説明

噴出装置の噴出ボタン、噴出装置、ならびにポンプ式、エアゾール式および押し出し式噴出器

【課題】噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上する。
【解決手段】噴出装置12には、中心から上向きにステムが伸びており、そのステムの先端に噴出ボタン14が取り付けられている。噴出ボタン14は、下面に向けてステム嵌合穴が形成され、周面に噴出口15が形成され、また内部にステム嵌合穴からその噴出口へと通ずる噴出通路が形成されており、横断面が、噴出口15位置を示す矢印形状である。すなわち、噴出ボタン14は、外形が、噴出ボタンからの噴出方向を示す矢印型の立体形状となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ポンプ式、エアゾール式、押し出し式の噴出器に関する。および、そのような噴出器において、容器の口部に取り付けられている噴出装置に関する。および、そのような噴出装置において、周面に噴出口が、内部にその噴出口へと通ずる噴出通路が形成されており、容器の内容物が噴出通路を通して噴出口から外部に向けて噴出される噴出装置の噴出ボタンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプ式、エアゾール式、押し出し式の噴出器の中には、周面に噴出口が設けられている筒状の噴出ボタンを用いるものがある。
【特許文献1】実開昭50−105011号公報
【特許文献2】実開平4−128286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の噴出器にあっては、噴出ボタンの噴出口が周面のどの方向にあるか判りにくく、噴出方向を特定しにくい問題があった。特に、通常この種の噴出ボタンは軸まわりに回転可能であることから、現在噴出口がどちらの方向に向いているのか、一層判りにくく、噴出方向を定めにくい問題があった。
【0004】
そこで、この発明の第1の目的は、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することにある。
【0005】
この発明の第2の目的は、噴出ボタンからの噴出方向が判りにくくても、使用時に自動的に噴出方向が特定されるようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することにある。
【0006】
この発明の第3の目的は、噴出ボタンの成形方法を工夫することにより、噴出口位置を示す表示を簡単に形成して、特に夜間において、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することにある。
【0007】
この発明の第4の目的は、噴出ボタンの成形方法を工夫することにより、噴出口位置を示す表示を簡単に形成して、噴出ボタンを見れば、噴出口位置、すなわち噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することにある。
【0008】
この発明の第5の目的は、噴出ボタンの成形方法を工夫することにより、噴出口位置を示す表示を簡単に形成して、特に夜間において、噴出ボタンを見れば、噴出口位置、すなわち噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することにある。
【0009】
この発明の第6の目的は、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上した噴出装置を提供することにある。
【0010】
この発明の第7の目的は、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上した噴出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、請求項1に記載の発明は、周面に、容器内容物を連続流や間欠流や霧状などで噴出する噴出口が形成され、内部に、その噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、外形が、噴出口位置すなわち噴出方向を示す、横断面が矢印型やスペードマーク型や三角形などの立体形状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、周面に、容器内容物を連続流や間欠流や霧状などで噴出する噴出口が形成され、内部に、その噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、噴出口位置の背面、すなわち180度裏側に、使用時に噴出ボタンを操作するときに指先を掛け止めるべく指先を挿入する指先挿入部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、周面に、容器内容物を連続流や間欠流や霧状などで噴出する噴出口が形成され、内部に、その噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、二色成形を行い、噴出口位置を示す矢印等の表示が、蛍光材料や蓄光材料などの発光性材料を用いて表面に