆動スプロケット１２０を分解して取り外すことなく、チェーン噛み外れ方向Ｄ２にチェーン軌道規制部材１５０を引き抜くことにより、噛合チェーン式進退作動装置１００は、噛合チェーン式進退作動装置１００全体を分解する手間を軽減してチェーン軌道規制部材１５０をメンテナンスするようになっている。
【００２７】
また、図４および図５に示すように、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂのそれぞれの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが、これら先端部１５２Ａおよび１５２Ｂからみてチェーンユニット１１１に臨む側でそれぞれ面取りされている。
これにより、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂにおける噛合チェーン１１０の引っかかりが回避されるため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが噛合チェーン１１０に引っかかることによって生じうる噛合チェーン１１０の磨耗および振動を回避して噛合チェーン１１０の騒音増大および走行異常をより一層回避するようになっている。
【００２８】
また、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂのそれぞれの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが、これら先端部１５２Ａおよび１５２Ｂからみて駆動スプロケット１２０の回転軸１２０Ａに臨む側でそれぞれ面取りされている。
これにより、面取りが施されていない場合に比べて駆動スプロケット１２０の一部を構成するボス部１２０Ｂに接触することなく回転軸１２０Ａに近い位置まで内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが設置されるため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーン１１０の分岐位置に近い位置からチェーン軌道規制部材１５０によって噛合チェーン１１０を規制して噛合チェーン１１０の駆動スプロケット１２０への巻き込みを効果的に回避するようになっている。
【００２９】
このようにして得られた本実施例の噛合チェーン式進退作動装置１００では、チェーン軌道規制部材１５０が、駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐する噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２から複数の駆動スプロケット１２０のうちチェーン幅方向Ｗに沿って隣り合う駆動スプロケット１２０を相互に隔てる駆動スプロケット間領域Ｒに延びている内側チェーンユニット規制部分１５１Ａとチェーン幅方向Ｗに沿って複数の駆動スプロケット１２０の外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂ、１５１Ｂとを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造１５１を有していることにより、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーン１１０、１１０が駆動スプロケット１２０、１２０に巻き込まれることを回避するとともに噛合チェーン１１０の騒音増大および走行異常を回避し、しかも噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２にチェーン軌道規制部材１５０を取り外してチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスを行うことでチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスに要する作業負担を軽減することができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【００３０】
１００ ・・・ 噛合チェーン式進退作動装置
１１０ ・・・ 噛合チェーン
１１１ ・・・ チェーンユニット
１１１Ａ ・・・ 内歯プレート
１１１Ｂ ・・・ ブシュ
１１１Ｃ ・・・ 中間歯プレート
１１１Ｄ ・・・ 外歯プレート
１１１Ｅ ・・・ 連結ピン
１１１Ｆ ・・・ ローラ
１２０ ・・・ 駆動スプロケット
１２０Ａ ・・・ 駆動軸
１２０Ｂ ・・・ ボス部
１３０ ・・・ 搬送物支持部
１４０ ・・・ チェーン収納ガイドプレート
１４１ ・・・ チェーン収納ガイド
１５０ ・・・ チェーン軌道規制部材
１５１ ・・・ 櫛歯状の噛合チェーン規制構造
１５１Ａ ・・・ 内側チェーンユニット規制部分
１５１Ｂ ・・・ 外側チェーンユニット規制部分
１５２Ａ、１５２Ｂ ・・・ 先端部
１６０ ・・・ 噛合チェーンの駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材
Ｃ ・・・ Ｌ字型固定部材
Ｄ１ ・・・ 噛合チェーン剛直方向
Ｄ２ ・・・ 噛合チェーン噛み外れ方向
Ｅ ・・・ 連動ギヤ
Ｆ ・・・ 駆動ギヤ
Ｇ ・・・ 設置面
Ｍ ・・・ 駆動モータ
Ｗ ・・・ チェーン幅方向
【技術分野】
【０００１】