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、周面に、容器内容物を連続流や間欠流や霧状などで噴出する噴出口が形成され、内部に、その噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、二色成形を行い、噴出口を有する部分が他の部分と、例えば色を違えて識別して形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の噴出装置の噴出ボタンにおいて、噴出口を有する部分が、蛍光材料や蓄光材料などの発光性材料により他の部分と識別して形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1に記載の噴出ボタンが取り付けられている噴出装置であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、ネジキャップをねじ付けて容器の口部に取り付けられ、噴出ボタンを操作してステムを押し込むことにより、容器の内容物がステムを通して噴出ボタンの噴出通路に導かれ、その噴出ボタンの噴出口から外部に向けて連続流や間欠流や霧状などで噴出される噴出装置において、立方体や直方体や三角形体などの噴出ボタンが、ネジキャップのボタン挿通孔にはまり込んで回転不能に保持されていることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられ、噴出ボタンが操作されることにより、容器の内容物がいったんポンプ室に汲み上げられ、その汲み上げた内容物が噴出ボタンの噴出口から外部に向けて連続流や間欠流や霧状などで噴出されるポンプ式噴出器であることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられ、噴出ボタンが操作されることにより、弾性弁が開かれて、容器の内容物が噴出剤の圧力により噴出ボタンの噴出口から外部に向けて連続流や間欠流や霧状などで噴出されるエアゾール式噴出器であることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられ、容器を押しつぶすことにより、容器の内容物が噴出ボタンの噴出口から外部に向けて連続流や間欠流や霧状などで噴出される押し出し式噴出器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、噴出ボタンにおいて、外形が、噴出口位置を示す形状に形成されているので、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンの外形形状から、噴出ボタンから噴出する内容物の噴出方向を容易に把握し、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、噴出口位置の背面に、使用時に噴出ボタンを操作するときに指先を挿入する指先挿入部が形成されているので、噴出ボタンからの噴出方向が判りにくくても、使用時に指先挿入部に指先を挿入したとき、自動的に噴出方向が特定されるようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、二色成形を行い、噴出口位置を示す表示が発光性材料を用いて表面に形成されているので、噴出ボタンの成形方法を工夫することにより、噴出口位置を示す表示を簡単に形成して、特に夜間において、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、二色成形を行い、噴出口を有する部分が他の部分と識別して形成されているので、噴出ボタンの成形方法を工夫することにより、噴出口位置を簡単に示して、噴出ボタンを見れば、噴出口を有する部分、すなわち噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、噴出口位置が、蛍光材料や蓄光材料などの発光性材料により他の部分と識別して形成されているので、噴出ボタンの成形方法を工夫することにより、噴出口位置を簡単に示して、特に夜間において、噴出ボタンを見れば、噴出口を有する部分、すなわち噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタンを使用する噴出装置の使い勝手を向上することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれか1に記載の噴出ボタンが取り付けられている噴出装置であるので、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにした噴出装置を提供することができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、噴出ボタンが、ネジキャップのボタン挿通孔にはまり込んで回転不能に保持されているので、噴出ボタンが軸まわりに回転することを防止して容器に対する噴出ボタンの噴出方向を一定とし、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにした噴出装置を提供することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられているポンプ式噴出器であるので、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにしたポンプ式の噴出器を提供することができる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられているエアゾール式噴出器であるので、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにしたエアゾール式の噴出器を提供することができる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられている押し出し式噴出器であるので、噴出ボタンを見れば、噴出ボタンからの噴出方向がすぐに判るようにした押し出し式の噴出器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、この発明の第1例である噴出ボタンを備える噴出器の上部を示す。
図中符号10は、容器である。容器10は、プラスチック材料でボトル形状につくられ、その口部外周に雄ネジが形成されており、この例では、内部に、内容物として化粧液が収納されている。
【0032】
その容器10の口部には、ポンプ式噴出装置12が取り付けられている。噴出装置12には、内周に雌ネジを有するネジキャップ13が設けられ、そのネジキャップ13を容器10の口部に被せてネジ付けることにより、噴出装置12が容器10の口部に取り付けられるようになっている。
【0033】
噴出装置12には、図示省略するが、中心から上向きにステムが伸びており、そのステムの先端に噴出ボタン14が取り付けられている。噴出ボタン14は、下面に向けて不図示のステム嵌合穴が、周面に噴出口15が、内部にステム嵌合穴からその噴出口15へと通ずる不図示の噴出通路が形成されており、横断面が、噴出口15位置を示す矢印形状になっている。すなわち、噴出ボタン14は、外形が、噴出ボタン14からの噴出方向を示す矢印型の立体形状となっている。
【0034】
そして、噴出ボタン14の外形形状が示す方向を被噴出対象物に向けて噴出ボタン14が押し下げ操作されることによりステムが押し込まれて不図示のポンプが作動され、容器10の内容物がいったんポンプ室に汲み上げられ、その汲み上げた内容物がステムを通して噴出通路に導かれ、噴出ボタン14の噴出口15から外部に向けて噴出され、被噴出対象物に噴き付けられるようになっている。
【0035】
したがって、この例では、噴出ボタン14の外形が、噴出口15位置を示す形状に形成されているので、噴出ボタン14を見れば、噴出ボタン14の外形形状から、噴出ボタン14から噴出する内容物の噴出方向を容易に把握し、その噴出ボタン14を使用する噴出装置12の使い勝手を向上することができる。
【0036】
この例では、ポンプ式噴出装置12について説明したが、エアゾール式の噴出装置であっても、同様に噴出ボタンを、噴出口位置を示す外形形状に形成することによって、同様な効果を達成することができる。また、噴出装置が容器の口部に取り付けられ、容器を押しつぶすことにより、容器の内容物が噴出ボタンの噴出口から外部に向けて噴出される押し出し式の噴出装置にあっても、同様に噴出ボタンを、噴出口位置を示す外形形状に形成することによって、同様な効果を達成することができる。
【0037】
図2には、この発明の第2例である噴出ボタンを備える噴出器の上部を示す。
この例では、噴出ボタン14は、横断面が、噴出ボタン14からの噴出方向を示すスペードマーク型である立体形状となっている。そして、スペードマーク型形状の先端が、噴出ボタン14からの容器内容物の噴出方向を示している。その他は、図1に示す例と同様であり、同一の符号を付して示す。
【0038】
図3には、この発明の第3例である噴出ボタンを備える噴出器の上部を示す。
この例では、噴出ボタン14は、横断面が、噴出ボタン14からの噴出方向を示す二等辺三角形である立体形状となっている。そして、二等辺三角形状の頂点が、噴出ボタン14からの容器内容物の噴出方向を示している。その他は、図1、2に示す例と同様であり、同一の符号を付して示す。
【0039】
図4には、この発明の第4例である噴出ボタンを備えるポンプ式噴出器の上部断面を示す。
図示噴出器では、ボトル状の容器10に、内容物として乾燥防止用化粧水、ガラスクリーナ等のクリーナ液、曇り止め剤などの液体を収納し、その容器10の口部10aにネジキャップ13を被せてねじ付け、噴出装置12が取り付けられている。
【0040】
そして、使用時は、噴出ボタン14が押し下げ操作されることにより、噴出装置12の、ステム16と一体のピストン17が押し込まれてポンプ室18内の圧力が上昇され、吐出弁19を開いてポンプ室18内の液体が連通孔17aからピストン17の吐出路17bに入れられ、噴出ボタン14に取り付けるノズル部材20の噴出口15から外部に向けて噴出される。
【0041】
使用後は、噴出ボタン14から手を離してピストン17の押し込みが解除され、スプリング21の付勢力でピストン17が押し上げられてポンプ室18内の圧力が低下し、吐出弁19を閉じるとともに、ボール状の吸入弁22を開いて容器10内の液体がポンプ室18内に吸い上げられる。
【0042】