本発明は、各種製造分野の製造設備、運輸分野の移送設備、医療福祉分野の介護設備、芸術分野の舞台設備などに用いて被駆動物を進退動させる噛合チェーン式進退作動装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、噛合チェーン式進退作動装置としては、相互に噛み合って一体的に駆動される一対の噛合チェーン、所謂、チャックチェーンを用いて重量物などの被駆動物を移動させる噛合チェーン式昇降装置がある。
このような従来の噛合チェーン式昇降装置では、相互に噛み外れた噛合チェーンを規制するガイドエッジによって駆動スプロケットへの噛合チェーンの巻き込みを回避している（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平１１−２７８７９７号公報（段落［００２６］、図４参照。）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上述した従来の噛合チェーン式昇降装置では、板状の収納ガイド部の片面側のみに設置されたガイドエッジによって噛合チェーンを規制しているため、噛合チェーンの側面のうちチェーン幅方向に沿って噛合チェーンの側面に対するガイドエッジの接触領域に偏りを生じさせて噛合チェーンの走行軌道が歪んでしまうとともに噛合チェーンの側面における接触磨耗に偏りが生じて噛合チェーン走行時の騒音増大および走行異常を回避することが困難になるという問題点があった。
また、上述した従来の噛合チェーン式昇降装置において、チェーン幅方向に並列配置された複数の収納ガイド部のそれぞれの両面にガイドエッジを固定設置してガイドエッジの接触領域の偏りと噛合チェーンの接触磨耗の偏りとを回避しようとした場合、複数の収納ガイド部間にガイドエッジが配置されるため、複数の収納ガイド部を相互に分解した後にガイドエッジを収納ガイド部から取り外してガイドエッジをメンテナンスしなければならず、しかも一対の噛合チェーンの剛直位置の周辺に駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材が設置されていた場合には軸支持部材を取り外す必要も生じ、ガイドエッジのメンテナンスに伴って装置を分解する手間が生じてガイドエッジのメンテナンスに多大な作業負担を要するという保守メンテナンス上の厄介な問題点があった。
【０００５】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンが駆動スプロケットに巻き込まれることを回避し、しかも噛合チェーンの騒音増大および走行異常を回避するとともにガイドエッジなどのチェーン軌道規制部材のメンテナンスに要する作業負担を軽減する噛合チェーン式進退作動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
まず、本請求項１に係る発明の噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンと、前記チェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと、前記噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と、前記複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと、前記駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに前記複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備えた噛合チェーン式進退作動装置であって、前記チェーン軌道規制部材が、前記駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から前記複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って互いに隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有していることにより、前述した課題を解決したものである。
【０００７】
そして、本請求項２に係る発明は、請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置において、前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみてチェーンユニットに臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【０００８】
そして、本請求項３に係る発明は、請求項１または請求項２に係る噛合チェーン式進退作動装置において、前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみて駆動スプロケットの回転軸に臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンと、チェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと、噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と、複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと、前記駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備えていることにより、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンが駆動スプロケットに巻き込まれることを回避することができるばかりでなく、以下のような特有の構成に対応した格別の効果を奏することができる。
【００１０】
すなわち、本請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン軌道規制部材が、駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って互いに隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有していることにより、チェーン幅方向に沿って複数のチェーンユニットの側面のそれぞれの両端領域から内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分によって噛合チェーンを規制して噛合チェーンの側面のうちチェーン軌道規制部材に接触する接触領域についてチェーン幅方向に沿って偏りを回避して噛合チェーンの走行軌道の歪みを回避するとともに噛合チェーンの側面における接触磨耗の偏りが回避されるため、噛合チェーンの騒音増大および走行異常を回避することができ、しかも噛合チェーンの噛み外れ方向にチェーン軌道規制部材を取り外してチェーン軌道規制部材のメンテナンスを行うことでチェーン軌道規制部材のメンテナンスに要する作業負担を軽減することができる。
より具体的には、例えば、チェーン軌道規制部材が軸支持部材に着脱自在に設置されている場合には、すなわち、駆動スプロケット駆動軸の軸支持部材に対して直接固定することで、容易に、正確な位置決めを行うことが可能になるとともに、チェーン収納ガイドプレートを取り外した後、軸支持部材および駆動スプロケットを分解して取り外すことなく、チェーン噛み外れ方向にチェーン軌道規制部材を引き抜くことにより、噛合チェーン式進退作動装置全体を分解する手間を軽減してチェーン軌道規制部材をメンテナンスすることができる。
【００１１】
そして、本請求項２に係る噛合チェーン式進退作動装置は、請求項１に係る噛合チェーン式進退作動装置が奏する効果に加えて、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、この先端部からみてチェーンユニットに臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分の先端部におけるチェーンユニットの引っかかり、すなわち噛合チェーンの引っかかりが回避されるため、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分の先端部が噛合チェーンに引っかかることによって生じうる噛合チェーンの磨耗および振動を回避して噛合チェーンの騒音増大および走行異常をより一層回避することができる。
【００１２】
そして、本請求項３に係る噛合チェーン式進退作動装置は、請求項１または請求項２に係る噛合チェーン式進退作動装置が奏する効果に加えて、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、この先端部からみて駆動スプロケットの回転軸に臨む側でそれぞれ面取りされていることにより、面取りが施されていない場合に比べて回転軸に近い位置まで内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分の先端部が設置されるため、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンの分岐位置に近い位置から噛合チェーンを規制して噛合チェーンの駆動スプロケットへの巻き込みを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の側面図。
【図２】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の平面図。
【図３】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部斜視図。
【図４】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の拡大側面図。
【図５】本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置を一部拡大した断面図。
【図６】噛合チェーンの一部拡大図。
【図７】噛合チェーンの一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明の噛合チェーン式進退作動装置は、チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンとチェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備え、チェーン軌道規制部材が駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有し、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーンが駆動スプロケットに巻き込まれることを回避し、しかも噛合チェーンの騒音増大および走行異常を回避するとともにチェーン軌道規制部材のメンテナンスに要する作業負担を軽減するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
なお、本発明の「噛み外れ方向」とは、相互に噛み外れて分岐した一対の噛合チェーンのうち一方の噛合チェーンがチェーン収納ガイドに向かって走行する方向を意味しており、一方の噛合チェーンに対応して配置されたチェーン軌道規制部材は、規制対象である一方の噛合チェーンの噛み外れ方向から駆動スプロケット間領域に延びて配置されている。
【００１５】
そこで、本発明の噛合チェーン式進退作動装置においては、噛合チェーンを構成するチェーンユニットがチェーン幅方向に複数列配置されていればよく、例えば、２列並列配置されていてもよいし、３列以上並列配置されていてもよい。
すなわち、チェーンユニットが２列並列配置されている場合には、チェーン軌道規制部材は、これらチェーンユニットをそれぞれ含む２つの仮想平面のそれぞれに並列配置された２つの駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びる一つの内側チェーンユニット規制部分を有して噛合チェーンを規制することができる。
また、チェーンユニットが３列以上並列配置されている場合、チェーン軌道規制部材は、これらチェーンユニットをそれぞれ含む３つ以上の仮想平面のそれぞれに並列配置された３つ以上の駆動スプロケットのうち隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域毎にそれぞれ延びる２つ以上の内側チェーンユニット規制部分を有して噛合チェーンを規制することができる。
【００１６】
そして、チェーン軌道規制部材は、チェーン収納ガイドプレートに直接設置されて固定されていてもよいし、チェーン収納ガイドプレートに固定設置された固定部材を介して間接的に固定設置されていてもよい。
また、内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が面取りされた面取り形状は、噛合チェーンの噛み外れ方向に対して鋭角をなして交差する平面形状であってもよいし、曲面形状であってもよい。
また、チェーン軌道規制部材は、連動ギヤおよび駆動ギヤをその外側で保護するとともに駆動スプロケットの駆動軸を軸支する軸支持部材に着脱自在に固定設置されていてもよい。
【００１７】
また、本発明の噛合チェーン式進退作動装置は、設置面が据え置き設置形態となる床面であっても、吊り下げ設置形態となる天井面であっても進退動作に何ら支障はなく、さらには、片持ち支持形態となる垂直壁面であっても前述した進退動作に何ら支障はない。
【実施例】
【００１８】
以下、本発明の一実施例である噛合チェーン式進退作動装置１００を図１乃至図７に基づいて説明する。
ここで、図１は、本発明の実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の側面図であり、図２は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の平面図であり、図３は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の一部斜視図であり、図４は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置の拡大側面図であり、図５は、本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置を一部拡大した断面図であり、図６は、噛合チェーンの一部拡大図であり、図７は、噛合チェーンの一部断面図である。
なお、図３では、チェーン軌道規制部材１５０の構成を明確にするため便宜上噛合チェーンの図示を省略している。
【００１９】
まず、図１に示す本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置１００は、作業床面に据え置き状態で設置されて、重量物などの被駆動物（図示しない）を搭載する昇降テーブルなどの搬送物支持部１３０を設置面Ｇに対して平行に昇降させるものである。
【００２０】
本実施例の噛合チェーン式進退作動装置１００は、図１乃至図７に示すように、チェーン幅方向Ｗに並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニット１１１を各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーン１１０と、チェーンユニット１１１をそれぞれ含む複数の仮想平面Ｓ１およびＳ２内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニット１１１に係合して噛合チェーン１１０を駆動する複数の駆動スプロケット１２０と、噛合チェーン１１０の一端に取り付けられて噛合チェーン１１０の進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部１３０と、複数の仮想平面Ｓ１およびＳ２内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐している噛合チェーン１１０を構成する複数列のチェーンユニット１１１をそれぞれチェーン収納ガイド１４１に案内する複数のチェーン収納ガイドプレート１４０と、チェーン収納ガイドプレート１４０に着脱自在に設置されているとともに複数の駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐している噛合チェーン１１０の側面側からチェーンユニット１１１の動作を規制してチェーンユニット１１１をチェーン収納ガイド１４１に案内するチェーン軌道規制部材１５０とを備えている。
これにより、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーン１１０、１１０が駆動スプロケット１２０、１２０に巻き込まれることを回避するようになっている。