この繰り返しにより、容器10内の液体がいったんポンプ室18に汲み上げられてから、その汲み上げられた液体がノズル部材20の噴出口15から外部に向けて噴出され、例えば噴出しながら移動することにより噴出対象物の目的部位にむらなく噴き付けられるようになっている。
【0043】
ところで、この例の噴出ボタン14には、下面に向けてステム16の先端が嵌合するステム嵌合部14aが形成され、周面には噴出口15が形成され、また内部にはステム嵌合部14aから噴出口15へと通ずる噴出通路14bが形成されている。また、噴出口15位置の背面、すなわち噴出口15の180度反対側に、使用時に噴出ボタン14を押し下げ操作するときに指先を挿入して指先を掛け止める指先挿入部14cが穴状に形成されている。
【0044】
図5には、この発明の第5例である噴出ボタンを備えるエアゾール式噴出器の上部断面を示す。
この噴出器では、噴出装置12が、マウンテンカップ23の巻き締め部23aを巻き締めて容器10の口部10aに取り付けられている。そして、使用時に、噴出ボタン14が手で押し下げ操作されることにより、噴出装置12のステム16が押し込まれて弾性弁24が変形され、ステム16の連通孔16aが開口されて、容器10内の液体が、その液体とともに容器10内に収納されている噴射剤の圧力により連通孔16aからステム16の吐出路16bに入れられ、噴出ボタン14に取り付けられているノズル部材20の噴出口15から外部に向けて噴出される。
【0045】
この例の噴出ボタン14でも、下面に向けて、ステム16の先端が嵌合するステム嵌合部14aが形成され、周面には噴出口15が形成され、また内部にはステム嵌合部14aから噴出口15へと通ずる噴出通路14bが形成されている。また、噴出口15位置の背面、すなわち噴出口15の180度反対側に、使用時に噴出ボタン14を押し下げ操作するときに指先を挿入して指先を掛け止める指先挿入部14cが形成されている。
【0046】
したがって、図4、5に示す例によれば、噴出口15位置の背面に指先挿入部14cが形成されているので、噴出ボタン14からの噴出方向が判りにくくても、使用時に指先挿入部14cに指先を挿入したとき、噴出方向が自動的に前方に向けられるようにし、その噴出ボタン14を使用する噴出装置12の使い勝手を向上することができる。
【0047】
図6には、この発明の第6例である噴出ボタンを備える噴出器の上部を示す。
この例の噴出器では、容器10の口部に噴出装置12が取り付けられている。噴出装置12には、内周に雌ネジを有するネジキャップ13が設けられ、そのネジキャップ13を容器10の口部に被せてネジ付けることにより、噴出装置12が容器10の口部に取り付けられている。
【0048】
噴出装置12には、図示省略するが、中心から上向きにステムが伸びており、そのステムの先端に噴出ボタン14が取り付けられている。噴出ボタン14は、下面に向けて不図示のステム嵌合穴が形成され、周面には噴出口15が形成され、また内部にはステム嵌合穴からその噴出口15へと通ずる不図示の噴出通路が形成されている。
【0049】
ところで、噴出ボタン14は、二色成形を行い、噴出口15位置を示す、例えば図示のような矢印表示26が、夜光塗料などの発光性材料を用いて頂面に形成されている。これにより、噴出ボタン14の成形方法を工夫することにより、噴出口15位置を示す表示26を簡単に形成して、噴出ボタン14を見れば、噴出ボタン14からの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタン14を使用する噴出装置12の使い勝手を向上することができる。特にこの例では、夜間において、矢印表示26が光り、利用価値を高めることができる。
【0050】
図7には、この発明の第7例である噴出ボタンを備える噴出器の上部を、図8には、その噴出ボタンの一部を破断して示す。
この例の噴出器では、同じく二色成形を用い、例えば色を違えたり、蓄光剤などの発光性材料を入れたりして、噴出ボタン14の噴出口15を有する部分27が、噴出ボタン14の他の部分と識別して形成されている。
【0051】
このようにすると、噴出ボタン14の成形方法を工夫することにより、噴出口15を有する部分27を簡単に示して、噴出ボタン14を見れば、噴出口15を有する部分27、すなわち噴出ボタン14からの噴出方向がすぐに判るようにし、その噴出ボタン14を使用する噴出装置12の使い勝手を向上することができる。蓄光剤などの発光性材料を入れると、特に夜間における利用価値を高めることができる。
【0052】
図9(A)〜(C)には、この発明の第8例である噴出装置の噴出ボタンとネジキャップの組合わせを示す。
この例では、上述したごとく、ネジキャップ13をねじ付けて容器10の口部に取り付けられ、噴出ボタン14を操作してステム16を押し込むことにより、容器10の内容物がステム16を通して噴出ボタン14の噴出通路14bに導かれ、その噴出ボタン14の噴出口15から外部に向けて噴出される噴出装置12において、噴出ボタン14が、ネジキャップ13のボタン挿通孔13aにはまり込んで回転不能に保持されている。
【0053】
噴出ボタン14が、例えば図9(A)で示すような横断面が四角形の立体形状や、(B)で示すような横断面が楕円形状に近い立体形状や、(C)で示すような横断面が三角形の立体形状などに形成されて、それぞれネジキャップ13の四角形、楕円形、三角形のボタン挿通孔13aにはまり込んで回転不能に保持されている。