【００２１】
すなわち、本実施例の噛合チェーン式昇降装置１００では、図６および図７に示すように、噛合チェーン１１０を構成する複数列のチェーンユニット１１１のそれぞれは、左右一対でチェーン幅方向Ｗに並列配置されているとともに前後一対のブシュ１１１Ｂを圧入嵌合してなる一対の内歯プレート１１１Ａと、チェーン幅方向Ｗに配置された中間歯プレート１１１Ｃとを備え、一対の内歯プレート１１１Ａがチェーン幅方向Ｗの最も外側に配置される外歯プレート１１１Ｄの前後一対のピン孔に圧入嵌合する前後一対の連結ピン１１１Ｅによりチェーン長手方向に多数連結されたものである。
そして、ブシュ１１１Ｂの外周には、ローラ１１１Ｆが外嵌されている。
【００２２】
本実施例では、内リンクユニットを構成する一対の内歯プレート１１１Ａをチェーン幅方向Ｗに並列配置したことにより、一対の噛合チェーン１１０、１１０の一方を構成する内歯プレート１１１Ａと中間歯プレート１１１Ｃと外歯プレート１１１Ｄとが、これに対向する他方の噛合チェーン１１０を構成する内歯プレート１１１Ａと中間歯プレート１１１Ｃと外歯プレート１１１Ｄとに対してチェーン幅方向Ｗの複列に亙ってそれぞれフック状、所謂、チャック状に多重かつ強固に噛み合っている。
このため、噛合チェーン１１０のチェーン幅方向Ｗに生じがちな座屈を確実に抑制し、しかもチェーン幅方向Ｗにおける駆動スプロケット１２０との噛合バランスを向上するようになっている。
【００２３】
そして、一対の噛合チェーン１１０は、図１乃至図７に示すように、チェーン幅方向Ｗに並列配置されて前述したブシュ１１１Ｂと噛合うとともに駆動モータＭおよび駆動ギヤＦを介して供給された駆動力によって回転軸１２０Ａを中心に連結ギヤＥ、Ｅとともに駆動される一対の駆動スプロケット１２０、１２０にそれぞれ対向配置させ、水平方向から垂直方向へ、すなわち噛み外れ方向Ｄ２から剛直方向Ｄ１へ偏向しながら相互に対向する内歯プレート１１１Ａ同士、中間歯プレート１１１Ｃ同士、外歯プレート１１１Ｄ同士をチェーン長手方向に半ピッチずらした状態で内歯プレート１１１Ａのフック部分同士、中間歯プレート１１１Ｃのフック部分同士、外歯プレート１１１Ｄのフック部分同士をそれぞれ噛み合わせると同時に内歯プレート１１１Ａ同士、中間歯プレート１１１Ｃ同士、外歯プレート１１１Ｄ同士をそれぞれ接触させる一方で、相互に噛み合った内歯プレート１１１Ａ同士および外歯プレート１１１Ｄ同士を一対の駆動スプロケット１２０により垂直方向から水平方向へ、すなわち剛直方向Ｄ１からへ噛み外れ方向Ｄ２へ偏向させて内歯プレート１１１Ａ同士および外歯プレート１１１Ｄ同士の接触を開放させると同時に内歯プレート１１１Ａ同士、中間歯プレート１１１Ｃ同士、外歯プレート１１１Ｄ同士をそれぞれ噛み外して分岐させるように構成されている。
【００２４】
次に、前述した本実施例の噛合チェーン式進退作動装置１００が最も特徴とするチェーン軌道規制部材１５０の具体的な形態について、図１乃至図５に基づいて詳しく説明する。
本実施例に係る噛合チェーン式進退作動装置１００では、図１乃至図５に示すように、チェーン軌道規制部材１５０が、駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐する噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２から複数の駆動スプロケット１２０のうちチェーン幅方向Ｗに沿って隣り合う駆動スプロケット１２０、１２０を相互に隔てる駆動スプロケット間領域Ｒに延びている内側チェーンユニット規制部分１５１Ａとチェーン幅方向Ｗに沿って複数の駆動スプロケット１２０の外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂ、１５１Ｂとを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造１５１を有している。
【００２５】
これにより、チェーン幅方向Ｗに沿って複数のチェーンユニット１１１のそれぞれの両端領域から内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂによって噛合チェーン１１０を規制して噛合チェーン１１０の側面のうちチェーン軌道規制部材１５０に接触する接触領域についてチェーン幅方向Ｗに沿って偏りを回避して噛合チェーン１１０の走行軌道の歪みを回避するとともに噛合チェーン１１０の側面における接触磨耗の偏りが回避される。
このため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、噛合チェーン１１０の騒音増大および走行異常を回避し、しかも噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２にチェーン軌道規制部材１５０を取り外してチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスを行うことでチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスに要する作業負担を軽減するようになっている。
【００２６】
より具体的には、チェーン軌道規制部材１５０は、Ｌ字型固定部材Ｃを介してチェーン収納プレート１４０に固定設置されているとともに噛み外れ方向Ｄ２に引き出して着脱自在に構成されている。
これにより、複数のチェーン収納ガイドプレート１４０を相互に分離してチェーン軌道規制部材１５０を交換しなくてもチェーン軌道規制部材１５０を噛み外れ方向Ｄ２に引き出して取り外されるため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、チェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスに要する作業負担を軽減するようになっている。
また、チェーン軌道規制部材１５０が軸支持部材１６０に着脱自在に固定設置されている場合には、チェーン収納ガイドプレート１４０を取り外した後、軸支持部材１６０および駆動スプロケット１２０を分解して取り外すことなく、チェーン噛み外れ方向Ｄ２にチェーン軌道規制部材１５０を引き抜くことにより、噛合チェーン式進退作動装置１００は、噛合チェーン式進退作動装置１００全体を分解する手間を軽減してチェーン軌道規制部材１５０をメンテナンスするようになっている。
【００２７】
また、図４および図５に示すように、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂのそれぞれの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが、これら先端部１５２Ａおよび１５２Ｂからみてチェーンユニット１１１に臨む側でそれぞれ面取りされている。
これにより、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂにおける噛合チェーン１１０の引っかかりが回避されるため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが噛合チェーン１１０に引っかかることによって生じうる噛合チェーン１１０の磨耗および振動を回避して噛合チェーン１１０の騒音増大および走行異常をより一層回避するようになっている。
【００２８】
また、内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂのそれぞれの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが、これら先端部１５２Ａおよび１５２Ｂからみて駆動スプロケット１２０の回転軸１２０Ａに臨む側でそれぞれ面取りされている。
これにより、面取りが施されていない場合に比べて駆動スプロケット１２０の一部を構成するボス部１２０Ｂに接触することなく回転軸１２０Ａに近い位置まで内側チェーンユニット規制部分１５１Ａおよび外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂの先端部１５２Ａおよび１５２Ｂが設置されるため、噛合チェーン式進退作動装置１００は、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーン１１０の分岐位置に近い位置からチェーン軌道規制部材１５０によって噛合チェーン１１０を規制して噛合チェーン１１０の駆動スプロケット１２０への巻き込みを効果的に回避するようになっている。
【００２９】
このようにして得られた本実施例の噛合チェーン式進退作動装置１００では、チェーン軌道規制部材１５０が、駆動スプロケット１２０から噛み外れて分岐する噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２から複数の駆動スプロケット１２０のうちチェーン幅方向Ｗに沿って隣り合う駆動スプロケット１２０を相互に隔てる駆動スプロケット間領域Ｒに延びている内側チェーンユニット規制部分１５１Ａとチェーン幅方向Ｗに沿って複数の駆動スプロケット１２０の外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分１５１Ｂ、１５１Ｂとを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造１５１を有していることにより、相互に噛み外れて分岐した噛合チェーン１１０、１１０が駆動スプロケット１２０、１２０に巻き込まれることを回避するとともに噛合チェーン１１０の騒音増大および走行異常を回避し、しかも噛合チェーン１１０の噛み外れ方向Ｄ２にチェーン軌道規制部材１５０を取り外してチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスを行うことでチェーン軌道規制部材１５０のメンテナンスに要する作業負担を軽減することができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【００３０】
１００ ・・・ 噛合チェーン式進退作動装置
１１０ ・・・ 噛合チェーン
１１１ ・・・ チェーンユニット
１１１Ａ ・・・ 内歯プレート
１１１Ｂ ・・・ ブシュ
１１１Ｃ ・・・ 中間歯プレート
１１１Ｄ ・・・ 外歯プレート
１１１Ｅ ・・・ 連結ピン
１１１Ｆ ・・・ ローラ
１２０ ・・・ 駆動スプロケット
１２０Ａ ・・・ 駆動軸
１２０Ｂ ・・・ ボス部
１３０ ・・・ 搬送物支持部
１４０ ・・・ チェーン収納ガイドプレート
１４１ ・・・ チェーン収納ガイド
１５０ ・・・ チェーン軌道規制部材
１５１ ・・・ 櫛歯状の噛合チェーン規制構造
１５１Ａ ・・・ 内側チェーンユニット規制部分
１５１Ｂ ・・・ 外側チェーンユニット規制部分
１５２Ａ、１５２Ｂ ・・・ 先端部
１６０ ・・・ 噛合チェーンの駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材
Ｃ ・・・ Ｌ字型固定部材
Ｄ１ ・・・ 噛合チェーン剛直方向
Ｄ２ ・・・ 噛合チェーン噛み外れ方向