【0054】
このようにすると、噴出ボタン14が軸まわりに回転することを防止して容器に対する噴出ボタンの噴出方向を一定とし、噴出ボタン14からの噴出方向がすぐに判るようにした噴出装置を提供することができる。デザインバリエーションも増えて、奇抜さを増すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の第1例である噴出ボタンを備える噴出器の上部斜視図である。
【図2】この発明の第2例である噴出ボタンを備える噴出器の上部斜視図である。
【図3】この発明の第3例である噴出ボタンを備える噴出器の上部斜視図である。
【図4】この発明の第4例である噴出ボタンを備えるポンプ式噴出器の上部縦断面図である。
【図5】この発明の第5例である噴出ボタンを備えるエアゾール式噴出器の上部縦断面図である。
【図6】この発明の第6例である噴出ボタンを備える噴出器の上部斜視図である。
【図7】この発明の第7例である噴出ボタンを備える噴出器の上部斜視図である。
【図8】その噴出ボタンの部分破断図である。
【図9】(A)〜(C)は、それぞれこの発明の第8例である噴出装置の噴出ボタンとネジキャップの組合わせを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
10 容器
10a 口部
12 噴出装置
13 ネジキャップ
14 噴出ボタン
14a ステム嵌合部
14b 噴出通路
14c 指先挿入部
15 噴出口
16 ステム
17 ピストン
18 ポンプ室
19 吐出弁
20 ノズル部材
21 スプリング
22 吸入弁
23 マウンテンカップ
24 弾性弁
26 噴出口位置を示す表示
27 噴出口を有する部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に噴出口が、内部にその噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、
外形が、前記噴出口位置を示す形状に形成されていることを特徴とする噴出装置の噴出ボタン。
【請求項2】
周面に噴出口が、内部にその噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、
前記噴出口位置の背面に、指先挿入部が形成されていることを特徴とする噴出装置の噴出ボタン。
【請求項3】
周面に噴出口が、内部にその噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、
二色成形を行い、前記噴出口位置を示す表示が発光性材料を用いて表面に形成されていることを特徴とする噴出装置の噴出ボタン。
【請求項4】
周面に噴出口が、内部にその噴出口へと通ずる噴出通路が形成されている噴出装置の噴出ボタンにおいて、
二色成形を用いて、前記噴出口を有する部分が他の部分と識別して形成されていることを特徴とする噴出装置の噴出ボタン。
【請求項5】
前記噴出口位置が、発光性材料により他の部分と識別して形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の噴出装置の噴出ボタン。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1に記載の噴出ボタンが取り付けられていることを特徴とする噴出装置。
【請求項7】
ネジキャップをねじ付けて容器の口部に取り付けられ、噴出ボタンを操作してステムを押し込むことにより、容器の内容物が前記ステムを通して前記噴出ボタンの噴出通路に導かれ、その噴出ボタンの噴出口から外部に向けて噴出される噴出装置において、
前記噴出ボタンが、前記ネジキャップのボタン挿通孔にはまり込んで回転不能に保持されていることを特徴とする噴出装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられ、前記噴出ボタンが操作されることにより、容器の内容物がいったんポンプ室に汲み上げられ、その汲み上げた内容物が前記噴出ボタンの噴出口から外部に向けて噴出されることを特徴とするポンプ式噴出器。
【請求項9】
請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられ、前記噴出ボタンが操作されることにより、弾性弁が開かれて、容器の内容物が噴出剤の圧力により前記噴出ボタンの噴出口から外部に向けて噴出されることを特徴とするエアゾール式噴出器。
【請求項10】
請求項6または7に記載の噴出装置が容器の口部に取り付けられ、容器を押しつぶすことにより、容器の内容物が前記噴出ボタンの噴出口から外部に向けて噴出されることを特徴とする押し出し式噴出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−47295(P2010−47295A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214045(P2008−214045)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】