Ｅ ・・・ 連動ギヤ
Ｆ ・・・ 駆動ギヤ
Ｇ ・・・ 設置面
Ｍ ・・・ 駆動モータ
Ｗ ・・・ チェーン幅方向
【特許請求の範囲】
【請求項１】
チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンと、前記チェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと、前記噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と、前記複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと、前記駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに前記複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備えた噛合チェーン式進退作動装置であって、
前記チェーン軌道規制部材が、前記駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から前記複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って互いに隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有していることを特徴とする噛合チェーン式進退作動装置。
【請求項２】
前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみてチェーンユニットに臨む側でそれぞれ面取りされていることを特徴とする請求項１に記載の噛合チェーン進退作動装置。
【請求項３】
前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみて駆動スプロケットの回転軸に臨む側でそれぞれ面取りされていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の噛合チェーン進退作動装置。
【請求項１】
チェーン幅方向に並列配置されて相互に連結された複数列のチェーンユニットを各々有して相互に噛み合って対向した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐する一対の噛合チェーンと、前記チェーンユニットをそれぞれ含む複数の仮想平面内にそれぞれ配置されているとともに複数列のチェーンユニットに係合して噛合チェーンを駆動する複数の駆動スプロケットと、前記噛合チェーンの一端に取り付けられて噛合チェーンの進退動作に応じて進退駆動される搬送物支持部と、前記複数の仮想平面内にそれぞれ設けられているとともに複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンを構成する複数列のチェーンユニットをそれぞれチェーン収納ガイドに案内する複数のチェーン収納ガイドプレートと、前記駆動スプロケット軸を軸支する軸支持部材またはチェーン収納ガイドプレートに着脱自在に設置されているとともに前記複数の駆動スプロケットから噛み外れて分岐している噛合チェーンの側面側からチェーンユニットの動作を規制してチェーンユニットをチェーン収納ガイドに案内するチェーン軌道規制部材とを備えた噛合チェーン式進退作動装置であって、
前記チェーン軌道規制部材が、前記駆動スプロケットから噛み外れて分岐する噛合チェーンの噛み外れ方向から前記複数の駆動スプロケットのうちチェーン幅方向に沿って互いに隣り合う駆動スプロケットを相互に隔てる駆動スプロケット間領域に延びている内側チェーンユニット規制部分とチェーン幅方向に沿って複数の駆動スプロケットの外側に配置された一対の外側チェーンユニット規制部分とを含む櫛歯状の噛合チェーン規制構造を有していることを特徴とする噛合チェーン式進退作動装置。
【請求項２】
前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみてチェーンユニットに臨む側でそれぞれ面取りされていることを特徴とする請求項１に記載の噛合チェーン進退作動装置。
【請求項３】
前記内側チェーンユニット規制部分および外側チェーンユニット規制部分のそれぞれの先端部が、該先端部からみて駆動スプロケットの回転軸に臨む側でそれぞれ面取りされていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の噛合チェーン進退作動装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−３１８７３（Ｐ２０１２−３１８７３Ａ）
【公開日】平成２４年２月１６日（２０１２．２．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１６９０５４（Ｐ２０１０−１６９０５４）
【出願日】平成２２年７月２８日（２０１０．７．２８）
【出願人】（０００００３３５５）株式会社椿本チエイン (861)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年２月１６日（２０１２．２．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年７月２８日（２０１０．７．２８）
【出願人】（０００００３３５５）株式会社椿本チエイン (861)
【Ｆターム（参考）】
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